説明

電子ペーパ表示素子及びその製造方法

【課題】帯電粒子の駆動時、摩擦(衝突及びその衝突による摩擦を含む)により発生する粒子の帯電状態の変化を最小化して帯電粒子の帯電状態を一定に維持し得る電子ペーパ表示素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】電子ペーパ表示素子の製造方法は、下部電極の上部にセルとセルを区画するための隔壁を形成する段階と、隔壁の側面及び下部電極の上面に絶縁膜を形成する段階と、セルに帯電粒子を注入する段階と、上部電極の下面に絶縁膜を形成する段階と、隔壁の上部に上部電極を取り付ける段階とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子ペーパ表示素子及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルペーパディスプレイは、液晶表示装置、プラズマディスプレイパネル、有機電界発光(有機EL)素子の後を継ぐ次世代表示素子として開発されている。特に、電子ペーパは、数百万個の粒子がセルの内部に充填されている薄型のプラスチックなどのフレキシブルな基板に文字や映像を表示し得るようにしたディスプレイ素子であって、数百万回再生して使用することができ、今後、本、新聞、雑誌などの既存の印刷媒体を代替する材料として期待されている。
【0003】
電子ペーパ表示素子は、フレキシブルなディスプレイの実現の核心となる素子であって、導電性物質に電界を加えて運動性を有するようにする電気泳動の原理を適用し、薄型のフレキシブルな基板の間に導電性を有する微粒子(又は、帯電粒子)を分布させた後、電界の極性の変化による微粒子(又は、帯電粒子)の方向配置の変化でデータを表現する。
【0004】
一般に、従来の衝突帯電型電子ペーパ表示素子は、表示セルの内部に挿入された帯電粒子と駆動電圧が印加される電極との間に絶縁膜を形成して、帯電粒子と電極との直接的な接触を防止することにより、帯電粒子の初期帯電状態を継続して維持する。駆動電圧が印加された電極に向けて移動した帯電粒子は帯電した性質を継続して有するため、さらに電圧が印加されなくても最後に移動した位置をそのまま維持するメモリ効果を有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の絶縁膜の材料は、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン、及びSiOなどからなるため、帯電粒子の凝集を防止するために帯電粒子の外表面に添加される外添物質とは材料の特性が異なる。
【0006】
従って、帯電粒子と絶縁膜との摩擦(衝突及びその衝突による摩擦を含む)により、一部の帯電粒子の摩擦帯電量が過度に大きくなったり、逆に、一部の帯電粒子の摩擦帯電量が過度に小さくなって、帯電粒子全体の摩擦帯電量が不均一になるという問題があった。ここで、多量の帯電粒子の摩擦帯電量が過度に小さくなった場合は、電子ペーパ表示素子の利点であるメモリ効果が維持されないという問題が発生する。
【0007】
また、従来の絶縁膜は、帯電粒子と電極との間にのみ設置されるため、帯電粒子が隔壁の表面と摩擦(衝突及びその衝突による摩擦を含む)した場合、帯電粒子の帯電特性が変化するという問題があった。
【0008】
本発明は、このような従来技術の問題を解決するためになされたもので、帯電粒子の駆動時、摩擦(衝突及びその衝突による摩擦を含む)により発生する粒子の帯電状態の変化を最小化して帯電粒子の帯電状態を一定に維持し得る電子ペーパ表示素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明の他の目的は、帯電粒子が隔壁の表面と摩擦(衝突及びその衝突による摩擦を含む)した場合も帯電粒子の帯電特性が変化しない電子ペーパ表示素子及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような目的を達成するために、本発明に係る電子ペーパ表示素子は、電極及び隔壁により囲まれた少なくとも1つの表示セルと、該表示セルの内側の少なくとも一面に形成され、帯電粒子に添加される外添物質を含んでなる絶縁膜とを含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る電子ペーパ表示素子は、電極及び隔壁により囲まれた少なくとも1つの表示セルと、該表示セルの内側面として、上面、下面、及び側面に形成される絶縁膜とを含むことを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明に係る電子ペーパ表示素子は、電極及び隔壁により囲まれた少なくとも1つの表示セルと、該表示セルの内側面として、上面、下面、及び側