説明

電子クーポン利用システム、サービスプラットフォーム、店舗サーバ及び電子クーポン使用可否判定方法

【課題】クーポンを利用する者を正確に認証することができる電子クーポン利用システム、サービスプラットフォーム、店舗サーバ及び電子クーポン使用可否判定方法を提供すること
【解決手段】本発明のにかかる電子クーポン利用システムは、店舗における特典を受けるために用いられる電子クーポンを保持する電子クーポン保持部30と、特典を受けるユーザが運転する車両の位置情報と、電子クーポン保持部30において保持される電子クーポンを店舗の店舗サーバ50へ送信する送信部40と、車両が予め定められた位置にいる場合に、ユーザが電子クーポンを用いて店舗における特典を受けることを許可し、車両が定められた位置にいない場合に、ユーザが前記電子クーポンを用いて店舗における特典を受けることを許可しない認証部60と、を備えるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子クーポン利用システム、サービスプラットフォーム、店舗サーバ及び電子クーポン使用可否判定方法に関し、特に車両の位置情報を用いた電子クーポン利用システム、サービスプラットフォーム、店舗サーバ及び電子クーポン使用可否判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
需要者の購買意欲を高めるために、それぞれの店舗において割引等を受けることができるクーポン券を需要者に配布するサービスが浸透している。一般的に需要者は、紙に印刷されたクーポン券を店舗において店員に手渡すことにより、その店舗における割引等のサービスを受けることができる。一方、情報通信技術の進化により、電子化されたクーポン(以下、電子クーポンと称する)を用いたサービスも行われている。
【0003】
特許文献1には、カーナビゲーションと携帯電話端末とを利用した電子クーポンの利用方法が開示されている。カーナビゲーションと携帯電話端末とは、赤外線を用いて通信を行う。カーナビゲーションは、目的地までのルート検索を行う。さらに、カーナビゲーションは、検索されたルート上の店舗情報を赤外線通信により携帯電話端末へ送信する。携帯電話端末は、カーナビゲーションより受け取った店舗情報に基づいて、当該店舗の店舗サーバへインターネット回線を介してアクセスし、当該店舗の電子クーポンを受け取る。これにより、携帯電話端末のユーザは、ディスプレイに表示させた電子クーポンを店舗の店員に見せることにより、割引サービス等を受けることができる。
【0004】
特許文献2には、特許文献1と同様に、カーナビゲーションと携帯電話端末とを利用した電子クーポンの利用方法が開示されている。カーナビゲーションと携帯電話端末とは、ブルートゥースを用いて通信を行う。カーナビゲーションを用いて、目的地までのルート検索を行った際に、土産物店舗の人気度等に応じて、ルート上の店舗リストが生成される。ユーザは、店舗リスト上の店舗を選択することにより、当該店舗において発行されたクーポン情報をカーナビゲーションにおいて受け取る。さらに、ユーザは、カーナビゲーションと携帯電話端末との間においてブルートゥースを用いて通信を行うことにより、携帯電話端末にクーポン情報を格納することができる。
【0005】
特許文献3には、車間通信を用いて情報配信車両が、ユーザ車両へクーポン情報を送信するシステムが開示されている。ユーザ車両は、このようにして受け取ったクーポン情報を保持する。さらに、ユーザ車両は、店舗から送信されるクーポンIDを受け取り、受け取ったクーポンIDに対応するクーポン情報があるか否かを判定する。ユーザ車両は、店舗から受け取ったクーポンIDに対応するクーポン情報がある場合、保持していたクーポン情報を店舗サーバへ送信する。これにより、ユーザ車両に搭乗しているユーザは、割引サービス等を受けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−294310号公報
【特許文献2】特開2009−168567号公報
【特許文献3】特開2008−191905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1及び2に開示されている電子クーポンの利用方法においては、カーナビゲーションにおいて受け取った電子クーポンを、携帯電話端末へ送信する必要がある。そのため、ユーザが、会計時に電子クーポンが表示部に表示された携帯電話端末を店員に見せる必要がある。この場合、ユーザが車両から降りて、携帯電話端末を店員に見せる必要がある。もしくは、ユーザが、携帯電話端末において受け取った電子クーポンを、店舗のサーバ等へ送信する場合においても、ユーザが電子クーポンを送信する操作を実行しなければならない。
