説明

電動送風機及び電気掃除機

【課題】簡単な構成で、電機子コイルの冷却効率を維持しつつ、ローターに起因する風損を低減させる。
【解決手段】モーター部16とファン部35とで構成され、遠心ファン29からの吐出気流を、ディフューザ25を介して、モーターケース3内へ導入し、ローター8を冷却する電動送風機2において、ローター8は、回転軸10と、回転軸10に装着され、外周にスロット15を形成するローターコア11と、スロット15に配設される電機子コイル12とで構成されるとともに、ローターコア11の軸方向両端側に、電機子コイル12がスロット15から露出するコイルエンド17を有し、コイルエンド17の外周部を覆うリングカバー20を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
電動送風機及びその電動送風機を用いた電気掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
市場では吸込力の強い電気掃除機が望まれており、電気掃除機の吸込仕事率を向上させるための手段が種々検討されている。
一般的な電動送風機は、モーター部とファン部とで構成されている。前記モーター部は、一端側を開口した円筒状のモーターケースと、該モーターケース内に収納されるローター及びステーターと、前記モーターケースの開口に配設されるエンドブラケットとから構成され、前記モーターケースとエンドブラケットにより、前記ローターの回転軸を軸支している。前記ファン部は、前記エンドブラケットを貫通した前記ローターの回転軸に装着される遠心ファンと、該遠心ファンの下流側に配設されるディフューザと、前記遠心ファン及びディフューザを覆うファンカバーとにより構成されている。
この構成により、遠心ファンからの吐出気流を、ディフューザを介してエンドブラケット側から前記モーターケース内へ導入し、モーター部の冷却風として利用することで、ローターやステーター等を冷却し、発熱によるエネルギー損失(銅損)を低減させるようになっている。
前記ローターは、回転軸と、外周に磁極片を形成すると共に、磁極片間にスロットを形成するローターコアと、スロットに巻回される電機子コイルとで構成され、ローターコアの回転軸両端側に、電機子コイルがスロットから露出して積み重なることによりコイルエンドが形成されている。電機子コイルは、複数の磁極片を跨ぐようにスロットに分布巻きに巻装されるため、コイルエンドは、回転軸側になるに従って軸方向に膨出するように形成されている。このコイルエンドの表面は、巻装された電機子コイルによって凹凸状に形成され、この凹凸により、ローターが回転した際に乱流が発生する。このコイルエンドの凹凸によって発生する乱流が冷却風の流れを阻害し、電動送風機の特性を悪化させる(風損)という問題があった。
【0003】
この問題を解決するために、ローターコアのコイルエンドの表面を熱性硬化性樹脂で覆うことで、コイルエンドの表面を平滑面にし、乱流の発生を防止して、風損を低減するように構成した電動送風機が提案された(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−303440
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の構成では、電機子コイルを冷却するために、コイルエンドに電機子コイルの一部が露出するように熱硬化性樹脂が塗布されており、この熱硬化性樹脂は、コイルエンドの表面を平滑面に形成するために、電機子コイルによる凹凸を埋めるように塗布される。コイルエンドの表面を平滑な半球状面とするためには、コイルエンドの凹凸の最も外側に突出する部分に合わせて熱硬化性樹脂を塗布する必要がある。しかしながら、コイルエンドの凹凸は、電機子コイルの巻装状態により異なるため、熱硬化性樹脂もコイルエンドの凹凸に合わせて塗布する必要があり、従って、熱硬化性樹脂の塗布工程が複雑で、困難となる問題があった。
【0006】
電動送風機に使用されるローターは、上述したように、電機子コイルが、ローターコアの磁極片間に形成されるスロットに、順次複数の磁極片を跨ぐように巻装する分布巻きに巻装されている。そのため、コイルエンドには、磁極片の軸方向両端付近に、磁極片の幅によって電機子コイルが巻装されず、電機子コイルが占有しない空間となる略三角形状の隙間が形成される。本出願人は、ローターの冷却効率を維持しつつ、風損を低減させるために研究開発を行う中で、特にこの略三角形状の隙間に起因して大きな乱流が発生され、冷却風のスムーズな流れが阻害されることにより、電動送風機の特性を悪化させていることを知見した。
