電子供与体高分子及びこれを含む太陽電池
【課題】電子受容体との混和性に優れた電子供与体高分子及びこれを含む太陽電池の提供。
【解決手段】下記の一般式1で表される部分A(moietyA)を含む電子供与体高分子及びこれを含む太陽電池に関する。
上記の一般式1において、X1は、少なくとも2つのエステル残基と前記エステル残基を連結する置換若しくは非置換の2価の脂肪族有機基を含有する官能基であり、X2は、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、ヒドロキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のケトン基等又はこれらの組み合わせである。
【解決手段】下記の一般式1で表される部分A(moietyA)を含む電子供与体高分子及びこれを含む太陽電池に関する。
上記の一般式1において、X1は、少なくとも2つのエステル残基と前記エステル残基を連結する置換若しくは非置換の2価の脂肪族有機基を含有する官能基であり、X2は、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、ヒドロキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のケトン基等又はこれらの組み合わせである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子供与体高分子及びこれを含む太陽電池に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換素子であり、無限定・無公害の次世代エネルギー資源として脚光を浴びている。
【0003】
太陽電池は、p型半導体及びn型半導体を含み、光活性層において太陽光エネルギーを吸収すると、半導体の内部において電子−正孔対(electron−hole pair、EHP)が生成され、ここで生成された電子及び正孔がn型半導体及びp型半導体にそれぞれ移動し、これらが電極に集まることにより、外部において電気エネルギーとして用いることができる。
【0004】
太陽電池は、薄膜を構成する物質によって、無機太陽電池と有機太陽電池とに大別できる。有機太陽電池は、光活性層の構造によって、p型半導体とn型半導体とが別々の層からなる二重層p−n接合(bi−layer p−n junction)構造と、p型半導体とn型半導体とが混合されているバルク異種接合(bulk heterojunction)構造とに分けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、広い波長領域の光を吸収することができ、有機溶媒に溶解され易く、しかも、電子受容体との混和性(miscibility)に優れた電子供与体高分子を提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は、前記電子供与体高分子を含む太陽電池を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、下記の一般式1で表される部分A(moietyA)を含む高分子を提供する。
【0008】
【化1】
【0009】
上記の一般式1において、
X1は、少なくとも2つのエステル残基と前記エステル残基を連結する置換若しくは非置換の2価の脂肪族有機基を含有する官能基であり、
X2は、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、ヒドロキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C30のケトン基、置換若しくは非置換のC1〜C20のエステル基、チオール基、−SR100(ここで、R100は、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、置換若しくは非置換のC2〜C30の芳香族有機基、又は置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキル基)又はこれらの組み合わせである。
【0010】
前記X1は、下記の一般式1A又は1Bで表される官能基を含んでいてもよい。
【0011】
【化2】
【0012】
【化3】
【0013】
上記の一般式1A又は1Bにおいて、
X7〜X9は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の2価のC1〜C20の脂肪族有機基であり、
R3及びR4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基である。
【0014】
前記X1及びX2の少なくとも一方は、ハロゲン原子を含んでいてもよい。
【0015】
前記高分子は、下記の一般式2で表される部分Bをさらに含んでいてもよい。
【0016】
【化4】
【0017】
上記の一般式2において、
X3及びX4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、ヒドロキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のケトン基、置換若しくは非置換のC1〜C20のエステル基、チオール基、−SR101(ここで、R101は、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、置換若しくは非置換のC2〜C30の芳香族有機基、又は置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキル基)又はこれらの組み合わせであり、
R1及びR2は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基、置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロアリール基又はこれらの組み合わせであるか、あるいは、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C=C−、−C≡C−及び−SiR102R103(ここで、R102及びR103は、それぞれ独立して、水素、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基、置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロアリール基及びこれらの組み合わせから選ばれるいずれか一種)を含む有機基又はこれらの組み合わせである。
【0018】
前記部分A及び前記部分Bは、1:0.5〜1:2.5のモル比で含まれていてもよい。
【0019】
前記部分A及び前記部分Bは、一つの繰り返し単位を形成していてもよく、前記繰り返し単位は、下記の一般式3で表される繰り返し単位、下記の一般式4で表される繰り返し単位又はこれらの組み合わせを含んでいてもよい。
【0020】
【化5】
【0021】
【化6】
【0022】
上記の一般式3又は4において、
X2は、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基であり、
X3及びX4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基又は−SR101(ここで、R101は、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基)であり、
X7〜X9は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の2価のC1〜C10の脂肪族有機基であり、
R1及びR2は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C10のアルキル基であり、
R3及びR4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C10の脂肪族有機基である。
【0023】
前記高分子は、下記の一般式5で表される部分Cをさらに含んでいてもよい。
【0024】
【化7】
【0025】
上記の一般式5において、
X12及びX13は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基、置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロアリール基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C30のケトン基、置換若しくは非置換のC1〜C20のエステル基又はこれらの組み合わせである。
【0026】
前記X12及びX13の少なくとも一方は、ハロゲン原子を含んでいてもよい。
【0027】
前記高分子は、下記の一般式6で表される部分Dをさらに含んでいてもよい。
【0028】
【化8】
【0029】
上記の一般式6において、
X10及びX11は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、ヒドロキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のケトン基、置換若しくは非置換のC1〜C20のエステル基、チオール基、−SR104(ここで、R104は、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、置換若しくは非置換のC2〜C30の芳香族有機基、又は置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキル基)又はこれらの組み合わせであり、
R5及びR6は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基、置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロアリール基又はこれらの組み合わせであるか、あるいは、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C=C−、−C≡C−及び−SiR105R106(ここで、R105及びR106は、それぞれ独立して、水素、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基、置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロアリール基及びこれらの組み合わせから選ばれるいずれか一種)を含む有機基又はこれらの組み合わせである。
【0030】
前記部分C及び前記部分Dは、繰り返し単位を形成していてもよく、前記繰り返し単位は、下記の一般式7で表される繰り返し単位を含んでいてもよい。
【0031】
【化9】
【0032】
前記X10及びX11は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基であり、
前記X12及びX13は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20のケトン基、又は置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基であり、
前記R5及びR6は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基である。
【0033】
前記高分子は、下記の一般式8で表される繰り返し単位を有する共重合体、下記の一般式9で表される繰り返し単位を有する共重合体又はこれらの組み合わせを含んでいてもよい。
【0034】
【化10】
【0035】
【化11】
【0036】
上記の一般式8又は9において、
X2は、各繰り返し単位において同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基であり、
X3及びX4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基又は−SR101(ここで、R101は、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基)であり、
X7〜X9は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC1〜C10の脂肪族有機基であり、
X10及びX11は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基であり、
X12及びX13は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C30のケトン基、又は置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基であり、
R1〜R6は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C10のアルキル基であり、
x及びyは、それぞれモル比であり、0≦x≦10及び0<y≦10を満たしている。
【0037】
前記高分子は、1.2〜2.5eVのバンドギャップを有していてもよい。
【0038】
本発明の他の実施形態によれば、相対向するアノード及びカソードと、前記アノードと前記カソードとの間に挟持され、電子供与体及び電子受容体を含む光活性層と、を備え、前記電子供与体は、上記の一般式1で表される部分Aを含む、高分子を含む太陽電池を提供する。
【0039】
前記高分子は、上記の一般式2で表される部分Bをさらに含んでいてもよい。
【0040】
前記高分子は、前記部分A及び前記部分Bを含む繰り返し単位を含んでいてもよく、前記繰り返し単位は、上記の一般式3で表される繰り返し単位、上記の一般式4で表される繰り返し単位又はこれらの組み合わせを含んでいてもよい。
【0041】
前記高分子は、上記の一般式7で表される繰り返し単位をさらに含んでいてもよい。
【0042】
前記高分子は、上記の一般式8で表される繰り返し単位、上記の一般式9で表される繰り返し単位又はこれらの組み合わせを含んでいてもよい。
【0043】
前記X2、X12及びX13の少なくとも一つは、ハロゲン原子を含んでいてもよい。
【0044】
前記電子受容体は、フラーレン又はフラーレン誘導体を含んでいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態に係る有機太陽電池の断面図である。
【図2】製造例1の電子供与体高分子に対するIRスペクトルを示すグラフである。
【図3】製造例2の電子供与体高分子に対するIRスペクトルを示すグラフである。
【図4】製造例3の電子供与体高分子に対するIRスペクトルを示すグラフである。
【図5A】製造例1及び比較製造例2による電子供与体高分子に対する紫外線−可視光線(UV−Vis)の吸収スペクトルを示すグラフである。
【図5B】製造例4及び比較製造例3による電子供与体高分子に対する紫外線−可視光線(UV−Vis)の吸収スペクトルを示すグラフである。
【図5C】製造例3及び比較製造例4による電子供与体高分子に対する紫外線−可視光線(UV−Vis)の吸収スペクトルを示すグラフである。
【図6A】製造例1及び比較製造例2による電子供与体高分子の波長に対する外部量子効率を示すグラフである。
【図6B】製造例4及び比較製造例3による電子供与体高分子の波長に対する外部量子効率を示すグラフである。
【図6C】製造例3及び比較製造例4による電子供与体高分子の波長に対する外部量子効率を示すグラフである。
【図7】製造例1による電子供与体高分子を用いたサンプルの透過電子顕微鏡(transmission electron microscopy、TEM)写真である。
【図8】製造例3による電子供与体高分子を用いたサンプルのTEM写真である。
【図9】製造例4による電子供与体高分子を用いたサンプルのTEM写真である。
【図10】比較製造例2による電子供与体高分子を用いたサンプルのTEM写真である。
【図11】比較製造例3による電子供与体高分子を用いたサンプルのTEM写真である。
【図12】比較製造例4による電子供与体高分子を用いたサンプルのTEM写真である。
【図13】実施例1、3、4及び8と比較例1、2、3及び4による太陽電池の光電流特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、添付図面に基づき、本発明の一実施形態について、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳述する。ところが、本発明は種々の異なる形態によっても実現可能であり、ここで説明する実施形態に限定されるものではない。
【0047】
この明細書において、特に断りのない限り、「置換」又は「置換の」とは、本発明の官能基のうちの1以上の水素がハロゲン基(F、Br、Cl又はI)、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基(NH2、NH(R200)又はN(R201)(R202)であり、ここで、R200、R201及びR202は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、C1〜C10のアルキル基である)、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボキシル基、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のハロアルキル基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアルキニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のヘテロアリール基、及び、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル基よりなる群から選ばれる1種以上の置換基で置換されたものを意味する。
【0048】
この明細書において、特に断りのない限り、「脂肪族」とは、C1〜C20のアルキル、C2〜C20のアルケニル、C2〜C20のアルキニル、C1〜C20のアルキレン、C2〜C20のアルケニレン、又はC2〜C20のアルキニレンを意味し、具体的には、C1〜C15のアルキル、C2〜C15のアルケニル、C2〜C15のアルキニル、C1〜C15のアルキレン、C2〜C15のアルケニレン、又はC2〜C15のアルキニレンを意味し、より具体的には、C1〜C10のアルキル、C2〜C10のアルケニル、C2〜C10のアルキニル、C1〜C10のアルキレン、C2〜C10のアルケニレン、又はC2〜C10のアルキニレンを意味し、「芳香族」とは、C6〜C30のアリール、C2〜C30のヘテロアリール、C6〜C30のアリーレン又はC2〜C30のヘテロアリーレンを意味し、具体的には、C6〜C20のアリール、C2〜C20のヘテロアリール、C6〜C20のアリーレン又はC2〜C20のヘテロアリーレンを意味する。
【0049】
また、この明細書において、特に断りのない限り、「ヘテロシクロアルキル基」、「ヘテロアリール基」及び「ヘテロアリーレン基」は、それぞれ独立して、N、O、S、Si又はPのヘテロ原子を一つの環内に1つ〜3つ含有し、残りは炭素であるシクロアルキル基、アリール基及びアリーレン基を意味する。
【0050】
この明細書において、特に断りのない限り、「アルキル基」とは、C1〜C20のアルキル基を意味し、具体的には、C1〜C15のアルキル基を意味し、より具体的には、C1〜C10のアルキル基を意味し、「シクロアルキル基」とは、C3〜C20のシクロアルキル基を意味し、具体的には、C3〜C15のシクロアルキル基を意味し、より具体的には、C3〜C10のシクロアルキル基を意味し、「アルキレン基」とは、C1〜C20のアルキレン基を意味し、具体的には、C1〜C15のアルキレン基を意味し、より具体的には、C1〜C10のアルキレン基を意味し、「アルケニル基」とは、C2〜C20のアルケニル基を意味し、具体的には、C2〜C15のアルケニル基を意味し、より具体的には、C2〜C10のアルケニル基を意味し、「アルケニレン基」とは、C2〜C20のアルケニレン基を意味し、具体的には、C2〜C15のアルケニレン基を意味し、より具体的には、C2〜C10のアルケニレン基を意味し、「アルキニル基」とは、C2〜C20のアルキニル基を意味し、具体的には、C2〜C15のアルキニル基を意味し、より具体的には、C2〜C10のアルキニル基を意味し、「アルキニレン基」とは、C2〜C20のアルキニレン基を意味し、具体的には、C2〜C15のアルキニレン基を意味し、より具体的には、C2〜C10のアルキニレン基を意味し、「アルコキシ基」とは、C1〜C20のアルコキシ基を意味し、具体的には、C1〜C15のアルコキシ基を意味し、より具体的には、C1〜C10のアルコキシ基を意味し、「アリール基」とは、C6〜C30のアリール基を意味し、具体的には、C6〜C20のアリール基を意味し、より具体的には、C6〜C15のアリール基を意味し、「ヘテロシクロアルキル基」とは、C2〜C30のヘテロシクロアルキル基を意味し、具体的には、C2〜C20のヘテロシクロアルキル基を意味し、「ハロゲン」とは、F、Cl、Br又はIを意味する。
【0051】
この明細書において、別途の定義がない限り、「組み合わせ」とは、一般的には、混合又は共重合を意味する。
【0052】
この明細書において、別途の定義がない限り、「共重合」とは、ブロック共重合、ランダム共重合又はグラフト共重合を意味し、「共重合体」とは、ブロック共重合体、ランダム共重合体又はグラフト共重合体を意味する。
【0053】
また、この明細書において、「*」とは、同じ又は異なる原子もしくは一般式と連結される部分を意味する。
【0054】
図中、複数の層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示している。明細書の全体を通じて類似の部分に対しては同じ図面符号を付している。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あるとするとき、これは、他の部分の「真上に」ある場合だけではなく、これらの間に他の部分が存在する場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「真上に」あるとするとき、これらの間に他の部分が存在しないことを意味する。
【0055】
本発明の一実施形態に係る電子供与体高分子は、下記の一般式1で表される部分A(moiety A)を含む。
【0056】
【化12】
【0057】
上記の一般式1において、
X1は、少なくとも2つのエステル残基と前記エステル残基を連結する置換若しくは非置換の2価の脂肪族有機基を含有する官能基であり、
X2は、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、ヒドロキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C30のケトン基、置換若しくは非置換のC1〜C20のエステル基、チオール基、−SR100(ここで、R100は、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、置換若しくは非置換のC2〜C30の芳香族有機基、又は置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキル基)又はこれらの組み合わせである。
【0058】
X1及びX2の少なくとも一方は、ハロゲン原子を含んでいてもよい。
【0059】
具体的に、X1は、下記の一般式1A又は1Bで表される官能基を含んでいてもよい。
【0060】
【化13】
【0061】
【化14】
【0062】
上記の一般式1A又は1Bにおいて、
X7〜X9は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の2価のC1〜C20の脂肪族有機基であり、
