説明

電子写真現像剤用キャリア芯材、電子写真現像剤用キャリア、および電子写真現像剤

【課題】高画質および長寿命化を実現しながら、キャリア飛散をより確実に低減することができる電子写真現像剤用キャリア芯材を提供する。
【解決手段】電子写真現像剤用キャリア芯材は、体積粒径分布における中心粒径の値が、30μm以上40μm以下の範囲にあり、体積粒径分布における粒径22μm以下のものの割合が、1.0%以上2.0%以下であり、個数粒径分布における粒径の値が22μm以下のものの割合が、10%以下であり、外部磁場が1000Oeである場合における磁化の値が、50emu/g以上75emu/g以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子写真現像剤用キャリア芯材(以下、単に「キャリア芯材」ということもある)、電子写真現像剤用キャリア(以下、単に「キャリア」ということもある)、および電子写真現像剤(以下、単に「現像剤」ということもある)に関するものであり、特に、複写機やMFP(Multifunctional Printer)等に用いられる電子写真現像剤、このような電子写真現像剤に備えられる電子写真現像剤用キャリア芯材、および電子写真現像剤用キャリアに関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機やMFP等においては、電子写真における乾式の現像方式として、トナーのみを現像剤の成分とする一成分系現像剤と、トナーおよびキャリアを現像剤の成分とする二成分系現像剤とがある。いずれの現像方式においても、所定の電荷量に帯電させたトナーを感光体に供給する。そして、感光体上に形成された静電潜像をトナーによって可視化し、これを用紙に転写する。その後、トナーによる可視画像を用紙に定着させ、所望の画像を得る。
【0003】
ここで、二成分系現像剤における現像について、簡単に説明する。現像器内には、所定量のトナーおよび所定量のキャリアが収容されている。現像器には、S極とN極とが周方向に交互に複数設けられた回転可能なマグネットローラおよびトナーとキャリアとを現像器内で攪拌混合する攪拌ローラが備えられている。磁性粉から構成されるキャリアは、マグネットローラによって担持される。このマグネットローラの磁力により、キャリア粒子による直鎖状の穂とも呼ばれる磁気ブラシが形成される。キャリア粒子の表面には、攪拌による摩擦帯電により複数のトナー粒子が付着している。マグネットローラの回転により、この磁気ブラシを感光体に当てるようにして、感光体の表面にトナーを供給する。二成分系現像剤においては、このようにして現像を行なう。
【0004】
昨今において、上記したキャリアは、そのコア、すなわち、核となる部分を構成するキャリア芯材と、このキャリア芯材の表面を被覆するようにして設けられるコーティング樹脂とから構成されているのが主流である。二成分系現像剤の構成材料であるキャリアには、攪拌による摩擦帯電により効率的にトナーを帯電させるトナー帯電機能、感光体にトナーを適切に搬送して供給するトナー搬送能力、およびトナーを感光体に移動させた後のキャリア表面の残留電荷を速やかにリークさせる電荷移動速度等、種々の機能が求められる。
【0005】
キャリアは、現像器内において、上記したようにマグネットローラに磁力で担持されている。このような使用状況下において、キャリアのマグネットローラに対する保持力が弱まると、いわゆるキャリア飛散、すなわち、感光体側にキャリアが飛散し、結果的に画像を形成した用紙上にキャリアが付着するという問題が生ずるおそれがある。
【0006】
ここで、このようなキャリア飛散に関する技術が、特開2002−296846号公報(特許文献1)、および特開2008−191322号公報(特許文献2)に開示されている。
【0007】
特許文献1によると、電子写真現像剤用キャリアは、球状磁性キャリア芯材の体積平均粒径を25〜45μm、キャリア粒子の平均空隙径が10〜22μm、体積粒度分布測定による粒径22μm以下が1%未満、磁場1KOeにおける磁化が67〜88emu/g、飛散物と本体との磁化の差が1KOeにおいて10emu/g以下であることとしている。このようにキャリアを構成することにより、磁気ブラシの穂が硬くなることによる画質の低下を防止し、併せてキャリア飛散も防止することとしている。
