説明

電子マネーシステム、金額変更情報送信装置、サーバ、及び金額変更情報送信方法

【課題】貨幣端末に金額変更情報を送信した後に応答が無かった場合に、貨幣端末が金額変更処理を行ったか否かを確認すること。
【解決手段】電子マネー端末8は、電子マネーカード6から金額変更情報送信前のバリュー残高を読み出して記憶する。その後、電子マネー端末8は、電子マネーカード6に金額変更情報を送信する。電子マネー端末8は、所定時間、電子マネーカード6から応答を待ち、応答がない場合、電子マネー端末8は、電子マネーカード6の現在のバリュー残高を強制的に読み出す。電子マネー端末8は、このバリュー残高を、金額変更情報送信前に読み取ったバリュー残高と比較し、両者が同じ場合は、電子マネーカード6で金額変更情報が実行されなかったと判断し、両者に差が生じている場合は、電子マネーカード6で金額変更情報が実行されたものと判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子マネーシステム、金額変更情報送信装置、サーバ、及び金額変更情報送信方法に関し、例えば、電子マネーカードなどに残高を変更するための金額変更情報を送信するものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電子マネーの普及に伴い、電子マネーを用いた商取引が盛んに行われるようになってきた。
電子マネーによる商取引は、バリューと呼ばれる金銭と同等の交換価値を持つ電子データを操作して価値の移動を行うことにより行われる。
【0003】
バリューの残高は、電子マネーカードなどに内蔵されたICチップに書き込まれており、これに、店舗などに設置された電子マネー端末からアクセスして残高を減額することにより決済を行うことができる。
また、電子マネー端末から電子マネーカードにアクセスし、ICチップに記憶されているバリューの金額を増額することもできる。増額する処理はチャージと呼ばれている。
チャージする場合は、電子マネーカードのユーザからチャージする金額分の金銭を徴収することにより、バリューと通貨との対応をとっている。
【0004】
電子マネー端末は、電子マネーカードとの決済やチャージの処理内容を記録した利用ログデータを記憶しておき、例えば、1日に1回程度、バッチ処理にてこれを電子マネーサーバに送信する。
電子マネーサーバは、各電子マネー端末から利用ログデータを収集・記憶して、これを月に1回程度集計する。そして、電子マネーの運用事業者は、この集計結果に従ってチャージの際にユーザから徴収した金額を、バリューにて決済を行った加盟店(バリューによる決済を行う店舗)に分配して資金決済を行う。
このように、電子マネーカードに記憶されているバリューを用いて決済を行う技術としては、例えば、次のサービス提供方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−250994公報
【0006】
この技術は、ICカードに予め記憶したバリューを用いてサービスの対価を支払うものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
電子マネー端末は、金額変更情報(コマンド)を電子マネーカードに送信してバリュー残高の増減を行わせるが、金額変更情報を送信した後、電子マネーカードから金額変更処理を実行した旨の応答が無い場合、電子マネー端末側では、電子マネーカードで残高の変更が行われたか否かが不明となるため、何らかの対策を講じる必要がある。
このような場合は、例えば、他の機器との無線周波数が混在するなど、使用環境に問題がある場合に希に発生する可能性がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、貨幣端末(ICチップ)に金額変更情報を送信した後に応答が無かった場合に、貨幣端末が金額変更処理を行ったか否かを確認することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、貨幣端末と、電子マネー端末と、本部サーバと、電子マネーサーバと、を用いて構成された電子マネーシステムであって、前記貨幣端末は、貨幣価値の金額を電子データとして記憶し、金額変更情報を用いて前記記憶した貨幣価値の金額を変更し、前記電子マネー端末は、電子マネーモジュールと、POS部を用いて構成され、前記電子マネーモジュールは、前記貨幣端末に金額変更情報を送信し、当該金額変更情報に係る金額と、前記貨幣端末から金額を変更した旨の通知を受けたか否かの区別と、を含むログデータを生成して前記電子マネーサーバに送信し、前記POS部は、前記電子マネーモジュールが前記通知を受けなかった場合に、前記貨幣端末における金額変更情報送信前後の残高を比較することにより前記貨幣端末が金額を変更したか否かを判断し、当該判断結果を含み、前記ログデータに対応する確認ログデータを生成して前記本部サーバに送信し、前記本部サーバは、前記POS部から確認ログデータを受信し、受信した複数の確認ログデータを1つの確認ログデータに集約して前記電子マネーサーバに送信し、前記電子マネーサーバは、前記電子マネーモジュールからログデータを受信し、前記本部サーバから確認ログデータを受信し、前記受信したログデータが、前記貨幣端末から金額を変更した旨の通知を受けなかったものであった場合、前記受信した確認ログデータから当該ログデータに対応するものを検索し、当該検索された確認ログデータに記録された判断結果によって、当該ログデータに関する処理で、前記貨幣端末が金額変更を行ったか否かを確認することを特徴とする電子マネーシステムを提供する。
請求項2に記載の発明では、貨幣価値の金額を電子データとして記憶し、受信した金額変更情報を用いて前記記憶した貨幣価値の金額を変更する貨幣端末に対し、金額変更情報を送信する金額変更情報送信装置であって、変更に係る金額を取得して金額変更情報を生成する金額変更情報生成手段と、金額変更情報を送信する前の残高を前記貨幣端末から取得する第1の残高取得手段と、前記貨幣端末に前記生成した金額変更情報を送信する金額変更情報送信手段と、前記貨幣端末から前記送信した金額変更情報によって金額を変更した旨の通知を受ける通知受信手段と、前記通知を受信しなかった場合に、前記貨幣端末から現在の残高を取得する第2の残高取得手段と、を具備したことを特徴とする金額変更情報送信装置を提供する。
請求項3に記載の発明では、前記第1の残高取得手段で取得した残高と、前記第2の残高取得手段で取得した残高と、を比較する比較手段と、前記比較手段による比較結果から、前記貨幣端末で前記金額変更情報による金額変更が行われたか否かを判断する判断手段と、を具備したことを特徴とする請求項2に記載の金額変更情報送信装置を提供する。
請求項4に記載の発明では、前記判断手段が、金額変更が行われていないと判断した場合に、前記金額変更情報送信手段は、再度前記貨幣端末に金額変更情報を送信することを特徴とする請求項3に記載の金額変更情報送信装置を提供する。
請求項5に記載の発明では、前記貨幣端末との処理内容を記録したログデータを生成するログデータ生成手段と、前記生成したログデータを所定のサーバ装置に送信するログデータ送信手段と、を具備し、前記ログデータ生成手段は、前記判断手段で判断を行った場合は、判断結果を前記ログデータに記録することを特徴とする請求項3、又は請求項4に記載の金額変更情報送信装置を提供する。
請求項6に記載の発明では、前記金額変更情報に係る金額と、前記貨幣端末から金額を変更した旨の通知を受けたか受けなかったかの区別と、を記録したログデータを生成して所定のサーバに送信する第1のログデータ送信手段と、前記生成したログデータに対応させて、前記判断手段で判断を行った場合の判断結果を記録した確認ログデータを生成して所定のサーバに送信する第2のログデータ送信手段と、を具備したことを特徴とする請求項3、又は請求項4に記載の金額変更情報送信装置を提供する。
請求項7に記載の発明では、前記第2のログデータ送信手段が前記確認ログデータを送信する所定のサーバは、複数の確認ログデータを1つの確認ログデータに集約して、前記第1のログデータ送信手段の送信先である所定のサーバに送信する集約サーバであることを特徴とする請求項6に記載の金額変更情報送信装置を提供する。
