説明

電子レンジ加熱用液状食品

【課題】具材を液状食品に加えて電子レンジで加熱調理することにより加熱料理を得る際に、電子レンジ加熱による焦げが抑制または防止された電子レンジ加熱用液状食品を提供する。
【解決手段】液状食品に具材を加えて電子レンジで加熱調理を行うことにより加熱食品を得られるようにする電子レンジ加熱用液状食品において、乳化剤がHLB3〜7のソルビタン脂肪酸エステルおよびHLB3〜7のショ糖脂肪酸エステルの少なくともいずれかと、澱粉を含有させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、具材を加えて電子レンジで加熱する際に、焦げの発生が防止ないしは抑制された電子レンジ加熱用液状食品に関する。
【背景技術】
【0002】
電子レンジ等によって加熱し、加温や解凍後食することを想定したパウチ詰液状食品が広く市販されている。例えば、あらかじめ加熱調理したカレー、スープ等の料理等をパウチ内に密封してレトルト処理したレトルト食品や、上述した料理等をパウチ内に密封して冷凍処理した冷凍食品等が販売されている。
また、最近では、電子レンジ加熱を単純な食品の加熱や解凍だけに利用するのではなく、食品の加熱調理に積極的に利用されるようになっている。
【0003】
ところで、液状食品を容器に入れ、電子レンジで液状食品の加温やその冷凍物の解凍に利用する際、液状食品を局部的に加熱してしまう場合がある。そのような場合、容器に接した液状食品の周縁部分が局部的に過加熱状態となり、液状食品が焦げるという問題がある。この問題は、電子レンジを加熱調理に利用する場合にも大きな問題となっている。
すなわち、液状食品を電子レンジで加熱調理した場合、鍋とガスコンロとを使用した場合と異なり、マイクロウェーブの細かい出力調整が困難であり、結果的に食品を電子レンジで加熱調理する間、マイクロ波が集中しやすい食品の周縁部の温度が局部的に上昇し、焦げが生じやすい。
【0004】
そこで、電子レンジ加熱時の液状食品の過加熱箇所や焦げの発生を防止するため、電子レンジ加熱調理用食品に氷層を形成することが提案されている(特許文献1)。具体的には、成型容器内に、ブリックス度が7%以上の流動状食品を充填し、当該流動状食品の上部に、ブリックス度が5%以下の水溶液を凍結させた表層を形成することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−14711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された流動状食品の場合、電子レンジ用に開発されたものではあるが、冷凍された流動状食品であるため、常温で流通し販売される電子レンジ加熱用液状食品における焦げを抑制できないという問題がある。
【0007】
なお、既に調理済みの液状食品をパウチ詰めした食品が市販されているが、具材のテクスチャーは損なわれ、煮崩れしがちであり、また、具材に調味液の風味が過度に染み込み、具材そのものの味が失われがちという問題がある。このことからも、新鮮な具材を調味液入りの液状食品で電子レンジ加熱調理することにより、その加熱料理を簡便に得られるようにすることが重要な課題となっている。
【0008】
新鮮な具材を調味液入りの液状食品で電子レンジ加熱し、具材の調味と煮込みを同時に行うためには、電子レンジの出力を液状食品が沸騰する条件にして一定時間以上加熱する必要がある。しかし、このような沸騰状態が持続される状態では、いっそう焦げを生じやすい。
【0009】
本発明の目的は、以上の従来の技術の課題を解決しようとするものであり、具材を液状食品に加えて電子レンジで加熱調理することにより加熱食品を得る際に、電子レンジ加熱による焦げが抑制または防止された電子レンジ加熱用液状食品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、電子レンジ加熱用液状食品の成分のうち特に乳化剤と澱粉に着目し、HLB(Hydrophile−Lipophile Balance)値が一定の範囲の乳化剤と澱粉を組み合わせることにより、上述の目的を達成できることを見出し、本願発明を完成させるに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、液状食品に具材を加えて電子レンジで加熱調理(液状食品及び加えた具材の合計300gあたり、600W×3分相当以上の加熱条件)を行うことにより加熱食品を得られるようにする電子レンジ加熱用液状食品であって、HLB3〜7のソルビタン脂肪酸エステルおよびHLB3〜7のショ糖脂肪酸エステルの少なくともいずれかと、澱粉を含有することを特徴とする電子レンジ加熱用液状食品を提供する。
【0012】
