説明

電子写真感光体

【課題】結着剤ポリマーへの溶解性がよく、安定な高濃度の有機薄膜を形成でき、キャリア移動度が高い電荷輸送材料およびこの材料を用いた電子写真感光体を提供する。
【解決手段】次の一般式(1)


で表されるトリス(4−スチリルフェニル)アミン誘導体であって、その3つの二重結合がすべてトランスである幾何異性体の比率が50%以上であるトリス(4−スチリルフェニル)アミン誘導体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザープリンター、LEDプリンターなどの画像形成装置において好適に使用される電子写真感光体に関する。
【背景技術】
【0002】
有機光導電性化合物を使用した電子写真感光体は無機系の光導電性化合物を用いた場合に比べて、軽量性、表面平滑性、低毒性、製造が簡単、低価格などの点から、近年盛んに研究されている。この有機光導電性化合物を使用した電子写真感光体として、感光体を電荷発生材料と電荷輸送材料とに機能分離した形態、いわゆる機能分離型感光体が特に注目され、種々の材料が提案されている。この方式においては、キャリア(キャリアとは電荷を示す、以下同様)の発生効率の大きい物質を電荷発生材料として用い、かつ電荷輸送能力の高い物質を電荷輸送材料として組み合わせることによって高感度の電子写真感光体が得られる可能性がある。
電荷発生物質としては、各種のアゾ化合物やフタロシアニン系化合物が開発され実用に供している。また、電荷輸送材料としては、例えばカルバゾール誘導体(特許文献1)やフェノチアジン誘導体(特許文献2)、トリス(スチリルフェニル)アミン系化合物(特許文献3)などが挙げられる。しかしながら、トリス(スチリルフェニル)アミン系化合物は高分子結着剤と有機溶剤に十分に溶解性があるとは言いがたかった。さらに、例え溶解性があって製膜できたとしてもこれらを用いた電子写真感光体はキャリア移動度が十分高いものではなかった。したがって、高感度で残留電位が少なく、更に膜の状態が安定な電子写真感光体が得られていたとはいいがたいものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平成9−295969号公報
【特許文献2】特開平10−59952号公報
【特許文献3】特開昭64−13553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、電子写真感光体の電荷輸送材料として従来から望まれる特性を十分に満足する、すなわち結着剤ポリマーへの溶解性がよく、安定な高濃度の有機薄膜を形成でき、キャリア移動度が高い電荷輸送材料およびこの材料を用いた電子写真感光体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、高濃度に使用する場合にも安定な有機薄膜を与えることが出来、またキャリア移動度も高く、電子写真感光体に用いた場合に高性能の感光体を形成することのできる電荷輸送材料を得るべく、種々の化合物を合成して鋭意研究した。その結果、トリス(4−スチリルフェニル)アミン誘導体の置換基、置換位置、二重結合のトランス/シス比など無限の組み合わせの中で、次の一般式(1)
【化1】

(式中、R1はメチル基またはメトキシ基を表し、R2は水素原子、メチル基またはメトキシ基を表すが、R1およびR2がメチル基であり、かつ、R2がメタ位である場合を除く。)
で表されるトリス(4−スチリルフェニル)アミン誘導体であって、その3つの二重結合がすべてトランスである幾何異性体の比率が50%以上であるトリス(4−スチリルフェニル)アミン誘導体が、結着剤ポリマーへの溶解性がよく、安定な高濃度の有機薄膜を形成でき、キャリア移動度が高い電荷輸送材料であることを見出し、本発明を完成した。特に、R1に置換基があると溶解性がますことを見出した。なお、本発明において、幾何異性体の比率とは、HPLCで算出した値である。
【0006】
即ち、本発明は、次の一般式(1)
【化2】

(式中、R1はメチル基またはメトキシ基を表し、R2は水素原子、メチル基またはメトキシ基を表すが、R1およびR2がメチル基であり、かつ、R2がメタ位である場合を除く。)
で表されるトリス(4−スチリルフェニル)アミン誘導体であって、その3つの二重結合がすべてトランスである幾何異性体の比率が50%以上であるトリス(4−スチリルフェニル)アミン誘導体を提供する。
【0007】
また、本発明は、前記トリス(4−スチリルフェニル)アミン誘導体を含有することを特徴とする電荷輸送剤を提供する。
また、本発明は、前記電荷輸送剤を含有する電子写真感光体を提供する。
また、本発明は、次の一般式(1)
【化3】

