説明

電子写真感光体、及びそれを備えた画像形成装置、並びに電子写真感光体の再生方法

【課題】簡易な構成で感光体ドラムから防振部材を容易に取り外すことができるようにする。
【解決手段】電子写真感光体は、円筒状の導電性支持基体301の表面に感光層309が形成された感光体ドラム302と、感光体ドラム302の両端に通電剥離性接着剤311を介して接着された樹脂性の防振部材303と、端部に挿入されたフランジ304から主に構成されている。防振部材303は感光体ドラム302の内部に嵌入されるように外径が小さく設定された円盤状部分303aを有している。防振部材303は、樹脂などによって成形される。円盤状部分303aの外周にはアルミニウム、銅、白金などの金属からなる導電性シート315が接着剤によって接着され、防振部材303の導電性部分とされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中空円筒基体の表面に感光層を有する電子写真感光体ドラムの内壁面に装着された防振部材を回収するのに最適な防振部材の回収に関するものであり、電子写真感光体、及びそれを備えた画像形成装置、並びに電子写真感光体の再生方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真装置には、回転しながら潜像を形成する感光体ドラムが用いられている。この感光体ドラムは、例えば、感光体支持体としてアルミニウム製ドラムを使用し、感光体を蒸着または塗工したものである。そして、この感光体ドラムは、電子写真装置の小型化, 軽量化に伴い、小径支持体、薄肉支持体が求められるようになってきている。
【0003】
従来、電子写真感光体ドラムは、クリーニングブレードを感光体表面に圧接してクリーニングする場合に、共鳴音を発生したり、或いは接触帯電器との共鳴によって異音を発生する場合があり、近年では、上記の小型化傾向、薄肉化傾向の支持体により、感光体ドラムの異音の問題はその発生頻度を増し、年々重要視されるようになってきた。
【0004】
クリーニングブレードと感光体ドラムとの摩擦による共鳴音としては、主に高温高湿環境下における、連続使用時に発生する異音が知られている。また、接触帯電器と感光体ドラムとの共鳴音としては、接触帯電器に加える交流電圧の周波数に依存する異音が知られている。このため、感光体ドラムの異音防止対策として、何らかの充填体を電子写真感光体ドラムの中空円筒基体の内部に挿入・固着することが行われている。
【0005】
充填体の形状としては、バネと組み合わせた構造物(特許文献1,2参照)、スパイラル状(特許文献3参照)、円柱型(特許文献4参照)等が提案されている。
【0006】
充填体の材質としては、多孔質の弾性体(特許文献5参照)、特定のJIS硬度を有した重り部材(特許文献6参照)、発泡ポリウレタン(特許文献7参照)、粘弾性材料(特許文献8参照)、線膨張係数を規定した充填体(特許文献9参照)等が提案されている。
【0007】
さらに、その充填体の挿入方法に関しては、スリットを有する円筒状の充填体について特許文献10に提案されている。
【0008】
通常、感光体ドラムは、ある一定期間使用すると、消耗して必要な特性が得られなくなるため、新しい感光体ドラムに交換する必要がある。回収された使用済みの感光体ドラムは、資源の有効活用のため再生(リサイクル)が行われる。
【0009】
感光体ドラムの中空円筒基体の両端部には、画像形成装置内で感光体ドラムを保持し、さらに、回転駆動伝達するためのフランジが取り付けられ、防振部材が感光体ドラムの中空円筒基体の内壁面に密着して取り付けられており、リサイクルを行うためには、感光体ドラムを構成する各部材を分離し、分別回収することが必要である。
【0010】
近年、さらなる環境負荷の軽減、及び製造コスト削減のため、使用済みの感光体ドラムのリサイクルでは、原材料として利用するのみならず、各部材を再使用可能な状態で回収することが好ましい。
【0011】
感光体ドラム、及びその構成部材の再生方法としては、液状の冷媒に接触させることにより、急激に冷却して温度差による熱収縮性の違い、或いは接着剤へ熱応力の急激な付加によって、各部材の分離を行う方法(特許文献11)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】実開昭62−127567号公報
【特許文献2】特開平11−305598号公報
【特許文献3】特開平8−62878号公報
【特許文献4】特開2000−89612号公報
【特許文献5】特開昭63−60481号公報
【特許文献6】特開平5−35166号公報
【特許文献7】特開昭63−271388号公報
【特許文献8】特許第2913689号公報
【特許文献9】特許第3259554号公報
【特許文献10】特開2001−305908号公報
【特許文献11】特開平10−115938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、液状の冷媒に接触させて急激に冷却する方法は、液状の冷媒を取り扱うための設備が必要となり、維持管理も難しく安全性にも問題がある。さらに、樹脂を用いた成形部品は、熱収縮すると元の精度に復元しないことが多く、再使用時に十分な精度を得られないこともある。
【0014】
また、材質によっては、亀裂の発生や破損してしまい、そのままでは再使用できない場合もある。特に、防振部材においては、防振部材側に残った接着剤を再使用毎か、ある一定の頻度で剥離する必要があり、繰り返し再使用するには不向きである。
【0015】
また、再使用が可能な防振部材として、中空円筒状基体の内径よりも僅かに大きくなるように、金属製の円筒部材の外面に弾性材、その上にコーティング層を備えた防振部材(特開2001−235971号公報)が提案されている。これは、中空円筒状基体の内部に圧入により配置されることにより、振動吸収作用を長期間維持できるものである。しかし、防振部材の製造方法が複雑なうえに、材料費が高価になってしまう。
