説明

電動駆動車両

【課題】必要発電時間を適正に算出することができ、安定させて走行させることができるようにする。
【解決手段】蓄電装置と、発電装置と、エンジンと、駆動モータと、空調ユニットと、暖房ユニットと、電動駆動車両を目的地まで走行させるのに必要な消費エネルギーを算出する消費エネルギー算出処理手段と、電動駆動車両を目的地まで走行させる間に消費される消費熱量を算出する消費熱量算出処理手段と、蓄電残存エネルギー及び蓄熱残存エネルギーを算出する残存エネルギー算出処理手段と、蓄熱残存エネルギが消費熱量以上であるかどうかを判断する残存熱エネルギー判断処理手段と、必要発電時間を算出する必要発電時間算出処理手段と、発電装置を駆動する発電処理手段とを有する。必要発電時間だけ発電装置を駆動して電動駆動車両を走行させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動駆動車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電気自動車等の電動駆動車両、例えば、電気自動車は、車両駆動装置を備え、該車両駆動装置において、駆動モータをバッテリから供給される電力によって駆動し、駆動モータのトルク、すなわち、駆動モータトルクを発生させ、該駆動モータトルクを駆動輪に伝達することによって走行させられるようになっている。
【0003】
ところが、前記バッテリにおいては、単位重量当たりの容量を表すエネルギー密度を十分に高くすることができないので、バッテリから供給される電力を利用して電気自動車を走行させた場合、走行可能な距離、すなわち、走行可能距離、走行可能な時間、すなわち、走行可能時間等を長くすることができない。走行可能距離、走行可能時間等を長くするためにはバッテリの容量を大きくする必要があるが、その場合、バッテリが大型化するだけでなく、バッテリの重量が大きくなる。その結果、電気自動車が大型化し、電気自動車の重量が大きくなってしまう。
【0004】
そこで、走行可能距離、走行可能時間等を長くすることができるように、バッテリのほかに発電機を配設し、エンジンによって発電機を駆動して電流を発生させ、バッテリに供給するようにした電動駆動車両として、ハイブリッド型車両が提供されている。
【0005】
そして、該ハイブリッド型車両においては、バッテリの充電度合い(蓄電量)を表すバッテリ残量、及びエンジンを駆動するための燃料の残量、すなわち、燃料残量を加算した全体の残量に基づいて発電が行われる(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−220803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来のハイブリッド型車両においては、ハイブリッド型車両を走行させるのに必要な発電時間、すなわち、必要発電時間がバッテリ残量によって異なるので、エアコン等の空調システムを作動させながら走行させたときに、必要発電時間を適正に算出することができない。
【0008】
したがって、ハイブリッド型車両を安定させて走行させることができない。
【0009】
本発明は、前記従来のハイブリッド型車両の問題点を解決して、必要発電時間を適正に算出することができ、安定させて走行させることができる電動駆動車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そのために、本発明の電動駆動車両においては、蓄電装置と、発電装置と、該発電装置を駆動するエンジンと、前記蓄電装置及び発電装置と接続され、蓄電装置及び発電装置から供給される電力によって駆動される駆動モータと、圧縮機、凝縮器及び蒸発器を備えた冷凍機械から成る空調ユニットと、蓄熱装置及び放熱器を備えた循環路から成る暖房ユニットと、電動駆動車両を目的地まで走行させるのに必要な消費エネルギーを算出する消費エネルギー算出処理手段と、電動駆動車両を目的地まで走行させる間に消費される消費熱量を算出する消費熱量算出処理手段と、前記蓄電装置に残存している蓄電残存エネルギー及び前記蓄熱装置に残存している蓄熱残存エネルギーを算出する残存エネルギー算出処理手段と、蓄熱残存エネルギーが消費熱量以上であるかどうかを判断する残存熱エネルギー判断処理手段と、前記消費エネルギー、消費熱量、蓄電残存エネルギー及び蓄熱残存エネルギーのうちの所定のエネルギーに基づいて、発電装置を駆動するための必要発電時間を算出する必要発電時間算出処理手段と、算出された必要発電時間に基づいて発電装置を駆動する発電処理手段とを有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電動駆動車両においては、蓄電装置と、発電装置と、該発電装置を駆動するエンジンと、前記蓄電装置及び発電装置と接続され、蓄電装置及び発電装置から供給される電力によって駆動される駆動モータと、圧縮機、凝縮器及び蒸発器を備えた冷凍機械から成る空調ユニットと、蓄熱装置及び放熱器を備えた循環路から成る暖房ユニットと、電動駆動車両を目的地まで走行させるのに必要な消費エネルギーを算出する消費エネルギー算出処理手段と、電動駆動車両を目的地まで走行させる間に消費される消費熱量を算出する消費熱量算出処理手段と、前記蓄電装置に残存している蓄電残存エネルギー及び前記蓄熱装置に残存している蓄熱残存エネルギーを算出する残存エネルギー算出処理手段と、蓄熱残存エネルギーが消費熱量以上であるかどうかを判断する残存熱エネルギー判断処理手段と、前記消費エネルギー、消費熱量、蓄電残存エネルギー及び蓄熱残存エネルギーのうちの所定のエネルギーに基づいて、発電装置を駆動するための必要発電時間を算出する必要発電時間算出処理手段と、算出された必要発電時間に基づいて発電装置を駆動する発電処理手段とを有する。
【0012】
この場合、消費エネルギー、消費熱量、蓄電残存エネルギー及び蓄熱残存エネルギーのうちの所定のエネルギーに基づいて、発電装置を駆動するための必要発電時間が算出されるので、必要発電時間だけ発電装置を駆動して電動駆動車両を走行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態における車両駆動装置を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両の概念図である。
【図3】本発明の実施の形態における空調システムの概念図である。
【図4】本発明の実施の形態における制御部の動作を示すメインフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態における蓄熱残存エネルギーマップを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態における空調システム制御処理のサブルーチンを示す図である。
【図7】本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両のバッテリ残存エネルギー及び蓄熱残存エネルギーの推移を示す第1のタイムチャートである。
【図8】本発明の実施の形態における冷房時走行処理のサブルーチンを示す図である。
【図9】本発明の実施の形態における閾値算出処理のサブルーチンを示す図である。
【図10】本発明の実施の形態における発電設定処理のサブルーチンを示す図である。
【図11】本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両のバッテリ残存エネルギー及び蓄熱残存エネルギーの推移を示す第2のタイムチャートである。
【図12】本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両のバッテリ残存エネルギー及び蓄熱残存エネルギーの推移を示す第3のタイムチャートである。
【図13】本発明の実施の形態における第1の暖房時走行処理のサブルーチンを示す図である。
【図14】本発明の実施の形態における熱操作処理のサブルーチンを示す図である。
【図15】本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両のバッテリ残存エネルギー及び蓄熱残存エネルギーの推移を示す第4のタイムチャートである。
【図16】本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両のバッテリ残存エネルギー及び蓄熱残存エネルギーの推移を示す第5のタイムチャートである。
【図17】本発明の実施の形態における第2の暖房時走行処理のサブルーチンを示す図である。
【図18】本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両のバッテリ残存エネルギー及び蓄熱残存エネルギーの推移を示す第6のタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、電動駆動車両としてのハイブリッド型車両について説明する。
【0015】
図2は本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両の概念図である。
【0016】
図において、WL、WRは駆動輪として機能する車輪、11は該車輪WL、WRと接続された駆動源としての、かつ、第1の電動機械としての駆動モータ(M)である。該駆動モータ11を駆動することによって発生させられた駆動モータトルクを前記車輪WL、WRに伝達することによってハイブリッド型車両を走行させることができる。
【0017】
なお、ハイブリッド型車両が前輪駆動方式の場合、前記車輪WL、WRは前輪にされ、後輪が従動輪となり、ハイブリッド型車両が後輪駆動方式の場合、前記車輪WL、WRは後輪にされ、前輪が従動輪となる。また、ハイブリッド型車両が四輪駆動方式の場合、前記駆動モータ11は前輪及び後輪の各車輪と接続される。本実施の形態においては、駆動モータ11と車輪WL、WRとが接続され、駆動モータ11を駆動することによって車輪WL、WRが回転させられるようになっているが、前輪及び後輪の各車輪に駆動モータを一体に組み込み、各駆動モータを独立に駆動してそれぞれ車輪を回転させることができる。
【0018】
