説明

電子ペーパー表示装置及びその製造方法

【課題】本発明は電子ペーパー表示装置及びその製造方法に関する。
【解決手段】本発明の一実施例による電子ペーパー表示装置は、所定の間隔を置いて互いに対向配置される第1及び第2基板と、前記第1及び第2基板の間に形成され、複数のセル空間を提供する隔壁と、前記セル空間に配置される第1ディスプレイユニットと、前記第1基板、前記第2基板及び前記隔壁の少なくとも一方の領域に挿入される第2ディスプレイユニットと、を含む。本発明による電子ペーパー表示装置は画像精度が高く、優れた対照比及び明るさが得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペーパー表示装置及びその製造方法に関し、より詳しくは、画像精度に優れ、優れた対照比及び明るさを有する電子ペーパー表示装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、新しいパラダイムが求められる情報社会に相応し、情報の伝達及び共有方式における大変換が求められている。これに応えるために、柔軟なディスプレイとして、曲げることができるという長所を有する電子ペーパーの技術開発が加速化されており、電子ペーパーの技術開発は商業的な開発段階に入っている。
【0003】
電子ペーパーは既存の平面ディスプレイパネルに比べて生産コストが安く、静止画面のように背景照明や持続的な再充電を必要としないため、非常に少ないエネルギーで駆動することができ、エネルギー効率も極めて高い。また、電子ペーパーは非常に鮮明であり、視野角が広く、電源がなくても文字が完全に消えないメモリーの機能も有する。このような長所により、電子ペーパーは、紙のような面と動くイラストレーションを有する電子書籍、自ら更新する新聞、移動電話向けの再使用可能なペーパーディスプレイ、廃棄可能なTVスクリーン、及び電子壁紙など、実に幅広い分野に応用できるなど、巨大な潜在市場を有している。
【0004】
電子ペーパーを具現するための技術的な接近方式は、大別して4つに分けられるが、互いに反対の電荷と異なる色相を有する上下半球で構成された球状の粒子を電界を利用して回転させるツイストボール方式、オイルに混合された有色帯電粒子をマイクロカプセルまたはマイクロカップ内に閉じ込めるか、帯電粒子そのものを電場の印加に応答させる電気泳動方式、帯電された粉流体を利用するQR−LPD(Quick Response−Liquid Power Display)方式、コレステリック液晶分子の選択的反射特性を利用するコレステリック液晶ディスプレイ方式などがある。
【0005】
その中でも、ツイストボールを用いる方式は、セル内部が透明媒質で満たされており、透明媒質内に互いに反対の電荷と異なる色相、例えば、黒色と白色に着色されたツイストボール(または回転体)が配置される。上記ツイストボールに電圧が印加されると、印加された電圧方向によってツイストボールに印加された荷電符号の極性が作用し互いに反対の極性が前面に向かうように回転し、白黒が表示される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、画像精度に優れ、優れた対照比及び明るさを有する電子ペーパー表示装置及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態は、所定の間隔を置いて互いに対向配置される第1及び第2基板と、上記第1及び第2基板の間に形成され、複数のセル空間を提供する隔壁と、上記セル空間に配置される第1ディスプレイユニットと、上記第1基板、上記第2基板及び上記隔壁の少なくとも一方の領域に挿入される第2ディスプレイユニットと、を含む電子ペーパー表示装置を提供する。
【0008】
上記第1ディスプレイユニットは、メイン画像を表示し、上記第2ディスプレイユニットは補助画像を表示するものであって、上記第2ディスプレイユニットは上記第1ディスプレイユニットと同一の色相を表示することができる。
【0009】
上記第1ディスプレイユニットは、互いに異なる色に着色され、互いに異なる帯電特性を有する2つの表示領域を有する回転体であることができる。
【0010】
または、上記第1ディスプレイユニットは、互いに異なる帯電特性を有する第1及び第2表示領域を有し、上記第1表示領域は赤色、緑色及び青色のいずれかに着色され、上記第2表示領域は黒色または白色に着色された回転体であることができる。
【0011】
または、上記第1ディスプレイユニットは、互いに異なる帯電特性を有する2種類の帯電粒子が分散された透明流体が封入されたマイクロカプセルであることができる。
【0012】
