説明

電子メール処理装置

【課題】 本発明は、電子メールに対する処理を容易に管理する技術を提供することを目的とする。
【解決手段】 電子メール処理装置100において、アクションメニュー格納部は、少なくとも電子メールの編集画面の表示を含む電子メールに対する処理である予め定められた複数のアクションのうち、いずれのアクションかを特定する識別情報であるアクションメニューを記憶する。アクションメニュー選択受付部20は、複数のアクションのうち実行を予約するアクションを特定するアクションメニューの選択をユーザから受け付ける。ToDo情報登録部24は、選択を受け付けられたアクションメニューを含むアクションの予約情報をToDo情報として登録する。ToDo情報表示制御部28は、所定の指示により登録されたToDo情報を画面に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は電子メールのToDo情報を登録する技術に関し、より具体的には、電子メールに関連するアクションを含むToDo情報を登録する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、受信したメールなどは、受信日時や差出人に基づいて受信したメールの一覧の順序に一定の秩序をもたせたり、あるいはヘッダ情報などでメールを検索するなどの方法で整理および管理がされる。しかし、たとえば大量のメールを受信してしまったなどの場合は、返信や転送などのアクションをしなければならないメールがあるにもかかわらず、これらのアクションを忘れてしまう場合がある。このため、例えば特許文献1では、個々のメール本文の概要を表す一覧項目を表示する際に、メールの受信日時や発信者名などの書誌情報に応じて一覧項目の色などの表示状態を変更するメール表示装置が提案されている。また、例えば特許文献2では、受信した電子メールから所定のテキスト解析手段を用いて抽出したToDo情報などの情報を個人情報データベースに登録する電子メールシステムが提案されている。
【特許文献1】特開平9−326822号公報
【特許文献2】特開平11−136278号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、メールの表示状態を変更しても、返信や転送などのアクションをしなければならないか否かは明確に伝えることはできず、返信や転送などのアクションを忘れてしまいやすい。このため、電子メールに関連する返信や転送などのアクションを容易に管理する技術が求められている。
【0004】
そこで、本発明は、上述の事情を鑑みてなされたものであり、電子メールに対する処理を容易に管理する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の電子メール処理装置は、少なくとも電子メールの編集画面の表示を含む電子メールに対する処理である予め定められた複数のアクションのうち、いずれかのアクションかを特定する識別情報であるアクションメニューを記憶するアクションメニュー格納部と、複数のアクションのうち実行を予約するアクションを特定するアクションメニューの選択をユーザから受け付けるアクションメニュー選択受付部と、選択を受け付けられたアクションメニューを含むアクションの予約情報をToDo情報として登録するToDo情報登録部と、所定の指示により登録されたToDo情報を画面に表示させるToDo情報表示制御部と、表示されたToDo情報に含まれるアクションメニューによって特定されるアクションの実行指示をユーザから受け付けるアクション実行入力受付部と、実行指示を受け付けられたアクションを実行するアクション実行部と、を備える。この態様によると、電子メールに関連するアクションを含むToDo情報を容易に管理することが可能となる。
【0006】
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現をシステム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0007】
本発明にかかる電子メール処理装置によれば、電子メールに対する処理を容易に管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施形態」という)について説明する。
【0009】
本発明の一実施形態である電子メール処理装置は、電子メールに対する処理である予め定められた複数のアクションのうち実行を予約するアクションを特定するアクションメニューの選択をユーザから受け付け、選択を受け付けられたアクションメニューを含むアクションの予約情報をToDo情報として登録する。電子メール処理装置は、登録されたToDo情報を画面に表示させ、表示されたToDo情報のうちユーザからの実行指示を受け付けられたアクションを実行する。これにより、ToDo情報を容易に管理することができ、電子メールに関連するアクションの実行を忘れてしまうことなどを抑制することができる。
【0010】
