説明

電子アルバム作成装置、電子アルバム作成システム、及び、電子アルバム作成プログラム

【課題】GPS機能により位置データが取得できない場合でも、走行ルートを算出することができ、画像データをリンクできる電子アルバム作成装置を提供する。
【解決手段】GPS機能を有する位置データ取得装置3から取得された位置データと、デジタルカメラ1で取得した画像データとをリンクさせるデータリンク手段28と、地図データを記憶する地図データ記憶手段25と、画像データにリンクされた位置データに基づいて、走行ルートを算出するルート算出手段29と、地図上に画像を走行ルートに対応させて表示させるための画像表示手段31とを備えた電子アルバム作成装置であって、位置データの取得に連動して作動するジャイロセンサー7からの補間用位置データを取得可能な補間データ取得手段24と、GPSからの位置データが得られていない場合、補間用位置データに基づいて走行ルートを補間するルート補間手段32とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GPS機能を有する位置データ取得装置から取得された位置データと、画像データ撮影装置で取得した画像データとをリンクさせるデータリンク手段と、位置データの場所を画面表示させるための地図データを記憶する地図データ記憶手段と、取得された位置データに基づいて、走行ルートを算出するルート算出手段と、画面表示された地図上に走行ルートを表示させるためのルート表示手段と、画面表示された地図上に画像を走行ルートに対応させて表示させるための画像表示手段とを備えた電子アルバム作成装置、電子アルバム作成システム、及び、電子アルバム作成プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
かかる電子アルバム作成装置に関連する技術として、下記特許文献1に開示される情報処理装置が知られている。この装置は、デジタルの画像データを管理する技術を提供するものであり、地図と画像を組み合わせて保存管理するものである。写真撮影者は、地図上の位置と撮影した画像データを関連付けさせて記憶させる。そして、地図上の撮影地点を指定した場合、その地点で撮影された画像データをその地図上の地点の付近にサムネイル画像として表示させるものである。また、撮影地点を順番にたどることで、各地点で撮影された画像データが再現され、旅行の気分を思い出しながら味わうことができる電子アルバムを提供することができる。
【0003】
かかる電子アルバムを提供するためには、画像データとその画像が撮影された地点(位置データ)とを関連付けさせる必要がある。位置データを取得する方法としては、GPS機能を用いる方法が一般的である。例えば、デジタルカメラやカメラ付携帯電話にGPS機能を搭載することで、位置データと画像データとの関連付けを行うことができる。また、デジタルカメラ等にGPS機能がない場合は、GPS機能を搭載した位置データ取得装置を用いて位置データを獲得できる。電子アルバムを編集する際には、位置データと画像データの関連付けを改めて行う必要があるが、画像データや位置データを取得する際には、いずれも時刻データと対応づけて取得できるので、時刻データをキーとして関連付けを行うことができる。
【特許文献1】特開2001−160058号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、GPSにより位置データを取得する場合、博物館のような建造物の内部に入って写真撮影を行うと、GPSによる信号レベルが低下して位置データを取得できないことがある。かかる場合、画像データを取得できても、対応する位置データが取得できないため走行ルートを再現することができなくなる。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、GPS機能により位置データが取得できない場合でも、走行ルートを算出することができ、画像データをリンクできる電子アルバム作成装置、電子アルバム作成システム、及び電子アルバム作成プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため本発明に係る電子アルバム作成装置は、
GPS機能を有する位置データ取得装置から取得された位置データと、画像データ撮影装置で取得した画像データとをリンクさせるデータリンク手段と、
位置データの場所を画面表示させるための地図データを記憶する地図データ記憶手段と、
取得された位置データに基づいて、走行ルートを算出するルート算出手段と、
画面表示された地図上に走行ルートを表示させるためのルート表示手段と、