請求項8に記載の発明では、請求項6、又は請求項7に記載の金額変更情報送信装置が生成したログデータを受信する第1のログデータ受信手段と、当該金額変更情報送信装置が生成した確認ログデータを受信する第2のログデータ受信手段と、前記受信したログデータが、前記貨幣端末から金額を変更した旨の通知を受けなかったものであった場合、前記受信した確認ログデータから当該ログデータに対応するものを検索する検索手段と、前記検索された確認ログデータに記録された判断結果によって、当該ログデータに関する処理で、前記貨幣端末が金額変更を行ったか否かを確認する確認手段と、を具備したことを特徴とするサーバを提供する。
請求項9に記載の発明では、貨幣価値の金額を電子データとして記憶し、受信した金額変更情報を用いて前記記憶した貨幣価値の金額を変更する貨幣端末に対し、金額変更情報を送信する金額変更情報送信装置が行う金額変更情報送信方法であって、前記金額変更情報送信装置は、金額変更情報生成手段と、第1の残高取得手段と、金額変更情報送信手段と、通知受信手段と、第2の残高取得手段と、を備え、前記金額変更情報生成手段によって、変更に係る金額を取得して金額変更情報を生成する金額変更情報生成ステップと、前記第1の残高取得手段によって、金額変更情報を送信する前の残高を前記貨幣端末から取得する第1の残高取得ステップと、前記金額変更情報送信手段によって、前記貨幣端末に前記生成した金額変更情報を送信する金額変更情報送信ステップと、前記通知受信手段によって、前記貨幣端末から前記送信した金額変更情報によって金額を変更した旨の通知を受ける通知受信ステップと、前記第2の残高取得手段によって、前記通知を受信しなかった場合に、前記貨幣端末から現在の残高を取得する第2の残高取得ステップと、から構成されたことを特徴とする金額変更情報送信方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、金額変更情報送信前の残高と送信後の残高を取得することにより、貨幣端末に金額変更情報を送信した後に応答が無い場合に、貨幣端末が金額変更処理を行ったか否かを確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】電子マネーシステムのネットワーク構成を説明するための図である。
【図2】電子マネーカードのハードウェア的な構成を説明するための図である。
【図3】電子マネーカードの機能的な構成を説明するための図である。
【図4】携帯電話の機能的な構成を説明するための図である。
【図5】電子マネー端末のハードウェア的な構成を説明するための図である。
【図6】電子マネーサーバのハードウェア的な構成を説明するための図である。
【図7】利用ログデータの論理的な構成を説明するための図である。
【図8】電子マネー端末と電子マネーカードが行う決済処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】電子マネー端末が電子マネーサーバに利用ログデータを送信する手順を説明するためのフローチャートである。
【図10】電子マネーサーバが集計処理を行う手順を説明するためのフローチャートである。
【図11】変形例に係る電子マネーシステムのネットワーク構成を説明するための図である。
【図12】変形例において、電子マネー端末が電子マネーサーバに各種ログデータを送信する手順を説明するためのフローチャートである。
【図13】変形例において、電子マネーサーバが集計処理を行う手順を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(1)実施の形態の概要
電子マネー端末8(図1)は、電子マネーカード6と近距離の無線回線を確立し、電子マネーカード6から現在の(即ち、金額変更情報送信前の)バリュー残高を読み出して記憶する。その後に、電子マネー端末8は、電子マネーカード6に金額変更情報を送信する。
電子マネーカード6は、電子マネー端末8から金額変更情報を受信して、これに基づいてバリュー残高を増減し、金額変更情報を実行した旨の応答を電子マネー端末8に対して行う。
【0013】
電子マネー端末8は、所定時間、電子マネーカード6から応答を待ち、応答があった場合は、電子マネーカード6でバリュー残高が更新されたと認識して処理が成功した旨の利用ログデータを生成する。
所定時間待っても応答がない場合、電子マネー端末8は、金額変更情報を再度送信し、リトライを行う。リトライによって電子マネーカード6から応答があった場合、電子マネー端末8は、電子マネーカード6でバリュー残高が更新されたと認識して処理が成功した旨の利用ログデータを生成する。
【0014】
リトライに対しても応答が無い場合、電子マネー端末8は、電子マネーカード6の現在のバリュー残高(即ち、金額変更情報送信後のバリュー残高)を強制的に読み出す。
電子マネー端末8は、このバリュー残高を、金額変更情報送信前に読み取ったバリュー残高と比較し、バリュー残高の大小関係が正しい場合は(即ち、決済の場合は、金額変更情報送信前残高>現在残高、チャージの場合は逆)、電子マネーカード6でバリュー残高が更新されたと認識して処理が成功した旨の利用ログデータを生成する。
一方、両者が同じ場合、電子マネー端末8は、電子マネーカード6で金額変更情報が実行されなかったと判断し、処理が不成功であった旨の利用ログデータを生成する。
【0015】
このようにして電子マネー端末8で生成された利用ログデータは、電子マネーサーバ2で集計処理される。
電子マネーサーバ2は、利用ログデータのうち、電子マネーカード6で金額変更処理の実行が成功したものは資金決済対象とし、不成功であったものは、資金決済対象外とする。
【0016】
以上のようにして、電子マネー端末8は、電子マネーカード6に金額変更情報を送信した後に電子マネーカード6から応答が無い場合でも、金額変更情報送信前後のバリュー残高を比較することにより、電子マネーカード6が金額変更情報を実行したか否かを確認することができる。
【0017】
(2)実施の形態の詳細
図1は、電子マネーシステム1のネットワーク構成を示した図である。
電子マネーシステム1は、電子マネーカード6、携帯電話7、電子マネーサーバ2、電子マネー端末8などから構成されており、電子マネー端末8と電子マネーサーバ2はネットワークにて接続可能となっている。
【0018】
電子マネーカード6は、非接触型ICチップを内蔵しており、近距離の無線通信によって電子マネー端末8と接続することができる。具体的には、後述の電子マネー端末8のリーダライタ部に電子マネーカード6を置いたり、かざしたりなどする。
なお、ICチップを接触型とし、電極の接触により電子マネー端末8と接続するように構成してもよい。
このICチップには、電子マネー機能が組み込んであり、この機能により、電子マネーカード6は、電子マネー端末8から金額変更情報を受信して、記憶しているバリューの金額を増額したり(チャージの場合)、減額(決済の場合)したりすることができる。
【0019】
ここで、バリューとは、電子マネーシステム1において貨幣価値と対応させた電子データであって、金額を属性として持ち、この金額の増減により通貨と同様の交換価値の移動を生じさせるものである。
なお、バリューの概念には、通貨に限定されず、例えば、ポイントなどの物やサービスと交換可能な交換価値も含めることができる。
【0020】
チャージの際には、バリューに対応する金額の通貨が現金やクレジットなどによりユーザから徴収され、これがバリューで決済を行った加盟店に決済金額に応じて分配されることによりバリューと通貨との対応が図られている。
このように、電子マネーカード6に内蔵されたICチップは、電子マネー端末8などと通信する端末であって、貨幣価値の金額を電子データとして記憶し、受信した金額変更情報を用いて当該記憶した貨幣価値の金額を変更する貨幣端末として機能している。
【0021】
携帯電話7は、電子マネーカード6と同様のICチップを内蔵する携帯端末であって、電子マネーカードとしての機能を有している。
携帯電話7は、電子マネーカード6と同様に電子マネー端末8と近距離の無線通信を行い、金額変更情報を受信してチャージや決済を行うほか、インターネットなどのネットワークを経由して電子マネーサーバ2から金額変更情報を受信してチャージや決済を行うこともできる。