また、本発明は、上述の電子レンジ加熱用液状食品が、電子レンジ加熱用容器に充填されていることを特徴とする電子レンジ加熱用容器詰め食品を提供する。電子レンジ加熱用容器は、容器へ投入する具材の大きさ及び量、並びに電子レンジ加熱に必要なワット数と時間の説明表示を備えていることが好ましい。
【0013】
更に、本発明は、上述の電子レンジ加熱用液状食品を、電子レンジで加熱することを特徴とする加熱食品の製造方法を提供する。この製造方法においては、電子レンジ加熱用容器詰め液状食品の容器内に具材を投入し、電子レンジで加熱することが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本願発明の電子レンジ加熱用液状物食品は、HLB値が一定の範囲の乳化剤、および澱粉を含有するものである。このため、具材を電子レンジ加熱用液状食品に加えて加熱した場合、電子レンジ加熱による焦げが抑制または防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の電子レンジ加熱用液状食品は、液状物を含有する食品にHLB値が一定の範囲の乳化剤、および澱粉とを含有させたものであり、これに具材を加えて電子レンジで加熱調理するだけで、加熱料理を得られるものである。ここで、液状食品の形態としては、低〜高粘性の液体に限られず、ペーストのように微細な食用固形分が混入して全体が液状となっているものでもよい。液状食品の具体例としては、各種ソース、たれ等の調味液、お粥、リゾット等の米飯加工品、スープ、シチュー、味噌汁等のスープ類、ココア、紅茶等の飲料、流動食等の液状栄養食品、カスタードクリーム等が挙げられる。
【0016】
本発明において使用する乳化剤は、ソルビタン脂肪酸エステルまたはショ糖脂肪酸エステルであり、HLB値は3〜7、好ましくは4〜7である。
乳化剤のHLB値が3未満の場合、製造ラインや樹脂製パウチ等の容器に付着して電子レンジ加熱時の焦げ抑制または防止効果が低下する場合があり、一方、HLB値が7を超える場合、電子レンジ加熱時の焦げ抑制または防止効果が低下する場合がある。
乳化剤において脂肪酸の種類としては特に限定されるものではないが、炭素数が12〜22の飽和または不飽和脂肪酸が挙げられる。中でも、ベヘニン酸、オレイン酸、ステアリン酸を好ましく挙げられる。具体的な例としては、ソルビタンオレイン酸エステル、ソルビタンステアリン酸エステル、ショ糖ベヘニン酸エステルが挙げられる。
なお、本発明においては、ソルビタン脂肪酸エステルとショ糖脂肪酸エステルを併用することができる。
【0017】
本発明の電子レンジ加熱用液状食品は、液状食品に前述したHLB3〜7のソルビタン脂肪酸エステルおよびHLB3〜7のショ糖脂肪酸エステルの少なくともいずれかを、合計で好ましくは0.1〜4%、より好ましくは0.1〜3%含有する。含有量が0.1%未満では、電子レンジ加熱時の焦げの抑制または防止効果を得られない恐れがある。含有量が4%を超えると、乳化剤特有の風味を感じやすくなり、液状食品の風味を損なう恐れがある。
【0018】
本発明の液状食品は、電子レンジ加熱による液状食品の周縁部分の乾燥を防止するとともに、液状食品が局部的に過加熱状態になるのを抑制する効果が得られ易い点から、澱粉を用いる。澱粉としては、小麦粉澱粉、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、米澱粉、タピオカ澱粉などの生澱粉、これら生澱粉に常法によりα化処理を行ったα化澱粉、生澱粉に常法により湿熱処理を行った湿熱処理澱粉、更に、生澱粉に常法により架橋処理、エステル化処理、エーテル化処理、酸化処理などの一種又は二種以上の処理を行った架橋澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉などの加工澱粉などが挙げられる。これらの澱粉の中でも、具材に液状食品が絡み易い好ましい性状を付与できるという点から、湿熱処理澱粉又は加工澱粉を好ましく使用できる。
【0019】
澱粉の含有量は、電子レンジ加熱による液状食品の周縁部分の乾燥を防止するとともに、液状食品が局部的に過加熱状態になるのを抑制する効果が得られ易い点から、液状食品全体の好ましくは1〜5質量%、より好ましくは1.5〜3質量%である。
【0020】
本発明の電子レンジ加熱用液状食品は、電子レンジ加熱による焦げを抑制または防止するために、乳化剤と澱粉の相対量を一定の範囲に規定することが好ましい。つまり、本発明における乳化剤と澱粉の相対的な配合割合は、HLB3〜7のソルビタン脂肪酸エステルおよびHLB3〜7のショ糖脂肪酸エステルの少なくともいずれか100質量部に対し澱粉含有量が好ましくは50〜1500質量部、より好ましくは50〜600質量部である。また、澱粉含有量がこの範囲を下回ると、液状食品の乳化状態に影響し電子レンジ加熱後の外観を損なう可能性が高まる。
