電子写真感光体の特性評価装置

【課題】低速回転で帯電特性、抵抗、感度等のドラム状感光体の様々な特性評価に対応でき、かつ画像出しを実施せずに欠陥を判別可能な電子写真感光体の特性評価装置の提供。
【解決手段】少なくとも帯電手段、露光手段、及び表面電位検出手段を備え、前記表面電位検出手段が、ガラス基材上に導電性材料を塗布してなる透明プローブであり、前記透明プローブと前記露光手段とが一体化した露光・検出ユニットを有し、前記露光・検出ユニットが前記電子写真感光体周りに複数個配置されている電子写真感光体の特性評価装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザープリンタ、複写機等の画像形成装置に使用される電子写真感光体の特性評価装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真感光体(以下、「感光体」、「静電潜像担持体」と称することもある)は、複写機、レーザープリンタ等の電子写真プロセスを応用した画像形成装置において、最も重要な構成要素の一つであり、画像形成装置本体の性能を引出すために、様々な特性を満足する必要がある。そのため、感光体は出荷前に電子写真に関る様々な特性の検査が行われている。また、新規の電子写真装置用として、新規の感光体を開発する場合には、開発過程において試作した感光体の電子写真に関る様々な特性についての評価が行われており、電子写真感光体の特性評価装置についても種々提案されている。
【0003】
例えば特許文献1には、電子写真感光体の試料片をセットする開口部を持つターンテーブルと、該ターンテーブルを高速回転させるための手段と、ターンテーブルに対向して配置され該感光体試料片を徐々に帯電させるコロナ帯電手段と、ターンテーブルの開口部に装着された感光体試験片表面の平均帯電電位と感光体試料片に流れ込む電流を同時に計測するための手段とを有し、該電流は時間で積分され充電電荷として処理され、Q=C・Vの関係式より感光体試料片の静電容量を非破壊、非接触で測定する装置が提案されている。この提案によれば、感光体試料片の静電容量の測定時に高速回転するターンテーブルの感光体試料片に流れ込む電流に対する真の電流を算出し、静電容量の測定精度が向上するとされている。
【0004】
また、特許文献2は、少なくとも帯電手段、露光手段、及び表面電位測定手段を取り付けた作動ユニットを円筒形の感光体を母線方向に移動させて諸値を測定する感光体の特性評価方法である。前記感光体はアモルファスシリコンを主成分とする光導電層を有し、該帯電手段の有効帯電範囲が2cm〜15cmであり、該露光手段は、露光量、露光波長が可変であり、感光体の諸特性を総合的かつ高精度に評価することが可能となることが記載されている。
また、特許文献3には、電子写真感光体を高速で回転させる工程と、該電子写真感光体の感光面を帯電させる静電気帯電工程と、該電子写真感光体の感光面に光放電させる光放電工程とを有し、該電子写真感光体に流れ込む電流の電流信号を検出してA/D変換し、算出される該電子写真感光体の充電電荷量と、該電子写真感光体の表面電位の電位信号を検出してA/D変換し、求められる電子写真感光体の帯電電位とから該電子写真感光体の静電容量を求める電子写真感光体の静電容量算出方法が提案されている。この提案には、前記電子写真感光体の充電電荷量が、電流値を時間で積分した値に補正値を加えた値として静電容量を算出方法することが記載されている。
また、特許文献4には、光に反応する物体にパルス化した光を照射し、動作指令信号に応じてその光応答性を計測する装置が記載されている。
【0005】
ここで、前記電子写真感光体に要求される特性としては、帯電能、電荷保持能、感度等が挙げられる。これらの電気的特性及び光学的特性の測定には、電子写真プロセスと同様にコロナ帯電及び露光を行うことによって特性を評価することが多い。例えば前記特性値の一つとして、電子写真感光体をコンデンサと考え、静電容量を求めて評価する方法がある。このように電子写真感光体をコンデンサと考えるモデルでは、暗中にてコロナ帯電により感光体試料に流れる電流と、この時の表面電位を同時計測し、通過電流は時間で積算され、図3中の下段のグラフで示されるように、Q=C・V(ただし、Qは充電電荷量、Vは感光体の帯電電位、Cは感光体の静電容量を表す)の関係より静電容量(C)を求める。
電子写真感光体にコロナ放電を施すとその表面電位は、通常、図3中の上段のグラフで示されるように立ち上がっていく。この間、感光体の充電電荷量は、図3中の中段のグラフで示されるように推移する。つまり、充電電荷量(Q)は、各時間(Δt)あたりの各充電電荷量(q1)、(q2)、(q3)、・・・(qn)の積算値で表され、増大していく。各充電電荷量(q1)、(q2)、(q3)、・・・(qn)は、それぞれ時間(Δt)と電流(I)との積で表される積分値であり、電流(I)は実測の試料充電電流値/S(Sは帯電される試料の面積)で定まる。求められた充電電荷量(Q)とこれに対応する表面電位(V)をプロットして直線を引き、この傾きから静電容量(C)を算出する。先行技術文献に記載されているように、この算出方法では、徐々に帯電する状況を作り出して、測定するため、高速回転させて静電容量を算出する必要がある。
【0006】
前記特許文献1のように、被測定物となる感光体が平板等のテストピースの場合は、サンプルサイズも小さいため、高速回転させて静電容量を算出する場合に特に問題はなかった。また、前記特許文献3のように、被測定物が感光体ドラムの場合でも、ドラム直径が小さい感光体では、支持体の厚みに不均一な部分があっても、回転時に大きな問題が生じるほど振れが非常に大きくなることは無いため、高速回転させて静電容量を算出することが可能である。