また、13は駆動モータ11と接続され、駆動モータ11を駆動したり、回生したりするための駆動回路としてのインバータ、14は第1の電源としての、かつ、蓄電装置としてのバッテリ、15は第2の電源としての、第2の電動機械としての、かつ、発電装置としての発電機(G)である。前記バッテリ14及び発電機15から供給される電力によって駆動モータ11が駆動される。
【0019】
そして、16は前記バッテリ14と接続された接続要素としての差込プラグ、17は、前記発電機15と接続され、発電機15を駆動する駆動回路としてのインバータ、18は前記発電機15を駆動するための駆動源としてのエンジン(E/G)、19は該エンジン18に燃料(駆動媒体)としてのガソリンを供給する燃料供給源としての燃料タンクである。
【0020】
前記各インバータ13、17は、それぞれ、電圧変換部としての図示されないDC/DCコンバータ、及び複数の、例えば、6個のスイッチング素子としての図示されないトランジスタを備える。前記DC/DCコンバータは、駆動モータ11及び発電機15とバッテリ14との間で電圧を変更する。また、前記各トランジスタは、一対ずつユニット化されて各相のトランジスタモジュール(IGBT)を構成し、図示されない制御部から送られる駆動信号によってオン・オフさせられ、インバータ13において、バッテリ14から供給された直流の電流を3相の交流の電流に変換し、駆動モータ11に供給して駆動モータ11を駆動したり、駆動モータ11の回生に伴って発生させられた3相の交流の電流を直流の電流に変換し、バッテリ14に供給してバッテリ14を充電したり、インバータ17において、発電機15の発電に伴って発生させられた3相の交流の電流を直流の電流に変換し、バッテリ14に供給してバッテリ14を充電したりすることができる。そして、前記差込プラグ16を、家庭の商用電源のコンセント、充電スタンド(充電施設)の充電装置のコンセント等に差し込むことによって、バッテリ14を充電することができる。
【0021】
なお、本実施の形態において、DC/DCコンバータはインバータ13に内蔵されるようになっているが、インバータ13と独立させて配設することができる。
【0022】
本実施の形態においては、バッテリ14としてリチウムイオン電池が使用される。また、本実施の形態においては、蓄電装置としてバッテリ14が使用されるが、バッテリ14に代えてキャパシタを使用することができる。
【0023】
なお、本実施の形態においては、駆動モータ11に電流を供給することによってハイブリッド型車両を目的地まで走行させることができ、ハイブリッド型車両の平坦(たん)路、登坂路等における走行性能、及びハイブリッド型車両の加速時における加速性能を十分に高くすることができるように、バッテリ14は十分な電力を保持し、バッテリ14のエネルギー密度が0.1〔kWh/kg〕以上に、出力密度が1〔kW/kg〕以上にされる。
【0024】
また、バッテリ14の重量は、ハイブリッド型車両の動力性能を確保するために必要とされる最大出力及びバッテリ14の性能に基づいて、バッテリ14の許容範囲内で設定される。なお、最大出力は、車両重量、及び走行に伴ってハイブリッド型車両に加わる走行抵抗(空気抵抗、転がり抵抗、登坂抵抗、加速抵抗等)に基づいて算出される。
【0025】
例えば、車両重量が1000〔kg〕程度のハイブリッド型車両の場合、ハイブリッド型車両の最大出力は40〜60〔kW〕であり、バッテリ14の重量は40〜60〔kg〕にされる。従来の電気自動車において、走行可能距離を300〜500〔km〕とすると、電気自動車を走行させる際に距離当たり消費されるエネルギーは、約0.1〔kWh/km〕であるので、バッテリ14の重量は300〜500〔kg〕になる。これに対して、本実施の形態においては、発電機15によってバッテリ14を充電することにより走行に必要なエネルギーを補うことができるので、バッテリ14の重量を従来の電気自動車の1/8〜1/5にすることができる。
【0026】
本実施の形態においては、エンジン18として、ガソリンを燃料とする内燃式のエンジンが使用されるが、ガソリンに代えて水素等を燃料とする内燃式のエンジンを使用することができる。また、本実施の形態においては、発電機15を駆動するために内燃式のエンジンが使用されるが、エンジンとして、高圧の燃料タンクから供給される炭酸ガス、メタンガス等を燃料とする往復ピストン型の膨張式エンジンとしての、かつ、気化式エンジンとしての炭酸ガスエンジン、メタンガスエンジン等を使用することができる。
【0027】
さらに、発電装置として燃料電池を使用し、燃料電池として、固体高分子型燃料電池(PEFC)、リン酸型燃料電池(PAFC)、固体酸化物型燃料電池(SOFC)、ヒドラジン型燃料電池、直接メタノール型燃料電池(DMFC)等を使用することができる。
【0028】
ところで、バッテリ14の充電度合い(蓄電量)を表すために蓄電残量としてのバッテリ残量SOC〔%〕が使用される。該バッテリ残量SOC〔%〕は、それ以上バッテリ14が放電すると、過放電により、バッテリ14が急激に劣化するとされる残存最小容量がX0〔%〕とされ、それ以上バッテリ14が充電されると、過充電により、バッテリ14が急激に劣化するとされる残存最大容量がXmax〔%〕とされる。なお、バッテリ14の残存最小容量X0〔%〕及び残存最大容量Xmax〔%〕はバッテリ14の仕様によって決められる。
【0029】
この場合、例えば、バッテリ残量SOC〔%〕が残存最小容量X0〔%〕に到達するのに伴って発電機15による発電を開始すると、発電機15の出力をハイブリッド型車両に加わる走行負荷に対応させて調整する必要があるので、制御部における制御が複雑になるだけでなく、発電機15が大型化し、発電効率が低くなってしまう。
【0030】
そこで、本実施の形態においては、発電機15を発電効率が高い状態で駆動することができるように、ハイブリッド型車両の走行に伴って消費されるエネルギー、すなわち、消費エネルギーとバッテリ残量SOC〔%〕との差に基づいて、発電機15による発電が行われるようになっている。
【0031】
この場合、発電機15を発電効率が高い状態で駆動するために、発電機15は、発電効率の最大値又はその近傍の値を維持するように一定の出力Pg〔N〕が設定され、エンジン18によって駆動される。なお、エンジンとして炭酸ガスエンジン、メタンガスエンジン等を使用する場合においても、発電機を発電効率が高い状態で駆動するために、発電機は、最大値又はその近傍の値を維持するように出力が設定され、エンジンによって駆動される。
【0032】
また、発電装置として燃料電池を使用する場合は、電流と電圧との関係を表す特性曲線、すなわち、電流対電圧特性曲線上で燃料電池が通常の駆動状態で駆動され、電流が所定値以下にされるか、又は電圧が所定値以上にされる。例えば、燃料電池の単位電極で、電流が0.2〔A〕以下にされるか、又は電圧が0.8〔V〕以上にされる。
【0033】
そして、本実施の形態においては、前記発電機15を発電効率の高い状態で駆動する時間が発電時間とされる。
【0034】
ところで、本実施の形態においては、車室内の温度、すなわち、室内温度を調整するために、ハイブリッド型車両に空調システムが搭載され、空調システムを作動させることによって冷房を行ったり、暖房を行ったりすることができるようになっている。
【0035】
次に、空調システムについて説明する。
【0036】
図3は本発明の実施の形態における空調システムの概念図である。
【0037】
図において、Csはハイブリッド型車両のボディにおいて、車室内Siと車室外Soとを区分する壁、61は第1のユニットとしての空調ユニット、62は第2のユニットとしての暖房ユニットである。
【0038】
前記空調ユニット61は、圧縮式の冷凍機械から成り、バッテリ14からの電力を受けて駆動され、冷媒を圧縮する圧縮機(C)71、車室外Soに配設された第1の冷媒変換器としての室外器72、液化した冷媒を膨張させる膨張弁73、車室内Siに配設された第2の冷媒変換器としての室内器74及びファン76、77を備える。空調ユニット61を第1の運転モードとしての冷房モードで運転する場合は、室外器72を凝縮器として、室内器74を蒸発器として使用し、圧縮機71を駆動し、ファン76、77を作動させると、室内器74によって車室内Siの空気を冷却し、冷房を行うことができ、空調ユニット61を第2の運転モードとしての暖房モードで運転する場合は、室外器72を蒸発器として、室内器74を凝縮器として使用し、圧縮機71を駆動し、ファン76、77を作動させると、室内器74によって車室内Siの空気を加熱し、暖房を行うことができる。
【0039】
また、前記暖房ユニット62は、発電機15に取り付けられ、発電機15の廃熱を回収するための熱交換器81、該熱交換器81と並列に配設され、熱交換器81によって回収された廃熱を蓄えるための蓄熱装置としての蓄熱容器82、前記熱交換器81及び蓄熱容器82と接続され、熱媒体の熱を放出する放熱器83、該放熱器83を冷却し、放熱器83の熱を取り出すファン84、放熱器83に熱媒体を供給するためのポンプ(P)85等を備える。なお、蓄熱容器82において、熱媒体の熱は、化学蓄熱、顕熱、潜熱等のうちのいずれかの蓄熱形態によって蓄えられる。
【0040】
そして、前記暖房ユニット62において、前記熱交換器81、蓄熱容器82及び放熱器83は、熱媒体を搬送するための配管系86によって接続され、該配管系86は、前記熱交換器81及び蓄熱容器82から放熱器83に熱媒体を供給するための第1の配管としての供給管87、前記放熱器83から熱交換器81及び蓄熱容器82に熱媒体を排出するための第2の配管としての排出管88、前記供給管87と排出管88とを蓄熱容器82を介して接続する第1の連結管91、供給管87と排出管88とを熱交換器81を介して接続する第2の連結管92、供給管87と排出管88とを直接接続するバイパス管としての第3の連結管93、配管系86における所定の箇所、本実施の形態においては、排出管88と第1の連結管91との連結部ct1にコネクタ95を介して着脱自在に配設され、外部熱を配管系86に供給する外部熱供給管94等を備える。なお、本実施の形態においては、外部熱として、太陽熱、廃熱等を利用することができる。
【0041】
