説明

電子カードおよびその製造方法

電子カード10は、デジタルプロセッサ、電気化学的なバッテリ、および通信ポートを含む。プロセッサおよびバッテリは、本質的に同一平面上にあり、2つの柔軟なカバー12,14の間に挟まれ、これらに覆われ、望ましくは、絶縁プラスチック材料から作られ、そして望ましくは、それらが覆う部品にフィットする。通信ポートは、例えば、スマートカード接触パッド、ストライプエミュレータ、RFポート、およびIRポート等を含み得る。バッテリは、再充電可能なバッテリを含み得る。望ましい実施例において、少なくともプロセッサは、柔軟なプリント回路(PC基板)により運ばれる。もう1つの望ましい実施例において、スイッチ及び/又はインジケータはまた、PC基板によって運ばれる。電子カードを製造するための方法は、少なくとも2つの要素がまた開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、電子セキュリティに関し、より詳しくは、スマートカードのようなセキュア電子トランザクションカードに関する。
【背景技術】
【0002】
電子セキュリティについては、非常の多くのアプリケーションが存在する。例えば、セキュリティは、ファイナンシャルトランザクション、あるいは種々の物理的および非物理的なリソースへのアクセスを提供することに対して要望され、または求められる。電子セキュリティに大きく関係する分野は、例えばクレジットカードやデビットカードのように、ファイナンシャルトランザクションの領域である。
【0003】
標準的なクレジットカード、デビットカードや他のファイナンシャルトランザクションカード(以下「トランザクションカード」という)は、典型的に、16桁のアカウントナンバや他のデータがエンボス加工されたプラスチックボディを有する。磁気ストライプは、通常「ストライプ」として参照され、カードの背面に固定されている。ストライプは、典型的に、アカウントナンバ及び/又は他のデータを磁気的にエンコードする。
【0004】
ストライプは、典型的に、磁気テープ材料であり、デジタルデータ記録において使用される磁気テープによく似たものである。ストライプ材料は、典型的に、トランザクションカードアプリケーションに必要とされるデータエンコーディング能力および物理的な耐久特性を伴う磁気ストライプを提供する磁性酸化物およびバインダ化合物を含む。これらの磁気テープ部品がトランザクションカードアプリケーションのために最適化されている間は、トランザクションカード上の磁気ストライプに使用される磁気テープは、標準的なデジタルデータ記録テープにかなり似たものである。
【0005】
磁気ストライプカードにおいて使用される2つの最も共通な磁性酸化物は、低飽和保磁力(LoCo)および高飽和保磁力(HiCo)磁性酸化物として参照される。飽和保磁力は、ストライプを磁化あるいは消磁化するのがどれだけ難しいかを測り、そして、エルステッドで測られる。低飽和保磁力の磁気ストライプは、典型的に、300エルステッドであり、高飽和保磁力の磁気ストライプは、2700エルステッドを越える。高飽和保磁力の磁気ストライプは、エンコードしたりや消去するために、低飽和保磁力の磁気ストライプの約3倍のエネルギを求める。多くのトランザクションカードアプリケーションは、LoCoの磁気ストライプよりも、エンコードされたデータを誤って消去するということが難しいことから、HiCoの磁気ストライプに向かっている。これは、多くのアプリケーションのために使用されるエンコードされたデータの耐久性および可読性をさらに提供する。
【0006】
トランザクションカードにおける磁気ストライプのエンコーディングは、トランザクションカードアプリケーションに再度最適化されたものであるが、典型的に、標準デジタル記録技術に従うものである。エンコードされたデータは、交互の磁極性を伴う磁気ストライプ中で磁化のゾーンの形式をとる。磁化されたゾーンのN極およびS極は、二進数のデジタルコードに係る二進数の「0」と「1」を表現できるエンコーディング技術の提供により方向を交互に入れ替える。
【0007】
トランザクションカードにおける磁気ストライプについての標準的なエンコーディング技術は、2進法の0が長い磁化ゾーンで表され、2進法の1が、それぞれ0の長い磁化ゾーンの半分の長さである2つの磁化ゾーンによって表されるF2F(Aiken 2重・周波数)コードである。これらの磁化のゾーンの正確な長さは、磁気ストライプ上でどれだけのデータが記録されるべきかによって決定される。例えば、国際標準化機構(ISO)の規格7811−2/6において、トラック2データは、1インチ当たり75ビット、あるいは1インチ当たり75の長い0ゾーンでエンコードされる。これは、0磁化ゾーンについて0.1333インチの長さに等しい。2進法の1は、その長さの半分の長さか、あるいは、0.00666インチの長さとなり得る。磁気ストライプのトラック1およびトラック2において使用される1インチ当たり210ビットのような異なるデータ密度についての他の長さが得られる。
【0008】
磁気ストライプにおいてエンコードされたデータの読み取りは、磁気リードヘッドによって、ストライプ中の磁化ゾーンから広がる磁気フラックス領域を補足することにより成し遂げられる。リードヘッドは、このリードヘッドのコイル中で変化している磁気フラックスをエンコードされたデータの磁化ゾーンをミラーリングする電圧パターンに変換する。電圧パターンは、それから復号電子工学によって、この技術分野において良く知られるデータの二進数の0と1に変換され得る。
【0009】
磁気ストライプエンコーダは、磁気書込ヘッドおよびストライプ中の磁性酸化物を全て磁化する(飽和状態)ことができる電子カレント駆動回路からなる。磁気ストライプのデータエンコーディングを形成するであろうストライプ中の磁化方向のオルタネーティングゾーンをつくり出すことから、書込ヘッド中の記号化した電流は、方向を交互に入れ替えることができ、磁気ストライプのデータエンコーディングを形成するであろうストライプにおける磁化方向のオルタネーティングゾーンを作りだす。トランザクションカードは、典型的に、消費者に届く前に、商業用の磁気ストライプエンコーダにおいてアカウント及び/又は他の情報にエンコードされるカード独自のストライプを備える。
【0010】
トランザクションカードに対する磁気テープアプリケーションの処理、磁気ストライプのエンコーディング、および使用に際して磁気ストライプにおいてエンコードされたデータの読み取りは、ファイナンシャル、IDおよびアプリケーションにより基礎付けられるトランザクションカードについて、信頼性のある、そしてコスト効果のある方法であった。しかしながら、磁気ストライプデータの読み取り、エンコーディング、または再エンコーディングにおける相対的な容易性は、偽造、1またはそれより多くのカードへのコピー(しばしば「スキミング」と参照される)、および他の不正な悪用を受けやすい磁気ストライプトランザクションカードを作り出した。スキミングの不正は、独自に世界中に成長し、早急な解決を要する財政的なドル損失に達した。
【0011】
標準的なトランザクションカードには、多くのセキュリティ問題が存在する。1つには、ストライプは静的であり、暗号化されておらず、トランザクションカードの泥棒に、実際の感覚のおいて、ストライプからのデータを「盗む」こと、および、未許可のトランザクションについてそれを使用することを許してしまう。これは、標準的な磁気ストライプカードのトランザクションデータは、「むき出し」であり、すなわち、暗号化されていないからである。そうして、偽造のトランザクションカードが、そのカードが取り消されるまで、泥棒に自由に使用され得る。
【0012】
スキミングや偽造の問題については、マグネプリント技術を有するマグテク社によって取り組まれている。マグネプリント(登録商標)は、「スキムされた」または磁気的に改ざんされた偽造カードを検索できるカードセキュリティ技術である。指紋が人間を個別に識別できるように、マグネプリント(登録商標)は磁気ストライプカードを個別に識別する。マグネプリント(登録商標)は、アメリカ合衆国、ミズーリ州、セントルイスのワシントン大学で発見された。マグテクは、この技術を実用化できるように洗練し、この技術市場に対して独占的ライセンスを保有する。マグネプリント技術は、何百万もの旧式のカードリーダを放棄するような、その実施のために修正されたカードリーダを要求する。
【0013】
セキュリティ技術の欠如に加えて、標準的なトランザクションカードはまた、記憶容量が極めて制限されている。つまり、標準的なカードは、自らの記憶についてのストライプが制限される。そのようにして、標準的なカードは、電子カード、例えば、オンボードプロセッサ及び/又はデジタルメモリのような電子部品が組み込まれたカードではなく、そして、自らの機能性において多大な制限を受けるものである。
【0014】
電子カードの例は、「スマートカード」とよばれ、これは、オンボードプロセッサおよびデジタルメモリを含むものである。オンボード電子部品の供給により、スマートカードは、暗号化のようなセキュリティプロトコルを実行でき、大量のユーザ情報等を記憶することができる。
【0015】
スマートカードに対する共通規格は、ISO7816規格として参照される。このプロトコルに従い、スマートカードは、組み込まれたセキュアプロセッサにつながれた、導電性があり、かつ外部アクセス可能な多くのコンタクトパッドを含む電子インターフェースとともに提供される。スマートカードは、電力とセキュアプロセッサとの通信を供給するために、コンタクトパッドとの電気的な接触をなすスマートカードリーダに挿入される。スマートカードはまた、セキュアプロセッサといかなる情報のやり取りをも行わない標準的なストライプを含むことができる。
【0016】
メモリチップやマイクロプロセッサチップを使用するスマートカードは、データの保存の増加を提供し、磁気ストライプトランザクションカード内に見られるいくつかの種類の不正に対して保護するために導入された。スマートカードは、いくつかの種類の不正を減少させるが、磁気ストライプトランザクションカードよりももっと高価になり、そして、トランザクションを行う際の磁気ストライプリーダは、データ記憶チップや磁気ストライプを読み込むことができるリーダに置き換えられなければならなかった。磁気ストライプトランザクションカードおよびアプリケーション(例えば「レガシー」カードリーダ)のまわりに構築されて存在している基盤が変化することにおける、これらのコスト要因と惰性は、アメリカ合衆国内でのスマートカードの急速な、より一般的な受け入れを阻んだ。
【0017】
アメリカ合衆国内でのスマートカードの遅い受け入れに係るもう1つの要因は、エンドユーザまたは消費者に対する目に見える利益の欠如である。消費者は、ただ、トランザクションを完了させるためにチップを使うが如く磁気ストライプを使って満足している。
【0018】
