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電子写真機器用ロールおよびその製造方法
説明

電子写真機器用ロールおよびその製造方法

【課題】画像不具合が生じ難く、長期に亘って離型性を確保可能な電子写真機器用ロールと、このロールを従来より簡易に得ることが可能な製造方法とを提供すること。
【解決手段】ロール最外周にゴム層を備え、ゴム層の少なくとも表面部分のゴムが、下記化1および化2の構造を有する電子写真機器用ロールとする。
【化1】


【化2】


上記ロールは、不飽和結合を有するゴムを含むゴム層の表面に、(A)X(OX(但し、式中、Xは水素原子、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素またはアルキル基、Xはハロゲン原子、nはXの価数と同一の整数を表す。)、および、分子中に−CONX−結合を有する化合物(但し、Xは、ハロゲン原子)から選択される1種または2種以上と、(B)BFとを接触させた後、このゴム層の表面を、水を含む液体で洗い流すことにより得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真機器用ロールおよびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真機器が広く使用されるようになってきている。通常、この種の電子写真機器の内部には、感光ドラムが組み込まれており、その周囲には、帯電ロール、転写ロール、現像ロール、トナー供給ロールなどの電子写真機器用ロールが配設されている。
【0003】
一般に、上記電子写真機器用ロールは、トナーに対する離型性を有している必要がある。そのため、ロール最外周には、トナーが付着し難いフッ素樹脂、シリコーン樹脂などによる樹脂層が形成されることが多い。
【0004】
また、上記樹脂層を形成することなく、ロール最外周をゴム層とし、このゴム層の表面を表面処理することにより、トナーに対する離型性を付与する試みも行われている。
【0005】
例えば、特許文献1には、ロール最外周のゴム層表面に、大気圧プラズマ処理によってフッ素化合物を化学的に結合させた電子写真機器用ロールが開示されている。
【0006】
ところで、ゴムの表面処理方法としては、例えば、特許文献2には、フルオロアルキル基を含有するフッ素系オリゴマーとシランカップリング剤とを架橋ゴム表面に塗布した後、加熱処理する方法が開示されている。この方法によれば、溶剤と接触した場合であっても、フッ素処理効果を安定して発現させることができるとされている。
【0007】
また、特許文献3には、フルオロアルキル基を含有するフッ素系オリゴマーと多官能性アルコキシシランとを含有する処理液を用い、ゴム表面に処理層を形成する方法が開示されている。この方法によれば、ゴム表面に防汚性を付与することができるとされている。
【0008】
また、特許文献4には、クロロイソシアヌール酸、酸性化次亜塩素酸塩などの有機・無機ハロゲン化剤によりゴム表面を処理すると同時に、静的物理場および/または高周波交番物理場で処理する方法が開示されている。この方法によれば、ゴムの接着性を向上させることができるとされている。
【0009】
また、特許文献5には、ポリオレフィン系ゴムの表面に、アルキルハイポハライド、次亜塩素酸塩などのハロゲン化合物を含有する溶液を塗布し、次いで、加硫処理を施す方法が開示されている。この方法によれば、塗料、接着剤などに対する密着力を向上させることができるとされている。
【0010】
【特許文献1】特開2003−165857号公報
【特許文献2】特開2004−67882号公報
【特許文献3】特開2003−253022号公報
【特許文献4】特表平9−507690号公報
【特許文献5】特開昭62−39638号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、従来知られる電子写真機器用ロールは、次のような問題を有していた。
【0012】
すなわち、樹脂層は、ゴム層に比較して硬い。また、通常、樹脂層中には、電気抵抗を調整するためにカーボンブラックなどの導電剤が添加されるので、これによっても樹脂層は一層硬くなる。
【0013】
そのため、樹脂層を有する従来の電子写真機器用ロールを長く使用していると、樹脂層が、相手材である感光ドラムを傷つけたり、トナーを劣化させたりする。そしてこれにより、電子写真機器の画像に不具合が生じるといった問題があった。
【0014】
また、樹脂層と下層との界面強度が十分でないと、樹脂層が剥離し、これによっても、電子写真機器の画像に不具合が生じるといった問題があった。
【0015】
一方、特許文献1の電子写真機器用ロールは、ゴム層表面にプラズマ処理を行うため、高価な処理装置を必要とする。そのため、ロールの製造コストが高くなるといった問題があった。
【0016】
また、特許文献2、3の表面処理方法は、長期に亘ってトナーに対する離型性を確保することができず、耐久性に乏しいといった問題があった。これらの方法は、比較的分子量の高いフッ素系オリゴマーを用いている。そのため、ゴムに対して反応はするが、分子量が大きい故に被膜ができ、被膜化された処理層が界面から剥離したり、割れたりするのがその原因であると推測される。