または、上記第1ディスプレイユニットは、透明流体及び上記透明流体に分散された互いに異なる帯電特性を有する2種類の帯電粒子であることができる。
【0013】
上記第2ディスプレイユニットは、互いに異なる色に着色され、互いに異なる帯電特性を有する2つの表示領域を有する回転体であることができる。
【0014】
または、上記第2ディスプレイユニットは、互いに異なる帯電特性を有する2種類の帯電粒子が分散された透明流体が封入されたマイクロカプセルであることができる。
【0015】
上記第2ディスプレイユニットは、透明流体及び上記透明流体に分散された互いに異なる帯電特性を有する2種類の帯電粒子であることができる。
【0016】
上記第1基板、上記第2基板及び上記隔壁の少なくとも一方の領域には、上記第2ディスプレイユニットを収容するための溝が形成されることができる。
【0017】
上記第2ディスプレイユニットは、上記第1基板または上記第2基板のうち上記隔壁に対応する位置に挿入されることができる。
【0018】
上記第1ディスプレイユニットは、互いに異なる色に着色され、互いに異なる帯電特性を有する2つの表示領域を有する回転体であり、上記第2ディスプレイユニットは、上記第1基板に挿入され、互いに異なる帯電特性を有する2種類の帯電粒子が分散された透明流体が封入されたマイクロカプセルであることができる。
【0019】
上記第1ディスプレイユニットは、互いに異なる色に着色され、互いに異なる帯電特性を有する2つの表示領域を有する回転体であり、上記第2ディスプレイユニットは上記隔壁に挿入され、互いに異なる帯電特性を有する2種類の帯電粒子が分散された透明流体が封入されたマイクロカプセルであることができる。
【0020】
上記第1ディスプレイユニットは、互いに異なる色に着色され、互いに異なる帯電特性を有する2つの表示領域を有する回転体であり、上記第2ディスプレイユニットは上記第2基板に挿入され、互いに異なる帯電特性を有する2種類の帯電粒子が分散された透明流体が封入されたマイクロカプセルであることができる。
【0021】
本発明の他の実施形態は、第2ディスプレイユニットが挿入された第1基板を設ける段階と、上記第1基板上の空間を分けて複数のセル空間を形成するように隔壁を形成する段階と、上記各セル空間に第1ディスプレイユニットを配置する段階と、上記第1基板に対向配置され、上記セル空間を覆うように第2基板を接着する段階と、を含む電子ペーパー表示装置の製造方法を提供する。
【0022】
上記第1基板は、上記第2ディスプレイユニットが挿入される溝が形成されることができる。
【0023】
上記隔壁は、上記第2ディスプレイユニットが挿入された位置に形成されることができる。
【0024】
本発明のさらに他の実施形態は、第1基板を設ける段階と、上記第1基板上の空間を分けて複数のセル空間を形成し、第2ディスプレイユニットが挿入された隔壁を形成する段階と、上記各セル空間に第1ディスプレイユニットを配置する段階と、上記第1基板に対向配置され、上記セル空間を覆うように第2基板を接着する段階と、を含む電子ペーパー表示装置の製造方法を提供する。
【0025】
本発明のさらに他の実施形態は、第1基板を設ける段階と、上記第1基板上の空間を分けて複数のセル空間を形成するように隔壁を形成する段階と、上記各セル空間に第1ディスプレイユニットを配置する段階と、第2ディスプレイユニットが挿入された第2基板を上記第1基板に対向配置し、上記セル空間を覆うように接着する段階と、を含む電子ペーパー表示装置の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0026】
本発明による電子ペーパー表示装置は第1ディスプレイユニット及び第2ディスプレイユニットを含む。
【0027】
上記第1ディスプレイユニットはメイン画像を表示し、第2ディスプレイユニットはメイン画像が表示されない周辺領域に配置されることができる。
【0028】
これにより、メイン画像が表示されない隔壁、及び回転体間の空間にも画像が表示され、画像精度が高く、優れた対照比及び明るさが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態による電子ペーパー表示装置を概略的に示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態による回転体を拡大して示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態によるマイクロカプセルを拡大して示す断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態による電子ペーパー表示装置を概略的に示す断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態による電子ペーパー表示装置を概略的に示す断面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態による電子ペーパー表示装置を概略的に示す断面図である。