R3及びR4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基である。
【0063】
前記部分Aは、例えば、下記の一般式1−1で表される繰り返し単位、下記の一般式1−2で表される繰り返し単位又はこれらの組み合わせを含んでいてもよい。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0064】
【化15】
【0065】
【化16】
【0066】
上記の一般式1−1又は1−2において、X2、X7〜X9、R3及びR4は、上述の通りである。
【0067】
上記の一般式1−1又は1−2で表される繰り返し単位は、下記の反応式1又は2に従い合成され得る。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0068】
【化17】
【0069】
【化18】
【0070】
前記反応式1又は2において、X2、X7〜X9、R3及びR4についての説明は、上述の通りである。
【0071】
具体的には、上記の一般式1A又は1Bで表される官能基を含む部分Aは、4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−カルボン酸(4,6−dibromothieno[3,4−b]thiophene−2−carboxylic acid)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(dicyclohexylcarbodiimide、DCC)及び4−ジメチルアミノピリジン(4−Dimethylaminopyridine、DMAP)をジクロロメタン(dichloromethane、MC)に溶かした後、下記の一般式1A’又は下記の一般式1B’で表されるアルキルヒドロキシアルカノエート誘導体(alkyl hydroxyalkanoate derivative)と反応させて得られる。
【0072】
【化19】
【0073】
【化20】
【0074】
上記の一般式1A’又は1B’において、X7〜X9、R3及びR4についての説明は、上述の通りである。
【0075】
前記部分Aは、前記電子供与体高分子中に少なくとも一部分以上含まれていてもよく、他の部分とともに繰り返し単位を形成してもよい。このとき、各繰り返し単位において、置換基(X1及びX2)は同じであっても異なっていてもよい。
【0076】
前記電子供与体高分子中に前記電子を受容し得る部分Aを含むことにより、有機太陽電池の光活性層に適用する際に電子受容体との混和性を改善することができる。すなわち、電子供与体高分子と電子受容体との混和性を改善する相溶化剤(compatibilizer)として働いてもよい。
【0077】
これにより、前記電子供与体高分子と電子受容体とを混合して有機太陽電池の光活性層に適用するときに、光活性層のモルフォロジーを有効に改善することができ、その結果、光活性層における電子と正孔との分離を容易にし、しかも、電子と正孔との再結合を防ぐことができ、有機太陽電池の光電変換効率を改善することができる。
【0078】
また、前記電子供与体高分子中に前記部分Aを含むことにより、部分Aを含んでいない電子供与体高分子と比較して、光学的なバンドギャップを狭めることができ、より広い波長領域の太陽光を吸収することができる。
【0079】
特に、前記部分Aは、少なくとも2つのエステル残基と、前記エステル残基同士を連結する置換若しくは非置換の2価の脂肪族有機基とを含有する官能基を含むことにより、親水性及び極性を示すエステル残基及び疎水性を示す脂肪族有機基によって様々な溶媒に有効に溶解でき、光活性層の均一性及びコーティング性を改善することができる。
【0080】
前記電子供与体高分子は、下記の一般式2で表される部分B(moiety B)をさらに含んでいてもよい。
【0081】
【化21】
【0082】
上記の一般式2において、
X3及びX4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、ヒドロキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のエステル基、チオール基、−SR101(ここで、R101は、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、置換若しくは非置換のC2〜C30の芳香族有機基、又は置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキル基)又はこれらの組み合わせであり、
R1及びR2は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基、置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロアリール基又はこれらの組み合わせであるか、あるいは、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C=C−、−C≡C−及び−SiR102R103(ここで、R102及びR103は、それぞれ独立して、水素、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基、置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロアリール基及びこれらの組み合わせから選ばれるいずれか一種)を含む有機基又はこれらの組み合わせである。
【0083】
前記部分Bは、電子供与部分(electron donating moiety)であり、電子を電子受容体に提供する役割を果たしてもよい。
【0084】
具体的には、前記部分Bは、下記の一般式2−1〜2−6で表される部分又はこれらの組み合わせを含んでいてもよいが、これに限定されるものではない。
【0085】
【化22】
【0086】
前記電子供与体高分子は、前記部分A及び前記部分Bを約1:0.5〜約1:2.5のモル比で含んでいてもよい。前記部分A及び前記部分Bのモル比が前記範囲内である場合、前記電子供与体高分子の数平均分子量を増やしつつも、数平均分子量を有効に制御することができ、前記電子供与体高分子を溶解法により容易に製造することができる。具体的には、前記部分A及び前記部分Bを約1:0.75〜約1:2.5のモル比で含んでいてもよく、より具体的には、約1:1〜約1:2のモル比で含んでいてもよい。
【0087】
前記部分A及び前記部分Bは、一つの繰り返し単位を形成していてもよい。このとき、各繰り返し単位において、置換基(X1〜X4、R1、及びR2)は、同じであっても異なっていてもよい。
【0088】
前記部分A及び前記部分Bを含む繰り返し単位を繰り返し単位ABとするとき、前記繰り返し単位ABは、前記部分A及び前記部分Bが直接的に化学結合されていてもよく、連結基(linking group)を介して化学結合されていてもよい。
【0089】
前記繰り返し単位ABは、例えば、下記の一般式3で表される繰り返し単位、下記の一般式4で表される繰り返し単位又はこれらの組み合わせを含んでいてもよいが、これに限定されるものではない。
【0090】
【化23】
【0091】
【化24】
【0092】
上記の一般式3又は4において、
X2は、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基であり、
X3及びX4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、又は−SR101(ここで、R101は、置換若しくは非置換のC1〜C15のアルキル基)であり、
X7〜X9は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の2価のC1〜C10の脂肪族有機基であり、
R1及びR2は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C10のアルキル基であり、
R3及びR4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C10の脂肪族有機基である。
【0093】
前記繰り返し単位ABは、例えば、下記の一般式3−1〜3−7で表される繰り返し単位又はこれらの組み合わせを含んでいてもよいが、これに限定されるものではない。
【0094】
【化25】
【化26】
【0095】
前記電子供与体高分子は、下記の一般式5で表される部分C(moiety C)をさらに含んでいてもよい。
【0096】
【化27】
【0097】
上記の一般式5において、
X12及びX13は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基、置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロアリール基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C30のケトン基、置換若しくは非置換のC1〜C20のエステル基又はこれらの組み合わせである。
【0098】
前記X12及びX13の少なくとも一方は、ハロゲン原子を含んでいてもよい。
【0099】
前記部分Cは一般式5−1乃至5−7のうちの1つで表される部分を含んでいてもよいが、これに限定されるのではない。
【0100】
【化28】
【0101】
前記部分Cは、下記の一般式6で表される部分D(moiety D)と繰り返し単位を形成していてもよい。
【0102】
【化29】
【0103】
上記の一般式6において、
X10及びX11は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、ヒドロキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のケトン基、置換若しくは非置換のC1〜C20のエステル基、チオール基、−SR104(ここで、R104は、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、置換若しくは非置換のC2〜C30の芳香族有機基、又は置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキル基)又はこれらの組み合わせであり、
R5及びR6は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基、置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロアリール基又はこれらの組み合わせであるか、あるいは、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C=C−、−C≡C−及び−SiR105R106(ここで、R105及びR106は、それぞれ独立して、水素、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基、置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロアリール基及びこれらの組み合わせから選ばれるいずれか一種)を含む有機基又はこれらの組み合わせである。
【0104】
このとき、各繰り返し単位において、置換基(X10〜X13、R5、及びR6)は、同じであっても異なっていてもよい。
【0105】
前記部分C及び前記部分Dを含む繰り返し単位を繰り返し単位CDとするとき、前記繰り返し単位CDは、前記部分C及び前記部分Dが直接的に化学結合されていてもよく、連結基を介して化学結合されていてもよい。
【0106】
前記繰り返し単位CDは、例えば、下記の一般式7で表され得る。
【0107】
【化30】
【0108】
前記X10及びX11は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基であり、
前記X12及びX13は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20のケトン基、又は置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基であり、
前記R5及びR6は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基である。
【0109】
前記電子供与体高分子は、上記の一般式7で表される繰り返し単位CDをさらに含むことにより、エネルギーレベル及びバンドギャップを容易に調節することができ、太陽光の吸収効率をも改善することができる。なお、有機溶媒への溶解度を改善して高分子量の電子供与体高分子を容易に形成することができ、正孔移動度を増大させることができる。
【0110】
前記繰り返し単位CDは、例えば、下記の一般式7−1〜7−5で表される繰り返し単位又はこれらの組み合わせを含んでいてもよいが、これに限定されるものではない。
【0111】
【化31】
【化32】
【0112】
前記電子供与体高分子は、前記繰り返し単位ABと前記繰り返し単位CDとが共重合されて形成されていてもよい。
【0113】
前記電子供与体高分子は、例えば、下記の一般式8で表される繰り返し単位を有する 共重合体、下記の一般式9で表される繰り返し単位を有する共重合体又はこれらの組み合わせを含んでいてもよいが、これに限定されるものではない。
【0114】
【化33】
【0115】
【化34】
【0116】
上記の一般式8又は9において、
X2、X3、X4、X7〜X13及びR1〜R6は上述の通りであり、x及びyは、それぞれモル比であり、0≦x≦10及び0<y≦10を満たしている。
【0117】
特に、前記X2、X12及びX13の少なくとも一つは、ハロゲン原子を含んでいてもよい。
【0118】
前記xとyとのモル比が前記範囲内である場合、エネルギーレベル及びバンドギャップを容易に調節することができ、太陽光の吸収効率をも有効に改善することができる。また、有機溶媒への溶解度を改善して高分子量の電子供与体高分子を容易に形成することができ、正孔移動度を有効に増大させることができる。
【0119】
前記電子供与体高分子は、例えば、下記の一般式8−1〜8−10で表される繰り返し単位を有する共重合体又はこれらの組み合わせを含んでいてもよいが、これに限定されるものではない。
【0120】
【化35】
【化36】
【化37】
【0121】
上記の一般式8−1〜8−10において、x及びyは、0≦x≦10及び0<y≦10を満たすことができる。
【0122】
前記電子供与体高分子は、約1,000〜約800,000の数平均分子量を有していてもよい。電子供与体高分子の数平均分子量が前記範囲内である場合、前記電子供与体高分子の形成時に溶液組成を容易に調節することができ、前記電子供与体高分子の物性を有効に調節することができる。また、前記電子供与体高分子を容易に加工することができ、これを有機太陽電池の製造に容易に用いることができる。具体的には、電子供与体高分子は、約2,000〜約100,000の数平均分子量を有していてもよく、より具体的には、約5,000〜約50,000の数平均分子量を有していてもよい。
【0123】
前記電子供与体高分子は、約1.2eV〜約2.5eVのバンドギャップを有していてもよい。電子供与体高分子のバンドギャップが前記範囲内である場合、広い波長領域において太陽光を有効に吸収することができて、短絡電流密度(Jsc)を高めることができ、これにより、これを用いる有機太陽電池の効率を有効に改善することができる。具体的には、前記電子供与体高分子は、約1.5eV〜約2.1eVのバンドギャップを有していてもよく、より具体的には、約1.6eV〜約2.0eVのバンドギャップを有していてもよい。
【0124】
以下、図1に基づき、本発明の一実施の形態に係る太陽電池について説明する。
【0125】
図1は一実施形態に係る太陽電池の断面図である。
【0126】
図1を参照すると、本発明の一実施形態に係る太陽電池100は、基板10と、基板10の一方の面に配設される下部電極20と、下部電極20の一方の面に配設される光活性層30と、光活性層30の一方の面に配設される上部電極40とを備える。
【0127】
基板10は、透光性物質から製造されてもよく、例えば、ガラスなどの無機物質又はポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド及びポリエーテルスルホンなどの有機物質から製造されてもよい。
【0128】
下部電極20及び上部電極40の一方はアノード(anode)であり、もう一方はカソード(cathode)である。下部電極20及び上部電極40の一方は、ITO、インジウムドープの酸化亜鉛(indium doped ZnO、IZO)、酸化スズ(SnO2)、アルミニウムドープの酸化亜鉛(aluminum doped ZnO、AZO)、又はガリウムドープの酸化亜鉛(gallium doped ZnO、GZO)などの透明導電体から製造されていてもよく、もう一方はアルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、又はリチウム(Li)などの不透明導電体から製造されていてもよい。
【0129】
光活性層30は、n型半導体物質からなる電子受容体と、p型半導体物質からなる電子供与体とを含む。
【0130】
電子受容体は、例えば、電子親和度の高いフラーレン(C60、C70、C74、C76、C78、C82、C84、C720、C860など);1−(3−メトキシ−カルボニル)プロピル−1−フェニル(6,6)C61(1−(3−methoxy−carbonyl)propyl−1−phenyl(6,6)C61、PCBM)、C71−PCBM、C84−PCBM、bis−PCBMなどのフラーレン誘導体;ペリレン(perylene);CdS、CdTe、CdSe、ZnOなどの無機半導体;又はこれらの組み合わせを用いることができる。
【0131】
電子供与体は、上述した電子供与体高分子を含む。前記電子供与体高分子を含むことにより、前記有機太陽電池は、既存の有機太陽電池と同じレベルの開放回路電圧(Voc:open circuit voltage)を維持しつつも、既存の有機太陽電池に比べて一層高い短絡電流密度(Jsc)を有することができる。なお、前記電子供与体は、様々な溶媒に有効に溶解でき、電子受容体と有効に混和できる。これにより、前記有機太陽電池は、優れた光電変換効率を有することができる。
【0132】
電子受容体及び電子供与体は、例えば、バルク異種接合(bulk heterojunction)構造のものであってもよい。バルク異種接合構造は、光活性層30に吸収された光によって励起された電子−正孔対が拡散によって電子受容体と電子供与体との界面に達すると、その界面を形成する両物質の電子親和度の違いによって電子と正孔とに分離され、電子は電子受容体を介してカソードに移動し、正孔は電子供与体を介してアノードに移動して光電流(photocurrent)を発生する。
【0133】
下部電極20と光活性層30との間及び/又は上部電極40と光活性層30との間には中間層(図示せず)が挟持されていてもよい。中間層は、下部電極20と光活性層30との間及び/又は上部電極40と光活性層30との間において電荷の移動性を高めることができる。
【0134】
以下、本記載の実施例及び比較例を記す。しかしながら、下記の実施例は本記載の一実施例に過ぎず、本記載が下記の実施例によって限定されるものではない。
【実施例】
【0135】
電子供与体高分子の製造
(製造例1)
下記の反応式3に従い、5−エトキシ−5−オキソペンチル−4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−カルボキシレート(5−ethoxy−5−oxopentyl−4,6−dibromothieno[3,4−b]thiophene−2−carboxylate)を合成する。
【0136】
【化38】
【0137】
4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−カルボン酸(4,6−dibromothieno[3,4−b]thiophene−2−carboxylicacid)1.00g(2.92mmol)と、ジシクロヘキシルカルボジイミド(dicyclohexylcarbodiimide、DCC)0.731g(3.51mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン(4−Dimethylaminopyridine、DMAP)0.123g(1.01mmol)を、窒素雰囲気下で、ジクロロメタン(dichloromethane、MC)10mlに溶かした後、エチル−5−ヒドロキシペンタノエート(ethyl−5−hydroxypentanoate)2.19g(15.0mmol)を加え、20時間室温で攪拌する。次いで、ここに50mlの水を仕込んだ後、ジクロロメタンで抽出する。抽出後、有機層に存在する少量の水を硫酸ナトリウム(sodium sulfate)で除去して溶媒を除去する。次いで、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィ法で精製して、5−エトキシ−5−オキソペンチル−4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−カルボキシレートを得る。
【0138】
次いで、下記の反応式4に従い、電子供与体高分子を製造する。
【0139】
【化39】
【0140】
2,6−ビス(トリメチルすず)−4,8−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(2,6−bis(trimethyltin)−4,8−bis(2−ethylhexyloxy)benzo[1,2−b:4,5−b’]dithiophene)386mg(0.500mmol)及び5−エトキシ−5−オキソペンチル−4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−カルボキシレート235mg(0.500mmol)を、DMF/トルエン(dimethylformamide/toluene、体積比=1/4)10mlに入れ、次いで、触媒としてのPd(PPh3)4を23mg入れて攪拌する。次いで、120℃の温度に加熱する。次いで、前記混合物を室温で冷ました後、1M HCl(in メタノール)で沈殿させて濾過した後、再度メタノールで再沈殿させて、前記繰り返し単位を有する電子供与体高分子を製造する。
【0141】
前記電子供与体高分子の数平均分子量は、30,000である。数平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定する。(Polymer Laboratories PL gel Mixed C GPC column、Waters 2690、Waters 2410 RI detector、Eluent:THF、Flow rate:1.0ml/min)
【0142】
(製造例2)
前記製造例1の方法と同様にして、5−エトキシ−5−オキソペンチル−4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−カルボキシレートを得る。
【0143】
次いで、下記の反応式5に従い、電子供与体高分子を製造する。
【0144】
【化40】
【0145】
2,6−ビス(トリメチルすず)−4,8−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(2,6−bis(trimethyltin)−4,8−bis(2−ethylhexyloxy)benzo[1,2−b:4,5−b’]dithiophene)386mg(0.500mmol)と、2−エチルヘキシル−4,6−ジブロモ−3−フルオロチエノ[3,4−b]チオフェン−2−カルボキシレート(2−ethylhexyl−4,6−dibromo−3−fluorothieno[3,4−b]thiophene−2−carboxylate)118mg(0.250mmol)及び5−エトキシ−5−オキソペンチル−4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−カルボキシレート118mg(0.250mmol)を、DMF/トルエン(dimethylformamide/toluene、体積比=1/4)10mlに入れ、次いで、触媒としてのPd(PPh3)4を23mg入れて攪拌する。次いで、120℃の温度に加熱する。次いで、前記混合物を室温で冷ました後、1M HCl(in メタノール)で沈殿させて濾過した後、再度メタノールで再沈殿させて、前記繰り返し単位を有する電子供与体高分子を製造する。
