説明

電動機

【課題】回転角度検出センサを筐体の内部に備える電動機において、回転角度検出センサからの出力を取り出すためのケーブルを筐体の外部に引き出す作業を簡易化することと、回転角度検出センサの固定及び回転角度検出センサを配置した空間の密封に用いる部材に求められる精度を抑えることとの少なくとも1つを実現すること。
【解決手段】電動機1は、筐体6の内部に、シャフト8の回転角度を検出するレゾルバ50を備えている。レゾルバ50は、シャフト8の一方の端部側に取り付けられている。レゾルバ50は、レゾルバ押さえ40によって第2フランジ63に押し付けられて、固定される。レゾルバ押さえ40は、内部に冷却媒体導入通路41を有しており、第2冷却媒体分配通路655からの冷却媒体をシャフト8の軸方向通路811へ供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体内にシャフトの回転角度検出センサを備える電動機に関する。
【背景技術】
【0002】
電動機は様々な用途に用いられる。例えば、特許文献1には、油等の冷却媒体によって、ローター及びステーターが冷却される電動機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−020337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電動機は、ローターが取り付けられるシャフトの回転角度をレゾルバ等の回転角度検出センサによって検出し、制御に用いる。回転角度検出センサは、一般に電動機の筐体内に取り付けられるため、電動機の組み立て時においては、回転角度検出センサからの出力を取り出すためのケーブルを筐体の外部に引き出す作業に手間を要することがある。また、回転角度検出センサを筐体内に固定するとともに、回転角度検出センサを配置した空間を密封する場合、両方の機能を1つの部材で両立させようとすると、前記部材の精度の確保が困難である。本発明は、回転角度検出センサを筐体の内部に備える電動機において、回転角度検出センサからの出力を取り出すためのケーブルを筐体の外部に引き出す作業を簡易化することと、回転角度検出センサの固定及び回転角度検出センサを配置した空間の密封に用いる部材に求められる精度を抑えることとの少なくとも1つを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ローターが取り付けられるとともに、冷却媒体が通過する内部冷却媒体通路を内部に有するシャフトと、前記シャフトを内部に配置し、かつ回転可能に支持する筐体と、前記シャフトの一方の端部側における前記筐体の内部に設けられて、前記内部冷却媒体通路に前記冷却媒体を供給する冷却媒体供給部と、前記シャフトの前記一方の端部側に取り付けられて、前記シャフトの回転角度を検出する回転角度検出センサと、内部に前記冷却媒体供給部から供給される前記冷却媒体を通過させる貫通孔を有し、前記冷却媒体供給部と前記シャフトの前記一方の端部との間に介在して、前記冷却媒体を前記冷却媒体通路に導くとともに、前記回転角度検出センサを前記シャフトの前記一方の端部側から押さえ付ける押さえ部材と、前記回転角度検出センサの出力を取り出すための信号ケーブルの一端部と電気的に接続された端子を保持するとともに、前記筐体に取り付けられるコネクタと、を含むことを特徴とする電動機である。
【0006】
本発明において、前記冷却媒体供給部が設けられる筐体は、前記押さえ部材が嵌め込まれる凹部を有することが好ましい。
【0007】
本発明において、前記押さえ部材は、前記凹部に嵌め込まれるとともに、前記回転角度検出センサを押さえる側とは反対側の端面と前記凹部との間に空間を有することが好ましい。
【0008】
本発明において、前記押さえ部材は、板状の部材によって前記筐体に固定されることが好ましい。
【0009】
本発明において、前記コネクタが保持する前記端子は、前記シャフトの回転中心軸と直交する方向に引き出されることが好ましい。
【0010】
本発明は、建設機械の上部旋回体を回転駆動する電動機であって、ローターが取り付けられるとともに、冷却媒体が通過する内部冷却媒体通路を内部に有するシャフトと、前記シャフトを内部に配置し、かつ回転可能に支持する筐体と、前記シャフトの一方の端部側における前記筐体の内部に設けられ、かつ上方に配置されて、前記内部冷却媒体通路に前記冷却媒体を供給する冷却媒体供給部と、前記シャフトの前記一方の端部側に取り付けられて、前記シャフトの回転角度を検出する回転角度検出センサと、内部に前記冷却媒体供給部から供給される前記冷却媒体を通過させる貫通孔を有し、前記冷却媒体供給部と前記シャフトの前記一方の端部との間に介在して、前記冷却媒体を前記冷却媒体通路に導くとともに、前記回転角度検出センサを前記シャフトの前記一方の端部側から押さえ付ける押さえ部材と、前記押さえ部材を前記筐体に固定する板状の固定部材と、前記回転角度検出センサの出力を取り出すための信号ケーブルの一端部と電気的に接続された端子を保持するとともに、前記筐体に取り付けられて、前記シャフトの回転中心軸と直交する方向に前記端子を引き出すコネクタと、前記冷却媒体供給部が設けられる筐体に設けられて前記押さえ部材の一部を嵌め込む凹部と、前記凹部と前記押さえ部材との間及び前記押さえ部材と前記シャフトとの間にそれぞれ設けられるシール部材と、を含むことを特徴とする電動機である。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、回転角度検出センサを筐体の内部に備える電動機において、回転角度検出センサからの出力を取り出すためのケーブルを筐体の外部に引き出す作業を簡易化することと、回転角度検出センサの固定及び回転角度検出センサを配置した空間の密封に用いる部材に求められる精度を抑えることとの少なくとも1つを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、旋回用の電動機に本実施形態に係る電動機を用いたハイブリッド油圧ショベルを示す平面図である。
【図2】図2は、本実施形態に係る電動機を示す正面図である。
【図3】図3は、本実施形態に係る電動機の平面図である。
【図4】図4は、図3のV−V矢視図である。
【図5】図5は、図2のVI−VI矢視図である。
【図6】図6は、本実施形態に係る電動機の冷却構造を示す模式図である。
【図7】図7は、本実施形態に係る回転角度検出センサの保持構造を示す拡大断面図である。
【図8】図8は、レゾルバ押さえの斜視図である。
【図9】図9は、レゾルバ押さえの斜視図である。
【図10】図10は、本実施形態に係る電動機が有する筐体の凸部の内部を示す平面図である。
【図11】図11は、レゾルバ押さえを凹部(回転角度検出センサ保持部)に固定する構造を示す図である。
【図12】図12は、コネクタをフランジ凸部に取り付ける際の他の例を示す図である。
【図13】図13は、本実施形態の変形例に係る回転角度検出センサの保持構造を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0014】
<ハイブリッド油圧ショベル>
