説明

電動機又は機械的駆動部材によって駆動される搭載ローラに2箇所において搭載される複数の継目なしベルト部材を有する改良された自動洗車システム用洗浄ブラシ

【課題】従来の回転洗浄ブラシは、自動車本体表面を洗浄するために長手方向に駆動されるため、自動車本体の限られた部分にしか密着しないという欠点がある。更に、従来の洗浄ブラシは、自動車の側面、ボンネット、並びに自動車のガラス部材を洗浄するために、縦向き又は横向きに配置された各支持ローラにより回転支持されている。また、洗浄時間がかなり長く、消費電力が大きい。これらの欠点を解決する。
【解決手段】自動洗車システム用ブラシであって、洗浄ブラシ1は、1つ又は複数の電動機又は機械的駆動手段によって駆動される搭載ローラにその2箇所の端部において搭載される複数の継目なしベルト部材2を備え、2箇所における直線並進運動及び部分的な回転運動を含む直線運動パターンを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は改良された自動洗車システム用洗浄ブラシに関し、従来の洗浄ブラシとは異なり、1つ又は複数の電動機によって回転駆動される2つ以上のローラを有し、長手方向に駆動され、2箇所における長手方向への並進運動及び2箇所における部分的な回転運動を行うための継目なしベルト部材を支持する、改良された自動洗車システム用洗浄ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の洗車システムは、複数の洗浄ブラシを備え、回転ブラシ中央のローラの遠心力により駆動されるブラシの毛を車両本体に接触させることが知られている。
【0003】
従来の回転洗浄ブラシは、自動車本体表面を洗浄するために長手方向に駆動されるため、自動車本体の限られた部分にしか密着しないという欠点がある。
【0004】
更に、従来の洗浄ブラシは、自動車の側面、ボンネット、並びに自動車のガラス部材を洗浄するために、縦向き又は横向きに配置された各支持ローラにより回転支持されている。
【0005】
上記した従来の洗浄ブラシは概ね満足のいくものであるが、洗浄時間がかなり長く、消費電力が大きい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の主な目的は、従来の自動車洗浄ブラシの上記欠点を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの態様によると、上記目的並びにこれからより明確になるその他の目的は、改良された自動洗車システム用洗浄ブラシであって、前記洗浄ブラシは、1つ又は複数の電動機又は機械的駆動手段によって駆動される搭載ローラにその2箇所の端部において搭載される複数の継目なしベルト部材を備え、2箇所における直線並進運動及び部分的な回転運動を含む直線運動パターンを実行することを特徴とする洗浄ブラシ、により達成される。
【0008】
本発明の更なる態様によると、本発明の洗浄ブラシは非常に幅広な有効洗浄面を有し、自動車本体の全面をしっかりと洗浄する。
【0009】
更に、本発明の洗浄ブラシに加えられる引張力は、中央ローラに対して、及び伝達ローラにその2箇所の側面端部において搭載されるベルト部材に対して引張力を加える中央モータにより加えられてもよい。
【0010】
伝達ローラは長手軸に沿って完全に位置合わせされるか、又は、中央ローラの位置が、他のローラに対して外れていてもよい。
【0011】
このように、本発明の直線状のブラシの毛は、洗浄される車両本体の非常に広い面に対して作用する。
【0012】
より詳細には、本発明のブラシにおいて、互いに隣接して配置された複数のベルト部材は、ベルト部材に固定された洗浄ブラシの毛を備えており、ブラシの毛が消耗した時にベルト部材を手早く簡単に交換できる。
【0013】
ブラシの毛は、独立気泡発泡プラスチック材から成るシート部材を折り畳み、又は折り返して、長手方向に部分的に切込みを入れることにより構成されることが好ましく、少ない消費電力かつ速い洗浄速度で、自動車の側面、フロント、リア及び上面を効率よく洗浄するよう構成された、柔軟なブラシの毛部材を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明による自動洗車システムの直線状の洗浄ブラシの上記及びその他の特徴は、以下に記載する添付図面を参考にして、下記の発明を実施するための形態によってより明確になるものである。