しかし、ドラム直径が大きく、支持体に厚みの不均一な部分がある場合には、重量バランスの悪さにより、回転時に非常に大きな振れとなる。それによって感光体周りに配置された帯電手段、露光手段、及び表面電位検出手段との距離が安定化しないため、正確な計測ができない状況が発生することがある。更に、振れが大きい場合には、感光体周りに配置された帯電手段、露光手段、及び表面電位検出手段に接触してこれらの装置の損傷や感光体へのダメージが生じる。
そのため、振れを抑える方法として、重量バランスの悪い位置を確認し、その位置におもりを付けることで振れ量を抑え計測する方法がある。しかし、バランスの悪い部分を測定するための機構及び装置等が必要となり、また、計測する場合には、測定者の手間になるという問題もあり、低速回転で静電容量を算出することができる電子写真感光体の特性評価装置が要望されていた。
【0007】
また、前記特許文献2及び特許文献3では、ドラム状の感光体を計測可能であり、かつ露光手段と表面電位プローブが配備されているため、感光特性を評価することが可能であり、露光手段と表面電位プローブ(表面電位センサ)は別の位置に存在しているため、ドラムを高速で回転させて感度を評価することが可能である。しかし、高速回転ができないドラム直径が大きい感光体を測定する場合には、同じようなレイアウトでは露光開始からの電位変動や露光中の電位変動を確認することが困難となるため、低速回転でも感度測定可能な特性評価装置が要望されていた。
【0008】
また、特許文献4は、表面電位計プローブとして透明プローブを使用し、感光体の感度特性を計測することができ、停止状態で感度測定可能な特性評価装置である。しかし、この装置は、テストピースを対象とした感度測定装置であり、ドラム状の感光体を対象としておらず、また、測定時の帯電条件が一切記載されてなく、感度以外の特性評価を対象としていなかった。更に、透明プローブを使用した場合、透明プローブの位置により、ガラスの重なる枚数が違うため、透過率が違ってくるという問題がある。
【0009】
その他、塗工時に発生した感光体の電荷発生層(CGL)濃淡ムラを確認する場合、ドラム直径が小さい感光体に関しては外観を目視で確認することで容易に確認可能である。しかし、ドラム直径が大きくなるにしたがって、ドラム全体の濃淡ムラを確認することが困難であるため、ドラム直径が大きい感光体に関しては問題がある。そのため、CGL濃淡ムラを確認するのに、実際に複写機に搭載し画像を出して評価する方法が取られているが、時間と手間がかかっており、CGL濃淡ムラも容易に判断可能な電子写真感光体の特性評価装置の提供が要望されていた。
【0010】
以上のように、高速回転による方法では、測定できるドラム直径に制約があり、このため、低速回転で帯電特性、抵抗、感度等のドラム状感光体の様々な特性評価に対応でき、かつ画像出しを実施せずにCGL濃淡ムラ等、画像の欠陥につながる問題を判別可能な電子写真感光体の特性評価装置の提供が要望されているのが現状である。
【0011】
【特許文献1】特開平10−282057号公報
【特許文献2】特開2003−29572号公報
【特許文献3】特開2003−279608号公報
【特許文献4】特許第3136320号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、低速回転で帯電特性、抵抗、感度等のドラム状感光体の様々な特性評価に対応でき、かつ画像出しを実施せずに欠陥を判別可能な電子写真感光体の特性評価装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 少なくとも帯電手段、露光手段、及び表面電位検出手段を有する電子写真感光体の特性評価装置であって、
前記表面電位検出手段が、ガラス基材上に導電性材料を塗布してなる透明プローブであり、
前記透明プローブと前記露光手段とが一体化した露光・検出ユニットを有し、
前記露光・検出ユニットが、前記電子写真感光体周りに複数個配置されていることを特徴とする電子写真感光体の特性評価装置である。
<2> 透明プローブと露光手段との間に、透過率分布を補正する機能を持つ補正部材を有する前記<1>に記載の電子写真感光体の特性評価装置である。
<3> 補正部材が、透明プローブと同材質である前記<2>に記載の電子写真感光体の特性評価装置である。
<4> 透明プローブの光の透過方向に、該透明プローブと同材質のガラスが同じ枚数配置されている前記<2>から<3>のいずれかに記載の電子写真感光体の特性評価装置である。
<5> 電子写真感光体を一様に帯電可能な帯電制御機能を持つスコロトロン帯電器を有する前記<1>から<4>のいずれかに記載の電子写真感光体の特性評価装置である。
<6> コロトロン帯電器と、スコロトロン帯電器とを有し、該帯電手段を評価する特性に応じて切り替えて電子写真感光体の特性を評価する前記<1>から<5>のいずれかに記載の電子写真感光体の特性評価装置である。
<7> 複数箇所における電子写真感光体の特性の評価結果に基づき、電子写真感光体の良否を判定する機能を有する前記<1>から<6>のいずれかに記載の電子写真感光体の特性評価装置である。
