説明

電子クーポン管理システム

【課題】ソーシャルメディアと連携してリピーターを増大させることができる電子クーポンシステムを提供する。
【解決手段】電子クーポンの管理において、マスターテーブルで使用可能な店舗情報と、最大発行枚数を管理し、クーポンテーブルではマスターテーブルで管理されるクーポン毎に所有者情報を管理し、ポイントテーブルではユーザー毎のポイントを管理することにより、クーポンの発行を許可されたユーザーがさらに別のユーザーにクーポンを配布することができ、電子クーポン事業を活性化させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して配布され、電子商取引や実店舗取引で割引等の特典が得られる電子クーポンに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットを介した電子クーポンビジネスが注目されている。たとえば、レストラン等で集客効果を上げるために昼食や夕食時間を除いた閑散時間帯に特定メニューの食事を特定人数分だけ安価に提供するクーポンをインターネットのWebサイトを通じてユーザーに提供したり、メーカーのWebサイトで特定の商品の割引クーポンを発行したりするものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2010−165187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記のクーポンシステムは、大幅な割引は可能であるものの、その後の来店リピーターを増やすためには、実店舗側の努力が必須であり、クーポンが一過性のキャンペーンに終わってしまう可能性があった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、クーポンが発行されたユーザーに対してさらにクーポンを再発行(再配布)することを許可しそれをネットワークシステムで管理することによって、発行元のユーザーにもポイントを還元し、さらにソーシャルメディアの特性を活かしてリピーターを増大させて電子クーポンを活性化する技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
本発明は、携帯端末装置の表示手段に可視的に表示される電子クーポンを管理する電子クーポン管理システムをであって、

前記携帯端末とネットワークを介して接続されるサーバには、
少なくともクーポン発行者が管理するマスタークーポンIDと、店舗IDと、最大発行枚数と、発行許可ユーザー情報とを関連付けたマスターテーブルと、
クーポンIDと、前記マスタークーポンIDと、所有者情報とを関係付けたクーポンテーブルと、
ユーザー情報と、取得ポイントと、前記クーポンIDとを関連付けたポイントテーブルと、
前記店舗IDと、店舗ID毎に設定されたパスワードとが関連付けられた店舗テーブルとを有しており、
前記携帯端末を所持するユーザーの情報は、前記マスターテーブルに基づいてクーポンが発行されたとき、クーポンテーブルの所有者情報として登録され、当該店舗でパスワードが入力されたときに、店舗テーブルを参照してパスワードが適正であるときに前記ポイントテーブルにアクセスして、該当ユーザーにポイントを付与する、電子クーポン管理システムである。
これによれば、マスターテーブルに基づいて発行されたクーポンを、ユーザーはさらに他のユーザーに自由に配布することができる。配布を受けたユーザーはクーポンテーブルで管理され、使用時は店舗でのパスワード入力によってクーポンが活性化されてポイントテーブルのポイントが加算される。このとき、発行元のユーザーにもポイントを還元してもよい。
このようにして、発行元のユーザーにもポイントを還元し、さらにソーシャルメディアの特性を活かしてリピーターを増大させて電子クーポンを活性化することができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、電子クーポンの急速な普及が可能となる。

【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施形態のネットワーク構成を示す図
【図2】実施形態の管理サーバの構成を示す図
【図3】実施形態のデータベース構成を示す図
【図4】実施形態におけるクーポンの画面変移を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施形態を図に基づいて説明する。
図1は、本実施形態のシステムを構成を示す概念図であり、図2は電子クーポン管理サーバのハードウエア構成図である。
図1に示す様に、電子クーポン管理サーバは、ネットワーク(NW)を介して基地局およびユーザーの携帯端末装置と接続されている。ここで、携帯端末装置とは、ネットワーク接続可能なiモード(NTTドコモ社の商標)端末、またはiPhone(アップル社が許諾を受けているアイホン社の商標)等のスマートフォン等いかなる端末であってもよい。
また、ネットワーク(NW)にはレストランや商品販売店舗の店舗端末と接続されている。

