説明

電子ペーパー表示装置及びその製造方法

【課題】本発明は、電子ペーパー表示装置及びその製造方法に関する。本発明による電子ペーパー表示装置は画像の安定性及び均一性に優れる。
【解決手段】本発明の一実施形態による電子ペーパー表示装置は、薄膜トランジスタと、上記薄膜トランジスタ上に形成され、薄膜トランジスタと連結される多数の画素電極が形成された第1基板と、上記第1基板と対向配置され、共通電極が形成された第2基板と、上記一つの画素電極ごとに一つのセル空間を提供するように、上記第1及び第2基板の間に形成された多数の隔壁と、上記セル空間に配置されるディスプレイユニットと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペーパー表示装置及びその製造方法に関し、より詳細には、画像の安定性及び均一性に優れた電子ペーパー表示装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、新しいパラダイムが求められる情報社会に対応するために、情報伝達及び共有方式における大変換が求められている。これに応えるために、フレキシブルなディスプレイであって、曲げることができる長所を有する電子ペーパーの技術開発が加速化されており、電子ペーパー技術開発は商業的な開発段階に入っている。
【0003】
電子ペーパーは、既存の平面ディスプレイパネルに比べて生産コストが安く、静止画面のように背景照明や持続的な再充電を必要としないため、非常に少ないエネルギーで駆動することができ、エネルギー効率も極めて高い。また、電子ペーパーは非常に鮮明であり、視野角が広く、電源がなくても文字が完全に消えないメモリーの機能も有する。このような長所により、電子ペーパーは、紙のような面と動くイラストレーション面とを有する電子書籍、自体更新性新聞、移動電話向けの再使用可能なペーパーディスプレイ、廃棄可能なTVスクリーン、及び電子壁紙など、実に幅広い分野に応用することができ、巨大な潜在市場を有している。
【0004】
電子ペーパーを具現するための技術的な接近方式は、大きく四つに分けることができ、互いに反対となる電荷と相違する色相を有する上下半球で構成された球形粒子を電界を利用して回転させるツイストボール方式、オイルに混合された有色帯電粒子をマイクロカプセルまたはマイクロカップの中に閉じこめたり、そのままの帯電粒子を電場の印加に回答するようにする電気泳動方式、帯電された粉流体を利用するQR−LPD(Quick Response−Liquid Power Display)方式、コレステリック液晶分子の選択的反射特性を利用するコレステリック液晶ディスプレイ方式、などがある。
【0005】
ツイストボール方式は、セルの内部が透明媒質で満たされており、透明媒質内に互いに反対となる電荷と相違する色相、例えば、黒色と白色に着色されたツイストボール(または回転体)が配置される。上記ツイストボールに電圧が印加されると、印加された電圧方向に応じてツイストボールは印加された荷電符号の極性が作用し、互いに反対となる極性が前面に向かうように回転され、黒白が表示される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は画像の安定性及び均一性に優れた電子ペーパー表示装置及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によると、薄膜トランジスタと、上記薄膜トランジスタ上に形成され、薄膜トランジスタと連結される多数の画素電極が形成された第1基板と、上記第1基板と対向配置され、共通電極が形成された第2基板と、上記一つの画素電極ごとに一つのセル空間を提供するように、上記第1及び第2基板の間に形成された多数の隔壁と、上記セル空間に配置されるディスプレイユニットと、を含む電子ペーパー表示装置が提供される。
【0008】
上記電子ペーパー表示装置は、上記第2基板と上記隔壁の間に配置される少なくとも一つ以上のスペーサーをさらに含むことができる。
【0009】
上記電子ペーパー表示装置は、上記第1基板と上記隔壁の間に配置される少なくとも一つ以上のスペーサーをさらに含むことができる。
【0010】
上記薄膜トランジスタは、ソース電極と、ドレイン電極と、ゲート電極とを含み、上記夫々の画素電極は、上記ドレイン電極と電気的に連結されることができる。
【0011】
上記隔壁は上記第1基板と一体に形成されることができる。
【0012】
または、上記隔壁は上記第2基板と一体に形成されることができる。
【0013】
上記ディスプレイユニットは、相違する色に着色され、相違する帯電特性を示す二つの表示領域を有する回転体であることができる。