【0016】
また、中空円筒状基体の内部への装着は、圧入により行うため、中空円筒状基体の内部より回収することは簡単であるが、組み立て時の防振部材の装着には精度が必要で、作業性が非常に悪くなる。
【0017】
本発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであり、簡易な構成で感光体ドラムから防振部材を容易に取り外すことができる電子写真感光体、及びそれを備えた画像形成装置、並びに電子写真感光体の再生方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この発明による電子写真感光体は、円筒状の導電性支持基体の表面に感光層が形成された感光体ドラムと、少なくとも一部に導電性部分を有する防振部材とを備え、前記防振部材は、前記導電性部分が通電剥離性接着剤を介して前記感光体ドラムの内部に接着されることを特徴とする。
【0019】
この発明による電子写真感光体において、円筒状の導電性支持基体とは、導電性を有する円筒体を意味し、特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス、真鍮、あるいはこれらの合金等により形成された円筒体を用いることができる。
【0020】
感光層とは、特に限定されるものではないが、導電性支持基体の表面に形成され、光の照射により電荷を失い、形成すべき画像を静電潜像として記録する光導電性の層を意味する。ここで、感光層は無機系または有機系のいずれであってもよいが、上述のとおり、毒性、コスト、材料設計の自由度といった観点から有機系のものが好適に用いられる。
【0021】
有機系の感光層としては、例えば、導電性支持基体の表面に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層が順に積層されたものを用いることができる。
なお、感光層は必ずしも導電性支持基体の全表面に形成されていなくともよく、例えば、感光体ドラムの端部には感光層が形成されず導電性支持基体が露出した露出部が設けられていてもよい。
【0022】
防振部材とは、感光体ドラムの内部に装着される部材を意味し、その形状や材料は特に限定されるものではない。
【0023】
この発明において防振部材は少なくとも一部に導電性部分を有し、該導電性部分と通電剥離性接着剤とを介して感光体ドラム内部に接着される。
ここで、防振部材の少なくとも一部とは、防振部材のうち感光体ドラム内部に通電剥離性接着剤を介して接着される部位を意味する。
【0024】
通電剥離性接着剤とは、電気化学的に結合解除可能な組成物を含み、電流を流すことによって結合解除反応が起こり、接着対象物と接する接合面(界面)で接着力が低下する接着剤を意味する。
【0025】
電気化学的に結合解除可能な組成物としては、例えば、マトリックス機能および電解機能を有する電気化学的に結合解除可能な組成物であって、該マトリックス機能が、被接着物に対する接着ボンドを実現し、該電解機能が該組成物に十分なイオン伝導性を与え、該組成物と接触する導電性表面との界面でファラデー反応を補助し、界面を横切る電位を加えたときに該接着ボンドが該界面で弱められる組成物を挙げることができる(例えば、特表2003−504504号公報参照)。
【0026】
なお、ここで「マトリックス機能」とは、物質または物質の混合物を、機械的結合または化学的結合によって被接着物に接合し、この結合の特徴によって被接着物に付着する能力のこととされている。また、「電解機能」とは、物質が、イオン、すなわち陰イオン、陽イオンまたはその両方を伝導する能力のこととされている。さらに、「ファラデー反応」とは、物質が酸化または還元される電気化学反応のこととされている。
【0027】
この発明による電子写真感光体において、前記防振部材は、前記防振部材は樹脂からなり、前記感光体ドラムに嵌入されて両端に配置される円盤状部分を有し、前記導電性部分は、前記円盤状部分の外周側面に貼付された導電性シートからなっていてもよい。
【0028】
このような構成によれば、感光体ドラムに嵌入される防振部材の外周に導電性シートが貼付されるという簡易な構成で導電性部分を形成でき、外周部分に導電性を付与する上で必要となるコストを抑えることができる。
【0029】
防振部材の外周に導電性シートが貼付される上記構成において、前記防振部材は、外部から挿入された通電用端子を前記導電性シートと接触させるための貫通孔が形成されていてもよい。
【0030】
このような構成によれば、本発明の電子写真感光体を回収して感光体ドラムから防振部材を取り外す際に、電源から延びる通電用端子を防振部材に形成された貫通孔を介して外部から挿入することにより該通電用端子を導電性シートと導通させることができる。これにより、感光体ドラムから防振部材を取り外す工程において、作業性よく感光体ドラムと防振部材を介して通電剥離性接着剤に通電できるようになる。
【0031】
この発明による電子写真感光体において、防振部材は導電性樹脂材料からなっていてもよい。
【0032】
このような構成によれば、防振部材全体に導電性を付与することができ、本発明の電子写真感光体を回収して感光体ドラムから防振部材を取り外す際に、電源から延びる通電用端子を防振部材に当接させるだけで該通電用端子と防振部材とを導通させることができる。これにより、感光体ドラムから防振部材を取り外す工程において、より一層作業性よく感光体ドラムと防振部材を介して通電剥離性接着剤に通電できるようになる。
【0033】
