説明

電子カメラ

【課題】 本発明は、LCDの動画のぼけ感を抑制するとともに、画像の明るさも確保する工夫が施された電子カメラを提供する。
【解決手段】 電子カメラは、撮像素子と、液晶表示部と、撮影モード切替部と、バックライト制御部と、を備える。撮像素子は、被写体を撮像して画像を生成する。液晶表示部は、画像を表示する液晶表示パネルと、液晶表示パネルの背面側に配置され、連続発光若しくはパルス発光するバックライトとを有する。撮影モード切替部は、動きのある被写体を撮影する撮影モードを含む複数の撮影モードの中から任意の撮影モードに切り替える。バックライト制御部は、撮影モードに応じてバックライトの発光状態を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示機能を備える電子カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、液晶表示機能を備える電子カメラとして、電子ビューファインダ(EVF:Electrical View Finder)を備える電子カメラが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
EVFでは、一例として、液晶表示パネル(LCD:Liquid Crystal Display)の背面側に蛍光管やLED(Light Emitting Diode)等のバックライトを配置している。
【0004】
一般にLCDはCRT(Cathode Ray Tube)と比較して動画のぼけが目立つと言われている。そのため、電子カメラのファインダとしてEVFを用いた場合、従来の光学式ファインダ(OVF:Optical View Finder)と比較して、ぼけ気味に見える場合が起こり得る。従って、動いている被写体を撮影しようとする場合には、いわゆるファインダ像が見えにくくなる。
【0005】
そこで、LCDの動画画質を改善する技術として、「疑似インパルス駆動」と称される手法が知られている。この疑似インパルス駆動では、LEDのバックライトをパルス発光とすることで、動画のぼけ感を改善することができる。
【特許文献1】特開2005−26887号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、疑似インパルス駆動では、LEDのバックライトをパルス発光とすることにより光量が減るため、LCDの動画のぼけ感を解消しても撮影条件によっては画像が暗くなるという問題が生じてしまう。
【0007】
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、LCDの動画のぼけ感を抑制するとともに、画像の明るさも確保する工夫が施された電子カメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明に係る電子カメラは、撮像素子と、液晶表示部と、撮影モード切替部と、バックライト制御部と、を備える。撮像素子は、被写体を撮像して画像を生成する。液晶表示部は、画像を表示する液晶表示パネルと、液晶表示パネルの背面側に配置され、連続発光若しくはパルス発光するバックライトとを有する。撮影モード切替部は、動きのある被写体を撮影する撮影モードを含む複数の撮影モードの中から任意の撮影モードに切り替える。バックライト制御部は、撮影モードに応じてバックライトの発光状態を制御する。
【0009】
第2の発明に係る電子カメラは、撮像素子と、液晶表示部と、操作部と、バックライト制御部と、を備える。撮像素子は、被写体を撮像して画像を生成する。液晶表示部は、画像を表示する液晶表示パネルと、液晶表示パネルの背面側に配置され、連続発光若しくはパルス発光するバックライトとを有する。操作部は、バックライトの発光状態の設定条件をマニュアル操作で設定する。バックライト制御部は、操作部の設定条件に応じてバックライトの発光状態を制御する。
【0010】
第3の発明に係る電子カメラは、撮像素子と、液晶表示部と、動き検出部と、バックライト制御部と、を備える。撮像素子は、被写体を撮像して画像を生成する。液晶表示部は、画像を表示する液晶表示パネルと、液晶表示パネルの背面側に配置され、連続発光若しくはパルス発光するバックライトとを有する。動き検出部は、被写体の動きを検出する。バックライト制御部は、動き検出部の検出結果に応じてバックライトの発光状態を制御する。
【0011】
第4の発明は、第1から第3のいずれか1の発明において、バックライト制御部は、パルス発光のデューティ比を変えることによりバックライトの発光状態を制御する。
【0012】
第5の発明は、第4の発明において、バックライト制御部は、パルス発光のデューティ比の変更に応じて、バックライトに供給する電流を制御する。
【0013】
第6の発明は、第5の発明において、バックライト制御部は、パルス発光のデューティ比の変更に拘わらず、バックライトに供給する電流の積分値を一定に制御する。