【図7a】本発明の一実施形態による電子ペーパー表示装置の製造方法について説明するための工程別断面図である。
【図7b】本発明の一実施形態による電子ペーパー表示装置の製造方法について説明するための工程別断面図である。
【図7c】本発明の一実施形態による電子ペーパー表示装置の製造方法について説明するための工程別断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。但し、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は当業界で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。従って、図面における要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のために誇張されることがあり、図面上に同じ符号で示される要素は同じ要素である。
【0031】
図1は、本発明の一実施例による電子ペーパー表示装置を概略的に示す断面図である。図1を参照すると、本実施形態による電子ペーパー表示装置100は所定の間隔を置いて互いに対向配置される第1基板110及び第2基板120を含む。
【0032】
上記第1及び第2基板110、120の間には複数の隔壁130が形成されており、上記隔壁130は第1及び第2基板110、120の間の空間を分けて複数のセル空間hを形成する。上記セル空間hには、第1ディスプレイユニットとして、電気的及び光学的異方性を有する回転体140が配置されている。
【0033】
上記第1基板110及び第2基板120は柔軟なプラスチックからなることができる。上記プラスチックは、これに制限されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、環型オレフィン高分子(COC)、ポリジメチルシロキサン(PDMS,polydimethylsiloxane)またはポリウレタンアクリレート(PUA,poly urethane acrylate)などを用いることができる。
【0034】
上記第1基板110及び第2基板120には、上記回転体140に電圧を印加するための第1電極(図示せず)及び第2電極(図示せず)が形成されることができる。
【0035】
第1電極及び第2電極は導電性材料からなり、本発明の技術分野で通常に使用される電極材料、例えば、ポリチオフェンまたはポリアニリンのような導電性ポリマー、銀またはニッケルのような金属粒子、上記金属粒子を含むポリマーフィルム、インジウムティンオキサイド(ITO:Indium−Tin−Oxide)などを用いることができる。
【0036】
また、第1及び第2基板110、120には、回転体に印加される電圧の大きさ及び方向を調節するための調節手段が備えられることができる。
【0037】
上記第2基板120及び第2電極は表示面として提供されることができ、このために上記第2基板120及び第2電極は光透過性物質からなることができる。
【0038】
上記第1及び第2基板110、120の間の空間には複数の隔壁130が形成される。上記隔壁130は上記第1及び第2基板110、120の間の空間を分けて複数のセル空間hを形成する。本発明では隔壁の間の空間をセル空間と定義する。
【0039】
上記隔壁130は柔軟な材料からなり、特に制限されないが、熱硬化性樹脂またはUV硬化性樹脂を用いることができる。
【0040】
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、環型オレフィン高分子(COC)、ポリジメチルシロキサン(PDMS,polydimethylsiloxane)またはポリウレタンアクリレート(PUA,poly urethane acrylate)などを用いることができる。
【0041】
上記隔壁130は、必要に応じて透明な物質からなることができる。
【0042】
上記各セル空間hには、第1ディスプレイユニットとして電気的及び光学的異方性を有する回転体140がそれぞれ配置される。また、上記セル空間hには上記回転体が容易に回転できるように、誘電液(dielectric liquid)が充填されることができる。
【0043】