<8> 電子写真感光体がドラム状であり、200rpm以下の低速回転で評価を行う前記<1>から<7>のいずれかに記載の電子写真感光体の特性評価装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると従来における諸問題を解決することができ、電子写真感光体のドラム直径に影響されずに、低速回転でも帯電特性、抵抗、感度等の様々な特性評価に対応できる。特に、感光体ドラムの直径が大きい場合に、電荷発生層(CGL)濃淡ムラ等の画像欠陥を評価するには、実機での画像評価が必要であったが、この画像評価せずに精度良く容易に判定可能な電子写真感光体の特性評価装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の電子写真感光体の特性評価装置は、少なくとも帯電手段、露光手段、及び表面電位検出手段を有してなり、更に必要に応じてその他の構成を有してなる。
本願明細書において、「放電電流」とは、帯電手段の放電条件を決めるための値であり、測定する感光体と同形状(直径、全長、肉厚が同じ)のアルミニウム素管(感光層を塗布していない)に放電させ、その際にアルミニウム素管側に流れる電流を意味する。この放電電流によって帯電手段の出力を予め設定する。
また、本願明細書において、「高速」とは1,000rpm以上の速度を意味し、「低速」とは200rpm以下の速度を意味する。
【0016】
−帯電手段−
前記帯電手段としては、前記電子写真感光体の表面に電圧を印加して帯電させることができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えた接触帯電手段;コロトロン帯電器、スコロトロン帯電器等のコロナ放電を利用した非接触帯電手段、などが挙げられる。
これらの中でも、感光体を一様に帯電可能な帯電制御機能を持つスコロトロン帯電器が好ましい。
また、前記帯電手段として、コロトロン帯電器と、スコロトロン帯電器とを有しており、これら帯電手段を容易に切り替えることができるので、例えば静電容量算出時にはコロトロン帯電器を使用し、抵抗測定時にはスコロトロン帯電器を使用することが可能となり、評価する特性に応じて、適した帯電手段を使用することが可能になる。
【0017】
−露光手段−
前記露光手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するため、例えばシャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもでき、照度を下げるために、ニュートラルデンシティフィルターを用いることもできる。
【0018】
−表面電位検出手段−
前記表面電位検出手段は、ガラス基材と、該ガラス基材上に導電性材料を塗布した透明プローブが用いられる。
前記ガラス基材は、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、例えば円板状、平板状などが挙げられる。また、前記構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
前記導電性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばIndium−Tin−Oxide(ITO)、酸化スズ、などが挙げられる。
【0019】
本発明においては、前記透明プローブと前記露光手段とが一体化した露光・検出ユニットを形成している。
前記透明プローブと前記露光手段との一体化の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば露光ガイドボックスを介して露光手段と透明プローブとを結合させる方法、などが挙げられる。
前記透明プローブと前記露光手段との間に、透過率分布を補正する機能を持つ補正部材を有することが好ましい。
前記補正部材としては、透明プローブと同材質であることが好ましく、前記透明プローブの光の透過方向に、該透明プローブと同材質のガラスが同じ枚数配置されていることが好ましい。
前記露光・検出ユニットは、前記電子写真感光体周りに複数個配置されており、2個以上配置することが好ましく、2〜4個がより好ましい。
これにより、複数箇所における電子写真感光体の特性の結果を得ることができ、これらの結果に基づき、電子写真感光体の良否を判定することができる。
【0020】
前記その他の手段として、被試験試料の表面を帯電処理するための帯電手段用電源回路の制御手段、該被試験試料を光照射するための光源用電源回路の制御手段としては、特に制限はなく、従来公知のものをそのまま用いることができる。
【0021】
−電子写真感光体−
本発明の電子写真感光体の特性評価装置に用いる電子写真感光体としては、その材質、形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば、ドラム状、シート状、エンドレスベルト状などが挙げられる。前記構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記画像形成装置の大きさ、仕様等に応じて適宜選択することができる。前記材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン、CdS、ZnO等の無機感光体;ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)、などが挙げられる。
【0022】
前記アモルファスシリコン感光体は、例えば、支持体を50℃〜400℃に加熱し、該支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の成膜法により、a−Siからなる感光層を形成したものである。これらの中でも、プラズマCVD法が特に好ましく、具体的には、原料ガスを直流、高周波又はマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上にa−Siからなる感光層を形成する方法が好適である。
