説明

電子データ公開システム

【課題】3D−CADモデル等のデータをインターネットで公開する際のセキュリティを向上させる。
【解決手段】3D−CADモデル等の電子データを閲覧者の要求操作に基づきデータサーバの画面に表示するモニター画面を撮像するカメラと閲覧者からの要求操作コマンドをインターネットを介して受信した受信サーバの画面に表示するモニター画面を撮像するカメラをそれぞれ設け、データサーバと閲覧者間のネットワーク接続を廃止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3D−CADモデル等のデータをインターネットで公開するシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、3D−CADモデル等のデータをインターネットなどのネットワークを介して閲覧者に閲覧可能にする、情報提供の利便性、簡便性に優れたシステムがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−296000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されるように、ユーザ名およびパスワードを使用して、データへのアクセスを制限し、インターネットなどを介する意図しないデータ漏洩を防止するためのセキュリティ対策が従来から成されている。
【0005】
しかしながら、ユーザ名およびパスワードによるセキュリティ対策のみでは、データサーバに対するネットワークを利用した不正アクセスやウィルス攻撃などに抗する対策としては不十分であった。
【0006】
従って、本発明はセキュリティ対策に優れた電子データ公開システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、3D−CADモデル等の電子データをインターネットを介して公開する電子データ公開システムであって、前記電子データを保持するデータサーバと、前記電子データを閲覧する閲覧者の要求操作に基づき、前記データサーバの前記電子データをその画面に表示する第1モニタと、この第1モニタの画面を撮像する第1カメラと、第1カメラに接続され、第1カメラの撮像画像をインターネットを介して前記閲覧者に公開する公開サーバと、前記閲覧者の前記要求操作をインターネットを介して受信する受信サーバと、前記要求操作をその画面に表示する第2モニタと、この第2モニタの画面を撮像する第2カメラと、第2カメラに接続され、第2カメラの撮像画像を画像処理して前記要求操作を判定する要求操作判定サーバと、を有することを特徴とする電子データ公開システムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、セキュリティ対策に優れた電子データ公開システムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施例における電子データ公開システムの概略図である。
【図2】本発明の一実施例におけるデータ閲覧用モニタの画面である。
【図3】本発明の一実施例における第1モニタの画面である。
【図4】本発明の一実施例における第2モニタの画面である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例を説明する。まず、図1により本発明の一実施例である電子データ公開システムの構成を説明する。
【0011】
図1において、閲覧者用コンピュータ3にはデータ閲覧用モニタ1および要求操作入力装置であるマウス2が接続されている。また、閲覧者用コンピュータ3は図示しないLANボードを介し、インターネット4にネットワーク接続されている。
【0012】
インターネット4には公開サーバ9および受信サーバ5がLANボード(図示せず)を介して、それぞれネットワーク接続され、公開サーバ9には第1カメラ10、受信サーバ5には第2モニタがそれぞれケーブルで接続されている。
【0013】
3D−モデル等の電子データを保持するデータサーバ12には第1モニタ11がケーブルで接続され、要求操作判定サーバ8には、第2カメラ7がケーブルで接続されている。そして、データサーバ12と要求操作判定サーバ8はイントラネットを介し、接続されている。また、要求操作判定サーバ8には、第2カメラ7の撮像画像の画像処理を行う画像処理ボード(図示せず)が内蔵されており、公開サーバ9には、第1カメラ10の撮像画像の伝送を行う画像処理ボード(図示せず)が内蔵されている。
【0014】
次に、本発明の動作フローを詳細に説明する。まず、データ閲覧者は要求操作入力装置であるマウス2を操作し、閲覧者用コンピュータ3からインターネット4を介して公開サーバ9と受信サーバ5へのアクセス権を得る。この場合のアクセス権の認証は、データ閲覧用モニタ1の画面上に表示されるキーボードから、ユーザ名、パスワードを入力して行う。受信サーバ5にはデータ閲覧者からの要求操作をグラフィカル(図式的)に第2モニタ6に表示可能なプログラムが保持されている。
【0015】
ここで、図2はデータ閲覧用モニタ1の表示画面の一例を示すものである。要求操作画面エリア23には4つの指示ボタン22が表示されていて、データ閲覧者がマウス2で指示ボタン22をクリックすると、図4に示すように第2モニタ6の画面に要求操作画面エリア23でクリックされた指示ボタン22と同一形状の指示ボタン22Aが1秒間表示される。なお、表示は要求操作画面エリア23で指示ボタン22をクリックするごとに、第2モニタに表示される指示ボタン22Aは、1秒間表示(図4)された後、非表示となる。
【0016】
第2モニタ6の画面は第2カメラ7で常時撮像されており、要求操作判定サーバ8に内蔵された画像処理ボードにより画像処理が行われる。前記の場合、要求判定サーバは閲覧者により右向き三角がクリックされたと判定する。なお、要求操作画面エリア23には、図2のように上向き三角、下向き三角、右向き三角、左向き三角が表示されているが、本実施例では、それぞれ、上階層フォルダに移動、下階層フォルダに移動、次のファイルに移動、前のファイルに移動の操作が割り当てられている。なお、要求操作画面23の下方に表示されるファイル名表示エリア21に表示されるABCはフォルダ名、Square Pyramid1はファイル名を表している。
【0017】
データサーバ12は要求判定サーバ8の判定に基づき、データサーバ12に保持された電子データを選択し、図3のように、該当する電子データを第1モニタ11の画面に表示する。
【0018】
第1モニタ11の画面は第1カメラ10で常時撮像されており、公開サーバ9に内蔵された画像処理ボードによりインターネット4を介して、閲覧者用コンピュータにデータが伝送される。なお、本実施例では、図2のようにデータ閲覧用モニタ1の画面上の電子データ表示画面11Aに第1モニタ11の画面に表示されたデータが表示される。
【0019】
以上のとおり、本発明においては閲覧者用コンピュータ1と電子データを保持するデータサーバ12がネットワーク接続されていないため、データサーバ12が悪意の閲覧者による不正アクセスやウィルスから保護され、セキュリティ対策に優れた電子データ公開システムを得ることができる。なお、本実施例においては、受信サーバ5と公開サーバ9を別サーバとしたが、両者の機能をひとつのサーバに集約しても良い。同様に、要求判定サーバ8とデータサーバ12の機能をひとつのサーバに集約しても良い。その他、キーボードを入力装置とするなど、本発明の要旨を逸脱しない範囲で本発明を実施することができる。
【符号の説明】
【0020】
1…データ閲覧用モニタ、2…マウス、3…閲覧者用コンピュータ、4…インターネット、5…受信サーバ、6…第2モニタ、7…第2カメラ、8…要求操作判定サーバ、9…公開サーバ、10…第1カメラ、11…第1モニタ、12…データサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3D−CADモデル等の電子データをインターネットを介して公開する電子データ公開システムであって、
前記電子データを保持するデータサーバと、
前記電子データを閲覧する閲覧者の要求操作に基づき、前記データサーバの前記電子データをその画面に表示する第1モニタと、
該第1モニタの画面を撮像する第1カメラと、
該第1カメラに接続され、該第1カメラの撮像画像をインターネットを介して前記閲覧者に公開する公開サーバと、
前記閲覧者の前記要求操作をインターネットを介して受信する受信サーバと、
前記要求操作をその画面に表示する第2モニタと、
該第2モニタの画面を撮像する第2カメラと、
該第2カメラに接続され、該第2カメラの撮像画像を画像処理して前記要求操作を判定する要求操作判定サーバと、
を有することを特徴とする電子データ公開システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−226721(P2012−226721A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−108774(P2011−108774)
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】