【0021】
上述のように本発明の電子レンジ加熱用液状食品は、具材を加えて電子レンジで加熱しても焦げが抑制または防止されるように、HLB値が一定の範囲のソルビタン脂肪酸エステルおよびショ糖脂肪酸エステルの少なくともいずれかを配合しているが、ソルビタン脂肪酸エステルやショ糖脂肪酸エステルなどの乳化剤は特有の風味を有するため、電子レンジ加熱後の加熱食品において乳化剤由来の風味を感じる場合がある。そのため、本発明の電子レンジ加熱用液状食品には、食用油脂を親油性乳化剤と親水性乳化剤とで乳化してなる乳化組成物をさらに含有させることがより好ましい。この乳化組成物と、HLB値が一定の範囲のソルビタン脂肪酸エステルおよびショ糖脂肪酸エステルの少なくともいずれかを併用することにより、電子レンジ加熱用液状食品全体に対する全乳化剤の含有量を減少させることができる。
【0022】
本発明において使用する食用油脂を親油性乳化剤と親水性乳化剤とで乳化してなる乳化組成物とは、食用油脂が水中で親油性乳化剤と親水性乳化剤とにより乳化粒子として安定的に分散してなるものである。乳化組成物の乳化粒子の平均粒子径は0.1〜1.0μmであることが好ましい。乳化粒子の平均粒子径が0.1μm未満、あるいは、1.0μmを超えると電子レンジ加熱時の焦げの抑制または防止効果が不十分となる。なお、前記平均粒子径(メジアン径)は、レーザー回折式粒度分布測定装置にて体積換算で得た粒度分布から求めた値である。
【0023】
乳化組成物を構成する食用油脂とは、トリアシルグリセロール又はジアシルジアシルグリセロールを主成分とする脂質のことであり、公知の食用の食用油脂、例えば、魚油、卵黄油等の液状動物油、あるいは、菜種油、コーン油、大豆油、これらを精製したサラダ油等の液状植物油等を好ましく使用することができる。
【0024】
乳化組成物を構成する親油性乳化剤は、HLB値が10未満、好ましくはHLB値2〜8、より好ましくは5〜7の乳化剤、あるいは、リン脂質等が挙げられる。このような乳化剤の具体例としては、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド等を例示することができる。リン脂質の具体例としては、卵黄リン脂質、大豆リン脂質等を例示することができる。なお、本発明においては、親油性乳化剤の2種以上を併用することができる。
【0025】
乳化組成物を構成する親水性乳化剤は、HLB値が10以上、好ましくは10〜16のポリグリセリン脂肪酸エステルやショ糖脂肪酸エステル、あるいは、リゾリン脂質等が挙げられる。リゾリン脂質の具体例としては、卵黄リン脂質や大豆リン脂質等のリン脂質をホスホリパーゼAで酵素処理した酵素処理リン脂質等を例示することができる。なお、本発明においては、親水性乳化剤の2種以上を併用することができる。
【0026】
また、リン脂質およびトリアシルグリセロールを含有する卵黄油やレシチンは、乳化剤組成物を構成する食用油脂および親油性乳化剤としても使用することができ、リゾリン脂質およびトリアシルグリセロールを含有する酵素処理卵黄油やリゾレシチンは、乳化剤組成物を構成する食用油脂および親水性乳化剤としても使用することができる。
【0027】
本発明で使用する乳化組成物は、公知の方法により調製することができる。例えば、まず、親油性乳化剤を食用油脂に加熱溶解させて油性乳化剤溶液を調製し、それとは別に親水性乳化剤を清水に投入して必要により加熱して溶解させて水性乳化剤溶液を調製し、次に、油性乳化剤溶液と水性乳化剤溶液とを混合し、必要に応じて精製水を加え、高圧乳化装置により所定の乳化粒子径となるように乳化処理することにより調製することができる。
【0028】
また、乳化組成物中の食用油脂の配合量は、好ましくは2〜30質量%である。乳化組成物における親油性乳化剤の配合量は、好ましくは1〜50質量%である。乳化組成物における親水性乳化剤の配合量は、好ましくは0.4〜10質量%である。乳化組成物における水の配合割合は、好ましくは20〜90質量%である。配合割合がこの範囲にあれば、焦げ抑制または防止効果に影響を与えることなく、全乳化剤の含有量を減少させることができる。
【0029】
本発明の電子レンジ加熱用液状食品は、HLB値が一定範囲の乳化剤の含有量にもよるが、前述した食用油脂を親油性乳化剤と親水性乳化剤とで乳化してなる乳化組成物を、好ましくは0.01〜4%、より好ましくは0.05〜2%の割合で含有する。
【0030】
以上説明した本発明の電子レンジ加熱用液状食品は、電子レンジ加熱用容器に充填することにより電子レンジ加熱用容器詰め食品とすることができる。この電子レンジ加熱用容器詰め食品も本発明の一部である。
【0031】
