説明

電子デバイスおよび表示装置の製造方法

【課題】可撓性基板上に形成された電子回路等の損傷を防止し、歩留まりを向上させることが可能な電子デバイスおよび表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】固定層12を介して積層された支持体11を有する基板13の表面に電子回路層14,表示層15,保護膜16および光学膜17をこの順に成膜する。基板13から支持体11を剥離して積層体1Aを形成したのち、電子回路層14等による段差部13Aが設けられた面と、吸着ステージ21とを段差吸収層22を介して固定する。吸着ステージ21に固定された基板13の裏面に支持基板31を張り合わせたのち、吸着ステージ21および段差吸収層22を取り外すことで表示装置1を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、可撓性基板を用いた電子デバイスおよびこれを備えた表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置、有機EL表示装置および電子泳動型表示装置等に代表される表示装置では、より薄型且つ軽量な表示装置が求められている。従来の表示装置を構成するデバイスでは、ガラス基板が多く用いられているが、ガラス基板は重く、また割れやすいため一定の厚みが要求され、薄型化および軽量化には限界があった。
【0003】
現在、プラスチック基板等の可撓性基板が薄型化および軽量化の限界を超える基板として注目されている。しかしながら、複数の異なる部材と積層された可撓性基板は、製造過程内の加熱工程において各層との間で熱収縮量の差が生じ、可撓性基板内に内部応力が生じる。この内部応力を持った可撓性基板を支持体から剥離すると、可撓性基板は内部応力から解放されると共に、顕著なカールが発生する。また、可撓性基板は支持体から引っ張って剥離することによっても塑性変形しカールを生じる。
【0004】
従来、デバイスを備え、搬送治具上に設けられた基板を搬送治具から剥離する方法として、例えば特許文献1に開示されている方法が用いられてきた。しかしながら、特許文献1の剥離方法では可撓性基板と支持体とを剥離した際に生じるカールについては何ら言及されておらず、支持体剥離後には可撓性基板に上述したようなカールが発生するため、この可撓性基板を後工程へ自動的には搬送することは不可能であった。
【0005】
これに対して、例えば特許文献2では、支持体剥離後の可撓性基板を吸着ステージに吸着させ、可撓性基板の裏面側に粘着剤付きのサポート基板を貼り付けて可撓性基板のカールを軽減させる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−86993号公報
【特許文献2】特開2009−21322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2に開示された方法では、可撓性基板の表面に設けられた表示体等の段差周辺部において可撓性基板が折れ曲がり、可撓性基板上の電子回路等が損傷する虞があった。
【0008】
本技術はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、可撓性基板上に形成された電子回路等の損傷を防止し、歩留まりを向上させることが可能な電子デバイスおよび表示装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本技術の電子デバイスの製造方法は、可撓性基板の一面に段差を有してデバイス用の機能層を形成する工程と、可撓性基板の一面を、段差吸収層を介して吸着ステージに固定する工程とを含むものである。
【0010】
本技術の表示装置の製造方法は、上記電子デバイスの製造方法による工程を含むものである。
【0011】
本技術の電子デバイスおよび表示装置の製造方法では、段差を有してデバイス用の機能層が形成された可撓性基板の一面を吸着ステージに固定する際に段差吸収層を介することにより、可撓性基板の一面に設けられた電子回路層による段差が段差吸収層に吸収され、吸着ステージに固定する際の可撓性基板の変形が低減される。
【発明の効果】
【0012】
本技術の電子デバイスおよび表示装置の製造方法によれば、段差を有してデバイス用の機能層が形成された可撓性基板の一面を吸着ステージに固定する際に段差吸収層を介するようにしたので、可撓性基板の一面に設けられたデバイス用の機能層による段差が段差吸収層に吸収される。これにより、吸着ステージに固定する際の可撓性基板の変形が低減され、可撓性基板の一面に設けられたデバイス用の機能層の損傷が防止される。即ち、歩留まりを向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本開示の一実施の形態に係る表示装置の製造工程を表す断面図である。
