説明

電子ゲーム機及びそのプログラム

【課題】ゲームの興趣の向上を図ると共に、ゲームをより広く普及させる。
【解決手段】ディスプレイ上にゲーム盤を表示させるゲーム盤表示手段31と、ゲーム盤上に各色の中実駒及び中空駒を初期配置させる駒配置制御手段32と、中実駒又は中空駒の移動を許可する駒移動許可手段33と、中実駒又は中空駒が反転することを許可する駒反転許可手段34と、中実駒又は中空駒が移動して他の駒と合体したかどうかを判断する駒合体判定手段35と、合体駒が載置されている交点における交線の本数を算出する交線本数算出手段36と、昇格駒の数を算出する昇格駒数算出手段37と、各色の駒の総得点をそれぞれ集計する得点集計手段38と、総得点が予め設定された最低獲得点数に先に到達した色の駒を選択した遊戯者を勝者と認定する対戦結果判定手段39と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦横及び左右斜めの罫線が交差するゲーム盤の交点上に遊戯者がそれぞれ色の異なる駒を載置及び移動させながら対戦を行うための電子ゲーム機並びにそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲーム盤上において、所定のルールに従って駒を進めてゲームを行う遊具が知られており、近年のIT技術の発展等により、この種のゲームは、電子ゲーム機を使用して行われることも多くなってきている。
【0003】
従来の電子ゲーム機としては、例えば、複数の升目に区切られたゲーム盤面上に、駒の種類により駒の進行規則(一手で進行できる進行方向及び升目数)が定められた複数種の駒を規則的に配置してゲームを開始し、任意の駒が他の駒の升目に移動し二つの駒が一つの同じ升目を占有した場合、それらの駒の所有権が敵味方にかかわらず二つの駒の進行規則が融合して新たな進行規則を有する一つの駒に変化することを特徴とするものや(特許文献1参照)、或いは、枠体を少なくとも二分してなる複数の片枠ブロックと該各片枠ブロックに対して押す動作をさせる少なくとも一つのキャラクタとを表示部に表示されたゲームフィールドに出現させ、当該キャラクタが前記片枠ブロックを片枠ブロックの内側から操作することができるブロックパズルゲームをコンピュータに実行させるもの(特許文献2参照)などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−196687号公報
【特許文献2】特開2006−192209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した特許文献1に記載のゲーム機は、将棋やチェスのルールを変更することを主な目的として、複数の升目に区切られたゲーム盤面上に、駒の種類により駒の進行規則(一手で進行できる進行方向及び升目数)が定められた複数種の駒を規則的にゲーム盤の升目内に配置して行うゲームを開示しているに過ぎない。すなわち、特許文献1のゲーム盤では、各交点において交線の本数が異なるように形成することによって交線の本数の多少により異なる得点を獲得できるようにしたり、各駒を一直線上に連続して並べて一括飛越が可能なように形成したりする工夫がなされていない。また、特許文献1の駒は、透明のアクリル樹脂製でゲーム盤の升目と同形状を成しているため、駒自体が非常に視認し難くなると共に、上下に重ねて結合可能なように形成されているため、駒同士を合体させた場合には下の駒が視認し難くなり、いずれにしても、ゲームを行う上で支障になるといった問題がある。この問題点は、遊具の駒をコンピューターソフトによってディスプレイ上に表示させた場合にも課題として残り、ゲームを行う上で支障になることに変わりはない。
【0006】
また、上記した特許文献2に記載のゲーム機は、ゲームフィールド上の片枠ブロックを移動させることによりブロック結合体を形成することを目的としており、上記した特許文献1と同様の問題を有している。
【0007】
したがって、特許文献1及び2に記載の発明では、極めて斬新で進歩的な全く新しいゲームを提供することはできないため、ゲームの興趣の向上を図ることが難しいと共に、ゲームをより広く普及させて、人々のコミュニケーションの機会を増やしたり、文化水準を向上させたりすることは難しい。
【0008】
本発明は、上記した課題を解決すべくなされたものであり、極めて斬新で進歩的な全く新しいゲームを提供することによって、ゲームの興趣の向上を図ると共に、ゲームをより広く普及させて、人々のコミュニケーションの機会を増やし、さらには、文化水準を向上させることのできる電子ゲーム機並びにそのプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目的を達成するため、本発明は、CPUと、記憶装置と、ディスプレイと、入力装置と、を備えた電子ゲーム機であって、前記CPUは、前記入力装置の操作に従って前記記憶装置に格納されたデータを検索し、縦横及び左右斜めの罫線がお互いに交差する交点が複数形成され、各交点には異なる本数の罫線が交わり、該交線の本数を基本点数とした得点を付与できるように工夫したゲーム盤を前記ディスプレイ上に表示させるゲーム盤表示手段と、前記入力装置の操作に従って前記記憶装置に格納されたデータを検索し、前記ゲーム盤表示手段により前記ディスプレイ上に表示されたゲーム盤の交点上に、2色同一形状の複数且つ同数で表裏反転可能であって、表面側にすべて異なる小文字のアルファベットが記載されると共に裏面側に前記各小文字のアルファベットに対応する大文字のアルファベットで表面側のアルファベットと異なるアルファベットが記載され、同一のアルファベットが記載された駒同士でのみ相互に合体可能な中実駒及び中空駒を初期配置させる駒配置制御手段と、前記入力装置の操作に従って前記中実駒又は前記中空駒を移動させようとする方向の次の交点上にいずれの駒も載置されていない場合には前記中実駒又は前記中空駒の前記次の交点上への移動を許可し、前記入力装置の操作に従って前記中実駒又は前記中空駒を移動させようとする方向の次の交点上に前記中実駒又は前記中空駒が載置されている場合には前記移動方向にいずれの駒も載置されていない交点が存在するか或いは移動させようとしている前記中実駒又は前記中空駒とアルファベットが同一の合体できる他の駒がある場合に限って前記中実駒又は前記中空駒の移動を許可することにより、前記ゲーム盤の交点への前記中実駒又は前記中空駒の移動の可否を判定する駒移動許可手段と、該駒移動許可手段により移動が許可された場合に、前記入力装置の操作に従って前記中実駒又は前記中空駒が反転することを許可する駒反転許可手段と、前記駒移動許可手段により移動を許可された場合に、前記入力装置の操作に従って前記中実駒又は前記中空駒が移動して他の駒と合体したかどうかを判断する駒合体判定手段と、該駒合体判定手段により前記中実駒又は前記中空駒が他の駒と合体したと判断された場合に、該合体駒が載置されている交点における交線の本数を算出する交線本数算出手段と、前記駒合体判定手段により前記中実駒又は前記中空駒が他の駒と合体したと判断された場合に、該合体駒に含まれている前記大文字のアルファベットを表面側にした昇格駒の数を算出する昇格駒数算出手段と、前記交線本数算出手段により算出された交線の本数と前記昇格駒数算出手段により算出された昇格駒の数とに基づき、前記各色の駒の総得点をそれぞれ集計する得点集計手段と、該得点集計手段により集計された総得点が予め設定された最低獲得点数に先に到達した色の駒を選択した遊戯者を勝者と認定する対戦結果判定手段と、として機能することを特徴とする。
【0010】
そして、前記対戦結果判定手段は、先手の遊戯者の選択した色の駒が後手の遊戯者の選択した色の駒より先に前記最低獲得点数に到達した場合には、その後に後手の遊戯者の選択した色の駒が1回移動された時点でゲームを終了して総得点が多い方の遊戯者を勝者として認定し、後手の遊戯者の選択した色の駒が先手の遊戯者の選択した色の駒より先に前記最低獲得点数に到達した場合には、その時点でゲームを終了して後手の遊戯者を勝者として認定するのが好ましい。
【0011】
また、前記ディスプレイ上に表示される前記ゲーム盤には、縦横に形成された5本の罫線と左右斜めに形成された7本の罫線とが交差することにより、3本の罫線が交差する4個の交点と4本の罫線が交差する16個の交点と5本の罫線が交差する12個の交点と8本の罫線が交差する9個の交点との合計で41個の交点が縦横各9列に渡って形成され、前記ディスプレイ上に表示される前記2色の駒の各中実駒及び各中空駒はそれぞれ7個ずつ合計で28個設けられ、前記駒配置制御手段は、前記各色の中実駒及び中空駒を一方の遊戯者側の第1〜第3列目と他方の遊戯者側の第7〜第9列目に初期配置させるのが好ましい。
【0012】
また、本発明は、入力装置の操作に従って記憶装置に格納されたデータを検索し、縦横及び左右斜めの罫線がお互いに交差する交点が複数形成され、各交点には異なる本数の罫線が交わり、該交線の本数を基本点数とした得点を付与できるように工夫したゲーム盤をディスプレイ上に表示させるステップと、前記入力装置の操作に従って前記記憶装置に格納されたデータを検索し、前記ディスプレイ上に表示されたゲーム盤の交点上に、2色同一形状の複数且つ同数で表裏反転可能であって、表面側にすべて異なる小文字のアルファベットが記載されると共に裏面側に前記各小文字のアルファベットに対応する大文字のアルファベットで表面側のアルファベットと異なるアルファベットが記載され、同一のアルファベットが記載された駒同士でのみ相互に合体可能な中実駒及び中空駒を初期配置させるステップと、前記入力装置の操作に従って前記中実駒又は前記中空駒を移動させようとする方向の次の交点上にいずれの駒も載置されていない場合には前記中実駒又は前記中空駒の前記次の交点上への移動を許可し、前記入力装置の操作に従って前記中実駒又は前記中空駒を移動させようとする方向の次の交点上に前記中実駒又は前記中空駒が載置されている場合には前記移動方向にいずれの駒も載置されていない交点が存在するか或いは移動させようとしている前記中実駒又は前記中空駒とアルファベットが同一の合体できる他の駒がある場合に限って前記中実駒又は前記中空駒の移動を許可することにより、前記ゲーム盤の交点への前記中実駒又は前記中空駒の移動の可否を判定するステップと、前記ゲーム盤の交点への前記中実駒又は前記中空駒の移動を許可された場合に、前記入力装置の操作に従って前記中実駒又は前記中空駒が反転することを許可するステップと、前記ゲーム盤の交点への前記中実駒又は前記中空駒の移動を許可された場合に、前記入力装置の操作に従って前記中実駒又は前記中空駒が移動して他の駒と合体したかどうかを判断するステップと、前記中実駒又は前記中空駒が他の駒と合体したと判断された場合に、該合体駒が載置されている交点における交線の本数を算出するステップと、前記中実駒又は前記中空駒が他の駒と合体したと判断された場合に、該合体駒に含まれている前記大文字のアルファベットを表面側にした昇格駒の数を算出するステップと、前記算出された交線の本数と前記算出された昇格駒の数とに基づき、前記各色の駒の総得点をそれぞれ集計するステップと、前記集計された総得点が予め設定された最低獲得点数に先に到達した色の駒を選択した遊戯者を勝者と認定するステップと、を電子ゲーム機が備えるCPUに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、極めて斬新で進歩的な全く新しいゲームを提供することができ、ゲームの興趣の向上を図ると共に、ゲームをより広く普及させることができ、人々のコミュニケーションの機会を増やせて、文化水準も向上させることができる等、種々の優れた効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係る電子ゲームで使用される遊具のゲーム盤を示す平面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る電子ゲームで使用される遊具の駒を示す平面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る電子ゲームで使用される遊具のすべての中実駒及び中空駒の一覧を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る電子ゲームで使用される遊具のゲーム盤に各駒を初期配置した時の状態を示す平面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る電子ゲームで使用される遊具のゲーム盤に各駒を反転させて初期配置した時の状態を示す平面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る電子ゲームで使用される遊具の中実駒と中空駒との合体駒の組み合わせ及び得点の計算方法を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機のハードウェアの構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機のソフトウェアの構成を示す機能ブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、先手の遊戯者が白の通常中空駒dを反転させて交点V5上に移動させた状態を示す平面図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、後手の遊戯者が黒の通常中空駒dを反転させて交点V9上に移動させた状態を示す平面図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、先手の遊戯者が白の通常中実駒cを反転させて交点III5上に移動させた状態を示す平面図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、後手の遊戯者が黒の通常中実駒aを反転させて交点III9上に移動させた状態を示す平面図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、先手の遊戯者が白の通常中空駒eを反転させて交点VII5上に移動させた状態を示す平面図である。
