説明

電動走行車のバッテリロック構造

【課題】走行時でのバッテリ装置のがたつきによる音の発生を防止できる電動アシスト自転車などの電動走行車のバッテリロック構造を提供する。
【解決手段】車体側に設けられたバッテリロック部40に配設され、バッテリ装置20の装着位置に向けて出退する出退部42dを有する錠装置42と、バッテリ装置20に設けられて、出退部42dに係合可能な係合部22cと、錠装置42に対して、バッテリ装置20の装着方向にスライド自在に配設されるとともにバッテリ装置20に当接可能とされたスライド体としてのカバー43と、錠装置42とカバー43との間に介装されて、カバー43をバッテリ装置20の装着方向と反対側に付勢し、バッテリ装置20の装着時には、カバー43を介してバッテリ装置20を装着方向と反対側に付勢することで、バッテリ装置20の係合部22cを出退部42dに密接させる付勢体44とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電動アシスト自転車などの電動走行車のバッテリロック構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ペダルを踏むことにより発生する人力駆動力に、電動モータの補助駆動力を加えることで、坂道などでも楽に走行できる電動アシスト自転車(電動自転車とも称される)は既に広く知られている。この種の電動アシスト自転車においては、電動モータを駆動させるバッテリ装置に対して便利に充電できるように、バッテリ装置を車体に対して着脱自在として、バッテリ装置を車体から分離した状態で充電可能に構成したものが多い。
【0003】
このような構造の電動アシスト自転車では、バッテリ装置が盗難されないように、錠装置を備えたバッテリロック構造を有している。錠装置を備えたバッテリロック構造としては、利便性を向上するため、バッテリ装置を取外す際は、錠装置の鍵を用いて開錠動作が必要である一方で、バッテリ装置の装着時には、錠装置の鍵を用いなくてもバッテリ装置を装着するだけでバッテリ装置がバッテリロック部にロックされる構造とされている。
【0004】
このバッテリロック構造では、図30(a)、(b)に簡略的に示すように、バッテリ装置100の装着時に、バッテリロック部101に設けられた錠装置104から出退自在の出退部102が、バッテリ装置100のケース部などに形成された突起状(または凹形状のものもある)の係合部103により、一旦押し込まれた後に再度突出姿勢となって係合状態にロックされることにより、バッテリ装置100が離脱可能な姿勢側に移動しないよう阻止される。なお、特許文献1などに、電動アシスト自転車へのバッテリ装置の装着構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−142551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図30(a)、(b)に示すような従来のバッテリ装置の装着構造では、バッテリ装置100やバッテリロック部101の製造時の寸法誤差や組付時の組付誤差があっても支障なく機能するように、図30(b)に示すように、ロック時において、バッテリロック部101に設けられた出退部102と、バッテリ装置100のケース部に形成された係合部103との間に隙間が存在する状態で係合している。つまり、僅かではあるがバッテリ装置100が、このバッテリ装置100を装着させる方向に沿って移動可能な状態(いわゆるがたつきを生じている状態)で装着されている。このため、走行時に、出退部102と係合部103とが離間状態(図30(b)において実線部で示す)と当接状態(図30(b)において仮想線部で示す)を繰り返して音を発生することがあった。また、走行時の地面からの振動や衝撃と電動アシスト自転車の長期の使用とにより、出退部102や係合部103などのロック用部品が変形したり損傷したりして、ロック動作およびロック解除動作が行い難くなったりする恐れがある課題を生じていた。また、バッテリ装置100は、走行距離の増加の要望に対応して大型化するものも増えてきており、大きなバッテリ装置を搭載した場合には前記課題が顕著化する可能性がある。
【0007】
本発明は上記課題を解決するもので、走行時でのバッテリ装置のがたつきによる音の発生を防止したり、電動アシスト自転車を長期にわたって使用した場合でも、ロック用部品などの変形や損傷を最小限に抑えたりすることができる電動アシスト自転車などの電動走行車のバッテリロック構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、バッテリ装置が着脱自在に装着される電動走行車において、装着されたバッテリ装置をロックするバッテリロック構造であって、車体側に設けられたバッテリロック部に配設され、バッテリ装置の装着位置に向けて出退する出退部を有する錠装置と、バッテリ装置に設けられて、前記出退部に係合可能な係合部と、前記錠装置に対して、バッテリ装置の装着方向にスライド自在に配設されるとともにバッテリ装置に当接可能とされたスライド体と、前記錠装置と前記スライド体との間に介装されて、前記スライド体をバッテリ装置の装着方向と反対側に付勢し、バッテリ装置装着時には、スライド体を介してバッテリ装置を装着方向と反対側に付勢することで、バッテリ装置の係合部を前記出退部に密接させる付勢体と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
