説明

電子体温計補助用具

【課題】電子体温計使用時に直接噛んでしまうことも多く、口内に入れるにあたって不衛生な状態が続くことと、口内奥に落下、もしくは破損してしまうという危険性の問題点があり、従来から安全性確保に際し多大な手間がかかってしまうことがあった。本発明は手間がかからず、簡単に取り扱うことのできる電子体温計の補助用具を提供することを課題とする。
【解決手段】上部保持片5bと下部保持片5cとが所定の距離Hだけ離間して略平行に設けられ、該上下の保持片5b、5cの間に挿入部5aが挟持されて設けられており、前記挿入部5aの正面視略中央に挿入孔5dが貫通して設けられていることを特徴とする電子体温計補助用具によって上記課題を解決したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口内で計る電子体温計を歯で噛む事で、安定させ、事故防止、なおかつ体温計の形状と衛生面を守るものである。
【背景技術】
【0002】
口内で計る電子体温計は固定が困難な為、安定感がなく手で支えるか、歯で電子体温計を直接くわえる必要があった。
【0003】
衛生面の部分でも何度も同じ箇所を使用することから、歯形がつき変色の原因や不衛生さもあった。
【0004】
手が不自由な方が人の力を借りている場合に、補助役の人の一定時間を要し、手間も多大であった。
【0005】
また目覚めの状態からの体温測定は寝ぼけていることが多く、口内奥に落下する危険の可能性があった。
【0006】
歯で電子体温計を直接噛むことによって、電子体温計を破損し口内を怪我することがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−010169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のごとく、実際には電子体温計を直接噛んでしまうことも多く、口内に入れるにあたって不衛生な状態が続くことと、口内奥に落下、もしくは破損してしまうという危険性の問題点があった。上記特開2005−010169号公報に記載の物は使用にあたって多大な手間がかかってしまうことがあった。本発明は手間がかからず、簡単に取り扱うことが可能で電子体温計の安全性を向上させるための補助用具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、上部保持片と下部保持片とが所定の距離離間して略平行に設けられ、該上下の保持片の間に挿入部が挟持して設けられており、前記挿入部の正面視略中央に挿入孔が貫通して設けられていることを特徴とする電子体温計補助具によって解決されるものである。
【発明の効果】
【0010】
しっかり噛むことが出来て安定感もあり、取り扱いも簡単で、破損や事故防止にも有用で、なおかつ取り外して洗うこともでき、衛生面の考慮もできるという効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の補助用具を電子体温計に装着した状態を示す平面図である。
【図2】本発明の補助用具を電子体温計に装着した状態を示す側面図である。
【図3】本発明の補助用具を電子体温計に装着した状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の補助用具の平面図である。
【図5】本発明の補助用具の側面図である。
【図6】本発明の補助用具の正面図である。
【図7】本発明の補助用具を装着した電子体温計の使用状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に従って、本発明の電子体温計補助用具5について詳しく述べる。図1は、本発明の補助用具を電子体温計に装着した状態を示す平面図である。また、図2は、本発明の補助用具を電子体温計に装着した状態を示す側面図である。本発明の電子体温計1に装着する補助用具5は、例えば、シリコン樹脂等の弾性体からなり、上部保持片5bと下部保持片5cの、各一枚ずつの、例えば、シリコン樹脂片と、電子体温計1に装着させる筒状部分としての挿入部5aとが、合体して、一つの物一体物となる。形は丸、四角、星形、ハート形など噛みやすい形状物であれば特に限定されるものではない。ハート形の場合、幅Wの寸法は、約1.7〜2.5センチ位の長さが好ましい。しかし、この寸法に限定されるものではない。
【0013】
本発明の補助用具5は、上部保持片5bと下部保持片5cとが所定の距離Hだけ離間して略平行に設けられ、該上下の保持片5b、5cの間に挿入部5aが挟持して設けられており、前記挿入部5aの正面視略中央に、電子体温計1の先端部にある温度測定部4を挿入するための挿入孔5dが貫通して設けられている。従って、電子体温計1の先端部にある温度測定部4が、補助用具5から突出して出る長さは充分に確保され、体温計測が充分に可能となる。前記、上部保持片5bと下部保持片5cとが離間する所定の距離Hは、例えば、1cm〜2cm程度が好適である。しかしながら、この寸法に限定されるものではない。
【0014】
また、前記、補助用具5に設けられている挿入孔5dの大きさは、前記、電子体温計1の先端部にある温度測定部4の大きさよりも若干小さめに設けられている。そして、本発明の補助用具5の材質は弾性体で構成されている。従って、温度測定部4を挿入孔5dに手で強めに差し込めば、簡単に挿入可能となる。しかも、弾性体の密接力で、温度測定部4が挿入孔5dに、しっかりと保持される。
【0015】