面に形成され、帯電粒子に添加される外添物質を含んでなる絶縁膜とを含むことを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明に係る電子ペーパ表示素子は、透明電極で形成されて駆動電圧が印加される下部電極と、該下部電極の上部に離隔して設置され、透明電極で形成されて駆動電圧が印加される上部電極と、前記下部電極と前記上部電極間の間隔を維持して空間を区画する少なくとも2つ以上の隔壁と、前記少なくとも2つ以上の隔壁の側面、前記下部電極の上面、及び前記上部電極の下面に形成され、帯電粒子に添加される外添物質を含んでなる絶縁膜とを含むことを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明に係る電子ペーパ表示素子の製造方法は、下部電極の上部にセルとセルを区画するための隔壁を形成する段階と、前記隔壁の側面及び前記下部電極の上面に絶縁膜を形成する段階と、前記セルに帯電粒子を注入する段階と、上部電極の下面に絶縁膜を形成する段階と、前記隔壁の上部に前記上部電極を取り付ける段階とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る電子ペーパ表示素子及びその製造方法は、絶縁膜を表示セルの内側壁面、すなわち、上部電極の下面、下部電極の上面、及び隔壁の側面に形成することにより、帯電粒子が隔壁に衝突しても摩擦(衝突及びその衝突による摩擦を含む)により帯電特性が変化することを防止し得るという効果がある。
【0016】
また、本発明は、絶縁膜の材料を帯電粒子の外添物質と同一材料で構成することにより、帯電粒子が絶縁膜に衝突した場合、摩擦(衝突及びその衝突による摩擦を含む)による帯電量の変化を大きく低減し得るという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る電子ペーパ表示素子及びその製造方法の好ましい実施形態について、添付の図面に基づいて説明する。
【0018】
<第1実施形態>
図1に示すように、本発明の第1実施形態による電子ペーパ表示素子100は、透明な材質からなる基板111、112と、透明電極で形成されて駆動電圧が印加される電極121、122と、セル130aとセル130bを区画する隔壁130と、隔壁130により区画されたセル130a、130bの内部に挿入される帯電粒子140と、帯電粒子140と電極121、122との直接的な接触を防止する絶縁膜150とから構成される。
【0019】
基板111、112は、電子ペーパ表示素子100の最下端に設置されて電子ペーパ表示素子100を支持する下部基板111と、下部基板111の上部に離隔して設置されて映像が現出する上部基板112とからなる。即ち、基板111は、電子ペーパ表示素子100の最下端に設置されて電子ペーパ表示素子100を支持する下部基板111とすることが可能である。また、基板112は、下部基板111の上部に離隔して設置されて映像が現出する上部基板112とすることが可能である。基板111、112は、光を透過する材質からなり、プラスチック又はガラスのいずれか一方で形成することができる。
【0020】
また、電極121、122は、下部基板111の上面に形成される下部電極121と、上部基板112の下面に形成され、下部電極121の上部に離隔して設置される上部電極122とからなる。即ち、電極121は、下部基板111の上面に形成される下部電極121とすることが可能である。また、電極122は、下部電極121の上部に離隔して設置される上部電極122とすることが可能である。下部電極121と上部電極122とには逆の電圧が印加されて、下部電極121と上部電極122との間に電位差による電界を発生させる。例えば、下部電極121に正電圧:(+)電圧が印加されると、上部電極122には負電圧:(−)電圧が印加される。
【0021】
また、隔壁130は、下部電極121と上部電極122との間に垂直に設置され、隣接する隔壁130が1つの表示セル130aを形成する。従って、1つの表示セル130aは、隣接する隔壁130、下部電極121、及び上部電極122により囲まれる。
【0022】
また、帯電粒子140は、隔壁130及び電極121、122により区画された表示セル130a、130bの内部に挿入される。帯電粒子140は、黒色帯電粒子141と、白色帯電粒子142とから構成される。本実施形態において帯電粒子140に言及する場合には、帯電粒子140は、黒色帯電粒子141または白色帯電粒子142の何れかを示す。この場合、黒色帯電粒子141が(+)電荷に帯電すると、白色帯電粒子142は(−)電荷に帯電する。従って、(+)又は(−)電荷に帯電した各帯電粒子140は、表示セル130a、130bの内部に形成される電界により、対応する電極に引き寄せられる。例えば、黒色帯電粒子141が(+)電荷に帯電し、上部電極122に(−)電圧が印加されると、黒色帯電粒子141が上部電極122に引き寄せられるため、透明な上部基板112を介して現出する映像は黒色となる。それに対して、白色帯電粒子142が(−)電荷に帯電し、上部電極122に(+)電圧が印加されると、白色帯電粒子142が上部電極122に引き寄せられるため、透明な上部基板112を介して現出する映像は白色となる。