【0014】
第7の発明は、第1から第3のいずれか1の発明において、パルス発光の発光状態に応じて、画像の輝度を補正する輝度補正部をさらに備える。
【0015】
第8の発明は、第1から第3のいずれか1の発明において、焦点距離を変更するズーム制御部をさらに備え、バックライト制御部は、焦点距離に応じてバックライトの発光状態を制御する。
【0016】
第9の発明は、第1から第3のいずれか1の発明において、バックライト制御部は、シャッタースピードの設定値に応じて、バックライトの発光状態を制御する。
【0017】
第10の発明は、動きのある撮影モードが、スポーツシーンを撮影するスポーツモードであって、バックライト制御部は、スポーツモードが選択された場合には、バックライトをパルス発光させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の電子カメラによれば、LCDの動画のぼけ感を抑制するとともに、画像の明るさも確保する工夫が施された電子カメラが得られる。これにより、ユーザの利便性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(第1実施形態)
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0020】
図1は、第1実施形態の電子カメラ1を側面から見た概略断面図である。図1に示す通り電子カメラ1は、カメラ本体10と、撮影レンズ10aを収容したレンズユニット10bとを有する。
【0021】
カメラ本体10には、撮像素子14と、CPU(Central Processing Unit)21、第1液晶表示部23と、接眼レンズ3と、第2液晶表示部25とが配置されている。撮像素子14は、撮影レンズ10aの光軸に沿って配置されている。第1液晶表示部23及び接眼レンズ3はカメラ本体10内の上部領域に配置されている。第1液晶表示部23は、第1液晶表示パネル23aと、連続発光若しくはパルス発光する第1LED23bとを有する。第2液晶表示部25は電子カメラ1の背面に配置されている。第2液晶表示部25は、第2液晶表示パネル25aと、連続発光若しくはパルス発光する第2LED25bとを有する。また、カメラ本体10の上面には、レリーズボタン20aが備えられている。
【0022】
図2は、図1に示す電子カメラ1の背面図である。図2に示す通り、電子カメラ1の背面側には、接眼レンズ3(不図示)を介して第1液晶表示パネル23aと、第2液晶表示パネル25aと、広角ズームキー20bと、望遠ズームキー20cと、電源ボタン20dと、メニュー切替・実行キー20eとが備えられている。第1液晶表示パネル23aは、電子ビューファインダ(EVF)として機能する。第2液晶表示パネル25aは、静止画像、構図確認用のスルー画像、電子カメラ1の操作メニュー等を表示する。広角ズームキー20bは、焦点距離を広角側に変更するための操作ボタンである。望遠ズームキー20cは、焦点距離を望遠側に変更するための操作ボタンである。電源ボタン20dは、電子カメラ1の電源をオンオフするボタンである。メニュー切替・実行キー21eは、電子カメラ1で使用されるメニューを自在に切り替えて設定条件を選択若しくは実行する操作ボタンである。
【0023】
図3は、電子カメラ1の構成を示すブロック図である。図3に示す通り電子カメラ1には、撮影レンズ10aと、レンズユニット10bと、撮影レンズ駆動部11と、絞り12と、絞り駆動部13と、撮像素子14と、タイミングジェネレータ(TG)15と、アナログフロントエンド部(以下、「AFE」という。)16と、画像処理部17と、RAM(Random Access Memory)18と、ROM(Read Only Memory)19と、操作部20と、CPU21と、第1表示ドライバ22、第1液晶表示部23、第2表示ドライバ24、第2液晶表示部25、記録インターフェース(記録I/F)26と、記録媒体27と、接眼検出部28、バス29とが備えられている。このうち画像処理部17、RAM18、ROM19、CPU21、第1表示ドライバ22、第2表示ドライバ24、記録インターフェース(記録I/F)26及び接眼検出部28は、バス29を介して互いに接続されている。また、操作部20はCPU21に接続されている。
【0024】
撮影レンズ10aは、ズームレンズと、フォーカスレンズとを含む複数のレンズ群で構成されている。なお、簡単のため、図3では、撮影レンズ10aを1枚のレンズとして図示する。撮影レンズ10aを構成する各々のレンズは、撮影レンズ駆動部11によって光軸方向に移動する。なお、撮影レンズ駆動部11の入出力はCPU21と接続されている。
【0025】
絞り12は、撮影レンズ10aからの入射光量を調整する。絞り12の開口量は、絞り駆動部13によって調整される。なお、絞り駆動部13の入出力はCPU21と接続されている。