図1は、旋回用の電動機に本実施形態に係る電動機を用いたハイブリッド油圧ショベルを示す平面図である。ハイブリッド油圧ショベル10は、下部走行体をなす左右一対の履帯11と、上部旋回体12と、下部走行体と上部旋回体12とを連結するスイングサークル13と、旋回モータとして機能する電動機1と、スイングピニオン1Aと、ブーム14、アーム15及びバケット16を含むとともに上部旋回体12に取り付けられた作業機17とを有する。
【0015】
左右一対の履帯11は、右走行油圧モータと左走行油圧モータとにより駆動されて、ハイブリッド油圧ショベル10を走行させる。上部旋回体12は、旋回モータとして機能する電動機1により旋回する。上部旋回体12にはスイングサークル13のアウターレースが固定されており、下部走行体にはスイングサークル13のインナーレースが固定されている。このような構造によって、スイングサークル13は上部旋回体12と下部走行体とを連結する。電動機1は、縦置き、すなわち、ハイブリッド油圧ショベル10を水平面に設置した場合において、電動機1の入出力シャフトが重力の作用する方向に向かうように設置される。電動機1の入出力シャフトは、減速機構を備えたスイングマシナリを介してスイングピニオン1Aと連結している。スイングピニオン1Aは、スイングサークル13のインナーレースに取り付けられた内歯に噛み合っている。電動機1の駆動力は、前記スイングマシナリを介してスイングピニオン1Aに伝達されて、上部旋回体12を旋回させる。ブーム14、アーム15及びバケット16は、図示しない油圧ポンプから圧送される作動油によって、コントロールバルブを介して各々ブーム14用、アーム15用、バケット16用の油圧シリンダによって駆動されて、掘削等の作業を実行する。
【0016】
このハイブリッド油圧ショベル10は、内燃機関で発電機及び油圧ポンプを駆動するとともに、発電機の電力で図示しないインバータを介して電動機1を駆動して、上部旋回体12を旋回させる。さらに、ハイブリッド油圧ショベル10は、電動機1を発電機として用いて、上部旋回体12を停止させる際に必要な制動力を発生させるとともに、前記制動力によって電動機1が発電した電力を、キャパシタ又は二次電池等の蓄電装置に蓄える。このように、ハイブリッド油圧ショベル10は、いわゆるハイブリッド方式の建設車両である。本実施形態においては、電動機1を建設車両の一種であるハイブリッド油圧ショベル10の旋回モータとして用いた例を説明するが、電動機1の適用対象はこれに限定されるものではない。なお、ハイブリッド油圧ショベル10は、内燃機関を有さない方式、すなわち、蓄電装置の電力で駆動される方式であってもよい。次に、電動機1の構造を説明する。
【0017】
<電動機の構造>
図2は、本実施形態に係る電動機を示す正面図である。図3は、本実施形態に係る電動機の平面図である。図4は、図3のV−V矢視図である。図5は、図2のVI−VI矢視図である。図2に示すように、電動機1は、筒型形状の筐体6の内部に入出力軸としてのシャフト8と、シャフト8に取り付けられたローターコア82と、ローターコア82の外周部に配置されたステーター9とを有する。すなわち、電動機1は、筒型形状の筐体6内にローターコア82が取り付けられるシャフト8が配置される構造である。シャフト8は、両側に軸受7A、7Bが取り付けられており、軸受7A、7Bを介して筐体6に回転可能に支持される。
【0018】
筐体6は、筒型の部材である筐体胴61と、筐体胴61の一方の端部(シャフト8の入出力側における端部)に取り付けられる端部側部材としての第1フランジ62と、筐体胴61の他方の端部に取り付けられる円板形状の第2フランジ63と、を有する。後述するように、第2フランジ63は、フランジ凸部64と、蓋65とを有するが、フランジ凸部64及び蓋65も、筐体6の一部である。
【0019】
筐体胴61と、第1フランジ62と、第2フランジ63とで囲まれる空間が、筐体6の内部になる。第1フランジ62は、電動機1が使用される状態において、下方(重力の作用する方向側であり、図2、図5においては矢印Gで示す方向側)に配置される。例えば、電動機1が図1に示すハイブリッド油圧ショベル10に搭載される場合、ハイブリッド油圧ショベル10が水平面に接地している状態を電動機1が使用される状態であるとして、その状態において下方となる位置に第1フランジ62が配置される。
【0020】
筐体胴61は、内周面が円筒形状の部材である。筐体胴61は、電動機1を冷却する水を、ウォータージャケット612に導入するための冷却水導入口613と、前記ウォータージャケットから前記冷却水を排出するための冷却水排出口614とを有する。なお、水以外の液体、例えば、油等をウォータージャケット612に導入して電動機1を冷却してもよい。
【0021】
電動機1は、例えば、油等の冷却媒体によってシャフト8及びステーター9等が冷却される。第1フランジ62は、円板形状の部材である。第1第1フランジ62は、電動機1の運転中において、筐体6の内部から冷却媒体を排出して、冷却媒体を吸引して吐出するポンプへ導くための冷却媒体排出口621を有している。また、第1フランジ62は、電動機1を保守・点検する際に、筐体6内の冷却媒体を抜き取るためのドレーン口622を有している。第1フランジ62は、筐体6の一方の端部に配置されるとともに、シャフト8が貫通している。第1フランジ62から貫通したシャフト8に、動力伝達用のジョイント又は減速機の入力シャフト等が取り付けられる。本実施形態において、第1フランジ62は筐体胴61と別部材であるが、第1フランジ62と筐体胴61とを同一の部材としてもよい。
【0022】
第2フランジ63は、電動機1が使用される状態において、上方、すなわち、重力が作用する方向とは反対側に配置される。第2フランジ63は、フランジ凸部64と、蓋65とを有する。蓋65は、冷却媒体入口651を有する。冷却媒体入口651は、前記ポンプから吐出された冷却媒体を筐体6の内部に導入するためのものである。次に、電動機1の内部構造について説明する。
【0023】
<電動機の内部構造>
図4に示すように、シャフト8の一端部側に取り付けられた軸受7Aは第1フランジ62に取り付けられ、シャフト8の他端部側に取り付けられた軸受7Bは第2フランジ63に取り付けられる。このような構造により、シャフト8は、両側に設けられた2つの軸受7A、7Bによって筐体6(より具体的には、筐体胴61、第1フランジ62及び第2フランジ63)に回転可能に支持されて、回転中心軸Zrを中心として回転する。回転中心軸Zrは、シャフト8の中心軸である。
【0024】
シャフト8の外周部に取り付けられるローターコア82は、複数の鋼板(電磁鋼板)を積層した構造体である。ローターコア82は、前記鋼板が積層された方向(積層方向)の両側から、バランスプレート83、84によって挟持される。バランスプレート83、84は、ローターコア82を構成する複数の鋼板が分離しないように、シャフト8に取り付けられて、前記複数の鋼板に圧縮力を与えている。第1フランジ62側のバランスプレート84は、第1フランジ62側、すなわち、電動機1のシャフト8の入出力側に配置される。
【0025】
