説明

電子カルテ作成システム

【課題】カルテ情報の入力における操作性を向上させる。
【解決手段】選択された患者が再診の患者である場合には(ステップS2;YES)、選択された患者の過去のカルテ情報を取得し(ステップS3)、過去のカルテ情報から病名を取得する(ステップS4)。取得された病名が慢性病である場合には(ステップS5;YES)、選択された患者の過去のカルテ情報のうち、取得された病名と同じ病名を含む最新のカルテ情報が既に入力されたカルテ情報入力画面を表示する(ステップS6)。選択された患者が新患である場合(ステップS2;NO)、又は、取得された病名が慢性病でない場合には(ステップS5;NO)、新規作成状態のカルテ情報入力画面を表示する(ステップS7)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子カルテ作成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療施設において電子カルテが普及しつつある。電子カルテは、紙のカルテに記載されていた患者の病状や処方等の情報を電子化して保存・管理するものである。電子カルテシステムには、S(Subjective:患者の訴え等の主観的情報)、O(Objective:検査結果、検査画像等の客観的情報)、A(Assessment:医師の診断)、P(Plan:治療や処方等の計画)の4項目(SOAP)に分類されたカルテ情報の記録、検査オーダー、医事会計システム(レセプトコンピューター)に対する治療や処方内容の通知等の機能が含まれる。
【0003】
電子カルテにカルテ情報を入力する際に、毎回全て空欄の状態からデータを入力又は選択するとなると、手間がかかり、ユーザーの負担が大きい。
電子カルテの入力作業の効率を高めるために、例えば、電子カルテの入力時に、カルテに入力されている特徴値に対する使用度数の高い順に入力候補が提示される電子カルテ入力支援システムが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−277260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、診療所等の小規模の医療施設では、慢性病の患者が多いため、患者の症状や処方等が前回の内容と同じ場合が多いにもかかわらず、毎回同様の手順を踏んでカルテ情報を入力しなければならなかった。
【0006】
本発明は、上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、カルテ情報の入力における操作性を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数の患者のカルテ情報を記憶する記憶手段と、前記複数の患者のうちいずれか一の患者を選択するための選択手段と、前記選択された患者のカルテ情報入力画面を表示手段に表示させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記選択された患者の過去のカルテ情報が前記記憶手段に記憶されているか否かを判断し、前記選択された患者の過去のカルテ情報が前記記憶手段に記憶されている場合に、前記選択された患者の過去のカルテ情報における病名又は検査内容に基づいて、前記カルテ情報入力画面として、前記選択された患者の過去のカルテ情報のうち所定のカルテ情報が既に入力された画面を表示させる表示制御処理を実行する電子カルテ作成システムである。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子カルテ作成システムにおいて、前記所定のカルテ情報は、前記選択された患者の過去のカルテ情報において病名又は検査内容が複数重なっている場合の、当該重なっている病名又は検査内容を含むカルテ情報の中で最新のカルテ情報である。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の電子カルテ作成システムにおいて、前記表示制御処理を実行するか否かを切り替えるための切替手段を備える。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の電子カルテ作成システムにおいて、前記表示制御処理が実行されない場合に、前記制御手段は、前記カルテ情報入力画面として、新規作成画面を表示させる。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の電子カルテ作成システムにおいて、前記表示制御処理が実行されない場合に、前記制御手段は、前記選択された患者の過去のカルテ情報が前記記憶手段に記憶されているか否かを判断し、前記選択された患者の過去のカルテ情報が前記記憶手段に記憶されているときに、前記カルテ情報入力画面として、前記選択された患者の過去のカルテ情報のうち予め指定されたカルテ情報が既に入力された画面を表示させる。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の電子カルテ作成システムにおいて、前記予め指定されたカルテ情報は、前記選択された患者の過去のカルテ情報のうち最新のカルテ情報である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、カルテ情報入力画面として、選択された患者の過去のカルテ情報のうち所定のカルテ情報が既に入力された画面を表示させるので、変更箇所がなければ新たに情報を入力する必要がなく、必要に応じて内容を変更すればよい。したがって、カルテ情報の入力における操作性を向上させることができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、今回のカルテ情報と内容が近い可能性が高いカルテ情報が既に入力されたカルテ情報入力画面を表示させることができる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、表示制御処理を実行するか否かを切り替えることができる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、新規作成画面からカルテ情報を入力したい場合に対応可能となる。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、予め指定されたカルテ情報が既に入力されたカルテ情報入力画面を表示させることができる。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、今回のカルテ情報と内容が近い可能性が高いカルテ情報が既に入力されたカルテ情報入力画面を表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】データ管理システムのシステム構成図である。