【0014】
上記ディスプレイユニットは、相違する帯電特性を示す第1及び第2表示領域を有し、上記第1表示領域は赤色、緑色及び青色のうち何れか一つの色に着色され、上記第2表示領域は黒色または白色に着色された回転体であることができる。
【0015】
上記ディスプレイユニットは、相違する帯電特性を示す第1及び第2表示領域を有し、上記第1表示領域はシアン、イエロー及びマゼンタのうち何れか一つの色に着色され、上記第2表示領域は黒色または白色に着色された回転体であることができる。
【0016】
または、上記ディスプレイユニットは、相違する帯電特性を示す2種類の帯電粒子が分散された透明流体が封入されたマイクロカプセルであることができる。
【0017】
本発明によると、薄膜トランジスタ上に多数の画素電極が形成された第1基板を形成する段階と、上記第1基板上に上記一つの画素電極ごとに一つのセル空間を提供するように、多数の隔壁を形成する段階と、上記各セル空間にディスプレイユニットを配置する段階と、上記第1基板と対向配置され、上記セル空間を覆うように、共通電極を有する第2基板を付着する段階と、を含む電子ペーパー表示装置の製造方法が提供される。
【0018】
上記第1基板を形成する段階において、上記薄膜トランジスタは、ソース電極と、ドレイン電極と、ゲート電極とを含み、上記夫々の画素電極は上記ドレイン電極と電気的に連結されるように形成されることができる。
【0019】
上記電子ペーパー表示装置の製造方法は、上記第2基板を付着する段階の前に、上記多数の隔壁のうち一部に少なくとも一つ以上のスペーサーを配置する段階をさらに含むことができる。
【0020】
上記隔壁は上記第1基板と一体に形成されることができる。
【0021】
本発明によると、薄膜トランジスタ上に多数の画素電極が形成された第1基板を形成する段階と、共通電極が形成された第2基板上に多数のセル空間を形成するように、多数の隔壁を形成する段階と、上記各セル空間にディスプレイユニットを配置する段階と、上記一つの画素電極ごとに上記多数の隔壁によって一つのセル空間が形成されるように、上記第1基板に上記第2基板を付着する段階と、を含む電子ペーパー表示装置の製造方法が提供される。
【0022】
上記第1基板を形成する段階において、上記薄膜トランジスタは、ソース電極と、ドレイン電極と、ゲート電極とを含み、上記夫々の画素電極は上記ドレイン電極と電気的に連結されるように形成されることができる。
【0023】
上記電子ペーパー表示装置の製造方法は、上記第2基板を付着する段階の前に、上記多数の隔壁のうち一部に少なくとも一つ以上のスペーサーを配置する段階をさらに含むことができる。
【0024】
上記隔壁は上記第2基板と一体に形成されることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によると、一つのセル空間に配置された一つの回転体は、薄膜トランジスタによって個別駆動して、一つの画素領域に提供されることができる。
【0026】
本発明によると、隔壁によって形成されたセル空間に回転体が配置され、回転体間の間隔が均一であるため、画像の安定性及び均一性が向上されることができる。また、回転体を固着させるためのバインダーを用いないため、不必要な電圧降下及び寄生キャパシタンスが発生しない。
【0027】
また、本発明によると、隔壁に作用する光量が減少するため、電子ペーパー表示装置の対照比を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態による電子ペーパー表示装置を概略的に示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態による回転体を拡大して示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態による電子ペーパー表示装置の画像を概略的に示したものである。
【図4】本発明の他の実施形態による電子ペーパー表示装置を概略的に示す断面図である。