【0008】
また、特許文献2に開示の二成分系電子写真現像剤用キャリアは、磁気ブラシの柔らかさを向上し、結果としてキャリア付着の問題を軽減し、併せて、画質の階調性も良好なものとするために、キャリア粒子の体積平均粒径が15μm以上、40μm以下であり、且つ、当該キャリア粒子において22μmより小さい粒径を含有するキャリア粒子の割合が当該キャリア粒子全体の1.0%以上あり、且つ、当該キャリア粒子の流動度が30sec/50g以上、40sec/50g以下であり、且つ、当該キャリア粒子の見掛密度が2.20g/cm以上、2.50g/cm以下となるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−296846号公報
【特許文献2】特開2008−191322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記した特許文献2においては、キャリア粒子の構成を上述のようにすることにより、キャリア付着の問題の軽減および画質の階調性の向上を図ることができるとある。
【0011】
ここで、昨今の複写機やプリンターのような複合機においては、より高画質の要求が高まっていると共に、長寿命化や高速化の要求もある。そして、複合機において画像を形成する際に用いられる現像剤についても、当然そのような要求に対応する特性が求められる。すなわち、さらなる高画質化に加え、長寿命化、および高速での現像時におけるキャリア飛散の抑制といった特性が求められる。そうすると、特許文献2に規定する要件を具備するのみのキャリアを含有する現像剤においては、対応できないおそれもある。
【0012】
この発明の目的は、高画質および長寿命化を実現しながら、キャリア飛散をより確実に低減することができる電子写真現像剤用キャリア芯材を提供することである。
【0013】
この発明の他の目的は、高画質および長寿命化を実現しながら、キャリア飛散をより確実に低減することができる電子写真現像剤用キャリアを提供することである。
【0014】
この発明のさらに他の目的は、高画質および長寿命化を実現しながら、キャリア飛散をより確実に低減することができる電子写真現像剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本願発明者らは、昨今の現像の高速化や長寿命化等が要求される複合機に用いられる現像剤に含有されるキャリアにおいて、上記した特許文献2に規定する要件を具備するのみでは不十分であると考えた。すなわち、例えば、高速機においては、単位時間当たりの現像剤を供給する量が多くなり、より現像ローラの回転数が上がることとなる。また、昨今では、形成される画像の高画質化の要求に応えるため、トナー粒子の粒径を小さくする傾向にあり、これに対応して、キャリア粒子の粒径も小さくする傾向にある。また、1万枚や2万枚を超えるような画像形成を行うと、キャリアの特性自体が劣ってくる。そうすると、従来ではキャリア飛散が発生していなかったものが、高速での現像によりキャリア飛散が発生するおそれがあると考えた。
【0016】
ここで、キャリアについて考えると、キャリア粒子は、ある程度の幅を有する粒度分布を備えたものである。そして、上記した特許文献2については、体積粒径分布において22μm以下のものの割合を所定の範囲内、具体的には、1.0%以上として、磁気ブラシの柔らかさを実現し、キャリア飛散を抑制しようとするものである。
【0017】
しかし、本願発明者らは、例えば、高速での現像時や長期間の現像後においては、極微小な粒径のキャリア粒子の数が多ければ、体積粒径分布22μm以下のキャリア粒子の割合が所定の範囲内であっても、キャリア飛散が発生するおそれがあるという考えに至った。そして、本願発明者らは、体積粒径分布22μm以下のものの割合が所定の範囲内にあることのみならず、極微小な粒径のキャリア粒子の個数についても、所定の範囲内に規定する必要があると考えた。
【0018】
