説明

電子マネー管理サーバ、電子マネー決済処理方法および現金払出処理方法

【課題】所望の為替レートでの支払いと、携帯する現金量の軽減とを可能にする共に、外国通貨の各紙幣や各硬貨の額をいちいち判断する手間から支払者を開放することができる電子マネー管理サーバ、電子マネー決済処理方法および現金払出処理方法を提供する。
【解決手段】この管理サーバ300は、ユーザBの電子マネーがユーザBのプリペイドカードのカード識別情報に紐付けて複数の電子マネー口座に記憶されており、口座データ格納部360は、各電子マネー口座にそれぞれ異なる通貨種類の電子マネーを記憶するものである。このように、複数の電子マネー口座にそれぞれ異なる通貨種類の電子マネーが保持されていることから、外国通貨での支払いを行う際に、支払う外国通貨に対応した電子マネー口座の電子マネーを使用することにより、為替変動の影響を受けることなく支払いを行うことが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
店舗や銀行等の商品・サービス提供者の端末と通信回線を介して通信可能であると共に、ユーザが前記端末に対してプリペイドカードを使用するとそのプリペイドカードの電子マネー決済を行う電子マネー管理サーバと、その電子マネー管理サーバを用いた電子マネー決済処理方法および現金払出処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、国内の店舗における商品やサービスに対する対価の支払いは、現金、クレジットカード、デビットカード等により行われている。また、近年では、ICチップが埋め込まれた非接触型のICカードやICチップが埋め込まれた携帯端末などが普及してきており、当該ICカードや携帯端末によって店舗にける支払いが行われる場合も増えてきている。
【0003】
一方、例えば日本国内に住む者が海外を旅行する場合、その海外の店舗における商品やサービスに対する対価の支払いは、自国内で使用しているICカードや携帯端末による支払いが出来ないケースが殆どであることから、主に現金や日本円基準のクレジットカードにより行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−301561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、支払いを現金で支払う場合は、予め日本円を外国通貨に両替しておく必要があり、この両替には銀行や両替商における所定の外貨両替手数料(為替レートを当該手数料の分だけ増加させる場合も含む)が必要である。また、この外貨両替手数料は、急激な為替変動がある場合のリスクを考慮して設定されているので、決してリーズナブルな額ではない。
【0006】
また、クレジットカードにより支払いを行う場合は、外国通貨での支払額が為替レートに応じて日本円に換算され、クレジットカードの所有者はその換算額をカード会社に支払うことになる。ここで、前記為替レートとして、外国での商品等購入時の為替レートや、当該クレジットカードの所定の精算日における為替レートが用いられるが、この基準はカード会社により異なっている。このため、クレジットカードによる支払いを完了した後に為替レートが急激に変動し、当所予定していた額よりもかなり高額の日本円をカード会社に支払うことになる場合もある。このように、クレジットカードで支払いを行う場合は、意図した為替レートで最終的な支払いを行えない場合がある。さらに、前記為替レートには外貨両替手数料が含まれており、銀行や両替商と同様にこの外貨両替手数料は決してリーズナブルな額ではない。
【0007】
また、クレジットカードによる決済を行う場合は、クレジットカードを店舗の店員に渡し、その店員が前記クレジットカードの情報をその店舗の端末に接続されている専用の読取装置に読み取らせる。また、クレジットカードの持ち主は前記読取装置やその附属機器に暗証番号を入力する。店舗端末は、読取装置で読み取ったカード情報と、決済に係る金額と、暗証番号とをそのカードを発行したカード会社に送信し、カード会社によってその支払いの認証を行う。ここで、カード情報や暗証番号が前記店舗端末や前記読取装置に仕込まれた専用の装置等によって盗まれる場合があり、カード情報等が盗まれるとカードの偽造、カードの限度額の範囲内での他人によるカードの使用等の危険がある。このため、クレジットカードの使用を控え、主に現金によって支払いを行う者もいる。
【0008】
しかしながら、外国通貨を現金によって支払うためには、その現金を携帯しなければならない。また、少額である場合はまだ良いが、高額の現金を携帯すことはそもそも好ましいことではないので、主に現金によって支払いを行うことも安全な方法であるとは言い難い。また、旅行中だけ使用する外国通貨は見慣れた自国の通貨と異なり、各紙幣や各硬貨の額を瞬時に判断することが難しいので、各紙幣や各硬貨の額をいちいち判断する必要がないという点ではクレジットカードの方が便利である。
【0009】
また、日本国内に住む者は、国内で現金が必要になった時は、近くの銀行の現金自動預払機(以下、ATMと言う。)に自己の銀行カードを挿入することにより、銀行口座に預けてある現金を引き出すことができる。このため、国内では高額の現金を長時間に亘って携帯する必要性が低くなる。しかしながら、外国には日本の銀行の銀行カードを使用できるATMは殆どないので、クレジットカードに頼るか、現金を主に用いる場合は高額の現金を長時間に亘って携帯する必要が出てくる。
【0010】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、所望の為替レートでの支払いと、携帯する現金量の軽減とを可能にする共に、外国通貨の各紙幣や各硬貨の額をいちいち判断する手間から支払者を開放することができる電子マネー管理サーバ、電子マネー決済処理方法および現金払出処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、この本発明の主要な観点によれば、第1のユーザが有する端末と通信回線を介して通信可能であり、前記端末から送信される第2のユーザのプリペイドカードのカード識別情報およびこのプリペイドカードによる支払情報に基づき前記第2のユーザと前記第1のユーザとの間の電子マネー決済を処理する電子マネー管理サーバであって、この電子マネー管理サーバは、前記第2のユーザの情報と、前記カード識別情報と、前記プリペイドカードの有効期限とを紐付けて格納している契約マスタと、前記第2のユーザの電子マネーを前記カード識別情報に紐付けて複数の電子マネー口座に記憶する口座データ記憶部であって、各電子マネー口座にそれぞれ異なる通貨種類の電子マネーを記憶するものである前記口座データ記憶部と、前記端末が送信する前記カード識別情報を受信し、前記契約マスタに基づき認証を行う認証手段と、前記端末が前記支払情報として送信する通貨種類と支払額とを受信し、前記カード識別情報に紐付けられて前記口座データ記憶部に記憶されている前記通貨種類の電子マネー口座に前記支払額を支払うための残額があるか否かを判断する残額判断手段と、前記端末から前記カード識別情報および前記支払情報を受信する際に、前記端末からこの電子マネー管理サーバへの前記カード識別情報および前記支払情報の送信を中継する中継サーバ又は前記端末から、前記認証結果および前記残額があるか否かの判断結果の送信要求を受信すると、前記中継サーバ又は前記端末に前記認証結果および前記判断結果を前記中継サーバ又は前記端末に送信すると共に、前記通貨種類の電子マネー口座中の前記支払額に対応する額の電子マネーを当該支払い用にホールドするホールド手段と、前記中継サーバ又は前記端末から前記支払情報に紐付けられた決済要求および決済額を受信すると、当該決済額と前記ホールド手段によって前記支払い用にホールドされた前記電子マネー口座中の電子マネーの額とが一致しているか否かを判断し、一致している場合に前記通貨種類の電子マネー口座中の電子マネーの残額を前記決済額の分だけ減額する決済手段とを有することを特徴とする電子マネー管理サーバが提供される。
【0012】
この本発明の他の主要な観点によれば、第1のユーザが有する端末と通信回線を介して通信可能な電子マネー管理サーバを用いて、前記端末から前記電子マネー管理サーバに送信される第2のユーザのプリペイドカードのカード識別情報およびこのプリペイドカードによる支払情報に基づき、前記第2のユーザと前記第1のユーザとの間の電子マネー決済を処理する電子マネー決済処理方法であって、前記電子マネー管理サーバは、前記第2のユーザの情報と、前記カード識別情報と、前記プリペイドカードの有効期限とを紐付けて格納している契約マスタと、前記第2のユーザの電子マネーを前記カード識別情報に紐付けて複数の電子マネー口座に記憶する口座データ記憶部であって、各電子マネー口座にそれぞれ異なる通貨種類の電子マネーを記憶するものである前記口座データ記憶部とを有するものであり、この方法は、前記電子マネー管理サーバが、前記端末が送信する前記カード識別情報を受信し、前記契約マスタに基づき認証を行う認証工程と、前記端末が前記支払情報として送信する通貨種類と支払額を受信し、前記カード識別情報に紐付けられて前記口座データ記憶部に記憶されている前記通貨種類の電子マネー口座に前記支払額を支払うための残額があるか否かを判断する残額判断工程と、前記端末から前記カード識別情報および前記支払情報を受信する際に、前記端末からこの電子マネー管理サーバへの前記カード識別情報および前記支払情報の送信を中継する中継サーバ又は前記端末から、前記認証結果および前記残額があるか否かの判断結果の送信要求を受信すると、前記中継サーバ又は前記端末に前記認証結果および前記判断結果を前記中継サーバ又は前記端末に送信すると共に、前記通貨種類の電子マネー口座中の前記支払額に対応する額の電子マネーを当該支払い用にホールドするホールド工程と、前記中継サーバ又は前記端末から前記支払情報に紐付けられた決済要求および決済額を受信すると、当該決済額と前記ホールド手段によって前記支払い用にホールドされた前記電子マネー口座中の電子マネーの額とが一致しているか否かを判断し、一致している場合に前記通貨種類の電子マネー口座中の電子マネーの残額を前記決済額の分だけ減額する決済工程とを行うことを特徴とする電子マネー決済処理方法が提供される。