【図5a】本発明の一実施形態による電子ペーパー表示装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【図5b】本発明の一実施形態による電子ペーパー表示装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【図5c】本発明の一実施形態による電子ペーパー表示装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【図6a】本発明の他の実施形態による電子ペーパー表示装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【図6b】本発明の他の実施形態による電子ペーパー表示装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【図6c】本発明の他の実施形態による電子ペーパー表示装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。但し、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下に説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は当業界で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。従って、図面における要素の形状及び大きさ等はより明確な説明のために誇張されることがあり、図面上において同一の符号で表される要素は同一の要素である。
【0030】
図1は本発明の一実施形態による電子ペーパー表示装置を概略的に示す断面図である。図1を参照すると、本実施形態による電子ペーパー表示装置は、所定間隔を置いて互いに対向配置される第1基板120と、第2基板130とを含む。
【0031】
上記第1基板120は薄膜トランジスタ110上に形成されている。
【0032】
上記薄膜トランジスタ110は、回転体150に印加される電圧の大きさと方向を調節するための手段であり、ソース電極111と、ドレイン電極112と、ゲート電極113とが形成されている。
【0033】
上記第1基板120には、上記ドレイン電極112と夫々電気的に連結された多数の画素電極121が形成されており、第2基板130には共通電極131が形成されている。
【0034】
上記第1及び第2基板の間には、上記一つの画素電極121ごとに一つのセル空間hを提供するように、多数の隔壁140が形成されており、上記各セル空間hには、ディスプレイユニットとして電気的及び光学的異方性を有する回転体150が配置されている。
【0035】
上記第1基板120及び第2基板130は、柔軟性を有するプラスチックからなることができる。上記プラスチックはこれに制限されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルフォン(PES)、環状オレフィン高分子(COC)、ポリジメチルシロキサン(PDMS、polydimethylsiloxane)、またはポリウレタンアクリレート(PUA、poly urethane acrylate)などを用いることができる。
【0036】
上記第2基板130は表示面として提供されることができ、このために光透過性物質からなることができる。
【0037】
上記画素電極121及び共通電極131は導電性材料からなり、本発明の技術分野で通常的に用いられる電極材料を用いることができる。例えば、ポリチオフェンまたはポリアニリンのような導電性ポリマー、銀またはニッケルのような金属粒子、上記金属粒子を含むポリマーフィルム、酸化インジウムスズ(ITO:Indium−Tin−Oxide)などを用いることができる。
【0038】
上記隔壁140は、柔軟性を有する材料で形成されることができ、特に制限されず、熱硬化性樹脂またはUV硬化性樹脂を用いることができる。
【0039】
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルフォン(PES)、環状オレフィン高分子(COC)、ポリジメチルシロキサン(PDMS、polydimethylsiloxane)、またはポリウレタンアクリレート(PUA、poly urethane acrylate)などを用いることができる。
【0040】
上記隔壁140は上記第1基板120と一体に形成されることができる。本発明の一実施形態によると、電子ペーパーが明るく見えるように、第1基板、第2基板又は隔壁は、光透過性物質からなることができる。例えば、透過率が85%以上の物質を用いることができるが、これに制限されるものではない。
【0041】
上記各セル空間hには、ディスプレイユニットとして電気的及び光学的異方性を有する回転体150が夫々配置される。また、上記セル空間hには、上記回転体が容易に回転できるように、誘電液(dielectric liquid)が充填されることができる。
【0042】
