説明

電子写真感光体及び画像形成装置

【課題】電気特性および耐摩耗性の優れた電子写真感光体を提供する。
【解決手段】導電性基体12と、導電性基体上に直接にまたは中間層16を介して形成された感光層14とを備える電子写真感光体10であって、感光層が、少なくとも電荷発生剤と、電荷輸送剤と、バインダー樹脂とを含有し、バインダー樹脂が、下記式(I)で示される繰り返し単位を有する共重合ポリカーボネート樹脂を含有していることを特徴とする、電子写真感光体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真感光体及び前記電子写真感光体を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置に備えられる電子写真感光体としては、セレン、アモルファスシリコン等の無機材料からなる感光層を備える無機感光体以外に、結着樹脂、電荷発生剤、及び電荷輸送剤等の有機材料を感光体材料の主成分として含む感光層を備える有機感光体が好ましく用いられる。このような有機感光体は、無機感光体と比較して、製造が容易であるとともに、感光層を構成する感光体材料の選択肢が多様で構造設計の自由度が高いことが知られている。
【0003】
また、このような電子写真感光体としては、例えば、感光層の光感度や耐久性を向上させるために、下記式で示されるポリカーボネート樹脂を用いた電子写真感光体が提案されている(特許文献1)。
【0004】
【化1】

〔式中、R1,R2:水素原子、炭素数1〜6の置換、無置換のアルキル基、置換、無置換アリール基、R1,R2で形成するC4〜C10の環状炭化水素残基である。R3,R4,R5及びR6は各々水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6の置換、無置換のアルキル基、置換、無置換のアリール基を表す。またl,m,p,qは1〜4の整数である。〕
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−257299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されているようなビフェニル骨格を含有したポリカーボネート樹脂を有する感光体は、耐摩耗性にやや優れるものの、近年のプリンターや複写機の高速化にともなって、より高い耐摩耗性を有する感光体が求められているのが現状である。
【0007】
本発明は、電気特性に優れ、かつ高い耐摩耗性を有する電子写真感光体を提供することを目的とする。また、前記電子写真感光体を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題に鑑み、本発明者は鋭意検討することによって、下記共重合ポリカーボネート樹脂を感光層に含有させることにより、電気特性および耐摩耗性にきわめて優れた電子写真感光体を得ることができることを見出した。
【0009】
すなわち、本発明の一態様に係る電子写真感光体は、導電性基体と、前記導電性基体上に直接にまたは中間層を介して形成された感光層とを備える電子写真感光体であって、前記感光層が、少なくとも電荷発生剤と、電荷輸送剤と、バインダー樹脂とを含有し、前記バインダー樹脂が、下記一般式(I)で示される繰り返し単位を有する共重合ポリカーボネート樹脂を含有していることを特徴とする。
【0010】
【化2】

ここで、式(I)中、R〜Rは、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリール基を示し、Xは0.05〜0.7を示す。また、RおよびRは連結して炭素数5〜8のシクロアルキリデン基であってもよい。
【0011】
このような構成によれば、電気特性に優れ、かつ高い耐摩耗性を有する電子写真感光体を提供することができる。
【0012】
また、前記電子写真感光体において、前記電荷輸送剤が、下記一般式(II)〜(IV)のいずれかで示されるアミン系化合物であることが好ましい。
【0013】
【化3】

[式中、R1a〜R7aは、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基又は炭素数1〜8のアルコキシ基を示し、aは0から5の整数である。]
【0014】
【化4】

[式中、R1b〜R8bは、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又はフェニル基を示し、aは0〜5の整数、bは0〜4の整数、kは0または1の整数である。]
【0015】
【化5】

[式中、R1c〜R3cは、同一又は異なって、炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基又は炭素数1〜8のアルコキシ基を示し、kは0〜4の整数、m、nは0から5の整数である。]
【0016】
このような構成によれば、電気特性がさらに優れた電子写真感光体を提供することができる。又、耐摩耗性にも優れた電子写真感光体を提供することができる。
【0017】
また、本発明の他の一態様に係る画像形成装置は、像担持体と、前記像担持体の表面を帯電するための帯電装置と、帯電された像担持体の表面を露光して、前記像担持体の表面に静電潜像を形成するための露光装置と、前記静電潜像をトナー像として現像するための現像装置と、前記トナー像を前記像担持体から被転写体へ転写するための転写装置とを備え、前記像担持体が、前記電子写真感光体であることを特徴とする。
【0018】
このような構成によれば、高画質な画像を形成することができる長寿命の画像形成装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、電気特性および耐摩耗性の優れた電子写真感光体を提供することができる。また、前記電子写真感光体を備えた画像形成装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係る電子写真感光体の一例である単層型感光体の構造を示す概略断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る電子写真感光体の他の一例である積層型感光体の構造を示す概略断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る電子写真感光体を備えた画像形成装置の構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る実施形態について説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0022】
本発明の実施形態に係る電子写真感光体(以下、単に「感光体」とも称する。)は、導電性基体と、前記導電性基体上に直接にまたは中間層を介して形成された感光層とを備える電子写真感光体であって、前記感光層が、少なくとも電荷発生剤と、電荷輸送剤と、バインダー樹脂とを含有し、前記バインダー樹脂が、下記一般式(I)で示される繰り返し単位を有する共重合ポリカーボネート樹脂を含有していることを特徴とする、電子写真感光体である。
【0023】
【化6】