上述のように、海外で広く適用される間、スマートカードは、アメリカ合衆国において大々的に適用されてこなかった。この大きな理由は、スマートカードのセキュアプロセッサと通信をすることができないレガシーカードリーダについて何百万の業者によってなされた投資にある。また、ISO7816規格に従うスマートカードは、厳しく制限されたI/O、レガシーカードリーダを伴う「スマートな」トランザクションの提供不能等を含むことで、自らの制限に悩まされている。
【0019】
一般的なスマートカードのもう1つの制約は、スマートカードがスマートカードリーダに接触していないときに、ユーザとの交流が欠如することである。この制約は、先行技術のスマートカードが、オンボードのパワーサプライを有していない事実による。それ故、技術部品は休止状態となり、交流を許さない。この制約は、アカウントセレクション、又は、カードをロックする等のセキュリティ特性のような無数の特性を妨げる。
【0020】
もう1つの提案されたアプローチは、未だ使われていないが、レガシーカードリーダとともに作動するゼネラルプロセッサとストライプエミュレータを用いる。ここで使われる用語「ストライプエミュレータ」は、レガシーカードリーダに転送されたデータがゼネラルプロセッサの制御下にあるようなトランザクションカードを参照するであろう。このアプローチは、ここでは、電気カードの一形態である「エミュレータカード」として参照されるであろう。
【0021】
エミュレータカードは、潜在的に、標準的なクレジットカードを超える多くの明白な有利性を備える。一例として、単体のカードは、多くの異なるトランザクションカードをエミュレートでき、利用者の財布の嵩を大きく減らすことができるものである。例えば、エミュレータカードは、VISAカード、マスターカード、およびATMカードをエミュレートできる。また、エミュレータカードはプロセッサを含んでいるので、セキュリティ機能のような付加的な機能を実行することができるようになる。
【0022】
しかしながら、エミュレータカードは、また、自らの限界を有する。一例として、ゼネラルプロセッサが使用されるので、カードのセキュリティレベルが低下する。例えば、ハッカーは、潜在的にセキュリティがかけられていない電子メモリに記憶されたデータを得ることができるようになる。また、エミュレータカードは、レガシーカードリーダとともに作動するよう設計されているので、スマートカードプロトコルを取り扱うことがない。例えば、標準的なクレジットカードと同様に、データはエミュレータカードからレガシーカードリーダへと流れ、その逆はない。さらに、エミュレータカードによって供給され得る情報は、標準的なストライプが保持でき、レガシーカードリーダが読み込みできる多くの情報によって制限される。
【0023】
多用途の、および、安価に製造される電子カードに伴う不正の減少についての必要性は、緊急を要する。アメリカ合衆国において、不正は、クレジットカードトランザクションにおいて7.5から12基礎ポイントの範囲に及ぶ傾向にあり、スキミングは、それ自体で2005年において80億ドルのコストとして概算される。スキミングが原因で60%となって、25から40までの基礎ポイントの不正の傾向とともに、国際的に、その必要性がさらに急を要するものなっている。それにも関わらず、アメリカ合衆国や他の場所の商人は、コスト、不便さ、混乱、信頼性の欠如を含む様々な理由のために、彼らの現在の磁気カードトランザクション装置の全てを替える必要のある資源に投資することを渋っている。
【0024】
ファイナンシャルトランザクションの他に電子カードについての他の用途がある。例えば、電子カードは、例えば建物(「アクセスコントロール」)の高セキュリティエリアへの人材を許すためのセキュリティ目的のために使用されてきた。電子カードはそれ故、運搬者の証明及び/又は状況が、物理的カードまたは「証拠」によって証明されることを必要とする、様々な目的について使用され得る。
【0025】
電子カードは、上述のように、標準的で、非電子的な磁気ストライプカードと比較して相対的に高価になる傾向にある。これは、部分的に、電子部品のコストにより、そして、部分的に、電子カード製造の複雑さによるものである。例えば、熱及び/又は圧力が敏感な電子部品にダメージを与えないようにする電子カードのラミネーションの間に、配慮がなされなければならない。また、電子カードは、薄く、柔軟で、標準的なカードと同じ望ましい大きさのままであるべきである。もう1つの例として、ストライプエミュレータは、レガシーリーダと共に動作するように設計し、製造することが難しくなる傾向にある。
【0026】
さらに、電子カードの電子回路網に電力を供給することは、問題となる傾向にある。例えば、スマートカードは、それらのリーダから電力が供給され、非接触アプリケーションにおけるその実用性を制限する。ユビキタス電子カードに電力を供給することについての良い解決は、従来技術において未だ見つかっていない。
これらの、そして他の従来技術の制限は、以下の記述を読み、いくつかの図面を研究することで、当業者に明白となるであろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
前記した問題、そして従来のトランザクションカードおよび電子カードの制限に取り組む電子カードの多くの限定されない例が表される。当業者に明らかなように、ここで開示される方法および装置は、改良された電子カードとともに要求し又は改良される広い様々な問題に適用可能である。
【0028】
本発明の目的は、薄く、柔軟な基板電源を伴う電子カードを提供することである。
【0029】
本発明のもう1つの目的は、効率的でコスト効果のある電子カードの製造方法を提供することである。
【0030】
本発明のもう1つの目的は、改良されたI/O容量を伴う改良されたスマートカードを提供することである。
【0031】
本発明のもう1つの目的は、改良されたセキュリティを伴う電子トランザクションカードを提供することである。
【0032】
本発明のもう1つの目的は、改良されたエミュレータトランザクションカードを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0033】
ある実施例において、限定よりもむしろ例として説明されるが、電子カードは、薄く、平坦なデジタルプロセッサ、薄く、平坦な電気化学バッテリ、通信ポート、第1の柔軟なカバー、および第2の柔軟なカバーを含む。デジタルプロセッサは、望ましくは、第1の実質的に平面的な表面と、実質的に対向する実質的に平面的な第2の表面とを有し、第1の表面、第2の表面、およびプロセッサの断面の少なくとも1つが最大表面エリアを定め、実質的にプロセッサと同一平面上に配置され、プロセッサに電源を供給するバッテリを有する。通信ポートは、プロセッサに接続される。第1の柔軟なカバーと対向する第2の柔軟なカバーのそれぞれは、デジタルプロセッサとバッテリの最大表面エリアよりも大きな表面エリアを有する。プロセッサとバッテリは、第1の柔軟なカバーと第2の柔軟なカバーの間に挟まれ、取り囲まれる。
【0034】
望ましい実施例において、電子カードは、柔軟な回路基板を含む。もう1つの望ましい実施例において、第1のカバーおよび第2のカバーの少なくとも1つは、回路基板、プロセッサおよびバッテリを超えてフィットするように輪郭が描かれる。もう1つの望ましい実施例において、1つまたはそれより多くのスイッチが回路基板に接続される。もう1つの望ましい実施例において、1つまたはそれより多くのインジケータが回路基板に接続される。もう1つの望ましい実施例において、プロセッサはフリップチップ法で、回路基板に接続される。もう1つの望ましい実施例において、プロセッサは接着されたワイヤとともに、回路基板に接続される。もう1つの望ましい実施例において、接着されたワイヤは、低ループ高さを有する。もう1つの望ましい実施例において、プロセッサは、プリント回路基板に対して封入される。もう1つの望ましい実施例において、バッテリは、2つまたはそれより多くのバッテリを含む。もう1つの望ましい実施例において、バッテリは、再充電可能ではない。もう1つの望ましい実施例において、バッテリは再充電可能である。もう1つの望ましい実施例において、バッテリは、再充電可能なバッテリと再充電不能なバッテリを含む。もう1つの望ましい実施例において、バッテリは、パワーフィルタを含むパワーサプライの部分である。
【0035】
ある実施例において、限定ではなくむしろ例として説明されるが、電子カードの製造方法は、柔軟なプリント回路基板を作ること、少なくとも1つのプロセッサをプリント回路基板に取り付けること、少なくとも1つのバッテリをプリント回路基板に接続すること、少なくとも1つのプロセッサを封入すること、トップカバーとボトムカバーを作ること、およびトップカバーとボトムカバーの間に、プリント回路基板、プロセッサおよびバッテリを挟むこと、を含む。
【0036】
ある実施例において、限定よりはむしろ例として説明するが、改良されたスマートカードは、信号ポート、電源ポート、および接地ポートを含む外部アクセス可能なカードインターフェースと、少なくともカードボディに部分的に配置され、信号ポート、電源ポート、および接地ポートに接続されるセキュアプロセッサと、カードボディ内に少なくとも部分的に配置されるゼネラルプロセッサであって、カードボディ内に少なくとも部分的に配置される電源に接続され、セキュアプロセッサが改良されたスマートカードモードで使用されるときに、セキュアプロセッサに電力を供給し、かつセキュアプロセッサと通信するよう動作するゼネラルプロセッサと、セキュアプロセッサとゼネラルプロセッサの少なくとも1つに接続される非接触通信ポートを含む。
【0037】
ある実施例において、限定よりはむしろ例として説明するが、セキュアトランザクションカードは、カードボディ、カードボディ内に少なくとも部分的に配置されるセキュアプロセッサ、カードボディ内に少なくとも部分的に配置されるゼネラルプロセッサ、カードボディ内に少なくとも部分的に配置される電源、およびセキュアプロセッサとゼネラルプロセッサの少なくとも1つに接続される非接触通信ポートを含む。
【0038】
ある実施例において、限定よりはむしろ例として説明されるが、スワイプエミュレーティングブロードキャスタシステムは、細長いコア材料と、コア材料のまわりに複数の巻を有する巻線と、カードリーダのリードヘッドを通った磁気ストライプトランザクションの差し込みをエミュレートする動的磁気フィールドを、コイルが提供できるように、ブロードキャスタドライバ信号を有し、コイルに接続された信号ジェネレータとを含む。
【0039】