図2は上記回転体150を拡大して概略的に示した斜視図である。図2を参照すると、回転体150は相違する色に着色され、相違する帯電特性を示す二つの表示領域150a、150bを有する。上記二つの表示領域は、相違する色に着色されることができ、第1表示領域150aは白色に着色され、第2表示領域150bは黒色に着色されることができる。第1表示領域150aが陽電荷に帯電される場合、第2表示領域150bは陰電荷に帯電される。上記回転体150に電圧が印加されると、電圧の大きさ及び方向に応じて回転し、二つの表示領域に着色された色相によって黒色または白色を表示するようになる。
【0043】
上記回転体150を電気的及び光学的に処理して第1及び第2表示領域150a、150bを形成する方法は、当業界で公知された方法を用いることができる。例えば、二つの着色液を備える回転ディスクに回転体を投入した後、上記回転体に遠心力を作用する方法などを用いることができる。
【0044】
上記回転体150の形態は特に制限されず、例えば、球形、楕円形またはシリンダー形であることができる。
【0045】
また、黒色や白色でなく、多様な色に第1及び第2表示領域を着色させることができる。
【0046】
例えば、第1表示領域は赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)のうち一つの色に着色され、第2表示領域は黒色または白色に着色されることができる。
【0047】
または、第1表示領域はシアン(C)、イエロー(Y)及びマゼンタ(M)のうち一つの色に着色され、第2表示領域は黒色または白色に着色されることができる。
【0048】
上記画素電極121及び共通電極131によって回転体150に電圧が印加され、上記薄膜トランジスタ110によって回転体150に印加される電圧の大きさと方向が調節される。
【0049】
印加された電圧の方向に応じて回転体150に形成された荷電状態が平衡になるように回転し、二つの表示領域に着色された色相によって黒色または白色を表示するようになる。
【0050】
上記一つのセル空間に配置された一つの回転体150は薄膜トランジスタ110によって個別駆動し、一つの画素領域として提供されることができる。
【0051】
本実施形態によると、隔壁によって形成されたセル空間に回転体が配置され、回転体間の間隔が均一であるため、画像の安定性及び均一性が向上されることができる。また、回転体を固着させるためのバインダーを用いないため、不必要な電圧降下及び寄生キャパシタンスが発生しない。
【0052】
図3は本発明の一実施形態による電子ペーパー表示装置の画像を概略的に示したものである。
【0053】
図3を参照すると、回転体は均一な間隔で配列されることができ、各回転体は安定的に白色または黒色を示すように個別駆動されることができる。
【0054】
また、図示されていないが、ディスプレイユニットとして、相違する帯電特性を有する2種類の粒子が分散された透明流体が封入されたマイクロカプセルが配置されることができる。
【0055】
マイクロカプセルは、電気泳動現象によって移動する相違する帯電特性を有する2種類の粒子が分散された透明流体が、カプセルの外壁によって封入される。上記透明流体内に分散された帯電粒子は、陽電荷を帯びた白色粒子と陰電荷を帯びた黒色粒子であることができる。
【0056】
上記マイクロカプセルに電圧が印加されると、帯電された粒子が飛翔または下降することにより、黒色または白色が表現されるようになる。
【0057】
また、上記2種類の粒子は赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)のうち一つの色を有するカラー粒子と黒色粒子または白色粒子のうち何れか一つであることができる。または、シアン(C)、イエロー(Y)及びマゼンタ(M)のうち一つの色を有するカラー粒子と黒色粒子または白色粒子のうち何れか一つであることができる。
【0058】
また、本実施形態によると、上記第2基板130と上記隔壁140の間には少なくとも一つ以上のスペーサー160が配置されることができる。上記スペーサー160により、上記第2基板130と上記回転体150の間に所定の間隔が形成されることができる。
【0059】
電子ペーパー表示装置に入射される光が回転体と隔壁の全てに作用する場合、電子ペーパー表示装置の対照比が低下する可能性がある。しかし、本実施形態によると、隔壁に作用する光量が減少することにより、電子ペーパー表示装置の対照比を向上させることができる。
【0060】
図4は本発明の他の実施形態による電子ペーパー表示装置を示す概略的な断面図である。上述した実施形態と異なる構成要素を中心に説明し、同一の構成要素に対する詳しい説明は省略する。
【0061】
図4を参照すると、本実施形態による電子ペーパー表示装置は、所定間隔を置いて互いに対向配置される第1基板220と第2基板230とを含む。
【0062】