画面表示された地図上に画像を走行ルートに対応させて表示させるための画像表示手段とを備えた電子アルバム作成装置であって、
前記位置データの取得に連動して作動するジャイロセンサーからの補間用位置データを取得可能な補間データ取得手段と、
GPSからの位置データが得られていない場合、補間用位置データに基づいて走行ルートを補間するルート補間手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0007】
この構成による電子アルバム作成装置の作用・効果を説明する。この電子アルバム作成装置が作成する電子アルバムは、取得した位置データに基づいて、走行ルートを算出することができる。この走行ルートに対応させて、地図上に画像を表示させることができる。位置データは、GPS機能を有する位置データ取得装置から取得することができる。また、位置データの取得に連動して作動するジャイロセンサーが設けられており、GPSからの位置データが得られないような場合は、ジャイロセンサーから得られる信号に基づいて、補間用位置データを取得することができる。これにより、GPS信号が得られなかった場合(信号レベルが低すぎる場合を含む)でも走行ルートを再現させることができる。その結果、GPS機能により位置データが取得できない場合でも、走行ルートを算出することができ、画像データをリンクできる電子アルバム作成装置を提供することができる。
【0008】
本発明に係るルート補間手段は、位置データが得られていない時間帯の前後における位置データと、取得した補間用位置データとに基づいて、走行ルートを補間することが好ましい。
【0009】
例えば、時刻t1からt2の間のGPSからの位置データが得られていない場合、時刻t1におけるGPS信号と、時刻t1以後のジャイロセンサーからの信号(補間用位置データ)に基づいて、走行ルートを補間するようにしてもよいが、時刻t2において誤差が大きくなる可能性がある。そこで、時刻t1,t2におけるGPSによる位置データと、補間用位置データに基づいて、走行ルートを再現することで精度の良い走行ルートを算出することができる。
【0010】
本発明において、走行ルートは歩行ルートであり、この歩行ルートにおける歩数を画面表示させる歩数表示手段を備えていることが好ましい。歩数表示を行うことで、旅行当時の気分を回想することができる。
【0011】
本発明において、歩行ルートにおける歩数に基づいて疲労度を算出する疲労度算出手段と、
算出された疲労度を画面表示させる疲労度表示手段とを備えていることが好ましい。
【0012】
歩数に基づいて疲労度を算出し、これを画面表示させることで遊び心を演出しながら、旅行当時の気分を回想することができる。疲労度としては、例えば、適宜のアイコンを表示させることができる。
【0013】
上記課題を解決するため本発明に係る電子アルバム作成システムは、
GPS機能を有する位置データ取得装置から取得された位置データと、画像データ撮影装置で取得した画像データとをリンクさせるデータリンク手段と、
位置データの場所を画面表示させるための地図データを記憶する地図データ記憶手段と、
取得された位置データに基づいて、走行ルートを算出するルート算出手段と、
画面表示された地図上に走行ルートを表示させるためのルート表示手段と、
画面表示された地図上に画像を走行ルートに対応させて表示させるための画像表示手段とを備えた電子アルバム作成システムであって、
GPSからの位置データの信号レベルが所定値以下か否かを判定する信号レベル判定手段と、
前記位置データの取得に連動して作動するジャイロセンサーからの補間用位置データを取得する補間データ取得手段と、
前記信号レベルが所定値以下の場合、補間用位置データに基づいて補間された位置データを算出する補間データ算出手段と、
位置データと補間用位置データを出力する位置データ出力手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0014】
かかる電子アルバム作成システムによる作用・効果は、既に述べたとおりである。すなわち、GPS信号のレベルが所定値以下の場合に、補間用位置データに基づいて、補間された位置データが算出される。この補間された位置データを算出するタイミングについては、例えば、実際に旅行に出かけて位置データを取得しているときにリアルタイムで補間を行うようにしても良いし、後日、電子アルバムの編集を行うときに走行ルートを補間するようにしてもよい。その結果、GPS機能により位置データが取得できない場合でも、走行ルートを算出することができ、画像データをリンクできる電子アルバム作成システムを提供することができる。
【0015】