【0017】
また、特許文献4の表面処理方法は、ゴム表面を処理するのに、高反応場を必要とする。そのため、ロールの製造コストが高くなるといった問題があった。
【0018】
また、特許文献5の表面処理方法を用いても、良好な画像、長期に亘る離型性を確保することができない。
【0019】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、長期に亘って画像不具合が生じ難く、トナーに対する離型性を確保可能な電子写真機器用ロールを提供することにある。また、他の課題は、上記電子写真機器用ロールを、従来に比較して簡易に得ることが可能な製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題を解決するため、本発明に係る電子写真機器用ロールは、ロール最外周に、不飽和結合を有するゴムを含むゴム層を備え、上記ゴム層の少なくとも表面部分のゴムが、下記化1および化2の構造を有することを要旨とする。
【0021】
【化1】

【0022】
【化2】

【0023】
一方、本発明に係る電子写真機器用ロールの製造方法は、ロール最外周に位置し、不飽和結合を有するゴムを含むゴム層の表面に、
(A)X(OX(但し、式中、Xは水素原子、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素またはアルキル基、Xはハロゲン原子、nはXの価数と同一の整数を表す。)、および、分子中に−CONX−結合を有する化合物(但し、Xは、ハロゲン原子)から選択される1種または2種以上と、
(B)BFと、
を接触させる第1工程と、
上記第1工程を経た上記ゴム層の表面を、水を含む液体で洗い流す第2工程とを有すること要旨とする。
【0024】
この際、上記第1工程は、上記ゴム層の表面に、上記(A)と(B)とを含有する処理液を接触させることによると良い。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る電子写真機器用ロールは、ロール最外周にゴム層を備えている。そのため、ロール最外周に樹脂層を備えている場合に比較して、ロール表面の柔軟性に優れる。したがって、相手材に対するストレスを大幅に軽減することができ、画質不具合が生じ難い。また、離型性を確保するために樹脂層を使用していないので、樹脂層の剥離や割れなどに起因する画質不具合も生じることがない。
【0026】
また、上記ゴム層の少なくとも表面部分のゴムは、上記化1および化2の構造を有している。そのため、従来に比較して、長期に亘って離型性を確保することができ、耐久性に優れる。
【0027】
さらに、上記化1および化2の構造は、比較的簡易な方法により導入することができる。そのため、本発明に係る電子写真機器用ロールは、従来に比較して製造コストを安価にしやすく、また、量産性にも優れる。
【0028】
一方、本発明に係る電子写真機器用ロールの製造方法は、上記第1工程を有しているので、ゴム層の少なくとも表面部分にあるゴムの不飽和結合の部分に、(A)化合物に由来するハロゲン原子と、(B)化合物に由来するフッ素原子とが導入される。また、上記第2工程を有しているので、さらに、上記ゴムの不飽和結合の部分に、水に由来する水酸基が導入される。
【0029】
したがって、本発明に係る電子写真機器用ロールの製造方法によれば、大掛かりな設備、高価な設備などを要することなく、比較的簡易かつ安価に、上記電子写真機器用ロールを得ることができる。
【0030】
この際、上記第1工程が、ゴム層の表面に、上記(A)化合物と(B)化合物とを含有する処理液を接触させることによる場合には、工程を簡略化でき、また、表面処理を効率良く行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本実施形態に係る電子写真機器用ロール(以下、「本ロール」ということがある。)、本実施形態に係る電子写真機器用ロールの製造方法(以下、「本製造方法」ということがある。)について詳細に説明する。
【0032】
1.本ロール
本ロールは、ゴム層を備え、このゴム層の表面部分のゴムが、特定の分子構造を有している。
【0033】
本ロールにおいて、上記ゴム層はロール最外周に位置している。つまり、本ロールは、上記ゴム層が最外周にあれば、例えば、ゴム層を1層有していても良いし、ゴム層の下層に1層または2層以上の弾性層などを有していても良い。
【0034】
また、上記ゴム層は、例えば、ほぼロール本体を形成する程度に厚く形成されていても良いし、薄い被膜状などに形成されていても良い。
【0035】
上記ロール構造、ゴム層およびゴム層の下層の弾性層の厚みなどについては、本ロールの用途、本ロールを組み込む電子写真機器内部の設置スペース、電子写真機器の種類などを考慮して、適宜選択することができる。
【0036】
本ロールの具体的な構成としては、例えば、金属などからなる導電性シャフトの外周に上記ゴム層を1層有する構成や、同シャフトの外周に1層または2層以上の弾性層を有し、その弾性層の外周に上記ゴム層(例えば、被膜状、チューブ状など)を有する構成などを例示することができる。