【図2】データ管理サーバーの機能的構成を示すブロック図である。
【図3】センターDBにおいて管理されている情報の例である。
【図4】病名テーブルの例である。
【図5】検査内容テーブルの例である。
【図6】端末装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図7】第1の実施の形態の端末装置において実行される第1の電子カルテ作成処理Aを示すフローチャートである。
【図8】慢性病患者の場合に表示される医用情報表示画面の例である。
【図9】慢性病でない患者の場合に表示される医用情報表示画面の例である。
【図10】第1の実施の形態の端末装置において実行される第1の電子カルテ作成処理Bを示すフローチャートである。
【図11】第2の実施の形態の端末装置において実行される第2の電子カルテ作成処理を示すフローチャートである。
【図12】第3の実施の形態の端末装置において実行される第3の電子カルテ作成処理を示すフローチャートである。
【図13】第4の実施の形態の端末装置において実行される第4の電子カルテ作成処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1の実施の形態)
まず、本発明に係る電子カルテ作成システムの第1の実施の形態について説明する。
【0021】
〔データ管理システムの構成〕
図1に、電子カルテ作成システムとしてのデータ管理システム100のシステム構成を示す。
図1に示すように、データ管理システム100は、地域のデータセンターに設置されたデータ管理サーバー1と、医療施設Aに設けられた施設内システム2Aと、医療施設Bに設けられた施設内システム2Bと、・・・を備えて構成されている。データ管理サーバー1、施設内システム2A、施設内システム2B、・・・は、インターネット等の通信ネットワークNを介してデータ通信可能に接続されている。
【0022】
データ管理サーバー1は、各医療施設において生成された検査画像の画像データを蓄積し管理する。また、データ管理サーバー1は、医療施設間の医療連携サービスを提供するものであり、各施設内システム2A,2B,・・・から他の施設内システムにおける検査や読影の依頼を受け付け、検査結果や読影結果のデータを管理する。
【0023】
施設内システム2Aは、医事会計システム3A、端末装置4A、検査装置5A及びルーター6Aを備え、医事会計システム3A、端末装置4A及びルーター6Aは、LAN(Local Area Network)等の施設内ネットワーク7Aにより相互にデータ通信可能に接続されて構成されている。施設内システム2Aを構成する装置のうち、少なくとも端末装置4Aは、ルーター6Aにより通信ネットワークNを介してデータ管理サーバー1とデータ通信可能に接続されている。
【0024】
施設内システム2Bは、医事会計システム3B、端末装置4B、検査装置5B及びルーター6Bを備え、医事会計システム3B、端末装置4B及びルーター6Bは、LAN等の施設内ネットワーク7Bにより相互にデータ通信可能に接続されて構成されている。施設内システム2Bを構成する装置のうち、少なくとも端末装置4Bは、ルーター6Bにより通信ネットワークNを介してデータ管理サーバー1とデータ通信可能に接続されている。
【0025】
なお、データ管理システム100を構成する施設内システム2A,2B等の施設内システム、各施設内システムの各装置の数は、特に限定されない。
また、データ管理システム100における通信方式としては、一般的に、DICOM(Digital Image and Communications in Medicine)規格が用いられており、各装置間の通信では、DICOM MWM(Modality Worklist Management)やDICOM MPPS(Modality Performed Procedure Step)が用いられる。
【0026】
〔データ管理サーバーの構成〕
図2に、データ管理サーバー1の機能的構成を示す。
図2に示すように、データ管理サーバー1は、制御部11、操作部12、表示部13、通信部14、RAM15、記憶部16等を備えて構成されており、各部はバス17により接続されている。
【0027】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、データ管理サーバー1の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、操作部12から入力される操作信号又は通信部14により受信される指示信号に応じて、記憶部16に記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAM15に展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0028】
操作部12は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部11に出力する。
【0029】
表示部13は、LCD(Liquid Crystal Display)等のモニターを備えて構成されており、制御部11から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
【0030】
通信部14は、ネットワークインターフェース等により構成され、通信ネットワークNを介して接続された外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0031】
RAM15は、制御部11により実行制御される各種処理において、記憶部16から読み出された各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメーター等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0032】
記憶部16は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリー等により構成され、各種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等を記憶している。具体的に、記憶部16には、サーバープログラムP1、センターDB(DataBase)161、病名テーブルT1、検査内容テーブルT2、アプリケーションプログラムP2等が記憶されている。