なお、携帯電話7の他に、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末にICチップを実装して電子マネーカード6と同様に使用することもできる。
以下では、電子マネーカード6を用いて説明するが、携帯電話7などに対しても同様な説明が成り立つ。
【0022】
加盟店は、電子マネーカード6や携帯電話7によってバリューでの決済やチャージが可能な店舗(コンビニエンスストア、デパート、レストラン、自動販売機、その他の小売店舗、営業車両、その他の移動体など)であり、会計箇所に単数、又は複数の電子マネー端末8を備えている。
【0023】
電子マネー端末8は、電子マネーカード6のICチップに近距離の無線にてアクセスする端末であり、例えば、単独で設置されていたり、あるいは、会計装置(キャッシュレジスタ)などに組み込まれて設置されている。
あるいは、チャージ専用の電子マネー端末8を商業施設の広場に設置したり、自動販売機に決済専用の電子マネー端末8を組み込んで自動販売機での決済に用いたりなどの設置形態もある。
電子マネー端末8は、電子マネーカード6にアクセスして金額変更情報を送信し、チャージや決済を行わせることができる。このように、電子マネー端末8は貨幣端末(ICチップ)に対し、金額変更情報を送信する金額変更情報送信装置として機能している。
【0024】
電子マネー端末8は、電子マネーカード6に金額変更情報を送信してバリュー残高を増減させた際に、電子マネーカード6との処理内容を記録した利用ログデータを生成する。
電子マネー端末8は、生成した利用ログデータを記憶しておき、例えば、1日に1回程度、バッチ処理にて電子マネーサーバ2に送信する。
【0025】
電子マネー端末8は、電子マネーカード6に金額変更情報を送信した場合、電子マネーカード6から送信されてくる応答を受信することにより、電子マネーカード6で金額変更情報が実行されたことを確認するが、電子マネーカード6から応答が無かった場合、電子マネー端末8は、電子マネーカード6の現在のバリュー残高を読み取る。
【0026】
なお、このようにバリュー残高を確認する場合、電子マネー端末8が、例えば、表示や音声などにより残高を確認する旨を担当者に通知するように構成することもできる。
金額変更処理が不成功であった場合、顧客は、金額変更処理が成功したものと思って電子マネーカード6をリーダライタ部39から離したり、あるいは、装置の不調と思って電子マネーカード6をリーダライタ部39にかざし直したりすることも考えられるため、このように担当者に通知を行うように構成すると、担当者から顧客に説明や指示を行って、電子マネーカード6をリーダライタ部39に設置させることができる。
【0027】
電子マネー端末8は、金額変更情報送信前に、予め電子マネーカード6の処理前のバリュー残高を読み出して記憶しており、現在のバリュー残高を処理前のバリュー残高と比較することにより、電子マネーカード6で金額変更情報が実行されたか否かを確認し、その確認結果を利用ログデータに取引有効フラグとして記録する。
金額変更情報が実行されていた場合、取引有効フラグは「有効」に設定され、実行されていなかった場合は「無効」に設定される。
【0028】
電子マネーセンタは、電子マネーシステム1の運営事業体であって、電子マネーサーバ2などを用いて電子マネーシステム1の管理を行っている。
電子マネーサーバ2は、ネットワークにより電子マネー端末8、8、8、…に接続されており、電子マネー端末8から利用ログデータを送信してもらい、これらを記憶して加盟店ごとに集計処理を行う。
【0029】
電子マネーサーバ2は、この集計処理を、取引有効フラグが「有効」に設定されている利用ログデータを用いて行い、各加盟店ごとに、チャージした金額を合計すると共に、バリューで決済した金額を合計する。一方、取引有効フラグが「無効」に設定されている利用ログデータは電子マネーサーバ2によって資金決済対象外とされる。
加盟店がチャージした金額は、加盟店から電子マネーセンタへ資金決済され、決済した金額は、電子マネーセンタから加盟店へ資金決済される。
【0030】
このように、電子マネーサーバ2は、取引有効フラグが「有効」である利用ログデータは、電子マネーカード6でバリュー残高の金額変更が行われているため資金決済対象に含めるが、取引有効フラグが「無効」であるものは電子マネーカード6でバリュー残高の金額変更が行われていないため、資金決済対象には含めない。
【0031】
図2は、電子マネーカード6のハードウェア的な構成の一例を示したブロック図である。
電子マネーカード6は、CPU(Central Processing Unit)21、高周波回路22、アンテナ26、ROM(Read Only Memory)23、RAM(Random Access Memory)24、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)25などを有している。
これらの素子は、ICチップ上に形成されている。ただし、アンテナ26は、電子マネーカード6内部の外縁部付近、又は電子マネーカード6の対角線を軸とする楕円曲線上に張り巡らされた空中線により構成され、端部がICチップに接続されている。
【0032】
CPU21は、ROM23やEEPROM25に記憶されている各種プログラムに従って情報処理を行う中央処理装置である。
また、CPU21は、アンテナ26、高周波回路22を介して、電子マネー端末8と近距離の無線通信を行うことができる。
【0033】
アンテナ26は、電子マネー端末8などのリーダライタ部に内蔵されたアンテナと電波による送受信を行うためのアンテナである。
また、アンテナ26は、リーダライタ部からの電波によりICチップを駆動するための電力を発電する。
【0034】
高周波回路22は、リーダライタ部からアンテナ26に送信されてきた高周波をデジタル信号に変換してCPU21に出力したり、逆にCPU21が出力したデジタル信号を高周波に変換してアンテナ26からリーダライタ部に送出する。
【0035】
RAM24は、CPU21が情報処理を行う際のワーキングメモリを提供する随時書き込み読み出し可能なメモリである。
RAM24は、電子マネーカード6に電力が供給されている間、記憶内容を保持することができるが、電力の供給が止まると記憶内容は失われる。RAM24は、CPU21が金額変更処理などを行う際に使用するメモリを提供する。
ROM23は、電子マネーカード6を機能させるための基本的なプログラムやパラメータ、データなどを記憶した読み出し専用メモリである。
【0036】
EEPROM25は、情報を書き込んだり消去したりが可能なROMである。EEPROM25に記憶してある情報は、電子マネーカード6への電力の供給がない場合でも保たれる。
EEPROM25には、電子マネーカード6に電子マネーカードとしての機能を発揮させるための電子マネープログラムが記憶されているほか、バリュー残高や電子マネー機能部ID(後述)などの各種データを格納する電子マネー記憶部29が形成されている。
【0037】
図3は、CPU21で電子マネープログラムを実行した場合に形成される電子マネーカード6の機能的な構成を模式的に表したブロック図である。
EEPROM25に形成された電子マネー記憶部29には、電子マネー機能部ID、バリュー残高、ログデータなどを記憶している。
電子マネー機能部IDは、ICチップの電子マネー機能に一意に付与したID情報であり、電子マネー機能部IDにより、電子マネーサーバ2はICチップ(即ち、当該ICチップが組み込まれた電子マネーカード6や携帯電話7)を特定できる。
【0038】
バリュー残高は、現在記憶しているバリューの残高であり、この残高分だけ決済能力があることになる。
ログデータは、電子マネー端末8や電子マネーサーバ2と通信を行った処理内容を記録したログデータであり、処理日時分秒、チャージ金額、決済金額、処理した電子マネー端末8の端末IDなどから構成されている。
【0039】
端末通信部27は、アンテナ26や高周波回路22などを用いて構成され、電子マネー端末8のリーダライタ部39から金額変更情報やその他のコマンドなどを受信してバリュー処理部28に入力するなど、電子マネー端末8とバリュー処理部28の通信を仲介する。