【0008】
これに対して、特許文献3に開示されている電子クーポンの利用方法は、ユーザ車両から直接店舗サーバへクーポン情報を送信することができる。これにより、ユーザは、車両から降りる必要もなく、さらに、携帯電話端末を操作する必要もない。しかし、特許文献3に開示されている電子クーポンの利用方法においては、店舗から送信されるクーポンIDを不正に入手することにより、店舗を訪れていない者が、クーポンIDとクーポン情報を店舗へ送信することができる。これにより、クーポン情報を持っていないユーザが店舗へ訪れた場合においても、クーポン情報による割引等のサービスを受けられる可能性がある。このように、特許文献3に開示されている電子クーポンの利用方法においては、クーポンを利用する者の認証が不十分であるという問題がある。
【0009】
本発明はこのような問題を解決するために、クーポンを利用する者を正確に認証することができる電子クーポン利用システム、サービスプラットフォーム、店舗サーバ及び電子クーポン使用可否判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様にかかる電子クーポン利用システムは、店舗における特典を受けるために用いられる電子クーポンを保持する電子クーポン保持手段と、前記特典を受けるユーザが運転する車両の位置情報と、前記電子クーポン保持手段において保持される前記電子クーポンを前記店舗の店舗サーバへ送信する送信手段と、前記車両が予め定められた位置にいる場合に、前記ユーザが前記電子クーポンを用いて前記店舗における特典を受けることを許可し、前記車両が定められた位置にいない場合に、前記ユーザが前記電子クーポンを用いて前記店舗における特典を受けることを許可しない認証手段と、を備えるものである。
【0011】
本発明の第2の態様にかかるサービスプラットフォームは、店舗における特典を受けるために用いられる電子クーポンを保持する電子クーポン保持部と、前記店舗の店舗サーバにおいて、前記車両の位置に応じて前記車両を運転するユーザが前記電子クーポンを用いて前記店舗における特典を受けることができるか否かの判定を行うために、前記車両の位置情報と、前記電子クーポン保持部において保持される前記電子クーポンを前記店舗サーバに送信する送信部と、を備えるものである。
【0012】
本発明の第3の態様にかかる店舗サーバは、店舗における特典を受けるために用いられる電子クーポンを利用して特典を受けるユーザが運転する車両の位置情報と、前記電子クーポンを受け取る受信部と、前記車両が予め定められた位置にいる場合に、前記ユーザが前記電子クーポンを用いて前記店舗における特典を受けることを許可し、前記車両が予め定められた位置にいない場合に、前記ユーザが前記電子クーポンを用いて前記店舗における特典を受けることを許可しない認証部と、を備えるものである。
【0013】
本発明の第4の態様にかかる電子クーポン使用可否判定方法は、店舗における特典を受けるために用いられる電子クーポンを利用して特典を受けるユーザが運転する車両の位置情報と、前記電子クーポンを受け取るステップと、前記車両が予め定められた位置にいる場合に、前記ユーザが前記電子クーポンを用いて前記店舗における特典を受けることを許可し、前記車両が予め定められた位置にいない場合に、前記ユーザが前記電子クーポンを用いて前記店舗における特典を受けることを許可しないとする電子クーポンの使用可否を判定するステップと、を備えるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、クーポンを利用する者を正確に認証することができる電子クーポン利用システム、サービスプラットフォーム、店舗サーバ及び電子クーポン使用可否判定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施の形態1にかかる電子クーポン利用システムの構成図である。
【図2】実施の形態1にかかるサービスプラットフォームの構成図である。
【図3】実施の形態1にかかる店舗サーバの構成図である。
【図4】実施の形態1にかかる電子クーポン取得処理のシーケンス図である。
【図5】実施の形態1にかかる電子クーポン取得処理のシーケンス図である。