【図14】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、後手の遊戯者が黒の通常中実駒gを反転させて交点VII9上に移動させた状態を示す平面図である。
【図15】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、先手の遊戯者が白の通常中実駒eを反転させて交点IX5上に移動させた状態を示す平面図である。
【図16】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、後手の遊戯者が黒の通常中空駒gを反転させて交点V1上に移動させた状態を示す平面図である。
【図17】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、先手の遊戯者が白の通常中空駒aを反転させて交点IX3上に移動させた状態を示す平面図である。
【図18】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、後手の遊戯者が黒の通常中空駒aを反転させて交点I1上に移動させた状態を示す平面図である。
【図19】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、先手の遊戯者が白の通常中空駒bを反転させて交点I7上に移動させた状態を示す平面図である。
【図20】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、後手の遊戯者が黒の通常中実駒fを反転させて交点VI6上に移動させた状態を示す平面図である。
【図21】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、先手の遊戯者が白の通常中空駒fを反転させて交点IV4上に移動させた状態を示す平面図である。
【図22】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、後手の遊戯者が黒の昇格中空駒Dを交点VI6上に移動させた状態を示す平面図である。
【図23】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、先手の遊戯者が白の通常中実駒gを反転させて交点II6上に移動させた状態を示す平面図である。
【図24】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、後手の遊戯者が黒の通常中空駒bを反転させて交点VIII8上に移動させた状態を示す平面図である。
【図25】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、先手の遊戯者が白の昇格中実駒Bを交点V5上に移動させた状態を示す平面図である。
【図26】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、後手の遊戯者が黒の通常中実駒cを反転させて交点V1上に移動させた状態を示す平面図である。
【図27】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、先手の遊戯者が白の昇格中空駒Dを交点VII3上に移動させた状態を示す平面図である。
【図28】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、後手の遊戯者が黒の通常中実駒eを反転させて交点V7上に移動させた状態を示す平面図である。
【図29】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、先手の遊戯者が白の昇格中空駒Aを交点II6上に移動させた状態を示す平面図である。
【図30】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、後手の遊戯者が黒の通常中実駒bを反転させて交点I7上に移動させた状態を示す平面図である。
【図31】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、先手の遊戯者が白の通常中実駒bを反転させて交点III7上に移動させた状態を示す平面図である。
【図32】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、後手の遊戯者が黒の通常中実駒dを反転させて交点III3上に移動させた状態を示す平面図である。
【図33】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、先手の遊戯者が白の昇格中空駒Fを交点VII7上に移動させた状態を示す平面図である。
【図34】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、後手の遊戯者が黒の通常中空駒eを反転させて交点VI2上に移動させた状態を示す平面図である。
【図35】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、先手の遊戯者が白の昇格中空駒Gを交点VII5上に移動させた状態を示す平面図である。
【図36】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、後手の遊戯者が黒の通常中空駒fを反転させて交点VII1上に移動させた状態を示す平面図である。
【図37】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、先手の遊戯者が白の通常中実駒cを反転させて交点III5上に移動させた状態を示す平面図である。
【図38】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、後手の遊戯者が黒の昇格中実駒Fを交点V3上に移動させた状態を示す平面図である。
【図39】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、先手の遊戯者が白の通常中空駒gを反転させて交点I7上に移動させた状態を示す平面図である。
【図40】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、後手の遊戯者が黒の通常中空駒cを反転させて交点III3上に移動させた状態を示す平面図である。
【図41】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、先手の遊戯者が白の昇格中空駒Eを交点III5上に移動させた状態を示す平面図である。
【図42】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、後手の遊戯者が黒の昇格中空駒Fを交点V3上に移動させた状態を示す平面図である。
【図43】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、先手の遊戯者が白の通常中実駒fを反転させて交点VI4上に移動させた状態を示す平面図である。
【図44】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、後手の遊戯者が黒の昇格中空駒Cを交点III1上に移動させた状態を示す平面図である。
【図45】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、先手の遊戯者が白の昇格中実駒Fを交点VII7上に移動させた状態を示す平面図である。
【図46】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、後手の遊戯者が黒の昇格中空駒Cを交点III7上に移動させた状態を示す平面図である。
【図47】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、先手の遊戯者が白の通常中実駒dを反転させて交点VII5上に移動させた状態を示す平面図である。
【図48】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、後手の遊戯者が黒の昇格中空駒Bを交点V7上に移動させた状態を示す平面図である。
【図49】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、先手の遊戯者が白の昇格中実駒Dを交点VII3上に移動させた状態を示す平面図である。
【図50】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、後手の遊戯者が黒の昇格中実駒Cを交点III7上に移動させた状態を示す平面図である。
【図51】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、先手の遊戯者が白の通常中実駒aを反転させて交点II2上に移動させた状態を示す平面図である。
【図52】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による一つのシミュレーションゲームにおいて、後手の遊戯者が黒の昇格中空駒Aを交点VII9上に移動させてゲームが終了した状態を示す平面図である。
【図53】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機による別のシミュレーションゲームにおいて、ゲームが終了した状態を示す平面図である。
【図54】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機によるさらに別のシミュレーションゲームにおいて、ゲームが終了した状態を示す平面図である。
【図55】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機によるさらに別のシミュレーションゲームにおいて、ゲームが終了した状態を示す平面図である。
【図56】本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機によるさらに別のシミュレーションゲームにおいて、ゲームが終了した状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る遊具およびゲームのルールについて説明する。ここで、図1は本発明の実施の形態に係る電子ゲームで使用される遊具のゲーム盤を示す平面図、図2は本発明の実施の形態に係る電子ゲームで使用される遊具の駒を示す平面図、図3は本発明の実施の形態に係る電子ゲームで使用する遊具のすべての中実駒及び中空駒の一覧を示す図、図4は本発明の実施の形態に係る電子ゲームで使用する遊具のゲーム盤に各駒を初期配置した時の状態を示す平面図、図5は本発明の実施の形態に係る電子ゲームで使用する遊具のゲーム盤に各駒を反転させて初期配置した時の状態を示す平面図、図6は本発明の実施の形態に係る電子ゲームで使用する遊具の中実駒と中空駒との合体駒の組み合わせ及び得点の計算方法を示す図である。
【0016】
本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機で使用される遊具1は、縦横及び左右斜めの罫線2がお互いに交差する交点3が複数形成されたゲーム盤4と、ゲーム盤4の交点3上に載置される複数且つ同数の白色の駒5と黒色の駒6の2色の駒と、を備えて構成されている。
【0017】
図1に示されているように、ゲーム盤4は、矩形状を成し、ゲーム盤4の中央には、縦横それぞれに5本の罫線2と、左右斜めそれぞれに7本の罫線2とが形成され、3本の罫線2が交差する4個の交点3と、4本の罫線2が交差する16個の交点3と、5本の罫線2が交差する12個の交点3と、8本の罫線2が交差する9個の交点3とが形成されており、各交点3には、交差する罫線2の数を表わす点数が記載されている。
【0018】
図2に示されているように、各色の駒5,6は、それぞれ、円形の一部が欠けた同一の形状を有する7個の中実駒7,8と、同色の各中実駒7,8が嵌合可能な孔9,10を有する同一形状の7個の中空駒11,12と、の組み合わせにより構成されており、各中実駒7,8及び各中空駒11,12はいずれも表裏反転可能且つ互いに合体可能となっている。
【0019】
図3に良く示されているように、各色の中実駒7,8の表面側には、それぞれ異なる小文字のアルファベットa,b,c,d,e,f,gが記載されており、小文字のアルファベットa,b,c,d,e,f,gを表面側にした状態の駒は便宜上「通常駒」と呼ばれる。また、各色の中実駒7,8の裏面側には、それぞれ、前記各小文字のアルファベットa,b,c,d,e,f,gに対応する大文字のアルファベットA,B,C,D,E,F,Gが記載されており、大文字のアルファベットA,B,C,D,E,F,Gを表面側にした状態の駒は便宜上「昇格駒」と呼ばれる。そして、例えば、図3の第1の中実駒7,8の表面側に小文字のアルファベットaが記載され、その第1の中実駒7,8の裏面側に表面側の小文字のアルファベットaの大文字のアルファベットAではなく、大文字のアルファベットCが記載されているように、中実駒7,8の裏面側には表面側のアルファベットaと異なるアルファベットCが記載されている。
【0020】