ローターコア82の外周部には、筐体6の筐体胴61の内周部に取り付けられたステーター9が配置される。ステーター9は、ステーターコア91にコイル92が巻き付けられた構造体である。コイル92のステーターコア91から突出した部分が、コイルエンドである。ステーターコア91は、複数の鋼板(電磁鋼板)を積層した構造体である。
【0026】
シャフト8は、回転中心軸Zrに沿って延在する軸方向通路811と、軸方向通路811からシャフト8の径方向外側に向かって延在してシャフト8の表面に開口する複数の径方向通路812とを有する。軸方向通路811と径方向通路812とが、内部冷却媒体通路としてのシャフト内冷却媒体通路813となる。バランスプレート84は、ローターコア82と接する側に凹部841を有する。ローターコア82は、複数の鋼板の積層方向、すなわちシャフト8の回転中心軸Zrと平行な方向に向かってローターコア82を貫通するローターコア貫通孔821を有する。また、ローターコア82は、図示しない複数の永久磁石を有する。第2フランジ63側のバランスプレート83は、シャフト8の回転中心軸Zrと平行な方向に向かうバランスプレート貫通孔831を有する。シャフト内冷却媒体通路813、凹部841、ローターコア貫通孔821及びバランスプレート貫通孔831は、それぞれ連通して冷却媒体が通過する通路となる。これらは、回転体であるシャフト8及びローターコア82に設けられて、冷却媒体を通過させるための回転体側冷却媒体通路となる。
【0027】
シャフト8の一方の端部側、より具体的には、第2フランジ63側の端部側における側周部には、シャフト8の回転角度を検出する回転角度検出センサとしてのレゾルバ50が取り付けられる。第2フランジ63側の端部には、軸方向通路811が開口している。すなわち、レゾルバ50は、シャフト8の側周部であって、軸方向通路811が開口している端部側に取り付けられる。
【0028】
第2フランジ63のフランジ凸部64は、凸部内空間641を有している。凸部内空間641には、押さえ部材としてのレゾルバ押さえ40が設けられる。レゾルバ押さえ40は、静止系である蓋65が有する冷却媒体供給部3から回転系であるシャフト8に冷却媒体を供給するための機能と、回転角度検出センサとしてのレゾルバ50を第2フランジ63に設けられたフランジ凸部64へ押さえ付けて固定する機能と、を有する。レゾルバ押さえ40は、内部を貫通する冷却媒体導入通路41を有している。冷却媒体導入通路41は、シャフト8の軸方向通路811の開口部と対向しており、軸方向通路811に冷却媒体を導入する。また、フランジ凸部64は、軸受7Bに冷却媒体を供給する軸受側通路643を有する。軸受7Bは、軸受側通路643から冷却媒体が供給される。また、フランジ凸部64は、レゾルバ50の出力を取り出すためのケーブルを保持するコネクタ55が取り付けられている。
【0029】
蓋65は、フランジ凸部64の開口部に取り付けられて、フランジ凸部64が有する凸部内空間641を塞ぐ。また、蓋65は、冷却媒体供給部3を有する。より具体的には、冷却媒体供給部3は、筐体6を構成する蓋65の内部に設けられる。蓋65は、上方(鉛直方向とは反対側)に配置されるので、冷却媒体供給部3も上方に配置される。冷却媒体供給部3は、後述する軸受用通路23及びローター用通路28を有する。冷却媒体供給部3は、静止系である蓋65に取り付けられている冷却媒体入口651から冷却媒体を導入し、この冷却媒体を、回転系であるシャフト8が有するシャフト内冷却媒体通路813にローター用通路28を介して供給する。このように、冷却媒体供給部3は、静止系から回転系へ冷却媒体を供給する。また、冷却媒体供給部3は、フランジ凸部64が有する軸受側通路643にも、冷却媒体入口651から導入された冷却媒体を、軸受用通路23を介して供給する。軸受側通路643に供給された冷却媒体は、軸受7Bに供給される。
【0030】
図5に示すように、フランジ凸部64に取り付けられる蓋65は、冷却媒体入口651からの冷却媒体を配分する第1冷却媒体分配通路653と、第2冷却媒体分配通路655と、第3冷却媒体分配通路656と、第4冷却媒体分配通路657とを有する。また、蓋65は、フィルター24を格納するフィルター格納部654と、リリーフ通路25と、リリーフ弁26とを有する。冷却媒体入口651は、第1冷却媒体分配通路653を介してフィルター格納部654とつながっている。
【0031】
第2冷却媒体分配通路655は、フィルター格納部654とつながっており、フィルター24を通過した冷却媒体の一部をレゾルバ押さえ40の冷却媒体導入通路41へ導入する。第2冷却媒体分配通路655と冷却媒体導入通路41とが、ローター用通路28に相当する。第3冷却媒体分配通路656は、フィルター格納部654とつながっており、フィルター24を通過し、冷却媒体導入通路41へ導入された冷却媒体の残りを、第4冷却媒体分配通路657に導入する。第3冷却媒体分配通路656と、第4冷却媒体分配通路657と、軸受側通路643とが、軸受用通路23に相当する。
【0032】
リリーフ通路25は、冷却媒体入口651とリリーフ弁26とを接続している。リリーフ弁26は、フィルター24をバイパスするように、リリーフ通路25と第2冷却媒体分配通路655及び第3冷却媒体分配通路656との間に介在する。リリーフ通路25内の冷却媒体の圧力がリリーフ弁26の開弁圧力を超えるとリリーフ弁26が開き、冷却媒体入口651からの冷却媒体を、フィルター24をバイパスして第2冷却媒体分配通路655及び第3冷却媒体分配通路656に流す。リリーフ弁26の開弁圧力は、例えば、フィルター24が目詰まりして交換が必要になったときにおけるリリーフ通路25内の圧力に設定することができる。このようにすれば、フィルター24が目詰まりして交換が必要になったときであっても、確実に軸受7B及びローターコア82等に冷却媒体を供給することができる。また、リリーフ弁26の開弁圧力を前述したように設定するとともに、リリーフ弁26が開いたことを報知する手段を用意しておけば、リリーフ弁26が開いたことによりフィルター24の交換時期を報知することができる。
【0033】
本実施形態において、蓋65が有する複数の冷却媒体の通路のうち、電動機1の回転中心軸Zrと直交する通路は、同一の平面内に配置されている。この場合、それぞれの通路の中心軸が同一の平面内に配置される。より具体的には、図5に示す第1冷却媒体分配通路653、フィルター格納部654、第3冷却媒体分配通路65、リリーフ通路25、リリーフ弁26とリリーフ通路とを接続する通路、第1冷却媒体分配通路653及び冷却媒体入口651とフィルター格納部654とを接続する通路等は、それぞれの中心軸が同一の平面内に配置される。
【0034】
電動機1の回転中心軸Zrと直交する蓋65内の通路は、例えば、水平方向から蓋65に穿孔されて形成されるが、前記通路を上述したように配置することで、蓋65に前記通路を加工する際に、効率的な段取りを選択しやすくなるとともに、効率的に加工することができる。すなわち、電動機1の回転中心軸Zrと直交する蓋65内の複数の通路を形成する場合、基準面から工具までの高さを一定にして、水平方向から蓋65の複数箇所に穿孔することができるので、穿孔時に工具の高さを変更する機会を最小限にすることができる。その結果、電動機1の回転中心軸Zrと直交する複数の通路を蓋65に形成する際の作業時間及び工具設定の手間を低減することができるので、生産性の向上及び製造コストの低減を実現することができる。