【0013】
このように、本発明では、電子マネー管理サーバに、第2ユーザの電子マネーが第2ユーザのプリペイドカードのカード識別情報に紐付けて複数の電子マネー口座に記憶されており、口座データ記憶部は、各電子マネー口座にそれぞれ異なる通貨種類の電子マネーを記憶するものである。このため、例えば前記プリペイドカードの電子マネー口座が3つある場合には、1つの電子マネー口座にUSドルの電子マネーが記憶され、1つの電子マネー口座にカナダドルの電子マネーが記憶され、もう1つの電子マネー口座に日本円の電子マネーを記憶する場合がある。このように、複数の電子マネー口座にそれぞれ異なる通貨種類の電子マネーが保持されていることから、外国通貨での支払いを行う際に、支払う外国通貨に対応した電子マネー口座の電子マネーを使用することにより、為替変動の影響を受けることなく支払いを行うことが可能となる。さらに言えば、所望の為替レートの時に当該外国通貨の電子マネーに両替を行い、その電子マネーを各電子マネー口座に保持しておくことにより、所望の為替レートでの支払いが可能となる。
【0014】
そして、電子マネー管理サーバは、第1ユーザが有する端末が送信する第2ユーザのカード識別情報を受信して認証すると共に、前記端末が送信する前記支払情報としての通貨種類と支払額とを受信し、その支払額を支払うための残額が第2ユーザのプリペイドカードのカード識別情報に紐付けられた前記通貨種類の電子マネー口座にあるか否かを判断する。さらに、前記中継サーバや前記端末から前記認証結果および前記残額があるか否かの判断結果の送信要求を受信すると、電子マネー管理サーバは、前記中継サーバ又は前記端末に前記認証結果および前記判断結果を前記中継サーバ又は前記端末に送信すると共に、前記通貨種類の電子マネー口座中の前記支払額に対応する額の電子マネーを当該支払い用にホールドし、その後、前記中継サーバ又は前記端末から前記支払情報に紐付けられた決済要求および決済額を受信すると、当該決済額と前記ホールド手段によって前記支払い用にホールドされた前記電子マネー口座中の電子マネーの額とが一致しているか否かを判断し、一致している場合に前記通貨種類の電子マネー口座中の電子マネーの残額を前記決済額の分だけ減額する。このように、前記通貨種類の電子マネー口座中の電子マネーが前記支払額分だけホールドされるので、前記決済要求を受信する前に他の支払情報を受信した際に、その電子マネー口座の支払可能残高(ホールド額を除いた残額)を正確に把握することが可能となる。
【0015】
また、前述のように、前記プリペイドカードにより支払うことができる金額は各電子マネー口座に格納されている金額の範囲内であることから、仮に前記カード識別情報が店舗端末の読取装置に仕込まれた機器によって盗まれる場合でも、その被害額は各電子マネー口座に格納されている金額の範囲内で済む。一方、デビットカードは銀行口座に直接に紐付けられたカードであることから、デビットカードのカード識別情報等が盗まれるとその被害額が甚大になる可能性があるが、前記プリペイドカードの各電子マネー口座には使用者が短期的な使用を意図して入金する場合が多いので、被害額を抑えることが可能となる。
【0016】
また、前記プリペイドカードのカード識別情報に紐付けられた前記複数の電子マネー口座にそれぞれ各国通貨の電子マネーが格納されているので、複数の国を続けて旅行する場合でも、各国通貨の高額の現金を長時間に亘って携帯する必要はない。さらに、各国での支払いを前記プリペイドカード1枚で済ませることも可能になるので、旅行する各国の見慣れない紙幣や硬貨の額を判断する手間から支払者を解放することができる。
【0017】
上記目的を達成するため、この本発明のさらに他の主要な観点によれば、第1のユーザが有する端末と通信回線を介して通信可能であり、前記端末から送信される第2のユーザのプリペイドカードのカード識別情報およびこのプリペイドカードによる現金払出情報に基づき、前記端末を介した前記第2のユーザへの現金払出処理を行う電子マネー管理サーバであって、この電子マネー管理サーバは、前記第2のユーザの情報と、前記カード識別情報と、前記プリペイドカードの有効期限とを紐付けて格納している契約マスタと、前記第2のユーザの電子マネーを前記カード識別情報に紐付けて複数の電子マネー口座に記憶する口座データ記憶部であって、各電子マネー口座にそれぞれ異なる通貨種類の電子マネーを記憶するものである前記口座データ記憶部と、前記端末が送信する前記カード識別情報を受信し、前記契約マスタに基づき認証を行う認証手段と、前記端末が前記現金払出情報として送信する通貨種類と払出額とを受信し、前記カード識別情報に紐付けられて前記口座データ記憶部に記憶されている前記通貨種類の電子マネー口座に前記払出額を払い出すための残額があるか否かを判断する残額判断手段と、前記端末から前記カード識別情報および前記現金払出情報を受信する際に、前記端末からこの電子マネー管理サーバへの前記カード識別情報および前記現金払出情報の送信を中継する中継サーバ又は前記端末から、前記払出額での決済要求を受信し、前記認証手段により前記カード識別情報が認証されると共に前記残額判断手段により残額があると判断されると、前記通貨種類の電子マネー口座中の電子マネーの残高を前記払出額の分だけ減額する決済手段と、前記決済手段で前記電子マネー口座から前記払出額又は前記払出額から所定の手数料を差し引いた額の現金を前記端末に払い出させるための指示を送信する払出指示送信手段とを有することを特徴とする電子マネー管理サーバが提供される。
【0018】
この本発明のさらに他の主要な観点によれば、第1のユーザが有する端末と通信回線を介して通信可能な電子マネー管理サーバを用いて、前記端末から前記電子マネー管理サーバに送信される第2のユーザのプリペイドカードのカード識別情報およびこのプリペイドカードによる現金払出情報に基づき、前記端末を介した前記第2のユーザへの現金払出処理を行う現金払出処理方法であって、前記電子マネー管理サーバは、前記第2のユーザの情報と、前記カード識別情報と、前記プリペイドカードの有効期限とを紐付けて格納している契約マスタと、前記第2のユーザの電子マネーを前記カード識別情報に紐付けて複数の電子マネー口座に記憶する口座データ記憶部であって、各電子マネー口座にそれぞれ異なる通貨種類の電子マネーを記憶するものである前記口座データ記憶部と、を有するものであり、この方法は、前記電子マネー管理サーバが、前記端末が送信する前記カード識別情報を受信し、前記契約マスタに基づき認証を行う認証工程と、前記端末が前記現金払出情報として送信する通貨種類と払出額とを受信し、前記カード識別情報に紐付けられて前記口座データ記憶部に記憶されている前記通貨種類の電子マネー口座に前記払出額を払い出すための残額があるか否かを判断する残額判断工程と、前記端末から前記カード識別情報および前記現金払出情報を受信する際に、前記端末からこの電子マネー管理サーバへの前記カード識別情報および前記現金払出情報の送信を中継する中継サーバ又は前記端末から、前記払出額での決済要求を受信し、前記認証工程により前記カード識別情報が認証されると共に前記残額判断工程により残額があると判断されると、前記通貨種類の電子マネー口座中の電子マネーの残高を前記払出額の分だけ減額する決済工程と、前記決済工程で前記電子マネー口座から前記払出額又は前記払出額から所定の手数料を差し引いた額の現金を前記端末に払い出させるための指示を送信する払出指示送信工程とを行うことを特徴とする現金払出処理方法が提供される。
【0019】
このように、本発明では、電子マネー管理サーバに、第2ユーザの電子マネーが第2ユーザのプリペイドカードのカード識別情報に紐付けて複数の電子マネー口座に記憶されており、口座データ記憶部は、各電子マネー口座にそれぞれ異なる通貨種類の電子マネーを記憶するものである。このため、例えば前記プリペイドカードの電子マネー口座が3つある場合には、1つの電子マネー口座にUSドルの電子マネーが記憶され、1つの電子マネー口座にカナダドルの電子マネーが記憶され、もう1つの電子マネー口座に日本円の電子マネーを記憶する場合がある。このように、複数の電子マネー口座にそれぞれ異なる通貨種類の電子マネーが保持されていることから、外国通貨で現金の払い出しを行う際に、払い出す外国通貨に対応した電子マネー口座の電子マネーを使用することにより、為替変動の影響を受けることなく現金を入手することが可能となる。さらに言えば、所望の為替レートの時に当該外国通貨の電子マネーに両替を行い、その電子マネーを各電子マネー口座に保持しておくことにより、所望の為替レートで両替した現金の受け取りが可能となる。
【0020】
そして、電子マネー管理サーバは、第1ユーザが有する端末が送信する第2ユーザのカード識別情報を受信して認証すると共に、前記端末が送信する前記現金払出情報としての通貨種類と払出額とを受信し、その払出額を払い出すための額が第2ユーザのプリペイドカードのカード識別情報に紐付けられた前記通貨種類の電子マネー口座にあるか否かを判断する。続いて、前記カード識別情報が認証されると共に残額があると判断されると、前記通貨種類の電子マネー口座中の電子マネーの残高を前記払出額の分だけ減額し、前記払出額又は前記払出額から所定の手数料を差し引いた額の現金を払い出させるための指示を前記端末に送信する。
【0021】
このように、前記プリペイドカードにより払い出すことができる金額は各電子マネー口座に格納されている金額の範囲内であることから、仮に前記カード識別情報が盗まれる場合でも、その被害額は各電子マネー口座に格納されている金額の範囲内で済む。ここで、銀行のキャッシュカードは銀行口座に直接に紐付けられたカードであることから、キャッシュカードのカード識別情報等が盗まれるとその被害額が甚大になる可能性があるが、前記プリペイドカードの各電子マネー口座には使用者が短期的な使用を意図して入金する場合が殆どであると考えられるため、被害額を抑えることが可能となる。
【0022】
