説明

電動駆動車両

【課題】蓄電装置における現在の蓄電残量に基づいて操作者が望むように電動駆動車両を走行させることができるようにする。
【解決手段】蓄電装置と、発電装置と、駆動モータと、電動駆動車両を走行させるのに必要な消費エネルギーを算出する消費エネルギー算出処理手段と、前記蓄電装置に残存する残存エネルギーを算出する残存エネルギー算出処理手段と、前記消費エネルギー及び残存エネルギーに基づいて、操作者が望むように電動駆動車両を走行させることができるかどうかを判断する走行可否判断処理手段と、電動駆動車両の走行方法を案内する走行方法案内処理手段とを有する。消費エネルギー及び残存エネルギーに基づいて、電動駆動車両を走行させることができるかどうかが判断されるので、操作者が望むように電動駆動車両を走行させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動駆動車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電気自動車等の電動駆動車両、例えば、電気自動車は、車両駆動装置を備え、該車両駆動装置において、駆動モータを蓄電装置としてのバッテリから供給される電力によって駆動し、駆動モータのトルク、すなわち、駆動モータトルクを発生させ、該駆動モータトルクを駆動輪に伝達することによって走行させられるようになっている。
【0003】
ところが、前記バッテリにおいては、単位重量当たりの容量を表すエネルギー密度を十分に高くすることができないので、バッテリから供給される電力を利用して電気自動車を走行させた場合、走行可能な距離を表す第1の走行可能指標としての航続距離、走行可能な時間を表す第2の走行可能指標としての航続時間等を長くすることができない。航続距離、航続時間等を長くするためにはバッテリの容量を大きくする必要があるが、その場合、バッテリが大型化するだけでなく、バッテリの重量が大きくなる。その結果、電気自動車が大型化し、電気自動車の重量が大きくなってしまう。
【0004】
そこで、航続距離、航続時間等を長くすることができるように、バッテリのほかに発電機を配設し、エンジンによって発電機を駆動して電流を発生させ、バッテリに供給するようにした電動駆動車両として、ハイブリッド型車両が提供されている。
【0005】
そして、該ハイブリッド型車両においては、バッテリの充電度合い(蓄電量)を表すバッテリ残量、エンジンを駆動するための燃料の残量、すなわち、燃料残量、及びハイブリッド型車両の過去の走行状況に基づいて航続距離及び航続時間が算出され、表示部に形成された画面に表示されるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−231103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来のハイブリッド型車両においては、発電機の出力をハイブリッド型車両に加わる走行負荷に対応させて調整する必要があるので、制御部における制御が複雑になるとともに、発電効率が低くなってしまう。
【0008】
そこで、発電機を発電効率が高い一定の出力で駆動するようにしたハイブリッド型車両が考えられるが、その場合、発電機を一定の出力で駆動するのに必要な時間、すなわち、必要発電時間がバッテリにおける蓄電残量としてのバッテリ残量によって異なるので、現在のバッテリ残量に基づいて、操作者である運転者が望むようにハイブリッド型車両を走行させることが困難である。
【0009】
本発明は、前記従来のハイブリッド型車両の問題点を解決して、蓄電装置における現在の蓄電残量に基づいて操作者が望むように走行させることができるようにした電動駆動車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そのために、本発明の電動駆動車両においては、蓄電装置と、発電装置と、前記蓄電装置及び発電装置と接続され、蓄電装置及び発電装置から供給される電力によって駆動される駆動モータと、電動駆動車両を走行させるのに必要な消費エネルギーを算出する消費エネルギー算出処理手段と、前記蓄電装置に残存する残存エネルギーを算出する残存エネルギー算出処理手段と、前記消費エネルギー及び残存エネルギーに基づいて、操作者が望むように電動駆動車両を走行させることができるかどうかを判断する走行可否判断処理手段と、操作者が望むように電動駆動車両を走行させることができない場合に、電動駆動車両の走行方法を案内する走行方法案内処理手段とを有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電動駆動車両においては、蓄電装置と、発電装置と、前記蓄電装置及び発電装置と接続され、蓄電装置及び発電装置から供給される電力によって駆動される駆動モータと、電動駆動車両を走行させるのに必要な消費エネルギーを算出する消費エネルギー算出処理手段と、前記蓄電装置に残存する残存エネルギーを算出する残存エネルギー算出処理手段と、前記消費エネルギー及び残存エネルギーに基づいて、操作者が望むように電動駆動車両を走行させることができるかどうかを判断する走行可否判断処理手段と、操作者が望むように電動駆動車両を走行させることができない場合に、電動駆動車両の走行方法を案内する走行方法案内処理手段とを有する。
【0012】
この場合、消費エネルギー及び残存エネルギーに基づいて、操作者が望むように電動駆動車両を走行させることができるかどうかが判断され、操作者が望むように電動駆動車両を走行させることができない場合に、電動駆動車両の走行方法が案内されるので、操作者が望むように電動駆動車両を走行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態における車両駆動装置を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるハイブリッド型車両の概念図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における制御部の動作を示すメインフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態における走行パターン設定処理のサブルーチンを示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における走行パターン記録部の記録状態を示す第1の図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における必要発電時間算出処理のサブルーチンを示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における発電可能時間算出処理のサブルーチンを示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態における到達可否判断処理のサブルーチンを示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態における発電設定処理のサブルーチンを示す図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態における案内処理のサブルーチンを示す図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態における走行方法案内処理のサブルーチンを示す図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態における休憩付き走行方法案内処理のサブルーチンを示す図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態における経路変更走行方法案内処理のサブルーチンを示す図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態におけるエコ走行方法案内処理のサブルーチンを示す図である。
【図15】本発明の第1の実施の形態における走行パターン作成処理のサブルーチンを示す図である。
【図16】本発明の第1の実施の形態における走行パターン記録部の記録状態を示す第2の図である。
【図17】本発明の第1の実施の形態における走行パターン記録部の記録状態を示す第3の図である。
【図18】本発明の第1の実施の形態における航続距離算出処理のサブルーチンを示す図である。
【図19】本発明の第1の実施の形態における割込処理の動作を示すフローチャートである。
【図20】本発明の第1の実施の形態における割込処理の航続距離算出処理のサブルーチンを示す図である。
【図21】本発明の第1の実施の形態における航続距離を説明するための図である。
【図22】本発明の第1の実施の形態における航続時間を説明するための図である。
【図23】本発明の第2の実施の形態における制御部の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、電動駆動車両としてのハイブリッド型車両について説明する。
【0015】
図2は本発明の第1の実施の形態におけるハイブリッド型車両の概念図である。
【0016】
図において、WL、WRは駆動輪として機能する車輪、11は該車輪WL、WRと接続された駆動源としての、かつ、第1の電動機械としての駆動モータ(M)である。該駆動モータ11を駆動することによって発生させられた駆動モータトルクを前記車輪WL、WRに伝達することによってハイブリッド型車両を走行させることができる。
【0017】
なお、ハイブリッド型車両が前輪駆動方式の場合、前記車輪WL、WRは前輪にされ、後輪が従動輪となり、ハイブリッド型車両が後輪駆動方式の場合、前記車輪WL、WRは後輪にされ、前輪が従動輪となる。また、ハイブリッド型車両が四輪駆動方式の場合、前記駆動モータ11は前輪及び後輪の各車輪と接続される。本実施の形態においては、駆動モータ11と車輪WL、WRとが接続され、駆動モータ11を駆動することによって車輪WL、WRが回転させられるようになっているが、前輪及び後輪の各車輪に駆動モータを一体に組み込み、各駆動モータを独立に駆動してそれぞれ車輪を回転させることができる。
【0018】
また、13は駆動モータ11と接続され、駆動モータ11を駆動したり、回生したりするための駆動回路としてのインバータ、14は第1の電源としての、かつ、蓄電装置としてのバッテリ、15は第2の電源としての、第2の電動機械としての、かつ、発電装置としての発電機(G)である。前記バッテリ14及び発電機15から供給される電力によって駆動モータ11が駆動される。
【0019】
そして、16は前記バッテリ14と接続された接続要素としての差込プラグ、17は、前記発電機15と接続され、発電機15を駆動する駆動回路としてのインバータ、18は前記発電機15を駆動するための駆動源としてのエンジン(E/G)、19は該エンジン18に燃料(駆動媒体)としてのガソリンを供給する燃料タンクである。
【0020】