なお、導電性樹脂材料としては、例えば、カーボンや酸化亜鉛などの導電材を、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、PS(ポリスチレン)樹脂、PP(ポリプロピレン)樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂等に分散混合したものを用いることができる。導電材と樹脂との混合比率は成形後の強度が低下しない範囲で十分な導電性が得られるように適宜調整できる。
【0034】
この発明による電子写真感光体において、前記防振部材は、非導電性材料からなり、前記感光体ドラムに嵌入されて前記非導電性材料部分の両端に配置する円盤状部分を有し、
前記導電性部分は、前記円盤状部分に装着された導電性リングからなってもよい。
【0035】
このような構成によれば、導電性シートが機械的強度の強い導電性リングに置換されるので、電子写真感光体の再生工程において、導電性シートが損傷することを防止でき、また通電時の電気抵抗も下げることができる。
【0036】
この発明は別の観点からみると、上述のこの発明による電子写真感光体を備えた画像形成装置を提供するものでもある。すなわち、表面に静電潜像が形成される電子写真感光体と、電子写真感光体表面を帯電させる帯電装置と、前記電子写真感光体表面に静電潜像を形成する露光装置と、前記電子写真感光体表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置と、前記電子写真感光体表面のトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、前記転写されたトナー像を記録媒体に定着させる定着装置とを備え、電子写真方式によりトナーを用いて画像を形成する画像形成装置において、前記電子写真感光体として、前記電子写真感光体を備えたことを特徴とする。
なお、ここで画像形成装置とは、特に限定されるものではないが、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの電子写真方式で画像を形成する装置全般を意味する。
【0037】
この発明による上記画像形成装置によれば、上述の電子写真感光体の項で述べたように、感光体ドラムとフランジを介して通電剥離性接着剤に通電するだけで感光体ドラムから防振部材を容易に取り外すことができるので、電子写真感光体の再生に係る手間とコストが抑えられ、結果、画像形成装置のランニングコストを低く抑えることができる。
【0038】
この発明は更に別の観点からみると、この発明による上述の電子写真感光体を再生するための方法であって、前記感光体ドラムと前記防振部材を介して前記通電剥離性接着剤に通電することにより前記通電剥離性接着剤の接着力を弱め、前記感光体ドラムから前記防振部材を取り外す工程を含むことを特徴とする電子写真感光体の再生方法を提供するものでもある。
【0039】
この発明による上記再生方法によれば、感光体ドラムと防振部材を介して通電剥離性接着剤に通電するだけで通電剥離性接着剤の接着力を弱め、感光体ドラムから防振部材を損傷させることなく容易に取り外すことができる。これにより取り外した防振部材を原料としてではなく電子写真感光体の部品としてそのまま再利用できる。また、感光体ドラムに対する防振部材の取り外しが容易になることから、電子写真感光体の再生に係る手間とコストを抑えることができる。
【0040】
この発明による上記再生方法において、通電剥離性接着剤への通電は、3〜10A/cm2の交流電流または直流電流を通電することにより行われてもよい。
【0041】
この発明による上記再生方法は、取り外した前記防振部材を再生された前記感光体ドラム内部に前記通電剥離性接着剤で接着する工程をさらに含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0042】
この発明によれば、防振部材の少なくとも一部が導電性を有し、該導電性部分が通電剥離性接着剤によって感光体ドラムの内部に接着されるので、電子写真感光体及び防振部材を再生する際に、感光体ドラムと防振部材を介して通電剥離性接着剤に通電するだけで該接着剤の接着力を低下させることができ、感光体ドラムから防振部材を損傷させることなく容易に取り外すことができる。これにより取り外した防振部材を原料としてではなく電子写真感光体の部品としてそのまま再利用できる。また、感光体ドラムに対する防振部材の取り外しが容易になることから、電子写真感光体の再生に係る手間とコストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】この発明の実施形態に係る電子写真感光体を備えた画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
【図2】この発明の実施形態に係る電子写真感光体の全体構成を示す説明図である。
【図3】図2の部分拡大断面図である。
【図4】この発明の実施形態に係る電子写真感光体に装着される防振部材の円盤状部分の斜視図である。
【図5】図4に示される防振部材の外周に導電性シートが貼付された状態を示す説明図である。
【図6】この発明の変形例に係る防振部材が装着された電子写真感光体の図3対応図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、この発明の実施形態に係る電子写真感光体を備えた画像形成装置について図面に基づいて詳細に説明する。
【0045】
図1は本発明の実施形態に係る電子写真感光体を備えた画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
