説明

電子アセンブリ製造の方法および装置ならびにその電子アセンブリ

少なくとも1つの電子部品と1つの担体とを有する電子モジュールを生産する方法は、構造体が担体上に提供されることであって、電子部品が構造体に対して所望の標的位置を占めるように電子部品をその上に整列させることに好適である、ことと、液体メニスカスを形成するように構造体が材料で被覆されることであって、液体メニスカスは電子部品を少なくとも部分的に受容することに好適である、ことと、複数の電子部品のストックが送達点で提供されることと、担体が構造体とともに送達点に対向した少なくとも近傍に移動させられることと、自由移動段階の後に電子部品が少なくとも部分的に材料に接触するように担体上の構造体が送達点の近くを通過中に送達点が接触を伴わずに電子部品のうちの1つを送達することと、電子部品が自身を液体メニスカス上の構造体に整列させて、標的位置を占める間に、担体が構造体とともに下流の処理点に移動させられることを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
本明細書において電子モジュールを生産する方法が提示され、その方法において、電子部品が担体基板上に堆積される。担体基板は可撓性であり得る。電子モジュールを生産するデバイスもまた提示される。最後に、電子モジュールが記載され、この電子モジュールは、例えば、可撓性の箔基板でできており、電子部品を有する担体基板を有し、それの周囲において、担体基板上の、または担体基板からの折畳み領域が折り畳まれて、その上に配設される。
【背景技術】
【0002】
(従来技術)
現在、電子モジュールを生産するには、2つ以上の(最高で数百の)接続部、抵抗、キャパシタ、電力半導体(トランジスタ、サイリスタ、TRIAC)、発光素子(LED)等を有する半導体チップ等の、能動および受動要素等のより小さい電子部品を把持および堆積ロボットの機械的作業によって掴み、複数の寸法(縦方向、横方向、角度位置等)で好適な配線担体上に正確に設置する。部品の自己整列効果は、通常は無関係である。これに反して、これまで一般的であった、部品を可能な限り正確にそれらのアセンブリおよび接触位置に堆積させる方法では、自己整列効果が妨げになっており、したがって、可能な限り回避している。電子部品は、しばしば、例えばACA(異方伝導性接着剤)またはACF(異方伝導性箔/膜)と共同して、フリップチップ方法によって接触させられ、圧力および熱が供給される。しかしながら、一方では、所要のインデクサによって、他方では、個別部品の配置によって、生産速度が制限される。また、破壊の危険性のために、非常に薄い部品は、問題点または高い不良率だけを伴ってこのように処理される可能性がある。また、把持および蒸着ロボットで非常に薄い部品を扱うことは困難である。
【0003】
事前に配線担体上に堆積された好適な流体上における自己整列効果によって個々の部品を配線担体上に配置する可能性が、以前に(2008年4月8−9日におけるBarcelonaでのSmart System Integration 2008についてのカンファランスにおいて、K.−F.Becker、J.Bauer、G.Mollath、G.Schreck、I.Kolesnik、E.Jung、H.Reichl、J.Lienemann、D.Kauzlaric、およびJ.Korvinkによる「Contactless Device Handling−New Assembly Approaches for the Micro−Nano−Integration」の発表の中で)論じられた。
【0004】
特許文献1は、RFID半導体部品を生産するための方法を説明しており、RFIDチップは、従来のフリップチップ方法によって、担体材料の金属送受信装置構造上に機械的に載置される。次いで、担体材料を折り畳む。RFID半導体部品を生産するための類似の方法は、Mitsuo Usamiによる非特許文献1において説明され、その中で、RFIDチップは、両面に電気接続部が提供され、両面が覆われている。一方で、RFIDチップは、短絡用のACF(異方伝導性箔/膜)と呼ばれる、第1の異方導電性膜の薄い空中線に接続されて、覆われ、該異方導電性膜は、RFID半導体部品の担体基板を形成する。一方で、RFIDチップは、第2のさらに薄い金属箔に接続されて、覆われ、このさらに薄い金属箔は、ACFの下面に固定されるように折り畳まれる。したがって、RFIDチップは、薄い空中線によって両面が覆われる。RFID半導体部品を生産するために、異方導電性膜および付加的な金属箔の両方が必要とされるので、RFID半導体部品は、明らかに構築に費用がかかる。
【0005】
DE602004007861T2は、トランスポンダ用の接触可能な導体ループを生産するための方法を説明しており、以下のステップを有する。複数の巻線を有する伝導体ループを、延性基板の一方に形成する。最初に、伝導体ループは、内端部および外端部を有し、内端部は、伝導体ループ内にあり、外端部は、その外面にある。伝導体ループに対して外向きに方向付けられる所定の部品によって、外端部から始まる伝導体ループを延長する。折り畳んだ後に、延長した外端部が、伝導体ループの内面によって確定される基板の領域より上面にあるような態様で、延長した外端部と外端部との間で基板を折り畳む。
【0006】
特許文献2は、通信媒体を生産するための方法を説明しており、基層を第1のローラから巻出し、ICチップを基層の領域上の複数の伝送および受信空中線のそれぞれに接合し、次いで、基層を第2のローラに巻回する。基層の巻出と巻回との間で以下のステップを実行する。ICチップを基層上の各空中線に接合し、それぞれが1つの空中線および1つのICチップを有する複数の配設を形成する。各配設の通信電力の試験を個々に行い、それらの品質に従って配設を分類する。基層上の隣接する配設の間の中間空間の中に長方形の切断領域を形成する。それに応じて、切断領域を1つの配設の上に折り畳むことによって、隣接する配設のうちの1つを切断領域で覆う。さらなる技術的背景は、特許文献3、特許文献4、特許文献5から取り込むことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−115916号公報
【特許文献2】独国特許602004007861号明細書
【特許文献3】独国特許10151657号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第102006001885号明細書
【特許文献5】欧州特許第1143378号明細書
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】「An Ultra−Small RFID Chip:μ−chip」、2004 IEEE Asia−Pacific Conference on Advanced Systems Integrated Circuits(AP−ASIC2004/Aug.4−5、2004)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
目的は、電子モジュールを生産する従来方法と比較して改善され、かつ(i)大量生産で使用することができ、(ii)より高いアセンブリスループットを可能にし、(iii)後続の、電気環境に対する部品の複数の電子の容易な電気接触を可能にするために、部品の極めて正確な配置に対するストレスの少ない送給を提供する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するために、本明細書では請求項1の特徴を有する方法を提案する。この方法は、少なくとも1つの電子部品と1つの担体とを有する電子モジュールを生産することを可能にする。部品が構造体に対して所望の標的位置を占めることができるように、部品を整列させることに好適な構造体が担体上に提供される。この構造体は、液体メニスカスを形成する材料で被覆される。液体メニスカスは、部品を少なくとも部分的に受容することに好適である。複数の部品のストックが部品の送達点に提供される。担体は、構造体とともに、送達点に対向した少なくとも近傍に移動させられる。自由移動段階の後に部品が材料に少なくとも部分的に接触するように、担体上の構造体が送達点の近くにある間に、またはそこを通過している間に、送達点が、接触を伴わずに部品のうちの1つを送達する。自由移動段階中、電子部品は、いかなる機械的デバイスによっても機械的に保持または誘導されない。部品(毛細管力、濡れ張力、および表面張力からの相互作用効果によって駆動される)が、自身を液体メニスカス上において構造体に整列させて、その標的位置を占める間に、担体が、構造体とともに、下流の処理点に移動させられる。
【0011】
この方法によって、前述の種類の半導体部品の大量生産は、以前に業界で普通であった方法による場合よりもかなり安価で、高速で、信頼性があり、また、部品に対してより少ない応力を伴う。これは特に、箔基板上に(例えば、RFIDのためのトランスポンダのインターポーザまたはインレイ上に)電気接点(例えば、RFID、LED等)をほとんど有しないチップ部品の組立および筐体のクラッディングに高速かつ高信頼性で適用する。これらの利点は、特に、従来の手順との概念的な差異により、非常に小さいおよび/または非常に薄いチップ要素のアセンブリの場合に明らかになり、つまり、アセンブリプロセスにおいてチップ部品のいかなる直接的な接触もないこと、および界面張力効果を利用した、単におよそ送給されるチップ要素の自己整列である。
【0012】
チップ要素は、それらが送達されるときに、それらの標的位置に対して低い精度でしか送達点に設置されないが、後続の自己整列は、正確な位置決めを生じさせる。したがって、続いて、非常に効率的で信頼性のある電気接触が可能である。加えて、後続の基板自体への基板の一部の折り畳みに起因して、機械的応力および湿度に対する配設全体の高い抵抗性を達成することができる。
【0013】