また、前記プリペイドカードのカード識別情報に紐付けられた前記複数の電子マネー口座にそれぞれ各国の電子マネーが格納されているので、複数の国を続けて旅行する場合でも、各国通貨の高額の現金を長時間に亘って携帯する必要はない。さらに、各国での現金の引き出しを前記プリペイドカード1枚で済ませることも可能になる。
【0023】
また、本発明の実施形態によれば、前記端末から前記カード識別情報および前記支払情報を受信する際に、前記中継サーバ又は前記端末から前記代金の額での決済要求を受信し、前記認証手段により前記カード識別情報が認証されると共に前記残額判断手段により残額があると判断されると、前記通貨種類の電子マネー口座中の電子マネーの残額を前記決済額の分だけ減額するシングル決済手段をさらに有する電子マネー管理サーバが提供される。
【0024】
また、本発明の他の実施形態によれば、前記認証手段により前記カード識別情報が認証されると共に前記残額判断手段により残額があると判断されると、この電子マネー管理サーバの管理者が所有する銀行口座から前記第1のユーザが有する銀行口座に前記決済金額の現金又は前記決済額から手数料を差し引いた現金を送信する指示を、前記管理者が所有する銀行口座を管理する銀行のサーバに送信する銀行決済処理手段をさらに有する電子マネー管理サーバが提供される。
【0025】
また、本発明のさらに他の実施形態によれば、この電子マネー管理サーバは、外国為替取引システムを提供する業者のサーバと通信回線を介して通信可能であり、前記外国為替取引システムは、前記第2のユーザの資金を複数の資金口座に記憶する資金口座データ記憶部であって、各資金口座にそれぞれ異なる通貨種類の資金を記憶するものである前記資金口座データ記憶部と、前記各資金口座の資金を前記電子マネー管理サーバの前記電子マネー口座に振替えるために、振替えを行う資金口座の情報及び振替額を前記電子マネー管理サーバに送信する振替送信手段とを有するものであり、この電子マネー管理サーバは、前記振替送信手段により送信される前記振替えを行う資金口座の情報および前記振替額を受信し、前記振替えを行う資金口座の情報に対応する通貨種類の前記電子マネー口座の残額を前記振替額の分だけ増額する振替受付手段をさらに有するものである。
【0026】
また、本発明のさらに他の実施形態によれば、この電子マネー管理サーバは、前記第2のユーザが有する端末から少なくとも前記カード識別情報又は前記支払情報に関する情報を受信する第2ユーザ情報受信手段と、第2ユーザ情報受信手段で受信した情報と前記端末から受信する前記カード識別情報又は前記支払情報とが対応するか否かを判断する突合手段とをさらに有し、前記ホールド手段は、前記突合手段で対応すると判断された場合に、前記通貨種類の電子マネー口座中の前記代金の額に対応する額の電子マネーを当該代金用にホールドするものである。
【0027】
また、本発明のさらに他の実施形態によれば、この電子マネー管理サーバは、前記第2のユーザが有する端末から少なくとも前記カード識別情報又は前記支払情報に関する情報を受信する第2ユーザ情報受信手段と、第2ユーザ情報受信手段で受信した情報と前記端末から受信する前記カード情報又は前記支払情報とが対応するか否かを判断する突合手段と、をさらに有し、前記決済手段は、前記突合手段で対応すると判断された場合に、前記通貨種類の電子マネー口座中の電子マネーの残額を前記決済額の分だけ減額するものである。
【0028】
また、本発明のさらに他の実施形態によれば、この電子マネー管理サーバは、前記第2のユーザが有する端末から少なくとも前記カード識別情報又は前記現金払出情報に関する情報を受信する第2ユーザ情報受信手段と、第2ユーザ情報受信手段で受信した情報と前記端末から受信する前記カード識別情報又は前記現金払出情報とが対応するか否かを判断する突合手段と、をさらに有し、前記決済手段は、前記突合手段で対応すると判断された場合に、前記通貨種類の電子マネー口座中の電子マネーの残額を前記払出額の分だけ減額するものである。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、所望の為替レートでの支払いと、携帯する現金量の軽減とを可能にする共に、外国通貨の各紙幣や各硬貨の額をいちいち判断する手間から支払者を開放することができる。
【0030】
なお、この発明の更なる他の特徴と顕著な効果は次の発明を実施するための最良の形態の項に記載された実施形態及び図面を参照することによって当業者に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電子マネー支払システムの概略構成を示す図
【図2】端末Aの概略構成を示す図
【図3】端末Bの概略構成を示す図
【図4】電子マネー管理サーバの概略構成を示す図
【図5】契約マスタの例
【図6】口座データの概念図
【図7】顧客マスタの例
【図8】プリペイドカードの正面図
【図9】端末Bの表示画面の例
【図10】口座データの例
【図11】端末A、端末B、中継サーバおよび電子マネー管理サーバにおける処理を示すフローチャート
【図12】販売情報の例
【図13】口座データの例
【図14】口座データの例
【図15】本発明の第2実施形態に係る端末Aの概略構成を示す図
【図16】端末A、端末B、中継サーバおよび電子マネー管理サーバにおける処理を示すフローチャート
【図17】本発明の第3実施形態に係る端末Aの概略構成を示す図
【図18】口座データの例
【図19】端末A、中継サーバおよび電子マネー管理サーバにおける処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0032】
先ず、本発明の第1実施形態に係る電子マネー管理システムを図面に基づき説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る電子マネー管理システムの概略構成を示す図である。このシステムは、例えば売り手としての店舗やその店舗の所有者であるであるユーザA(第1のユーザ)の有する端末Aと、買い手としてのユーザB(第2のユーザ)の有する端末Bと、各端末A,Bとインターネットや移動体通信網等の通信回線を介して通信可能である電子マネー管理サーバ(以下、単に管理サーバと称する)300とを有する。本実施形態では電子マネー管理サーバと端末Aとの間にカード会社が有する中継サーバ400が設けられているが、中継サーバ400を省略して電子マネー管理サーバ300と端末Aとの間で直接データ通信をしても良い。端末A,Bは携帯情報端末(PDA)やパーソナルコンピュータ(PC)と同等の機能を備えた携帯電話であっても良く、デスクトップ型やラップトップ型のPCであっても良く、サーバ装置であっても良く、POS端末等のコンピュータ装置であっても良く、他の公知のコンピュータ装置であっても良い。本実施形態では端末Aはネット販売用のサーバ装置であり、端末BはPCと同等の機能を備えた携帯電話である。なお、ファイアウォール、Webサーバ等の周知の構成は図示および説明を省略している。
【0033】
図2は本実施形態の端末A(ネット販売用のサーバ装置)の概略構成を示す図である。図2に示すように、端末Aは、CPU110と、RAM120と、液晶ディスプレイ等の表示装置130と、コネクタと、インターネット網等を使った通信用の通信プロトコルスタックとが含まれた通信インターフェースを有する通信部140と、販売情報格納部150と、各種プログラムを格納するためのプログラム格納部160とを有する。
【0034】
この端末Aは、プログラム格納部160に、それぞれ端末Aに所定の動作を行わせる販売用画面表示処理部161、支払情報等送信処理部162と、決済処理部163とを有する。これらの機能については、端末A、端末B、中継サーバ400および管理サーバ300が行う処理の例(図11参照)等に沿って後述する。
【0035】
図3は本実施形態の端末B(PCと同等の機能を備えた携帯電話)の概略構成を示す図である。図3に示すように、端末BはCPU210と、RAM220と、液晶ディスプレイ等の表示装置230と、通信用のアンテナと、移動体通信網やインターネット網を使った通信用の通信プロトコルスタックとが含まれた通信インターフェースを有する通信部240と、近距離無線通信(Near Field Communication[NFC])用のアンテナと、近距離無線通信用の通信プロトコルスタックと含まれた通信インターフェースとを有する近距離無線通信部250と、利用者が表示装置230上を指で触れることにより入力を受け付ける周知のタッチパネル式入力装置260と、カード識別情報格納部271と、アプリケーション格納部272と、各種プログラムを格納するためのプログラム格納部280とを有する。
【0036】
この端末Bは、プログラム格納部280に、それぞれ端末Bに所定の動作を行わせるカード識別情報送信処理部281と、支払情報等送信処理部282とを有する。これらの機能については、端末A、端末B、中継サーバ400および管理サーバ300が行う処理の例(図11参照)等に沿って後述する。
【0037】
図4は本実施形態の電子マネー管理サーバ(以下、管理サーバと称する。)300の概略構成を示す図である。この管理サーバ300は、CPU310と、RAM320と、液晶ディスプレイ等の表示装置330と、コネクタと、インターネット網や専用回線等を使った通信用の通信プロトコルスタックとが含まれた通信インターフェースを有する通信部340と、契約マスタ格納部350と、電子マネー口座のデータを格納するための口座データ格納部360と、会員用のアプリケーションを格納するためのアプリケーション格納部370と、各種プログラムを格納するためのプログラム格納部380とを有する。
【0038】
管理サーバ300の契約マスタ格納部350は、ユーザ(会員)の情報(氏名や名称やニックネーム、メールアドレス、秘密の質問の答え等)をログインID、パスワード、電子マネー口座の口座番号(カード番号)、暗証番号、セキュリティーコード、有効期限等と対応付けた図5に例示するような契約マスタ351を有する。また、口座データ格納部360は、図6に例示するように、後述するプリペイドカードのカード番号(カード識別情報の一つ)に紐付けて電子マネー口座を記憶している。なお、口座データ格納部360は、各カード番号に対してそれぞれ複数の電子マネー口座を記憶できるようになっており、各電子マネー口座はそれぞれ異なる通貨種類の電子マネーを記憶するようになっている。また、各電子マネー口座は、それぞれ口座残高や送受金の履歴を格納するようになっている。