(式中、R1はメチル基またはメトキシ基を表し、R2は水素原子、メチル基またはメトキシ基を表す。)
で表されるトリス(4−スチリルフェニル)アミン誘導体であって、その3つの二重結合がすべてトランスであるトリス(4−スチリルフェニル)アミン誘導体を提供する。
【0008】
また、本発明は、次の一般式(2)
【化4】

で表されるトリス(4−スチリルフェニル)アミン誘導体を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の電荷輸送材料は高い移動度を有し、感光層とした時に膜が安定で、さらに良好な機械的特性を有し、高感度、低残留電位を達成できる工業的に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】化合物(1-1)におけるttt体の比率と移動度の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の一般式(1)で表されるトリス(4−スチリルフェニル)アミン誘導体は、その3つの二重結合がすべてトランスである幾何異性体の比率が50%以上である。
一般式(1)中、R1としてはメチル基およびメトキシ基が挙げられ、R2としては水素原子、メチル基およびメトキシ基が挙げられる。一般式(1)の好ましい例として以下の化合物を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0012】
【化5】

【0013】
一般式(1)で表されるトリス(4−スチリルフェニル)アミン誘導体は、3つの二重結合を有しており、それぞれトランスおよびシスの結合形式があるため、トランス/トランス/トランス体、トランス/トランス/シス体、トランス/シス/シス体およびシス/シス/シス体(それぞれ、ttt体、ttc体、tcc体およびccc体と呼ぶ)の4種の幾何異性体が存在する。これら4種の異性体はHPLCにより分離する事ができる。ここで、本発明において、3つの二重結合がすべてトランスである幾何異性体の比率が50%以上であるトリス(4−スチリルフェニル)アミン誘導体とは、4つの幾何異性体の中のttt体の比率がHPLC分析により50%以上である事を意味する。様々な比率がある中で、我々が鋭意検討した結果、一般式(1)中のttt体の割合が50%以上である場合に、一般的に高移動度電荷輸送材料として使用される4−(2,2−ビスフェニル−エテン−1−イル)−4’,4’’ −ジメチル−トリフェニルアミンよりもさらに高い移動度が達成できる事を見出した。
【0014】
上記一般式(1)で示されるトリス(4−スチリルフェニル)アミン誘導体の合成は、例えば次のようにして行なわれる。なお、下記式中、R1およびR2は前述と同様の意味を表す。
【化6】

【0015】
まず、ベンジルクロライド誘導体(2)にトリエチルホスファイトを反応させてウィッティッヒ・ホーナー試薬(3)の調製を行い、p−クロロベンズアルデヒドと反応させることによりスチルベン誘導体(5)を得る。もしくは、p−クロロベンジルクロリド(6)とトリエチルホスファイトを反応させてウィッティッヒ・ホーナー試薬(7)の調製を行い、ベンズアルデヒド誘導体(8)と反応させることによりスチルベン誘導体(5)を得ることもできる。このようにして得られたスチルベン誘導体(5)は、シス体とトランス体の混合物であるが、カラムクロマトグラフィーや再結晶、蒸留などによりトランス体過剰で得る事ができる。引き続き、Buchwaldらの方法(Org. Lett. 2001, 3, 3417.)に準じてトランス体過剰スチルベン誘導体(5)をPdのような金属とリン原子を含む配位子の存在下において、リチウムアミドと反応させることによりトリス(4−スチリルフェニル)アミン誘導体(1)が合成できる。使用できるパラジウム錯体としては、PdCl2、Pd(OAc)2、[PdCl(allyl)]2、Pd2(dba)3などを挙げる事ができる。リン原子を含む配位子としては、トリフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィンの様なトリアリールホスフィン系、トリ−t−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィンの様なトリアルキルホスフィン系、2−(ジシクロヘキシル)ホスフィノビフェニル、2−(ジ−t−ブチル)ホスフィノビフェニル、2−(ジシクロヘキシル)ホスフィノ−2’,4’,6’−トリ−イソプロピル−1,1’−ビフェニル、2−(ジ−t−ブチル)ホスフィノ−2’−(N,N−ジ
メチルアミノ)ビフェニルなどの2−ホスフィノビフェニル系、1,1−ジフェニル−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロペン、1,1−ジフェニル−2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)プロペンなどのオレフィン置換ホスフィン系、(ジ−t−ブチル)(1−メチル−2,2,−ジフェニルシクロプロピルホスフィン、(ジシクロヘキシル)(1−メチル−2,2,−ジフェニルシクロプロピルホスフィンなどのシクロプロパン環置換ホスフィン系リガンドを挙げる事ができる。
【0016】
本発明の電荷輸送剤は、前記トリス(4−スチリルフェニル)アミン誘導体を含有することを特徴とする。本発明の電荷輸送剤は、例えば電子写真感光体用として使用できる。
本発明の電荷輸送剤を使用した電子写真感光体としては、導電性支持体上に、感光層が電荷発生層と電荷輸送層とに機能分離された、いわゆる積層型電子写真感光体と、導電性支持体上に電荷発生剤及び電荷輸送剤を含有する単一の感光層を設けた、いわゆる単層型電子写真感光体とが挙げられる。積層型電子写真感光体において、前記トリス(4−スチリルフェニル)アミン誘導体を電荷輸送剤として用いた電荷輸送層は、化合物(1)をそのまま導電性支持体または電荷発生層上に蒸着させるか、前記トリス(4−スチリルフェニル)アミン誘導体と結着剤ポリマーとを適当な溶剤に溶解させた溶液を導電性支持体または電荷発生層上に塗布して乾燥することにより形成される。一方、単層型電子写真感光体においては、電荷発生剤および前記トリス(4−スチリルフェニル)アミン誘導体等を結着剤ポリマーとともに適当な溶剤に溶解または分散させた溶液を導電性支持体上に塗布して乾燥させることにより形成される。尚、単層型感光体中には必要に応じて電子輸送材料を含有させても良い。
結着剤ポリマーとしては、例えばポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアミド、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、アルキド樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリスチレンあるいはこれらの共重合体を挙げることができる。また、このような絶縁性ポリマーの他にポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニレン等の有機光導電性ポリマーも使用できる。これらの結着剤ポリマーの中で、特にポリカーボネートが好適である。好適に使用できるポリカーボネートとしては、下記構造式で示されるビスフェノールA型のポリカーボネート(例えば、三菱ガス化学株式会社製のユーピロンEシリーズ)、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(例えば、三菱ガス化学株式会社製のユーピロンZシリーズ)、特開平4−179961号公報に開示されているビスフェノールA、ビスフェノールZ、ビフェノールカーボネートを構造単位として含有する共重合ポリカーボネートなどがある。
【0017】
【化7】