自己整列は、チップ部品の位置を検出するために高価な画像認識システムを有する従来技術に必要であり、また、複数の座標および/または角度位置で、該システムによって制御される非常に正確な能動的位置決めを行うサーボループを伴わずに行われる。チップ要素の非接触送達のため、チップは、機械的に加えられる応力がより少ない。したがって、プロセスは、連続的に実行することができ、従来の技術のように、把持および堆積ロボットのリズムで実行する必要はない。例えば、担体テープ上での担体の連続的な輸送は、有利で好ましいが、決して義務的なものではない。代わりに、例えば上流または下流の処理点は、非連続的または計時的手法で機能するので、前述のように、非連続的または計時的手法、すなわち段階的に担体を送給および除去することも可能である。加えて、概念的には従来の技術と完全に異なるこの手順は、従来の技術よりもかなり少ないコストで運用される。これは、生産、調整、および調整のコストを大幅に低減する。
【0014】
1つの部品面にほとんど電気接点を有しない(例えば、RFID)、および頂部および下面に接点を有する(例えば、LED)、小型の能動または受動電子部品が非常に迅速に載置されることができる。方法はまた、担体を有するテープを停止する必要がない、完全に連続的なローラツーローラプロセスも可能にする。方法はまた、構造化された可撓性基板上に電子要素(例えば、RFIDチップ)を組み立てるための、現在産業界で使用されているプロセスと比較して、明らかなスループットの増大を可能にする。方法はまた、構造化された箔基板上への他の要素の低コストパッケージングを可能にし、かつ異なるチップの種類に容易に適合することができる。
【0015】
構造体が提供される担体基板、すなわち担体は、ポリマー膜(例えば、PET、PEN、PI)で、または代替的に、適用された伝導性構造化被覆(例えば、銅メタライゼーション、アルミニウムメタライゼーション、印刷銀伝導性インク等)を有する可撓性基板材料(例えば、紙、化合物材料)でできていることができる。チップの送達および液体メニスカスの中でのそれらの自己整列はまた、例えばプリント回路基板といった剛体担体にも適用することができる。
【0016】
構造体は、材料を担体の表面に適用することによって、または担体の表面から材料を除去することによって、担体の上に形成することができる。構造体の形状は、電子部品の輪郭に適合することができる。構造体を介して、電子部品の標的位置は、1つ以上の寸法(X、Xおよび/またはZ方向)に固定することができ、および/またはその配向は、1つ以上の方向(角度位置)に固定することができる。
【0017】
構造体はまた、いずれの場合にも液体メニスカスを形成するために、各々が領域を区切る複数の副構造体を有する、担体上の構造体の形態であることもできる。
【0018】
構造化のため、基板の表面は、それが材料によって選択的に湿潤させることができるように形成される。メニスカスを形成するために、この構造体の中に入れられる材料は、液体、接着剤、またはさらに融解されなければならない半田であることができる。この液体状態で、材料/半田は、メニスカスを形成する。構造体の形状は、チップの基部領域に類似、または適合し、構造体に対するチップの自己整列を可能にする。
【0019】
構造体によって画定され、選択的に湿潤させることができる担体表面は、材料(例えば、接着剤、アクリレート接着剤、エポキシ接着剤、水、フラックス、有機溶媒、またはそれらの混合物)に応じて選択することができる。構造化手法で湿潤させることができる表面を生産するには、例えば、これに限定されないが、構造化メタライゼーション(例えば、半田を有するプロセスの場合);プラズマ処理(例えば、アクリレート接着剤または水を有するプロセスの場合);スタンピング、パンチング、または相加法による表面トポグラフィの生産;シリコーン、樹脂、またはワックス(例えば、アクリレート接着剤、接着剤、水、フラックス、有機溶媒、およびそれらの混合物を有するプロセスの場合)の添加物適用;およびいくつかのこのような方法の組み合わせが可能である。
【0020】
構造化担体基板上の電子要素の自己整列の場合、局所的に構造化した担体基板、流体、および要素のシステムの自由界面エネルギーを最小化する効果を使用する。
【0021】
処理できる部品は、好ましくは可撓性担体基板上に堆積させることができる、半導体部品のための電気および/または電子要素である。このような部品はまた、チップとも呼ばれる。
【0022】
担体基板は、半導体部品の生産に好適である、あらゆる形態で存在することができる。担体基板は、可撓性であり、破壊を伴わずに弾性的または塑性的に延性があることができる。このような可撓性担体基板は、膜基板の2つの隣接する領域を互いの上に折り畳むことができるような態様で、自身の上に折り畳むことができる膜基板であることができる。担体テープは、各々が構造体を有する複数の担体とともに、電子部品の送達点に対向した近傍に移動させられ、そしてそこから離される。
【0023】
材料は、液体メニスカスが構造体に対して凸状に形成されるような形態であることができ、および/またはそのような量で構造体に送達することができる。後続の処理において、材料は、構造体から少なくとも部分的に除去されなければならない場合がある。材料はまた、構造体と部品との間に少なくとも部分的に残る接着剤であることができる。材料はまた、融解されなければならない半田であることができる。構造体を有する担体が、下流の処理点まで移動する前に、液体メニスカスが形成されるときに、フラックスを含む半田が融解させられる場合、液体メニスカスと接触している電子部品は、自身を構造体上に整列させて、その標的位置を占めることができる。
【0024】
電子部品は、半導体チップの1つの面上、または2つの対向した面上に配設される金属接続接点を有する半導体チップであることができ、電子部品は、金属接続接点を有する1つの面が、材料に対面し、金属接続接点を有しない1つの面が、材料から離れる方向を向くような態様で、送達点から送達される。代替的に、または加えて、金属接続接点を有する1つの面が、材料に対面することができ、金属接続接点を有する1つの面が、材料から離れる方向を向くことができる。代替的に、または加えて、金属接続接点を有する少なくとも1つの面は、材料の表面に対して横断方向に配向することができる。
【0025】
複数の電子部品は、分離した半導体チップとして担体層に付着して送達点に送給されることができ、この場合、分離した半導体チップは、担体に対面する担体層の面に付着している。
【0026】
非接触送達の場合、半導体チップが担体層から自身を分離または脱離し、次いで、材料および/またはその液体メニスカスを少なくともその面のうちの1つの一部と接触させるような種類および量のエネルギーが、付着している半導体チップから離れる方向を向く担体層の面から、担体層を通して、個々の半導体チップ上に方向付けることができる。このエネルギーは、(赤外線)レーザ、高温ガス噴射(例えば、熱風噴射)、放射加熱器要素、または類似物によって提供することができる。エネルギー源はまた、担体層に接触させることができ、エネルギー源が、担体層に付着している半導体チップから離れる方向を向く担体層の面部上に配設されているので、担体層に付着する半導体チップは、それでも、送達点から材料/構造体への移送中に接触しない。
【0027】
担体層は、分離した半導体チップのための接着剤層を提供されることができる。この接着剤層は、機械的インパルスを適切な半導体チップに及ぼして適切な半導体チップを担体層から離すために、個々の半導体チップに方向付けられるエネルギーの少なくとも一部の効果により、少なくとも部分的に分解させられることができる。代替的に、または加えて、接着剤層は、例えば、エネルギーの効果で膨張し、気泡になり、半導体チップを持ち上げ、半導体チップへの界面を拡大し、こうして、半導体チップを接着剤層から脱離する液体を含有する、例えば小さいカプセルのような密に配設された小粒子を含むことができる。
【0028】
前述のように、半導体チップの中、および/または担体層の中の、担体層から分離されるべき半導体チップの中に、局所的に供給されたエネルギーは、部分的または完全に熱に変換される。この熱の効果は、接着剤層が熱溶解する膜の接着剤/カプセル混合物であるので、半導体チップと担体層との間にあり、熱に反応する接着剤層が、接着剤層から半導体チップを解放することである。また、接着剤層自体(もしくは担体層、または担体層から分離される半導体チップ)が、エネルギー放射の波長の吸収に従って供給エネルギーを熱に変換し、それを熱に変換し、こうして、熱反応を加速することも可能である。
【0029】
担体は、弾性的または塑性的に延性の材料から形成され、該担体には、少なくとも1つの経路を有する導電パターンが提供される。導電経路は、この半導体チップ自体が構造体上に(液体メニスカス上に)(自己)整列した後に、この半導体チップの接続接点のうちの1つに接続する構造体の中まで深く到達するような形態であることができる。導電経路はまた、構造体からある距離を置く担体の領域の中に到達するように形成することもできる。この場合、経路の一部を含有するフラップを形成するように、パターンの経路の一部の周囲の担体の領域の中に、穿孔または弱化点を作製する。次いで、フラップが担体から除去され、次に、フラップ上の経路の一部が、半導体チップの接続接点のうちの1つの少なくとも一部に接触するように、フラップを折り畳む。代替的に、半導体チップを含有するフラップを形成するように、担体の領域の中に、穿孔または弱化点を作製する。次いで、フラップを担体から除去することができ、次に、フラップ上で、半導体チップが、パターンの経路の少なくとも一部を、その接続接点のうちの少なくとも1つと接触させるように、フラップを折り畳むことができる。
【0030】
折畳み可能な折畳み領域は、多くの異なる態様で残りの担体から区切ることができる。例えば、この目的には、パンチング、切削、ノッチング、スクライビング、スタンピング、および/または穿孔等の機械的方法が好適である。しかしながら、好適な区切りを確実かつ迅速に行うことができる、切断、ノッチング、または穿孔等のレーザ支援による方法も可能である。しかし、ウォータジェット切断方法または類似の方法も可能である。
【0031】