バリュー処理部28は、各種コマンドを実行する情報処理部である。
コマンドには、金額変更情報(後述の上書きコマンド、加算コマンド、減算コマンドなどで構成されている)、ID参照コマンド、残高参照コマンドなどがある。
【0040】
金額変更情報は、バリュー処理部28に、金額変更情報で指定されている金額分だけ電子マネー記憶部29に記憶されているバリューの残高を増減させ、その処理履歴をログデータに記録させるコマンドであり、次に述べる加算コマンド、減算コマンド、上書きコマンドなどにより構成することができる。
【0041】
加算コマンドは、バリュー処理部28に、電子マネー記憶部29に記憶された金額を加算コマンドに付随するパラメータで指定される金額分だけ増額させるコマンドである。
一方、減算コマンドは、バリュー処理部28に、電子マネー記憶部29に記憶された金額を減算コマンドに付随するパラメータで指定される金額分だけ減額させるコマンドである。
例えば、電子マネー記憶部29に記憶されたバリュー残高が5000円で決済金額が1000円の場合、電子マネー端末8は、1000円を減額する減算コマンドを生成して端末通信部27に送信する。そして、バリュー処理部28がこの減算コマンドを実行して、電子マネー記憶部29に記憶しているバリューの残高を5000円−1000円=4000円に更新する。
バリュー処理部28は、加算コマンドの場合も同様に処理する。
【0042】
上書きコマンドは、バリュー処理部28に、電子マネー記憶部29に記憶された金額を上書きコマンドに付随するパラメータで指定される金額で上書きさせるコマンドである。
金額変更情報として上書きコマンドを使用する場合は、加減算後のバリュー残高は電子マネー端末8が計算し、この金額でバリュー処理部28に電子マネー記憶部29のバリュー残高を上書きさせる。
例えば、電子マネー記憶部29に記憶されたバリュー残高が5000円で決済金額が1000円の場合を考える。
電子マネー端末8は、電子マネーカード6から現在のバリュー残高5000円を読み取り、決済後の残高5000円−1000円=4000円を計算する。そして、電子マネー端末8は、バリューの残高を4000円に上書きさせる上書きコマンドを生成して端末通信部27に送信する。そして、バリュー処理部28がこの上書きコマンドを実行して、電子マネー記憶部29が記憶しているバリューの残高を4000円に更新する。
【0043】
電子マネー端末8は、以上に説明した加減算コマンドを用いるように構成してもよいし、又は上書きコマンドを用いるよう構成してもよい。
あるいは、加減算コマンドと上書きコマンドを組み合わせることも可能である。
例えば、チャージには加算コマンドを用い、決済には上書きコマンドを用いたり、あるいはチャージに上書きコマンドを用い、決済には減算コマンドを用いることができる。
このように、バリュー処理部28は、端末通信部27などを介して金額変更情報送信装置(電子マネー端末8や電子マネーサーバ2)から金額変更情報を受信する金額変更情報受信手段として機能し、また、受信した金額変更情報を用いて電子マネー記憶部29に記憶した金額を変更する金額変更手段として機能している。
【0044】
ID参照コマンドは、バリュー処理部28に電子マネー機能部IDを読み出させるコマンドであり、バリュー処理部28は、ID参照コマンドが入力されると、電子マネー記憶部29から電子マネー機能部IDを読み出して出力する。
残高参照コマンドは、バリュー処理部28にバリュー残高を読み出させるコマンドであり、バリュー処理部28は残高参照コマンドが入力されると電子マネー記憶部29からバリュー残高を読み出して出力する。
【0045】
図4は、携帯電話7の機能的な構成の一例を示した概念図である。
携帯電話7は、電話機能部10とICチップ12を備えており、両者はインターフェース部11によって接続している。
ICチップ12は、電子マネーカード6に組み込まれているICチップと同様のICチップであり、電子マネー機能を実現することができる。
なお、図4では、ICチップ12で電子マネープログラムを実行し、ICチップ12に電子マネー機能部が形成されている場合を示している。
【0046】
電話機能部10は、通話を行う通話モードとアプリケーションモードを有しており、ユーザの操作により切り替えることができる。
電話機能部10は、CPUと、各種のアプリケーションプログラムを記憶した記憶部を備えており、アプリケーションモードにてこれらのアプリケーションプログラムをCPUで実行することにより各種のアプリケーション機能を発揮することができる。
【0047】
電子マネーアプリケーション部15は、電話機能部10のCPUで電子マネーアプリケーションプログラムを実行することにより形成される。
電子マネーアプリケーション部15は、電子マネーサーバ2とICチップ12の両方にアクセスすることができ、電子マネーサーバ2とICチップ12の通信を仲介することができる。
このため、携帯電話7は、電子マネーサーバ2から金額変更情報や各種コマンドを受信してICチップ12に入力し、ICチップ12にチャージ、決済などの各機能を行わせることができる。
【0048】
また、電子マネーアプリケーション部15は、ICチップ12に記憶されているバリューの残高を携帯電話7のディスプレイに表示したり、あるいは、ICチップ12に固有のID情報である電子マネー機能部IDをICチップ12から読み出してディスプレイに表示したりなど、ユーザ向けの各種機能を発揮することができる。
【0049】
ICチップ12は、インターフェース部11によって電子マネーアプリケーション部15と接続している。
ICチップ12には、電子マネーカード6と同様に、ICチップ内で、EEPROMに記憶された電子マネープログラムをCPUが実行することにより、端末通信部16、バリュー処理部17、電子マネー記憶部18などが形成される。これらの機能は、図3の電子マネーカード6の場合と同様である。
【0050】
バリュー処理部17は、端末通信部16を介して電子マネー端末8と通信し、電子マネーカード6と同様の情報処理(チャージ、決済など)を行うほか、電子マネーアプリケーション部15を介して電子マネーサーバ2と通信して同様の情報処理を行うことができる。
電子マネー記憶部18は、電子マネー機能部ID、バリュー残高、ログデータなどを記憶している。
【0051】
図5は、電子マネー端末8のハードウェア的な構成の一例を示した図である。
電子マネー端末8は、CPU31、ROM33、RAM34、通信制御部35、記憶部36、入力部37、出力部38、リーダライタ部39などがバスラインで接続されて構成されている。
【0052】
CPU31は、所定のプログラムに従って情報処理を行うほか、電子マネー端末8全体の制御などを行う。
本実施の形態では、CPU31は、金額変更情報を電子マネーカード6に送信してチャージや決済を行わせて利用ログデータを生成するほか、電子マネーカード6から応答が無かった場合に、リトライを行ったり、現在バリュー残高を電子マネーカード6から読み出して金額変更処理が電子マネーカード6で実行されたか否かの確認処理を行う。
【0053】
ROM33は、電子マネー端末8を動作させるための基本的なプログラムやパラメータなどを記憶した読み出し専用メモリである。
RAM34は、CPU31のワーキングメモリを提供したり、記憶部36に記憶されたプログラムやデータをロードして記憶したりなどする随時書き込み読み出し可能なメモリである。
【0054】
通信制御部35は、ネットワークを介して電子マネー端末8を電子マネーサーバ2に接続する接続装置である。
記憶部36は、例えばハードディスクやその他の記憶媒体と、これらを駆動する駆動装置から構成されており、各種プログラムを格納したプログラム格納部42、データを格納したデータ格納部44などから構成されている。
【0055】
プログラム格納部42には、電子マネー端末8を機能させるための基本的なプログラムであるOSや、電子マネーカード6にアクセスしてチャージや決済を行わせたり、応答が無かった場合に、リトライやバリュー残高参照による確認処理を行うためのプログラムなどが記憶されている。