すなわち、この発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯材は、一般式:MFe3−x(0≦x≦1、ただし、Mは、Mg、Mn、Ca、Ti、Cu、Zn、Sr、Niからなる群から選択される少なくとも一種の金属)で表されるコア組成を主成分とする電子写真現像剤用キャリア芯材であって、体積粒径分布における中心粒径の値が、30μm以上40μm以下の範囲にあり、体積粒径分布における粒径22μm以下のものの割合が、1.0%以上2.0%以下であり、個数粒径分布における粒径の値が22μm以下のものの割合が、10%以下であり、外部磁場が1000Oeである場合における磁化の値が、50emu/g以上75emu/g以下である。
【0019】
本願発明者らは、昨今要求される高速での現像時や長期間使用時における高画質を実現するために、まずキャリア芯材の体積粒径分布における中心粒径の値を30μm以上40μm以下とし、体積粒径分布における中心粒径の値の適正化を図った。さらに、キャリアによって形成される磁気ブラシの柔らかさを向上すると共に、高速の現像時におけるキャリア飛散や長期間使用した後のキャリア飛散の抑制を考慮し、かつ、磁気的特性の適正化を図るために、ある程度の体積粒径分布の幅を有するキャリア芯材の粒度分布において、体積粒径分布における粒径22μm以下のものの割合を、1.0%以上2.0%以下とし、個数粒径分布における粒径の値が22μm以下のものの割合を、10%以下とし、外部磁場が1000Oeである場合における磁化の値を50emu/g以上75emu/g以下とした。このような構成によれば、高画質および長寿命化を実現しながら、キャリア飛散をより確実に低減することができる。
【0020】
好ましくは、個数粒径分布における粒径の値が22μm以下のものの割合が、8.0%以下である。
【0021】
さらに好ましくは、個数粒径分布における粒径の値が22μm以下のものの割合が、3.0%以上である。
【0022】
さらに好ましくは、体積粒径分布における粒径22μm以下のものの割合が、1.0%以上1.5%以下である。
【0023】
この発明の他の局面においては、電子写真現像剤用キャリアは、電子写真の現像剤に用いられる電子写真現像剤用キャリアであって、一般式:MFe3−x(0≦x≦1、ただし、Mは、Mg、Mn、Ca、Ti、Cu、Zn、Sr、Niからなる群から選択される少なくとも一種の金属)で表されるコア組成を主成分とし、体積粒径分布における中心粒径の値が、30μm以上40μm以下の範囲にあり、体積粒径分布における粒径22μm以下のものの割合が、1.0%以上2.0%以下であり、個数粒径分布における粒径の値が22μm以下のものの割合が、10%以下であり、外部磁場が1000Oeである場合における磁化の値が、50emu/g以上75emu/g以下である電子写真現像剤用キャリア芯材と、電子写真現像剤用キャリア芯材の表面を被覆する樹脂とを備える。
【0024】
この発明のさらに他の局面においては、電子写真現像剤は、電子写真の現像に用いられる電子写真現像剤であって、一般式:MFe3−x(0≦x≦1、ただし、Mは、Mg、Mn、Ca、Ti、Cu、Zn、Sr、Niからなる群から選択される少なくとも一種の金属)で表されるコア組成を主成分とし、体積粒径分布における中心粒径の値が、30μm以上40μm以下の範囲にあり、体積粒径分布における粒径22μm以下のものの割合が、1.0%以上2.0%以下であり、個数粒径分布における粒径の値が22μm以下のものの割合が、10%以下であり、外部磁場が1000Oeである場合における磁化の値が、50emu/g以上75emu/g以下である電子写真現像剤用キャリア芯材、および電子写真現像剤用キャリア芯材の表面を被覆する樹脂を備える電子写真現像剤用キャリアと、電子写真現像剤用キャリアとの摩擦帯電により電子写真における帯電が可能なトナーとを備える。
【発明の効果】
【0025】