1つ以上の折畳み可能な折畳み領域は、可撓性担体基板から分離されることができ、その場合、可撓性担体基板に対してそのように分離した折畳み可能な折畳み領域の少なくとも1つの接続部が残り、それにより、クリップまたはフラップとなる。例えば、長方形のクリップは、3つの完全に分離した境界縁部、および部分的にだけ分離、穿孔、ノッチ付け、あるいは弱化されるか、またはされない1つの境界縁部によって生産される。例えば、ほぼ任意の長方形、曲線、または自由形態といった、クリップの他の幾何学的形態も可能である。
【0032】
フラップを形成するために、担体基板は、ローラからローラまでの経路の移動方向、およびそれに対して横方向の両方に折り畳まれることができる。
【0033】
折畳み可能な折畳み領域に起因して、部品は、可撓性担体基板の2つの層の間のサンドイッチ構造で容易に受容することができ、それによって、部品を、環境影響に対してとりわけ十分に保護することができる。
【0034】
半導体チップを含有する、担体とフラップとの間の空間は、半導体チップが充填材の中に少なくとも部分的に埋め込まれるように充填材によって充填される。これは好適な接着剤であることができ、それによって、半導体部品の機械的応力に耐えるとりわけ高い能力を達成することができる。このように、部品はまた、付加的に保護される。
【0035】
折畳み可能な折畳み領域はまた、その上に配設される電子部品とともに、(金属)構造体上に折り畳むことができる。
【0036】
この方法によって、電子部品を、接触を伴わずに担体基板上に堆積させるので、(これまで業界で使用されてきたような)部品を把持して、それを担体基板上に配置する機械的把持部または吸引器による部品の機械的載置が省略される。したがって、部品の配置が大幅に速くなり、特に、薄い部品(厚さ約10μm以下)の場合は、以前よりも機械的応力が少ない。
【0037】
特に、この方法は、半導体チップが管理可能な数の電気接続部を装備する、半導体部品に好適である。しかしながら、この方法は、例えば、論理、コントローラ、またはプロセッサ接続部といった複数の電気接続部を有する半導体部品にも同様に好適である。
【0038】
非接触送達(または堆積)を介して、部品は、担体(基板)に到達する。部品がストックを離れた後、担体上の構造体の中の材料に到達する前のしばらくの間(自由移動段階、自由段階、自由飛行段階、または自由落下段階)、部品は、いかなる機械的デバイスによっても機械的に保持または誘導されない。したがって、例えば、部品は、担体基板上への自由落下において堆積させることができる。この場合、部品は、重力だけ、またはほぼ重力だけで、担体基板上に堆積させることができ、よって、この方法は、とりわけ単純な形態であることができる。
【0039】
電子部品はまた、接触を伴わずに担体まで加速することができる。例えば、部品は、圧縮空気の支援によってさらに加速することができ、したがって、担体基板上により効果的に堆積させることができる。例えば、このような圧縮空気の支援は、接着剤層の成分が気相になり、部品と担体層との間の駆動力としての役割を果たす程度まで、部品を保持するための接着剤層を加熱することによって行うことができる。
【0040】
担体上の構造体のため、材料によって覆われている湿潤させることができる領域、および覆われていない湿潤させることができない領域に分割される。特に、このように選択的に湿潤させることができる領域は、その上の液体が担体上にメニスカスを形成することができることを特徴とし、その形態/形状は、部品の基部に適合され、したがって、構造体上の部品の自己整列を可能にする。
【0041】
湿潤させることができる領域の形状は、使用される材料および部品に依存することができる。
【0042】
担体上に構造化され、湿潤させることができる表面を生産するために、例えば、これに限定されないが、例えば半田を有するプロセスの場合には構造化メタライゼーションを、例えばアクリレート接着剤または水を有するプロセスの場合にはプラズマ処理を提供することができる。この場合、構造体は、例えばスタンピング、パンチング、または相加法、例えばシリコーン、樹脂、および/またはワックスの添加物適用、および複数のこのような方法の組み合わせによって、特定の、例えば環状、表面トポグラフィとして生産することができる。構造体はまた、環状電気トラックの形態であることができる。
【0043】
担体基板上の部品は、担体基板がそれに応じてパターン化された導電性構造体を有する場合に、さらなる機能的部品に容易に接続することができる。したがって、部品が堆積される前および/またはその間に、担体基板は、導電性構造体、特に金属構造体とともに被覆、例えば印刷されることができる。特に、湿潤性領域は、導電性構造体によって可撓性担体基板上に有利に生産されることができる。
【0044】
低粘度の液体は、十分に速い部品の自己整列をより容易にする。単純な事例では、理想的には電子部品の整列が成功した後に完全に蒸発する水を整列に使用することができ、その後に、半田または高粘度接着剤を整列させた部品と接触させることができる。この場合、半田または高粘度接着剤は、担体基板上の部品の永続的な固定および/または接触を引き継ぐ。
【0045】
電子部品を整列させるための手段として、水に対して同様の粘度を有する接着剤を使用することができる。このように、一方では、電子部品は、接着剤によって、担体基板上の構造体上に整列させることができ、他方では、接着剤によって、担体基板上に固定することができる。
【0046】
30%未満、好ましくは10%未満だけ水の粘度と異なる粘度を有する接着剤は、特に電子部品が付着する前の、十分に速い電子部品の整列を可能にする。
【0047】
自己整列はまた、たとえ、より高い粘度の接着剤の場合に、それに応じてよりゆっくりと流れても、それによって機能する。したがって、高粘度の接着剤は、低粘度の接着剤よりも遅くまで硬化せず、よって、電子部品は、整列後まで付着しない。しかしながら、この変形例は、接着剤によって、部品を担体基板に恒久的に整列かつ固定させることを可能にする。
【0048】
使用される材料がとりわけ良好な湿潤効果を有する場合、例えば、接着剤は、表面領域のうちの湿潤にされるべき構造体のコーナ部に到達することができる。この効果は、有効な角度整列が特に構造体のコーナ部領域から始まるので、電子部品の良好な角度整列である。
【0049】
基板上の長方形のまたは正方形の接着剤堆積物は、部品(通常は同じく長方形または正方形の外形を有する)のとりわけ良好な角度整列をもたらし、それにより、部品の整列、特に回転および/または並進の自己整列におけるとりわけ高い正確さおよび再現性を達成することができる。
【0050】
本方法の変形例では、部品は、折畳み可能な折畳み領域上に堆積する。例えば、部品は、好適な接続手段によって、および/または電子部品を整列させるための手段によって作用する折畳み可能な折畳み領域上に堆積し、部品のいかなる電気接続部も提供されず、対向して接続部から離れる方向を向く、その面部のうちの1つを有する。このように、例えば、部品は、折畳み可能な折畳み領域が担体基板の上に折り畳まれる前に、折畳み可能な折畳み領域上のメニスカス形成材料上に自身をとりわけ良好に整列させることができる。折畳みによって、電子部品の電気接続部が、導電性構造体に電気的に接続されることができ、それにより、機能的半導体部品を生産することができる。
【0051】
好ましくは、折畳み可能な折畳み領域は、他の領域がフラップによって完全に覆われないように、可撓性担体基板の他の領域よりもかなり小さい形態である。
【0052】
電子部品を接合および/または整列させるための手段等の、付加的な材料または接続材料の有無に関わらず、単に担体を折り畳むことによって、部品を電気的に接触させること、およびまた機械的に固定することができる。この場合、電気接触は、半田、ICA、ACA、ACF、または、例えばスタッドバンプもしくはPdバンプといった十分な表面粗さを有するバンプ、およびNCAによって実行することができる。部品の異なる電気接続部に接触させる場合、異なる接続材料を使用することもできる。
【0053】
全体的に、担体の折畳み領域を折り畳むことによって、部品を、担体上に有利に固定するだけでなく、導電性構造体と接触させることもできる。
【0054】
折畳み可能な折畳み領域の特徴または特徴の組み合わせは、半導体部品を生産する従来の方法の独立したさらなる発展を示し、前述の他の特徴を伴わなくても使用することができる。
【0055】
それらによれば、半導体部品は、膜基板、およびその上に配設される電子部品とから形成することができ、その場合、折畳み可能な折畳み領域は膜基板上に形成される。この場合、折畳み可能な折畳み領域の位置が、非常に正確に決定されることができ、これは特に、とりわけ小さい半導体部品の場合に有利である。
【0056】
半導体部品は、チップがチップの上ではなく隣にある場合に、およびそれがチップではなくチップ上の接続領域である場合に、チップの上に折り畳まれる、チップよりも少ない空間しか必要としないトラックによって、さらに密に構築することができる。
【0057】
一方で、この半導体部品が単に単一の膜基板だけから成り、それによって、その間に電子部品が埋め込まれる、2つの層が作成されるので、この形態の半導体部品は、前述の公報に示されるRFID半導体部品よりもかなり単純に構築される。
【0058】
一方で、前述の公開された明細書JP200511916Aにおいては、単一の可撓性膜基板の小さい折畳み領域が折り畳まれるだけであるので、この半導体はまた、この明細書による半導体部品とも異なる。
【0059】
折畳み領域の基部領域が半導体部品の基部領域よりも1/3を超えて、好ましくは半分を超えて小さい場合、より小さい折畳み領域だけを折り畳まなければならない。特に、このように、単一の可撓性膜基板上の導電性構造体は、それらの上に折り畳まれる折畳み領域によって覆われないままにすることができる。例えば、RFID半導体部品の伝送および/または受信電力は、このように向上させることができる。
【0060】
半導体部品の膜基板は、それでも、折畳み可能な折畳み領域が単一の可撓性膜基板内に窓領域を形成する場合に、折り畳まれた折畳み領域の場合であっても、非常に安定的に構築することができる。窓領域は、折畳み領域が折り畳まれた時に、膜基板内にもたらされる材料の陥凹部を表す。窓領域または材料の陥凹部は、それでも、残りの膜基板によって縁取られている。他のバージョンでは、材料陥凹部はまた、膜基板によって完全に囲繞される必要もない。