データ格納部44には、電子マネーカード6との取引履歴である利用ログデータなどを記憶している。この利用ログデータは、バッチ処理にて電子マネーサーバ2に送信される。
【0056】
入力部37は、例えば、キーボード、バーコードリーダなどの入力装置を備えており、商品コードや決済金額、チャージ金額などが入力できるようになっている。
出力部38は、例えば、液晶表示装置やプリンタなどに接続されており、顧客や加盟店の担当者に情報を提示するようになっている。
リーダライタ部39は、アンテナを内蔵しており、電子マネーカード6のICチップと無線通信を行う。
【0057】
図6は、電子マネーサーバ2のハードウェア的な構成の一例を示した図である。
電子マネーサーバ2は、CPU51、ROM52、RAM54、通信制御部53、記憶部55などがバスラインで接続されて構成されている。
CPU51は、所定のプログラムに従って各種の情報処理を行う中央処理装置である。本実施の形態では、電子マネー端末8から利用ログデータを受信して集計処理を行う。
【0058】
ROM52は、読み出し専用のメモリであり、電子マネーサーバ2を動作させるための基本的なプログラムやパラメータなどが記憶されている。
RAM54は、読み書き可能なメモリであって、CPU51のワーキングメモリを提供したり、記憶部55に記憶されたプログラムやデータをロードして記憶したりなどする。
通信制御部53は、電子マネー端末8と通信するための制御部である。
【0059】
記憶部55は、例えばハードディスクなどの大容量の記憶装置を用いて構成されており、各種プログラムを格納したプログラム格納部56、データを格納したデータ格納部57などから構成されている。
プログラム格納部56には、電子マネーサーバ2を機能させるための基本的なプログラムであるOSや、利用ログデータや確認ログデータを解析して集計するためのプログラム、その他のプログラムが格納されている。
データ格納部57には、加盟店の情報を記憶した加盟店データベース、電子マネーカード6との利用ログデータを記憶した取引データベースなどが格納されている。
【0060】
図7は、利用ログデータの論理的な構成の1例を示した図である。
利用ログデータは、「電子マネー機能部ID」、「取引金額」、「取引日時分秒」、「加盟店ID」、「取引有効フラグ」、その他の項目から構成されている。
「電子マネー機能部ID」には、電子マネー端末8が処理を行った電子マネーカード6の電子マネー機能部IDが記録される。
「取引金額」には、決済・チャージの別と、決済又はチャージを行った金額が記録される。
【0061】
「取引日時分秒」には、電子マネー端末8が電子マネーカード6と処理を行った年月日時分秒が記録される。
「加盟店ID」には、電子マネー端末8が設置されている加盟店のID情報である加盟店IDが記録される。
【0062】
「取引有効フラグ」は、電子マネーカード6で金額変更処理が成功したか否かがフラグ情報として記録される。電子マネーカード6で金額変更情報による処理が行われていた場合はフラグとして「有効」が記録され、金額変更情報による処理が行われていなかった場合は「無効」が記録される。
【0063】
なお、リトライ不成功後のバリュー残高読み出し時にユーザが電子マネーカード6をリーダライタ部39から持ち去ったり、あるいは、落雷などによって電子マネーカード6が故障したりなど特殊な異常事態が発生した場合には、バリュー残高の確認が行えないことがある。
このような例外的な場合には、取引有効フラグとして「例外」を記録し、電子マネーセンタが個別に対処する。
【0064】
利用ログデータには、その他の項目として、例えば、処理を行った電子マネー端末8のID情報である「端末ID」、ICチップに固有のID情報であるICチップID、電子マネー端末8の取引通番である「端末取引通番」などを記録することもできる。
【0065】
次に、図8のフローチャートを用いて電子マネーカード6と電子マネー端末8が行う決済処理について説明する。
なお、以下の処理は、電子マネーカード6のCPU21と、電子マネー端末8のCPU31が協働して行うものである。
また、チャージ処理も同様の手順で行うことができる。
【0066】
まず、顧客は、リーダライタ部39に電子マネーカード6を置き、加盟店の担当者は、電子マネー端末8に決済金額を入力する。
電子マネー端末8は、リーダライタ部39に電子マネーカード6が置かれると、これを検知して電子マネーカード6との通信を開始し、フローチャートに図示しないが、電子マネーカード6にID参照コマンドを送信して、電子マネーカード6に電子マネー機能部IDの送信を要求する。
電子マネーカード6は、ID参照コマンドを受信してこれを実行し、電子マネー記憶部29から電子マネー機能部IDを読み取って電子マネー端末8に送信する。
そして、電子マネー端末8は、電子マネーカード6から電子マネー機能部IDを受信してRAM34(図5)などに記憶する。
【0067】
次に、電子マネー端末8は、電子マネーカード6に残高参照コマンドを送信して、電子マネーカード6の現在のバリュー残高(即ち、金額変更処理前のバリュー残高)を電子マネーカード6に要求する(ステップ5)。
【0068】
電子マネーカード6は、残高参照コマンドを受信してこれを実行し、電子マネー記憶部29から現在のバリュー残高を読み取って、電子マネー端末8に送信する(ステップ10)。
電子マネー端末8は、電子マネーカード6からバリュー残高を受信し、これをRAM34などに記憶する(ステップ15)。
このように、電子マネー端末8は、金額変更情報を送信する前の残高を、貨幣端末から取得する第1の残高取得手段を備えている。
次に、電子マネー端末8は、決済金額分のバリューを減額する金額変更情報を生成して電子マネーカード6に送信する(ステップ20)。
このように、電子マネー端末8は、変更に係る金額を取得して金額変更情報を生成する金額変更情報生成手段と、貨幣端末にこの金額変更情報を送信する金額変更情報送信手段と、を備えている。
【0069】
電子マネーカード6は、電子マネー端末8から金額変更情報を受信し、これを用いて電子マネー記憶部29に記憶されているバリュー残高を決済金額分だけ減額してこれを更新する。
電子マネーカード6は、バリュー残高の更新が成功すると、所定の通知を電子マネー端末8に送信することにより、金額変更処理が完了した旨の応答を電子マネー端末8に対して行うことになっており、金額変更処理が完了した場合は電子マネー端末8に所定の通知を送信して応答を行う(ステップ25)。
【0070】
電子マネー端末8は、電子マネーカード6に金額変更情報を送信した後、所定時間の間、電子マネーカード6からの応答を待つ。
電子マネー端末8は、所定時間内に電子マネーカード6から応答があった場合(即ち、所定の通知を電子マネーカード6から受信した場合)、電子マネーカード6で金額変更処理が成功したと判断する(ステップ30;Y)。そして、電子マネー端末8は、取引有効フラグを「有効」として利用ログデータを生成し(ステップ35)、データ格納部44に記憶する。
このように、電子マネー端末8は、貨幣端末から金額変更情報によって金額を変更した旨の通知を受ける通知受信手段を備えている。
【0071】
所定時間内に電子マネーカード6から応答が無かった場合、電子マネー端末8は、電子マネーカード6に金額変更情報を再度送信してリトライを行う。
リトライによっても電子マネーカード6から応答が無かった場合、電子マネー端末8は、電子マネーカード6で金額変更処理が行われたか否かが不明な状態と認識する(ステップ30;N)。
なお、リトライは、複数回行うように構成することもできるし、あるいはリトライを行わないように構成することもできる。
【0072】
このように、電子マネー端末8は、電子マネーカード6で金額変更処理が行われたか否かが不明であると認識すると、電子マネーカード6に残高参照コマンドを送信し、電子マネーカード6に現在のバリュー残高の通知を要求する(ステップ40)。
この際に、電子マネー端末8は、表示や音声などにより、バリュー残高の確認をする旨を担当者などに通知することもできる。
このように、電子マネー端末8は、電子マネーカード6から応答が無かった場合(所定の通知を受信しなかった場合)、貨幣端末から現在の残高を取得する第2の残高取得手段を備えている。