【図2】基板の剥離方法を説明するための模式図である。
【図3】図1に続く工程を表す断面図である。
【図4】段差吸収層に形成された貫通孔を表す断面図である。
【図5】支持基板の膜厚と基板のカール量との関係を表す特性図等である。
【図6】(A)は適用例1の裏側から見た外観を表す斜視図、(B)は表側から見た外観を表す斜視図である。
【図7】適用例2の外観を表す斜視図である。
【図8】(A)は適用例3の表側から見た外観を表す斜視図、(B)は裏側から見た外観を表す斜視図である。
【図9】適用例4の外観を表す斜視図である。
【図10】適用例5の外観を表す斜視図である。
【図11】(A)は適用例6の開いた状態の正面図、(B)はその側断面、(C)は閉じた状態の正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
段差吸収層を介して基板を吸着ステージに固定する表示装置の製造方法
2.適用例
【0015】
1.実施の形態
図1(A)は本開示の一実施の形態に係る表示装置1の製造工程の最初の工程の断面構成を表したものである。この工程では、剛性の支持体11に固定層12を間にして可撓性の基板13を固定する。
【0016】
支持体11は、可撓性を有する基板13を固定し、製造工程における運搬および後述する電子回路層14(図1(B))等の形成を容易にするものである。支持体11は、機械的強度および耐熱性に優れた材料からなり、具体的には石英ガラス,耐熱ガラス,金属またはセラミック等の融点が500℃以上の材料を用いることが好ましい。支持体11の厚みは、機械的強度や取り扱い性の点から0.4mm〜2mmであればよい。また、支持体11の線膨張係数は、基板13との関係から10ppm/K以下であることが好ましい。
【0017】
固定層12は、可撓性を有する基板13を支持体11に固定するものであり、下記に示す粘着剤等を支持体11と基板13との接触面に、スピンコート法,ダイコートまたはグラビア等の印刷法で塗布することにより形成する。固定層12の材料としては、汎用的な粘着剤および粘着テープを用いることができる。具体的には、例えばアクリル系接着剤(粘着剤),エポキシ系接着剤,シロキサン系接着剤,ウレタン系接着剤,シランカップリング剤,天然ゴム系接着剤または合成ゴム系接着剤等が挙げられる。また、粘着テープを用いる場合には、例えば支持体11に粘着テープを添付して固定層12を形成したのち、ラミネータで基板13を固定する。なお、固定層12は、電子回路層14等のデバイス形成時における加熱温度に対して十分な耐熱性が求められるため、デバイス形成時のピーク温度における熱重量減少が1%未満であることが好ましく、より好ましくは0.1%未満である。
【0018】
なお、支持体11は、基板13上に電子回路層14等を形成したのち、基板13から剥離する。このため固定層12は、例えば加熱や冷却などの熱的刺激、補助的剥離テープ等の物理的刺激、または電離放射線等の刺激により接着強度が低下するものが好ましい。このような刺激を加えることで支持体11と基板13とを分離することができれば、支持体11を破損させずに繰り返し用いることができる。
【0019】
基板13は、電子回路層14等を支持するものである。基板13の材料としては、支持体11との熱収縮差による基板反りを抑制するために、熱収縮率が0.1%以下であることが好ましい。また、支持体11との関係から線膨張係数を0〜15ppm/K程度とすることで、基板13の寸法変化と変形を抑制することができる。このような材料としては、具体的には、例えば厚み5〜200μmのポリエチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート,ポリエーテルスルホン,ポリエーテルイミド,ポリエーテルエーテルケトン,ポリフェニレンスルフィド,ポリスルホン,ポリアリレート,ポリイミド,ポリアミド,ポリカーボネート,セルローストリアセテート,ポリオレフィン,ポリスチレン,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリメチルメタクリレート,アラミド,ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン,エポキシ樹脂,フェノール樹脂,ユリア樹脂,メラミン樹脂,シリコン樹脂またはアクリル樹脂等のプラスチック材料が挙げられる。
【0020】
上記のように基板13を支持体11に固定したのち、120〜250℃,10〜60分にて加熱処理をする。この加熱処理により、基板13の熱収縮を強制的に誘発し、その後の工程における基板13の挙動が安定化する。また、固定層12を構成する粘着剤の粘着力も安定化する。