上記構成により、バッテリ装置装着時には、錠装置の出退部をバッテリ装置の係合部に密接させることができるため、走行時において音が発生することを防止できる。また、バッテリ装置装着時には、バッテリ装置の係合部が錠装置の出退部に密接されているとともに、バッテリ装置の係合部と錠装置の出退部とが密接する方向に付勢体で付勢されているので、走行時に走行面などから振動や衝撃を受けた際でも、この際の振動や衝撃が付勢体で吸収されて、バッテリ装置の係合部と錠装置とが隙間がある状態から当接して急激な衝撃を受けることが防止される。
【0010】
また、本発明は、前記スライド体が、バッテリ装置の係合部と錠装置の出退部とが係合する箇所とは異なる箇所で、バッテリ装置に対して当接して付勢可能に構成されていることを特徴とする。
【0011】
上記構成により、バッテリ装置の係合部と錠装置の出退部との係合動作と、前記スライド体を介してのバッテリ装置に対する付勢動作とが、別の箇所で個別に行われるので、係合動作および付勢動作の各動作をより確実に行うことができる。つまり、他の方法として、バッテリ装置の係合部と錠装置の出退部との係合箇所に付勢力を与える弾性体などを付着させるなどして、係合部と出退部とを係合させる際に、この係合箇所で付勢力が発生するようにすることが考えられる。しかし、この方法の場合には、出退部を突出させる時、すなわち、出退部および弾性体が係合する時に係合箇所に付勢力も作用するため、バッテリ装置の係合部と錠装置の出退部との係合動作がうまく行えなくなる可能性が高くなる。すなわち、係合動作自体が不良になる可能性が高くなって信頼性が低下するおそれがある。これに対して、上記構成によれば、バッテリ装置の係合部と錠装置の出退部との係合動作と、前記スライド体を介してのバッテリ装置に対する付勢動作とが、別の箇所で個別に行われるので、バッテリ装置の装着時に錠装置の出退部に付勢力が直接には作用しない状態で前記出退部が突出されて、バッテリ装置の係合部と錠装置の出退部との係合動作を確実に行える。
【0012】
また、本発明は、バッテリ装置の装着の際において、バッテリ装置の係合部と錠装置の出退部との係合動作よりも、前記スライド体とバッテリ装置との当接動作および付勢動作が、前に行われるように構成されていることを特徴とする。この構成により、バッテリ装置を扱う人により、付勢体の付勢力に抗してバッテリ装置が既に装着方向に力が加えられた状態で、錠装置の出退部が突出されるので、バッテリ装置の係合部と錠装置の出退部との係合動作をより確実に行える。
【0013】
また、前記スライド体を、バッテリロック部のカバーで構成すると、スライド体とカバーとを別体で構成する場合と比較して部品点数を低減できる利点がある。これに代えて、前記スライド体を、バッテリロック部のカバーとは別体で構成して、前記錠装置とバッテリ装置装着位置との間に配設してもよく、この構成によれば、前記スライド体を小さい部品で構成することができる。また、前記スライド体を、バッテリロック部のカバーで覆われた箇所に配設してもよく、この場合には、前記スライド体が配設されている箇所に外部からごみなどが入ることを最小限に抑えることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、前記バッテリロック部に配設された錠装置に対して、バッテリ装置の装着方向にスライド自在に配設されるとともにバッテリ装置に当接可能とされたスライド体と、前記錠装置と前記スライド体との間に介装されて、前記スライド体をバッテリ装置の装着方向と反対側に付勢する付勢体とを備えたことにより、バッテリ装置装着時に、錠装置の出退部をバッテリ装置の係合部に密接させることができて、走行時において音が発生することを防止できる。また、走行時に走行面などから振動や衝撃を受けた際でも、この際の振動や衝撃の少なくとも一部が付勢体で吸収されて、バッテリ装置の係合部と錠装置とが隙間がある状態から当接して急激な衝撃を受けることが防止されるので、ロック動作およびロック解除動作が行い難くなったりすることを防止でき、電動走行車の信頼性が向上する。
【0015】
また、前記スライド体を、バッテリ装置の係合部と錠装置の出退部とが係合する箇所とは異なる箇所で、バッテリ装置に対して当接して付勢可能に構成したり、バッテリ装置の装着の際において、バッテリ装置の係合部と錠装置の出退部との係合動作よりも、前記スライド体とバッテリ装置との当接動作および付勢動作が、前に行われるように構成したりすることで、バッテリ装置の係合部と錠装置の出退部との係合動作をより確実に行え、信頼性が向上する。また、係合箇所と当接付勢箇所とが別の場所であるので、付勢するタイミングや力などを自由に調整できて、バッテリ装置の係合部と錠装置の出退部との係合動作を一層確実に行えるように構成できる利点もある。