【0037】
本ロールにおいて、上記ゴム層は、不飽和結合を有するゴム(本願において、「ゴム」には、熱可塑性エラストマーをも含む、以下省略)を主に含んでいると良い。これは、後述するように、ゴム層の不飽和結合を利用すれば、上記化1および化2の構造をゴムの分子構造中に導入しやすいからである。
【0038】
上記ゴムとしては、具体的には、例えば、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、水素添加アクリロニトリル・ブタジエンゴム(H−NBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、エピクロルヒドリンゴム(ECO)、アクリルゴム、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、天然ゴムなどを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
【0039】
これらのうち、好ましくは、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、エピクロルヒドリンゴム(ECO)などである。
【0040】
また、上記ゴム層中には、必要に応じて、導電剤(電子導電剤、イオン導電剤)、充填剤、増量剤、補強剤、活性剤、加工助剤、加硫促進剤、加硫剤、酸化防止剤、可塑剤、着色剤、紫外線吸収剤、発泡剤などの各種添加剤が1種または2種以上含まれていても良い。
【0041】
上記添加剤の割合は、各種の添加剤がその目的を達することができるように、従来知られる配合割合を適宜採用することができる。
【0042】
なお、ゴム層の下層に弾性層を有する場合、弾性層材料としては、上記添加剤を任意で含有する上記ゴムなどを例示することができる。また、弾性層を複数有する場合、各弾性層は、同一材料・組成であっても良いし、異なる材料・組成であっても良い。
【0043】
ここで、上記ゴム層の少なくとも表面部分のゴムは、下記化1および化2の構造を有している。つまり、上記ゴム層に含まれるゴムのうち、少なくとも表面部分に存在しているゴムが、その分子構造中に下記化1および化2の構造を有している。
【0044】
【化1】

【0045】
【化2】

【0046】
上記化1および化2中のXとしては、好ましくは、Cl、Fなどを例示することができる。
【0047】
この際、上記化1および化2の構造を有するゴム(以下、「特定ゴム」という。)は、ゴム層表面の大部分を覆うように存在していることが好ましい。とはいえども、必ずしもゴム層の表面全体に存在している必要はない。つまり、本発明の効果を奏する範囲内であれば、上記特定ゴムは、ゴム層表面に部分的に存在していても良い。
【0048】
また、上記特定ゴムは、ゴム層の表面部分のみならず、ゴム層内部にも存在していても良い。この場合、ゴム層内部における特定ゴムの存在状態については、特に限定されるものではない。
【0049】
具体的には、例えば、ゴム層表面から内部に向かって、特定ゴムの存在割合が減少または増大するように傾斜して分布していても良いし、あるいは、ゴム層表面から内部に一定距離に亘り、ほぼ同じ存在割合で分布していても良い。
【0050】
なお、上記化1および化2の構造を有していることは、ロール表面を、X線光電子分光法(XPS)、核磁気共鳴法(NMR)などにより分析すれば確認することができる。
【0051】
上記本ロールは、例えば、現像ロール、帯電ロール、トナー供給ロール、転写ロールなどの導電性ロールとして好適に用いることできる。
【0052】
2.本製造方法
本製造方法は、上記構成を有する本ロールを製造することが可能な方法であり、少なくとも以下の第1工程と、第2工程とを含んでいる。以下、順に説明する。
【0053】
2.1 第1工程
本製造方法において、第1工程は、ロール最外周に位置し、不飽和結合を有するゴムを含むゴム層の表面に、特定の(A)化合物と、特定の(B)化合物とを少なくとも接触させる工程である。
【0054】
なお、上記特定の化合物を接触させる前の、不飽和結合を有するゴムを含むゴム層を表面に有するロールは、公知の手法を用いて準備することができる。例えば、任意に接着剤などのプライマーを塗布した導電性シャフトの表面に、上述したゴム層材料を押出成形する方法、上記導電性シャフトをセットした金型内に、上述したゴム層材料を射出し、加熱・硬化させた後、脱型する方法などを例示することができる。
【0055】
この際、ゴム層の下層に弾性層を形成する場合には、上記導電性シャフトの外周に上述した弾性層材料を1層または2層以上押出成形または射出成形した後、最外周の弾性層表面に、ロールコーティング法、ディッピング法、スプレーコート法などによりゴム層材料を塗工し、乾燥、架橋させるなどすれば良い。
【0056】
ここで、上記(A)化合物は、X(OX(但し、式中、Xは水素原子、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素またはアルキル基、Xはハロゲン原子、nはXの価数と同一の正の整数を表す。)、および、分子中に−CONX−結合を有する化合物(但し、Xは、ハロゲン原子)から選択される1種または2種以上の化合物である。