【0039】
この管理サーバ300は、プログラム格納部380に、それぞれ管理サーバ300に所定の動作を行わせる会員登録処理部381と、会員用画面表示処理部382と、プリペイドカード発行処理部383と、支払情報等受付処理部384と、決済処理部385とを有する。これらの機能については、端末A、端末B、中継サーバ400および管理サーバ300が行う処理の例(図11参照)等に沿って後述する。
【0040】
中継サーバ400はVISA(登録商標)やMASTERCARD(登録商標)等の国際カード会社が管理している。中継サーバ400は、コネクタと、インターネット網や専用回線等を使った通信用の通信プロトコルスタックとが含まれた通信インターフェースを有する通信部410と、後述するように、端末Aから管理サーバ300へのカード識別情報や支払情報の送信や、管理サーバ300から端末Aへのオーソリデータの送信を中継するための送受信処理部420とを有する。
【0041】
管理サーバ300は、図1に示すように、外国為替取引業者(外国為替証拠金取引を提供する業者等)の外国為替取引システム500とも通信可能に接続されている。この外国為替取引システム500は、CPUと、RAMと、コネクタとインターネット網や専用回線等を使った通信用の通信プロトコルスタックとが含まれた通信インターフェースを有する通信部510と、顧客マスタ格納部520と、各顧客の取引口座のデータを格納するための取引口座データ格納部530と、各種プログラムを格納するためのプログラム格納部540とを有する。
【0042】
外国為替取引システム500の顧客マスタ格納部520は、ユーザ(会員)の情報(氏名や名称やニックネーム、メールアドレス、秘密の質問の答え等)をログインID、パスワード、取引口座の取引口座番号等と対応付けた図7に例示するような顧客マスタ521を有する。また、取引口座データ格納部530は、図6に例示するように、後述する取引口座情報の一つである取引口座番号に紐付けて取引口座を記憶している。なお、取引口座データ格納部530は、各取引口座番号に対してそれぞれ複数の取引口座を記憶できるようになっており、ある取引口座番号に対して複数の取引口座が記憶されている場合、各取引口座はそれぞれ異なる通貨種類の資金を記憶するようになっている。また、各取引口座は、それぞれ口座残高の履歴を格納するようになっている。
【0043】
この外国為替取引システム500は、プログラム格納部540に、それぞれ外国為替取引システム500に所定の動作を行わせる会員用画面表示処理部541と、振替処理部542とを有する。これらの機能については後述する。
【0044】
端末Bを有するユーザBが管理サーバ300上に電子マネー口座を開設する場合の例について簡単に説明する。先ず、ユーザBは端末B等のコンピュータによって管理サーバ300にアクセスして会員登録用画面の表示を要求し、これに応じて管理サーバ300の会員登録処理部381からのデータによって端末Bに表示装置230に会員登録用の画面が表示される。そして、ユーザBが端末Bに表示される画面に従って、氏名や名称やニックネーム、メールアドレス、秘密の質問の答え、暗証番号等の必要事項を入力し、その入力事項が管理サーバ300に送信される。これにより、契約マスタ格納部350の契約マスタ351にユーザBの情報が格納され、ユーザBが会員になり、ユーザBのメール等にログインID、パスワード、電子マネー口座の口座番号、これに対応したプリペイドカードのカード番号等が通知される。なお、本実施形態では前記口座番号とカード番号には同一の番号が使用されている。
【0045】
そして、前記プリペイドカードの現物がユーザBの手元に郵送される。このプリペイドカードは、図8に示すように、カード番号、有効期限、氏名等が記載され、裏面にはセキュリティーコードも記載されている。そして、中継サーバ400を管理する国際カード会社の加盟店で使用できることを示す国際カード会社のマークも記載されている。
【0046】
一方、ユーザBは、ログインIDとパスワードを使用することにより、管理サーバ300の会員用画面表示処理部382が提供する会員用画面にアクセスすることができる。会員用画面表示処理部382は、図9に示すように、前記現物のプリペイドカードに記載されたものと同一の情報を画面上に表示することができる。また、カード番号の一部とセキュリティーコードの一部にマスキングBLが表示され、マスキングBLによってカード番号の一部とセキュリティーコードの一部が隠れるようになっている。そして、指で表示画面230のマスキングBLに対応した位置を触れると、マスキングBLが消えることにより隠れていたカード番号の一部やセキュリティーコードの一部を見ることができるようになる。尚、端末BがPCの場合は、ポインタの位置をマスキングBLに合わせた時にマスキングBLが消えるように構成することも可能である。
【0047】
また、会員用画面表示処理部382は、図10に示すように、ユーザBの有する各電子マネー口座の口座データをユーザBの端末B等の表示画面に表示可能である。また、ユーザBが外国為替取引システム500の会員であり、このログインIDやパスワードや取引口座を有する場合、各電子マネー口座への電子マネーの入金は、例えば外国為替取引システム500からの振替により行うことが可能である。この場合、管理サーバ300の契約マスタ351には、外国為替取引システム500中のユーザBの取引口座に関する情報、例えば取引口座番号がユーザBの電子マネー口座情報に対応付けられて格納されている。ユーザBは、ログインIDとパスワードを使用することにより、外国為替取引システム500の会員用画面表示処理部541の提供する会員用画面にアクセスすることができる。会員用画面表示処理部541は、各取引口座の口座データを表示可能であり、その口座データの残額内且つ外国為替取引に使用していない金額をユーザBの有する各電子マネー口座に振替えるよう指示出来るようになっている。
【0048】
例えば、ユーザBが各取引口座のうちUSドルの取引口座からの所定金額の振替を指示すると、外国為替取引システム500は、振替処理部542により、前記USドルの取引口座から前記所定金額を減額すると共に、管理サーバ300にユーザBの取引口座番号、振替額、振替指示等の情報を送信する。管理サーバ300は前記情報を受信し、契約マスタ中において受信した取引口座番号に対応している電子マネー口座の対応する通貨、つまりUSドルの電子マネー口座に振替額を加算する。このようにして、各電子マネー口座に電子マネーを入金することが可能である。
【0049】
続いて、端末A、端末B、中継サーバ400および管理サーバ300が行う処理の一例(図11参照)に沿って、ユーザB(買い手)がユーザA(売り手)から商品Xを購入し、その代金の支払いを管理サーバ300に格納された電子マネーによって行う場合の処理について説明する。
【0050】
先ず、ユーザBが、端末Aの販売用画面表示処理部161によって端末Bの表示装置230に表示される販売用画面を見て、商品Xを購入することを決定し、その決定をタッチパネル式入力装置260によって端末Bに入力すると、その入力データが端末Bから端末Aに送信される。すると、端末Aの支払情報等送信処理部162により、端末Bの表示装置230に支払方法を選択させる画面が表示される。支払方法としては、銀行振込、コンビニエンスストアでの支払い、電子マネーによる支払い等を選択できるようになっている。この中で、ユーザBが電子マネーによる支払いを選択すると、支払情報等送信処理部162により、端末Bの表示装置230に商品Xを購入するために必要な支払額が表示されると共に、表示装置230上においてユーザBの有するプリペイドカードのカード識別情報の入力が求められる。なお、前記表示される支払額には、商品Xの代金の額と共に、管理サーバ300側の手数料の額が含まれる場合がある。例えば、商品Xの代金の額が35USドルであり、この手数料が1USドルである場合は、それらが表示装置230に表示される。ユーザBがプリペイドカードのカード識別情報としてカード番号やセキュリティーコードを入力し、これら情報の送信のための要求がタッチパネル式入力装置260によって受付けられると、端末Bは端末Aにカード識別情報を送信する(ステップS1)。
【0051】
続いて、端末Aは、前記カード識別情報と、商品Xの代金の額と、その通貨種類とを紐付けた販売情報を販売情報格納部150に格納する(ステップS2)。この販売情報は、例えば図12に示すようなものである。続いて、端末Aは、ユーザAの情報と、前記カード識別情報と、商品Xのための支払額(代金の額、手数料の額等)と、その通貨種類とを含むデータを中継サーバ400に送信する(ステップS3)。この時、端末Aは中継サーバ400に、後述のステップS6で行う認証の判断結果と、ステップS7で行う残額があるか否かの判断結果の送信要求も送信する。
【0052】
中継サーバ400は、送受信処理部420により、端末Aから受信するユーザAの情報に基づき、ユーザAが中継サーバ400を管理する国際ブランドカード会社の加盟店であるか否かの加盟店判断と、端末Aから受信する前記カード識別情報に基づき、ユーザBのプリペイドカードの認証を行う(ステップS4)。ステップS4でユーザAが加盟店であり、プリペイドカードのカード情報が認証されると、中継サーバ400は、送受信処理部420により、カード識別情報と、商品Xのための支払額と、その通貨種類と、判断結果の送信要求を含むデータを管理サーバ300に送信する(ステップS5)。
【0053】
管理サーバ300は、支払情報等受付処理部384により、中継サーバ400から送信されるデータを受信し、契約マスタ351に基づき、受信したカード識別情報に対応するユーザBのプリペイドカードの認証を行う(ステップS6)。つまり、受信するカード番号やセキュリティーコードに対応する契約者の有無と、その有効期限等を確認し、所定の条件を満たしている場合は、そのカード識別情報を認証する。