【0061】
1つの変形例では、膜基板上に配設される部品は、膜基板に対して折り畳むことができるように、折畳み可能な折畳み領域上に固定される。このように、部品は、例えば折畳み可能な領域によって、金属構造体上に容易に折り畳むことができ、それによって、膜基板を少なくとも部分的に被覆することができる。
【0062】
部品は、液体メニスカスを形成する材料によって担体上に整列させ、および/または固定した場合に、担体上に十分に整列させて、固定することができる。好ましくは、好適な材料蒸着物は、空気雰囲気中で適用することができる。材料はまた、部品を導電性構造体に電気的に接続することもできるように、導電性であることができる。
【0063】
別の変形例では、材料は、電気的に絶縁している。この場合、部品の電気接続部は、単に、折畳み可能な折畳み領域を折り畳むことによって、すなわち、部品の電気接続装置が可撓性担体基板の電気構造体と接触する時に、達成することができる。
【0064】
特別な解決手段は、部品を有する半導体部品を生産する方法を提案し、該方法では、金属構造体が、可撓性膜基板の表面に堆積させられ、次いで、このように構造化された膜基板は、ローラツーローラアセンブリプロセス等の連続的なアセンブリプロセスに送給することができ、折畳み可能な折畳み領域が、構造化膜基板に挿入され、接続手段が、折畳み領域上に堆積させられ、部品が、折畳み領域の中の接続手段上に堆積させられ、部品が、接続手段とともに、自身を膜基板上の構造体上の表面に整列させ、そして、部品が金属構造体にも電気的に接続されるように、折畳み領域は、部品とともに、金属構造体上に折り畳まれる。これは、ほとんどあらゆる形態の部品の、好ましくは可撓性担体基板上への、非常に効率的で安価な載置を可能にする。
【0065】
本明細書において説明されるローラツーローラアセンブリプロセスの際立った特徴は、半導体部品にアセンブリステップを実行するために、アセンブリトラックに沿って移動するアセンブリテープを、理想的にはまったく停止または減速させなくてもよいことである。したがって、この方法は、構造化担体上に要素を載置するための今日の計時的プロセスと比較して、明らかにスループットを増大させる。
【0066】
本明細書に説明される方法または方法の変形例はまた、RFIDのためのトランスポンダのインターポーザまたはインレイとも関連して、電気接続デバイスをほとんど伴わずに、とりわけ小さい電子部品を組み立てることを可能にする。部品の非接触アセンブリおよび担体へのそれらの自己整列のため、非常に小さいおよび/または非常に薄いチップ要素のアセンブリの場合であっても、高い信頼性を有する高い生産速度を確保することができる。
【0067】
電子部品は、例えば2つから4つの電気接続部といった2つ以上の電気接続部を有することができる。部品はまた、10未満の電気接続部、好ましくは5つ未満の電気接続部を有することもできる。ここでは、電気接続デバイスが、例えば現在利用可能なRFIDチップの場合のような、チップの1つの面上にだけあるのか、または例えば現在利用可能なLEDチップの場合のような、チップの2つの面上にあるのかには無関係である。
【0068】
前述の方法を実行するために、例えば、構造体を担体上に提供するための設備を有するデバイスを使用することができ、その場合、構造体は、それが電子部品をその上に整列させることに好適であるように、また、部品が構造体に対して所望の標的位置を占めることができるように、設備によって成形されなければならない。この構造体提供設備は、印刷ユニット、スタンピングユニット、または類似物であることができる。また、液体メニスカスを形成するための材料を構造体に装填するための設備も提供され、液体メニスカスは、部品を少なくとも部分的に受容することに好適である。複数の部品のストックのためのレセプタクルも、部品の送達点に存在する。第1の運搬設備は、担体を、構造体とともに、送達点に対向した少なくとも近傍に移動させる。エネルギー送給設備は、自由移動段階の後に、部品が液体メニスカスに少なくとも部分的に接触するように、担体上の構造体が送達点の近くを通過している間に、送達点からの電子部品のうちの1つの非接触送達を開始する。自由移動段階中に、電子部品は、いかなる機械的デバイスによっても機械的に保持または誘導されない。運搬設備は、電子部品が、自身を液体メニスカス上の構造体に整列させて、その標的位置を占める間に、担体を、構造体とともに、下流の処理点に移動させる。
【0069】
デバイスの運搬設備は、各々が構造体を有する複数の担体とともに、担体テープを連続的に運搬する輸送ローラまたはポーキュパインローラであることができる。
【0070】
構造体を担体上に提供するための設備は、材料を担体の1つの表面に適用することによって、または担体の1つの表面から材料を除去することによって、この構造体を形成するように設定される。例えば、これは、シリコーン、ワックス、または類似物の環状構造体がそれによって各担体上に印刷される、回転印刷ユニットであることができる。
【0071】
材料を、液体メニスカスが構造体に対して凸状に形成されるような形態で、および/またはそのような量で、構造体に送達するように、分配設備を装填するための設備を提供することができる。材料はまた、フラックスを含み、融解されなければならない、半田であることができる。材料が半田である場合、半田を融解させる加熱設備を提供することができる。担体が構造体とともに下流の処理点に移動するときに、液体メニスカスと接触している電子部品が、自身を構造体上に整列させて、その標的位置を占めるように、半田を融解させて、液体メニスカスを形成する。
【0072】
後続の処理で、材料が、構造体から少なくとも部分的に除去される場合に、材料を構造体から少なくとも部分的に排出するように、加熱設備または類似物を提供することができる。
【0073】
レセプタクルは、少なくとも2つの寸法で設置することができる調整設備を有することができる。いずれの場合においても、半導体チップのうちの1つが、ある距離を置いて対向した構造体の近くにあるような態様で、担体層を、担体に付着している半導体チップとともに、これらの2つの寸法で設置するように設定することができる。
【0074】
エネルギー送給設備は、放熱器または熱伝導源の形態であり、また、半導体チップが、担体層から分離し、その後に液体メニスカスをその面のうちの1つの少なくとも一部と接触させるような態様で、付着している半導体チップから離れる方向を向く担体層の面の熱エネルギーを、担体層を通して個々の半導体チップに送達するように設定される熱エネルギー源であることができる。
【0075】
調整設備は、担体層上の接着剤層が、分離した半導体チップを保持することが可能であるような態様で、担体層を少なくとも2つの寸法で設置するように設定される。半導体チップは、それらの電気接続部が担体層から離れるか、または担体に向かうような態様で、接着剤層によって担体層に付着させることができる。
【0076】
弾性的または塑性的に延性の材料によって形成されるフラップを担体の領域の中に形成するために、担体の穿孔または弱化点を形成するための設備を存在させることができる。担体からフラップを除去/押し出すための設備も存在させることができる。フラップの下で、半導体チップの接続接点のうちの1つの少なくとも一部、および担体が、相互に接触するように、フラップを折り畳む設備を存在させることができる。
【0077】
また、半導体チップが、充填材の中に少なくとも部分的に埋め込まれるような態様で、半導体チップを含有する、担体とフラップとの間の空間を充填材によって充填するために、充填材用の充填デバイスを存在させることができる。
【0078】
最後に、少なくとも1つの電子部品および1つの担体を有する、上記で請求される方法に従って、および/または上記に請求されるデバイスを用いて取得可能である電子モジュールを本明細書において説明する。担体上には、電子部品がその標的位置の中に整列させられる構造体が配設される。担体と電子部品との間には、電子部品が受容される材料がある。
【0079】
担体上には、材料を担体の1つの表面に提供することによって、または担体の1つの表面から材料を除去することによって、電子部品を整列させて、受容するための構造体が形成される。構造体の形状は、部品の輪郭に適合され、および/または1つ以上の寸法に、および/または1つ以上の方向におけるその配向に、部品の標的位置を固定する。
【0080】
構造体は、担体上で、各々が領域を区切り、材料を受容する複数の部分構造体を有する構造体の形態であることができる。材料は、構造体と部品との間に少なくとも部分的に残る接着剤か、またはフラックスを含み、融解させられる半田であることができる。
【0081】
さらに、フラックスで充填した接着剤、いわゆる「非フローアンダーフィル」が、基板の接触位置に、または接触バンプがその上にあるチップの表面に適用された場合、これは、接触を向上させ、また、チップと担体基板との間の接続の機械的強度に寄与する。
【0082】
電子モジュールの場合、電子部品は、半導体チップの1つの面上、または2つの対向した面上に配設される金属接続設定を有する半導体チップであることができる。金属接続接点を有する電子部品の面は、材料に対面することができ、接続接点を有しない1つの面は、材料から離れる方向を向くことができる。
【0083】
代替的に、金属接続接点を有する電子部品の面は、材料に対面することができ、金属接続接点を有する面は、材料から離れる方向を向くことができる。さらなる変形例では、金属接続接点を有する電子部品の少なくとも1つの面は、材料の表面に対して横断方向に配向することができる。
【0084】
電子モジュールの場合、半導体チップを含有する、担体とフラップとの間の空間は、半導体チップが充填材の中に少なくとも部分的に埋め込まれるような態様で、充填材によって充填される。
【図面の簡単な説明】
【0085】
さらなる特徴、特性、利点、および可能な修正は、添付の図面を参照しながら以下の説明に基づいて、当業者に明らかになるであろう。