【0146】
前記電子供与体高分子の数平均分子量は、60,000である。
【0147】
(製造例3)
2,6−ビス(トリメチルすず)−4,8−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(2,6−bis(trimethyltin)−4,8−bis(2−ethylhexyloxy)benzo[1,2−b:4,5−b’]dithiophene)386mg(0.500mmol)と、4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−イル)(フェニル)メタノン(4,6−dibromothieno[3,4−b]thiophene−2−yl)(phenyl)methanone)101mg(0.250mmol)及び5−エトキシ−5−オキソペンチル−4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−カルボキシレート118mg(0.250mmol)を、DMF/トルエン(dimethylformamide/toluene、体積比=1/4)10mlに入れ、次いで、触媒としてのPd(PPh3)4を23mg入れて攪拌する。次いで、120℃の温度に加熱する。次いで、前記混合物を室温で冷ました後、1M HCl(in メタノール)で沈殿させて濾過した後、再度メタノールで再沈殿させて、下記の一般式8−7で表される繰り返し単位を有する電子供与体高分子を製造する。
【0148】
【化41】
【0149】
前記電子供与体高分子の数平均分子量は、34,000である。
【0150】
(製造例4)
2,6−ビス(トリメチルすず)−4,8−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(2,6−bis(trimethyltin)−4,8−bis(2−ethylhexyloxy)benzo[1,2−b:4,5−b’]dithiophene)244mg(0.500mmol)及び5−エトキシ−5−オキソペンチル−4,6−ジブロモ−3−フルオロチエノ[3,4−b]チオフェン−2−カルボキシレート(5−ethoxy−5−oxopentyl−4,6−dibromo−3−fluorothieno[3,4−b]thiophene−2−carboxylate)244mg(0.500mmol)を、DMF/トルエン(dimethylformamide/toluene、体積比=1/4)10mlに入れ、次いで、触媒としてのPd(PPh3)4を23mg入れて攪拌する。次いで、120℃の温度に加熱する。次いで、前記混合物を室温で冷ました後、1M HCl(in メタノール)で沈殿させて濾過した後、再度メタノールで再沈殿させて、下記の一般式3−7で表される繰り返し単位を有する電子供与体高分子を製造する。
【0151】
【化42】
【0152】
前記電子供与体高分子の数平均分子量は、54,000である。
【0153】
(製造例5)
2,6−ビス(トリメチルすず)−4,8−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(2,6−bis(trimethyltin)−4,8−bis(2−ethylhexyloxy)benzo[1,2−b:4,5−b’]dithiophene)386mg(0.500mmol)と、4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(4,6−dibromothieno[3,4−b]thiophene−2−yl)(4−fluorophenyl)methanone)105mg(0.250mol)及び5−エトキシ−5−オキソペンチル−4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−カルボキシレート(5−ethoxy−5−oxopentyl−4,6−dibromothieno[3,4−b]thiophene−2−carboxylate)118mg(0.250mmol)を、DMF/トルエン(dimethylformamide/toluene、体積比=1/4)10mlに入れ、次いで、触媒としてのPd(PPh3)4を23mg入れて攪拌する。次いで、120℃の温度に加熱する。次いで、前記混合物を室温で冷ました後、1M HCl(in メタノール)で沈殿させて濾過した後、再度メタノールで再沈殿させて、下記の一般式8−8で表される繰り返し単位を有する電子供与体高分子を製造する。
【0154】
【化43】
【0155】
前記電子供与体高分子の数平均分子量は、45,000である。
【0156】
(製造例6)
2,6−ビス(トリメチルすず)−4,8−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(2,6−bis(trimethyltin)−4,8−bis(2−ethylhexyloxy)benzo[1,2−b:4,5−b’]dithiophene)386mg(0.500mmol)と、4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−イル)(フェニル)メタノン(4,6−dibromothieno[3,4−b]thiophene−2−yl)(phenyl)methanone)101mg(0.250mmol)及び5−エトキシ−5−オキソペンチル−4,6−ジブロモ−3−フルオロチエノ[3,4−b]チオフェン−2−カルボキシレート(5−ethoxy−5−oxopentyl−4,6−dibromo−3−fluorothieno[3,4−b]thiophene−2−carboxylate)122mg(0.250mmol)を、DMF/トルエン(dimethylformamide/toluene、体積比=1/4)10mlに入れ、次いで、触媒としてのPd(PPh3)423mgを入れて攪拌する。次いで、120℃の温度に加熱する。次いで、前記混合物を室温で冷ました後、1M HCl(in メタノール)で沈殿させて濾過した後、再度メタノールで再沈殿させて、下記の一般式8−9で表される繰り返し単位を有する電子供与体高分子を製造する。
【0157】
【化44】
【0158】
前記電子供与体高分子の数平均分子量は、22,000である。
【0159】
(製造例7)
2,6−ビス(トリメチルすず)−4,8−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(2,6−bis(trimethyltin)−4,8−bis(2−ethylhexyloxy)benzo[1,2−b:4,5−b’]dithiophene)386mg(0.500mmol)と、(4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(4,6−dibromothieno[3,4−b]thiophene−2−yl)(4−fluorophenyl)methanone)105mg(0.250mol)及び5−エトキシ−5−オキソペンチル−4,6−ジブロモ−3−フルオロチエノ[3,4−b]チオフェン−2−カルボキシレート(5−ethoxy−5−oxopentyl−4,6−dibromo−3−fluorothieno[3,4−b]thiophene−2−carboxylate)122mg(0.250mmol)を、DMF/トルエン(dimethylformamide/toluene、体積比=1/4)10mlに入れ、次いで、触媒としてのPd(PPh3)4を23mg入れて攪拌する。次いで、120℃の温度に加熱する。次いで、前記混合物を室温で冷ました後、1M HCl(in メタノール)で沈殿させて濾過した後、再度メタノールで再沈殿させて、下記の一般式8−10で表される繰り返し単位を有する電子供与体高分子を製造する。
【0160】
【化45】
【0161】
前記電子供与体高分子の数平均分子量は、32,000である。
【0162】
(製造例8)
2,6−ビス(トリメチルすず)−4,8−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(2,6−bis(trimethyltin) −4,8−bis(2−ethylhexyloxy)benzo[1,2−b:4,5−b’]dithiophene)309mg(0.400mmol)と、4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(4,6−dibromothieno[3,4−b]thiophene−2−yl)(4−fluorophenyl)methanone)42.0mg(0.100mol)及び5−エトキシ−5−オキソペンチル−4,6−ジブロモ−3−フルオロチエノ[3,4−b]チオフェン−2−カルボキシレート(5−ethoxy−5−oxopentyl−4,6−dibromo−3−fluorothieno[3,4−b]thiophene−2−carboxylate)147mg(0.300mmol)を、DMF/トルエン(dimethylformamide/toluene、体積比=1/4)10mlに入れ、次いで、触媒としてのPd(PPh3)4を23mg入れて攪拌する。次いで、120℃の温度に加熱する。次いで、前記混合物を室温で冷ました後、1M HCl(in メタノール)で沈殿させて濾過した後、再度メタノールで再沈殿させて、上記の一般式8−10(x≒1、y≒3)で表される繰り返し単位を有する電子供与体高分子を製造する。
【0163】
前記電子供与体高分子の数平均分子量は、32,000である。
【0164】
(製造例9)
2,6−ビス(トリメチルすず)−4,8−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(2,6−bis(trimethyltin)−4,8−bis(2−ethylhexyloxy)benzo[1,2−b:4,5−b’]dithiophene)232mg(0.300mmol)と、4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(4,6−dibromothieno[3,4−b]thiophene−2−yl)(4−fluorophenyl)methanone)42.0mg(0.100mol)及び5−エトキシ−5−オキソペンチル−4,6−ジブロモ−3−フルオロチエノ[3,4−b]チオフェン−2−カルボキシレート(5−ethoxy−5−oxopentyl−4,6−dibromo−3−fluorothieno[3,4−b]thiophene−2−carboxylate)97.6mg(0.200mmol)を、DMF/トルエン(dimethylformamide/toluene、体積比=1/4)10mlに入れ、次いで、触媒としてのPd(PPh3)423mgを入れて攪拌する。次いで、120℃の温度に加熱する。次いで、前記混合物を室温で冷ました後、1M HCl(in メタノール)で沈殿させて濾過した後、再度メタノールで再沈殿させて、上記の一般式8−10(x≒1、y≒2)で表される繰り返し単位を有する電子供与体高分子を製造する。
【0165】
前記電子供与体高分子の数平均分子量は、30,000である
【0166】
(製造例10)
2,6−ビス(トリメチルすず) −4,8−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(2,6−bis(trimethyltin)−4,8−bis(2−ethylhexyloxy)benzo[1,2−b:4,5−b’]dithiophene)232mg(0.300mmol)と、4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(4,6−dibromothieno[3,4−b]thiophene−2−yl)(4−fluorophenyl)methanone)84.0mg(0.200mol)及び5−エトキシ−5−オキソペンチル−4,6−ジブロモ3−フルオロチエノ[3,4−b]チオフェン−2−カルボキシレート(5−ethoxy−5−oxopentyl−4,6−dibromo−3−fluorothieno[3,4−b]thiophene−2−carboxylate)48.8mg(0.100mmol)を、DMF/トルエン(dimethylformamide/toluene、体積比=1/4)10mlに入れ、次いで、触媒としてのPd(PPh3)4を23mg入れて攪拌する。次いで、120℃の温度に加熱する。次いで、前記混合物を室温で冷ました後、1M HCl(in メタノール)で沈殿させて濾過した後、再度メタノールで再沈殿させて、上記の一般式8−10(x≒2、y≒1)で表される繰り返し単位を有する電子供与体高分子を製造する。
【0167】
前記電子供与体高分子の数平均分子量は、35,000である。
【0168】
(製造例11)
2,6−ビス(トリメチルすず)−4,8−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(2,6−bis(trimethyltin)−4,8−bis(2−ethylhexyloxy)benzo[1,2−b:4,5−b’]dithiophene)309mg(0.400mmol)と、4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(4,6−dibromothieno[3,4−b]thiophene−2−yl)(4−fluorophenyl)methanone)84.0mg(0.300mol)及び5−エトキシ−5−オキソペンチル−4,6−ジブロモ−3−フルオロチエノ[3,4−b]チオフェン−2−カルボキシレート(5−ethoxy−5−oxopentyl−4,6−dibromo−3−fluorothieno[3,4−b]thiophene−2−carboxylate)48.8mg(0.100mmol)を、DMF/トルエン(dimethylformamide/toluene、体積比=1/4)10mlに入れ、次いで、触媒としてのPd(PPh3)4を23mg入れて攪拌する。次いで、120℃の温度に加熱する。次いで、前記混合物を室温で冷ました後、1M HCl(in メタノール)で沈殿させて濾過した後、再度メタノールで再沈殿させて、上記の一般式8−10(x≒3、y≒1)で表される繰り返し単位を有する電子供与体高分子を製造する。
【0169】
前記電子供与体高分子の数平均分子量は、30,000である。
【0170】
(比較製造例1)
下記の一般式10で表される繰り返し単位を有するポリ(3−ヘキシルチオフェン)(poly(3−hexylthiophene、P3HT)を市販品であるP100(BASF社製、Mw=50,000)により用意する。
【0171】
【化46】
【0172】
(比較製造例2)
下記の一般式11で表される繰り返し単位を有するポリ[4,8−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾ(1,2−b:4,5−b’)ジチオフェン−2,6−ジイル−アルト−(2−ドデシル)チエノ(3,4−b)チオフェン−2−カルボキシレート−4,6−ジイル](poly[4,8−bis(2−ethylhexyloxy)benzo(1,2−b:4,5−b’)dithiophene−2,6−diyl−alt−(2−dodecyl)thieno(3,4−b)thiophene−2−carboxylate−4,6−diyl])(Mn=47,800)を用意する。
【0173】
【化47】
【0174】
(比較製造例3)
下記の一般式12で表される繰り返し単位を有するポリ[4,8−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾ(1,2−b:4,5−b’)ジチオフェン−2,6−ジイル−アルト−(2−エチルヘキシル)−3−フルオロチエノ(3,4−b)チオフェン−2−カルボキシレート−4,6−ジイル](poly[4,8−bis(2−ethylhexyloxy)benzo(1,2−b:4,5−b’)dithiophene−2,6−diyl−alt−(2−ethylhexyl)−3−fluorothieno(3,4−b)thiophene−2−carboxylate−4,6−diyl])(Mn=48,000)を用意する。
【0175】
【化48】
【0176】
(比較製造例4)
下記の一般式13で表される繰り返し単位を有する高分子(Mn=13,700)を用意する。
【0177】
【化49】
【0178】
電子供与体高分子の物性評価
評価1:IR測定
製造例1から製造例3の電子供与体高分子のそれぞれに対し、BioRad FTS 6000 FTIR分光計を用い、ATR方法に従いIRスペクトルを得た。
【0179】
図2は、製造例1の電子供与体高分子に対するIRスペクトルを示すグラフであり、図3は、製造例2の電子供与体高分子に対するIRスペクトルを示すグラフであり、図4は、製造例3の電子供与体高分子に対するIRスペクトルを示すグラフである。
【0180】
図2を参照すると、C=O結合を示す1700cm−1ピーク、そしてC−O結合を示す1250、1180、及び1050cm−1ピークが現れることを確認でき、製造例1の電子供与体高分子が得られたことを確認することができる。
【0181】
図3を参照すると、C=O結合を示す1700cm−1ピーク、C−O結合を示す1250、1180、及び1050cm−1ピーク、そしてフルオロ化(fluorination)を示す1500cm−1近くのピーク遷移が現れることを確認でき、製造例2の電子供与体高分子が得られたことを確認することができる。
【0182】
図4を参照すると、C=O結合を示す1700cm−1ピーク、C−O結合を示す1250、1180、及び1050cm−1ピークが現れることを確認でき、製造例3の電子供与体高分子が得られたことを確認することができる。
【0183】
評価2:吸光特性
製造例1から製造例11と、比較製造例1から比較製造例4に従い得られた電子供与体高分子のそれぞれをジクロロベンゼン(dichlorobenzene)に溶かした後、ガラス板の上に滴下する。次いで、乾燥して溶媒を除去することにより、フィルム(film)を得る。前記得られたフィルムのそれぞれの紫外線−可視光線(UV−Vis)の吸収スペクトルを、Varian社製のCary 5000 UV spectroscopy装備を用いて得る。
【0184】
図5Aは、製造例1及び比較製造例2による電子供与体高分子に対する紫外線−可視光線(UV−Vis)の吸収スペクトルを示すグラフであり、図5Bは、製造例4及び比較製造例3による電子供与体高分子に対する紫外線−可視光線(UV−Vis)の吸収スペクトルを示すグラフであり、図5Cは、製造例3及び比較製造例4による電子供与体高分子に対する紫外線−可視光線(UV−Vis)の吸収スペクトルを示すグラフである。
【0185】
図5Aから図5Cを参照すると、製造例1、3及び4と比較製造例2、3及び4による電子供与体高分子は、いずれも約500nm〜約750nmの波長領域の光を十分に吸収することを確認することができる。
【0186】
一方で、製造例1から製造例11と、比較製造例1から比較製造例4の電子供与体高分子のそれぞれを用いて入射したフォトンを電流に変換する効率(incident photon to current conversion efficiency、IPCE)、すなわち、入射する短波長光のパワー(power)から計算される単位時間当たりのフォトン(photon)の数に対する、出力される電流から分かる単位時間当たりの電子の数の比により、外部量子効率(external quantum efficiency、EQE)を得る。外部量子効率は、IQE−200(Newport社製)装置を用いて測定する。
【0187】
図6Aは、製造例1及び比較製造例2による電子供与体高分子の波長に対する外部量子効率を示すグラフであり、図6Bは、製造例4及び比較製造例3による電子供与体高分子の波長に対する外部量子効率を示すグラフであり、図6Cは、製造例3及び比較製造例4による電子供与体高分子の波長に対する外部量子効率を示すグラフである。図6Aから図6Cを参照すると、製造例1、4及び3による電子供与体高分子は、比較製造例2、3及び4による電子供与体高分子よりもそれぞれ外部量子効率が高いことを確認することができる。
【0188】
結果的に、前記製造例1、3及び4による電子供与体高分子は、前記比較製造例2、3及び4による電子供与体高分子と類似の波長範囲の光を類似の量で吸収するものの、製造例1、3及び4による電子供与体高分子は、前記比較製造例2、3及び4による電子供与体高分子よりも前記吸収した光から得られる外部量子効率を有効に改善し得ることを確認することができる。
【0189】
評価3:モルフォロジーの評価
製造例1から製造例11と、比較製造例1から比較製造例4に従い得られた電子供与体高分子のモルフォロジーを評価する。
【0190】
電子供与体として、それぞれ製造例1から製造例11と、比較製造例1から比較製造例4の電子供与体高分子を用い、電子受容体として、1−(3−メトキシ−カルボニル)プロピル−1−フェニル(6,6)C61(1−(3−methoxy−carbonyl)propyl−1−phenyl(6,6)C61、PCBM)を用い、電子供与体8g及び前記電子受容体12gを混合した半導体溶液を用意する。次いで、前記それぞれの混合物をPEDOT:PSSコーティングのITO基板の上にスピンコート法により塗布してサンプルを製造する。
【0191】
前記製造したそれぞれのサンプルをG2F30(TECNAI社製)装備を用い、TEM写真を撮像する。
【0192】
図7から図12は、順次に製造例1、製造例3、製造例4、比較製造例2、比較製造例3及び比較製造例4による電子供与体高分子を用いたサンプルのTEM写真である。
【0193】
図7から図12を参照すると、製造例1、3及び4による電子供与体高分子を用いたサンプルの方が、比較製造例2、3及び4による電子供与体高分子を用いた場合よりも、ドメイン(domain)が小さく、モルフォロジーが均一であることを確認することができる。
【0194】
太陽電池の製造
(実施例1)
1mmの厚さの透明ガラス基板の上にスパッタリング方法により150nmの厚さのITO(indium tin oxide)アノードを形成する。
【0195】
次いで、前記ITOアノードの上にスピンコート法により30nmの厚さのPEDOT:PSS(poly(3,4−ethylenedioxythoiphene):poly(styrenesulfonate))膜を成膜した後、1時間焼成する。次いで、製造例1に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM16mgをクロロベンゼン(chlorobenzene)0.97mlに入れ、ここにジヨードオクタン(diiodooctane)0.03mlを入れた後、14時間攪拌して混合物を製造する。前記混合物を前記PEDOT:PSS膜の上にスピンコート法(2000rpm)により65nmの厚さになるように塗布して光活性層を形成する。次いで、前記光活性層の上に7nmの厚さの酸化チタン(TiOx, 0<x≦2)中間層を形成し、その上に80nmの厚さのアルミニウム(Al)カソードを形成する。
【0196】
(実施例2)