望ましい実施例において、信号ジェネレータは、デジタル出力およびデジタル出力をブロードキャスタドライバ信号に変換する信号プロセッシング回路を有するプロセッサを含む。もう1つの望ましい実施例において、信号ジェネレータは、デジタル信号ジェネレータである。もう1つの望ましい実施例において、コイルは、複数のコイルのうちの1つである。もう1つの望ましい実施例において、複数のコイルのうちの少なくとも1つは、トラックコイルである。もう1つの望ましい実施例において、複数のコイルのうちの少なくとも1つは、キャンセラレーションコイルである。もう1つの望ましい実施例において、コイルは、コアに巻き付けられたコイルを含む。もう1つの望ましい実施例において、コイルは、少なくとも導電材料の蒸着および導電材料のエッチングを含む工程により、コアのまわりに形成されるワイヤを含む。
【0040】
ある実施例において、限定よりはむしろ例として説明されるが、薄い輪郭を描くアプリケーションについての低ループ接着を造り出す方法は、組み立てられたセミコンダクタの第1の表面を、複数の回路基板接触パッドを有する回路基板の第1の表面に取り付けて、前記第1の表面に対向する前記ダイの第2の表面が複数のダイ接触パッドへのアクセスを提供するために露出されるようにすることと、ワイヤの第1の端部を回路基板接触パッドにワイヤ・ボンディングすることと、前記ワイヤの第2の端部をダイ接触パッドにワイヤ・ボンディングして、前記ワイヤのループ高さが前記ダイの前記第2の表面の上に、5ミルと同じになり、前記回路基板の前記第1の表面の上に、20ミルと同じになるようにすることを含む。
【0041】
これらのおよび他の実施例、態様、および有利性は、以下の記述を読むことおよび様々な図面を研究することで、当業者に明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
既述のように、電子セキュリティについては、非常に多くのアプリケーションが存在する。多くのアプリケーションのうちの1つは、ファイナンシャルトランザクション、すなわち、クレジットカードやデビットカードのようなトランザクションカードを使用するファイナンシャルトランザクションについてのセキュリティを提供するためのものである。以下の望ましい実施例において、改良された電子セキュリティのための他の使用が本発明の本質および範囲内にあるという理解を伴って、重要点がトランザクションカードセキュリティに置かれるであろう。
【0043】
いくつかの望ましい実施例が、これから、同様の部品に同様の参照番号が付された図面を参照しながら記述されるであろう。望ましい実施例は、限定されることなく、例示することを目的としている。
【0044】
図1は、限定ではなく例として説明される、カードボディ11を含む電子カード10の実施例である。カードボディは、望ましい実施例におけるポリ塩化ビニル(PVC)のような熱可塑性材料によって作られるが、十分な柔軟性と耐久性を伴う他の材料もまた適している。例えば、薄い金属(例えばステンレス鋼)と同様に、他の熱可塑性プラスチックが用いられ得る。もちろん、もし、伝導性の材料がカードボディ11に用いられた場合には、電気的及び/又は電子的な部品からの適切な電気絶縁が維持されなければならない。さらに、樹脂やカーボンファイバ、有機的及び非有機的な材料等のような他の材料もまた種々の択一的な例として適している。要約すれば、カードボディ11は、トランザクションカードに使用されるために十分に強く十分に耐久性のある適切な材料で作り出され得る。
【0045】
望ましい電子カード10は、電子インターフェース16に伴って提供される前面12を有する。これは、電子カード10のための通信ポートの限定されない一例である。他の実施例において、インターフェース16は、省略してもよく、または、追加の通信ポートが提供されてもよい。
【0046】
図示されるインターフェース16は、この例において、国際標準化機構「スマートカード」規格ISO7816に従う形態に形成される多くのコンタクトパッドを含む。この望ましい実施例において、電子カードは、レガシーモードスマートカードとして使用できる。また、前面12上には、インスティチューションアイデンティファ18、インスティチューションナンバ20、アカウントナンバ、およびクライアントネーム24が示されている。アカウントナンバは、好ましくは、クレジットカードの刷込機械のために浮き出た数字を提供するように、電子カード10上にエンボス加工されている。
【0047】
図2は、望ましい電子カード10の背面14を示している。この望ましい実施例において、磁気ストライプエミュレータ26は先行技術のレガシー磁気ストライプリーダと通信可能な背面14上に備えられる。ストライプエミュレータ26は、それ故、通信ポートの限定されないもう1つの例である。
【0048】
電子カードはまた、例えば、オン/オフボタン28、「オン」インジケータ30、および「オフ」インジケータ32を有する。この望ましい実施例において、「オン」インジケータ30は緑色LEDであってもよく、「オフ」インジケータ32は、赤色LEDであってもよい。また、望ましいカードの後ろ14に見られるのは、アカウントインターフェース34である。各アカウントインターフェース34は、望ましくは、アカウントインジケータLED36とアカウントセレクタスイッチ38とを有する。各アカウントインターフェース34はまた、例えば、アカウントや有効期限を証明する印刷された情報を有し亭もよい。背面14はまた、この例において、指示40、インスティチューションアイデンティファ41、署名ボックス42、および様々な他の任意の印刷された情報を有する。
【0049】
図3は、望ましい電子カード10の回路構成に係るブロック図であり、限定されない例として表される。この例において、電子カード10は、セキュアプロセッサ44、ゼネラルプロセッサ52、および磁気ストライプエミュレータ64を含む。この実施例では、セキュアプロセッサ44とゼネラルプロセッサ52はいずれもISO7816のバス48によるインターフェース16に結合されている。
【0050】
セキュアプロセッサ44は、望ましくは、セキュア暗号機能および不正変更防止ストレージ46のような様々な不正変更防止特性を有する市販のスマートカードチップである。セキュアプロセッサ44の実施例は、限定されない例として与えられ、ドイツ共和国のフィリップスにより製造されたP8WE6032プロセッサである。類似のデバイスは、日立、インフィニオン、東芝、STその他によって製造されている。先に述べたように、この例のセキュアプロセッサ44は、バス46を介してインターフェース16に電気的に接続されている。
【0051】
ゼネラルプロセッサ52はまた、この例において、バス48に接続され、それ故、セキュアプロセッサ44とインターフェース16の両方に接続されている。加えて、この例では、ゼネラルプロセッサ52はI/O2ライン50によってセキュアプロセッサ44に接続されている。本実施例において、メモリ54はI/O2ライン50によってゼネラルプロセッサ52に接続されている。ゼネラルプロセッサ52はまた、この例において、電源56、ディスプレイ58、スイッチ60、および他のI/O62に接続されている。
【0052】
もう1つの例において、ゼネラルプロセッサ52は、ISO7816に従うモードによりバス48を越えてセキュアプロセッサ44と通信する。そのような実施例において、他のいかなるセキュアプロセッサへの接続も要求されない(例えば、I/O2ライン50接続は省略され得る)。
【0053】
電源56は、望ましくは、カードボディ11内に配置される電気化学的なバッテリである。それは、再充電不能なバッテリあるいは再充電可能なバッテリのどちらでもよい。もし、電源56が再充電不能なバッテリである場合、その耐用年数に関して電子カード10に電力を供給するための十分な容量を有しているべきである。もし電源56が再充電可能であれば、電子カード10は無制限に使用され得る。再充電可能なバッテリは、例えば、磁気誘導(例えばインダクションコイルまたはブロードキャスタコイルを通じ)、ボディ11に組み込まれる光電池、電子カード10内に組み込まれる圧電材料、もう1つの電子コネクタ、動的な再充電構造(例えば磁石およびコイル)、または他の適切な構造によって、インターフェース16を通じて再充電され得る。例えば、場合によっては、周囲のRFエネルギの整流が、電子カード10に電源を供給し、バッテリを充電し、又は、例えばコンデンサに追加の充電を蓄えるための十分なエネルギを供給し得る。
【0054】
もう1つの望ましい実施例は、カードボディ内に配置される第1のおよび第2のバッテリを含む。例えば、再充電不能なバッテリが第1のバッテリの役を果たすことができ、再充電可能なバッテリが第2のバッテリの役を果たすことができ、その逆でもよい。これらの望ましい実施例は、限定されない例として与えられる。
【0055】
電源56は、電子カード10に組み込まれるのであるから、薄くなければならない。これは、電子カード10は、多くのアプリケーションのために、一定の範囲内で曲がるにちがいないからである。例えば、トランザクションカードのアプリケーションに使用される電子カード10は、幅85.60mm(〜3370ミル)、高さ53.98mm(〜2125ミル)、および厚さ0.76mm(〜30ミル)となるISO7816規格に適合しなければならない。これは、しばしば「CR80」フォーマットとして参照され、おおよそ3−1/2「by2」であり、標準的な財布に良く合う。しかしながら、CR80ファーマットより大きかったり、小さかったり、または異なって構成される他のフォーマットが使用され得る。限定されない例として、CR80の大きさよりも小さな電子カードが、例えばキーホルダーに合うように作られる。
【0056】
カードは、例えば、差し込み型のレガシーカードリーダに使用できるように、いくらか柔軟でなければならず、また、電源は、表面領域内で比較的大きい場合にいくらか柔軟であることが望ましい。しかしながら、柔軟性は、表面領域内でバッテリが比較的小さい場合、または、いくつかの小さなバッテリが電源56を形成するために共に結合している場合には、問題にならない。また、例えば、もし、熱及び/又は圧力のラミネーション技術が電子カード10を製造するために用いられている場合には、電源56は、熱及び/又は圧力に耐え得ることが重要である。
【0057】
適切なバッテリの例は、ドイツ共和国のVarta Microbattery of Ellwangen、フロリダのSolicore of Lakelandによって製造されている。バッテリは、他のバッテリのタイプまたは容量性記憶素子が使用されるが、望ましくは、本来電気化学的なものである。適切な電気化学的なバッテリは、限定されない例として、リチウム−ポリマ、Ni-MH、リチウム、リチウムイオン、アルカリ等を含み得る。
【0058】
ゼネラルプロセッサ52は、例えば、PIC16またはPIC18マイクロコントローラであってもよい。もう1つの実施例において、ゼネラルプロセッサ52は、ASICチップを含んでいてもよい。さらなる実施例において、ゼネラルプロセッサは、所望の機能を実行するロジック(例えば、状態機械、アナログプロセッサ等)のいかなる形式であってもよい。
【0059】