以下の説明では、本実施形態による電子メール処理装置が、ネットワークに接続され電子メールの作成や送受信を実行可能な電子メールシステムを備えたユーザ端末内に設けられているものとして説明する。しかし、本発明はこのような構成に限定されるものではない。例えば、ユーザ端末とネットワークで接続された別の端末に電子メール処理装置が設けられていてもよいし、または、ユーザ端末から電子メールを受信するメールサーバや中継サーバ(代理サーバ)に電子メール処理装置を設けておき、この中継サーバにおいて以下に述べる処理を実行するように構成してもよい。
【0011】
図1は、電子メール処理装置100の構成を示す図である。本実施形態にかかる電子メール処理装置100は、ハードウエア的にはコンピュータのCPUやメモリなどの構成で実現でき、ソフトウエア的にはプログラムなどによって実現できるが、本図ではそれらの連携によって実現される構成を描いている。したがって、これらの構成はハードウエア、ソフトウエアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは当業者の理解するところである。
【0012】
電子メール処理装置100は、受信部10、送信部12、電子メール格納部16などを有している。受信部10はネットワークを介して電子メールを受信し、受信した電子メールを電子メール格納部16に格納する。送信部12は、ネットワークを介して電子メールを送信する。メール処理部14は、ユーザによって作成された電子メールを、ユーザの送信ボタンの入力を受け付けることにより、送信部12に出力し、送信部12はネットワークを介して電子メールを送信する。また、メール処理部14は、送信した電子メールおよび編集中の電子メールを電子メール格納部16に格納する。
【0013】
アクションメニュー選択受付部20は、ユーザからのアクションメニューの選択を受け付ける。アクションメニューとは、電子メールの参照、返信、全員に返信、送信、編集など、電子メールに対する処理である予め定められた複数のアクションのうち、いずれのアクションかを特定するための識別情報である。これらの複数のアクションには、電子メールの返信、全員に返信、編集など、電子メールの編集画面の表示が含まれ、この他に電子メールの送信や、電子メールの参照も含まれる。アクションメニューは、図示しないアクションメニュー格納部に識別データとして格納される。
【0014】
アクションメニュー選択受付部は、アクションメニュー格納部に記憶されたアクションメニューを、例えばプルダウンリストなどに表示し、ユーザからのアクションメニューの選択を受け付ける。
【0015】
アクションメニュー選択受付部20によりユーザによるアクションメニューの選択が受け付けられると、ToDo情報登録部24は、選択を受け付けられたアクションメニューを含むアクションの予約情報をToDo情報として登録する。
【0016】
表示予定時間受付部22は、ユーザによるToDo情報を画面に表示させるタイミングを示すToDo情報表示予定時間の指定を受け付ける。ToDo情報登録部24は、指定を受け付けたToDo情報表示予定時間を、ToDo情報と対応して記憶する。
【0017】
ToDo情報登録部24には、ToDo情報やToDo情報表示予定時間とともに登録情報が格納される。登録情報には、アクションの実行対象となる電子メールを特定するためのリンク情報が含まれ、リンク情報がある場合にはToDo情報と対応してToDo情報登録部24に格納される。また登録情報には、その他にも見出しや登録先、メモなどの情報も含まれる。
【0018】
所定の電子メールとのリンクは、登録情報ダイアログボックスにおいて、参照ボタンをユーザがマウスでクリックするなどの図示しないリンク入力受付部への入力により表示部50に電子メールのツリーが表示され、表示された電子メールのツリーからユーザが選択することにより設定することができる。また、受信メールや送信メールを一覧表示するメール一覧から、登録用フォルダにメールをドラッグ&ドロップする、またはコピー&ペーストすることにより自動的にリンクを設定することもできる。
【0019】
指定が受け付けられたToDo情報表示予定時間は、ToDo情報表示制御部28により監視され、ToDo情報表示予定時間に至ったときに、未処理ToDo情報一覧を表示部50に表示する。未処理ToDo情報一覧には、そのToDo情報表示予定時間に至ったときにToDo情報を表示するよう指定されたアクションメニューが表示される。
【0020】
なお、本実施形態においては、未処理ToDo情報一覧には、アクションの実行を行っていない未処理のToDo情報が複数表示される。これにより、ユーザはToDo情報の表示が行われるたびに未処理のToDo情報を確認することができ、返信や転送などの電子メールに関連するアクションを忘れてしまうことを抑制することができる。
【0021】
