説明

電子レンジ調理用お好み焼きミックス粉

【課題】生地から直接電子レンジ調理することができ、且つ焼成したお好み焼きのような良好な風味と食感とを有するお好み焼きを製造するためのお好み焼きミックスの提供。
【解決手段】小麦粉、又は小麦粉と澱粉とを密閉容器中で攪拌しながら間接加熱処理して得られた加熱処理粉を0.5〜10質量%含有することを特徴とする電子レンジ調理用お好み焼きミックス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子レンジ調理用お好み焼きミックスに関する。詳細には、焼成せずに電子レンジ調理しても良好な風味と食感のお好み焼きが得られる、電子レンジ調理用お好み焼きミックスに関する。
【背景技術】
【0002】
お好み焼きは、種々の具材を小麦粉に溶いた生地を、油を引いた鉄板等で焼き上げる食品であり、地域や家庭によって様々な食材、調味料、焼き方などがあり、家庭でも簡便に調理できることから人気のあるメニューである。
一方で、近年、家庭などでは、食事の低カロリー志向や調理後の片づけの点から油で焼いたり炒めたりする料理は敬遠される傾向があることや、より簡便に料理ができることなどから、電子レンジで簡単に調理が可能な食品の需要が増大してきている。お好み焼きについても同様に電子レンジ調理が望まれている。
【0003】
油で焼いたり炒めたりする代わりに油を使わずに電子レンジで調理するために、食品が付着しづらいシリコーン製やフッ素コーティングした調理容器などが提案されている。しかし、これらの調理容器を用いて電子レンジ調理した場合、油で焼いたり炒める調理法に比べて調理した食品が風味に乏しく、また食感が柔らかすぎたり、場合によりねっとりとした食感となることがあるという問題があった。お好み焼きは特に風味や食感が重要視される食品であることから、電子レンジ調理した場合でもその風味や食感を低下させない素材や調理法の開発が所望されている。
【0004】
小麦粉生地を電子レンジ調理するための方法として、特許文献1には、小麦粉を密閉容器中で攪拌しながら間接加熱処理して得られる加熱処理小麦粉を60〜100質量%含む小麦粉組成物と起泡させた卵白又は全卵とを混合して調製した生地を、マイクロ波調理するスポンジ状食品の製造方法が開示されている。しかしながら、この生地は、具材を加えると、生地がスポンジ状であるため具材を保持できずぼろぼろに分離してしまうため、そもそもお好み焼き用の生地としては使用できないものであった。
特許文献2には、乳化剤を0.1〜2.0重量%混合した澱粉を加熱処理することによって得られる澱粉複合体からなるマイクロ波加熱用の食品用素材が開示されている。また特許文献3には、乳化剤を添加した小麦粉を実質的に油脂を添加することなく加熱処理して得られる、未処理の小麦粉に対してアミロース溶出量及び蛋白質溶出量が抑制されている食品素材を、マイクロ波加熱用食品素材として使用することが記載されている。しかしながら、これらの素材は、焼き、炒め、揚げ等の通常の方法で調理した後に電子レンジで再加熱して食される食品のための素材であって、最初から直接電子レンジで調理する食品のための素材ではなかった。
【0005】
従って、生地から直接電子レンジ調理して得られたお好み焼きは、その風味や食感、特に生地が固くなったりねちゃついたりする等の食した際の生地の食感や具材とのバランスにおいて、未だ満足できるものではなかったのが実状であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4676971号公報
【特許文献2】特許第4116910号公報
【特許文献3】特許第3943951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、生地から直接電子レンジ加熱することによって簡便に調理することができ、且つ焼成したお好み焼きのような良好な風味と食感とを有するお好み焼きを製造することができる、電子レンジ調理用お好み焼きミックスを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく種々研究を重ねた結果、小麦粉、又は小麦粉と澱粉とを密閉容器中で攪拌しながら間接加熱処理して得られた加熱処理粉を含有するお好み焼きミックスを用いることによって、生地から直接電子レンジ加熱しても、焼成したお好み焼きのような良好な風味と食感とを有するお好み焼きが得られることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は、小麦粉、又は小麦粉と澱粉とを密閉容器中で攪拌しながら間接加熱処理して得られた加熱処理粉を0.5〜10質量%含有することを特徴とする電子レンジ調理用お好み焼きミックスを提供することにより、上記課題を解決したものである。
また本発明は、上記お好み焼きミックスを含む生地を電子レンジ調理することを特徴とする、お好み焼きの製造方法を提供することにより、上記課題を解決したものである。