本発明の電子レンジ加熱用液状食品を耐熱容器に移し替え、あるいは電子レンジ加熱用容器詰め食品形態のまま、電子レンジで加熱することにより、加熱食品を製造することができる。この製造方法も本発明の一部である。後者の場合、電子レンジ加熱用食品が充填された電子レンジ加熱用容器詰め食品の容器内に更に具材を投入し、電子レンジで加熱することができる。
【0032】
本発明の電子レンジ加熱用液状食品に加える具材としては、例えば、キャベツ、ホウレン草、小松菜、ナス、インゲン、ブロッコリー、ダイコン、ニンジン、カブ、カボチャ、ジャガイモ、モヤシなどの野菜類、まいたけ、しめじなどのきのこ類、鶏肉、豚肉、牛肉、羊肉などの獣肉類、スズキ、タラ、たこ、いか、エビ、ムール貝、ホタテ、あさりなどの魚介類、うどん、パスタなどの乾麺、生米、豆腐などを挙げることができる。
これらの具材の中でも、カボチャ、ジャガイモ、きのこ類、獣肉類、魚介類、乾麺、生米、豆腐は、調味液の風味を付与し煮込み感が出るまで加熱するには十分に煮込む必要があり、電子レンジ加熱により煮込む場合は特に焦げが生じやすい。本発明の電子レンジ加熱用液状食品は、これらの焦げが生じやすい具材を加えて電子レンジ加熱により十分に煮込んだ場合であっても、焦げを防止または抑制することができる。
これらの具材は、容器に投入する前にあらかじめ、下茹で、油通し、あく抜きなどの下処理をしておくことができる。
また、本発明の電子レンジ加熱用液状食品においては、水や牛乳等の液状食品をさらに加えることができる。液状食品の中でも、牛乳を加えると電子レンジ加熱により煮込む場合に特に焦げが生じやすいが、本発明の電子レンジ加熱用液状食品は、牛乳を加えて電子レンジで加熱調理する場合にも好適に用いることができる。
【0033】
電子レンジ加熱は、例えば、加えた具材の好ましいテクスチャーや旨みを加熱により引き出し、また、電子レンジ加熱用液状食品である調味液で具材を調味する点から少なくとも調味液が沸騰する加熱条件、具体的には、調味液と加えた具材の合計300gあたり、好ましくは出力600W×3分相当以上の加熱をすることが好ましい。ここで600W×3分相当とは、出力300Wであれば6分、出力400Wであれば4.5分、出力800Wであれば2.25分というように、出力ワット数と時間との積の値が同じになるように換算して計算した条件以上の電子レンジ加熱を行うことである。また、レトルト調味液と具材の合計が例えば600gであれば、出力ワット数と時間との積の値が300gの場合の2倍となるように電子レンジ加熱を行う。前記加熱条件の上限としては、沸騰状態を持続して投入した具材が適度に加熱調理される条件とすればよく、具体的には、投入した具材の種類にもよるが、レトルト調味液と加えた具材の合計300gあたり、好ましくは出力600W×20分相当以下の加熱条件とすればよい。
【0034】
次に、本発明の電子レンジ加熱用容器詰め液状食品に関し、容器内に具材を投入し、電子レンジで加熱調理することにより加熱料理を得られるようにする電子レンジ加熱用容器詰め食品について説明する。
【0035】
この電子レンジ加熱用容器詰め食品に使用する電子レンジ加熱用容器としては、レトル
ト処理及びレンジ調理が可能な種々の容器を用いることができる。このような容器としては、例えば、耐熱性樹脂性の成形容器の他、底面にマチをもたせたスタンディングパウチ、底面及び側面にマチをもたせたガゼット袋、四方シール袋などが挙げられる。また、これら容器としては、容器を開封して具材を投入した後電子レンジ調理する前に当該容器を再封するための再封機能や、電子レンジ加熱調理時に蒸気を容器外に排出する蒸気抜き機構を備えていることが好ましい。
【0036】
前記電子レンジ用容器詰め液状食品は、容器詰めしてあることにより、保管が可能となり、必要なときに具材を容器内に投入して電子レンジ調理するだけで簡便に加熱食品を製造することができ好ましい。このような電子レンジ用容器詰め食品は、例えば、常法により耐熱性パウチに充填密封した後120℃で4分相当以上のレトルト処理や、凍結処理をすることができ、特にレトルト処理をしたレトルト品であると、常温であっても長期保管ができ好ましい。
【0037】
更に、前記容器には、電子レンジ加熱調理する際に加える具材の好ましい切り方、大きさ、投入量、電子レンジ加熱に必要なワット数と時間などの説明表示を備えることが好ましい。特に、説明表示の具体的な内容として、具材の投入量、大きさ、電子レンジ加熱のワット数と時間については、これらが電子レンジ加熱後の加熱食品の出来の善し悪しに大きく影響するため、できるだけ表示することが望まれる。このような説明表示は、容器の表面に印刷することにより形成してもよく、容器の梱包箱等の外装材に印刷することにより形成してもよく、容器とは別個の紙片に印刷し、その紙片を容器に添付するようにしてもよい。
【0038】