【0057】
上記アルカリ金属元素としては、具体的には、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなどを例示することができる。
【0058】
また、上記アルカリ土類金属元素としては、具体的には、例えば、マグネシウム、カルシウムなどを例示することができる。
【0059】
また、上記アルキル基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、第三級ブチル基、トリフルオロメチル基などを例示することができる。好ましくは、構造的な安定性などの観点から、第三級ブチル基などである。
【0060】
上記ハロゲン原子Xとしては、具体的には、例えば、F、Cl、Br、Iなどを例示することができる。好ましくは、反応後、ゴム層表面に安定に存在しやすいなどの観点から、F、Clなどである。
【0061】
(OXで表される化合物としては、より具体的には、例えば、メチルハイポクロライド、エチルハイポクロライド、第三級ブチルハイポクロライド、トリフルオロメチルハイポクロライドなどのアルキルハイポクロライド、メチルハイポフルオライド、エチルハイポフルオライド、第三級ブチルハイポフルオライド、トリフルオロメチルハイポフルオライドなどのアルキルハイポフルオライドなどといったアルキルハイポハライドや、次亜塩素酸や、次亜塩素酸リチウム、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸マグネシウム、次亜塩素酸カリウムなどの次亜塩素酸塩などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用しても良い。
【0062】
また、分子中に−CONX−結合を有する化合物として、より具体的には、例えば、N−クロロスクシンイミド、N−クロロフタルイミド、N−ブロムスクシンイミド、N−ブロムフタルイミドなどの酸イミドハロゲン化合物、トリクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸などのイソシアヌル酸ハライド、ジクロロジメチルヒダントインなどのハロゲン化ヒダントインなどを例示することができる。
【0063】
一方、上記(B)化合物は、BFである。
【0064】
なお、上記(A)化合物および/または(B)化合物は、それ単体であっても良いし、液体に溶解および/または分散された状態であっても良い。つまり、第1工程にいう「接触させる」とは、ゴム層の表面に、上記化合物自体を直接接触させる場合のみならず、上記化合物を含む液体を接触させる場合をも含む。
【0065】
この第1工程では、上記のような(A)化合物と(B)化合物とを、ゴム層の表面に接触させる。この際、当該接触は、ゴム層の表面に、(A)化合物、(B)化合物の何れか一方を接触させた後に、他方の化合物を接触させる方法(以下、「段階接触法」ということがある。)、あるいは、(A)化合物と(B)化合物とをほぼ同時に接触させる方法(以下、「同時接触法」ということがある。)の何れの方法により行っても良い。
【0066】
好ましくは、当該接触は、後者の同時接触法により行うと良い。工程を簡略化でき、表面処理を効率良く行うことができるからである。
【0067】
また、上記段階接触法、同時接触法の何れを用いる際においても、各化合物を少なくとも含む液体を用いると良い。ゴム表面と均一に接触させやすいなどの利点があるからである。
【0068】
具体的には、例えば、上記段階接触法による場合、少なくとも(A)化合物または(B)化合物を、適当な水性溶媒または有機溶剤に溶解および/または分散させた処理液を用いれば良い。一方、上記同時接触法による場合、少なくとも(A)化合物および(B)化合物を、適当な水性溶媒または有機溶剤に溶解および/または分散させた処理液を用いれば良い。
【0069】
なお、水性溶媒としては、具体的には、例えば、水など、有機溶剤としては、具体的には、例えば、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ヘキサン、メタノール、エタノール、プロパノール、第三級ブタノール、イソプロピルアルコール、ジエチルエーテル、N−メチルピロリドンなどを例示することができる。これらは1種または2種以上混合されていても良い。
【0070】
また、処理液中に含まれる(A)化合物および/または(B)化合物の含有量は、最終的に、ゴム層の少なくとも表面部分に上記特定ゴムを存在させることができれば、特に限定されるものではない。必要に応じて適宜調節することができる。
【0071】
上記段階接触法による場合、(A)化合物を含む処理液中に含まれる(A)化合物の含有量は、具体的には、例えば、その好ましい上限値として、40wt%などを例示することができる。一方、この上限値と組み合わせ可能な好ましい下限値として、具体的には、例えば、0.01wt%などを例示することができる。
【0072】
また、上記段階接触法による場合、(B)化合物を含む処理液中に含まれる(B)化合物の含有量は、具体的には、例えば、その好ましい上限値として、40wt%などを例示することができる。一方、この上限値と組み合わせ可能な好ましい下限値として、具体的には、例えば、0.01wt%などを例示することができる。