【図1】図1は、接触を伴わずにチップ要素を膜基板に送給する、方法ステップを概略的に示す図である。
【図2】図2は、整列手段によってチップ要素を膜基板に整列させる、さらなる方法ステップを概略的に示す図である。
【図3】図3は、チップ要素を膜基板上の整列手段に恒久的に固定する、後続の方法ステップを概略的に示す図である。
【図4】図4は、反転させたRFIDチップを有するインターポーザの概略平面図である。
【図5】図5は、図4の切断線A−Aに沿った、図4のインターポーザの概略断面図である。
【図6】図6は、図4および5のインターポーザを生産するための方法フローを概略的に示す図である。
【図7】図7は、反転させたLEDチップを有するさらなるインターポーザの概略平面図である。
【図8】図8は、図7の切断線A−Aに沿った、図7のインターポーザの概略断面図である。
【図9】図9は、図7および8のさらなるインターポーザを生産するための方法フローを概略的に示す図である。
【図10】図10は、連続的な膜基板から折り畳むことによってチップに接触させるための、ローラツーローラ方法の概略フローチャートである。
【図11】図11は、連続的な膜基板から折り畳むことによってチップに接触させるためにローラツーローラ方法を実行するためのデバイスを概略的に示す図である。
【図12】図12は、その上でチップ自体が整列する構造体に対する非接触送達のためのチップのストックを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0086】
前述した方法(変形例)のプロセスチェーンの実施例、特にまた、小さい電子要素が投入される可撓性担体(基板)の中への可撓性基板のローラツーローラ処理のための実施例を図に示す。
【0087】
図1〜3に示されている方法フローにおいて、半導体部品1(図3を参照されたい)を生産する場合、チップ2を電子部品として、接触を伴わずに担体基板3上に堆積させ、ここでは、可撓性担体基板3は可撓性膜基板4の形態である。
【0088】
図1〜3は、それらの下側に示される上部面図5、および平面図6に分割され、方法は、矢印7の方向に左から右に進む。
【0089】
図1は、膜基板4上に形成される正方形フットプリント区域8を示し、その領域形状は、チップ2の領域形状に適合される。チップ2は、電気または電子部品である。
【0090】
膜基板4は、チップ2に対面するその表面9上において、湿潤性領域10、および非湿潤性領域11に分割され、湿潤性領域10は、本質的に、可撓性膜基板4上の正方形フットプリント区域8である。湿潤性領域10では、材料12は、接続手段13として、かつチップ2を整列させるために可撓性膜基板4上に堆積させることができる。材料12は、湿潤性領域10の中の流体堆積物15の中に分配されて、平面図において凸状である液体メニスカス14を形成する。
【0091】
ここで、チップ2が、自由落下16によって非接触的に可撓性膜基板4上へ移動し、こうして、材料堆積物15の液体メニスカス14(図1を参照されたい)上に堆積させられると、チップ2は、材料12(図2を参照されたい)と接触する。材料12の領域の中の自由界面エネルギーの最小化効果17のために、チップ2は、チップ2に正方形フットプリント区域8または湿潤性領域10を覆わせるような態様で、可撓性膜基板4上の正方形フットプリント区域8に対して整列させられる。特に、これは、正方形フットプリント区域8に対面するチップ面18上に、材料12に関して非常に湿潤性のあるチップ表面19が提供される場合に、非常に功を奏する。この変形例では、材料12は、低粘度を有する熱硬化性の接着剤である。
【0092】
接着剤堆積物15上への自己整列の後に、接着剤12を硬化させることができ、チップ12は、半導体部品1が、例えば、担体から離れる方向を向くチップ2の電気接続部に接触させるために、といったさらなる処理のために利用することができるように、可撓性膜基板4上で裏返される(回転させられる)(図3を参照されたい)。
【0093】
この実施形態では、非湿潤性領域11は、可撓性膜基板4上に堆積させられる金属構造体20によって形成される。この点で、正方形フットプリント区域8は、流体12を規定の手法で可撓性膜基板4上に設置することができるように、金属構造体20によって完全に囲繞される。
【0094】
金属構造体20はまた、半導体部品1についてとりわけ高い正確さを保証することができるように、さらなる方法ステップが基準とすることができる基点となる基準縁部21を可撓性膜基板4上に画定する。
【0095】
図4および5に示される半導体部品101は、RFIDチップ102を有するインターポーザ125である。半導体部品101は、構造化銅メタライゼーション120によって部分的に被覆される可撓性膜基板104を有する。構造化銅メタライゼーション120はまた、可撓性膜基板104上の基準縁部121でもある。全てのさらなる場所関連の動作は、それらを膜基板104に対して特に正確に、かつ超高速で実行することができるように、基準縁部121を基準にする。
【0096】
可撓性膜基板104上には、クリップ127のように可撓性膜基板104からパンチングされる、折畳み可能な折畳み領域126がある。クリップ127と構造化銅メタライゼーション120との間には、RFIDチップ102が配設され、RFIDチップ102は、図5の折畳み可能な折畳み領域126が折り畳まれるとすぐに、電気接続部(ここではさらに詳細に示さず)によって、構造化銅メタライゼーション120に接続される。折り畳む前に、RFIDチップ102をクリップ127とともに折り畳むことができるように、接着剤堆積物115によって、RFIDチップ102を折畳み可能な折畳み領域126に接着した。
【0097】
このように可撓性膜基板104から作り出され、可撓性膜基板104上に折り畳まれるクリップ127は、材料陥凹部128を窓領域129の形状で可撓性膜基板104の中に残す。半導体部品101の場合は、RFIDチップ102が、損傷を与える環境影響からとりわけ十分に保護されるように、1つだけの可撓性膜基板104によるRFIDチップ102のカプセル化が可能である。折り畳まれたクリップ127と可撓性膜基板104との間の領域の中の間隙130を十分に密閉することが可能であるように、そこにはより多くの接着剤131が配設される。
【0098】
図6において、図4および5のインターポーザ125を生産するための連続プロセスを示し、構造化銅メタライゼーション120を有する事前構造化された膜基板104を既に携持する膜シートが、入力側133上に送給されている。図に最初に示される方法ステップ135においては、接着剤堆積物115を折畳み可能な折畳み領域126の上に吹き付ける(噴射する)。後続の方法ステップ136において、RFIDチップ102が、接触を伴わずに、自身が整列する接着剤堆積物115上に配置される。ここで接着剤堆積物115が硬化し、さらなる方法ステップ137において、RFIDチップ102を、可撓性膜基板104上に正しく整列させ、配向し、そして固定する。ここでフラックス138を、RFIDチップ102の上に、またはチップに対向した担体の接触位置の上に吹き付ける(噴射する)(方法ステップ139を参照されたい)。
【0099】
次に、折畳み可能な折畳み領域126を、RFIDチップ102とともに、可撓性膜基板104の上に、または構造化銅メタライゼーション120の上に、クリップ127のように折り畳み(方法ステップ140を参照されたい)、次に、さらなる方法ステップ141において、フラックス138を用いて、RFIDチップ102を構造化銅メタライゼーション120に半田付けする。加えて、さらなる方法ステップ142において、間隙130(図5を参照されたい)を密閉するために、さらに接着剤131を可撓性膜基板104上に堆積させ、それを硬化させ(方法ステップ143を参照されたい)、そして、さらなる処理のために、これまで生産された個別半導体部品101を出力側144上に提供することができる。
【0100】
図6に示される流れの変形例では、フラックスの代わりに、接着剤とフラックスとの組み合わせ、または接着剤131だけを接触位置またはチップ102上に堆積させる。接着剤およびフラックス、または接着剤131だけが、前述のような後続の接着剤131の充填がそれ以上必要でなくなる程度まで間隙130を充填するために量が調整される。
【0101】
図7および8に示されるさらなる半導体部品201は、接触を伴わずにLEDチップ202をその上に堆積させた、可撓性膜基板204を有するインターポーザ225である。可撓性膜基板204は、構造化銅メタライゼーション220および220Aによって少なくとも部分的に被覆される。特に、構造化銅メタライゼーション220Aはまた、膜基板204上に、全てのさらなる必須動作を協調させる基点となる基準縁部221を提供する。
【0102】
可撓性膜基板204には、ここでも同様に、クリップ227のように膜基板204からパンチングされる折畳み可能な折畳み領域226が提供される。LEDチップ202は、第1の構造化銅メタライゼーション220と、クリップ227またはさらなる構造化銅メタライゼーション220Aとの間に配置され、LEDチップ202は、図8の折畳み可能な折畳み領域226が折り畳まれるとすぐに、電気接続部(ここではさらに詳細に示さず)によって、第1の構造化銅メタライゼーション220およびさらなる構造化銅メタライゼーション220Aの両方に電気的に接続される。
【0103】
折り畳む前に、LEDチップ202をクリップ227とともに折り畳むことができるように、折畳み領域226上に印刷した半田ペースト堆積物215によって、LEDチップ202を、折畳み可能な折畳み領域226に固定した。
【0104】
このように可撓性膜基板204から作り出され、可撓性膜基板204上に折り畳まれるクリップ227は、材料陥凹部228を、窓領域229の形状で可撓性膜基板204の中に残す。
【0105】