前記各インバータ13、17は、それぞれ、電圧変換部としての図示されないDC/DCコンバータ、及び複数の、例えば、6個のスイッチング素子としての図示されないトランジスタを備える。前記DC/DCコンバータは、駆動モータ11及び発電機15とバッテリ14との間で電圧を変更する。また、前記各トランジスタは、一対ずつユニット化されて各相のトランジスタモジュール(IGBT)を構成し、図示されない制御部から送られる駆動信号によってオン・オフさせられ、インバータ13において、バッテリ14から供給された直流の電流を3相の交流の電流に変換し、駆動モータ11に供給して駆動モータ11を駆動したり、駆動モータ11の回生に伴って発生させられた3相の交流の電流を直流の電流に変換し、バッテリ14に供給してバッテリ14を充電したり、インバータ17において、発電機15の発電に伴って発生させられた3相の交流の電流を直流の電流に変換し、バッテリ14に供給してバッテリ14を充電したりすることができる。そして、前記差込プラグ16を、家庭の商用電源のコンセント、充電スタンド(充電施設)の充電装置のコンセント等に差し込むことによって、バッテリ14を充電することができる。
【0021】
なお、本実施の形態において、DC/DCコンバータはインバータ13に内蔵されるようになっているが、インバータ13と独立させて配設することができる。
【0022】
本実施の形態においては、バッテリ14としてリチウムイオン電池が使用される。また、本実施の形態においては、蓄電装置として、バッテリが使用されるが、バッテリに代えてキャパシタを使用することができる。
【0023】
なお、本実施の形態においては、駆動モータ11に電流を供給することによってハイブリッド型車両を目的地まで走行させることができ、ハイブリッド型車両の平坦(たん)路、登板路等における走行性能、及びハイブリッド型車両の加速時における加速性能を十分に高くすることができるように、バッテリ14は十分な電力を保持し、バッテリ14のエネルギー密度が0.1〔kWh/kg〕以上に、出力密度が1〔kW/kg〕以上にされる。
【0024】
また、バッテリ14の重量は、ハイブリッド型車両の動力性能を確保するために必要とされる最大出力及びバッテリ14の性能に基づいて、バッテリ14の許容範囲内で設定される。なお、最大出力は、車両重量、及び走行に伴ってハイブリッド型車両に加わる走行抵抗(空気抵抗、転がり抵抗、登坂抵抗、加速抵抗等)に基づいて算出される。
【0025】
例えば、車両重量が1000〔kg〕程度のハイブリッド型車両の場合、ハイブリッド型車両の最大出力は40〜60〔kW〕であり、バッテリ14の重量は40〜60〔kg〕にされる。従来の電気自動車において、航続距離を300〜500〔km〕とすると、電気自動車を走行させるのに必要なエネルギーは、約0.1〔kWh/km〕であるので、バッテリ14の重量は300〜500〔kg〕になる。これに対して、本実施の形態においては、発電機15によってバッテリ14を充電することにより走行に必要なエネルギーを補うことができるので、バッテリ14の重量を従来の電気自動車の1/8〜1/5にすることができる。
【0026】
本実施の形態においては、エンジン18として、ガソリンを燃料とする内燃式のエンジンが使用されるが、ガソリンに代えて水素等を燃料とする内燃式のエンジンを使用することができる。また、本実施の形態においては、発電機15を駆動するために内燃式のエンジンが使用されるが、エンジンとして、高圧の燃料タンクから供給される炭酸ガス、メタンガス等を燃料とする往復ピストン型の膨張式エンジンとしての、かつ、気化式エンジンとしての炭酸ガスエンジン、メタンガスエンジン等を使用することができる。
【0027】
さらに、発電装置として燃料電池を使用し、燃料電池として、固体高分子型燃料電池(PEFC)、リン酸型燃料電池(PAFC)、固体酸化物型燃料電池(SOFC)、ヒドラジン型燃料電池、直接メタノール型燃料電池(DMFC)等を使用することができる。
【0028】
ところで、バッテリ14の充電度合い(蓄電量)を表すために蓄電残量としてのバッテリ残量SOC〔%〕が使用される。該バッテリ残量SOC〔%〕は、それ以上バッテリ14が放電すると、過放電により、バッテリ14が急激に劣化するとされる残存最小容量の値がX0 〔%〕とされ、それ以上バッテリ14が充電されると、過充電により、バッテリ14が急激に劣化するとされる残存最大容量の値がXMAX 〔%〕とされる。なお、バッテリ14の残存最小容量及び残存最大容量はバッテリ14の仕様によって決められる。
【0029】
この場合、仮に、バッテリ残量SOC〔%〕が値X0 〔%〕に到達するのに伴って発電機15による発電を開始すると、発電機15の出力をハイブリッド型車両に加わる走行負荷に対応させて調整する必要があるので、制御部における制御が複雑になるだけでなく、発電機15が大型化し、発電効率が低くなってしまう。
【0030】
そこで、本実施の形態においては、発電機15を発電効率が高い状態で駆動することができるように、ハイブリッド型車両の走行に伴って消費されるエネルギー、すなわち、消費エネルギーとバッテリ残量SOC〔%〕との差に基づいて、発電機15による発電が行われるようになっている。
【0031】
この場合、発電機15を発電効率が高い状態で駆動するために、発電機15は、発電効率の最大値又はその近傍の値を維持するように出力が設定され、エンジン18によって駆動される。なお、エンジンとして炭酸ガスエンジン、メタンガスエンジン等を使用する場合においても、発電機を発電効率が高い状態で駆動するために、発電機は、最大値又はその近傍の値を維持するように出力が設定され、エンジンによって駆動される。
【0032】
また、発電装置として燃料電池を使用する場合は、電流と電圧との関係を表す特性曲線、すなわち、電流対電圧特性曲線上で燃料電池が通常の駆動状態で駆動され、電流が所定値以下にされるか、又は電圧が所定値以上にされる。例えば、燃料電池の単位電極で、電流が0.2〔A〕以下にされるか、又は電圧が0.8〔V〕以上にされる。
【0033】
そして、本実施の形態においては、前記発電機15を発電効率の高い状態で駆動する時間が発電時間とされる。
【0034】
次に、ハイブリッド型車両において発電機15による発電を行うための車両駆動装置について説明する。
【0035】
図1は本発明の第1の実施の形態における車両駆動装置を示す図である。
【0036】
図において、21はハイブリッド型車両の全体の制御を行う第1の制御ユニットとしての制御部、27はナビゲーション装置である。
【0037】
前記制御部21は、演算装置としてのCPU31、該CPU31が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM32、制御用のプログラムのほかに、各種のデータが記録されたROM33等を備える。
【0038】
また、前記ナビゲーション装置27は、ナビゲーション装置27の全体の制御を行う第2の制御ユニットとしてのナビゲーション制御部34を備え、該ナビゲーション制御部34は、制御部21と同様に、CPU、RAM、ROM等を備える。なお、前記駆動モータ11、バッテリ14、発電機15、CPU31等によってハイブリッド型車両が構成される。
【0039】
そして、前記ナビゲーション制御部34に、ハイブリッド型車両の現在位置、ハイブリッド型車両の方位、時刻等を検出する現在地検出部としての、かつ、時刻検出部としてのGPSセンサ35、地図データのほかに各種の情報が記録された情報記録部としてのデータ記録部36、通信端末として機能する送受信部としての通信部38等が接続される。
【0040】
前記地図データには、交差点(分岐点を含む。)に関する交差点データ、各交差点間を結ぶ道路及び該道路を構成する道路リンクに関する道路情報としての道路データ、各種の施設に関する施設データ、経路を探索するために加工された探索データ等が含まれる。
【0041】
また、前記通信部38は、第1の情報提供者としてのVICS(登録商標)センタ等の図示されない道路交通情報センタ等から送られる交通情報、一般情報等の各種の情報を受信する。なお、前記交通情報には、渋滞情報、規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況情報等が含まれ、一般情報には、ニュース、天気予報等が含まれる。また、前記通信部38は、第2の情報提供者としての情報センタから交通情報、一般情報等の各種の情報を受信することもできる。前記ナビゲーション装置27、道路交通情報センタ、情報センタ等によってナビゲーションシステムが構成される。
【0042】
そして、前記制御部21に、前記インバータ13、17のほかに、図示されない画面によって各種の表示を行い、操作者である運転者に対して通知を行うための第1の出力部としての表示部43、音声を出力することによって運転者に対して通知を行うための第2の出力部としての音声出力部44、運転者が操作することによって所定の入力を行うための操作部45、ハイブリッド型車両の車速を検出する車速検出部としての車速センサ51、バッテリ14の電圧、すなわち、バッテリ電圧Vbを検出する電圧検出部としてバッテリ電圧センサ52、バッテリ14に供給され、又はバッテリ14から供給される電流、すなわち、バッテリ電流Ibを検出する電流検出部としてのバッテリ電流センサ53、バッテリ14の温度、すなわち、バッテリ温度tbを検出する温度検出部としてのバッテリ温度センサ54、燃料タンク19からエンジン18に供給されるガソリンの残量、すなわち、燃料残量を検出する燃料残量検出部としての燃料残量センサ55等が接続される。なお、該燃料残量センサ55によって燃料の種類を検出することもできる。また、前記表示部43は、運転者が操作することによって所定の入力を行うための操作部としても機能する。
【0043】
そして、制御部21、ナビゲーション制御部34、CPU31等によってコンピュータが構成され、データ記録部36、RAM32、ROM33等によって記憶装置又は記録媒体が構成される。また、演算装置として、CPU31に代えてMPU等を使用することができる。
【0044】
次に、前記ナビゲーション装置27の基本動作について説明する。
【0045】
まず、運転者による操作部45の操作によってナビゲーション装置27が起動されると、ナビゲーション制御部34のCPU(以下、「ナビCPU」という。)のナビ情報取得処理手段は、ナビ情報取得処理を行い、前記地図データを、データ記録部36から読み出すことによって取得するか、又は通信部38を介して情報センタ等から受信することによって取得する。
【0046】
次に、前記ナビCPUのマッチング処理手段は、マッチング処理を行い、GPSセンサ35から現在位置及び方位を読み込み、地図データから道路データを読み込み、現在位置、方位及び道路データに基づいて、現在位置がいずれの道路リンク上に位置するかを判断することによって、現在位置を特定する。そして、前記ナビCPUの表示処理手段は、表示処理を行い、前記表示部43に地図画面を形成し、該地図画面に現在位置、現在位置の周辺の地図及び方位を表示する。