【0054】
続いて、管理サーバ300は、支払情報等受付処理部384により、ユーザBの電子マネー口座のうち中継サーバ400から受信した通貨種類に対応した電子マネー口座に前記支払額を支払うための残額があるか否かを判断する(ステップS7)。そして、管理サーバ300は、ステップS6でユーザBのプリペイドカードが認証され、ステップS7での残額があると判断されると、支払情報等受付処理部384により、中継サーバ400から受信した通貨種類に対応した電子マネー口座の残額のうち前記支払額に相当する額を当該支払い用にホールドする(ステップS8)。このホールドは、例えば図13に示すように、該当する電子マネー口座の口座データに中継サーバ400から受信したカード識別情報と、商品Xの支払額(代金の額、手数料の額等)と、その通貨種類等の情報を追加すると共に、ご利用状況をホールドとする。このようにホールドすることにより、ユーザBは前記通貨種類に対応した電子マネー口座の残額のうち前記ホールド分を他の支払いに使うことができなくなる。
【0055】
続いて、管理サーバ300は、中継サーバ400から受信した判断結果の送信要求にもとづき、ステップS6およびS7の判断結果やステップS8でホールド処理が行われたことを中継サーバ400に送信し(ステップS9)、中継サーバ400はその判断結果やホールド処理が行われたことを端末Aに送信する(ステップS10)。
【0056】
続いて、端末Aは、中継サーバ400から判断結果やホールド処理が行われたことを受信すると、図12に示すような販売情報にホールド日を格納する(ステップS11)。続いて、端末Aは、商品Xの発送処理を待つことになる。
【0057】
ここで、商品Xが発送に数日かかるものである場合や、在庫切れで発送迄に時間がかかるものである場合もある。これらの間、ユーザBは商品が送られて来るのを待つことになる。この時、ユーザBの電子マネー口座内では、商品Xの支払額がホールドされているが、実際に残額が減っている訳ではない。つまり、ホールドが解除されることにより、ユーザBは電子マネー口座内のホールドされていた額を再び使えるようになる。また、本実施形態の管理サーバ300は、ホールドから所定期間(例えば1ヶ月)が経過すると、自動的にホールドを解除し、その旨を中継サーバ400経由で端末Bに通知することも可能である。
【0058】
続いて、端末Aは、商品XのユーザBへの出荷処理のデータ(出荷が完了したことを示すデータ等)を受付けると、決済処理部163により、前記商品Xの決済額と、その通貨種類と、これらに紐付けられた決済要求を中継サーバ400に送信し(ステップS12)、中継サーバ400は前記決済要求等を管理サーバ300に送信する(ステップS13)。
【0059】
続いて、管理サーバ300は、決済処理部385により、ステップS8でホールドされている額と通貨種類とが、ステップS13で送信される決済額と通貨種類と一致しているか否かの決済判断を行い(ステップS14)、一致している場合は、前記通貨種類の電子マネー口座中の電子マネーの残額を前記決済額の分だけ減額する減額処理を行う(ステップS15)。つまり、該当する電子マネー口座の口座データが図14に示すように処理される。
【0060】
続いて、管理サーバ300は、ステップS15で減額した額の現金を、管理サーバ300の管理者(管理している会社を含む)が所有する銀行口座から、ユーザBの有する銀行口座又は中継サーバ400の管理企業である国際カード会社の有する銀行口座に送金する送金指示を、管理サーバ300の管理者が所有する銀行口座を管理する銀行のサーバに送信する(ステップS16)。ここで、管理サーバ300の管理者(管理している会社を含む)が所有する銀行口座から、中継サーバ400の管理企業である国際カード会社の有する銀行口座への送金は、例えば、端末BのユーザBと中継サーバ400の管理者である国際カード会社との間で実際の現金の決済が行われ、国際カード会社と管理サーバ300の管理社との間で実際の現金の決済が行われる場合に使われる。なお、ステップS14〜16の処理内容や判断結果は中継サーバ400や端末Aや端末Bに適宜送信される。
【0061】
なお、ステップS13では、決済要求が端末Bから出されるものを示した。これに対し、端末BのユーザBと中継サーバ400の管理者である国際カード会社との間で実際の現金の決済が行われ、国際カード会社と管理サーバ300の管理社との間で実際の現金の決済が行われる場合などは、中継サーバ400がステップS13の決済要求を自ら作成して管理サーバ300に送信することも可能である。
【0062】
このように、本実施形態では、管理サーバ300に、ユーザBの電子マネーがユーザBのプリペイドカードのカード識別情報に紐付けて複数の電子マネー口座に記憶されており、口座データ格納部360は、各電子マネー口座にそれぞれ異なる通貨種類の電子マネーを記憶するものである。このため、例えば前記プリペイドカードのカード電子マネー口座が3つある場合には、1つの電子マネー口座にUSドルの電子マネーが記憶され、1つの電子マネー口座にカナダドルの電子マネーが記憶され、もう1つの電子マネー口座に日本円の電子マネーを記憶する場合がある。このように、複数の電子マネー口座にそれぞれ異なる通貨種類の電子マネーが保持されていることから、外国通貨での支払いを行う際に、支払う外国通貨に対応した電子マネー口座の電子マネーを使用することにより、為替変動の影響を受けることなく支払いを行うことが可能となる。さらに言えば、所望の為替レートの時に当該外国通貨の電子マネーに両替を行い、その電子マネーを各電子マネー口座に保持しておくことにより、所望の為替レートでの支払いが可能となる。
【0063】
そして、管理サーバ300は、ユーザAが有する端末Aが送信するユーザBのカード識別情報を受信して認証すると共に、前記端末Aが送信する前記支払情報としての通貨種類と支払額とを受信し、その支払額を支払うための残額がユーザBのプリペイドカードのカード識別情報に紐付けられた前記通貨種類の電子マネー口座にあるか否かを判断する。さらに、前記中継サーバ400や前記端末Aから前記認証結果および前記残額があるか否かの判断結果の送信要求を受信すると、管理サーバ300は、前記中継サーバ400又は前記端末Aに前記認証結果および前記判断結果を前記中継サーバ400又は前記端末Aに送信すると共に、前記通貨種類の電子マネー口座中の前記支払額に対応する額の電子マネーを当該支払い用にホールドし、その後、前記中継サーバ400又は前記端末Aから前記支払情報に紐付けられた決済要求および決済額を受信すると、当該決済額と前記ホールド手段によって前記支払い用にホールドされた前記電子マネー口座中の電子マネーの額とが一致しているか否かを判断し、一致している場合に前記通貨種類の電子マネー口座中の電子マネーの残額を前記決済額の分だけ減額する。このように、前記通貨種類の電子マネー口座中の電子マネーが前記支払額分だけホールドされるので、前記決済要求を受信する前に他の支払情報を受信した際に、その電子マネー口座の支払可能残高(ホールド額を除いた残額)を正確に把握することが可能となる。
【0064】
また、前述のように、前記プリペイドカードにより支払うことができる金額は各電子マネー口座に格納されている金額の範囲内であることから、仮に前記カード識別情報が店舗端末Aの読取装置に仕込まれた機器によって盗まれる場合でも、その被害額は各電子マネー口座に格納されている金額の範囲内で済む。一方、デビットカードは銀行口座に直接に紐付けられたカードであることから、デビットカードのカード識別情報等が盗まれるとその被害額が甚大になる可能性があるが、前記プリペイドカードの各電子マネー口座には使用者が短期的な使用を意図して入金する場合が多いので、被害額を抑えることが可能となる。
【0065】
また、前記プリペイドカードのカード識別情報に紐付けられた前記複数の電子マネー口座にそれぞれ各国通貨の電子マネーが格納されているので、複数の国を続けて旅行する場合でも、各国通貨の高額の現金を長時間に亘って携帯する必要はない。さらに、各国での支払いを前記プリペイドカード1枚で済ませることも可能になるので、旅行する各国の見慣れない紙幣や硬貨の額を判断する手間から支払者を解放することができる。
【0066】
また、本実施形態では、前記ステップS6により前記カード識別情報が認証されると共に前記ステップS7により残額があると判断されている状態で、前記ステップS14において、ステップS8でホールドされている額と通貨種類がステップS13で送信される決済額と通貨種類と一致していると判断されると、この管理サーバ300の管理者が所有する銀行口座からユーザAが有する銀行口座又は中継サーバ400の管理企業が有する銀行口座に対して前記決済金額又は前記決済額から手数料を差し引いた額を送金する指示を、前記管理者が所有する銀行口座を管理する銀行のサーバに送信する銀行決済処理手段をさらに有する。このように、ユーザA又は中継サーバ400の管理企業は現金決済を受けることができる。即ち、ユーザA又は中継サーバ400の管理企業にとっては、管理サーバ300の有する電子マネーでの決済を受けるよりも、現金での決済を受ける方が便利である。
【0067】
また、本実施形態では、管理サーバ300は外国為替取引システム500と通信回線を介して通信可能である。そして、この外国為替取引システム500は、ユーザBの資金を複数の取引口座に記憶する取引口座データ格納部530を有し、取引口座データ格納部530は各取引口座にそれぞれ異なる通貨種類の資金を記憶するものであり、前記各取引口座の資金を管理サーバ300の電子マネー口座に振替えるために、振替を行う取引口座の情報及び振替額を管理サーバ300に送信するものである。また、管理サーバ300は、前記振替により送信される前記振替を行う取引口座の情報および前記振替額を受信し、前記振替を行う資金口座の情報に対応する通貨種類の前記電子マネー口座の残額を前記振替額の分だけ増額する。ここで、外国為替取引システム500や管理サーバ300は、日本円から外国通貨への両替や、外国通貨から他の外国通貨への両替を行う上で、ユーザBにとって便利なツールである。というのは、外国為替取引システム500での両替の手数料は銀行のそれに比べて安価にすることが可能であり、また、外国為替取引システム500での両替や管理サーバ300への振替は端末Bを使って行うことが可能であるからである。これにより、両替にかかる費用や時間を軽減することが可能となる。