また、本実施形態においては、未処理の複数のToDo情報は、未処理ToDo情報一覧に整列して配置され、表示部50に表示される。ToDo情報を表示する表示順序の基準はユーザが選択することができる。例えばソート機能によりToDo情報表示予定時間の近い順に上から整列したり、ユーザがマウスやキーボードなどの入力装置によりToDo情報を選択し、ユーザがそのToDo情報を配置したい位置にドラッグ&ドロップすることなどにより重要度が高い順に表示順序を変更するなどして未処理ToDo情報一覧に表示されたToDo情報を表示する表示順序を変更することができる。
【0022】
図2は、電子メール処理装置100のアクション実行部32を含む構成を示す図である。電子メール処理装置100は、未処理ToDo情報一覧に表示される複数のToDo情報の中からユーザがToDo情報を選択し、アクション実行入力受付部30により表示されるアクション実行ボタンを選択することにより、未処理ToDo情報一覧に表示されるToDo情報に含まれるアクションの実行を受け付ける。
【0023】
アクションの実行を受け付けると、アクション実行部32は、ToDo情報登録部24に格納されている、選択されたアクションメニューを含むToDo情報やリンク情報を参照する。リンク情報がある場合は、リンク情報を参照することにより、アクションの実行対象となる電子メールを特定し、特定された電子メールに対してアクションを実行する。例えば、実行の入力を受け付けたアクションが「参照」であれば、ToDo情報表示制御部28は、その「参照」のアクションに対してリンクされた電子メールを表示部50に表示する。実行の入力を受け付けたアクションが「返信」であれば、ToDo情報表示制御部28は、その「返信」のアクションに対してリンクされた電子メールの送信者に記載されたアドレスを宛先とし、必要に応じてリンクされた電子メールの内容を引用した新規作成メールを表示部50に表示する。実行の入力を受け付けたアクションが「全員に返信」であれば、ToDo情報表示制御部28は、その「全員に返信」のアクションに対してリンクされた電子メールの送信者、他の宛先、Cc(Carbon Copy)、およびBcc(Blind Carbon Copy)に記載されたアドレスを宛先とし、必要に応じてリンクされた電子メールの内容を引用した新規作成メールを表示部50に表示する。実行の入力を受け付けたアクションが「転送」であれば、ToDo情報表示制御部28は、その「転送」のアクションに対してリンクされた電子メールを添付した新規作成メールを表示部50に表示する。実行の入力を受け付けたアクションが「送信」であれば、アクション実行部32は、その「送信」のアクションに対してリンクされた電子メールを送信部12に送り、送信部12は電子メールをネットワークを介して宛先のアドレスへ送信する。実行の入力を受け付けたアクションが「編集」であれば、ToDo情報表示制御部28は、その「編集」のアクションに対してリンクされた電子メールを編集可能な状態で表示部50に表示する。
【0024】
アクションが実行されると、ToDo情報表示制御部28は、未処理ToDo情報一覧に表示される複数のToDo情報の中から、実行したアクションを含むToDo情報の表示を削除する。これにより、引き続き未処理ToDo情報一覧には未処理のToDo情報のみが表示されるため、ユーザは未処理のToDo情報を容易に管理することができる。
【0025】
実行したアクションを含むToDo情報を、未処理ToDo情報一覧から削除して表示すると、アクション実行部32は、アクションを実行したことを示すフラグを立て、このフラグをToDo情報登録部24に格納する。これにより、つぎに未処理ToDo情報一覧を表示する場合に、実施したアクションを表示することなく未実施のアクションのみを表示することができる。
【0026】
図3は、ToDo情報表示制御部28の構成を示す図である。ToDo情報表示制御部28は、順序変更入力受付部38および順序変更部36を有している。前述のとおり、ToDo情報表示制御部28は、未処理ToDo情報一覧にアクションの実行を行っていない未処理ToDo情報を複数表示する。順序変更入力受付部38は、例えばユーザによるToDo情報を整列する順序の基準の選択を受け付ける。また、ユーザが配置を変更したいToDo情報を配置したい位置にドラッグ&ドロップすることを受け付ける。順序変更部36は、入力を受け付けた基準や、ToDo情報のドラッグ&ドロップ操作などにより、未処理ToDo情報一覧に表示するToDo情報の順序を変更する。これにより、各ToDo情報に相対的な優先度を付与することができる。
【0027】
図4は、電子メール処理装置100の動作フローを示す図である。本フローは、所定時間ごとに実行され、繰り返される処理である。
【0028】
ToDo情報表示制御部28は、未処理のToDo情報のいずれかに、ToDo情報を画面に表示させるタイミングを示すToDo情報の表示予定時間の指定があるか否かを判断する(S11)。表示予定時間の指定がある場合は(S11のY)、ToDo情報表示制御部28は、その指定を受け付けた表示予定時間に至ったか否かを判断する(S12)。未処理のToDo情報のいずれにも表示予定時間の指定がない場合(S11のN)、および表示予定時間の指定がある場合であって表示予定時間に至っていない場合(S12のN)は、本フローを終了する。