【0016】
また、前記スライド体を、バッテリロック部のカバーで構成すると、スライド体とカバーとを別体で構成する場合と比較して部品点数を低減できて、製造コストの低減化を図ることができる。また、これに代えて、前記スライド体を、バッテリロック部のカバーとは別体で構成して、前記錠装置とバッテリ装着位置との間に配設してもよく、この構成によれば、前記スライド体を小さい部品で構成することができる。また、前記スライド体を、バッテリロック部のカバーで覆われた箇所に配設した場合には、前記スライド体が配設されている箇所に外部からごみなどが入ることを最小限に抑えることができ、電動走行車の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係るバッテリロック構造が設けられる電動アシスト自転車の全体側面図
【図2】同電動アシスト自転車の、バッテリ装置を取外した全体側面図
【図3】同電動アシスト自転車のバッテリ装着部およびバッテリ装置の斜視図
【図4】(a)〜(c)は、同電動アシスト自転車のバッテリ装置の、正面図、左側面図および平面図
【図5】同電動アシスト自転車のバッテリ装着部の斜視図
【図6】同電動アシスト自転車のバッテリ装置の下部を斜め下方から見た斜視図
【図7】同電動アシスト自転車のバッテリ装置下部の装着方向などを後方から見た背面図
【図8】(a)、(b)はそれぞれ同電動アシスト自転車のバッテリ装置の装着方向などを示す背面図
【図9】(a)、(b)はそれぞれ同電動アシスト自転車のバッテリ装置の装着方向などを示す正面図
【図10】(a)および(b)は同電動アシスト自転車のバッテリロック部の平面図および平面断面図
【図11】(a)、(b)はそれぞれ同電動アシスト自転車のバッテリロック部の斜視図で、(a)はバッテリ装置を装着する前の状態、(b)はバッテリ装置を装着した状態(バッテリ装置は図から省いている)
【図12】(a)〜(d)は同電動アシスト自転車のバッテリロック部の平面図、正面図、左側面図および背面図で、錠装置は実線部、カバーは仮想線部
【図13】(a)および(b)は同電動アシスト自転車の、バッテリ装置を装着しようとする際のバッテリ装置およびバッテリロック部の平面図および平面断面図
【図14】(a)および(b)は同電動アシスト自転車の、バッテリ装置の当接部とカバーの当接部とが当接し、かつバッテリ装置の係合部とバッテリロック部の出退部の先端とが当接している状態の、バッテリ装置およびバッテリロック部の平面図および平面断面図
【図15】(a)および(b)は同電動アシスト自転車の、バッテリ装置の係合部がバッテリロック部の出退部を乗り越えた状態の、バッテリ装置およびバッテリロック部の平面図および平面断面図
【図16】(a)および(b)は同電動アシスト自転車の、バッテリ装置を装着した際のバッテリ装置およびバッテリロック部の平面図および平面断面図
【図17】(a)、(b)はそれぞれ本発明の他の実施の形態に係る電動アシスト自転車のバッテリロック構造におけるバッテリロック部の斜視図で、(a)はバッテリ装置を装着する前の状態、(b)はバッテリ装置を装着した状態(バッテリ装置は図から省いている)
【図18】(a)〜(d)は同電動アシスト自転車におけるバッテリロック部のスライド体の平面図、右側面図、正面図および斜視図
【図19】(a)および(b)は同電動アシスト自転車の、バッテリ装置を装着しようとする際のバッテリ装置およびバッテリロック部の平面断面図および部分切欠平面図
【図20】(a)および(b)は同電動アシスト自転車の、バッテリ装置の当接部とスライド体の当接部とが当接し、かつバッテリ装置の係合部とバッテリロック部の出退部の先端とが当接している状態の、バッテリ装置およびバッテリロック部の平面断面図および部分切欠平面図
【図21】(a)および(b)は同電動アシスト自転車の、バッテリ装置の係合部がバッテリロック部の出退部を乗り越えた状態の、バッテリ装置およびバッテリロック部の平面断面図および部分切欠平面図
【図22】(a)および(b)は同電動アシスト自転車の、バッテリ装置を装着した際のバッテリ装置およびバッテリロック部の平面断面図および部分切欠平面図
【図23】本発明のその他の実施の形態に係るバッテリロック構造が設けられる電動アシスト自転車の、バッテリロック部の分解斜視図
【図24】同電動アシスト自転車のバッテリロック部の斜視図(カバーは省く)
【図25】同電動アシスト自転車のバッテリロック部の斜視図
【図26】本発明のバッテリロック構造の他の適用例を簡略的に示す図
【図27】比較例としてのバッテリロック構造を簡略的に示す図
【図28】他の比較例としてのバッテリロック構造を簡略的に示す図
【図29】比較例のバッテリロック構造の不具合を簡略的に示す図