本発明において、前記信号レベルが所定値以下から所定値以上に回復したとき、算出された補間用位置データと、前記回復時に得られた位置データとに基づいて、算出された補間用位置データを修正可能な補間データ修正手段を備えていることが好ましい。
【0016】
リアルタイムで補間用位置データにより補間する場合、GPSからの信号レベルが回復したときに、補間した位置データと、GPSからの位置データとに誤差が生じていることがある。そこで、回復時に得られた位置データに基づいて、一度算出された補間用位置データを修正するようにすることで、精度の良い走行ルートを得ることができる。
【0017】
上記課題を解決するため本発明に係る電子アルバム作成プログラムは、
GPS機能を有する位置データ取得装置から取得された位置データと、画像データ撮影装置で取得した画像データとをリンクさせるデータリンク処理と、
位置データの場所を画面表示させるための地図データを読み出す処理と、
取得された位置データに基づいて、走行ルートを算出する処理と、
画面表示された地図上に走行ルートを表示させるための処理と、
画面表示された地図上に画像を走行ルートに対応させて表示させるための処理と、
前記位置データの取得に連動して作動するジャイロセンサーからの補間用位置データを取得する処理と、
GPSからの位置データが得られていない場合、補間用位置データに基づいて走行ルートを補間する処理とをコンピュータに実行させることを特徴とするものである。
【0018】
かかる電子アルバム作成プログラムによる作用・効果は、既に述べたとおりである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明に係る電子アルバム作成システム(装置)の好適な実施形態を図面を用いて説明する。図1は、電子アルバム作成システムの概要を示す模式図である。
【0020】
<システムの構成>
図1において、画像データ撮影装置であるデジタルカメラ1により、画像データを取得することができる。撮影された画像データは、記憶メディア2に格納される。記憶メディア2としては、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア(登録商標)等の適宜の記憶媒体を用いることができる。また、画像データは所定の形式(JPEG等)の画像ファイルで保存され、そのヘッダ部分にExifデータも合わせて保存される。Exifデータとして、撮影時刻データ(年月日時分秒)や画像データサイズ(幅・高さ)などの画像データに付随するデータが格納される。
【0021】
位置データ取得装置3は、デジタルカメラ1と一緒に持ち歩くことで、位置データを取得する機能を有する装置である。例えば、万歩計(登録商標)に位置データ取得装置3の機能を持たせることができる。GPSセンサー4は、人工衛星からの電波を受信する。受信した信号に基づいて、位置データ(緯度・経度データ)を取得することができる。位置データは、位置データ保存部5に保存することができる。時計手段6は、現在時刻データを発生する機能を有しており、位置データ保存部5には位置データが時刻データとリンクした状態で保存される。
【0022】
ジャイロセンサー7は、GPSセンサー4で位置データが取得できないときに、位置データを補間するために設けられる。ジャイロセンサー7により、歩行者の歩行状態を検出することができ、補間データ保存部8に補間用位置データが保存される。補間用位置データも、時刻データとリンクした形で保存される。歩数計測手段9は、万歩計(登録商標)の機能として備わっているものであり、位置データ取得装置3を所持する者の歩数データを計測する。歩数データも時刻データとリンクさせて保存することができる。データ出力部10からは、位置データ、補間用位置データ、歩数データなどを出力することができる。例えば、パソコンとUSBケーブル等により接続することができ、保存したデータを読み出すことができる。
【0023】
次に電子アルバム作成装置20について説明する。電子アルバム作成装置20は、所定の電子アルバム作成プログラムをパソコン等のコンピュータにインストールすることで実現することができる。電子アルバムは、パソコンの画面上でアルバムを楽しむものであり、特に本発明の場合、モニターに地図を表示させて、この地図上に歩行ルート(走行ルートの1例)と画像を表示させることで、旅行で味わった気分を楽しむことができるようにしたものである。
【0024】