【0026】
撮像素子14は、撮影レンズ10aからの入射光を光電変換することにより、画像信号(アナログ信号)を生成する。なお、撮像素子14は、撮影時に記録用の画像を出力する。また、撮影待機時には、撮像素子14は、構図確認用のスルー画像を出力する。
【0027】
また、タイミングジェネレータ(TG)15は、CPU21からの指示に従い撮像素子14及びAFE16の各々へ向けて駆動信号を送出し、それによって両者の駆動タイミングを制御する。
【0028】
AFE16は、撮像素子14が生成する画像信号に対して信号処理を施すアナログフロントエンド回路である。このAFE16は、画像信号のゲイン調整や、画像信号のA/D変換などを行う。このAFE16が出力する画像信号(デジタル信号)は、画像処理部17へ入力される。
【0029】
画像処理部17は、AFE16が出力するRGB信号の画像データをRAM18のフレームメモリに一時的に記憶させる。また、画像処理部16はRGB信号の画像データを輝度(Y)と色(C)とで表されるYC信号の画像データに変換する。
【0030】
また、画像処理部17は、フレームメモリに記憶されている画像データに対してホワイトバランス補正処理、ゲインコントロール処理などの画像処理を行う。
【0031】
第1液晶表示部23は、上述した通り、第1液晶表示パネル23aと第1LED23bとを有する。第1LED23bは、第1液晶表示パネル23aの背面側に配置されている。第1表示ドライバ22は、後述するCPU21のバックライト制御部21aの指示を受けてパルス発光のデューティ比を変えることにより第1LED23bの発光状態を制御する。第1LED23bは、複数のLEDで構成されている。
【0032】
また、第2液晶表示部25は、上述した通り、第2液晶表示パネル25aと、第2LED25bとを有する。第2LED25bは、第2液晶表示パネル25aの背面側に配置されている。第2表示ドライバ24は、第1表示ドライバ22と同様、バックライト制御部21aの指示を受けてパルス発光のデューティ比を変えることにより第2LED25bの発光状態を制御する。第2LED25bも、複数のLEDで構成されている。なお、バックライトとしてはLEDに限られず、パルス発光可能なバックライトであればよい。
【0033】
接眼検出部28は、ユーザの視線が第1液晶表示パネル23aに向けられているか否かを検出するセンサである。このセンサは、一例として特開2002−156675号公報に記載されている接眼検出処理を行うことにより、ユーザの視線が第1液晶表示パネル23aに向けられているか否かを検出する。
【0034】
本実施形態の電子カメラ1は、電源がオンになると第2液晶表示部25が動作する。この状態で、接眼検出部28は、ユーザの視線が第1液晶表示パネル23aに向けられていることを検出すると、第2表示ドライバ24は、第2LED25bの発光を停止させる。一方、第1表示ドライバ22は、第1LED23bの発光を開始させる。
【0035】
また、接眼検出部28は、ユーザの視線が第1液晶表示パネル23aに向けられていないことを検出すると、第1表示ドライバ22は、第1LED23bの発光を開始させず、一方、第2表示ドライバ24は、第2LED25bの発光を維持する。これにより、電子カメラ1の電源がオン状態では、第1液晶表示部23若しくは第2液晶表示部25のいずれか一方が動作する。なお、液晶表示部を2つ備えたのは一例であって、これに限られるものではない。
【0036】
記録インターフェース(記録I/F)26には、記録媒体27を接続するためのコネクタが形成されている。記録インターフェース(記録I/F)26はCPU21からの指示により、そのコネクタに接続された記録媒体27にアクセスして画像の記録処理等を行う。
【0037】
操作部20は、既に図2で説明した電子カメラ1の背面及び上面に備えられている各操作ボタン(レリーズボタン20a、広角ズームキー20b、望遠ズームキー20c、電源ボタン20d及びメニュー切替・実行キー20e)の操作を受付けてCPU21に処理の命令を出す。
【0038】
本実施形態では、撮影モードとして、一般的な撮影のオートモードに加え、動きのある被写体を撮影するのに適したスポーツモード、風景の撮影に適した風景モード、人物の撮影に適したポートレートモードが予め用意されている。これらの撮影モードは、ユーザが操作部20を介して選択する。なお、オートモードでは、被写体が動いている場合や被写体が動いていない場合も想定される。そのため、オートモードでは被写体が動いている場合を想定し、後述するようにパルス発光を行う。
【0039】
CPU21は、電子カメラ1の統括的な制御を行うプロセッサである。CPU21は、ROM19に予め格納されたシーケンスプログラムを実行することにより、各処理のパラメータを算出したり、電子カメラ1の各部を制御したりする。また、本実施形態のCPU21は、バックライト制御部21a、輝度補正部21bとして機能する。