ここで、式(I)中、R〜Rは、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリール基を示し、Xは0.05〜0.7を示す。また、RおよびRは連結して炭素数5〜8のシクロアルキリデン基であってもよい。
【0024】
このような電子写真感光体は、電気特性および耐摩耗性にきわめて優れた電子写真感光体である。よって、このような電子写真感光体を備えた画像形成装置は、耐久性があり、長期にわたって高画質な画像を形成することができる。
【0025】
なお、上記式(I)で表される共重合ポリカーボネート樹脂の詳細については、後述する。
【0026】
前記感光体は、上記構成を満たしていれば、すなわち、上記式(I)で表される共重合ポリカーボネート樹脂が感光層中のバインダー樹脂に含有された電子写真感光体であれば、その他は特に限定されない。具体的には、例えば、図1に示すような、前記感光層が、電荷発生剤、正孔輸送剤や電子輸送剤等の電荷輸送剤、及びバインダー樹脂が同一層に含有される層である感光体、いわゆる単層型感光体であってもよい。
【0027】
また、図2に示すような、前記感光層が、電荷発生剤及び結着樹脂を含有する電荷発生層と、正孔輸送剤等の電荷輸送剤及びバインダー樹脂を含有する電荷輸送層との少なくとも2つの層を積層したものである感光体、いわゆる積層型感光体であってもよい。
【0028】
なお、電荷発生層に結着樹脂を用いる場合はその結着樹脂をベース樹脂と呼び、電荷輸送層に用いる結着樹脂を前述の単層感光体に用いる結着樹脂と同様、バインダー樹脂と呼ぶ。本実施形態に係る感光体においては、上記式(I)で表される共重合ポリカーボネート樹脂が、単層型感光体においても積層型感光体においても、前述のバインダー樹脂に含有されている。
【0029】
図1は、本発明の実施形態に係る電子写真感光体の一例である単層型感光体の構造を示す概略断面図である。また、図2は、本発明の実施形態に係る電子写真感光体の他の一例である積層型感光体の構造を示す概略断面図である。
【0030】
まず、前記単層型感光体10は、図1に示すように、導電性基体12と、前記導電性基体12上に、感光層14として、電荷発生剤、電荷輸送剤、及びバインダー樹脂が同一層に含有される層とが備えられたものである。そして、前記単層型感光体10は、前記導電性基体12と、前記感光層14とを備えていれば、特に限定されない。具体的には、例えば、図1(a)に示すように、前記導電性基体12上に前記感光層14を直接備えていてもよいし、図1(b)に示すように、前記導電性基体12と前記感光層14との間に下引き層としての中間層16を備えていてもよい。また、図1(a)や図1(b)に示すように、前記感光層14が最外層となって露出していてもよいし、図1(c)に示すように、前記感光層14上に保護層18を備えていてもよい。
【0031】
次に、前記積層型感光体20は、図2に示すように、導電性基体12と、前記導電性基体12上に、感光層として、電荷発生剤及びベース樹脂を含有する電荷発生層24と、電荷輸送剤及びバインダー樹脂を含有する電荷輸送層22との少なくとも2つの層を積層した層とが備えられたものである。そして、前記積層型感光体20は、前記導電性基体12と、前記電荷発生層24及び前記電荷輸送層22を積層した感光層とを備えていれば、特に限定されない。具体的には、前記積層型感光体20は、図2(a)に示すように、前記導電性基体12上に、前記電荷発生層24及び前記電荷輸送層22の順で積層したものであってもよいし、図2(b)に示すように、前記導電性基体12上に、前記電荷輸送層22及び前記電荷発生層24の順で積層したものであってもよい。また、図2(a)や図2(b)に示すように、前記導電性基体12上に前記感光層を直接備えていてもよいし、図2(c)や図2(e)に示すように、前記導電性基体12と前記感光層との間に中間層16を備えていてもよい。また、図2(d)や図2(f)に示すように、前記電荷輸送層22と前記電荷発生層24との間に下引き層としての中間層16を備えていてもよい。また、前記感光層が最外層となって露出していてもよいし、前記感光層上に保護層を備えていてもよい。
【0032】
また、前記感光体は、上記構成を満たしていれば、すなわち、前記感光層中のバインダー樹脂に、共重合ポリカーボネート樹脂が含有された感光体であれば、電気特性および耐摩耗性に優れた感光体が得られる。そして、感光体の構造としては、上述したような、単層型感光体、及び積層型感光体が挙げられる。
【0033】
[導電性基体]
前記導電性基体は、電子写真感光体の導電性基体として用いることができるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、導電性を有する材料で少なくとも表面部が構成されるもの等が挙げられる。すなわち、具体的には、例えば、導電性を有する材料からなるものであってもよいし、プラスチック材料等の表面を、導電性を有する材料で被覆されたものであってもよい。また、導電性を有する材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドニウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等が挙げられる。また、導電性を有する材料としては、前記導電性を有する材料を1種で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて、例えば、合金等として用いてもよい。また、前記導電性基体としては、上記の中でも、アルミニウム又はアルミニウム合金からなることが好ましい。そうすることによって、より好適な画像を形成することができる感光体を提供することができる。このことは、感光層から導電性基体への電荷の移動が良好であることによると考えられる。
【0034】
また、前記導電性基体の形状は、特に限定されない。具体的には、例えば、シート状であっても、ドラム状であってもよい。すなわち、適用する画像形成装置の構造に合わせて、シート状であっても、ドラム状であってもよく、特に限定されない。
【0035】
[感光層]
前記単層感光体は少なくとも電荷発生剤、電荷輸送剤、バインダー樹脂を含む一つの感光層を有し、前記積層感光体の感光層としては少なくとも電荷発生剤を含む電荷発生層と、少なくとも電荷輸送剤及びバインダー樹脂を含む電荷輸送層からなる。
【0036】
上記式(I)で表される共重合ポリカーボネート樹脂は、感光層のバインダー樹脂として用いられる。すなわち、本実施形態においては、単層型感光体においても積層型感光体においても、前述のバインダー樹脂に上記式(I)で表される共重合ポリカーボネート樹脂が含有されている。また、感光層の層構造としては、特に限定されず、具体的には、例えば、上述したような、図1及び図2に示す感光層の構造が挙げられる。
【0037】
(結着樹脂)
感光体に用いる結着樹脂としては、前述のように単層感光体の感光層もしくは積層感光体の電荷輸送層に用いるバインダー樹脂と、積層感光体の電荷発生層に用いる場合のベース樹脂がある。
【0038】
バインダー樹脂は上述したように単層感光体の感光層もしくは積層感光体の電荷輸送層に用いることができるものであり、上記式(I)で表される共重合ポリカーボネート樹脂を含有している。
【0039】
次に、ベース樹脂は上述のように積層感光体の電荷発生層に用いることができるベース樹脂であれば特に限定されない。
【0040】
電荷発生層に使用するベース樹脂は、通常の積層型電子写真感光体が電荷発生層、電荷輸送層の順に形成されるため、電荷輸送層の塗布溶剤に溶解しないように、同一の感光体においてはバインダー樹脂とは異なるものが選択される。
【0041】
上記ベース樹脂の具体例としては、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタン−アクリレート樹脂等が挙げられる。電荷発生層に用いるベース樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0042】
(共重合ポリカーボネート樹脂)
本実施形態で用いられる共重合ポリカーボネート樹脂は、下記式(I)で表される共重合ポリカーボネート樹脂であれば、特に限定されない。
【0043】
【化7】