【0033】
サーバープログラムP1は、データ管理サーバー1におけるデータ管理処理、アプリケーションプログラムP2や医療連携サービスを提供する処理等を実行するためのプログラムである。
【0034】
センターDB161には、各医療施設A,B,・・・の端末装置4A,4B,・・・から送信された患者基本情報、カルテ情報、検査画像の画像データ等が格納されている。
図3に、センターDB161において管理されている情報の例を示す。
【0035】
患者基本情報は、患者に関する情報であり、患者ID、患者氏名、年齢、性別、生年月日、受診日時等を含む。患者基本情報は、各医療施設A,B,・・・の端末装置4A,4B,・・・が医事会計システム3A,3B,・・・から取得したものである。
カルテ情報は、各医療施設A,B,・・・における患者の診療の経過を示す情報であり、病名、検査内容、処方情報等を含む。カルテ情報は、複数の患者毎、受診毎に作成される。
検査画像の画像データは、各医療施設A,B,・・・において患者を検査して得られた画像データである。検査画像の画像データは、DICOM規格に則ったDICOMファイル形式で保存されており、患者ID、検査ID、患者氏名、検査日時、モダリティー等の付帯情報が付帯されている。
【0036】
図4に、病名テーブルT1の例を示す。病名テーブルT1は、病名と、各病気が慢性病であるか否かを示す情報と、を対応付けたテーブルである。慢性病として、例えば、慢性気管支炎、糖尿病、高脂血症、高血圧等が挙げられる。
【0037】
図5に、検査内容テーブルT2の例を示す。検査内容テーブルT2は、検査内容と、各検査内容が長期治療に関係する検査内容(慢性病のための検査、術後のケア等)であるか、又は、単発的な検査内容であるかを示す情報と、を対応付けたテーブルである。
【0038】
アプリケーションプログラムP2は、施設内システム2A,2B,・・・の端末装置4A,4B,・・・からデータ管理サーバー1にアクセスがあった場合に、必要に応じてダウンロードされるSaaS(Software as a Service)型アプリケーションである。アプリケーションプログラムP2は、端末装置4A,4B,・・・において、電子カルテ作成機能、画像ビューアー機能等を実現させるためのプログラムである。
【0039】
制御部11は、通信部14により、端末装置4A,4B,・・・から患者基本情報、カルテ情報、検査画像の画像データ等を受信すると、受信された患者基本情報、カルテ情報、検査画像の画像データ等を記憶部16のセンターDB161に格納する。
【0040】
制御部11は、データ管理システム100内の各医療施設から他の医療施設への検査依頼や読影依頼等を受け付け、他の医療施設に対して検査依頼や読影依頼等を通知する。また、制御部11は、当該他の医療施設から検査依頼に応じて行われた検査に係る検査データや、読影依頼に応じて行われた読影に係るレポートデータ等を取得し、依頼元の医療施設へ提供する。
【0041】
〔施設内システムの構成〕
次に、施設内システム2Aを構成する各装置について説明する。
医事会計システム3Aは、制御部、操作部、表示部、通信部、RAM、記憶部等を備えたコンピューター装置であり、会計計算、保険点数計算等を行う。
【0042】
端末装置4Aは、電子カルテを作成する場合、検査装置5Aから検査画像の画像データを取り込む場合、検査画像を参照する場合等に用いられる。
【0043】
図6に、端末装置4Aの機能的構成を示す。
図6に示すように、端末装置4Aは、制御部41、操作部42、表示部43、通信部44、RAM45、記憶部46、I/F47等を備えて構成されており、各部はバス48により接続されている。
【0044】
制御部41は、CPU等から構成され、端末装置4Aの各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、操作部42から入力される操作信号又は通信部44により受信される指示信号に応じて、記憶部46に記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAM45に展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0045】
操作部42は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部41に出力する。例えば、操作部42は、複数の患者のうちいずれか一の患者を選択するための選択手段として機能する。
【0046】
表示部43は、LCD等のモニターを備えて構成されており、制御部41から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
【0047】
通信部44は、ネットワークインターフェース等により構成され、施設内ネットワーク7Aや通信ネットワークNを介して接続された外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0048】
RAM45は、制御部41により実行制御される各種処理において、記憶部46から読み出された各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメーター等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0049】
記憶部46は、HDDや不揮発性メモリー等により構成され、各種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等を記憶している。具体的に、記憶部46には、アプリケーションプログラムP2等が記憶される。
【0050】
また、記憶部46には、端末装置4Aにおいて入力されたカルテ情報や、検査装置5Aから取得された検査画像の画像データが記憶される。
【0051】
I/F47は、検査装置5Aにおいて患者を撮影して得られた検査画像の画像データを取得する。
【0052】
制御部41は、アプリケーションプログラムP2との協働により、選択された患者の過去のカルテ情報がデータ管理サーバー1の記憶部16(センターDB161)に記憶されているか否かを判断し、選択された患者の過去のカルテ情報が記憶部16に記憶されている場合に、選択された患者の過去のカルテ情報における病名又は検査内容に基づいて、カルテ情報入力画面として、選択された患者の過去のカルテ情報のうち所定のカルテ情報が既に入力された画面を表示部43に表示させる(以上の処理を、以下、表示制御処理という。)。