また、前記供給管87における第1〜第3の連結管91〜93と放熱器83との間、及び排出管88における第1〜第3の連結管91〜93と放熱器83との間に一対の開閉弁v1が、第1の連結管91における蓄熱容器82と供給管87及び排出管88との間に一対の開閉弁v2が、第2の連結管92における熱交換器81と供給管87及び排出管88との間に一対の開閉弁v3が、第3の連結管93に一対の開閉弁v4が配設され、供給管87における開閉弁v1と放熱器83との間に前記ポンプ85が配設される。
【0042】
車室内Siの温度を設定温度にするために、前記空調ユニット61及び暖房ユニット62を作動させると、ファン77の回転によって発生させられた風と、ファン84の回転によって発生させられた風とが混合させられる。設定温度をTmsとし、室内器74の出口温度をTm1とし、放熱器83の出口温度をTm2とし、ファン77の回転によって発生させられた風の風量をM1とし、ファン84の回転によって発生させられた風の風量をM2としたとき、風量(M1+M2)に対する風量M2の百分率を混合比φとすると、混合比φは、
φ=((Tms−Tm1)/(Tm2−Tms))・100〔%〕
になる。なお、混合比φは、最大冷房時に0〔%〕に、最大暖房時に100〔%〕になる。
【0043】
前記空調ユニット61において室内器74及びファン77が、暖房ユニット62において、放熱器83及びファン84が車室内Siに配設される。
【0044】
次に、ハイブリッド型車両において発電機15による発電を行うための車両駆動装置について説明する。
【0045】
図1は本発明の実施の形態における車両駆動装置を示す図である。
【0046】
図において、21はハイブリッド型車両の全体の制御を行う第1の制御ユニットとしての制御部、27はナビゲーション装置である。
【0047】
前記制御部21は、演算装置としてのCPU31、該CPU31が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるRAM32、制御用のプログラムのほかに、各種のデータが記録されたROM33等を備える。
【0048】
また、前記ナビゲーション装置27は、ナビゲーション装置27の全体の制御を行う第2の制御ユニットとしてのナビゲーション制御部34を備え、該ナビゲーション制御部34は、制御部21と同様に、演算装置としてのCPU、RAM、ROM等を備える。
【0049】
そして、前記ナビゲーション制御部34に、ハイブリッド型車両の現在位置、ハイブリッド型車両の方位、時刻等を検出する現在地検出部としての、かつ、時刻検出部としてのGPSセンサ35、地図データのほかに各種の情報が記録された情報記録部としてのデータ記録部36、通信端末として機能する送受信部としての通信部38等が接続される。
【0050】
前記地図データには、交差点(分岐点を含む。)に関する交差点データ、各交差点間を結ぶ道路及び該道路を構成する道路リンクに関する道路状況を表す道路情報(道路データ)、各種の施設に関する施設データ、経路を探索するために加工された探索データ等が含まれる。
【0051】
また、前記通信部38は、第1の情報提供者としてのVICS(登録商標)センタ等の図示されない道路交通情報センタ等から送られる交通情報、一般情報等の各種の情報を受信する。なお、前記交通情報には、渋滞情報、規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況情報等が含まれ、一般情報には、ニュース、周囲環境状況を表す周囲環境情報(天気予報のほか、気温、湿度、天候等の実際の天気状況等)等が含まれる。また、前記通信部38は、第2の情報提供者としての情報センタから交通情報、一般情報等の各種の情報を受信することもできる。前記ナビゲーション装置27、道路交通情報センタ、情報センタ等によってナビゲーションシステムが構成される。
【0052】
そして、前記制御部21に、前記インバータ13、17のほかに、図示されない画面によって各種の表示を行い、操作者である運転者に対して通知を行うための第1の出力部としての表示部43、運転者が音声によって所定の入力を行うための音声入力部44a、音声を出力することによって運転者に対して通知を行うための第2の出力部としての音声出力部44b、運転者が操作することによって所定の入力を行うための操作部45、ハイブリッド型車両の車速v〔km/h〕を検出する車速検出部としての車速センサ51、バッテリ14の電圧、すなわち、バッテリ電圧Vb〔V〕を検出する電圧検出部としてバッテリ電圧センサ52、バッテリ14に供給され、又はバッテリ14から供給される電流、すなわち、バッテリ電流Ib〔A〕を検出する電流検出部としてのバッテリ電流センサ53、バッテリ14の温度、すなわち、バッテリ温度tb〔℃〕を検出する温度検出部としてのバッテリ温度センサ54、燃料タンク19からエンジン18に供給されるガソリンの残量、すなわち、燃料残量F〔L〕を検出する燃料残量検出部としての燃料残量センサ55、前記圧縮機71、ファン76、77、84、ポンプ85、開閉弁v1〜v4、蓄熱容器82内の温度Tc〔℃〕を検出する温度検出部としての温度センサ98、蓄熱容器82内の圧力Pc〔Pa〕を検出する圧力検出部としての圧力センサ99等が接続される。なお、前記燃料残量センサ55によって燃料の種類を検出することもできる。また、前記表示部43は、前記画面がタッチパネルによって形成される場合、運転者が操作することによって所定の入力を行うための操作部としても機能する。
【0053】
そして、前記制御部21、ナビゲーション制御部34、CPU31等によってコンピュータが構成され、データ記録部36、RAM32、ROM33等によって記憶装置又は記録媒体が構成される。なお、演算装置として、CPU31に代えてMPU等を使用することができる。
【0054】
前記駆動モータ11、バッテリ14、発電機15、エンジン18、制御部21、空調ユニット61、暖房ユニット62等によってハイブリッド型車両が構成される。
【0055】
次に、前記ナビゲーション装置27の基本動作について説明する。
【0056】
まず、運転者による操作部45の操作によってナビゲーション装置27が起動されると、ナビゲーション制御部34のCPU(以下、「ナビCPU」という。)のナビ情報取得処理手段は、ナビ情報取得処理を行い、前記地図データを、データ記録部36から取得する(読み出す)か、又は通信部38を介して情報センタ等から取得(受信)する。
【0057】
次に、前記ナビCPUのマッチング処理手段は、マッチング処理を行い、GPSセンサ35から現在位置及び方位を読み込み、地図データから道路データを読み込み、現在位置、方位及び道路データに基づいて、現在位置がいずれの道路リンク上に位置するかを判断することによって、現在位置を特定する。そして、前記ナビCPUの表示処理手段は、表示処理を行い、前記表示部43に地図画面を形成し、該地図画面にハイブリッド型車両の現在位置、現在位置の周辺の地図及び方位を表示する。
【0058】
また、運転者が操作部45を操作して所定の地点を目的地として入力すると、前記ナビCPUの目的地設定処理手段は、目的地設定処理を行い、目的地を設定する。
【0059】
そして、運転者が操作部45を操作して、経路を探索するための条件、すなわち、探索条件を入力すると、前記ナビCPUの経路探索処理手段は、経路探索処理を行い、前記現在位置、目的地、探索条件等を読み込むとともに、地図データのうちの探索データを読み込み、現在位置、目的地及び探索データに基づいて、現在位置で表される出発地から目的地までの経路を前記探索条件で探索し、探索経路を表す経路データを出力する。なお、各道路リンクごとに付与されたリンクコストの合計が最も小さい経路が探索経路とされる。
【0060】
続いて、前記ナビCPUの案内処理手段は、案内処理を行い、前記経路データを読み込み、該経路データに従って前記地図画面に探索経路を表示し、必要に応じて、探索経路を音声で出力して経路案内を行う。
【0061】
次に、前記制御部21の動作について説明する。
【0062】
図4は本発明の実施の形態における制御部の動作を示すメインフローチャート、図5は本発明の実施の形態における蓄熱残存エネルギーマップを示す図である。
【0063】
この場合、前述されたように、運転者が操作部45を操作して所定の地点を目的地として入力すると、ナビCPUの前記目的地設定処理手段は、目的地を設定する。そして、運転者が操作部45を操作して探索条件を入力すると、前記ナビCPUの前記経路探索処理手段は、前記現在位置、目的地、探索条件等を読み込み、現在位置、目的地及び探索データに基づいて、現在位置で表される出発地から目的地までの経路を探索し、探索された経路、すなわち、探索経路を表示部43に形成された地図画面上に表示する。また、ナビCPUの平均車速算出処理手段は、平均車速算出処理を行い、探索経路の距離によって表される走行距離を算出し、該走行距離及び交通情報における渋滞情報に基づいて、探索経路上における平均車速av〔km/h〕を算出する。
【0064】
続いて、CPU31の図示されない走行開始判断処理手段は、走行開始判断処理を行い、ハイブリッド型車両の走行が開始されたかどうかを、例えば、車速センサ51(図1)によって検出された車速v〔km/h〕によって判断し(ステップS1)、走行が開始されると、CPU31の図示されない情報取得処理手段は、情報取得処理を行い、ナビゲーション装置27等から消費エネルギー算出用及び消費熱量算出用の情報を取得する(読み込む)(ステップS2)。
【0065】
すなわち、前記情報取得処理手段は、データ記録部36に記録された道路情報(勾配、路面情報等)、並びに通信部38によって取得された交通情報(渋滞情報、車の流れ、車速v〔km/h〕等)、及び周囲環境情報(気温(外気温)、天候、太陽光強度、室内温度、設定温度等)を取得するとともに、現在位置、探索された経路である探索経路、探索経路に沿ってハイブリッド型車両を走行させたときの走行時間T1〔h〕、平均車速av〔km/h〕、GPSセンサ35によって検出された時刻、すなわち、走行時刻等を取得する。
【0066】
また、前記情報取得処理手段は、バッテリ電圧センサ52によって検出されたバッテリ電圧Vb〔V〕、バッテリ電流センサ53によって検出されたバッテリ電流Ib〔A〕、及びバッテリ温度センサ54によって検出されたバッテリ温度tb〔℃〕を読み込むととにもに、燃料残量センサ55によって検出された燃料残量〔L〕を取得する。
【0067】