【0023】
また、帯電粒子140の外表面には、帯電粒子140相互間の接触により帯電粒子140の電荷量などの帯電特性が変化しないようにする物質が添加される。この物質を以下外添物質140aと称する。このような外添物質140aとしては、酸化チタン、カーボンブラック、及びシリカのいずれか1つ以上を使用することができる。
【0024】
また、絶縁膜150は、上部電極122の下面及び下部電極121の上面にそれぞれ形成され、電極121、122に駆動電圧が印加されることによって電極121、122に引き寄せられる帯電粒子140が電極121、122に直接衝突することを防止するために設置される。
【0025】
ここで、本発明の第1実施形態による電子ペーパ表示素子100に備えられる絶縁膜150は、帯電粒子140の外添物質140aと同一材料からなる。このように、上部電極122の下面及び下部電極121の上面に形成される絶縁膜150の材料が帯電粒子140の外添物質140aと同一材料からなる場合、帯電粒子140が絶縁膜150に衝突することによって帯電粒子140の帯電電荷量などの帯電特性が変化することを防止することができる。
【0026】
一般に、絶縁膜150の材料としては、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン、及びSiOなどが用いられるが、このように、絶縁膜150の材料と帯電粒子140の外添物質140aの材料とが異なる場合は、帯電粒子140と絶縁膜150との衝突により帯電量が過度に大きくなったり小さくなったりするため、様々な問題が発生し得る。しかし、本発明の第1実施形態のように、絶縁膜150の材料を外添物質140aの材料と同一に構成することにより、帯電量の変化を最小化することができる。
【0027】
また、絶縁膜150は、スピンコート、ラビング、静電気コーティング、及びディッピングなどの方法により、上部電極122の下面及び下部電極121の上面にコーティングすることができる。
【0028】
以下、このように構成された本発明の第1実施形態による電子ペーパ表示素子100の作用原理を説明する。
【0029】
図2に示すように、本発明の第1実施形態による電子ペーパ表示素子100の下部電極121と上部電極122に充分な電圧が印加されると、印加された電圧の極性に対応する帯電粒子140がそれぞれの電極121、122に引き寄せられる。
【0030】
例えば、黒色帯電粒子141が(+)電荷に帯電し、白色帯電粒子142が(−)電荷に帯電し、下部電極121に(−)電圧が印加され、上部電極122に(+)電圧が印加されると、電界により、黒色帯電粒子141は下部電極121に引き寄せられ、白色帯電粒子142は上部電極122に引き寄せられる。従って、上部基板112を介して現出する映像は白色を帯びる。
【0031】
それに対して、図2において図示した様に、黒色帯電粒子141が(+)電荷に帯電し、白色帯電粒子142が(−)電荷に帯電し、下部電極121に(+)電圧が印加され、上部電極122に(−)電圧が印加されると、白色帯電粒子142は下部電極121に引き寄せられ、黒色帯電粒子141は上部電極122に引き寄せられる。従って、上部基板112を介して現出する映像は黒色を帯びる。
【0032】
このように、下部電極121又は上部電極122に引き寄せられた帯電粒子140は、絶縁膜150で遮断されて電極121、122と直接接触しないため帯電電荷量が減少せず、電極121、122にさらに電圧が印加されなくても、即ち電圧の印加が停止された場合にも、最後に移動した位置をそのまま維持することができる。すなわち、メモリ効果を有する。
【0033】
特に、前述のように、絶縁膜150の材料を帯電粒子140の外添物質140aと同一材料で構成することにより、帯電粒子140が絶縁膜150に衝突した場合も帯電粒子140の帯電特性が変化することを防止することができる。
【0034】
本発明の第1実施形態においては、絶縁膜150を帯電粒子140の外添物質140aと同一材料で構成したが、外添物質140aを一部含む絶縁物質でもよい。言い換えれば、絶縁膜150は、外添物質140aと、その他の物質とを含んで構成されても良い。この場合、絶縁膜150に含まれる外添物質140aの割合は、帯電粒子140が絶縁膜150に衝突した場合も帯電粒子140の帯電特性が変化することを防止可能な範囲とすることが好ましい。