図2は、上記回転体140を拡大して概略的に示した斜視図である。図2を参照すると、回転体140は互いに異なる色に着色され、互いに異なる帯電特性を有する2つの表示領域140a、140bを有する。上記2つの表示領域は互いに異なる色に着色されることができ、第1表示領域140aは白色に着色され、第2表示領域140bは黒色に着色されることができる。第1表示領域140aが正電荷に帯電される場合、第2表示領域140bは負電荷に帯電される。上記回転体140に電圧が印加されると、電圧の大きさ及び方向に応じて回転し、2つの表示領域に着色された色相によって黒色または白色を表示するようになる。
【0044】
上記回転体140を電気的及び光学的に処理して第1及び第2表示領域140a、140bを形成する方法には当業界における公知の方法を用いることができる。例えば、2つの着色液を備える回転ディスクに回転体を投入した後、上記回転体に遠心力を作用させる方法などを用いることができる。
【0045】
回転体140の形態は特に制限されないが、例えば、球状、楕円状またはシリンダー状であることができる。
【0046】
また、黒色や白色ではない多様な色に第1及び第2表示領域を着色させることができる。
【0047】
例えば、第1表示領域は赤色、緑色及び青色のいずれかに着色され、第2表示領域は黒色または白色に着色されることができる。
【0048】
本実施形態において、上記第1基板110には、第2ディスプレイユニットとして、互いに異なる帯電特性を有する2種類の粒子が分散された透明流体が封入されたマイクロカプセル150が挿入されている。
【0049】
図3は、マイクロカプセル150を拡大して示した断面図である。図3を参照すると、マイクロカプセル150は電気泳動現象により移動する異なる帯電特性を有する2種類の粒子150a、150bが分散された透明流体(transparent fluid)がカプセルの外壁150cにより封入される。上記透明流体内に分散された帯電粒子は正電荷を帯びた白色粒子150aと負電荷を帯びた黒色粒子150bであることができる。
【0050】
上記マイクロカプセル150に電圧が印加されると、帯電された粒子150a、150bが飛翔または下降し、黒色または白色が表現される。
【0051】
上記第1及び第2基板110、120に形成された第1及び第2電極によって回転体140に電圧が印加される。印加された電圧の方向に応じて回転体140に形成された荷電状態が平衡になるように回転し、2つの表示領域に着色された色相によって黒色または白色を表示するようになる。即ち、セル空間に配置された回転体によってメイン画像が表現される。
【0052】
ディスプレイユニットが隔壁などにより区画されて配置された場合、隔壁及びディスプレイユニット間の空間のようにメイン画像が表現されない領域が存在するようになり、よって、画像精度が低下することがある。
【0053】
また、隔壁及びディスプレイユニット間の空間が黒色または白色などの固定された色を表す場合、電子ペーパー表示装置の対照比(Contrast)または明るさ(Brightness)が低下することがある。
【0054】
より具体的には、隔壁及びディスプレイユニット間の空間が黒色を表す場合、メイン画像の対照比には優れるが、明るさが低下する恐れがある。これに対し、隔壁及びディスプレイユニット間の空間が白色を表す場合には、メイン画像の明るさには優れるが、対照比が低下することがある。
【0055】
本実施形態によると、第1基板110には、第2ディスプレイユニットとしてマイクロカプセル150が挿入されている。本実施形態において、第2ディスプレイユニットとは、第1ディスプレイユニットによってメイン画像が表現されない領域に挿入されて補助画像を表示するディスプレイユニットのことを意味する。
【0056】
第1ディスプレイユニットは、第2ディスプレイユニットより大きいサイズを有することができ、本実施形態において、上記回転体の粒径は40μm〜80μm、上記マイクロカプセルの粒径は20μm〜50μmであることができる。
【0057】
回転体140の白色を表す表示領域が正電荷に帯電され、黒色を表す表示領域が負電荷に帯電される場合、マイクロカプセルの白色粒子は正電荷を帯び、黒色粒子は負電荷を帯びることができる。
【0058】
これによって、第1基板に挿入されたマイクロカプセル150のうち黒色を表す回転体140の周辺領域にあるマイクロカプセル150も黒色を表し、白色を表す回転体140の周辺領域にあるマイクロカプセル150も白色を表すようになる。即ち、メイン画像が表示されない周辺領域が電圧の印加により黒色または白色に切り替えられる。
【0059】
本実施形態によると、隔壁及び回転体間の空間にも画像が表示されて画像精度が高く、優れた対照比及び明るさが得られる。
【0060】