【0068】
また、本実施形態において、管理サーバ300が、ユーザBが有する端末Bから少なくとも前記カード識別情報又は前記支払情報に関する情報(例えば支払額、通貨種類等)を受信するようにし、ステップS6における認証と、ステップS7における残額があるか否かの判断と共に、端末Bからの前記情報が端末Aからのカード識別情報又は前記支払情報とが対応するか否かを判断することも可能である。そして、端末Bからの前記情報が端末Aからのカード識別情報又は前記支払情報と対応していると判断された場合に、ステップS8におけるホールドや、ステップS14における減額処理を行うように構成することも可能である。このように、管理サーバ300が端末Bからも判断の基になる情報を受け付けるように構成すると、端末AにおいてユーザBのプリペイドカードの情報が盗まれたとしても、その情報に基づいた不正行為が効果的に防止される。このような構成は、後述の第2及び第3実施形態にも適用可能である。
【0069】
尚、本実施形態では、端末Aがネット販売用のサーバ装置であるものを示したが、端末Aがリアル店舗のPOS端末やPOSサーバである場合であって、ユーザBのプリペイドカードの情報をPOS端末やPOSサーバの有するカード情報読取装置で読み取る場合であっても、前記ステップS1〜S15の処理を行うことが可能である。さらに、端末Bから端末Aに距離無線通信によってユーザBのプリペイドカードの情報がPOS端末やPOSサーバに送信される場合であっても、前前記ステップS1〜S15の処理を行うことが可能である。
【0070】
次に、本発明の第2実施形態に係る電子マネー管理システムを図面に基づき説明する。本実施形態は、第1実施形態において、端末Aをリアル店舗のPOS端末としたものである。その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0071】
図15は本実施形態の端末A(POS端末)の概略構成を示す図である。図15に示すように、端末Aは、CPU610と、RAM620と、液晶ディスプレイ等の表示装置630と、コネクタと、インターネット網等を使った通信用の通信プロトコルスタックとが含まれた通信インターフェースを有する通信部640と、近距離無線通信(Near Field Communication[NFC])用のアンテナと、近距離無線通信用の通信プロトコルスタックが含まれた通信インターフェースとを有するリーダライタ(近距離無線通信部)650と、複数のボタンから成る入力装置660と、販売情報格納部670と、各種プログラムを格納するためのプログラム格納部680を有する。
【0072】
この端末Aは、プログラム格納部680に、端末Aに所定の動作を行わせるシングル決済要求送信処理部681を有する。この機能については、端末A、端末B、中継サーバ400および管理サーバ300が行う処理の例(図16参照)等に沿って後述する。
【0073】
以下に、端末A、端末B、中継サーバ400および管理サーバ300が行う処理の一例(図16参照)に沿って、ユーザB(買い手)がユーザA(売り手)から商品Xを購入し、その代金の支払いを管理サーバ300に格納された電子マネーによって行う場合の処理について説明する。
【0074】
先ず、ユーザBが米国内においてユーザAが有するリアル店舗で商品Xを購入することを決め、それを端末Aの所に持っていく。端末Aにはバーコードリーダ等が付いている、バーコードリーダで商品Xに貼付されているバーコードを読み取る。これにより、端末Aの表示装置630に商品Xの代金である35USドルが表示される。ユーザBがその表示を見て確認し、支払うことを決めると、端末Bを使って管理サーバ300の会員用画面表示処理部382が提供する会員用画面にアクセスおよびログインする。そして、表示装置230に図9に示すような画面を表示させ、この状態で端末Bを端末Aのリーダライタ650に近付ける。これにより、端末Bは端末Aにカード識別情報を送信する(ステップS21)。
【0075】
続いて、端末Aは、前記カード識別情報と、商品Xの代金の額と、その通貨種類とを紐付けた販売情報を販売情報格納部670に格納する(ステップS22)。この販売情報は第1実施形態のそれと同様である。続いて、端末Aは、シングル決済要求送信処理部682により、ユーザAの情報と、前記カード識別情報と、商品Xのための支払額(本実施形態では、ユーザBによる支払額は35USドルであり、前記商品Xの代金の額の中に管理サーバ300が受け取る手数料が含まれている。)と、その通貨種類とを含むデータを中継サーバ400に送信する(ステップS23)。この時、端末Aは中継サーバ400に前記支払額での決済を要求するシングル決済要求を送信する。
【0076】
中継サーバ400は、送受信処理部420により、端末Aから受信するユーザAの情報に基づき、ユーザAが中継サーバ400を管理する国際ブランドカード会社の加盟店であるか否かの加盟店判断と、端末Aから受信する前記カード識別情報に基づき、ユーザBのプリペイドカードの認証を行う(ステップS24)。ステップS24でユーザAが加盟店であり、プリペイドカードのカード情報が認証されると、中継サーバ400は、送受信処理部420により、カード識別情報と、商品Xのための支払額と、その通貨種類と、シングル決済要求を含むデータを管理サーバ300に送信する(ステップS25)。
【0077】
管理サーバ300は、支払情報等受付処理部384により、中継サーバ400から送信されるデータを受信し、契約マスタ351に基づき、受信したカード識別情報に対応するユーザBのプリペイドカードの認証を行う(ステップS26)。
【0078】
続いて、管理サーバ300は、支払情報等受付処理部384により、ユーザBの電子マネー口座のうち中継サーバ400から受信した通貨種類に対応した電子マネー口座に前記支払額を支払うための残額があるか否かを判断する(ステップS27)。
【0079】
続いて、管理サーバ300は、決済処理部385により、ステップS26でユーザBのプリペイドカードが認証され、ステップS27で残額があると判断されると、前記通貨種類の電子マネー口座中の電子マネーの残額を前記支払額の分だけ減額する減額処理を行う(ステップS28)。
【0080】
続いて、管理サーバ300は、ステップS28で減額した額から、管理サーバ300が受け取るべき手数料を差し引いた額を、管理サーバ300の管理者が所有する銀行口座から、ユーザBの有する銀行口座又は中継サーバ400の管理企業である国際カード会社の有する銀行口座に送金する送金指示を、管理サーバ300の管理者が所有する銀行口座を管理する銀行のサーバに送信する(ステップS29)。なお、ステップS26〜29の処理内容や判断結果は中継サーバ400や端末Aや端末Bに適宜送信される。
【0081】
このように、本実施形態では、管理サーバ300が第1実施形態のステップS8で行ったようなホールド処理を行わずに、商品Xの販売に関する決済処理を行うことができる。リアル店舗で即時に商品XがユーザBに手渡される場合は、本実施形態のようにホールド処理を行わずに決済する方が好都合である場合が多い。なお、第1実施形態および第2実施形態からわかるように、管理サーバ300は第1実施形態のようにホールド処理の後に決済を行うことも、ホールド処理を行わずに決済を行うことも可能であり、どのような販売シチュエーションにも柔軟に対応することができるようになっている。
【0082】
尚、本実施形態では、端末Bから端末Aにプリペイドカードのカード識別情報を送信するものを示したが、実物のプリペイドカードの情報を端末Aの有するカード情報読取装置で読み取る場合であっても、前記ステップS21〜S29の処理を行うことが可能である。
【0083】
次に、本発明の第3実施形態に係る電子マネー管理システムを図面に基づき説明する。本実施形態は、第1実施形態において、端末Aを銀行の現金自動預払機(以下、ATMと称する。)としたものである。その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0084】
図17は本実施形態の端末A(ATM)の概略構成を示す図である。図17に示すように、端末Aは、CPU710と、RAM720と、液晶ディスプレイ等の表示装置730と、コネクタと、インターネット網や専用回線等を使った通信用の通信プロトコルスタックとが含まれた通信インターフェースを有する通信部740と、複数のボタンから成る入力装置750と、各種プログラムを格納するためのプログラム格納部760とを有する。
【0085】
この端末Aは、プログラム格納部760に、端末Aに所定の動作を行わせるシングル決済要求送信処理部761を有する。この機能については、端末B、中継サーバ400および管理サーバ300が行う処理の例(図19参照)等に沿って後述する。
【0086】
以下に、端末A、端末B、中継サーバ400および管理サーバ300が行う処理の一例(図19参照)に沿って、ユーザBが端末A(ATM)からUSドルを引き出す場合の処理について説明する。
【0087】
先ず、ユーザBが米国内においてユーザA(銀行)が有するATMで100USドルを引き出すことを決め、当該ATMを訪れる。そして、ユーザBがATMにプリペイドカードを挿入し、端末Aがプリペイドカードのカード識別情報を読み取る。そして、ユーザBは、表示装置730に表示される指示に従って受け取りたい現金の額や暗証番号を入力し、その情報を端末Aが受け付ける(ステップS31)。この時、表示装置730には、前記受け取りたい現金の額に応じた手数料(端末Aの手数料と管理サーバ300が受け取る手数料)が表示される。この後、端末Aは、シングル決済要求送信処理部761により、ユーザAの情報と、前記カード識別情報と、払出額(本実施形態では、前記受け取りたい現金の額と、前記ATMの手数料と、前記管理サーバ300が受け取る手数料とを加えた額である。)と、その通貨種類とを含むデータを中継サーバ400に送信する(ステップS32)。この時、端末Aは中継サーバ400に前記払出額での決済を要求するシングル決済要求を送信する。