【0029】
ToDo情報表示予定時間に至ったと判断した場合は(S12のY)、ToDo情報表示制御部28は、未処理ToDo情報一覧を表示部50に表示し、ToDo情報表示予定時間となったToDo情報だけでなく、他の未処理のToDo情報があればこれらも表示する(S13)。
【0030】
未処理ToDo情報一覧が表示されると、順序変更入力受付部38は、未処理ToDo情報一覧に表示された複数のToDo情報について、例えばユーザによるToDo情報を整列する順序の基準の選択を受け付けたか、またはユーザが配置を変更したいToDo情報を配置したい位置にドラッグ&ドロップすることを受け付けたかなど、複数のToDo情報を表示する順序の変更の入力があったか否かを判断する(S14)。
【0031】
未処理ToDo情報一覧に表示された複数のToDo情報について、表示する順序の変更の入力があった場合は(S14のY)、順序変更部36は、未処理ToDo情報一覧に表示された複数のToDo情報の順序を変更して表示部50に表示する(S15)。表示する順序の変更の入力がない場合は(S14のN)、順序変更部36は、未処理ToDo情報一覧に表示された複数のToDo情報の順序を変更せず維持する。
【0032】
次にアクション実行部32は、未処理ToDo情報一覧に表示される複数のToDo情報の中からユーザがToDo情報を選択し、未処理ToDo情報一覧に表示されるアクション実行ボタンを選択するなどにより、アクション実行入力受付部30にアクションの実行の入力があったか否かを判断する(S16)。
【0033】
アクションの実行の入力があった場合は(S16のY)、電子メールの参照、返信、全員に返信、転送、送信、編集などの電子メールに関連するアクションの実行を行うアクション実行処理を行う(S17)。アクションの実行の入力がない場合は(S16のN)は、アクションの実行処理を行わない。
【0034】
電子メール処理装置100は、未処理ToDo情報一覧の閉じるボタンの、マウスやキーボードなどの入力装置による入力がユーザからあったか否かを判断し(S18)、未処理ToDo情報一覧を閉じるための入力がない場合は(S18のN)、引き続き未処理ToDo情報一覧の表示を継続し、順序変更の入力およびアクションの実行の入力を受け付ける。未処理ToDo情報一覧を閉じるための入力があった場合は(S18のY)、未処理ToDo情報一覧を閉じて(S19)、本フローを終了する。
【0035】
図5は、電子メール処理装置100のアクション実行処理の動作フローを示す図である。本動作フローは、図4のS17のアクション実行処理の詳細な動作フローを示すものである。
【0036】
図4において、アクションの実行の入力があると(S16)、アクション実行部32は、アクション実行処理を行う(S17)。アクション実行処理では、まず、アクション実行部32は、ToDo情報登録部24から選択されたアクションに関するアクションやリンク情報を参照し、選択され、実行の入力を受け付けたアクションにリンク情報があるか否かを判断する(S31)。
【0037】
リンク情報がある場合は(S31のY)、アクションの実行に際して(S33)リンク先を参照する(S32)。リンク情報がない場合は(S31のN)、アクションの実行に際して(S33)リンク先を参照しない。
【0038】
次に、アクション実行部32は、例えばリンク情報がある場合で実行の入力を受け付けたアクションが「参照」であれば、ToDo情報表示制御部28は、リンクされた電子メールを表示部50に表示するなど、リンクされた電子メールを使ってアクションを実行する(S33)。
【0039】
アクションが実行されると、ToDo情報表示制御部28は、未処理ToDo情報一覧に表示される複数のToDo情報の中から、実行したアクションを含むToDo情報の表示を削除する(S34)。
【0040】
実行したアクションを含むToDo情報を、未処理ToDo情報一覧から削除して表示すると、アクション実行部32は、アクションを実行したことを示すフラグを立て、このフラグをToDo情報登録部24に格納する(S35)。これにより、未処理ToDo情報一覧を表示する場合に、実施したアクションを表示しないで未実施のアクションのみを表示することができる。ToDo情報登録部24にアクションを実行したことを示すフラグを格納すると(S35)、アクション実行処理を終了する。
【0041】
図6は、電子メールの一覧表示60を示す図である。電子メールの一覧表示60は、電子メールを格納するフォルダの階層構造などを表す第1領域62、各フォルダに格納される電子メールをリストとして一覧表示する第2領域64、電子メールの内容を表示するビューアである第3領域68とに区画されている。
【0042】
第1領域62には、受信箱や送信箱などのフォルダが設けられており、送信箱には、送信済み、送信待ち、書きかけなどのサブフォルダが設けられている。また、第1領域62には、受信箱や送信箱などのフォルダとは別に、ToDoフォルダ63が設けられている。
【0043】