【0009】
電子クーポン管理サーバは、図2に示す様に、中央処理装置(CPU)およびメインメモリ(MM)を中心に、バス(BUS)で接続されたハードディスク装置(HD)、出力装置としてのディスプレイ装置(DISP)、入力装置としてのキーボード(KBD)を有している。また、バス(BUS)は、インターフェース(I/O)を介して前記ネットワーク(NW)と接続されている。
ハードディスク装置(HD)には、オペレーティングシステム(OS)とともに、電子クーポン管理サーバ用アプリケーションプログラム(APL)および各種テーブルからなるデータベース(DB)が構築されている。なお、当該データベースは、この電子クーポン管理サーバとは別に設けられたデータベースサーバ(図示せず)に構築されていてもよい。
この電子クーポン管理サーバは、中央処理装置(CPU)がアプリケーションプログラム(APL)を順次読み込んで実行処理することによって、電子クーポン管理システムとしての機能が実現されるようになっている。
【0010】
前記ハードディスク装置(HD)に登録された各種テーブルは、図3に示す構成を有している。
マスターテーブルは、マスターテーブルは、マスタークーポンIDと、店舗IDと、クーポン内容情報と、有効期限情報と、最大発行枚数と、現在発行枚数と、付与ポイント数と、発行許可ユーザー情報とが関連付けられて登録されている。
ここで、クーポン内容情報はたとえば店舗名とその店舗でどのようなサービスまたは商品について使用可能なクーポンなのかがテキスト情報として登録されている。たとえば、図4に示す様に、「恵比寿にある恵比寿やきにくという飲食店で、ビール2杯無料」というような情報が登録されるようになっている。有効期限は当該マスタークーポンIDに基づいてよって発行される各クーポン(同図(b)参照)の有効期限が登録されるようになっている。最大発行枚数情報は、当該マスタークーポンIDに基づいて発行されるとクーポンの最大枚数が登録されるようになっており、現在発行枚数情報が最大枚数に達するまで同図(b)のクーポンIDの発行が許可される。付与ポイント数情報は、当該マスタークーポンIDに基づいて発行されるクーポンが実店舗で使用された場合にユーザーに付与されるポイント数が登録される。なお、この付与ポイント数情報は、ユーザー毎に可変にしてもよい。たとえば、他のユーザーに対してクーポンIDを発行し、当該他のユーザーがクーポンを実店舗で使用した場合には、発行元のユーザーにもポイントが付与されるようにしてもよい。発行許可ユーザー情報には、当該マスタークーポンIDに基づいてクーポンの再発行が許可されるユーザーのIDを登録しておく。これによって、当該クーポンの発行を受けたユーザーがさらに他のユーザーに対してクーポンを発行することができるようになっている。

【0011】
クーポンテーブルには、クーポンIDと、マスタークーポンIDと、現在枚数情報と、使用確認フラグと、所有者情報とが関連付けられて登録されるようになっている。
クーポンIDは、マスタークーポンIDに基づいて発行されるとクーポンの束であり、たとえば数十枚毎にクーポンIDが発行されるようになっている。このクーポンID毎の枚数は現在枚数として登録される。使用確認フラグは、店舗で当該クーポンが使用されたことが確認されたとき(電子クーポン管理サーバで認証されたとき)にカウントアップまたはカウントダウンされるようになっている。
【0012】
ポイントテーブルは、ユーザー毎のポイントを管理するテーブルであり、ユーザー情報(ユーザーID)と、店舗IDと、付与日付と、ポイント数と、付与数情報と、クーポンIDとが関連付けられて登録されている。この中で、付与数情報は、当該ユーザーが何人に対してクーポンを発行した(再発行した)かが登録される。
なお、図示は省略したが、ポイントテーブルの他に、ポイントランキングテーブルを設けて、取得したポイントランキングの高いユーザーには割引率の大きいクーポンを発行するようにしてもよい。この場合、より多くのユーザーに対してクーポンを発行し、当該クーポンが使用されたユーザーが上位に位置することになり、より特典の大きいサービスを得られるようにすることもできる。