【0073】
各処理液中に含まれる(A)化合物または(B)化合物の含有量が、上記範囲内にある場合には、ゴムに対する反応性とゴム硬度とのバランスなどに優れるからである。
【0074】
また、上記同時接触法による場合、(A)化合物および(B)化合物を含む処理液中に含まれる(A)化合物の含有量は、具体的には、例えば、その好ましい上限値として、40wt%などを例示することができる。一方、この上限値と組み合わせ可能な好ましい下限値として、具体的には、例えば、0.01wt%などを例示することができる。同様に、(B)化合物の含有量は、具体的には、例えば、その好ましい上限値として、40wt%などを例示することができる。一方、この上限値と組み合わせ可能な好ましい下限値として、具体的には、例えば、0.01wt%などを例示することができる。
【0075】
(A)化合物および(B)化合物を含む処理液中に含まれる(A)化合物および(B)化合物の含有量がこれら範囲内にある場合には、ゴムに対する反応性とゴム硬度とのバランスなどに優れるからである。
【0076】
この際、(A)化合物/(B)化合物(重量比)は、その好ましい上限値として、具体的には、例えば、9(90/10)などを例示することができる。一方、これら好ましい上限値と組み合わせ可能な好ましい下限値として、具体的には、例えば、0.01(1/99)などを例示することができる。
【0077】
(A)化合物/(B)化合物(重量比)がこれら範囲内にある場合には、不飽和結合への反応性と、フッ素原子の導入効果とのバランスなどに優れるからである。
【0078】
第1工程において、上記化合物との接触は、基本的には常温付近で行うことができるが、上記特定ゴムの生成に悪影響を与えない範囲内で、必要に応じて接触温度を適宜調節しても良い。
【0079】
もっとも、接触温度を過度に高くし過ぎると、反応が過度に進行し、ゴム層の表面に亀裂が生じたり、過度に硬くなるなどの傾向が見られる。一方、接触温度を過度に低くし過ぎると、ゴム層を主に構成するゴムとの反応が低下する傾向などが見られる。したがって、これらに留意して、接触温度を選択すると良い。
【0080】
また、上記化合物との接触時間は、処理液の濃度などによっても異なるが、上記特定ゴムの生成に悪影響を与えない範囲内で、必要に応じて適宜調節することができる。
【0081】
もっとも、接触時間を過度に長くし過ぎると、ロールの製造効率が低下するなどの傾向が見られる。一方、接触時間を過度に短くし過ぎると、ゴム層を主に構成するゴムとの反応が十分でなくなる傾向などが見られる。したがって、これらに留意して、接触時間を選択すると良い。好ましくは、生産性と反応性とを考慮し、接触時間が20秒〜60秒の範囲内にあると良い。
【0082】
また、上記処理液をゴム層表面に接触させる方法は、特に限定されることなく、種々の方法を採用することができる。具体的には、例えば、処理液中にロールを浸漬する方法、ロールに処理液を塗工する方法、ロールに処理液を吹き付ける方法などを例示することができる。これらは1または2以上組み合わせて行っても良い。
【0083】
なお、上記第1工程は、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス中、大気中などで行うことができる。
【0084】
以上の第1工程により、ゴム層表面部分のゴム中に含まれる不飽和結合が切れ、ゴムの分子構造中に、(A)化合物に由来するハロゲン原子、(B)化合物に由来するフッ素原子が導入される。
【0085】
2.2 第2工程
本製造方法において、第2工程は、上記第1工程を経たゴム層の表面を、水を含む液体で洗い流す工程である。
【0086】
ここで、ゴム層の表面を水を含む液体で洗い流す方法は、特に限定されることなく、種々の方法を採用することができる。具体的には、例えば、水を含む液体中にロールを浸漬する方法、水を含む液体をロールに吹き付ける方法などを例示することができる。これらは1または2以上組み合わせて行っても良い。
【0087】
また、上記洗い流す時間は、特に限定されることなく、必要に応じて適宜調節することができる。
【0088】
もっとも、洗い流す時間を過度に長くし過ぎると、ロールの製造効率が低下するなどの傾向が見られる。一方、洗い流す時間を過度に短くし過ぎると、残留した処理液によって反応が過度に進行し、ゴム層の表面に亀裂が生じたり、硬くなり過ぎたりするなどの傾向が見られる。したがって、これらに留意して、洗い流す時間を選択すれば良い。
【0089】
この第2工程により、ゴム層の表面に付着している(A)化合物、(B)化合物などが洗い流され、ロール表面が清浄になる。さらに、ゴム層の少なくとも表面部分のゴムの分子構造中に水酸基が導入される。
【0090】
なお、上記第1工程において、水を含む処理液を用いた場合には、第1工程においても、ゴムの分子構造中に水酸基が幾らか導入されると推測される。何れにせよ、本製造方法によれば、ゴム層の少なくとも表面部分のゴムの分子構造中に、水に由来する水酸基が導入される。
【実施例】
【0091】