画像データ取得手段21は、記憶メディア2に格納されている画像データを取得する機能を有する。取得した画像データは、画像データ記憶手段22に記憶させることができる。位置データ取得手段23は、位置データ取得装置3から位置データを取得することができる。補間データ取得手段24は、位置データ取得装置3から補間用位置データを取得することができる。地図データ記憶手段25は、位置データに対応して地図を表示するための地図データが保存されている。コンテンツ取得手段26は、地図上にコンテンツを表示させるためのコンテンツデータを取得する。コンテンツデータは、例えば、観光スポットの説明を行うためのテキストデータ、動画データ、画像データ、音声データなどにより構成される。コンテンツデータは、適宜の記憶メディアを介して取得することもできるし、パソコン内で編集することで創作・取得することもできる。また、コンテンツデータは取得した画像データとリンクさせることもできる。例えば、画像に関連したコメントをコンテンツデータとすることができる。
【0025】
データリンク手段28は、取得した画像データと位置データ、補間用位置データとをリンクさせることができる。いずれのデータも時刻データとリンクさせているので、この時刻データを介してリンクさせることができる。
【0026】
ルート算出手段29は、取得した位置データに基づいて歩行ルートを算出することができる。ルート表示手段30により、歩行ルートは画面表示される地図上に重ねて表示することができる。また、画像データと位置データを対応付けることができるため、画像データとリンクされている地図上の位置で画像を表示させることができる。これは、画像表示手段31の機能に基づくものであり、表示される画像の画像データを画像データ記憶手段22から読み出して、表示される場所や大きさを設定する。例えば、サムネイル画像として表示させることができる。
【0027】
歩行ルートの算出は、基本的にGPSによる位置データに基づいて算出することができるが、GPSセンサーの信号が常に得られるわけではなく、建物の中に入った場合は電波信号が微弱になり、GPSによる位置データが得られないことがある。例えば、博物館に入っていろいろな写真撮影を行ったとしても、位置データが取得できなければ、走行ルートを再現することができなくなる。この場合は、ジャイロセンサー7から得られた補間用位置データを用いて走行ルートの補間を行う。ルート補間手段32は、補間用位置データに基づいて、走行ルートを補間する機能を有する。ルート表示手段30は、歩行ルートが補間された場合は、補間された結果の走行ルートを表示する。
【0028】
歩数データ取得手段33は、位置データ取得装置1から歩数データを取得することができる。歩数データは、時刻データとリンクして得ることができるので、これに基づいて、走行ルート上の任意の地点間の歩数を算出することができる。歩数表示手段34は、画面上に表示されている走行ルートに関連付けて歩数を表示させることができる。例えば、画像を撮影した撮影地点と別の撮影地点間の歩数を表示させたり、任意の地点間の歩数を表示させることができる。
【0029】
疲労度算出手段35は、獲得した歩数データに基づいて、疲労度を算出することができる。例えば、歩数値を数段階に分けて、疲労度小・中・大のようにランク分けすることができる。疲労度表示手段36は、算出された疲労度を画面表示させることができる。例えば、走行ルートの各撮影地点における疲労度をアイコン等で表示させることができる。
【0030】
表示処理部37は、モニター38の画面に電子アルバムを表示させるための処理を行う。先ほど説明した画像表示手段31、歩数表示手段34、疲労度表示手段36による処理結果をモニター画面に表示させるようにする。また、地図データ記憶手段25に記憶させている地図データの表示処理や、その他のユーザーインターフェースのための表示画面を提供させる。
【0031】
出力処理部39は、スピーカー40やプリンター41へデータを出力するための処理を行う。例えば、画像データを写真プリントとして作成するためには、プリント画像データを生成してプリンター41へ出力させる。プリンター41は、インクジェットプリンター、サーマルプリンター、写真現像式プリンター等の適宜のものを使用することができる。また、コンテンツデータが音楽データや音声データである場合、それをスピーカーから出力させるためのデータ処理を行う。
【0032】
入力操作部42は、キーボードやマウス等により構成され、入力操作部42を介して入力されたデータや指令は、入力処理部43において処理される。
【0033】
電子アルバム記録手段44は、電子アルバム作成装置20により作成した電子アルバムを適宜の記憶メディア45に記録する機能を有する。これにより、他のパソコンでも電子アルバムを閲覧できるようになる。また、写真店に設置される写真処理装置に電子アルバム作成装置20を組み込むことで、顧客へのサービスの1つとして、電子アルバムを提供することができる。すなわち、顧客は記憶メディア45と、位置データ取得装置3により取得したデータを写真店に提供することで、電子アルバムが組み込まれた記憶媒体を受け取ることができる。