【0018】
ビフェノール共重合カーボネートの具体例として、例えば下記構造式(I)で示されるビスフェノールA/ビフェノール型ポリカーボネート樹脂(ここでn/n+m=0.1〜0.9が好ましい)が挙げられ、具体的には式(J)で示される0.85のものなどである。
【化8】

(式中、R11及びR12はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R11およびR12は環状に結合しても良い。R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27及びR28はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基を示し、nおよびmは上記の繰り返し単位のモル数を表している。)
【0019】
また、上述したポリカーボネートの他にも特開平6−214412号公報に開示されている、繰り返し単位が下記構造式で表されるポリカーボネート(K)を使用することが出来る。
【化9】

さらに、特開平6−222581号公報に開示されている繰り返し単位が下記構造式(L)で表されるポリカーボネートも使用することが出来る。
【化10】

(式中、R29、R30およびR31は同一でも異なってもいても良く、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアリールアルキル基を示す。)
【0020】
さらに特開平5−88398号公報および特開平11−65136号公報に示されている下記一般式(M)および(N)で表されるシロキサンユニットを導入した高分子結着剤も好適に使用することができる。
【化11】

(式中、m、n、oおよびpは繰り返し単位を表す整数である。)
【化12】

(式中、a、b、c、d、nは繰り返し単位を表す整数である。)
これらの結着剤ポリマーと化合物(1)との配合割合は、結着剤ポリマー100重量部当たり電荷輸送材料を10〜1000重量部、好ましくは30〜500重量部、さらに好ましくは40〜200重量部添加することができる。
【0021】
用いる溶剤としては、特に限定されないが、有機溶剤が使用でき、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、N,N‐ジメチルホルムアミド、N,N‐ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジクロロエチレン、四塩化炭素、トリクロロエチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素、あるいはベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族化合物等を単独で、またはこれらの混合物の形で用いることが出来る。
【0022】
本発明の感光体に用いられる導電性支持体としては、銅、アルミニウム、銀、鉄、亜鉛、ニッケル等の金属や合金の箔ないし板をシート状またはドラム状にしたものが使用される。あるいは、これらの金属をプラスティックのフィルムや円筒等に真空蒸着、電解メッキしたもの、あるいは導電性ポリマー、酸化インジウム、酸化スズ等の導電性化合物の層をガラス、紙、あるいはプラスティックフィルム等の支持体に塗布もしくは蒸着によって設けられたものが用いられる。
塗布は、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、カーテンコーティング法等のコーティングを用いて行うことが出来る。乾燥は、室温における乾燥の後、加熱乾燥するのが好ましい。加熱乾燥は30〜200℃の温度で5分〜2時間の範囲で無風または送風下で行うことが好ましい。
【0023】
さらに、本発明の電子写真感光体においては、電荷輸送剤として前記トリス(4−スチリルフェニル)アミン誘導体の他に必要に応じて他の電荷輸送剤及び種々の添加剤を含有させて用いることが出来る。他の電荷輸送剤としては、例えば特公昭55−42380号公報、特開昭60‐340999号公報、特開昭61−23154号公報等に記載されている下記一般式(O)で示されるヒドラゾン化合物、特公昭58−32372号公報等に記載されている下記一般式(P)で示されるトリフェニルアミンダイマー、米国特許第3873312号公報等記載の下記一般式(Q)で示されるジスチリル化合物、その他にテトラフェニルブタジエン系化合物、トリフェニルメタン等が挙げられるがこれに限定されるものではない。
【化13】

(式中、R41およびR42は同一または異なっても良い低級アルキル基、置換基を有しても良いアリール基、置換基を有しても良いアラルキル基を示し、R43およびR44は同一または異なっても良く、置換基を有しても良い低級アルキル基、置換基を有しても良いアリール基、置換基を有しても良いアラルキル基、置換基を有しても良いヘテロ環基を示し、R43とR44がそれぞれ結合して環を形成しても良い。R45は水素原子、低級アルキル基、置換基を有しても良いアリール基、置換基を有しても良いアラルキル基、低級アルコキシ基、またはハロゲン原子を示す。R45とR41またはR42がそれぞれ結合して環を形成しても良い。)