各色の中空駒11,12についても、上記した各色の中実駒7,8と同様に、孔9,10の一側方の表面側に、小文字のアルファベットa,b,c,d,e,f,gが記載され、その裏面側に、前記各小文字のアルファベットa,b,c,d,e,f,gに対応する大文字のアルファベットA,B,C,D,E,F,Gが記載され、小文字のアルファベットa,b,c,d,e,f,gを表面側にした状態の駒は便宜上「通常駒」と呼ばれ、大文字のアルファベットA,B,C,D,E,F,Gを表面側にした状態の駒は便宜上「昇格駒」と呼ばれる。そして、例えば、図3の第1の中空駒11,12の表面側に小文字のアルファベットaが記載され、その第1の中空駒11,12の裏面側に表面側の小文字のアルファベットaの大文字のアルファベットAではなく、大文字のアルファベットDが記載されているように、中空駒11,12の裏面側には表面側のアルファベットaと異なるアルファベットDが記載され、さらに、表面側と裏面側のアルファベットの組み合わせ(例えば、第1の中空駒11,12は表面側がaで裏面側がD)は中実駒7,8の場合(例えば、第1の中実駒7,8は表面側がaで裏面側がC)とも異なっている。
【0021】
そして、合体駒の種類別の獲得点数は、図6に示すように、通常中実駒と通常中空駒が合体した駒の場合には合体駒が存在する交点3の交線の本数、昇格中実駒と通常中空駒が合体した駒の場合には合体駒が存在する交点3の交線の本数+昇格中実駒の2点、通常中実駒と昇格中空駒が合体した駒の場合には合体駒が存在する交点3の交線の本数+昇格中空駒の2点、昇格中実駒と昇格中空駒が合体した駒の場合には合体駒が存在する交点3の交線の本数+昇格中実駒の2点+昇格中空駒の2点、というように数えられる。
【0022】
そして、例えば、先手の白駒5を選択した遊戯者の方が先に前記最低獲得点数以上の得点を獲得した場合には、後手の黒駒6を選択した遊戯者は、その後もう1回だけ自分の駒を移動させることができ、総得点が多い方の駒を選択した遊戯者が勝者となる。また、後手の黒駒6を選択した遊戯者の方が先に前記最低獲得点数以上の得点を獲得した場合には、その時点でゲームは終了となり、後手の黒駒6を選択した遊戯者が勝者となる。
【0023】
このようなルールに従って駒を移動させた結果、いずれかの遊戯者が、最低獲得点数(例えば、70点に設定)以上を獲得した際に、ゲームは終了となり、合体している駒が存在する交点3の交線の合計数及び昇格点数(合体している昇格駒の数×2点)の総得点が先に前記最低獲得点数以上の得点を獲得した方の色の駒を選択した遊戯者が勝者と認定される。
【0024】
また、ゲーム盤4には、罫線2の記載部分を挟んで互いに対向する位置に、白色の中実駒7及び中空駒11の表面側に記載されている小文字のアルファベットと裏面側に記載されている大文字のアルファベットの組み合わせを示す対応表13と、黒色の中実駒8及び中空駒12の表面側に記載されている小文字のアルファベットと裏面側に記載されている大文字のアルファベットの組み合わせを示す対応表14と、がそれぞれ対戦する各遊戯者の視認し易い向きで表示されるようになっている。
【0025】
なお、ゲーム盤4の罫線2や交点3の数は、上記した数に限定されるものではなく、各種変更が可能であり、また、ゲーム盤4は折り畳み可能或いは丸め可能に形成されていてもよく、その場合には、携帯性が一段と向上し、旅先等にも容易に携帯することが可能となる。さらに、2色の駒5,6の個数、形状、色、及び表面側と裏面側のアルファベットの組み合わせは、上記した例に限定されるものではなく、表裏反転可能な同一形状の複数の中実駒7,8と、表裏反転可能且つ各中実駒7,8に合体可能な同一形状の複数の中空駒11,12と、の組み合わせにより構成され、各中実駒7,8及び各中空駒11,12の表面側に、それぞれ異なる小文字のアルファベットが記載され、各中実駒7,8及び各中空駒11,12の裏面側に、それぞれ、前記各小文字のアルファベットの大文字のアルファベットで表面側のアルファベットと異なるアルファベットが記載されている限り、各種変更が可能である。
【0026】
次に、図1及び図2に加えて、図7及び図8を参照しつつ、上記した遊具1によるゲームを電子ゲーム機で実現するための構成について説明する。ここで、図7は本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機のハードウェアの構成を示すブロック図、図8は本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機のソフトウェアの構成を示す機能ブロック図である。
【0027】
本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機20は、図7に示されているように、電子ゲーム機20のそれぞれの構成手段を制御するためのCPU(Central Processing Unit)21と、CPU21が実行するプログラムや各種データを一時的に記憶するためのメモリ22と、CPU21が実行するプログラムや各種データを格納するためのハードディスク23と、液晶表示装置等のディスプレイ24と、ジョイスティックや十字キー等の入力装置25とが、それぞれバス26を介して接続されて構成されている。そして、この電子ゲーム機20の形態としては、ゲーム専用機、パソコン等のコンピュータ、或いは携帯電話等の携帯端末等が考えられ、ハードディスク23にインストール等された電子ゲームプログラム30をCPU21が実行することによりディスプレイ24上に表示される遊具1を使用して遊戯者が対戦できるようになっている。
【0028】
電子ゲームプログラム30は、図8に示されているように、ディスプレイ24上にゲーム盤4を表示させるゲーム盤表示手段31と、ゲーム盤表示手段31によりディスプレイ24上に表示されたゲーム盤4の交点3上に各色の中実駒7,8及び中空駒11,12を初期配置させる駒配置制御手段32と、ゲーム盤4の交点3上への中実駒7,8及び中空駒11,12の移動の可否を判定する駒移動許可手段33と、駒移動許可手段33により移動が許可された場合に前記中実駒7,8、又は前記中空駒11,12が反転することを許可する駒反転許可手段34と、前記駒移動許可手段33により移動を許可された場合に前記中実駒7,8又は前記中空駒11,12が移動して他の駒と合体したかどうかを判断する駒合体判定手段35と、駒合体判定手段35により前記中実駒7,8又は前記中空駒11,12が他の駒と合体したと判断された場合に該合体駒が載置されている交点3における交線の本数を算出する交線本数算出手段36と、前記駒合体判定手段35により前記中実駒7,8又は前記中空駒11,12が他の駒と合体したと判断された場合に該合体駒に含まれている大文字のアルファベットを表面側にした昇格駒の数を算出する昇格駒数算出手段37と、前記交線本数算出手段36により算出された交線の本数と昇格駒数算出手段37により算出された昇格駒の数とに基づき各色の駒の総得点をそれぞれ集計する得点集計手段38と、得点集計手段38により集計された総得点が予め設定された最低獲得点数に先に到達した色の駒を選択した遊戯者を勝者と認定する対戦結果判定手段39と、を備えて構成されている。
【0029】
そして、駒配置制御手段32は、各色の中実駒7,8、及び中空駒11,12をゲーム盤4上の一方の遊戯者側の第1〜第3列目と他方の遊戯者側の第7〜第9列目に初期配置するように動作する。
【0030】
また、駒移動許可手段33は、遊戯者が移動させようとしている方向の次の交点3上にいずれの駒も載置されていない場合には、中実駒7,8又は中空駒11,12が前記次の交点3上へ移動することを許可し、遊戯者が移動させようとしている方向の次の交点3上に中実駒7,8又は中空駒11,12が載置されている場合には、該方向にいずれの駒も載置されていない交点3が存在するか或いは移動させようとしている中実駒7,8又は中空駒11,12とアルファベットが同一の合体できる他の駒がある場合に限って、前記中実駒7,8又は前記中空駒11,12が前記交点に載置されている前記中実駒7,8又は前記中空駒11,12を飛び越して移動することを許可するように動作する。
【0031】
また、対戦結果判定手段39は、先手の遊戯者の選択した色の駒が後手の遊戯者の選択した色の駒より先に最低獲得点数に到達した場合には、その後に後手の遊戯者の選択した色の駒が1回移動された時点でゲームを終了して総得点が多い方の遊戯者を勝者として認定し、後手の遊戯者の選択した色の駒が先手の遊戯者の選択した色の駒より先に前記最低獲得点数に到達した場合には、その時点でゲームを終了して後手の遊戯者を勝者として認定するように動作する。
【0032】
なお、特に図示しないが、電子ゲームプログラム30は、上記構成の他、電子ゲームプログラム30側の架空の遊戯者の熟練レベルを設定可能な対戦レベル設定手段や、いずれかの遊戯者に有利な条件を付与するハンディキャップ設定手段や、遊戯者の一回当たりの駒5,6の操作時間を制限する操作時間制御手段等を備えていてもよい。
【0033】
また、本発明に係る電子ゲーム方法の形態としては、1台のディスプレイ24を共用して2人の遊戯者がゲームを行う形態や、1台のディスプレイ24を使用して1人の人間の遊戯者と電子ゲームプログラム30側の架空の遊戯者(以下、「遊戯者」には電子ゲームプログラム30側の架空の遊戯者を含むものとする。)とがゲームを行う形態や、2台のディスプレイ24を使用して近くに居る2人の遊戯者がゲームを行う形態や、通信ネットワーク網を介して接続された2台のディスプレイ24を使用して離れた場所に居る遊戯者がゲームを行う形態などが考えられ、入力装置25からの操作によって、遊戯者がいずれかのゲーム形態を選択できるようになっている。
【0034】
次に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機20のゲーム方法について、一つのシミュレーションゲームに従って説明する。なお、図中、ゲーム盤4には、交点3の縦と横の位置を示すために、便宜上、縦に算用数字が記載され、横にローマ数字が記載されている場合があるが、これらの数字は必ずしもゲーム盤4に記載されている必要はない。
【0035】
先ず、遊戯者が入力装置25を介して所定の操作を行い、白駒5を選択する先手の遊戯者と黒駒6を選択する後手の遊戯者を指定すると、図1に示されているようにゲーム盤表示手段31によりディスプレイ24上にゲーム盤4が表示されると共に、図4に示されているように駒配置制御手段32によりゲーム盤4の各交点3上にそれぞれの色の中実駒7,8及び中空駒11,12が初期配置され、ゲーム開始可能な状態に設定される。
【0036】
このように通常の場合には、各駒を表面側(通常駒)にして初期配置させてゲームを行うことで、高度な駆け引きや高度なゲーム展開を楽しむことが可能になるが、幼児や高齢者又はゲームに慣れていない遊戯者同士が対戦する際には、図5に示すように、各駒を裏面側(昇格駒)にして初期配置させることによって、ゲーム内容を単純化して行うことも可能である。
【0037】
また、この時、ゲーム盤4には、縦横に形成された5本の罫線2と左右斜めに形成された7本の罫線2とが交差することにより、3本の罫線が交差する4個の交点と4本の罫線が交差する16個の交点と5本の罫線が交差する12個の交点と8本の罫線が交差する9個の交点との合計で41個の交点が縦横各9列に渡って形成され、縦の第1〜第3列目と第7〜第9列目にはそれぞれ14個ずつ合計で28個の交点3が形成され、また、2色の駒5,6の各中実駒7,8及び各中空駒11,12はそれぞれ7個ずつ合計で28個設けられている。そのため、駒配置制御手段32は、各色の中実駒7,8及び中空駒11,12を、ゲーム盤4上の一方の遊戯者側の第1〜第3列目と他方の遊戯者側の第7〜第9列目の交点3に過不足なく初期配置させることができる。
【0038】
この初期配置の状態から、例えば、先手の遊戯者が白駒5を選択し、後手の遊戯者が黒駒6を選択するといったように、それぞれ白黒いずれかの色の駒を選択した2人の遊戯者が、交互に自分が選択した色の中実駒7,8若しくは中空駒11,12を1回につき1個ずつ縦横及び左右斜めのいずれかの罫線2に沿って各交点3上を移動させる。
【0039】
この場合、移動させようとしている中実駒7,8若しくは中空駒11,12の移動方向に、中実駒7,8、中空駒11,12、合体駒のいずれかを問わず、駒が連続して並んでいる場合には、原則としてすべての駒を飛び越さなければならないが、例外として、並んでいる駒の方向に合体できる駒(同色、且つ小文字と大文字を問わず同じアルファベットの駒)がある場合には、それらを合体させることができる。なお、この駒の合体は、中実駒7,8に中空駒11,12を合体させることも、中空駒11,12に中実駒7,8を合体させることも、どちらも可能である。但し、この場合でも、遊戯者が合体させることを望まない時にはこの合体できる駒を飛び越すこともできる。
【0040】
また、中実駒7,8と中空駒11,12との合体後も、各中実駒7,8と各中空駒11,12は個別の駒として個々に移動させることはできるが、合体させた駒を合体させた状態で一緒に移動させることはできない。さらにまた、駒の移動先の交点3は、合体できる駒がある場合を除いて、空いていなければならず、交点3が空いていない場合には、その方向に駒を移動させることはできない。
【0041】
さらに、駒を移動させる時に限って、駒を反転させ、通常駒から昇格駒に昇格させたり、或いは、昇格駒から通常駒に降格させたりすることができる。駒を反転させると、アルファベットの文字が他の文字に変わるため、合体できる相手の駒も変わり、移動させる経路も変わり、1つの駒が昇格する毎に合体時に2点が加算される。
【0042】