【図6】実施の形態1にかかる電子クーポンを利用する場合のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1を用いて本発明の実施の形態1にかかる電子クーポン利用システムの構成例について説明する。電子クーポン利用システムは、車両10と、サービスプラットフォーム(サービスPF)20と、店舗サーバ50とを備えている。サービスPF20は、コンピュータ装置等により構成される。サービスPF20は、電子クーポン保持部30と、送信部40とを有している。店舗サーバ50は、認証部60を有している。ここで、電子クーポン保持部30は、電子クーポンを保持する手段であり、送信部40は、電子クーポン保持部30に保持されている電子クーポン等を店舗サーバ50へ送信する手段であり、認証部60は、車両10を運転するユーザが、電子クーポンを用いて特典を受けることができるか否かを判定する手段である。
【0017】
また、図1においては、電子クーポン保持部30及び送信部40は、サービスPF20に備えられているが、他の装置において備えられてもよい。同様に、認証部60は、店舗サーバ50に備えられているが、他の装置において備えられてもよい。
【0018】
車両10と、サービスPF20とは、インターネット回線等の通信回線を介して接続されている。具体的には、車両10に搭載されている通信装置と、サービスPF20とが、通信回線を介して接続されている。車両10は、通信回線と無線通信を用いて接続される。無線通信は、携帯電話事業者等が提供する移動通信ネットワークが用いられてもよく、無線LAN等が用いられてもよい。サービスPF20は、有線通信又は無線通信を用いて通信回線と接続される。また、サービスPF20と、店舗サーバ50とも、インターネット回線等の通信回線を介して接続されている。サービスPF20及び店舗サーバ50は、有線通信又は無線通信を用いて通信回線と接続される。
【0019】
電子クーポン保持部30は、店舗における特典を受けるために用いられる電子クーポンを保持する。また、電子クーポン保持部30は、車両10を運転するユーザが利用する電子クーポンを保持している。店舗における特典とは、割引サービスや、その店舗において独自に提供しているサービス等である。電子クーポンは、紙に印刷することなく、コンピュータ装置の表示部に表示され、店舗の店員や、特典を受けるユーザ等によって確認される。コンピュータ装置には、パーソナルコンピュータ(PC)、サーバ装置、移動通信装置又はカーナビゲーション等が含まれる。
【0020】
送信部40は、店舗の特典を受けるユーザが運転する車両の位置情報と、電子クーポン保持部30において保持される電子クーポンとを店舗サーバ50へ送信する。例えば、位置情報は、GPSシステムを搭載した車両の緯度及び経度情報であってもよく、車両の緯度及び経度情報に対応する住所情報等であってもよい。また、サービスPF20は、車両から定期的に位置情報を受け取ってもよく、車両10を運転するユーザが、車両10に搭載されている通信装置等を操作することにより、任意のタイミングに位置情報をサービスPF20へ送信してもよい。送信部40は、車両10から受け取った位置情報とともに、電子クーポン保持部30に保持されている電子クーポンを店舗サーバ50へ送信する。
【0021】
認証部60は、車両10が予め定められた位置にいる場合に、車両10を運転するユーザが、電子クーポンを用いて店舗における特典を受けることを許可し、車両10が予め定められた位置にいない場合に、車両10を運転するユーザが、電子クーポンを用いて店舗における特典を受けることを許可しないとして、店舗において特典を受けるユーザの認証を行う。予め定められた位置とは、例えば、店舗から数メートル又は数十メートル離れた範囲内のエリアであってもよい。もしくは、予め定められた位置とは、例えば、店舗においてユーザが車に乗ったまま会計等を行えるドライブスルーサービスが提供されている場合、会計を行う場所であってもよい。
【0022】
以上説明したように、図1における電子クーポン利用システムを用いた場合、認証部60が、車両10の位置情報を用いて、電子クーポンの利用可否を判定することができる。これにより、車両10が店舗の周辺にいる場合にのみ、電子クーポンの利用を許可することができる。そのため、店舗サーバ50は、電子クーポンを利用する意図をもって来店したユーザを正確に特定することができる。
【0023】
続いて、図2を用いて本発明の実施の形態1にかかるサービスPF20の詳細な構成例について説明する。サービスPF20は、カーナビゲートウェイ(カーナビGW)21と、PC/携帯端末ゲートウェイ(PC/携帯端末GW)22と、ユーザフォルダ31〜33と、送信部40とを備えている。また、ユーザフォルダ31〜33は、それぞれ電子クーポン保持部30を有している。図2においては、ユーザフォルダ31のみが電子クーポン保持部30を有するように記載されているが、ユーザフォルダ32及びユーザフォルダ33も同様に電子クーポン保持部30を有する。また、ユーザフォルダ31〜33は、電子クーポン利用システムを利用するユーザの数だけサービスPF20内に生成される。サービスPF20を利用して電子クーポン利用システムを利用することができるユーザの数は、サービスPF20におけるメモリの上限値またはCPU(Central Processing Unit)使用率等により決定される。