上記第1基板220は薄膜トランジスタ210上に形成されている。
【0063】
上記薄膜トランジスタ210は、回転体250に印加される電圧の大きさと方向を調節するための手段であり、ソース電極211と、ドレイン電極212と、ゲート電極213とが形成されている。
【0064】
上記第1基板220には上記ドレイン電極212と夫々電気的に連結された多数の画素電極221が形成されており、第2基板230には共通電極231が形成されている。
【0065】
上記第1及び第2基板の間には、上記一つの画素電極221ごとに一つのセル空間hを提供するように、多数の隔壁240が形成されており、上記各セル空間hには、ディスプレイユニットとして電気的及び光学的異方性を有する回転体250が配置されている。上記隔壁240は上記第2基板230と一体に形成されることができる。
【0066】
上記画素電極221及び共通電極231によって回転体250に電圧が印加され、上記薄膜トランジスタ210によって回転体250に印加される電圧の大きさと方向が調節される。
【0067】
印加された電圧の方向に応じて回転体250に形成された荷電状態が平衡になるように回転し、二つの表示領域に着色された色相によって黒色または白色を表示するようになる。
【0068】
上述したように、上記一つのセル空間に配置された一つの回転体250は薄膜トランジスタ210によって個別駆動し、一つの画素領域として提供されることができる。
【0069】
本実施形態によると、隔壁によって形成されたセル空間に回転体が配置され、回転体間の間隔が均一であるため、画像の安定性及び均一性が向上されることができる。また、回転体を固着させるためのバインダーを用いないため、不必要な電圧降下及び寄生キャパシタンスが発生しない。
【0070】
また、本実施形態によると、上記第1基板220と上記隔壁240の間には少なくとも一つ以上のスペーサー260が配置されることができる。上記スペーサー260により、上記第1基板220と上記回転体250の間に所定の間隔が形成されることができる。
【0071】
上記スペーサー260によって形成された間隔は、セル空間に充填された誘電液(dielectric liquid)の注入及び移動通路として利用されることができる。
【0072】
以下、本発明の一実施形態による電子ペーパー表示装置の製造方法を説明する。
【0073】
図5aから図5cは本発明の一実施形態による電子ペーパー表示装置の製造工程を説明するための工程別断面図である。
【0074】
まず、図5aに図示されたように、薄膜トランジスタ110を形成する。
【0075】
上記薄膜トランジスタ110には、ソース電極111と、ドレイン電極112と、ゲート電極113とが形成されることができる。
【0076】
次に、図5bに図示されたように、上記薄膜トランジスタ110上に第1基板120を形成する。
【0077】
上記第1基板120は柔軟性を有するプラスチックで形成されることができ、上記第1基板120には多数の画素電極121が形成されることができる。上記夫々の画素電極121は、薄膜トランジスタのドレイン電極112と電気的に連結されることができる。
【0078】
次に、上記第1基板上に、上記一つの画素電極121ごとに一つのセル空間を提供するように、多数の隔壁140を形成する。
【0079】
上記隔壁140は熱硬化性樹脂またはUV硬化性樹脂からなることができ、上記第1基板上に一定厚さの樹脂層を形成した後、パターニング工程を利用して隔壁を形成することができる。
【0080】
例えば、インプリント工程を利用することができる。まず、一定厚さの樹脂層を形成した後、陽刻及び陰刻パターンを有するスタンプで上記樹脂層を圧着することにより多数の隔壁を形成することができる。スタンプの陽刻及び陰刻パターンによって、隔壁及び隔壁によって区画されるセル空間が形成される。この際、スタンプの陽刻及び陰刻パターンを調節することにより、隔壁の間隔と、セルの形態及びサイズを調節することができる。
【0081】
また、上記隔壁は第1基板と一体に形成されることができる。例えば、一定厚さの樹脂層を形成し、上記樹脂層に画素電極を形成した後、パターニング工程などによって樹脂層の一部を除去して隔壁を形成することができる。
【0082】
次に、図5cに図示されたように、上記多数のセル空間hにディスプレイユニットとして用いられる回転体150を配置する。上記回転体150は、マスク及びスキージなどを利用してセル空間に注入されることができる。また、上記セル空間には誘電液(dielectric liquid)が充填されることができる。
【0083】