【図30】(a)および(b)はそれぞれ従来のバッテリロック構造を簡略的に示す図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態に係る電動走行車のバッテリロック構造について図面に基づき説明する。なお、以下の説明における左右方向とは、前方に向かった状態で左右となる方向を言う。
【0019】
図1、図2における1は本発明の実施の形態に係るバッテリロック構造が設けられる電動走行車の一例としての電動アシスト自転車である。図1、図2に示すように、この電動アシスト自転車1は、ヘッドパイプ2a、前フォーク2b、メインパイプ2c、立パイプ2d、チェーンステー2e、シートステー2fなどからなる金属製の車体(車体フレーム)2と、前フォーク2bの下端に回転自在に取り付けられた前輪3と、チェーンステー2eの後端に回転自在に取り付けられた後輪4と、前輪3の向きを変更するハンドル5と、サドル6と、クランク7およびペダル8と、補助駆動力(アシスト力)を発生させる駆動源としての電動モータおよびこの電動モータを含めた各種の電気的制御を行う制御部が設けられたモータ駆動ユニット10と、電動モータに駆動用の電力を供給するバッテリ(二次電池)を内蔵したバッテリ装置20と、バッテリ装置20を着脱自在な状態で装着するバッテリ装着部30と、装着されたバッテリ装置20をロックするバッテリロック部40と、後輪4の上方部および前方部を覆う泥除け11などを備えている。
【0020】
図3,図4,図6などに示すように、バッテリ装置20は、四角箱状のバッテリケース21と、バッテリケース21内に内蔵された二次電池(図示せず)と、バッテリケース21の上部前面の一部に一体形成された、後述する被ロック部22などで構成されている。バッテリケース21の下端面には接続端子用の差込み孔23(図6参照)が複数形成されている。また、バッテリケース21の下部の前後両面にはそれぞれ、前後方向へ突出する回転支持軸24が設けられている。
【0021】
図1〜図5などに示すように、バッテリ装着部30は、モータ駆動ユニット10の上方箇所に設けられており、バッテリ装置20の下端部が装着される凹形状のバッテリ嵌込部31を有している。バッテリ装置20は、バッテリ嵌込部31に装着された状態で、立パイプ2dとチェーンステー2eとシートステー2fと泥除け11とで囲まれた空間内に配置される。また、図3、図5、図7などに示すように、バッテリ嵌込部31の底面には、バッテリ装置20のバッテリに電気的に接続される複数の電気接続端子32が設けられている。これら電気接続端子32は、バッテリ装置20の差込み孔23(図6参照)に対して挿脱自在であり、バッテリ嵌込部31内に位置している。
【0022】
バッテリ嵌込部31の左側前端部と左側後端部にはそれぞれ軸嵌込溝33が形成されており、バッテリ装置20の回転支持軸24が軸嵌込溝33に対して嵌脱自在である。なお、図1に示すように、バッテリ装置20がバッテリ装着部30に装着されている場合(バッテリ装着時とも称す)、図7の実線部で示すように、バッテリ装置20の下部がバッテリ嵌込部31に嵌まり込み、両方の回転支持軸24が両方の軸嵌込溝33に嵌まり込み、電気接続端子32がバッテリ装置20の差込み孔23に差し込まれる。また、バッテリ装置20をバッテリ嵌込部31に装着する際には、図7の仮想線部で示すように、バッテリ装置20を左側に傾斜させた姿勢で、バッテリ装置20の下部を電動自転車1の左側方からバッテリ嵌込部31に嵌め込むとともに回転支持軸24を軸嵌込溝33に嵌め込み、図7の実線部、および図8(a)、(b)、図9(a)、(b)で示すように、回転支持軸24を中心にバッテリ装置20の上部を右側に回動させて起立させるよう構成されている。これにより、電気接続端子32がバッテリ装置20の差込み孔23に差し込まれ、図1に示すように、バッテリ装置20がバッテリ装着部30に装着される。
【0023】
図1、図2、図8〜図15に示すように、立パイプ2dには、バッテリ装着部30に装着されたバッテリ装置20をロックする(固定する)バッテリロック部40が設けられている。図8〜図12などに示すように、バッテリロック部40は、取付部材41aおよび取付ねじ41bなどを介して立パイプ2dに取り付けられている錠装置42を備えている。図12(a)〜(d)の実線部などで示すように、錠装置42には、鍵(図示せず)が挿入されるキーシリンダ42aと、キーシリンダ42aの動作に連動し突部42iを有する連動部42bと、キーシリンダ42aを保持するシリンダケース42cと、キーシリンダ42aおよび連動部42bの動作に対応してバッテリ装置20の装着位置に向けて(この実施の形態では後方に)出退する出退部42dと、出退部42dを突出方向に付勢する圧縮ばね42eと、錠装置42の外殻部分をなす略円筒形状の本体ケース42fと、出退部42dの突出部分を外周側から囲む囲み部42g(但し左側部分は切欠かれている)と、本体ケース42fと囲み部42gとを接続する接続部42hなどが設けられている。なお、この実施の形態では、錠装置42は各構成部品が金属製とされているとともに、本体ケース42fと囲み部42gと接続部42hとは一体形成されているが、これに限るものではない。また、出退部42dの左側の面(バッテリ装置20の装着時に出退部42dが後述するバッテリ装置20の係合部22cに摺接する面)には傾斜面が形成されている。
