説明

電子キーシステム

【課題】 正規キーのキーコードと追加キーのキーコードとを識別可能にして追加キーのキーコードのみを一括消去できるようにした電子キーシステムを提供すること。
【解決手段】 所定の空間への出入口を施錠するロック装置に記憶保持されたキーコードと電子キーに記憶保持されたキーコードとを双方向通信を利用して照合し、一致した場合に該ロック装置への解錠操作が許容される電子キーシステムにおいて、キーコードが電子キー固有の識別コードと電子キーの属性(正規キー又は追加キー)を示す属性コードとを含むようにする。ロック装置は、所定の操作(正規キーを用いた操作を含む)が行われたときに、ロック装置に記憶保持されたキーコードのうち追加キーであることを示す属性コードを含むものを消去する。ロック装置は、追加キーであることを示す属性コードを含むキーコードが記憶保持されているか否かを確認し、記憶保持されていればユーザに通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、所定の空間への出入口を施錠するロック装置に記憶保持されたキーコードと電子キーに記憶保持されたキーコードとを双方向通信を利用して照合し、一致した場合に該ロック装置への解錠操作が許容される電子キーシステムに係り、特に、登録済キーコードのうち追加キーのキーコードのみを一括消去できるようにした電子キーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用セキュリティシステムとして、イモビライザーシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。イモビライザーシステムでは、キーと車両の双方向通信によりキーコードが照合され、キーコードが一致した場合にのみエンジンの始動が許可される。このイモビライザーシステムは、欧州では1997年から標準仕様として装着が義務付けられており、日本でも装着車は増加傾向にある。
【特許文献1】特開平8−150899号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年では、電子キーと車両の双方向通信によりキーコードが照合され、キーコードが一致した場合には、車両ユーザが電子キーを身につけているだけで、衣類のポケット等から取り出さずとも、プッシュ式のイグニッションスイッチを押すだけでエンジン始動/停止が可能となるスマートスタートシステムが知られている(例えば、特開2004−314806号公報など参照)。
【0004】
また、同様に、電子キーと車両の双方向通信によりキーコードが照合され、キーコードが一致した場合には、車両ユーザが電子キーを身につけているだけで、衣類のポケット等から取り出さずとも、ドアアウトサイドハンドルを握る(触れる)だけでドアロックが解除されてドア開が可能な状態となるスマートエントリーシステムも知られている(例えば、特開2005−127050号公報など参照)。
【0005】
これらは、一体のシステムとして、スマートエントリー&プッシュエンジンスタートシステムなどと称され、既に一部の市販車に搭載されている。このスマートエントリー&プッシュエンジンスタートシステムでは、上述のように、キーは双方向通信により車両側へキーコードを送信する機能を備えていればよく、メカニカルキーを備えていることが必須ではないため、携帯電話や腕時計などのユーザが普段携帯しているものに内蔵させることが可能となる。
【0006】
そこで、ユーザは、携帯性・ファッション性を向上させる狙いから、車両購入時にメーカーより付属品として渡されるキーコード登録済の電子キー(正規キー)に加えて、上記のような携帯電話一体型や腕時計一体型などの電子キーをアフターマーケットで購入し、そのキーコードを新たに車両に登録して、追加キーとして使用することが考えられる。
【0007】
ところで、上記特許文献1に開示された装置によれば、運転者がキーを紛失した場合、紛失したキーのものを含むすべての登録済キーコードを一旦すべて消去し、運転者の手許に残っているキーのキーコードを再登録する必要がある。
【0008】
この手法を上述のような近年のスマートエントリー&プッシュエンジンスタートシステムに適用すると、例えば中古車として他人に転売する場合等に不都合を生じる。
【0009】
すなわち、追加キーとして携帯電話一体型や腕時計一体型のキーが使用されている場合、この車両を中古車として購入した新ユーザは、携帯電話や腕時計も同時に前ユーザから譲り受けるとは考えにくく、これら追加キーのキーコードが有効なキーコードとして車両に登録された状態で車両を引き渡されることになる。
【0010】
売り渡した後も前ユーザが手許に残っている追加キーを用いて売却済の車両のドアを開け、エンジンをスタートさせることができる状態は、当然好ましくない。しかしながら、一般のユーザは登録済キーコードを調べることはできないため、新ユーザは、ディーラ等の専門店に出向き、専門のスタッフによって車両に登録されているキーコードを調べてもらわなければ、追加キーが登録されていることすら把握できない。
【0011】