【図1】図1は洗車システムを示す概略図であり、本発明による、ベルト部材から成る複数の直線状の洗浄ブラシを有するものである。
【図2】図2は、独立気泡発泡プラスチック材から成るシートを折り返し、旗状又は帯状部材とし、その端部に長手方向に切込みを入れることにより形成されるブラシの毛を旗状又は帯状部材の端部に有する、洗浄用ベルト部材を概略的に示すものである。
【図3】図3は洗浄用ベルト部材の1つを示す側面−正面斜視図である。
【図4】図4は、直線状に延在するベルトを含む2つの洗浄ブラシ、及び自動車の側面を幅広く洗浄するための2つの垂直軸を示す平面図である。
【図5】図5は本発明による直線状の洗浄ブラシを示す側面図であり、洗浄ブラシの毛を含む各バンド部材を支持すると共に、ベルト部材の部分的な回転運動を含むほぼ直線の運動で駆動される、複数の洗浄用ベルトを示すものである。 図5は、本発明によるベルト部材から成る洗浄ブラシの、幅広の洗浄面を示すものである。
【図6】図6は洗車システムの正面部分を示すものであり、支持用ピストン又はアームを有し、それにより、自動車本体表面が大きな出っ張り形状や複雑な形状を有していても、洗浄ブラシを本体側面に接触するよう駆動することができる洗浄ブラシを有する。
【図7】図7は図6に示すものと同様の側面洗浄ブラシを示すものであるが、より傾斜角度が大きいため、洗浄される自動車の形状により適応するものである。
【図8】図8は洗浄作業の最後に自動車の水分を拭き取るための、フェルト材によって覆われた2つの補助ローラを示すものであり、水分の拭取り作業は、フェルト材から成るブラシの毛を使用した本発明の直線状のブラシによって行われてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書では、上記にて開示した図面を参照して、一般の自動車を洗浄するために使用される改良された洗浄ブラシ1を示す。本発明の主要な態様によると、洗浄ブラシ1は、複数の帯状又は旗状部材3を有する複数のベルト部材2を備え、複数の帯状又は旗状部材3のそれぞれは、その領域5において、複数の洗浄ブラシの毛7を画定する複数の長手方向の切込み6を含む、独立気泡発泡プラスチック材を折り返したシートから成ることが好ましい。
【0016】
ブラシの毛7は、各帯状又は旗状部材3の端部に形成され、より高い剛性をもつ折り返した根元部分4及び、細片に分割されより柔軟なブラシの毛7を有する先端領域5を備える。
【0017】
更に、本発明の上記ベルト部材2を含む直線状の洗浄ブラシは、ベルト2が、2つの反対の方向に向かうほぼ直線の軌道を進むよう設計されているという点に留意する必要がある。
【0018】
2箇所の短い端部において、ベルト2は部分的な回転運動を行い、洗浄水や自動車本体から除去された汚れがあればその汚れを外側に排出する。
【0019】
既に述べたように、本発明の洗浄ブラシはベルト部材2を備え、ベルト部材2はその端部においてフラットローラ8に搭載される。フラットローラ8は複数の搭載用歯状部材を有し、上記ベルト部材の表面上の対応する歯状部材とそれぞれ係合する。
【0020】
図6及び7を参照すると、洗車システムの正面部分を示すものであり、洗浄ブラシ1は複数の支持用ピストン又はアーム10を有し、それにより、自動車本体が出っ張りやカーブ形状を有していても、洗浄ブラシを本体に接触及び密着させることができる。
【0021】
図6及び7は、油圧又は空気圧シリンダに支持され、中央軸を中心に回動するため曲がった線状軌道を進む洗浄ブラシ1を示す。洗浄ブラシ1は自動車本体の表面に完全に密着するよう揺動する。
【0022】
本発明の直線状の洗浄ブラシ1を、実施形態を参考にこれまで開示してきたが、開示された実施形態は、その他の変更例や変形例でも実施可能であり、それらは全て本発明の範囲に包含されることは明らかである。
【0023】
特に、洗浄ブラシのベルトが、断面円形形状のワイヤから成るブラシの毛を支持するようにしてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
改良された自動洗車システム用洗浄ブラシであって、
前記洗浄ブラシは、1つ又は複数の電動機又は機械的駆動手段によって駆動される搭載ローラにその2箇所の端部において搭載される複数の継目なしベルト部材を備え、2箇所における直線並進運動及び部分的な回転運動を含む直線運動パターンを実行することを特徴とする洗浄ブラシ。
【請求項2】
請求項1に記載の洗浄ブラシであって、