【0024】
カーナビGW21は、車両10に搭載されているカーナビゲーションと通信を行う。カーナビGW21は、インターネット回線等の通信回線を介してカーナビゲーションと通信を行う。カーナビゲーションは、通信回線に接続するために、無線LAN機能等を有する。もしくは、通信回線が移動通信事業者の提供する移動通信網等である場合には、移動通信網において定められた無線規格を用いて通信を行う機能を有する。カーナビゲーションは、カーナビGW21との間にセッションを確立し、サービスPF20と通信を行う。
【0025】
カーナビGW21は、カーナビゲーションから、カーナビゲーションを搭載した車両の位置情報及びカーナビゲーションを識別するためのカーナビゲーションIDを受け取る。カーナビGW21は、受け取ったカーナビゲーションIDに対応するユーザフォルダに対して、位置情報を出力する。カーナビゲーションIDとユーザフォルダとは1対1に対応付けられている。本図においては、車両10に搭載されているカーナビゲーションから送信されたカーナビゲーションIDは、ユーザフォルダ31に対応付けられているものとして説明する。
【0026】
PC/携帯端末GW22は、パーソナルコンピュータ(PC)や、携帯端末等と通信を行う。携帯端末とは、携帯電話や、スマートフォン端末、PHS端末等を含む。PC/携帯端末GW22は、インターネット回線等の通信回線を介して携帯電話端末等と通信を行う。携帯電話端末等を操作するユーザと、車両10を運転するユーザとは、同一人物であるとする。そのため、携帯電話端末等を操作するユーザは、車両10に搭載されているカーナビゲーションを識別するカーナビゲーションIDを、ユーザを識別するための識別子として設定し、PC/携帯端末GW22へアクセスしてもよい。これにより、カーナビゲーションIDに対応付けられているユーザフォルダへアクセスすることができる。もしくは、ユーザは、ユーザフォルダに対応付けられているユーザを識別するためのユーザIDを用いて、PC/携帯端末GW22へアクセスしてもよい。また、PC/携帯端末GW22は、ユーザIDと、カーナビゲーションIDとを対応付けて管理し、受け取ったユーザIDをカーナビゲーションIDに変換して、対応するユーザフォルダへアクセスしてもよい。
【0027】
ユーザフォルダ31〜33は、電子クーポン利用システムを利用するユーザ毎に割り当てられた領域である。ユーザフォルダ31は、車両10を運転するユーザに割り当てられている領域である。車両10を運転するユーザが利用する電子クーポンは、ユーザフォルダ31内の電子クーポン保持部30において保持される。
【0028】
電子クーポン保持部30は、車両10を運転するユーザが利用する電子クーポンを保持する。例えば、電子クーポンは、カーナビゲーションとサービスPF20とが連携して次のようにして電子クーポン保持部30へ保持される。ユーザは、カーナビゲーションを用いて目的地を設定し、目的地までの経路を検索する。カーナビゲーションは、目的地が設定された場合、目的地に関する情報(以下、スポット情報と称する)をサービスPF20へ送信する。スポット情報には、目的地の店舗が有する店舗サーバのアクセス先情報等が含まれる。電子クーポン保持部30は、スポット情報に含まれる店舗サーバのアクセス先情報に基づいて、店舗サーバにアクセスする。電子クーポン保持部30は、店舗サーバにクーポン情報がある場合には、クーポン情報を取得し、保持する。
【0029】
もしくは、電子クーポンは、PC又は携帯端末と、サービスPF20とが連携して次のようにして電子クーポン保持部30へ保持される。PC又は携帯端末は、インターネット回線等を介して、目的地となる店舗の店舗サーバ50へアクセスする。その際に、PC又は携帯端末は、店舗サーバ50にクーポン情報がある場合、クーポン情報を取得し、PC又は携帯端末に保持する。次に、PC又は携帯端末は、PC/携帯端末GW22を介してユーザフォルダ31の電子クーポン保持部30へアクセスし、保持しているクーポン情報を格納する。
【0030】
また、電子クーポン保持部30は、カーナビGW21を介して、車両10の位置情報を受け取る。さらに、電子クーポン保持部30は、カーナビゲーションID又はユーザIDと、車両10の位置情報と、電子クーポンとを送信部40へ出力する。ここで、電子クーポン保持部30は、カーナビゲーションから、目的地の店舗に到着したことを通知された場合に、位置情報等を送信部40へ出力してもよい。