【0035】
フランジ凸部64、すなわち静止系に軸受用通路23を設けることにより、冷却媒体の供給は、ローターコア82の回転の影響を受けない。このため、シャフト8側から軸受7Bに油路を形成する場合と比較して、ローターコア82の回転にともなう冷却媒体の変動を抑制できる。その結果、軸受7Bへ適切な量の冷却媒体を供給することができる。次に、電動機1が備える冷却構造について説明する。
【0036】
<電動機の冷却構造>
図6は、本実施形態に係る電動機の冷却構造を示す模式図である。上述したように、電動機1は、冷却媒体CLによってシャフト8及びステーター9等が冷却されるとともに、冷却媒体CLで軸受7Bが潤滑される。電動機1の冷却構造2は、ポンプ21と、ポンプ用電動機5と、通路22と、軸受用通路23と、ローター用通路28と、油溜まり部39と、排出通路32と、フィルター24と、リリーフ通路25と、リリーフ弁26と、フィルター38とを含む。フィルター38とポンプ21との間には、冷却媒体CLを冷却する冷却器を設けてもよい。ポンプ21と、ポンプ用電動機5とは、ポンプ用電動機5の入出力軸5Aによって連結されている。ポンプ21の駆動手段は、ポンプ用電動機5以外であってもよく、例えば、図1に示すハイブリッド油圧ショベル10の動力発生源である内燃機関であってもよい。本実施形態において、フィルター24とフィルター38とは電動機1に内蔵されている。
【0037】
電動機1を冷却する場合、ポンプ用電動機5がポンプ21を駆動する。すると、ポンプ21は、排出通路32から冷却媒体CLを吸引し、通路22に吐出する。冷却媒体CLは、フィルター24を通過する過程で異物等が取り除かれて、軸受用通路23及びローター用通路28へ流入する。軸受用通路23へ流入した冷却媒体CLは、軸受7Bを冷却及び潤滑した後、油溜まり部39に集められる。ローター用通路28へ流入した冷却媒体CLは、電動機1のローターコア及びコイルを冷却した後、油溜まり部39に集められる。油溜まり部39とポンプ21の吸引口とは、途中にフィルター38が設けられた排出通路32で接続されている。油溜まり部39に集められた冷却媒体CLは、排出通路32を通過した後、フィルター38で異物が取り除かれて、再びポンプ21に吸引され、通路22へ吐出される。
【0038】
通路22は、ポンプ21の吐出口に接続されており、電動機1内でフィルター24の入口側とリリーフ通路25とに分岐する。フィルター24の出口側に設けられた冷却媒体を通過させる通路は、軸受用通路23と、ローター用通路28とに分岐する。軸受用通路23は、軸受7Bに冷却媒体を供給して、これを冷却及び潤滑する。ローター用通路28は、電動機1のローターに冷却媒体を供給し、これを冷却する。なお、冷却構造2は、軸受用通路23を必ずしも有する必要はない。ポンプ21の吐出口に接続されている通路22から分岐したリリーフ通路25は、リリーフ弁26の入口に接続される。リリーフ弁26の出口側は、フィルター24の出口側と接続される。
【0039】
冷却構造2は、例えば、フィルター24が目詰まりして、冷却媒体がフィルター24へ流れにくくなると、通路22及びリリーフ通路25の圧力が上昇する。リリーフ通路25内における冷却媒体の圧力がリリーフ弁26の開弁圧力を超えると、リリーフ弁26が開く。そして、リリーフ弁26は、フィルター24をバイパスして冷却媒体を軸受用通路23及びローター用通路28に流す。このようにして、冷却構造2は、フィルター24が目詰まり等した場合でも、リリーフ弁26が冷却媒体を軸受用通路23及びローター用通路28に流して、軸受7Bの冷却及び潤滑並びにローターコア等の冷却を維持することができる。次に、電動機1の冷却時における冷却媒体の流れを説明する。
【0040】
<冷却時における冷却媒体の流れ>
蓋65の冷却媒体入口651から供給され、フィルター24を通過した冷却媒体の一部は、ローター用通路28を通ってシャフト内冷却媒体通路813の軸方向通路811に流入する。この冷却媒体は、径方向通路812を通過してバランスプレート84の凹部841を通ってローターコア貫通孔821に流入する。冷却媒体は、ローターコア貫通孔821を通過する過程でローターコア82及び図示しない永久磁石を冷却した後、バランスプレート83のバランスプレート貫通孔831から流出する。ローターコア82が回転している場合、バランスプレート貫通孔831から流出した冷却媒体は、遠心力によりステーター9のコイルエンド(コイル92がステーターコア91から突出した部分)に供給される。この冷却媒体は、筐体6内を下方に流れる過程でステーター9を冷却して、第1フランジ62の筐体6の内部側に設けられた第1の排出口27に集められる。図4の符号OLは、油溜まり部39に溜まる冷却媒体の液面を示している。このように、油溜まり部39に溜まる冷却媒体の量は、図4に示すように、第1のフランジ側に向けて突出しているコイルエンドの一部が常に浸かる程度に冷却媒体排出口621からの排出量が調節されていて、前記コイルエンドを冷却するようになっている。
【0041】
蓋65の冷却媒体入口651から供給され、フィルター24を通過した冷却媒体のうち、ローター用通路28に流入しなかった冷却媒体は、軸受用通路23に流入して、軸受7Bに供給される。この冷却媒体は、軸受7Bを冷却及び潤滑した後、筐体6内を下方に流れる。その過程で、ローターコア82及び図示しない永久磁石と接してこれを冷却する。ローターコア82と接した冷却媒体の一部は、遠心力によりローターコア82の径方向外側のステーター9に供給されてこれを冷却する。ステーター9を冷却した冷却媒体は、筐体6内を下方に流れて、第1フランジ62の筐体6の内部側に設けられた油溜まり部39に集められる。
【0042】
油溜まり部39に集められた冷却媒体は、主に第1の排出口27を通って排出通路32へ流入した後、フィルター38へ導かれて異物等が除去されてから、第1フランジ62が有する冷却媒体排出口621から排出される。第1の排出口27を通過しなかった油溜まり部39の冷却媒体は、軸受7Aの内輪と外輪と転動体との間の空間を通って軸受外空間29へ流入した後、第2の排出口30を通過する。その結果、油溜まり部39に集められた冷却媒体は、軸受7Aを冷却し、潤滑する。第2の排出口30を通過した冷却媒体は、排出通路32に流入した後、フィルター38へ導かれて異物等が除去されてから、第1フランジ62が有する冷却媒体排出口621から排出される。
【0043】
このように、冷却媒体は、ローターコア82及びステーター9を冷却するとともに、軸受7A、7Bを冷却及び潤滑する。この他にも、上述したように、筐体6の筐体胴61が有するウォータージャケット612へ冷却水導入口613から冷却水が供給される。この冷却水は、筐体6を介して主にステーター9を冷却する。第1フランジ62と筐体胴61との間には、ウォータージャケット612を封止するための封止部材として、ガスケット35が設けられる。ガスケット35は、筐体胴61と第1フランジ62との間から筐体6の内部の冷却媒体が流出し、ウォータージャケット612に混入したり、筐体6の外部に流出したりすることを回避するためのオイルシールとしての機能も有する。次に、電動機1が有する筐体6の蓋65とフランジ凸部64との間に設けられた、回転角度検出センサの保持構造について説明する。