上記式(I)中、各置換基は、以下に示すものである。
【0044】
〜Rは、同一であっても、異なっていてもよい。すなわち、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立している。
【0045】
また、R〜Rは、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリール基を示す。
【0046】
ここでの炭素数1〜8のアルキル基とは、炭素数1〜8のアルキル基であれば、特に限定されず、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、sec−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、n−へキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が挙げられる。上記アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3である。
【0047】
また、ここでの炭素数1〜8のアルコキシ基とは、炭素数1〜8であれば、特に限定されない。具体的なアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポシキ基、イソプロポシキ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-ブトキシ基、n-ペントキシ基、n−ヘトキシ基、n-ヘプトキシ基、n-オクトキシ基などが挙げられる。上記アルコキシ基の炭素数は、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3である。
【0048】
また、ここでの炭素数6〜12のアリール基は、フェニル基、ナフチル基、アルキル置換フェニル基などが挙げられる。上記アリール基の炭素数は、好ましくは6〜10、より好ましくは6である。
【0049】
さらに、RおよびRは連結して炭素数5〜8のシクロアルキリデン基であってもよい。具体的なシクロアルキリデン基としては、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基、シクロヘプチリデン基、シクロオクチリデン基などが挙げられる。上記シクロアルキリデン基の炭素数は、好ましくは5〜6、より好ましくは6である。
【0050】
また、上記式(I)中、Xは0.05〜0.7を示す。
【0051】
前記共重合ポリカーボネート樹脂の合成方法としては、上記式(I)で表される共重合ポリカーボネート樹脂を合成することができれば、特に限定されない。
【0052】
具体的には、例えば、後述の実施例に開示した方法等を用いて合成することができる。
【0053】
なお、本実施形態におけるバインダー樹脂には、前記共重合ポリカーボネート樹脂を単独で用いてもよいが、前記共重合ポリカーボネート樹脂以外の樹脂を、本発明の効果を損なわない範囲で加えてもよい。前記共重合ポリカーボネート樹脂とブレンドし得るその他の樹脂としては、例えば、具体的には、スチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、アクリル共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂や、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹脂、さらにエポキシアクリレート樹脂、ウレタン−アクリレート共重合樹脂等の光硬化性樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0054】
(電荷発生剤)
前記電荷発生剤としては、電子写真感光体の電荷発生剤として用いることができるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、X型無金属フタロシアニン(x−H2Pc)、Y型オキソチタニルフタロシアニン(Y−TiOPc)、ペリレン顔料、ビスアゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、アモルファスシリコン等の無機光導電材料の粉末、ピリリウム塩、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料等が挙げられる。
【0055】
また、前記電荷発生剤は、所望の領域に吸収波長を有するように、前記各電荷発生剤を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。さらに、前記各電荷発生剤のうち、特に半導体レーザー等の光源を使用したレーザービームプリンタやファクシミリ等のデジタル光学系の画像形成装置には、700nm以上の波長領域に感度を有する感光体が必要となるため、例えば、X型無金属フタロシアニン(x−H2Pc)等の無金属フタロシアニンやY型オキソチタニルフタロシアニン(Y−TiOPc)等のオキソチタニルフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料が好適に用いられる。なお、上記フタロシアニン系顔料の結晶形については特に限定されず、種々のものが使用される。
【0056】
また、350〜550nmの短波長レーザー光源を用いた画像形成装置の場合には、前記電荷発生剤として、アンサンスロン系顔料、ペリレン系顔料が使用される。
【0057】
(電荷輸送剤)
前記電荷輸送剤としては、電子写真感光体の感光層に含まれる電荷輸送剤として用いることができるものであれば、特に限定されない。また、電荷輸送剤としては、一般的に、正孔輸送剤と電子輸送剤とが挙げられる。
【0058】
前記正孔輸送剤としては、電子写真感光体の感光層に含まれる正孔輸送剤として用いることができるものであれば、特に限定されない。なかでも、バインダー樹脂としての前記共重合ポリカーボネート樹脂とのマッチングを考慮すると、好ましくは、下記一般式(II)〜(IV)のいずれかで示されるアミン系化合物が挙げられる。
【0059】
【化8】

一般式(II)中、R1a〜R7aは、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基又は炭素数1〜8のアルコキシ基を示し、aは0から5の整数を示す。
【0060】
ここでの炭素数1〜8のアルキル基とは、炭素数1〜8のアルキル基であれば、特に限定されず、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、2−メチルペンチル、ヘプチル、オクチルなどが挙げられる。上記アルキル基の炭素数は、好ましくは、1〜6、より好ましくは、1〜4である。
【0061】
また、炭素数1〜8のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポシキ基、イソプロポシキ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-ブトキシ基、n-ペントキシ基、n−ヘトキシ基、n-ヘプトキシ基、n-オクトキシ基などが挙げられる。上記アルコキシ基の炭素数は、好ましくは、1〜6、より好ましくは、1〜4である。
【0062】
【化9】

一般式(III)中、R1b〜R8bは、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又はフェニル基を示し、aは0〜5の整数、bは0〜4の整数、kは0または1の整数である。
【0063】
ここでの炭素数1〜8のアルキル基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、1〜6、より好ましくは、1〜4である。
【0064】
【化10】