【0023】
前記有機感光体(OPC)は、(1)光吸収波長域の広さ、光吸収量の大きさ等の光学特性、(2)高感度、安定な帯電特性等の電気的特性、(3)材料の選択範囲の広さ、(4)製造の容易さ、(5)低コスト、(6)無毒性、等の理由から一般に広く応用されている。このような有機感光体の層構成としては、単層構造と、積層構造とに大別される。
前記単層構造の感光体は、支持体と、該支持体上に単層型感光層を設けてなり、更に必要に応じて、保護層、中間層、その他の層を有してなる。
前記積層構造の感光体は、支持体と、該支持体上に電荷発生層、及び電荷輸送層を少なくともこの順に有する積層型感光層を設けてなり、更に必要に応じて、保護層、中間層、の他の層を有してなる。
【0024】
前記電子写真感光体における特性としては、帯電特性(静電容量)、抵抗、感度(光減衰特性)等が挙げられる。これらの特性は、例えば以下のようにして測定することができる。
【0025】
−静電容量の測定−
静電容量を算出する方法に関しては、上述した図3で示したように電子写真感光体をコンデンサと考えるモデルで、コロナ帯電により感光体試料に流れる電流と、この時の表面電位を計測し、通過電流は時間で積算され図3中の下段のグラフで示されるように、Q=C・V(ただし、Qは充電電荷量、Vは感光体の帯電電位、Cは感光体の静電容量をそれぞれ表す)の関係より静電容量(C)を求める。ただし、電子写真感光体の特性評価装置では、低速回転で測定するため、帯電手段と電位計測の場所の違いが影響を受ける。
ここで、図4に電位の推移グラフ、図5に電流の推移グラフを示す。その影響で、電位と電荷量の対応が一致するタイミングは、回転周期のタイミングしかなく、1回転周期でしか充電電荷量(Q)とこれに対応する表面電位をプロットすることができない。例えば、200rpmであれば、0.3sec間隔となる。更に、電位や電流は信号経路中の、ノイズフィルタ、アンプ等で信号の遅れが生じることもあり、それを補正する必要がある。その補正方法は、プロットするタイミングでの電流値に補正係数を乗じた物を充電電荷量へ足し合わせることで可能となる。これらによって求めた充電電荷量(Q)と、これに対応する表面電位(V)をプロットして直線を引き、この傾きから静電容量(C)を算出する。図6に充電電荷量と表面電位の対応結果のグラフを示す。
この静電容量の算出自体は、コントローラの記憶領域に記憶された、表面電位と電流のデータを使用して、コントローラで処理が実施され、静電容量が算出できる。
【0026】
−抵抗の測定−
前記電子写真感光体の抵抗を算出する方法については、帯電手段で感光体を所定の電位に帯電にさせ、その後の自然放電により減衰する電位(暗減衰)を一定時間サンプリングする。この帯電手段による帯電を停止してから暗減衰する電子写真感光体の帯電電位は、感光体を抵抗Rと、静電容量Cで並列した等価回路とに置き換え、暗減衰開始電位をV0とすると、V=V0e−t/RCとなる。
そこで、コントローラにより暗減衰開始電位V0と一定時間経過後の帯電電位Vより1/RCを算出し、先に算出した静電容量Cから感光体の単位面積あたりの暗抵抗Rを算出することができる。
【0027】
−光減衰特性の測定−
前記光減衰特性を調べるための感度は、電位が予め意図した所定の電位レベルに減衰するまでに要した時間(s)と、露光光量(単色光:μW/cm、白色光:lx)を乗じて算出した露光量(単色光:μJ/cm、白色光:lx・s)で評価する。
前記電子写真感光体の特性評価装置は、光を透過しない暗箱、又は暗幕等で覆われている、暗箱又は暗幕で覆われていないと、試験時に外部環境(風、光、温度)の影響を受け、正確な特性評価が困難となる。ただし、コントローラ及び信号処理回路等、感光体ドラムの評価に影響の無い物に関しては、暗箱又は暗幕で覆う必要はない。
【0028】
ここで、図1は、本発明の電子写真感光体の特性評価装置の一例を示す概略図である。この図1の電子写真感光体の特性評価装置は、電子写真感光体(感光体ドラム)1を露光する露光手段10、感光体ドラム1の電位を計測する表面電位計プローブ3、感光体ドラム1を帯電するコロナ帯電手段6、該コロナ帯電手段6へ電圧を供給するための電源7、該電源7のスイッチ11、感光体ドラム1を除電する除電用光源8、露光した光を電子写真感光体の照射面までガイドする露光ガイドボックス2を有している。
また、コロナ帯電手段6とは別に、スコロトロン帯電器16を使用しており、スコロトロンへ電圧を供給する電源17、電源17のスイッチ18を有しており、グリッドには電源14と電源14のスイッチ15を有している。
【0029】
露光手段10と露光ガイドボックス2と表面電位計プローブ(透明プローブ)3は一体化された露光・検出ユニットを構成しており、該露光・検出ユニットは感光体周りに複数個配置されている(図1では4個)。また、透明プローブ3の背面には、図11に示す形状の透明プローブと同材質のガラスが貼り付けられている。
図1では、感光体を一様に帯電可能な帯電制御装置として、スコロトロン帯電器を用いているが、帯電制御装置として、接触方式の帯電ローラを用いることもできるが、非接触帯電手段として、スコロトロン帯電器の方が好ましい。
【0030】