所定のカルテ情報として、例えば、選択された患者の過去のカルテ情報において病名又は検査内容が複数重なっている場合の、重なっている病名又は検査内容を含むカルテ情報の中で最新のカルテ情報が用いられる。
【0053】
制御部41は、通信部44を制御して、記憶部46に記憶されたカルテ情報を、データ管理サーバー1が備えるセンターDB161に記憶させるために、データ管理サーバー1に送信させる。
【0054】
制御部41は、通信部44を制御して、記憶部46に記憶された検査画像の画像データを、データ管理サーバー1が備えるセンターDB161に記憶させるために、付帯情報(患者ID、検査ID、患者氏名、検査日時、モダリティー等)とともに、データ管理サーバー1に送信させる。
【0055】
検査装置5Aは、患者の診断対象部位を被写体として撮影を行い、撮影した画像をデジタル変換して検査画像の画像データを生成する。検査装置5Aとして、CR(Computed Radiography)、CT(Computed Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)等が挙げられる。
【0056】
施設内システム2A以外の施設内システム2B等についても、施設内システム2Aと同様の構成であるため、説明を省略する。
【0057】
〔データ管理システムにおける動作〕
次に、データ管理システム100における動作について説明する。
図7は、端末装置4Aにおいて実行される第1の電子カルテ作成処理Aを示すフローチャートである。この処理は、再診の患者であるか否か、及び、病名に基づいて、表示すべきカルテ情報入力画面を選択する処理であり、制御部41と記憶部46に記憶されているアプリケーションプログラムP2との協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0058】
まず、ユーザーの操作部42からの操作により、表示部43に表示されている患者リスト上の複数の患者のうちいずれか一の患者が選択される(ステップS1)。
【0059】
次に、制御部41により、選択された患者が再診の患者であるか新規の患者(新患)であるかが判断される(ステップS2)。具体的には、制御部41により、通信部44が制御され、選択された患者の過去のカルテ情報がデータ管理サーバー1の記憶部16に記憶されているか否かの問い合わせが行われる。
データ管理サーバー1では、制御部11により、端末装置4Aから送信された選択患者を示す情報(患者ID等)に基づいて、当該患者のカルテ情報が記憶部16に記憶されているかが判断され、通信部14により、判断結果が端末装置4Aに送信される。
【0060】
選択された患者が再診の患者である場合、すなわち、選択された患者の過去のカルテ情報がデータ管理サーバー1の記憶部16に記憶されている場合には(ステップS2;YES)、制御部41により、選択された患者の過去のカルテ情報が取得される(ステップS3)。具体的には、通信部44により、選択された患者の過去のカルテ情報の取得要求がデータ管理サーバー1に送信され、データ管理サーバー1から送信された選択された患者の過去のカルテ情報が受信される。この患者の過去のカルテ情報は、制御部41により、RAM45に格納される。
【0061】
次に、制御部41により、選択された患者の過去のカルテ情報から病名が取得される(ステップS4)。具体的には、制御部41により、RAM45に格納されている過去のカルテ情報から病名が抽出される。過去のカルテ情報内に複数種類の病名が含まれている場合には、最新の病名が抽出されてもよいし、最も頻度の高い病名が抽出されてもよい。
【0062】
次に、制御部41により、データ管理サーバー1の記憶部16に記憶されている病名テーブルT1が参照され、取得された病名が慢性病であるか否かが判断される(ステップS5)。具体的には、制御部41により、通信部44が制御され、データ管理サーバー1に病名テーブルT1の取得要求が送信され、データ管理サーバー1から送信された病名テーブルT1が取得される。そして、制御部41により、取得された病名に対応する情報が病名テーブルT1から読み出され、慢性病であるか否かが判断される。
【0063】
ステップS4で取得された病名が慢性病である場合には(ステップS5;YES)、制御部41により、選択された患者の過去のカルテ情報のうち、取得された病名と同じ病名を含む最新のカルテ情報がRAM45から読み出され、同じ病名を含む最新のカルテ情報が既に入力されたカルテ情報入力画面が表示部43に表示される(ステップS6)。なお、カルテ情報入力画面において、カルテ情報の内容は変更可能であるから、ユーザーは、変更したい箇所のみ変更すればよい。
【0064】
ステップS2において、選択された患者が新患である場合、すなわち、選択された患者の過去のカルテ情報がデータ管理サーバー1の記憶部16に記憶されていない場合(ステップS2;NO)、又は、ステップS5において、取得された病名が慢性病でない場合には(ステップS5;NO)、制御部41により、新規作成状態のカルテ情報入力画面(新規作成画面)が表示部43に表示される(ステップS7)。
【0065】
ステップS6又はステップS7の後、ユーザーは、カルテ情報入力画面において、必要に応じてカルテ情報の入力・修正を行う。作成されたカルテ情報は、制御部41により、記憶部46に記憶される。ユーザーの操作部42からの操作により、カルテ情報の確定が指示されると、制御部41により、記憶部46に記憶されたカルテ情報が、データ管理サーバー1に通信部44を介して送信される。
以上で、端末装置4Aにおける第1の電子カルテ作成処理Aが終了する。
【0066】
データ管理サーバー1では、通信部14により、端末装置4Aからカルテ情報が受信されると、制御部11により、受信されたカルテ情報が記憶部16のセンターDB161に記憶される。
【0067】
なお、ここでは、端末装置4Aにおける処理について説明したが、端末装置4Bにおいても同様の処理が行われる。
【0068】
図8に、慢性病患者の場合に表示部43に表示される医用情報表示画面431の例を示す。
医用情報表示画面431には、カルテ情報表示画面81、検査画像表示画面82等が含まれる。
カルテ情報表示画面81には、前回カルテ情報表示画面83、カルテ情報入力画面84等が含まれる。前回カルテ情報表示画面83には、選択された患者が再診の患者である場合に、前回のカルテ情報が表示される。カルテ情報入力画面84は、今回のカルテ情報を入力するための画面である。