また、回転体の第1表示領域が赤色(Red)、緑色(Green)または青色(Blue)に着色され、正電荷に帯電され、第2表示領域が黒色または白色に着色され、負電荷に帯電された場合、マイクロカプセルの正電荷を帯びた帯電粒子は赤色(Red)、緑色(Green)または青色(Blue)に着色され、負電荷を帯びた帯電粒子は黒色または白色に着色されることができる。
【0061】
これにより、色を表示する電子ペーパー表示装置の画像精度が高く、優れた対照比及び明るさの表現が可能となる。
【0062】
また、色を表示するための回転体及びマイクロカプセルの色の組み合わせはシアン(Cyan)、マゼンタ(Magenta)及び黄色(Yellow)であることができる。
【0063】
また、図示されてはいないが、本発明の一実施形態によると、第1ディスプレイユニットは、互いに異なる帯電特性を有する2種類の粒子が分散された透明流体が封入されたマイクロカプセルであることができる。上述したように、マイクロカプセルに電圧が印加されると、帯電された粒子が飛翔または下降し、黒色または白色が表現されてメイン画像を表示する。
【0064】
また、本発明の一実施形態によると、第1ディスプレイユニットとして、セル空間に透明流体及び、上記透明流体に分散された互いに異なる帯電特性を有する2種類の帯電粒子が配置されることができる。
【0065】
また、第1基板には、第2ディスプレイユニットとして、マイクロカプセル、回転体または互いに異なる帯電特性を有し、互いに異なる色に着色された2種類の帯電粒子が配置されることができる。第1基板に配置された第2ディスプレイユニットは第1ディスプレイユニットにより表示されるメイン画像と同様に白色または黒色を表示することができる。
【0066】
本発明において第2ディスプレイユニットは、隔壁、回転体間の領域などのメイン画像が表示されない領域に補助画像を具現できるものであれば特に制限されないが、例えば、エレクトロウェッティング(electrowetting)によって具現できる。
【0067】
図4は、本発明の他の実施形態による電子ペーパー表示装置を示す概略的な断面図である。上述した実施例と異なる構成要素を中心に説明し、同じ構成要素についての詳しい説明は省略する。
【0068】
図4を参照すると、本実施形態による電子ペーパー表示装置400は、所定の間隔を置いて互いに対向配置される第1基板410及び第2基板420を含む。
【0069】
上記第1及び第2基板410、420の間には複数の隔壁430が形成されており、上記隔壁430は第1及び第2基板410、420の間の空間を分けて複数のセル空間を形成する。上記セル空間には、第1ディスプレイユニットとして、電気的及び光学的異方性を有する回転体440が配置されている。
【0070】
上記第1基板410には、第2ディスプレイユニットとして、透明流体及び上記透明流体に分散された互いに異なる帯電特性を有する2種類の帯電粒子450が挿入されている。
【0071】
上記第1基板410には透明流体及び帯電粒子を収容するための溝460が形成されることができる。上記溝に挿入される2種類の帯電粒子は上記回転体440の帯電特性と同様に白色粒子は正電荷に荷電され、黒色粒子は負電荷に荷電されることができる。これによって、第1基板に配置された第2ディスプレイユニットは、第1ディスプレイユニットにより表示されるメイン画像と同様に白色または黒色を表示することができる。
【0072】
図示したように、上記溝460は、区画される複数の溝で構成されてもよい。また、図示されてはいないが、溝は第1基板の全域に亘って1つの溝で形成されることができる。
【0073】
上記溝460は、第1基板410のうち隔壁430が形成される位置に形成されることができる。また、1つの溝460は1つの隔壁に対応し、2つのセル空間に亘って形成されることができる。即ち、1つのセル空間には2つの溝460とマッチングされていることができる。1つの溝460に配置される2種類の帯電粒子はセル空間に配置された回転体と同様に、一部は白色粒子が上昇し、一部は黒色粒子が上昇することができる。
【0074】
上記隔壁410と回転体間の空間は第2ディスプレイユニット450によって補助画像を表示する。これにより、電子ペーパー表示装置の画像精度が高く、優れた対照比及び明るさの表現が可能となる。
【0075】
図5は本発明の他の実施形態による電子ペーパー表示装置を示す概略的な断面図である。上述した実施例と異なる構成要素を中心に説明し、同じ構成要素についての詳しい説明は省略する。
【0076】
図5を参照すると、本実施形態による電子ペーパー表示装置200は所定の間隔を置いて互いに対向配置される第1基板210及び第2基板220を含む。
【0077】