一般式(IV)中、R1c〜R3cは、同一又は異なって、炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基又は炭素数1〜8のアルコキシ基を示し、kは0〜4の整数、m、nは0から5の整数である。
【0065】
ここでの炭素数1〜8のアルキル基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、1〜6、より好ましくは、1〜4である。
【0066】
また、ここでの炭素数1〜8のアルコキシ基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、1〜6、より好ましくは、1〜4である。
【0067】
なお、上記一般式(II)〜(IV)で示されるアミン系化合物は、従来公知の種々の製造方法により製造することができる。例えば、一般式(II)で示されるアミン系化合物については、特開2005−289877号公報等の記載に基づいて、一般式(III)で示されるアミン系化合物については、特開2006−008670号公報等の記載に基づいて、一般式(IV)で示されるアミン系化合物については、特開2000−239236号公報等の記載に基づいて製造することができる。
【0068】
また、前記正孔輸送剤としては、前記アミン系化合物以外に、他の正孔輸送剤を含有してもよい。その他の正孔輸送剤としては、具体的には、例えば、ベンジジン誘導体、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチリル系化合物、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール系化合物、有機ポリシラン化合物、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合物、縮合多環式化合物等が挙げられる。この中でも、トリフェニルアミン系化合物やベンジジン誘導体が好ましく、ベンジジン誘導体がより好ましい。また、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0069】
また、前記電子輸送剤としては、電子写真感光体の感光層に含まれる電子輸送剤として用いることができるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、キノン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、マロノニトリル誘導体、チオピラン誘導体、トリニトロチオキサントン誘導体、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン誘導体、ジニトロアントラセン誘導体、ジニトロアクリジン誘導体、ニトロアントアラキノン誘導体、ジニトロアントラキノン誘導体、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、ニトロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸等が挙げられる。また、前記電子輸送剤としては、前記例示した各電子輸送剤を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0070】
(添加剤)
前記感光体には、電子写真特性および耐摩耗性に悪影響を与えない範囲で、前記電荷発生剤、前記電荷輸送剤、及び結着樹脂以外の各種添加剤を含有してもよい。前記添加剤としては、具体的には、例えば、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、1重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー、界面活性剤、及びレベリング剤等が挙げられる。また、感光層の感度を向上させるために、例えばテルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。
【0071】
[電子写真感光体の製造方法]
次に、電子写真感光体の製造方法について説明する。
【0072】
まず、前記単層型感光体の製造方法について説明する。
【0073】
前記単層型感光体は、前記電荷発生剤、前記電荷輸送剤(正孔輸送剤、電子輸送剤)、前記バインダー樹脂、及び必要に応じて各種添加剤等を溶剤に溶解又は分散させた塗布液を、塗布等によって、前記導電性基体上に塗布し、乾燥することによって、製造することができる。前記塗布方法としては、特に限定されないが、例えば、ディップコート法等が挙げられる。
【0074】
前記単層型感光体において、前記電荷発生剤、前記電荷輸送剤、及び前記バインダー樹脂の各含有量は、適宜選定され、特に限定されない。具体的には、例えば、前記電荷発生剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、0.1〜50質量部であることが好ましく、0.5〜30質量部であることがより好ましい。また、前記電子輸送剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、5〜100質量部であることが好ましく、10〜80質量部であることがより好ましい。また、前記正孔輸送剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、5〜500質量部であることが好ましく、25〜200質量部であることがより好ましい。さらに、正孔輸送剤と電子輸送剤との総量、すなわち、前記電荷輸送剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、20〜500質量部であることが好ましく、30〜200質量部であることがより好ましい。
【0075】
また、前記単層型感光体の感光層の厚さは、感光層として充分に作用することができれば、特に限定されない。具体的には、例えば、5〜100μmであることが好ましく、10〜50μmであることが好ましい。
【0076】
次に、前記積層型感光体の製造方法について説明する。
【0077】
前記積層型感光体は、以下のような方法等によって、製造することができる。
【0078】
具体的には、例えば、まず、前記電荷発生剤、ベース樹脂、及び必要に応じて各種添加剤等を溶剤に溶解又は分散させた電荷発生層形成用塗布液と、前記電荷輸送剤、バインダー樹脂、及び必要に応じて各種添加剤等を溶剤に溶解又は分散させた電荷輸送層形成用塗布液とを調製する。そして、前記電荷発生層形成用塗布液及び前記電荷輸送層形成用塗布液のいずれか一方の塗布液を、塗布等によって、前記導電性基体上に塗布し、乾燥することによって、前記電荷発生層及び前記電荷輸送層のいずれか一方を形成させる。その後、他方の塗布液を、前記電荷発生層又は前記電荷輸送層が形成された導電性基体上に塗布し、乾燥することによって、他方の層を形成させる。そうすることによって、前記積層型感光体を製造することができる。前記塗布方法としては、特に限定されないが、例えば、ディップコート法等が挙げられる。
【0079】
前記積層型感光体において、前記電荷発生剤、前記電荷輸送剤、前記ベース樹脂及び前記バインダー樹脂の各含有量は、適宜選定され、特に限定されない。具体的には、例えば、前記電荷発生剤の含有量は、前記電荷発生層を構成するベース樹脂100質量部に対して、5〜1000質量部であることが好ましく、30〜500質量部であることがより好ましい。
【0080】
また、前記電荷輸送剤の含有量は、前記電荷輸送層を構成するバインダー樹脂100質量部に対して、10〜500質量部であることが好ましく、25〜100質量部であることがより好ましい。
【0081】
また、前記電荷発生層及び前記電荷輸送層の各層の厚さは、それぞれの層として充分に作用することができれば、特に限定されない。前記電荷発生層の厚さは、具体的には、例えば、0.01〜5μmであることが好ましく、0.1〜3μmであることがより好ましい。また、前記電荷輸送層の厚さは、具体的には、例えば、2〜100μmであることが好ましく、5〜50μmであることがより好ましい。
【0082】
また、前記塗布液に含有される溶剤としては、前記各成分を溶解又は分散させることができれば、特に限定されない。具体的には、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらの溶剤は、前記例示した溶剤を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0083】
前記電子写真感光体は、電子写真方式の画像形成装置の像担持体として用いることができる。また、この画像形成装置としては、電子写真方式のものであれば、特に限定されない。前記電子写真感光体は、具体的には、例えば、後述の画像形成装置の像担持体として用いることができる。
【0084】
[画像形成装置]