【0024】
さらに、バッテリロック部40には、錠装置42に加えて、バッテリロック部40の外殻部を構成して、錠装置42の出退部42dおよび囲み部42gを除く部分を覆う樹脂製のカバー43と(図11(a)〜(d)において仮想線で示す)、カバー43と錠装置42の接続部42hとの間に介装された圧縮ばねからなる付勢体44も備えられている。
【0025】
ここで、この実施の形態では、カバー43の一部には左右に延びる長孔43aが形成され、取付ねじ45を介して、カバー43が左右にスライド自在に支持されており、カバー43がスライド体として機能する。また、カバー43における、錠装置42の後方部を覆う部分の一部には後方に起立する起立部43bが一体形成され、起立部43bと錠装置42の接続部42hとの間に付勢体44が配設されている。そして、付勢体44により、起立部43bを介して、カバー43を、バッテリ装置20を装着時に装着する方向とは反対側(この実施の形態では左側)に常時付勢している。さらに、図10(a)、(b)、図11(a)、(b)などに示すように、カバー43における、後部右側寄り箇所には、後述するバッテリケース21の当接部22aに当接する当接部43cが、囲み部42gの上方および下方位置にそれぞれ形成されている。なお、バッテリ装着時における、カバー43の当接部43cとバッテリケース21の当接部22aとの当接動作が、後述するバッテリ装置20の係合部22cと錠装置42の出退部42dとの係合動作よりも、前に行われるように、カバー43の当接部43cとバッテリケース21の当接部22aとの当接位置が調整されて設計されている。また、図13(a)などに示すように、カバー43は、バッテリ装置20が装着されていない状態(バッテリ非装着時とも称す)では、カバー43の右側円弧状部43dが、立パイプ2dから隙間を有する状態で配設されており、右側にスライド可能とされている。
【0026】
図4(a)〜(c)、図9(a)、(b)、図13(a)などに示すように、バッテリケース21の前面中央部(バッテリ装着時においてバッテリロック部40に対応する位置)に、被ロック部22が、バッテリケース21の前面部よりも少し前方に突出した状態で一体形成されている。被ロック部22には、バッテリ装着時にカバー43の起立部43b、付勢体44および錠装置42の出退部42dおよび囲み部42gなどが挿入可能なように切欠部22bが形成されている。また、被ロック部22には、切欠部22bが設けられている箇所に、バッテリ装着時に錠装置42の出退部42dに当接して係合可能な係合部22cがバッテリケース21の前面部から前方に突出する状態で一体形成されている。なお、この実施の形態では、係合部22cの右側部分に傾斜面22fが形成され、係合部22cの右側部分に錠装置42の出退部42dが当接した場合には、錠装置42の出退部42dが傾斜面22fによって案内されながら錠装置42内に後退可能に構成されている。さらに、バッテリケース21の被ロック部22の右側面部には、バッテリ装着時にカバー43の当接部43cに当接する当接部22aが一体形成されている。
【0027】
上記構成において、バッテリ装置20をバッテリ装着部30に装着する際は、上述したように、バッテリ装置20を左側に傾斜させた姿勢で、バッテリ装置20の下部を電動自転車1の左側方からバッテリ嵌込部31に嵌め込むとともに回転支持軸24を軸嵌込溝33に嵌め込み、回転支持軸24を中心にバッテリ装置20を右側に回動させて起立させる。
【0028】
この場合の、回転支持軸24を中心にバッテリ装置20の上部側を右側に回動させて起立させてロックさせる際の動作について詳しく説明する。回転支持軸24を中心にバッテリ装置20の上部側を右側に回動させると、図13(a)、(b)および図14(a)、(b)に示すように、まず、バッテリケース21の傾斜面22fおよび係合部22cが錠装置42の出退部42dに当接して、錠装置42の出退部42dは係合部22cにより前方に押されて一旦後退する。また、これとほぼ同時に、バッテリケース21の当接部22aが、カバー43の当接部43cに当接する。したがって、この状態からさらにバッテリ装置20の上部側を右側に回動させる際には、バッテリ装置20とともにカバー43も一体的に右側に移動し、付勢体44の付勢力がバッテリ装置20にも作用するようになる。
【0029】
そして、付勢体44の付勢力に抗してさらにバッテリ装置20の上部側を右側に回動すると、錠装置42の出退部42dが係合部22cを乗り越えて圧縮ばね42eの付勢力でバッテリ装置20側(後方)に突出する(図15(a)、(b)参照)。この後、バッテリ装置20から手を離すと、付勢体44の付勢力により、バッテリケース21の係合部22cが錠装置42の出退部42dに当接するまでバッテリケース21が左側に押し戻される(図16(a)、(b)参照)。