このような電子写真現像剤用キャリア芯材、電子写真現像剤用キャリア、および電子写真現像剤によると、高画質および長寿命化を実現しながら、キャリア飛散をより確実に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】この発明の一実施形態に係るキャリア芯材を製造する場合における代表的な工程を示すフローチャートである。
【図2】キャリア芯材の粒度分布を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、この発明の一実施形態に係るキャリア芯材について説明する。この発明の一実施形態に係るキャリア芯材については、その外形形状が、略球形状である。この発明の一実施形態に係るキャリア芯材の粒径および粒度分布については、後述する。キャリア芯材の表面には、主に後述する焼成工程で形成される微小の凹凸が形成されている。
【0028】
この発明の一実施形態に係るキャリアについても、キャリア芯材と同様に、その外形形状が、略球形状である。キャリアは、キャリア芯材の表面に薄く樹脂をコーティング、すなわち被覆したものであり、その粒径についても、キャリア芯材とほとんど変化は無い。キャリアの表面については、キャリア芯材と異なり、樹脂でほぼ完全に被覆されている。
【0029】
この発明の一実施形態に係る現像剤は、上記したキャリアと、トナーとから構成されている。トナーの外形形状についても、略球形状である。トナーは、スチレンアクリル系樹脂やポリエステル系樹脂を主成分とするものであり、所定量の顔料やワックス等が配合されている。このようなトナーは、例えば、粉砕法や重合法によって製造される。トナーの粒径は、例えば、キャリアの粒径の7分の1程度のものが使用される。また、トナーとキャリアの配合比についても、要求される現像剤の特性等に応じて、任意に設定される。このような現像剤は、所定量のキャリアとトナーとを適当な混合器で混合することにより製造される。
【0030】
次に、この発明の一実施形態に係るキャリア芯材を製造する製造方法について説明する。図1は、この発明の一実施形態に係るキャリア芯材を製造する製造方法において、代表的な工程を示すフローチャートである。以下、図1に沿って、この発明の一実施形態に係るキャリア芯材の製造方法について説明する。
【0031】
ここでは、まず、鉄を含む原料と、マンガンを含む原料とを準備する。そして、準備した原料を、要求される特性に応じて、適当な配合比で配合し、これを混合する(図1(A))。ここで、適当な配合比とは、最終的に得られるキャリア芯材が、含有するような配合比である。
【0032】
この発明の一実施形態に係るキャリア芯材を構成する鉄を含む原料については、金属鉄またはその酸化物であればよい。具体的には、常温常圧下で安定に存在するFeやFe、Feなどが好適に用いられる。また、マンガンを含む原料については、金属マンガンまたはその酸化物であればよい。具体的には、常温常圧下で安定に存在する金属Mn、MnO、Mn、Mn、MnCOが好適に使用される。なお、上記原料(鉄原料、マンガン原料等)をそれぞれ、若しくは目的の組成になるように混合した原料を仮焼して粉砕し原料として用いても良い。ここで、キャリア芯材については、一般式:MFe3−x(0≦x≦1、ただし、Mは、Mg、Mn、Ca、Ti、Cu、Zn、Sr、Niからなる群から選択される少なくとも一種の金属)で表されるコア組成を主成分とするように構成してもよい。
【0033】
次に、混合した原料のスラリー化を行なう(図1(B))。すなわち、これらの原料を、キャリア芯材の狙いとする組成に合わせて秤量し、混合してスラリー原料とする。
【0034】
この発明に係るキャリア芯材を製造する際の製造工程においては、後述する焼成工程の一部において、還元反応を進めるため、上述したスラリー原料へ、さらに還元剤を添加してもよい。還元剤としては、カーボン粉末やポリカルボン酸系有機物、ポリアクリル酸系有機物、マレイン酸、酢酸、ポリビニルアルコール(PVA(polyvinyl alcohol))系有機物、及びそれらの混合物が好適に用いられる。
【0035】
上述したスラリー原料に水を加え混合攪拌して、固形分濃度を40重量%以上、好ましくは50重量%以上とする。スラリー原料の固形分濃度が50重量%以上であれば、造粒ペレットの強度を保つことができるので好ましい。