前記電子写真感光体を備えるための画像形成装置としては、電子写真方式の画像形成装置であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、像担持体と、前記像担持体の表面を帯電するための帯電装置と、帯電された像担持体の表面を露光して、前記像担持体の表面に静電潜像を形成するための露光装置と、前記静電潜像をトナー像として現像するための現像装置と、前記トナー像を前記像担持体から被転写体へ転写するための転写装置とを備え、前記像担持体が、前記電子写真感光体である画像形成装置が挙げられる。
【0085】
また、後述するような、複数色のトナーを用いるタンデム方式のカラー画像形成装置が好ましい。より具体的には、例えば、後述するような、複数色のトナーを用いるタンデム方式のカラー画像形成装置が挙げられる。ここでは、タンデム方式のカラー画像形成装置について説明する。
【0086】
なお、本実施形態に係る電子写真感光体を備えた画像形成装置は、各表面上にそれぞれ異なった各色のトナーによるトナー像を形成させるために、所定方向に並設された、複数の像担持体と、各像担持体に対向して配置され、表面にトナーを担持して搬送し、搬送されたトナーを、前記各像担持体の表面にそれぞれ供給する、現像ローラーを備えた複数の現像装置とを備え、前記像担持体として、前記電子写真感光体を用いる。
【0087】
図3は、本発明の実施形態に係る電子写真感光体を備えた画像形成装置の構成を示す概略図である。ここでは、前記画像形成装置1としては、カラープリンタ1を例に挙げて説明する。
【0088】
このカラープリンタ1は、図3に示すように、箱型の機器本体1aを有している。この機器本体1a内には、用紙Pを給紙する給紙部2と、この給紙部2から給紙された用紙Pを搬送しながら当該用紙Pに画像データ等に基づくトナー像を転写する画像形成部3と、この画像形成部3で用紙P上に転写された未定着トナー像を用紙Pに定着する定着処理を施す定着部4とが設けられている。さらに、前記機器本体1aの上面には、前記定着部4で定着処理の施された用紙Pが排紙される排紙部5が設けられている。
【0089】
前記給紙部2は、給紙カセット121、ピックアップローラー122、給紙ローラー123,124,125、及びレジストローラー126を備えている。給紙カセット121は、機器本体1aから挿脱可能に設けられ、各サイズの用紙Pを貯留する。ピックアップローラー122は、給紙カセット121の図3に示す左上方位置に設けられ、給紙カセット121に貯留されている用紙Pを1枚ずつ取り出す。給紙ローラー123,124,125は、ピックアップローラー122によって取り出された用紙Pを用紙搬送路に送り出す。レジストローラー126は、給紙ローラー123,124,125によって用紙搬送路に送り出された用紙Pを一時待機させた後、所定のタイミングで画像形成部3に供給する。
【0090】
また、給紙部2は、機器本体1aの図3に示す左側面に取り付けられる不図示の手差しトレイとピックアップローラー127とをさらに備えている。このピックアップローラー127は、手差しトレイに載置された用紙Pを取り出す。ピックアップローラー127によって取り出された用紙Pは、給紙ローラー123,125によって用紙搬送路に送り出され、レジストローラー126によって、所定のタイミングで画像形成部3に供給される。
【0091】
前記画像形成部3は、画像形成ユニット7と、この画像形成ユニット7によってその表面(接触面)にコンピュータ等から電送された画像データに基づくトナー像が1次転写される中間転写ベルト31と、この中間転写ベルト31上のトナー像を給紙カセット121から送り込まれた用紙Pに2次転写させるための2次転写ローラー32とを備えている。
【0092】
前記画像形成ユニット7は、上流側(図3では右側)から下流側に向けて順次配設されたブラックトナー供給用ユニット7Kと、イエロートナー供給用ユニット7Yと、シアントナー供給用ユニット7Cと、マゼンタトナー供給用ユニット7Mとを備えている。各ユニット7K,7Y,7C及び7Mは、それぞれの中央位置に像担持体としての感光体ドラム37が矢符(時計回り)方向に回転可能に配置されている。そして、各感光体ドラム37の周囲には、帯電器39、露光装置38、現像装置71、不図示のクリーニング装置及び除電手段としての除電器等が、回転方向上流側から順に各々配置されている。なお、前記感光体ドラム37としては、前記電子写真感光体を用いる。また、本実施形態に係る電子写真感光体は、除電手段としての除電器を取り除いた画像形成装置(プリンタ)にも適用可能である。
【0093】
帯電器39は、矢符方向に回転されている感光体ドラム37の周面を均一に帯電させる。帯電器39としては、例えば、非接触型放電方式のコロトロン型およびスコロトロン型の帯電器、接触方式の帯電ローラーおよび帯電ブラシ等が挙げられる。露光装置38は、いわゆるレーザー走査ユニットであり、帯電器39によって均一に帯電された感光体ドラム37の周面に、上位装置であるパーソナルコンピュータ(PC)から入力された画像データに基づくレーザー光を照射し、感光体ドラム37上に画像データに基づく静電潜像を形成する。現像装置71は、静電潜像が形成された感光体ドラム37の周面にトナーを供給することで、画像データに基づくトナー像を形成させる。そして、このトナー像が中間転写ベルト31に1次転写される。クリーニング装置は、中間転写ベルト31へのトナー像の1次転写が終了した後、感光体ドラム37の周面に残留しているトナーを清掃する。除電器は、1次転写が終了した後、感光体ドラム37の周面を除電する。クリーニング装置及び除電器によって清浄化処理された感光体ドラム37の周面は、新たな帯電処理のために帯電器へ向かい、新たな帯電処理が行われる。
【0094】
中間転写ベルト31は、無端状のベルト状回転体であって、表面(接触面)側が各感光体ドラム37の周面にそれぞれ当接するように駆動ローラー33、従動ローラー34、バックアップローラー35、及び1次転写ローラー36等の複数のローラーに架け渡されている。また、中間転写ベルト31は、各感光体ドラム37と対向配置された1次転写ローラー36によって感光体ドラム37に押圧された状態で、前記複数のローラーによって無端回転するように構成されている。駆動ローラー33は、ステッピングモータ等の駆動源によって回転駆動し、中間転写ベルト31を無端回転させるための駆動力を与える。従動ローラー34、バックアップローラー35、及び1次転写ローラー36は、回転自在に設けられ、駆動ローラー33による中間転写ベルト31の無端回転に伴って従動回転する。これらのローラー34,35,36は、駆動ローラー33の主動回転に応じて中間転写ベルト31を介して従動回転するとともに、中間転写ベルト31を支持する。
【0095】
1次転写ローラー36は、1次転写バイアス(トナーの帯電極性とは逆極性)を中間転写ベルト31に印加する。そうすることによって、各感光体ドラム37上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム37と1次転写ローラー36との間で、駆動ローラー33の駆動により矢符(反時計回り)方向に周回する中間転写ベルト31に重ね塗り状態で順次転写(1次転写)される。
【0096】
2次転写ローラー32は、トナー像と逆極性の2次転写バイアスを用紙Pに印加する。そうすることによって、中間転写ベルト31上に1次転写されたトナー像は、2次転写ローラー32とバックアップローラー35との間で用紙Pに転写され、これによって、用紙Pにカラーの転写画像(未定着トナー像)が転写される。
【0097】
前記定着部4は、画像形成部3で用紙Pに転写された転写画像に定着処理を施すものであり、通電発熱体により加熱される加熱ローラー41と、この加熱ローラー41に対向配置され、周面が加熱ローラー41の周面に押圧当接される加圧ローラー42とを備えている。
【0098】
そして、前記画像形成部3で2次転写ローラー32により用紙Pに転写された転写画像は、当該用紙Pが加熱ローラー41と加圧ローラー42との間を通過する際の加熱による定着処理で用紙Pに定着される。そして、定着処理の施された用紙Pは、排紙部5へ排紙されるようになっている。また、本実施形態のカラープリンタ1では、定着部4と排紙部5との間の適所に搬送ローラー6が配設されている。
【0099】
排紙部5は、カラープリンタ1の機器本体1aの頂部が凹没されることによって形成され、この凹没した凹部の底部に排紙された用紙Pを受ける排紙トレイ51が形成されている。
【0100】
前記画像形成装置1は、以上のような画像形成動作によって、用紙P上に画像形成を行う。そして、上記のようなタンデム方式の画像形成装置では、前記像担持体として、前記電子写真感光体が備えられているので、高画質な画像を形成することができる。
【実施例】
【0101】
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
【0102】
[共重合ポリカーボネート樹脂の合成]
まず、各実施例で用いる共重合ポリカーボネート樹脂の合成について説明する。
【0103】
(合成例1)
下記式(R−1)で表される共重合ポリカーボネート樹脂を、以下のようにして合成した。
【0104】
【化11】