【0030】
この結果、バッテリ装置20は、係合部22cが、突出状態となった錠装置42の出退部42dに当接して左側に移動することが阻止されて、起立姿勢にロックされる。また、このロック状態において、付勢体44の付勢力によってバッテリケース21の係合部22cが錠装置42の出退部42dに隙間無く当接している密接状態に維持される。
【0031】
このように、バッテリ装着時には、錠装置42の出退部42dをバッテリ装置20の係合部22cに密接させることができるため、走行時において音が発生することを防止できて静音化を図ることができる。また、走行時に電動自転車1が走行面などから振動や衝撃を受けて、一部の力が錠装置42に伝達された際でも、この際の振動や衝撃の少なくとも一部が付勢体44で吸収され、バッテリ装置20とバッテリ装着部30との接合箇所に急激な衝撃を受けることが防止される。したがって、電動自転車としての信頼性も向上する。
【0032】
また、この実施の形態では、バッテリ装置20の装着方向にスライド自在に配設されるとともにバッテリ装置20に当接可能とされたスライド体を、バッテリロック部40のカバー43で構成しているので、後述するような、スライド体とカバーとを別体で構成する場合と比較して部品点数を低減でき、ひいては製造コストを低減できる可能性がある。
【0033】
なお、充電するなどのためにバッテリ装置20を取外す際には、錠装置42のキーシリンダ42aに鍵を挿入して回転することで、連動部42bに設けられた突部42iにより出退部42dが錠装置42内に後退するため、バッテリ装置20が付勢体44の付勢力により左側に押し戻されながら回動し、バッテリロック装置40から離脱する。そして、さらにバッテリ装置20を、回転支持軸24を中心に左側に回動させるとともに、回転支持軸24を軸嵌込溝33から離脱させることで、バッテリ装置20を取外すことができる。
【0034】
次に、図17〜図21は、本発明の他の実施の形態に係る電動アシスト自転車のバッテリロック構造を示す。この実施の形態では、錠装置42にカバー51が取付ねじ45で取り付けられる箇所に、上記実施の形態のような長孔43aが形成されておらずに単なる孔とされている。つまり、カバー51はスライドしない構造であり、スライド体としては機能しない。カバー51は、その右側円弧状部51dが、立パイプ2dから殆ど隙間を有しない密着状態で固定されている。
【0035】
一方、カバー51における後面部に凹部51aが形成され、この凹部51aに、スライド体52が左右方向にスライド自在の状態で配設されている。このスライド体52は、図18、図19(a)、(b)などに示すように、錠装置42の接続部42h(図19(b)参照)の上方箇所と下方箇所とで左右方向に延びるスライド本体部52aと、上下のスライド本体部52aから上方と下方とに延びて、図示しないカバー51の溝部に嵌まり込んで、スライド体51を左右にスライド自在の状態で係合する突片部52bと、上下のスライド本体部52a同士を左側辺部分で連結する連結片部52cと、連結片部52cより後方に突出して、付勢体の端部に当接する突出片部52dと、上下のスライド本体部52aから上方と下方とに延びて、カバー51に当接することでスライド体52のスライド範囲を規制させるとともにバッテリ装置20の被ロック部22の当接部(右端辺部)22fに当接可能とされた当接部52eとが金属板などにより一体形成されて構成されている。スライド体52は、バッテリロック部40内における錠装置42とバッテリ装置20の装着位置との間、つまり、カバー43で覆われた箇所に配設されている。
【0036】
上記構成における、回転支持軸24を中心にバッテリ装置20の上部側を右側に回動させて起立させてロックさせる際の動作について詳しく説明する。回転支持軸24を中心にバッテリ装置20の上部を右側に回動させると、図19(a)、(b)、図20(a)、(b)に示すように、まず、バッテリケース21の傾斜面22fおよび係合部22cが錠装置42の出退部42dに当接して、錠装置42の出退部42dは係合部22cにより前方に押されて一旦後退する。また、これとほぼ同時に、バッテリ装置20の被ロック部22の当接部22fが、スライド体52の当接部52eに当接する。したがって、この状態からさらにバッテリ装置20を右側に回動させる際には、バッテリ装置20とともにスライド体52も一体的に移動し、付勢体44の付勢力がバッテリ装置20にも作用するようになる。
【0037】
そして、付勢体44の付勢力に抗してさらにバッテリ装置20の上部側を右側に回動すると、図21(a)、(b)に示すように、錠装置42の出退部42dが係合部22cを乗り越えて圧縮ばね42eの付勢力でバッテリ装置20側(後方)に突出する。この後、バッテリ装置20から手を離すと、図22(a)、(b)に示すように、付勢体44の付勢力により、バッテリケース21の係合部22cが錠装置42の出退部42dに当接するまでバッテリケース21が左側に押し戻される。