【化14】

(式中、R51〜R62は同一または異なっても良く水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子で置換された低級アルコキシ基、置換基を有しても良いアリール基、またはハロゲン原子を示す。)
【化15】

(式中、R71〜R74は同一または異なっても良く、低級アルキル基、または置換基を有しても良いアリール基を示し、Ar1、Ar2およびAr3は同一または異なっても良く、低級アルキル基、低級アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子の中から一つ以上選ばれる基を有しても良いフェニレン基を示す。)
【0024】
種々の添加剤としては、例えばビフェニレン系化合物(例えば特開平6‐332206号公報に開示されたもの)、m−ターフェニル、ジブチルフタレート等の可塑剤、シリコーンオイル、グラフト型シリコーンポリマー、各種フルオロカーボン類等の表面潤滑剤、ジシアノビニル化合物、カルバゾール誘導体等の電位安定剤、2,6−ジ−tert‐ブチル−4−メチルフェノール等のモノフェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、特開昭56−117244号公報および特開2009−20204号公報記載のジアミン系酸化防止剤、4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等のアミン系酸化防止剤、サリチル酸系酸化防止剤、トコフェノール等を挙げることが出来る。
本発明の電子写真感光体が積層型電子写真感光体である場合、電荷輸送層の膜厚は、好ましくは5〜40μmであり、より好ましくは10〜30μmである。上述のようにして得られる電荷輸送層は、電荷発生層と電気的に接続されることにより、電界の存在下で電荷発生層から注入されたキャリアを受け取ると共に、これらのキャリアを、電荷輸送層を横切って電荷発生層と接している面とは反対の面まで輸送する機能を有する。この際、この電荷輸送層は電荷発生層の上層に積層されていても良く、また電荷発生層の下層に積層されていても良いが、電荷発生層の上層に積層されていることが望ましい。このように作製した感光層上には、必要に応じて保護層を設けることが出来る。また、導電性支持体と感光層との間にバリアー機能と接着機能を有する下引き層を設けることも出来る。下引き層を形成する材料としては、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、ガゼイン、エチレン−アクリル酸共重合体、ナイロンなどのポリアミド、ポリウレタン、ゼラチン、酸化アルミニウムなどが挙げられる。下引き層の膜厚は、好ましくは0.1〜5μmであり、より好ましくは0.5〜3μmである。
【0025】
電荷発生層としては、セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコン等の無機の電荷発生剤、ピリリウム塩系染料、チアピリリウム系染料、アズレニウム塩系染料、チアシアニン系染料、キノシアニン系染料等のカチオン染料、スクアリウム塩系顔料、フタロシアニン系顔料、アントアントロン系顔料、ジベンズピレンキノン系顔料、ピラントロン系顔料等の多環系キノン顔料、インジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、アゾ顔料、ピロロピロール系顔料等の有機電荷発生剤から選ばれた材料を単独ないしは組み合わせて用い、蒸着層あるいは塗布層として作製することが出来る。上述のような有機電荷発生剤の中で、特に好ましくはChem.Rev.,1993,93,p.449−486に記載された有機電荷発生剤が挙げられる。具体的には、フタロシアニン系顔料が好ましい。
フタロシアニン系顔料としては、アルコキシチタニウムフタロシアニン(Ti(OR)2Pc)、オキソチタニウムフタロシアニン(TiOPc)、銅フタロシアニン(CuPc)、無金属フタロシアニン(H2Pc)、クロロガリウムフタロシアニン(ClGaPc)、ヒドロキシガリウムフタロシアニン(HOGaPc)、バナジルフタロシアニン(VOPc)、クロロインジウムフタロシアニン(ClInPc)が挙げられる。さらに詳しくは、TiOPcとしてはα型−TiOPc、β型−TiOPc、γ型−TiOPc、m型−TiOPc、Y型−TiOPc、A型−TiOPc、B型−TiOPc、TiOPcアモルファスが挙げられる。その中でも特に、CuKαを線源とするX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±2°)27.2°に最大ピークを有するもの、あるいはブラッグ角(2θ±2°)7.6°及び28.6°に主体なピークを有するものが好ましい。H2Pcとしてはα型−H2Pc、β型−H2Pc、τ型−H2Pc、x型−H2Pcが挙げられる。
【0026】
アゾ顔料もまた電荷発生剤として好ましい。アゾ顔料としては、モノアゾ化合物、ビスアゾ化合物およびトリスアゾ化合物が挙げられる。具体的には、次の構造式で示されるアゾ化合物が好ましい。
ビスアゾ
【化16】