この図1の電子写真感光体の特性評価装置では、感光体ドラム1はモーター12によって回転する機構となっており、図1中矢印の方向に回転する。電源7から高電圧が出力され、コロナ帯電手段6によって感光体ドラム1が帯電される。帯電時に感光体ドラム1中を通過する電流が計測され、5の信号処理回路に送られる。なお、信号処理回路の中には図示されていない平滑化回路が組み込まれており、平滑化回路によって通過電流の平滑化が行われる。
その後、A/D変換器によってデジタル信号に変換されコントローラ13に送られデジタル信号が演算処理される。
【0031】
また、感光体ドラム1の表面電位は、各表面電位計プローブ3からモニター部である表面電位計4にそれぞれ送られモニターされ、信号処理回路9に送られる。その後、A/D変換器によって変換され、次に、コントローラ13に送られ演算処理される。コントローラ13には、感光体ドラム1を回転させるモーター12内のモータードライバが接続されている。このモータードライバでは、回転数を出力する機能、回転数をリモート制御可能な機能、位置検出機能も付加されているため、回転数制御と回転数の認識と測定位置の確認も可能である。
【0032】
感光体ドラム1周りの各露光・検出ユニットは、デジタルリレー出力によってON/OFF制御されている。また、感光体の露光後電位は、露光手段10を使用することによって、測定ができ、感光体の表面電位を取り除く場合は、除電用光源8を使用して取り除くことが可能であり、感光体ドラム1の帯電特性、光減衰特性等の特性評価が可能である。更に、コントローラ13では、特性評価した結果を更に演算すること、演算結果から感光体の良否を判定させることも可能である。
【実施例】
【0033】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により、何ら限定されるものではない。
【0034】
(実験例1)
ドラム直径の違う4種類(30mm、100mm、178mm、262mm)のドラム状基体を用いて、以下のようにして各電子写真感光体を作製した。
<電子写真感光体の作製>
まず、前記ドラム状基体上に下記組成の下引き層用塗工液を用いて浸漬塗布した後、130℃にて20分間乾燥を行い、厚み3.5μmの下引き層を形成した。
次に、下記組成の電荷発生層用塗工液を用いて浸漬塗布した後、130℃にて20分間乾燥を行い、厚み0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記組成の電荷輸送層用塗工液を用いて浸漬塗布した後、130℃にて20分間乾燥を行い、厚み27μmの電荷輸送層を形成した。以上により、電子写真感光体を作製した。
【0035】
−下引き層用塗工液−
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製)・・・50質量部
・アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50、固形分50質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・15質量部
・メラミン樹脂(L−145−60、固形分60質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・8質量部
・2−ブタノン・・・120質量部
【0036】
−電荷発生層用塗工液−
・下記構造式で表される非対称ビスアゾ顔料・・・2.5質量部
【化1】

・ポリビニルブチラール(「XYHL」、UCC社製)・・・0.5質量部
・メチルエチルケトン・・・110質量部
・シクロヘキサノン・・・260質量部
【0037】
−電荷輸送層用塗工液−
・ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成株式会社製)・・・10質量部
・下記構造式で示される電荷輸送物質・・・7質量部
【化2】

・テトラヒドロフラン・・・80質量部
・下記構造式で示される硫黄系酸化防止剤・・・0.5質量部
【化3】

・シリコーンオイル(100cs、信越化学工業株式会社製)・・・0.002質量部
【0038】
得られた各電子写真感光体の外観を目視で確認し、電荷発生層(CGL)濃淡ムラが確認された本数と、複写機に搭載させて出力画像で判断した濃淡ムラの発生本数を評価した。結果を表1に示す。
なお、画像はハーフトーン画像を出力した際に、目視で濃淡ムラが許容範囲内であるか否かについて判断した。
【0039】
【表1】

※目視外観検査でムラ発生と判断されている感光体は、画像検査でもムラが確認された。
表1の結果から、画像検査で発覚する濃淡ムラは、ドラム直径が大きいほど目視の外観検査で検出することが困難となっていることが分かった。そのため、感光体のドラム直径が大きい場合に、濃淡ムラを画像出力無しで確認可能な評価装置が必要であることが分かった。
【0040】
次に、作製した感光体の内、各ドラム直径で4本を、図1に示す電子写真感光体の特性評価装置を使用し、高速回転可能の可否について、下記判断基準で評価した。結果を表2に示す。
〔判断基準〕
1,000rpmで高速回転させた時の振れが0.4mm以下を「OK」とし、振れが0.4mmを超える場合を「NG」とした。
なお、振れ計測には、非接触の変位センサ(渦電流式変位センサ)を使用した。センサ部は、キーエンス社製、ANLOG SENSOR AH−416(アルミニウム仕様)を使用した。
【0041】
【表2】

