説明

電動車用フレーム

【課題】構成が簡素化され、構成の弱点を減少でき、構造強度と安全性を増加できる電動車用フレームを提供する。
【解決手段】四つの枠辺11で四角形を呈するフレームが構成され、四つの枠辺はそのうちの二つがサイド枠辺111であり、そのうちの一つが前枠辺112であり、残りが後枠辺113であるベースフレーム10と;二つの前支持枠円弧パイプ21と一つの前支持枠連接パイプ22とを備え、二つの前支持枠円弧パイプ21の一端はそれぞれベースフレーム10の前枠辺112の両端に連接され、更にそれぞれ前支持枠連接パイプ22と連接する二つの前組付けプラットフォーム23を備える前支持枠20と;二つの後支持枠円弧パイプ31と一つの後支持枠連接パイプ32とを備え、二つの後支持枠円弧パイプ32の一端はそれぞれベースフレームの後枠辺の両端に連接される後支持枠30と;四つのサスペンションAと;四つの車輪Bと;を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に関し、特に、電動車用フレームに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両は、国民の日常生活に不可欠なものであり、基本的なフレームを有し、他の部材が前記フレームに組み付けられる。前記フレームは、他の部材の組付けの便利性に関係する他、車両の重量を受けることも必要である。車両の基本的な構造がフレームであり、フレームの構造強度は車両の安全性に強く関連する。
【0003】
図1を参照する。図1に示す電動車用フレームXは、複数のフレームパイプX1を連接して構成され、フレームパイプX1同士の連接角度が直角、又は直角よりも小さい角度である。しかし、電動車用フレームXは全ての重量を受けることが必要であるため、電動車用フレームXの構造の剛性は車両の安全性に直接に影響する。電動車用フレームXの構成の弱点は、フレームパイプX1同士の連接箇所にあり、フレームパイプX1同士の連接角度が直角、又は直角よりも小さい角度である場合には、フレームパイプX1同士の間に応力集中は発生する。このように、電動車用フレームXの受ける重量が重すぎ、又は電動車用フレームXが衝突される場合には、電動車用フレームXの構造が破壊されやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】なし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の主な目的は、構成が簡素化され、構成の弱点を減少でき、構造強度及び安全性を増加できる電動車用フレームを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電動車用フレームによると、四つの枠辺により四角形を呈するフレームが構成され、四つの枠辺は、そのうちの二つがサイド枠辺であり、そのうちの一つが前枠辺であり、残りが後枠辺であり、前枠辺と後枠辺とは、それぞれ二つのサイド枠辺の両端を連接するベースフレームと、
二つの前支持枠円弧パイプと、一つの前支持枠連接パイプと、を備え、二つの前支持枠円弧パイプの一端は、それぞれベースフレームの前枠辺の両端に連接され、各前支持枠円弧パイプは、円弧形を呈するように、ベースフレームから離れる方向に延び、前支持枠連接パイプは二つの前支持枠円弧パイプの他端を連接し、更に、それぞれ前支持枠円弧パイプと連接する二つの前組付けプラットフォームを備える前支持枠と、
二つの後支持枠円弧パイプと、一つの後支持枠連接パイプと、を備え、二つの後支持枠円弧パイプの一端は、それぞれベースフレームの後枠辺の両端に連接され、各後支持枠円弧パイプは、円弧形を呈するように、ベースフレームから離れる方向に延び、後支持枠連接パイプは二つの後支持枠円弧パイプを連接する後支持枠と、
四つのサスペンションと、
四つの車輪と、を含み、
四つのサスペンションのうちの二つは、一端が前支持枠の前組付けプラットフォームに組み付けられ、他端が四つの車輪のうちの二つとそれぞれ連接し、四つのサスペンションのうちの残りは、一端が後支持枠の後支持枠連接パイプに組み付けられ、他端が四つの車輪のうちの残りとそれぞれ連接することを特徴とする。
【0007】
本発明の電動車用フレームによると、ベースフレームの内部には、バッテリーを収容する物置用ブラケットが設けられることを特徴とする。
【0008】
本発明の電動車用フレームによると、ベースフレームの内部には、更に、複数の補強パイプが連接されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の電動車用フレームによると、各前支持枠円弧パイプと前支持枠連接パイプとは中空なパイプであり、各後支持枠円弧パイプと後支持枠連接パイプとは中空なパイプであることを特徴とする。
【0010】