【0034】
<電子アルバムの表示形態1>
次に、電子アルバムの表示形態について図2により説明する。図2において、地図上に撮影地点がC1〜C7で示されている。各撮影地点C1〜C7には、画像データ記憶手段20に記憶されている画像データが、例えばサムネイル画像G1〜G7で表示される。また、各撮影画像データは撮影時刻データも有しており、同じく時刻データを有する位置データとに基づいて、仮想軌跡VRを描くことができる。
【0035】
図2に示す電子アルバムの表示形態としては種々のものが考えられる。例えば、仮想軌跡VRに沿ってアイコンあるいはキャラクター50を移動させ、撮影地点に到達すると、そこで撮影された画像データをサムネイル画像でポップアップさせて表示させることができる。すなわち、仮想軌跡VRのスタート時点にスタートボタン51を配置し、これをクリックすることで、キャラクター50が移動し、撮影地点C1〜C7に到達するごとに、サムネイル画像が表示される。これにより、旅行で味わった気分を思い出すことができる。また、撮影された画像データにコンテンツデータが関連付けされている場合は、そのコンテンツデータも表示させることができる(D1〜D7)。またサムネイル画像をクリックすることで、拡大された画像に切り替え可能にすることもできる。
【0036】
その他の電子アルバム表示態様としては、図2における表示画面において、撮影されたすべての画像と、これに関連付けされたコンテンツを同時に表示させてもよい。あるいは、画像やコンテンツデータの表示は、通常は行わず、撮影地点C1〜C7をクリックすることで、画像を表示させたりコンテンツデータを表示させたりすることができる。また、画像のみを表示させ、さらにこの画像をクリックすることでコンテンツデータを表示させるようにしても良い。また、コンテンツデータには、撮影地点と関連のないものも記憶されている。例えば、P1に示す領域にはコンテンツデータDaのみが記憶されている。かかる場合は、その領域P1をクリックすることで、コンテンツデータを表示させることができる。
【0037】
位置データについては、GPSセンサー4に基づいて取得できるデータであるが、GPSセンサー4からの信号が微弱になり(あるいは、全く得られなくなり)、精度の良い位置データを取得できないことがある。例えば、博物館のような建物の中に入った場合である。図2では、建物領域52を枠線で概念的に示している。この場合は、補間データ取得手段24により取得した補間用位置データにより経路を補間する。走行ルートの補間演算は、ルート補間手段32により補間される。補間された走行ルートはVR’で示されている。これにより、建物の内外で走行ルートがスムーズに連結される。
【0038】
補間演算は、撮影地点C2とC6の位置データ(これらはGPSセンサー4から得られる)と、C2・C6間の補間用位置データに基づいて行うことができる。あるいは、建物の内外の境界における地点e1,e2における位置データ(GPSセンサー4から得られる)と、e1,e2間の補間用位置データに基づいて行うことができる。
【0039】
なお、撮影地点C2での位置データ、あるいは、e1での位置データと、補間用位置データに基づいて補間演算を行った場合は、破線で示す走行ルートVR’’のように、誤差が生じることがあるので、その後にGPSセンサー4からの信号が復活したときの位置データ、すなわちe2での位置データを用いて演算することが好ましい。
【0040】
<電子アルバムの表示形態2>
次に、電子アルバムの別の表示形態を図3により説明する。地図表示エリア56には、図2で説明した地図と仮想軌跡VRが表示される。撮影地点C1〜C7には、撮影された画像データが存在することを示すカメラアイコンが表示されている。撮影地点における画像枚数が複数存在する場合は、その枚数も合わせて表示される。例えば、撮影地点C2では、画像データが5枚存在することが表示されている。
【0041】
画像表示エリア53は、撮影地点において撮影された画像データを表示するエリアである。コンテンツ表示エリア54は、画像表示エリア53に表示されている画像に関連付けられたコンテンツを表示させるエリアである。調整ボタン55は、コンテンツの表示態様を調整するためのボタンである。例えば、コンテンツが動画データであれば、その再生速度などを調整することができる。
【0042】
この図3において、キャラクター50を仮想軌跡VRに沿って移動させ、キャラクター30がある撮影地点に到達すると、その地点における画像データとコンテンツデータが、夫々エリア53,54に表示されることになる。例えば、キャラクター50が撮影地点C2に到達すると、その地点で撮影された画像とこれに関連付けられたコンテンツが表示され、この表示はキャラクター50が次の撮影地点C3に到達するまで続けられる。また、画像が表示されている撮影地点C2におけるカメラアイコンが点滅したり別の色に変化することで、どの撮影地点における画像が表示されているのかを知らせることができる。