続いて、CPU31の図示されない消費エネルギー算出処理手段は、消費エネルギー算出処理を行い、ハイブリッド型車両を目的地まで走行させるのに必要な消費エネルギーEw〔kWh〕を算出する(ステップS3)。
【0068】
ここで、ハイブリッド型車両を目的地まで走行させる間において、ハイブリッド型車両が受ける走行抵抗をR〔N〕とすると、ハイブリッド型車両を走行させる間に走行抵抗R〔N〕によって消費されるパワー、すなわち、走行抵抗消費パワーPd〔kW〕は、
Pd=R・av
で表される。
【0069】
また、ハイブリッド型車両を目的地まで走行させる間に、空調システム以外のライト、ナビゲーション装置27等の補機によって消費されるパワー(電力)、すなわち、補機消費パワーをPh〔kW〕とし、ハイブリッド型車両の制動に伴って駆動モータ11で回生される電力、すなわち、回生電力をPk〔kW〕とすると、ハイブリッド型車両を目的地まで走行させるのに必要な消費パワーPw〔kW〕は、
Pw=Pd+Ph−Pk
=R・av+Ph−Pk
で表される。
【0070】
なお、前記走行抵抗R〔N〕は、ハイブリッド型車両を目的地まで走行させる間の空気抵抗をRa〔N〕とし、転がり抵抗をRr〔N〕とし、登坂抵抗をRs〔N〕とし、加速抵抗をRg〔N〕としたとき、
R=Ra+Rr+Rs+Rg
で表され、道路情報に基づいて算出される。
【0071】
なお、前記空気抵抗Ra〔N〕は、ハイブリッド型車両を走行させるときに空気から受ける抵抗であり、空気密度をρとし、空気抵抗係数をCdとし、ハイブリッド型車両を前面から見たときの投影面積をAとしたとき、
Ra=(1/2)ρ・Cd・A・(av)2
で表される。また、前記転がり抵抗Rr〔N〕は、ハイブリッド型車両を走行させるときにタイヤと路面との摩擦によって路面から受ける抵抗であり、タイヤと路面との摩擦係数をμrとし、ハイブリッド型車両の質量をmとし、重力加速度をgとしたとき、
Rr=μr・m・g
で表される。そして、前記登坂抵抗Rs〔N〕は、ハイブリッド型車両を登坂路を走行させるのに伴って発生する抵抗であり、勾配をθjとしたとき、
Rs=m・g・Σsinθj
で表される。また、前記加速抵抗Rg〔N〕は、ハイブリッド型車両を加速させるのに伴って発生する抵抗であり、加速度をαmとしたとき、
Rg=m・g・Σαm
で表される。
【0072】
そして、補機消費パワーPh〔kW〕は、気温、天候、走行時刻等に基づいて、回生電力Pk〔kW〕は減速度等に基づいて算出される。
【0073】
したがって、このようにして算出された消費パワーPw〔kW〕、平均車速av〔km/h〕及び走行時間T1〔h〕に基づいて、消費エネルギーEw〔kWh〕
Ew=Pw/(av・T1)
を算出することができる。なお、ナビゲーション装置27において探索経路の距離、すなわち、走行距離L1〔km〕としたとき、消費エネルギーEw〔kWh〕
Ew=Pw・L1
を算出することができる。
【0074】
続いて、CPU31の図示されない消費熱量算出処理手段は、消費熱量算出処理を行い、ハイブリッド型車両を目的地まで走行させる間に空調システムで消費される熱量、すなわち、消費熱量Gw〔kWh〕を算出する(ステップS4)。
【0075】
そのために、前記消費熱量算出処理手段の距離当たり消費熱算出処理手段は、距離当たり消費熱算出処理を行い、ナビゲーション装置27から気温、太陽光強度、室内温度、設定温度等の消費熱情報を取得し、該消費熱情報に基づいて、ハイブリッド型車両を目的地まで走行させるための消費熱Wu〔kW〕を算出する。本実施の形態において、前記消費熱Wu〔kW〕は所定のマップに基づいて算出されるようになっているが、所定の式で算出することができる。
【0076】
続いて、前記消費熱量算出処理手段の距離当たり消費熱量算出処理手段は、距離当たり消費熱量算出処理を行い、消費熱Wu〔kW〕及び平均車速av〔km/h〕に基づいて、距離当たり消費熱量Qu〔kWh/km〕
Qu=Wu/av
を算出する。
【0077】
そして、消費熱量算出処理手段の消費熱量決定処理手段は、消費熱量決定処理を行い、距離当たり消費熱量Qu〔kWh/km〕及び走行距離L1〔km〕に基づいて消費熱量Gw〔kWh〕
Gw=Qu・L1
を算出し、決定する。
【0078】
続いて、CPU31の図示されない残存エネルギー算出処理手段は、残存エネルギー算出処理を行い、バッテリ14に残存しているエネルギー、すなわち、蓄電残存エネルギーとしてのバッテリ残存エネルギーB〔kWh〕、及び蓄熱容器82に残存している蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕を算出する(ステップS5)。
【0079】
そのために、前記残存エネルギー算出処理手段の蓄電残存エネルギー算出処理手段は、蓄電残存エネルギー算出処理を行い、バッテリ電圧Vb〔V〕、バッテリ電流Ib〔A〕及びバッテリ温度tb〔℃〕を取得し、バッテリ残量SOC〔%〕を算出し、バッテリ残量SOC〔%〕、バッテリ14の仕様によって決まる総バッテリ容量Qb、残存最小容量X0〔%〕、残存最大容量Xmax〔%〕及びバッテリ14の劣化に伴う補正係数γに基づいて、バッテリ14のバッテリ残存エネルギーB〔kWh〕
B=γ・((SOC−X0)/(Xmax−X0))・Qb
を算出する。なお、前記補正係数γは、バッテリ14の使用履歴及び充放電履歴によって決まり、ROM33に使用履歴及び充放電履歴と補正係数γとを対応させた補正係数マップが形成される。
【0080】
次に、前記残存エネルギー算出処理手段の蓄熱残存エネルギー算出処理手段は、蓄熱残存エネルギー算出処理を行い、ROM33に形成された蓄熱残存エネルギーマップを参照し、蓄熱容器82の蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕を算出する。そのために、残存エネルギー算出処理手段は、温度センサ98によって検出された蓄熱容器82内の温度Tc〔℃〕、及び圧力センサ99によって検出された蓄熱容器82内の圧力Pc〔Pa〕を読み込み、図5に示される蓄熱残存エネルギーマップを参照し、蓄熱容器82内の温度Tc〔℃〕及び圧力Pc〔Pa〕に基づいて蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕を算出する。
【0081】
続いて、CPU31の図示されない空調システム制御処理手段は、後述される空調システム制御処理を行い、車室内Siの温度を所定の値に維持する(ステップS6)。
【0082】
次に、CPU31の図示されない走行終了判断処理手段は、走行終了判断処理を行い、現在位置を読み込み、ハイブリッド型車両が目的地に到達したかどうかにによって、走行が終了したかどうかを判断し(ステップS7)、ハイブリッド型車両が目的地に到達し、走行が終了した場合、処理を終了し、走行が終了しない場合、再び情報取得処理を行う。
【0083】
また、前記走行開始判断処理において、走行が開始されない場合、CPU31の図示されない外部熱利用判断処理手段は、外部熱利用判断処理を行い、外部熱供給管94(図3)が連結部ct1に接続されているかどうかを判断し(ステップS8)、外部熱供給管94が連結部ct1に接続されている場合、前記蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕を読み込み、蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕が蓄熱容器82の仕様によって決まる総蓄熱容量Hmax〔kWh〕より小さいかどうかによって、蓄熱容器82における蓄熱が必要かどうかを判断する(ステップS9)。
【0084】
そして、蓄熱が必要である場合、CPU31の図示されない外部蓄熱処理手段は、外部蓄熱処理を行う(ステップS10)。
【0085】
そのために、前記外部蓄熱処理手段は、開閉弁v1、v3を閉じ、開閉弁v2、v4を開き、外部熱供給管94を介して送られてくる外部熱媒体を、第1の連結管91、供給管87、第3の連結管93及び排出管88によって形成される循環路において循環させ、外部熱媒体の熱を蓄熱容器82に蓄える。なお、前記循環路内を外部熱媒体が循環するように、例えば、第3の連結管93に図示されないポンプが配設される。また、外部熱供給管94は、第3の連結管93に外部熱媒体を供給し、排出管88から外部熱媒体を回収することができるように、例えば、二重管構造を有する。蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕が総蓄熱容量Hmax〔kWh〕と等しくなると、外部蓄熱処理を終了する。
【0086】
そして、外部蓄熱処理手段は、蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕が総蓄熱容量Hmax〔kWh〕と等しくなるのに必要な時間、すなわち、要蓄熱時間を算出し、CPU31の図示されない通知処理手段は、通知処理を行い、例えば、表示部43に要蓄熱時間を表示する。
【0087】
次に、前記空調システム制御処理について説明する。
【0088】
図6は本発明の実施の形態における空調システム制御処理のサブルーチンを示す図、図7は本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両のバッテリ残存エネルギー及び蓄熱残存エネルギーの推移を示す第1のタイムチャートである。
【0089】
まず、前記空調システム制御処理手段の情報取得処理手段は、情報取得処理を行い、走行時間T1〔h〕、消費熱量Gw〔kWh〕、バッテリ残存エネルギーB〔kWh〕、蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕、消費エネルギーEw〔kWh〕等を取得する(ステップS6−1)。
【0090】
続いて、前記空調システム制御処理手段の冷房判断処理手段は、冷房判断処理を行い、運転者が操作部45を操作することによって、空調システムにおいて冷房を行う指示がされたかどうかを判断する(ステップS6−2)。そのために、前記操作部45に操作要素として図示されない冷房用指示ボタンが配設される。
【0091】
冷房を行う指示がされた場合、前記空調システム制御処理手段の必要電力量算出処理手段は、必要電力量算出処理を行い、消費熱量Gw〔kWh〕を取得し、ハイブリッド型車両が目的地まで走行する間に、冷房を行うために必要な電力量、すなわち、必要電力量Eg〔kWh〕