本発明の電動車用フレームによると、更に、二つのサイド支持枠を含み、二つのサイド支持枠の両端は、それぞれ前支持枠と後支持枠とに連接されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の電動車用フレームによれば、構成が簡素化され、構成の弱点を減少でき、構造強度及び安全性を増加できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】従来の電動車用フレームを示す模式図である。
【図2】本発明の一実施例を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施例に車輪とサスペンションとを組付けた状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施例に車輪とサスペンションとを組付けた状態を示す正面図である。
【図5】本発明の一実施例を採用した電動車を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
まず、図2乃至図5を参照する。本発明の一実施例の電動車用フレームは、ベースフレーム10と、前支持枠20と、後支持枠30と、二つのサイド支持枠40と、を含む。
【0015】
ベースフレーム10は、四つの枠辺11により四角形を呈するフレームが構成される。四つの枠辺11は、そのうちの二つがサイド枠辺111であり、そのうちの一つが前枠辺112であり、残りが後枠辺113である。前枠辺112と後枠辺113とは、それぞれ二つのサイド枠辺111の両端を連接する。ベースフレーム10の内部には、バッテリーを収容する物置用ブラケット12が設けられる。ベースフレーム10の内部には、更に、複数の補強パイプ13が連接されている。これにより、ベースフレーム10の積載能力を増加できる。
【0016】
前支持枠20は、二つの前支持枠円弧パイプ21と、一つの前支持枠連接パイプ22と、を備える。二つの前支持枠円弧パイプ21の一端は、それぞれベースフレーム10の前枠辺112の両端に連接される。各前支持枠円弧パイプ21は、円弧形を呈するように、ベースフレーム10から離れる方向に延びる。前支持枠連接パイプ22は二つの前支持枠円弧パイプ21の他端を連接する。各前支持枠円弧パイプ21と前支持枠連接パイプ22とは、矩形の断面形状を有する中空なパイプである。前支持枠20は、前支持枠円弧パイプ21とそれぞれ連接する二つの前組付けプラットフォーム23を備える。
【0017】
後支持枠30は、二つの後支持枠円弧パイプ31と、一つの後支持枠連接パイプ32と、を備える。二つの後支持枠円弧パイプ31の一端は、それぞれベースフレーム10の後枠辺113の両端に連接される。各後支持枠円弧パイプ31は、円弧形を呈するように、ベースフレーム10から離れる方向に延びる。後支持枠連接パイプ32は二つの後支持枠円弧パイプ31を連接する。各後支持枠円弧パイプと後支持枠連接パイプとは、矩形の断面形状を有する中空なパイプである。
【0018】
各サイド支持枠40は、その両端が前支持枠20と後支持枠30とに連接され、車両の殻を支持する。
【0019】
本発明の一実施例の電動車用フレームには、四つのサスペンションAと、四つの車輪Bと、を組付けることができる。四つのサスペンションAのうちの二つは、一端が前支持枠20の前組付けプラットフォーム23に組み付けられ、他端が四つの車輪Bのうちの二つとそれぞれ連接する。四つのサスペンションAのうちの残りは、一端が後支持枠30の後支持枠連接パイプ32に組み付けられ、他端が四つの車輪Bのうちの残りとそれぞれ連接する。このように、フレームの受ける重量は、前支持枠20と後支持枠30とを介してサスペンションAに伝達されて、サスペンションAを介して各車輪Bに加える。上記の説明から明らかなように、本発明の前支持枠20と後支持枠30とが先にフレームなどの重量を受け、なお、前支持枠20と後支持枠30とは、前支持枠円弧パイプ21と後支持枠円弧パイプ31とを介して、ベースフレーム10と連接するため、従来のものより、構造の数量を減少でき、力を受ける面積を増加できる。そして前支持枠円弧パイプ21と後支持枠円弧パイプ31との円弧形な構成により、パイプの連接箇所での応力集中を減少でき、フレームの構造強度を増加できる。また、前支持枠円弧パイプ21、後支持枠円弧パイプ31、前支持枠連接パイプ22及び後支持枠連接パイプ32は、中空なパイプを採用するため、フレームを軽量化でき、電力の消費を節約できる。
【0020】
図3及び図5を参照する。本発明の一実施例の電動車用フレームには、駆動ユニットCと、制御ユニットDと、座席Eと、を組付けることができる。
【0021】
駆動ユニットCは、発動機C1と、駆動連接軸C2と、複数のバッテリーC3と、を含む。駆動連接軸C2の両端は、後支持枠30に近接する二つの車輪Bに連接される。発動機C1は、駆動連接軸C2を駆動して車輪Bを回転させる。発動機C1は、更に、これらのバッテリーC3と電気的に接続して、バッテリーC3からの電力を受ける。