【0043】
また、撮影地点C2でキャラクター50が所定時間停止するようにし、その停止している間だけ表示するようにしてもよい。また、コンテンツが動画データである場合は、その再生時間を確保できるように、キャラクター50の停止時間や移動速度を調整できるようにしておくことが好ましい。また、コンテンツデータとして、音楽データや音声データを記憶させておくことができ、その場合はパソコンに内蔵あるいは外付けされたスピーカにより音楽が再生される。また、コンテンツデータとして表示エリア54にテキストデータを表示させる場合、これを音声により再生することもできる。例えば、観光スポットの説明を音声で行うようにできる。
【0044】
<電子アルバムの表示形態3>
図4は、電子アルバムの更に別の表示形態を示す図である。地図表示エリア56と画像表示エリア53に関しては、図3と同じである。画像の左側に、疲労度表示エリア57が設けられている。これは、撮影地点C1,C2・・とその間の歩数と、撮影地点における疲労度をアイコンで表示したものである。歩数を示すデータは、歩数データ取得手段33により取得することができ、各撮影地点間における歩数を演算することができる。図例で、撮影地点C2における歩数150は、撮像装置C1・C2間における歩数が示されている。歩数表示に隣接して、アイコンにより疲労度が表示される。切り換えボタン58をクリックすることで、図3に示したようなコンテンツデータを表示する状態に切り替えることができる。
【0045】
<走行ルート算出までの手順>
次に、走行ルートを算出するまでの手順を図5のフローチャートにより説明する。デジタルカメラ1により撮影された画像データが格納された記憶メディア2から画像データを取得する(#1)。画像データは、画像データ記憶手段22に記憶される。また、位置データ取得装置3から位置データを取得する(#2)。画像データは、位置データと関連付けされた状態で保存される。また、補間用位置データがある場合は、これを取得する(#3)。
【0046】
取得した位置データに基づいて、走行ルートを演算する(#4)。走行ルートの演算は、地図上に表示するために行われるものである。位置データは、時間の経過と共に時々刻々と得られるものであり、厳密に走行ルートを演算することができるが、演算精度は必要に応じて設定することができる。例えば、画像を撮影した撮影地点のみの位置データを獲得し、各撮影地点間を直線で結ぶような走行ルートを求めても良い。また、各撮影地点を通過する関数(曲線)を演算して、これを表示させるようにしても良い。
【0047】
走行ルートを演算するに際して、ルートの補間を行う必要があるか否かを判断する(#5)。ステップ#3にて、補間用位置データを取得していなければ、補間の必要はないが、取得していればルートの補間演算を行う(#6)。ルートの補間演算が終了すると、走行ルートをモニター38に表示させる。また、演算した走行ルートについては、記憶手段に記憶しておことができる。
【0048】
<走行ルート補間の別実施例>
次に、走行ルートの補間演算を行う場合の別実施形態を説明する。図1で説明したのは、位置データと補間用位置データのすべてをいったん取得してから走行ルートを補間する場合の構成例である。これに換えて、位置データと補間用位置データをリアルタイムで取得しながら、走行ルートを演算することもできる。これを図6のフローチャートにより説明する。
【0049】
まず、位置データを取得する(#10)。この位置データの信号レベルが所定値以上であるか否かを判断する(#11)。所定値以上であれば、これに基づいて、走行ルートを演算する(#12)。演算処理を終了するか否かを判断する(#13)。終了でなければ、ステップ#11に戻り、走行ルートの演算処理を続行する。終了であれば、走行ルートを記憶させる(#14)。演算終了は、例えば画像データの撮影が終了したことを表す指令信号に基づいて判断可能である。
【0050】
ステップ#11で信号レベルが所定値未満であれば、補間用位置データをジャイロセンサー7から取得する(#15)。例えば、図7に示すように、地点C10〜C11までは、GPSセンサー4から得られる位置データに基づいて、仮想経路VRが演算される。C11地点で、信号レベルが低下した場合、補間用位置データを用いて走行ルートの補間演算を行う(#16)。この補間演算は、C11地点における位置データと、その後に獲得される補間用位置データに基づいて行うことができ、補間された仮想経路がVR1で示される。次に信号レベルが回復したか否かを判断し(#17)、回復していなければステップ#15に戻り、補間用位置データに基づく補間演算を続行する。