半導体部品201の場合は、LEDチップ202が、この場合も、損傷を与える環境影響からとりわけ十分に保護されるように、1つだけの可撓性膜基板204によってLEDチップ202のカプセル化が可能である。折り畳まれたクリップ227と膜基板204との間の領域の中の間隙230を十分に密閉することが可能であるように、接着剤231を、折り畳む前または後に適用することによって、間隙230の中に送給する。
【0106】
図9において、図7および8のインターポーザ225を生産するためのさらなる連続プロセスが示され、構造化銅メタライゼーション220、220Aによって事前構造化された膜基板204を既に有する膜シートが、入力側233上に送給されている。図に最初に示される方法ステップ235では、半田ペースト堆積物215を可撓性膜基板204の上に印刷する。後続の方法ステップ236において、LEDチップ202が可撓性膜基板204上に少なくとも事前固定されるように、接触を伴わずにLEDチップ202を半田ペースト堆積物215上に配置する。次に、半田が融解して、構造体が指定する意図した場所の中へとチップが流れるように、例えば加熱デバイス(ここでは特に例示しない)によって下面から膜基板204を加熱することによって熱を印加する。ここで、さらなる方法ステップ237に基づいて分かるように、折畳み可能な折畳み領域226を、LEDチップ202の上に折り畳むことができる。次いで、付加的な方法ステップ238において、LEDチップ202を構造化銅メタライゼーション220および220Aに半田付けする。次の方法ステップ239において、間隙230(図8を参照されたい)をさらに密閉するために、接着剤231を可撓性膜基板204上に堆積させ、次いで硬化させる(さらなる方法ステップ240を参照されたい)。次に、さらなる処理のために、ここまで生産した半導体部品201をさらに処理する準備を整える(出力側244を参照されたい)。
【0107】
フローチャート350に示されるローラツーローラ方法のプロセスチェーン351では、可撓性膜基板304は、一方において導電性構造化352を備えており、他方において選択的湿潤性構造化353を備えており、導電性構造化352および選択的湿潤性構造化353は、同一であることができる。特に、ここでは導電性構造化352は、空中線、インターポーザ、ストラップ、または類似物であることができる。
【0108】
加えて、膜基板304の折畳みプロセスのための準備354は、可撓性膜基板304上に穿孔される別の折畳み可能な折畳み領域によって行われる。結果的に、膜基板304の事前構造化355は、本質的に制限される。加えて、構造化352を使用して、例えば穿孔の位置および/またはチップの位置といった、そこからの実際の位置をカメラによって測定および決定することができる基準または基準領域を作成することができる。
【0109】
ここで、1つのアプリケーション356によって、液体または接続材料(例えば、接着剤)を可撓性膜基板304に堆積させ、その後に、チップを供給し(357)、そして、自身を基板304上の接続材料上に整列させる。また、接続部の形成または固定358も、チップと膜基板304との間で行う。膜基板304を折り畳むことによって、チップを電気的に接触させる(359)。この目的のために、最初に、接着剤を堆積させる(360)。次に、さらなる接続部を形成する(362)ために、折畳み可能な折畳み領域を折り畳む(361)。折り畳みの前に、さらに接着剤を堆積させることができる。説明したプロセスチェーン351によって、少なくとも1つのチップを完全に投入した膜基板304Aをさらなる処理に提供することができる。
【0110】
プロセスチェーン351はまた、実施例として前述したように、半導体部品1、101、および201を生産するために使用することができる。
【0111】
図11は、デバイス500を概略的に例示し、デバイス500は、少なくとも1つの電子部品Bおよび1つの担体Tを有する電子モジュールを生産するために、連続的に実行可能なローラツーローラ方法を実行するために使用することができる。例示した実施例では、担体Tは、可撓性PET膜とともにローラから到来し、既にそれらの間に自由領域を有する2つの印刷された銅接触領域KK1、KK2を携持しているインターポーザである。
【0112】
印刷ユニットの形式の設備510は、この実施例では、平面図において長方形であるリングの形態の材料を適用することによって、担体Tの表面の自由領域の範囲に構造体Sを提供するために使用される。設備510はまた、図11に示されるデバイスの上流に配置される、印刷システムであることもできる。構造体Sの形状および寸法は、電子部品Bが、所望の標的位置を占めるように、構造体の上に自身を整列させることができる程度のものである。この実施例では、部品Bは、完全に組み立てた状態においては、2つの銅接触領域KK1、KK2に電気的および機械的に接続される、2つの接続接点K1、K2を有する半導体チップである。
【0113】
下流の処理ステーションでは、液体メニスカスMを形成するように、構造体Sを材料Fで被覆するための設備520を提供する。ここでは設備520は、材料Fの分配送達のための制御可能なノズルを有する。この実施例では、材料Fは、接着剤である。構造体Sの中に形成する液体メニスカスMは、凸状であり、面図での液体メニスカスMの湾曲は、構造体Sの縁部で鋭角(アルファ−図12も参照されたい)を取り囲んでいる。
【0114】
下流の処理ステーションでは、複数の電子部品Bのストックのためのレセプタクル530が、送達点Aに提供される。ロータリアクチュエータの形態の第1の運搬デバイス540は、未処理の担体Tを有するロールR1を巻出するために使用される。ロータリアクチュエータの形態の第2の運搬デバイス560は、完全に処理された担体および堆積させた部品を有するロールR2を巻き戻す。これらの運搬デバイスは、担体Tを、構造体Sとともに、送達点Aに対向した近傍に移動させるために使用される。送達点Aの近くには、自由段階の後に部品Bが液体メニスカスMに少なくとも部分的に接触するように、担体T上の構造体Sが送達点Aの近くにあるか、またはそこを通過している間に、送達点Aからの電子部品Bのうちの1つの非接触送達を開始する、エネルギー送給設備としてのレーザ光源550がある。レーザ光源550の放射による電子部品Bの過熱/損傷/破壊を回避するために、部品Bに当たる放射が部品Bの領域にほぼ対応するように、そのレーザビームを、レンズ(ここでは特に例示しない)または他の方法によって脱焦点化させる。
【0115】
示された変形例では、部品Bのストックのためのレセプタクル530と、構造体Sとの間の−部品Bの自由段階を画定する−距離は、例えば、ほぼ部品Bの縁部長さの1対1未満の大きさである。自由段階におけるチップの回転を好適な方法によって防止できる場合、または、接続接点がチップの2つの対向表面に形成され、かつチップを正確な極性で接続しなくてもよい場合には、間隙は、チップ縁部長さの数倍であることも可能である。
【0116】
示された変形例では、第1および第2の運搬デバイス540、560は、それぞれが構造体Sを有する複数の担体Tを有する担体テープTBを運搬する。分注設備520は、(接着剤)材料Fのための分配設備522に装填するために使用される。このように、後者は、分配設備522を通過する全ての構造体Sの中で、構造体Sに対して液体メニスカスMを凸状に形成するような量で、構造体Sに送達することができる。
【0117】
レセプタクル530は、調整設備532、534を有し、調整設備532、534は2つの寸法で設置されることができ、レセプタクル530が送達点Aに対して移動させられることができる直線駆動の形式であることができる。構造体(チップが構造体に送達された後)上のチップの自己整列に対して、直線駆動の特別な正確さを必要としない。送達点Aにおいて、半導体チップのうちの1つが、ある距離を置いて対向した構造体Sの近傍にあるように、担体層Cを、それに付着する半導体チップとともに、これらの2つの寸法で設置するように設定すれば十分である。
【0118】
部品Bのうちの1つを、自身が構造体S上の材料F上に整列するように、送達点Aにおいて、複数の電子部品Bを有するストックから送達するために、エネルギー送給設備550は、関連する半導体チップBが、担体層C上の接着剤層Hから分離し、次いで、液体メニスカスMを少なくともその面のうちの1つ(通常はその基部)の一部と接触させるような態様で、エネルギーを付着している半導体チップから離れる方向を向く(図12では上面からであるが、チップは下面から担体層に付着する)担体層Cの面から、担体層Cを通して、個別半導体チップB上に供給する。
【0119】
加えて、この実施例では、デバイス500は、2つの銅接触領域KK1、KK2に対面する担体Tからのヒンジ端部584とともに、構造体Sを囲繞する長方形の穿孔582を形成するように、パンチング設備580を有する。このように、構造体Sを囲繞しているフラップKは、担体Tから除去される。担体シートTBは、偏向ローラ586において下向きに90°偏向させられる。この場合、フラップKは、担体シートTBの表面から突出する。パンチング設備580はまた、デバイス500の上流であることができる。
【0120】
後続の処理ステーションでは、担体シートTBの真上に、完全にフラップKを折り畳むための設備として、折り畳みシート588が搭載される。このように、半導体チップの接続接点K1、K2および担体Tの銅接点KK1、KK2は、相互に接触する。
【0121】
さらなる処理ステーションとして、デバイス500は、半導体チップが充填材FMの中に少なくとも部分的に埋め込まれるように、半導体チップを含有する、担体TとフラップKとの間の空間Rを充填材FMで充填する、充填材FMのための充填設備590を有する。充填設備590はまた、フラップKを完全に折り畳むために、設備の上流であることができる。巻回する前に、充填材を硬化させるための最終ステーション(ここでは図示せず)では、例えばクリップを止めることによって、または熱もしくは、例えばUV光といった、光を供給することによって、硬化機構に従って充填材を硬化させる。最後に、このようにして完成する電子モジュールを、ローラR2上に巻回する。
【0122】