製造例1に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM16mgの代わりに、製造例2に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM12mgを用いた以外は、実施例1の方法と同様にして太陽電池を製造する。
【0197】
(実施例3)
製造例1に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM16mgの代わりに、製造例3に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM12mgを用いた以外は、実施例1の方法と同様にして太陽電池を製造する。
【0198】
(実施例4)
製造例1に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM16mgの代わりに、製造例4に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM12mgを用いた以外は、実施例1の方法と同様にして太陽電池を製造する。
【0199】
(実施例5)
製造例1に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM16mgの代わりに、製造例5に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM12mgを用いた以外は、実施例1の方法と同様にして太陽電池を製造する。
【0200】
(実施例6)
製造例1に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM16mgの代わりに、製造例6に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM12mgを用いた以外は、実施例1の方法と同様にして太陽電池を製造する。
【0201】
(実施例7)
製造例1に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM16mgの代わりに、製造例7に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM12mgを用いた以外は、実施例1の方法と同様にして太陽電池を製造する。
【0202】
(実施例8)
製造例1に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM16mgの代わりに、製造例8に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM12mgを用いた以外は、実施例1の方法と同様にして太陽電池を製造する。
【0203】
(実施例9)
製造例1に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM16mgの代わりに、製造例9に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM12mgを用いた以外は、実施例1の方法と同様にして太陽電池を製造する。
【0204】
(実施例10)
製造例1に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM16mgの代わりに、製造例10に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM12mgを用いた以外は、実施例1の方法と同様にして太陽電池を製造する。
【0205】
(実施例11)
製造例1に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM16mgの代わりに、製造例11に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM12mgを用いた以外は、実施例1の方法と同様にして太陽電池を製造する。
【0206】
(比較例1)
製造例1に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM16mgの代わりに、下記の比較製造例1に従い得られた高分子20mg及びC71−PCBM20mgを用いた以外は、実施例1の方法と同様にして太陽電池を製造する。
【0207】
(比較例2)
製造例1に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM16mgの代わりに、比較製造例2に従い得られた高分子8mg及びC71−PCBM8mgを用いた以外は、実施例1の方法と同様にして太陽電池を製造する。
【0208】
(比較例3)
製造例1に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM16mgの代わりに、比較製造例3に従い得られた高分子8mg及びC71−PCBM12mgを用いた以外は、実施例1の方法と同様にして太陽電池を製造する。
【0209】
(比較例4)
製造例1に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM16mgの代わりに、比較製造例4に従い得られた高分子8mg及びC71−PCBM8mgを用いた以外は、実施例1の方法と同様にして太陽電池を製造する。
【0210】
太陽電池の物性評価
評価5
実施例1から実施例11と、比較例1から比較例4による太陽電池の物性を評価する。
【0211】
先ず、実施例1から実施例11と、比較例1から比較例4による太陽電池の光電流電圧を測定し、測定された光電流曲線から、開放回路電圧(open−circuitvoltage、Voc)、電流密度(short−circuitcurrent、Jsc)及び曲線因子(fill factor、FF)を計算する。なお、これより太陽電池の効率を評価する。
【0212】
光源としては、キセノンランプ(xenon lamp、Oriel、01193)を用い、前記キセノンランプの太陽条件(AM1.5)は、標準太陽電池(Frunhofer Institute Solare Engeriessysteme、Certificate No.C−ISE369、Type of material:Mono−Si+KGフィルター)を用いて補正する。
【0213】
その結果について、表1及び図13に基づいて説明する。
【0214】
図13は、実施例1、実施例2、比較例1、比較例2及び比較例3による太陽電池の光電流特性を示すグラフである。
【0215】
【表1】
【0216】
表1及び図8を参照すると、実施例1から実施例11による太陽電池の方が、比較例1から比較例4による太陽電池よりも電流密度が高く、しかも、効率が高いことを確認することができる。
【0217】
以上、本発明の好適な実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明及び添付図面の範囲内において種々に変形して実施することが可能であり、また、これらも本発明の範囲に属するということはいうまでもない。
【符号の説明】
【0218】
100 有機太陽電池
10 基板
20 下部電極
30 光活性層
40 上部電極
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子供与体高分子及びこれを含む太陽電池に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換素子であり、無限定・無公害の次世代エネルギー資源として脚光を浴びている。
【0003】
太陽電池は、p型半導体及びn型半導体を含み、光活性層において太陽光エネルギーを吸収すると、半導体の内部において電子−正孔対(electron−hole pair、EHP)が生成され、ここで生成された電子及び正孔がn型半導体及びp型半導体にそれぞれ移動し、これらが電極に集まることにより、外部において電気エネルギーとして用いることができる。
【0004】
太陽電池は、薄膜を構成する物質によって、無機太陽電池と有機太陽電池とに大別できる。有機太陽電池は、光活性層の構造によって、p型半導体とn型半導体とが別々の層からなる二重層p−n接合(bi−layer p−n junction)構造と、p型半導体とn型半導体とが混合されているバルク異種接合(bulk heterojunction)構造とに分けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、広い波長領域の光を吸収することができ、有機溶媒に溶解され易く、しかも、電子受容体との混和性(miscibility)に優れた電子供与体高分子を提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は、前記電子供与体高分子を含む太陽電池を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、下記の一般式1で表される部分A(moietyA)を含む高分子を提供する。
【0008】
【化1】
【0009】
上記の一般式1において、
X1は、少なくとも2つのエステル残基と前記エステル残基を連結する置換若しくは非置換の2価の脂肪族有機基を含有する官能基であり、
X2は、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、ヒドロキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C30のケトン基、置換若しくは非置換のC1〜C20のエステル基、チオール基、−SR100(ここで、R100は、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、置換若しくは非置換のC2〜C30の芳香族有機基、又は置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキル基)又はこれらの組み合わせである。
【0010】
前記X1は、下記の一般式1A又は1Bで表される官能基を含んでいてもよい。
【0011】
【化2】
【0012】
【化3】
【0013】
上記の一般式1A又は1Bにおいて、
X7〜X9は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の2価のC1〜C20の脂肪族有機基であり、
R3及びR4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基である。
【0014】
前記X1及びX2の少なくとも一方は、ハロゲン原子を含んでいてもよい。
【0015】
前記高分子は、下記の一般式2で表される部分Bをさらに含んでいてもよい。
【0016】
【化4】
【0017】
上記の一般式2において、
X3及びX4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、ヒドロキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のケトン基、置換若しくは非置換のC1〜C20のエステル基、チオール基、−SR101(ここで、R101は、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、置換若しくは非置換のC2〜C30の芳香族有機基、又は置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキル基)又はこれらの組み合わせであり、
R1及びR2は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基、置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロアリール基又はこれらの組み合わせであるか、あるいは、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C=C−、−C≡C−及び−SiR102R103(ここで、R102及びR103は、それぞれ独立して、水素、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基、置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロアリール基及びこれらの組み合わせから選ばれるいずれか一種)を含む有機基又はこれらの組み合わせである。
【0018】
前記部分A及び前記部分Bは、1:0.5〜1:2.5のモル比で含まれていてもよい。
【0019】
前記部分A及び前記部分Bは、一つの繰り返し単位を形成していてもよく、前記繰り返し単位は、下記の一般式3で表される繰り返し単位、下記の一般式4で表される繰り返し単位又はこれらの組み合わせを含んでいてもよい。
【0020】
【化5】
【0021】
【化6】
【0022】
上記の一般式3又は4において、
X2は、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基であり、
X3及びX4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基又は−SR101(ここで、R101は、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基)であり、
X7〜X9は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の2価のC1〜C10の脂肪族有機基であり、
R1及びR2は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C10のアルキル基であり、
R3及びR4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C10の脂肪族有機基である。
【0023】
前記高分子は、下記の一般式5で表される部分Cをさらに含んでいてもよい。
【0024】
【化7】
【0025】
上記の一般式5において、
X12及びX13は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基、置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロアリール基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C30のケトン基、置換若しくは非置換のC1〜C20のエステル基又はこれらの組み合わせである。
【0026】
前記X12及びX13の少なくとも一方は、ハロゲン原子を含んでいてもよい。
【0027】
前記高分子は、下記の一般式6で表される部分Dをさらに含んでいてもよい。
【0028】
【化8】
【0029】
上記の一般式6において、
X10及びX11は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、ヒドロキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のケトン基、置換若しくは非置換のC1〜C20のエステル基、チオール基、−SR104(ここで、R104は、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、置換若しくは非置換のC2〜C30の芳香族有機基、又は置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキル基)又はこれらの組み合わせであり、
R5及びR6は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基、置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロアリール基又はこれらの組み合わせであるか、あるいは、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C=C−、−C≡C−及び−SiR105R106(ここで、R105及びR106は、それぞれ独立して、水素、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基、置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロアリール基及びこれらの組み合わせから選ばれるいずれか一種)を含む有機基又はこれらの組み合わせである。
【0030】
前記部分C及び前記部分Dは、繰り返し単位を形成していてもよく、前記繰り返し単位は、下記の一般式7で表される繰り返し単位を含んでいてもよい。
【0031】
【化9】
【0032】
前記X10及びX11は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基であり、
前記X12及びX13は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20のケトン基、又は置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基であり、
前記R5及びR6は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基である。
【0033】
前記高分子は、下記の一般式8で表される繰り返し単位を有する共重合体、下記の一般式9で表される繰り返し単位を有する共重合体又はこれらの組み合わせを含んでいてもよい。
【0034】
【化10】
【0035】
【化11】
【0036】
上記の一般式8又は9において、
X2は、各繰り返し単位において同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基であり、
X3及びX4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基又は−SR101(ここで、R101は、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基)であり、
X7〜X9は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC1〜C10の脂肪族有機基であり、
X10及びX11は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基であり、
X12及びX13は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C30のケトン基、又は置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基であり、
R1〜R6は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C10のアルキル基であり、
x及びyは、それぞれモル比であり、0≦x≦10及び0<y≦10を満たしている。
【0037】
前記高分子は、1.2〜2.5eVのバンドギャップを有していてもよい。
【0038】
本発明の他の実施形態によれば、相対向するアノード及びカソードと、前記アノードと前記カソードとの間に挟持され、電子供与体及び電子受容体を含む光活性層と、を備え、前記電子供与体は、上記の一般式1で表される部分Aを含む、高分子を含む太陽電池を提供する。
【0039】
前記高分子は、上記の一般式2で表される部分Bをさらに含んでいてもよい。
【0040】
前記高分子は、前記部分A及び前記部分Bを含む繰り返し単位を含んでいてもよく、前記繰り返し単位は、上記の一般式3で表される繰り返し単位、上記の一般式4で表される繰り返し単位又はこれらの組み合わせを含んでいてもよい。
【0041】
前記高分子は、上記の一般式7で表される繰り返し単位をさらに含んでいてもよい。
【0042】
前記高分子は、上記の一般式8で表される繰り返し単位、上記の一般式9で表される繰り返し単位又はこれらの組み合わせを含んでいてもよい。
【0043】
前記X2、X12及びX13の少なくとも一つは、ハロゲン原子を含んでいてもよい。
【0044】
前記電子受容体は、フラーレン又はフラーレン誘導体を含んでいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態に係る有機太陽電池の断面図である。
【図2】製造例1の電子供与体高分子に対するIRスペクトルを示すグラフである。
【図3】製造例2の電子供与体高分子に対するIRスペクトルを示すグラフである。
【図4】製造例3の電子供与体高分子に対するIRスペクトルを示すグラフである。
【図5A】製造例1及び比較製造例2による電子供与体高分子に対する紫外線−可視光線(UV−Vis)の吸収スペクトルを示すグラフである。
【図5B】製造例4及び比較製造例3による電子供与体高分子に対する紫外線−可視光線(UV−Vis)の吸収スペクトルを示すグラフである。
【図5C】製造例3及び比較製造例4による電子供与体高分子に対する紫外線−可視光線(UV−Vis)の吸収スペクトルを示すグラフである。
【図6A】製造例1及び比較製造例2による電子供与体高分子の波長に対する外部量子効率を示すグラフである。
【図6B】製造例4及び比較製造例3による電子供与体高分子の波長に対する外部量子効率を示すグラフである。
【図6C】製造例3及び比較製造例4による電子供与体高分子の波長に対する外部量子効率を示すグラフである。
【図7】製造例1による電子供与体高分子を用いたサンプルの透過電子顕微鏡(transmission electron microscopy、TEM)写真である。
【図8】製造例3による電子供与体高分子を用いたサンプルのTEM写真である。
【図9】製造例4による電子供与体高分子を用いたサンプルのTEM写真である。
【図10】比較製造例2による電子供与体高分子を用いたサンプルのTEM写真である。
【図11】比較製造例3による電子供与体高分子を用いたサンプルのTEM写真である。
【図12】比較製造例4による電子供与体高分子を用いたサンプルのTEM写真である。
【図13】実施例1、3、4及び8と比較例1、2、3及び4による太陽電池の光電流特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、添付図面に基づき、本発明の一実施形態について、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳述する。ところが、本発明は種々の異なる形態によっても実現可能であり、ここで説明する実施形態に限定されるものではない。
【0047】
この明細書において、特に断りのない限り、「置換」又は「置換の」とは、本発明の官能基のうちの1以上の水素がハロゲン基(F、Br、Cl又はI)、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基(NH2、NH(R200)又はN(R201)(R202)であり、ここで、R200、R201及びR202は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、C1〜C10のアルキル基である)、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボキシル基、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のハロアルキル基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアルキニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のヘテロアリール基、及び、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル基よりなる群から選ばれる1種以上の置換基で置換されたものを意味する。
【0048】