ディスプレイ58は、例えば、先に開示されたLED装置であり得る。もう1つの限定されない例として、ディスプレイ58は、フレキシブルLCDディスプレイを含み得る。LCDディスプレイは、比較的大きい表面領域である場合に柔軟であることが望ましい。スイッチ60は、電子カード10に入力または制御を提供するためのスイッチの機能性を備える電気的なスイッチまたは装置のいかなる形式をも備え得る。プロセッサ52は、例えばそのようなスイッチに係るアルゴリズムをデバウンスするソフトウェアを提供し得る。他のI/O62は多くの他のI/Oサブシステムを含み得る。これらは、限定されない例として、オーディオ、タクタイル、RF、IR、光学、キーボード、バイオメトリックI/Oあるいは他のI/Oを含み得る。セキュアプロセッサ44はまた、ISO7816規格に従うRFまたはIRによるI/Oを提供し得る。
【0060】
また、この望ましい実施例において、ゼネラルプロセッサ52に接続されているのは、磁気ストライプエミュレータ64であり、これは、電子カード10に、先行技術の磁気ストライプカードをエミュレートするモードにおいて使用され得る。磁気ストライプエミュレータ64は、この限定されない例において、ゼネラルプロセッサ52からの出力を磁気ストライプエミュレーションに適した波形に変換するバッファリング回路66で構成される。この望ましい実施例において、バッファリング回路66は、RCネットワークとして典型的に実行される変換回路を含む。ブロードキャスタに従って、RCネットワークは、波形を調整するためのRCLネットワークを形成する。RCネットワークとその等価物は、当業者によく知られている。
【0061】
この例において、磁気ストライプエミュレータ64は、さらにブロードキャスタ68を含む。ここで使用される用語「ブロードキャスタ」は、磁気カードリーダの読み取りヘッドを通り過ぎてトランザクションカードのストライプの挙動(「挿入」)をエミュレートする変動磁気信号を「ブロードキャストする」のに使用される1またはそれより多くの誘導コイルを参照する。
【0062】
ブロードキャスタ68は、バッファリング回路66に電気的に接続されてもよく、望ましくは、ブロードキャスタ68によって、磁気ストライプエミュレーションのための磁気インパルスに変換される2つの信号トラックを受ける。もう1つの実施例では、1、3、4またはそれより多くのトラックを含む。ブロードキャスタ68は、 電気信号を磁気インパルスに変換するための1またはそれより多くの電気コイルを含む。
【0063】
この例のブロードキャスタ68は、さらに、ゼネラルプロセッサ52に電気的に接続される1またはそれより多くのセンサ70を含んでいてもよい。これらのセンサは、レガシーカードシステムにカードボディ10が挿入されるという物理的動作が始まったということをゼネラルプロセッサ52に送信するために使用される。センサ70はまた、ブロードキャスタからの磁気フラックスインパルスの受け取り、読み取りを行う磁気ストライプリーダ72との接触がなくなったときに、ゼネラルプロセッサ52との通信を行う。
【0064】
先に述べたように、この例における電子カード10は、電子インターフェース16を含む。この例では、電子コネクタ16はISO7816のリーダ装置74と通信するためのISO7816に従って使用される。つまり、この例において、電子カード10は、レガシースマートカードとして、または、レガシー磁気ストライプトランザクションカードとして使用され得る。
【0065】
レガシースマートカードモードで使用されるとき、セキュアプロセッサ44は、スマートカードリーダ装置74からのバス48によって電力が与えられる。リーダ装置74は、限定されない例として、ファームウェアコード、アカウントナンバ、暗号キー、PINナンバ等を含む様々な情報を伴うセキュアプロセッサ44をプログラムし、パーソナライズするために使用され得る。この情報は、一度セキュアプロセッサ44にロードされるとリーダ装置74の使用をもはや要求しないオペレーショナルモードのためのセキュアプロセッサ44を準備する。
【0066】
この「独立」モードにおいて、セキュアプロセッサ44は、ゼネラルプロセッサ52と通信し、暗号化機能、ゼネラルプロセッサ52および磁気ストライプリーダ72を伴う磁気ストライプエミュレータ64を経由して通信するために使用される認証情報の動的生成のようなサービスを提供する。この例においてもまた、認証コードは単一のトランザクションのために一度だけ使用され得る。後に続くトランザクションは、生成されるべき新たな認証コードを要求する。セキュアプロセッサ44は、RFおよびIRを経由して、アカウント情報及び/又はDACsを送る。
【0067】
もう1つの例において、カードボディ10は、リーダ装置74および磁気ストライプリーダ装置72とともに使用され続ける。この例において、カードは、使用されるモードを検索し、オペレーションの検索モードに適したバス48の使用にスイッチを自動的に切り替える。これは、任意のバスア−ビトレータ76により達成される。他の実施例において、バスアービトレータ76は存在しない。電子コネクタ16からバス48を経由してリーダ装置74によって電力が供給されることから、任意のバスアービトレータ76は、リーダ装置74とともに使用されているときに検索をすることができる。同様に、任意のバスアービトレータ76は、電力がゼネラルプロセッサ52によって提供されていることを検索し、ゼネラルプロセッサ52、およびそこに接続されている様々なI/O装置にサービスを提供するオペレーションの対応するモードにスイッチを切り替える。他の実施例でもまだ、任意のバスアービトレータ76はゼネラルプロセッサ52とセキュアプロセッサ44の両方におけるそれぞれ互いの動的通信、およびリーダ装置74を伴う動的な通信を許容する。これは、当業者によく知られるバスアービトレーションロジックを要求する。さらに他の実施例において、ゼネラルプロセッサ52は、セキュアプロセッサ44と電子コネクタ16との間に割り込む。この他の実施例において、ゼネラルプロセッサ52は、セキュアプロセッサ44に対して「仲介者」あるいは「フロントエンド」として作動する。
【0068】
図3を参照しながら、望ましい非接触通信ポート77は、望ましい通信ポート16と64に、二者択一的に、または付加的に含まれていてもよい。つまり、非接触通信ポート77は、リーダを伴う物理的接触なしで通信を許容するように提供され得る。
【0069】
非接触通信ポート77は、ラジオ周波数通信ポート、IR通信ポート、または、物理的接触を要求しない他のどんな通信の形式であってもよい。もちろん、他の実施例は、通信ポート16やブロードキャスタのような、接触する通信ポートで供給されてもよい。つまり、これらの実施例は、限定されない例として記述される。
【0070】
スマートカード通信のためのラジオ周波数(「RF」)の基準は、2001年付けのISO/IEC14443である。それは、アンテナおよびRFドライバ特性を含み、2つの非接触カード(「A」と「B」)のタイプを定義し、距離10cmまでの通信を許容する。標準化過程を未だ完了していないISO14443タイプC,D,E,およびFについての提案がなされている。非接触スマートカードについてのもう1つの基準は、距離50cmまでの通信を許容するISO15693である。
【0071】
図4は、図3のセキュアプロセッサ44の他の例をさらに詳しく示している。この例におけるセキュアプロセッサ44は、ISO7816に従い、電源スイッチ78、セキュリティセンサ80、リセットジェネレータ82、クロック入力フィルタ84、CPU86、インタラプトシステム88、および内部バス90を含むマイクロコントローラである。内部バス90に接続されるのは、RAM、EEPROM等から構成される不正変更防止ストレージ46である。また、バス90に接続されるのは、暗号化と暗号解除を行うコ−プロセッサ92である。この望ましい実施例において、コ−プロセッサ92は、 TRIPLE-DESの暗号化および暗号解除を実行する。また、バス90に接続されるのは、タイマ94、および、例えば、セキュアプロセッサ44、シリアル通信に使用されるUART98のためのファームウェアを記憶するために使用されるROM96である。また、バス90に接続されるのは、I/Oシステム100およびランダムナンバジェネレータ102である。
【0072】
上記されたセキュアプロセッサ44は、フィリップス、日立、インフィリオン、東芝、STその他の様々な製造元から市販されている。開示された他の実施例における使用に適したセキュアプロセッサ44は、ドイツ共和国のフィリップスにより製造されたモデルP8WE6032プロセッサである。ある1つの実施例において、セキュアプロセッサ44はゼネラルプロセッサに置き換えられ得る。
【0073】
図5は、ゼネラルプロセッサ52に関連する、限定されない例として説明されるI/O装置システムに接続されるゼネラルプロセッサ52の概略図である。先に述べたように、ゼネラルプロセッサ52はPIC16またはPIC18マイクロコントローラであり得る。例えば、ゼネラルプロセッサ52は、マイクロチップLF77PIC16またはマイクロチップLF4530PIC18であり得る。代替物が、Texas Instruments、 Atmelその他により提供される。他のゼネラルプロセッサもまた、ある実施例において使用され、ゼネラルプロセッサ52はまたセキュアプロセッサであってもよい。
【0074】
この望ましい実施例において、2つの電気化学的バッテリ121Aおよに121Bが示される。既述のように、適切な化学的性質および大きさのバッテリは、 Varta Microbattery GmbHから市販されている。この例において、再充電不能なバッテリ121Aは、第1のバッテリの役を果たすと同時に、再充電可能なバッテリ121Bは、第2のバッテリの役を果たす。バッテリ121Bは、RF電源として示される再充電装置122に接続され得る。もちろん、誘導電流はバッテリ121Bに適用されるのに先立って整流される。既述のように、当業者に明らかな他の適切な多くの再充電装置が存在する。
【0075】
望ましくは、ピークや出力ドロップアウトのない円滑な動力源を提供するために、コンデンサアッセンブリ124が提供される。図示されるように、コンデンサアッセンブリは、1またはそれより多くのコンデンサを含み得る。コンデンサアッセンブリ124はまた、再充電装置122内に存在する整流器からの円滑な電力供給のために使用され得る。バッテリ121A、バッテリ121B、再充電装置122、およびコンデンサアッセンブリ124は、全て、この実施例において、図3の電源56の一部である。
【0076】
コンデンサアッセンブリ124のような、1つまたはそれより多くのコンデンサはまた、充電記憶装置として使用され得る。つまり、十分な容量を有する「スーパコンデンサ」が、ある実施例において、電気化学的バッテリによって供給される電流をかなり補うことができる。例えば、およそ1 uF +-10% @ 6.3vの容量範囲では、いくつかの実施例において、スーパコンデンサの役を果たす。この比較的大きなコンデンサアッセンブリ124は、例えば、コンデンサのサイズや高さを低減するために、並列接続された10個の 0.1uFコンデンサを使用することにより、都合良く成し遂げられる。