また本発明は、上記お好み焼きミックスを含む生地を電子レンジ調理して得られたお好み焼きを提供することにより、上記課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の電子レンジ調理用お好み焼きミックスを用いれば、生地を直接電子レンジで調理するだけで、焼成したお好み焼きのような良好な風味とふんわりとした好ましい食感とを有するお好み焼きを、簡便な手順で得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の電子レンジ調理用お好み焼きミックスに使用される加熱処理粉は、小麦粉、又は小麦粉と澱粉とを密閉容器中で間接加熱処理して得られるものである。
上記間接加熱処理は、品温80〜150℃、好ましくは100〜130℃で、5〜120分間、好ましくは30〜80分間の処理であり得る。好ましくは、当該間接加熱処理においては、該材料を攪拌しながら加熱する。撹拌の条件は、容器の大きさ、処理すべき材料の量によって異なるが、通常は10〜60rpm、好ましくは20〜50rpm程度である。
【0012】
上記間接加熱処理の手段は、特に限定されないが、例えば、加熱手段を有する回転シャフトからなる撹拌装置を有する密閉容器中において、材料を撹拌しながら加熱する処理であることが好ましい。より好ましくは、中空構造の回転シャフトからなる攪拌装置を有する密閉系円筒状容器を用い、加熱蒸気を中空構造の回転シャフト内に供給することにより加熱を行う。このような間接加熱処理に使用し得る容器の例として特開2004−9022号公報に記載された熱処理攪拌装置が挙げられる。
【0013】
上記加熱処理粉の材料となる、間接加熱処理に供される小麦粉は、お好み焼きに通常用いられる小麦粉であればよく、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム小麦粉、それらの混合物等を、所望のお好み焼きの品質に応じて適宜選択することができる。
【0014】
上記加熱処理粉の材料となる、間接加熱処理に供される澱粉としては、タピオカ、馬鈴薯、小麦、コーン、ワキシーコーンなどの澱粉、これらの澱粉をアセチル化、エーテル化、架橋、酸化、α化などの化学・加工処理を施した澱粉、それらの混合物等が挙げられるが、好ましくはタピオカ澱粉、小麦澱粉、コーン澱粉である。
小麦粉と澱粉とをあわせて間接加熱処理する場合における、当該澱粉の使用量は、間接加熱処理に供する小麦粉の質量の5〜50質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
あるいは、小麦粉のみを上記間接加熱処理にかけて得られた加熱処理粉の一部を、澱粉のみを別途密閉容器中で攪拌しながら間接加熱処理して得られた加熱処理澱粉に置き換えてもよい。当該加熱処理澱粉の使用量は、間接加熱処理された小麦粉の質量の5〜50質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
【0015】
上記加熱処理粉は、好ましくは、その材料にさらに乳化剤を含む。すなわち、上記加熱処理粉は、好ましくは、小麦粉と乳化剤、又は小麦粉と澱粉と乳化剤とを密閉容器中で攪拌しながら間接加熱処理して得られたものである。当該乳化剤としては、特に限定されないが、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、リゾレシチン等が挙げられ、これらの中でもグリセリン脂肪酸エステルが好ましく、ステアリン酸モノグリセリド、コハク酸モノグリセリドがより好ましい。これらの乳化剤は単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
上記乳化剤を添加する場合、その添加量は、間接加熱処理に供する小麦粉の量、又は小麦粉と澱粉との合計量に対して、0.1〜2.0質量%が好ましく、0.3〜1.0質量%がより好ましい。なお、前述のように、小麦粉のみを間接加熱処理にかけた加熱処理粉を、澱粉のみを間接加熱処理にかけた加熱処理澱粉に一部置き換えて用いる場合、乳化剤は小麦粉又は澱粉の一方にのみ添加してもよいし、両方に添加してもよい。その際、最終的に加熱処理澱粉で置き換えられた加熱処理粉の総量(加熱処理粉と加熱処理澱粉の合計量)に対して、乳化剤の量が上記範囲にあればよく、それに合わせて、間接加熱処理前の小麦粉及び/又は澱粉に添加する乳化剤量を調節すればよい。
【0016】
従って、上記加熱処理粉の材料とは、好ましくは、実質的に小麦粉、又は小麦粉と澱粉、及び必要に応じて乳化剤からなる材料である。より好ましくは、実質的に小麦粉と乳化剤、又は小麦粉と澱粉と乳化剤からなる材料であり、さらに好ましくは、実質的に小麦粉と乳化剤からなる材料である。言い換えれば、本発明で使用される加熱処理粉とは、好ましくは、上記材料の間接加熱処理物を意味する。
【0017】
上記の手順で間接加熱処理された小麦粉は、好ましくは、加熱処理されていない小麦粉(生小麦粉)に対し、アミロース溶出量が10〜80%に抑制され、かつ蛋白質溶出量が30〜80%に抑制されているという特徴を有する。
【0018】
なお、アミロース及び蛋白質の溶出量の測定法は下記のとおりである。
アミロース溶出量の測定
小麦粉160mgに対して蒸留水8mlを加えた後、撹拌しながら70℃、10分間加熱する。室温まで冷却した後、遠心分離して上澄液を得る。上澄液0.5mlにヨード発色液4ml(200mgKI、20mgI2/1000ml蒸留水)を加えて発色させた後、660nmの吸光度を測定しアミロース溶出量とする。測定したアミロース溶出量から、下記式によりアミロース溶出抑制率(%)を算出する。
【0019】
【数1】