本発明は、電機子コイルの冷却効率を維持しつつ、ローターに起因する風損を簡単な構成で低減させることが可能な電動送風機及びその電動送風機を有する電気掃除機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一端側を開口した円筒状のモーターケースと、該モーターケース内に収納されるローター及びステーターと、前記モーターケースの開口に配設されるエンドブラケットとで構成されるモーター部と、
前記エンドブラケットを貫通した前記ローターの回転軸に装着される遠心ファンと、該遠心ファンの下流側に配設されるディフューザと、前記遠心ファン及びディフューザを覆うファンカバーとで構成されるファン部と、により構成され、
前記遠心ファンからの吐出気流を前記ディフューザを介して、前記エンドブラケット側から前記モーターケース内へ導入し、前記ローターを冷却する電動送風機であって、
前記ローターは、前記回転軸と、該回転軸に装着され、外周にスロットを形成するローターコアと、前記スロットに配設される電機子コイルとで構成されるとともに、前記ローターコアの軸方向両端側に、前記電機子コイルが前記スロットから露出するコイルエンドを有し、コイルエンドの外周部を覆うリングカバーを備えたことを特徴とする。
また、前記スロットに嵌着され、前記電機子コイルを固定するウェッジを有し、該ウェッジと前記リングカバーとが一体成型されて形成される被覆部材を備えることが好ましい。
さらに、前記ローターの遠心ファン側に位置するコイルエンドに、前記リングカバーを装着することが好ましい。
【0008】
また、前記ローターには、ローターコアの遠心ファンと対向する位置に整流子を設け、該整流子側に位置するコイルエンドに、前記リングカバーを装着することが好ましい。
さらに、前記ローターコアの前記遠心ファン側から装着される前記被覆部材と、前記整流子側から装着される前記被覆部材とを備えることが好ましい。
また、電気掃除機の電動送風機として配設されることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
請求項1によると、ローターコアにリングカバーを装着するだけの簡単な構成で、コイルエンドに起因する風損を防ぐとともに、リングカバーの開口部分から電機子コイルを露出させることにより、電機子コイルの冷却効率を維持することができる等の効果を奏する。
請求項2によると、請求項1の効果に加えて、リングカバーがウェッジと一体成型されるので、コストを低減することができる等の効果を奏する。
請求項3によると、請求項1の効果に加えて、遠心ファン側のコイルエンドにおける乱流を極力低減することができる等の効果を奏する。
請求項4によると、請求項1の効果に加えて、整流子への電機子コイルの接続により凹凸が大きくなる整流子側のコイルエンドの乱流を極力低減することができる等の効果を奏する。
請求項5によると、請求項3と請求項4の効果を得ることができる等の効果を奏する。
請求項6によると、請求項1乃至請求項4に示される高特性の電動送風機を備えることで、吸引力を向上させた電気掃除機を提供することができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】電動送風機を示す部分断面図である。
【図2】本実施形態における電機子コイルが巻装されたローターの上面図である。
【図3】同ローターコアの形状を示す上面図である。
【図4】同ローターの断面図である。
【図5】同被覆部材の断面図である。
【図6】同被覆部材の上面図である。
【図7】同被覆部材の中心を通る断面で切断した被覆部材の斜視図である。
【図8】同被覆部材が装着されたローターコアの上面図である。
【図9】同遠心ファン及びディフューザの断面図である。
【図10】同遠心ファン及びディフューザの上面図である。
【図11】同ディフューザの上面図である。
【図12】同ディフューザの下面図である。
【図13】同電気掃除機の断面図である。
【図14】リングカバーを遠心ファン側に備えた実施形態のローターの断面図である。
【図15】従来のローターの断面図である。
【図16】従来のローターコアの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態を図1乃至図15に基づいて以下に詳述する。尚、方向の定義として、以下図1における紙面上の上方向を上側(上面)、下方向を下側(下面)、左右方向を側面側(側面)とする。