そして、新ユーザがキーの現物を引き渡されていない追加キーが登録されていた場合、専門のスタッフによって一旦すべての登録済キーコードを消去してもらい、再度、新ユーザの手許にあるキーを登録する手間が必要となる。
【0012】
上記特許文献1に開示された手法によりこのような不都合は生じる理由は、車両に登録されたキーコードが車両出荷時に車両製造業者によって予め登録された正規キーのものであるか、或いは、車両出荷後に登録された追加キーのものであるかが識別不可能なことにある。
【0013】
加えて、今日では、上述のようなスマートエントリーシステムを玄関ドアに採用した住宅も登場している。住宅の場合でも、上記のような追加キー消去の際の不都合は同様に発生し得る。
【0014】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、正規キーのキーコードと追加キーのキーコードとを識別可能にして転売時等に登録済キーコードのうち追加キーのキーコードのみを一括消去できるようにした電子キーシステムを提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するための本発明の第一の態様は、所定の空間(例えば、家屋・建物内空間や車室内空間など)への出入口(例えば、玄関ドアや車両ドアなど)を施錠するロック装置に記憶保持されたキーコードと電子キーに記憶保持されたキーコードとを双方向通信を利用して照合し、一致した場合に上記ロック装置への解錠操作が許容される電子キーシステムであって、上記キーコードは、電子キー固有の識別コードと、電子キーの属性を示す属性コードとを含む、電子キーシステムである。
【0016】
この第一の態様において、上記電子キーの属性とは、当該電子キーが、予め登録された正規キーであるか、或いは、アフターマーケットで新たに登録された追加キーであるか、を示す。
【0017】
この第一の態様によれば、ロック装置に記憶保持されたキーコードを正規キーのものか、追加キーのものであるか、識別することができる。
【0018】
よって、例えば、上記ロック装置を、所定の操作(正規キーを用いた操作を含むことが好ましい)が行われたときに、該ロック装置に記憶保持されたキーコードのうち所定の属性コード(例えば、追加キーであることを示す属性コード)を含むものを消去するように構成しておくことによって、追加キーのみを一括して消去できるようにすることができる。
【0019】
なお、この第一の態様において、上記ロック装置は、該ロック装置に所定の属性コード(例えば、追加キーであることを示す属性コード)を含むキーコードが記憶保持されているか否かを確認し、記憶保持されていればユーザに(例えば、ブザー音や文字情報として)通知する通知手段を有することが好ましい。
【0020】
上記目的を達成するための本発明の第二の態様は、車両に搭載された車載装置に記憶保持されたキーコードと電子キーに記憶保持されたキーコードとを双方向通信を利用して照合し、一致した場合に所定の車両操作(例えば、ドア開やエンジンスタートなど)が実行又は許容される電子キーシステムであって、上記キーコードは電子キー固有の識別コードと電子キーの属性を示す属性コードとを含む、電子キーシステムである。
【0021】
この第二の態様において、上記電子キーの属性とは、当該電子キーが、車両出荷時に車両製造業者によって予め登録された正規キーであるか、或いは、出荷後に新たに登録された追加キーであるか、を示す。
【0022】
この第二の態様によれば、車載装置に記憶保持されたキーコードを正規キーのものか、追加キーのものであるか、識別することができる。
【0023】
よって、例えば、上記車載装置を、所定の操作(正規キーを用いた操作を含むことが好ましい)が行われたときに、該車載装置に記憶保持されたキーコードのうち所定の属性コード(例えば、追加キーであることを示す属性コード)を含むものを消去するように構成しておくことによって、追加キーのみを一括して消去できるようにすることができる。
【0024】
なお、この第二の態様において、上記車載装置は、起動時に、該車載装置に所定の属性コード(例えば、追加キーであることを示す属性コード)を含むキーコードが記憶保持されているか否かを確認し、記憶保持されていればユーザに(例えば、ブザー音や文字情報として)通知する通知手段を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、正規キーのキーコードと追加キーのキーコードとを識別可能にして、登録済キーコードのうち追加キーのキーコードのみを一括消去できるようにした電子キーシステムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。なお、以下の実施例では、本発明に係る電子キーシステムの一例として、車両におけるスマートエントリー&プッシュエンジンスタートシステムを例に挙げる。スマートエントリー&プッシュエンジンスタートシステムの基本概念、主要なハードウェア構成、作動原理、及び基本的な制御手法等については当業者には既知であるため、詳しい説明を省略する。
【実施例】
【0027】