図9〜図14に示すように、このシミュレーションゲームの序盤では、先手の遊戯者は高得点(8点)の交点を先に奪うことを基本方針としてゲームを行う一方、後手の遊戯者は各黒駒を第9列目の交点上に移動させることにより先手の遊戯者が白の各駒を横方向に移動させることができないように邪魔している。
【0043】
具体的には、図9に示すように、先手の遊戯者が、ゲーム盤4中央の8点の交点を先に奪うため、入力装置25により白の通常中空駒11d(図4参照)を縦の罫線2に沿って黒の通常中実駒8cを飛び越えて交点V5上に移動させると共に反転させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点V5への白の通常中空駒11dの移動の可否を判定すると共に、駒反転許可手段34が白の通常中空駒11dの反転の可否を判定する。この場合、交点V5にはいずれの色の駒も載置されていないため、駒移動許可手段33が交点V5への白の通常中空駒11dの移動を許可し、さらに、駒反転許可手段34が白の通常中空駒11dの反転を許可することにより、白の通常中空駒11dは白の昇格中空駒11Bに昇格した状態で交点V5に載置される。
【0044】
次いで、図10に示すように、後手の遊戯者が、先手の遊戯者が白の各中空駒11を横方向に移動させるのを邪魔すると共に黒の各中空駒12が横方向に移動できるようにするため、入力装置25により黒の通常中空駒12d(図4参照)を縦の罫線2に沿って連続する白の通常中実駒7c、白の昇格中空駒11B、及び黒の通常中実駒8cを飛び越えて交点V9上に移動させると共に反転させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点V9への黒の通常中空駒12dの移動の可否を判定すると共に、駒反転許可手段34が黒の通常中空駒12dの反転の可否を判定する。この場合、交点V9にはいずれの色の駒も載置されていないため、駒移動許可手段33が交点V9への黒の通常中空駒12dの移動を許可し、さらに、駒反転許可手段34が黒の通常中空駒12dの反転を許可することにより、黒の通常中空駒12dは黒の昇格中空駒12Bに昇格した状態で交点V9に載置される。
【0045】
次いで、図11に示すように、先手の遊戯者が、8点の交点を先に奪うため、入力装置25により白の通常中空駒11c(図10参照)を縦の罫線2に沿って黒の通常中実駒8bを飛び越えて交点III5上に移動させると共に反転させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点III5への白の通常中空駒11cの移動の可否を判定すると共に、駒反転許可手段34が白の通常中空駒11cの反転の可否を判定する。この場合、交点III5にはいずれの色の駒も載置されていないため、駒移動許可手段33が交点III5への白の通常中空駒11cの移動を許可し、さらに、駒反転許可手段34が白の通常中空駒11cの反転を許可することにより、白の通常中空駒11cは白の昇格中空駒11Gに昇格した状態で交点III5に載置される。
【0046】
次いで、図12に示すように、後手の遊戯者が、先手の遊戯者が白の各中空駒11を横方向に移動させるのを邪魔するため、入力装置25により黒の通常中実駒8a(図11参照)を斜めの罫線2に沿って白の通常中空駒11bを飛び越えて交点III9上に移動させると共に反転させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点III9への黒の通常中実駒8aの移動の可否を判定すると共に、駒反転許可手段34が黒の通常中実駒8aの反転の可否を判定する。この場合、交点III9にはいずれの色の駒も載置されていないため、駒移動許可手段33が交点III9への黒の通常中実駒8aの移動を許可し、さらに、駒反転許可手段34が黒の通常中実駒8aの反転を許可することにより、黒の通常中実駒8aは黒の昇格中実駒8Cに昇格した状態で交点III9に載置される。
【0047】
次いで、図13に示すように、先手の遊戯者が、8点の交点を先に奪うため、入力装置25により白の通常中空駒11e(図12参照)を縦の罫線2に沿って黒の通常中実駒8dを飛び越えて交点VII5上に移動させると共に反転させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点VII5への白の通常中空駒11eの移動の可否を判定すると共に、駒反転許可手段34が白の通常中空駒11eの反転の可否を判定する。この場合、交点VII5にはいずれの色の駒も載置されていないため、駒移動許可手段33が交点VII5への白の通常中空駒11eの移動を許可し、さらに、駒反転許可手段34が白の通常中空駒11eの反転を許可することにより、白の通常中空駒11eは白の昇格中空駒11Fに昇格した状態で交点VII5に載置される。
【0048】
次いで、図14に示すように、後手の遊戯者が、先手の遊戯者が白の各中空駒11を横方向に移動させるのを邪魔するため、入力装置25により黒の通常中実駒8g(図13参照)を斜めの罫線2に沿って交点VII9上に移動させると共に反転させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点VII9への黒の通常中実駒8gの移動の可否を判定すると共に、駒反転許可手段34が黒の通常中実駒8gの反転の可否を判定する。この場合、交点VII9にはいずれの色の駒も載置されていないため、駒移動許可手段33が交点VII9への黒の通常中実駒8gの移動を許可し、さらに、駒反転許可手段34が黒の通常中実駒8gの反転を許可することにより、黒の通常中実駒8gは黒の昇格中実駒8Aに昇格した状態で交点VII9に載置される。
【0049】
図15〜図52に示すように、このシミュレーションゲームの序盤以降では、先手と後手の両遊戯者は自分の色の駒をできるだけ早く合体させると共に、相手の色の駒の合体を邪魔することを基本方針として、ゲームを行っている。そのため、自分の色の駒の移動はできるだけ連続して並んでいる駒を飛び越して移動させたり、また、相手の色の駒には、できるだけ連続して並んでいる駒を飛び越させたりしないようにしている。さらに、相手の色の駒が移動することが予想される交点上に、先に自分の色の駒を移動させることによって、相手の色の駒をその交点上に移動できないように邪魔をしている。
【0050】
具体的には、図15に示すように、先手の遊戯者が、交点V5上にある白の昇格中空駒11Bと合体させる準備のため、入力装置25により白の通常中実駒7e(図14参照)を縦の罫線2に沿って交点IX5上に移動させると共に反転させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点IX5への白の通常中実駒7eの移動の可否を判定すると共に、駒反転許可手段34が白の通常中実駒7eの反転の可否を判定する。この場合、交点IX5にはいずれの色の駒も載置されていないため、駒移動許可手段33が交点IX5への白の通常中実駒7eの移動を許可し、さらに、駒反転許可手段34が白の通常中実駒7eの反転を許可することにより、白の通常中実駒7eは白の昇格中実駒7Bに昇格した状態で交点IX5に載置される。
【0051】
次いで、図16に示すように、後手の遊戯者が、入力装置25により黒の通常中空駒12g(図15参照)を横の罫線2に沿って黒の通常中空駒12cを飛び越えて交点V1上に移動させると共に反転させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点V1への黒の通常中空駒12gの移動の可否を判定すると共に、駒反転許可手段34が黒の通常中空駒12gの反転の可否を判定する。この場合、交点V1にはいずれの色の駒も載置されていないため、駒移動許可手段33が交点V1への黒の通常中空駒12gの移動を許可し、さらに、駒反転許可手段34が黒の通常中空駒12gの反転を許可することにより、通常中空駒12gは黒の昇格中空駒12Eに昇格した状態で交点V1に載置される。
【0052】
この移動により、後手の遊戯者は、交点V1上で、黒の昇格中空駒12Eを、現在交点V7上にある黒の通常中実駒8cの昇格駒である黒の昇格中実駒8Eと合体させようとしている。また、交点I1を空けることによって、現在交点IX1上にある黒の通常中空駒12aを反転させて黒の昇格中空駒12Dとして交点I1上に移動させると共に、現在交点IV8上にある黒の通常中実駒8fを反転させて黒の昇格中実駒8Dとして交点VI6上に移動させて、黒の昇格中実駒8Dと黒の昇格中空駒12Dとを合体させようとしている。
【0053】
次いで、図17に示すように、先手の遊戯者が、交点VII3上にある白の通常中実駒7dと合体させるため、入力装置25により白の通常中空駒11a(図16参照)を縦の罫線2に沿って黒の通常中実駒8e及び白の昇格中実駒7Bを飛び越えて交点IX3上に移動させると共に反転させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点IX3への白の通常中空駒11aの移動の可否を判定すると共に、駒反転許可手段34が白の通常中空駒11aの反転の可否を判定する。この場合、交点IX3にはいずれの色の駒も載置されていないため、駒移動許可手段33が交点IX3への白の通常中空駒11aの移動を許可し、さらに、駒反転許可手段34が白の通常中空駒11aの反転を許可することにより、白の通常中空駒11aは白の昇格中空駒11Dに昇格した状態で交点IX3に載置される。
【0054】
次いで、図18に示すように、後手の遊戯者が、上記した予定通り、入力装置25により黒の通常中空駒12a(図17参照)を横の罫線2に沿って交点I1上に移動させると共に反転させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点I1への黒の通常中空駒12aの移動の可否を判定すると共に、駒反転許可手段34が黒の通常中空駒12aの反転の可否を判定する。この場合、交点I1にはいずれの色の駒も載置されていないため、駒移動許可手段33が交点I1への黒の通常中空駒12aの移動を許可し、さらに、駒反転許可手段34が黒の通常中空駒12aの反転を許可することにより、黒の通常中空駒12aは黒の昇格中空駒12Dに昇格した状態で交点I1に載置される。
【0055】
次いで、図19に示すように、先手の遊戯者が、交点VI2上にある白の通常中実駒7gの昇格駒である白の昇格中実駒7Aと交点I7上で合体させる準備のため、入力装置25により白の通常中空駒11b(図18参照)を斜めの罫線2に沿って交点I7上に移動させると共に反転させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点I7への白の通常中空駒11bの移動の可否を判定すると共に、駒反転許可手段34が白の通常中空駒11bの反転の可否を判定する。この場合、交点I7にはいずれの色の駒も載置されていないため、駒移動許可手段33が交点I7への白の通常中空駒11bの移動を許可し、さらに、駒反転許可手段34が白の通常中空駒11bの反転を許可することにより、白の通常中空駒11bは白の昇格中空駒11Aに昇格した状態で交点I7に載置される。
【0056】
次いで、図20に示すように、後手の遊戯者が、上記した予定通り、入力装置25により黒の通常中実駒8f(図19参照)を斜めの罫線2に沿って黒の通常中実駒8cを飛び越えて交点VI6上に移動させると共に反転させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点VI6への黒の通常中実駒8fの移動の可否を判定すると共に、駒反転許可手段34が黒の通常中実駒8fの反転の可否を判定する。この場合、交点VI6にはいずれの色の駒も載置されていないため、駒移動許可手段33が交点VI6への黒の通常中実駒8fの移動を許可し、さらに、駒反転許可手段34が黒の通常中実駒8fの反転を許可することにより、通常中実駒8fは黒の昇格中実駒8Dに昇格した状態で交点VI6に載置される。
【0057】
次いで、図21に示すように、先手の遊戯者が、入力装置25により白の通常中空駒11f(図20参照)を斜めの罫線2に沿って黒の通常中実駒8d、黒の昇格中実駒8D、及び白の昇格中空駒11Bを飛び越えて交点IV4上に移動させると共に反転させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点IV4への白の通常中空駒11fの移動の可否を判定すると共に、駒反転許可手段34が白の通常中空駒11fの反転の可否を判定する。この場合、交点IV4にはいずれの色の駒も載置されていないため、駒移動許可手段33が交点IV4への白の通常中空駒11fの移動を許可し、さらに、駒反転許可手段34が白の通常中空駒11fの反転を許可することにより、白の通常中空駒11fは白の昇格中空駒11Cに昇格した状態で交点IV4に載置される。
【0058】
この移動により、先手の遊戯者は、交点V3上で白の通常中実駒7cと合体させるための準備をすると共に、現在交点VI2上にある白の通常中実駒7gを反転させて白の昇格中実駒7Aとして交点II6まで移動させ、交点I7上で白の昇格中実駒7Aと白の昇格中空駒11Aとを合体させようとしている。
【0059】
次いで、図22に示すように、後手の遊戯者が、入力装置25により黒の昇格中空駒12D(図21参照)を斜めの罫線2に沿って黒の通常中空駒12b、白の通常中実駒7b、白の昇格中空駒11C、及び白の昇格中空駒11Bを飛び越えて交点VI6上に移動させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点VI6への黒の昇格中空駒12Dの移動の可否を判定する。この場合、交点VI6には昇格中空駒12Dと同じアルファベットの昇格中実駒8Dがあるため、駒移動許可手段33が交点VI6への黒の昇格中空駒12Dの移動を許可することにより、昇格中空駒12Dと昇格中実駒8Dとが合体した状態で交点VI6に載置される。この時、駒合体判定手段35により昇格中空駒12Dと昇格中実駒8Dとが合体したと判断され、該合体駒が載置されている交点における交線の本数が交線本数算出手段36により算出されると共に、該合体駒に含まれている昇格駒の数が昇格駒数算出手段37により算出される。そして、交線本数算出手段36により算出された交線の本数と昇格駒数算出手段37により算出された昇格駒の数とに基づき黒色の駒の総得点が得点集計手段38により集計される。