【0077】
図5を参照し続けながら、テンポラリポート125は、製造工程を補助するために供給される。任意に、それは、一旦その使用を要求する製造オペレーションが完了されると除去されるプリント回路基板の一部分上に備えられる。テンポラリポート125は、例えば、セキュアプロセッサ44や関連するEEPROMと同様に、ゼネラルプロセッサ52や関連するEEPROMにデータやプログラムをロードするために使用され得る。部品123は、ゼネラルプロセッサ52への電気的接続が、適切な電気特性を有し、出力スパイク、または出力ドロップアウト等を除くことを保証するために供給される。
【0078】
ゼネラルプロセッサ52は、本実施例において、オン/オフスイッチ28やセレクタスイッチ38を含む多くのスイッチに接続されている。また、ゼネラルプロセッサ52に接続されるのは、「電源−オン」インジケータ30、「電源−オフ」インジケータ32、および「アカウント−オン」インジケータ36を含む多くの発光ダイオード(「LEDs」)である。これらの様々なLEDsとスイッチは、電子カード10に伴うヒューマン/コンピュータインターフェースを構成する。もちろん、電子カード10や、ヒューマン/コンピュータインターフェースにも役立つ電子カード10と通信する装置への多くの代替や付加が存在する。限定されないさらなる例として、電子カード10は、LCDスクリーン(タッチパネル付きまたはタッチパネルなし)、オーディオI/O、音声認識、および当業者にとって明らかな種々の他の代替物を含んでもよい。
【0079】
この例において、RCバッファリング回路66は、ゼネラルプロセッサ52に接続され、ゼネラルプロセッサ52から発生する矩形の波形信号をリーダを通過する磁気ストライプトランザクションカードによって供給される磁気信号(「ダイナミック磁気フラックス」)をエミュレートする波形に(ブロードキャスタ68及び/又は他の部品と同時に)変換する。波形は、磁気ストライプを有するカードの磁気ストライプリーダを通過をシミュレートするダイナミック磁気フィールドに電気信号を変換するブロードキャスタ68に電気的に通信される。電子カード10は、動くか又は制止するかでき、ブロードキャスタ68によってブロードキャストされる様々な磁気フィールドは、動いてリードヘッドを通過する慣例的なトランザクションカードの磁気ストライプにより作り出される様々な磁気フィールドをエミュレートする。ブロードキャスタによって作り出される磁気信号は、それ故、その長さに従って大幅に均一にする傾向にある。
【0080】
センサ70は、カードがリーダと物理的な接触を行ったことを示すためにゼネラルプロセッサ52に信号を供給する。センサ70は、物理的なスイッチ、圧力センサ、又は、当業者にとって明らかな他の代替物を含む種々の係止をとり得る。ブロードキャスタ68は、1またはそれより多くのセンサ70の動作の後で、その波形を得る。
【0081】
4つの望ましいコイル128,130,132および134が図5に示される。特に、この望ましい実施例において、ブロードキャスタ68は、「トラック1」コイル128、「トラック2」コイル130、「トラック1キャンセラレーション」コイル132、および「トラック2キャンセラレーション」コイル134を含む。この望ましい実施例において、トラック1コイル128およびトラック2コイル130は、望ましくは、磁気ストライプリーダ装置72(図3参照)の磁気リードヘッドを伴う最適な接触のためにカード上に配置される。つまり、トラック1コイル128は、望ましくは、トラック2コイル130とトラック2キャンセラレーションコイル134の間に介在し、等距離に配置される。
【0082】
トラック2コイル130からの磁気フィールドが、トラック1コイル128の磁気フィールドを妨げるため、トラック2キャンセラレーションコイル134は、この「クロストーク」効果を「キャンセル」するために供給される。「キャンセル」によりクロストークは少なくともかなり低減される。トラック2キャンセラレーションコイル134によって生成される磁気フィールドは、トラック2コイル130のそれとは逆であり、それ故、トラック1コイル128に係るトラック2コイル磁気フィールドの効果を低減させる。同様に、トラック2コイル130は、この例において、トラック1コイル128とトラック1キャンセラレーションコイル132との間に介在し、これらと等距離の位置にある。トラック1コイル128のクロストーク効果の低減は、トラック1キャンセラレーションコイル132によって与えられる。ブロードキャスタコイル128−134およびセンサ70は、この望ましい実施例において、ブロードキャスタ68を構成する。
【0083】
もう1つの実施例において、キャンセラレーションコイル134と132が供給されるのではなく、むしろ、これらのコイルに供給される電気信号は、妨害磁気フィールドが磁気ストライプリーダ装置72への適切な磁気入力を供給するという方法で、修正される。これは、ASIC、デジタル信号プロセッサ(DSP)の使用を通じ、または、他の手段によって、達成され得る。任意に、これらの2つのブロードキャスタコイル126は、適切な効果を提供するために先に既述された実施例におけるそれらの位置からオフセットされ得る。代替として、キャンセラレーションは、2つの近くのコイルの間のブロードキャストデータをシールドすることができるナノ材料での機械的なシールディングを通じて達成され得る。これらの様々な望ましい実施例は、限定されない例として与えられる。図5に示す実施例に対する代替物は、当業者に明らかであろう。
【0084】
さらに、デジタル処理で合成された信号は、RC回路のような信号調整回路網の必要性及び/又はキャンセラレーションコイルの必要性を低減し、または取り除くことができるブロードキャスタ68に適用される。このデジタル処理で合成された信号は、例えば、ゼネラルプロセッサ52内、DSP内または、当業者に好まれるであろう他の回路内において達成される。
【0085】
図6は、望ましいプリント回路(PC)基板136の平面図である。望ましくは、PC基板136は、電子カード10が前述の柔軟性についてのISO7810規格に従うような、「柔軟性」基板である。PC基板136は、配線137のような導電性の配線で供給され、プロセッサ44および52のような様々な電子部品を補助する。PC基板36はまた、ブロードキャスタ68や1つまたはそれより多くの電気化学的バッテリ121のためのスペースを供給する。この望ましい実施例は、限定されない例として与えられる。
【0086】
先に述べたようにISO7810の大きさの規格に合わせて作られる電子カード10についての厚さ(または、カードを断面としたときの高さ)は、約30ミルにすぎない。それ故、電子カード10の様々な内部部品は、薄く、平たく、実質的に同一平面上にあることが重要である。限定されない例として、デジタルプロセッサ52は、第1の実質的に平面的な表面および、実質的に対向する第2の実質的に平面的な表面を伴って、薄く、そして平たくあるべきである。また、第1の最大表面エリアを定義すべきである。さらなる限定されない例として、電気化学的バッテリ121の為は、第1の実質的に平面的な表面および実質的に対向する第2の実質的に平面的な表面を有するべきであり、第2の最大表面エリアを定義すべきである。デジタルプロセッサ52の中心を通る理論上の平面は、電子カード10の所望の厚さが達成され得るように、バッテリ121の中心を通る理論上の平面と、実質的に同一平面上にあるべきである。
【0087】
ここで用いられる 「実質的に」の用語は、近似的を意味する。例えば、実質的に平面的な表面は、少なくとも近似的に平坦である。大きな表面に対する、軽微な欠陥、階段、突出、湾曲は、なお「実質的に平面的な」者と考えられ、全表面に適用されるべきではない。「実質的に対向する表面」は、一般的に互いに面すること及び少なくとも近似的に平行である。
【0088】
「実質的に同一平面上」により、理論上の中心面が、少なくともすくそばにあり、そして近似的に平行である。もちろん、プロセッサ52の中心面は、バッテリ121の中心面の上または下にであり、2つの部品は、電子カード10の薄さが維持され得る限り、「実質的に同一平面上」であると考えられる。例えば、プロセッサ52とバッテリ121は、2つの部品の両方が交差するこれらの部品の大きな表面と一般に平行な平面が存在する限り、同一平面上にあると考えられる。もし、例えば、断面において、バッテリ121が16ミル高く、そしてプロセッサ52が10ミル高い場合、これらの部品の中心面は、8ミルで分離され得るが、それらは、まだ実質的に同一平面上にあると考えられる。
【0089】
図7は、望ましいPC基板136の底面図である。PC基板136は、また、ブロードキャスタ68およびバッテリ121のためのスペースと同様、多くの配線137により提供される。また、セキュアプロセッサ44の位置と一致するように幾何学的に配置されるインターフェース16が示される。これらの望ましい実施例は、限定されない例として与えられる。
【0090】
PC基板136は、例えば、多数層構造のPC基板である。例えば、図6に示されるPC基板136の頂部は、第1の又は最頂部の層であり、図7に示されるようなPCボードの底は、第2の又は最下層のであり得る。2つの層は、共に固定されてもよく、又は、他の中間層があってもよい。各層は、例えばPVC材料から作られる絶縁基板を含み、導電性の配線、パッドおよび他の構造を含むことができる。上述のように、PC基板は、電子カード10を、柔軟性に関するISO7810規格に合うように助けるために柔軟であることが望ましい。
【0091】
図8は、電子カード10の部分的断面図であり、分解組立図である。ボトムカバー140は、この例において、約25ミルの最大高さを有する。ボトムカバー140は、PC基板、バッテリ、及び/又はPC基板の底に取り付けられている部品または同様のものに合うように、その上側の表面141に輪郭が描かれることに留意されるべきである。PC基板136は、この例において、薄く、柔軟となる約6ミルの高さを有する。ゼネラルプロセッサ52は、PC基板136上に取り付けられた状態で示され、材料144(例えば、エポキシ樹脂のカプセル材料)に封入されている。また、同様に、セキュアプロセッサ44が材料144に封入されていることが示される。また、バッテリ121の様々な部品がPC基板136に取り付けられている。
【0092】
図8を参照し続けながら、バッテリ121の望ましい実施例は、16ミルの高さを有する。また、図8には、この実施例において、横方向でバッテリ121に一致し、それ故、この断面図においてオーバラップするスペースを占めるブロードキャスタ68が示される。この望ましい実施例に示されるブロードキャスタ68は、約20ミルの高さを有する。また、PC基板136には、アカウントセレクタスイッチ38、「オン」インジケータ30、および「オフ」インジケータ32が取り付けられている。アカウントインジケータ34は、横方向でオンインジケータ30と一致し、それ故、この断面図において、オーバラップするスペースを占める。