検査画像表示画面82には、検査装置5Aから取り込まれた画像データに基づいて、検査画像が表示される。
【0069】
選択された患者の過去のカルテ情報に含まれる病名が慢性病である場合には、カルテ情報入力画面84として、その慢性病と重なっている病名を含むカルテ情報の中で最新のカルテ情報が既に入力された画面が表示される。図8に示す例では、慢性気管支炎を含むカルテ情報の中で最新のカルテ情報である前回のカルテ情報と同じ内容のカルテ情報が、カルテ情報入力画面84に表示されている。
【0070】
図9に、慢性病でない患者の場合に表示部43に表示される医用情報表示画面432の例を示す。
医用情報表示画面432のカルテ情報表示画面91には、前回カルテ情報表示画面92、カルテ情報入力画面93等が含まれる。
【0071】
選択された患者の過去のカルテ情報に含まれる病名が慢性病でない場合には、図9に示すように、カルテ情報入力画面93として、新規作成画面が表示される。新規作成画面では、入力欄が空欄になっている。
【0072】
図10は、端末装置4Aにおいて実行される第1の電子カルテ作成処理Bを示すフローチャートである。この処理は、再診の患者であるか否か、及び、検査内容に基づいて、表示すべきカルテ情報入力画面を選択する処理であり、制御部41と記憶部46に記憶されているアプリケーションプログラムP2との協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0073】
ステップS11〜ステップS13は、図7に示したステップS1〜ステップS3と同様であるため、説明を省略する。
【0074】
ステップS13の後、制御部41により、選択された患者の過去のカルテ情報から検査内容が取得される(ステップS14)。具体的には、通信部44により、RAM45に格納されている過去のカルテ情報から検査内容が抽出される。過去のカルテ情報内に複数種類の検査内容が含まれている場合には、最新の検査内容が抽出されてもよいし、最も頻度の高い検査内容が抽出されてもよい。
【0075】
次に、制御部41により、データ管理サーバー1の記憶部16に記憶されている検査内容テーブルT2が参照され、取得された検査内容が長期治療に関係する検査であるか否かが判断される(ステップS15)。具体的には、制御部41により、通信部44が制御され、データ管理サーバー1に検査内容テーブルT2の取得要求が送信され、データ管理サーバー1から送信された検査内容テーブルT2が取得される。そして、制御部41により、取得された検査内容に対応する情報が検査内容テーブルT2から読み出され、長期治療に関係する検査であるか否かが判断される。
【0076】
ステップS14で取得された検査内容が長期治療に関係する検査である場合には(ステップS15;YES)、制御部41により、選択された患者の過去のカルテ情報のうち、取得された検査内容と同じ検査内容を含む最新のカルテ情報がRAM45から読み出され、同じ検査内容を含む最新のカルテ情報が既に入力されたカルテ情報入力画面が表示部43に表示される(ステップS16)。
【0077】
ステップS12において、選択された患者が新患である場合、すなわち、選択された患者の過去のカルテ情報がデータ管理サーバー1の記憶部16に記憶されていない場合(ステップS12;NO)、又は、ステップS15において、取得された検査内容が長期治療に関係する検査でない場合には(ステップS15;NO)、制御部41により、新規作成状態のカルテ情報入力画面(新規作成画面)が表示部43に表示される(ステップS17)。
【0078】
ステップS16又はステップS17の後、ユーザーは、カルテ情報入力画面において、必要に応じてカルテ情報の入力・修正を行う。作成されたカルテ情報は、制御部41により、記憶部46に記憶される。ユーザーの操作部42からの操作により、カルテ情報の確定が指示されると、制御部41により、記憶部46に記憶されたカルテ情報が、データ管理サーバー1に通信部44を介して送信される。
以上で、端末装置4Aにおける第1の電子カルテ作成処理Bが終了する。
【0079】
なお、ここでは、端末装置4Aにおける処理について説明したが、端末装置4Bにおいても同様の処理が行われる。
【0080】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、選択された患者の過去のカルテ情報がデータ管理サーバー1の記憶部16に記憶されている場合には、カルテ情報入力画面として、選択された患者の過去のカルテ情報のうち所定のカルテ情報が既に入力された画面を表示させるので、変更箇所がなければ新たに情報を入力する必要がなく、必要に応じて内容を変更すればよい。したがって、カルテ情報の入力における操作性を向上させることができる。
【0081】
また、選択された患者の過去のカルテ情報において病名又は検査内容が複数重なっている場合に、重なっている病名又は検査内容を含むカルテ情報の中で最新のカルテ情報を表示するので、今回のカルテ情報と内容が近い可能性が高いカルテ情報が既に入力されたカルテ情報入力画面を表示させることができる。表示されたカルテ情報に対して、多少の追加・変更があるかもしれないが、新規作成画面から始めるよりは効率的である。
【0082】
例えば、選択された患者の過去のカルテ情報が慢性病に関する記載(慢性病の病名、慢性病のための検査内容等)を含む場合には、その慢性病に関する記載が既に入力されたカルテ情報を表示させることにより、カルテ情報を入力する手間を省くことができる。
一方、インフルエンザ等、突発的な病気については、今回の診察において同じ症状や処方である可能性は極めて低いため、カルテ情報を流用しない。
【0083】
(第2の実施の形態)
次に、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態におけるデータ管理システムは、第1の実施の形態に示したデータ管理システム100と同様の構成によってなるため、図1、図2及び図6を援用し、その構成については図示及び説明を省略する。以下、第2の実施の形態に特徴的な構成及び処理について説明する。
第2の実施の形態では、第1の実施の形態に示した表示制御処理(ステップS2〜ステップS7、ステップS12〜ステップS17)を実行するか否かを切り替え可能とする。
【0084】
操作部42は、表示制御処理を実行するか否かを切り替えるための切替手段として機能する。
記憶部46は、操作部42において切り替えられた表示制御処理を実行するか否かを示す情報(表示制御処理機能のON/OFF)を記憶する。
【0085】