【0047】
また、運転者が操作部45を操作して所定の地点を目的地として入力すると、前記ナビCPUの目的地設定処理手段は、目的地設定処理を行い、目的地を設定する。
【0048】
そして、運転者が操作部45を操作して、経路を探索するための条件、すなわち、探索条件を入力すると、前記ナビCPUの経路探索処理手段は、経路探索処理を行い、前記現在位置、目的地、探索条件等を読み込むとともに、地図データのうちの探索データを読み込み、現在位置、目的地及び探索データに基づいて、現在位置で表される出発地から目的地までの経路を前記探索条件で探索し、探索経路を表す経路データを出力する。なお、各道路リンクごとに付与されたリンクコストの合計が最も小さい経路が探索経路とされる。
【0049】
続いて、前記ナビCPUの案内処理手段は、案内処理を行い、前記経路データを読み込み、該経路データに従って前記地図画面に探索経路を表示し、必要に応じて、探索経路を音声で出力して経路案内を行う。
【0050】
次に、前記制御部21の動作について説明する。
【0051】
図3は本発明の第1の実施の形態における制御部の動作を示すメインフローチャート、図4は本発明の第1の実施の形態における走行パターン設定処理のサブルーチンを示す図、図5は本発明の第1の実施の形態における走行パターン記録部の記録状態を示す第1の図、図6は本発明の第1の実施の形態における必要発電時間算出処理のサブルーチンを示す図、図7は本発明の第1の実施の形態における発電可能時間算出処理のサブルーチンを示す図、図8は本発明の第1の実施の形態における到達可否判断処理のサブルーチンを示す図、図9は本発明の第1の実施の形態における発電設定処理のサブルーチンを示す図、図10は本発明の第1の実施の形態における案内処理のサブルーチンを示す図、図11は本発明の第1の実施の形態における走行方法案内処理のサブルーチンを示す図、図12は本発明の第1の実施の形態における休憩付き走行方法案内処理のサブルーチンを示す図、図13は本発明の第1の実施の形態における経路変更走行方法案内処理のサブルーチンを示す図、図14は本発明の第1の実施の形態におけるエコ走行方法案内処理のサブルーチンを示す図、図15は本発明の第1の実施の形態における走行パターン作成処理のサブルーチンを示す図、図16は本発明の第1の実施の形態における走行パターン記録部の記録状態を示す第2の図、図17は本発明の第1の実施の形態における走行パターン記録部の記録状態を示す第3の図、図18は本発明の第1の実施の形態における航続距離算出処理のサブルーチンを示す図、図19は本発明の第1の実施の形態における割込処理の動作を示すフローチャート、図20は本発明の第1の実施の形態における割込処理の航続距離算出処理のサブルーチンを示す図、図21は本発明の第1の実施の形態における航続距離を説明するための図、図22は本発明の第1の実施の形態における航続時間を説明するための図である。なお、図21において、横軸に航続距離Dhv、Dev〔km〕を、縦軸に残存エネルギーB〔kWh〕を、図22において、横軸に航続時間Thv、Tev〔h〕を、縦軸に残存エネルギーB〔kWh〕を採ってある。
【0052】
まず、前記CPU31の図示されない情報取得処理手段は、情報取得処理を行い(ステップS1)、前記ナビゲーション制御部34から、現在位置、地図データ、経路データ、交通情報、一般情報等を、車両走行用情報(ナビゲーション情報)として読み込むことによって取得する。また、前記情報取得処理手段は、ハイブリッド型車両の走行中に発生したり、算出したりして収集した情報を収集情報として読み込むことによって取得する。
【0053】
本実施の形態においては、前記車両走行用情報をナビゲーション制御部34から読み込むようになっているが、地図データをROM33にあらかじめ記録し、ROM33から読み出したり、現在位置及び経路データ、並びに運転者による操作部45の操作によって入力された情報をRAM32に記録したり、RAM32から読み出したり、交通情報、一般情報等、及び運転者による操作部45の操作によって入力された情報を、ナビゲーション装置27とは別の通信部等を介して受信したりすることができる。
【0054】
そして、前記情報取得処理手段の経路設定処理手段としての経路取得処理手段は、経路設定処理としての経路取得処理を行い、前記経路データを読み込むことによって、出発地から目的地までの、ハイブリッド型車両を走行させる経路を取得し、設定する。
【0055】
次に、前記CPU31の図示されない走行スケジュール有無判断処理手段は、走行スケジュール有無判断処理を行い、データ記録部36を参照し、前記設定された経路について、走行スケジュールがあるかどうかを判断する(ステップS2、S3)。
【0056】
この場合、走行スケジュールは、ハイブリッド型車両を走行させる前に、運転者が操作部45を操作して目的地を設定し、ナビゲーション装置27において、出発地から目的地までの経路が探索経路として探索されることによってあらかじめ設定され、データ記録部36に記録される。
【0057】
そして、走行スケジュールがある場合、前記CPU31の図示されない走行パターン設定処理手段は、走行パターン設定処理を行い、前記走行スケジュールに基づいて走行パターンを設定する(ステップS4)。
【0058】
そのために、前記走行パターン設定処理手段の走行スケジュール取得処理手段は、走行スケジュール取得処理を行い、データ記録部36から走行スケジュールを読み込むことによって取得する(ステップS4−1)。
【0059】
続いて、前記走行パターン設定処理手段の記録シート作成処理手段は、記録シート作成処理を行い、ハイブリッド型車両の走行中の収集情報にインデックスを付与して記録シートを作成する(ステップS4−2)。
【0060】
次に、前記走行パターン設定処理手段の走行パターン記録処理手段は、走行パターン記録処理を行い、前記記録シートを参照し、前記車両走行用情報及び収集情報に基づいて走行パターンを作成し(ステップS4−3)、RAM32の図示されない走行パターン記録部に記録する。
【0061】
なお、運転者が目的地を設定して走行スケジュールが設定されるたびに、走行パターンPti(i=1、2、…)が作成され、走行パターン記録部に順次記録される。
【0062】
前記走行パターンPtiは、出発地から目的地までの経路上の各情報、例えば、図5に示されるような、経路上の勾(こう)配(経路上の各ノード点における勾配θj(j=1、2、…))、出発地から目的地までの走行距離、経路上の渋滞状況(各渋滞箇所における渋滞度)、平均車速、目的地に到達するまでの走行時間、加減速状況(経路上の加速地点における加速度αm(m=1、2、…)及び減速地点における減速度βn(n=1、2、…))、気温、天候、走行時刻等から成る。
【0063】
そして、前記各情報は、道路状況、走行状況、周囲環境状況等のインデックスが付与され、分類されて記録される。前記道路状況には、経路上の勾配、走行距離、経路上の渋滞状況等が含まれ、走行状況には、平均車速、走行時間、加減速状況等が含まれ、周囲環境状況には、気温、天候、走行時刻等が含まれる。
【0064】
なお、本実施の形態においては、同じ走行スケジュールに従ってハイブリッド型車両を走行させるたびに、後述される距離当たり消費エネルギーが算出され、前回ハイブリッド型車両を走行させたときに算出された距離当たり消費エネルギーと、今回ハイブリッド型車両を走行させたときに算出された距離当たり消費エネルギーとの差が、次にハイブリッド型車両を走行させたときの走行パターンPtiにおける、各インデックスのエネルギー加算値として記録される。
【0065】
そして、前記走行パターン設定処理手段の走行判断処理手段は、走行判断処理を行い、ハイブリッド型車両が走行中であるかどうかを判断し(ステップS4−4)、走行中である場合は、収集情報にインデックスを付与して記録シートを作成する。このようにして、走行パターンPtiを設定することができる。
【0066】
続いて、前記CPU31の図示されない必要発電時間算出処理手段は、必要発電時間算出処理を行い、前記走行パターン設定処理において設定された走行パターンに従ってハイブリッド型車両を目的地まで走行させるのに必要となる発電時間(運転者が望むようにハイブリッド型車両を走行させるのに必要となる発電時間)、すなわち、必要発電時間Tg〔h〕を算出する(ステップS5)。
【0067】
そのために、前記必要発電時間算出処理手段の走行パターン情報取得処理手段は、走行パターン情報取得処理を行い、前記走行パターン設定処理において設定された走行パターンの情報、すなわち、走行パターン情報を読み込むことによって取得する(ステップS5−1)。
【0068】
続いて、前記必要発電時間算出処理手段の消費エネルギー算出処理手段は、消費エネルギー算出処理を行い、車両走行用情報及び走行パターン情報に基づいて、走行スケジュールに従ってハイブリッド型車両を走行させる間に消費される距離当たりの消費エネルギー、すなわち、距離当たり消費エネルギーEu〔kWh/km〕を算出する(ステップS5−2)。
【0069】
ここで、走行スケジュールに従ってハイブリッド型車両を走行させる間において、ハイブリッド型車両が受ける走行抵抗をR〔N〕とし、エアコン、ライト、ナビゲーション装置27等の補機によって消費されるエネルギー(電力)、すなわち、補機消費エネルギーをEh〔kW〕とし、ハイブリッド型車両の制動に伴って駆動モータ11で回生されるエネルギー、すなわち、回生エネルギーをEk〔kW〕とし、ハイブリッド型車両の走行に伴って消費されるエネルギー、すなわち、走行消費エネルギーをEd〔kW〕とし、平均車速をav〔km/h〕としたとき、前記走行パターン情報に基づいて、平均車速av〔km/h〕、走行抵抗R〔N〕、補機消費エネルギーEh〔kW〕、走行消費エネルギーEd〔kW〕及び距離当たり消費エネルギーEu〔kWh/km〕を算出することができる。
【0070】
すなわち、走行消費エネルギーEd〔kW〕は、
Ed=R・av
であるので、ハイブリッド型車両を走行させるのに必要な消費エネルギー、すなわち、必要消費エネルギーをEt〔kWh〕とすると、
Et=Ed+Eh−Ek
になり、距離当たり消費エネルギーEu〔kWh/km〕は、
Eu=Et/av
=(Ed+Eh−Ek)av
=(R・av+Eh−Ek)/av
になる。
【0071】
また、前記走行抵抗R〔N〕は、走行パターンPtiに従ってハイブリッド型車両を走行させる間の空気抵抗をRa〔N〕とし、転がり抵抗をRr〔N〕とし、登坂抵抗をRs〔N〕とし、加速抵抗をRg〔N〕としたとき、
R=Ra+Rr+Rs+Rg
で表される。
【0072】
なお、前記空気抵抗Ra〔N〕は、ハイブリッド型車両を走行させるときに空気から受ける抵抗であり、空気密度をρとし、空気抵抗係数をCdとし、ハイブリッド型車両を前面から見たときの投影面積をAとしたとき、
Ra=(1/2)ρ・Cd・A・(av)2