トリスアゾ

【0027】
さらに、次の構造式(V)で示されるペリレン系化合物、または構造式(W)で示される多環キノン系化合物も電荷発生剤として好ましい。
【化17】

(式中、Rは水素原子、低級アルキル基または置換基を有しても良いアリール基を表す。

【化18】

これら以外の電荷発生剤でも、光を吸収し高い効率で電荷を発生する材料であれば、いずれの材料でも使用することができる。
以上のようにして本発明の前記トリス(4−スチリルフェニル)アミン誘導体を含有した電子写真感光体を得ることが出来る。
【実施例】
【0028】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、合成例中において用いる測定機器及び測定条件を以下に示す。
(1)1H−NMR機器;ブルッカ―社製、DRX−500型装置(500MHz)
内部標準物質;テトラメチルシラン
重クロロホルム又は重ジメチルスルホキシド中で測定
(2)MASS機器;日立 M−80B(株式会社日立製作所製)
(3)HPLC機器;GL7400シリーズ(ジーエルサイエンス株式会社製)
ODS−3(4.6×250 mm)、ジクロロメタン:アセトニトリル=5:95
1ml/min. UV254nmにて測定
【0029】
(合成例1)
化合物(1−1)の合成
α−クロロ−m−キシレン29.0g(207mmol)にトリエチルホスファイト37.8g(228mmol)を加え、10時間加熱還流を行ったところ、無色液体52.3gを得た。このうち47.3g(187mmol)をN,N,−ジメチルホルムアミド(DMF)300mlに溶解させ、さらにp−クロロベンズアルデヒド27.6g(197mmol)加えた。窒素雰囲気下、カリウム−tert−ブトキシド23.1g(206mmol)を加え、さらに2時間攪拌を行なった。水、塩酸にて中和を行い、トルエンにて抽出を行なった。トルエン層を水洗した後、濃縮し、再結晶操作を行なったところ、スチルベン誘導体36.6gを得た。収率は85.6%であった。
窒素雰囲気下、キシレン160mlに得られたスチルベン誘導体34.5g(150mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド13.5g(141mmol)、リチウムアミド1.1g(47mmol)、[PdCl(allyl)]2172mg(0.47mmol)、1,1−ジフェニル−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロペン441mg(1.13mmol)を加え、100℃に加熱した。5時間攪拌後、水を加え、さらにトルエンを加えて有機層を抽出した。水洗を行った後、濃縮を行ない、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて不純物を除き、さらに再結晶操作を行ったところ、黄色結晶24.0gを得た。収率は86%であった。HPLC分析によりttt体の比率は100%であった。また、1H NMRによる二重結合のシス−トランス比は0:100であった。
1H NMR(CDCl3):δ;2.38(s,9H)、7.00(d,J=16.3Hz ,3H)、7.07(d,J=7.4Hz,3H)、7.07(d,J=16.3Hz,3H )、7.11(d,J=8.6Hz,6H)、7.24(t,J=7.5Hz,3H)、7.31(d,J=8.1Hz,3H)、7.33(s,3H)、7.42(d,J=8.6Hz ,6H).
MS(m/Z) 593
mp 98−99℃
【0030】
(合成例2)
化合物(1−2)の合成