電子マネーカード6は、電子マネー端末8から残高参照コマンドを受信してこれを実行し、電子マネー記憶部29からバリュー残高を読み取って電子マネー端末8に送信する(ステップ45)。
【0073】
電子マネー端末8は、電子マネーカード6から現在のバリュー残高を受信し、ステップ15で記憶した処理前のバリュー残高と比較する。
比較の結果、現在のバリュー残高が、ステップ15で記憶しておいたバリュー残高よりも少ない場合、電子マネー端末8は、電子マネーカード6で減額による金額変更処理が成功したと判断する。
一方、現在のバリュー残高とステップ15で記憶しておいたバリュー残高が等しい場合、電子マネー端末8は、電子マネーカード6での金額変更処理が不成功であったと判断する。
このように、電子マネー端末8は、第1の残高取得手段で取得した残高(金額変更情報送信前のバリュー残高)と、第2の残高取得手段で取得した残高(現在のバリュー残高)と、を比較する比較手段と、この比較手段による比較結果から、貨幣端末で金額変更情報による金額変更が行われたか否かを判断する判断手段を備えている。
【0074】
次に、電子マネー端末8は、バリュー残高の確認処理を行った後、利用ログデータを生成してデータ格納部44に記憶する(ステップ50)。
電子マネー端末8は、利用ログデータの取引有効フラグを、金額変更処理が成功していた場合は「有効」に設定し、不成功であった場合は「無効」に設定する。
また、例えば、ユーザが電子マネーカード6を持ち去ってしまったりなどしてバリュー残高の確認ができなかった場合は「例外」に設定する。
【0075】
以上のようにして、電子マネー端末8は、金額変更情報送信前のバリュー残高と金額変更情報送信後のバリュー残高を比較することにより、電子マネーカード6で金額変更処理が行われたか否かを確認することができる。
なお、上記の例では、金額変更処理が不成功であった場合は、取引有効フラグを「無効」とする利用ログデータを生成して処理を終了したが、金額変更処理が不成功であったことを確認した場合に更にリトライを行うように構成することもできる。
このように、電子マネー端末8は、判断手段が、金額変更が行われていないと判断した場合に、金額変更情報送信手段は、再度貨幣端末に金額変更情報を送信するように(即ち、リトライするように)構成することもできる。
【0076】
また、現在のバリュー残高と記憶しておいたバリュー残高の大小関係だけでなく、金額の差額の確認を行うように構成することもできる。
この場合、電子マネー端末8は、現在のバリュー残高が、ステップ15で記憶したバリュー残高から決済した金額を減算したものと等しいか否かを確認し、等しい場合は、金額変更処理が成功したものと認識し、等しくない場合は、不成功であったと認識する。
【0077】
以上の例は決済の場合であったが、電子マネー端末8と電子マネーカード6は、チャージの場合も同様にして処理を行う。
チャージの場合は、ステップ15で記憶した処理前のバリュー残高と、現在のバリュー残高の比較を行う際には、現在のバリュー残高が、ステップ15で記憶しておいたバリュー残高よりも多い場合、電子マネー端末8は、電子マネーカード6で増額による金額変更処理が成されたと判断し、これらが等しい場合は、金額変更情報による金額変更処理が不成功であったと判断する。
【0078】
図9は、電子マネー端末8が電子マネーサーバ2に利用ログデータを送信する手順を説明するためのフローチャートである。
電子マネー端末8は、1日に1回程度、所定の時刻となると、電子マネーサーバ2に通信回線を接続する。そして、前回送信してから今回までにデータ格納部44に蓄積してあった利用ログデータを電子マネーサーバ2に送信する(ステップ55)。
電子マネーサーバ2は、電子マネー端末8から利用ログデータを受信してデータ格納部57に記憶する(ステップ60)。
以上のようにして、電子マネーサーバ2は、データ格納部57に利用ログデータを一定期間(例えば、1ヶ月)蓄積した後、加盟店ごとのチャージ金額の総額と決済金額の総額を集計処理する(ステップ75)。
【0079】
図10は、図9のステップ75で電子マネーサーバ2が集計処理を行う手順を説明するためのフローチャートである。
電子マネーサーバ2は、以下の処理を加盟店ごとに行う。
まず、電子マネーサーバ2は、集計対象となる加盟店の加盟店IDを用いてデータ格納部57から当該加盟店の利用ログデータを読み込む(ステップ95)。
【0080】
そして、電子マネーサーバ2は、読み込んだ利用ログデータの取引有効フラグを確認する(ステップ100)。
電子マネーサーバ2は、取引有効フラグが「有効」であった場合(ステップ100;有効)、当該利用ログデータを資金決済対象として集計する(ステップ105)。
また、取引有効フラグが「無効」であった場合(ステップ100;無効)、電子マネーサーバ2は、当該利用ログデータを資金決済対象外として処理する(ステップ110)。
【0081】
更に、取引有効フラグが「例外」であった場合(ステップ100;例外)、電子マネーサーバ2は、当該利用ログデータを例外用のディレクトリに分類するなどの例外処理を行う(ステップ115)。
このディレクトリに分類された利用ログデータは、例えば、電子マネーセンタの担当者が個別に対処する。
【0082】
以上のようにして、電子マネーサーバ2は、当該利用ログデータを処理した後、当該加盟店の全ての利用ログデータに関して処理を行ったか否かを確認する(ステップ120)。
まだ、未処理の利用ログデータがある場合(ステップ120;N)、電子マネーサーバ2は、ステップ95に戻って当該利用ログデータを処理する。一方、全ての利用ログデータを処理した場合(ステップ120;Y)、電子マネーサーバ2は、当該加盟店の集計処理を終了する。
【0083】
以上のように説明した本実施の形態により次のような効果を得ることができる。
(1)電子マネー端末8は、金額変更情報送信前後の電子マネーカード6や携帯電話7のバリュー残高を比較することにより、金額変更情報を実行したとの応答が電子マネーカード6や携帯電話7から無かった場合でも、電子マネーカード6や携帯電話7が金額変更情報を実行したか否かを確認することができる。
(2)電子マネー端末8は、電子マネーカード6や携帯電話7から金額変更処理後に応答が無く、利用ログデータが生成できない場合でも、金額変更情報が実行されたか否かを確認し、利用ログデータに記録することができる。
(3)電子マネーサーバ2は、利用ログデータの取引有効フラグを確認することにより、応答がなくても金額変更情報が実行されたものに関しては、資金決済対象とすることができる。
【0084】
(変形例)
次に、本実施の形態の変形例について説明する。
図11は、本変形例に係る電子マネーシステム1の構成を説明するための図である。
本実施の形態の電子マネーシステム1では、各加盟店の本部が運営する本部サーバ60を備えている。本部サーバ60は、電子マネー端末8に組み込まれたPOS部62と共にPOSシステム(Point Of Sales System)を構成しており、各加盟店から売上等の情報を収集している。
【0085】
電子マネー端末8は、POS部62、電子マネーモジュール61、リーダライタ部39などから構成されている。
POS部62は、電子マネーモジュール61に対して、金額変更指示、ID参照指示、残高参照指示などの各種指示を行い、電子マネーモジュール61は、これらの指示に対して金額変更情報、ID参照コマンド、残高参照コマンドなどを生成して、リーダライタ部39を介して電子マネーカード6に送信する。
【0086】
そして、電子マネーモジュール61は、これらのコマンドに対して電子マネーカード6が返してきた、金額変更処理が成功したか否かの応答、電子マネー機能部ID、バリュー残高などをPOS部62に送信する。
即ち、電子マネーモジュール61は、POS部62が電子マネーカード6に対して行う処理の仲介部として機能している。
このように、指示を出すPOS部62とコマンドを生成する電子マネーモジュール61を分離することにより、秘密鍵などのセキュリティに関わる情報を電子マネーモジュール61に密封することができ、システムの安全性を高めることができる。
【0087】
電子マネーモジュール61は、電子マネーカード6との処理について利用ログデータや後述の要確認ログデータを生成して記憶し、所定期間ごとに電子マネーサーバ2に送信するようになっている。