で表すことができる。また、前記転がり抵抗Rr〔N〕は、ハイブリッド型車両を走行させるときにタイヤと路面との摩擦によって路面から受ける抵抗であり、タイヤと路面との摩擦係数をμrとし、ハイブリッド型車両の質量をmとし、重力加速度をgとしたとき、
Rr=μr・m・g
で表すことができる。そして、前記登坂抵抗Rs〔N〕は、ハイブリッド型車両を登坂路を走行させるのに伴って発生する抵抗であり、
Rs=m・g・Σsinθj
で表すことができる。また、加速抵抗Rg〔N〕は、ハイブリッド型車両を加速させるのに伴って発生する抵抗であり、
Rg=m・g・Σαm
で表すことができる。
【0073】
そして、補機消費エネルギーEh〔kW〕は気温、天候、走行時刻等に基づいて、回生エネルギーEk〔kW〕は減速度等に基づいて算出することができる。
【0074】
なお、現在の走行状態に基づいて、RAM32に記録された過去のハイブリッド型車両の走行履歴を参照し、平均車速av〔km/h〕を推定することができる。
【0075】
次に、前記必要発電時間算出処理手段の残存エネルギー算出処理手段は、残存エネルギー算出処理を行い、バッテリ14(図1)に残存するエネルギーを表す残存エネルギーB〔kWh〕を算出する(ステップS5−3)。
【0076】
そのために、前記残存エネルギー算出処理手段は、バッテリ電圧センサ52によって検出されたバッテリ電圧Vb、バッテリ電流センサ53によって検出されたバッテリ電流Ib、及びバッテリ温度センサ54によって検出されたバッテリ温度tbを読み込み、バッテリ残量SOC〔%〕を算出する。
【0077】
続いて、前記残存エネルギー算出処理手段は、前記バッテリ残量SOC〔%〕、バッテリ14の仕様によって決まる総バッテリ容量Qb、残存最小容量の値X0 、残存最大容量の値XMAX 及びバッテリ14の劣化に伴う補正係数γに基づいて、残存エネルギーB〔kWh〕
B=γ・((SOC−X0 )/(XMAX −X0 ))・Qb
を算出する。
【0078】
なお、RAM32に、バッテリ14の使用履歴(使用期間等)、充放電履歴(充電回数、放電回数、充電量、放電量等)等が記録されるとともに、補正係数γが使用履歴及び充放電履歴と対応させて記録され、前記残存エネルギー算出処理手段は、残存エネルギーB〔kWh〕を算出するに当たり、RAM32から前記使用履歴及び充放電履歴を読み出すとともに、使用履歴及び充放電履歴に対応する補正係数γを読み出す。
【0079】
続いて、前記必要発電時間算出処理手段の時間算出処理手段は、時間算出処理を行い、距離当たり消費エネルギーEu〔kWh/km〕、残存エネルギーB〔kWh〕、走行スケジュールにおける走行距離D〔km〕及び発電機15の出力P〔kW〕を読み込み、必要発電時間Tg〔h〕
Tg=(Eu・D−B)/P
を算出する(ステップS5−4)。
【0080】
次に、前記CPU31の図示されない発電可能時間算出処理手段は、発電可能時間算出処理を行い、現時点のバッテリ14の残存エネルギーB〔kWh〕、現時点の燃料残量センサ55によって検出された燃料残量F〔L〕、及び距離当たり消費エネルギーEu〔kWh/km〕を発電条件としてハイブリッド型車両を目的地まで走行させる間に発電機15による発電可能な時間、すなわち、発電可能時間Ta〔h〕を算出する(ステップS6)。この場合、残存エネルギーB〔kWh〕は、発電可能時間Ta〔h〕を制限する第1の制限要素となり、燃料残量F〔L〕は、発電可能時間Ta〔h〕を制限する第2の制限要素となる。
【0081】
そのために、前記発電可能時間算出処理手段は、距離当たり消費エネルギーEu〔kWh/km〕を取得する(ステップS6−1)。
【0082】
続いて、発電可能時間算出処理手段の発電エネルギー算出処理手段は、発電エネルギー算出処理を行い、発電機15の出力P〔kW〕及び平均車速av〔km/h〕を読み込み、距離当たりの発電エネルギー、すなわち、距離当たり発電エネルギーGu〔kWh/km〕
Gu=P/av
を算出する(ステップS6−2)。
【0083】
次に、発電可能時間算出処理手段の時間算出処理手段は、時間算出処理を行い、発電機15を出力P〔kW〕で駆動し、ハイブリッド型車両を平均車速av〔km/h〕で走行させて発電を行った場合の、残存エネルギーB〔kWh〕が0(零)になるまでの第1の時間Tb〔h〕
Tb=(B/(Eu−Gu))/av
を算出する。また、前記時間算出処理手段は、エンジン18を駆動したときのガソリンの単位量当たりの発熱量(熱エネルギー)をHf〔kWh/L〕とし、発電機15の発熱効率をηとしたときに、発電機15を出力P〔kW〕で駆動して発電を行った場合の、燃料残量F〔L〕が0になるまでの第2の時間Tf〔h〕
Tf=F・Hf・η/P
を算出する。
【0084】
そして、時間算出処理手段は、前記第1、第2の時間Tb、Tf〔h〕のうちの短い方の時間を発電可能時間Ta〔h〕として算出する(ステップS6−3)。
【0085】
続いて、前記CPU31の図示されない第1の走行可否判断処理手段としての、かつ、第1の案内要否判断処理手段としての到達可否判断処理手段は、第1の走行可否判断処理としての、かつ、第1の案内要否判断処理としての到達可否判断処理を行い、発電機15を駆動してハイブリッド型車両を走行させた場合に、発電機15による発電を行いながら運転者が望むようにハイブリッド型車両を走行させることができるかどうか、この場合、目的地に到達することができるかどうかを判断する(ステップS7、S8)。
【0086】
そのために、前記到達可否判断処理手段は、前記発電可能時間Ta〔h〕及び必要発電時間Tg〔h〕を読み込み、第1の到達条件が成立するかどうかを、発電可能時間Ta〔h〕が必要発電時間Tg〔h〕以上であるかどうかによって判断する(ステップS7−1)。発電可能時間Ta〔h〕が必要発電時間Tg〔h〕以上であり、第1の到達条件が成立する場合、前記到達可否判断処理手段は、走行パターンPtiの走行時間Td〔h〕を読み込み、第2の到達条件が成立するかどうかを、走行時間Td〔h〕が必要発電時間Tg〔h〕以上であるかどうかによって判断する(ステップS7−2)。そして、走行時間Tdが必要発電時間Tg〔h〕以上であり、第2の到達条件が成立する場合、前記到達可否判断処理手段は、発電機15を駆動してハイブリッド型車両を走行させることによって、目的地に到達することができる、すなわち、到達可能であると判断する(ステップS7−3)。発電可能時間Ta〔h〕が必要発電時間Tg〔h〕より短く、第1の到達条件が成立しない場合、又は走行時間Td〔h〕が必要発電時間Tg〔h〕より短く、第2の到達条件が成立しない場合、前記到達可否判断処理手段は、発電機15を駆動してハイブリッド型車両を走行させても、目的地に到達することができない、すなわち、到達不可能であると判断する(ステップS7−4)。
【0087】
そして、前記到達可否判断処理において到達可能であると判断される場合、前記CPU31の図示されない発電設定処理手段は、発電設定処理を行い、ハイブリッド型車両が目的地に到達するタイミング(時刻)でバッテリ14を使い切る(バッテリ残量SOC〔%〕が残存最小容量の値X0 〔%〕に、残存エネルギーB〔kWh〕が0になる。)ように、発電機15による発電を開始するタイミング、すなわち、発電開始タイミングts、及び発電を終了するタイミング、すなわち、発電終了タイミングteを設定することによって、発電開始タイミングtsから発電終了タイミングteまでの発電時間(発電区間)を設定する(ステップS9)。
【0088】
そのために、前記発電設定処理手段の発電設定情報取得処理手段は、発電設定情報取得処理を行い、前記必要発電時間Tg〔h〕及び走行時間Td〔h〕を発電設定情報として読み込むことによって取得し(ステップS9−1)、前記発電設定処理手段の第1の発電開始・終了時刻設定処理手段は、第1の発電開始・終了時刻設定処理を行い、発電終了タイミングteに値Td(走行時間Td〔h〕)をセット(設定)し、発電開始タイミングtsに値(te−Tg(発電終了タイミングteから必要発電時間Tg〔h〕を減算した値))をセットすることによって、発電開始タイミングtsを算出する(ステップS9−2)。
【0089】
続いて、前記発電設定処理手段の設定モード判断処理手段は、設定モード判断処理を行い、運転者が、操作部45(図1)を操作して、又は音声入力によって、発電開始タイミングts及び発電終了タイミングteを手動で設定するモード、すなわち、手動設定モードを選択したかどうかを判断する(ステップS9−3)。
【0090】
運転者が手動設定モードを選択しない場合、前記発電設定処理手段の発電開始・終了時刻決定処理手段は、発電開始・終了時刻決定処理を行い、前記第1の発電開始・終了時刻設定処理において設定された発電開始タイミングtsを発電開始タイミングtsとして決定し、第1の発電開始・終了時刻設定処理において設定された発電終了タイミングteを発電終了タイミングteとして決定する(ステップS9−4)。
【0091】
また、運転者が手動設定モードを選択した場合、前記発電設定処理手段の入力案内処理手段は、入力案内処理を行い、表示部43において、運転者に、発電開始タイミングtsとは別の手動設定モード用の発電開始タイミングts* を入力するように案内する(ステップS9−5)。
【0092】
そして、運転者が、操作部45を操作して、又は音声入力によって発電開始タイミングts* を入力すると、前記発電設定処理手段の第2の発電開始・終了時刻設定処理手段は、第2の発電開始・終了時刻設定処理を行い、発電開始タイミングts* に値ts* (発電開始タイミングts* )をセット(設定)し、別の手動設定モード用の発電終了タイミングte* に値(ts* +Tg(発電開始タイミングts* と必要発電時間Tg〔h〕とを加算した値))をセットすることによって発電終了タイミングte* を算出する(ステップS9−6)。
【0093】
続いて、前記発電開始・終了時刻決定処理手段は、発電開始タイミングts* と発電開始タイミングtsとを比較することによって、発電開始タイミングts* が発電開始タイミングtsより前であるかどうか(ts* <ts)を判断し(ステップS9−7)、発電開始タイミングts* が発電開始タイミングtsより前である場合、前記第2の発電開始・終了時刻設定処理において設定された発電開始タイミングts* を発電開始タイミングtsとして決定し、前記第2の発電開始・終了時刻設定処理において設定された発電終了タイミングte* を発電終了タイミングteとして決定する(ステップS9−8)。
【0094】
また、発電開始タイミングts* が発電開始タイミングtsより前でない(以降である。)場合、前記発電開始・終了時刻決定処理手段は、前記第1の発電開始・終了時刻設定処理において設定された発電開始タイミングtsを発電開始タイミングtsとして決定し、第1の発電開始・終了時刻設定処理において設定された発電終了タイミングteを発電終了タイミングteとして決定する(ステップS9−4)。
【0095】