(2,7−ブロモ−9,10−ジヒドロフェナンスレンの合成)
9,10−ジヒドロフェナンスレン100g(0.555mol)をリン酸トリメチル600mlに溶解し、32〜35℃で臭素を248.25g(1.55mol)を添加し、同温度で27時間反応させた。10℃に冷却後、析出した結晶を濾過し、10℃のメタノール200mlで4回洗浄した。その後、クロロホルムにて再結晶し、2,7−ブロモ−9,10−ジヒドロフェナンスレン116.2g(0.3436mol)を得た。収率は61.9%であった。
【0105】
(2,7−ジヒドロキシ−9,10−ジヒドロフェナンスレンの合成)
容量3LのSUS−316オートクレーブに2,7−ジブロモ−9,10−ジヒドロフェナンスレン79.44g(0.235mol)、水酸化ナトリウム184g(4.7mol)、エタノール450ml、水1L及び酸化第一銅1,9g(0.0235mol)を仕込み、空気を窒素で置換した後、攪拌しながら200℃まで加熱し、6時間保持した。次にオートクレーブを室温まで冷却した後、反応物を取り出し、オートクレーブ内をエタノール及び水で洗浄した。この溶液にトルエン200mlを加え、未反応原料及び中性の副生成物をトルエン相に抽出除去した後、アルカリ水溶液をろ過し銅触媒を除去した。続いて、アルカリ水溶液を濃硫酸で酸性にして、析出した結晶を遠心分離機で分離し、白色粉末(2,7−ジヒドロキシ−9,10−ジヒドロフェナンスレン)を36.41g得た。収率は73%であった。
【0106】
(R−1合成例)
ビスフェノールZ 134.18g(0.50mol)を、6wt%の水酸化ナトリウム水溶液680mLに溶解した溶液と、塩化メチレン310mLとを混合して攪拌しながら、冷却下、液中にホスゲンガスを1秒間1.0Lの割合で20分間吹き込んだ。次いで、この反応液を静置分離し、有機層に重合度が2〜4であり、分子末端にクロロホルメート基を有するオリゴマーの塩化メチレン溶液を得た。得られたオリゴマーの塩化メチレン溶液に塩化メチレンを加えて全量を560mLとした。その後、前述で合成した2,7−ジヒドロキシ−9,10−ジヒドロフェナンスレン 21.22g(0.10mol)を10wt%の水酸化ナトリウム水溶液120mLに溶解した溶液と混合し、これに分子量調節剤であるp−tert−ブチルフェノール2.0g(0.013mol)を加えた。次いで、この混合溶液を激しく攪拌しながら触媒として6wt%のトリエチルアミン水溶液3mlを加え30℃において攪拌下2.0h反応を行った。反応終了後に反応性生物を塩化メチレン1.5Lで希釈し、次いで水2.0Lで2回、0.01Nの塩酸1Lで3回の順で洗浄し、有機層をメタノール中に投入し再沈精製し、一般式(R−1)で示す樹脂(PC−A換算分子量50,200)を得た。
【0107】
(合成例2)
下記式(R−2)で表される共重合ポリカーボネート樹脂を、以下のようにして合成した。
【0108】
【化12】