【0044】
<回転角度検出センサの保持構造>
図7は、本実施形態に係る回転角度検出センサの保持構造を示す拡大断面図である。図8、図9は、レゾルバ押さえの斜視図である。図10は、本実施形態に係る電動機が有する筐体の凸部の内部を示す平面図である。図11は、レゾルバ押さえを凹部(回転角度検出センサ保持部)に固定する構造を示す図である。図12は、コネクタをフランジ凸部に取り付ける際の他の例を示す図である。レゾルバ50は、回転系であるシャフト8に取り付けられるレゾルバローター50Rと、静止系である第2フランジ63に取り付けられるレゾルバステーター50Sとを含んでいる。レゾルバローター50Rは、シャフト8とともに回転する。したがって、レゾルバローター50Rは、シャフト8の回転中心軸Zrを中心として回転する。
【0045】
レゾルバ50のレゾルバステーター50Sは、第2フランジ63に設けられた凹部である回転角度検出センサ保持部642に嵌め込まれる。レゾルバローター50Rが取り付けられるシャフト8は、レゾルバローター50Rの内径よりも外径が大きくなる段部8Dを有しており、レゾルバローター50Rが段部8Dで係止される。このような構造により、レゾルバローター50Rは、レゾルバステーター50Sと対向する位置に配置される。レゾルバ50は、レゾルバ押さえ40によってシャフト8の一方の端部(軸方向通路811が開口する端面8Ta)側から第2フランジ63に押し付けられる。レゾルバ押さえ40は、板状の部材としての固定部材54によって、第2フランジ63に固定される。このようにして、レゾルバ50(より具体的にはレゾルバステーター50S)は、第2フランジ63に固定される。なお、固定部材54は、例えば、金属の板材を打ち抜き及び折り曲げ加工等することにより製造することができる。
【0046】
図7から図9に示すように、レゾルバ押さえ40は、円柱形状の胴部40Bと、胴部40Bの一方の端部に設けられて胴部40Bの径方向外側に向かって張り出す張出部40Fとを有する。また、胴部40Bは、他端部側、すなわち張出部40Fが設けられている端部とは反対の端部側に、周方向に延在する溝42を有する。図7に示すように、溝42にはシール部材としてのOリング53が設けられる。レゾルバ押さえ40は、例えば、アルミニウム合金で製造される。レゾルバ押さえ40は、蓋65とは別部材なので、蓋65の材料とは異なる材料で製造することもできる。このようにすることで、レゾルバ押さえ40に適切な材料を用いることができるとともに、レゾルバ押さえ40の精度を向上させることもできる。
【0047】
回転角度検出センサの保持構造(レゾルバ保持構造)4において、レゾルバ押さえ40の一端部側の端面、すなわち張出部40F側の端面40Tbは、レゾルバ50のレゾルバステーター50Sと接している。また、レゾルバ押さえ40の他端部側の端面、すなわち溝42側の端面40Taは、蓋65が有する凹部65Uに嵌め込まれて、凹部65Uと対向する。なお、蓋65は、筐体6において、図4に示す冷却媒体供給部3が設けられる部分である。レゾルバ押さえ40は、胴部40Bの端面40Taから張出部40Fに向かって、冷却媒体導入通路41が貫通している。
【0048】
図7、図9に示すように、レゾルバ押さえ40Fは、張出部40F側に凹部43を有している。凹部43は、平面視が円形であり、溝42側の端面40Ta側の内径が最も小さく、張出部40Fの端面40Tb側の内径が大きくなっている。凹部43の内径が変化する部分は段部40Dとなっている。図7に示すように、シャフト8がレゾルバ50のレゾルバローター50Rから突出した部分が、凹部43に差し込まれる。シャフト8とレゾルバ押さえ40の凹部43との間には、シール部材としてのオイルシール51が設けられる。凹部43に設けられたオイルシール51は、段部40Dに係止される。
【0049】
レゾルバ押さえ40の張出部40Fは、冷却媒体導入通路41の貫通方向と平行な方向から見た場合において、円の一部が1つの弦で切り取られた切欠部40Cを有している。図10、図11に示すように、張出部40Fに設けられた切欠部40Cは、回転角度検出センサ保持部642に向かって折り込まれた固定部材54の回り止め部54Tに係り合うことにより、回転中心軸Zrを中心としたレゾルバ押さえ40の回転が抑制される。なお、図11は、レゾルバ押さえ40の切欠部40Cからレゾルバ押さえ40、固定部材54及び回転角度検出センサ保持部642を見た状態を示している。
【0050】
フランジ凸部64は、第2フランジ62から突出した部分であり、内部に凸部内空間641を有している。図10に示すように、凸部内空間641は、図7に示す第2フランジ62から突出する4個の壁643A、643B、643C、643Dで囲まれた空間であり、開口部が蓋65で閉じられる。蓋65は、4個の壁643A、643B、643C、643Dの端面、すなわち、凸部内空間641の開口部側におけるフランジ凸部64の端面(凸部端面)64Tと接している。図7、図10に示すように、凸部端面64Tは、凸部内空間641の開口部を囲むように、4個の壁643A、643B、643C、643D全周に向かって延在する溝64Sを有する。図7に示すように、溝64Sには、シール部材としてのOリング52が取り付けられる。蓋65がフランジ凸部64に取り付けられると、Oリング52が凸部内空間641を封止する。
【0051】
レゾルバ押さえ40は、凸部内空間641内に配置され、かつ蓋65と第2フランジ62との間、より具体的には、蓋65の凹部65Uとフランジ凸部64の回転角度検出センサ保持部642との間に介在する。レゾルバ押さえ40は、回転角度検出センサ保持部642に取り付けられて、レゾルバ50を押さえ付けて第2フランジ63に固定すると、他端部側の端面、すなわち溝42側の端面40Taが、フランジ凸部64の凸部端面64Tよりも凸部内空間641の外側に突出する。突出したレゾルバ押さえ40は、蓋65の凹部65Uに嵌め込まれる。凹部65Uの深さは、凸部端面64Tから溝42側の端面40Taまでの寸法よりも大きくなっている。このため、凹部65Uに嵌め込まれたレゾルバ押さえ40の溝42側の端面40Taと、これに対向する凹部65Uの部分との間には、空間BSが形成される。空間BSは、例えば、昇温によりレゾルバ押さえ40が伸びた場合に、レゾルバ50と蓋65との接触を回避する。
【0052】
レゾルバ押さえ40がレゾルバ50を押さえ付けた後、図10に示すように、固定部材54の第1開口部54Haにレゾルバ押さえ40(より具体的にはレゾルバ押さえ40の胴部40B)を通して固定部材54をボルト57によって図7に示す第2フランジ63に固定する。このようにすることで、レゾルバ50(より具体的にはレゾルバステーター50S)は、レゾルバ押さえ40と固定部材54とを介して第2フランジ63に固定される。蓋65がフランジ凸部64に取り付けられると、蓋65の凹部65Uにレゾルバ押さえ40の端面40Taが嵌め込まれるが、凹部65Uとレゾルバ押さえ40との間には、空間BSが介在するため、蓋65からレゾルバ押さえ40を介してレゾルバ50に力が加わることが回避される。