【0021】
上記加熱処理を行った後、図1(B)に示したように基板13上に電子回路層14,表示層15,保護膜16および光学膜17などのデバイス用の機能層をこの順に積層する。
【0022】
電子回路層14には、具体的には、例えばゲート電極,ゲート絶縁膜,チャネル層としての半導体層およびソース・ドレイン電極により構成された薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)等が設けられている。これらはCVD(Chemical Vapor Deposition;化学気相成長)法等による成膜およびエッチングの工程を経ることにより形成する。ここで、TFTは無機半導体層を用いた無機TFTあるいは有機半導体層を用いた有機TFTのどちらであってもよい。TFTは画素を選択するためのスイッチング素子としての機能を有する。なお、ここでは電子回路層14はTFTに限らず、その他の電子デバイス、例えば3D表示用光学デバイスやタッチパネル、モスアイやカラーフィルター等の光学機能層、あるいはMEMSデバイスを形成してもよい。
【0023】
表示層15は、例えば画素電極と共通電極との間に電気泳動層を有するものである。即ち、表示装置1は電気泳動現象を利用して画像(例えば文字情報等)を表示する電気泳動型ディスプレイ(いわゆる電子ペーパーディスプレイ)である。画素電極は電子回路層14に画素ごとに設けられ、共通電極は表示層15に含まれる透明基板(図示せず)の一面に亘り設けられている。
【0024】
保護膜16は、基板13と同様の材料を用いることができ、バリア層(図示せず)を含むものである。バリア層の材料としては、例えば酸化シリコン(SiO2),窒化シリコン(Si34),酸化アルミニウム(Al23),窒化アルミニウム(AlN)または酸化窒化アルミニウム(AlOx1-x(但し、X=0.01〜0.2))を挙げることができる。保護膜16は、電子回路層14や表示層15の保護および水分の浸入を防止するものである。
【0025】
光学膜17は、外光の表示面への映り込みを防止し、視認性を向上するためのものであり、具体的には反射防止機能あるいは防眩機能を有する。例えば光学膜17が反射防止機能を有する場合には、光学膜17は屈折率の異なる複数の薄膜の積層体であり、これらの薄膜の界面で発生する反射光の干渉を利用して反射光を減衰する。また、例えば光学膜17が防眩機能を有する場合には、光学膜17の表面には、塗料により凹凸面が形成されており、この凹凸面により外光を乱反射させる。なお、光学膜17に代えて、表面膜として、ハードコート等の表示面を物理的な刺激(外力)から保護する膜を形成してもよい。なお、この表示装置1では、光学膜17側に画像が表示される。
【0026】
上記のように支持体11上に表示装置1を形成したのちは、図1(C)に示したように支持体11の裏面に吸着ステージ18を接着し、支持体11を基板13から剥離する。これにより、表示装置1を構成する積層体1Aを支持体11から分離する。支持体11と基板13との分離方法は、例えば、図2(A)に示したように、剥離開始部にピッキングテープAを貼り付け、矢印方向への引くことにより剥離してもよい。また、図2(B)に示したように、剥離開始部にピッキングテープAを貼り、支持体11および基板13を固定するためにローラーで抑えながら剥離してもよい。なお、固定層12は支持体11に付着した状態でもよいが、必要に応じて除去してもよい。また、ここでは支持体11と基板13とを剥離する際に、支持体11の裏面に吸着ステージ18を貼り付けたが、必ずしも吸着ステージ18は設けなくてもかまわない。
【0027】
続いて、図3(A),(B)に示したように、本実施の形態では、電子回路層14等を備えた基板13と吸着ステージ21とを段差吸収層22を介して固定する。この際、基板13は、電子回路層14等を設けることによって形成された段差部13Aを有する面が段差吸収層22と接するように固定される。
【0028】
吸着ステージ21は、可撓性を有する基板13を固定し、製造工程における運搬等を容易にするものであり、吸着ステージの材料としては、例えばステンレス、アルミなどの金属を用いる事ができる。また、これらの金属には、アルミアルマイト加工などの表面処理を施してもよい。この吸着ステージ21には、後述する段差吸収層22に形成された貫通孔22A〜22Fを介して基板13を吸着するための吸引路が設けられている。
【0029】