このように、本実施の形態においては、発電開始タイミングts及び発電終了タイミングteを手動で設定することができるようになっていて、手動で設定された発電開始タイミングts* が発電開始タイミングtsより前である場合に、発電開始タイミングts* が発電開始タイミングtsとして決定されるので、発電機15による発電を早く開始し、早く終了することができる。
【0096】
このようにして、発電設定処理が行われると、前記CPU31の図示されない発電処理手段は、発電処理を行い、発電開始タイミングtsから発電終了タイミングteまでの間、発電機15による発電を行う(ステップS10)。すなわち、前記発電処理手段は、発電開始タイミングtsになると発電機15による発電を開始し、発電終了タイミングteになると発電機15による発電を終了する。
【0097】
そのために、前記発電処理手段は、現在の時刻が発電開始タイミングtsから発電終了タイミングteまでの発電時間の範囲内であるかどうかを判断し、現在の時刻が発電時間の範囲内である場合、発電機15による発電を行い、現在の時刻が発電時間の範囲内でない場合、前記CPU31の図示されないEVモード走行処理手段は、EVモード走行処理を行い、発電機15を駆動することなく、駆動モータ11を駆動してハイブリッド型車両を走行させる。
【0098】
このとき、前記CPU31の図示されない通知処理手段は、通知処理を行い、発電処理手段からの指示に基づいて、表示部43の画面に、発電時間を表示したり、発電機15による発電が行われていることを表す動作表示ランプを点灯したり、点滅させたりして、運転者に通知する。
【0099】
また、到達可否判断処理において到達不可能であると判断される場合、前記CPU31の図示されない案内処理手段は、案内処理を行い、運転者が望むようにハイブリッド型車両を走行させることができるように、この場合、確実に目的地に到達することができるように運転者に対して案内を行う(ステップS11)。
【0100】
そのために、前記案内処理手段の充電意思判断処理手段は、充電意思判断処理を行い、運転者にバッテリ14を充電する意思があるかどうかを判断する(ステップS11−1、S11−2)。すなわち、前記通知処理手段は、充電意思判断処理手段の指示に基づいて、表示部43に地図画面を形成し、現在位置及び周辺の充電スタンドを表示するとともに、目的地に到達不可能である旨を表示することによって運転者に通知し、運転者に充電スタンドでバッテリ14を充電する意思があるかどうかを問い合わせる。この場合、前記通知処理手段は、表示部43への表示のほかに、音声出力部44において目的地に到達不可能である旨を音声で出力することによって運転者に通知し、運転者に充電スタンドでバッテリ14を充電する意思があるかどうかを問い合わせる。
【0101】
そして、前記充電意思判断処理手段は、運転者による操作部45の操作に基づいて、充電スタンドでバッテリ14を充電する意思があるかどうかを判断する。
【0102】
なお、前記充電意思判断処理手段は、運転者に、充電する意思ではなく、エンジン18にガソリンを補給する意思があるかどうかを問い合わせることができる。その場合、前記通知処理手段は、充電意思判断処理手段の指示に基づいて、表示部43に地図画面を形成し、現在位置及びガソリンスタンドを表示するとともに、目的地に到達不可能である旨を表示することによって運転者に通知し、運転者にガソリンスタンドでガソリンを補給する意思があるかどうかを問い合わせる。
【0103】
運転者にバッテリ14を充電する意思がある場合、前記案内処理手段の発電指示処理手段は、発電指示処理を行い、現在位置から充電スタンドまでの距離に応じて発電を指示する(ステップS11−3)。そのために、前記通知処理手段は、発電指示処理手段の指示に基づいて、表示部43の画面に、例えば、「○分後に充電が必要です。」等のメッセージを表示する。
【0104】
なお、前記通知処理手段は、充電が行われた場合、必要に応じて、その後の航続距離を運転者に通知することができる。
【0105】
また、運転者にバッテリ14を充電する意思がない場合、前記案内処理手段の走行方法案内処理手段は、走行方法案内処理を行い、確実に目的地に到達することができるように走行方法を案内する(ステップS11−4)。
【0106】
そのために、走行方法案内処理手段の走行方法変更可否判断処理手段は、走行方法変更可否判断処理を行い、表示部43の画面に所定の表示を行うことによって、バッテリ14を充電するために、運転者に休憩をすることができるかどうか、及び経路を変更することができるかどうかを問い合わせ、運転者による操作部45の操作に基づいて、休憩をすることができるかどうか、及び経路を変更することができるかどうかを判断する(ステップS11−4−1〜S11−4−3)。
【0107】
この場合、前記走行方法変更可否判断処理手段は、運転者に休憩をすることができるかどうかを問い合わせるために、前記表示部43の画面に、「休憩しましょう。休憩すると目的地に到達することができます。」等のメッセージを表示したり、運転者に経路を変更することができるかどうかを問い合わせるために、前記表示部43の画面に、「高速道路を降りて、市街地を走行しましょう。市街地を走行すると目的地に到達することができます。」等のメッセージを表示したりする。そして、休憩をしたり、経路を変更したりすることができない場合、前記走行方法変更可否判断処理手段は、「車速を低くしましょう。車速を低くすると目的地に到達することができます。」等のメッセージを表示する。
【0108】
休憩をすることができる場合、前記走行方法案内処理手段の休憩付き走行方法案内処理手段は、休憩付き走行方法案内処理を行い、休憩付きの走行方法を案内し、運転者が休憩をする間に発電機15を駆動し、バッテリ14の充電を行うことによってバッテリ残量SOC〔%〕を確保する(ステップS11−4−4)。
【0109】
また、経路を変更することができる場合、前記走行方法案内処理手段の経路変更走行方法案内処理手段は、経路変更走行方法案内処理を行い、経路を変更する走行方法を案内し、経路を変更し、ハイブリッド型車両に加わる走行負荷を小さくして距離当たり消費エネルギーEu〔kWh/km〕を小さくするか、又は走行時間Td〔h〕を長くし、その間、バッテリ14の充電を行うことによってバッテリ14のバッテリ残量SOC〔%〕を確保する(ステップS11−4−5)。
【0110】
休憩をすることができず、経路を変更することができない場合、走行方法案内処理手段のエコ走行方法案内処理手段は、エコ走行方法案内処理を行い、エコの走行方法を案内し、距離当たり消費エネルギーEu〔kWh/km〕を小さくすることによってバッテリ14のバッテリ残量SOC〔%〕を確保する(ステップS11−4−6)。
【0111】
次に、図12に基づいて、前記休憩付き走行方法案内処理手段の動作について説明する。
【0112】
まず、前記休憩付き走行方法案内処理手段の必要休憩時間算出処理手段は、必要休憩時間算出処理を行い、前記走行時間Td〔h〕及び必要発電時間Tg〔h〕を読み込み、必要休憩時間Trn〔h〕
Trn=Tg−Td
を算出する(ステップS11−4−4−1)。
【0113】
次に、前記休憩付き走行方法案内処理手段の休憩指示処理手段は、休憩指示処理を行い、表示部43の画面に必要休憩時間Trn〔h〕及び休憩地点としての休憩場所を表示することによって運転者に通知し(ステップS11−4−4−2)、ナビゲーション装置27に、休憩場所まで経路案内を行うように指示し(ステップS11−4−4−3)、ハイブリッド型車両が休憩場所に到達するのを待機する(ステップS11−4−4−4)。なお、前記休憩場所としては、運転者による指示に従って、所定の施設、例えば、食事をするための施設であるレストラン、買い物をするための施設であるショッピングセンター、散歩等をするための施設である公園等が選択される。
【0114】
続いて、ハイブリッド型車両が休憩場所に到達すると、前記休憩付き走行方法案内処理手段の休憩実施処理手段は、休憩実施処理を行い、運転者が休憩場所で休憩している間に、発電機15を駆動し続け、バッテリ14を充電する。バッテリ14を充電している間、前記休憩実施処理手段は、ナビゲーション装置27の通信部38を介して、休憩が開始されてからの経過時間及びバッテリ残量SOC〔%〕を発電状況として運転者の携帯電話等に適宜通知する(ステップS11−4−4−5)。
【0115】
そして、前記休憩付き走行方法案内処理手段の発電停止処理手段は、発電停止処理を行い、バッテリ残量SOC〔%〕が値XMAX 〔%〕になったかどうかを判断し(ステップS11−4−4−6)、バッテリ残量SOC〔%〕が値XMAX 〔%〕になった場合、発電機15の駆動を停止させ、発電を停止させて(ステップS11−4−4−7)、バッテリ14の充電を終了する。
【0116】
そして、バッテリ残量SOC〔%〕が値XMAX 〔%〕にならない場合、前記発電停止処理手段は、必要休憩時間Trn〔h〕が経過するのを待機し(ステップS11−4−4−8)、必要休憩時間Trn〔h〕が経過すると、発電機15の駆動を停止させ、発電を停止させて(ステップS11−4−4−7)、バッテリ14の充電を終了する。
【0117】
この場合、運転者が必要休憩時間Trn〔h〕だけ休憩場所で休憩している間に、発電機15によって発電が行われるので、バッテリ14のバッテリ残量SOC〔%〕を確保することができる。
【0118】
次に、図13に基づいて、前記経路変更走行方法案内処理手段の動作について説明する。
【0119】
まず、前記経路変更走行方法案内処理手段の経路候補抽出処理手段は、経路候補抽出処理を行い、現在の経路に沿ってハイブリッド型車両を走行させる場合より走行負荷が小さいか、又は走行時間が長いと想定される経路の候補、すなわち、経路候補を抽出する(ステップS11−4−5−1)。
【0120】
走行負荷が小さいか、又は走行時間が長いと想定される経路には、平均車速av〔km/h〕が低い経路、回生効率が高い経路、走行抵抗R〔N〕が小さい経路等があり、平均車速av〔km/h〕が低い経路には、市街地を通過する道路、一般道、信号機の多い道路、交差点密度の高い道路、速度が制限される道路、幅員の小さい道路等が含まれ、回生効率が高い経路には、勾配のある道路が含まれ、走行抵抗R〔N〕が小さい経路には、舗装された道路が含まれる。なお、舗装された道路には、アスファルト、砂利、コンクリート等の舗装材のうちの摩擦係数の低い舗装材で舗装された道路が含まれる。
【0121】
次に、前記経路変更走行方法案内処理手段の経路変更処理手段は、経路変更処理を行い、抽出された各経路候補について走行時間Tds(s=1、2、…)〔h〕及び必要発電時間Tgs(s=1、2、…)〔h〕を算出し、経路候補の中から走行時間Tds〔h〕が必要発電時間Tgs〔h〕に最も近い経路を選択し(ステップS11−4−5−2)、走行時間Tds〔h〕が必要発電時間Tgs〔h〕以上であるかどうかを判断し(ステップS11−4−5−3)、走行時間Tds〔h〕が必要発電時間Tgs〔h〕以上である場合、経路候補を経路として決定する(ステップS11−4−5−4)。
【0122】