【0038】
この結果、バッテリ装置20は、係合部22cが、突出状態となった錠装置42の出退部42dに当接して左側に移動することが阻止されて、起立姿勢にロックされる。また、このロック状態において、付勢体44の付勢力によってバッテリケース21の係合部22cが錠装置42の出退部42dに隙間無く当接している密接状態に維持される。
【0039】
このように、この実施の形態でも、バッテリ装着時には、錠装置42の出退部42dをバッテリ装置20の係合部22cに密接させることができるため、走行時において音が発生することを防止できて静音化を図ることができる。また、走行時に電動自転車1が走行面などから振動や衝撃を受けて、一部の力が錠装置42に伝達された際でも、この際の振動や衝撃の少なくとも一部が付勢体44で吸収され、バッテリ装置20とバッテリ装着部30との接合箇所に急激な衝撃を受けることが防止される。したがって、電動自転車1としての信頼性も向上する。
【0040】
また、この実施の形態では、スライド体52を、バッテリロック部40のカバー51とは別体で構成しているので、スライド体52を小さい部品で構成することができる。さらに、スライド体52を、バッテリロック部40内、つまり、カバー51で覆われた箇所に配設されているので、カバー51を立パイプ2dから隙間が無い状態で固定させることができる。これにより、バッテリロック部40の外観を良好に維持することができる。また、カバー51と立パイプ2dとの隙間にごみや異物などが挟まってカバー51がスライド体として機能することに支障を生じる可能性がなくなり、信頼性が向上する。
【0041】
なお、上記の実施の形態では、スライド体52が、カバー51の溝部に嵌まり込んでスライド自在の状態で保持されるように構成したが、これに限るものではない。例えば、図23〜図25に示すように、錠装置42の本体ケース42fにおける下方に延びる部分に取り付けた取付部材54により、スライド体52’のスライド本体部52aを後方から、左右にスライド自在の状態で挟持して、スライド体52’を、錠装置42の出退部42dの近傍箇所で左右にスライド自在に配設しても良い。これによっても、上記実施の形態と同様な作用効果を得ることができる。
【0042】
また、上記実施の形態では、何れも、錠装置42の出退部42が係合する係合部22cがケース21の側面から突出する構成とされていたがこれに限るものではない。例えば、錠装置42の出退部42dが係合する係合部22cが、図26に示すような凹形状部60に形成されていてもよい。これによっても、同様な構造を適用することが可能である。なお、図25における22gは、凹形状部60の対向壁部分を形成する他方の係合部である。
【0043】
また、本発明の構造と類似した構造として、図27、図28に簡略的に示すように、錠装置42の出退部42dの側面部に、ゴム板などの弾性体61を貼り付けて錠装置42の出退部42dを凹形状部60に挿入した際に、錠装置42の出退部42dが凹形状部60内で隙間を生じ難くすることが考えられる。しかしながら、このような構成では、バッテリ装置40をロックするために、出退部42dを突出させる時、すなわち、出退部42dおよび弾性体61が、一方の係合部22cと他方の係合部22gとの間の凹形状部60に突入されて係合する時に、弾性体61が係合部22cや係合部22gの壁面に接触して、左側や右側に付勢する付勢力が作用するため、バッテリ装置20の凹形状部60への突入動作や、係合部22cや係合部22gと錠装置42の出退部42dとの係合動作が不良となってしまう可能性が高くなる。すなわち、係合動作自体が不良になる可能性が高くなって信頼性が低下するおそれがある。また、図29に簡略的に示すように、凹形状部60に異物Xなどが付着していた場合にはさらにこの不良となる可能性が高くなる。
【0044】
これに対して、本実施の形態の構成によれば、錠装置42の出退部42dには、弾性体などが付加されておらず、バッテリ装置40の係合部22cと錠装置42(バッテリロック部40)の出退部42cとの係合動作と、前記スライド体(カバー43やスライド体52)を介してのバッテリ装置40に対する付勢動作とが、別の箇所で個別に行われる。このために、バッテリ装置20の装着時に錠装置42の出退部42dに直接には付勢力が作用し難い状態で出退部42dが突出されて、バッテリ装置20の係合部22cと錠装置42の出退部42dとの係合動作を確実に行える。これにより、良好な信頼性を得ることができる。また、係合箇所と当接付勢箇所とが別の場所であるので、付勢するタイミングや力などを自由に調整できて、バッテリ装置40の係合部22cと錠装置42の出退部42cとの係合動作を一層確実に行えるように構成できる利点もある。
【0045】