【0031】
送信部40は、電子クーポン保持部30から出力された電子クーポンと車両10の位置情報とを店舗サーバ50へ送信する。さらに、送信部40は、ユーザフォルダ31に関連付けられているカーナビゲーションID又はユーザIDも店舗サーバ50へ送信する。
【0032】
続いて、図3を用いて本発明の実施の形態1にかかる店舗サーバ50の構成例について説明する。店舗サーバ50は、電子クーポン発行部51と、データベース(DB)52と、認証部60とを備えている。認証部60は、図1における認証部60と同様であるため、詳細な説明を省略する。また、店舗サーバ50における処理結果を確認するため、店舗サーバ50にパーソナルコンピュータ(PC)70が接続されている。
【0033】
電子クーポン発行部51は、店舗において利用可能な電子クーポンを発行する。電子クーポン発行部51は、サービスPF20から送信される電子クーポン発行要求、又は、PCや携帯端末から送信される電子クーポン発行要求に基づいて、電子クーポンを発行する。電子クーポン発行部51は、発行した電子クーポンを、電子クーポン発行要求を送信したサービスPF20、PC又は携帯端末へ送信する。
【0034】
電子クーポン発行部51は、サービスPF20から送信される電子クーポン発行要求を受け取る際に、カーナビゲーションIDも併せて受け取る。電子クーポン発行部51は、受け取ったカーナビゲーションIDを、DB52へ格納する。また、電子クーポン発行部51は、PC又は携帯端末から電子クーポン発行要求を受け取る際に、ユーザIDを併せて受け取ってもよい。この場合、電子クーポン発行部51は、受け取ったユーザIDを、DB52へ格納する。
【0035】
認証部60は、サービスPF20から、電子クーポンと車両10の位置情報とを受け取る。さらに、認証部60は、サービスPF20から、カーナビゲーションID又はユーザIDを受け取る。認証部60は、受け取った電子クーポンをPC70へ出力し、PC70の表示部へ表示させる。また、認証部60は、受け取ったカーナビゲーションID又はユーザIDがDB52に格納されているカーナビゲーションID又はユーザIDと一致するか否かを判定する。さらに、認証部60は、受け取った車両10の位置情報が、店舗の場所を示しているか等、予め定められた位置を示しているか否かを判定する。認証部60は、上述した判定処理を完了した後に、電子クーポンをPC70へ出力し、PC70の表示部へ表示させてもよい。
【0036】
認証部60は、受け取ったカーナビゲーションID等が、DB52に格納されているカーナビゲーションID等と一致し、さらに、受け取った車両10の位置情報が、予め定められた位置を示していると判定した場合、車両10を運転しているユーザによる電子クーポンの使用を許可する。認証部60は、電子クーポンの使用を許可する旨の情報をPC70へ出力する。これにより、PC70を操作する店舗の店員は、車両10を運転しているユーザが、電子クーポンを利用することができることを確認することができる。そのため、車両10を運転しているユーザは、ドライブスルーによる会計を行う場合、車両を降りたり、店員にクーポン券を提示したりすることなく、電子クーポンを利用した割引サービス等を受けることができる。
【0037】
また、認証部60は、受け取ったカーナビゲーションID等が、DB52に格納されているカーナビゲーションID等と一致しない、又は、受け取った車両10の位置情報が、予め定められた位置を示していないと判定した場合、車両10を運転しているユーザによる電子クーポンの使用を許可しない。
【0038】
続いて、図4を用いて本発明の実施の形態1にかかる、カーナビゲーションを用いた電子クーポン取得処理の流れについて説明する。はじめに、カーナビゲーションは、目的地となる店舗までのルートを検索する(S1)。次に、カーナビゲーションは、目的地となる店舗のスポット情報をサービスPF20へ送信する(S2)。スポット情報には、目的地の店舗が有する店舗サーバのアクセス先情報等が含まれる。また、カーナビゲーションは、スポット情報とともにカーナビゲーションIDもサービスPF20へ送信する。
【0039】