例えば、受信箱フォルダを開けてフォルダに格納されている受信メールを第2領域64に表示し、表示された第2領域64の受信メールのうち、あとで返信したいものなどは、第2領域64から第1領域62のToDoフォルダ63にドラッグ&ドロップする。第1領域62のToDoフォルダ63に電子メールをドラッグ&ドロップすると、ToDo情報表示制御部28は登録情報ダイアログボックスを表示し、この登録情報ダイアログボックスでToDo情報の設定を行うことができる。この登録情報ダイアログボックスの詳細は後述する。例えば送信待ちフォルダに格納されている電子メールを後で送信したい場合や、書きかけフォルダに格納されている書きかけの電子メールを後で編集したい場合なども、同様に電子メールを第2領域64から第1領域62のToDoフォルダ63にドラッグ&ドロップして登録情報ダイアログボックスを表示し、この中でToDo情報の設定を行うことができる。
【0044】
なお、電子メールの一覧表示60の第2領域64に表示された受信メールを選択し、第1領域62のToDoフォルダ63にコピー&ペーストすることによっても登録情報ダイアログボックスを表示することができる。
【0045】
図7は、登録情報ダイアログボックス70を示す図である。登録情報ダイアログボックス70は、前述のとおり、電子メールの一覧表示60の第2領域64に表示された受信メールや未送信メールなどの電子メールを第1領域62に表示されたToDoフォルダ63にドラッグ&ドロップまたはコピー&ペーストすると表示される。また、例えば電子メールシステムのメニューから登録情報ダイアログボックス70を表示するメニューをユーザが選択することにより、登録情報ダイアログボックス70を表示させることもでき、ツールボックスに登録されたアイコンをユーザが選択することにより表示させることもできる。なお、メール検索メニューにより電子メールの検索を行った場合、検索結果であるメール検索結果一覧ダイアログに表示された電子メールを選択し、右クリックメニューから登録情報ダイアログボックス70を表示するメニューを選択することにより登録情報ダイアログボックス70を表示することもできる。
【0046】
登録情報ダイアログボックス70は、電子メールの一覧表示60の第3領域68である電子メールのビューア68に表示された選択範囲、URL、またはメールアドレスに対して右クリックメニューから登録情報ダイアログボックス70を表示するメニューを選択することにより登録情報ダイアログボックス70を表示することもできる。
【0047】
登録情報ダイアログボックス70は、見出し欄71、リンク欄72、登録先欄73、ToDo欄76、メモ欄77などの入力可能な欄および参照ボタン74、設定ボタン75、OKボタン78、キャンセルボタン79、ToDoチェックボックス80などを有している。
【0048】
見出し欄71は、例えば、電子メールの一覧表示60の第2領域64に表示された受信メールや未送信メールなどの電子メールを第1領域62に表示されたToDoフォルダ63にドラッグ&ドロップまたはコピー&ペーストした場合に、ドラッグ&ドロップまたはコピー&ペーストした電子メールのメール見出しがデフォルト値として入力される。
【0049】
ビューア68に表示された選択範囲に対して右クリックメニューから登録情報ダイアログボックス70が表示された場合は、その選択範囲の内容がデフォルトとして見出し欄71に入力される。また、ビューア68に表示されたURLまたはメールアドレスに対して右クリックメニューから登録情報ダイアログボックス70が表示された場合は、そのURLまたはメールアドレスがデフォルトとして見出し欄71に入力される。
【0050】
このメール見出しは編集することができ、長すぎるメール見出しを短くしたり、他のToDoと区別できるよう明確なメール見出しにしたりすることができる。見出し欄71に入力された見出しは、後述する未処理ToDo情報一覧90のダイアログボックスに表示される。
【0051】
リンク欄72は、ドラッグ&ドロップまたはコピー&ペーストした電子メールや、ビューア68の選択範囲などに対して右クリックメニューから登録情報ダイアログボックス70を表示した場合のビューア68に表示された電子メールなど、リンクする電子メールがあるフォルダの階層構造およびメール見出しがデフォルトとして入力される。このリンクは削除することができ、リンクを削除した場合にはリンク欄72には空白が表示され、電子メールとの関連づけがなくなる。なお、リンク欄72にURLまたはメールアドレスが入力されている場合には、これらを編集することができる。
【0052】
登録先欄73には、登録先のToDoフォルダ63などのフォルダの階層構造が表示される。この欄の任意入力はすることができず、参照ボタン74を選択してフォルダの階層構造であるツリーから登録先のフォルダを選択することができる。参照ボタン74は、登録情報ダイアログボックス70に新規登録する場合にのみ有効であり、登録情報ダイアログボックス70により一度登録した場合には、登録情報ダイアログボックス70を再度表示しても、この登録先欄73はグレイアウトして編集不可となる。
【0053】