上記第1及び第2基板210、220の間には複数の隔壁230が形成されており、上記隔壁230は第1及び第2基板210、220の間の空間を分けて複数のセル空間hを形成する。上記セル空間hには、第1ディスプレイユニットとして、電気的及び光学的異方性を有する回転体240が配置されている。
【0078】
本実施形態において、上記隔壁230には、第2ディスプレイユニットとして、互いに異なる帯電特性を有する2種類の粒子が分散された透明流体が封入されたマイクロカプセル250が挿入されている。
【0079】
回転体240の白色を表す表示領域が正電荷に帯電され、黒色を表す表示領域が負電荷に帯電される場合、マイクロカプセルの白色粒子は正電荷を帯び、黒色粒子は負電荷を帯びることができる。
【0080】
これにより、隔壁に挿入されたマイクロカプセル250のうち黒色を表す回転体240に隣接するマイクロカプセル250も黒色を表し、白色を表す回転体240に隣接するマイクロカプセル250も白色を表すようになる。
【0081】
本実施形態によると、隔壁にディスプレイユニットが配置され、これによって画像が表示されて画像精度が高くなる。また、電子ペーパー表示装置の対照比及び明るさが向上することができる。
【0082】
また、図示されてはいないが、上述したように、第1ディスプレイユニットとして、互いに異なる帯電特性を有する2種類の粒子が分散された透明流体が封入されたマイクロカプセルが配置されたり、セル空間に透明流体及び上記透明流体に分散され、互いに異なる色に着色され、互いに異なる帯電特性を有する2種類の帯電粒子が配置されることができる。
【0083】
また、隔壁には、第2ディスプレイユニットとして、マイクロカプセル、回転体または透明流体及び上記透明流体に分散された互いに異なる帯電特性を有する2種類の帯電粒子が配置されることができる。上記隔壁には第2ディスプレイユニットを収容するための溝が形成されることができる。
【0084】
図6は本発明の他の実施形態による電子ペーパー表示装置を示す概略的な断面図である。上述した実施例と異なる構成要素を中心に説明し、同じ構成要素についての詳しい説明は省略する。
【0085】
図6を参照すると、本実施形態による電子ペーパー表示装置300は所定の間隔を置いて互いに対向配置される第1基板310及び第2基板320を含む。
【0086】
上記第1及び第2基板310、320の間には複数の隔壁330が形成されており、上記隔壁330は第1及び第2基板310、320の間の空間を分けて複数のセル空間hを形成する。上記セル空間hには、第1ディスプレイユニットとして、電気的及び光学的異方性を有する回転体340が配置されている。
【0087】
本実施形態において、上記第2基板320には、第2ディスプレイユニットとして、互いに異なる帯電特性を有する2種類の粒子が分散された透明流体が封入されたマイクロカプセル350が挿入されている。上記マイクロカプセル350は回転体間の空間を埋めるよう第2基板320の特定位置に挿入されることができる。上記マイクロカプセル350は、第2基板において隔壁350と対応する位置に挿入されることができる。
【0088】
上記回転体340の白色を表す表示領域が正電荷に帯電され、黒色を表す表示領域が負電荷に帯電される場合、マイクロカプセル350の白色粒子は正電荷を帯び、黒色粒子は負電荷を帯びることができる。
【0089】
これによって、第2基板に挿入されたマイクロカプセル350のうち黒色を表す回転体340に隣接するマイクロカプセル350も黒色を表し、白色を表す回転体340に隣接するマイクロカプセル350も白色を表すことができる。
【0090】
本実施形態によると、回転体間の空間を埋めるよう第2基板にディスプレイユニットが配置され、これによって画像が表示されて画像精度が高くなる。また、電子ペーパー表示装置の対照比及び明るさが向上することができる。
【0091】
また、図示されてはいないが、上述したように、第1ディスプレイユニットとして、互いに異なる帯電特性を有する2種類の粒子が分散された透明流体が封入されたマイクロカプセルが配置されたり、セル空間に透明流体及び上記透明流体に分散され、互いに異なる色に着色され、互いに異なる帯電特性を有する2種類の帯電粒子が配置されることができる。
【0092】
また、第2基板には、第2ディスプレイユニットとして、マイクロカプセル、回転体または透明流体及び上記透明流体に分散された互いに異なる帯電特性を有する2種類の帯電粒子が配置されることができる。上記第2基板には第2ディスプレイユニットを収容するための溝が形成されることができる。
【0093】
以下、本発明の一実施例による電子ペーパー表示装置の製造方法について説明する。
【0094】
図7aから図7cは、本発明の一実施例による電子ペーパー表示装置の製造工程を説明するための工程別断面図である。
【0095】