本実施の形態における段差吸収層22は、吸着ステージ21に対向する面に電子回路層14が設けられ、段差13Aが形成された基板13と、吸着ステージ21とを固定する際に、表示層15等による段差を吸収するものである。これにより、段差部13Aによる基板13の折れ曲がり等の変形による電子回路層14や表示層15等の損傷が防止される。段差吸収層22の材料としては、ある程度の弾性を有する材料が用いられる。具体的には、例えば、PORON(商標),ASRS−40PA−1.0t(イノアックコーポレーション製)等の発砲形成されたウレタンまたはポリオレフィン,アクリル,スチレン,シリコン,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリエチレンテレフタレート,塩化ビニル,エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)あるいはニトリルゴム等の合成ゴム等を主成分とする発泡樹脂が挙げられる。段差吸収層22の膜厚X1は、基板13上に形成された段差部13Aの厚みX2よりも厚ければよく、例えば、段差部13Aの厚みX2が25〜150μmである場合には、段差吸収層22の膜厚X1は1mmとすることにより、基板13上の段差を十分に吸収し、基板13の裏面を平坦に保持することができる。なお、段差吸収層22の材質および膜厚を上記のようにすることにより、段差吸収層22を備えた吸着ステージを、基板13に設けられた段差部13Aの形状を問わず用いることができ、再利用することが可能となる。また、段差吸収層22は帯電防止処理がなされていることが好ましい。これにより、基板13と段差吸収層22との貼り合わせが容易になる。
【0030】
段差吸収層22には、厚み方向に貫通する貫通孔22A〜22Fを設けてもよい。貫通孔22A〜22Fを設けることにより、基板13を吸着ステージ21に確実に固定することが可能となる。この貫通孔22A〜22Fの数は適宜設ければよく、形状は特に問わない。例えば図4(A)に示したように、段差部13Aの外側に貫通孔22Aをそれぞれ1ヶ所ずつ設けてもよい。また、図4(B)に示したように、段差領域S1および段差領域S2を含む基板13との接触領域全面(S1およびS2)に貫通孔22Bを均等に設けてもよい。更に、図4(C)に示したように段差領域S1における貫通孔22Cの形成密度よりも非段差領域S2における貫通孔22Dの形成密度が高くなるように形成してもよい。更にまた、図4(D)に示したように基板13との接触領域S1,S2の外周部に、内側に設けた貫通孔22Eの径Y1よりも径Y2の大きな貫通孔22Fを設けてもよい。なお、貫通孔の構造は、単純である方が加工しやすく望ましい。しかしながら、基板13にカールがある場合には、特に基板13の外周部分の吸着性を向上させることで、基板13を吸着ステージ21に安定的に固定する事ができる。従って、基板13のカールの程度に応じ、貫通孔22A〜22Fの数、径、密度を最適化することが好ましい。
【0031】
次いで、基板13を吸着ステージ21に固定したのち、図3(C)に示したように、基板13の裏面に固定層32を介して支持基板31を貼りつける。
【0032】
支持基板31は、基板13を支持するものである。支持基板13の材料としては、基板13よりも膜厚の厚い、例えば厚み100〜125μmの基板13と同様の材料を用いることができる。また、金属基板を用いてもよい。
【0033】
固定層32は、基板13と支持基板31とを固定するものであり、固定層12と同様の材料を用いることができる。
【0034】
なお、ここでは示していないが、支持基板31の裏面にはゲル等により形成された衝撃吸収層を設けてもよい。
【0035】
上記のように基板13の裏面に支持基板31を形成したのちは、図3(D)に示したように吸着ステージ21の吸着を解除し、裏面に支持基板31を貼り合わせた基板13を取り出すことで表示装置1が完成する。
【0036】
図5(A)は可撓性基板のカールを模式的に表したものであり、図5(B)は可撓性基板のカール量の測定位置を表したものである。また、図5(C)は支持基板31の膜厚と可撓性基板のカール量との関係の一例を表したものである。なお、ここで測定した可撓性基板とは、基板13上に電子回路層14としてTFTを設け、表示層15として画素電極と共通電極との間に電気泳動層を設けたものである。基板13の裏面には支持基板31が貼り合わされている。
【0037】
図5(C)からわかるように、支持基板31を貼り合わせない場合には30〜80mmのカール量があるのに対して、支持基板31の厚みを増すことで、基板13のカール量を低減することができる。特に、100μmの厚みの支持基板31を貼り合わせることで、カール量をほぼ0にすることができる。なお、各位置におけるカール量は、固定ではなく、測定時の支持位置によって変化する。
【0038】