p−クロロベンジルクロリド54.8g(340mmol)にトリエチルホスファイト54.9g(330mmol)を加え、6時間加熱還流を行い、蒸留精製を行なったところ無色液体81.5gを得た。収率は94.0%であった。このうち56.3g(215mmol)をN、N、−ジメチルホルムアミド(DMF)300mlに溶解させ、さらにm−アニスアルデヒド30.7g(226mmol)を加えた。窒素雰囲気下、カリウム−tert−ブトキシド26.5g(237mmol)を加え、さらに2時間攪拌を行なった。水、塩酸にて中和を行い、トルエンにて抽出を行なった。トルエン層を水洗した後、濃縮し再結晶操作を行なったところ、スチルベン誘導体43.2gを得た。収率は82.3%であった。
窒素雰囲気下、キシレン150mlに得られたスチルベン誘導体41.5g(170mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド15.3g(159mmol)、リチウムアミド1.2g(53mmol)、[PdCl(allyl)]2194mg(0.53mmol)、1,1−ジフェニル−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロペン496mg(1.27mmol)を加え、100℃に加熱した。5時間攪拌後、水を加え、さらにトルエンを加えて有機層を抽出した。水洗を行った後、濃縮を行ない、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて不純物を除き、さらに再結晶操作を行なったところ、黄色結晶30.0gを得た。収率は88%であった。HPLC分析によりttt体の比率は100%であった。また、1H NMRによる二重結合のシス−トランス比は0:100であった。
1H NMR(CDCl3):δ;3.86(s,9H)、6.80−6.82(m,3H) 、7.00(d,J=16.2Hz,3H)、7.04(t,J=2.0Hz,3H)、7.07(d,J=16.3Hz,3H)、7.10−7.12(m,9H)、7.27(t,J=7.9Hz,3H)、7.41−7.43(m,6H).
MS(m/Z) 641
mp 145−146℃
【0031】
(比較合成例1)
比較化合物(1)の合成
【化19】

合成例1におけるスチルベン誘導体(5)の代わりにシス−トランス混合物(シス:トランス=52:48(1H NMRより算出))を使用した以外は、同様の手順で合成した。収率は70%であった。HPLC分析によりttt体の比率は12%であった。また、1H NMRにより二重結合のシス−トランス比は51:49であった。
1H NMR(DMSO−d6):δ;2.25(m,9H)、6.51−6.58(m,cis,6H)、6.84−7.56(m,trans,6H,Ar−H 24H)
MS(m/Z) 593
【0032】
(比較合成例2)
比較化合物(2)の合成
【化20】

合成例1におけるスチルベン誘導体(5)の代わりにシス−トランス混合物(シス:トランス=82:18(1H NMRより算出))を使用した以外は、同様の手順で合成した。収率は72%であった。HPLC分析によりttt体の比率は1%であった。また、1H NMRにより二重結合のシス−トランス比は78:22であった。
1H NMR(DMSO−d6):δ;2.25(m,9H)、6.51−6.58(m,cis,6H)、6.84−7.56(m,trans,6H,Ar−H 24H)
MS(m/Z) 593
【0033】
(比較合成例3)
比較化合物(3)の合成
【化21】

合成例2におけるm−アニスアルデヒドの代わりにp−トルアルデヒドを使用した以外は、同様の手順で合成した。収率は76%であった。HPLC分析によりttt体の比率は100%であった。また、1H NMRにより二重結合のシス−トランス比は0:100であった。
1H NMR(CDCl3):δ;2.36(s,9H)、6.99(d,J=16.3Hz,3H)、7.03(d,J=16.2Hz,3H)、7.09−7.11(m,6H)、7.16(d,J=7.9Hz,6H)、7.39−7.41(m,12H)
MS(m/Z) 593
【0034】
(比較合成例4)
比較化合物(4)の合成
【化22】