そのために、前記経路変更処理手段の走行時間算出処理手段は、走行時間算出処理を行い、ナビゲーション装置27に各経路候補の出発地点及び終了地点を送信し、ナビゲーション装置27から各経路候補の出発地点から終了地点までの経路及び走行時間Tds〔h〕を読み込むことによって、各経路候補について走行時間Tds〔h〕を算出する。
【0123】
また、経路変更処理手段の必要発電時間算出処理手段は、必要発電時間算出処理を行い、前記各経路候補についての車両走行用情報を読み込み、距離当たり消費エネルギーEus(s=1、2、…)〔kWh/km〕を算出し、該距離当たり消費エネルギーEus〔kWh/km〕、残存エネルギーB〔kWh〕、走行スケジュールにおける走行距離D〔km〕及び発電機15の出力P〔kW〕を読み込み、必要発電時間Tgs(s=1、2、…)〔h〕
Tgs=(Eus・D−B)/P
を算出する。
【0124】
この場合、経路が変更され、走行時間Tds〔h〕が必要発電時間Tgs〔h〕以上である経路に沿ってハイブリッド型車両を走行させることができるので、バッテリ14のバッテリ残量SOC〔%〕を確保することができ、目的地に到達することができる。
【0125】
なお、経路上に、立寄り地点である中間目的地が存在する場合、経路を変更するに当たり、中間目的地を併せて変更するのが好ましい。その場合、経路が変更される前の中間目的地が選択された目的に応じて、対応する中間目的地が選択される。
【0126】
次に、図14に基づいて、前記エコ走行方法案内処理手段の動作について説明する。
【0127】
まず、前記エコ走行方法案内処理手段の経路解析処理手段は、経路解析処理を行い、車両走行用情報を読み込み、走行スケジュールの経路を解析し、道路の制限速度、勾配、信号機、交差点等を認識する(ステップS11−4−6−1)。
【0128】
次に、前記エコ走行方法案内処理手段の運転パターン設定処理手段は、運転パターン設定処理を行い、前記経路内の道路の制限速度の範囲内で、走行負荷を標準化し、走行負荷が小さい状態で出発地から目的地までハイブリッド型車両を走行させることができる運転パターンを設定する(ステップS11−4−6−2)。この場合、運転パターンにおいて、経路上の道路において車両の流れを妨げない範囲で車速が低くされたり、急加速、急減速等が抑制されたり、エアコンの設定温度が低くされたりする。
【0129】
そして、前記運転パターン設定処理手段は、設定された運転パターンで前記経路を走行する場合の走行時間Tdu〔h〕及び必要発電時間Tgu〔h〕を、前記経路変更処理における走行時間算出処理と同じ方法で算出し(ステップS11−4−6−3)、走行時間Tdu〔h〕が必要発電時間Tgu〔h〕以上であるかどうかを判断し(ステップS11−4−6−4)、走行時間Tdu〔h〕が必要発電時間Tgu以上である場合、設定された運転パターンを、ハイブリッド型車両を走行させるための運転パターンとして決定する(ステップS11−4−6−5)。
【0130】
続いて、前記エコ走行方法案内処理手段の走行モード判断処理手段は、走行モード判断処理を行い、運転者が操作部45を操作してエコ走行モードを選択したかどうかを判断する(ステップS11−4−6−6)。そして、運転者がエコ走行モードを選択した場合、前記エコ走行方法案内処理手段のエコ走行処理手段は、エコ走行処理を行い、運転パターンに従って駆動モータ11の駆動モータトルクを小さくしたり、エアコン等の補機による負荷、すなわち、補機負荷を小さくしたりする(ステップS11−4−6−7)。
【0131】
また、運転者がエコ走行モードを選択しない場合、前記エコ走行方法案内処理手段の指示処理手段は、指示処理を行い、運転者に、エコ走行を行い、図示されないアクセルペダルのアクセル開度を小さくしたり、補機負荷を小さくしたりするよう、運転方法について指示をする(ステップS11−4−6−8)。そのために、前記通知処理手段は、指示処理手段の指示に基づいて、表示部43の画面に、「目的地に確実に到達するために、車速を○〔km/h〕以内に抑えてください。」、「目的地に確実に到達するために、急加速しないでください。」、「目的地に確実に到達するために、エアコンの温度を○度に調整してください。」等のメッセージを表示する。
【0132】
この場合、走行時間Tdu〔h〕が必要発電時間Tgu〔h〕以上である運転パターンに従ってハイブリッド型車両を走行させることができるので、バッテリ14のバッテリ残量SOC〔%〕を確保することができ、目的地に到達することができる。
【0133】
次に、前記走行スケジュール有無判断処理において、走行スケジュールがないと判断された場合について説明する。
【0134】
走行スケジュールがない場合、CPU31の図示されない走行パターン作成処理手段は、走行パターン作成処理を行い、走行パターンを作成する(ステップS12)。
【0135】
そのために、前記走行パターン作成処理手段の仮走行パターン設定処理手段は、仮走行パターン設定処理を行い、前記収集情報に基づいて仮の走行パターンを設定する(ステップS12−1)。
【0136】
続いて、走行パターン作成処理手段の走行パターン検索処理手段は、走行パターン検索処理を行い、仮の走行パターンに基づいて新たな走行パターンPtnを検索する(ステップS12−2)。そのために、前記走行パターン検索処理手段は、RAM32の走行パターン記録部を参照し、インデックスによって検索を行い、走行パターン記録部に記録された、日頃の走行パターンを表す走行パターンPtiのうちの、仮の走行パターンと類似する走行パターンが存在するかどうかを判断する。なお、前記走行パターン記録部には、図16に示されるように、前記走行パターン作成処理において走行スケジュールが設定されるたびに走行パターンPtiが記録される。
【0137】
そして、仮の走行パターンと類似する走行パターンが存在する場合、走行パターン作成処理手段の走行パターン決定処理手段は、走行パターン決定処理を行い、類似する走行パターンの情報をインデックスごとに組み合わせることによって、新たな走行パターンPtnを作成し、決定する(ステップS12−3)。この場合、図17に示されるように、新たな走行パターンPtnは、走行パターンPt1の道路状況、走行パターンPt2の走行状況及び走行パターンPt3の周囲環境状況の各走行パターン情報から成る。
【0138】
次に、前記CPU31の図示されない第1の走行可能指標算出処理手段としての航続距離算出処理手段は、第1の走行可能指標算出処理としての航続距離算出処理を行い、バッテリ14の残存エネルギーB〔kWh〕に基づいて第1の走行可能指標としての航続距離を算出する(ステップS13)。
【0139】
そのために、前記航続距離算出処理手段の消費エネルギー算出処理手段は、消費エネルギー算出処理を行い、前記走行パターン作成処理において作成された走行パターンの情報、すなわち、作成走行パターン情報を読み出すことによって取得し(ステップS13−1)、該作成走行パターン情報に基づいてハイブリッド型車両を走行させる間に消費される距離当たり消費エネルギーEu’〔kWh/km〕を算出する(ステップS13−2)。
【0140】
なお、本実施の形態において、作成走行パターン情報は、走行パターンPt1の道路状況、走行パターンPt2の走行状況及び走行パターンPt3の周囲環境状況の各走行パターン情報から成るので、走行パターンPt1の道路状況、走行パターンPt2の走行状況及び走行パターンPt3の周囲環境状況に含まれる各エネルギー加算値を、走行スケジュールがある場合に、必要発電時間算出処理において算出された距離当たり消費エネルギーEu〔kWh/km〕に加算することによって、作成された走行パターンについての距離当たり消費エネルギーEu’〔kWh/km〕を算出することができる。
【0141】
続いて、前記航続距離算出処理手段の残存エネルギー算出処理手段は、残存エネルギー算出処理を行い、バッテリ14の残存エネルギーB〔kWh〕を算出し(ステップS13−3)、前記航続距離算出処理手段の距離算出処理手段は、距離算出処理を行い、距離当たり消費エネルギーEu’〔kWh/km〕及び残存エネルギーB〔kWh〕を読み込み、航続距離Dev〔km〕
Dev=B/Eu’
を算出する(ステップS13−4)。
【0142】
次に、前記CPU31の図示されない第2の走行可能指標算出処理手段としての航続時間算出処理手段は、第2の走行可能指標算出処理としての航続時間算出処理を行い、前記作成走行パターン情報に基づいて平均車速av〔km/h〕を算出し、前記航続距離Dev〔km〕及び平均車速av〔km/h〕に基づいて第2の走行可能指標としての航続時間Tev〔h〕
Tev=Dev/av
を算出する(ステップS14)。
【0143】
そして、前記通知処理手段の走行可能指標通知処理手段は、走行可能指標通知処理を行い、表示部43の画面に航続距離Dev〔km〕及び航続時間Tev〔h〕を表示することによって運転者に通知し(ステップS15)、運転者にどの程度(どの位の距離、又はどの位の時間)ハイブリッド型車両を走行させたいかを表す走行目標を入力するように促す。
【0144】
なお、前記走行可能指標通知処理手段は、表示部43に地図画面を形成し、該地図画面に現在位置及び到達可能位置を表示することによって運転者に走行目標を入力するよう促す。
【0145】
続いて、運転者が、操作部45を操作して、又は音声入力によって、走行目標を距離又は時間で入力すると、前記CPU31の前記発電可能時間算出処理手段は、現時点のバッテリ14の残存エネルギーB〔kWh〕、現時点の燃料残量F〔L〕、及び距離当たり消費エネルギーEu’〔kWh/km〕を発電条件としてハイブリッド型車両を目的地まで走行させる間の発電可能時間Ta’〔h〕を算出する(ステップS16)。この場合、残存エネルギーB〔kWh〕は、発電可能時間Ta’〔h〕を制限する第1の制限要素となり、燃料残量F〔L〕は、発電可能時間Ta’〔h〕を制限する第2の制限要素となる。
【0146】
そのために、発電可能時間算出処理手段の前記発電エネルギー算出処理手段は、前述されたように、発電機15の出力P〔kW〕及び平均車速av〔km/h〕に基づいて距離当たり発電エネルギーGu〔kWh/km〕を算出し、発電可能時間算出処理手段の前記時間算出処理手段は、残存エネルギーB〔kWh〕が0になるまでの第1の時間Tb〔h〕を算出するとともに、エンジン18を駆動したときのガソリンの単位量当たりの発熱量(熱エネルギー)Hf〔kWh/L〕、発電機15の発熱効率ηに基づいて燃料残量F〔L〕が0になるまでの第2の時間Tf〔h〕を算出する。そして、時間算出処理手段は、第1、第2の時間Tb、Tf〔h〕のうちの短い方の時間を発電可能時間Ta’〔h〕として算出する。
【0147】
続いて、前記CPU31の図示されない第2の走行可否判断処理手段としての、かつ、第2の案内要否判断処理手段としての走行目標達成可否判断処理手段は、第2の走行可否判断処理としての、かつ、第2の案内要否判断処理としての走行目標達成可否判断処理を行い、発電機15による発電を行いながら運転者が望むようにハイブリッド型車両を走行させることができるか、この場合、運転者が入力した走行目標を達成することができるかどうかを判断する。例えば、運転者が入力した距離がLe〔km〕である場合、ハイブリッド型車両が、発電機15による発電を行いながら距離Le〔km〕を走行可能であるかどうかを判断する(ステップS17、S18)。