【0053】
本実施形態において、レゾルバ保持構造4は、蓋65を用いずに、レゾルバ押さえ40及び固定部材54を用いてレゾルバ50を第2フランジ63へ固定して保持させる。すなわち、レゾルバ保持構造4は、蓋65からレゾルバ50を押さえて保持する機能(レゾルバ保持機能)を分離し、レゾルバ保持機能をレゾルバ押さえ40及び固定部材54に持たせている。そして、レゾルバ保持構造4は、蓋65に、凸部内空間641を密封する機能(凸部空間密封機能)を持たせている。レゾルバ保持機能と凸部空間密封機能とを1つの部材(例えば蓋65)が両立する場合、前記部材とレゾルバ50との位置との精度及び前記部材と凸部端面64Tとの位置との精度を高くしないと両方の機能を実現することは困難である。すなわち、1つの部材において2箇所の精度を高くしないと両方の機能を実現することは困難である。しかし、レゾルバ保持構造4は、レゾルバ保持機能と凸部空間密封機能とを異なる部材に担わせているので、1つの部材が両方の機能を有する必要はない。その結果、1つの部材において2箇所の精度を高くする必要はない。すなわち、回転角度検出センサとしてのレゾルバ50の固定及びレゾルバ50を配置した空間の密封に用いる部材に求められる精度を抑えることができるので、製造が容易になるという利点がある。
【0054】
蓋65の凹部65Uは、冷却媒体供給部3(図4参照)の一部である第2冷却媒体分配通路655が開口している。第2冷却媒体分配通路655の開口部は、凹部65Uに嵌め込まれるレゾルバ押さえ40が有する冷却媒体導入通路41の、端面40Ta側における開口部と対向している。冷却媒体導入通路41の張出部40F側における開口部は、シャフト8の端面8Ta側における軸方向通路811の開口部と対向している。蓋65の凹部65Uとレゾルバ押さえ40との間にはOリング53が介在しているので、両者の間からの冷却媒体の漏れが抑制される。また、レゾルバ押さえ40とシャフト8との間には、オイルシール51が介在しているので、両者の間からの冷却媒体の漏れが抑制される。
【0055】
このような構造により、レゾルバ保持構造4は、第2冷却媒体分配通路655から供給された冷却媒体を、レゾルバ押さえ4の冷却媒体導入通路41を介してシャフト8の軸方向通路811へ供給することができる。レゾルバ押さえ40は静止系に設けられており、シャフト8は回転系に設けられているので、レゾルバ保持構造4は、静止系から回転系へ冷却媒体を供給することができる。
【0056】
また、本実施形態においては、第2冷却媒体分配通路655を含む冷却媒体供給部3(図4参照)を有する蓋65と、冷却媒体導入通路41を有するレゾルバ押さえ40とを別部材としている。このような構造により、冷却媒体供給部3又は冷却媒体導入通路41に異物が混入して不具合等が発生した場合には、蓋65とレゾルバ押さえ40とを分解して、冷却媒体供給部3又は冷却媒体導入通路41を容易に掃除等することができる。このように、蓋65とレゾルバ押さえ40とを別部材とすることにより、冷却媒体の経路を短い単位に分解することができるので、冷却媒体の経路をメンテナンスしやすくなるという利点もある。
【0057】
本実施形態において、第2冷却媒体分配通路655の内径をD1とし、冷却媒体導入通路41の内径をD2とし、軸方向通路811の内径をD3とすると、D1=D2<D3の関係にあるが、これらの関係は上述したものに限定されない。例えば、冷却媒体導入通路41の内径D2<第2冷却媒体分配通路655の内径D1とすることにより、軸方向通路811に供給される冷却媒体の量を抑制することもできる。また、冷却媒体導入通路41は、例えば、ドリルによる穿孔加工により形成することができる。このため、仕様の異なる複数種類の電動機において、同一のレゾルバ押さえ40を用いるとともに、冷却媒体導入通路41の内径D2のみを異ならせて穿孔することによって、シャフト8への冷却媒体の供給量を調整することもできる。このようにすることで、部品の共通化を図ることもできる。
【0058】
蓋65の凹部65Uとレゾルバ押さえ40との間に形成される空間BSは、第2冷却媒体分配通路655から供給された冷却媒体を貯めて保持する機能を有する。このため、冷却媒体の供給系統に何らかの不具合が発生して、第2冷却媒体分配通路655からの冷却媒体の供給が一時的に途絶えた場合でも、空間BSに貯められた冷却媒体がシャフト8の軸方向通路811に供給されるので、電動機1のローター及びステーターの冷却を継続することができる。本実施形態では、第2冷却媒体分配通路655の開口部と冷却媒体導入通路41の開口部とは対向しているが、両者をオフセットして(両者の重なりを小さくする又は両者を重ねないで)配置することにより、第2冷却媒体分配通路655から流出した冷却媒体は、レゾルバ押さえ40の端面40Taに衝突してから冷却媒体導入通路41へ流入する。このようにすることで、第2冷却媒体分配通路655から流出した冷却媒体が空間BSに滞留する時間を長くすることができるので、より効率的に空間BSへ冷却媒体を貯めることができる。
【0059】
図10に示すように、レゾルバ50は、複数の端子(レゾルバ端子)50Tを有している。複数のレゾルバ端子50Tは、レゾルバ50に励磁信号を供給したり、レゾルバ50が検出したシャフト8の回転角度を取り出したりするものである。複数のレゾルバ端子50Tは、コネクタ55が有し、かつ保持している端子(コネクタ端子)55Tと信号ケーブル56によって電気的に接続される。すなわち、信号ケーブル56は、レゾルバ50の出力を取り出すためのものであり、一端部がコネクタ端子55Tと電気的に接続され、他端部がレゾルバ端子50Tと電気的に接続される。なお、信号ケーブル56は、レゾルバ50に励磁信号を供給する機能も有する。コネクタ55は、電動機1内の温度を検出するための温度センサ及びステーター9のコイル92に電力を供給する電源ケーブルの接触状態を検出するためのセンサ等、電動機1の状態を検出するための各種センサからの信号ケーブル56Sも接続されている。
【0060】
フランジ凸部64は、コネクタ55を取り付けるためのコネクタ取付孔64Hを有している。本実施形態では、図10に示す壁643Aに、コネクタ取付孔64Hが設けられている。コネクタ55は、フランジ凸部64の凸部内空間641側からシール部材55Sを挟んでコネクタ取付孔64Hに取り付けられる。また、図12に示すように、コネクタ55は、凸部内空間641の外側からシール部材55Sを挟んでコネクタ取付孔64Hに取り付けられてもよい。フランジ凸部64は、筐体6の一部であるので、コネクタ55は筐体6に取り付けられる。コネクタ取付孔64Hから現れたコネクタ55に、コネクタ55のコネクタ端子55Tと電気的に接続されるとともに、電動機1の制御装置に接続される外部のコネクタを接続する。このようにすることで、前記制御装置は、レゾルバ50の出力及びレゾルバ50の励磁をすることができる。