まず、図7aに示すように第1基板を設ける。第1基板は柔軟なプラスチックで形成されることができ、第1基板の形成時、第2ディスプレイユニットとして使用されるマイクロカプセル150を挿入して形成することができる。
【0096】
図示されてはいないが、マイクロカプセル以外にも回転体を挿入したり、第1基板の内部に溝を設けて透明流体及び上記透明流体に分散された互いに異なる帯電特性を有する2種類の帯電粒子を挿入してもよい。このとき、上記溝は第1基板の全域に亘って1つの溝で形成されることができる。または、区画される複数の溝で形成されることができる。このとき、上記区画される溝の位置は、この後に形成される隔壁の位置に対応するように形成される。
【0097】
次に、図7bに示すように、上記第1基板110上の空間を分けて複数のセル空間hを形成する隔壁130を形成する。上記隔壁130は熱硬化性樹脂またはUV硬化性樹脂からなり、一定厚さの樹脂層を形成した後、パターニング工程により隔壁を形成することができる。
【0098】
例えば、インプリント工程を利用することができる。まず、一定厚さの樹脂層を形成した後、陽刻及び陰刻パターンを有するスタンプで上記樹脂層を圧着することにより複数の隔壁を形成することができる。スタンプの陽刻及び陰刻パターンに応じて、隔壁及び隔壁により区画されるセル空間が形成される。このとき、スタンプの陽刻及び陰刻パターンを調節することで、隔壁の間隔及びセルの形態及びサイズを調節できる。
【0099】
次に、図7cに示すように、上記複数のセル空間hに第1ディスプレイユニットとして用いられる回転体140を配置する。上記回転体140は、マスク及びスキージなどを用いてセル空間に注入されることができる。
【0100】
そして、上記第1基板110に対向配置され、上記セル空間hを覆うように第2基板120を接着する。これによって、図1に示すような電子ペーパー表示装置を製造することができる。
【0101】
また、図示されてはいないが、柔軟なプラスチックで第1基板を形成し、上記第1基板上の空間を空間を分けて複数のセル空間を形成するように隔壁を形成することができる。このとき、上記隔壁には第2ディスプレイユニットを挿入することができる。
【0102】
その後、上記セル空間に第1ディスプレイユニットを配置し、上記第1基板に対向配置され、上記セル空間を覆うように第2基板を接着する。これによって、図4に示すような電子ペーパー表示装置を製造することができる。
【0103】
また、図示されてはいないが、柔軟なプラスチックで第1基板を形成し、上記第1基板上の空間を空間を分けて複数のセル空間を形成するように隔壁を形成することができる。
【0104】
その後、上記セル空間に第1ディスプレイユニットを配置する。次いで、第2ディスプレイユニットが挿入された第2基板を設け、上記セル空間を覆い、上記第1基板に対向配置されるように上記第2基板を接着する。これによって、図5に示すような電子ペーパー表示装置を製造することができる。
【0105】
本発明は上述した実施形態及び添付された図面により限定されるものではなく、添付された請求範囲により限定される。従って、請求範囲に記載された本発明の技術的思想を外れない範囲内において多様な形態の置換、変形及び変更が可能であることは当技術分野の通常の知識を有する者には自明であり、これも添付された請求範囲に記載された技術的思想に属する。
【符号の説明】
【0106】
110、210、310、410:第1基板
120、220、320、420:第2基板
130、230、330、430:隔壁
140、240、340、440:回転体
150、250、350:マイクロカプセル
450:透明流体及び帯電粒子
460:溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の間隔を置いて互いに対向配置される第1及び第2基板と、
前記第1及び第2基板の間に形成され、複数のセル空間を提供する隔壁と、
前記セル空間に配置される第1ディスプレイユニットと、
前記第1基板、前記第2基板及び前記隔壁の少なくとも一方の領域に挿入される第2ディスプレイユニットと、
を含む電子ペーパー表示装置。
【請求項2】
前記第1ディスプレイユニットは、メイン画像を表示し、前記第2ディスプレイユニットは補助画像を表示するものであって、前記第2ディスプレイユニットは前記第1ディスプレイユニットと同一の色相を表示する、請求項1に記載の電子ペーパー表示装置。
【請求項3】
前記第1ディスプレイユニットは、互いに異なる色に着色され、互いに異なる帯電特性を有する2つの表示領域を有する回転体である、請求項1に記載の電子ペーパー表示装置。
【請求項4】