まず、電気掃除機について詳述する。
図13に示すように、電気掃除機は、集塵室(図示せず)及び電動送風機2を内蔵する掃除機本体1と、一端が前記掃除機本体1に接続され、他端に手元側接続管が形成されるホース(図示せず)と、該ホースに接続される延長管(図示せず)と、該延長管の先に接続される床用吸込具(図示せず)とを有している。前記手元側接続管には、外周部に把持部(図示せず)が形成されており、該把持部の上面には操作パネルが形成されている。被掃除面の塵埃は、床用吸込具から吸引され、延長管及びホース内を流れて、掃除機本体1の集塵室内に集塵される。
次に本発明の実施形態の電動送風機2について以下に詳述する。
【0012】
図1において、3は上面開口を有する略円筒形状のモーターケースで、上面開口周縁にフランジ4が形成され、側面に開口5が形成されている。
【0013】
6は前記モーターケース3の上面開口を跨ぐように配設されるエンドブラケットで、前記フランジ4に固定される。7は前記モーターケース3内に圧入嵌合されるステーターで、該ステーター7で囲まれる空間内にローター8が配設され、該ローター8の回転軸10がモーターケース3底面とエンドブラケット6に軸受9を介して回転自在に保持されている。
【0014】
図2乃至図4において、前記ローター8は、回転軸10と、該回転軸10に固着されるローターコア11と、該ローターコア11に巻装される電機子コイル12と、整流子13とを有している。前記ローターコア11は、外周に向かって磁極片14を突出形成すると共に、磁極片14間にスロット15が形成されており、前記スロット15に電機子コイル12が分布巻きに巻装されている。
前記ローター8と、前記ステーター7と、前記エンドブラケット6と、前記モーターケース3とで、モーター部16が構成されている。
前記電機子コイル12は、図2及び図16に例示されるように、複数の前記磁極片14を跨ぐように前記スロット15に分布巻きに巻装されることにより、前記ローターコア11の軸方向両端側にコイルエンド17が形成される。前記コイルエンド17は、電機子コイル12が分布巻きに巻装されるため、前記スロット15から露出した電機子コイル12が前記ローターコア11の回転軸10側になるに従って軸方向に突出するように膨出する略半球形状に形成される。前記コイルエンド17外周部には、図2に示されるように、各磁極片14の軸方向両端付近に、磁極片14の幅によって電機子コイル12が巻装されず、電機子コイル12が占有しない空間となる略三角形状の隙間18が形成される。
図4乃至図7において、19は前記ローターコア11上下両端部のコイルエンド17外周部を覆うように装着される被覆部材で、絶縁性を有する耐熱性合成樹脂製により形成されており、環状に形成されたリングカバー20と、前記スロット15に挿入されてスロット15内の電機子コイル12の外周を覆うウェッジ21とを一体形成している。前記リングカバー20の内周部分には、開口部22が形成されており、該開口部22から前記コイルエンド17の電機子コイル12を露出される。前記リングカバー20は、前記略三角形状の隙間18の外周を覆う側壁23と、側壁23から内径方向斜め上方向に向かって延設され、コイルエンド17外周側の上面を覆う覆い部24とを有しており、該覆い部24は、先端になるに従って漸次肉薄に形成されている。上下の前記コイルエンド17に被覆部材19をそれぞれ装着した状態で、前記ウェッジ21先端が互いに当接もしくは近接する長さに設定されている。前記ウェッジ21によって、前記スロット15に巻装された電機子コイル12が遠心力により飛び出すのを防止している。
【0015】
また、電機子コイル12をスロット15に巻装させる際に、電機子コイル12同士、或いは電機子コイル12とローターコア11が摺接し、電機子コイル12の被覆が剥離する虞があるため、電機子コイル12のショートを防止する目的で、一般的にローターコア11には、電機子コイル12を巻装させた後、ワニス等の粘性の低い絶縁性熱硬化性樹脂を塗布するようになっている。本実施形態では、被覆部材19をローターコア11に装着した後、ワニスをローターコア11に塗布することで、電機子コイル12のショートを防止している。
【0016】
尚、ワニスは、電機子コイル12のショートを防止する目的で、薄くローターコア11に塗布されるため、電機子コイル12の冷却を妨げることはない。