【0060】
次いで、図23に示すように、先手の遊戯者が、入力装置25により白の通常中実駒7g(図22参照)を斜めの罫線2に沿って白の通常中実駒7c、白の昇格中空駒11C、及び白の昇格中空駒11Gを飛び越えて交点II6上に移動させると共に反転させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点II6への白の通常中実駒7gの移動の可否を判定すると共に、駒反転許可手段34が白の通常中実駒7gの反転の可否を判定する。この場合、交点II6にはいずれの色の駒も載置されていないため、駒移動許可手段33が交点II6への白の通常中実駒7gの移動を許可し、さらに、駒反転許可手段34が白の通常中実駒7gの反転を許可することにより、白の通常中実駒7gは白の昇格中実駒7Aに昇格した状態で交点II6に載置される。
【0061】
次いで、図24に示すように、後手の遊戯者が、入力装置25により黒の通常中空駒12b(図23参照)を斜めの罫線2に沿って白の通常中実駒7b、白の昇格中空駒11C、白の昇格中空駒11B、黒の昇格中実駒8Dと昇格中空駒12Dとの合体駒、及び黒の通常中実駒8dを飛び越えて交点VIII8上に移動させると共に反転させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点VIII8への黒の通常中空駒12bの移動の可否を判定すると共に、駒反転許可手段34が黒の通常中空駒12bの反転の可否を判定する。この場合、交点VIII8にはいずれの色の駒も載置されていないため、駒移動許可手段33が交点VIII8への黒の通常中空駒12bの移動を許可し、さらに、駒反転許可手段34が黒の通常中空駒12bの反転を許可することにより、通常中空駒12bは黒の昇格中空駒12Aに昇格した状態で交点VIII8に載置される。
【0062】
次いで、図25に示すように、先手の遊戯者が、入力装置25により白の昇格中実駒7B(図24参照)を横の罫線2に沿って白の昇格中空駒11Fを飛び越えて交点V5上に移動させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点V5への白の昇格中実駒7Bの移動の可否を判定する。この場合、交点V5には昇格中実駒7Bと同じアルファベットの昇格中空駒11Bがあるため、駒移動許可手段33が交点V5への白の昇格中実駒7Bの移動を許可することにより、昇格中実駒7Bと昇格中空駒11Bとが合体した状態で交点V5に載置される。この時、駒合体判定手段35により昇格中実駒7Bと昇格中空駒11Bとが合体したと判断され、該合体駒が載置されている交点における交線の本数が交線本数算出手段36により算出されると共に、該合体駒に含まれている昇格駒の数が昇格駒数算出手段37により算出される。そして、交線本数算出手段36により算出された交線の本数と昇格駒数算出手段37により算出された昇格駒の数とに基づき白色の駒の総得点が得点集計手段38により集計される。
【0063】
次いで、後手の遊戯者は、交点V7上から黒の通常中実駒8cを反転させて黒の昇格中実駒8Eとして交点V1上に移動させても、すぐ後に先手の遊戯者が交点V7上にいずれの白駒も移動させることができないし、或いは、例え交点V7上にいずれかの白駒を移動させたとしても先手の遊戯者にとって不利な状況になるものと考えた結果、図26に示すように、入力装置25により黒の通常中実駒8c(図25参照)を縦の罫線2に沿って白の昇格中実駒7Bと昇格中空駒11Bとの合体駒及び白の通常中実駒7cを飛び越えて交点V1上に移動させると共に反転させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点V1への黒の通常中実駒8cの移動の可否を判定すると共に、駒反転許可手段34が黒の通常中実駒8cの反転の可否を判定する。この場合、交点V1には通常中実駒8cを反転させた昇格中実駒8Eと同じアルファベットの昇格中空駒12Eがあるため、駒移動許可手段33が交点V1への黒の昇格中実駒8Eの移動を許可すると共に、駒反転許可手段34が黒の通常中実駒8cの反転を許可することにより、昇格中実駒8Eと昇格中空駒12Eとが合体した状態で交点V1に載置される。この時、駒合体判定手段35により昇格中実駒8Eと昇格中空駒12Eとが合体したと判断され、該合体駒が載置されている交点における交線の本数が交線本数算出手段36により算出されると共に、該合体駒に含まれている昇格駒の数が昇格駒数算出手段37により算出される。そして、交線本数算出手段36により算出された交線の本数と昇格駒数算出手段37により算出された昇格駒の数とに基づき黒色の駒の総得点が得点集計手段38により集計される。
【0064】
次いで、図27に示すように、先手の遊戯者が、入力装置25により白の昇格中空駒11Dを横の罫線2に沿って交点VII3上に移動させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点VII3への白の昇格中空駒11Dの移動の可否を判定する。この場合、交点VII3には昇格中空駒11Dと同じアルファベットの通常中実駒7dがあるため、駒移動許可手段33が交点VII3への白の昇格中空駒11Dの移動を許可することにより、昇格中空駒11Dと通常中実駒7dとが合体した状態で交点VII3に載置される。この時、駒合体判定手段35により昇格中空駒11Dと通常中実駒7dとが合体したと判断され、該合体駒が載置されている交点における交線の本数が交線本数算出手段36により算出されると共に、該合体駒に含まれている昇格駒の数が昇格駒数算出手段37により算出される。そして、交線本数算出手段36により算出された交線の本数と昇格駒数算出手段37により算出された昇格駒の数とに基づき白色の駒の総得点が得点集計手段38により集計される。
【0065】
次いで、図28に示すように、後手の遊戯者が、黒の通常中実駒8cを移動させたことによって空いている8点の交点V7を再び奪うため、入力装置25により黒の通常中実駒8e(図27参照)を横の罫線2に沿って黒の通常中実駒8dを飛び越えて交点V7上に移動させると共に反転させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点V7への黒の通常中実駒8eの移動の可否を判定すると共に、駒反転許可手段34が黒の通常中実駒8eの反転の可否を判定する。この場合、交点V7にはいずれの色の駒も載置されていないため、駒移動許可手段33が交点V7への黒の通常中実駒8eの移動を許可し、さらに、駒反転許可手段34が黒の通常中実駒8eの反転を許可することにより、通常中実駒8eは黒の昇格中実駒8Bに昇格した状態で交点V7に載置される。
【0066】
次いで、図29に示すように、先手の遊戯者が、入力装置25により白の昇格中空駒11A(図28参照)を斜めの罫線2に沿って交点II6上に移動させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点II6への白の昇格中空駒11Aの移動の可否を判定する。この場合、交点II6には昇格中空駒11Aと同じアルファベットの昇格中実駒7Aがあるため、駒移動許可手段33が交点II6への白の昇格中空駒11Aの移動を許可することにより、昇格中空駒11Aと昇格中実駒7Aとが合体した状態で交点II6に載置される。この時、駒合体判定手段35により昇格中空駒11Aと昇格中実駒7Aとが合体したと判断され、該合体駒が載置されている交点における交線の本数が交線本数算出手段36により算出されると共に、該合体駒に含まれている昇格駒の数が昇格駒数算出手段37により算出される。そして、交線本数算出手段36により算出された交線の本数と昇格駒数算出手段37により算出された昇格駒の数とに基づき白色の駒の総得点が得点集計手段38により集計される。
【0067】
この移動により、先手の遊戯者は、交点I7を空けることで、その後に交点I9にある白の通常中空駒11gを反転させて白の昇格中空駒11Eとして移動させると共に、交点V3上にある白の通常中実駒7cを反転させて白の昇格中実駒7Eとして移動させ、交点I7上で白の昇格中実駒7Eと白の昇格中空駒11Eとを合体させようとしている。
【0068】
次いで、図30に示すように、後手の遊戯者は、先手の遊戯者が交点I7上で白の昇格中実駒7Eと白の昇格中空駒11Eとを合体させようとしていることを察知し、これを邪魔するため、入力装置25により黒の通常中実駒8b(図29参照)を横の罫線2に沿って交点I7上に移動させると共に反転させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点I7への黒の通常中実駒8bの移動の可否を判定すると共に、駒反転許可手段34が黒の通常中実駒8bの反転の可否を判定する。この場合、交点I7にはいずれの色の駒も載置されていないため、駒移動許可手段33が交点I7への黒の通常中実駒8bの移動を許可し、さらに、駒反転許可手段34が黒の通常中実駒8bの反転を許可することにより、通常中実駒8bは黒の昇格中実駒8Fに昇格した状態で交点I7に載置される。
【0069】
この移動により、後手の遊戯者は、交点III7を空けることで、交点VII7上にある黒の通常中実駒8dを反転させて黒の昇格中実駒8Gとして交点III7上に移動させると共に、交点III1上にある黒の通常中空駒12cを反転させて黒の昇格中空駒12Gとして交点III7上に移動させて、両駒を合体させようとしている。
【0070】
次いで、図31に示すように、先手の遊戯者は、後手の遊戯者が交点III7上で黒の昇格中実駒8Gと黒の昇格中空駒12Gとを合体させようとしていることを察知し、これを邪魔するため、入力装置25により白の通常中実駒7b(図30参照)を縦の罫線2に沿って白の昇格中空駒11Gを飛び越えて交点III7上に移動させると共に反転させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点III7への白の通常中実駒7bの移動の可否を判定すると共に、駒反転許可手段34が白の通常中実駒7bの反転の可否を判定する。この場合、交点III7にはいずれの色の駒も載置されていないため、駒移動許可手段33が交点III7への白の通常中実駒7bの移動を許可し、さらに、駒反転許可手段34が白の通常中実駒7bの反転を許可することにより、通常中実駒7bは白の昇格中実駒7Fに昇格した状態で交点III7に載置される。
【0071】
次いで、図32に示すように、後手の遊戯者は、先手の遊戯者が白の通常中実駒7bを反転させて昇格中実駒7Fとして交点III7上に移動させたことによって、交点III3が空いたため、入力装置25により黒の通常中実駒8d(図31参照)を斜めの罫線2に沿って黒の昇格中実駒8Dと昇格中空駒12Dとの合体駒、白の昇格中実駒7Bと昇格中空駒11Bとの合体駒、及び白の昇格中空駒11Cを飛び越えて交点III3上に移動させると共に反転させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点III3への黒の通常中実駒8dの移動の可否を判定すると共に、駒反転許可手段34が黒の通常中実駒8dの反転の可否を判定する。この場合、交点III3にはいずれの色の駒も載置されていないため、駒移動許可手段33が交点III3への黒の通常中実駒8dの移動を許可し、さらに、駒反転許可手段34が黒の通常中実駒8dの反転を許可することにより、通常中実駒8dは黒の昇格中実駒8Gに昇格した状態で交点III3に載置される。
【0072】
この移動により、後手の遊戯者は、8点の交点を奪うと共に、交点III1上にある黒の通常中空駒12cを反転させて黒の昇格中空駒12Gとして交点III3上に移動させて、交点III3上で両駒を合体させようとしている。
【0073】
次いで、図33に示すように、先手の遊戯者は、後手の遊戯者が黒の通常中空駒12eを反転させて黒の昇格中空駒12Fとして交点VII7上に移動させ、さらに、交点I7上にある黒の昇格中実駒8Fを交点VII7上に移動させると考えると共に、後手の遊戯者が黒の昇格中実駒8Aと黒の昇格中空駒12Aとの合体も交点VII7上で行う可能性があると考えた結果、入力装置25により白の昇格中空駒11Fを縦の罫線2に沿って交点VII7上に移動させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点VII7への白の昇格中空駒11Fの移動の可否を判定する。この場合、交点VII7にはいずれの色の駒も載置されていないため、駒移動許可手段33が交点VII7への白の昇格中空駒11Fの移動を許可することにより、昇格中空駒11Fは交点VII7に載置される。
【0074】
次いで、図34に示すように、後手の遊戯者は、先手の遊戯者が交点VII7上に昇格中空駒11Fを移動させて交点VII7上における黒の昇格中実駒8Fと黒の昇格中空駒12Fとの合体の邪魔をしたため、黒の昇格中実駒8Fと黒の昇格中空駒12Fとの合体を交点I7上で行う方針を固めて、入力装置25により黒の通常中空駒12e(図33参照)を斜めの罫線2に沿って交点VI2上に移動させると共に反転させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点VI2への黒の通常中空駒12eの移動の可否を判定すると共に、駒反転許可手段34が黒の通常中空駒12eの反転の可否を判定する。この場合、交点VI2にはいずれの色の駒も載置されていないため、駒移動許可手段33が交点VI2への黒の通常中空駒12eの移動を許可し、さらに、駒反転許可手段34が黒の通常中空駒12eの反転を許可することにより、通常中空駒12eは黒の昇格中空駒12Fに昇格した状態で交点VI2に載置される。