次に、サービスPF20は、スポット情報に含まれる店舗サーバのアクセス先情報に基づいて、店舗サーバへアクセスし、電子クーポンの取得要求を行う(S3)。サービスPF20は、電子クーポンの取得要求を行う際に、カーナビゲーションから受け取ったカーナビゲーションIDも併せて送信する。次に、店舗サーバ50は、受け取ったカーナビゲーションIDをDB52へ格納する(S4)。次に、店舗サーバ50の電子クーポン発行部51は、電子クーポンの取得要求に基づいて電子クーポンを発行し、電子クーポンをサービスPF20へ送信する(S5)。次に、サービスPF20は、電子クーポン保持部30に、受け取った電子クーポンを格納する(S6)。
【0040】
続いて、図5を用いて本発明の実施の形態1にかかる、PC又は携帯端末を用いた電子クーポン取得処理の流れについて説明する。図5の説明においては、携帯端末を用いた例いついて説明する。はじめに、携帯端末は、インターネット回線等の通信回線を介して、店舗サーバ50へ電子クーポンの取得要求を送信する(S11)。携帯端末は、電子クーポンの取得要求とともに、ユーザIDも併せて送信する。
【0041】
次に、店舗サーバ50は、受け取ったユーザIDをDB52へ格納する(S12)。次に、店舗サーバ50の電子クーポン発行部51は、電子クーポンの取得要求に基づいて電子クーポンを発行し、電子クーポンを携帯端末へ送信する(S13)。次に、携帯端末は、受け取った電子クーポンをサービスPF20へ送信する(S14)。サービスPF20は、PC/携帯端末GW22を介して電子クーポンを受け取り、電子クーポン保持部30へ格納する(S15)。
【0042】
続いて、図6を用いて本発明の実施の形態1にかかる店舗サーバにおいて、電子クーポンを使用する処理の流れについて説明する。はじめに、認証部60は、サービスPF20から、車両10の位置情報、カーナビゲーションID及び電子クーポンを受け取る(S21)。ここで、認証部60は、カーナビゲーションIDの代わりにユーザIDを受け取ってもよい。
【0043】
次に、認証部60は、受け取ったカーナビゲーションIDと、DB52に格納されているカーナビゲーションIDとが一致するか否かを判定する(S22)。認証部60は、ステップS22において、カーナビゲーションIDが一致すると判定した場合、受け取った位置情報が、予め定められた位置と一致しているか否かを判定する(S23)。また、認証部60は、受け取った位置情報が、あらかじめ定められたエリア内に存在するか否かを判定してもよい。認証部60は、ステップS23において、位置情報が一致していると判定した場合、電子クーポンの使用を許可する旨の通知を、店舗サーバ50に接続されているPCへ出力する(S24)。
【0044】
認証部60は、ステップS22において、カーナビゲーションIDが一致しないと判定した場合、電子クーポンの使用を許可しない旨の通知を、店舗サーバ50に接続されているPCへ出力する(S25)。また、認証部60は、ステップS23において位置情報が一致していないと判定した場合にも、同様に電子クーポンの使用を許可しない旨の通知を、店舗サーバ50に接続されているPCへ出力する(S25)。ここで、ステップS22とステップS23との処理の順番について、ステップS23がステップS22の前に実行されてもよい。
【0045】
以上説明したように、本発明の実施の形態1にかかる電子クーポン利用システムを用いることにより、車両10の位置情報を用いて、店舗において電子クーポンを利用することができるか否かを判定することができる。そのため、店舗に来店して電子クーポンを提示した者のみが電子クーポンを利用することができる。これにより、遠隔にいる者が電子クーポンを店舗サーバへ送信することにより、電子クーポンを持たずに来店した者が電子クーポンを利用することを防止することができる。つまり、店舗サーバは、電子クーポンを利用するものと電子クーポンを送信するものを正確に特定することができる。
【0046】
また、電子クーポン保持部30を、車両10と店舗サーバ50との間に接続されるサービスPF20が有することにより、PCや携帯端末等が取得した電子クーポンを、サービスPF上において一元的に管理することができる。これにより、電子クーポンを容易に収集し、利用することができる。
【0047】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、店舗サーバ50以外のサーバ装置が、認証部60を備えてもよい。このようにすることにより、例えば、1つの企業が複数の店舗を用いて事業を行っている場合に、複数の店舗における認証処理を1つのサーバ装置において一括して実行することができる。これにより、それぞれの店舗サーバの処理負担が軽減され、さらに、認証部を設けないことにより、コストを低減させることができる。
【符号の説明】
【0048】
10 車両
20 サービスPF
21 カーナビGW
22 PC/携帯端末GW
30 電子クーポン保持部