【0036】
次に、スラリー化した原料について、造粒を行なう(図1(C))。上記混合攪拌して得られたスラリーの造粒は、噴霧乾燥機を用いて行なう。なお、スラリーに対し、造粒前に、さらに湿式粉砕を施すことも好ましい。
【0037】
噴霧乾燥時の雰囲気温度は100〜300℃程度とすればよい。これにより、概ね、粒子径が10〜200μmの造粒粉を得ることができる。得られた造粒粉は製品の最終的な粒径等を考慮し、振動ふるい等を用いて、粗大粒子や微粉を除去し、この時点で粒度調整することが望ましい。
【0038】
その後、造粒した造粒物について、焼成を行なう(図1(D))。具体的には、得られた造粒粉を、900〜1500℃程度に加熱した炉に投入し、1〜24時間保持して焼成し、目的とする焼成物を生成させる。このとき、焼成炉内の酸素濃度は、フェライト化の反応が進む条件であればよく、具体的には、1200℃の場合、10−7%以上3%以下となるよう導入ガスの酸素濃度を調整し、フロー状態下で焼成を行う。
【0039】
また、先の還元剤の調整により、フェライト化に必要な還元雰囲気を制御してもよい。もっとも、工業化時に十分な生産性を確保できる反応速度を得る観点からは、900℃以上の温度が好ましい。一方、焼成温度が1500℃以下であれば、粒子同士の過剰焼結が起こらず、粉体の形態で焼成物を得ることができる。
【0040】
ここで、コア組成中の酸素量を過剰気味にしてもよい。具体的には、コア組成中の酸素量を過剰気味にする一つの手段として、焼成工程における冷却時の酸素濃度を所定の量以上とすることが考えられる。すなわち、焼成工程において、室温程度まで冷却を行なう際に、酸素濃度を所定の濃度、具体的には、0.03%よりも多くした雰囲気下で冷却を行なうようにしてもよい。具体的には、電気炉内に導入する導入ガスの酸素濃度を0.03%よりも多くし、フロー状態下で行なう。このように構成することにより、キャリア芯材の内部層において、フェライト中の酸素量を過剰に存在させることができる。ここで、0.03%以下とすると、内部層における酸素の含有量が、相対的に少なくなる。したがって、ここでは、上記酸素濃度の環境下で、冷却を行なう。
【0041】
得られた焼成物は、さらにこの段階でおおよその粒度調整をすることが望ましい。例えば、焼成物をハンマーミル等で粗解粒する。すなわち、焼成を行った粒状物について、解粒を行なう(図1(E))。その後、振動ふるいなどで分級を行なう。すなわち、解粒した粒状物について、分級を行なう(図1(F))。こうすることにより、後の工程において、所望の粒径等を有するキャリア芯材の粒子を得やすくなる。
【0042】
次に、分級した粒状物について、酸化を行う(図1(G))。すなわち、この段階で得られたキャリア芯材の粒子表面を熱処理(酸化処理)する。そして、粒子の絶縁破壊電圧を250V以上に上げ、電気抵抗率を適切な電気抵抗率である1×10〜1×1013Ω・cmとする。酸化処理でキャリア芯材の電気抵抗率を上げることにより、電荷のリークによるキャリア飛散のおそれを低減することができる。
【0043】
具体的には、酸素濃度10〜100%の雰囲気下において、200〜700℃で0.1〜24時間保持して、酸化処理を行ったキャリア芯材を得る。より好ましくは、250〜600℃で0.5〜20時間、さらに好ましくは、300〜550℃で1時間〜12時間である。なお、このような酸化処理工程については、必要に応じて任意に行なわれるものである。
【0044】
次に、このようにして酸化処理が行われたキャリア芯材について、体積粒径分布における中心粒径の値が、30μm以上40μm以下の範囲にあり、体積粒径分布における粒径22μm以下のものの割合が、1.0%以上2.0%以下であり、個数粒径分布における粒径の値が22μm以下のものの割合が、10%以下であり、外部磁場が1000Oeである場合における磁化の値が、50emu/g以上75emu/g以下となるように、振動篩等を用いて中心粒径等を調整する(図1(H))。
【0045】
具体的には、異なる目開きの篩を複数用いて、数度の篩作業を行い、体積粒径分布における中心粒径の値や外部磁場が1000Oeである場合における磁化の値等が上記範囲内にあるキャリア芯材を得た。