この明細書において、特に断りのない限り、「脂肪族」とは、C1〜C20のアルキル、C2〜C20のアルケニル、C2〜C20のアルキニル、C1〜C20のアルキレン、C2〜C20のアルケニレン、又はC2〜C20のアルキニレンを意味し、具体的には、C1〜C15のアルキル、C2〜C15のアルケニル、C2〜C15のアルキニル、C1〜C15のアルキレン、C2〜C15のアルケニレン、又はC2〜C15のアルキニレンを意味し、より具体的には、C1〜C10のアルキル、C2〜C10のアルケニル、C2〜C10のアルキニル、C1〜C10のアルキレン、C2〜C10のアルケニレン、又はC2〜C10のアルキニレンを意味し、「芳香族」とは、C6〜C30のアリール、C2〜C30のヘテロアリール、C6〜C30のアリーレン又はC2〜C30のヘテロアリーレンを意味し、具体的には、C6〜C20のアリール、C2〜C20のヘテロアリール、C6〜C20のアリーレン又はC2〜C20のヘテロアリーレンを意味する。
【0049】
また、この明細書において、特に断りのない限り、「ヘテロシクロアルキル基」、「ヘテロアリール基」及び「ヘテロアリーレン基」は、それぞれ独立して、N、O、S、Si又はPのヘテロ原子を一つの環内に1つ〜3つ含有し、残りは炭素であるシクロアルキル基、アリール基及びアリーレン基を意味する。
【0050】
この明細書において、特に断りのない限り、「アルキル基」とは、C1〜C20のアルキル基を意味し、具体的には、C1〜C15のアルキル基を意味し、より具体的には、C1〜C10のアルキル基を意味し、「シクロアルキル基」とは、C3〜C20のシクロアルキル基を意味し、具体的には、C3〜C15のシクロアルキル基を意味し、より具体的には、C3〜C10のシクロアルキル基を意味し、「アルキレン基」とは、C1〜C20のアルキレン基を意味し、具体的には、C1〜C15のアルキレン基を意味し、より具体的には、C1〜C10のアルキレン基を意味し、「アルケニル基」とは、C2〜C20のアルケニル基を意味し、具体的には、C2〜C15のアルケニル基を意味し、より具体的には、C2〜C10のアルケニル基を意味し、「アルケニレン基」とは、C2〜C20のアルケニレン基を意味し、具体的には、C2〜C15のアルケニレン基を意味し、より具体的には、C2〜C10のアルケニレン基を意味し、「アルキニル基」とは、C2〜C20のアルキニル基を意味し、具体的には、C2〜C15のアルキニル基を意味し、より具体的には、C2〜C10のアルキニル基を意味し、「アルキニレン基」とは、C2〜C20のアルキニレン基を意味し、具体的には、C2〜C15のアルキニレン基を意味し、より具体的には、C2〜C10のアルキニレン基を意味し、「アルコキシ基」とは、C1〜C20のアルコキシ基を意味し、具体的には、C1〜C15のアルコキシ基を意味し、より具体的には、C1〜C10のアルコキシ基を意味し、「アリール基」とは、C6〜C30のアリール基を意味し、具体的には、C6〜C20のアリール基を意味し、より具体的には、C6〜C15のアリール基を意味し、「ヘテロシクロアルキル基」とは、C2〜C30のヘテロシクロアルキル基を意味し、具体的には、C2〜C20のヘテロシクロアルキル基を意味し、「ハロゲン」とは、F、Cl、Br又はIを意味する。
【0051】
この明細書において、別途の定義がない限り、「組み合わせ」とは、一般的には、混合又は共重合を意味する。
【0052】
この明細書において、別途の定義がない限り、「共重合」とは、ブロック共重合、ランダム共重合又はグラフト共重合を意味し、「共重合体」とは、ブロック共重合体、ランダム共重合体又はグラフト共重合体を意味する。
【0053】
また、この明細書において、「*」とは、同じ又は異なる原子もしくは一般式と連結される部分を意味する。
【0054】
図中、複数の層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示している。明細書の全体を通じて類似の部分に対しては同じ図面符号を付している。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あるとするとき、これは、他の部分の「真上に」ある場合だけではなく、これらの間に他の部分が存在する場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「真上に」あるとするとき、これらの間に他の部分が存在しないことを意味する。
【0055】
本発明の一実施形態に係る電子供与体高分子は、下記の一般式1で表される部分A(moiety A)を含む。
【0056】
【化12】
【0057】
上記の一般式1において、
X1は、少なくとも2つのエステル残基と前記エステル残基を連結する置換若しくは非置換の2価の脂肪族有機基を含有する官能基であり、
X2は、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、ヒドロキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C30のケトン基、置換若しくは非置換のC1〜C20のエステル基、チオール基、−SR100(ここで、R100は、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、置換若しくは非置換のC2〜C30の芳香族有機基、又は置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキル基)又はこれらの組み合わせである。
【0058】
X1及びX2の少なくとも一方は、ハロゲン原子を含んでいてもよい。
【0059】
具体的に、X1は、下記の一般式1A又は1Bで表される官能基を含んでいてもよい。
【0060】
【化13】
【0061】
【化14】
【0062】
上記の一般式1A又は1Bにおいて、
X7〜X9は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の2価のC1〜C20の脂肪族有機基であり、
R3及びR4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基である。
【0063】
前記部分Aは、例えば、下記の一般式1−1で表される繰り返し単位、下記の一般式1−2で表される繰り返し単位又はこれらの組み合わせを含んでいてもよい。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0064】
【化15】
【0065】
【化16】
【0066】
上記の一般式1−1又は1−2において、X2、X7〜X9、R3及びR4は、上述の通りである。
【0067】
上記の一般式1−1又は1−2で表される繰り返し単位は、下記の反応式1又は2に従い合成され得る。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0068】
【化17】
【0069】
【化18】
【0070】
前記反応式1又は2において、X2、X7〜X9、R3及びR4についての説明は、上述の通りである。
【0071】
具体的には、上記の一般式1A又は1Bで表される官能基を含む部分Aは、4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−カルボン酸(4,6−dibromothieno[3,4−b]thiophene−2−carboxylic acid)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(dicyclohexylcarbodiimide、DCC)及び4−ジメチルアミノピリジン(4−Dimethylaminopyridine、DMAP)をジクロロメタン(dichloromethane、MC)に溶かした後、下記の一般式1A’又は下記の一般式1B’で表されるアルキルヒドロキシアルカノエート誘導体(alkyl hydroxyalkanoate derivative)と反応させて得られる。
【0072】
【化19】
【0073】
【化20】
【0074】
上記の一般式1A’又は1B’において、X7〜X9、R3及びR4についての説明は、上述の通りである。
【0075】
前記部分Aは、前記電子供与体高分子中に少なくとも一部分以上含まれていてもよく、他の部分とともに繰り返し単位を形成してもよい。このとき、各繰り返し単位において、置換基(X1及びX2)は同じであっても異なっていてもよい。
【0076】
前記電子供与体高分子中に前記電子を受容し得る部分Aを含むことにより、有機太陽電池の光活性層に適用する際に電子受容体との混和性を改善することができる。すなわち、電子供与体高分子と電子受容体との混和性を改善する相溶化剤(compatibilizer)として働いてもよい。
【0077】
これにより、前記電子供与体高分子と電子受容体とを混合して有機太陽電池の光活性層に適用するときに、光活性層のモルフォロジーを有効に改善することができ、その結果、光活性層における電子と正孔との分離を容易にし、しかも、電子と正孔との再結合を防ぐことができ、有機太陽電池の光電変換効率を改善することができる。
【0078】
また、前記電子供与体高分子中に前記部分Aを含むことにより、部分Aを含んでいない電子供与体高分子と比較して、光学的なバンドギャップを狭めることができ、より広い波長領域の太陽光を吸収することができる。
【0079】
特に、前記部分Aは、少なくとも2つのエステル残基と、前記エステル残基同士を連結する置換若しくは非置換の2価の脂肪族有機基とを含有する官能基を含むことにより、親水性及び極性を示すエステル残基及び疎水性を示す脂肪族有機基によって様々な溶媒に有効に溶解でき、光活性層の均一性及びコーティング性を改善することができる。
【0080】
前記電子供与体高分子は、下記の一般式2で表される部分B(moiety B)をさらに含んでいてもよい。
【0081】
【化21】
【0082】
上記の一般式2において、
X3及びX4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、ヒドロキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のエステル基、チオール基、−SR101(ここで、R101は、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、置換若しくは非置換のC2〜C30の芳香族有機基、又は置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキル基)又はこれらの組み合わせであり、
R1及びR2は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基、置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロアリール基又はこれらの組み合わせであるか、あるいは、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C=C−、−C≡C−及び−SiR102R103(ここで、R102及びR103は、それぞれ独立して、水素、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基、置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロアリール基及びこれらの組み合わせから選ばれるいずれか一種)を含む有機基又はこれらの組み合わせである。
【0083】
前記部分Bは、電子供与部分(electron donating moiety)であり、電子を電子受容体に提供する役割を果たしてもよい。
【0084】
具体的には、前記部分Bは、下記の一般式2−1〜2−6で表される部分又はこれらの組み合わせを含んでいてもよいが、これに限定されるものではない。
【0085】
【化22】
【0086】
前記電子供与体高分子は、前記部分A及び前記部分Bを約1:0.5〜約1:2.5のモル比で含んでいてもよい。前記部分A及び前記部分Bのモル比が前記範囲内である場合、前記電子供与体高分子の数平均分子量を増やしつつも、数平均分子量を有効に制御することができ、前記電子供与体高分子を溶解法により容易に製造することができる。具体的には、前記部分A及び前記部分Bを約1:0.75〜約1:2.5のモル比で含んでいてもよく、より具体的には、約1:1〜約1:2のモル比で含んでいてもよい。
【0087】
前記部分A及び前記部分Bは、一つの繰り返し単位を形成していてもよい。このとき、各繰り返し単位において、置換基(X1〜X4、R1、及びR2)は、同じであっても異なっていてもよい。
【0088】
前記部分A及び前記部分Bを含む繰り返し単位を繰り返し単位ABとするとき、前記繰り返し単位ABは、前記部分A及び前記部分Bが直接的に化学結合されていてもよく、連結基(linking group)を介して化学結合されていてもよい。
【0089】
前記繰り返し単位ABは、例えば、下記の一般式3で表される繰り返し単位、下記の一般式4で表される繰り返し単位又はこれらの組み合わせを含んでいてもよいが、これに限定されるものではない。
【0090】
【化23】
【0091】
【化24】
【0092】
上記の一般式3又は4において、
X2は、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基であり、
X3及びX4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、又は−SR101(ここで、R101は、置換若しくは非置換のC1〜C15のアルキル基)であり、
X7〜X9は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の2価のC1〜C10の脂肪族有機基であり、
R1及びR2は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C10のアルキル基であり、
R3及びR4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C10の脂肪族有機基である。
【0093】
前記繰り返し単位ABは、例えば、下記の一般式3−1〜3−7で表される繰り返し単位又はこれらの組み合わせを含んでいてもよいが、これに限定されるものではない。
【0094】
【化25】
【化26】
【0095】
前記電子供与体高分子は、下記の一般式5で表される部分C(moiety C)をさらに含んでいてもよい。
【0096】
【化27】
【0097】
上記の一般式5において、
X12及びX13は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基、置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロアリール基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C30のケトン基、置換若しくは非置換のC1〜C20のエステル基又はこれらの組み合わせである。
【0098】
前記X12及びX13の少なくとも一方は、ハロゲン原子を含んでいてもよい。
【0099】
前記部分Cは一般式5−1乃至5−7のうちの1つで表される部分を含んでいてもよいが、これに限定されるのではない。
【0100】
【化28】
【0101】
前記部分Cは、下記の一般式6で表される部分D(moiety D)と繰り返し単位を形成していてもよい。
【0102】
【化29】
【0103】
上記の一般式6において、
X10及びX11は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、ヒドロキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のケトン基、置換若しくは非置換のC1〜C20のエステル基、チオール基、−SR104(ここで、R104は、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、置換若しくは非置換のC2〜C30の芳香族有機基、又は置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキル基)又はこれらの組み合わせであり、
R5及びR6は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基、置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロアリール基又はこれらの組み合わせであるか、あるいは、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C=C−、−C≡C−及び−SiR105R106(ここで、R105及びR106は、それぞれ独立して、水素、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基、置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロアリール基及びこれらの組み合わせから選ばれるいずれか一種)を含む有機基又はこれらの組み合わせである。
【0104】
このとき、各繰り返し単位において、置換基(X10〜X13、R5、及びR6)は、同じであっても異なっていてもよい。
【0105】
前記部分C及び前記部分Dを含む繰り返し単位を繰り返し単位CDとするとき、前記繰り返し単位CDは、前記部分C及び前記部分Dが直接的に化学結合されていてもよく、連結基を介して化学結合されていてもよい。
【0106】
前記繰り返し単位CDは、例えば、下記の一般式7で表され得る。
【0107】
【化30】
【0108】
前記X10及びX11は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基であり、
前記X12及びX13は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20のケトン基、又は置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基であり、
前記R5及びR6は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基である。
【0109】
前記電子供与体高分子は、上記の一般式7で表される繰り返し単位CDをさらに含むことにより、エネルギーレベル及びバンドギャップを容易に調節することができ、太陽光の吸収効率をも改善することができる。なお、有機溶媒への溶解度を改善して高分子量の電子供与体高分子を容易に形成することができ、正孔移動度を増大させることができる。
【0110】
前記繰り返し単位CDは、例えば、下記の一般式7−1〜7−5で表される繰り返し単位又はこれらの組み合わせを含んでいてもよいが、これに限定されるものではない。
【0111】
【化31】
【化32】
【0112】
前記電子供与体高分子は、前記繰り返し単位ABと前記繰り返し単位CDとが共重合されて形成されていてもよい。
【0113】
前記電子供与体高分子は、例えば、下記の一般式8で表される繰り返し単位を有する 共重合体、下記の一般式9で表される繰り返し単位を有する共重合体又はこれらの組み合わせを含んでいてもよいが、これに限定されるものではない。
【0114】
【化33】
【0115】
【化34】
【0116】
上記の一般式8又は9において、
X2、X3、X4、X7〜X13及びR1〜R6は上述の通りであり、x及びyは、それぞれモル比であり、0≦x≦10及び0<y≦10を満たしている。
【0117】
特に、前記X2、X12及びX13の少なくとも一つは、ハロゲン原子を含んでいてもよい。
【0118】
前記xとyとのモル比が前記範囲内である場合、エネルギーレベル及びバンドギャップを容易に調節することができ、太陽光の吸収効率をも有効に改善することができる。また、有機溶媒への溶解度を改善して高分子量の電子供与体高分子を容易に形成することができ、正孔移動度を有効に増大させることができる。
【0119】
前記電子供与体高分子は、例えば、下記の一般式8−1〜8−10で表される繰り返し単位を有する共重合体又はこれらの組み合わせを含んでいてもよいが、これに限定されるものではない。
【0120】
【化35】
【化36】
【化37】
【0121】
上記の一般式8−1〜8−10において、x及びyは、0≦x≦10及び0<y≦10を満たすことができる。
【0122】
前記電子供与体高分子は、約1,000〜約800,000の数平均分子量を有していてもよい。電子供与体高分子の数平均分子量が前記範囲内である場合、前記電子供与体高分子の形成時に溶液組成を容易に調節することができ、前記電子供与体高分子の物性を有効に調節することができる。また、前記電子供与体高分子を容易に加工することができ、これを有機太陽電池の製造に容易に用いることができる。具体的には、電子供与体高分子は、約2,000〜約100,000の数平均分子量を有していてもよく、より具体的には、約5,000〜約50,000の数平均分子量を有していてもよい。
【0123】
前記電子供与体高分子は、約1.2eV〜約2.5eVのバンドギャップを有していてもよい。電子供与体高分子のバンドギャップが前記範囲内である場合、広い波長領域において太陽光を有効に吸収することができて、短絡電流密度(Jsc)を高めることができ、これにより、これを用いる有機太陽電池の効率を有効に改善することができる。具体的には、前記電子供与体高分子は、約1.5eV〜約2.1eVのバンドギャップを有していてもよく、より具体的には、約1.6eV〜約2.0eVのバンドギャップを有していてもよい。
【0124】
以下、図1に基づき、本発明の一実施の形態に係る太陽電池について説明する。
【0125】
図1は一実施形態に係る太陽電池の断面図である。
【0126】
図1を参照すると、本発明の一実施形態に係る太陽電池100は、基板10と、基板10の一方の面に配設される下部電極20と、下部電極20の一方の面に配設される光活性層30と、光活性層30の一方の面に配設される上部電極40とを備える。
【0127】
基板10は、透光性物質から製造されてもよく、例えば、ガラスなどの無機物質又はポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド及びポリエーテルスルホンなどの有機物質から製造されてもよい。
【0128】
下部電極20及び上部電極40の一方はアノード(anode)であり、もう一方はカソード(cathode)である。下部電極20及び上部電極40の一方は、ITO、インジウムドープの酸化亜鉛(indium doped ZnO、IZO)、酸化スズ(SnO2)、アルミニウムドープの酸化亜鉛(aluminum doped ZnO、AZO)、又はガリウムドープの酸化亜鉛(gallium doped ZnO、GZO)などの透明導電体から製造されていてもよく、もう一方はアルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、又はリチウム(Li)などの不透明導電体から製造されていてもよい。
【0129】
光活性層30は、n型半導体物質からなる電子受容体と、p型半導体物質からなる電子供与体とを含む。
【0130】
電子受容体は、例えば、電子親和度の高いフラーレン(C60、C70、C74、C76、C78、C82、C84、C720、C860など);1−(3−メトキシ−カルボニル)プロピル−1−フェニル(6,6)C61(1−(3−methoxy−carbonyl)propyl−1−phenyl(6,6)C61、PCBM)、C71−PCBM、C84−PCBM、bis−PCBMなどのフラーレン誘導体;ペリレン(perylene);CdS、CdTe、CdSe、ZnOなどの無機半導体;又はこれらの組み合わせを用いることができる。
【0131】
電子供与体は、上述した電子供与体高分子を含む。前記電子供与体高分子を含むことにより、前記有機太陽電池は、既存の有機太陽電池と同じレベルの開放回路電圧(Voc:open circuit voltage)を維持しつつも、既存の有機太陽電池に比べて一層高い短絡電流密度(Jsc)を有することができる。なお、前記電子供与体は、様々な溶媒に有効に溶解でき、電子受容体と有効に混和できる。これにより、前記有機太陽電池は、優れた光電変換効率を有することができる。