図1に示されるように、本発明の実施形態に係る画像形成装置100は、電子写真方式のプリンタであり、外部から伝達される画像データに応じて所定のシート(記録用紙,記録媒体)に多色または単色の画像を形成するものである。なお、画像形成装置100は上方にスキャナ等を備えていてもよい。
【0046】
画像形成装置100においては、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の色成分毎の画像データが取り扱われ、ブラック画像、シアン画像、マゼンタ画像、イエロー画像が形成され、各々の色成分の画像を重畳することによってカラー画像が形成される。したがって、図1に示すように、画像形成装置100においては、各色成分の画像が形成されるように、現像装置2a,2b,2c,2d、電子写真感光体3a,3b,3c,3d、帯電器5a,5b,5c,5d、クリーナユニット4a,4b,4c,4dがそれぞれ4個ずつ設けられている。
【0047】
すなわち、現像装置2a、電子写真感光体3a、帯電器5aおよびクリーナユニット4aによってブラック用の画像ステーションが構成され、現像装置2b、電子写真感光体3b、帯電器5bおよびクリーナユニット4bによってシアン用の画像ステーションが構成され、現像装置2c、電子写真感光体3c、帯電器5cおよびクリーナユニット4cによってマゼンタ用の画像ステーションが構成され、現像装置2d、電子写真感光体3d、帯電器5dおよびクリーナユニット4dによってイエロー用の画像ステーションが構成されている。
【0048】
帯電器5a,5b,5c,5dは、電子写真感光体3a,3b,3c,3dの表面を所定の電位にそれぞれ均一に帯電させるものである。帯電器5a,5b,5c,5dとしては、図1に示す接触ローラ型の帯電器の他、接触ブラシ型の帯電器、或いは非接触チャージャー型の帯電器などが使用されてもよい。
【0049】
露光ユニット1は、図1に示すようにレーザ照射部及び反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)である。但し、レーザスキャニングユニット以外にも、発光素子をアレイ状に並べたELやLED書込みヘッドが露光ユニット1として使用されてもよい。露光ユニット1は、帯電された電子写真感光体3a,3b,3c,3dを入力された画像データに応じてそれぞれ露光することにより、電子写真感光体3a,3b,3c,3dの表面に画像データに応じた静電潜像をそれぞれ形成する。
【0050】
現像装置2a,2b,2c,2dは、電子写真感光体3a,3b,3c,3dに形成された静電潜像をK,C,M,Yのいずれかのトナーによりそれぞれ顕像化する(現像する)ものである。現像装置2a,2b,2c,2dは、トナーホッパー101a,101b,101c,101d、トナー移送機構102a,102b,102c,102d、現像槽103a,103b,103c,103dを備えている。トナーホッパー101a,101b,101c,101dは、現像槽103a,103b,103c,103dの上方にそれぞれ配され、未使用の粉体状トナーを貯蔵している。トナーホッパー101a,101b,101c,101dに貯蔵された未使用の粉体状トナーは、トナー移送機構102a,102b,102c,102dを介して現像槽103a,103b,103c,103dへそれぞれ供給される。
【0051】
クリーナユニット4a,4b,4c,4dは、現像および画像転写工程後に電子写真感光体3a,3b,3c,3dの表面に残留しているトナーをそれぞれ除去し、回収するものである。
【0052】
電子写真感光体3a,3b,3c,3dの上方には中間転写ベルトユニット8が配置されている。中間転写ベルトユニット8は、中間転写ローラ6a,6b,6c,6d、中間転写ベルト7、中間転写ベルト駆動ローラ71、中間転写ベルト従動ローラ72、中間転写ベルトテンション機構73および中間転写ベルトクリーニングユニット9を備えている。
【0053】
中間転写ローラ6a,6b,6c,6d、中間転写ベルト駆動ローラ71、中間転写ベルト従動ローラ72、中間転写ベルトテンション機構73は、中間転写ベルト7を張架し、図1の矢印B方向に中間転写ベルト7を回転駆動させるものである。
中間転写ローラ6a,6b,6c,6dは、中間転写ベルトユニット8の中間転写ベルトテンション機構73における中間転写ローラ取付部に回転可能に支持されている。中間転写ローラ6a,6b,6c,6dには電子写真感光体3a,3b,3c,3dのトナー像を中間転写ベルト7上に転写するための転写バイアスが印加されている。
【0054】
中間転写ベルト7は、電子写真感光体3a,3b,3c,3dの各々に接触するように設けられている。中間転写ベルト7上には、電子写真感光体3a,3b,3c,3dに形成された各色成分のトナー像が順次重ねて転写されることにより、カラーのトナー像(多色トナー像)が形成される。中間転写ベルト7は、厚さが例えば100〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
【0055】
電子写真感光体3a,3b,3c,3dから中間転写ベルト7へのトナー像の転写は、中間転写ベルト7の裏側に接触している中間転写ローラ6a,6b,6c,6dによって行われる。中間転写ローラ6a,6b,6c,6dには、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。
【0056】
中間転写ローラ6a,6b,6c,6dは、直径が例えば8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとして形成され、表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われている。この導電性の弾性材により、中間転写ローラ6a,6b,6c,6dは中間転写ベルト7に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施形態では、転写電極としてローラ状の中間転写ローラ6a,6b,6c,6dを使用しているが、これ以外にブラシ状のものなども用いることができる。