制御部41は、アプリケーションプログラムP2との協働により、表示制御処理機能がONであるか、OFFであるかに基づいて、表示すべきカルテ情報入力画面を選択する。
表示制御処理機能がONの場合、すなわち、表示制御処理が実行される場合には、制御部41は、第1の実施の形態と同様の処理を行う。
表示制御処理機能がOFFの場合、すなわち、表示制御処理が実行されない場合には、制御部41は、カルテ情報入力画面として、新規作成画面を表示部43に表示させる。
【0086】
図11は、端末装置4Aにおいて実行される第2の電子カルテ作成処理を示すフローチャートである。この処理は、制御部41と記憶部46に記憶されているアプリケーションプログラムP2との協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0087】
まず、ユーザーの操作部42からの操作により、表示部43に表示されている患者リスト上の複数の患者のうちいずれか一の患者が選択される(ステップS21)。
次に、制御部41により、記憶部46が参照され、表示制御処理機能がONに設定されているか否かが判断される(ステップS22)。
【0088】
表示制御処理機能がONに設定されている場合には(ステップS22;YES)、ステップS23に移行する。ステップS23〜ステップS28の処理は、図7に示したステップS2〜ステップS7の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0089】
ステップS22において、表示制御処理機能がOFFに設定されている場合には(ステップS22;NO)、制御部41により、新規作成状態のカルテ情報入力画面(新規作成画面)が表示部43に表示される(ステップS28)。
【0090】
ステップS27又はステップS28の後、ユーザーは、カルテ情報入力画面において、必要に応じてカルテ情報の入力・修正を行う。作成されたカルテ情報は、制御部41により、記憶部46に記憶される。ユーザーの操作部42からの操作により、カルテ情報の確定が指示されると、制御部41により、記憶部46に記憶されたカルテ情報が、データ管理サーバー1に通信部44を介して送信される。
以上で、端末装置4Aにおける第2の電子カルテ作成処理が終了する。
【0091】
なお、図11に示すフローチャートにおいて、ステップS25〜ステップS28の処理に代えて、図10のステップS14〜ステップS17の処理を行うようにしてもよい。
【0092】
また、ここでは、端末装置4Aにおける処理について説明したが、端末装置4Bにおいても同様の処理が行われる。
【0093】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果に加え、表示制御処理を実行するか否かを切り替えることができるので、必要に応じて表示制御処理機能を利用することができる。
また、表示制御処理機能がOFFの場合に、カルテ情報入力画面として、新規作成画面を表示させるので、新規作成画面からカルテ情報を入力したい場合に対応可能となる。
【0094】
(第3の実施の形態)
次に、本発明を適用した第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態におけるデータ管理システムは、第1の実施の形態に示したデータ管理システム100と同様の構成によってなるため、図1、図2及び図6を援用し、その構成については図示及び説明を省略する。以下、第3の実施の形態に特徴的な構成及び処理について説明する。
第3の実施の形態においても、第2の実施の形態と同様、第1の実施の形態に示した表示制御処理を実行するか否かを切り替え可能とする。
【0095】
制御部41は、アプリケーションプログラムP2との協働により、表示制御処理機能がONであるか、OFFであるかに基づいて、表示すべきカルテ情報入力画面を選択する。
表示制御処理機能がONの場合、すなわち、表示制御処理が実行される場合には、制御部41は、第1の実施の形態と同様の処理を行う。
表示制御処理機能がOFFの場合、すなわち、表示制御処理が実行されない場合には、制御部41は、選択された患者の過去のカルテ情報がデータ管理サーバー1の記憶部16(センターDB161)に記憶されているか否かを判断する。制御部41は、選択された患者の過去のカルテ情報が記憶部16に記憶されている場合に、カルテ情報入力画面として、選択された患者の過去のカルテ情報のうち予め指定されたカルテ情報が既に入力された画面を表示部43に表示させる。
【0096】
「予め指定されたカルテ情報」とは、何らかの方法により、過去のカルテ情報の中で他のカルテ情報と区別可能に指定されたカルテ情報をいい、指定方法については限定しない。例えば、あるカルテ情報を作成する際に、ユーザーが後にこのカルテ情報の内容を利用したいと判断した場合に、指定されたことを示す情報をカルテ情報に付加したり、カルテ情報を所定の保存場所に保存させたりしておく。
【0097】
図12は、端末装置4Aにおいて実行される第3の電子カルテ作成処理を示すフローチャートである。この処理は、制御部41と記憶部46に記憶されているアプリケーションプログラムP2との協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0098】
まず、ユーザーの操作部42からの操作により、表示部43に表示されている患者リスト上の複数の患者のうちいずれか一の患者が選択される(ステップS31)。
次に、制御部41により、記憶部46が参照され、表示制御処理機能がONに設定されているか否かが判断される(ステップS32)。
【0099】
表示制御処理機能がONに設定されている場合には(ステップS32;YES)、ステップS33に移行する。ステップS33〜ステップS38の処理は、図7に示したステップS2〜ステップS7の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0100】
ステップS32において、表示制御処理機能がOFFに設定されている場合には(ステップS32;NO)、制御部41により、選択された患者が再診の患者であるか新患であるかが判断される(ステップS39)。
【0101】
選択された患者が再診の患者である場合、すなわち、選択された患者の過去のカルテ情報がデータ管理サーバー1の記憶部16に記憶されている場合には(ステップS39;YES)、制御部41により、選択された患者の過去のカルテ情報が取得される(ステップS40)。具体的には、通信部44により、選択された患者の過去のカルテ情報の取得要求がデータ管理サーバー1に送信され、データ管理サーバー1から送信された選択された患者の過去のカルテ情報が受信される。この患者の過去のカルテ情報は、制御部41により、RAM45に格納される。