前記第1ディスプレイユニットは、互いに異なる帯電特性を有する第1及び第2表示領域を有し、前記第1表示領域は赤色、緑色及び青色のいずれかに着色され、前記第2表示領域は黒色または白色に着色された回転体である、請求項1に記載の電子ペーパー表示装置。
【請求項5】
前記第1ディスプレイユニットは、互いに異なる帯電特性を有する2種類の帯電粒子が分散された透明流体が封入されたマイクロカプセルである、請求項1に記載の電子ペーパー表示装置。
【請求項6】
前記第1ディスプレイユニットは、透明流体及び前記透明流体に分散された互いに異なる帯電特性を有する2種類の帯電粒子である、請求項1に記載の電子ペーパー表示装置。
【請求項7】
前記第2ディスプレイユニットは、互いに異なる色に着色され、互いに異なる帯電特性を有する2つの表示領域を有する回転体である、請求項1に記載の電子ペーパー表示装置。
【請求項8】
前記第2ディスプレイユニットは、互いに異なる帯電特性を有する2種類の帯電粒子が分散された透明流体が封入されたマイクロカプセルである、請求項1に記載の電子ペーパー表示装置。
【請求項9】
前記第2ディスプレイユニットは、透明流体及び前記透明流体に分散された互いに異なる帯電特性を有する2種類の帯電粒子である、請求項1に記載の電子ペーパー表示装置。
【請求項10】
前記第1基板、前記第2基板及び前記隔壁の少なくとも一方の領域には、前記第2ディスプレイユニットを収容するための溝が形成された、請求項1に記載の電子ペーパー表示装置。
【請求項11】
前記第2ディスプレイユニットは、前記第1基板または前記第2基板のうち前記隔壁に対応する位置に挿入される、請求項1に記載の電子ペーパー表示装置。
【請求項12】
前記第1ディスプレイユニットは、互いに異なる色に着色され、互いに異なる帯電特性を有する2つの表示領域を有する回転体であり、前記第2ディスプレイユニットは、前記第1基板に挿入され、互いに異なる帯電特性を有する2種類の帯電粒子が分散された透明流体が封入されたマイクロカプセルである、請求項1に記載の電子ペーパー表示装置。
【請求項13】
前記第1ディスプレイユニットは、互いに異なる色に着色され、互いに異なる帯電特性を有する2つの表示領域を有する回転体であり、前記第2ディスプレイユニットは前記隔壁に挿入され、互いに異なる帯電特性を有する2種類の帯電粒子が分散された透明流体が封入されたマイクロカプセルである、請求項1に記載の電子ペーパー表示装置。
【請求項14】
前記第1ディスプレイユニットは、互いに異なる色に着色され、互いに異なる帯電特性を有する2つの表示領域を有する回転体であり、前記第2ディスプレイユニットは前記第2基板に挿入され、互いに異なる帯電特性を有する2種類の帯電粒子が分散された透明流体が封入されたマイクロカプセルである、請求項1に記載の電子ペーパー表示装置。
【請求項15】
第2ディスプレイユニットが挿入された第1基板を設ける段階と、
前記第1基板上の空間を分けて複数のセル空間を形成するように隔壁を形成する段階と、
前記各セル空間に第1ディスプレイユニットを配置する段階と、
前記第1基板に対向配置され、前記セル空間を覆うように第2基板を接着する段階と、
を含む電子ペーパー表示装置の製造方法。
【請求項16】
前記第1基板は、前記第2ディスプレイユニットが挿入される溝が形成された、請求項15に記載の電子ペーパー表示装置の製造方法。
【請求項17】
前記隔壁は、前記第2ディスプレイユニットが挿入された位置に形成される、請求項15に記載の電子ペーパー表示装置の製造方法。
【請求項18】
第1基板を設ける段階と、
前記第1基板上の空間を分けて複数のセル空間を形成し、第2ディスプレイユニットが挿入された隔壁を形成する段階と、
前記各セル空間に第1ディスプレイユニットを配置する段階と、
前記第1基板に対向配置され、前記セル空間を覆うように第2基板を接着する段階と、
を含む電子ペーパー表示装置の製造方法。
【請求項19】
第1基板を設ける段階と、
前記第1基板上の空間を分けて複数のセル空間を形成するように隔壁を形成する段階と、
前記各セル空間に第1ディスプレイユニットを配置する段階と、
第2ディスプレイユニットが挿入された第2基板を前記第1基板に対向配置し、前記セル空間を覆うように接着する段階と、
を含む電子ペーパー表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【公開番号】特開2012−185501(P2012−185501A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−45220(P2012−45220)
【出願日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】