次に、本発明の電子レンジ加熱用容器詰め食品を使用して加熱食品を調理または製造する方法を説明する。この方法は、電子レンジ調理用容器詰め食品のジッパー部を開封し、そこから具材をパウチ内に投入し、ジッパー部を閉じ、電子レンジで加熱調理することを特徴とする。また、この調理又は製造方法は、観点を変えれば電子レンジ調理用パウチ詰め食品の使用方法という意義を有する。
【0039】
まず、電子レンジ加熱用容器詰め食品に付された説明表示の内容に沿って具材の計量及びカットを行った後、電子レンジ加熱用容器詰め液状食品を開封し、そこから具材を投入してジッパーにより再封する。
【0040】
次に、蒸気抜き機構から内容物がこぼれ難いように蒸気抜き機構が上部にくるように容器を電子レンジに入れ、上述した所定のワット数と時間で電子レンジ加熱調理を行う。電子レンジ加熱時には、電子レンジ加熱調理により直接的に液状食品と具材が加熱されるのに加え、ジッパー部により容器が閉じられていることから、発生した蒸気によっても液状食品と具材とがいわゆる蒸らし効果により加熱される。電子レンジ加熱により直接的に具材が加熱されるほど液状食品および具材が乾燥しやすく、焦げやすい傾向があるので、このようにジッパー部を有するパウチを用いると、蒸気による蒸らし加熱によっても具材を液状食品である調味液で煮込み調理することができ、結果的に液状食品の焦げが抑制または防止されやすく好ましい。発生した蒸気は、蒸気抜き機構から排出されるため、容器の破裂は防止される。
【0041】
加熱調理後は、容器を開口し得られた加熱食品を皿等に盛り付ければよい。以上のようにして得られた加熱食品は、具材に液状食品である調味液の風味が充分に付与されており、しかも、電子レンジ加熱による液状食品の焦げが抑制または防止されている。
【実施例】
【0042】
以下に、本発明を実施例にて説明する。実施例において、「%」及び「部」は、特に言
及しない限り、それぞれ「質量%」及び「質量部」を意味する。
【0043】
[実施例1]
<しめじのクリーム煮>
(1)投入する具材
容器(パウチ)内に後に加える具材をしめじ100gとした。
【0044】
(2)電子レンジ加熱用容器詰め液状食品(レトルトクリームソース入り)の調製
下記配合割合の原料を用意した。まず、食塩、上白糖、キサンタンガムを粉体混合した。次に、ミキサーにこの粉体混合物および清水を投入して撹拌混合した後、菜種油、ソルビタン脂肪酸エステル(HLB4.3)、チキンエキス、脱脂粉乳、小麦粉、生クリーム、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、バターを加えてさらに撹拌混合した。続いて、加熱した二重釜に、得られた混合液を加えて撹拌しながら品温90℃になるまで加熱することによりクリームソースを調製した。
【0045】
続いて、得られたクリームソース200gを弱化シール部と切欠とからなる蒸気抜き機
構を有するジッパー付きスタンドパウチ(電子レンジ加熱時にパウチが膨張する際の圧力で部分的に開口するようにジッパー部の嵌合を調整した蒸気抜き機構を有するもの)に充填密封後、レトルト処理(115℃、20分間)し、パウチ内にレトルトクリームソース(200g)が充填されている電子レンジ加熱用容器詰め液状食品を得た。
得られた電子レンジ加熱用液状食品は、クリームソースに加えるしめじの好ましい大きさ、投入量、電子レンジ加熱に必要なワット数と時間などの説明表示を印刷した紙製の化粧箱に封入した。なお、ソルビタン脂肪酸エステル(HLB4.3)の含有量100部に対して澱粉含有量は250部であった。
【0046】
<配合割合>
食塩 2.0%
上白糖 0.5%
脱脂粉乳 2.0%
小麦粉 1.5%
生クリーム 7.0%
菜種油 2.0%
ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉 1.5%
キサンタンガム 0.2%
バター 0.5%
チキンエキス 0.2%
ソルビタン脂肪酸エステル(HLB4.3) 0.6%
清水 残 量
――――――――――――――――――――――――――――
合計 100.0%
【0047】
(3)電子レンジによる加熱調理
前述の(2)の電子レンジ加熱用容器詰め液状食品のジッパーを開封し、(1)のぶなしめじ100gを入れ、再度ジッパーを閉じた。次に、電子レンジ内にしめじ投入後の電子レンジ加熱用容器詰め液状食品を蒸気抜き機構が上面になるように平置きした。これを電子レンジで加熱調理(600W×6分間)をし、料理の取出用のノッチから開封した。電子レンジ加熱した液状食品は、焦げがなかった。なお、乳化剤に由来する風味は感じられなかった。
【0048】
なお、実施例1のクリームソースにおいて、ソルビタン脂肪酸エステル(HLB4.3)の配合量を0.08%とし、減少分は清水を増加させて補正した以外は同様な方法で調製したクリームソースについても同様に電子レンジで加熱調理し、加熱後の液状食品を観察したところ、液状食品の周縁部の一部に焦げた箇所があったが問題のない範囲であった。なお、ソルビタン脂肪酸エステル(HLB4.3)の合計含有量100部に対して澱粉含有量は1875部であった。