以上のように本実施の形態の表示装置1の製造方法では、電子回路層14や表示層15等を設けることによって形成された段差部13Aを有する基板13と吸着ステージ21とを固定する際に、段差吸収層22を介するようにした。これにより、基板13上に設けられた段差部13Aが段差吸収層22に吸収され、吸着ステージに固定する際の段差部13Aの端部における基板13や電子回路層14の折れ曲がり等の変形が低減される。このため、基板13に設けられた電子回路層14や表示層15の損傷が防止される。即ち、表示装置1の歩留まりを向上させることが可能となる。
【0039】
また、基板13を平坦に保持することが可能となるため、支持基板31を貼りつける際の基板13と支持基板との間への気泡の混入が低減される。これにより、後の工程でのフレキシブルプリント基板(FPC)等を貼り合わせる際の位置合わせが容易になる。更に、フレキシブルプリント基板を圧着する際に圧力を均一に加えることが可能となる。即ち、表示装置1の信頼性が向上する。
【0040】
上記表示装置1は、例えば次の適用例1〜6に示した電子機器に搭載することができる。
【0041】
(適用例1)
図6は、電子ブックの外観構成を表している。この電子ブックは、例えば、表示部110および非表示部120と、操作部130とを備えている。なお、操作部130は、(A)に示したように非表示部120(筐体)の前面に設けられていてもよいし、(B)に示したように上面に設けられていてもよい。なお、表示装置は、図6に示した電子ブックと同様の構成を有するPDAなどに搭載されてもよい。
【0042】
(適用例2)
図7は、テレビジョン装置の外観構成を表している。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル210およびフィルターガラス220を含む映像表示画面部200を備えている。
【0043】
(適用例3)
図8は、デジタルスチルカメラの外観構成を表しており、(A)および(B)は、それぞれ前面および後面を示している。このデジタルスチルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部310と、表示部320と、メニュースイッチ330と、シャッターボタン340とを備えている。
【0044】
(適用例4)
図9は、ノート型パーソナルコンピュータの外観構成を表している。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体410と、文字等の入力操作用のキーボード420と、画像を表示する表示部430とを備えている。
【0045】
(適用例5)
図10は、ビデオカメラの外観構成を表している。このビデオカメラは、例えば、本体部510と、その本体部510の前面に設けられた被写体撮影用のレンズ520と、撮影時のスタート/ストップスイッチ530と、表示部540とを備えている。
【0046】
(適用例6)
図11は、携帯電話機の外観構成を表している。(A)および(B)は、それぞれ携帯電話機を開いた状態の正面および側面を示している。(C)〜(G)は、それぞれ携帯電話機を閉じた状態の正面、左側面、右側面、上面および下面を示している。この携帯電話機は、例えば、上側筐体610と下側筐体620とが連結部(ヒンジ部)630により連結されたものであり、ディスプレイ640と、サブディスプレイ650と、ピクチャーライト660と、カメラ670とを備えている。
【0047】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本開示は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、表示層13として画素電極と共通電極との間に電気泳動層を有する電気泳動型ディスプレイを挙げて説明したが、液晶,有機EL(Electro-Luminescence)あるいは無機EL等により構成さ
れていてもよい。
【0048】
また、上記実施の形態において説明した各層の材料および厚み、または成膜方法および成膜条件等は限定されるものではなく、他の材料および厚みとしてもよく、または他の成膜方法および成膜条件としてもよい。
【0049】
更に、上記実施の形態では、表示装置1の構成を具体的に挙げて説明したが、全ての層を備える必要はなく、また、他の層を更に備えていてもよい。例えば、基板13と電子回路層14との間に、前述した保護膜16において説明したバリア層を設けてもよい。バリア層を設けることにより、水分や有機ガスによる電子回路層14および表示層15の劣化を防止することができる。更に、カラー表示を行うために、また、カラー表示を行うために、表示層15の上部にカラーフィルター層、あるいは、カラーフィルターを有する可塑性基板およびこの可塑性基板を表示体15に固定するための粘着剤を設けてもよい。なお、この粘着剤は固定層12と同様の材料を用いてもよい。