【0040】
バックライト制御部21aは、パルス発光のデューティ比を変えることにより第1LED23b若しくは第2LED25bの発光状態を制御する。また、バックライト制御部21aは、スポーツモードやオートモードの場合、ズームレンズの焦点距離に応じて第1LED23b若しくは第2LED25bの発光状態をさらに変更する。
【0041】
輝度補正部21bは、パルス発光のデューティ比を変えることにより光量が減る分、画像が暗くなるのを補う処理を行う。一例として、輝度補正部21bは、画像全体に対して輝度を上げる。
【0042】
バックライト制御部21aは、撮影モードと、第1LED23b若しくは第2LED25bの発光状態との対応関係が予め記憶されているテーブルを参照し、テーブルに基づいて発光状態を制御する。このテーブルは予めROM19に記憶されている。
【0043】
図4は、デューティ比変更用のテーブルの一例を示す図である。例えば、スポーツモードの場合、焦点距離が予め定めた距離a[mm]以上の場合、パルス発光のデューティ比を40%にする。一方、焦点距離が予め定めた距離a[mm]未満の場合、パルス発光のデューティ比を50%とする。具体的な処理の詳細については後述する。なお、テーブルの項目は、一例であってこれに限定されるものではない。
【0044】
次に、第1実施形態における電子カメラ1の動作の一例を説明する。
【0045】
図5、6は、電子カメラ1の動作の一例を表すフローチャートである。ここでは、ユーザが電子カメラ1の電源をオンすると、前回電源オフしたときの撮影モードが起動する。この状態でユーザが撮影モードの変更を行った場合には、その変更した撮影モードで撮影が行われるものとする。なお、以下の説明では、ユーザが、第2液晶表示パネル25aを見ながら撮影するものとする。また、ユーザが電子カメラ1の電源をオンすると、第2LED25bは連続発光をするものとする。
【0046】
ステップS101:CPU21は、撮影モードを受付ける。
【0047】
ステップS102:CPU21は、撮影モードを判定する。撮影モードがスポーツモードの場合、ステップS103に進むともに、ステップS104の処理に移行する。
【0048】
ステップS104:CPU21は、図3に示す撮影レンズ10aの位置に基づいて現在の焦点距離を検出する。
【0049】
ステップS105:CPU21は、現在の焦点距離が予め定めた距離a[mm](望遠側)以上であるか否かを判定する。現在の焦点距離がa[mm]以上である場合(ステップS105:Yes)、ステップS106に進む。本実施形態では、例えばaは100とする。
【0050】
ステップS106:CPU21は、図4に示すデューティ比変更用のテーブルを参照する。そして、CPU21は、第2LED25bのパルス発光のデューティ比を40%に決定する。CPU21のバックライト制御部21aは、第2LED25bのパルス発光のデューティ比を40%に設定し、第2表示ドライバ24にパルス発光の指示を出す。第2表示ドライバ24は、第2LED25bのパルス発光のデューティ比を40%にして発光させる。
【0051】
図7は、デューティ比を変えた場合のパルス発光の一例を説明する図である。
【0052】
図7(a)は、連続発光の場合における時間と第2LED25bに供給する電流との関係を表している。なお、第1LED23bについても同様とする。スルー画像のフレームレートは、一例として、16.7msとする。連続発光の場合、第2LED25bに供給する電流は連続的に一定である。
【0053】
図7(b)は、パルス発光の場合(デューティ比:50%)における時間と第2LED25bに供給する電流との関係を表している。また、図7(c)は、パルス発光の場合(デューティ比:70%)における時間と第2LED25bに供給する電流との関係を表している。第2表示ドライバ24は、スポーツモードであって焦点距離がa[mm]以上の場合には、図7には示していないが、デューティ比を40%とするデューティサイクルで第2LED25bを発光させる。そして、ステップS107に進む。
【0054】
ステップS107:CPU21の輝度補正部21bは、パルス発光により光量が連続発光に比べて減る分、画像が暗くなるのを補うため画像全体に対して輝度を上げる。輝度補正部21bでは、デューティ比に応じて輝度調整を行う。輝度補正部21bは、例えば、デューティ比40%の場合は、デューティ比50%の場合に比べて輝度を高めに上げるようにする。なお、画像が暗くなるのを防ぐために、以下に説明する方法を採用してもよい。
【0055】
図8は、デューティ比及び第2LED25bに供給する電流を変えた場合のパルス発光の一例を説明する図である。なお、第1LED23bについても同様とする。図8(a)は、連続発光の場合における、時間と第2LED25bに供給する電流との関係を表している。図8(b)は、第2LED25bのデューティ比は50%とし、第2LED25bに供給する電流を図8(a)の場合と比較して2倍にしている。換言すると、パルス発光のデューティ比の変更に関わらず、第2LED25bに供給する電流の積分値は一定となる。こうすると、輝度は連続発光の場合と同様になる。