ToDoチェックボックス80のチェックをONにすると、登録内容にToDo属性を付けることができる。このToDoチェックボックス80は、電子メールをToDoフォルダ63にドラッグ&ドロップまたはコピー&ペーストした場合や、ビューア68に表示された電子メールの選択範囲などに対して右クリックメニューから登録情報ダイアログボックス70を表示した場合は、デフォルトでチェックがOFFとなり、メニューから「〜として登録」を選択した場合にはデフォルトでチェックがONとなる。ToDo情報の詳細な内容は、設定ボタン75を選択し、後述するToDo情報設定ダイアログボックス85を表示して入力することにより設定することができる。ToDo情報の詳細な内容を設定した場合には、ToDo欄76に設定したToDo情報の内容が表示される。なお、ToDo欄76にユーザが直接任意に入力することはできない。
【0054】
メモ欄77はユーザが直接任意に入力することができるエディットボックスである。電子メールをToDoフォルダ63にドラッグ&ドロップまたはコピー&ペーストした場合はその電子メールの内容などが、ビューア68に表示された電子メールの選択範囲などに対して右クリックメニューから登録情報ダイアログボックス70を表示した場合はその選択範囲の内容などが、デフォルトとしてこのメモ欄77に入力される。
【0055】
OKボタン78が選択されると登録情報ダイアログボックス70に入力された内容で登録され、電子メール処理装置100のToDo情報登録部24に登録内容が格納され、登録情報ダイアログボックス70が閉じられる。キャンセルボタン79が選択されると、登録情報ダイアログボックス70が表示されている間に入力された内容は登録されず、登録情報ダイアログボックス70が閉じられる。
【0056】
図8は、ToDo情報の詳細な設定に関連するものを示す図であり、(a)はToDo情報設定ダイアログボックス85を示す図であり、(b)はToDo情報設定ダイアログボックス85の設定内容を示す図である。ToDo情報設定ダイアログボックス85は、ユーザにより設定ボタン75が選択されることにより表示される。
【0057】
登録情報ダイアログボックス70において、設定ボタン75が選択されると、ToDo情報表示制御部28は、図8の(a)に示すようなToDo情報設定ダイアログボックス85を表示する。ToDo情報設定ダイアログボックス85は、アクションプルダウンリスト81や表示予定時間設定プルダウンリスト82、ToDo情報表示予定時間設定欄83などを有している。
【0058】
アクションプルダウンリスト81がユーザに選択されることにより、図8の(b)に示すように、登録、参照、返信などのアクションメニューがプルダウンリストとして表示され、表示されたアクションからユーザがアクションメニューを選択することができる。
【0059】
ToDo情報表示予定時間設定欄83を選択すると、ToDo情報表示制御部28は、図8の(b)に示すように、「通知しない」、「日時指定」などのプルダウンメニューを表示する。例えば「日時指定」をプルダウンメニューから選択した場合、ToDo情報表示予定時間設定欄83に年月日を入力することにより、ToDo情報表示予定時間を年月日で設定することができる。
【0060】
OKボタン86がユーザに選択されることによりToDo情報設定ダイアログボックス85で入力された内容が登録情報ダイアログボックス70のToDo欄76に表示され、ToDo情報設定ダイアログボックス85が閉じられる。さらに登録情報ダイアログボックス70のOKボタン78がユーザに選択されることにより、ToDo情報登録部24は、ToDo情報設定ダイアログボックス85で入力された内容を登録する。キャンセルボタン87が選択されるとToDo情報設定ダイアログボックス85が表示されている間に入力された内容は登録されず、ToDo情報設定ダイアログボックス85が閉じられる。
【0061】
図9は、未処理ToDo情報一覧90を示す図であり、(a)はToDo情報の表示順序の変更前を示す図であり、(b)はToDo情報の表示順序の変更後を示す図である。未処理ToDo情報一覧90のダイアログボックスは、ToDo情報表示欄91、アクション実行ボタン93、リンク先ボタン94、登録データボタン95などを有しており、登録されたToDo情報表示予定時間に至ったときに表示される。なお、ToDo情報表示予定時間に電子メール処理装置100の電源が投入されていない場合や、電子メール処理装置100が起動していない場合は、ToDo情報表示予定時間後で電子メール処理装置100が起動された際に未処理ToDo情報一覧90を表示する。
【0062】
ToDo情報表示欄91には、アクションの実行がされていない未処理ToDo情報がリスト表示される。例えば、図9の(a)では2004年10月9日の午後12時をToDo情報表示予定時間としていたToDo情報が表示され、このToDo情報とともに、2004年9月19日の午後8時にすでに表示が行われているがまだ実行していないアクションの予約情報であるToDo情報も表示される。これにより、ToDo情報の表示はされたが実行していないアクションを実行することを忘れてしまうことを防止することができる。ToDo情報表示欄91には、登録情報ダイアログボックス70やToDo情報設定ダイアログボックス85で設定したToDo情報表示予定時間や見出し、リンク先などがアクションとともに表示される。