ビスフェノールZに替えて、ビスフェノールC 128.17g(0.50mol)を使用した以外は、合成例1と同様にしてR−2を得た。
【0109】
(合成例3)
下記式(R−3)で表される共重合ポリカーボネート樹脂を、以下のようにして合成した。
【0110】
【化13】

ビスフェノールZに替えて、ビスフェノールB 121.16g(0.50mol)を使用した以外は合成例1と同様にしてR−3を得た。
(合成例4)
下記式(R−4)(式中、X=0.05)で表される共重合ポリカーボネート樹脂を、以下のようにして合成した。なお、以下の(R−5)〜(R−7)も同様の式で表される共重合ポリカーボネート樹脂である。
【0111】
【化14】

2,7−ジヒドロキシ−9,10−ジヒドロフェナンスレンの配合量を5.31g(0.25mol)に変更した以外は合成例1と同様にしてR−4を得た。
【0112】
(合成例5〜7)
上記式(R−5)(式中、X=0.1)で表される共重合ポリカーボネート樹脂、(R−6)(式中、X=0.4)で表される共重合ポリカーボネート樹脂、(R−7)(式中、X=0.7)で表される共重合ポリカーボネート樹脂は、上記合成例4において、2,7−ジヒドロキシ−9,10−ジヒドロフェナンスレンの添加量をそれぞれ、10.62g(0.050mol)(R−5)、63.72g(0.300mol)(R−6)、233.67g(1.100mol)(R−7)と調整することにより、R−5〜7を合成した。
【0113】
(参考合成例8)
下記式(R−8)で表される共重合ポリカーボネート樹脂を、以下のようにして合成した。
【0114】
【化15】

2,7−ジヒドロキシ−9,10−ジヒドロフェナンスレンに替えて、4,4’−ビフェノールを18.62g(0.1mol)使用した以外は合成例1と同様にしてR−8を得た。
【0115】
[実施例1]
(感光体の製造)
アルミナとシリカで表面処理後、湿式分散しながらメチルハイドロジェンポリシロキサンにて表面処理した酸化チタン(テイカ製試作品SMT−A(数平均一次粒子径 10nm)2質量部と、6,12,66,610四元共重合ポリアミド樹脂 (東レ製 アミランCM8000 1質量部とを、メタノール10質量部およびブタノール1質量部、トルエン1質量部をビーズミルを用いて5時間分散させ、中間層(下引き層)用塗布液を調製した。
【0116】
得られた中間層用塗布液を5ミクロンのフィルタにてろ過後、導電性支持体として直径30mm、全長246mmのアルミニウム製のドラム状支持体をディップコート法にて塗布し、130℃30分で熱処理し、膜厚2μmの中間層を形成した。
【0117】
次にチタニルフタロシアニン1.5質量部、バインダー樹脂としてポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業 エスレックBX−5)1質量部、分散媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル40質量部、テトラヒドロフラン40質量部を混合し、ビーズミルにて2時間分散させ、電荷発生層用の塗布液を作製した。得られた塗布液を、3ミクロンのフィルタにてろ過後、上記で作製した中間層上にディップコート法にて塗布し、50℃で5分間乾燥させて、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0118】
次に、正孔輸送剤として下記式(C−1)で表される正孔輸送剤(CTM−1)50質量部と、添加剤としてイルガノックス1010 2質量部、バインダー樹脂として上記合成例1で合成したポリカーボネート樹脂(R−1、粘度平均分子量50,500)100質量部、溶剤としてテトラヒドロフラン350質量部、トルエン350部を混合溶解し電荷輸送層用塗布液を調製した。
【0119】
調製した電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層用塗布液と同様にして電荷発生層上に塗布し、120℃にて40分乾燥し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成し積層型電子写真感光体を作製した。
【0120】
【化16】

[実施例2]
正孔輸送剤として上記式(C−1)で表されるCTM−1の代わりに、下記式(C−2)で表される正孔輸送剤(CTM−2)を用いたこと以外、実施例1と同様である。
【0121】
【化17】

[実施例3]
正孔輸送剤として上記式(C−1)で表されるCTM−1の代わりに、下記式(C−3)で表される正孔輸送剤(CTM−3)を用いたこと以外、実施例1と同様である。
【0122】
【化18】

[実施例4]
正孔輸送剤として上記式(C−1)で表されるCTM−1の代わりに、下記式(C−4)で表される正孔輸送剤(CTM−4)を用いたこと以外、実施例1と同様である。
【0123】
【化19】

[実施例5]
正孔輸送剤として上記式(C−1)で表されるCTM−1の代わりに、下記式(C−5)で表される正孔輸送剤(CTM−5)を用いたこと以外、実施例1と同様である。
【0124】
【化20】

[実施例6]
正孔輸送剤として上記式(C−1)で表されるCTM−1の代わりに、下記式(C−6)で表される正孔輸送剤(CTM−6)を用いたこと以外、実施例1と同様である。
【0125】
【化21】

[実施例7]
正孔輸送剤として上記式(C−1)で表されるCTM−1の代わりに、下記式(C−7)で表される正孔輸送剤(CTM−7)を用いたこと以外、実施例1と同様である。
【0126】
【化22】

[実施例8]
正孔輸送剤として上記式(C−1)で表されるCTM−1の代わりに、下記式(C−8)で表される正孔輸送剤(CTM−8)を用いたこと以外、実施例1と同様である。
【0127】
【化23】

[実施例9]
正孔輸送剤として上記式(C−1)で表されるCTM−1の代わりに、下記式(C−9)で表される正孔輸送剤(CTM−9)を用いたこと以外、実施例1と同様である。
【0128】
【化24】

[実施例10]
正孔輸送剤として上記式(C−1)で表されるCTM−1の代わりに、下記式(C−10)で表される正孔輸送剤(CTM−10)を用いたこと以外、実施例1と同様である。
【0129】
【化25】

[実施例11]
正孔輸送剤として上記式(C−1)で表されるCTM−1の代わりに、下記式(C−11)で表される正孔輸送剤(CTM−11)を用いたこと以外、実施例1と同様である。
【0130】
【化26】