表2の結果から、ドラム直径が大きくなるほど、振れが大きくなる感光体が増え、高速回転ができなくなったしまうことが分かった。これは、ドラム直径が大きいほど、重量バランスの悪さの影響を回転時に大きく受けることが原因であると考えられる。このような状況に陥った場合には、重量バランスの悪い位置を確認し、その位置におもりを付け、振れを抑えることで計測は可能となる。しかし、低速回転で計測可能であれば、そのような測定者の手間はなくなる。
【0042】
(実施例1)
−感度の測定−
ドラム直径262mm、ドラム全長530mm、ドラムの肉厚5mmのドラムに、株式会社リコー製IPSIO CX8000用感光体と同じ材料、及び処方構成の感光層を形成した感光体ドラムを使用して、下記の条件で感度測定を行った。
・ドラム回転数:200rpm
・表面電位・通過電流サンプリング間隔:0.01sec
・図1に示す電子写真感光体の特性評価装置(自社で設計製作した評価装置を使用)を使用し、感度測定を実施した。
・測定方法は、まず、低速回転(200rpm)で、スコロトロン帯電器により、感光体を均一に−800Vまで帯電させ、ドラムの回転を停止した。ドラム停止後に露光し、感度測定を実施した。
・特性評価装置としては、露光手段にはシャープ社製のGH06550B2BのLDを使用し、スコロトロン帯電器に使用する電源は、グリッド及びワイヤともTREK社製の高圧電源Model1610E、表面電位計はTREK社製のModel370、表面電位計プローブ(透明プローブ)はTREK社製のModel3629A、コロトロン帯電器に使用する電源は、TREK社製の高圧電源Model610E、帯電手段はスコロトロン帯電器及びコロトロン帯電器とも内製品、除電用光源には林時計工業株式会社製の特注ラインLED(波長660nm)、モーターはオリエンタル社製のモーターユニットDX6150SD、コントローラは、デル社製のPC(Optiplex GX270)、A/D変換はナショナルインスツルメンツ社製のPCI−6025E、デジタル出力はナショナルインスツルメンツ社製のPCI−6503、それ以外の信号処理回路等は全て内製した電子写真感光体の特性評価装置を使用した。
なお、表面電位計プローブ(透明プローブ)は、露光ガイドボックスを介して露光手段と一体化されている。
【0043】
(比較例1)
−感度の測定−
実施例1において、図2に示す従来の電子写真感光体の特性評価装置(自社で設計製作した評価装置)を使用した以外は、実施例1と同様にして、以下のようにして感度測定を実施した。
なお、図2の特性評価装置は、図1の特性評価装置と違い、スコロトロン帯電器は配置しておらず、露光手段はコロトロン帯電器6が1つしか配置されていない。また、表面電位プローブ3は露光部先端には配置しておらず、感光体1の真下に取り付けられている。更に表面電位プローブ3としては通常のプローブ(透明プローブではない)を使用している。
・測定方法は、まず、低速回転(200rpm)で、コロトロン帯電器により、感光体を複数回回転させ−800Vになるまで帯電させる。その後、低速回転のまま露光し、感度測定を実施した。
・特性評価装置としては、露光手段にはシャープ社製のGH06550B2BのLDを使用し、コロトロン帯電器に使用する電源は、グリッド及びワイヤともTREK社製の高圧電源Model 1610E、表面電位計はTREK社製のModel344、表面電位計プローブはTREK社製のModel6000B−7C、帯電手段は内製したコロトロン帯電器とも内製品、除電用光源には林時計工業株式会社製の特注ラインLED(波長660nm)、モーターはオリエンタル社製のモーターユニットDX6150SD、コントローラは、デル社製のPC(Optiplex GX270)、A/D変換には、ナショナルインスツルメンツ社製のPCI−6025E、デジタル出力はナショナルインスツルメンツ社製のPCI−6503、それ以外の信号処理回路等は全て内製して製作した特性評価装置を使用した。
【0044】
実施例1で測定した表面電位推移グラフを図7、比較例1で測定した表面電位推移グラフを図8に示す。ただし、図7の結果は、1つの露光・検出ユニットの結果である。
図7及び図8の結果から、図7のように時間と共に電位が徐々に低下する状況を正確に把握できているため、感度が正確に計算できる。一方、図8では、電位の時間変化は階段状となっており、正確に把握できておらず、感度を正確に計算できない。
したがって、露光手段と表面電位プローブの位置が離れている状態で、低速回転で計測を実施する方法(比較例1)では、感度を正確に計測できないことが分かった。これに対し、露光手段と表面電位プローブの位置が同じ位置であり、かつ停止状態で感度測定を実施する方法(実施例1)では、感度を精度良く測定可能であることが分かった。実施例1では、露光・検出ユニットが複数個配置されているため、複数箇所の感度測定も可能となることが分かった。
【0045】
次に、図1の電子写真感光体の特性評価装置で使用する透明プローブの透過率について調査した。図9は透明プローブの正面概略図、図10は透明プローブの上面概略図であり、19は振動電極、20は導電性材料でコーティングされたガラス、21は開口部、22はガラス基材を示し、位置によってガラスの枚数が違っていることが分かった。
【0046】
(実施例2)
−照度の測定−
実施例1と同じ電子写真感光体の特性評価装置を使用し、透明プローブの背面には、図11に示す形状の透明プローブと同材質のガラスを貼り付けた。その状態で照度分布を計測した。
図11のガラスは、ガラス全体のサイズはプローブと同サイズ(21.89mm×21.89mm)であり、振動電極19と同サイズ分カットされているが、開口部21サイズ領域分(直径4.978mm)はガラスが残された形状となっている。また、2枚の振動電極の間で、かつ開口部領域と重なる部分には、ガラスをもう1枚貼り付けた構造となっている。