【0057】
上述のように電子写真感光体3a,3b,3c,3dに形成された静電潜像は各色成分に応じたトナーによりそれぞれ顕像化されてトナー像となり、これらトナー像は中間転写ベルト7上に重ね合わされ積層される。このように積層されたトナー像は、中間転写ベルト7の回転によって搬送されてきた用紙と中間転写ベルト7との接触位置(転写部)に移動し、この位置に配置されている転写ローラ11によって用紙上に転写される。この場合、中間転写ベルト7と転写ローラ11とは所定ニップで互いに圧接されるとともに、転写ローラ11にはトナー像を用紙に転写させるための電圧が印加される。この電圧は、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧である。
【0058】
上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ11もしくは中間転写ベルト駆動ローラ71の何れか一方は金属等の硬質材料から形成され、他方は弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラまたは発泡性樹脂ローラ等)から形成される。
【0059】
中間転写ベルト7と電子写真感光体3a,3b,3c,3dとの接触により中間転写ベルト7に付着したトナー、および中間転写ベルト7から用紙へのトナー像の転写の際に転写されずに中間転写ベルト7上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット9によって除去され回収される。中間転写ベルトクリーニングユニット9には、中間転写ベルト7に接触するクリーニングブレード(クリーニング部材)が備えられている。中間転写ベルト7におけるクリーニングブレードに接触している部分は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ72にて支持されている。
【0060】
給紙トレイ10は、画像形成に使用するシート(例えば記録用紙)を蓄積しておくためのものであり、画像形成部および露光ユニット1の下側に設けられている。一方、画像形成装置100の上部に設けられている排紙トレイ15は、印刷済みのシートをフェイスダウンで載置するためのものである。
【0061】
また、画像形成装置100には、給紙トレイ10のシートおよび手差しトレイ20のシートを転写部や定着ユニット12を経由させて排紙トレイ15に案内するためのシート搬送路Sが設けられている。なお、転写部は中間転写ベルト駆動ローラ71と転写ローラ11との間に位置する。
【0062】
さらに、シート搬送路Sには、ピックアップローラ16a,16b、レジストローラ14、転写部、定着ユニット12、搬送ローラ25a,25b,25c,25d,25e,25f,25g,25h等が配置されている。
【0063】
搬送ローラ25a,25b,25c,25d,25e,25f,25g,25hは、シートの搬送を促進・補助するための小型のローラであり、シート搬送路Sに沿って設けられている。ピックアップローラ16aは、給紙トレイ10の端部に設けられ、給紙トレイ10からシートを1枚ずつシート搬送路Sに供給する呼び込みローラである。ピックアップローラ16bは、手差しトレイ20の近傍に設けられ、手差しトレイ20からシートを1枚ずつシート搬送路Sに供給する呼び込みローラである。レジストローラ14は、搬送されてくるシートを一旦保持し、中間転写ベルト7上のトナー像の先端とシートの先端とを合わせるタイミングでシートを転写部に搬送するものである。
【0064】
定着ユニット12は、ヒートローラ81および加圧ローラ82を備え、これらヒートローラ81および加圧ローラ82はシートを挟んで回転する。ヒートローラ81は、所定の定着温度となるように制御部(図示せず)によって制御される。この制御部は温度検出器(図示せず)からの検出信号に基づいてヒートローラ81の温度を制御する。ヒートローラ81は、加圧ローラ82とともにシートを熱圧着することにより、シートに転写されている各色トナー像を溶融・混合・圧接させ、シートに対して熱定着させる。なお、多色トナー像(各色トナー像)が定着されたシートは、搬送ローラ25b,25cによってシート搬送路Sに沿って搬送され、多色トナー像を下側に向けた状態で排紙トレイ15上に排出される。
【0065】
つぎに、シート搬送路Sによるシート搬送動作について説明する。画像形成装置100には、上記のように、予めシートを収納する給紙トレイ10、および少数枚の印字を行う場合等に使用される手差しトレイ20が配置されている。
【0066】
給紙トレイ10および手差しトレイ20にはピックアップローラ16a,16bがそれぞれ配置され、これらピックアップローラ16a,16bはシートを1枚ずつシート搬送路Sに供給する。
【0067】
片面印字の場合、給紙トレイ10からピックアップローラ16aによってシート搬送路Sに供給されたシートは、シート搬送路S中の搬送ローラ25aによってレジストローラ14まで搬送され、レジストローラ14によりシートの先端と中間転写ベルト7上に積層されたトナー像の先端とが整合するタイミングで転写部に搬送される。転写部ではシート上にトナー像が転写され、このトナー像は定着ユニット12にてシート上に定着される。その後、シートは、搬送ローラ25b,25cを経て排紙トレイ15上に排出される。
【0068】
一方、手差しトレイ20からピックアップローラ16bによってシート搬送路Sに供給されたシートは、搬送ローラ25f,25e,25dによってレジストローラ14まで搬送される。それ以降は給紙トレイ10から供給されるシートと同様の工程を経て排紙トレイ15に排出される。