【0088】
中継サーバ400は、送受信処理部420により、端末Aから受信するユーザAの情報に基づき、ユーザAが中継サーバ400を管理する国際ブランドカード会社の加盟店であるか否かの加盟店判断と、端末Aから受信する前記カード識別情報に基づき、ユーザBのプリペイドカードの認証を行う(ステップS33)。ステップS33でユーザAが加盟店であり、プリペイドカードのカード情報が認証されると、中継サーバ400は、送受信処理部420により、カード識別情報と、払出額と、その通貨種類と、シングル決済要求を含むデータを管理サーバ300に送信する(ステップS34)。
【0089】
管理サーバ300は、支払情報等受付処理部384により、中継サーバ400から送信されるデータを受信し、契約マスタ351に基づき、受信したカード識別情報に対応するユーザBのプリペイドカードの認証を行う(ステップS35)。
【0090】
続いて、管理サーバ300は、支払情報等受付処理部384により、ユーザBの電子マネー口座のうち中継サーバ400から受信した通貨種類に対応した電子マネー口座に前記払出額を払い出すための残額があるか否かを判断する(ステップS36)。
【0091】
続いて、管理サーバ300は、決済処理部385により、ステップS35でユーザBのプリペイドカードが認証され、ステップS36で残額があると判断されると、前記通貨種類の電子マネー口座中の電子マネーの残額を前記払出額の分だけ減額する減額処理を行う(ステップS37)。
【0092】
続いて、管理サーバ300は、前記払出額から端末Aの手数料と管理サーバ300が受け取る手数料を差し引いた額の現金を端末Aに払い出させるための払出指示を中継サーバ400に送信し(ステップS38)、中継サーバ400は受信した払出指示を端末Aに送信する(ステップS39)。端末Aは受信した払出指示に基づいて前記受け取りたい現金の額の現金を払い出す。
【0093】
続いて、管理サーバ300は、ステップS37で減額した額から、管理サーバ300が受け取るべき手数料を差し引いた額を、管理サーバ300の管理者が所有する銀行口座から、ユーザBの有する銀行口座又は中継サーバ400の管理企業である国際カード会社の有する銀行口座に送金する送金指示を、管理サーバ300の管理者が所有する銀行口座を管理する銀行のサーバに送信する(ステップS40)。なお、ステップS35〜40の処理内容や判断結果は中継サーバ400や端末Aや端末Bに適宜送信される。
【0094】
このように、本実施形態では、管理サーバ300に、ユーザBの電子マネーがユーザBのプリペイドカードのカード識別情報に紐付けて複数の電子マネー口座に記憶されており、口座データ格納部360は、各電子マネー口座にそれぞれ異なる通貨種類の電子マネーを記憶するものである。このため、例えば前記プリペイドカードの電子マネー口座が3つある場合には、1つの電子マネー口座にUSドルの電子マネーが記憶され、1つの電子マネー口座にカナダドルの電子マネーが記憶され、もう1つの電子マネー口座に日本円の電子マネーを記憶する場合がある。このように、複数の電子マネー口座にそれぞれ異なる通貨種類の電子マネーが保持されていることから、外国通貨で現金の払い出しを行う際に、払い出す外国通貨に対応した電子マネー口座の電子マネーを使用することにより、為替変動の影響を受けることなく現金を入手することが可能となる。さらに言えば、所望の為替レートの時に当該外国通貨の電子マネーに両替を行い、その電子マネーを各電子マネー口座に保持しておくことにより、所望の為替レートで両替した現金の受け取りが可能となる。
【0095】
そして、管理サーバ300は、ユーザAが有する端末Aが送信するユーザBのカード識別情報を受信して認証すると共に、端末Bが送信する前記現金払出情報としての通貨種類と払出額とを受信し、その払出額を払い出すための残額がユーザBのプリペイドカードのカード識別情報に紐付けられた前記通貨種類の電子マネー口座にあるか否かを判断する。続いて、前記カード識別情報が認証されると共に残額があると判断されると、前記通貨種類の電子マネー口座中の電子マネーの残高を前記払出額の分だけ減額し、前記払出額又は前記払出額から所定の手数料を差し引いた額の現金を払い出させるための指示を端末Aに送信する。
【0096】
このように、前記プリペイドカードにより払い出すことができる金額は各電子マネー口座に格納されている金額の範囲内であることから、仮に前記カード識別情報が盗まれる場合でも、その被害額は各電子マネー口座に格納されている金額の範囲内で済む。ここで、銀行のキャッシュカードは銀行口座に直接に紐付けられたカードであることから、キャッシュカードのカード識別情報等が盗まれるとその被害額が甚大になる可能性があるが、前記プリペイドカードの各電子マネー口座には使用者が短期的な使用を意図して入金する場合が殆どであると考えられるため、被害額を抑えることが可能となる。
【0097】
また、前記プリペイドカードのカード識別情報に紐付けられた前記複数の電子マネー口座にそれぞれ各国の電子マネーが格納されているので、複数の国を続けて旅行する場合でも、各国通貨の高額の現金を長時間に亘って携帯する必要はない。さらに、各国での現金の引き出しを前記プリペイドカード1枚で済ませることも可能になる。
【0098】
尚、本実施形態では、端末Aが銀行のATMであるものを示したが、端末Aがクレジットカード会社のCD(キャッシュディスペンサー)やATMである場合であっても、ステップS31〜S40を行うことが可能である。
【0099】
尚、この発明は上記一実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々変形可能である。
【符号の説明】
【0100】
110…CPU、120…RAM、130…表示装置、140…通信部、150…販売情報格納部、160…プログラム格納部、161…販売用画面表示処理部、162…支払情報等送信処理部、173…決済処理部、210…CPU、220…RAM、230…表示装置、240…通信部、250…近距離無線通信部、260…タッチパネル式入力装置、271…カード識別情報格納部、272…アプリケーション格納部、280…プログラム格納部、281…カード識別情報送信処理部、282…支払情報等送信処理部、300…電子マネー管理サーバ、310…CPU、320…RAM、330…表示装置、340…通信部、350…契約マスタ格納部、351…契約マスタ、360…電子マネーの口座データ格納部、370…アプリケーション格納部、380…プログラム格納部、381…会員登録処理部、382…会員用画面表示処理部、383…プリペイドカード発行処理部、384…支払情報等受付処理部、385…決済処理部、400…中継サーバ、410…通信部、420…送受信処理部、500…外国為替取引システム、510…通信部、520…顧客マスタ格納部、521…顧客マスタ、530…取引口座データ格納部、540…プログラム格納部、541…会員用画面表示処理部、542…振替処理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のユーザが有する端末と通信回線を介して通信可能であり、前記端末から送信される第2のユーザのプリペイドカードのカード識別情報およびこのプリペイドカードによる支払情報に基づき前記第2のユーザと前記第1のユーザとの間の電子マネー決済を処理する電子マネー管理サーバであって、
この電子マネー管理サーバは、
前記第2のユーザの情報と、前記カード識別情報と、前記プリペイドカードの有効期限とを紐付けて格納している契約マスタと、
前記第2のユーザの電子マネーを前記カード識別情報に紐付けて複数の電子マネー口座に記憶する口座データ記憶部であって、各電子マネー口座にそれぞれ異なる通貨種類の電子マネーを記憶するものである前記口座データ記憶部と、
前記端末が送信する前記カード識別情報を受信し、前記契約マスタに基づき認証を行う認証手段と、
前記端末が前記支払情報として送信する通貨種類と支払額とを受信し、前記カード識別情報に紐付けられて前記口座データ記憶部に記憶されている前記通貨種類の電子マネー口座に前記支払額を支払うための残額があるか否かを判断する残額判断手段と、
前記端末から前記カード識別情報および前記支払情報を受信する際に、前記端末からこの電子マネー管理サーバへの前記カード識別情報および前記支払情報の送信を中継する中継サーバ又は前記端末から、前記認証結果および前記残額があるか否かの判断結果の送信要求を受信すると、前記中継サーバ又は前記端末に前記認証結果および前記判断結果を前記中継サーバ又は前記端末に送信すると共に、前記通貨種類の電子マネー口座中の前記支払額に対応する額の電子マネーを当該支払い用にホールドするホールド手段と、
前記中継サーバ又は前記端末から前記支払情報に紐付けられた決済要求および決済額を受信すると、当該決済額と前記ホールド手段によって前記支払い用にホールドされた前記電子マネー口座中の電子マネーの額とが一致しているか否かを判断し、一致している場合に前記通貨種類の電子マネー口座中の電子マネーの残額を前記決済額の分だけ減額する決済手段と
を有する
ことを特徴とする電子マネー管理サーバ。
【請求項2】
請求項1記載の電子マネー管理サーバにおいて、
前記端末から前記カード識別情報および前記支払情報を受信する際に、前記中継サーバ又は前記端末から前記支払額での決済要求を受信し、前記認証手段により前記カード識別情報が認証されると共に前記残額判断手段により残額があると判断されると、前記通貨種類の電子マネー口座中の電子マネーの残額を前記支払額の分だけ減額するシングル決済手段をさらに有する
ことを特徴とする電子マネー管理サーバ。
【請求項3】
第1のユーザが有する端末と通信回線を介して通信可能であり、前記端末から送信される第2のユーザのプリペイドカードのカード識別情報およびこのプリペイドカードによる現金払出情報に基づき、前記端末を介した前記第2のユーザへの現金払出処理を行う電子マネー管理サーバであって、
この電子マネー管理サーバは、