合成例1におけるα−クロロ−m−キシレンの代わりにα−クロロ−o−キシレンを使用した以外は、同様の手順で合成した。収率は85%であった。HPLC分析によりttt体の比率は100%であった。また、1H NMRにより二重結合のシス−トランス比は0:100であった。
1H NMR(CDCl3):δ;2.43(s,9H)、6.97(d,J=16.1Hz,3H)、7.12−7.14(m,6H)、7.17−7.22(m,9H)、7.25(d,J=16.2Hz,3H)、7.43−7.45(m,6H)、7.59(d,J=7.5Hz,3H)
MS(m/Z) 593
【0035】
(比較合成例5)
比較化合物(5)の合成
【化23】

合成例2におけるm−アニスアルデヒドの代わりにp−アニスアルデヒドを使用した以外は、同様の手順で合成した。収率は60%であった。HPLC分析によりttt体の比率は100%であった。また、1H NMRにより二重結合のシス−トランス比は0:100であった。
1H NMR(CDCl3):3.83(s,9H)、6.89−6.93(m,9H)、7.03(d,J=16.3Hz,3H)、7.29−7.31(m,6H)、7.40−7.42(m,6H)、7.43−7.45(m,6H)
MS(m/Z) 641
【0036】
(実施例1)
「パンライトTS−2020」(帝人化成株式会社製)15重量部と化合物(1−1)15重量部をテトラヒドロフラン85重量部中で混合溶解させた。この溶液を、ドクターブレードで、ポリエチレンフタレート(PET)フィルム上にアルミを蒸着したシート上に塗布し、80℃で3時間乾燥させて電荷輸送層を形成した(厚み:18μm)。さらに、この電荷輸送層上に半透明金電極を蒸着して電荷キャリア移動度を測定した。キャリア移動度の測定は、光源としてパルス半値幅0.9sec、波長337nmの窒素ガスレーザーを用い、タイム−オブ−フライト法(田中聡明、山口康浩、横山正明:電子写真、29、366(1990))にて行なった。25℃、25V/μmでの測定結果を第1表及び図1に示す。
【0037】
(実施例2および3)
ttt体の比率がHPLC分析によりそれぞれ70%および50%となる様に化合物(1−1)と比較化合物(2)を混合した。実施例1と同様に、これらの混合試料を用いて移動度を測定した。この結果を第1表及び図1に示す。
【0038】
(比較例1〜3)
ttt体の比率がHPLC分析によりそれぞれ40%、30%および20%となる様に化合物(1−1)と比較化合物(2)を混合した。実施例1と同様に、これらの混合試料を用いて移動度を測定した。この結果を第1表及び図1に示す。
【0039】
(比較例4〜9)
実施例1と同様に、比較化合物(1)〜(6)を用いて実験を行なった。この結果を第1表に示す。なお、比較化合物(3)〜(5)については、溶解しなかった為、移動度測定を行なう事ができなかった。
【0040】
【化24】

【表1】

【0041】
第1表から明らかなように、化合物(1−1)はttt体比率の低い比較化合物1および2と比べて移動度が高い事がわかる。さらに高移動度材料として一般的に知られている比較化合物(6)よりも移動度が大きいことがわかる。また、同じttt体比率が高い比較化合物3、4および5はバインダーポリマー溶液に溶解する事ができず、製膜化できなかった。つまり、トリス(4−スチリルフェニル)アミン誘導体においては、置換基の位置が重要である事がわかる。
また、図1よりttt体比率が50%以上であれば高移動度特性を損なう事が無く、比較化合物(6)よりも高い移動度が得られる事がわかる。
【0042】
(実施例4および5)
「ファインレジン104」(株式会社鉛市製)37.5重量部をメタノール2500重量部へ溶解し、この溶液を、ポリエチレンフタレート(PET)フィルム上にアルミを蒸着したシート上に塗布し、105℃で1時間乾燥させて下引き層を得た。
無金属フタロシアニン「Fastgen Blue 8120BS」(DIC株式会社製)22.5重量部およびバインダーとしてブチラール樹脂「エスレックBH−3」(積水化学工業株式会社製)15重量部をメチルエチルケトン750重量部とシクロヘキサノン750重量部へ溶解し、塗工液を得た。これを下引き層上に塗布し、80℃で2時間乾燥させて電荷発生層を形成した。
ポリカーボネート「Z−200」(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製)1重量部と化合物(1−1)または(1−2)1重量部をテトラヒドロフラン8重量部中で混合溶解させた。この液を電荷発生層上に塗布し、80℃で2時間乾燥させ、電荷輸送層を形成(厚み:約20μm)して電子写真感光体を作製した。
このようにして得られた電子写真感光体の感光体特性を静電記録試験装置「EPA−8300A」(株式会社川口電機製作所製)を用いてスタティック方式により測定した。すなわち、電子写真感光体を−6kvのコロナ放電を行なって帯電せしめ、表面電位V0(単位は−v)を測定し、これを暗所で5秒間保持した(表面電位Vi(単位は−v))後、0.2μWの780nmのレーザー光を照射し、表面電位Viを半減させるのに必要な露光量すなわち半減露光量E1/2(μJ/cm2)を求め、続いて5秒間照射後の表面残留電位Vr(単位は−v)を求めた。この結果を第2表に示す。
【0043】
(比較例10〜14)
実施例4と同様に、比較化合物(2)〜(6)を用いて実験を行なった。この結果を第2表に示す。比較化合物(3)〜(5)は、溶解しなかった為、電子写真特性を測定する事ができなかった。
【0044】
【表2】