Eg=Gw/COP
を算出する(ステップS6−3)。なお、COPは電力量を熱量に変換する際の変換効率であり、該変換効率COPは、外気温、湿度、室内温度、設定温度、エアコンの仕様等によって決まる。
【0092】
続いて、前記空調システム制御処理手段の冷房時走行処理手段は、冷房時走行処理を行い、冷房を行いながらハイブリッド型車両を目的地まで走行させる(ステップS6−4)。
【0093】
また、冷房を行う指示がされない場合、空調システム制御処理手段の残存熱エネルギー判断処理手段は、残存熱エネルギー判断処理を行い、ハイブリッド型車両を目的地まで走行させるに当たり、蓄熱容器82の蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕が十分であるかどうかを、蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕が消費熱量Gw〔kWh〕以上であるかどうかによって判断する(ステップS6−5)。蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕が十分であり、蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕が消費熱量Gw〔kWh〕以上である場合、空調システム制御処理手段の残存電気エネルギー判断処理手段は、残存電気エネルギー判断処理を行い、バッテリ14のバッテリ残存エネルギーB〔kWh〕が十分であるかどうかを、バッテリ残存エネルギーB〔kWh〕が消費エネルギーEw〔kWh〕以上であるかどうかによって判断する(ステップS6−6)。
【0094】
バッテリ14のバッテリ残存エネルギーB〔kWh〕が十分であり、バッテリ残存エネルギーB〔kWh〕が消費エネルギーEw〔kWh〕以上である場合、前記空調システム制御処理手段のEV走行処理手段は、EV走行処理を行い、発電機15を駆動することなく、駆動モータ11を駆動してハイブリッド型車両を走行させる(ステップS6−7)。
【0095】
続いて、前記空調システム制御処理手段の暖房判断処理手段は、暖房判断処理を行い、運転者が操作部45を操作することによって、空調システムにおいて暖房を行う指示がされたかどうか、すなわち、熱消費要求があるかどうかを判断する(ステップS6−8)。暖房を行う指示がされ、熱消費要求がある場合、前記空調システム制御処理手段の放熱処理手段は、放熱処理を行う(ステップS6−9)。
【0096】
そのために、前記放熱処理手段は、開閉弁v3、v4を閉じ、開閉弁v1、v2を開き、熱媒体を第1の連結管91、供給管87及び排出管88によって形成される循環路において循環させるとともに、ファン84を作動させる。これに伴って、蓄熱容器82に蓄えられた熱が放熱器83に送られ、放熱器83において放出され、車室内Siの空気が加熱され、暖房が行われる。
【0097】
この場合、図7に示されるように、バッテリ残存エネルギーB〔kWh〕は線Lbで示されるように、蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕は線Lhで示されるように次第に小さくなる。ハイブリッド型車両が目的地に到達するタイミングTeまで、発電機15による発電を行うことなくハイブリッド型車両をEV走行で走行させ、暖房を行うことができる。なお、Bmaxはバッテリ残量SOC〔%〕の残存最大容量Xmax〔%〕であり、Hmaxは蓄熱容器82において許容される蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕の最大値である。
【0098】
また、前記残存熱エネルギー判断処理において、蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕が消費熱量Gw〔kWh〕より小さい場合、前記空調システム制御処理手段の第1の暖房時走行処理手段は、第1の暖房時走行処理を行い(ステップS6−10)、前記残存電気エネルギー判断処理において、バッテリ残存エネルギーB〔kWh〕が消費エネルギーEw〔kWh〕より小さい場合、前記空調システム制御処理手段の第2の暖房時走行処理手段は、第2の暖房時走行処理を行う(ステップS6−11)。
【0099】
次に、前記冷房時走行処理について説明する。
【0100】
図8は本発明の実施の形態における冷房時走行処理のサブルーチンを示す図、図9は本発明の実施の形態における閾値算出処理のサブルーチンを示す図、図10は本発明の実施の形態における発電設定処理のサブルーチンを示す図、図11は本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両のバッテリ残存エネルギー及び蓄熱残存エネルギーの推移を示す第2のタイムチャート、図12は本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両のバッテリ残存エネルギー及び蓄熱残存エネルギーの推移を示す第3のタイムチャートである。
【0101】
まず、冷房時走行処理手段の残存電気エネルギー判断処理手段は、残存電気エネルギー判断処理を行い、ハイブリッド型車両を、発電を行うことなく、冷房を行いながら目的地まで走行させることができるかどうかを、バッテリ残存エネルギーB〔kWh〕が、ハイブリッド型車両を目的地まで走行させるのに必要な消費エネルギーEw〔kWh〕と、冷房を行うのに必要な必要電力量Eg〔kWh〕とを加算した値、すなわち、第1の必要エネルギー加算値Eα以上であるかどうかによって判断する(ステップS6−4−1)。
【0102】
バッテリ残存エネルギーB〔kWh〕が第1の必要エネルギー加算値Eα以上である場合、冷房時走行処理手段のEV走行処理手段は、EV走行処理を行い、発電機15を駆動することなく、駆動モータ11を駆動してハイブリッド型車両を走行させる(ステップS6−4−2)。また、EV走行処理手段は、圧縮機71を駆動し、ファン76、77を作動させて車室内Siの冷房を行う。
【0103】
この場合、図11に示されるように、バッテリ残存エネルギーB〔kWh〕は線Lbで示されるように次第に小さくなり、蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕は線Lhで示されるように一定の値を採る。ハイブリッド型車両が目的地に到達するタイミングTeまで、発電機15による発電を行うことなくハイブリッド型車両をEV走行で走行させ、圧縮機71を駆動して車室内Siの冷房を行うことができる。なお、暖房は行われないので、蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕は変化しない。
【0104】
また、前記残存電気エネルギー判断処理において、バッテリ残存エネルギーB〔kWh〕が第1の必要エネルギー加算値Eαより小さい場合、冷房時走行処理手段の閾値算出処理手段は、閾値算出処理を行い、ハイブリッド型車両を発電機15による発電を行いながら目的地まで走行させることができるかどうかを判断するための閾値eth1を算出する(ステップS6−4−3)。なお、該閾値eth1は、発電可能時間Ta〔h〕だけ発電を行うことによって得られるエネルギーである。
【0105】
ところで、発電機15によって発電を行うことが可能な時間、すなわち、発電可能時間Ta〔h〕は、燃料残量F〔L〕及びバッテリ残量SOC〔%〕によって制限される。
【0106】
そのために、前記閾値算出処理手段の情報取得処理手段は、情報取得処理を行い、平均車速av〔km/h〕及び距離当たり消費エネルギーEu〔kWh/km〕を取得する(ステップS6−4−3−1)。次に、閾値算出処理手段の発電エネルギー算出処理手段は、発電エネルギー算出処理を行い、発電機15の出力Pg〔N〕及び平均車速av〔km/h〕を取得し、距離当たり発電エネルギーGu〔kWh/km〕
Gu=Pg/av
を算出する(ステップS6−4−3−2)。
【0107】
続いて、閾値算出処理手段の発電可能時間算出処理手段は、発電可能時間算出処理を行い、エンジン18を駆動したときのガソリンの単位量当たりの発熱量(熱エネルギー)をHf〔kWh/L〕とし、発電機15の発電効率をεとし、発電機15を出力Pg〔N〕で駆動して発電を行った場合に、燃料残量F〔L〕が0(零)になるまでの、燃料残量F〔L〕による第1の発電制限時間Tf〔h〕
Tf=F・Hf・ε/Pg
を算出する(ステップS6−4−3−3)。
【0108】
続いて、前記発電可能時間算出処理手段は、発電機15を出力Pg〔N〕で駆動し、ハイブリッド型車両を平均車速av〔km/h〕で走行させて発電を行った場合に、バッテリ残存エネルギーB〔kWh〕が0になるまでの、バッテリ残量SOC〔%〕による第2の発電制限時間Tb〔h〕
Tb=(B/(Eu−Gu))/av
を算出する(ステップS6−4−3−4)。
【0109】
そして、前記発電可能時間算出処理手段は、前記第1、第2の発電制限時間Tf、Tb〔h〕のうちの短い方の発電制限時間を発電可能時間Ta〔h〕とする(ステップS6−4−3−5)。
【0110】
続いて、閾値算出処理手段の閾値決定処理手段は、閾値決定処理を行い、前記閾値eth1
eth1=Ta・av・Eu
を決定する(ステップS6−4−3−6)。
【0111】
このようにして、閾値eth1が算出されると、前記冷房時走行処理手段の走行可否判断処理手段は、走行可否判断処理を行い、ハイブリッド型車両を発電を行いながら目的地まで走行させることができるかどうかを、消費エネルギーEw〔kWh〕が閾値eth1以下であるかどうかによって判断する(ステップS6−4−4)。
【0112】
消費エネルギーEw〔kWh〕が閾値eth1以下であり、ハイブリッド型車両を発電を行いながら目的地まで走行させることができる場合、前記冷房時走行処理手段の必要発電時間算出処理手段は、必要発電時間算出処理を行い、所定のエネルギー、本実施の形態においては、バッテリ残存エネルギーB〔kWh〕及び第1の必要エネルギー加算値Eαを取得し、バッテリ残存エネルギーB〔kWh〕及び第1の必要エネルギー加算値Eαに基づいて、バッテリ残存エネルギーB〔kWh〕が不足する電力量、すなわち、不足電力量ΔE1