【0061】
本実施形態において、フランジ凸部64の凸部内空間641は、凸部内空間底部64B(第2フランジ63の蓋65側における表面)と蓋65との間の大きさ(凸部空間高さ)が、コネクタ55を取り付けるために十分な大きさとしてある。このようにすることで、本実施形態においては、フランジ凸部64の壁643Aにコネクタ55を取り付けるとともに、凸部内空間641内にコネクタ55の少なくとも一部を配置することができる。また、コネクタ端子55Tとレゾルバ端子50Tとを電気的に接続する信号ケーブル56を、凸部内空間641に格納することができる。
【0062】
レゾルバ端子50Tとコネクタ端子55Tとを信号ケーブル56で接続し、蓋65で凸部内空間641を封止する場合、本実施形態においては、次の方法が考えられる。
(1)信号ケーブル56の一端部にコネクタ端子55Tが電気的に接続され、他端部にレゾルバ端子50Tが電気的に接続されるとともに、コネクタ端子55Tがコネクタ55に保持されたレゾルバユニットを用意する。次に、レゾルバ50をフランジ凸部64に取り付けて固定するとともに、コネクタ55をフランジ凸部64のコネクタ取付孔64Hに、シール部材55Sを挟んで取り付ける。その後、蓋65をフランジ凸部64に取り付けて凸部内空間641を封止する。
(2)信号ケーブル56が電気的に接続されたコネクタ端子55Tを保持したコネクタ55を準備する。次に、信号ケーブル56のコネクタ端子55Tとは反対側の端部を、フランジ凸部64に取り付けられたレゾルバ50のレゾルバ端子50Tに、例えば、はんだ付け等で電気的に接続する。次に、コネクタ55をフランジ凸部64のコネクタ取付孔64Hに、シール部材55Sを挟んで凸部内空間641の内側から取り付ける。その後、蓋65をフランジ凸部64に取り付けて凸部内空間641を封止する。
(3)信号ケーブル56が電気的に接続されたコネクタ端子55Tを保持したコネクタ55を準備する。次に、コネクタ55をフランジ凸部64のコネクタ取付孔64Hに、シール部材55Sを挟んで取り付ける。この場合、コネクタ55は、凸部内空間641の内側から取り付ける。次に、信号ケーブル56のコネクタ端子55Tとは反対側の端部を、フランジ凸部64に取り付けられたレゾルバ50のレゾルバ端子50Tに、例えば、はんだ付け等で電気的に接続する。その後、蓋65をフランジ凸部64に取り付けて凸部内空間641を封止する。
(4)信号ケーブル56が電気的に接続されたコネクタ端子55Tを保持したコネクタ55を準備する。次に、コネクタ55をフランジ凸部64のコネクタ取付孔64Hに、凸部内空間641の外側からシール部材55Sを挟んで取り付ける。この場合、コネクタ取付孔64Hに信号ケーブル56を通してから、コネクタ55をコネクタ取付孔64Hに取り付ける。次に、信号ケーブル56のコネクタ端子55Tとは反対側の端部を、フランジ凸部64に取り付けられたレゾルバ50のレゾルバ端子50Tに、例えば、はんだ付け等で電気的に接続する。その後、蓋65をフランジ凸部64に取り付けて凸部内空間641を封止する。
【0063】
上記(1)の方法は、レゾルバ50とコネクタ55と信号ケーブル56とが接続されたレゾルバユニットを用意し、前記レゾルバユニットのレゾルバ50を凸部内空間641の所定位置に取り付けて第2フランジ63に固定するとともに、コネクタ55をコネクタ取付孔64Hに取り付ける。このため、凸部内空間641でのはんだ付け等の作業は不要になるので、作業効率が向上する。また、(1)の方法は、蓋65又はフランジ凸部64に信号ケーブル56を通す手間が不要である。
【0064】
さらに、(1)の方法は、フランジ凸部64とコネクタ55との間に介在するシール部材55Sによって凸部内空間641の気密性を保つことができる。このため、(1)の方法は、蓋65又はフランジ凸部64に信号ケーブル56を通した場合に必要となる、信号ケーブル56と蓋65又はフランジ凸部64とを防水するためにモールド樹脂の封入作業が不要になる。したがって、前記モールド樹脂が硬化する時間が短縮できる。その結果、(1)の方法は、その結果、回転角度検出センサとしてのレゾルバ50を筐体6の内部に備える電動機1において、レゾルバからの出力を取り出すための信号ケーブル56を筐体6の外部に引き出す作業を簡易化することができるので、前記作業の効率及び生産性を向上させることができる。
【0065】
上記(2)、(3)の方法は、上記(1)の方法と比較して、凸部内空間641でレゾルバ端子50Tと信号ケーブル56とを電気的に接続する作業は必要になるが、これ以外は、(1)の方法と同様な利点が得られる。また、上記(4)の方法は、上記(1)の方法と比較して、コネクタ取付孔64Hに信号ケーブル56を通す作業及び凸部内空間641でレゾルバ端子50Tと信号ケーブル56とを電気的に接続する作業は必要になるが、これ以外は、(1)の方法と同様な利点が得られる。
【0066】
このように、本実施形態において、図2、図4等に示す電動機1は、フランジ凸部64の凸部内空間641における凸部空間高さを大きくして、コネクタ55をフランジ凸部64に取り付けることができるようにしているので、レゾルバ端子50Tとコネクタ端子55Tとを信号ケーブル56で接続し、蓋65で凸部内空間641を封止する場合の作業効率を向上させることができる。しかし、電動機1は、筐体6を構成するフランジ凸部64の凸部空間高さが大きくなったため、第2冷却媒体分配通路655からシャフト8が有する軸方向通路811までの距離が遠くなる。このため、電動機1は、蓋65が有する第2冷却媒体分配通路655の開口部とシャフト8の端面8Ta側における軸方向通路811の開口部との間にレゾルバ押さえ40を介在させて、レゾルバ押さえ40の冷却媒体導入通路41を介して第2冷却媒体分配通路655から軸方向通路811へ冷却媒体を供給する。このようにすることで、シャフト8を延長する必要がなくなるため、既存のシャフト8からの設計変更も不要になる。
【0067】
このように、レゾルバ押さえ40は、上述したレゾルバ保持機能の他に、第2冷却媒体分配通路655から軸方向通路811へ冷却媒体を供給するための機能も有する。レゾルバ50は、端面40Taをフランジ凸部64の凸部端面64Tから突出させて、蓋65の凹部65Uに嵌め込んでいる。このようにすることで、蓋65をフランジ凸部64に取り付ける際の位置決めをすることもできるので、作業効率が向上する。
【0068】
図10に示すように、固定部材54は、第1開口部54Haの他に、第2開口部54Hbを有する。54Hbからは、信号ケーブル56Sが引き出されている。信号ケーブル56Sは、凸部内空間641の底部に設けられたグロメット58を貫通しているが、第2開口部54Hbの内径を、グロメット58の外径よりも小さくすることで、固定部材54はグロメット58を凸部内空間641の底部に固定している。
【0069】