【0049】
また、実施例1のクリームソースにおいて、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を配合していない対照品についても同様に電子レンジで加熱調理し、加熱後の液状食品を観察したところ、液状食品の周縁部が乾燥し、焦げた箇所があった。
【0050】
[実施例2]
<パスタのオイルソース煮>
(1)投入する具材
パウチ内に後に加える具材を半分に折ったパスタ(乾麺、長さ25cm、直径1.6mm商品名:マ・マー スパゲティ、メーカー名:日清フーズ(株))80gとした。
【0051】
(2)電子レンジ加熱用容器詰め食品(オイルソース入り)の調製
【0052】
下記配合割合の原料を用意した。ニーダーにこれらの原料を投入し撹拌混合しながら品温90℃になるまで加熱することによりオイルソースを得た。
【0053】
続いて、得られたオイルソース30gを弱化シール部と切欠とからなる蒸気抜き機構を有するジッパー付きスタンドパウチ(実施例1と同じ)に充填密封後、レトルト処理(115℃、20分間)し、パウチ内にオイルソース(30g)が充填されている電子レンジ加熱用容器詰め液状食品を得た。なお、ソルビタン脂肪酸エステル(HLB7.0)およびショ糖脂肪酸エステル(HLB6.0)の合計含有量100部に対して澱粉含有量は67部であった。
【0054】
<配合割合>
食油 42.0%
食塩 8.0%
グルタミン酸ナトリウム 3.0%
オクテニルコハク酸澱粉 2.0%
キサンタンガム 0.2%
赤唐辛子 0.3%
乾燥にんにく 2.5%
ソルビタン脂肪酸エステル(HLB7.0) 1.5%
ショ糖脂肪酸エステル(HLB6.0) 1.5%
清水 残 量
――――――――――――――――――――――――――――
合計 100.0%
【0055】
(3)電子レンジによる加熱調理
(2)の電子レンジ加熱用容器詰め液状食品のジッパーを開封し、(1)のパスタ80gおよび清水200gを入れ、再度ジッパーを閉じた。次に、電子レンジ内にパスタおよび清水投入後の樹脂製パウチ詰め調味液を蒸気抜き機構が上面になるように平置きした。これを電子レンジで加熱調理(600W×10分間)をし、料理の取出用のノッチから開封した。電子レンジ加熱した液状食品は、焦げがなかった。なお、乳化剤に由来する風味は感じられなかった。
【0056】
なお、実施例2のオイルソースにおいて、ソルビタン脂肪酸エステル(HLB7.0)の配合量を0.05%、ショ糖脂肪酸エステル(HLB6.0)の配合量を0.05%とし、減少分は清水を増加させて補正した以外は同様な方法で調製したオイルソースについても、同様に電子レンジで加熱調理し、加熱後の液状食品を観察したところ、液状食品の周縁部の一部に焦げた箇所があったが問題のない範囲であった。なお、ソルビタン脂肪酸エステル(HLB7.0)およびショ糖脂肪酸エステル(HLB6.0)の合計含有量100部に対して澱粉含有量は2000部であった。
【0057】
[試験例1]
きのこのクリーム煮における、乳化剤が焦げの発生に与える影響を調べるために以下の試験を行った。すなわち、実施例1において、乳化剤(ソルビタン脂肪酸エステル)を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様の方法にて、表1の試験番号1〜9の電子レンジ加熱用容器詰め液状食品を調製した。しめじのクリーム煮を同様に電子レンジ加熱により調理し(各2検体)、焦げの有無を以下の基準に従って評価した。得られた結果を表1に示す。
【0058】
<焦げの評価基準>
○:2検体ともに焦げがなかった
△:1検体に焦げた箇所があった
×:2検体ともに焦げた箇所があった
【0059】
【表1】

【0060】
表1によれば、HLB3〜7のソルビタン脂肪酸エステルおよびHLB3〜7のショ糖脂肪酸エステルの少なくともいずれかを含む電子レンジ加熱用容器詰め液状食品は、電子レンジ加熱による焦げの発生が抑制されることが理解できる。なお、試験番号2〜4および7の電子レンジ加熱用容器詰め液状食品は、乳化剤に由来する風味は感じられなかった。
【0061】
これに対して、試験番号1、6、7、8および9の乳化剤を含む電子レンジ加熱用容器詰め液状食品は、焦げの抑制効果がいずれも劣っていることが理解できる。
【0062】
[調製例1](乳化組成物の調製)