本実施形態の被覆部材19をローターコア11に装着させると、コイルエンド17と覆い部24との間に段差が形成されるが、覆い部24は先端になるにつれて漸次肉薄に形成することで、段差が低くなるようになっており、更に、被覆部材19を装着した後にワニスを塗布するように構成しているので、覆い部24の内径側周面とコイルエンド17との間の段差を埋めることができるようになっている。
図9乃至図12において、25は前記フランジ4上面側に配設されるディフューザで、上面略中央にファン収納部26、上面外周側にボリュート壁27、下面にリターン翼28が形成されており、前記ファン収納部26略中央から前記回転軸10が貫通した状態で、前記エンドブラケット6にネジ止め固定される。29は前記ファン収納部26に配設され、前記回転軸10に抜け止め固定される遠心ファンで、上面略中央に形成される流入口30と、側面に形成される吐出口31とを有しており、遠心ファン29の回転により、前記流入口30から前記吐出口31へ流れる吐出気流が生じるようになっている。
32は前記フランジ4外周に嵌着され、前記ディフューザ25および前記遠心ファン29を覆うファンカバーで、前記流入口30と対向する位置に形成される吸込口33と、側面に形成される排気口34とを有している。
前記ファンカバー32が、モーターケース3フランジ4外周に嵌着されることで、ファンカバー32の壁面と、ディフューザ25のボリュート壁27とリターン翼28とで、遠心ファン29からの吐出気流を整流し、前記モーターケース3内へ導入するディフューザ流路を形成している。
而して、前記遠心ファン29、前記ディフューザ25と、前記ファンカバー32とで、吐出気流を発生させ、該吐出気流をモーターケース3内へ導入するファン部35が構成される。遠心ファン29からの吐出気流が、エンドブラケット6側よりモーターケース3内に導かれ、ステーター7及びローター8等を冷却して、モーターケース3の側面開口5より排気される。
この構成により、ステーター7及びローター8等が冷却されるため、前述の温度上昇による電気抵抗の増加を防ぐことができ、ステーター7やローター8等における銅損を低減するようになっている。
【0017】
ローター8の上流側(遠心ファン29側)のコイルエンド17には、被覆部材19が装着され、リングカバー20の覆い部24がコイルエンド17外周の略三角形状の隙間18を閉塞すると共に、覆い部24がコイルエンド17外周部上面をなだらかに覆うように装着されている。従って、ローター8の上流側(遠心ファン29側)のコイルエンド17における乱流の発生源であるコイルエンド17外周部の凹凸がなくなり、コイルエンド17における乱流の発生が極力低減され、遠心ファン29側からモーターケース3内に導かれた吐出気流を、スムーズに下流側に向かって導くことができる。よって、遠心ファン29の排気抵抗を極力低減することができ、電動送風機2の特性を向上することができる。
【0018】
ローター8の整流子13側のコイルエンド17は、電機子コイル12を整流子13と接続する必要があるため、ローター8の遠心ファン29側のコイルエンド17よりも電機子コイル12による凹凸が大きくなり、その凹凸の大きさと前記コイルエンド17外周の略三角形状の隙間18により、乱流が発生する問題があった。
【0019】
本発明の実施形態では、ローター8の整流子13側のコイルエンド17に、被覆部材19が装着され、リングカバー20の覆い部24がコイルエンド17外周の略三角形状の隙間18を閉塞すると共に、覆い部24がコイルエンド17外周部下面をなだらかに覆うように装着されるので、ローター8の整流子13側のコイルエンド17における乱流を極力低減することができる。よって、遠心ファン29の排気抵抗を極力低減することができ、電動送風機2の特性を向上することができる。
さらに、前述の通り、リングカバー20の覆い部24は、先端になるに従って漸次肉薄に形成されているので、コイルエンド17に塗布されるワニスによって、コイルエンド17と覆い部24との間の段差が埋められ、段差に起因する風損を低減することができる。
また、リングカバー20の開口部22からコイルエンド17に巻装される電機子コイル12の一部を露出させることができる。それにより、開口部22から露出した電機子コイル12が直接冷却風に曝されるので、電機子コイル12が冷却され、ローター8の冷却効率を維持することができる。
リングカバー20は、風損の主要因である略三角形状の隙間18を閉塞し、開口部22から露出させた電機子コイル12を冷却できるように構成されるため、本発明の電動送風機2は、風損を低減させるとともに、ローター8の冷却効率を維持することができる。