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
【0092】
(ゴム組成物の調製)
ブタジエンゴム(BR)(日本ゼオン(株)製、「ニポールBR1220」)100重量部と、ステアリン酸(花王(株)製、「ルナックS−30」)0.5重量部と、カーボンブラック(キャボット・ジャパン(株)製、「ショウブラックN220」)40重量部と、酸化亜鉛(ZnO)5重量部と、スルフェンアミド系加硫促進剤(大内新興化学(株)製、「ノクセラーCZ−G」)1重量部と、ジオカルバミン酸塩系加硫促進剤(大内新興化学(株)製、「ノクセラーBZ−P」)0.5重量部と、粉末硫黄1重量部とを、ニーダーでゴム練りすることにより、ゴム組成物<1>を調製した。
【0093】
上記ゴム組成物<1>の調製において、ブタジエンゴム(BR)に代えてニトリルゴム(NBR)(日本ゼオン(株)製、「ニポールDN401」)を用いた点、カーボンブラック20重量部に代えてイオン導電剤(ライオン(株)製、「TBAHS」)3重量部を用いた点以外は同様にして、ゴム組成物<2>を調製した。
【0094】
エピクロロヒドリンゴム(ECO)(ダイソー(株)製、「エピクロマーCG102」)100重量部と、上記ステアリン酸1重量部と、上記イオン導電剤1重量部と、2−メルカプトイミダゾリン(加硫剤)(川口化学工業(株)製、「アクセル22S」)2重量部と、受酸剤(協和化学工業(株)製、「DHT−4A」)5重量部とを、ニーダーでゴム練りすることにより、ゴム組成物<3>を調製した。
【0095】
(処理液の作製)
(A)化合物である次亜塩素酸tert−ブチル(東京化成工業(株)製)5gと、(B)化合物であるBFを含む、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル(BFを48wt%含有、関東化学(株)製)10gとを、メチルエチルケトン100gに溶解させることにより、処理液<1>を作製した。なお、処理液<1>における(A)次亜塩素酸tert−ブチルの濃度は4.3wt%、(B)BFの濃度は4.3wt%、(A)/(B)(重量比)は1である。
【0096】
上記処理液<1>の作製において、次亜塩素酸tert−ブチル0.1g、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル20gとした以外は同様にして、処理液<2>を作製した。なお、処理液<2>における(A)次亜塩素酸tert−ブチルの濃度は0.08wt%、(B)BFの濃度は8.3wt%、(A)/(B)(重量比)は0.01である。
【0097】
上記処理液<1>の作製において、次亜塩素酸tert−ブチル9g、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル2gとした以外は同様にして、処理液<3>を作製した。なお、処理液<3>における(A)次亜塩素酸tert−ブチルの濃度は8wt%、(B)BFの濃度は0.9wt%、(A)/(B)(重量比)は9である。
【0098】
上記処理液<1>の作製において、次亜塩素酸tert−ブチル5g、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル10gとし、メチルエチルケトン100gを用いなかった以外は同様にして、処理液<4>を作製した。なお、処理液<4>における(A)次亜塩素酸tert−ブチルの濃度は33wt%、(B)BFの濃度は33wt%、(A)/(B)(重量比)は1である。
【0099】
上記処理液<1>の作製において、メチルエチルケトン1000gとした以外は同様にして、処理液<5>を作製した。なお、処理液<5>における(A)次亜塩素酸tert−ブチルの濃度は0.05wt%、(B)BFの濃度は0.05wt%、(A)/(B)(重量比)は1である。
【0100】
上記処理液<1>の作製において、次亜塩素酸tert−ブチル5gに代えて、トリクロロイソシアヌール酸(東京化成工業(株)製)5gを用いた以外は同様にして、処理液<6>を作製した。なお、処理液<6>における(A)トリクロロイソシアヌール酸の濃度は4.3wt%、(B)BFの濃度は4.3wt%、(A)/(B)(重量比)は1である。
【0101】
エタノール95体積%と水5体積%からなる混合溶剤100mLに、酢酸2滴を添加した後、この混合溶剤に、下記化3で表されるフルオロアルキル基含有化合物を添加し、当該フルオロアルキル基含有化合物の濃度が1質量%である比較処理液<1>を作製した。
【0102】
【化3】

【0103】
上記処理液<1>の作製において、次亜塩素酸tert−ブチル5gに代えて、上記トリクロロイソシアヌール酸5gを用い、上記三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル10gを用いなかった以外は同様にして、比較処理液<2>を作製した。なお、比較処理液<2>における(A)トリクロロイソシアヌール酸の濃度は5wt%、(B)BFの濃度は0wt%である。
【0104】
(帯電ロールの作製)
(実施例1)