2部の酵素処理リン脂質を60部の精製水に添加し、加熱溶解して水性乳化剤溶液を得た。また、20部のグリセリン脂肪酸エステル(HLB5.0)と10部の食用油脂(サラダ油)とを混合し、加熱溶解して油性乳化剤溶液を得た。得られた水性乳化剤溶液と油性乳化剤溶液とを混合し、混合物の全量が100部となるように、精製水を添加した。得られた混合物を高圧乳化装置により、所定の乳化粒子の平均粒子径が得られる条件にて乳化処理し、乳化組成物(以下、「乳化組成物X」とする)を調製した。
乳化組成物Xの平均粒子径は、0.5μmであった。
【0063】
[調製例2](乳化組成物の調製)
15部のグリセリン脂肪酸エステル(HLB9.5)を50部の精製水に添加し、加熱溶解して水性乳化剤溶液を得た。また、7部の卵黄油(リン脂質含有量30%)と20部のエタノールとを混合し、加熱溶解して油性乳化剤溶液を得た。得られた水性乳化剤溶液と油性乳化剤溶液とを混合し、混合物の全量が100部となるように、精製水を添加した。得られた混合物を高圧乳化装置により、水中油型の乳化物が得られる条件にて乳化処理し、乳化組成物(以下、「乳化組成物Y」とする)を調製した。
乳化組成物Yの平均粒子径は、0.3μmであった。
【0064】
[実施例3]
<ジャガイモのクリーム煮>
(1)加える具材
パウチ内に後に加える具材を一口大(約1cm幅、輪切り)にカットしたジャガイモ約180gおよび牛乳80gとした。
【0065】
(2)電子レンジ加熱用容器詰め液状食品(レトルトクリームソース入り)の調製
下記配合割合の原料を用意した。ニーダーにこれらの原料を投入し撹拌混合しながら品温90℃になるまで加熱することによりクリームソースを得た。
【0066】
次に、得られたクリームソース200gを弱化シール部と切欠とからなる蒸気抜き機構
を有するジッパー付きスタンドパウチ(実施例1と同じ)に充填密封後、レトルト処理(115℃、15分間)し、パウチ内にレトルトクリームソース(200g)が充填されている電子レンジ加熱用容器詰め液状食品を得た。なお、ソルビタン脂肪酸エステル(HLB4.9)の含有量100部に対して澱粉含有量は286部であった。
【0067】
<配合割合>
食塩 2.0%
上白糖 2.0%
白ワイン 2.0%
小麦粉 1.5%
牛乳 15.0%
チーズ 3.0%
アセチル化アジピン酸架橋澱粉 2.0%
キサンタンガム 0.1%
バター 2.0%
玉ねぎ 7.0%
ベーコン 7.0%
ソルビタン脂肪酸エステル(HLB4.9) 0.7%
乳化組成物X 0.7%
清水 残量
――――――――――――――――――――――――――――
合計 100.0%
【0068】
(4)電子レンジによる加熱調理
(3)の電子レンジ加熱用容器詰め液状食品のジッパーを開封し、(1)のジャガイモ100gおよびを入れ、再度ジッパーを閉じた。次に、電子レンジ内にジャガイモ投入後の電子レンジ加熱用容器詰め液状食品を蒸気抜き機構が上面になるように平置きした。これを電子レンジで加熱調理(600W×4分間)をし、料理の取出用のノッチから開封した。電子レンジ加熱した液状食品は、焦げがなかった。なお、乳化剤に由来する風味は感じられなかった。
【0069】
[試験例2]
ジャガイモのクリーム煮における、乳化剤と乳化組成物の組合せが焦げの発生に与える影響を調べるために以下の試験を行った。すなわち、実施例3において、乳化剤(ソルビタン脂肪酸エステル(HLB4.9))および乳化組成物Xを表2に示すように変更した以外は、実施例3と同様の方法にて、表2の試験番号1〜10の電子レンジ加熱用容器詰め液状食品を調製した。ジャガイモのクリーム煮を同様に電子レンジ加熱により調理し(各2検体)、焦げの有無を以下の基準に従って評価した。得られた結果を表2に示す。
【0070】
<焦げの評価基準>
○:2検体ともに焦げがなかった
△:1検体に焦げた箇所があった
×:2検体ともに焦げた箇所があった
【0071】
【表2】

【0072】
表1によれば、HLB3〜7のソルビタン脂肪酸エステルおよびHLB3〜7のショ糖脂肪酸エステルの少なくともいずれかを含有し、かつ、乳化組成物Xまたは乳化組成物Yを含む電子レンジ加熱用液状食品は、電子レンジ加熱による焦げの発生が抑制されることが理解できる。なお、乳化組成物Xの酵素分解レシチンをポリグリセリン脂肪酸エステル(HLB16.0)に変えた以外は同様な方法で調製した乳化組成物を使用した場合でも同様の結果だった。また、乳化組成物Yの卵黄油をソルビタン脂肪酸エステル(HLB3.7)に変えた以外は同様な方法で調製した乳化組成物を使用した場合でも同様の結果だった。
【0073】
これに対して、試験番号7、8のHLB値が一定の範囲の乳化剤を含まない電子レンジ加熱用液状食品、および試験番号9〜11の乳化剤を含む電子レンジ加熱用液状食品は、焦げの抑制効果がいずれも劣っていることが理解できる。
【0074】
[実施例4]
<豆腐の醤油煮>
(1)投入する具材
液状食品に後に加える具材を一口大(3cm角)にカットした絹ごし豆腐300gとした。