【0056】
なお、これは一例であって、第2LED25b(第1LED23b)に供給する電流も適宜変更してよい。
【0057】
ステップS108:CPU21は、ユーザのズーム操作により焦点距離に変更が生じたか否かの判定を行う。焦点距離に変更が生じた場合(ステップS108:Yes)、焦点距離検出の処理(ステップS104)に戻る。一方、焦点距離に変更が生じなかった場合(ステップS108:No)、ステップS109に進む。
【0058】
ステップS109:CPU21は、操作部20からの全押し操作を受けて、本画像取得のため、タイミングジェネレータ(TG)15を介して撮像素子14を駆動させる。AFE16では、画像信号のゲイン調整や画像信号のA/D変換が行われる。このAFE16が出力する画像信号(デジタル信号)は、画像処理部17へ入力される。画像処理部17は、AFE16が出力する本画像のデータをRAM18のフレームメモリに記憶させる。
【0059】
ステップS110: 画像処理部17は、ホワイトバランス補正処理などの画像処理を行う。
【0060】
ステップS111:CPU21は、本画像のデータを圧縮処理して記録媒体27に保存する。
【0061】
ステップS112:CPU21は、電源がオフされたか否かを判定する。電源がオフされない場合(ステップS112:No)、再び、ステップS101に戻る。一方、電源がオフされた場合(ステップS112:Yes)、この処理ルーチンは終了する。
【0062】
次に、ステップS105の判定において、現在の焦点距離がa[mm]未満である場合(ステップS105:No)について説明する。この場合、ステップS113に進む。
【0063】
ステップS113:CPU21は、図4に示すデューティ比変更用のテーブルを参照する。そして、CPU21は、第2LED25bのパルス発光のデューティ比を50%に決定する。CPU21のバックライト制御部21aは、第2LED25bのパルス発光のデューティ比を50%に設定し、第2表示ドライバ24にパルス発光の指示を出す。第2表示ドライバ24は、第2LED25bのパルス発光のデューティ比を50%にして発光させる。そして、ステップS114に進む。
【0064】
ステップS114:輝度補正部21bは、パルス発光のデューティ比50%に応じた輝度調整を行う。そして、ステップS108に進む。ステップS108以降の処理は、上述した内容と同様であるため、説明は省略する。
【0065】
なお、上述したステップS108において、焦点距離の変更があった場合であって焦点距離がa[mm]未満からa[mm]以上になれば、その後の処理ルーチンによりCPU21は第2LED25bのデューティ比を50%から40%に変更する。この場合、デューティ比が50%から40%になることで、第2液晶表示パネル25a上では画質がさらに優先されることになる。一般に、パルス発光において、パルス幅が短くなるほど動画のぼけは解消される。一方、焦点距離がa[mm]以上からa[mm]未満になれば、その後の処理ルーチンによりCPU21は第2LED25bのデューティ比を40%から50%に変更する。この場合、デューティ比が40%から50%になることで、第2液晶表示パネル25a上では明るさがさらに優先されることになる。これは、一例であって、焦点距離に応じて多段階にデューティ比を変えてもよい。
【0066】
次に、撮影モードがオートモードの場合について説明する。この場合、ステップS102の撮影モード判定結果を受けて、ステップS115のオートモードの処理に進むとともに、ステップS116の処理に移行する。
【0067】
ステップS116:CPU21は、スポーツモードと同様、撮影レンズ10aの位置に基づいて現在の焦点距離を検出する。
【0068】
ステップS117:CPU21は、現在の焦点距離が予め定めた距離a[mm]以上であるか否かを判定する。現在の焦点距離がa[mm]以上である場合(ステップS117:Yes)、ステップS118に進む。
【0069】
ステップS118:CPU21は、図4に示すデューティ比変更用のテーブルを参照する。そして、CPU21は、第2LED25bのパルス発光のデューティ比を50%に決定する。CPU21のバックライト制御部21aは、第2LED25bのパルス発光のデューティ比を50%に設定し、第2表示ドライバ24にパルス発光の指示を出す。第2表示ドライバ24は、第2LED25bのパルス発光のデューティ比を50%にして発光させる。そして、ステップS119に進む。
【0070】
ステップS119:輝度補正部21bは、デューティ比50%に応じた輝度調整を行う。そして、ステップS120に進む。
【0071】