【0093】
カバー146は、約5ミルの高さで示される。組み付けられたとき、電子カード30はそれ故、ISO7810に従うおよそ30ミルとなる。図8に示される望ましい実施例は、限定されない例として与えられ、そして、当業者に理解されるものとして、その大きさが変わる。
【0094】
図9は、組み立てられた後の電子カード10の部分断面図である。様々な望ましい部品は、最終的な電子カード10と同様なコンパクトな構成において様々な層で示される。カバー140と146は、カード内の電気的、電子的回路を囲み、そして保護している。望ましくは、エポキシ系の接着剤が、電気的、電子的部品(露出されるべきもの以外)を封入し、アセンブリを共に保持するために使用される。カバー140および146は、ポリエステル、またはFR4、または先に述べられたような様々な材料によって構成され得る。最終的なアセンブリは、ISO7810規格によって説明される大きさで密閉された電子カード10である。重大なことには、厚さTは、レガシーカードリーダで適切に作動するように、30ミルを超えるべきではない。他の実施例は、異なる大きさとフォーマットの電子カードを提供する。
【0095】
図10は、PC基板136へのプロセッサダイ56に接続するワイヤボンドの詳細な正面図である。この望ましい実施例は、電子カード10のための厚さの規格によって課される厳しいサイズの制約に起因する有利な薄型を許容する。ダイ56は、プロセッサ56とプリント回路基板136との物理的な接続を構成する接着剤や他の接着材料158を用いるPC基板136上に取り付けられる。ワイヤ148は、プロセッサ56のボンディングパッド160を、PC基板136のボンディングパッド160に電気的に接続する。
【0096】
ワイヤ148のための低ループ高さ「d」があることが非常に重要である。標準的なワイヤボンディング技術は、最初にワイヤをプロセッサに接着し、それから回路基板に接着し、非常に高いループ高さの結果になる。高いループ高さは、非常に薄く作られるべき電子カードに受け入れられない。また、高いループ高さは、電子カードにかかる曲げ応力、ねじり応力による信頼性の問題を作り出す。
【0097】
この望ましい例の態様にしたがって、ワイヤ148が最初にPC基板136に取り付けられ、そしてそれからプロセッサ56に取り付けられるといった逆のボンディング処理が用いられる。これは、好ましくは、5ミルより小さく、より好ましくは、2−4ミル程度の短いループ高さ「d」を結果として得る。結果として、「D」が、PC基板136上の、プロセッサ56の頂面の高さであるとき、ループの総高さは、d+Dに等しい。本実施例において、プロセッサダイ56は、約910ミル、そして接着剤は約1−2ミルとなり、結果、約10−12ミルの高さ「D」となる。もし、ループ高さdが2−4ミルの範囲であれば、PC基板の頂面上のループの総高さは、この例において、12−16ミルの範囲となる。
【0098】
低ループ高さはまた、電子カードにかかる上記曲げ応力、ねじり応力を改善する。例えば、好ましくは5ミルよりも小さなループ高さ、より好ましくは4ミルよりも小さなループ高さ、最も好ましくは、約2ミル程度のループ高さでは、ワイヤの7−10グラムの引張強度が達成され得る。
【0099】
もう1つの実施例において、プロセッサ56は、フリップチップ法によってPC基板に取り付けられる。フリップチップ法によって回路基板にダイと取り付けるための技術は、当業者によく知られている。
【0100】
図11は、ブロードキャスタ68のための、PC基板136内のレセプタクル160を示す。ブロードキャスタ68は、この例において、製造プロセスの後の段階で、レセプタクル160に差し込まれ、そして、それからコンタクトパッド161に電気的に接続される。ブロードキャスタ68をレセプタクル160の内部に取り付けるとき、ブロードキャスタ68が、カードリーダのリードヘッドと一列に並ぶようことができるように、高度な幾何学的な配列が達成されることが重要である。孔を通じてブロードキャスタ68内に見えるガイド162は、この物理的配列処理において助けとなるべく提供される。ブロードキャスタ68をスロット160に差し込むとき、配列ガイド162ブロードキャスタ68の孔の近くに並ぶことが望ましい。光学マイクロスコープが、この処理を助けるために用いられる。もちろん、これらの望ましい実施例は、限定されない例として与えられ、他の配列技術も適している。
【0101】
図12は、スロット160に差し込まれるまえの最終形態におけるブロードキャスタ68を示す。トラック1コイル128とトラック2コイル130が、磁気ストライプ装置72と適切な接触を行うために配列される。トラック1キャンセラレーションコイル132とトラック2キャンセラレーションコイル134は、トラック1コイル128とトラック2コイル130の間のクロストークのキャンセル機能を適切に実行するように配置される。センサ70は、電子カード10が磁気ストライプリーダ装置72を通過させられているというイベントを検索するトリップスイッチとして、ここに示される。
【0102】
これらの望ましい実施例は、限定されない実施例として与えられる。ブロードキャスタ68の構成や構造についての代替物は、当業者にとって明らかとなるであろう。例えば、キャンセラレーションコイル132および134を含まない替わりの実施例が考えられ、その他の代替的な実施例が考えられる。もう1つの限定されないいくつかの実施例は、単一のトラックコイルのみを有する。
【0103】
図13は、望ましいブロードキャスタコイル128を、より詳細に示す。もう一方のブロードキャスタコイル130−134は、同様の、または同一の構造とされることが可能であり、また、替わりの実施例において異なる構造とされ得る。この実施例において、ワイヤ164は、強磁性コア166のまわりに巻かれている。このワイヤ164は、例えば、銅、またはアルミニウム、その合金等によって製造され得る。ワイヤ164は絶縁されてもよく、また、コア166が絶縁されていてもよく、または、ワイヤ164の巻線をショートしないようにするためにコア166が絶縁されてもよい。
【0104】
望ましい実施例において、ブロードキャスタコア166は、National Electronic Alloys Incから市販されて、好ましい磁性を伴う「HyMu80」と呼ばれる材料で構成される。単一ストランドの銅ワイヤ164は、例えば、一定ピッチ「P」で、規則的な間隔でブロードキャスタコア166に巻かれている。望ましい実施例において、ワイヤコイルのピッチは、およそ4.8ミルである。この望ましい実施例は、限定されない例として与えられ、他のピッチや可変のピッチが、ある実施例に適している。
【0105】
図14は、コア166のまわりに巻かれたワイヤ164の望ましい間隔を示す。図14は、一定ピッチで、銅ワイヤ164のコイルの各一巻きの間が規則正しい間隔であることを示している。他の実施例が用いられ得るが、これは、好ましい実施例である。
【0106】
図15は、やや不規則な巻き方を示している。ワイヤを巻いていく処理の間で、たとえ、いくらかのエラーが入ったとしても、図15に示すようにワイヤを巻く処理におけるいつつかのエラーがあるにもかかわらず、それでも結果のブロードキャスタコイルを使用できる。ピッチはまた、磁気フラックスパターンを修正するために可変となり得る。しかしながら、もし、過剰なエラーがブロードキャスタコイル126の製造中に入った場合、その後、コイルは動作不能となり得る。ピッチにおける変化が過剰に大きい場合、コイルによって作られる動的な磁気フィールドにエラーが入り、電子カード10のエミュレータ実施例の不適切な動作を起こす結果となることが判明している。
【0107】
図16は、ブロードキャスタコイル126のコイルの巻線の配置における過剰なエラーの例を表す。操作性の限界を生じさせる多くの変数が存在すること、および、ブロードキャスタコイル126は、適切な品質を保証するためにテストされるべきであることに注意することが重要である。それぞれの、及び全てのコイルをテストする必要はなく、製造された束のコイルが作動することを保証するために、ブロードキャスタコイル128のサンプリングがテストされるべきである。図14から図16は、コイルの巻線の代替の例として与えられ、限定する手法として解釈されるへきではない。
【0108】
コイルについての上記実施例は、強磁性コアのまわりにワイヤを巻くことを教える。もう1つの実施例において、コイルは、他の方法で作られ得る。例えば、コイルは、様々な蒸着、パターニング、エッチング技術で作られ得る。強磁性コアが絶縁フィルムでコートされることが可能で、そして、それから、限定されない例として、スパッタリング、および、ナノ−スパッタリング技術によって、例えば、銅、アルミニウム、またはそれらによる合金といった導電(通常は金属)層でコートされることが当業者に理解されるであろう。その後、コイルを決めるために、導電層にマスクが適用され、巻線を提供するために、導電層の部分が、エッチ処理され得る。マスクは、例えば、インク−ジェット技術の吹き付け、または、当業者によく知られる技術により、フォトリソグラフィック的に作られ得る。エッチングは、導電層を浸食するが、絶縁層近傍で止まる酸で達成される。このコイル製造の方法は、大量生産の状況において有利性を有し得る。
【0109】
例えば、強磁性コアは、用意され、クリーンにされ得る。絶縁及び/又はエッチを止める層は、ディッピング、吹き付け、コーティング、スパッタリング、CVD等を含む、限定されない種々の技術によって適用され得る。その後、金属又は他の導電層が、再び、ディッピング、吹き付け、スパッタリング、CVD等を含む、限定されない種々の技術によって適用され得る。マスク層は、当業者によって理解されるであろうペインティング、プリンティング、吹き付け、ステンシリング等により、フォトリソグラフィック材料として適用され得る。マスク層に通じる導電層のエッチングは、ディッピング、吹き付け、イマーシング、およびプラズマエッチング技術を含む、限定されない種々の技術によって達成され得る。マスク層は、その後、除去され、パッシファイイング層がコイルアセンブリを保護するために適用され得る。
【0110】
当業者に理解されるように、ブロードキャスタの「コイル」の効果を作り出すために他の方法が存在する。例えば、磁性材料が、ブロードキャスタコイル効果を造り出すために、リソグラフィック的にスパッタされ得る。セミコンダクタおよびマイクロマシン製造に係る当業者に明らかであろう、上述の例のような種々の大量生産技術が存在する。
【0111】