前述した方法、デバイス、および生産品の詳細は、組み合わせて提示されるが、しかしながら、それらはまた、少なくともそれらを対象とする個別請求項が列記される程度に、相互に独立しており、また相互に自由に組み合わせることができることに留意されたい。したがって、例えば、半導体チップを、例えば構造体に面対する2つ以上の接続接点を有する、構造体に送達することで、構造体は、それぞれがフラックスを有する半田堆積物を含有する、複数の部分構造体−各接続接点のための1つの部分構造体−で形成される。半導体チップを、材料を有する構造体上に降ろした後に、半田を融解させ、チップは、自身を融解半田上の構造体または部分構造体に自動的に整列する。チップがその対向面上にさらなる接続接点を有する場合、これらの接続部も接触させるように、ここで回転させることができる。
【0123】
図面に示される個別部品およびそれらの区間の相互に対する比率、ならびにそれらの寸法および割合は、限定的なものとして理解されたい。代わりに、個別寸法および割合は、示されているものとは異なる可能性がある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの電子部品(B)および1つの担体(T)を有する電子モジュールを生産する方法であって、該方法は、
(a)構造体(S)が該担体(T)上に提供されるステップであって、該構造体(S)は、該電子部品(B)を自身の上に整列させることに好適であることにより、該電子部品(B)が該構造体(S)に対して所望の標的位置を占めることができる、ステップと、
(b)該構造体(S)が、材料(F)によって被覆されて、液体メニスカス(M)を形成するステップであって、該液体メニスカス(M)は、該電子部品(B)を少なくとも部分的に受容することに好適である、ステップと、
(c)複数の電子部品(B)のストックが該電子部品(B)の送達点(A)に提供されるステップと、
(d)該担体(T)が、該構造体(S)とともに、該送達点(A)に対向した少なくとも近傍に移動させられるステップと、
(e)該担体(T)上の該構造体(S)が該送達点(A)の近くにある間に、該送達点(A)は、該電子部品(B)のうちの1つを接触を伴わずに送達することにより、自由移動段階の後に、該電子部品(B)が該材料(F)に少なくとも部分的に接触するステップと、
(f)該電子部品(B)が、該液体メニスカス(M)上において自身を該構造体(S)に整列させて、標的位置を占める間に、該担体(T)が、該構造体(S)とともに下流の処理点に移動させられるステップと
を含む、方法。
【請求項2】
担体テープ(TB)が、前記構造体(S)を各々が有する複数の担体(T)とともに、前記電子部品(B)の前記送達点(A)に対向した近傍に連続的に移動させられ、そして、そこから離れる方向に移動させられるステップ、または、担体テープ(TB)が、該構造体(S)を各々が有する複数の担体(T)とともに、該電子部品(B)の該送達点(A)に対向した近傍に段階的に移動させられ、そして、そこから離れる方向に移動させられるステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記構造体(S)が、
(a)材料を前記担体(T)の表面に適用することによって、または該担体(T)の表面から材料を除去することによって、該担体(T)上に形成されるステップ、および/または、
(b)該構造体(S)の形状に関して、前記電子部品(B)の輪郭に適合させられるステップ、および/または、
(c)1つ以上の寸法における該電子部品(B)の位置、および/または1つ以上の方向における該電子部品(B)の配向に関して、該電子部品(B)の前記標的位置を固定するステップ
を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記構造体は、前記担体(T)上の構造体の形態で提供され、各々が領域を区切る複数の副構造体を有することにより、いずれの場合にも液体メニスカス(M)を形成する、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記材料(F)が、
(a)前記液体メニスカス(M)が前記構造体(S)に対して凸状に形成されるような形態、および/またはそのような量で、該構造体(S)に送達されるステップ、および/または、
(b)後続の処理において、該構造体(S)から少なくとも部分的に除去されなければならないステップと
を含み、または、
(c)該材料(F)は、該構造体(S)と該部品(B)との間に少なくとも部分的に残る接着剤であり、
(d)該材料(F)は、フラックスを含み、融解されなければならない半田である、
請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記材料(F)は、フラックスを含み、融解される半田であり、前記構造体(S)を有する前記担体(T)が、請求項1に記載の下流の処理点に到達する前に、前記液体メニスカス(M)が形成されるときにフラックスを含む該半田が融解されることにより、該液体メニスカス(M)と接触している前記電子部品(B)が、自身を該構造体(S)上において整列させて、標的位置を占める、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記電子部品(B)は、半導体チップであって、該半導体チップは、金属接続接点(K1、K2、...Kn)が該半導体チップの1つの面、または2つの対向した面上に配設されており、該電子部品(B)は、
(a)金属接続接点(K1、K2、...Kn)を有する面が、前記材料(F)に対面し、金属接続接点(K1、K2、...Kn)を有しない面が、該材料(F)から離れる方向を向いているか、または、
(b)金属接続接点(K1、K2、...Kn)を有する面が、該材料(F)に対面し、金属接続接点(K1、K2、...Kn)を有する面が、該材料(F)から離れる方向を向いているか、または、
(c)金属接続接点(K1、K2、...Kn)を有する少なくとも1つの面が、該材料(F)の表面に対して横断方向に配向されている
態様において前記送達点(A)から送達される、請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
複数の電子部品(B)は、分離した半導体チップとして担体層(C)に付着して前記送達点(A)に送給され、この場合、該分離した半導体チップは、前記担体(T)に対面する該担体層(C)の面に付着している、請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記半導体チップが自身を前記担体層(C)から分離し、次に、前記材料(F)および/または該材料(F)の液体メニスカス(M)を少なくとも該半導体チップの面のうちの1つの一部と接触させるような種類および量のエネルギーが、該付着している半導体チップから離れる方向を向いている該担体層(C)の面から、該担体層を通して、個々の半導体チップ上に方向付けられる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記半導体チップ(B)の中、および/または前記担体層(C)の中、および/または前記接着剤層(H)の中に局所的に供給されたエネルギーが、該担体層(C)から分離されるべき該半導体チップ(B)の中で熱に部分的または完全に変換され、それにより、該半導体チップ(B)と該担体層(C)との間にあり、熱に反応する該接着剤層(H)が、該接着剤層(H)から該半導体チップ(B)を解放する、請求項1〜9に記載の方法。
【請求項11】
前記担体層(C)は、前記分離したチップのための前記接着剤層(H)が提供され、該接着剤層(H)は、前記エネルギーの少なくとも一部の効果に起因して少なくとも部分的に分解することにより、機械的インパルスを適切な半導体チップに及ぼして、該適切な半導体チップを該担体層(C)から離れる方向に移動させる、請求項1〜10に記載の方法。
【請求項12】
(a)前記担体(T)は、弾性的または塑性的に延性の材料から形成され、
(b)該担体(T)は、少なくとも1つの経路を有する導電パターン(M)が提供され、
該経路は、
i.半導体チップが前記構造体(S)上に整列させられた後に、該経路が該半導体チップの前記接続接点(K1、K2、...Kn)のうちの1つに接触する該構造体(S)の中まで深く到達するように形成されるか、または、
ii.該経路が該構造体(S)からある距離を置く該担体(T)の領域の中に到達するように形成され、この場合、
a.穿孔または弱化点が、該パターン(M)の該経路の一部の周囲の該担体(T)の領域の中に作製されることにより、該経路の一部を含有するフラップ(K)を形成する、ステップと、
b.該フラップ(K)が該担体(T)から除去されるステップと、
c.該フラップ(K)が折り畳まれることにより、該フラップ(K)上の該経路の一部が、半導体チップの該接続接点(K1、K2、...Kn)のうちの1つの少なくとも一部に接触するステップと
が実行されるか、または、
d.穿孔または弱化点が、該担体(T)の該領域の中に作製されることにより、該半導体チップを含有するフラップ(K)を形成するステップと、
e.該フラップ(K)が該担体(T)から除去されるステップと、
f.該フラップが折り畳まれて、該フラップ(K)上で、
g.該半導体チップが、該パターン(M)の該経路の少なくとも一部を該半導体チップの接続接点(K1、K2、...Kn)のうちの少なくとも1つと接触させるステップと
が実行される、請求項1〜11のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記半導体チップを含有する、前記担体(T)と前記フラップ(K)との間の空間(R)が充填材(FM)によって充填されることにより、該半導体チップが該充填材(FM)の中に少なくとも部分的に埋め込まれる、請求項1〜12に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1つの電子部品(B)および1つの担体(T)を有する電子モジュールを生産するデバイス(500)であって、