ステップS120:CPU21は、ステップS108と同様の処理がなされ、焦点距離に変更が生じていれば(ステップS120:Yes)、ステップS116に戻る。一方、焦点距離に変更が生じていなければ(ステップS120:No)、ステップS109に進み、オートモードによる撮影条件により本画像の取得がなされる。ステップS110以降の処理は、スポーツモードと同様であるため、説明は省略する。
【0072】
次に、ステップS117の判定において、現在の焦点距離がa[mm]未満である場合(ステップS117:No)について説明する。この場合、ステップS121に進む。
【0073】
ステップS121:CPU21は、ステップS118に述べた手順と同様、第2LED25bのパルス発光のデューティ比を70%に決定する。そして、第2表示ドライバ24は、第2LED25bのパルス発光のデューティ比を70%にして発光させる。そして、ステップS122に進む。
【0074】
ステップS122:輝度補正部21bは、デューティ比70%に応じた輝度調整を行う。そして、ステップS120に進む。ステップS120以降の処理は、オートモード(現在の焦点距離がa[mm]以上である場合)と同様であるため、説明は省略する。
【0075】
次に、撮影モードが風景モードの場合について説明する。この場合、ステップS102の撮影モード判定結果を受けて、ステップS123の風景モードの処理に進む。
【0076】
ステップS123:CPU21は、図4に示すデューティ比変更用のテーブルを参照する。そして、CPU21は、第2LED25bを連続発光(風景モード)に決定する。
【0077】
ステップS124:CPU21のバックライト制御部21aは、第2LED25bの連続発光を維持する。そして、ステップS109に進む。ステップS109では、風景モードによる撮影条件により本画像の取得がなされる。ステップS110以降の処理は、スポーツモードと同様であるため、説明は省略する。
【0078】
次に、撮影モードがポートレートモードの場合について説明する。この場合、ステップS102の撮影モード判定結果を受けて、ステップS125のポートレートモードの処理に進む。
【0079】
ステップS125:CPU21は、図4に示すデューティ比変更用のテーブルを参照する。そして、CPU21は、第2LED25bを連続発光(ポートレートモード)に決定する。
【0080】
ステップS126:CPU21のバックライト制御部21aは、第2LED25bの連続発光を維持する。そして、ステップS109に進む。ステップS109では、ポートレートモードによる撮影条件により本画像の取得がなされる。ステップS110以降の処理は、スポーツモードと同様であるため、説明は省略する。
【0081】
以上より、第1実施形態の電子カメラ1によれば、スポーツモードやオートモードにおいては、パルス駆動にすることにより、液晶表示パネルの動画のぼけ感を抑制する。さらに、輝度補正や電流制御を行うことにより、画面が暗くなるのを防ぐ。また、焦点距離を大きくして望遠側にした場合でも動画のぼけ感を抑制することができる。一方、風景モードやポートレートモードにおいては、液晶表示パネルの動画のぼけ感は考慮せずに、連続発光として明るさを保つことができる。従って、ユーザの利便性が向上する。
【0082】
なお、上記説明では、第2液晶表示部25を動作させたが、第1液晶表示部23を動作させた場合も同様である。
【0083】
次に、動画再生若しくは静止画再生時における電子カメラ1の動作について説明する。この場合、本実施形態では、動画再生時には、図7(b)に示すように、デューティ比を設定してパルス発光とする。また、静止画撮影時には、図7(a)に示すように、連続発光とする。
【0084】
以上より、動画再生時には、第2LED25b(第1LED23b)をパルス駆動することにより、動画のぼけ感を抑制することができるとともに、明るさも輝度補正することにより保つことができる。これにより、ユーザの利便性が向上する。
【0085】
次に、第1実施形態の変形例について説明する。第1実施形態では、撮影モードに応じて、第1LED23bや第2LED25bにおけるパルス発光のデューティ比を決めていた。第1実施形態の変形例では、パルス発光のデューティ比を撮影モードに関係なく、ユーザがマニュアル設定してもよい。
【0086】
また、ユーザがシャッタースピードをマニュアル設定できるシャッタースピード優先モードなどの機能を電子カメラ1が備えている場合には、ユーザが例えば1/250秒以上のシャッタースピードを設定すると、パルス駆動になるようにしてもよい。
【0087】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本発明の第1実施形態と本発明の第2実施形態とでは、同じ要素については同じ符号を付して説明を省略する。
【0088】
図9は、第2実施形態における電子カメラ2の構成を示すブロック図である。