【0132】
電子受容体及び電子供与体は、例えば、バルク異種接合(bulk heterojunction)構造のものであってもよい。バルク異種接合構造は、光活性層30に吸収された光によって励起された電子−正孔対が拡散によって電子受容体と電子供与体との界面に達すると、その界面を形成する両物質の電子親和度の違いによって電子と正孔とに分離され、電子は電子受容体を介してカソードに移動し、正孔は電子供与体を介してアノードに移動して光電流(photocurrent)を発生する。
【0133】
下部電極20と光活性層30との間及び/又は上部電極40と光活性層30との間には中間層(図示せず)が挟持されていてもよい。中間層は、下部電極20と光活性層30との間及び/又は上部電極40と光活性層30との間において電荷の移動性を高めることができる。
【0134】
以下、本記載の実施例及び比較例を記す。しかしながら、下記の実施例は本記載の一実施例に過ぎず、本記載が下記の実施例によって限定されるものではない。
【実施例】
【0135】
電子供与体高分子の製造
(製造例1)
下記の反応式3に従い、5−エトキシ−5−オキソペンチル−4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−カルボキシレート(5−ethoxy−5−oxopentyl−4,6−dibromothieno[3,4−b]thiophene−2−carboxylate)を合成する。
【0136】
【化38】
【0137】
4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−カルボン酸(4,6−dibromothieno[3,4−b]thiophene−2−carboxylicacid)1.00g(2.92mmol)と、ジシクロヘキシルカルボジイミド(dicyclohexylcarbodiimide、DCC)0.731g(3.51mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン(4−Dimethylaminopyridine、DMAP)0.123g(1.01mmol)を、窒素雰囲気下で、ジクロロメタン(dichloromethane、MC)10mlに溶かした後、エチル−5−ヒドロキシペンタノエート(ethyl−5−hydroxypentanoate)2.19g(15.0mmol)を加え、20時間室温で攪拌する。次いで、ここに50mlの水を仕込んだ後、ジクロロメタンで抽出する。抽出後、有機層に存在する少量の水を硫酸ナトリウム(sodium sulfate)で除去して溶媒を除去する。次いで、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィ法で精製して、5−エトキシ−5−オキソペンチル−4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−カルボキシレートを得る。
【0138】
次いで、下記の反応式4に従い、電子供与体高分子を製造する。
【0139】
【化39】
【0140】
2,6−ビス(トリメチルすず)−4,8−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(2,6−bis(trimethyltin)−4,8−bis(2−ethylhexyloxy)benzo[1,2−b:4,5−b’]dithiophene)386mg(0.500mmol)及び5−エトキシ−5−オキソペンチル−4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−カルボキシレート235mg(0.500mmol)を、DMF/トルエン(dimethylformamide/toluene、体積比=1/4)10mlに入れ、次いで、触媒としてのPd(PPh3)4を23mg入れて攪拌する。次いで、120℃の温度に加熱する。次いで、前記混合物を室温で冷ました後、1M HCl(in メタノール)で沈殿させて濾過した後、再度メタノールで再沈殿させて、前記繰り返し単位を有する電子供与体高分子を製造する。
【0141】
前記電子供与体高分子の数平均分子量は、30,000である。数平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定する。(Polymer Laboratories PL gel Mixed C GPC column、Waters 2690、Waters 2410 RI detector、Eluent:THF、Flow rate:1.0ml/min)
【0142】
(製造例2)
前記製造例1の方法と同様にして、5−エトキシ−5−オキソペンチル−4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−カルボキシレートを得る。
【0143】
次いで、下記の反応式5に従い、電子供与体高分子を製造する。
【0144】
【化40】
【0145】
2,6−ビス(トリメチルすず)−4,8−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(2,6−bis(trimethyltin)−4,8−bis(2−ethylhexyloxy)benzo[1,2−b:4,5−b’]dithiophene)386mg(0.500mmol)と、2−エチルヘキシル−4,6−ジブロモ−3−フルオロチエノ[3,4−b]チオフェン−2−カルボキシレート(2−ethylhexyl−4,6−dibromo−3−fluorothieno[3,4−b]thiophene−2−carboxylate)118mg(0.250mmol)及び5−エトキシ−5−オキソペンチル−4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−カルボキシレート118mg(0.250mmol)を、DMF/トルエン(dimethylformamide/toluene、体積比=1/4)10mlに入れ、次いで、触媒としてのPd(PPh3)4を23mg入れて攪拌する。次いで、120℃の温度に加熱する。次いで、前記混合物を室温で冷ました後、1M HCl(in メタノール)で沈殿させて濾過した後、再度メタノールで再沈殿させて、前記繰り返し単位を有する電子供与体高分子を製造する。
【0146】
前記電子供与体高分子の数平均分子量は、60,000である。
【0147】
(製造例3)
2,6−ビス(トリメチルすず)−4,8−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(2,6−bis(trimethyltin)−4,8−bis(2−ethylhexyloxy)benzo[1,2−b:4,5−b’]dithiophene)386mg(0.500mmol)と、4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−イル)(フェニル)メタノン(4,6−dibromothieno[3,4−b]thiophene−2−yl)(phenyl)methanone)101mg(0.250mmol)及び5−エトキシ−5−オキソペンチル−4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−カルボキシレート118mg(0.250mmol)を、DMF/トルエン(dimethylformamide/toluene、体積比=1/4)10mlに入れ、次いで、触媒としてのPd(PPh3)4を23mg入れて攪拌する。次いで、120℃の温度に加熱する。次いで、前記混合物を室温で冷ました後、1M HCl(in メタノール)で沈殿させて濾過した後、再度メタノールで再沈殿させて、下記の一般式8−7で表される繰り返し単位を有する電子供与体高分子を製造する。
【0148】
【化41】
【0149】
前記電子供与体高分子の数平均分子量は、34,000である。
【0150】
(製造例4)
2,6−ビス(トリメチルすず)−4,8−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(2,6−bis(trimethyltin)−4,8−bis(2−ethylhexyloxy)benzo[1,2−b:4,5−b’]dithiophene)244mg(0.500mmol)及び5−エトキシ−5−オキソペンチル−4,6−ジブロモ−3−フルオロチエノ[3,4−b]チオフェン−2−カルボキシレート(5−ethoxy−5−oxopentyl−4,6−dibromo−3−fluorothieno[3,4−b]thiophene−2−carboxylate)244mg(0.500mmol)を、DMF/トルエン(dimethylformamide/toluene、体積比=1/4)10mlに入れ、次いで、触媒としてのPd(PPh3)4を23mg入れて攪拌する。次いで、120℃の温度に加熱する。次いで、前記混合物を室温で冷ました後、1M HCl(in メタノール)で沈殿させて濾過した後、再度メタノールで再沈殿させて、下記の一般式3−7で表される繰り返し単位を有する電子供与体高分子を製造する。
【0151】
【化42】
【0152】
前記電子供与体高分子の数平均分子量は、54,000である。
【0153】
(製造例5)
2,6−ビス(トリメチルすず)−4,8−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(2,6−bis(trimethyltin)−4,8−bis(2−ethylhexyloxy)benzo[1,2−b:4,5−b’]dithiophene)386mg(0.500mmol)と、4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(4,6−dibromothieno[3,4−b]thiophene−2−yl)(4−fluorophenyl)methanone)105mg(0.250mol)及び5−エトキシ−5−オキソペンチル−4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−カルボキシレート(5−ethoxy−5−oxopentyl−4,6−dibromothieno[3,4−b]thiophene−2−carboxylate)118mg(0.250mmol)を、DMF/トルエン(dimethylformamide/toluene、体積比=1/4)10mlに入れ、次いで、触媒としてのPd(PPh3)4を23mg入れて攪拌する。次いで、120℃の温度に加熱する。次いで、前記混合物を室温で冷ました後、1M HCl(in メタノール)で沈殿させて濾過した後、再度メタノールで再沈殿させて、下記の一般式8−8で表される繰り返し単位を有する電子供与体高分子を製造する。
【0154】
【化43】
【0155】
前記電子供与体高分子の数平均分子量は、45,000である。
【0156】
(製造例6)
2,6−ビス(トリメチルすず)−4,8−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(2,6−bis(trimethyltin)−4,8−bis(2−ethylhexyloxy)benzo[1,2−b:4,5−b’]dithiophene)386mg(0.500mmol)と、4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−イル)(フェニル)メタノン(4,6−dibromothieno[3,4−b]thiophene−2−yl)(phenyl)methanone)101mg(0.250mmol)及び5−エトキシ−5−オキソペンチル−4,6−ジブロモ−3−フルオロチエノ[3,4−b]チオフェン−2−カルボキシレート(5−ethoxy−5−oxopentyl−4,6−dibromo−3−fluorothieno[3,4−b]thiophene−2−carboxylate)122mg(0.250mmol)を、DMF/トルエン(dimethylformamide/toluene、体積比=1/4)10mlに入れ、次いで、触媒としてのPd(PPh3)423mgを入れて攪拌する。次いで、120℃の温度に加熱する。次いで、前記混合物を室温で冷ました後、1M HCl(in メタノール)で沈殿させて濾過した後、再度メタノールで再沈殿させて、下記の一般式8−9で表される繰り返し単位を有する電子供与体高分子を製造する。
【0157】
【化44】
【0158】
前記電子供与体高分子の数平均分子量は、22,000である。
【0159】
(製造例7)
2,6−ビス(トリメチルすず)−4,8−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(2,6−bis(trimethyltin)−4,8−bis(2−ethylhexyloxy)benzo[1,2−b:4,5−b’]dithiophene)386mg(0.500mmol)と、(4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(4,6−dibromothieno[3,4−b]thiophene−2−yl)(4−fluorophenyl)methanone)105mg(0.250mol)及び5−エトキシ−5−オキソペンチル−4,6−ジブロモ−3−フルオロチエノ[3,4−b]チオフェン−2−カルボキシレート(5−ethoxy−5−oxopentyl−4,6−dibromo−3−fluorothieno[3,4−b]thiophene−2−carboxylate)122mg(0.250mmol)を、DMF/トルエン(dimethylformamide/toluene、体積比=1/4)10mlに入れ、次いで、触媒としてのPd(PPh3)4を23mg入れて攪拌する。次いで、120℃の温度に加熱する。次いで、前記混合物を室温で冷ました後、1M HCl(in メタノール)で沈殿させて濾過した後、再度メタノールで再沈殿させて、下記の一般式8−10で表される繰り返し単位を有する電子供与体高分子を製造する。
【0160】
【化45】
【0161】
前記電子供与体高分子の数平均分子量は、32,000である。
【0162】
(製造例8)
2,6−ビス(トリメチルすず)−4,8−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(2,6−bis(trimethyltin) −4,8−bis(2−ethylhexyloxy)benzo[1,2−b:4,5−b’]dithiophene)309mg(0.400mmol)と、4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(4,6−dibromothieno[3,4−b]thiophene−2−yl)(4−fluorophenyl)methanone)42.0mg(0.100mol)及び5−エトキシ−5−オキソペンチル−4,6−ジブロモ−3−フルオロチエノ[3,4−b]チオフェン−2−カルボキシレート(5−ethoxy−5−oxopentyl−4,6−dibromo−3−fluorothieno[3,4−b]thiophene−2−carboxylate)147mg(0.300mmol)を、DMF/トルエン(dimethylformamide/toluene、体積比=1/4)10mlに入れ、次いで、触媒としてのPd(PPh3)4を23mg入れて攪拌する。次いで、120℃の温度に加熱する。次いで、前記混合物を室温で冷ました後、1M HCl(in メタノール)で沈殿させて濾過した後、再度メタノールで再沈殿させて、上記の一般式8−10(x≒1、y≒3)で表される繰り返し単位を有する電子供与体高分子を製造する。
【0163】
前記電子供与体高分子の数平均分子量は、32,000である。
【0164】
(製造例9)
2,6−ビス(トリメチルすず)−4,8−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(2,6−bis(trimethyltin)−4,8−bis(2−ethylhexyloxy)benzo[1,2−b:4,5−b’]dithiophene)232mg(0.300mmol)と、4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(4,6−dibromothieno[3,4−b]thiophene−2−yl)(4−fluorophenyl)methanone)42.0mg(0.100mol)及び5−エトキシ−5−オキソペンチル−4,6−ジブロモ−3−フルオロチエノ[3,4−b]チオフェン−2−カルボキシレート(5−ethoxy−5−oxopentyl−4,6−dibromo−3−fluorothieno[3,4−b]thiophene−2−carboxylate)97.6mg(0.200mmol)を、DMF/トルエン(dimethylformamide/toluene、体積比=1/4)10mlに入れ、次いで、触媒としてのPd(PPh3)423mgを入れて攪拌する。次いで、120℃の温度に加熱する。次いで、前記混合物を室温で冷ました後、1M HCl(in メタノール)で沈殿させて濾過した後、再度メタノールで再沈殿させて、上記の一般式8−10(x≒1、y≒2)で表される繰り返し単位を有する電子供与体高分子を製造する。
【0165】
前記電子供与体高分子の数平均分子量は、30,000である
【0166】
(製造例10)
2,6−ビス(トリメチルすず) −4,8−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(2,6−bis(trimethyltin)−4,8−bis(2−ethylhexyloxy)benzo[1,2−b:4,5−b’]dithiophene)232mg(0.300mmol)と、4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(4,6−dibromothieno[3,4−b]thiophene−2−yl)(4−fluorophenyl)methanone)84.0mg(0.200mol)及び5−エトキシ−5−オキソペンチル−4,6−ジブロモ3−フルオロチエノ[3,4−b]チオフェン−2−カルボキシレート(5−ethoxy−5−oxopentyl−4,6−dibromo−3−fluorothieno[3,4−b]thiophene−2−carboxylate)48.8mg(0.100mmol)を、DMF/トルエン(dimethylformamide/toluene、体積比=1/4)10mlに入れ、次いで、触媒としてのPd(PPh3)4を23mg入れて攪拌する。次いで、120℃の温度に加熱する。次いで、前記混合物を室温で冷ました後、1M HCl(in メタノール)で沈殿させて濾過した後、再度メタノールで再沈殿させて、上記の一般式8−10(x≒2、y≒1)で表される繰り返し単位を有する電子供与体高分子を製造する。
【0167】
前記電子供与体高分子の数平均分子量は、35,000である。
【0168】
(製造例11)
2,6−ビス(トリメチルすず)−4,8−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(2,6−bis(trimethyltin)−4,8−bis(2−ethylhexyloxy)benzo[1,2−b:4,5−b’]dithiophene)309mg(0.400mmol)と、4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(4,6−dibromothieno[3,4−b]thiophene−2−yl)(4−fluorophenyl)methanone)84.0mg(0.300mol)及び5−エトキシ−5−オキソペンチル−4,6−ジブロモ−3−フルオロチエノ[3,4−b]チオフェン−2−カルボキシレート(5−ethoxy−5−oxopentyl−4,6−dibromo−3−fluorothieno[3,4−b]thiophene−2−carboxylate)48.8mg(0.100mmol)を、DMF/トルエン(dimethylformamide/toluene、体積比=1/4)10mlに入れ、次いで、触媒としてのPd(PPh3)4を23mg入れて攪拌する。次いで、120℃の温度に加熱する。次いで、前記混合物を室温で冷ました後、1M HCl(in メタノール)で沈殿させて濾過した後、再度メタノールで再沈殿させて、上記の一般式8−10(x≒3、y≒1)で表される繰り返し単位を有する電子供与体高分子を製造する。
【0169】
前記電子供与体高分子の数平均分子量は、30,000である。
【0170】
(比較製造例1)
下記の一般式10で表される繰り返し単位を有するポリ(3−ヘキシルチオフェン)(poly(3−hexylthiophene、P3HT)を市販品であるP100(BASF社製、Mw=50,000)により用意する。
【0171】
【化46】
【0172】
(比較製造例2)
下記の一般式11で表される繰り返し単位を有するポリ[4,8−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾ(1,2−b:4,5−b’)ジチオフェン−2,6−ジイル−アルト−(2−ドデシル)チエノ(3,4−b)チオフェン−2−カルボキシレート−4,6−ジイル](poly[4,8−bis(2−ethylhexyloxy)benzo(1,2−b:4,5−b’)dithiophene−2,6−diyl−alt−(2−dodecyl)thieno(3,4−b)thiophene−2−carboxylate−4,6−diyl])(Mn=47,800)を用意する。
【0173】
【化47】
【0174】
(比較製造例3)
下記の一般式12で表される繰り返し単位を有するポリ[4,8−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾ(1,2−b:4,5−b’)ジチオフェン−2,6−ジイル−アルト−(2−エチルヘキシル)−3−フルオロチエノ(3,4−b)チオフェン−2−カルボキシレート−4,6−ジイル](poly[4,8−bis(2−ethylhexyloxy)benzo(1,2−b:4,5−b’)dithiophene−2,6−diyl−alt−(2−ethylhexyl)−3−fluorothieno(3,4−b)thiophene−2−carboxylate−4,6−diyl])(Mn=48,000)を用意する。
【0175】
【化48】
【0176】
(比較製造例4)
下記の一般式13で表される繰り返し単位を有する高分子(Mn=13,700)を用意する。
【0177】
【化49】
【0178】
電子供与体高分子の物性評価
評価1:IR測定
製造例1から製造例3の電子供与体高分子のそれぞれに対し、BioRad FTS 6000 FTIR分光計を用い、ATR方法に従いIRスペクトルを得た。
【0179】
図2は、製造例1の電子供与体高分子に対するIRスペクトルを示すグラフであり、図3は、製造例2の電子供与体高分子に対するIRスペクトルを示すグラフであり、図4は、製造例3の電子供与体高分子に対するIRスペクトルを示すグラフである。
【0180】
図2を参照すると、C=O結合を示す1700cm−1ピーク、そしてC−O結合を示す1250、1180、及び1050cm−1ピークが現れることを確認でき、製造例1の電子供与体高分子が得られたことを確認することができる。
【0181】
図3を参照すると、C=O結合を示す1700cm−1ピーク、C−O結合を示す1250、1180、及び1050cm−1ピーク、そしてフルオロ化(fluorination)を示す1500cm−1近くのピーク遷移が現れることを確認でき、製造例2の電子供与体高分子が得られたことを確認することができる。
【0182】