図17は、ブロードキャスタ68’がキャンセラレーションコイルなしで動作するようのを許容するもう1つの例を示す。トラック1コイル128とトラック2コイル130は、ブロードキャスタ68’内に示される。バッファリング回路66’は、この実施例において、トラック1コイル128とトラック2コイル130への波形の放出よりも先に、キャンセラレーションを実行するように設計されている。波形は、トラック1コイル128とトラック2コイル130の間のすべてのクロストーク効果が、所望の磁気フラックスを生じるような方法で調整される。このもう1つの実施例は、磁気ストライプリーダ装置72によって適切に受信されるように、波形を修正することによりクロストーク効果をキャンセルする。この実施例において、バッファリング回路66’は、ASIC、DSP、または信号処理のための他の適切な部品であってもよい。センサ70はブロードキャスタ68のこの実施例において存在する。
【0112】
もう1つの望ましい実施例において、ゼネラルプロセッサ52は、 トランザクションカード10に係る1またはそれより多くの他の部品を任意に含むASICチップで構成される。例えば、先に開示された実施例におけるゼネラルプロセッサ52に関連する他の部品の役割と同様に、ASICは、バッファリング回路66の役割を担う。さらに、ASICの実施例は、例えば、トラック1キャンセラレーションコイル132またはトラック2キャンセラレーションコイル134を含む必要がなくなるように、トラック1コイル128とトラック2コイル130についての修正された波形を作り出すことができる。例えば、ASICは、トラック2コイル130からの磁気フラックスの干渉に係る予測された効果のために、トラック1コイル128の波形の振幅と位相の修正を適用することができる。同様に、修正は、トラック1コイル128の効果をキャンセルするために、トラック2コイル130の波形に適用され得る。
【0113】
反対のブロードキャスタコイル126からの干渉が、(波形の異なる部分で)時間と共に変化し得るので、波形に適用される修正が、時間と共に変化し得ることに注意を要する。それ故、修正は、この望ましい実施例に係る2つのそれぞれのブロードキャスタコイル128についての2つの新たな波形を構成する。与えられたブロードキャスタコイル128についての波形の修正は、それ自体、反対のブロードキャスタコイル128との干渉を引き起こすであろうことにも注意を要する。
【0114】
いくつかの望ましい実施例において、前の修正の効果を補償するために追加の修正が適用される。さらなる望ましい実施例において、干渉の減少効果が、シリーズが収束するのと同じくらい無視できるようになるまで、1つまたはそれより多くの追加の修正が適用される。波形の対応する部分が、ブロードキャスタ68に届く前に、これらの修正がコンピュータによる手法において実行されることに注意を要する。
【0115】
さらなるもう1つの実施例において、クロストークのキャンセラレーションは、修正した波形をトラック1コイル128およびトラック2コイル130に出力するリニアRC回路によって実行される。このRC回路は、上記の望ましいASIC内に配置可能とされ、またはASICの外部に配置可能とされる。再び、この実施例は、限定されない例として与えられる。
【0116】
図18は、電子カード10を生産するための製造工程を示す。オペレーション168において、製造工程の最初の段階が実行される。この工程の間、様々な部品が取り付けられ、プログラムされる。オペレーション170は、ブロードキャスタ68やバッテリ121のような追加の部品をインストールすることによるこの製造構成の第2段階を続ける。最後に、製造工程は、エポキシ充填を実行するオペレーション172による第3段階で完了する。
【0117】
図19は、製造方法の第1段階168をより詳細に示す。オペレーション174において、技術部品は、それらが関連するプリント回路の表面に取り付けられる。オペレーション176において、ダイが取り付けられる。前述のワイヤリングボンディング工程は、ダイをプリント回路基板に電気的に接続するために、オペレーション178において実行される。その後、プログラミングステップ180において、セキュアプロセッサ44とゼネラルプロセッサ52は電子カード10の作動に必要な様々データやプログラムがプログラムされる。
【0118】
オペレーション182は、プログラミングが成功し、様々に電気的接続が安全であることを保証するために、カプセル化の前に機能テストを実行する。
【0119】
判断ステップ184において、機能テストがパスされたかどうかが決定される。もし、パスされていなければ、どの後、制御は、失敗を引き起こす不具合が決定されるオペレーション186に渡る。その後、オペレーション188において、不具合は、オペレーション188で再加工され、その後、制御は、再びプログラミングステップ180に渡る。もし、一方で、判断ステップ184において、機能テストがパスされれば、その後、カプセル化のステップがステップ190で実行される。ここで示される工程は、望ましく、当業者に明白であり、多くの代替の実施例が用いられ得る。つまり、この工程は、限定されない例として記述される。
【0120】
図20は、プログラミングオペレーション180をより詳細に示す。オペレーションは、オペレーション192で始まり、電子カード10がテスト装置に取り付けられるオペレーション194に続く。テストプログラムは、オペレーション196においてテスト装置上で始められる。このテストプログラムの目的は、セキュアプロセッサ44およびゼネラルプロセッサ52のような、電子カード10の技術部品にデータおよびプログラムをロードすることである。
【0121】
オペレーション198において、テストプログラムが初期化される。これは、様々なファイルからのパラメータや設定をロードし、ユーザからそれらを得ることを含む。オペレーション200は、前記技術部品上のソフトウェアやデータの実際のローディングを実行する。その後、オペレーション202において、その工程は終了する。この工程は、望ましい実施例によって示され、限定される方法で考えられるべきではない。
【0122】
図21は、図20のオペレーション200をより詳細に示す。このオペレーションは電子カード10の技術部品にソフトウェアやデータをロードするために用いられる。オペレーションはオペレーション204で始まり、ロードされるべきコードやデータを含むファイルを開くオペレーション206に続く。その後、オペレーション208において、特定のデータブロックについてのアドレスレンジが得られる。このアドレスレンジは、この特定のデータブロックが保存されるべきEEPROMの位置を明確に証明するために、セキュアプロセッサ44およびゼネラルプロセッサ52と通信するときに使用される。当業者に理解されるように、データはプログラムを構成し得る。オペレーション200210において、ブロックデータとアドレス情報を含むメッセージがフォーマットされる。その後、オペレーション212において、メッセージが送られる。オペレーション214は、ステータス情報を受信し記録する。決定オペレーション216は、最後のブロックが送られたかどうか、または、エラーの場合のような、他の理由で、工程が終了させられたかどうかを決定する。もし、ローディングオペレーションが続くべきであると決定されれば、制御はオペレーション208にもどる。もし、オペレーション216において、工程が終了すべきであると決定されれば、制御は、ローディングオペレーションの状況を報告するオペレーション218に渡り、その後、工程はオペレーション220で終了する。
【0123】
図22は、製造オペレーション170の第2段階をより詳細に示す。工程は、オペレーション222で始まり、装置上で機能テストを実行するオペレーション224に続く。決定オペレーション226において、機能テストがパスされたかどうかが決定され、もし、パスされていなければ、制御は、修正措置がとられるオペレーション228に渡る。制御はその後、オペレーション224に戻る。もし、オペレーション226において、機能テストがパスされたと決定されれば、制御は、ドームスイッチがテープされ、ビアスイッチが半田付けされるオペレーション228に渡る。その後、オペレーション230において、ブロードキャスタ68は、電子カード10内に供給されるスロット内にインストールされる。その後、オペレーション232において、バッテリ121がインストールされる。オペレーション234において、アセンブリは、検査されテストされる。もし、オペレーション234において、アセンブリが機能的に適切でないと決定されれば、制御は、修正措置がとられるオペレーション236に渡る。制御は、その後、オペレーション234に戻る。もし、オペレーション234において、アセンブリが正しく作動していると決定されれば、制御は、処理を終了するオペレーション236に渡る。これらの望ましい実施例は、限定されない例として与えられる。
【0124】
図23は、製造工程の第3段階172を記す。それば、オペレーション238で始まり、電子カード10のアセンブリがエポキシ樹脂で満たされ、ラミネートされ、テストされるオペレーション240に続く。その後、オペレーション242において、様々な寸法のアセンブリが採用され、決定ステップ244において、アセンブリが再加工される必要があるかどうかについて決定される。もし、オペレーション244において、アセンブリが再加工されるべきであると決定されれば、オペレーション246がとられ、制御は、オペレーション244に戻される。もしオペレーション244において、アセンブリの再加工が要求されないことが決定されれば、制御は、処理を終了するオペレーション246に渡される。
【0125】
上記した望ましい製造工程とその変形は、トランザクションカード10の様々な実施例に用いられる。例えば、製造工程の変形は、ブロードキャスタ68を生産するのに当業者によく知られるフォトリソグラフィ技術を使用する。この方法は、トランザクションカード10を数多く製造するときに、時間と費用を残し得るコイルワイヤリングの使用を回避する。
【0126】
もう1つの工程の変形は、ゼネラルプロセッサ52のような1またはそれより多くの技術部品を取り付けるために、当業者によく知られる「フリップチップ」法を使用する。任意に、この変形は、ゼネラルプロセッサ52としてのASICの使用を含む。この実施例は、限定されない例として与えられる。図3の非接触の通信ポート77のもう1つの望ましい実施例は、この実施例のトランザクションカード10がカードリーダから独立してインターネットで通信できるようなWiFi装置または等価物を構成する。限定されない例により、WiFi 802.11bおよび802.11gプロトコルが使用され得る。
【0127】
カードは、定期的に、情報をダウンロードし、アップロードすることができ、また、ユーザの入力に対する応答において、トランザクションを実行する。インターネットからの情報はユーザに表示されることが可能で、ある実施例において、ワールドワイドウェブでの交流もまた可能である。この実施例は、望ましくは、LCDディスプレイまたは等価物、およびタッチスクリーンまたは等価物を含む。この実施例は、限定されない例として与えられる。