構造体(S)を該担体(T)上に提供する設備(510)であって、この場合、該構造体(S)は、電子部品(B)を自身の上に整列させることに好適であることにより、該電子部品(B)が該構造体(S)に対して所望の標的位置を占めることができる、設備、または、構造体(S)が事前に提供されている担体(T)を送給する設備であって、この場合、該構造体(S)は、電子部品(B)を自身の上に整列させることに好適であることにより、該電子部品(B)が該構造体(S)に対して所望の標的位置を占めることができる、設備と、
液体メニスカス(M)を形成する材料(F)を該構造体(S)に装填する設備(520)であって、該液体メニスカス(M)は、該電子部品(B)を少なくとも部分的に受容することに好適である、設備と、
該電子部品(B)の送達点(A)における複数の電子部品(B)のストックのためのレセプタクル(530)と、
該担体(T)を該構造体(S)とともに該送達点(A)に対向した少なくとも近傍に移動させる第1の運搬設備(540)と、
該担体(T)上の該構造体(S)が該送達点(A)の近くを通過している間に、該送達点(A)からの該電子部品(B)のうちの1つの非接触送達を開始することにより、自由移動段階の後に、該電子部品(B)が該液体メニスカス(M)に少なくとも部分的に接触するエネルギー送給設備(550)と、
該電子部品(B)が、自身を該液体メニスカス(M)において該構造体(S)に整列させて、標的位置を占める間に、該担体(T)を該構造体(S)とともに下流の処理点に移動させる第2の運搬設備(560)と
を備える、デバイス。
【請求項15】
前記第1および第2の運搬設備(540、560)は、各々が前記構造体(S)を有する複数の担体(T)とともに、担体テープ(TB)を連続的または段階的に運搬し、および/または該第1および第2の運搬設備(540、560)は、一体の運搬設備または別個の運搬設備である、請求項13に記載のデバイス(500)。
【請求項16】
構造体(S)を前記担体(T)上に提供する前記設備(510)は、材料を該担体(T)の1つの表面に適用することによって、または、該担体(T)の1つの表面から材料を除去することによって、該構造体(S)を形成するように設定される、請求項13または14に記載のデバイス(500)。
【請求項17】
(a)前記液体メニスカス(M)が前記構造体(S)に対して凸状に形成されるような形態で、および/またはそのような量で、または、
(b)前記材料(F)が、フラックスを含み、融解されなければならない半田である、
前記材料(F)を該構造体(S)に送達するために、分配設備(522)を装填する設備(520)を有する、請求項1〜16のうちのいずれか一項に記載のデバイス(500)。
【請求項18】
(a)前記材料(F)が、フラックスを含む半田である場合に、該半田を融解させる加熱設備が提供され、前記担体(T)が前記構造体(S)とともに下流の処理点に移動する前に、またはそのときに、該半田を融解させて前記液体メニスカス(M)を形成することにより、該液体メニスカス(M)と接触している前記電子部品(B)が、自身を該構造体(S)上において整列させて、標的位置を占めるか、または、
(b)後続の処理において、該材料(F)が、該構造体(S)から少なくとも部分的に除去される場合に、該材料(F)を該構造体(S)から少なくとも部分的に排出するために加熱設備が提供される、請求項1〜17に記載のデバイス(500)。
【請求項19】
前記レセプタクル(530)は、調整設備(532、534)を有し、該調整設備(532、534)は、少なくとも2つの寸法で設置されることができ、および/または、各場合において、前記半導体チップのうちの1つが、ある距離を置いて対向した構造体(S)の近くにあるような態様で、担体層(C)を該付着している半導体チップとともにこれらの2つの寸法で設置するように設定される、請求項1〜18のうちのいずれか一項に記載のデバイス(500)。
【請求項20】
前記エネルギー送給設備(550)は、前記半導体チップが、前記担体層(C)から分離し、その後に前記液体メニスカス(M)を該半導体チップの面のうちの1つの少なくとも一部と接触させるような態様で、該付着している半導体チップから離れる方向を向いている担体層(C)の面の熱エネルギーを、該担体層を通して個々の半導体チップに放射するように設定される熱エネルギー源である、請求項1〜19のうちのいずれか一項に記載のデバイス(500)。
【請求項21】
前記調整設備(532、534)は、前記担体層(C)上の接着剤層(H)が、前記分離した半導体チップを保持することが可能であるような態様で、該担体層(C)を少なくとも2つの寸法で設置するように設定される、請求項19または20に記載のデバイス(500)。
【請求項22】
(a)前記担体(T)の穿孔または弱化点を形成する設備(580)であって、該担体(T)は、弾性的または塑性的に延性の材料で形成されることにより、該担体(T)の領域の中に穿孔または弱化点を作製して、フラップ(K)を形成する、設備(580)と、
(b)該担体(T)から該フラップ(K)を除去する設備と、
(c)該フラップ(K)を折り畳む設備(588)であって、折り畳むことにより、該フラップ(K)の下において、半導体チップの前記接続接点(K1、K2、...Kn)のうちの1つの少なくとも一部と該担体(T)とが相互に接触する、設備(588)と
を備える、請求項1〜21のうちのいずれか一項に記載のデバイス(500)。
【請求項23】
前記半導体チップが、充填材(FM)の中に少なくとも部分的に埋め込まれるような態様で該半導体チップを含有する、前記担体(T)と前記フラップ(K)との間の空間(R)を該充填材(FM)によって充填するための、充填材(FM)用充填デバイス(590)を備える、請求項1〜22に記載のデバイス(500)。
【請求項24】
前記充填材(FM)を硬化させる設備を備える、請求項1〜23に記載のデバイス(500)。
【請求項25】
少なくとも1つの電子部品(B)および1つの担体(T)を有する、請求項1〜24に記載の方法に従って、および/または請求項1〜24に記載のデバイスを用いて取得可能である電子モジュールであって、
(a)該担体(T)上の構造体(S)であって、該電子部品(B)が該構造体(S)の上において、標的位置に整列させられる、構造体(S)と、
(b)該担体(T)と該電子部品(B)との間の材料(F)であって、該電子部品(B)が該材料(F)の上に受容される、材料(F)と
を備える、電子モジュール。
【請求項26】
前記構造体(S)は、
(a)材料を前記担体(T)の1つの表面に適用することによって、または該担体(T)の1つの表面から材料を除去することによって、該担体(T)上に形成されるか、および/または、
(b)自身の形状に関して、前記電子部品(B)の輪郭に適合されるか、および/または、
(c)1つ以上の寸法における該電子部品(B)の位置および/または1つ以上の方向における該電子部品(B)の配向に関して、該電子部品(B)の前記標的位置を固定する
請求項25に記載の電子モジュール。
【請求項27】
前記構造体は、前記担体(T)上で、各々が領域を区切り、前記材料(F)を受容する複数の部分構造体を有する構造体の形態である、請求項1〜26に記載の電子モジュール。
【請求項28】
前記材料(F)は、
(a)前記構造体(S)と前記部品(B)との間に少なくとも部分的に残る接着剤であるか、または、
(b)フラックスを含み、融解させられる半田である
請求項1〜27のうちのいずれか一項に記載の電子モジュール。
【請求項29】
前記部品(B)は、半導体チップであって、該半導体チップは、該半導体チップの1つの面上、または2つの対向した面上に配設される金属接続設定(K1、K2)を有し、その場合、
(a)金属接続接点(K1、K2、...Kn)を有する該部品(B)の面が、前記材料(F)に対面し、金属接続接点(K1、K2、...Kn)を有しない面が、該材料(F)から離れる方向を向いているか、または、
(b)金属接続接点(K1、K2、...Kn)を有する該部品(B)の面が、該材料(F)に対面し、金属接続接点(K1、K2、...Kn)を有する面が、該材料(F)から離れる方向を向いているか、または、
(c)金属接続接点(K1、K2、...Kn)を有する該部品(B)の少なくとも1つの面が、該材料(F)の表面に対して横断方向に配向されている
請求項1〜28のうちのいずれか一項に記載の電子モジュール。
【請求項30】
前記担体(T)は、
(a)弾性的または塑性的に延性の材料から形成され、
(b)少なくとも1つの経路を有する導電パターン(M)を有し、該パターン(M)は、
i.半導体チップの前記接続接点(K1、K2、...Kn)のうちの1つに接触する前記構造体(S)の中に深く到達するか、または、
ii.該構造体(S)からある距離を置く該担体(T)のある領域の中に到達し、
(c)フラップ(K)が除去され、折り畳まれることにより、該フラップ(K)上の該経路の一部が、該半導体チップの該接続接点(K1、K2、...Kn)の少なくとも一部に接触するか、または、
(d)フラップ(K)が除去され、折り畳まれることにより、該フラップ上の該半導体チップが、該パターン(M)の該経路の少なくとも一部を該半導体チップの該接続接点(K1、K2、...Kn)のうちの少なくとも1つと接触する
項目1〜29のうちのいずれか一項に記載の電子モジュール。
【請求項31】
前記半導体チップを含有する、前記担体(T)と前記フラップ(K)との間の前記空間(R)は、該半導体チップが充填材(FM)の中に少なくとも部分的に埋め込まれるような態様で、該充填材(FM)によって充填される、請求項1〜30に記載の電子モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2012−511814(P2012−511814A)
【公表日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−539930(P2011−539930)
【出願日】平成21年12月1日(2009.12.1)
【国際出願番号】PCT/EP2009/008558
【国際公開番号】WO2010/066366
【国際公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(508110962)ミュールバウアー アーゲー (10)
【Fターム(参考)】