本変形例で生成する利用ログデータは、図7から項目「取引有効フラグ」を除いたものであり、「電子マネー機能部ID」、「取引金額」、「取引日時分秒」、「加盟店ID」、その他の項目から構成されている。
【0088】
また、電子マネーモジュール61は、電子マネーカード6に金額変更情報を送信した後応答が無く、リトライも失敗した場合は、要確認ログデータを生成して電子マネーサーバ2に送信する。
要確認ログデータの内容は、本変形例に係る利用ログデータと同様の内容に加え、要確認である旨の要確認フラグが設定されたものである。
このように、電子マネー端末8は、電子マネーモジュール61において、金額変更情報に係る金額と、電子マネーカード6から金額を変更した旨の通知を受けたか受けなかったかの区別と、を記録したログデータ(利用ログデータと要確認ログデータ)を生成して所定のサーバ(ここでは、電子マネーサーバ2)に送信する第1のログデータ送信手段を備えている。
【0089】
一方、POS部62は、電子マネーモジュール61が電子マネーカード6に金額変更情報を送信した後応答が無く、リトライも失敗した場合、先の実施の形態と同様にして金額変更情報送信前と送信後のバリュー残高を比較し、確認ログデータを生成して記憶する。
確認ログデータの内容は、図7に示した利用ログデータと同様であり、「電子マネー機能部ID」、「取引金額」、「取引日時分秒」、「加盟店ID」、「取引有効フラグ」などの各項目から構成されている。
POS部62は、本部サーバ60に通信回線が接続されているため、確認ログデータを所定期間ごとに本部サーバ60に送信する。
このように、電子マネー端末8は、POS部62において、要確認ログデータに対応させて確認ログデータを生成し、所定のサーバ(ここでは、本部サーバ60)に送信する第2のログデータ送信手段を備えている。
また、POS部62は、所定のサーバとして電子マネーサーバ2に直接確認ログデータを送信するように構成することもできる。
このように、ログデータ(利用ログデータと要確認ログデータ)の送信先である所定のサーバと、確認ログデータの送信先である所定のサーバは、異なるサーバであるように構成することもできるし、同じサーバであるように構成することもできる。
【0090】
このように、電子マネーモジュール61は、要確認ログデータを生成し、確認ログデータは、POS部62が生成するが、電子マネーモジュール61が確認ログデータを生成しないのは、電子マネーモジュール61は、POS部62と電子マネーカード6の仲介部であり、取引が成功したか否かの判断はPOS部62が行うためである。
【0091】
本部サーバ60は、各加盟店のPOS部62から送信されてくる確認ログデータを1つのデータにまとめて所定期間ごとに電子マネーサーバ2に送信する。
このように確認ログデータを1つのデータにまとめることにより、電子マネーサーバ2の負荷を低減することができる。
このように、本部サーバ60は、複数の確認ログデータを1つのログデータに集約する集約サーバとして機能している。
【0092】
ここで、POS部62と電子マネーモジュール61の動作についてより詳細に説明する。
まず、POS部62は、担当者からチャージ金額や決済金額の入力を受け付ける。
すると、POS部62は、電子マネーモジュール61に、電子マネーカード6の現在のバリュー残高を読み取らせる。
そして、POS部62は、この現在のバリュー残高、即ち、金額変更処理情報送信前のバリュー残高を記憶しておく。
【0093】
その後、POS部62は、電子マネーモジュール61に金額変更情報の送信を指令する。
電子マネーカード6から所定時間内に応答があった場合、POS部62は、処理を終了し、電子マネーモジュール61は、利用ログデータを生成する。
【0094】
電子マネーカード6から所定時間内に応答が無かった場合、POS部62は、電子マネーモジュール61にリトライを行わせ、リトライが成功した場合、POS部62は、処理を終了し、電子マネーモジュール61は、利用ログデータを生成する。
リトライが不成功であった場合、POS部62は、電子マネーモジュール61に電子マネーカード6のバリュー残高照会を指令する。
【0095】
この指令により、電子マネーモジュール61は、電子マネーカード6のバリュー残高を読み出してPOS部62に送信すると共に要確認ログデータを生成する。
一方、POS部62は、電子マネーモジュール61から現在のバリュー残高を受信し、金額変更情報送信前のバリュー残高と、現在のバリュー残高を比較する。そして、先の実施の形態と同様にして、電子マネーカード6で金額変更情報が実行されたか否かを確認し、その結果を記録した確認ログデータを生成する。
確認ログデータの取引有効フラグは、金額変更情報の実行が確認できた場合は「有効」に設定され、実行されなかったことが確認できた場合は「無効」に設定され、バリュー残高が確認できなかった場合は「例外」に設定される。
【0096】
以上のようにして生成された利用ログデータと要確認ログデータは電子マネーモジュール61から電子マネーサーバ2に送信され、確認ログデータは本部サーバ60を経由して電子マネーサーバ2に送信される。
なお、POS部62から電子マネーサーバ2に直接確認ログデータを送信するように構成することもできる。
【0097】
図12は、電子マネー端末8が電子マネーサーバ2に各種ログデータを送信する手順を説明するためのフローチャートである。
まず、電子マネー端末8(電子マネーモジュール61)が、電子マネーサーバ2に接続し、利用ログデータと要確認ログデータを電子マネーサーバ2に送信する(ステップ130)。
電子マネーサーバ2は、電子マネー端末8から利用ログデータと要確認ログデータを受信してデータ格納部57に記憶する(ステップ135)。このように電子マネーサーバ2は、第1のログデータ受信手段を備えている。
【0098】
次に、電子マネー端末8(POS部62)が本部サーバ60に確認ログデータを送信し、本部サーバ60がこれを電子マネーサーバ2に送信する(ステップ140)。
電子マネーサーバ2は、本部サーバ60を経由して電子マネー端末8から確認ログデータを受信し、データ格納部57に記憶する(ステップ145)。このように電子マネーサーバ2は、第2のログデータ受信手段を備えている。
そして、電子マネーサーバ2は、データ格納部57に記憶した利用ログデータ、要確認ログデータ、及び確認ログデータを用いて集計処理を行う(ステップ150)。
なお、利用ログデータと要確認ログデータ、及び確認ログデータは何れが先に電子マネーサーバ2に送信されてもよい。
【0099】
図13は、電子マネーサーバ2が集計処理を行う手順を説明するためのフローチャートである。
電子マネーサーバ2は、以下の処理を加盟店ごとに行う。
まず、電子マネーサーバ2は、加盟店IDを用いて処理対象となっている加盟店の利用ログデータをデータ格納部57から読み込み(ステップ180)、これを資金決済対象として集計する(ステップ185)。
そして、電子マネーサーバ2は、当該加盟店についての全ての利用ログデータを処理したか否かを確認し、まだ処理していない利用ログデータがある場合は(ステップ190;N)、ステップ180に戻って当該利用ログデータを集計処理する。
【0100】
全ての利用ログデータを処理した場合(ステップ190;Y)、電子マネーサーバ2は、当該加盟店の要確認ログデータを読み込む(ステップ195)。
次に、電子マネーサーバ2は、読み込んだ要確認ログデータに対応する確認ログデータをデータ格納部57で検索する(ステップ200)。
この検索は、例えば、電子マネー機能部IDと取引日時分秒をキーとして行うことができる。このように電子マネーサーバ2は、検索手段を備えている。
【0101】
電子マネーサーバ2は、検索した確認ログデータの取引有効フラグを確認し、これが「有効」であれば(ステップ205;有効)、当該要確認ログデータを資金決済対象として集計し(ステップ210)、「無効」であれば(ステップ205;無効)、当該要確認ログデータを資金決済対象外として処理する(ステップ215)。
また、取引有効フラグが「例外」であれば(ステップ205;例外)、電子マネーサーバ2は、これを例外用のディレクトリに分類するなどの例外処理を行い(ステップ220)、電子マネーセンタの担当者が個別に対処する。