【0022】
制御ユニットDは、前支持枠20に近接する二つの車輪Bに連接される。制御ユニットDは、車輪Bの前進方向を制御する。
【0023】
座席Eは、電動車用フレームのベースフレーム10に組み付けられる。
【0024】
このように、駆動ユニットCのバッテリーC3により、発動機C1が駆動連接軸C2を駆動して、駆動連接軸C2が後支持枠30に近接する車輪Bを回転させ、これにより、電動車を移動することができ、そして前支持枠20に近接する車輪Bも駆動される。ユーザは、座席Eに座って、制御ユニットDを操作することにより、車輪Bの前進方向を制御できる。本発明の電動車用フレームによれば、構成が簡素化され、構成の弱点を減少でき、構造強度及び安全性を増加できる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、電動車に適用することができる。
【符号の説明】
【0026】
10:ベースフレーム
11:枠辺
12:物置用ブラケット
13:補強パイプ
20:前支持枠
21:前支持枠円弧パイプ
22:前支持枠連接パイプ
23:前組付けプラットフォーム
30:後支持枠
31:後支持枠円弧パイプ
32:後支持枠連接パイプ
40:サイド支持枠
111:サイド枠辺
112:前枠辺
113:後枠辺
A:サスペンション
B:車輪
C:駆動ユニット
C1:発動機
C2:駆動連接軸
C3:バッテリー
D:制御ユニット
E:座席
X:電動車用フレーム
X1:フレームパイプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
四つの枠辺により四角形を呈するフレームが構成され、四つの前記枠辺は、そのうちの二つがサイド枠辺であり、そのうちの一つが前枠辺であり、残りが後枠辺であり、前記前枠辺と前記後枠辺とは、それぞれ二つの前記サイド枠辺の両端を連接するベースフレームと、
二つの前支持枠円弧パイプと、一つの前支持枠連接パイプと、を備え、二つの前記前支持枠円弧パイプの一端は、それぞれ前記ベースフレームの前記前枠辺の両端に連接され、各前記前支持枠円弧パイプは、円弧形を呈するように、前記ベースフレームから離れる方向に延び、前記前支持枠連接パイプは二つの前記前支持枠円弧パイプの他端を連接し、更に、それぞれ前記前支持枠円弧パイプと連接する二つの前組付けプラットフォームを備える前支持枠と、
二つの後支持枠円弧パイプと、一つの後支持枠連接パイプと、を備え、二つの前記後支持枠円弧パイプの一端は、それぞれ前記ベースフレームの前記後枠辺の両端に連接され、各前記後支持枠円弧パイプは、円弧形を呈するように、前記ベースフレームから離れる方向に延び、前記後支持枠連接パイプは二つの前記後支持枠円弧パイプを連接する後支持枠と、
四つのサスペンションと、
四つの車輪と、を含み、
四つの前記サスペンションのうちの二つは、一端が前記前支持枠の前記前組付けプラットフォームに組み付けられ、他端が四つの前記車輪のうちの二つとそれぞれ連接し、四つの前記サスペンションのうちの残りは、一端が前記後支持枠の前記後支持枠連接パイプに組み付けられ、他端が四つの前記車輪のうちの残りとそれぞれ連接することを特徴とする電動車用フレーム。
【請求項2】
前記ベースフレームの内部には、バッテリーを収容する物置用ブラケットが設けられることを特徴とする、請求項1に記載の電動車用フレーム。
【請求項3】
前記ベースフレームの内部には、更に、複数の補強パイプが連接されていることを特徴とする、請求項1に記載の電動車用フレーム。
【請求項4】
各前記前支持枠円弧パイプと前記前支持枠連接パイプとは中空なパイプであり、各前記後支持枠円弧パイプと前記後支持枠連接パイプとは中空なパイプであることを特徴とする、請求項1に記載の電動車用フレーム。
【請求項5】
前記電動車用フレームは、更に、二つのサイド支持枠を含み、二つの前記サイド支持枠の両端は、それぞれ前記前支持枠と前記後支持枠とに連接されることを特徴とする、請求項1に記載の電動車用フレーム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−14314(P2013−14314A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−111991(P2012−111991)
【出願日】平成24年5月16日(2012.5.16)
【出願人】(507318222)エネルギー コントロール リミテッド (6)
【氏名又は名称原語表記】ENERGY CONTROL LIMITED
【住所又は居所原語表記】Portcullis TrustNet Chambers,P.O.Box 3444 Road Town,Tortola,British Virgin Islands
【Fターム(参考)】