【0045】
第2表から明らかなように、化合物(1−1)および(1−2)を用いた電子写真感光体の方が、比較化合物(2)および(6)を用いた電子写真感光体よりも感度が良く(E1/2の値が小さい)、残留電位(Vr)が小さい事がわかる。また、同じttt体比率が高い比較化合物(3)、(4)および(5)はバインダーポリマー溶液に溶解する事ができず、製膜化できなかった。つまりトリス(4−スチリルフェニル)アミン誘導体においては、置換基の位置が重要である事がわかる。
【0046】
(実施例6および7)
「パンライトTS−2020」15重量部と化合物(1−1)または(1−2)15重量部をテトラヒドロフラン85重量部中で混合溶解させた。この液をドクターブレードでPET版上に塗布し、80℃で3時間乾燥させ、薄膜を作製した(厚み:約20μm)。
得られた薄膜を「スガ摩耗試験機NUS−ISO3」(スガ試験機株式会社製)にて摩耗試験を行なった。すなわち、薄膜を「精密仕上げ用研磨フィルム4000番」(住友スリーエム株式会社製)にて400回、800回、1200回削り、薄膜の重量減少を測定した。この結果を第3表に示す。
【0047】
(比較例15〜17)
実施例6と同様に、比較化合物(3)〜(5)を用いて実験を行なった。この結果を第3表に示す。比較化合物(3)〜(5)は、溶解しなかった為、測定を行う事ができなかった。
【0048】
(比較例18)
実施例6と同様に、次式にて示される比較化合物(7)を用いて実験を行なった。この結果を第3表に示す。
【化25】

【0049】
【表3】

【0050】
第3表から明らかなように、化合物(1−1)および(1−2)を用いた薄膜の方が重量減少は少なく、耐磨耗性がある。これらの結果から膜安定性が良い事がわかる。
【0051】
(実施例8および9)
25℃において例示化合物(1−1)または(1−2)をテトラヒドロフラン1gに溶解させた。完全に溶解する化合物の重量を第4表に示す。
【0052】
(比較例19〜21)
実施例8と同様に、比較化合物(3)〜(5)を用いて実験を行なった。結果を第4表に示す。
【0053】
【表4】

【0054】
第4表から明らかなように、化合物(1−1)および(1−2)の方が溶解性に優れており、高濃度の有機薄膜を形成する事ができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の一般式(1)
【化1】

(式中、R1はメチル基またはメトキシ基を表す。)
で表されるトリス(4−スチリルフェニル)アミン誘導体であって、その3つの二重結合がすべてトランスである幾何異性体の比率が50%以上であるトリス(4−スチリルフェニル)アミン誘導体。
【請求項2】
3つの二重結合がすべてトランスである幾何異性体の比率が100%である、請求項1に記載のトリス(4−スチリルフェニル)アミン誘導体。
【請求項3】
請求項1に記載のトリス(4−スチリルフェニル)アミン誘導体を含有することを特徴とする電荷輸送剤。
【請求項4】
電荷輸送剤が電子写真感光体用電荷輸送剤である、請求項2に記載の電荷輸送剤。
【請求項5】
請求項3に記載の電子写真感光体用電荷輸送剤を含有する電子写真感光体。

【図1】
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【公開番号】特開2013−56905(P2013−56905A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−233063(P2012−233063)
【出願日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【分割の表示】特願2010−164044(P2010−164044)の分割
【原出願日】平成22年7月21日(2010.7.21)
【出願人】(000169466)高砂香料工業株式会社 (194)
【Fターム(参考)】