以下、図1〜4を用いて、本発明の一実施例に係る電子キーシステムの構成及び動作について説明する。
【0028】
図1は、本実施例に係る電子キーシステム100の概略構成図である。電子キーシステム100は、車両に搭載された車載装置101と、ユーザによって携帯される電子キー102とから構成される。
【0029】
電子キー102は、既述のように、単体・単独の携帯型装置であってもよく、或いは、携帯電話や腕時計などの他の携行品に内蔵されてもよい。また、電子キー102は、上述のように、車両出荷時に車両製造業者によって予め登録された正規キーか、或いは、出荷後に新たに登録された追加キーか、に分類することができる。
【0030】
電子キー102は、電子キー102固有のキーコードを記憶保持する記憶部103と、車載装置101と双方向通信を行う通信部104とを有する。
【0031】
ここで、図2を用いて、本実施例に係る電子キーシステム100において用いられるキーコードの構成について説明する。既存のスマートエントリー&プッシュエンジンスタートシステムにおいて用いられているキーコードは、図2(a)に示すように、もっぱら当該電子キーを識別するためのユニークな識別(ID)コードから構成されている。
【0032】
そこで、本実施例に係る電子キーシステム100では、正規キーと追加キーとを識別可能とするために、図2(b)に示すように、キーコードの先頭(又は末尾)にそのキーコードが表す電子キーが正規キーであるか追加キーであるかを示す属性コードを付加する。
【0033】
すなわち、車両製造業者が工場において予め正規キーのキーコードを車両に登録する際には、その電子キー102に固有のIDコードに正規キーであることを表す属性コードを付加して電子キー102及び車載装置101のそれぞれに記憶保持させることになる。
【0034】
他方、工場出荷後に新たな電子キー102を車両に追加キーとして登録する際には、その電子キー102に固有のIDコードに追加キーであることを表す属性コードを付加して電子キー102及び車載装置101のそれぞれに記憶保持させることになる。
【0035】
図1の説明に戻る。電子キー102の記憶部103にはこのような構成のキーコードが記憶保持されている。通信部104は、車載装置101が所定の検知エリア内に送出しているリクエスト信号を受信すると、記憶部103から自局のキーコードを抽出して、車載装置101へ送信する。
【0036】
一方、車載装置101は、所定の検知エリア内に例えば間欠的にリクエスト信号を送出すると共に、このリクエスト信号に応答して送信されてきた電子キー102のキーコードを受信する通信部105を有する。
【0037】
車載装置101は、更に、自車両に登録された、すなわち有効な、電子キー102(正規キー・追加キー)のキーコードを記憶保持する記憶部106を有する。上述のように、記憶部106に記憶保持されている各キーコードは、いずれも属性コードを含み、それが正規キーのキーコードであるか、或いは、追加キーのキーコードであるか、識別可能となっている。
【0038】
車載装置101は、更に、通信部105により受信された電子キー102のキーコードが記憶部106に記憶保持されたキーコードのいずれかと一致するか否かを判断する認証部107を有する。
【0039】
認証部107は、通信部105により受信された電子キー102のキーコード(=属性コード+IDコード)が記憶部106に記憶保持されたキーコード(=属性コード+IDコード)のいずれかとキーコード全体が、すなわち属性コード及びIDコードの双方が、一致した場合、電子キー102を有効な電子キー102と認証する。
【0040】
この認証結果は、例えば、ドアロックECUやエンジンECUなど(図示せず)へ送られ、スマートエントリー&プッシュエンジンスタートを実現するために用いられる。
【0041】
例えば、ドアロックECUは、有効な電子キー102が検出されたという情報が伝達されると、所定期間、ドアアウトサイドハンドルを握る(触る)ことによってドアロックが解除される状態とする。また、例えば、エンジンECUは、有効な電子キー102が検出されたという情報が伝達されると、プッシュ式のイグニッションスイッチ(図示せず)を押すことによってエンジンを始動/停止できる状態とする。
【0042】
車載装置101は、更に、車載装置101の構成要素各部を統括的に制御すると共に、記憶部106の記憶内容を書き換える機能を備えた制御部108を有する。
【0043】
本実施例において、制御部108は、ユーザにより追加キー一括消去操作が行われたときに、属性コードに基づいて、記憶部106に記憶保持されたキーコードのうち追加キーのキーコードのみを消去する。
【0044】
また、本実施例において、制御部108は、車載装置101がリセットされたときに、属性コードに基づいて、記憶部106に追加キーのキーコードが記憶保持されているか否かを確認する。追加キーのキーコードが登録されていれば、ユーザに通知する。
【0045】