【0102】
次に、制御部41により、選択された患者の過去のカルテ情報のうち予め指定されているカルテ情報があるか否かが判断される(ステップS41)。
【0103】
選択された患者の過去のカルテ情報のうち予め指定されているカルテ情報がある場合には(ステップS41;YES)、制御部41により、選択された患者の過去のカルテ情報のうち、指定されたカルテ情報がRAM45から読み出され、指定されたカルテ情報が既に入力されたカルテ情報入力画面が表示部43に表示される(ステップS42)。
【0104】
ステップS39において、選択された患者が新患である場合、すなわち、選択された患者の過去のカルテ情報がデータ管理サーバー1の記憶部16に記憶されていない場合(ステップS39;NO)、又は、ステップS41において、選択された患者の過去のカルテ情報のうち予め指定されているカルテ情報がない場合には(ステップS41;NO)、制御部41により、新規作成状態のカルテ情報入力画面(新規作成画面)が表示部43に表示される(ステップS38)。
【0105】
ステップS37、ステップS38又はステップS42の後、ユーザーは、カルテ情報入力画面において、必要に応じてカルテ情報の入力・修正を行う。作成されたカルテ情報は、制御部41により、記憶部46に記憶される。ユーザーの操作部42からの操作により、カルテ情報の確定が指示されると、制御部41により、記憶部46に記憶されたカルテ情報が、データ管理サーバー1に通信部44を介して送信される。
以上で、端末装置4Aにおける第3の電子カルテ作成処理が終了する。
【0106】
なお、図12に示すフローチャートにおいて、ステップS35〜ステップS38の処理に代えて、図10のステップS14〜ステップS17の処理を行うようにしてもよい。
【0107】
また、ここでは、端末装置4Aにおける処理について説明したが、端末装置4Bにおいても同様の処理が行われる。
【0108】
以上説明したように、第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果に加え、表示制御処理を実行するか否かを切り替えることができるので、必要に応じて表示制御処理機能を利用することができる。
また、表示制御処理機能がOFFの場合に、選択された患者の過去のカルテ情報のうち予め指定されているカルテ情報が存在するときには、カルテ情報入力画面として、指定されたカルテ情報が既に入力されたカルテ情報入力画面を表示させることができる。
【0109】
(第4の実施の形態)
次に、本発明を適用した第4の実施の形態について説明する。
第4の実施の形態におけるデータ管理システムは、第1の実施の形態に示したデータ管理システム100と同様の構成によってなるため、図1、図2及び図6を援用し、その構成については図示及び説明を省略する。以下、第4の実施の形態に特徴的な構成及び処理について説明する。
第4の実施の形態においても、第2の実施の形態と同様、第1の実施の形態に示した表示制御処理を実行するか否かを切り替え可能とする。
【0110】
制御部41は、アプリケーションプログラムP2との協働により、表示制御処理機能がONであるか、OFFであるかに基づいて、表示すべきカルテ情報入力画面を選択する。
表示制御処理機能がONの場合、すなわち、表示制御処理が実行される場合には、制御部41は、第1の実施の形態と同様の処理を行う。
表示制御処理機能がOFFの場合、すなわち、表示制御処理が実行されない場合には、制御部41は、選択された患者の過去のカルテ情報がデータ管理サーバー1の記憶部16(センターDB161)に記憶されているか否かを判断する。制御部41は、選択された患者の過去のカルテ情報が記憶部16に記憶されている場合に、カルテ情報入力画面として、選択された患者の過去のカルテ情報のうち最新のカルテ情報が既に入力された画面を表示部43に表示させる。
【0111】
図13は、端末装置4Aにおいて実行される第4の電子カルテ作成処理を示すフローチャートである。この処理は、制御部41と記憶部46に記憶されているアプリケーションプログラムP2との協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0112】
まず、ユーザーの操作部42からの操作により、表示部43に表示されている患者リスト上の複数の患者のうちいずれか一の患者が選択される(ステップS51)。
次に、制御部41により、記憶部46が参照され、表示制御処理機能がONに設定されているか否かが判断される(ステップS52)。
【0113】
表示制御処理機能がONに設定されている場合には(ステップS52;YES)、ステップS53に移行する。ステップS53〜ステップS58の処理は、図7に示したステップS2〜ステップS7の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0114】
ステップS52において、表示制御処理機能がOFFに設定されている場合には(ステップS52;NO)、制御部41により、選択された患者が再診の患者であるか新患であるかが判断される(ステップS59)。
【0115】
選択された患者が再診の患者である場合、すなわち、選択された患者の過去のカルテ情報がデータ管理サーバー1の記憶部16に記憶されている場合には(ステップS59;YES)、制御部41により、選択された患者の過去のカルテ情報が取得される(ステップS60)。具体的には、通信部44により、選択された患者の過去のカルテ情報の取得要求がデータ管理サーバー1に送信され、データ管理サーバー1から送信された選択された患者の過去のカルテ情報が受信される。この患者の過去のカルテ情報は、制御部41により、RAM45に格納される。
【0116】
次に、制御部41により、選択された患者の過去のカルテ情報のうち最新のカルテ情報がRAM45から読み出され、最新のカルテ情報が既に入力されたカルテ情報入力画面が表示部43に表示される(ステップS61)。
【0117】
ステップS59において、選択された患者が新患である場合、すなわち、選択された患者の過去のカルテ情報がデータ管理サーバー1の記憶部16に記憶されていない場合には(ステップS59;NO)、制御部41により、新規作成状態のカルテ情報入力画面(新規作成画面)が表示部43に表示される(ステップS58)。
【0118】