本発明の補助用具5を装着した電子体温計1は口内に入れた際、補助用具5の上部保持片5bと下部保持片5cとに歯6が適度にあたり、該歯あたり感を確認することが可能で、しかも、電子体温計1を歯6によって噛んで保持した際、電子体温計下部3には傷をつけることがなく、また、破損したりする恐れもない。使用する人にとって取り扱いが極めて簡便で、しかも、極めて安全である。
【0016】
図3は、本発明の補助用具を電子体温計に装着した状態を示す斜視図である。図4は、本発明の補助用具の平面図である。図6は、本発明の補助用具の正面図である。
正面図からは、例えば、平面視ハート形状からなる本発明の補助用具5の間から電子体温計下部3と測定部4が確認できる。
【0017】
図4からは、本発明の補助用具5が平面視例えば、ハート形状を有しているが、ハート形状以外に、その他の形状であってもよいものとする。実際に歯6で噛む場所として前記上部保持片5b、下部保持片5cが設けられており、その箇所が電子体温計を守ることになる。材質は弾性体で耐久性のある樹脂製が好適である。例えば一例として、シリコン樹脂が最適である。シリコン樹脂の場合、嫌な匂いもなく噛んだ場合でも歯を痛めることも極めて少なく皆無に近い。補助用具5の幅Wは約1.7cmから約2.5cm程度が好ましい。しかしながら、この寸法に限定されるものではない。
【0018】
図5は本発明補助用具5の側面図である。真ん中に筒状の芯である挿入部5aがあり、二枚の板状のシリコン樹脂からなる上部保持片5bと下部保持片5cがあるのがわかる。全体がシリコン樹脂で構成され一つの物になっている。
【0019】
図6は本発明補助用具5の正面図である。補助用具5は、上部保持片5bと下部保持片5cとが所定の距離Hだけ離間して略平行に設けられ、該上下の保持片5b、5cの間に挿入部5aが挟持されて設けられており、前記挿入部5aの正面視略中央に挿入孔5dが貫通して設けられている。さらに、詳述すると、正面視略中央に挿入孔5dが設けられており、電子体温計1の本体下部3に装着できるようになっている。装着した時にしっかり止まるように挿入孔5dのサイズはやや狭めになっている。そして測定部4が適度な長さに突出し、測定部4が露出され、体温測定には支障が全くない状態になる。
【0020】
前記、補助用具5の上部保持片5bと下部保持片5cの周縁に突出部Eが設けられている。口内に補助用具5を装着済みの電子体温計1を入れて体温を測定する際、前記補助用具5を歯6で噛んで電子体温計1を固定することになるが、この突出部Eの働きで、この時の電子体温計1の固定がよりいっそう安定したものとなる。さらに、前記突出部Eは補助用具5を歯6で噛んだ時のクッション性と、補助用具5の軽量化にとって好適である。
【0021】
本発明の電子体温計用補助用具5は、電子体温計に好適に用いられるものであるが、電子体温計以外の体温計、例えば、水銀柱体温計などにも応用が可能である。
【0022】
図7は本発明の補助用具5を装着した電子体温計1の使用状態を示す説明図である。電子体温計1は手によって支えられ、電子体温計上部2を常に手で保持するか、歯6で電子体温計自体を直接に歯6で噛むことになり、電子体温計下部3が破損して危険となるが、本発明の補助用具5があることで、歯6で安定化させることができる。しかも、電子体温計下部3が破損することがなく安全である。舌7の部分には電子体温計の温度測定部4が当り、体温測定が可能になる。よって、電子体温計下部3に傷もつけずに破損や落下からの事故を回避することができる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明の電子体温計補助用具5は電子体温計1を使用して体温を測定するときに、衛生面と安全性を高めるものとして利用可能であり産業上の利用可能性がある。そして、元気のない方に少しでも可愛く元気になってもらうことができる。このように本発明の補助用具5は産業上極めて有用な物である。
【符号の説明】
【0024】
1 電子体温計
2 電子体温計上部
3 電子体温計下部
4 電子体温計の温度測定部
5 補助用具
5a 挿入部
5b 上部保持片
5c 下部保持片
5d 挿入孔
E 周縁突出部
W 補助用具の幅
H 補助用具の厚み
6 歯
7 舌

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部保持片5bと下部保持片5cとが所定の距離Hだけ離間して略平行に設けられ、該上下の保持片5b、5cの間に挿入部5aが挟持されて設けられており、前記挿入部5aの正面視略中央に挿入孔5dが貫通して設けられていることを特徴とする電子体温計補助用具。
【請求項2】
前記補助用具5の上部保持片5bと下部保持片5cの周縁に突出部Eが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子体温計補助用具。
【請求項3】
前記補助用具5が弾性体からなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子体温計補助用具。
【請求項4】
前記補助用具5がシリコン樹脂からなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電子体温計補助用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−83469(P2013−83469A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−221771(P2011−221771)
【出願日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【出願人】(711010862)
【Fターム(参考)】