このユーザへの追加キー存在通知を実現するための構成要素の一例として、本実施例に係る車載装置101は、更に、ブザー装置109及びディスプレイ装置110を有するものとする。ブザー装置109及びディスプレイ装置110はいずれも、専用のものであってもよく、或いは、他の車載システムと共用のものであってもよい。運転者の利便性の観点から、ディスプレイ装置110は、ナビゲーションシステムのディスプレイと共用であることが好ましい。
【0046】
このような構成の本実施例に係る電子キーシステム100について、次いで、図3を用いて、上記のように追加キーの存在を確認・通知する処理について説明する。図3は、本実施例に係る電子キーシステム100による追加キー確認・通知処理の流れを示すフローチャートである。
【0047】
車載装置101は、例えばバッテリの再接続などによって、車載装置101におけるリセット発生を待機する(S301)。車載装置101がリセットされなければ(S301の「NO」)、特段処理は行われない。
【0048】
他方、車載装置101にリセットが発生した場合(S301の「YES」)、次いで、正規キーでイグニッション(IG)がオンされたか否かが判定される(S302)。正規キーによるIGオンであれば(S302の「YES」)、車載装置101の制御部108が、キーコードに含まれる属性コードに基づいて、記憶部106に記憶保持されているキーコードの中に追加キーのキーコードが存在するか否かを判断する(S303)。
【0049】
追加キーのキーコードが登録されていた場合(S303の「YES」)、制御部108は、ブザー装置109を制御して所定パターンのブザー音を吹鳴させると共に、ディスプレイ装置110上に追加キーの存在を知らせる文字情報(例えば、「追加キーがあります!」といったメッセージ、など)を表示させる(S304)。
【0050】
当業者には明らかなように、ブザー吹鳴及び文字情報の表示に代えて又は加えて、音声メッセージが出力されてもよい。
【0051】
他方、追加キーのキーコードが登録されていなかった場合、すなわち正規キーのキーコードしか登録されていなかった場合(S303の「NO」)、S304の通知工程は実施されない。
【0052】
このような通知・確認処理により、例えば中古車売買などによって新たに車両の所有権を取得したユーザは、車載装置101を一旦リセットすることによって容易に、すなわちディーラ等の専門店に出向かなくても、正規キー以外に当該車両に登録されている追加キーが存在するか否かを知ることができる。
【0053】
このような通知・確認処理により、例えば売買による新ユーザが、前ユーザから電子キー現物を受け取っていない追加キーの存在を認識した場合、本実施例によれば上記の追加キー一括消去処理によってそれら追加キーのキーコードを消去して無効化することができる。
【0054】
次いで、この追加キーのみを一括消去する処理について、図4を用いて説明する。図4は、本実施例に係る電子キーシステム100による追加キー一括消去処理の流れを示すフローチャートである。
【0055】
まず、正規キーでのIGオンが待機される(S401)。正規キーによるIGオンが検出されると(S401の「YES」)、次いで、エンジンが始動されたが車両は依然として停車中であるか否かが判定される(S402)。車両が停車中であるか否かは、例えば、車速ゼロ、パーキングブレーキON、シフトPポジション、又は、これらの任意の組み合わせ、の検出により判定される。
【0056】
エンジン始動且つ車両停車中の場合(S402の「YES」)、次いで、運転者が車室内に乗り込んだか否かを判定するために、運転席のドアが開いた状態から閉められたか否かが判定される(S403)。
【0057】
運転席ドアの開→閉が検出された場合(S403の「YES」)、車室内での正規キー検知が実行され、車室内に正規キーが存在するか否かが判定される(S404)。
【0058】
車室内に正規キーが存在した場合(S404の「YES」)、次いで、運転者により所定の追加キー全消去操作が行われたか否かが判定される(S405)。ここで、所定の追加キー全消去操作は、登録されている追加キーをすべて消去するという運転者の意思を車載装置101へ伝える役割を果たすものであれば任意の操作でよい。例えば、電子キー102がワイヤレスロックボタンを備えるものとして、正規キーのワイヤレスロックボタンを所定時間以上押し続けることを追加キー全消去操作と設定してもよい。
【0059】
運転者により所定の追加キー全消去操作が行われた場合(S405の「YES」)、制御部108は、ブザー装置109を制御して所定パターンのブザー音を吹鳴させると共に、属性コードに基づいて記憶部106に記憶保持されているキーコードのうち追加キーのキーコードをすべて消去する。
【0060】
他方、S401〜S405のいずれかの条件を満たさなかった場合(S401〜S405のいずれかで「NO」)、追加キー全消去処理は実行されない。
【0061】
このように、例えば売買による新ユーザは、上述の追加キー通知・確認処理等によって前ユーザから電子キー現物を受け取っていない追加キーが存在することを知った場合、上記のような追加キー一括消去処理によって、それら追加キーのキーコードを消去して無効化することができる。
【0062】
なお、当業者には明らかなように、属性コードに加えてIDコードも考慮するようにして、登録されている追加キーのうち特定の追加キーのキーコードのみを消去することも可能である。