【0047】
(実施例2a)
−照度の測定−
実施例1と同じ電子写真感光体の特性評価装置を使用して照度分布を計測した。ただし、追加のガラス貼り付けは無かった。
【0048】
実施例2及び実施例2aとも、照度分布の測定は、透明プローブを通過した光(655nmLD光)を光パワーメーター(YOKOGAWA社製、Model3292)で計測し、透明プローブを通過しない状態の結果との比率から照度分布を確認した。照度分布の測定は、図12に示すように、A地点からB地点までの透過光を計測した。
実施例2での照度分布の結果を図14、実施例2aでの照度分布の結果を図13にそれぞれ示す。
図13及び図14の結果から、精度の良い計測を行うためには透明プローブを使用して計測する場合は、透明プローブと露光手段との間に透明プローブの透過分をカバーするように同材質の補正部材を取り付ける必要があることが分かった。
【0049】
次に、画像形成装置(株式会社リコー製、imagio MF7070)に搭載された感光体ドラム(ドラム直径100mm、ドラム全長360mm、ドラムの肉厚1.2mm)を3本使用して、−800Vにおける抵抗測定を行った(ドラム回転数は200rpm、表面電位・通過電流サンプリング間隔:0.01sec)。
【0050】
(実施例3)
−抵抗の測定−
実施例2と同じ電子写真感光体の特性評価装置を使用し、以下のようにして抵抗測定を実施した。感光体の帯電は、スコロトロン帯電器を使用した(グリッド電圧:−810V、ワイヤ印可電圧:−5.7kV)。
【0051】
(実施例3a)
実施例2と同じ電子写真感光体の特性評価装置を使用し、以下のようにして抵抗測定を実施した。ただし、スコロトロン帯電器は配置されておらず、感光体の帯電は、コロトロン帯電器を使用した(ワイヤ印可電圧:−5.2kV)。
【0052】
<抵抗の測定>
抵抗の測定は、低速(200rpm)で回転し、所定の電位に到達するまで帯電を実施した。その後、回転を停止させ、下記の抵抗測定方法で抵抗を算出した。実施例3及び実施例3aとも、−810Vから−790Vに減衰するまでの時間から、抵抗を算出するため、−810Vを超えた時点で帯電を切り測定した。抵抗測定開始電圧と、抵抗算出結果を表4に示す。
−抵抗測定方法−
帯電手段で感光体を所定の電位に帯電にさせ、その後の自然放電により減衰する電位(暗減衰)を一定時間サンプリングした。この帯電手段による帯電を停止してから暗減衰する電子写真感光体の帯電電位は、感光体を抵抗Rと、静電容量Cで並列した等価回路とに置き換え、暗減衰開始電位をV0とすると、V=V0e−t/RCとなる。そこで、コントローラにより暗減衰開始電位V0と一定時間経過後の帯電電位Vより1/RCを算出し、先に算出した静電容量Cから感光体の単位面積あたりの暗抵抗Rを算出した。
【0053】
【表4】

表4の結果から、感光体を一様に帯電可能なスコロトロン帯電器が付いていない状態(実施例3a)では、帯電切断電位を一定にすることがやや困難であった(感光体を一様に帯電可能なスコロトロン帯電器が付いていない状態では、1回転毎に表面電位が階段状に上昇するため、所定の表面電位にすることが困難となるため)。その結果、暗抵抗算出結果にも違いが出るため、精度の高い計測結果を得るためには、感光体を一様に帯電可能な帯電制御機能が付いたスコロトロン帯電器が必要であることが分かった。また、帯電手段をスコロトロン帯電器とコロトロン帯電器とを容易に切り替え可能であるため、静電容量算出時にはコロトロン帯電器を使用し、抵抗測定にはスコロトロン帯電器を使用することが可能となり、評価する特性に応じて、適した帯電手段を使用することが可能になる。
【0054】
(実施例4)
−感度の測定−
実験例1の表1のドラム直径262mmの感光体ドラム20本の内、画像検査でムラが判明した4本と、画像検査でムラが判明しなかった4本について図1の電子写真感光体の特性評価装置を使用し、以下のようにして感度を計測した。結果を表5に示す。
<感度の測定方法>
感度の測定は、低速(200rpm)で回転させた状態で、スコロトロン帯電器16で感光体を−800Vに帯電した。その後、回転を停止させ、感光体周りに配置された4つの露光・検出ユニットで感度を計測した。なお、感度は、−800Vから−150Vまで光減衰させたときの感度を算出した。
【0055】
【表5】

表5の結果から、出力画像にムラが確認される感光体については、測定位置の違いによる感度のバラツキが大きいことが分かった。目視の外観検査で濃淡ムラが確認されないもので、画像を出力することで画像ムラが確認される感光体に関しても、図1の電子写真感光体の特性評価装置を使用し、測定位置の違いによる感度のバラツキを確認することで、問題の有無が判断できる。また、使用するモーターには位置検出機能が付いているため、その機能を利用して複数回計測することで感光体の感度分布を確認することも可能になった。
【0056】
次に、株式会社リコー製のimagio MF7070に搭載された感光体ドラム(ドラム直径100mm、ドラム全長360mm、ドラムの肉厚1.2mm)を使用して評価に費やす時間を計測した。ドラム回転数は200rpm、表面電位・通過電流サンプリング間隔:0.01secであった。計測結果を表6に示す。
【0057】
(実施例5)
実施例4の電子写真感光体の特性評価装置を使用した。この特性評価装置は、露光・検出ユニット間の感度バラツキを計測可能な機能と、露光・検出ユニット間のバラツキをコントローラに接続されたモニターへ表示させて、電子写真感光体の良否を判定する機能とを有している。