【0128】
様々な実施例が、特有の用語および装置で記述されたのであるが、そのような記述は例示の目的のみのためである。使用された用語は、限定よりはむしろ説明の用語である。特許請求の範囲で説明される本発明の本質および範囲から離れることなく、変更および変化が当業者によってなされることが理解される。加えて、様々な他の実施例の態様が全体的または部分的に入れ替えられ得ることが理解されるべきである。それ故、限定あるいは禁反言を除いた発明の本質および範囲に従って、特許請求の範囲が解釈される。
【産業上の利用可能性】
【0129】
本発明の産業上の利用可能性は、ファイナンシャルおよび他の目的のための改良された電子カード、およびその製造方法である。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】図1は、望ましい電子カードの平面図である。
【図2】図2は、図1の望ましい電子カードの底面図である。
【図3】図3は、図1および図2に示される電子カードに関する望ましい回路に係るブロック図である。
【図4】図4は、図3の望ましいセキュアプロセッサに係るブロック図である。
【図5A】図5Aは、図3のゼネラルプロセッサの望ましい実施例および関連するI/O装置およびサブシステムの望ましい実施例に係る概略図である。
【図5B】図5Bは、図3のゼネラルプロセッサの望ましい実施例および関連するI/O装置およびサブシステムの望ましい実施例に係る概略図である。
【図6】図6は、望ましい電子カードのプリント回路(PC)基板に係る平面図である。
【図7】図7は、図6のPC基板に係る底面図である。
【図8】図8は、分解された、望ましい電子カードの部分断面図である。
【図9】図9は、図8の電子カードが組み立てられた後の部分断面図である。
【図10】図10は、プロセッサとPC基板の間の望ましいワイヤボンド接続を示す。
【図11】図11は、線列マークを伴う望ましいブロードキャスタを示す。
【図12】図12は、図11に示されるブロードキャスタスロットに挿入される前のブロードキャスタの平面図である。
【図13】図13は望ましいブロードキャスタコイルを示す。
【図14】図14は、図13のブロードキャスタコイルの望ましい巻パターンを示す。
【図15】図15は、図13のブロードキャスタコイルの望ましい巻パターンを示す。
【図16】図16は、図13のブロードキャスタコイルの望ましい巻パターンを示す。
【図17】図17は、限定されない例として説明されるが、ブロードキャスタアセンブリのもう1つの実施例に係るブロック図である。
【図18】図18は、限定されない例として説明されるが、電子カードの生産のための製造工程に係るフロー図である。
【図19】図19は、図18の望ましい段階Iの製造工程16をより詳細に示すフロー図である。
【図20】図20は、図19の望ましいプログラミング工程180をより詳細に示すフロー図である。
【図21】図21は、図20の「ソフトウェア及び/又はデータをチップにロードする」工程200を示すフロー図である。
【図22】図22は、図18の望ましい段階IIの製造工程170をより詳細に示すフロー図である。
【図23】図23は、図18の望ましい段階IIIの製造工程172をより詳細に示すフロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に平面的な第1の表面および実質的に対向する実質的に平面的な第2の表面を有し、前記第1の表面、前記第2の表面、および断面の少なくとも1つが最大表面エリアを定める、薄い、平坦なデジタルプロセッサを含む電子カードであって、
実質的に平面的な第1の表面および実質的に対向する実質的に平面的な第2の表面を有し、前記第1の表面、前記第2の表面、および前記プロセッサの断面の少なくとも1つが最大表面エリアを定める、薄い、平坦な電子化学的なバッテリであって、前記プロセッサと実質的に同一平面上にあり、前記プロセッサに電力を供給可能な前記バッテリと、
前記プロセッサに接続される通信ポートと、
それぞれが前記デジタルプロセッサと前記バッテリの合わされた最大表面エリアよりも大きな表面エリアを有する、第1の柔軟なカバーおよび対向する第2の柔軟なカバーとを備え、
前記プロセッサと前記バッテリが前記第1の柔軟なカバーと前記第2の柔軟なカバーとの間に挟まれて囲まれる
ことを特徴とする電子カード。
【請求項2】
複数の配線を含む柔軟な回路基板をさらに含み、前記プロセッサは、前記回路基板の配線に電気的に接続される請求項1に記載の電子カード。
【請求項3】
少なくとも前記プロセッサが封入される請求項1または2に記載の電子カード。
【請求項4】
前記第1のカバーと前記第2のカバーの少なくとも1つが前記回路基板、プロセッサおよびバッテリの全体を覆ってフィットするように輪郭付けられる請求項2または3に記載の電子カード。
【請求項5】
前記回路基板に接続されるスイッチをさらに含む請求項2から4のいずれか1項に記載の電子カード。
【請求項6】
前記回路基板に接続されるインジケータをさらに含む請求項2から5のいずれか1項に記載の電子カード。
【請求項7】
フリップチップ法により、前記プロセッサが前記回路基板の配線に電気的に接続される請求項2から6のいずれか1項に記載の電子カード。
【請求項8】
第1の端部が前記回路基板に接着され、かつ第2の端部が前記プロセッサに接着されるワイヤによって、前記プロセッサが前記回路基板の配線に電気的に接続される請求項2から6のいずれか1項に記載の電子カード。
【請求項9】
追加の電荷蓄積を提供するために、前記バッテリに接続されるコンデンサをさらに含む請求項1から8のいずれか1項に記載の電子カード。
【請求項10】
柔軟なプリント回路基板を作製することと、
少なくとも1つのプロセッサを前記プリント回路基板に取り付けることと、
少なくとも1つのバッテリを前記プリント回路基板に接続することと、
少なくとも1つの前記プロセッサを封入することと、
トップカバーおよびボトムカバーを作製することと、
前記プリント回路基板、前記プロセッサ、および前記バッテリを前記トップカバーと前記ボトムカバーとの間に挟むことと
を含む電子カードの製造方法。
【請求項11】
信号ポート、電源ポート、および接地ポートを含む外部アクセス可能なカードインターフェースを備えるカードボディと、前記カードボディ内に少なくとも部分的に配置され、かつ前記信号ポート、前記電源ポートおよび前記接地ポートに接続されるセキュアプロセッサとを含む改良されたスマートカードであって、
前記カードボディ内に少なくとも部分的に配置されるゼネラルプロセッサであって、前記カードボディ内に少なくとも部分的に配置される電源に接続され、前記セキュアプロセッサが改良されたスマートカードモードで使用されるときに、前記セキュアプロセッサに電力を供給しかつ前記セキュアプロセッサと通信するよう動作するゼネラルプロセッサと、前記セキュアプロセッサと前記ゼネラルプロセッサの少なくとも1つに接続される非接触通信ポートと
を備えることを特徴とする改良されたスマートカード。
【請求項12】
カードボディと、
前記カードボディ内に少なくとも部分的に配置されるセキュアプロセッサと、
前記カードボディ内に少なくとも部分的に配置されるゼネラルプロセッサと、
前記カードボディ内に少なくとも部分的に配置される電源と、
前記セキュアプロセッサと前記ゼネラルプロセッサの少なくとも1つに接続される非接触通信ポートと
を含むセキュアトランザクションカード。
【請求項13】
細長いコア材料と前記コア材料のまわりに複数の巻を有する巻線とを含むコイルと、
カードリーダの読取ヘッドを通った磁気ストライプトランザクションの差し込みをエミュレートする動的磁気フィールドをコイルが提供できるようにすべく、前記コイルに接続されたブロードキャスタドライバ信号を有する信号ジェネレータと
を含むスワイプエミュレーティングブロードキャスタシステム。
【請求項14】
前記信号ジェネレータは、デジタル出力を有するプロセッサと、前記デジタル出力を前記ブロードキャスタドライバ信号に変換する信号プロセッシング回路とを含む請求項13に記載のスワイプエミュレーティングブロードキャスタ。
【請求項15】
前記信号ジェネレータがデジタル信号プロセッサである請求項13に記載のスワイプエミュレーティングブロードキャスタシステム。
【請求項16】
前記コイルが複数のコイルである請求項13に記載のスワイプエミュレーティングブロードキャスタ。
【請求項17】
前記複数のコイルの少なくとも1つがトラックコイルである請求項16に記載のスワイプエミュレーティングブロードキャスタ。
【請求項18】
前記複数のコイルの少なくとも1つがキャンセラレーションコイルである請求項16に記載のスワイプエミュレーティングブロードキャスタ。
【請求項19】
前記コイルは、前記コアのまわりに巻かれているワイヤを含む請求項13に記載のスワイプエミュレーティングブロードキャスタ。
【請求項20】
前記コイルは、少なくとも導電材料の蒸着および前記導電材料のエッチングを含む工程により、前記コアのまわりに形成されるワイヤを含む請求項13に記載のスワイプエミュレーティングブロードキャスタ。
【請求項21】
組み立てられたセミコンダクタの第1の表面を、複数の回路基板接触パッドを有する回路基板の第1の表面に取り付けて、前記第1の表面に対向する前記ダイの第2の表面が複数のダイ接触パッドへのアクセスを提供するために露出されるようにすることと、ワイヤの第1の端部を回路基板接触パッドにワイヤ・ボンディングすることと、前記ワイヤの第2の端部をダイ接触パッドにワイヤ・ボンディングして、前記ワイヤのループ高さが前記ダイの前記第2の表面の上に、5ミルと同じになり、前記回路基板の前記第1の表面の上に、20ミルと同じになるようにすることを含む薄い輪郭を描くアプリケーションについての低ループ接着を造り出す方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公表番号】特表2008−541208(P2008−541208A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−509246(P2008−509246)
【出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際出願番号】PCT/US2006/016842
【国際公開番号】WO2006/116772
【国際公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(507356811)プリバシーズ,インコーポレイテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】PRIVASYS,INC.
【住所又は居所原語表記】1153 Lawrence Drive,Newbury Park,California 91320(US)
【Fターム(参考)】