【0035】
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態による電子ペーパ表示素子200について説明する。ただし、本発明の第1実施形態と同一の機能を行う構成要素には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0036】
図3に示すように、本発明の第2実施形態による電子ペーパ表示素子200に備えられる絶縁膜250は、上部電極122の下面及び下部電極121の上面だけでなく、隔壁130の側面にも形成される。
【0037】
この場合、絶縁膜250の材料は、帯電粒子140の外添物質140aと同一材料に限定されず、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン、酸化チタン、カーボンブラック、及びシリカのいずれか1つ以上が用いられる。
【0038】
このように、2つの隔壁130、上部電極122、及び下部電極121により区画された表示セル130aの内側壁面を絶縁膜250で絶縁することにより、帯電粒子140が隔壁130に衝突した場合も、絶縁膜250で遮断されて帯電粒子140が隔壁130と直接接触せず、これにより、帯電粒子140の帯電特性が変化することが防止される。
【0039】
このような本発明の第2実施形態による電子ペーパ表示素子200の作用原理は、本発明の第1実施形態による電子ペーパ表示素子100の作用原理を適用する。
【0040】
ただし、本発明の第1実施形態のように、上部電極122の下面及び下部電極121の上面にのみ絶縁膜150が形成された場合、電極121、122に駆動電圧が印加されて電極121、122に引き寄せられる帯電粒子140が隔壁130に衝突することによって、帯電粒子140の帯電特性が変化することがあるが、本発明の第2実施形態のように、隔壁130の側面にも絶縁膜250が形成された場合は、帯電粒子140が隔壁130に衝突しても帯電粒子140の帯電特性が変化することを防止することができる。
【0041】
<第3実施形態>
以下、本発明の第3実施形態による電子ペーパ表示素子300について説明する。ただし、本発明の第1実施形態と同一の機能を行う構成要素には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0042】
図5に示すように、本発明の第3実施形態による電子ペーパ表示素子300に備えられる絶縁膜350は、帯電粒子140の外添物質140aと同一材料からなり、上部電極122の下面、下部電極121の上面、及び隔壁130の側面に形成される。
【0043】
すなわち、電極121、122だけでなく隔壁130の側面にも絶縁膜350を形成することにより、帯電粒子140が隔壁130に衝突しても帯電粒子140の帯電特性が変化することを防止することができ、これと共に、絶縁膜350の材料を帯電粒子140の外添物質140aと同一材料で構成することにより、帯電粒子140が絶縁膜350に衝突した場合、摩擦(衝突及びその衝突による摩擦を含む)により帯電量が変化することを最小化することができる。
【0044】
以下、このように構成された本発明の第3実施形態による電子ペーパ表示素子300の作用原理を説明する。
【0045】
本発明の第3実施形態による電子ペーパ表示素子300の下部電極121と上部電極122に充分な電圧が印加されると、印加された電圧の極性に対応する帯電粒子141、142がそれぞれの電極121、122に引き寄せられる。
【0046】
例えば、黒色帯電粒子141が(+)電荷に帯電し、白色帯電粒子142が(−)電荷に帯電し、下部電極121に(−)電圧が印加され、上部電極122に(+)電圧が印加されると、電界により、黒色帯電粒子141は下部電極121に引き寄せられ、白色帯電粒子142は上部電極122に引き寄せられる。従って、上部基板112を介して現出する映像は白色を帯びる。
【0047】
それに対して、黒色帯電粒子141が(+)電荷に帯電し、白色帯電粒子142が(−)電荷に帯電し、下部電極121に(+)電圧が印加され、上部電極122に(−)電圧が印加されると、白色帯電粒子142は下部電極121に引き寄せられ、黒色帯電粒子141は上部電極122に引き寄せられる。従って、上部基板112を介して現出する映像は黒色を帯びる。
【0048】
このように、下部電極121又は上部電極122に引き寄せられた帯電粒子140は、絶縁膜350で遮断されて電極121、122と直接接触しないため帯電電荷量が減少せず、電極121、122にさらに電圧が印加されなくても、即ち電圧の印加が停止された場合にも、最後に移動した位置をそのまま維持することができる。すなわち、メモリ効果を有する。
【0049】