【0069】
両面印字の場合、上記のようにして片面印字が終了し定着ユニット12を通過したシートは、その後端が排紙ローラとしての搬送ローラ25cにてチャックされる。次に、シートは、搬送ローラ25cが逆回転することによって反転搬送路へ導かれ搬送ローラ25g,25hによって反転搬送路中を搬送され、表裏が反転した状態でシート搬送路Sに合流し再びレジストローラ14に至る。その後は上述の片面印字と同様の工程を経て裏面への印字が行われ、排紙トレイ15上に排出される。
【0070】
本発明の実施形態に係る電子写真感光体3a,3b,3c,3dは、上述のように、画像形成のための帯電、露光、現像、転写、クリーニング、除電といった一連の画像形成プロセスが繰り返されるなかで、電気的ストレス、光学的ストレス、他の部材との接触による機械的ストレスなどの様々なストレスを常に受け続け、次第に劣化していく。
【0071】
使用限度を過ぎ劣化した電子写真感光体3a,3b,3c,3dは、濃度不良や印字画像のかすれ等の原因となり画像品位に悪影響を与えるため、画像形成装置100から取り外され、新しい電子写真感光体3a,3b,3c,3dと交換される。
交換された電子写真感光体3a,3b,3c,3dは省資源の観点から回収され、新しい電子写真感光体3a,3b,3c,3dとして再生される。
【0072】
以下、電子写真感光体3a,3b,3c,3dの具体的な構成と、回収された電子写真感光体3a,3b,3c,3dの再生方法について具体的に説明する。
【0073】
<電子写真感光体とその再生方法>
図2は、本発明の実施形態に係る電子写真感光体の全体構成を示す説明図、図3は図2の要部拡大断面図である。
【0074】
図2および図3に示されるように、電子写真感光体3a,3b,3c,3dは、円筒状の導電性支持基体301の表面に感光層309が形成された感光体ドラム302と、感光体ドラム302の両端に通電剥離性接着剤311(図3参照)を介して接着された樹脂性の防振部材303と、端部に挿入されたフランジ304から主に構成されている。
【0075】
導電性支持基体301は外径D1が30mm、内径D2が28.4±0.03mm、長手方向の長さL1が340mmのアルミニウム製円筒体である。
【0076】
感光層309は導電性支持基体301の両端部を除くように形成され、感光体ドラム302のうち、感光層309が形成されていない両端部は導電性支持基体301が露出した導通部302aとなっている。感光層309は導電性支持基体301の表面に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層が順に積層されることにより形成されている。
【0077】
図4は防振部材の円盤状部分の斜視図、図5は円盤状部分の外周に導電性シートが貼り付けられた状態を示す防振部材の斜視図である。
【0078】
図2〜図5に示されるように、防振部材303は、感光体ドラム302の内部に嵌入されるように外径が小さく設定された防振本体303eと、円盤状部分303aとを有している。円盤状部分303aは防振本体303eの両端に配置されている。
【0079】
防振部材303(円盤状部分303aと防振本体303e)は、例えば、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、PS(ポリスチレン)樹脂、PP(ポリプロピレン)樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂などの非導電性樹脂によって成形される。
【0080】
図3〜図5に示されるように、防振部材303の円盤状部分303aの外周(側面)にはアルミニウム、銅、白金などの金属からなる導電性シート315が接着剤によって接着され、防振部材303の導電性部分とされる。円盤状部分303aは、感光体ドラム302に嵌入されたときに防振本体側となる外周側面に、導電性シート315を接着する分と通電剥離性接着剤の分の窪み部分303cを設けている。この部分に導電性シート315を接着し、更に導電性シート315の上に通電剥離性接着剤311を塗布する。感光体ドラム302に防振本体303eを嵌入し、さらに防振本体303eの両端に円盤状部分303aを嵌入し、通電剥離性接着剤により感光体ドラム302に接着する。こうして、防振部材303は感光体ドラム302の内部に固定される。
なお、窪み部分303cは、防振本体303e側に設けられているが、円盤状部分303aの外周中央付近でもよいし、外周全体に導電性シート315を接着するものであってもよい。
【0081】
また、防振部材303の円盤状部分303aには外部から導電性シート315に至る貫通孔303bが形成されている。窪み部分303cには、開口部303dが形成されている。このため、図3に示されるように、外部の交流電源400から延びる通電用端子401を貫通孔303bを介して挿入することにより、通電用端子401と導電性シート315とを導通させることができるようになっている。
なお、貫通孔303bはどのような形状でもよいし、その位置も特に限定はしない。防振部材の外側から導電性シート315に至ることができればよい。
【0082】
図4に示されるように、導電性シート315は、貫通孔303bが形成された円盤状部分303aの表面に接着剤を塗布した後で該表面に貼付される。このため、貫通孔303bの開口部303dに露出する導電性シート315の表面(導電性シート315の裏面)には接着剤が存在せず、上述の通電用端子401と導電性シート315とを問題なく導通させることができる。
【0083】