次に、上記第1基板120と対向配置され、上記セル空間hを覆うように第2基板130を付着することができる。この際、上記第2基板130には共通電極131が形成されることができる。
【0084】
また、上記第2基板を付着する前に、上記多数の隔壁140のうち一部に少なくとも一つ以上のスペーサー160を配置することができる。
【0085】
これにより、図1に図示されたような電子ペーパー表示装置を製造することができる。
【0086】
図6aから図6cは本発明の他の実施形態による電子ペーパー表示装置の製造工程を説明するための工程別断面図である。
【0087】
まず、図6aに図示されたように、薄膜トランジスタ210を形成する。
【0088】
上記薄膜トランジスタ210には、ソース電極211と、ドレイン電極212と、ゲート電極213とが形成されることができる。
【0089】
次に、上記薄膜トランジスタ210上に第1基板220を形成する。
【0090】
上記第1基板220は柔軟性を有するプラスチックで形成されることができ、上記第1基板220には多数の画素電極221が形成されることができる。上記夫々の画素電極221は薄膜トランジスタのドレイン電極212と電気的に連結されることができる。
【0091】
次に、図6bに図示されたように、第2基板230を形成する。この際、上記第2基板230には共通電極231が形成されることができる。
【0092】
その後、第2基板230上の空間を分割して、多数のセル空間hを提供するように第2基板230上に多数の隔壁240を形成する。
【0093】
上記隔壁240は熱硬化性樹脂またはUV硬化性樹脂からなることができ、上記第2基板上に一定厚さの樹脂層を形成した後、パターニング工程を利用して隔壁を形成することができる。
【0094】
例えば、インプリント工程を利用することができる。まず、一定厚さの樹脂層を形成した後、陽刻及び陰刻パターンを有するスタンプで上記樹脂層を圧着することにより多数の隔壁を形成することができる。スタンプの陽刻及び陰刻パターンによって、隔壁及び隔壁によって区画されるセル空間が形成される。この際、スタンプの陽刻及び陰刻パターンを調節することにより、隔壁の間隔と、セルの形態及びサイズを調節することができる。
【0095】
また、上記隔壁240は第2基板230と一体に形成されることができる。例えば、一定厚さの樹脂層を形成し、上記樹脂層に共通電極を形成した後、パターニング工程などによって樹脂層の一部を除去して隔壁を形成することができる。
【0096】
次に、上記多数のセル空間hにディスプレイユニットとして用いられる回転体250を配置する。上記回転体250は、マスク及びスキージなどを利用してセル空間に注入されることができる。
【0097】
また、上記多数の隔壁140のうち一部に少なくとも一つ以上のスペーサー260を配置することができる。
【0098】
次に、図6cに図示されたように、上記第2基板230と対向配置され、上記セル空間hを覆うように第1基板220を付着することができる。この際、第1基板220に形成された一つの画素電極ごとに、上記多数の隔壁によって一つのセル空間が形成されるように付着されることができる。
【0099】
この際、最外縁に配置されたスペーサー260を除去し、上記セル空間に誘電液(dielectric liquid)を充填した後、上記除去されたスペーサー260を再付着することができる。
【0100】
これにより、図4に図示されたような電子ペーパー表示装置を製造することができる。
【0101】
一般的に、隔壁の形成時、パターニング過程によって多数の化学物質に露出するため、薄膜トランジスタ上で行われる場合は薄膜トランジスタが損傷される可能性がある。
【0102】
しかし、本実施形態によると、隔壁の形成工程は第2基板上で行われ、後に薄膜トランジスタが形成された第1基板と結合される。これにより、薄膜トランジスタの損傷を防止し、電子ペーパー表示装置の製造工程を容易に行うことができる。
【0103】
本発明は、上述の実施形態及び添付の図面により限定されず、添付の請求範囲により限定される。従って、請求範囲に記載された本発明の技術的思想を外れない範囲内で、当技術分野の通常の知識を有する者により様々な形態の置換、変形及び変更ができ、これも本発明の範囲に属する。
【符号の説明】
【0104】
110、210 薄膜トランジスタ
120、220 第1基板
121、221 画素電極
130、230 第2基板
131、231 共通電極
140、240 隔壁
150、250 回転体
160、260 スペーサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄膜トランジスタと、