【0148】
そのために、前記走行目標達成可否判断処理手段は、発電可能時間Ta’〔h〕及び平均車速av〔km/h〕を取得し、航続距離Dhv〔km〕
Dhv=Ta’・av
を算出し、該航続距離Dhv〔km〕が距離Le〔km〕以上であるかどうかによって、ハイブリッド型車両が距離Le〔km〕を走行可能であるかどうかを判断する。そして、前記走行目標達成可否判断処理手段は、航続距離Dhv〔km〕が距離Le〔km〕以上である場合、発電機15を駆動してハイブリッド型車両が距離Le〔km〕を走行することができる、すなわち、走行目標達成可能であると判断し、航続距離Dhv〔km〕が距離Le〔km〕より短い場合、発電機15を駆動してもハイブリッド型車両が距離Le〔km〕を走行することができない、すなわち、走行目標達成不可能であると判断する。
【0149】
前記走行目標達成可否判断処理において、走行目標達成可能であると判断される場合、CPU31の前記発電設定処理手段は、ステップS9の発電設定処理と同様に、ハイブリッド型車両が距離Le〔km〕の走行を終了するタイミングでバッテリ14を使い切るように、発電開始タイミングts’及び発電終了タイミングte’を設定することによって、ハイブリッド型車両を目的地まで走行させるのに必要な発電時間を設定する(ステップS19)。続いて、CPU31の前記発電処理手段は、発電開始タイミングtsから発電終了タイミングteまでの間、発電機15による発電を行う(ステップS20)。
【0150】
また、前記走行目標達成可否判断処理において、走行目標達成不可能であると判断される場合、CPU31の前記案内処理手段は、運転者が望むようにハイブリッド型車両を走行させることができるように、この場合、確実に距離Le〔km〕を走行することができるように運転者に対して案内を行う(ステップS11)。前記案内処理においては、ハイブリッド型車両が確実に距離Le〔km〕を走行することができるように、前述されたような休憩付き走行方法案内処理、経路変更走行方法案内処理及びエコ走行方法案内処理が行われる。
【0151】
本実施の形態においては、走行スケジュールがある場合に、設定された走行パターンPtiの走行パターン情報に基づいて、目的地に到達することができるかどうかが判断され、走行スケジュールがない場合に、作成走行パターン情報に基づいて、運転者の走行目標を達成することができるかどうかが判断されるので、走行スケジュールの有無に関係なく、現在のバッテリ残量SOC〔%〕によって運転者が望むようにハイブリッド型車両を走行させることができるかどうかを判断することができる。
【0152】
ところで、本実施の形態においては、必要に応じて発電機15を駆動してハイブリッド型車両を走行させているときに、運転者が操作部45を操作することによって、現時点における航続距離及び航続時間を知ることができるようになっている。
【0153】
すなわち、運転者が操作部45を操作すると、CPU31の図示されない割込処理手段は、割込処理を行い、航続距離及び航続時間を算出し、表示部43の画面に表示することによって運転者に通知する。
【0154】
そのために、前記割込処理手段の第1の走行可能指標算出処理手段としての航続距離算出処理手段は、第1の走行可能指標算出処理としての航続距離算出処理を行い、運転者が操作部45を操作した時点の航続距離Dhv、Dev〔km〕を算出する(ステップS21)。
【0155】
そのために、前記航続距離算出処理手段の消費エネルギー算出処理手段は、消費エネルギー算出処理を行い、車両走行用情報に基づいて算出された走行抵抗R〔N〕、補機消費エネルギーEh〔kW〕、回生エネルギーEk〔kW〕及び平均車速av〔km/h〕に基づいて、ハイブリッド型車両を走行させる間に消費される距離当たり消費エネルギーEu〔kWh/km〕
Eu=(R・av+Eh−Ek)/av
を算出する(ステップS21−1)。
【0156】
なお、現在の走行状態に基づいて、RAM32に記録された過去のハイブリッド型車両の走行履歴を参照し、平均車速av〔km/h〕を推定することができる。
【0157】
次に、前記航続距離算出処理手段の残存エネルギー算出処理手段は、残存エネルギー算出処理を行い、バッテリ残量SOC〔%〕、総バッテリ容量Qb、残存最小容量の値X0 、残存最大容量の値XMAX 及びバッテリ14の劣化に伴う補正係数γに基づいて、残存エネルギーB〔kWh〕
B=γ・(SOC−X0 )/(XMAX −X0 )・Qb
を算出する(ステップS21−2)。
【0158】
続いて、前記航続距離算出処理手段の発電エネルギー算出処理手段は、発電エネルギー算出処理を行い、発電機15の出力P〔kW〕及び平均車速av〔km/h〕に基づいて、発電機15を駆動することによって発生させられる距離当たり発電エネルギーGu〔kWh/km〕
Gu=P/av
を算出する。
【0159】
そして、前記航続距離算出処理手段の発電可能時間算出処理手段は、発電可能時間算出処理を行い、距離当たり消費エネルギーEu〔kWh/km〕、残存エネルギーB〔kWh〕、距離当たり発電エネルギーGu〔kWh/km〕及び平均車速av〔km/h〕を読み込み、現時点のバッテリ14の残存エネルギーB〔kWh〕、現時点の燃料残量F〔L〕、及び距離当たり消費エネルギーEu〔kWh/km〕を発電条件としてハイブリッド型車両を目的地まで走行させる間の発電機15による発電可能時間Ta〔h〕を算出する(ステップS21−3)。
【0160】
そのために、発電可能時間算出処理手段は、残存エネルギーB〔kWh〕が0になるまでの第1の時間Tb〔h〕
Tb=(B/(Eu−Gu))/av
を算出する。また、発電可能時間算出処理手段は、エンジン18を駆動したときのガソリンの単位量当たりの発熱量(熱エネルギー)Hf〔kWh/L〕に基づいて、発電機15の燃料残量F〔L〕が0になるまでの第2の時間Tf〔h〕
Tf=F・Hf・η/P
を算出する。
【0161】
そして、発電可能時間算出処理手段は、第1、第2の時間Tb、Tf〔h〕のうちの短い方の時間を発電可能時間Ta〔h〕として算出する。
【0162】
続いて、前記航続距離算出処理手段の距離算出処理手段は、距離算出処理を行い、発電機15を発電可能時間Ta〔h〕だけ駆動したときに発生する発電エネルギーGt〔kWh〕を算出するとともに、該発電エネルギーGt〔kWh〕、距離当たり消費エネルギーEu〔kWh/km〕及び残存エネルギーB〔kWh〕に基づいて、発電機15を駆動しながらハイブリッド型車両を走行させたときの航続距離Dhv〔km〕
Dhv=(B+Gt)/Eu
、及び発電機15を駆動することなくハイブリッド型車両を走行させたときの航続距離Dev〔km〕
Dev=B/Eu
を算出する(ステップS21−4)。
【0163】
続いて、前記割込処理手段の第2の走行可能指標算出処理手段としての航続時間算出処理手段は、第2の走行可能指標処理としての航続時間算出処理を行い、航続距離Dhv、Dev〔km〕及び平均車速av〔km/h〕に基づいて、発電機15を駆動しながらハイブリッド型車両を走行させたときの航続時間Thv〔h〕
Thv=Dhv/av
、及び発電機15を駆動することなくハイブリッド型車両を走行させたときの航続時間Tev〔h〕
Tev=Dev/av
を算出する(ステップS22)。
【0164】
次に、前記割込処理手段の通知処理手段は、通知処理を行い、表示部43の画面に航続距離Dhv、Dev〔km〕及び航続時間Thv、Tev〔h〕を表示することによって運転者に通知する(ステップS23)。なお、航続距離Dhv、Dev〔km〕及び航続時間Thv、Tev〔h〕は、画面に数字で表示されたり、グラフ(棒グラフ)で表示されたり、音声出力部44によって音声で出力されたりする。
【0165】
このようにして算出された航続距離Dhv、Dev〔km〕の例を図21に、航続時間Thv、Tev〔h〕の例を図22に示す。
【0166】
この場合、ハイブリッド型車両の重量を1000〔kg〕とし、平均車速av〔km/h〕(モードLA4)を31.5〔km/h〕とし、距離当たり消費エネルギーEu〔kWh/km〕を0.1〔kWh/km〕とし、発電機15の出力P〔kW〕を2〔kW〕としたとき、残存エネルギーB〔kWh〕が4〔kWh〕である場合、及び残存エネルギーB〔kWh〕が7〔kWh〕である場合について、航続距離Dhv、Dev〔km〕及び航続時間Thv、Tev〔h〕を示した。
【0167】
ところで、本実施の形態においては、前述されたように、走行スケジュールがある場合、走行スケジュールに基づいて走行パターンPtiが設定され、到達可否判断処理において、ハイブリッド型車両を設定された走行パターンで走行させたときに、目的地に到達することができるかどうかが判断され、走行スケジュールがない場合、日頃の走行パターンに基づいて走行パターンPtiが作成され、走行目標達成可否判断処理において、ハイブリッド型車両を作成された走行パターンPtiで走行させたときに、運転者の走行目標を達成することができるかどうかが判断されるようになっている。
【0168】
したがって、本実施の形態においては、到達可否判断処理又は走行目標達成可否判断処理が行われない場合には、発電設定処理、発電処理、案内処理等を行うことができない。
【0169】
そこで、ハイブリッド型車両が目的地に到達することができるかどうか、又は運転者の走行目標を達成することができるかどうかに関係なく、発電設定処理、発電処理、案内処理等を行うことができるようにした本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0170】
図23は本発明の第2の実施の形態における制御部の動作を示すフローチャートである。
【0171】
まず、演算装置としてのCPU31(図1)の前記情報取得処理手段は、第2の制御ユニットとしての前記ナビゲーション制御部34から、現在位置、地図データ、経路データ、交通情報、一般情報等を車両走行用情報(ナビゲーション情報)として読み込むことによって取得する。また、前記情報取得処理手段は、ハイブリッド型車両の走行中に発生したり、算出したりして収集した情報を収集情報として読み込むことによって取得する(ステップS31)。
【0172】
次に、前記CPU31の図示されない必要消費エネルギー算出処理手段は、必要消費エネルギー算出処理を行い、必要消費エネルギーEt〔kWh〕を算出する(ステップS32)。
【0173】
この場合、前記必要消費エネルギー算出処理手段は、情報記録部としてのデータ記録部36を参照し、設定された経路について、走行スケジュールがあるかどうかを判断し、走行スケジュールがある場合、前記走行パターン設定処理と同様に走行パターンを設定し、車両走行用情報及び走行パターン情報に基づいて必要消費エネルギーEt〔kWh〕を算出する。