図3に示す電子カメラ1の構成と比較して、電子カメラ2では、CPU21内に動き検出部21cが新たに追加されている。動き検出部21cは、例えば、公知の技術を用いて、スルー画像からのフレーム間差分に基づいて被写体の動きを検出する。なお、これは、一例であって、被写体の動きを検出する手段は、他の公知技術を用いてもよい。
【0089】
次に、第2実施形態における電子カメラ2の動作の一例を説明する。
【0090】
図10は、電子カメラ2の動作の一例を表すフローチャートである。なお、ユーザは、第2液晶表示パネル25a上で動き検出モードを選択した後、第1液晶表示パネル23aを覗き込んで撮影するものとする。この場合、第1LED23bは連続発光しているものとする。
【0091】
このフローチャートは、ユーザが被写体の動きを検出する動き検出モードを選択し、操作部20からCPU21が動き検出モードのコマンドを受付けると開始する。
【0092】
ステップS201:図9に示すCPU21の動き検出部21cは、被写体の動きの検出を開始する。
【0093】
ステップS202:動き検出部21cは被写体の動きを検出した場合(ステップS202:Yes)、ステップS203に進む。
【0094】
ステップS203:CPU21のバックライト制御部21aは、第1LED23bのデューティ比を50%に設定し、第1表示ドライバ22にパルス発光の指示を出す。第1表示ドライバ22は、第1LED23bのデューティ比を50%にして発光させる。
【0095】
ステップS204:CPU21の輝度補正部21bは、パルス発光のデューティ比を50%に変えることにより光量が減る分、画像が暗くなるのを補うため、画像全体に対して輝度を上げる。
【0096】
ステップS205:CPU21は、操作部20からの全押し操作を受けて、本画像取得を取得する。
【0097】
ステップS206: 画像処理部17は、本画像のデータに対してホワイトバランス補正処理などの画像処理を行う。
【0098】
ステップS207:CPU21は、本画像のデータを圧縮処理して記録媒体27に保存する。
【0099】
ステップS208:CPU21は、電源がオフされたか否かを判定する。電源がオフされない場合(ステップS208:No)、再び、ステップS201に戻る。一方、電源がオフされた場合(ステップS208:Yes)、この処理ルーチンは終了する。
【0100】
次に、ステップS202の動き検出の判定で、被写体の動きを検出できなかった場合(ステップS202:No)について説明する。この場合、ステップS209に進む。
【0101】
ステップS209:CPU21のバックライト制御部21aは、第1LED23bの連続発光を維持する。そして、ステップS205に進む。ステップS205以降の処理は、被写体の動きが検出された場合の処理と同様であるため、説明は省略する。
【0102】
以上、第2実施形態の電子カメラ2によれば、動き検出部21cの検出結果に応じて第1LED23bや第2LED25bの発光状態を制御することができる。これにより、動画のぼけ感を抑制することができるとともに、明るさも確保することができる。従って、ユーザの利便性が向上する。なお、説明をわかりやすくするため、被写体の動きを検出した場合、第1LED23bのデューティ比を50%に設定したが、被写体の動き量に応じて、多段階にデューティ比を設定してもよい。
【0103】
本実施形態では、動きのある被写体を撮影するモードとして、スポーツモードやオートモードを用いて説明したが、スポーツモードやオートモードに限られず、被写体をぶれなく撮影する高速シャッターモード、打ち上げ花火をきれいに撮影する打ち上げ花火モードなど、動きのある被写体を撮影するモードであれば、いずれの撮影モードであってもよい。これらの撮影モードでは、第1LED23bや第2LED25bをパルス発光とする。また、動きのある被写体は、人物でなくてもよく、例えば、車や飛行機などの乗り物であってもよい。
【0104】
また、本実施形態では、スポーツモードやオートモード以外の撮影モードとして、風景モード、ポートレートモードを用いて説明した。ここでは、例えば、近接撮影に適したマクロモードや夜景をきれいに撮影する夜景モードなどであってもよく、被写体の動きが少ないと想定されるモードであれば、いずれの撮影モードであってよい。これらの撮影モードでは、風景モードやポートレートモードと同様にして、第1LED23bや第2LED25bを連続発光とする。
【0105】
また、本実施形態では、動画再生の場合について説明したが、いわゆるスライドショーの再生であってもよい。さらに、動画撮影においても、動画再生の場合と同様にして第1LED23bや第2LED25bをパルス発光としてよい。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】第1実施形態の電子カメラ1を側面から見た概略断面図
【図2】図1に示す電子カメラ1の背面図
【図3】電子カメラ1の構成を示すブロック図