【0058】
(実施例5a)
実施例4の電子写真感光体の特性評価装置を使用した。この特性評価装置は、各露光・検出ユニットの感度結果を出力する機能のみを有している。
【0059】
(比較例5b)
電子写真感光体について、実験例1と同様にして画像検査を行い評価した。結果を表6に示す。
【0060】
【表6】

表6の結果から、露光・検出ユニット間の感度バラツキを計測する良否判定機能が付いている場合は、評価時間が短縮されることが分かった。また、本発明の電子写真感光体の特性評価装置を使用することにより、非破壊乃至非接触で評価可能であるため、評価による感光体の損傷を防ぐことも可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の電子写真感光体の特性評価装置は、低速回転で帯電特性、抵抗、感度等のドラム状感光体の様々な特性評価に対応でき、かつ画像出しを実施せずに欠陥を判別可能であり、実機での画像評価をせずに精度良く容易に電子写真感光体の特性を評価可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】図1は、本発明に係る電子写真感光体の特性評価装置の一例を示す概略図である。
【図2】図2は、従来の電子写真感光体の特性評価装置の一例を示す概略図である。
【図3】図3は、静電容量算出方法を説明するための説明図である。
【図4】図4は、本発明に係る電子写真感光体の特性評価装置で低速回転時(200rpm)に計測した表面電位推移比較グラフである。
【図5】図5は、本発明に係る電子写真感光体の特性評価装置で低速回転時(200rpm)に計測した通過電流推移比較グラフである。
【図6】図6は、本発明に係る電子写真感光体の特性評価装置で算出した充電電荷量と表面電位の結果を示すグラフである。
【図7】図7は、実施例1での表面電位推移グラフである。
【図8】図8は、比較例1での表面電位推移グラフである。
【図9】図9は、本発明の電子写真感光体の特性評価装置に用いる透明プローブの概略正面図である。
【図10】図10は、図9の透明プローブの概略上面図である。
【図11】図11は、実施例2で使用するガラスの形状を示す図である。
【図12】図12は、実施例2及び実施例2aで測定した照度分布概略図である。
【図13】図13は、実施例2aでの照度分布の結果を示すグラフである。
【図14】図14は、実施例2での照度分布の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
【0063】
1 電子写真感光体(感光体ドラム)
2 露光ガイドボックス
3 表面電位計プローブ(透明プローブ)
4 表面電位計
5 信号処理回路
6 コロナ帯電手段
7 電源
8 除電用光源
9 信号処理回路
10 露光手段
11 電源スイッチ
12 モーター
13 コントローラ
14 電源
15 電源スイッチ
16 スコロトロン帯電器
17 電源
18 電源スイッチ
19 振動電極
20 導電性材料でコーティングされたガラス
21 開口部
22 ガラス基材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも帯電手段、露光手段、及び表面電位検出手段を有する電子写真感光体の特性評価装置であって、
前記表面電位検出手段が、ガラス基材上に導電性材料を塗布してなる透明プローブであり、
前記透明プローブと前記露光手段とが一体化した露光・検出ユニットを有し、
前記露光・検出ユニットが、前記電子写真感光体周りに複数個配置されていることを特徴とする電子写真感光体の特性評価装置。
【請求項2】
透明プローブと露光手段との間に、透過率分布を補正する機能を持つ補正部材を有する請求項1に記載の電子写真感光体の特性評価装置。
【請求項3】
補正部材が、透明プローブと同材質である請求項2に記載の電子写真感光体の特性評価装置。
【請求項4】
透明プローブの光の透過方向に、該透明プローブと同材質のガラスが同じ枚数配置されている請求項2から3のいずれかに記載の電子写真感光体の特性評価装置。
【請求項5】
電子写真感光体を一様に帯電可能な帯電制御機能を持つスコロトロン帯電器を有する請求項1から4のいずれかに記載の電子写真感光体の特性評価装置。
【請求項6】
コロトロン帯電器と、スコロトロン帯電器とを有し、該帯電手段を評価する特性に応じて切り替えて電子写真感光体の特性を評価する請求項1から5のいずれかに記載の電子写真感光体の特性評価装置。
【請求項7】
複数箇所における電子写真感光体の特性の評価結果に基づき、電子写真感光体の良否を判定する機能を有する請求項1から6のいずれかに記載の電子写真感光体の特性評価装置。
【請求項8】
電子写真感光体がドラム状であり、200rpm以下の低速回転で評価を行う請求項1から7のいずれかに記載の電子写真感光体の特性評価装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図3】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2008−292258(P2008−292258A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−137152(P2007−137152)
【出願日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】