【0020】
蛋白質溶出量の測定
小麦粉160mgに対して蒸留水8mlを加えた後、撹拌しながら70℃、10分間加熱する。室温まで冷却した後、遠心分離して上澄液を得る。上澄液50μlにBio Rad社の蛋白アッセイキットA液200μl及び蛋白アッセイキットB液2mlを加えて室温で反応させ750nmの吸光度を測定し溶出蛋白質量とする。測定した溶出蛋白質量から、下記式により蛋白質溶出抑制率(%)を算出する。
【0021】
【数2】

【0022】
本発明の電子レンジ調理用お好み焼きミックスにおける上記加熱処理粉の含有量は、当該ミックスの全質量に対して、好ましくは0.5〜10質量%であり、より好ましくは1〜3質量%である。0.5質量%未満及び10質量%を超えると、食感が硬くなるか又はねっとりとしたものとなり、充分な効果が得難い。
【0023】
本発明の電子レンジ調理用お好み焼きミックスには、上記加熱処理粉の他に、お好み焼きの製造に通常用いられる穀粉類や澱粉類、例えば、未処理の小麦粉、コーンフラワー、ホワイトソルガムなどの穀粉類;タピオカ、馬鈴薯、小麦、コーン、ワキシーコーンなどの澱粉、これらの澱粉をアセチル化、エーテル化、架橋、酸化、α化などの化学・加工処理を施した澱粉等の澱粉類を適宜配合することができる。
本発明のお好み焼きミックス中における穀粉類及び澱粉類の合計含有量は、当該ミックスの全質量に対して80〜95質量%が好ましく、88〜90質量%がより好ましい。
【0024】
さらに、本発明の電子レンジ調理用お好み焼きミックスは、焙焼穀粉を含有していてもよい。焙焼穀粉を含有すると、ローストの風味によって電子レンジ調理された生地の蒸れ臭が抑えられ、より良好な風味、食感が得られるため好ましい。
焙焼穀粉に用いる穀物としては、小麦、大麦、エンバク、ハトムギ、米(餅米を含む)、トウモロコシ、ライ麦、ソバ、ヒエ、アワ、キビ、ソルガム、モロコシ、マコモ等が挙げられ、その種子を粉砕後又はそのまま焙煎、ロースト、乾熱加熱処理等に付して用いればよい。また、市販のローストフラワー(例えば、日清製粉ローストフラワーRM、日清製粉ローストフラワーRC)やローストモルト(例えば、Mutons plc社の大麦モルトフラワーXD400)を用いることもできる。
本発明のお好み焼きミックス中における焙焼穀粉の含有量は、当該ミックスの全質量に対して0.1〜3質量%が好ましく、0.4〜1.5質量%がより好ましい。
【0025】
本発明の電子レンジ調理用お好み焼きミックスは、上述した加熱処理粉、穀粉類や澱粉類、及び焙焼穀粉に加えて、さらに、お好み焼きの製造に通常用いられるその他の原材料、例えば、砂糖などの糖類、油脂類、粉乳、色素、香料、食塩、乳化剤、乾燥卵、大豆蛋白、小麦グルテン粉末、増粘多糖類、卵殻カルシウム、酵素、呈味剤、香辛料などを、所望のお好み焼きの品質に応じて適宜含有していてもよい。
【0026】