コネクタ取付孔64Hは、フランジ凸部64の壁643Aに設けられているが、コネクタ取付孔64Hを設ける場所は、壁643Aに限定されるものではない。また、本実施形態において、コネクタ端子55Tは、シャフト8の回転中心軸Zrと直交する方向に引き出されている。このようにすることで、蓋65側からの水及び第1フランジ62側からの水は、90度向きを変えないとコネクタ55の内部へ浸入することはできないので、このようなコネクタ55の配置により、コネクタ55内への水の浸入を抑制して、信頼性の低下を抑制することができる。特に、建設機械の上部旋回体を回転駆動させるために電動機1を用いる場合、電動機1は縦置きにされるが、コネクタ端子55Tをシャフト8の回転中心軸Zrと直交する方向に引き出すことにより、コネクタ55への水の浸入を効果的に抑制することができる。なお、コネクタ55が蓋65に取り付けられることを除外するものではない。
【0070】
(変形例)
図13は、本実施形態の変形例に係る回転角度検出センサの保持構造を示す拡大断面図である。このレゾルバ保持構造4Aは、図7に示すレゾルバ保持構造4において、蓋65とレゾルバ押さえ40とを一体構造として、固定部材54を省略したものである。他の構造は、レゾルバ保持構造4と同様である。レゾルバ保持構造4Aの蓋65Aは、レゾルバ50のレゾルバステーター50Sを押さえ付けるレゾルバ押さえ部65Eを有する。レゾルバ押さえ部65Eは、蓋65Aからレゾルバ50に向かって延在している部分である。
【0071】
レゾルバ押さえ部65Eは、レゾルバ50側の端部65ETがレゾルバステーター50Sと接触して、レゾルバ50を第2フランジ63に押し付けて固定する。レゾルバ押さえ部65Eは、内部に第2冷却媒体分配通路655を有している。第2冷却媒体分配通路655のレゾルバ50側における開口部は、シャフト8が有する軸方向通路811の開口部と対向している。このような構造により、レゾルバ押さえ部65Eは、第2冷却媒体分配通路655からの冷却媒体をシャフト8の軸方向通路811内へ供給することができる。
【0072】
レゾルバ保持構造4Aは、レゾルバ押さえ部65Eを有することにより、フランジ凸部64の凸部内空間641の凸部空間高さを確保することができる。このため、レゾルバ保持構造4Aは、レゾルバ端子50Tとコネクタ端子55Tとを信号ケーブル56で接続し、蓋65Aで凸部内空間641を封止する場合において、コネクタ55を、筐体6の一部であるフランジ凸部64に取り付けて、作業効率の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0073】
1 電動機
3 冷却媒体供給部
4、4A レゾルバ保持構造
6 筐体
8 シャフト
8Ta 端面
8D 段部
9 ステーター
10 ハイブリッド油圧ショベル
23 軸受用通路
28 ローター用通路
40 レゾルバ押さえ
40B 胴部
40C 切欠部
40D 段部
40Ta、40Tb 端面
40F 張出部
41 冷却媒体導入通路
42 溝
43 凹部
50 レゾルバ
50R レゾルバローター
50S レゾルバステーター
50T レゾルバ端子
51 オイルシール
52、53 Oリング
54 固定部材
54Ha 第1開口部
54Hb 第2開口部
54T 回り止め部
55 コネクタ
55S シール部材
55T コネクタ端子
56、56S 信号ケーブル
61 筐体胴
62 第1フランジ
63 第2フランジ
64 フランジ凸部
64B 凸部内空間底部
64H コネクタ取付孔
64S 溝
64T 凸部端面
65、65A 蓋
65U 凹部
65ET 端部
65E レゾルバ押さえ部
82 ローターコア
91 ステーターコア
92 コイル
641 凸部内空間
642 回転角度検出センサ保持部
643 軸受側通路
643A、643B、643C、643D 壁
811 軸方向通路
812 径方向通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローターが取り付けられるとともに、冷却媒体が通過する内部冷却媒体通路を内部に有するシャフトと、
前記シャフトを内部に配置し、かつ回転可能に支持する筐体と、
前記シャフトの一方の端部側における前記筐体の内部に設けられて、前記内部冷却媒体通路に前記冷却媒体を供給する冷却媒体供給部と、
前記シャフトの前記一方の端部側に取り付けられて、前記シャフトの回転角度を検出する回転角度検出センサと、
内部に前記冷却媒体供給部から供給される前記冷却媒体を通過させる貫通孔を有し、前記冷却媒体供給部と前記シャフトの前記一方の端部との間に介在して、前記冷却媒体を前記冷却媒体通路に導くとともに、前記回転角度検出センサを前記シャフトの前記一方の端部側から押さえ付ける押さえ部材と、
前記回転角度検出センサの出力を取り出すための信号ケーブルの一端部と電気的に接続された端子を保持するとともに、前記筐体に取り付けられるコネクタと、
を含むことを特徴とする電動機。
【請求項2】
前記冷却媒体供給部が設けられる筐体は、前記押さえ部材が嵌め込まれる凹部を有する請求項1に記載の電動機。
【請求項3】
前記押さえ部材は、前記凹部に嵌め込まれるとともに、前記回転角度検出センサを押さえる側とは反対側の端面と前記凹部との間に空間を有する請求項2に記載の電動機。
【請求項4】
前記押さえ部材は、板状の部材によって前記筐体に固定される請求項1から3のいずれか1項に記載の電動機。
【請求項5】
前記コネクタが保持する前記端子は、前記シャフトの回転中心軸と直交する方向に引き出される請求項1から4のいずれか1項に記載の電動機。
【請求項6】
建設機械の上部旋回体を回転駆動する電動機であって、
ローターが取り付けられるとともに、冷却媒体が通過する内部冷却媒体通路を内部に有するシャフトと、
前記シャフトを内部に配置し、かつ回転可能に支持する筐体と、
前記シャフトの一方の端部側における前記筐体の内部に設けられ、かつ上方に配置されて、前記内部冷却媒体通路に前記冷却媒体を供給する冷却媒体供給部と、
前記シャフトの前記一方の端部側に取り付けられて、前記シャフトの回転角度を検出する回転角度検出センサと、
内部に前記冷却媒体供給部から供給される前記冷却媒体を通過させる貫通孔を有し、前記冷却媒体供給部と前記シャフトの前記一方の端部との間に介在して、前記冷却媒体を前記冷却媒体通路に導くとともに、前記回転角度検出センサを前記シャフトの前記一方の端部側から押さえ付ける押さえ部材と、
前記押さえ部材を前記筐体に固定する板状の固定部材と、
前記回転角度検出センサの出力を取り出すための信号ケーブルの一端部と電気的に接続された端子を保持するとともに、前記筐体に取り付けられて、前記シャフトの回転中心軸と直交する方向に前記端子を引き出すコネクタと、
前記冷却媒体供給部が設けられる筐体に設けられて前記押さえ部材の一部を嵌め込む凹部と、
前記凹部と前記押さえ部材との間及び前記押さえ部材と前記シャフトとの間にそれぞれ設けられるシール部材と、
を含むことを特徴とする電動機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−5654(P2013−5654A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136616(P2011−136616)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【Fターム(参考)】