31 ユーザフォルダ
32 ユーザフォルダ
33 ユーザフォルダ
40 送信部
50 店舗サーバ
51 電子クーポン発行部
52 DB
60 認証部
70 PC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗における特典を受けるために用いられる電子クーポンを保持する電子クーポン保持手段と、
前記特典を受けるユーザが運転する車両の位置情報と、前記電子クーポン保持手段において保持される前記電子クーポンを前記店舗の店舗サーバへ送信する送信手段と、
前記車両が予め定められた位置にいる場合に、前記ユーザが前記電子クーポンを用いて前記店舗における特典を受けることを許可し、前記車両が定められた位置にいない場合に、前記ユーザが前記電子クーポンを用いて前記店舗における特典を受けることを許可しない認証手段と、を備える電子クーポン利用システム。
【請求項2】
前記店舗において利用することができる前記電子クーポンを発行する電子クーポン発行手段をさらに備え、
前記電子クーポン保持手段は、
前記車両に搭載されているカーナビゲーションを用いて目的地として設定された店舗の電子クーポンを発行する前記電子クーポン発行手段から前記電子クーポンを受け取る、又は、前記電子クーポン発行手段へアクセスした通信装置を介して前記電子クーポンを受け取る、請求項1記載の電子クーポン利用システム。
【請求項3】
前記電子クーポン発行手段は、
前記電子クーポンを発行する際に、前記カーナビゲーション又は前記通信装置を識別する識別情報を格納し、
前記電子クーポン保持手段は、
前記電子クーポン発行手段によって発行された電子クーポンを保持し、
前記送信手段は、
前記電子クーポン保持手段によって保持されている前記電子クーポンとともに前記識別情報を前記店舗へ送信し、
前記認証手段は、
前記格納された前記識別情報と、前記送信手段から送信された前記識別情報とを用いて、前記ユーザが前記電子クーポンを用いて前記店舗における特典を受けることを許可するか否かを判定する、請求項2記載の電子クーポン利用システム。
【請求項4】
前記カーナビゲーションと通信回線を介して接続されるサービスプラットフォームをさらに備え、
前記サービスプラットフォームが、
前記電子クーポン保持手段と、前記送信手段と、を備える請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子クーポン利用システム。
【請求項5】
前記店舗サーバが、
前記認証手段を備える、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子クーポン利用システム。
【請求項6】
店舗における特典を受けるために用いられる電子クーポンを保持する電子クーポン保持部と、
前記店舗の店舗サーバにおいて、前記車両の位置に応じて前記車両を運転するユーザが前記電子クーポンを用いて前記店舗における特典を受けることができるか否かの判定を行うために、前記車両の位置情報と、前記電子クーポン保持部において保持される前記電子クーポンを前記店舗サーバに送信する送信部と、を備えるサービスプラットフォーム。
【請求項7】
店舗における特典を受けるために用いられる電子クーポンを利用して特典を受けるユーザが運転する車両の位置情報と、前記電子クーポンを受け取る受信部と、
前記車両が予め定められた位置にいる場合に、前記ユーザが前記電子クーポンを用いて前記店舗における特典を受けることを許可し、前記車両が予め定められた位置にいない場合に、前記ユーザが前記電子クーポンを用いて前記店舗における特典を受けることを許可しない認証部と、を備える店舗サーバ。
【請求項8】
店舗における特典を受けるために用いられる電子クーポンを利用して特典を受けるユーザが運転する車両の位置情報と、前記電子クーポンを受け取るステップと、
前記車両が予め定められた位置にいる場合に、前記ユーザが前記電子クーポンを用いて前記店舗における特典を受けることを許可し、前記車両が予め定められた位置にいない場合に、前記ユーザが前記電子クーポンを用いて前記店舗における特典を受けることを許可しないとする電子クーポンの使用可否を判定するステップと、を備える電子クーポンの使用可否判定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−174056(P2012−174056A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−36209(P2011−36209)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】