このように、電子マネーサーバ2は、確認ログデータを用いて要確認ログデータを確認する確認手段を備えている。
【0102】
次に、電子マネーサーバ2は、当該加盟店に関する全ての要確認ログデータを処理したか否かを確認し、まだ処理していない要確認ログデータがある場合は(ステップ225;N)、ステップ195に戻って処理を続行し、全ての要確認ログデータを処理した場合は(ステップ225;Y)、集計処理を終了する。
【0103】
以上のように、POSシステムに確認ログデータ生成機能を備えることにより、電子マネーモジュール61で要確認ログデータが発生した場合も、当該要確認ログデータによる取引が有効であるのか否かを判断することができる。
なお、本実施の形態では、取引有効の確認をPOS部62で行っていたが、これを電子マネーサーバ2で行うように構成することも可能である。
この場合、電子マネーサーバ2は、POS部62から、電子マネー機能部IDと取引日時分秒と金額変更情報送信前と送信後のバリュー残高を送信してもらい、電子マネー機能部IDと取引日時分秒によって要確認ログデータと対応づけ、金額変更情報送信前と送信後のバリュー残高の比較によって、電子マネーカード6で金額変更情報が実行されたか否かを確認する。
【符号の説明】
【0104】
1 電子マネーシステム
2 電子マネーサーバ
6 電子マネーカード
7 携帯電話
8 電子マネー端末
39 リーダライタ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨幣端末と、電子マネー端末と、本部サーバと、電子マネーサーバと、を用いて構成された電子マネーシステムであって、
前記貨幣端末は、貨幣価値の金額を電子データとして記憶し、金額変更情報を用いて前記記憶した貨幣価値の金額を変更し、
前記電子マネー端末は、電子マネーモジュールと、POS部を用いて構成され、前記電子マネーモジュールは、前記貨幣端末に金額変更情報を送信し、当該金額変更情報に係る金額と、前記貨幣端末から金額を変更した旨の通知を受けたか否かの区別と、を含むログデータを生成して前記電子マネーサーバに送信し、前記POS部は、前記電子マネーモジュールが前記通知を受けなかった場合に、前記貨幣端末における金額変更情報送信前後の残高を比較することにより前記貨幣端末が金額を変更したか否かを判断し、当該判断結果を含み、前記ログデータに対応する確認ログデータを生成して前記本部サーバに送信し、
前記本部サーバは、前記POS部から確認ログデータを受信し、受信した複数の確認ログデータを1つの確認ログデータに集約して前記電子マネーサーバに送信し、
前記電子マネーサーバは、前記電子マネーモジュールからログデータを受信し、前記本部サーバから確認ログデータを受信し、前記受信したログデータが、前記貨幣端末から金額を変更した旨の通知を受けなかったものであった場合、前記受信した確認ログデータから当該ログデータに対応するものを検索し、当該検索された確認ログデータに記録された判断結果によって、当該ログデータに関する処理で、前記貨幣端末が金額変更を行ったか否かを確認することを特徴とする電子マネーシステム。
【請求項2】
貨幣価値の金額を電子データとして記憶し、受信した金額変更情報を用いて前記記憶した貨幣価値の金額を変更する貨幣端末に対し、金額変更情報を送信する金額変更情報送信装置であって、
変更に係る金額を取得して金額変更情報を生成する金額変更情報生成手段と、
金額変更情報を送信する前の残高を前記貨幣端末から取得する第1の残高取得手段と、
前記貨幣端末に前記生成した金額変更情報を送信する金額変更情報送信手段と、
前記貨幣端末から前記送信した金額変更情報によって金額を変更した旨の通知を受ける通知受信手段と、
前記通知を受信しなかった場合に、前記貨幣端末から現在の残高を取得する第2の残高取得手段と、
を具備したことを特徴とする金額変更情報送信装置。
【請求項3】
前記第1の残高取得手段で取得した残高と、前記第2の残高取得手段で取得した残高と、を比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果から、前記貨幣端末で前記金額変更情報による金額変更が行われたか否かを判断する判断手段と、を具備したことを特徴とする請求項2に記載の金額変更情報送信装置。
【請求項4】
前記判断手段が、金額変更が行われていないと判断した場合に、前記金額変更情報送信手段は、再度前記貨幣端末に金額変更情報を送信することを特徴とする請求項3に記載の金額変更情報送信装置。
【請求項5】
前記貨幣端末との処理内容を記録したログデータを生成するログデータ生成手段と、
前記生成したログデータを所定のサーバ装置に送信するログデータ送信手段と、を具備し、
前記ログデータ生成手段は、前記判断手段で判断を行った場合は、判断結果を前記ログデータに記録することを特徴とする請求項3、又は請求項4に記載の金額変更情報送信装置。
【請求項6】
前記金額変更情報に係る金額と、前記貨幣端末から金額を変更した旨の通知を受けたか受けなかったかの区別と、を記録したログデータを生成して所定のサーバに送信する第1のログデータ送信手段と、
前記生成したログデータに対応させて、前記判断手段で判断を行った場合の判断結果を記録した確認ログデータを生成して所定のサーバに送信する第2のログデータ送信手段と、
を具備したことを特徴とする請求項3、又は請求項4に記載の金額変更情報送信装置。
【請求項7】
前記第2のログデータ送信手段が前記確認ログデータを送信する所定のサーバは、複数の確認ログデータを1つの確認ログデータに集約して、前記第1のログデータ送信手段の送信先である所定のサーバに送信する集約サーバであることを特徴とする請求項6に記載の金額変更情報送信装置。
【請求項8】
請求項6、又は請求項7に記載の金額変更情報送信装置が生成したログデータを受信する第1のログデータ受信手段と、
当該金額変更情報送信装置が生成した確認ログデータを受信する第2のログデータ受信手段と、
前記受信したログデータが、前記貨幣端末から金額を変更した旨の通知を受けなかったものであった場合、前記受信した確認ログデータから当該ログデータに対応するものを検索する検索手段と、
前記検索された確認ログデータに記録された判断結果によって、当該ログデータに関する処理で、前記貨幣端末が金額変更を行ったか否かを確認する確認手段と、
を具備したことを特徴とするサーバ。
【請求項9】
貨幣価値の金額を電子データとして記憶し、受信した金額変更情報を用いて前記記憶した貨幣価値の金額を変更する貨幣端末に対し、金額変更情報を送信する金額変更情報送信装置が行う金額変更情報送信方法であって、
前記金額変更情報送信装置は、金額変更情報生成手段と、第1の残高取得手段と、金額変更情報送信手段と、通知受信手段と、第2の残高取得手段と、を備え、
前記金額変更情報生成手段によって、変更に係る金額を取得して金額変更情報を生成する金額変更情報生成ステップと、
前記第1の残高取得手段によって、金額変更情報を送信する前の残高を前記貨幣端末から取得する第1の残高取得ステップと、
前記金額変更情報送信手段によって、前記貨幣端末に前記生成した金額変更情報を送信する金額変更情報送信ステップと、
前記通知受信手段によって、前記貨幣端末から前記送信した金額変更情報によって金額を変更した旨の通知を受ける通知受信ステップと、
前記第2の残高取得手段によって、前記通知を受信しなかった場合に、前記貨幣端末から現在の残高を取得する第2の残高取得ステップと、
から構成されたことを特徴とする金額変更情報送信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−16197(P2013−16197A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−211594(P2012−211594)
【出願日】平成24年9月25日(2012.9.25)
【分割の表示】特願2006−336291(P2006−336291)の分割
【原出願日】平成18年12月13日(2006.12.13)
【出願人】(501044116)楽天Edy株式会社 (48)
【Fターム(参考)】