そして図3に示されるように、防振部材303は、円盤状部分303aの外周に貼付された導電性部分としての導電性シート315と通電剥離性接着剤311とを介して感光体ドラム302の両端に接着されている。
【0084】
図4、図5に示されるように、円盤状部分303aは外径D3が28.2±0.03mmであり、 導電性シート315は厚さが0.1±0.03mmであり、円盤状部分303aの外周に接着剤を介して導電性シート315が貼付された状態において、円盤状部分303aの外径D4は28.3±0.03mmとなる。このため、感光体ドラム302の内周と導電性シート315が貼付された円盤状部分303aの外周との間には0.1±0.03mm程度の隙間が形成され、この隙間が通電剥離性接着剤311で埋められる。
【0085】
感光体ドラム302の内周と導電性シート315が貼付された円盤状部分303aの外周との間に形成される隙間が上記の値よりも大きいと通電剥離性接着剤311の層厚が大きくなり過ぎ、感光体ドラム302に対する防振部材303の取付精度が悪化する。これは感光体ドラム302の偏芯の原因ともなり、画像品位の観点からも好ましくない。
【0086】
一方、感光体ドラム302の内周と導電性シート315が貼付された円盤状部分303aの外周との間に形成される隙間が上記の値よりも小さいと、通電剥離性接着剤311の層厚が不十分となるばかりでなく、感光体ドラム302に対する防振部材303の嵌合状態がきつくなり過ぎる。このため、通電により通電剥離性接着剤311の接着力を弱めても、感光体ドラム302から防振部材303を容易に取り外すことができなくなる。
【0087】
上述のとおり、感光体ドラム302の両端部は感光層309が形成されていない導通部302aとなっているので、図3に示されるように、交流電源400から延びる一方の通電用端子402を感光体ドラム302の導通部302aに接触させ、他方の通電用端子401を防振部材303に形成された貫通孔303bを介して導電性シート315に接触させることにより、感光体ドラム302と防振部材303とを介して通電剥離性接着剤311に交流電流を通電させることができる。
【0088】
本実施形態では、通電剥離性接着剤としてEIC社(EIC Laboratories,Inc.)製の商品名「エレクトリリース(エポキシ系接着剤)」が挙げられる。この通電剥離性接着剤は通電時に陽極と電気的に接続されている被接着物との界面で結合解除が生じる特性を有するので、上述のように感光体ドラム302と防振部材303とを介して通電剥離性接着剤311に交流電流を通電させると、通電剥離性接着剤311と感光体ドラム302の内周面との界面、および、通電剥離性接着剤311と防振部材303の円盤状部分303aに貼付された導電性シート315との界面の双方で結合解除が生じる。
【0089】
具体的には、交流電流の通電により通電剥離性接着剤311が両界面から剥がれて収縮したような状態となる。
これにより、感光体ドラム302に対する防振部材303の接着力が弱められ、防振部材303を損傷させることなく感光体ドラム302から防振部材303を容易に取り外すことができる。
【0090】
なお、通電剥離性接着剤311に結合解除反応を生じさせるのに必要な電流は1平方センチメートルあたり3〜10アンペア程度であり、それに必要な電圧は数ボルトから数十ボルトである。本実施形態では100Vの電圧を1分間印加し、通電剥離性接着剤311に3〜10A/cm2程度の交流電流を通電する。
【0091】
また、本実施形態では電源として交流電源400を用いたが、電源として直流電源が用いられても構わない。その場合、直流電源の陽極から延びる通電用端子を感光体ドラム302の導通部302aと接触させ、直流電源の陰極から延びる通電用端子を防振部材303の導電性シート315と接触させることにより感光体ドラムと防振部材を介して通電剥離性接着剤に直流電流を通電することが好ましい。というのは、直流電源の陽極側を感光体ドラム302と導通させることにより、感光体ドラム302の内周面と通電剥離性接着剤311との界面で結合解除が生じ、感光体ドラム302の内周面に通電剥離性接着剤311が残留することを防止できるからである。
【0092】
感光体ドラム302から防振部材303を取り外した後、感光体ドラム302は劣化した感光層309が剥離・除去され、導電性支持基体301の表面に新たな感光層309が形成され、新しい感光体ドラム302として再生される。
一方、感光体ドラム302から取り外された防振部材303は、接着力の低下した通電剥離性接着剤311が除去された後、再生された感光体ドラム302の両端に新しい通電剥離性接着剤311によって再び接着される。
これにより回収された電子写真感光体3a,3b,3c,3dの再生が完了する。
【0093】
本実施形態では、円盤状部分303aに導電性を付与するために導電性シート315を貼付する構成としたが、例えば、アルミニウム、銅などの金属からなる導電性リングを円盤状部分303aの外周に嵌める構成としてもよい。導電性リングの装着方法としては、接着の他、導電性リングを熱して膨張させておき、円盤状部分303aの外周に嵌めてから冷ますといった方法を用いることができる。防振部材は、樹脂などの非導電性材料で形成されている。
【0094】
このような構成によれば、導電性シート315が機械的強度の強い導電性リングに置換されるので、電子写真感光体3a,3b,3c,3dの再生工程において、導電性シート315が損傷することを防止でき、また通電時の電気抵抗も下げることができる。
【0095】
<防振部材の変形例>
図6は変形例に係る防振部材が装着された電子写真感光体の図3対応図である。
上述の実施形態では、防振部材303の円盤状部分303aに導電性を付与するにあたり、円盤状部分303aの外周に導電性シート315を貼付したが、変形例に係る防振部材403は導電性樹脂材料で成形され、防振部材403全体が導電性を有している。