【0051】
信号レベルが回復すると、GPSセンサー4による位置データに基づいて、走行ルートを演算できるが、その際に走行ルートの修正演算を行う(#18)。この修正演算について説明すると、図7に示すように、C12地点から信号レベルが回復して仮想経路VRが演算されるとすると、補間演算で求めた経路の終点C12’と、信号レベルが回復した地点C12とで位置ズレが生じることがある。そこで、補間演算した走行ルートを修正するための修正演算が行われる。この修正演算は、C11,C12地点におけるGPSセンサー4からの位置データと、C11,C12間における補間用位置データに基づいて行われる。これにより、経路VR1はVR2に修正され、走行ルートを連続させることができる。
【0052】
<別実施形態>
本実施形態では、デジタルカメラ1(画像データ撮影装置)と、位置データ取得装置3とが別体の装置として示されているが、位置データ取得装置3の機能の一部もしくは全部をデジタルカメラ1に組み込んでも良い。
【0053】
本実施形態にかかる電子アルバム作成装置は、図1で説明した所望の機能を有するソフトウェア(電子アルバム作成プログラム)をパソコンにインストールすることで、各家庭内において楽しむことができるものであるが、写真店に設置される写真処理装置や注文受付端末に上記ソフトウェアをインストールして使用してもよい。また、上記電子アルバム作成プログラムは、写真店が提供するサービスの1つとして、顧客に対して提供できるようにしてもよい。プログラムは、CD−R等の記憶メディアに格納した状態で提供することができる。また、顧客がネガフィルムに形成されたコマ画像のCD−R等への書き込みを依頼した場合、上記電子アルバム作成プログラムも合わせて提供するようにできる。
【0054】
位置データや補間用位置データを取得するタイミングについては、例えば、適宜の周期で行うことができる。例えば、1分間隔、5分間隔で位置データ等の取得を行うことができる。これにより、データ量をいたずらに増大させなくてすむ。また、画像を撮影した場合は、必ず位置データを取得するようにすることが好ましい。
【0055】
また、本実施形態の中でコンテンツデータは記録媒体から読み取ったり、パソコンで編集して作成することを示したが、コンビニ等に電子アルバム作成装置を置いて、その装置の中にコンテンツデータを記憶させておけば、走行ルートに準じたコンテンツデータ(走行ルートから一定距離にあるコンテンツデータを提示)を電子アルバム作成者に提供し、選択させることができる。これは、博物館のような巨大な建物の中では、複数のコンテンツデータを電子アルバム作成装置内に記憶させる必要性が発生し、著名な名画であれば、それに応じたコンテンツデータが用意されることになる。
【0056】
従って、本実施形態で示したようなルート補間手段で補間され、得られたルート情報には正確性が要求されることから、GPSセンサーで測定された位置データから走行ルートが補間される意義は極めて大きいものである。さらに、コンテンツデータを作成者に提示するために、参照される地図データは、得られた走行ルートと照らし合わせてコンテンツデータを検索するため、表現精度の高いものを用意しておく必要はあるが、電子アルバムを再現する際の地図データは、簡略化されたS字状のものでもよいことは言うまでもない。電子アルバムは、旅情気分を再現するためのものであり、S字状の走行ルートに撮影地点とコンテンツデータを貼り付けるだけで十分な場合が多い。従って、位置データの場所を画面表示させるための地図データは、表現精度が高いものが要求されるが、本発明において、画面表示される地図データは必ずしも表現精度の高いものに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】電子アルバム作成システムの概要を示す模式図
【図2】電子アルバムの表示例1を示す図
【図3】電子アルバムの表示例2を示す図
【図4】電子アルバムの表示例3を示す図
【図5】走行ルートを算出するまでの手順を示すフローチャート
【図6】走行ルートを算出するまでの別手順を示すフローチャート
【図7】走行ルートの修正演算を示す概念図
【符号の説明】
【0058】
1 デジタルカメラ
2 記憶メディア
3 位置データ取得装置
4 GPSセンサー
5 位置データ保存部
6 時計手段
7 ジャイロセンサー
8 補間データ保存部
9 歩数計測手段
20 電子アルバム作成装置
21 画像データ取得手段
22 画像データ記憶手段
23 位置データ取得手段