図4を参照すると、C=O結合を示す1700cm−1ピーク、C−O結合を示す1250、1180、及び1050cm−1ピークが現れることを確認でき、製造例3の電子供与体高分子が得られたことを確認することができる。
【0183】
評価2:吸光特性
製造例1から製造例11と、比較製造例1から比較製造例4に従い得られた電子供与体高分子のそれぞれをジクロロベンゼン(dichlorobenzene)に溶かした後、ガラス板の上に滴下する。次いで、乾燥して溶媒を除去することにより、フィルム(film)を得る。前記得られたフィルムのそれぞれの紫外線−可視光線(UV−Vis)の吸収スペクトルを、Varian社製のCary 5000 UV spectroscopy装備を用いて得る。
【0184】
図5Aは、製造例1及び比較製造例2による電子供与体高分子に対する紫外線−可視光線(UV−Vis)の吸収スペクトルを示すグラフであり、図5Bは、製造例4及び比較製造例3による電子供与体高分子に対する紫外線−可視光線(UV−Vis)の吸収スペクトルを示すグラフであり、図5Cは、製造例3及び比較製造例4による電子供与体高分子に対する紫外線−可視光線(UV−Vis)の吸収スペクトルを示すグラフである。
【0185】
図5Aから図5Cを参照すると、製造例1、3及び4と比較製造例2、3及び4による電子供与体高分子は、いずれも約500nm〜約750nmの波長領域の光を十分に吸収することを確認することができる。
【0186】
一方で、製造例1から製造例11と、比較製造例1から比較製造例4の電子供与体高分子のそれぞれを用いて入射したフォトンを電流に変換する効率(incident photon to current conversion efficiency、IPCE)、すなわち、入射する短波長光のパワー(power)から計算される単位時間当たりのフォトン(photon)の数に対する、出力される電流から分かる単位時間当たりの電子の数の比により、外部量子効率(external quantum efficiency、EQE)を得る。外部量子効率は、IQE−200(Newport社製)装置を用いて測定する。
【0187】
図6Aは、製造例1及び比較製造例2による電子供与体高分子の波長に対する外部量子効率を示すグラフであり、図6Bは、製造例4及び比較製造例3による電子供与体高分子の波長に対する外部量子効率を示すグラフであり、図6Cは、製造例3及び比較製造例4による電子供与体高分子の波長に対する外部量子効率を示すグラフである。図6Aから図6Cを参照すると、製造例1、4及び3による電子供与体高分子は、比較製造例2、3及び4による電子供与体高分子よりもそれぞれ外部量子効率が高いことを確認することができる。
【0188】
結果的に、前記製造例1、3及び4による電子供与体高分子は、前記比較製造例2、3及び4による電子供与体高分子と類似の波長範囲の光を類似の量で吸収するものの、製造例1、3及び4による電子供与体高分子は、前記比較製造例2、3及び4による電子供与体高分子よりも前記吸収した光から得られる外部量子効率を有効に改善し得ることを確認することができる。
【0189】
評価3:モルフォロジーの評価
製造例1から製造例11と、比較製造例1から比較製造例4に従い得られた電子供与体高分子のモルフォロジーを評価する。
【0190】
電子供与体として、それぞれ製造例1から製造例11と、比較製造例1から比較製造例4の電子供与体高分子を用い、電子受容体として、1−(3−メトキシ−カルボニル)プロピル−1−フェニル(6,6)C61(1−(3−methoxy−carbonyl)propyl−1−phenyl(6,6)C61、PCBM)を用い、電子供与体8g及び前記電子受容体12gを混合した半導体溶液を用意する。次いで、前記それぞれの混合物をPEDOT:PSSコーティングのITO基板の上にスピンコート法により塗布してサンプルを製造する。
【0191】
前記製造したそれぞれのサンプルをG2F30(TECNAI社製)装備を用い、TEM写真を撮像する。
【0192】
図7から図12は、順次に製造例1、製造例3、製造例4、比較製造例2、比較製造例3及び比較製造例4による電子供与体高分子を用いたサンプルのTEM写真である。
【0193】
図7から図12を参照すると、製造例1、3及び4による電子供与体高分子を用いたサンプルの方が、比較製造例2、3及び4による電子供与体高分子を用いた場合よりも、ドメイン(domain)が小さく、モルフォロジーが均一であることを確認することができる。
【0194】
太陽電池の製造
(実施例1)
1mmの厚さの透明ガラス基板の上にスパッタリング方法により150nmの厚さのITO(indium tin oxide)アノードを形成する。
【0195】
次いで、前記ITOアノードの上にスピンコート法により30nmの厚さのPEDOT:PSS(poly(3,4−ethylenedioxythoiphene):poly(styrenesulfonate))膜を成膜した後、1時間焼成する。次いで、製造例1に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM16mgをクロロベンゼン(chlorobenzene)0.97mlに入れ、ここにジヨードオクタン(diiodooctane)0.03mlを入れた後、14時間攪拌して混合物を製造する。前記混合物を前記PEDOT:PSS膜の上にスピンコート法(2000rpm)により65nmの厚さになるように塗布して光活性層を形成する。次いで、前記光活性層の上に7nmの厚さの酸化チタン(TiOx, 0<x≦2)中間層を形成し、その上に80nmの厚さのアルミニウム(Al)カソードを形成する。
【0196】
(実施例2)
製造例1に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM16mgの代わりに、製造例2に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM12mgを用いた以外は、実施例1の方法と同様にして太陽電池を製造する。
【0197】
(実施例3)
製造例1に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM16mgの代わりに、製造例3に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM12mgを用いた以外は、実施例1の方法と同様にして太陽電池を製造する。
【0198】
(実施例4)
製造例1に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM16mgの代わりに、製造例4に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM12mgを用いた以外は、実施例1の方法と同様にして太陽電池を製造する。
【0199】
(実施例5)
製造例1に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM16mgの代わりに、製造例5に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM12mgを用いた以外は、実施例1の方法と同様にして太陽電池を製造する。
【0200】
(実施例6)
製造例1に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM16mgの代わりに、製造例6に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM12mgを用いた以外は、実施例1の方法と同様にして太陽電池を製造する。
【0201】
(実施例7)
製造例1に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM16mgの代わりに、製造例7に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM12mgを用いた以外は、実施例1の方法と同様にして太陽電池を製造する。
【0202】
(実施例8)
製造例1に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM16mgの代わりに、製造例8に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM12mgを用いた以外は、実施例1の方法と同様にして太陽電池を製造する。
【0203】
(実施例9)
製造例1に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM16mgの代わりに、製造例9に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM12mgを用いた以外は、実施例1の方法と同様にして太陽電池を製造する。
【0204】
(実施例10)
製造例1に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM16mgの代わりに、製造例10に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM12mgを用いた以外は、実施例1の方法と同様にして太陽電池を製造する。
【0205】
(実施例11)
製造例1に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM16mgの代わりに、製造例11に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM12mgを用いた以外は、実施例1の方法と同様にして太陽電池を製造する。
【0206】
(比較例1)
製造例1に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM16mgの代わりに、下記の比較製造例1に従い得られた高分子20mg及びC71−PCBM20mgを用いた以外は、実施例1の方法と同様にして太陽電池を製造する。
【0207】
(比較例2)
製造例1に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM16mgの代わりに、比較製造例2に従い得られた高分子8mg及びC71−PCBM8mgを用いた以外は、実施例1の方法と同様にして太陽電池を製造する。
【0208】
(比較例3)
製造例1に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM16mgの代わりに、比較製造例3に従い得られた高分子8mg及びC71−PCBM12mgを用いた以外は、実施例1の方法と同様にして太陽電池を製造する。
【0209】
(比較例4)
製造例1に従い得られた電子供与体高分子8mg及びC71−PCBM16mgの代わりに、比較製造例4に従い得られた高分子8mg及びC71−PCBM8mgを用いた以外は、実施例1の方法と同様にして太陽電池を製造する。
【0210】
太陽電池の物性評価
評価5
実施例1から実施例11と、比較例1から比較例4による太陽電池の物性を評価する。
【0211】
先ず、実施例1から実施例11と、比較例1から比較例4による太陽電池の光電流電圧を測定し、測定された光電流曲線から、開放回路電圧(open−circuitvoltage、Voc)、電流密度(short−circuitcurrent、Jsc)及び曲線因子(fill factor、FF)を計算する。なお、これより太陽電池の効率を評価する。
【0212】
光源としては、キセノンランプ(xenon lamp、Oriel、01193)を用い、前記キセノンランプの太陽条件(AM1.5)は、標準太陽電池(Frunhofer Institute Solare Engeriessysteme、Certificate No.C−ISE369、Type of material:Mono−Si+KGフィルター)を用いて補正する。
【0213】
その結果について、表1及び図13に基づいて説明する。
【0214】
図13は、実施例1、実施例2、比較例1、比較例2及び比較例3による太陽電池の光電流特性を示すグラフである。
【0215】
【表1】
【0216】
表1及び図8を参照すると、実施例1から実施例11による太陽電池の方が、比較例1から比較例4による太陽電池よりも電流密度が高く、しかも、効率が高いことを確認することができる。
【0217】
以上、本発明の好適な実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明及び添付図面の範囲内において種々に変形して実施することが可能であり、また、これらも本発明の範囲に属するということはいうまでもない。
【符号の説明】
【0218】
100 有機太陽電池
10 基板
20 下部電極
30 光活性層
40 上部電極
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の一般式1で表される部分A(moiety A)を含む、高分子:
【化1】
上記の一般式1において、
X1は、少なくとも2つのエステル残基と前記エステル残基を連結する置換若しくは非置換の2価の脂肪族有機基を含有する官能基であり、
X2は、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、ヒドロキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C30のケトン基、置換若しくは非置換のC1〜C20のエステル基、チオール基、−SR100(ここで、R100は、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、置換若しくは非置換のC2〜C30の芳香族有機基、又は置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキル基)又はこれらの組み合わせである。
【請求項2】
前記X1は、下記の一般式1A又は1Bで表される官能基を含む、請求項1に記載の高分子:
【化2】
【化3】
上記の一般式1A又は1Bにおいて、
X7〜X9は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の2価のC1〜C20の脂肪族有機基であり、
R3及びR4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基である。
【請求項3】
前記X1及びX2の少なくとも一方は、ハロゲン原子を含む、請求項1に記載の高分子。
【請求項4】
下記の一般式2で表される部分B(moiety B)をさらに含む、請求項1に記載の高分子:
【化4】
上記の一般式2において、
X3及びX4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、ヒドロキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のケトン基、置換若しくは非置換のC1〜C20のエステル基、チオール基、−SR101(ここで、R101は、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、置換若しくは非置換のC2〜C30の芳香族有機基、又は置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキル基)又はこれらの組み合わせであり、
R1及びR2は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基、置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロアリール基又はこれらの組み合わせであるか、あるいは、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C=C−、−C≡C−及び−SiR102R103(ここで、R102及びR103は、それぞれ独立して、水素、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基、置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロアリール基及びこれらの組み合わせから選ばれるいずれか一種)を含む有機基又はこれらの組み合わせである。
【請求項5】
前記部分A及び前記部分Bは、1:0.5〜1:2.5のモル比で含まれる、請求項4に記載の高分子。
【請求項6】
前記部分A及び前記部分Bは、一つの繰り返し単位を形成し、
前記繰り返し単位は、下記の一般式3で表される繰り返し単位、下記の一般式4で表される繰り返し単位又はこれらの組み合わせを含む、請求項4に記載の高分子:
【化5】
【化6】
上記の一般式3又は4において、
X2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基又はこれらの組み合わせであり、
X3及びX4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基又は−SR101(ここで、R101は、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基)であり、
X7〜X9は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の2価のC1〜C10の脂肪族有機基であり、
R1及びR2は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C10のアルキル基であり、
R3及びR4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C10の脂肪族有機基である。
【請求項7】
下記の一般式5で表される部分C(moiety C)をさらに含む、請求項1に記載の高分子:
【化7】
上記の一般式5において、
X12及びX13は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基、置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロアリール基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C30のケトン基、置換若しくは非置換のC1〜C20のエステル基又はこれらの組み合わせである。
【請求項8】
前記X12及びX13の少なくとも一方は、ハロゲン原子を含む、請求項7に記載の高分子。
【請求項9】
下記の一般式6で表される部分D(moiety D)をさらに含む、請求項7に記載の高分子:
【化8】
上記の一般式6において、
X10及びX11は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、ヒドロキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のケトン基、置換若しくは非置換のC1〜C20のエステル基、チオール基、−SR104(ここで、R104は、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、置換若しくは非置換のC2〜C30の芳香族有機基、又は置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキル基)又はこれらの組み合わせであり、
R5及びR6は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基、置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロアリール基又はこれらの組み合わせであるか、あるいは、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C=C−、−C≡C−及び−SiR105R106(ここで、R105及びR106は、それぞれ独立して、水素、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基、置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロアリール基及びこれらの組み合わせから選ばれるいずれか一種)を含む有機基又はこれらの組み合わせである。
【請求項10】
前記部分C及び前記部分Dは、繰り返し単位を形成し、
前記繰り返し単位は、下記の一般式7で表される繰り返し単位を含む、請求項9に記載の高分子:
【化9】
前記X10及びX11は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基であり、
前記X12及びX13は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20のケトン基、又は置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基であり、
前記R5及びR6は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基である。
【請求項11】
下記の一般式8で表される共重合体、下記の一般式9で表される共重合体又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の高分子:
【化10】
【化11】
上記の一般式8又は9において、
X2は、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基であり、
X3及びX4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基又は−SR101(ここで、R101は、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基)であり、
X7〜X9は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC1〜C10の脂肪族有機基であり、
X10及びX11は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基であり、
X12及びX13は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C30のケトン基、又は置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基であり、
R1〜R6は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C10のアルキル基であり、
x及びyは、それぞれモル比であり、0≦x≦10及び0<y≦10を満たしている。
【請求項12】
前記X2、X12及びX13の少なくとも一つは、ハロゲン原子を含む、請求項11に記載の高分子。
【請求項13】
前記高分子は、1.2〜2.5eVのバンドギャップを有する、請求項1に記載の高分子。
【請求項14】
相対向するアノード及びカソードと、
前記アノードと前記カソードとの間に挟持され、電子供与体及び電子受容体を含む光活性層と、
を備え、
前記電子供与体は、下記の一般式1で表される部分Aを含む、高分子を含む太陽電池:
【化12】
上記の一般式1において、
X1は、少なくとも2つのエステル残基と、前記エステル残基同士を連結する置換若しくは非置換の2価の脂肪族有機基とを含有する官能基であり、
X2は、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、ヒドロキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のエステル基、チオール基、−SR100(ここで、R100は、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、置換若しくは非置換のC2〜C30の芳香族有機基、又は置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキル基)又はこれらの組み合わせである。