【0063】
ToDo情報表示欄91に表示されたToDo情報の表示順序はソートすることができる。例えばToDo情報表示予定時間でソートする場合は、昇順を日時の古いものと新しいものとで切り替えることができ、また例えば見出しやリンク先でソートする場合は、昇順をアスキーコード順にすることができ、またアクションでソートする場合は、昇順を「参照→返信→全員に返信→転送→送信→編集→登録」というような所定の優先順位でソートすることができる。
【0064】
ToDo情報表示欄91に表示されたToDo情報は、配置を変更したいToDo情報をドラッグ&ドロップすることによりその表示順序を変更することもできる。例えば、図9の(a)において、ToDo情報表示欄91の下に表示されたToDo情報を上のToDo情報の上部にユーザによりドラッグ&ドロップされることにより、ToDo情報表示制御部28の順序変更部36は、図9の(b)に示すようにToDo情報の表示順序を変更する。
【0065】
ToDo情報表示欄91に表示されたToDo情報がユーザにより選択され、アクション実行入力受付部30により表示されたアクション実行ボタン93がユーザにより選択され、アクション実行入力受付部30によりアクションの実行指示が受け付けられた場合、アクション実行部は、実行指示を受け付けられたアクションを実行する。例えば図9の(a)においてToDo情報表示欄91に表示された「全員に返信」のアクションを含むToDo情報を選択してアクション実行ボタン93を選択すると、ToDo情報表示制御部28は、リンク先として登録された電子メールについて、宛先やCcに表示されたすべてのメールアドレスを宛先とした「全員に返信」の電子メールの入力画面を表示する。これによりいちいち電子メールの一覧表示60で電子メールを選択して全員に返信のアイコンを選択するなどの煩雑な作業を行うことなくアクションを実行できる。
【0066】
アクション実行部32が実行指示を受け付けられたアクションを実行すると、ToDo情報表示制御部28は、ToDo情報表示欄91から実行したアクションを含むToDo情報を削除して表示する。ToDo情報表示制御部28が次に他のToDo情報の表示予定時間に至ったときに未処理ToDo情報一覧90を表示する場合、実行したアクションを含むToDo情報は表示されず、実行していない未実行のアクションを含むToDo情報のみを表示する。
【0067】
リンク先ボタン94が選択されると、電子メールの一覧表示60がアクティブになり、リンク先の電子メールが選択され、ビューア68にリンク先の電子メールの内容が表示される。登録データボタン95が選択されると、登録情報ダイアログボックス70が表示される。
【0068】
閉じるボタン92を選択することにより、未処理ToDo情報一覧90は閉じられる。未処理ToDo情報一覧90を閉じる前に実行されなかったアクションは、他のToDo情報の表示予定時間となって未処理ToDo情報一覧90が表示されたときに再度表示される。
【0069】
以上説明したように、本発明にかかる電子メール処理装置によれば、後で返信や転送などの電子メールに関連するアクションを行いたい場合に、これらのアクションを忘れてしまうことを抑制することができ、ユーザが電子メールに関連するアクションを容易に管理することを可能にすることができる。
【0070】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。また、当業者の知識に基づいて、それらの各発明特定事項や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、変形例を挙げる。
【0071】
ToDo情報表示予定時間の設定は、まずアクションの期限を設定し、そのアクションの期限のどれくらい前にToDo情報を表示するかを設定することによって設定してもよい。これにより、アクションの期限を明確にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】電子メール処理装置の構成を示す図である。
【図2】電子メール処理装置のアクション実行部を含む構成を示す図である。
【図3】ToDo情報表示制御部の構成を示す図である。
【図4】電子メール処理装置の動作フローを示す図である。
【図5】電子メール処理装置のアクション実行処理の動作フローを示す図である。
【図6】電子メールの一覧表示を示す図である。
【図7】登録情報ダイアログボックスを示す図である。
【図8】ToDo情報の詳細な設定に関連するものを示す図であり、(a)はToDo情報設定ダイアログボックスを示す図であり、(b)はToDo情報設定ダイアログボックスの設定内容を示す図である。