本発明の電子レンジ調理用お好み焼きミックスは、上述した加熱処理粉、穀粉類や澱粉類、必要に応じて焙焼穀粉及びその他の原材料を適宜混合することによって得ることができる。本発明のミックスのミックス粉の形態は、粉末、顆粒状など、特に限定されない。
【0027】
上記の如き組成からなる本発明の電子レンジ調理用お好み焼きミックスを、水などの液体や、具材、調味料等と適宜混合することによって、お好み焼き用生地を作製することができる。このお好み焼き用生地を電子レンジで加熱調理することによって、本発明の電子レンジ調理されたお好み焼きを提供することができる。
電子レンジによる加熱調理の条件は、生地の量や使用する調理機器等に応じて調理者が適宜設定すればよい。
【0028】
斯くして、本発明の電子レンジ調理用お好み焼きミックスを使用することによって、鉄板やフライパン等で焼成する必要なしに、電子レンジで調理するだけで、簡便にお好み焼きを製造することができる。この電子レンジ調理されたお好み焼きは、従来の電子レンジで調理したお好み焼きのように強い小麦粉臭や蒸れ臭によって風味が大きく損なわれたり、食感が柔らかすぎたり固くなったり、又は粘ついたりすることがなく、焼成したお好み焼きのような良好な風味とふんわりとした好ましい食感とを有する。
【実施例】
【0029】
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
【0030】
製造例1
薄力粉(日清製粉(株)製「バイオレット」)を、特開2004−9022号公報に記載された熱処理攪拌装置に投入し、蒸気を該装置の中空構造の回転シャフト内に導入して、品温110℃で60分間の間接加熱処理を行い、加熱処理粉1を得た。この加熱処理粉1は、加熱処理前と比べてアミロース溶出量が60%に、蛋白質溶出量が50%に抑制されていた。
【0031】
製造例2
薄力粉100質量部当たり1質量部の乳化剤(理研ビタミン(株)製「エマルジーMM−100」、グリセリン脂肪酸エステル)を添加した以外は、製造例1と同様にして間接加熱処理を行い、加熱処理粉2を得た。この加熱処理粉2は、加熱処理前と比べてアミロース溶出量が60%に、蛋白質溶出量が50%に抑制されていた。
【0032】
製造例3
薄力粉85質量部当たり15質量部の澱粉(小麦澱粉丸徳、長田産業株式会社)を添加した以外は、製造例1と同様にして間接加熱処理を行い、加熱処理粉3を得た。この加熱処理粉3は、加熱処理前と比べてアミロース溶出量が55%に、蛋白質溶出量が40%に抑制されていた。
【0033】
製造例4
薄力粉を全て澱粉(小麦澱粉丸徳、長田産業株式会社)と置き換えた以外は、製造例2と同様にして間接加熱処理を行い、加熱処理澱粉1を得た。
【0034】
加熱処理粉1〜3及び加熱処理澱粉1を、下記表1に示す材料と混合してお好み焼きミックスを得た(実施例1〜3及び比較例1〜3)。
【0035】
【表1】