ΔE1=Eα−B
を算出し、不足電力量ΔE1に基づいて、冷房時走行用の必要発電時間Tg〔h〕
Tg=ΔE1/Pg
を算出する(ステップS6−4−5)。
【0113】
続いて、前記冷房時走行処理手段の発電設定処理手段は、発電設定処理を行い、ハイブリッド型車両を目的地まで走行させたタイミング(時刻)でバッテリ14を使い切る(バッテリ残量SOC〔%〕が残存最小容量X0〔%〕に、バッテリ残存エネルギーB〔kWh〕が0になる。)ように、かつ、燃料残量F〔L〕が0になるように、発電機15による発電を開始するタイミング(以下「発電開始タイミング」という。)ts、及び発電を終了するタイミング(以下「発電終了タイミング」という。)teを設定することによって、発電開始タイミングtsから発電終了タイミングteまでの発電実行時間を設定する(ステップS6−4−6)。
【0114】
そのために、前記発電設定処理手段の発電設定情報取得処理手段は、発電設定情報取得処理を行い、前記必要発電時間Tg〔h〕及び走行時間T1〔h〕を発電設定情報として取得する(ステップS6−4−6−1)。そして、前記発電設定処理手段の第1の発電開始・終了時刻設定処理手段は、第1の発電開始・終了時刻設定処理を行い、発電終了タイミングteに値T1(走行時間T1〔h〕)をセット(設定)し、発電開始タイミングtsに値(te−Tg)(発電終了タイミングteから必要発電時間Tg〔h〕を減算した値)をセットすることによって、発電開始タイミングtsを算出する(ステップS6−4−6−2)。
【0115】
続いて、前記発電設定処理手段の設定モード判断処理手段は、設定モード判断処理を行い、運転者が、操作部45(図1)を操作して、又は音声入力部44aに対して音声入力を行うことによって、発電開始タイミングts及び発電終了タイミングteを手動で設定するモード、すなわち、手動設定モードを選択したかどうかを判断する(ステップS6−4−6−3)。
【0116】
運転者が手動設定モードを選択した場合、前記発電設定処理手段の入力案内処理手段は、入力案内処理を行い、表示部43において、運転者に、発電開始タイミングtsとは別の手動設定モード用の発電開始タイミングts* を入力するように案内する(ステップS6−4−6−4)。
【0117】
そして、運転者が、操作部45を操作して、又は音声入力部44aに対して音声入力を行うことによって、発電開始タイミングts* を入力すると、前記発電設定処理手段の第2の発電開始・終了時刻設定処理手段は、第2の発電開始・終了時刻設定処理を行い、発電開始タイミングts* に値ts* (発電開始タイミングts* )をセット(設定)し、別の手動設定モード用の発電終了タイミングte* に値(ts* +Tg)(発電開始タイミングts* と必要発電時間Tg〔h〕とを加算した値)をセットすることによって発電終了タイミングte* を算出する(ステップS6−4−6−5)。
【0118】
続いて、前記発電設定処理手段の発電開始・終了時刻決定処理手段は、発電開始・終了時刻決定処理を行い、前記第2の発電開始・終了時刻設定処理において設定された発電開始タイミングts* と発電開始タイミングtsとを比較することによって、発電開始タイミングts* が発電開始タイミングtsより前であるかどうか(ts* <ts)を判断し(ステップS6−4−6−6)、発電開始タイミングts* が発電開始タイミングtsより前である場合、発電開始タイミングts* を発電開始タイミングtsとして決定し、前記第2の発電開始・終了時刻設定処理において設定された発電終了タイミングte* を発電終了タイミングteとして決定する(ステップS6−4−6−7)。
【0119】
前記設定モード判断処理において、運転者が手動設定モードを選択しない場合、及び前記発電開始・終了時刻決定処理において、発電開始タイミングts* が発電開始タイミングtsより前でない(以降である。)場合、前記発電開始・終了時刻決定処理手段は、前記第1の発電開始・終了時刻設定処理において設定された発電開始タイミングtsを発電開始タイミングtsとして決定し、第1の発電開始・終了時刻設定処理において設定された発電終了タイミングteを発電終了タイミングteとして決定する(ステップS6−4−6−8)。
【0120】
このように、本実施の形態においては、発電開始タイミングts及び発電終了タイミングteを手動で設定することができるようになっていて、手動で設定された発電開始タイミングts* が発電開始タイミングtsより前である場合に、発電開始タイミングts* が発電開始タイミングtsとして決定されるので、発電機15による発電を早く開始し、早く終了することができる。
【0121】
このようにして、発電設定処理が行われると、前記冷房時走行処理手段の発電処理手段は、発電処理を行う(ステップS6−4−7)。
【0122】
そのために、前記発電処理手段は、現在の時刻が発電開始タイミングtsから発電終了タイミングteまでの発電実行時間内であるかどうかを判断し、現在の時刻が発電実行時間内である場合、発電機15による発電を行う。すなわち、前記発電処理手段は、発電開始タイミングtsになると発電機15による発電を開始し、発電終了タイミングteになると発電機15による発電を終了する。
【0123】
この場合、図12に示されるように、バッテリ残存エネルギーB〔kWh〕は線Lbで示されるように次第に小さくなり、蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕は線Lhで示されるように一定の値を採る。発電開始タイミングtsからハイブリッド型車両が目的地に到達するタイミングTe(発電終了タイミングte)まで、発電機15による発電を行いながら、ハイブリッド型車両をEV走行で走行させ、圧縮機71を駆動して車室内Siの冷房を行うことができる。なお、発電機15による発電が行われている間は、線Lbの傾きが小さくなる。そして、暖房は行われないので、蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕は変化しない。
【0124】
また、前記走行可否判断処理において、消費エネルギーEw〔kWh〕が閾値eth1より大きい場合、前記冷房時走行処理手段の走行方法案内処理手段は、走行方法案内処理を行い、表示部43において、運転者に、発電機15による発電を行っても、ハイブリッド型車両を目的地まで走行させることができない旨を通知し、ハイブリッド型車両を目的地まで確実に走行することができるように走行方法を案内する(ステップS6−4−8)。
【0125】
その場合、例えば、前記走行方法案内処理手段は、走行負荷を小さくし、距離当たり消費エネルギーEu〔kWh/km〕を小さくするために、車速v〔km/h〕を低くして走行することができる道路、回生効率が高い道路、ハイブリッド型車両が受ける走行抵抗R〔N〕が小さい道路等を走行するように案内する。また、前記走行方法案内処理手段は、エコ走行を行うことができるように、道路上の車両の流れを妨げない範囲で車速v〔km/h〕を低くしたり、急加速、急減速等を抑制したり、空調システムの設定温度を低くしたりするように案内する。さらに、前記走行方法案内処理手段は、ナビゲーション装置27によって充電スタンドを検索し、表示部43に表示して運転者に対して充電を促す。
【0126】
また、CPU31の図示されない意思確認処理手段としての充電可否判断処理手段は、意思確認処理としての充電可否判断処理を行い、現在位置で充電が可能(ハイブリッド型車両が停止させられているか、又はハイブリッド型車両の走行が開始されていない。)であり、かつ、運転者にバッテリ14を充電する意思があるかどうかを判断する。そのために、前記充電可否判断処理手段は、表示部43において、運転者に、バッテリ14を充電する意思があるかどうかを問い合わせる。この場合、前記充電可否判断処理手段は、表示部43への表示のほかに、音声出力部44bにおいてバッテリ14を充電する意思があるかどうかを問い合わせることができる。
【0127】
現在位置で充電が可能であり、運転者にバッテリ14を充電する意思がある場合、CPU31の図示されない充電案内処理手段は、充電案内処理を行い、ハイブリッド型車両を目的地まで走行させるのに必要なバッテリ残量SOC〔%〕を算出するとともに、充電装置の能力(急速充電か、又は通常充電か)に基づいて、必要な最低バッテリ残量SOCmin〔%〕及び満受電までの充電時間Tch〔h〕を算出し、表示部43に表示する。
【0128】
次に、前記第1の暖房時走行処理について説明する。
【0129】
図13は本発明の実施の形態における第1の暖房時走行処理のサブルーチンを示す図、図14は本発明の実施の形態における熱操作処理のサブルーチンを示す図、図15は本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両のバッテリ残存エネルギー及び蓄熱残存エネルギーの推移を示す第4のタイムチャート、図16は本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両のバッテリ残存エネルギー及び蓄熱残存エネルギーの推移を示す第5のタイムチャートである。
【0130】
ところで、蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕が消費熱量Gw〔kWh〕より小さい場合、蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕が不足する熱量だけ発電機15を駆動して廃熱を発生させる必要がある。
【0131】
そこで、第1の暖房時走行処理手段の不足熱量提供電力量算出処理手段は、不足熱量提供電力量算出処理を行い、蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕が不足する熱量を電力量に変換することによって、発電機15を駆動するのに必要な電力量、すなわち、不足熱量提供電力量Em〔kWh〕を算出する(ステップS6−10−1)。
【0132】
そのために、不足熱量提供電力量算出処理手段は、消費熱量Gw〔kWh〕と蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕との差分、すなわち、蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕が不足する熱量、すなわち、不足熱量ΔH〔kWh〕