24 補間データ取得手段
25 地図データ記憶手段
28 データリンク手段
29 ルート算出手段
30 ルート表示手段
31 画像表示手段
32 ルート補間手段
33 歩数データ取得手段
34 歩数表示手段
35 疲労度算出手段
36 疲労度表示手段
44 電子アルバム記録手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
GPS機能を有する位置データ取得装置から取得された位置データと、画像データ撮影装置で取得した画像データとをリンクさせるデータリンク手段と、
位置データの場所を画面表示させるための地図データを記憶する地図データ記憶手段と、
取得された位置データに基づいて、走行ルートを算出するルート算出手段と、
画面表示された地図上に走行ルートを表示させるためのルート表示手段と、
画面表示された地図上に画像を走行ルートに対応させて表示させるための画像表示手段とを備えた電子アルバム作成装置であって、
前記位置データの取得に連動して作動するジャイロセンサーからの補間用位置データを取得可能な補間データ取得手段と、
GPSからの位置データが得られていない場合、補間用位置データに基づいて走行ルートを補間するルート補間手段とを備えていることを特徴とする電子アルバム作成装置。
【請求項2】
前記ルート補間手段は、位置データが得られていない時間帯の前後における位置データと、取得した補間用位置データとに基づいて、走行ルートを補間することを特徴とする請求項1に記載の電子アルバム作成装置。
【請求項3】
前記走行ルートは歩行ルートであり、この歩行ルートにおける歩数を画面表示させる歩数表示手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子アルバム作成装置。
【請求項4】
歩行ルートにおける歩数に基づいて疲労度を算出する疲労度算出手段と、
算出された疲労度を画面表示させる疲労度表示手段とを備えていることを特徴とする請求項3に記載の電子アルバム作成装置。
【請求項5】
GPS機能を有する位置データ取得装置から取得された位置データと、画像データ撮影装置で取得した画像データとをリンクさせるデータリンク手段と、
位置データの場所を画面表示させるための地図データを記憶する地図データ記憶手段と、
取得された位置データに基づいて、走行ルートを算出するルート算出手段と、
画面表示された地図上に走行ルートを表示させるためのルート表示手段と、
画面表示された地図上に画像を走行ルートに対応させて表示させるための画像表示手段とを備えた電子アルバム作成システムであって、
GPSからの位置データの信号レベルが所定値以下か否かを判定する信号レベル判定手段と、
前記位置データの取得に連動して作動するジャイロセンサーからの補間用位置データを取得する補間データ取得手段と、
前記信号レベルが所定値以下の場合、補間用位置データに基づいて補間された位置データを算出する補間データ算出手段と、
位置データと補間用位置データを出力する位置データ出力手段とを備えていることを特徴とする電子アルバム作成システム。
【請求項6】
前記信号レベルが所定値以下から所定値以上に回復したとき、算出された補間用位置データと、前記回復時に得られた位置データとに基づいて、算出された補間用位置データを修正可能な補間データ修正手段を備えていることを特徴とする請求項5に記載の電子アルバム作成システム。
【請求項7】
GPS機能を有する位置データ取得装置から取得された位置データと、画像データ撮影装置で取得した画像データとをリンクさせるデータリンク処理と、
位置データの場所を画面表示させるための地図データを読み出す処理と、
画像データにリンクされた位置データに基づいて、走行ルートを算出する処理と、
画面表示された地図上に走行ルートを表示させるための処理と、
画面表示された地図上に画像を走行ルートに対応させて表示させるための処理と、
前記位置データの取得に連動して作動するジャイロセンサーからの補間用位置データを取得する処理と、
GPSからの位置データが得られていない場合、補間用位置データに基づいて走行ルートを補間する処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする電子アルバム作成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−279266(P2006−279266A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−92211(P2005−92211)
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】