特に、前述のように、電極121、122だけでなく隔壁130の側面にも絶縁膜350を形成することにより、帯電粒子140が隔壁130に衝突した場合も帯電粒子140の帯電特性が変化することを防止することができる。
【0050】
これと共に、絶縁膜350の材料を帯電粒子140の外添物質140aと同一材料で構成することにより、帯電粒子140が絶縁膜350に衝突した場合も帯電粒子140の帯電特性が変化することを防止することができる。
【0051】
以下、本発明の第4実施形態による電子ペーパ表示素子の製造方法について図6A〜図6Eに基づいて説明する。
【0052】
まず、図6Aに示すように、ガラス又はプラスチックの透明な下部基板111にITOや導電性高分子の透明電極をコーティングして下部電極121を形成し、下部基板111の上面に隔壁130を垂直に取り付ける。隔壁130の形成は、例えば、サンドブラスト法、アディティブ法(埋め込み法、リフトオフ法とも呼ばれる)、感光性隔壁形成法、型押し法、転写法などの通常の方法で形成することが可能である。
【0053】
図6Bに示すように、隔壁130により区画された表示セル130aに絶縁膜350をコーティングする。ここで、絶縁膜350は、帯電粒子140の外表面に添加される外添物質140aと同一材料からなり、スピンコート、ラビング、静電気コーティング、及びディッピングなどの方法でコーティングされる。
【0054】
図6Cに示すように、隔壁130及び下部電極121により形成された表示セル130aの内部に、黒色帯電粒子141及び白色帯電粒子142を挿入する。黒色帯電粒子141及び白色帯電粒子142は、コロナ放電、摩擦帯電、又はレーザプリンタなどを用いて表示セル130aの内部に注入することができる。
【0055】
図6Dに示すように、上部基板112にITOや導電性高分子の透明電極をコーティングして上部電極122を形成し、上部電極122にスピンコート、ラビング、静電気コーティング、及びディッピングなどの方法を用いて絶縁膜350をコーティングする。
【0056】
図6Eに示すように、上部電極122の絶縁膜350が表示セル130aの上部に位置するように、上部電極122を隔壁130の上部に取り付けると、衝突帯電型電子ペーパ表示素子が完成する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の第1実施形態による電子ペーパ表示素子の構成を示す断面図である。
【図2】図1の作用原理を概略的に示す概念図である。
【図3】本発明の第2実施形態による電子ペーパ表示素子の構成を示す断面図である。
【図4】図3の作用原理を概略的に示す概念図である。
【図5】本発明の第3実施形態による電子ペーパ表示素子の構成を示す断面図である。
【図6A】本発明の第4実施形態による電子ペーパ表示素子の製造方法を示す概念図である。
【図6B】本発明の第4実施形態による電子ペーパ表示素子の製造方法を示す概念図である。
【図6C】本発明の第4実施形態による電子ペーパ表示素子の製造方法を示す概念図である。
【図6D】本発明の第4実施形態による電子ペーパ表示素子の製造方法を示す概念図である。
【図6E】本発明の第4実施形態による電子ペーパ表示素子の製造方法を示す概念図である。
【符号の説明】
【0058】
100、200、300 電子ペーパ表示素子
111 下部基板
112 上部基板
121 下部電極
122 上部電極
130 隔壁
130a、130b 表示セル
140 帯電粒子
140a 外添物質
141 黒色帯電粒子
142 白色帯電粒子
150、250、350 絶縁膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部電極、下部電極、及び隔壁により囲まれた少なくとも1つの表示セルと、
前記表示セルの内側の少なくとも一面に形成され、帯電粒子に添加される外添物質を含んでなる絶縁膜と、
を含むことを特徴とする電子ペーパ表示素子。
【請求項2】
前記絶縁膜が、前記表示セルの上面をなす上部電極、前記表示セルの下面をなす下部電極、及び前記表示セルの側面をなす隔壁の少なくとも一面に形成されることを特徴とする請求項1に記載の電子ペーパ表示素子。
【請求項3】
前記絶縁膜が、前記上部電極の一面、前記下部電極の一面、及び前記隔壁の一面にそれぞれ形成されることを特徴とする請求項2に記載の電子ペーパ表示素子。
【請求項4】
前記絶縁膜が、前記上部電極の一面、及び前記下部電極の一面にそれぞれ形成されることを特徴とする請求項2に記載の電子ペーパ表示素子。
【請求項5】
前記絶縁膜が、前記外添物質と実質的に同一物質からなることを特徴とする請求項1に記載の電子ペーパ表示素子。
【請求項6】
前記外添物質が、酸化チタン、カーボンブラック、及びシリカの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の電子ペーパ表示素子。