【0174】
また、走行スケジュールがない場合、前記必要消費エネルギー算出処理手段は、前記走行パターン作成処理と同様に走行パターンを作成し、作成走行パターン情報に基づいてハイブリッド型車両を走行させる間に消費される距離当たり消費エネルギーEu”〔kWh/km〕を算出する。
【0175】
また、前記必要消費エネルギー算出処理手段は、第1の出力部としての表示部43の画面に、運転者にどの程度(どの位の距離、又はどの位の時間)ハイブリッド型車両を走行させたいかを表す走行目標を入力するように促す。
【0176】
そして、運転者が走行目標を入力した場合、前記必要消費エネルギー算出処理手段は、運転者が入力した走行目標に基づいて、走行目標を達成するために必要な消費エネルギー、すなわち、必要消費エネルギーEt”〔kWh〕を算出する。
【0177】
すなわち、運転者が、操作部45を操作して、又は音声入力によって走行目標を距離Lx〔km〕で入力し、設定すると、前記必要消費エネルギー算出処理手段は、距離当たり消費エネルギーEu”〔kWh/km〕及び運転者によって設定された走行目標(距離Lx〔km〕)に基づいて必要消費エネルギーEt”〔kWh〕
Et”=Eu”・Lx
を算出する。
【0178】
また、運転者が、操作部45を操作して、又は音声入力によって走行目標を時間Tx〔h〕で入力し、設定すると、前記必要消費エネルギー算出処理手段は、距離当たり消費エネルギーEu”〔kWh/km〕、運転者によって設定された走行目標(時間Tx〔h〕)及び平均車速av”〔km/h〕に基づいて、現在地から走行目標を達成するために必要な必要消費エネルギーEt”〔kWh〕
Et”=Eu”・Tx・av”
を算出する。
【0179】
そして、運転者が走行目標を入力しない場合、前記必要消費エネルギー算出処理手段は、あらかじめ設定された任意の走行目標である距離Ly〔km〕及び距離当たり消費エネルギーEu”〔kWh/km〕に基づいて、ハイブリッド型車両を距離Ly〔km〕だけ走行させるのに必要な必要消費エネルギーEt”〔kWh〕
Et”=Eu”・Ly
を算出する。
【0180】
なお、あらかじめ設定された任意の走行目標である時間Ty〔h〕に基づいて、ハイブリッド型車両を時間Ty〔h〕だけ走行させるのに必要な必要消費エネルギーEt”〔kWh〕
Et”=Eu”・Ty・av”
を算出することができる。この場合、平均速度av”〔km/h〕は作成走行パターン情報に基づいて算出することができる。
【0181】
続いて、前記CPU31の図示されない残存エネルギー算出処理手段は、残存エネルギー算出処理を行い、残存エネルギーB〔kWh〕を算出する(ステップS33)。
【0182】
この場合、第1の実施の形態と同様に、バッテリ電圧Vb、バッテリ電流Ib及びバッテリ温度tbに基づいてバッテリ残量SOC〔%〕を算出し、バッテリ残量SOC〔%〕、総バッテリ容量Qb、残存最小容量の値X0 、残存最大容量の値XMAX 及び補正係数γに基づいて、残存エネルギーB〔kWh〕
B=γ・((SOC−X0 )/(XMAX −X0 ))・Qb
を算出する。
【0183】
続いて、前記CPU31の第1の比較処理手段としての図示されない発電要否判断処理手段は、第1の比較処理としての発電要否判断処理を行い、必要消費エネルギーEt”〔kWh〕と残存エネルギーB〔kWh〕とを比較し、必要消費エネルギーEt”〔kWh〕が残存エネルギーB〔kWh〕より大きいかどうかによって、ハイブリッド型車両を走行させるに当たり、第2の電源としての、第2の電動機械としての、かつ、発電装置としての発電機15による発電を行う必要があるかどうかを判断する(ステップS34)。
【0184】
前記発電要否判断処理において、必要消費エネルギーEt”〔kWh〕が残存エネルギーB〔kWh〕以下であり、発電機15による発電を行う必要がない場合、本実施の形態においては、運転者に対する案内が必要でない場合、前記EVモード走行処理手段は、発電機15を駆動することなく、駆動モータ11を駆動してハイブリッド型車両を走行させる(ステップS35)。
【0185】
そして、必要消費エネルギーEt”〔kWh〕が残存エネルギーB〔kWh〕より大きく、発電機15による発電を行う必要がある場合、前記CPU31の第3の走行可否判断処理手段としての、かつ、第2の比較処理手段としての図示されない第3の案内要否判断処理手段は、第3の走行可否判断処理としての、かつ、第2の比較処理としての第3の案内要否判断処理を行い、発電機15を駆動してハイブリッド型車両を走行させた場合に、発電機15による発電を行いながら運転者が望むようにハイブリッド型車両を走行させることができるかどうか、本実施の形態においては、運転者に対する案内が必要かどうかを判断する(ステップS36)。
【0186】
そのために、前記案内要否判断処理手段は、必要消費エネルギーEt”〔kWh〕と閾(しきい)値ψ1〔kWh〕とを比較し、前記必要消費エネルギーEt”〔kWh〕が閾値ψ1〔kWh〕より大きいかどうかを判断する。
【0187】
そして、前記案内要否判断処理において、必要消費エネルギーEt”〔kWh〕が閾値ψ1〔kWh〕より大きく、発電機15による発電を行いながら運転者が望むようにハイブリッド型車両を走行させることができない場合、本実施の形態においては、運転者に対する案内が必要である場合、CPU31の前記案内処理手段は、第1の実施の形態と同様の案内処理を行い、運転者に対してハイブリッド型車両の走行方法を案内する(ステップS37)。
【0188】
この場合、前記閾値φ1〔kWh〕は、現在の時刻で発電を開始した場合に消費することができるエネルギー、すなわち、現在の時刻における残存エネルギーB〔kWh〕に、発電によって得られる発電エネルギーGt〔kWh〕を加算した値であり、前記距離当たり消費エネルギーEu”〔kWh/km〕、平均速度av”〔km/h〕及び発電可能時間Ta”〔h〕を乗算することによって表される。
【0189】
φ1=B+Gt
=Eu”・av”・Ta”
そして、平均速度av”〔km/h〕及び発電可能時間Ta”〔h〕は、走行スケジュールがある場合、設定された走行パターン情報に基づいて、走行スケジュールがない場合、作成走行パターン情報に基づいて算出される。
【0190】
前記案内要否判断処理において、必要消費エネルギーEt”〔kWh〕が閾値ψ1〔kWh〕以下であり、運転者に対する案内が必要でない場合、CPU31の前記発電設定処理手段は、走行スケジュールがある場合、ステップS9と同様の発電設定処理を、走行スケジュールがない場合、ステップS19と同様の発電設定処理を行い、発電開始タイミングts及び発電終了タイミングteを設定することによって、発電時間を設定する(ステップS38)。
【0191】
このようにして、発電設定処理が行われると、前記CPU31の前記発電処理手段は、発電開始タイミングtsから発電終了タイミングteまでの間、発電機15による発電を行う(ステップS39)。すなわち、前記発電処理手段は、発電開始タイミングtsになると発電機15による発電を開始し、発電終了タイミングteになると発電機15による発電を終了する。
【0192】
このように、本実施の形態においては、必要消費エネルギーEt”〔kWh〕が残存エネルギーB〔kWh〕より大きいかどうかが判断され、必要消費エネルギーEt”〔kWh〕が残存エネルギーB〔kWh〕より大きい場合に、発電設定処理が行われるので、ハイブリッド型車両が目的地に到達することができるかどうか、又は運転者の走行目標を達成することができるかどうかに関係なく、発電設定処理、発電処理、案内処理等を行うことができる。
【0193】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0194】
11 駆動モータ
14 バッテリ
15 発電機
31 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電装置と、
発電装置と、
前記蓄電装置及び発電装置と接続され、蓄電装置及び発電装置から供給される電力によって駆動される駆動モータと、
電動駆動車両を走行させるのに必要な消費エネルギーを算出する消費エネルギー算出処理手段と、
前記蓄電装置に残存する残存エネルギーを算出する残存エネルギー算出処理手段と、
前記消費エネルギー及び残存エネルギーに基づいて、操作者が望むように電動駆動車両を走行させることができるかどうかを判断する走行可否判断処理手段と、
操作者が望むように電動駆動車両を走行させることができない場合に、電動駆動車両の走行方法を案内する走行方法案内処理手段とを有することを特徴とする電動駆動車両。
【請求項2】
前記走行可否判断処理手段は、前記消費エネルギー及び残存エネルギーに基づいて、電動駆動車両が目的地に到達することができるかどうかを判断し、
前記走行方法案内処理手段は、電動駆動車両が目的地に到達することができない場合に、電動駆動車両の走行方法を案内する請求項1に記載の電動駆動車両。
【請求項3】
前記走行可否判断処理手段は、前記消費エネルギー及び残存エネルギーに基づいて、操作者による走行目標を達成することができるかどうかを判断し、
前記走行方法案内処理手段は、操作者による走行目標を達成することができない場合に、電動駆動車両の走行方法を案内する請求項1に記載の電動駆動車両。
【請求項4】
前記走行可否判断処理手段は、前記消費エネルギーが閾値より大きいかどうかを判断し、
前記走行方法案内処理手段は、消費エネルギーが閾値より大きい場合に、電動駆動車両の走行方法を案内する請求項1に記載の電動駆動車両。
【請求項5】
前記走行方法案内処理手段は、操作者が休憩をする間に発電装置による発電を行う休憩付きの走行方法を案内する請求項1〜4のいずれか1項に記載の電動駆動車両。
【請求項6】
前記走行方法案内処理手段は、走行負荷を小さくするか、又は走行時間を長くすることができるように経路を変更する走行方法を案内する請求項1〜4のいずれか1項に記載の電動駆動車両。
【請求項7】
前記走行方法案内処理手段は、距離当たり消費エネルギーを小さくすることができるようにエコの走行方法を案内する請求項1〜4のいずれか1項に記載の電動駆動車両。
【請求項8】
前記走行可否判断処理手段によって、操作者が望むように電動駆動車両を走行させることができると判断された場合に、前記発電装置による発電を行う発電処理手段を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の電動駆動車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−95519(P2012−95519A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189201(P2011−189201)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(591261509)株式会社エクォス・リサーチ (1,360)
【Fターム(参考)】