【図4】デューティ比変更用のテーブルの一例を示す図
【図5】電子カメラ1の動作の一例を表すフローチャート
【図6】電子カメラ1の動作の一例を表すフローチャート
【図7】デューティ比を変えた場合のパルス発光の一例を説明する図
【図8】デューティ比及び第2LED25bに供給する電流を変えた場合のパルス発光の一例を説明する図
【図9】第2実施形態における電子カメラ2の構成を示すブロック図
【図10】電子カメラ2の動作の一例を表すフローチャート
【符号の説明】
【0107】
1、2・・・電子カメラ、21a・・・バックライト制御部、21b・・・輝度補正部、21c・・・動き検出部、22・・・第1表示ドライバ、23・・・第1液晶表示部、23a・・・第1液晶表示パネル、23b・・・第1LED、24・・・第2表示ドライバ、25・・・第2液晶表示部、25a・・・第2液晶表示パネル、25b・・・第2LED


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像して画像を生成する撮像素子と、
前記画像を表示する液晶表示パネルと、該液晶表示パネルの背面側に配置され、連続発光若しくはパルス発光するバックライトとを有する液晶表示部と、
動きのある被写体を撮影する撮影モードを含む複数の撮影モードの中から任意の撮影モードに切り替える撮影モード切替部と、
前記撮影モードに応じて前記バックライトの発光状態を制御するバックライト制御部と、を備えることを特徴とする電子カメラ。
【請求項2】
被写体を撮像して画像を生成する撮像素子と、
前記画像を表示する液晶表示パネルと、該液晶表示パネルの背面側に配置され、連続発光若しくはパルス発光するバックライトとを有する液晶表示部と、
前記バックライトの発光状態の設定条件をマニュアル操作で設定する操作部と、
前記操作部の設定条件に応じて前記バックライトの発光状態を制御するバックライト制御部と、
を備えることを特徴とする電子カメラ。
【請求項3】
被写体を撮像して画像を生成する撮像素子と、
前記画像を表示する液晶表示パネルと、該液晶表示パネルの背面側に配置され、連続発光若しくはパルス発光するバックライトとを有する液晶表示部と、
前記被写体の動きを検出する動き検出部と、
前記動き検出部の検出結果に応じて前記バックライトの発光状態を制御するバックライト制御部と、
を備えることを特徴とする電子カメラ。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電子カメラにおいて、
前記バックライト制御部は、前記パルス発光のデューティ比を変えることにより前記バックライトの発光状態を制御することを特徴とする電子カメラ。
【請求項5】
請求項4に記載の電子カメラにおいて、
前記バックライト制御部は、前記パルス発光のデューティ比の変更に応じて、前記バックライトに供給する電流を制御することを特徴とする電子カメラ。
【請求項6】
請求項5に記載の電子カメラにおいて、
前記バックライト制御部は、前記パルス発光のデューティ比の変更に拘わらず、前記バックライトに供給する電流の積分値を一定に制御することを特徴とする電子カメラ。
【請求項7】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電子カメラにおいて、
前記パルス発光の発光状態に応じて、前記画像の輝度を補正する輝度補正部をさらに備えることを特徴とする電子カメラ。
【請求項8】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電子カメラにおいて、
焦点距離を変更するズーム制御部をさらに備え、
前記バックライト制御部は、前記焦点距離に応じて前記バックライトの発光状態を制御することを特徴とする電子カメラ。
【請求項9】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電子カメラにおいて、
前記バックライト制御部は、シャッタースピードの設定値に応じて、前記バックライトの発光状態を制御することを特徴とする電子カメラ。
【請求項10】
請求項1に記載の電子カメラにおいて、
前記動きのある撮影モードが、スポーツシーンを撮影するスポーツモードであって、
前記バックライト制御部は、前記スポーツモードが選択された場合には、前記バックライトをパルス発光させることを特徴とする電子カメラ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−260545(P2009−260545A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−105801(P2008−105801)
【出願日】平成20年4月15日(2008.4.15)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】