接着剤を塗布した金属製シャフト(直径6mm)を金型内にセットした後、上記ゴム組成物<1>を金型内に射出し、160℃で30分加熱し硬化させた後、脱型した。以上により、導電性シャフトの外周に、不飽和結合を有するゴムを含むゴム層(厚み4mm)を1層有するロール体を準備した。
【0105】
次いで、上記ロール体のゴム層の表面に、大気雰囲気中、25℃の条件下にて、上記処理液<1>を60秒間接触させた。この際、当該接触は、上記ロール体を上記処理液<1>中に浸漬することにより行った。
【0106】
次いで、処理液<1>を接触させたロール体の表面を、水に30秒間浸漬することにより水洗した。
【0107】
以上により、実施例1に係る帯電ロールを作製した。
【0108】
(実施例2)
上記実施例1において、上記ゴム組成物<1>に代えて上記ゴム組成物<2>を用いた点以外は同様にして、実施例2に係る帯電ロールを作製した。
【0109】
(実施例3)
上記ゴム組成物<1>に代えて上記ゴム組成物<3>を用いた点以外は同様にして、実施例3に係る帯電ロールを作製した。
【0110】
(実施例4)
上記実施例1において、上記ゴム組成物<1>に代えて上記ゴム組成物<2>を用いた点、上記処理液<1>に代えて上記処理液<2>を用いた点以外は同様にして、実施例4に係る帯電ロールを作製した。
【0111】
(実施例5)
上記実施例1において、上記ゴム組成物<1>に代えて上記ゴム組成物<2>を用いた点、上記処理液<1>に代えて上記処理液<3>を用いた点以外は同様にして、実施例5に係る帯電ロールを作製した。
【0112】
(実施例6)
上記実施例1において、上記ゴム組成物<1>に代えて上記ゴム組成物<2>を用いた点、上記処理液<1>に代えて上記処理液<4>を用いた点以外は同様にして、実施例6に係る帯電ロールを作製した。
【0113】
(実施例7)
上記実施例1において、上記ゴム組成物<1>に代えて上記ゴム組成物<2>を用いた点、上記処理液<1>に代えて上記処理液<5>を用いた点以外は同様にして、実施例7に係る帯電ロールを作製した。
【0114】
(実施例8)
上記実施例1において、上記ゴム組成物<1>に代えて上記ゴム組成物<2>を用いた点、上記処理液<1>に代えて上記処理液<6>を用いた点以外は同様にして、実施例8に係る帯電ロールを作製した。
【0115】
(実施例9)
上記実施例1において、上記ゴム組成物<1>に代えて上記ゴム組成物<3>を用いた点、導電性シャフトの外周にゴム層を1層形成した後、さらにニトリルゴム(NBR)塗料を塗布し、これを160℃で30秒間架橋した後、フッ化処理することにより、下層のゴム層の外周にさらに被膜状のゴム層(ゴム塗膜層)(厚み100μm)を形成したロール体を準備した点以外は同様にして、実施例9に係る帯電ロールを作製した。
【0116】
なお、上記ゴム塗料は、上記ゴム組成物<2>100gを、メチルエチルケトン300gに溶解して作製したものである。
【0117】
(比較例1)
上記実施例1において、上記ゴム組成物<1>に代えて上記ゴム組成物<2>を用いた点、ゴム層表面に処理液<1>を接触させなかった点、ゴム層表面を水洗しなかった点以外は同様にして、比較例1に係る帯電ロールを作製した。
【0118】
(比較例2)
上記実施例1において、上記ゴム組成物<1>に代えて上記ゴム組成物<2>を用いた点、実施例9と同様にして、ゴム層の外周にさらに被膜状のゴム層形成したロール体を準備した点、ゴム層表面に処理液<1>を接触させなかった点、ゴム層表面を水洗しなかった点以外は同様にして、比較例2に係る帯電ロールを作製した。
【0119】
(比較例3)
上記実施例1において、上記ゴム組成物<1>に代えて上記ゴム組成物<2>を用いた点、導電性シャフトの外周にゴム層を1層形成した後、さらに、アクリル樹脂(住友化学(株)製、「LG6A」)100重量部に対して、塗料用カーボン(三菱化学(株)製、「MA100」)20重量部と、アクリル粒子(根上工業(株)製、「アートパールG−800」)15重量部とを含む樹脂組成物を、メチルエチルケトンを用いて20wt%に希釈分散し、この液を塗布することにより、下層のゴム層の外周に被膜状の樹脂層(厚み30μm)を形成したロール体を準備した点以外は同様にして、比較例2に係る帯電ロールを作製した。なお、ロール表面が樹脂層であるので、比較例3に係る帯電ロールは、上記処理液<1>との接触および水洗を行っていない。
【0120】
(比較例4)
上記実施例1において、上記ゴム組成物<1>に代えて上記ゴム組成物<2>を用いた点、導電性シャフトの外周にゴム層を1層形成した後、さらに、フッ素樹脂(ダイキン工業(株)製、「ダイエルラテックスGL152」)100重量部に対して、上記塗料用カーボン20重量部と、シリカ粒子(東ソー・シリカ(株)製、「ニップジェルAZ−800」)35重量部とを含む樹脂組成物を、メチルエチルケトンを用いて20wt%に希釈分散し、この液を塗布することにより、下層のゴム層の外周に被膜状の樹脂層(厚み30μm)を形成したロール体を準備した点以外は同様にして、比較例4に係る帯電ロールを作製した。なお、ロール表面が樹脂層であるので、比較例4に係る帯電ロールは、上記処理液<1>との接触および水洗を行っていない。
【0121】
(比較例5)