【請求項15】
前記高分子は、下記の一般式2で表される部分Bをさらに含む、請求項14に記載の太陽電池:
【化13】
上記の一般式2において、
X3及びX4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、ヒドロキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のエステル基、チオール基、−SR101(ここで、R101は、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、置換若しくは非置換のC2〜C30の芳香族有機基、又は置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキル基)又はこれらの組み合わせであり、
R1及びR2は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基、置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロアリール基又はこれらの組み合わせであるか、あるいは、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C=C−、−C≡C−及び−SiR102R103(ここで、R102及びR103は、それぞれ独立して、水素、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基、置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロアリール基及びこれらの組み合わせから選ばれるいずれか一種)を含む有機基又はこれらの組み合わせである。
【請求項16】
前記高分子は、前記部分A及び前記部分Bを含む繰り返し単位を含み、
前記繰り返し単位は、下記の一般式3で表される繰り返し単位、下記の一般式4で表される繰り返し単位又はこれらの組み合わせを含む、請求項15に記載の太陽電池:
【化14】
【化15】
上記の一般式3又は4において、
X2は、各繰り返し単位において同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、又は置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基であり、
X3及びX4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基又は−SR101(ここで、R101は、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基)であり、
X7〜X9は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC1〜C10の脂肪族有機基であり、
R1及びR2は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C10のアルキル基であり、
R3及びR4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C10の脂肪族有機基である。
【請求項17】
前記高分子は、下記の一般式7で表される繰り返し単位をさらに含む、請求項16に記載の太陽電池:
【化16】
上記の一般式7において、
前記X10及びX11は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基であり、
前記X12及びX13は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20のケトン基、又は置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基であり、
前記R5及びR6は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基である。
【請求項18】
前記高分子は、下記の一般式8で表される繰り返し単位、下記の一般式9で表される繰り返し単位又はこれらの組み合わせを含む、請求項14に記載の太陽電池:
【化17】
【化18】
上記の一般式8又は9において、
X2は、各繰り返し単位において同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、又は置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基であり、
X3及びX4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基又は−SR101(ここで、R101は、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基)であり、
X7〜X9は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC1〜C10の脂肪族有機基であり、
X10及びX11は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基であり、
X12及びX13は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C30のケトン基、又は置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基であり、
R1〜R6は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C10のアルキル基であり、
x及びyは、それぞれモル比であり、0≦x≦10及び0<y≦10を満たしている。
【請求項19】
前記X2、X12及びX13の少なくとも一つは、ハロゲン原子を含む、請求項18に記載の太陽電池。
【請求項20】
前記電子受容体は、フラーレン又はフラーレン誘導体を含む、請求項16に記載の太陽電池。
【請求項1】
下記の一般式1で表される部分A(moiety A)を含む、高分子:
【化1】
上記の一般式1において、
X1は、少なくとも2つのエステル残基と前記エステル残基を連結する置換若しくは非置換の2価の脂肪族有機基を含有する官能基であり、
X2は、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、ヒドロキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C30のケトン基、置換若しくは非置換のC1〜C20のエステル基、チオール基、−SR100(ここで、R100は、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、置換若しくは非置換のC2〜C30の芳香族有機基、又は置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキル基)又はこれらの組み合わせである。
【請求項2】
前記X1は、下記の一般式1A又は1Bで表される官能基を含む、請求項1に記載の高分子:
【化2】
【化3】
上記の一般式1A又は1Bにおいて、
X7〜X9は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の2価のC1〜C20の脂肪族有機基であり、
R3及びR4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基である。
【請求項3】
前記X1及びX2の少なくとも一方は、ハロゲン原子を含む、請求項1に記載の高分子。
【請求項4】
下記の一般式2で表される部分B(moiety B)をさらに含む、請求項1に記載の高分子:
【化4】
上記の一般式2において、
X3及びX4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、ヒドロキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のケトン基、置換若しくは非置換のC1〜C20のエステル基、チオール基、−SR101(ここで、R101は、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、置換若しくは非置換のC2〜C30の芳香族有機基、又は置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキル基)又はこれらの組み合わせであり、
R1及びR2は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基、置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロアリール基又はこれらの組み合わせであるか、あるいは、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C=C−、−C≡C−及び−SiR102R103(ここで、R102及びR103は、それぞれ独立して、水素、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基、置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロアリール基及びこれらの組み合わせから選ばれるいずれか一種)を含む有機基又はこれらの組み合わせである。
【請求項5】
前記部分A及び前記部分Bは、1:0.5〜1:2.5のモル比で含まれる、請求項4に記載の高分子。
【請求項6】
前記部分A及び前記部分Bは、一つの繰り返し単位を形成し、
前記繰り返し単位は、下記の一般式3で表される繰り返し単位、下記の一般式4で表される繰り返し単位又はこれらの組み合わせを含む、請求項4に記載の高分子:
【化5】
【化6】
上記の一般式3又は4において、
X2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基又はこれらの組み合わせであり、
X3及びX4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基又は−SR101(ここで、R101は、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基)であり、
X7〜X9は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の2価のC1〜C10の脂肪族有機基であり、
R1及びR2は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C10のアルキル基であり、
R3及びR4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C10の脂肪族有機基である。
【請求項7】
下記の一般式5で表される部分C(moiety C)をさらに含む、請求項1に記載の高分子:
【化7】
上記の一般式5において、
X12及びX13は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基、置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロアリール基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C30のケトン基、置換若しくは非置換のC1〜C20のエステル基又はこれらの組み合わせである。
【請求項8】
前記X12及びX13の少なくとも一方は、ハロゲン原子を含む、請求項7に記載の高分子。
【請求項9】
下記の一般式6で表される部分D(moiety D)をさらに含む、請求項7に記載の高分子:
【化8】
上記の一般式6において、
X10及びX11は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、ヒドロキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のケトン基、置換若しくは非置換のC1〜C20のエステル基、チオール基、−SR104(ここで、R104は、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、置換若しくは非置換のC2〜C30の芳香族有機基、又は置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキル基)又はこれらの組み合わせであり、
R5及びR6は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基、置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロアリール基又はこれらの組み合わせであるか、あるいは、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C=C−、−C≡C−及び−SiR105R106(ここで、R105及びR106は、それぞれ独立して、水素、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基、置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロアリール基及びこれらの組み合わせから選ばれるいずれか一種)を含む有機基又はこれらの組み合わせである。
【請求項10】
前記部分C及び前記部分Dは、繰り返し単位を形成し、
前記繰り返し単位は、下記の一般式7で表される繰り返し単位を含む、請求項9に記載の高分子:
【化9】
前記X10及びX11は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基であり、
前記X12及びX13は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20のケトン基、又は置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基であり、
前記R5及びR6は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基である。
【請求項11】
下記の一般式8で表される共重合体、下記の一般式9で表される共重合体又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の高分子:
【化10】
【化11】
上記の一般式8又は9において、
X2は、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基であり、
X3及びX4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基又は−SR101(ここで、R101は、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基)であり、
X7〜X9は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC1〜C10の脂肪族有機基であり、
X10及びX11は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基であり、
X12及びX13は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C30のケトン基、又は置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基であり、
R1〜R6は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C10のアルキル基であり、
x及びyは、それぞれモル比であり、0≦x≦10及び0<y≦10を満たしている。
【請求項12】
前記X2、X12及びX13の少なくとも一つは、ハロゲン原子を含む、請求項11に記載の高分子。
【請求項13】
前記高分子は、1.2〜2.5eVのバンドギャップを有する、請求項1に記載の高分子。
【請求項14】
相対向するアノード及びカソードと、
前記アノードと前記カソードとの間に挟持され、電子供与体及び電子受容体を含む光活性層と、
を備え、
前記電子供与体は、下記の一般式1で表される部分Aを含む、高分子を含む太陽電池:
【化12】
上記の一般式1において、
X1は、少なくとも2つのエステル残基と、前記エステル残基同士を連結する置換若しくは非置換の2価の脂肪族有機基とを含有する官能基であり、
X2は、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、ヒドロキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のエステル基、チオール基、−SR100(ここで、R100は、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、置換若しくは非置換のC2〜C30の芳香族有機基、又は置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキル基)又はこれらの組み合わせである。
【請求項15】
前記高分子は、下記の一般式2で表される部分Bをさらに含む、請求項14に記載の太陽電池:
【化13】
上記の一般式2において、
X3及びX4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、ヒドロキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC1〜C20のエステル基、チオール基、−SR101(ここで、R101は、置換若しくは非置換のC1〜C20の脂肪族有機基、置換若しくは非置換のC2〜C30の芳香族有機基、又は置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキル基)又はこれらの組み合わせであり、
R1及びR2は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基、置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロアリール基又はこれらの組み合わせであるか、あるいは、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C=C−、−C≡C−及び−SiR102R103(ここで、R102及びR103は、それぞれ独立して、水素、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基、置換若しくは非置換のC2〜C30のヘテロアリール基及びこれらの組み合わせから選ばれるいずれか一種)を含む有機基又はこれらの組み合わせである。
【請求項16】
前記高分子は、前記部分A及び前記部分Bを含む繰り返し単位を含み、
前記繰り返し単位は、下記の一般式3で表される繰り返し単位、下記の一般式4で表される繰り返し単位又はこれらの組み合わせを含む、請求項15に記載の太陽電池:
【化14】
【化15】
上記の一般式3又は4において、
X2は、各繰り返し単位において同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、又は置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基であり、
X3及びX4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基又は−SR101(ここで、R101は、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基)であり、
X7〜X9は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC1〜C10の脂肪族有機基であり、
R1及びR2は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C10のアルキル基であり、
R3及びR4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C10の脂肪族有機基である。
【請求項17】
前記高分子は、下記の一般式7で表される繰り返し単位をさらに含む、請求項16に記載の太陽電池:
【化16】
上記の一般式7において、
前記X10及びX11は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基であり、
前記X12及びX13は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C20のケトン基、又は置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基であり、
前記R5及びR6は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基である。
【請求項18】
前記高分子は、下記の一般式8で表される繰り返し単位、下記の一般式9で表される繰り返し単位又はこれらの組み合わせを含む、請求項14に記載の太陽電池:
【化17】
【化18】
上記の一般式8又は9において、
X2は、各繰り返し単位において同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、又は置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基であり、
X3及びX4は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基又は−SR101(ここで、R101は、置換若しくは非置換のC1〜C20のアルキル基)であり、
X7〜X9は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC1〜C10の脂肪族有機基であり、
X10及びX11は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基であり、
X12及びX13は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1〜C30のケトン基、又は置換若しくは非置換のC6〜C30のアリール基であり、
R1〜R6は、同じ又は異なり、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のC1〜C10のアルキル基であり、
x及びyは、それぞれモル比であり、0≦x≦10及び0<y≦10を満たしている。
【請求項19】
前記X2、X12及びX13の少なくとも一つは、ハロゲン原子を含む、請求項18に記載の太陽電池。
【請求項20】
前記電子受容体は、フラーレン又はフラーレン誘導体を含む、請求項16に記載の太陽電池。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図13】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図13】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−241197(P2012−241197A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−116392(P2012−116392)
【出願日】平成24年5月22日(2012.5.22)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年5月22日(2012.5.22)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
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