【図9】未処理ToDo情報一覧を示す図であり、(a)はToDo情報の表示順序の変更前を示す図であり、(b)はToDo情報の表示順序の変更後を示す図である。
【符号の説明】
【0073】
10 受信部、 12 送信部、 14 メール処理部、 16 電子メール格納部、 20 アクションメニュー選択受付部、 22 表示予定時間受付部、 24 ToDo情報登録部、 28 ToDo情報表示制御部、 30 アクション実行入力受付部、 32 アクション実行部、 50 表示部、 60 電子メールの一覧表示、 70 登録情報ダイアログボックス、 85 ToDo情報設定ダイアログボックス、 90 未処理ToDo情報一覧、 100 電子メール処理装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも電子メールの編集画面の表示を含む電子メールに対する処理である予め定められた複数のアクションのうち、いずれのアクションかを特定する識別情報であるアクションメニューを記憶するアクションメニュー格納部と、
前記複数のアクションのうち実行を予約するアクションを特定するアクションメニューの選択をユーザから受け付けるアクションメニュー選択受付部と、
選択を受け付けられたアクションメニューを含むアクションの予約情報をToDo情報として登録するToDo情報登録部と、
所定の指示により前記登録されたToDo情報を画面に表示させるToDo情報表示制御部と、
前記表示されたToDo情報に含まれるアクションメニューによって特定されるアクションの実行指示をユーザから受け付けるアクション実行入力受付部と、
前記実行指示を受け付けられたアクションを実行するアクション実行部と、
を備えることを特徴とする電子メール処理装置。
【請求項2】
前記ToDo情報登録部は、アクションの実行対象となる電子メールを特定するためのリンク情報をToDo情報と対応して記憶し、
前記アクション実行部は、前記実行指示を受け付けられたアクションの予約情報であるToDo情報と対応して記憶された前記リンク情報を参照することにより、アクションの実行対象となる電子メールを特定し、特定された電子メールに対してアクションを実行することを特徴とする請求項1に記載の電子メール処理装置。
【請求項3】
前記ToDo情報表示制御部は、登録された複数のToDo情報を画面に表示させ、前記画面に表示された複数のToDo情報の表示順序の入力をユーザから受け付ける表示順序受付部をさらに有し、前記入力を受け付けられた表示順序で前記複数のToDo情報を画面に表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の電子メール処理装置。
【請求項4】
前記ToDo情報表示制御部は、前記アクション実行入力受付部によりアクションの実行指示が受け付けられたときに、画面に表示されていたToDo情報から、前記アクション実行入力受付部により実行指示が受け付けられたアクションの予約情報であるToDo情報を削除して画面に表示させることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電子メール処理装置。
【請求項5】
前記ToDo情報表示制御部がToDo情報を画面に表示させるタイミングを示すToDo情報表示予定時間の指定をユーザから受け付ける表示予定時間受付部をさらに有し、
前記ToDo情報登録部は、指定を受け付けられたToDo情報表示予定時間をToDo情報と対応して記憶し、
前記ToDo情報表示制御部は、前記指定を受け付けられたToDo情報表示予定時間に至ったときに、該ToDo情報表示予定時間に対応して記憶されたToDo情報を画面に表示させることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電子メール処理装置。
【請求項6】
少なくとも電子メールの編集画面の表示を含む電子メールに対する処理である予め定められた複数のアクションのうち、いずれのアクションかを特定する識別情報であるアクションメニューから、実行を予約するアクションを特定するアクションメニューの選択をユーザから受け付ける機能と、
選択を受け付けられたアクションメニューを含むアクションの予約情報をToDo情報として登録する機能と、
所定の指示により前記登録されたToDo情報を画面に表示させる機能と、
前記表示されたToDo情報に含まれるアクションメニューによって特定されるアクションの実行指示をユーザから受け付ける機能と、
前記実行指示を受け付けられたアクションを実行する機能と、
をコンピュータに実現せしめることを特徴とする電子メール処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−195745(P2006−195745A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−6750(P2005−6750)
【出願日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(390024350)株式会社ジャストシステム (123)