ΔH=Gw−H
を算出し、不足熱量ΔH〔kWh〕に基づいて、前記不足熱量提供電力量Em〔kWh〕
Em=ΔH/COP
を算出する。
【0133】
続いて、第1の暖房時走行処理手段の残存熱エネルギー判断処理手段は、残存熱エネルギー判断処理を行い、ハイブリッド型車両を、暖房を行いながら、かつ、発電機15を駆動することによって廃熱を発生させながら目的地まで走行させることができるかどうかを、バッテリ残存エネルギーB〔kWh〕が、ハイブリッド型車両を目的地まで走行させるのに必要な消費エネルギーEw〔kWh〕と、不足熱量ΔH〔kWh〕だけ発電機15を駆動するのに必要な不足熱量提供電力量Em〔kWh〕とを加算した値、すなわち、第2の必要エネルギー加算値Eβ以上であるかどうかによって判断する(ステップS6−10−2)。
【0134】
バッテリ残存エネルギーB〔kWh〕が第2の必要エネルギー加算値Eβ以上である場合、第1の暖房時走行処理手段のEV走行処理手段は、EV走行処理を行い、発電機15を駆動することなく、駆動モータ11を駆動してハイブリッド型車両を走行させる(ステップS6−10−3)。
【0135】
続いて、前記第1の暖房時走行処理手段の暖房判断処理手段は、暖房判断処理を行い、運転者が操作部45を操作することによって、空調システムにおいて暖房を行う指示がされたかどうか、すなわち、熱消費要求があるかどうかを判断する(ステップS6−10−4)。暖房を行う指示がされ、熱消費要求がある場合、前記第1の暖房時走行処理手段の残存エネルギー判断処理手段は、残存エネルギー判断処理を行い、蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕が0〔kWh〕より大きいかどうかを判断し(ステップS6−10−5)、蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕が0〔kWh〕より大きい場合、前記第1の暖房時走行処理手段の放熱処理手段は、放熱処理を行う(ステップS6−10−6)。
【0136】
そのために、放熱処理手段は、開閉弁v3、v4を閉じ、開閉弁v1、v2を開き、熱媒体を第1の連結管91、供給管87及び排出管88によって形成される循環路において循環させるとともに、ファン84を作動させる。これに伴って、蓄熱容器82に蓄えられた熱が放熱器83に送られ、放熱器83において放出され、車室内Siの空気が加熱され、暖房が行われる。
【0137】
また、蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕が0〔kWh〕である場合、前記第1の暖房時走行処理手段の空調処理手段は、空調処理を行い、空調ユニット61を暖房モードで運転し、車室内Siの空気を加熱し、暖房を行う(ステップS6−10−7)。
【0138】
この場合、図15に示されるように、バッテリ残存エネルギーB〔kWh〕は線Lbで示されるように、蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕は線Lhで示されるように次第に小さくなる。発電開始タイミングtsからハイブリッド型車両が目的地に到達するタイミングTeまで、発電機15による発電を行いながら、ハイブリッド型車両をEV走行で走行させ、車室内Siの暖房を行うことができる。なお、蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕がタイミングtdで0〔kWh〕になると、圧縮機71が駆動され、空調ユニット61が暖房モードで運転されるので、線Lbの傾きは小さくなる。
【0139】
このように、バッテリ残存エネルギーB〔kWh〕が第2の必要エネルギー加算値Eβ以上である場合、蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕が0〔kWh〕になるまで、蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕が優先的に使用され、暖房が行われる。
【0140】
そして、前記残存熱エネルギー判断処理において、バッテリ残存エネルギーB〔kWh〕が第2の必要エネルギー加算値Eβより小さい場合、前記第1の暖房時走行処理手段の必要発電時間算出処理手段は、必要発電時間算出処理を行い、ハイブリッド型車両を不足熱量ΔH〔kWh〕だけ発電機15を駆動しながら目的地まで走行させるために必要な発電時間、すなわち、第1の暖房時走行用の必要発電時間Th〔h〕を算出する(ステップS6−10−8)。
【0141】
そのために、必要発電時間算出処理手段は、所定のエネルギー、本実施の形態においては、バッテリ残存エネルギーB〔kWh〕、蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕、消費エネルギーEw〔kWh〕及び消費熱量Gw〔kWh〕を取得し、バッテリ残存エネルギーB〔kWh〕、蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕、消費エネルギーEw〔kWh〕及び消費熱量Gw〔kWh〕に基づいて必要発電時間Th〔h〕
Th=((Ew−B)・COP+Gw−H)/P・(COP+η)
を算出する。なお、ηは廃熱利用係数であり、該廃熱利用係数ηは、発電機15の発電効率をεとし、熱交換器81における熱利用率をκとしたとき、
η=(1−ε)・κ/ε
である。この場合、必要発電時間Th〔h〕は、発電機15を駆動することによって得られる廃熱を蓄熱容器82に蓄えられた熱より優先して暖房用として使用し、かつ、バッテリ14を使い切るように算出される。
【0142】
次に、前記第1の暖房時走行処理手段の必要発電時間判断処理手段は、必要発電時間判断処理を行い、必要発電時間Th〔h〕及び走行時間T1〔h〕を取得し、ハイブリッド型車両を発電を行いながら目的地まで走行させることができるかどうかを、必要発電時間Th〔h〕が走行時間T1〔h〕以下であるかどうかによって判断する(ステップS6−10−9)。
【0143】
必要発電時間Th〔h〕が走行時間T1〔h〕以下であり、ハイブリッド型車両を発電を行いながら目的地まで走行させることができる場合、前記第1の暖房時走行処理手段の発電設定処理手段は、必要発電時間Th〔h〕に基づいて、前記冷房時走行処理手段の発電設定処理手段と同様の発電設定処理を行い(ステップS6−10−10)、前記第1の暖房時走行処理手段の発電処理手段は、前記冷房時走行処理手段の発電処理手段と同様の発電処理を行う(ステップS6−10−11)。
【0144】
続いて、前記第1の暖房時走行処理手段の熱操作処理手段は、熱操作処理を行う(ステップS6−10−12)。
【0145】
そのために、前記熱操作処理手段の暖房判断処理手段は、暖房判断処理を行い、運転者が操作部45を操作することによって、空調システムにおいて暖房を行う指示がされたかどうか、すなわち、熱消費要求があるかどうかを判断する(ステップS6−10−12−1)。
【0146】
暖房を行う指示がされ、熱消費要求がある場合、前記熱操作処理手段の発電判断処理手段は、発電判断処理を行い、発電機15によって発電が行われているかどうか、すなわち、発電中であるかどうかを判断する(ステップS6−10−12−2)。発電中である場合、前記熱操作処理手段の廃熱熱量判断処理手段は、廃熱熱量判断処理を行い、必要発電時間Th〔h〕だけ発電機15を駆動したときに発生させられる廃熱の熱量、すなわち、廃熱熱量Eh〔kWh〕
Eh=Pg・Th・η
を算出し、廃熱熱量Eh〔kWh〕が消費熱量Gw〔kWh〕以上であるかどうかを判断する(ステップS6−10−12−3)。
【0147】
廃熱熱量Eh〔kWh〕が消費熱量Gw〔kWh〕以上である場合、前記熱操作処理手段の第1の廃熱利用処理手段としての廃熱直接利用・蓄熱処理手段は、第1の廃熱利用処理としての廃熱直接利用・蓄熱処理を行い、廃熱を放熱器83に送り、廃熱を利用して暖房を行うとともに、余った廃熱を蓄熱容器82に送り、蓄える(ステップS6−10−12−4)。
【0148】
そのために、廃熱直接利用・蓄熱処理手段は、開閉弁v4を閉じ、開閉弁v1〜v3を開き、熱媒体を第2の連結管92、供給管87及び排出管88によって形成される循環路、及び第1の連結管91、供給管87、排出管88及び第2の連結管92によって形成される循環路において循環させ、ファン84を作動させる。これに伴って、発電機15によって発生させられた廃熱が放熱器83に送られ、放熱器83において放出され、車室内Siの空気が加熱され、暖房が行われるとともに、蓄熱容器82に送られ、蓄熱される。
【0149】
また、廃熱熱量Eh〔kWh〕が消費熱量Gw〔kWh〕より小さい場合、前記熱操作処理手段の第2の廃熱利用処理手段としての廃熱直接利用・放熱処理手段は、第2の廃熱利用処理としての廃熱直接利用・放熱処理を行い、廃熱及び蓄熱容器82に蓄えられた熱を放熱器83に送り、廃熱及び蓄熱を利用して暖房を行う(ステップS6−10−12−5)。すなわち、廃熱が不足する分だけ蓄熱容器82の熱が放出される。
【0150】
そのために、廃熱直接利用・放熱処理手段は、開閉弁v4を閉じ、開閉弁v1〜v3を開き、熱媒体を第2の連結管92、供給管87及び排出管88によって形成される循環路、及び第1の連結管91、供給管87、排出管88及び第2の連結管92によって形成される循環路において循環させ、ファン84を作動させる。これに伴って、発電機15によって発生させられた廃熱が放熱器83に送られ、放熱器83において放出され、車室内Siの空気が加熱され、暖房が行われるとともに、不足する分の熱が蓄熱容器82から放熱器83に送られる。
【0151】
また、前記発電判断処理において、発電中でない場合、前記熱操作処理手段の放熱処理手段は、放熱処理を行う(ステップS6−10−12−6)。
【0152】
そのために、放熱処理手段は、開閉弁v3、v4を閉じ、開閉弁v1、v2を開き、熱媒体を第1の連結管91、供給管87及び排出管88によって形成される循環路において循環させるとともに、ファン84を作動させる。これに伴って、蓄熱容器82に蓄えられた熱が放熱器83に送られ、放熱器83において放出され、車室内Siの空気が加熱され、暖房が行われる。