【0075】
次いで、図35に示すように、先手の遊戯者は、後手の遊戯者が黒の昇格中実駒8Fと黒の昇格中空駒12Fとを交点I7上で合体させようとしているので、後手の遊戯者の手数を増やすため、入力装置25により白の昇格中空駒11Gを横の罫線2に沿って交点VII5上に移動させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点VII5への白の昇格中空駒11Gの移動の可否を判定する。この場合、交点VII5にはいずれの色の駒も載置されていないため、駒移動許可手段33が交点VII5への白の昇格中空駒11Gの移動を許可することにより、昇格中空駒11Gは交点VII5に載置される。
【0076】
この移動により、先手の遊戯者は、交点VII3上にある白の通常中実駒7dの昇格駒である白の昇格中実駒7Gと白の昇格中空駒11Gとを交点VII5上で合体させようとしている。
【0077】
次いで、図36に示すように、後手の遊戯者は、入力装置25により黒の通常中空駒12f(図35参照)を斜めの罫線2に沿って交点VII1上に移動させると共に反転させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点VII1への黒の通常中空駒12fの移動の可否を判定すると共に、駒反転許可手段34が黒の通常中空駒12fの反転の可否を判定する。この場合、交点VII1にはいずれの色の駒も載置されていないため、駒移動許可手段33が交点VII1への黒の通常中空駒12fの移動を許可し、さらに、駒反転許可手段34が黒の通常中空駒12fの反転を許可することにより、通常中空駒12fは黒の昇格中空駒12Cに昇格した状態で交点VII1に載置される。
【0078】
この移動により、後手の遊戯者は、黒の昇格中空駒12Cを交点III5上に移動させて、交点III5上で昇格中実駒8Cと合体させるための準備をすると共に、黒の昇格中空駒12Fに飛び越させて、黒の昇格中実駒8Fと黒の昇格中空駒12Fとを一度に合体させようとしている。
【0079】
次いで、図37に示すように、先手の遊戯者は、入力装置25により白の通常中実駒7c(図36参照)を斜めの罫線2に沿って白の昇格中空駒11Cを飛び越えて交点III5上に移動させると共に反転させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点III5への白の通常中実駒7cの移動の可否を判定すると共に、駒反転許可手段34が白の通常中実駒7cの反転の可否を判定する。この場合、交点III5にはいずれの色の駒も載置されていないため、駒移動許可手段33が交点III5への白の通常中実駒7cの移動を許可し、さらに、駒反転許可手段34が白の通常中実駒7cの反転を許可することにより、通常中実駒7cは白の昇格中実駒7Eに昇格した状態で交点III5に載置される。
【0080】
この移動により、先手の遊戯者は、後手の遊戯者が黒の昇格中空駒12Cを交点III5上に移動できないように邪魔をすると共に、後で交点I9上にある白の通常中空駒11gを反転させて白の昇格中空駒11Eとして交点III5上に移動させて、白の昇格中実駒7Eと白の昇格中空駒11Eとを交点III5上で合体させようとしている。
【0081】
次いで、図37および図38に示すように、後手の遊戯者は、先手の遊戯者が直前に白の昇格中実駒7Eを交点III5上に移動させてしまったため、交点III5上における黒の昇格中実駒8Cと黒の昇格中空駒12Cとの合体をあきらめ、黒の昇格中空駒12Cを移動させる代わりに、入力装置25により黒の昇格中実駒8Fを斜めの罫線2に沿って白の昇格中実駒7Aと昇格中空駒11Aとの合体駒、白の昇格中実駒7E,及び白の昇格中空駒11Cを飛び越えて交点V3上に移動させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点V3への黒の昇格中実駒8Fの移動の可否を判定する。この場合、交点V3にはいずれの色の駒も載置されていないため、駒移動許可手段33が交点V3への黒の昇格中実駒8Fの移動を許可することにより、昇格中実駒8Fは交点V3に載置される。
【0082】
この移動により、後手の遊戯者は、後で黒の昇格中空駒12Fを交点V3上に移動させて、黒の昇格中実駒8Fと黒の昇格中空駒12Fとを交点V3上で合体させようとしている。
【0083】
次いで、図39に示すように、先手の遊戯者は、後で交点III5上で白の昇格中実駒7Eと合体させるため、入力装置25により白の通常中空駒11g(図38参照)を縦の罫線2に沿って交点I7上に移動させると共に反転させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点I7への白の通常中空駒11gの移動の可否を判定すると共に、駒反転許可手段34が白の通常中空駒11gの反転の可否を判定する。この場合、交点I7にはいずれの色の駒も載置されていないため、駒移動許可手段33が交点I7への白の通常中空駒11gの移動を許可し、さらに、駒反転許可手段34が白の通常中空駒11gの反転を許可することにより、通常中空駒11gは白の昇格中空駒11Eに昇格した状態で交点I7に載置される。
【0084】
次いで、図40に示すように、後手の遊戯者は、入力装置25により黒の通常中空駒12c(図39参照)を縦の罫線2に沿って交点III3上に移動させると共に反転させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点III3への黒の通常中空駒12cの移動の可否を判定すると共に、駒反転許可手段34が黒の通常中空駒12cの反転の可否を判定する。この場合、交点III3には通常中空駒12cを反転させた昇格中空駒12Gと同じアルファベットの昇格中実駒8Gがあるため、駒移動許可手段33が交点III3への黒の通常中空駒12cの移動を許可すると共に、駒反転許可手段34が黒の通常中空駒12cの反転を許可することにより、昇格中実駒8Gと昇格中空駒12Gとが合体した状態で交点III3に載置される。この時、駒合体判定手段35により昇格中実駒8Gと昇格中空駒12Gとが合体したと判断され、該合体駒が載置されている交点における交線の本数が交線本数算出手段36により算出されると共に、該合体駒に含まれている昇格駒の数が昇格駒数算出手段37により算出される。そして、交線本数算出手段36により算出された交線の本数と昇格駒数算出手段37により算出された昇格駒の数とに基づき黒色の駒の総得点が得点集計手段38により集計される。
【0085】
この移動により、後手の遊戯者は、交点III1を空けることで、黒の昇格中実駒8Cと黒の昇格中空駒12Cとが合体できるように移動ルートを確保している。
【0086】
次いで、図41に示すように、先手の遊戯者は、上記した予定通り、入力装置25により白の昇格中空駒11Eを斜めの罫線2に沿って白の昇格中実駒7Aと昇格中空駒11Aとの合体駒を飛び越えて交点III5上に移動させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点III5への白の昇格中空駒11Eの移動の可否を判定する。この場合、交点III5には昇格中空駒11Eと同じアルファベットの昇格中実駒7Eがあるため、駒移動許可手段33が交点III5への白の昇格中空駒11Eの移動を許可することにより、昇格中実駒7Eと昇格中空駒11Eとが合体した状態で交点III5に載置される。この時、駒合体判定手段35により昇格中実駒7Eと昇格中空駒11Eとが合体したと判断され、該合体駒が載置されている交点における交線の本数が交線本数算出手段36により算出されると共に、該合体駒に含まれている昇格駒の数が昇格駒数算出手段37により算出される。そして、交線本数算出手段36により算出された交線の本数と昇格駒数算出手段37により算出された昇格駒の数とに基づき白色の駒の総得点が得点集計手段38により集計される。
【0087】
次いで、図42に示すように、後手の遊戯者は、上記した予定通り、入力装置25により黒の昇格中空駒12Fを斜めの罫線2に沿って交点V3上に移動させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点V3への黒の昇格中空駒12Fの移動の可否を判定する。この場合、交点V3には昇格中空駒12Fと同じアルファベットの昇格中実駒8Fがあるため、駒移動許可手段33が交点V3への黒の昇格中空駒12Fの移動を許可することにより、昇格中実駒8Fと昇格中空駒12Fとが合体した状態で交点V3に載置される。この時、駒合体判定手段35により昇格中実駒8Fと昇格中空駒12Fとが合体したと判断され、該合体駒が載置されている交点における交線の本数が交線本数算出手段36により算出されると共に、該合体駒に含まれている昇格駒の数が昇格駒数算出手段37により算出される。そして、交線本数算出手段36により算出された交線の本数と昇格駒数算出手段37により算出された昇格駒の数とに基づき黒色の駒の総得点が得点集計手段38により集計される。
【0088】
次いで、図43に示すように、先手の遊戯者は、入力装置25により白の通常中実駒7f(図42参照)を斜めの罫線2に沿って交点VI4上に移動させると共に反転させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点VI4への白の通常中実駒7fの移動の可否を判定すると共に、駒反転許可手段34が白の通常中実駒7fの反転の可否を判定する。この場合、交点VI4にはいずれの色の駒も載置されていないため、駒移動許可手段33が交点VI4への白の通常中実駒7fの移動を許可し、さらに、駒反転許可手段34が白の通常中実駒7fの反転を許可することにより、通常中実駒7fは白の昇格中実駒7Dに昇格した状態で交点VI4に載置される。
【0089】
この移動により、先手の遊戯者は、後で昇格中実駒7Dを交点VII3上に移動させて白の昇格中空駒11Dと合体させる予定でおり、その前に、交点VII3上にある白の通常中実駒7dを反転させて白の昇格中実駒7Gとして交点VII5上に移動させて、白の昇格中空駒11Gと合体させようとしている。
【0090】
次いで、図44に示すように、後手の遊戯者は、交点III9上にある黒の昇格中実駒8Cと合体させるため、入力装置25により黒の昇格中空駒12Cを横の罫線2に沿って黒の昇格中実駒8Eと昇格中空駒12Eとの合体駒を飛び越えて交点III1上に移動させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点III1への黒の昇格中空駒12Cの移動の可否を判定する。この場合、交点III1にはいずれの色の駒も載置されていないため、駒移動許可手段33が交点III1への黒の昇格中空駒12Cの移動を許可することにより、昇格中空駒12Cは交点III1に載置される。
【0091】
次いで、図45に示すように、先手の遊戯者は、後手の遊戯者が黒の昇格中実駒8Cと黒の昇格中空駒12Cとを合体させるのを邪魔すると共に後手の遊戯者の手数を一手増やさせるため、入力装置25により白の昇格中実駒7Fを横の罫線2に沿って黒の昇格中実駒8Bを飛び越えて交点VII7上に移動させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点VII7への白の昇格中実駒7Fの移動の可否を判定する。この場合、交点VII7には昇格中実駒7Fと同じアルファベットの昇格中空駒11Fがあるため、駒移動許可手段33が交点VII7への白の昇格中実駒7Fの移動を許可することにより、昇格中実駒7Fと昇格中空駒11Fとが合体した状態で交点VII7に載置される。この時、駒合体判定手段35により昇格中実駒7Fと昇格中空駒11Fとが合体したと判断され、該合体駒が載置されている交点における交線の本数が交線本数算出手段36により算出されると共に、該合体駒に含まれている昇格駒の数が昇格駒数算出手段37により算出される。そして、交線本数算出手段36により算出された交線の本数と昇格駒数算出手段37により算出された昇格駒の数とに基づき白色の駒の総得点が得点集計手段38により集計される。
【0092】
この時、先手の遊戯者は、後手の遊戯者の手数が2手少ないことに気がついており、先手の遊戯者の白駒が最低獲得点数の70点に到達する前に、先に後手の遊戯者の黒駒がすべて合体してしまい、70点に到達してしまうことを計算し、仕方なく8点の交点III7から白の昇格中実駒7Fを移動させている。
【0093】
次いで、図46に示すように、後手の遊戯者は、先手の遊戯者が8点の交点III7から白の昇格中実駒7Fを移動させたので、この交点III7上で黒の昇格中実駒8Cと合体させるため、入力装置25により黒の昇格中空駒12Cを縦の罫線2に沿って黒の昇格中実駒8Gと昇格中空駒12Gとの合体駒、及び白の昇格中実駒7Eと昇格中空駒11Eとの合体駒を飛び越えて交点III7上に移動させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点III7への黒の昇格中空駒12Cの移動の可否を判定する。この場合、交点III7にはいずれの色の駒も載置されていないため、駒移動許可手段33が交点III7への黒の昇格中空駒12Cの移動を許可することにより、昇格中空駒12Cは交点III7に載置される。
【0094】