また、リングカバー20及びウェッジ21は一体成形されるため、リングカバー20を備えることによるローター8の製造コストの増加を低減することができる。
さらに、ローターコア11に被覆部材19を装着するのみという簡単な構成で、ローターに起因する風損を低減することができる。
【0020】
尚、本実施形態では、ローター8の上下のコイルエンド17に装着する被覆部材19を、コイルエンド17外周部上面をなだらかに覆うような形状に形成したが、コイルエンド17の形状に合わせて異なる形状にしてもよい。
【0021】
上記本発明の実施形態の電動送風機2を電気掃除機に採用することにより、電気掃除機の吸込仕事率を向上することができる等の効果を奏する。
【0022】
また、本実施形態において、被覆部材19はローターコア11の両側に装着するように構成されているが、被覆部材19をローターコア11の遠心ファン29側、若しくは整流子13側のどちらか一方に装着するように構成しても良い。この場合、被覆部材19のウェッジ21は、スロット15の軸方向の長さと略等しい長さとすることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は、電動送風機及び電動送風機を有する電気掃除機に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0024】
1 掃除機本体
2 電動送風機
3 モーターケース
4 フランジ
5 開口
6 エンドブラケット
7 ステーター
8 ローター
9 軸受
10 回転軸
11 ローターコア
12 電機子コイル
13 整流子
14 磁極片
15 スロット
16 モーター部
17 コイルエンド
18 略三角形状の隙間
19 被覆部材
20 リングカバー
21 ウェッジ
22 開口部
23 側壁
24 覆い部
25 ディフューザ
26 ファン収納部
27 ボリュート壁
28 リターン翼
29 遠心ファン
30 流入口
31 吐出口
32 ファンカバー
33 吸込口
34 排気口
35 ファン部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端側を開口した円筒状のモーターケースと、該モーターケース内に収納されるローター及びステーターと、前記モーターケースの開口に配設されるエンドブラケットとで構成されるモーター部と、
前記エンドブラケットを貫通した前記ローターの回転軸に装着される遠心ファンと、該遠心ファンの下流側に配設されるディフューザと、前記遠心ファン及びディフューザを覆うファンカバーとで構成されるファン部と、から構成され、
前記遠心ファンからの吐出気流を、前記ディフューザを介して、前記エンドブラケット側から前記モーターケース内へ導入し、前記ローターを冷却する電動送風機であって、
前記ローターは、前記回転軸と、該回転軸に装着され、外周にスロットを形成するローターコアと、前記スロットに配設される電機子コイルとで構成されるとともに、
前記ローターコアの軸方向両端側に、前記電機子コイルが前記スロットから露出するコイルエンドを有し、
該コイルエンドの外周部を覆うリングカバーを備えたことを特徴とする電動送風機。
【請求項2】
前記スロットに嵌着され、前記電機子コイルを固定するウェッジを有し、該ウェッジと前記リングカバーとが一体成型されて形成される被覆部材を備えることを特徴とする請求項1記載の電動送風機。
【請求項3】
前記ローターの遠心ファン側に位置するコイルエンドに、前記リングカバーを装着することを特徴とする請求項1記載の電動送風機。
【請求項4】
前記ローターには、ローターコアの遠心ファンと対向する位置に整流子を設け、該整流子側に位置するコイルエンドに、前記リングカバーを装着することを特徴とする請求項1記載の電動送風機。
【請求項5】
前記ローターコアの前記遠心ファン側から装着される前記被覆部材と、前記整流子側から装着される前記被覆部材とを備えることを特徴とする請求項2記載の電動送風機。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の電動送風機を有することを特徴とする電気掃除機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−229746(P2011−229746A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−104060(P2010−104060)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】