【0153】
この場合、図16に示されるように、バッテリ残存エネルギーB〔kWh〕は線Lbで示されるように小さくなり、蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕は線Lhに示されるように次第に小さくなり、発電開始タイミングteで、線Lh1〜Lh3で示されるように変化する。すなわち、発電開始タイミングtsで発電機15が駆動されると、発電機15によって発生させられた廃熱を利用することができるようになり、廃熱の熱量が暖房で消費される熱量より大きい場合、余剰の熱が蓄熱容器82に蓄えられるので、蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕は線Lh1で示されるように次第に大きくなり、廃熱の熱量と暖房で消費される熱量とが等しい場合、廃熱が暖房で消費されるので、蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕は線Lh2で示されるように一定の値を採り、廃熱の熱量が暖房で消費される熱量より小さい場合、不足する熱が蓄熱容器82から供給されるので、蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕は線Lh3で示されるように次第に小さくなる。このようにして、発電開始タイミングtsからハイブリッド型車両が目的地に到達するタイミングTe(発電終了タイミングte)まで、発電機15による発電を行いながらハイブリッド型車両をEV走行で走行させ、車室内Siの暖房を行うことができる。なお、発電開始タイミングtsで発電機15が駆動されると、線Lbの傾きは小さくなる。
【0154】
前記必要発電時間判断処理において、必要発電時間Th〔h〕が走行時間T1〔h〕より長い場合、前記第1の暖房時走行処理手段の走行方法案内処理手段は、前記冷房時走行処理手段の走行方法案内処理手段と同様の走行方法案内処理を行う(ステップS6−10−13)。
【0155】
次に、前記第2の暖房時走行処理について説明する。
【0156】
図17は本発明の実施の形態における第2の暖房時走行処理のサブルーチンを示す図、図18は本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両のバッテリ残存エネルギー及び蓄熱残存エネルギーの推移を示す第6のタイムチャートである。
【0157】
まず、第2の暖房時走行処理手段の走行可否判断処理手段は、走行可否判断処理を行い、消費エネルギーEw〔kWh〕を取得し、ハイブリッド型車両を発電を行いながら目的地まで走行させることができるかどうかを、消費エネルギーEw〔kWh〕が閾値eth1以下であるかどうかによって判断する(ステップS6−11−1)。
【0158】
消費エネルギーEw〔kWh〕が閾値eth1以下であり、ハイブリッド型車両を発電を行いながら目的地まで走行させることができる場合、前記第2の暖房時走行処理手段の必要発電時間算出処理手段は、必要発電時間算出処理を行い、所定のエネルギー、本実施の形態においては、バッテリ残存エネルギーB〔kWh〕及び消費エネルギーEw〔kWh〕を取得し、バッテリ残存エネルギーB〔kWh〕及び消費エネルギーEw〔kWh〕に基づいて、バッテリ残存エネルギーB〔kWh〕が不足する電力量、すなわち、不足電力量ΔE2
ΔE2=Ew−B
を算出し、不足電力量ΔE2に基づいて、第2の暖房時走行用の必要発電時間Ti〔h〕
Ti=ΔE2/Pg
を算出する(ステップS6−11−2)。
【0159】
次に、前記第2の暖房時走行処理手段の発電設定処理手段は、必要発電時間Ti〔h〕に基づいて前記冷房時走行処理手段の発電設定処理手段と同様の発電設定処理を行い(ステップS6−11−3)、前記第2の暖房時走行処理手段の発電処理手段は、前記冷房時走行処理手段の発電処理手段と同様の発電処理を行う(ステップS6−11−4)。
【0160】
続いて、前記第2の暖房時走行処理手段の熱操作処理手段は、前記第1の暖房時走行処理手段の熱操作処理手段と同様の熱操作処理を行う(ステップS6−11−5)。
【0161】
また、前記走行可否判断処理において、消費エネルギーEw〔kWh〕が閾値eth1より大きい場合、前記第2の暖房時走行処理手段の走行方法案内処理手段は、前記冷房時走行処理手段の走行方法案内処理手段と同様な走行方法案内処理を行う(ステップS6−11−6)。
【0162】
この場合、図18に示されるように、バッテリ残存エネルギーB〔kWh〕は線Lbで示されるように小さくなり、蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕は線Lhに示されるように次第に小さくなり、発電開始タイミングteで、線Lh1〜Lh3で示されるように変化する。すなわち、第1の暖房時走行処理と同様に、発電開始タイミングtsで発電機15が駆動されると、発電機15によって発生させられた廃熱を利用することができるようになり、廃熱の熱量が暖房で消費される熱量より大きい場合、蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕は線Lh1で示されるように次第に大きくなり、廃熱の熱量と暖房で消費される熱量とが等しい場合、蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕は線Lh2で示されるように一定の値を採り、廃熱の熱量が暖房で消費される熱量より小さい場合、蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕は線Lh3で示されるように次第に小さくなる。このようにして、発電開始タイミングtsからハイブリッド型車両が目的地に到達するタイミングTe(発電終了タイミングte)まで、発電機15による発電を行いながら、ハイブリッド型車両をEV走行で走行させ、車室内Siの暖房を行うことができる。なお、ハイブリッド型車両の走行を開始したときの蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕は第1の暖房時走行処理が行われる場合より大きいので、大きい値で推移する。また、発電開始タイミングtsで発電機15が駆動されると、線Lbの傾きは小さくなる。
【0163】
このように、本実施の形態においては、消費エネルギーEw〔kWh〕、消費熱量Gw〔kWh〕、バッテリ残存エネルギーB〔kWh〕及び蓄熱残存エネルギーH〔kWh〕のうちの所定のエネルギーに基づいて必要発電時間Tg、Th、Ti〔h〕が算出されるので、必要発電時間Tg、Th、Ti〔h〕だけ発電機15を駆動して電動駆動車両を走行させることができる。
【0164】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0165】
11 駆動モータ
14 バッテリ
15 発電機
18 エンジン
31 CPU
61 空調ユニット
62 暖房ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電装置と、
発電装置と、
該発電装置を駆動するエンジンと、
前記蓄電装置及び発電装置と接続され、蓄電装置及び発電装置から供給される電力によって駆動される駆動モータと、
圧縮機、凝縮器及び蒸発器を備えた冷凍機械から成る空調ユニットと、
蓄熱装置及び放熱器を備えた循環路から成る暖房ユニットと、
電動駆動車両を目的地まで走行させるのに必要な消費エネルギーを算出する消費エネルギー算出処理手段と、
電動駆動車両を目的地まで走行させる間に消費される消費熱量を算出する消費熱量算出処理手段と、
前記蓄電装置に残存している蓄電残存エネルギー及び前記蓄熱装置に残存している蓄熱残存エネルギーを算出する残存エネルギー算出処理手段と、
蓄熱残存エネルギーが消費熱量以上であるかどうかを判断する残存熱エネルギー判断処理手段と、
前記消費エネルギー、消費熱量、蓄電残存エネルギー及び蓄熱残存エネルギーのうちの所定のエネルギーに基づいて、発電装置を駆動するための必要発電時間を算出する必要発電時間算出処理手段と、
算出された必要発電時間に基づいて発電装置を駆動する発電処理手段とを有することを特徴とする電動駆動車両。
【請求項2】
前記発電処理手段は、一定の出力で発電装置を駆動する請求項1に記載の電動駆動車両。
【請求項3】
前記必要発電時間算出処理手段は、蓄熱残存エネルギーが消費熱量より小さい場合に、蓄熱残存エネルギーが不足する熱量に基づいて必要発電時間を算出する請求項1又は2に記載の電動駆動車両。
【請求項4】
前記発電装置を駆動することによって発生させられた廃熱を放熱器で利用する廃熱利用処理手段を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の電動駆動車両。
【請求項5】
蓄熱残存エネルギーが消費熱量以上である場合に、蓄電残存エネルギーが消費エネルギー以上であるかどうかを判断する残存電気エネルギー判断処理手段を有するとともに、
前記必要発電時間算出処理手段は、蓄電残存エネルギーが消費エネルギーより小さい場合に、蓄電残存エネルギーが不足する電力量に基づいて必要発電時間を算出する請求項1〜4のいずれか1項に記載の電動駆動車両。
【請求項6】
冷房を行う指示がされた場合に、蓄電残存エネルギーが、消費エネルギーと冷房を行うのに必要な必要電力量とを加算した加算値以上であるかどうかを判断する残存電気エネルギー判断処理手段を有するとともに、
前記必要発電時間算出処理手段は、蓄電残存エネルギーが加算値より小さい場合に、蓄電残存エネルギーが不足する電力量に基づいて必要発電時間を算出する請求項1〜5のいずれか1項に記載の電動駆動車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−75615(P2013−75615A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216993(P2011−216993)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(591261509)株式会社エクォス・リサーチ (1,360)
【Fターム(参考)】