前記第2のユーザの情報と、前記カード識別情報と、前記プリペイドカードの有効期限とを紐付けて格納している契約マスタと、
前記第2のユーザの電子マネーを前記カード識別情報に紐付けて複数の電子マネー口座に記憶する口座データ記憶部であって、各電子マネー口座にそれぞれ異なる通貨種類の電子マネーを記憶するものである前記口座データ記憶部と、
前記端末が送信する前記カード識別情報を受信し、前記契約マスタに基づき認証を行う認証手段と、
前記端末が前記現金払出情報として送信する通貨種類と払出額とを受信し、前記カード識別情報に紐付けられて前記口座データ記憶部に記憶されている前記通貨種類の電子マネー口座に前記払出額を払い出すための残額があるか否かを判断する残額判断手段と、
前記端末から前記カード識別情報および前記現金払出情報を受信する際に、前記端末からこの電子マネー管理サーバへの前記カード識別情報および前記現金払出情報の送信を中継する中継サーバ又は前記端末から、前記払出額での決済要求を受信し、前記認証手段により前記カード識別情報が認証されると共に前記残額判断手段により残額があると判断されると、前記通貨種類の電子マネー口座中の電子マネーの残高を前記払出額の分だけ減額する決済手段と、
前記決済手段で前記電子マネー口座から前記払出額又は前記払出額から所定の手数料を差し引いた額の現金を前記端末に払い出させるための指示を送信する払出指示送信手段と
を有する
ことを特徴とする電子マネー管理サーバ。
【請求項4】
請求項1又は3記載の電子マネー管理サーバにおいて、
前記認証手段により前記カード識別情報が認証されると共に前記残額判断手段により残額があると判断された状態で、この電子マネー管理サーバの管理者が所有する銀行口座から前記第1のユーザが有する銀行口座又は中継サーバの管理企業が有する銀行口座に対して、前記決済額又は前記払出額又は前記払出額から所定の手数料を差し引いた額を送金する指示を、前記管理者が所有する銀行口座を管理する銀行のサーバに送信する銀行決済処理手段をさらに有する
ことを特徴とする電子マネー管理サーバ。
【請求項5】
請求項1又は3記載の電子マネー管理サーバにおいて、
この電子マネー管理サーバは外国為替取引システムと通信回線を介して通信可能であり、
前記外国為替取引システムは、
前記第2のユーザの資金を複数の取引口座に記憶する取引口座データ記憶部であって、各取引口座にそれぞれ異なる通貨種類の資金を記憶するものである前記取引口座データ記憶部と、
前記各取引口座の資金を前記電子マネー管理サーバの前記電子マネー口座に振替えるために、振替を行う資金口座の情報及び振替額を前記電子マネー管理サーバに送信する振替送信手段と
を有するものであり、
この電子マネー管理サーバは、前記振替送信手段により送信される前記振替を行う取引口座の情報および前記振替額を受信し、前記振替を行う取引口座の情報に対応する通貨種類の前記電子マネー口座の残額を前記振替額の分だけ増額する振替受付手段をさらに有する
ことを特徴とする電子マネー管理サーバ。
【請求項6】
請求項1記載の電子マネー管理サーバであって、
この電子マネー管理サーバは、
前記第2のユーザが有する端末から少なくとも前記カード識別情報又は前記支払情報に関する情報を受信する第2ユーザ情報受信手段と、
第2ユーザ情報受信手段で受信した情報と前記端末から受信する前記カード識別情報又は前記支払情報とが対応するか否かを判断する突合手段と、
をさらに有し、
前記ホールド手段は、前記突合手段で対応すると判断された場合に、前記通貨種類の電子マネー口座中の前記支払額に対応する額の電子マネーを当該支払い用にホールドするものである
ことを特徴とする電子マネー管理サーバ。
【請求項7】
請求項1記載の電子マネー管理サーバであって、
この電子マネー管理サーバは、
前記第2のユーザが有する端末から少なくとも前記カード識別情報又は前記支払情報に関する情報を受信する第2ユーザ情報受信手段と、
第2ユーザ情報受信手段で受信した情報と前記端末から受信する前記カード識別情報又は前記支払情報とが対応するか否かを判断する突合手段と、
をさらに有し、
前記決済手段は、前記突合手段で対応すると判断された場合に、前記通貨種類の電子マネー口座中の電子マネーの残額を前記決済額の分だけ減額するものである
ことを特徴とする電子マネー管理サーバ。
【請求項8】
請求項3記載の電子マネー管理サーバであって、
この電子マネー管理サーバは、
前記第2のユーザが有する端末から少なくとも前記カード識別情報又は前記現金払出情報に関する情報を受信する第2ユーザ情報受信手段と、
第2ユーザ情報受信手段で受信した情報と前記端末から受信する前記カード識別情報又は前記現金払出情報とが対応するか否かを判断する突合手段と、
をさらに有し、
前記決済手段は、前記突合手段で対応すると判断された場合に、前記通貨種類の電子マネー口座中の電子マネーの残額を前記払出額の分だけ減額するものである
ことを特徴とする電子マネー管理サーバ。
【請求項9】
第1のユーザが有する端末と通信回線を介して通信可能な電子マネー管理サーバを用いて、前記端末から前記電子マネー管理サーバに送信される第2のユーザのプリペイドカードのカード識別情報およびこのプリペイドカードによる支払情報に基づき、前記第2のユーザと前記第1のユーザとの間の電子マネー決済を処理する電子マネー決済処理方法であって、
前記電子マネー管理サーバは、
前記第2のユーザの情報と、前記カード識別情報と、前記プリペイドカードの有効期限とを紐付けて格納している契約マスタと、
前記第2のユーザの電子マネーを前記カード識別情報に紐付けて複数の電子マネー口座に記憶する口座データ記憶部であって、各電子マネー口座にそれぞれ異なる通貨種類の電子マネーを記憶するものである前記口座データ記憶部と
を有するものであり、
この方法は、前記電子マネー管理サーバが、
前記端末が送信する前記カード識別情報を受信し、前記契約マスタに基づき認証を行う認証工程と、
前記端末が前記支払情報として送信する通貨種類と支払額を受信し、前記カード識別情報に紐付けられて前記口座データ記憶部に記憶されている前記通貨種類の電子マネー口座に前記支払額を支払うための残額があるか否かを判断する残額判断工程と、
前記端末から前記カード識別情報および前記支払情報を受信する際に、前記端末からこの電子マネー管理サーバへの前記カード識別情報および前記支払情報の送信を中継する中継サーバ又は前記端末から、前記認証結果および前記残額があるか否かの判断結果の送信要求を受信すると、前記中継サーバ又は前記端末に前記認証結果および前記判断結果を前記中継サーバ又は前記端末に送信すると共に、前記通貨種類の電子マネー口座中の前記支払額に対応する額の電子マネーを当該支払い用にホールドするホールド工程と、
前記中継サーバ又は前記端末から前記支払情報に紐付けられた決済要求および決済額を受信すると、当該決済額と前記ホールド手段によって前記支払い用にホールドされた前記電子マネー口座中の電子マネーの額とが一致しているか否かを判断し、一致している場合に前記通貨種類の電子マネー口座中の電子マネーの残額を前記決済額の分だけ減額する決済工程と
を行う
ことを特徴とする電子マネー決済処理方法。
【請求項10】
請求項9記載の電子マネー決済処理方法において、
前記電子マネー管理サーバが、前記端末から前記カード識別情報および前記支払情報を受信する際に、前記中継サーバ又は前記端末から前記支払額での決済要求を受信する場合は、前記認証工程により前記カード識別情報が認証されると共に前記残額判断工程により残額があると判断されると、前記ホールド工程および前記決済工程を行わずに、前記通貨種類の電子マネー口座中の電子マネーの残額を前記支払額の分だけ減額するシングル決済工程を行う
ことを特徴とする電子マネー決済処理方法。
【請求項11】
第1のユーザが有する端末と通信回線を介して通信可能な電子マネー管理サーバを用いて、前記端末から前記電子マネー管理サーバに送信される第2のユーザのプリペイドカードのカード識別情報およびこのプリペイドカードによる現金払出情報に基づき、前記端末を介した前記第2のユーザへの現金払出処理を行う現金払出処理方法であって、
前記電子マネー管理サーバは、
前記第2のユーザの情報と、前記カード識別情報と、前記プリペイドカードの有効期限とを紐付けて格納している契約マスタと、
前記第2のユーザの電子マネーを前記カード識別情報に紐付けて複数の電子マネー口座に記憶する口座データ記憶部であって、各電子マネー口座にそれぞれ異なる通貨種類の電子マネーを記憶するものである前記口座データ記憶部と、
を有するものであり、
この方法は、前記電子マネー管理サーバが、
前記端末が送信する前記カード識別情報を受信し、前記契約マスタに基づき認証を行う認証工程と、
前記端末が前記現金払出情報として送信する通貨種類と払出額とを受信し、前記カード識別情報に紐付けられて前記口座データ記憶部に記憶されている前記通貨種類の電子マネー口座に前記払出額を払い出すための残額があるか否かを判断する残額判断工程と、
前記端末から前記カード識別情報および前記現金払出情報を受信する際に、前記端末からこの電子マネー管理サーバへの前記カード識別情報および前記現金払出情報の送信を中継する中継サーバ又は前記端末から、前記払出額での決済要求を受信し、前記認証工程により前記カード識別情報が認証されると共に前記残額判断工程により残額があると判断されると、前記通貨種類の電子マネー口座中の電子マネーの残高を前記払出額の分だけ減額する決済工程と、
前記決済工程で前記電子マネー口座から前記払出額又は前記払出額から所定の手数料を差し引いた額の現金を前記端末に払い出させるための指示を送信する払出指示送信工程と
を行う
ことを特徴とする現金払出処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−114495(P2013−114495A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260759(P2011−260759)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(399062924)株式会社アイエスアイ (3)
【Fターム(参考)】