ステップS57、ステップS58又はステップS61の後、ユーザーは、カルテ情報入力画面において、必要に応じてカルテ情報の入力・修正を行う。作成されたカルテ情報は、制御部41により、記憶部46に記憶される。ユーザーの操作部42からの操作により、カルテ情報の確定が指示されると、制御部41により、記憶部46に記憶されたカルテ情報が、データ管理サーバー1に通信部44を介して送信される。
以上で、端末装置4Aにおける第4の電子カルテ作成処理が終了する。
【0119】
なお、図13に示すフローチャートにおいて、ステップS55〜ステップS58の処理に代えて、図10のステップS14〜ステップS17の処理を行うようにしてもよい。
【0120】
また、ここでは、端末装置4Aにおける処理について説明したが、端末装置4Bにおいても同様の処理が行われる。
【0121】
以上説明したように、第4の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果に加え、表示制御処理を実行するか否かを切り替えることができるので、必要に応じて表示制御処理機能を利用することができる。
また、表示制御処理機能がOFFの場合に、選択された患者の過去のカルテ情報が存在するときには、カルテ情報入力画面として、選択された患者の過去のカルテ情報のうち最新のカルテ情報が既に入力された画面を表示させるので、今回のカルテ情報と内容が近い可能性が高いカルテ情報が含まれるカルテ情報入力画面を表示させることができる。
【0122】
なお、ステップS59において、選択された患者が再診の患者である場合に(ステップS59;YES)、ユーザーが画面上に設けられた「慢性病ボタン」を押す等の操作指示を行った後に、選択された患者の過去のカルテ情報のうち最新のカルテ情報が既に入力されたカルテ情報入力画面を表示部43に表示することとしてもよい。
【0123】
なお、上記各実施の形態における記述は、本発明に係る電子カルテ作成システムの例であり、これに限定されるものではない。システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0124】
例えば、上記各実施の形態では、選択された患者が再診の患者であるか新患であるかを判断する場合に、選択された患者の過去のカルテ情報がデータ管理サーバー1の記憶部16に記憶されているか否かに基づいて判断することとしたが、新規に受け付けた患者(患者IDがない患者)であるか否か、同一の病気において再診であるか否か、同一の診療科内において再診であるか否かに基づいて、再診の患者であるか新患であるかを判断してもよい。また、所定期間受診していなかった場合には、新患扱いとすることとしてもよい。
【0125】
また、上記各実施の形態では、病名テーブルT1及び検査内容テーブルT2がデータ管理サーバー1に記憶されている場合について説明したが、病名テーブルT1及び検査内容テーブルT2が端末装置4A,4B等に記憶されていてもよい。
【0126】
以上の説明では、各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピューター読み取り可能な媒体としてHDDや不揮発性メモリーを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
【符号の説明】
【0127】
1 データ管理サーバー
2A,2B 施設内システム
3A,3B 医事会計システム
4A,4B 端末装置
5A,5B 検査装置
7A,7B 施設内ネットワーク
11 制御部
12 操作部
13 表示部
14 通信部
15 RAM
16 記憶部
41 制御部
42 操作部
43 表示部
44 通信部
45 RAM
46 記憶部
47 I/F
82 検査画像表示画面
84 カルテ情報入力画面
93 カルテ情報入力画面
100 データ管理システム
161 センターDB
431 医用情報表示画面
432 医用情報表示画面
N 通信ネットワーク
P1 サーバープログラム
P2 アプリケーションプログラム
T1 病名テーブル
T2 検査内容テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の患者のカルテ情報を記憶する記憶手段と、
前記複数の患者のうちいずれか一の患者を選択するための選択手段と、
前記選択された患者のカルテ情報入力画面を表示手段に表示させる制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記選択された患者の過去のカルテ情報が前記記憶手段に記憶されているか否かを判断し、前記選択された患者の過去のカルテ情報が前記記憶手段に記憶されている場合に、前記選択された患者の過去のカルテ情報における病名又は検査内容に基づいて、前記カルテ情報入力画面として、前記選択された患者の過去のカルテ情報のうち所定のカルテ情報が既に入力された画面を表示させる表示制御処理を実行する電子カルテ作成システム。
【請求項2】
前記所定のカルテ情報は、前記選択された患者の過去のカルテ情報において病名又は検査内容が複数重なっている場合の、当該重なっている病名又は検査内容を含むカルテ情報の中で最新のカルテ情報である、
請求項1に記載の電子カルテ作成システム。
【請求項3】
前記表示制御処理を実行するか否かを切り替えるための切替手段を備える、
請求項1又は2に記載の電子カルテ作成システム。
【請求項4】
前記表示制御処理が実行されない場合に、前記制御手段は、前記カルテ情報入力画面として、新規作成画面を表示させる、
請求項3に記載の電子カルテ作成システム。
【請求項5】
前記表示制御処理が実行されない場合に、前記制御手段は、前記選択された患者の過去のカルテ情報が前記記憶手段に記憶されているか否かを判断し、前記選択された患者の過去のカルテ情報が前記記憶手段に記憶されているときに、前記カルテ情報入力画面として、前記選択された患者の過去のカルテ情報のうち予め指定されたカルテ情報が既に入力された画面を表示させる、
請求項3に記載の電子カルテ作成システム。
【請求項6】
前記予め指定されたカルテ情報は、前記選択された患者の過去のカルテ情報のうち最新のカルテ情報である、
請求項5に記載の電子カルテ作成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−105350(P2013−105350A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249243(P2011−249243)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)