また、本実施の形態の構成によれば、バッテリ装置20の装着の際において、バッテリ装置20の係合部22cと錠装置42の出退部42dとの係合動作よりも、前記スライド体カバー43やスライド体52)とバッテリ装置20との当接動作および付勢動作が、前に行われるように構成されている。この構成により、バッテリ装着時には、バッテリ装置20を扱う人により、付勢体44の付勢力に抗してバッテリ装置40が既に装着方向に力が加えられている状態、つまり、錠装置42の出退部42dには付勢力が作用しない状態で、錠装置42の出退部42d部が突出されるので、バッテリ装置20の係合部22cと錠装置42の出退部42dとの係合動作をより確実に行える。これによっても、良好な信頼性を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の電動走行車のバッテリロック構造は、電動モータの補助駆動力を加えることで、坂道などでも楽に走行できる電動アシスト自転車に対して好適に設けることができる。しかし、これに限るものではなく、ペダルに力を加えなくても自走可能な電動走行車や、ペダルがなくて、自走走行のみ可能な電動走行車にも適用可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 電動アシスト自転車
2 車体(車体フレーム)
2d 立パイプ
10 モータ駆動ユニット
20 バッテリ装置
21 バッテリケース
22 被ロック部
22b 切欠部
22c 係合部
22f 傾斜面
24 回転支持軸
30 バッテリ装着部
33 軸嵌込溝
40 バッテリロック部
42 錠装置
42a キーシリンダ
42i 突部
42b 連動部
42c シリンダケース
42d 出退部
42e 圧縮ばね
42f 本体ケース
42g 囲み部
42h 接続部
43 カバー(スライド体)
43a 長孔
43b 起立部
43d 凹部
43c 当接部
44 付勢体
51 カバー
51d 凹部
52 スライド体
52a スライド本体部
52b 突片部
52c 連結片部
52d 突出片部
52e 当接部
53 スライド体
54 取付部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリ装置が着脱自在に装着される電動走行車において、装着されたバッテリ装置をロックするバッテリロック構造であって、
車体側に設けられたバッテリロック部に配設され、バッテリ装置の装着位置に向けて出退する出退部を有する錠装置と、
バッテリ装置に設けられて、前記出退部に係合可能な係合部と、
前記錠装置に対して、バッテリ装置の装着方向にスライド自在に配設されるとともにバッテリ装置に当接可能とされたスライド体と、
前記錠装置と前記スライド体との間に介装されて、前記スライド体をバッテリ装置の装着方向と反対側に付勢し、バッテリ装置装着時には、スライド体を介してバッテリ装置を装着方向と反対側に付勢することで、バッテリ装置の係合部を前記出退部に密接させる付勢体と、
を備えたことを特徴とする電動走行車のバッテリロック構造。
【請求項2】
前記スライド体が、バッテリ装置の係合部と錠装置の出退部とが係合する箇所とは異なる箇所で、バッテリ装置に対して当接して付勢可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載の電動走行車のバッテリロック構造。
【請求項3】
バッテリ装置の装着の際において、バッテリ装置の係合部と錠装置の出退部との係合動作よりも、前記スライド体とバッテリ装置との当接動作および付勢動作が、前に行われるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電動走行車のバッテリロック構造。
【請求項4】
前記スライド体が、バッテリロック部のカバーで構成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の電動走行車のバッテリロック構造。
【請求項5】
前記スライド体が、バッテリロック部のカバーとは別体で構成され、前記錠装置とバッテリ装置装着位置との間に配設されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の電動走行車のバッテリロック構造。
【請求項6】
前記スライド体が、バッテリロック部のカバーで覆われた箇所に配設されていることを特徴とする請求項5記載の電動走行車のバッテリロック構造。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1項に記載のバッテリロック構造を備えたことを特徴とする電動走行車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2013−103581(P2013−103581A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248131(P2011−248131)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】