【0013】
ユーザーテーブルは、ユーザーIDとユーザー情報とが関連付けられて登録されている。ここでユーザー情報とは、ユーザーの性別、年齢等の個人情報を意味している。
店舗テーブルには、店舗IDと、店舗情報と、パスワードとが関連付けられて登録されている。店舗情報は当該店舗の種類(飲食店やスーパーマーケット等)やその店舗の住所等が登録されるようになっている。パスワードは当該店舗固有のパスワードであり、店舗の従業員がパスワードを入力することによって、電子クーポン管理サーバにおいて当該クーポンの認証が行われるようになっている。
【0014】
次に、図4を用いて、実際の携帯端末装置の画面遷移によって、本実施形態の電子クーポンの使用手順を説明する。
まず、マスターテーブルに基づいて、発行許可ユーザー情報に登録されたユーザーに対してクーポンが発行されると、クーポンテーブルが生成される。この段階でクーポンを取得した(クーポンが発行された)ユーザーの携帯端末装置には図4の401に示す画面が表示される。このユーザーが店舗で当該クーポンを使用する場合には、画面401に表示された「利用する」のボタンを指定入力すればよい。この指定入力によって、画面402が表示される。
【0015】
実店舗の従業員は、店舗テーブルに規定されたパスワードを当該画面の「PW」の記入ボックスに入力することで、当該クーポンIDと、ユーザーIDとパスワードとがネットワークを介して電子クーポン管理サーバに送信される。電子クーポン管理サーバの中央処理装置(CPU)は、店舗テーブルを参照して当該パスワードが適正である場合には、クーポンテーブルの使用確認フラグを設定し、ポイントテーブルの当該ユーザーIDのユーザーに対して所定のポイントを加算する。

【0016】
一方、当該ユーザーが取得したクーポンをさらに別のユーザーに再配布(再発行)したい場合には、画面403に示す様な招待状発行画面を表示して、発行人数を入力する。この作業によって、クーポンテーブルに新たなクーポンIDが設定され、クーポンを取得するためのWebサイトのアドレス(URL)が表示される。このアドレスを招待者にtwitter(twitter社の商標)等のソーシャルメディアを介して通知することによって受信者の携帯端末装置に画面405に示す様なクーポン画面が表示される。クーポンの再発行(再配布)を受けたユーザーが店舗で当該クーポンを使用する場合には、前記と同様に、画面401に表示された「利用する」のボタンを指定入力すればよい。

【0017】
この指定入力によって、画面402が表示される。そして前記と同様に、実店舗の従業員は、店舗テーブルに規定されたパスワードを当該画面の「PW」の記入ボックスに入力することで、当該クーポンIDと、ユーザーIDとパスワードとがネットワークを介して電子クーポン管理サーバに送信される。電子クーポン管理サーバの中央処理装置(CPU)は、店舗テーブルを参照して当該パスワードが適正である場合には、クーポンテーブルの使用確認フラグを設定し、ポイントテーブルの当該ユーザーIDのユーザーに対して所定のポイントを加算する。このとき、発行元のユーザーのポイントテーブルに所定のポイントを付加してもよい。このように自分が実店舗を訪れなくても、自分が発行したクーポンを別のユーザーが使用した場合にも、ポイントが付与されることにより、クーポンの流通を活性化することができる。

【0018】
以上の説明はあくまでも実施形態の一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、図4の画面401、403および404までは自宅のパーソナルコンピュータ上で操作し、外出の際に所持する携帯端末にクーポン情報(URL)を転送し、店舗訪問時のみ携帯端末に画面402および405を表示させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明は、ネットワークを介した電子クーポン事業に利用できる。
【符号の説明】
【0020】
CPU 中央処理装置
NW ネットワーク
MM メインメモリ
BUS バス
DISP ディスプレイ装置
HD ハードディスク装置
KBD キーボード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末装置の表示手段に可視的に表示される電子クーポンを管理する電子クーポン管理システムをであって、
前記携帯端末とネットワークを介して接続されるサーバには、
少なくともクーポン発行者が管理するマスタークーポンIDと、店舗IDと、最大発行枚数と、発行許可ユーザー情報とを関連付けたマスターテーブルと、
クーポンIDと、前記マスタークーポンIDと、所有者情報とを関係付けたクーポンテーブルと、
ユーザー情報と、取得ポイントと、前記クーポンIDとを関連付けたポイントテーブルと、
前記店舗IDと、店舗ID毎に設定されたパスワードとが関連付けられた店舗テーブルとを有しており、
前記携帯端末を所持するユーザーの情報は、前記マスターテーブルに基づいてクーポンが発行されたとき、クーポンテーブルの所有者情報として登録され、当該店舗でパスワードが入力されたときに、店舗テーブルを参照してパスワードが適正であるときに前記ポイントテーブルにアクセスして、該当ユーザーにポイントを付与する、
電子クーポン管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−38098(P2012−38098A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177954(P2010−177954)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(509070463)株式会社コロプラ (8)