上記実施例1において、上記ゴム組成物<1>に代えて上記ゴム組成物<2>を用いた点、上記処理液<1>に代えて比較処理液<1>を用いた以外は同様にして、比較例5に係る帯電ロールを作製した。
【0122】
(比較例6)
上記実施例1において、上記ゴム組成物<1>に代えて上記ゴム組成物<2>を用いた点、上記処理液<1>に代えて比較処理液<2>を用いた以外は同様にして、比較例6に係る帯電ロールを作製した。
【0123】
(実施例に係る帯電ロールのゴム層表面のゴム構造)
上記作製した実施例に係る帯電ロールについて、そのゴム層表面のゴム構造を、XPSおよびNMRを用いて調査した。その結果、何れの実施例についても、ゴム層の表面部分のゴムが、上記化1および化2(但し、XはCl)の構造を有していることが確認された。
【0124】
(各帯電ロールの評価)
実施例および比較例に係る各帯電ロールについて、以下の3項目について評価を行った。
【0125】
1.ロール表面硬度
参考データとして、各帯電ロールの表面硬度を、MD−1硬度計(高分子計器(株)製、「マイクロゴム硬度計MD−1型」)により測定(N=3)した。
【0126】
2.濃度むら
各帯電ロールを、市販のカラーレーザープリンター(キヤノン(株)製、「LBP−2510」)に組み込み、20℃×50%RHの環境下で画像出しを行った後、複写画質の評価を行った。この際、ハーフトーン画像での濃度むらがなく、細線のとぎれや色むら、スジ画像がなかったものを合格とし、濃度むらが生じたものを不合格とした。
【0127】
3.耐久評価後の外添剤の付着性
上記2.と同様の条件にて、画像出しを通紙1000枚(A4サイズ)行い、その後のローラ外観を確認した。すなわち、このような耐久評価を行うと、トナーから外れたシリカなどの外添剤がロール表面に付着してくる現象が生じてくる。
【0128】
ここでは、耐久評価後に、ロール表面上に白粉がほとんどのらず、画像の乱れがなかった場合、または、ロール表面上に白粉が僅かに付着するものの、画像の乱れがなかった場合を合格とした。一方、耐久評価後に、ロール表面上に白粉が付着しており、画像にその付着むらが生じた場合を不合格とした。
【0129】
以下、これら評価結果をまとめたものを表1に示す。
【0130】
【表1】

【0131】
表1によれば、次のことが分かる。すなわち、比較例1から6に係る帯電ロールは、何れも、ロール表面が硬かったり、画像不具合が生じたり、長期に亘って十分な離型性を確保することができていないことが分かる。
【0132】
これらに対し、実施例1〜9に係る帯電ロールは、何れも、ロール表面が柔軟であり、かつ、離型性に優れる構造を有することで、画像不具合が生じ難く、長期に亘って十分な離型性を確保することができていることが分かる。
【0133】
また、実施例1〜9に係る帯電ロールは、樹脂層を有していないので、樹脂層の剥離や割れなどに起因する画質不具合が生じ難いといえる。また、樹脂層を有する比較例3、4に係る帯電ロールに比較して、除電、放電の繰り返しスピードが速くなり、電荷付与性能やトナーへの帯電性能の向上も期待できる。
【0134】
また、これら実施例1〜9に係る帯電ロールは、ロール最外周に位置するゴム層の表面に、特定の化合物を含む処理液を接触させ、水洗するなどといった、極めて簡単な工程を経れば得ることができる。
【0135】
したがって、上記実施例に係る帯電ロールの製造方法によれば、上記効果を奏する各帯電ロールを、従来に比較して簡易に製造することができると言える。
【0136】
以上、本発明の実施形態、実施例について説明したが、本発明は上記実施形態、実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール最外周に、不飽和結合を有するゴムを含むゴム層を備え、前記ゴム層の少なくとも表面部分のゴムが、下記化1および化2の構造を有することを特徴とする電子写真機器用ロール。
【化1】

【化2】

【請求項2】
ロール最外周に位置し、不飽和結合を有するゴムを含むゴム層の表面に、
(A)X(OX(但し、式中、Xは水素原子、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素またはアルキル基、Xはハロゲン原子、nはXの価数と同一の整数を表す。)、および、分子中に−CONX−結合を有する化合物(但し、Xは、ハロゲン原子)から選択される1種または2種以上と、
(B)BFと、
を接触させる第1工程と、
前記第1工程を経た前記ゴム層の表面を、水を含む液体で洗い流す第2工程とを有することを特徴とする電子写真機器用ロールの製造方法。
【請求項3】
前記第1工程は、前記ゴム層の表面に、前記(A)と(B)とを含有する処理液を接触させることによることを特徴とする請求項2に記載の電子写真機器用ロールの製造方法。

【公開番号】特開2007−256709(P2007−256709A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−82069(P2006−82069)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(000219602)東海ゴム工業株式会社 (1,983)
【Fターム(参考)】