【0036】
試験例1
表1に記載のお好み焼きミックス50gと水50gをボウルにいれ、ホイッパーを用いて160回転/分にて30秒間攪拌混合した。これに千切りキャベツ100gを加え、ゴムベラをもちいて50回攪拌混合し、生地を調製した。22cm径の耐熱皿にベイキングシートを敷き、前記調製生地の全量を用いて直径12cm〜13cm、高さ1.5cmに成型した。成型した生地を皿ごとレンジに入れ、500Wで5分間加熱調理して、お好み焼きを製造した。
得られたお好み焼きの食感を、10名のパネルにて、下記表2の評価基準にて評価し、その平均点を求めた。評価結果を表3に示す。なお、得られたお好み焼きの風味は、比較例3について特に澱粉特有の生臭さがあった。
【0037】
【表2】

【0038】
【表3】

【0039】
試験例2
実施例2と同様の手順で、但し加熱処理粉の量を様々に変えて、表4に示すお好み焼きミックスを調製した(調製例1〜5)。これらのミックスを用いて、試験例1と同様の手順でお好み焼きを製造し、その風味及び食感を評価した。評価結果を表4に示す。なお、表4中には実施例2の結果を再掲する。
【0040】
【表4】

【0041】
試験例3
表5に示すとおり、乳化剤(理研ビタミン(株)製「エマルジーMM−100」、グリセリン脂肪酸エステル)の量を様々に変えて、製造例2と同様の手順で加熱処理粉を調製した。これを用いて実施例1と同様の組成でお好み焼きミックスを調製した(調製例6〜10)。それらのミックスを用いて試験例1と同様の手順でお好み焼きを製造し、風味及び食感を評価した。評価結果を表5に示す。なお、表5中には実施例2の結果を再掲する。
【0042】
【表5】

【0043】
試験例4
原料麦を洗浄、焙焼し、粉砕して焙焼穀粉を製造した。表7に示す組成で焙焼穀粉を含むお好み焼きミックスを調製した。それらのミックスを用いて試験例1と同様の手順でお好み焼きを製造し、10名のパネルにて表6の評価基準にて風味及び食感を評価し、その平均点を求めた。評価結果を表7に示す。
【0044】
【表6】

【0045】
【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
小麦粉、又は小麦粉と澱粉とを密閉容器中で攪拌しながら間接加熱処理して得られた加熱処理粉を0.5〜10質量%含有することを特徴とする電子レンジ調理用お好み焼きミックス。
【請求項2】
前記加熱処理粉が、小麦粉と乳化剤、又は小麦粉と澱粉と乳化剤とを密閉容器中で攪拌しながら間接加熱処理して得られたものであり、当該乳化剤の量が、当該小麦粉の量、又は当該小麦粉と澱粉との合計量に対して、0.1〜2.0質量%である請求項1記載のミックス。
【請求項3】
0.1〜3質量%の焙焼穀粉をさらに含有する、請求項1又は2記載のミックス。
【請求項4】
前記間接加熱処理が、加熱手段を有する回転シャフトからなる撹拌装置を有する密閉容器中において、品温80〜150℃で5〜120分間の条件で行う加熱処理である、請求項1〜3のいずれか1項記載のミックス。
【請求項5】
前記小麦粉を間接加熱処理して得られた加熱処理粉の一部が、澱粉を密閉容器中で攪拌しながら間接加熱処理して得られた加熱処理澱粉に置き換えられている請求項1〜4のいずれか1項記載のミックス。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項記載の電子レンジ調理用お好み焼きミックスを含む生地を電子レンジ調理することを特徴とする、お好み焼きの製造方法。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項記載の電子レンジ調理用お好み焼きミックスを含む生地を電子レンジ調理して得られたお好み焼き。

【公開番号】特開2013−21972(P2013−21972A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159704(P2011−159704)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(398012306)日清フーズ株式会社 (139)
【Fターム(参考)】