次いで、先手の遊戯者は、白の通常中実駒7dと白の昇格中空駒11Dとを合体させているが(図46参照)、このままでは、すべての駒を合体させることができず、また、勝利者となるための最低獲得点数である70点に到達できないことを察知して、図47に示すように、入力装置25により白の通常中実駒7d(図46参照)を縦の罫線2に沿って交点VII5上に移動させると共に反転させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点VII5への白の通常中実駒7dの移動の可否を判定すると共に、駒反転許可手段34が白の通常中実駒7dの反転の可否を判定する。この場合、交点VII5には通常中実駒7dを反転させた昇格中実駒7Gと同じアルファベットの昇格中空駒11Gがあるため、駒移動許可手段33が交点VII5への白の通常中実駒7dの移動を許可すると共に、駒反転許可手段34が白の通常中実駒7dの反転を許可することにより、昇格中実駒7Gと昇格中空駒11Gとが合体した状態で交点VII5に載置される。この時、駒合体判定手段35により昇格中実駒7Gと昇格中空駒11Gとが合体したと判断され、該合体駒が載置されている交点における交線の本数が交線本数算出手段36により算出されると共に、該合体駒に含まれている昇格駒の数が昇格駒数算出手段37により算出される。そして、交線本数算出手段36により算出された交線の本数と昇格駒数算出手段37により算出された昇格駒の数とに基づき白色の駒の総得点が得点集計手段38により集計される。
【0095】
次いで、図48に示すように、後手の遊戯者は、上記した予定通り、入力装置25により黒の昇格中空駒12Bを縦の罫線2に沿って交点V7上に移動させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点V7への黒の昇格中空駒12Bの移動の可否を判定する。この場合、交点V7には昇格中空駒12Bと同じアルファベットの昇格中実駒8Bがあるため、駒移動許可手段33が交点V7への黒の昇格中空駒12Bの移動を許可することにより、昇格中実駒8Bと昇格中空駒12Bとが合体した状態で交点V7に載置される。この時、駒合体判定手段35により昇格中実駒8Bと昇格中空駒12Bとが合体したと判断され、該合体駒が載置されている交点における交線の本数が交線本数算出手段36により算出されると共に、該合体駒に含まれている昇格駒の数が昇格駒数算出手段37により算出される。そして、交線本数算出手段36により算出された交線の本数と昇格駒数算出手段37により算出された昇格駒の数とに基づき黒色の駒の総得点が得点集計手段38により集計される。
【0096】
次いで、図49に示すように、先手の遊戯者は、上記した予定通り、入力装置25により白の昇格中実駒7Dを斜めの罫線2に沿って交点VII3上に移動させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点VII3への白の昇格中実駒7Dの移動の可否を判定する。この場合、交点VII3には昇格中実駒7Dと同じアルファベットの昇格中空駒11Dがあるため、駒移動許可手段33が交点VII3への白の昇格中実駒7Dの移動を許可することにより、昇格中実駒7Dと昇格中空駒11Dとが合体した状態で交点VII3に載置される。この時、駒合体判定手段35により昇格中実駒7Dと昇格中空駒11Dとが合体したと判断され、該合体駒が載置されている交点における交線の本数が交線本数算出手段36により算出されると共に、該合体駒に含まれている昇格駒の数が昇格駒数算出手段37により算出される。そして、交線本数算出手段36により算出された交線の本数と昇格駒数算出手段37により算出された昇格駒の数とに基づき白色の駒の総得点が得点集計手段38により集計される。
【0097】
次いで、図50に示すように、後手の遊戯者は、上記した予定通り、入力装置25により黒の昇格中実駒8Cを縦の罫線2に沿って交点III7上に移動させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点III7への黒の昇格中実駒8Cの移動の可否を判定する。この場合、交点III7には昇格中実駒8Cと同じアルファベットの昇格中空駒12Cがあるため、駒移動許可手段33が交点III7への黒の昇格中実駒8Cの移動を許可することにより、昇格中実駒8Cと昇格中空駒12Cとが合体した状態で交点III7に載置される。この時、駒合体判定手段35により昇格中実駒8Cと昇格中空駒12Cとが合体したと判断され、該合体駒が載置されている交点における交線の本数が交線本数算出手段36により算出されると共に、該合体駒に含まれている昇格駒の数が昇格駒数算出手段37により算出される。そして、交線本数算出手段36により算出された交線の本数と昇格駒数算出手段37により算出された昇格駒の数とに基づき黒色の駒の総得点が得点集計手段38により集計される。
【0098】
次いで、図51に示すように、先手の遊戯者は、後で交点IV4上にある白の昇格中空駒11Cと合体させるため、入力装置25により白の通常中実駒7a(図50参照)を斜めの罫線2に沿って交点II2上に移動させると共に反転させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点II2への白の通常中実駒7aの移動の可否を判定すると共に、駒反転許可手段34が白の通常中実駒7aの反転の可否を判定する。この場合、交点II2にはいずれの色の駒も載置されていないため、駒移動許可手段33が交点II2への白の通常中実駒7aの移動を許可し、さらに、駒反転許可手段34が白の通常中実駒7aの反転を許可することにより、通常中実駒7aは白の昇格中実駒7Cに昇格した状態で交点II2に載置される。
【0099】
次いで、図52に示すように、後手の遊戯者は、上記した予定通り、入力装置25により黒の昇格中空駒12Aを斜めの罫線2に沿って交点VII9上に移動させる操作を行うと、駒移動許可手段33が交点VII9への黒の昇格中空駒12Aの移動の可否を判定する。この場合、交点VII9には昇格中空駒12Aと同じアルファベットの昇格中実駒8Aがあるため、駒移動許可手段33が交点VII9への黒の昇格中空駒12Aの移動を許可することにより、昇格中実駒8Aと昇格中空駒12Aとが合体した状態で交点VII9に載置される。この時、駒合体判定手段35により昇格中実駒8Aと昇格中空駒12Aとが合体したと判断され、該合体駒が載置されている交点における交線の本数が交線本数算出手段36により算出されると共に、該合体駒に含まれている昇格駒の数が昇格駒数算出手段37により算出される。そして、交線本数算出手段36により算出された交線の本数と昇格駒数算出手段37により算出された昇格駒の数とに基づき黒色の駒の総得点が得点集計手段38により集計される。
【0100】
そして、この瞬間に、得点集計手段38が集計した後手の遊戯者の黒色の駒の総得点が74点となり、最低獲得点数である70点に到達したため、対戦結果判定手段は後手の遊戯者を勝者と認定し、ゲームは終了する。
【0101】
このように、先手の遊戯者は、ゲームの序盤において、9個存在する高得点(8点)の交点のうち、6個の交点上に白駒を移動させることができたが、ゲームの中盤において、明確な方針を打ち出すことができずに手数を増やしてしまい、最終的に1種類の駒を合体させることができずにゲームを終えざるを得なくなった。その結果、白駒:黒駒=68点:74点となり、後手の遊戯者が僅差で勝者となった。
【0102】
なお、本シミュレーションにおいては、実施例として、本ゲームの初心者が、先手の白駒を選択した場合に、最初に行う可能性が高いゲーム盤4の中央にある3個の高得点(8点)の交点3上に、白の通常中空駒を反転させて昇格中空駒として移動させた場合を取り上げてみた。一見すると、白駒を選択した先手の遊戯者が圧倒的に有利なゲーム展開となって、圧倒的大差で勝利を収めそうに思われるが、実はかえって不利になる可能性が高いものと思われる。その理由は、最低獲得点数の70点を獲得するとなると、すべての通常中実駒および通常中空駒の両方を昇格させなければ、達成が難しいことにあるが、そうなると、最初から8点の交点上にある3個の通常中実駒7b,7c,7dを昇格させるために、8点の交点上から他の交点上に移動させなければならず、その間に、後手の遊戯者に8点の交点を奪われてしまう可能性が高いからである。
【0103】
また、通常中実駒7b,7c,7dを反転させると、昇格中実駒7F,7E,7Gに昇格するが、本シミュレーションにおける先手の遊戯者のように、3個の通常中空駒11c,11d,11eを反転させると、昇格中空駒11G,11B,11Fとなり、押さえたはずの6個の8点の交点のうち、2個は「F」と「G」をダブって押さえていることになるため、後で昇格中実駒か昇格中空駒のどちらかを8点の交点上から他の交点上に移動させなければならず、移動する際に相手の遊戯者に8点の交点を奪われてしまう可能性が高くなる。さらに、本シミュレーションの先手の遊戯者のように各中空駒を移動させた場合には、「F」と「G」の昇格中実駒と昇格中空駒の合体が難しくなるように各駒を初期配置させていることにある。さらにまた、本シミュレーションにおいては、最低獲得点数を70点に設定したが、最低獲得点数を変更するだけで、方針や戦術も変更せざるを得なくなる。
【0104】
このように、本ゲームでは、序盤、中盤、終盤と様々なゲーム展開を楽しむことができるが、例えば、図53〜図56において、その他のシミュレーションゲーム終了時の状態を示すように、上記した一つのシミュレーションゲームだけでは本ゲームの奥深さをすべて紹介することはできない。
【0105】
すなわち、上記した実施の形態では、先手の遊戯者と後手の遊戯者とがゲームの序盤から互いに極端な手を打った場合を取り上げて、中盤から終盤にかけては実力が互角で、双方が速いゲーム展開を望んでいるものとして、シミュレーションを行った。しかし、実際のゲームにおいては、遊戯者の実力や考え方も様々であり、様々な個性あふれるゲームが行われるものと推測される。したがって、本ゲームは、そのような様々なゲーム展開を望むあらゆる遊戯者に支持されるものと思われる。
【0106】
そして、ゲームの勝者となるには、主に以下のような1項から3項までの3つの戦術が考えられるが、特に、3項については、さらに具体的な4項から6項の戦術も考えられる。
1.ゲーム前に予め設定した最低獲得点数に従って、各駒の移動先の交点と昇格させる駒をイメージしてから、ゲームを始めるようにして、相手の出方やゲーム展開により、必要に応じて方針を変更しながら、毎回、最適な一手を打てるように努めてゆく。例えば、最低獲得点数が60点の場合と70点の場合とでは、昇格させなければならない駒の数や合体させなければならない駒の数が異なる。もし、最低獲得点数が60点とすると、初期配置の際に高得点(8点)の交点上に配置された各3個の通常中実駒を昇格させるために移動させることは得策ではないかも知れない。また、必ずしも、すべての駒を合体させる必要がない場合が多く、ゲーム展開によって、合体させることが難しくなってしまった駒を
敢えて合体させる必要もないものと思われる。
2.9個ある高得点(8点)の交点上に、相手より早く、自分の駒を移動させて、相手より多く、高得点の交点を占領する。但し、一度、高得点の交点を占領した場合であっても、ゲーム展開によっては、高得点の交点から自分の駒を移動せざるを得ないこともある。3.相手より早く、自分のすべての駒を合体させ終わって、高得点を上げる。駒を早く合体させるには、駒を早く移動させなければならず、連続して並んでいる駒を飛び越す手段をとる必要がある。連続して並んでいる駒を飛び越すには、先ず、駒を連続して並ぶように移動させる必要があるが、駒を連続して並べた場合には、相手にも、利用される可能性があることを意識しなければならない。そして、時には、連続して並んでいる駒を、意識的に途切れさせたり、また、移動方向のすべての交点を駒で埋めることにより、移動できなくさせたりする。
4.相手が駒を移動させようとしている交点上に先に自分の駒を移動させてしまい、相手の駒の移動の邪魔をする。そうすることで、相手の中実駒と中空駒との合体の邪魔をしたり、相手の駒が遠回りしなければ、駒を目的の交点に移動できないようにすることができる。
5.相手が自分の駒を飛び越して、駒の移動をさせることが考えられる場合に、相手の駒に飛び越される前に、先に自分の駒を移動させてしまい、相手の手数を増やす。
6.相手の駒の移動の邪魔ができたり、自分の駒を早く移動させることができたりする場合には、敢えて、低得点(3点や4点)の交点上で駒を合体させた方が得策である場合もある。
【0107】
上記した本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機20及び電子ゲームプログラム30によれば、各交点3の交線の本数が異なるように工夫したゲーム盤4と、各交点3の交線の本数によって点数を付与し、該交点3上で中実駒7,8と中空駒11,12とを合体させた際の点数が、ゲーム盤4の各交点3上に記載され、一目で得点が分かるように構成されている。このように、各交点3の交線の本数によって得点を付与することにより、ゲーム盤4上に各駒が配置されている状態でも各駒が獲得できる点数がわかり、得点を確認するために各駒を移動させたりする必要がない。
【0108】
また、ゲーム盤4の両遊戯者側には各駒の表面側と裏面側に記載されているアルファベットの対応表13,14が表示されており、ゲーム中に各駒が昇格する場合のアルファベットの文字が一目で分かるようになっているため、各遊戯者がゲームの戦略を立てやすく、ゲームの興趣を高めることができる。
【0109】
さらに、各駒の特徴として、同色のすべての駒の表裏両面にすべて異なるアルファベットが記載されるといった斬新性を有しており、これにより、各中実駒7,8および各中空駒11,12は裏返す度に別の相手の駒と合体させなければならなくなり、ゲームの興趣の向上につながる。