前記継目なしベルト部材は、複数の引張りローラのうち少なくとも1つを駆動する1つ又は複数の駆動電動機又は機械的部材によって回転駆動される2つ以上のローラに搭載されることを特徴とする洗浄ブラシ。
【請求項3】
請求項1に記載の洗浄ブラシであって、
前記ローラは前記ベルトに張力をかけるよう作用し、それらを組み立てた状態が前記自動洗車システム用ブラシを成すことを特徴とする洗浄ブラシ。
【請求項4】
請求項1に記載の洗浄ブラシであって、
前記ブラシベルト部材に加えられた張力は、張力モータから、それぞれが搭載伝達ローラにその2箇所の側面端部において搭載される複数の前記ベルト部材に張力をかける中央ローラに伝達されることを特徴とする洗浄ブラシ。
【請求項5】
請求項4に記載の洗浄ブラシであって、
前記伝達ローラは長手軸に沿って互いに位置合わせされるか、又は、他方のローラ又は中央ローラの軸に対して位置合わせされないことを特徴とする洗浄ブラシ。
【請求項6】
請求項1に記載の洗浄ブラシであって、
前記ベルト部材は互いに隣接するよう配置され、適切な何れかの連結手段により前記ベルト部材にそれぞれ一定の距離を離して連結されたブラシの毛を備えることにより、かなり幅広の洗浄ブラシを提供し、前記ブラシの毛が消耗した時などの必要な時に、前記ベルトを簡単に交換できるよう構成されていることを特徴とする洗浄ブラシ。
【請求項7】
請求項1に記載の洗浄ブラシであって、
前記洗浄ブラシは複数の独立気泡発泡プラスチック材から成るシート部材を備え、前記シート部材を折り返し、切込みを入れることにより、柔軟なブラシの毛を提供し、より少ない消費電力かつより速い洗浄速度で、自動車のフロント、リア及び上部を非常に効率よく洗浄することを特徴とする洗浄ブラシ。
【請求項8】
請求項1に記載の洗浄ブラシであって、
前記ベルト部材は、その端部に長手方向に切込みを入れることにより形成される複数のブラシの毛をそれぞれその端部に有する、複数の独立気泡発泡プラスチック材を折り返した旗状部材を支持することを特徴とする洗浄ブラシ。
【請求項9】
請求項8に記載の洗浄ブラシであって、
前記旗状部材のそれぞれは、その取付け領域において長手方向に折り返された部分を設け、取付けベース及び中間領域における剛性を向上させることにより、前記洗浄ブラシが回転駆動される際に、前記旗状部材のそれぞれがより高い安定性を有することを特徴とする洗浄ブラシ。
【請求項10】
請求項1に記載の洗浄ブラシであって、
前記ブラシの毛がフェルト、布地、及び非発泡プラスチック材から成ることを特徴とする洗浄ブラシ。
【請求項11】
請求項1に記載の洗浄ブラシであって、
前記洗浄ブラシは直線パターンを有する洗浄ブラシであって、前記ベルト部材は2つの反対の方向に向かうほぼ直線の軌道を進み、2箇所の短い端部において、部分的な回転運動を行い、洗浄水や自動車本体から除去された汚れがあればその汚れを外側に排出することを特徴とする洗浄ブラシ。
【請求項12】
請求項1に記載の洗浄ブラシであって、
前記搭載ローラは完全にフラットであるか、又は、複数の搭載用歯状部材を有し、上記ベルト部材のそれぞれの表面に形成された対応する歯状部材と係合することを特徴とする洗浄ブラシ。
【請求項13】
請求項1に記載の洗浄ブラシであって、
前記ベルト部材のブラシの毛の断面形状が細線状又は円形形状であり、PVC材又はその他プラスチック及び非発泡材から成ることを特徴とする洗浄ブラシ。
【請求項14】
請求項1に記載の改良された洗浄ブラシであって、
前記洗浄ブラシは複数の支持用ピストン又はアーム部材を備え、自動車本体が出っ張りやカーブ形状を有していても、前記洗浄ブラシを前記自動車本体に当接させることを特徴とする改良された洗浄ブラシ。
【請求項15】
請求項1に記載の改良された洗浄ブラシであって、
前記ブラシの毛は、残っている水分を吸収するためのフェルト材によって覆われた補助回転ブラシ機構と共に、洗浄された自動車の水分を拭き取るためのフェルトのブラシの毛であることを特徴とする改良された洗浄ブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−22461(P2013−22461A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−159080(P2012−159080)
【出願日】平成24年7月17日(2012.7.17)
【出願人】(509066525)ファヴァグロッサ エドアルド エス.アール.エル. (3)
【Fターム(参考)】