【0075】
(2)電子レンジ加熱用容器詰め液状食品(醤油含有調味液入り)の調製
下記配合割合の原料を用意した。ニーダーにこれらの原料を投入し撹拌混合しながら品温90℃になるまで加熱することにより電子レンジ加熱用液状食品を得た。なお、本実施例の乳化組成物Xは乳化処理の条件を変えて、平均粒子径を0.8μmとした。
【0076】
続いて、得られた醤油含有調味液100gをアルミパウチに充填密封後、レトルト処理(115℃、20分間)し、パウチ内に醤油含有調味液(100g)が充填されているパウチ詰め電子レンジ加熱用液状食品を得た。
得られた電子レンジ加熱用液状食品は、醤油含有調味液に加える豆腐の好ましい大きさ、投入量、電子レンジ加熱に必要なワット数と時間などの説明表示を印刷した紙製の化粧箱に封入した。なお、ソルビタン脂肪酸エステル(HLB7.0)の含有量100部に対して澱粉含有量は1500部であった。
【0077】
<配合割合>
牛ひき肉 10.0%
砂糖 5.0%
濃い口醤油 5.0%
みりん 5.0%
食塩 1.3%
湿熱処理澱粉 3.0%
ソルビタン脂肪酸エステル(HLB7.0) 0.2%
乳化組成物X 0.1%
清水 残 量
―――――――――――――――――――――――――――――
合計 100.0%
【0078】
(3)電子レンジによる加熱調理
(3)の電子レンジ加熱用液状食品のアルミパウチを開封し、電子レンジ加熱用液状食品および(1)の豆腐300gを耐熱性樹脂製の成形容器(長さ18.5×幅12cm×高さ5.7cm)に入れた。次に、電子レンジ内に豆腐投入後の電子レンジ加熱用液状食品を電子レンジで加熱調理(600W×4分間)をした。電子レンジ加熱した液状食品は、焦げがなかった。なお、乳化剤に由来する風味は感じられなかった。
【0079】
なお、ソルビタン脂肪酸エステル(HLB7.0)および乳化組成物Xを配合していない対照品についても同様に電子レンジで加熱調理したところ、液状食品の液面周縁部に焦げた箇所があった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状食品に具材を加えて電子レンジで加熱調理(液状食品及び加えた具材の合計300gあたり、600W×3分相当以上の加熱条件)を行うことにより加熱食品を得られるようにする電子レンジ加熱用液状食品であって、HLB3〜7のソルビタン脂肪酸エステルおよびHLB3〜7のショ糖脂肪酸エステルの少なくともいずれかと、澱粉を含有することを特徴とする電子レンジ加熱用液状食品。
【請求項2】
前記具材が、きのこ、豆腐、生米、生麺類、乾麺類、肉類のうちから選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の電子レンジ加熱用液状食品。
【請求項3】
液状食品に具材とともに牛乳を加えて電子レンジで加熱調理する請求項1または2記載の電子レンジ加熱用液状食品。
【請求項4】
HLB3〜7のソルビタン脂肪酸エステルおよびHLB3〜7のショ糖脂肪酸エステルの少なくともいずれかの合計含有量が液状食品全体の0.1〜4質量%であり、澱粉含有量が液状食品全体の1〜5質量%であり、かつHLB3〜7のソルビタン脂肪酸エステルおよびHLB3〜7のショ糖脂肪酸エステルの少なくともいずれかの合計含有量100質量部に対して澱粉を50〜1500質量部含有する請求項1乃至3のいずれかに記載の電子レンジ加熱用液状食品。
【請求項5】
食用油脂を親油性乳化剤と親水性乳化剤とで乳化してなる乳化組成物を含有する請求項1乃至4のいずれかに記載の電子レンジ加熱用液状食品。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の電子レンジ加熱用液状食品が容器に充填されてなり、容器内に具材を投入し、電子レンジで加熱調理することにより加熱食品を得られるようにする電子レンジ加熱用容器詰め液状食品。
【請求項7】
容器へ投入する具材の大きさ及び量、並びに電子レンジ加熱に必要なワット数と時間の説明表示を備えている請求項6に記載の電子レンジ加熱用容器詰め液状食品。
【請求項8】
請求項1乃至5のいずれかに記載の電子レンジ加熱用液状食品に具材を加えて電子レンジで加熱調理することを特徴とする加熱食品の製造方法。
【請求項9】
請求項6又は7に記載の電子レンジ用容器詰め液状食品の容器内に具材を投入して電子レンジで加熱調理することを特徴とする加熱食品の製造方法。

【公開番号】特開2012−231745(P2012−231745A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−102798(P2011−102798)
【出願日】平成23年5月2日(2011.5.2)
【出願人】(000001421)キユーピー株式会社 (657)
【Fターム(参考)】