【0096】
このため、図6に示されるように、変形例では、交流電源400から延びる一方の通電用端子401を防振部材403の円盤状部分403aの外部に露出した部分に接触させ、他方の通電用端子402を感光体ドラム302の導通部302aに接触させるだけで、感光体ドラム302と防振部材403とを介して交流電流を通電剥離性接着剤311に通電させることができ、通電作業の作業性が向上する。
【0097】
防振部材403を形成する導電性樹脂材料としては、例えば、カーボンや酸化亜鉛などの導電材を、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、PS(ポリスチレン)樹脂、PP(ポリプロピレン)樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂等に分散混合したものを用いることができ、導電材と樹脂との混合比率は成形後の強度が低下しない範囲で十分な導電性が得られるように適宜調整できる。
【0098】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲において種々の変更が可能である。すなわち、本発明の技術思想の範囲内でなされた設計変更や改良についても当然に本発明の権利範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0099】
1 露光ユニット
2a,2b,2c,2d 現像装置
3a,3b,3c,3d 電子写真感光体
4a,4b,4c,4d クリーナユニット
5a,5b,5c,5d 帯電器
6a,6b,6c,6d 中間転写ローラ
7 中間転写ベルト
8 中間転写ベルトユニット
9 中間転写ベルトクリーニングユニット
10 給紙トレイ
11 転写ローラ
12 定着ユニット
14 レジストローラ
15 排紙トレイ
16a,16b ピックアップローラ
20 手差しトレイ
25a,25b,25c,25d,25e,25f,25g,25h 搬送 ローラ
71 中間転写ベルト駆動ローラ
72 中間転写ベルト従動ローラ
73 中間転写ベルトテンション機構
81 ヒートローラ
82 加圧ローラ
100 画像形成装置
301 導電性支持基体
302 感光体ドラム
302a 導通部
303,403 防振部材
303a,403a 円盤状部分
303b 貫通孔
303c 窪み部分
303d,403d 開口部
303e,403e 防振本体
309 感光層
311 通電剥離性接着剤
315 導電性シート
400 交流電源
401,402 通電用端子
S シート搬送路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の導電性支持基体の表面に感光層が形成された感光体ドラムと、
少なくとも一部に導電性部分を有する防振部材とを備え、
前記防振部材は、前記導電性部分が通電剥離性接着剤を介して前記感光体ドラムの内部に接着されることを特徴とする電子写真感光体。
【請求項2】
前記防振部材は、前記防振部材は樹脂からなり、前記感光体ドラムに嵌入されて両端に配置される円盤状部分を有し、
前記導電性部分は、前記円盤状部分の外周に貼付された導電性シートからなる請求項1に記載の電子写真感光体。
【請求項3】
前記防振部材は、外部から挿入された通電用端子を前記導電性シートと接触させるための貫通孔が形成されてなる請求項2に記載の電子写真感光体。
【請求項4】
前記防振部材は、導電性樹脂材料からなる請求項1に記載の電子写真感光体。
【請求項5】
前記防振部材は、非導電性材料からなり、前記感光体ドラムに嵌入されて前記非導電性材料部分の両端に配置する円盤状部分を有し、
前記導電性部分は、前記円盤状部分に装着された導電性リングからなる請求項1に記載の電子写真感光体。
【請求項6】
表面に静電潜像が形成される電子写真感光体と、電子写真感光体表面を帯電させる帯電装置と、前記電子写真感光体表面に静電潜像を形成する露光装置と、前記電子写真感光体表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置と、前記電子写真感光体表面のトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、前記転写されたトナー像を記録媒体に定着させる定着装置とを備え、電子写真方式によりトナーを用いて画像を形成する画像形成装置において、
前記電子写真感光体として、請求項1〜5のいずれか1つに記載の電子写真感光体を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1つに記載の電子写真感光体を再生するための方法であって、
前記感光体ドラムと前記防振部材を介して前記通電剥離性接着剤に通電することにより前記通電剥離性接着剤の接着力を弱め、前記感光体ドラムから前記防振部材を取り外す工程を含むことを特徴とする電子写真感光体の再生方法。
【請求項8】
前記通電剥離性接着剤への通電は、3〜10A/cm2の交流電流または直流電流を通電することにより行われる請求項7に記載の電子写真感光体の再生方法。
【請求項9】
取り外した前記防振部材を再生された前記感光体ドラム内部に前記通電剥離性接着剤で接着する工程をさらに含む請求項7又は8に記載の電子写真感光体の再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−128335(P2012−128335A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−281702(P2010−281702)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】