【0110】
また、各駒の表面側はアルファベットの小文字が記載され、各駒の裏面側はアルファベットの大文字が記載されているので、一目で昇格しているかどうかが分かる。さらに、各中実駒7,8および各中空駒11,12はすべて同形状を成しており、駒の種類をアルファベットで分けているので、各駒が表面側になっている場合も、裏面側になっている場合も同様に各中実駒7,8及び各中空駒11,12を合体させることができると共に、各中実駒7,8及び各中空駒11,12の合体の順番を問わずに合体させることが可能である。特に、中空駒11,12に関しては、中空駒11,12の表裏両面に文字を記載するという技術的思想や、中空駒11,12の両端面に異なる文字を記載して駒を反転させた場合には他の駒と合体させるという技術的思想や、中空駒11,12の表面側と裏面側とでアルファベットの小文字と大文字を使用して通常駒と昇格駒とを分け、アルファベットの小文字と大文字を使い分けるという技術的思想などは従来にはまったくなく、斬新的であり、これにより、ゲームの多様性及び興趣の向上を一層図ることができる。
【0111】
さらに、通常駒を反転させた場合、昇格駒となるが、この時、アルファベットが小文字から大文字に変わると共に、他の文字に変わるので、駒同士を合体させる場合には、変わった後の文字の駒と合体させなければならなくなり、ゲーム性が高くなる。
【0112】
また、最低獲得点数を高く設定(70点以上に)した場合、すべての駒を昇格させなければゲームの勝利者となることが難しくなるが、すべての駒を昇格させるには、すべての駒を移動させなければならず、初期状態において、高得点(8点)の交点上にある6個の通常中実駒も移動させて昇格させなければならなくなる。そうすると、移動の際に、相手の駒に高得点の交点を奪われる可能性が高くなり、いつ、どの時点で、高得点の交点上から自分の通常中実駒を移動させて昇格させるのかも勝敗を左右する要因となり、ゲーム性をさらに高めることができる。
【0113】
さらにまた、通常中実駒7,8と通常中空駒11,12との合体、昇格中実駒7,8と通常中空駒11,12との合体、通常中実駒7,8と昇格中空駒11,12との合体、昇格中実駒7,8と昇格中空駒11,12との合体のすべてにおいて、どの組合せの駒同士の合体や、どのアルファベットの駒同士の合体もすべて一様に困難になるようにすると共に、通常中実駒と昇格中実駒、及び通常中空駒と昇格中空駒のすべてのアルファベットの組合せがすべて異なるようにしてあるため、ゲームの興趣の向上を一段と図ることができる。
【0114】
また、1回で高得点(8点)の交点3上に駒を進めた場合には、さらに合体が困難になるようにすると共に、相手の駒の移動が有利になるように、すべての駒の初期配置および表面側と裏面側のアルファベットの組合せを導き出しており、これにより、ゲーム性をさらに高めることができる。
【0115】
さらに、上記のような技術思想を取り入れた電子ゲーム方法および電子ゲーム機並びに電子ゲームプログラムはこれまでに一切存在しておらず、極めて斬新で進歩的であると言える。
【0116】
さらにまた、上記した本発明の実施の形態に係る電子ゲーム機20及び電子ゲームプログラム30によれば、以下のような様々な優れた効果を得ることもできる。
1.ゲームのルールが単純な為、老若男女を問わず、すぐにゲームを行なうことができ、すぐに楽しむことができる。したがって、ゲームを広く普及させることが可能であり、幼児のための知育ゲーム機としても、高齢者の認知症予防の為のゲーム機としても、一般者向けの思考ゲーム機としても活用することができる。
2.遊具およびゲーム機が世界共通の技術的特徴を有しているため、全世界の人々が、老若男女、人種、民族、宗教、言語、地域等の壁を乗り越えて、コミュニケーションや競技の場を持つことができ、世界平和や世界各国との友好に対して貢献できるゲームを提供することができる。
3.ゲームの順番により遊戯者に有利或いは不利がなく、公平なゲームであるため、どちらの遊戯者もゲームを十分に楽しむことができる。
4.先手の遊戯者と後手の遊戯者とでは、最善手が異なり、後手の遊戯者が先手の遊戯者と同じ手を打ち続けようとしても、同じ手は打てなくなるため、遊戯者を白けさせない。
5.ルールは簡単だが、ゲーム内容は非常に複雑であり、様々な戦術が考えられ、ゲーム盤上の各駒の配置を理解して、毎回、最善な一手を打つことが重要になり、一手ごとに、何れの戦術を優先すべきかを考えさせられ、遊戯者を飽きさせない。
6.一手で、ゲームの流れが変わることもあり、数手先を考えた深い読みが必要となり、また、ゲーム中に一手、先になるか、後になるかによって、損得が分かれるため、ゲームの流れを自分の方に引き寄せるために、どの駒をどの順番に移動させるかを判断する必要があり、この駆け引きにより、ゲームの興趣を高めることができる。
7.必勝法の解明が困難で、定石を確立することが難しいため、一手一手を考えながら楽しむことができ、思考するゲームとしていつまでも新鮮にゲームを楽しむことができる。
8.一手で、ゲーム展開が全く異なってくるので、ゲーム終了まで、どちらの遊技者が優勢かを判断することが難しい場合が多く、最後まで、遊技者や見物者を飽きさせることがない。
9.ゲーム展開が一手ごとに変わるため、毎回、相手の打った手を加味して、最善の手を
打つ必要があり、ゲーム中の遊戯者に常に心地良い緊張感を維持させることができる。
10.ゲーム盤全体に注意を払ったり、様々な視点から一手一手を考えたりする必要があり、ゲームを行うことで、右脳的空間認識能力、左脳的計画能力、左脳的計算能力、段取力、推理力、結果や展開の予測能力、直観力、第六感等を向上させることができ、脳力の活性や開発への効果を期待することができる。
【符号の説明】
【0117】
1 遊具
2 罫線
3 交点
4 ゲーム盤
5 (白色の)駒
6 (黒色の)駒
7 (白色の)中実駒
8 (黒色の)中実駒
11 (白色の)中空駒
12 (黒色の)中空駒
20 電子ゲーム機
24 ディスプレイ
30 電子ゲームプログラム
31 ゲーム盤表示手段
32 駒配置制御手段
33 駒移動許可手段
34 駒反転許可手段
35 駒合体判定手段
36 交線本数算出手段
37 昇格駒数算出手段
38 得点集計手段
39 対戦結果判定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CPUと、記憶装置と、ディスプレイと、入力装置と、を備えた電子ゲーム機であって、前記CPUは、
前記入力装置の操作に従って前記記憶装置に格納されたデータを検索し、縦横及び左右斜めの罫線がお互いに交差する交点が複数形成され、各交点には異なる本数の罫線が交わり、該交線の本数を基本点数とした得点を付与できるように工夫したゲーム盤を前記ディスプレイ上に表示させるゲーム盤表示手段と、
前記入力装置の操作に従って前記記憶装置に格納されたデータを検索し、前記ゲーム盤表示手段により前記ディスプレイ上に表示されたゲーム盤の交点上に、2色同一形状の複数且つ同数で表裏反転可能であって、表面側にすべて異なる小文字のアルファベットが記載されると共に裏面側に前記各小文字のアルファベットに対応する大文字のアルファベットで表面側のアルファベットと異なるアルファベットが記載され、同一のアルファベットが記載された駒同士でのみ相互に合体可能な中実駒及び中空駒を初期配置させる駒配置制御手段と、
前記入力装置の操作に従って前記中実駒又は前記中空駒を移動させようとする方向の次の交点上にいずれの駒も載置されていない場合には前記中実駒又は前記中空駒の前記次の交点上への移動を許可し、前記入力装置の操作に従って前記中実駒又は前記中空駒を移動させようとする方向の次の交点上に前記中実駒又は前記中空駒が載置されている場合には前記移動方向にいずれの駒も載置されていない交点が存在するか或いは移動させようとしている前記中実駒又は前記中空駒とアルファベットが同一の合体できる他の駒がある場合に限って前記中実駒又は前記中空駒の移動を許可することにより、前記ゲーム盤の交点への前記中実駒又は前記中空駒の移動の可否を判定する駒移動許可手段と、
該駒移動許可手段により移動が許可された場合に、前記入力装置の操作に従って前記中実駒又は前記中空駒が反転することを許可する駒反転許可手段と、
前記駒移動許可手段により移動を許可された場合に、前記入力装置の操作に従って前記中実駒又は前記中空駒が移動して他の駒と合体したかどうかを判断する駒合体判定手段と、
該駒合体判定手段により前記中実駒又は前記中空駒が他の駒と合体したと判断された場合に、該合体駒が載置されている交点における交線の本数を算出する交線本数算出手段と、
前記駒合体判定手段により前記中実駒又は前記中空駒が他の駒と合体したと判断された場合に、該合体駒に含まれている前記大文字のアルファベットを表面側にした昇格駒の数を算出する昇格駒数算出手段と、
前記交線本数算出手段により算出された交線の本数と前記昇格駒数算出手段により算出された昇格駒の数とに基づき、前記各色の駒の総得点をそれぞれ集計する得点集計手段と、
該得点集計手段により集計された総得点が予め設定された最低獲得点数に先に到達した色の駒を選択した遊戯者を勝者と認定する対戦結果判定手段と、
として機能することを特徴とする電子ゲーム機。
【請求項2】
前記対戦結果判定手段は、先手の遊戯者の選択した色の駒が後手の遊戯者の選択した色の駒より先に前記最低獲得点数に到達した場合には、その後に後手の遊戯者の選択した色の駒が1回移動された時点でゲームを終了して総得点が多い方の遊戯者を勝者として認定し、後手の遊戯者の選択した色の駒が先手の遊戯者の選択した色の駒より先に前記最低獲得点数に到達した場合には、その時点でゲームを終了して後手の遊戯者を勝者として認定する請求項1に記載の電子ゲーム機。
【請求項3】
前記ディスプレイ上に表示される前記ゲーム盤には、縦横に形成された5本の罫線と左右斜めに形成された7本の罫線とが交差することにより、3本の罫線が交差する4個の交点と4本の罫線が交差する16個の交点と5本の罫線が交差する12個の交点と8本の罫線が交差する9個の交点との合計で41個の交点が縦横各9列に渡って形成され、
前記ディスプレイ上に表示される前記2色の駒の各中実駒及び各中空駒はそれぞれ7個ずつ合計で28個設けられ、
前記駒配置制御手段は、前記各色の中実駒及び中空駒を一方の遊戯者側の第1〜第3列目と他方の遊戯者側の第7〜第9列目に初期配置させる請求項1又は2に記載の電子ゲーム機。
【請求項4】
入力装置の操作に従って記憶装置に格納されたデータを検索し、縦横及び左右斜めの罫線がお互いに交差する交点が複数形成され、各交点には異なる本数の罫線が交わり、該交線の本数を基本点数とした得点を付与できるように工夫したゲーム盤をディスプレイ上に表示させるステップと、
前記入力装置の操作に従って前記記憶装置に格納されたデータを検索し、前記ディスプレイ上に表示されたゲーム盤の交点上に、2色同一形状の複数且つ同数で表裏反転可能であって、表面側にすべて異なる小文字のアルファベットが記載されると共に裏面側に前記各小文字のアルファベットに対応する大文字のアルファベットで表面側のアルファベットと異なるアルファベットが記載され、同一のアルファベットが記載された駒同士でのみ相互に合体可能な中実駒及び中空駒を初期配置させるステップと、
前記入力装置の操作に従って前記中実駒又は前記中空駒を移動させようとする方向の次の交点上にいずれの駒も載置されていない場合には前記中実駒又は前記中空駒の前記次の交点上への移動を許可し、前記入力装置の操作に従って前記中実駒又は前記中空駒を移動させようとする方向の次の交点上に前記中実駒又は前記中空駒が載置されている場合には前記移動方向にいずれの駒も載置されていない交点が存在するか或いは移動させようとしている前記中実駒又は前記中空駒とアルファベットが同一の合体できる他の駒がある場合に限って前記中実駒又は前記中空駒の移動を許可することにより、前記ゲーム盤の交点への前記中実駒又は前記中空駒の移動の可否を判定するステップと、
前記ゲーム盤の交点への前記中実駒又は前記中空駒の移動を許可された場合に、前記入力装置の操作に従って前記中実駒又は前記中空駒が反転することを許可するステップと、
前記ゲーム盤の交点への前記中実駒又は前記中空駒の移動を許可された場合に、前記入力装置の操作に従って前記中実駒又は前記中空駒が移動して他の駒と合体したかどうかを判断するステップと、
前記中実駒又は前記中空駒が他の駒と合体したと判断された場合に、該合体駒が載置されている交点における交線の本数を算出するステップと、
前記中実駒又は前記中空駒が他の駒と合体したと判断された場合に、該合体駒に含まれている前記大文字のアルファベットを表面側にした昇格駒の数を算出するステップと、
前記算出された交線の本数と前記算出された昇格駒の数とに基づき、前記各色の駒の総得点をそれぞれ集計するステップと、
前記集計された総得点が予め設定された最低獲得点数に先に到達した色の駒を選択した遊戯者を勝者と認定するステップと、
を電子ゲーム機が備えるCPUに実行させるための電子ゲームプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【公開番号】特開2012−191961(P2012−191961A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2011−47182(P2011−47182)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【特許番号】特許第4886903号(P4886903)
【特許公報発行日】平成24年2月29日(2012.2.29)
【出願人】(505185008)
【Fターム(参考)】