[実施例12]
バインダー樹脂として上記ポリカーボネート樹脂(R−1)の代わりに、上記合成例2で合成したポリカーボネート樹脂(R−2、粘度平均分子量48,000)を用いたこと以外、実施例1と同様である。
【0131】
[実施例13]
バインダー樹脂として上記ポリカーボネート樹脂(R−1)の代わりに、上記合成例3で合成したポリカーボネート樹脂(R−3、粘度平均分子量53,200)を用いたこと以外、実施例1と同様である。
【0132】
[実施例14]
バインダー樹脂として上記ポリカーボネート樹脂(R−1)の代わりに、上記合成例4で合成したポリカーボネート樹脂(R−4、粘度平均分子量45,000)を用いたこと以外、実施例1と同様である。
【0133】
[実施例15]
バインダー樹脂として上記ポリカーボネート樹脂(R−1)の代わりに、上記合成例5で合成したポリカーボネート樹脂(R−5、粘度平均分子量46,200)を用いたこと以外、実施例1と同様である。
【0134】
[実施例16]
バインダー樹脂として上記ポリカーボネート樹脂(R−1)の代わりに、上記合成例6で合成したポリカーボネート樹脂(R−6、粘度平均分子量48,000)を用いたこと以外、実施例1と同様である。
【0135】
[実施例17]
バインダー樹脂として上記ポリカーボネート樹脂(R−1)の代わりに、上記合成例7で合成したポリカーボネート樹脂(R−7、粘度平均分子量55,200)を用いたこと以外、実施例1と同様である。
【0136】
[比較例1]
バインダー樹脂として上記ポリカーボネート樹脂(R−1)の代わりに、上記参考合成例8で合成したポリカーボネート樹脂(R−8、粘度平均分子量40,500)を用いたこと以外、実施例1と同様である。
【0137】
[比較例2]
バインダー樹脂として上記ポリカーボネート樹脂(R−1)の代わりに、下記化学式(R−9)で示されるポリカーボネート樹脂 帝人パンライトTS2050(R−9、粘度平均分子量50,200)を用いたこと以外、実施例1と同様である。
【0138】
【化27】

[評価]
実施例1〜17及び比較例1〜2に係る電子写真感光体を、以下の方法により評価した。
【0139】
(電気特性評価)
電子写真感光体を、GENTEC社の電気特性試験機を用いて、以下の条件にて帯電能(表面電位V0)および感度(露光後電位V1)を測定した。
帯電:回転数:31rpm ドラム流れ込み電流:−10μA時の表面電位
感度:帯電600V時 露光波長:780nm 露光量:0.8μJ/cm露光後時間 80msec後の表面電位
【0140】
(摩耗評価試験)
前記実施例1〜17及び比較例1〜2において、電子写真感光体用に調製した電荷輸送層用塗布液を用いて、摩耗評価を行った。
【0141】
まず、調製した電荷輸送層用塗布液を、φ78アルミパイプに巻きつけたPP(ポリプロピレン)シート(厚さ0.3mm)に塗布し、120℃にて40分乾燥し、膜厚30μmの摩耗評価用のシートを作製した。
【0142】
このPPシートから電荷輸送層を剥離し、ウイールS−36(テーバー社製)に貼り付け、サンプルを作製した。これをロータリーアブレージョンテスタ((株)東洋精機製作製)を用いて、摩耗輪C−10(テーバー社製)、荷重500gf、回転速度60rpmにて1000回転摩耗試験を実施し、摩耗試験前後のサンプルの重量変化にて摩耗量を評価した。
【0143】
前記電気特性評価及び摩耗評価試験の結果を、感光層の各材料とともに、表1に示す。
【0144】
【表1】

表1からわかるように、バインダー樹脂として一般式(I)で示される繰り返し単位を有する共重合ポリカーボネート樹脂を含有している電子写真感光体(実施例1〜17)は、前記ポリカーボネート樹脂以外の樹脂をバインダー樹脂として用いた場合(比較例1、2)と比較して、耐摩耗性に優れることがわかった。さらに、一般式(II)〜(IV)で示されるアミン系化合物を正孔輸送剤として含有する電子写真感光体(実施例1〜9および実施例12〜17)は、前記アミン系化合物以外の化合物を正孔輸送剤として用いた場合(実施例10および11)と比較して、電気特性により優れることがわかった。
【符号の説明】
【0145】
10 単層型電子写真感光体
12 導電性基体
14 感光層
16 中間層
18 保護層
20 積層型電子写真感光体
22 電荷輸送層
24 電荷発生層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性基体と、前記導電性基体上に直接にまたは中間層を介して形成された感光層とを備える電子写真感光体であって、
前記感光層が、少なくとも電荷発生剤と、電荷輸送剤と、バインダー樹脂とを含有し、
前記バインダー樹脂が、下記一般式(I)で示される繰り返し単位を有する共重合ポリカーボネート樹脂を含有していることを特徴とする、電子写真感光体。
【化1】

[式(I)中、R〜Rは、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリール基を示し、Xは0.05〜0.7を示す。また、RおよびRは連結して炭素数5〜8のシクロアルキリデン基であってもよい。]
【請求項2】
前記電荷輸送剤が、下記一般式(II)〜(IV)のいずれかで示されるアミン系化合物である、請求項1に記載の電子写真感光体。
【化2】

[式(II)中、R1a〜R7aは、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基又は炭素数1〜8のアルコキシ基を示し、aは0から5の整数である。]
【化3】

[式(III)中、R1b〜R8bは、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又はフェニル基を示し、aは0〜5の整数、bは0〜4の整数、kは0または1の整数である。]
【化4】

[式(IV)中、R1c〜R3cは、同一又は異なって、炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基又は炭素数1〜8のアルコキシ基を示し、kは0〜4の整数、m、nは0から5の整数である。]
【請求項3】
像担持体と、
前記像担持体の表面を帯電するための帯電装置と、
帯電された像担持体の表面を露光して、前記像担持体の表面に静電潜像を形成するための露光装置と、
前記静電潜像をトナー像として現像するための現像装置と、
前記トナー像を前記像担持体から被転写体へ転写するための転写装置とを備え、
前記像担持体が、請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−11820(P2013−11820A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145916(P2011−145916)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】