【0050】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)可撓性基板の一面に段差を有してデバイス用の機能層を形成する工程と、前記可撓性基板の一面を、段差吸収層を介して吸着ステージに固定する工程と、を含む電子デバイスの製造方法。
(2)前記可撓性基板の一面に前記段差吸収層を介して吸着ステージに固定したのち、前記可撓性基板の他の面に支持基板を貼り合わせる工程を含む、前記(1)に記載の電子デバイスの製造方法。
(3)前記段差吸収層は、厚み方向に貫通する1または2以上の貫通孔を有する、前記(1)または(2)に記載の電子デバイスの製造方法。
(4)前記貫通孔は、前記電子回路層の外側に設けられている、前記(1)乃至(3)のうちのいずれか1項に記載の電子デバイスの製造方法。
(5)前記貫通孔は、前記可撓性基板と接する領域の全面わたって等間隔に形成されている、前記(1)乃至(3)のうちのいずれか1項に記載の電子デバイスの製造方法。
(6)前記貫通孔は、前記電子回路層の内側よりも外側の形成密度が高い、前記(1)乃至(3)のうちのいずれか1項に記載の電子デバイスの製造方法。
(7)前記貫通孔は、前記電子回路層の内側よりも外側の貫通孔の径が大きい、前記(1)乃至(3)のうちのいずれか1項に記載の電子デバイスの製造方法。
(8)前記段差吸収層は帯電防止処理が施されている、前記(1)乃至(7)のうちのいずれか1項に記載の電子デバイスの製造方法。
(9)前記可撓性基板を支持体に固定する工程と、前記固定された可撓性基板の上面に電子回路層を設ける工程と、前記可撓性基板から前記支持体を剥離する工程とを含む、前記(1)乃至(8)のうちのいずれか1項に記載の電子デバイスの製造方法。
(10)前記可撓性基板および前記支持基板を固定層を介して貼り合わせる、前記(1)乃至(9)のうちのいずれか1項に記載の電子デバイスの製造方法。
(11)可撓性基板の一面に段差を有して表示層を形成する工程と、前記可撓性基板の一面を、段差吸収層を介して吸着ステージに固定する工程と、を含む表示装置の製造方法
【符号の説明】
【0051】
1…表示装置、10…積層体、11…支持体、12…固定層、13…基板、14…電子回路層、15…表示層、16…保護膜、17…光学膜、18,21…吸着ステージ、22…段差吸収層、31…支持基板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性基板の一面に段差を有してデバイス用の機能層を形成する工程と、
前記可撓性基板の一面を、段差吸収層を介して吸着ステージに固定する工程と
を含む電子デバイスの製造方法。
【請求項2】
前記可撓性基板の一面に前記段差吸収層を介して吸着ステージに固定したのち、前記可撓性基板の他の面に支持基板を貼り合わせる工程を含む、請求項1に記載の電子デバイスの製造方法。
【請求項3】
前記段差吸収層は、厚み方向に貫通する1または2以上の貫通孔を有する、請求項1に記載の電子デバイスの製造方法。
【請求項4】
前記貫通孔は、前記電子回路層の外側に設けられている、請求項3に記載の電子デバイスの製造方法。
【請求項5】
前記貫通孔は、前記可撓性基板と接する領域の全面わたって等間隔に形成されている、請求項3に記載の電子デバイスの製造方法。
【請求項6】
前記貫通孔は、前記電子回路層の内側よりも外側の形成密度が高い、請求項3に記載の電子デバイスの製造方法。
【請求項7】
前記貫通孔は、前記電子回路層の内側よりも外側の貫通孔の径が大きい、請求項3に記載の電子デバイスの製造方法。
【請求項8】
前記段差吸収層は帯電防止処理が施されている、請求項1に記載の電子デバイスの製造方法。
【請求項9】
前記可撓性基板を支持体に固定する工程と、
前記固定された可撓性基板の上面に電子回路層を設ける工程と、
前記可撓性基板から前記支持体を剥離する工程とを含む、請求項1に記載の電子デバイスの製造方法。
【請求項10】
前記可撓性基板および前記支持基板は固定層を介して貼り合わせる、請求項1に記載の電子デバイスの製造方法。
【請求項11】
可撓性基板の一面に段差を有して表示層を形成する工程と、
前記可撓性基板の一面を、段差吸収層を介して吸着ステージに固定する工程と
を含む表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−215737(P2012−215737A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81613(P2011−81613)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】