前記薄膜トランジスタ上に形成され、薄膜トランジスタと連結される多数の画素電極が形成された第1基板と、
前記第1基板と対向配置され、共通電極が形成された第2基板と、
前記一つの画素電極ごとに一つのセル空間を提供するように、前記第1及び第2基板の間に形成された多数の隔壁と、
前記セル空間に配置されるディスプレイユニットと、
を含む電子ペーパー表示装置。
【請求項2】
前記第2基板と前記隔壁の間に配置される少なくとも一つ以上のスペーサーをさらに含む請求項1に記載の電子ペーパー表示装置。
【請求項3】
前記第1基板と前記隔壁の間に配置される少なくとも一つ以上のスペーサーをさらに含む請求項1に記載の電子ペーパー表示装置。
【請求項4】
前記薄膜トランジスタは、ソース電極と、ドレイン電極と、ゲート電極とを含み、前記夫々の画素電極は、前記ドレイン電極と電気的に連結される請求項1に記載の電子ペーパー表示装置。
【請求項5】
前記隔壁は前記第1基板と一体に形成される請求項1に記載の電子ペーパー表示装置。
【請求項6】
前記隔壁は前記第2基板と一体に形成される請求項1に記載の電子ペーパー表示装置。
【請求項7】
前記ディスプレイユニットは、相違する色に着色され、相違する帯電特性を示す二つの表示領域を有する回転体である請求項1に記載の電子ペーパー表示装置。
【請求項8】
前記ディスプレイユニットは、相違する帯電特性を示す第1及び第2表示領域を有し、前記第1表示領域は赤色、緑色及び青色のうち何れか一つの色に着色され、前記第2表示領域は黒色または白色に着色された回転体である請求項1に記載の電子ペーパー表示装置。
【請求項9】
前記ディスプレイユニットは、相違する帯電特性を示す第1及び第2表示領域を有し、前記第1表示領域はシアン、イエロー及びマゼンタのうち何れか一つの色に着色され、前記第2表示領域は黒色または白色に着色された回転体である請求項1に記載の電子ペーパー表示装置。
【請求項10】
前記ディスプレイユニットは、相違する帯電特性を示す2種類の帯電粒子が分散された透明流体が封入されたマイクロカプセルである請求項1に記載の電子ペーパー表示装置。
【請求項11】
薄膜トランジスタ上に多数の画素電極が形成された第1基板を形成する段階と、
前記第1基板上に前記一つの画素電極ごとに一つのセル空間を提供するように、多数の隔壁を形成する段階と、
前記各セル空間にディスプレイユニットを配置する段階と、
前記第1基板と対向配置され、前記セル空間を覆うように、共通電極を有する第2基板を付着する段階と、
を含む電子ペーパー表示装置の製造方法。
【請求項12】
前記第1基板を形成する段階において、
前記薄膜トランジスタは、ソース電極と、ドレイン電極と、ゲート電極とを含み、前記夫々の画素電極は前記ドレイン電極と電気的に連結されるように形成される請求項11に記載の電子ペーパー表示装置の製造方法。
【請求項13】
前記第2基板を付着する段階の前に、前記多数の隔壁のうち一部に少なくとも一つ以上のスペーサーを配置する段階をさらに含む請求項11に記載の電子ペーパー表示装置の製造方法。
【請求項14】
前記隔壁は前記第1基板と一体に形成される請求項11に記載の電子ペーパー表示装置の製造方法。
【請求項15】
薄膜トランジスタ上に多数の画素電極が形成された第1基板を形成する段階と、
共通電極が形成された第2基板上に多数のセル空間を形成するように、多数の隔壁を形成する段階と、
前記各セル空間にディスプレイユニットを配置する段階と、
前記一つの画素電極ごとに、前記多数の隔壁によって一つのセル空間が形成されるように、前記第1基板に前記第2基板を付着する段階と、
を含む電子ペーパー表示装置の製造方法。
【請求項16】
前記第1基板を形成する段階において、
前記薄膜トランジスタは、ソース電極と、ドレイン電極と、ゲート電極とを含み、前記夫々の画素電極は前記ドレイン電極と電気的に連結されるように形成される請求項15に記載の電子ペーパー表示装置の製造方法。
【請求項17】
前記第2基板を付着する段階の前に、前記多数の隔壁のうち一部に少なくとも一つ以上のスペーサーを配置する段階をさらに含む請求項15に記載の電子ペーパー表示装置の製造方法。
【請求項18】
前記隔壁は前記第2基板と一体に形成される請求項15に記載の電子ペーパー表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【公開番号】特開2012−63772(P2012−63772A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203002(P2011−203002)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】