【0063】
このように、本実施例によれば、電子キーのキーコードにその電子キーが正規キーであるか或いは追加キーであるかを示す属性コードが含まれるようにしたため、この属性コードに基づいて車両に登録されているキーコードのうち追加キーのキーコードだけを消去することが可能となる。
【0064】
また、本実施例によれば、車載装置リセット後の再起動時に登録されている追加キーが存在すればユーザに通知されるため、ユーザは容易に追加キーの登録状況を把握することができる。
【0065】
以上、本発明の一実施例について具体的に説明したが、これは一例に過ぎず、本発明は上記一実施例の範囲に限定されるものではない。例えば、上述のように、電子キーシステムを玄関ドアに採用した住宅も今日では登場しており、本発明はこのような住宅などの車両以外の用途で採用された電子キーシステムにも適用可能である。
【0066】
加えて、当業者には明らかなように、車両と住宅の双方に本発明に係る電子キーシステムを採用し、両者の電子キーを1つの共通キーとすることも当然可能である。
【産業上の利用可能性】
【0067】
上述のように、本発明は、例えば車両や住宅などにおいて採用されたあらゆる形態の電子キーシステムに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の一実施例に係る電子キーシステムの概略構成図である。
【図2】従来システム及び本発明の一実施例に係る電子キーシステムにおいて照合されるキーコードの構成を示す概略図である。
【図3】本発明の一実施例に係る電子キーシステムによる追加キー確認処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施例に係る電子キーシステムによる追加キー一括消去処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0069】
100 電子キーシステム
101 車載装置
102 電子キー
103 キー側記憶部
104 キー側通信部
105 車両側通信部
106 車両側記憶部
107 認証部
108 制御部
109 ブザー装置
110 ディスプレイ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の空間への出入口を施錠するロック装置に記憶保持されたキーコードと電子キーに記憶保持されたキーコードとを双方向通信を利用して照合し、一致した場合に前記ロック装置への解錠操作が許容される電子キーシステムであって、
前記キーコードは、電子キー固有の識別コードと、電子キーの属性を示す属性コードとを含む、ことを特徴とする電子キーシステム。
【請求項2】
請求項1記載の電子キーシステムであって、
前記ロック装置は、所定の操作が行われたとき、該ロック装置に記憶保持されたキーコードのうち所定の属性コードを含むものを消去する、ことを特徴とする電子キーシステム。
【請求項3】
請求項2記載の電子キーシステムであって、
前記所定の操作は正規キーを用いた操作を含む、ことを特徴とする電子キーシステム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項記載の電子キーシステムであって、
前記ロック装置は、該ロック装置に所定の属性コードを含むキーコードが記憶保持されているか否かを確認し、記憶保持されていればユーザに通知する通知手段を有する、ことを特徴とする電子キーシステム。
【請求項5】
車両に搭載された車載装置に記憶保持されたキーコードと電子キーに記憶保持されたキーコードとを双方向通信を利用して照合し、一致した場合に所定の車両操作が実行又は許容される電子キーシステムであって、
前記キーコードは、電子キー固有の識別コードと、電子キーの属性を示す属性コードとを含む、ことを特徴とする電子キーシステム。
【請求項6】
請求項5記載の電子キーシステムであって、
前記車載装置は、所定の操作が行われたとき、該車載装置に記憶保持されたキーコードのうち所定の属性コードを含むものを消去する、ことを特徴とする電子キーシステム。
【請求項7】
請求項6記載の電子キーシステムであって、
前記所定の操作は正規キーを用いた操作を含む、ことを特徴とする電子キーシステム。
【請求項8】
請求項5乃至7のいずれか一項記載の電子キーシステムであって、
前記車載装置は、起動時に、該車載装置に所定の属性コードを含むキーコードが記憶保持されているか否かを確認し、記憶保持されていればユーザに通知する通知手段を有する、ことを特徴とする電子キーシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−348537(P2006−348537A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−174348(P2005−174348)
【出願日】平成17年6月14日(2005.6.14)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】