【請求項7】
前記絶縁膜が、スピンコート、ラビング、静電気コーティング、及びディッピングのいずれか1つの方法でコーティングされることを特徴とする請求項1に記載の電子ペーパ表示素子。
【請求項8】
上部電極、下部電極、及び隔壁により囲まれた少なくとも1つの表示セルと、
前記表示セルの内側面として、上面、下面、及び側面に形成される絶縁膜と、
を含むことを特徴とする電子ペーパ表示素子。
【請求項9】
前記絶縁膜が、前記表示セルの上面をなす上部電極、前記表示セルの下面をなす下部電極、及び前記表示セルの側面をなす隔壁にそれぞれ形成されることを特徴とする請求項8に記載の電子ペーパ表示素子。
【請求項10】
前記絶縁膜が、帯電粒子に添加される外添物質と実質的に同一物質からなることを特徴とする請求項8に記載の電子ペーパ表示素子。
【請求項11】
前記外添物質が、酸化チタン、カーボンブラック、及びシリカの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項8に記載の電子ペーパ表示素子。
【請求項12】
前記絶縁膜が、スピンコート、ラビング、静電気コーティング、及びディッピングのいずれか1つの方法でコーティングされることを特徴とする請求項8に記載の電子ペーパ表示素子。
【請求項13】
上部電極、下部電極、及び隔壁により囲まれた少なくとも1つの表示セルと、
前記表示セルの内側面として、上面、下面、及び側面に形成され、帯電粒子に添加される外添物質を含んでなる絶縁膜と、
を含むことを特徴とする電子ペーパ表示素子。
【請求項14】
前記絶縁膜が、前記表示セルの上面をなす上部電極、前記表示セルの下面をなす下部電極、及び前記表示セルの側面をなす隔壁にそれぞれ形成されることを特徴とする請求項13に記載の電子ペーパ表示素子。
【請求項15】
前記外添物質が、酸化チタン、カーボンブラック、及びシリカの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項13に記載の電子ペーパ表示素子。
【請求項16】
前記絶縁膜が、スピンコート、ラビング、静電気コーティング、及びディッピングのいずれか1つの方法でコーティングされることを特徴とする請求項13に記載の電子ペーパ表示素子。
【請求項17】
透明電極で形成されて駆動電圧が印加される下部電極と、
前記下部電極の上部に離隔して設置され、透明電極で形成されて駆動電圧が印加される上部電極と、
前記下部電極と前記上部電極間の間隔を維持して空間を区画する少なくとも2つ以上の隔壁と、
前記少なくとも2つ以上の隔壁、前記下部電極の上面、及び前記上部電極の下面にコーティングされ、帯電粒子に添加される外添物質を含んでなる絶縁膜と、
を含むことを特徴とする電子ペーパ表示素子。
【請求項18】
前記外添物質が、酸化チタン、カーボンブラック、及びシリカの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項17に記載の電子ペーパ表示素子。
【請求項19】
前記絶縁膜が、スピンコート、ラビング、静電気コーティング、及びディッピングのいずれか1つの方法でコーティングされることを特徴とする請求項17に記載の電子ペーパ表示素子。
【請求項20】
下部電極の上部にセルとセルを区画するための隔壁を形成する段階と、
前記隔壁の側面及び前記下部電極の上面に絶縁膜を形成する段階と、
前記セルに帯電粒子を注入する段階と、
上部電極の下面に絶縁膜を形成する段階と、
前記隔壁の上部に前記上部電極を取り付ける段階と、
を含むことを特徴とする電子ペーパ表示素子の製造方法。
【請求項21】
前記絶縁膜が、前記帯電粒子に添加される外添物質を含むことを特徴とする請求項20に記載の電子ペーパ表示素子の製造方法。
【請求項22】
前記外添物質が、酸化チタン、カーボンブラック、及びシリカの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項20に記載の電子ペーパ表示素子の製造方法。
【請求項23】
前記絶縁膜が、スピンコート、ラビング、静電気コーティング、及びディッピングのいずれか1つの方法でコーティングされることを特徴とする請求項20に記載の電子ペーパ表示素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【公開番号】特開2006−221169(P2006−221169A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−29137(P2006−29137)
【出願日】平成18年2月7日(2006.2.7)
【出願人】(590001669)エルジー電子株式会社 (296)