【0046】
このようにして、この発明の一実施形態に係るキャリア芯材を得た。すなわち、この発明の一実施形態に係る電子写真現像剤用キャリア芯材は、一般式:MFe3−x(0≦x≦1、ただし、Mは、Mg、Mn、Ca、Ti、Cu、Zn、Sr、Niからなる群から選択される少なくとも一種の金属)で表されるコア組成を主成分とする粒子状の電子写真現像剤用キャリア芯材であって、体積粒径分布における中心粒径の値が、30μm以上40μm以下の範囲にあり、体積粒径分布における粒径22μm以下のものの割合が、1.0%以上2.0%以下であり、個数粒径分布における粒径の値が22μm以下のものの割合が、10%以下であり、外部磁場が1000Oeである場合における磁化の値が、50emu/g以上75emu/g以下である。このような電子写真現像剤用キャリア芯材によると、高画質および長寿命化を実現しながら、キャリア飛散をより確実に低減することができる。
【0047】
これについて、簡単に説明する。図2は、2つのパターンにおけるキャリア芯材の体積粒径分布を示すグラフである。図2において、縦軸は、体積粒径分布における割合(%)を示し、横軸は、体積粒径(μm)を示す。
【0048】
図2を参照して、一点鎖線11で示すキャリア芯材の体積粒径分布と、二点鎖線12で示すキャリア芯材の体積粒径分布とは、体積粒径分布における中心粒径の値Aが、同じである。そして、体積粒径分布における小粒径側の値Aにおける割合Bについても、同じである。しかし、小粒径側の値A以下の領域において、各キャリア芯材におけるその面積が異なる。これは、いわゆる小粒径側の値Aよりも小さいキャリア芯材の粒子の個数が異なることを表す。ここでは、二点鎖線12で示すキャリア芯材における個数の方が、一点鎖線11で示すキャリア芯材における個数よりも多いことを示す。このような小粒径側の値Aよりも小さいキャリア芯材の粒子の個数が多いキャリア芯材を備えるキャリアについては、磁気ブラシを構成するキャリア粒子群において、高速での現像時にマグネットローラへの担持力が十分ではない極微小な粒径のキャリア粒子の個数がやや多くなる。そうすると、高速での現像時等において、キャリア飛散が発生することになる。このような現象を抑制するために、体積粒径分布における範囲を規定するに加え、個数粒径分布における範囲を規定することにより、キャリア飛散を抑制できると推察できる。
【0049】
次に、このようにして得られたキャリア芯材に対して、樹脂により被覆を行なう(図1(I))。具体的には、得られたこの発明に係るキャリア芯材をシリコーン系樹脂やアクリル樹脂等で被覆する。このようにして。この発明の一実施形態に係る電子写真現像剤用キャリアを得る。シリコーン系樹脂やアクリル樹脂等の被覆方法は、公知の手法により行うことができる。すなわち、この発明の一実施形態に係る電子写真現像剤用キャリアは、電子写真の現像剤に用いられる電子写真現像剤用キャリアであって、上記した電子写真現像剤用キャリア芯材と、電子写真現像剤用キャリア芯材の表面を被覆する樹脂とを備える。このような電子写真現像剤用キャリアによると、上記した構成のキャリア芯材を備えるため、高画質および長寿命化を実現しながら、キャリア飛散をより確実に低減することができる。
【0050】
次に、このようにして得られたキャリアとトナーとを所定量ずつ混合する(図1(J))。具体的には、上記した製造方法で得られたこの発明の一実施形態に係る電子写真現像剤用キャリアと、適宜な公知のトナーとを混合する。このようにして、この発明の一実施形態に係る電子写真現像剤を得ることができる。混合は、例えば、ボールミル等、任意の混合器を用いる。この発明の一実施形態に係る電子写真現像剤は、電子写真の現像に用いられる電子写真現像剤であって、上記した電子写真現像剤用キャリアと、電子写真現像剤用キャリアとの摩擦帯電により電子写真における帯電が可能なトナーとを備える。このような電子写真現像剤は、上記した構成の電子写真現像剤用キャリアを備えるため、高画質および長寿命化を実現しながら、キャリア飛散をより確実に低減することができる。
【0051】
なお、上記の実施の形態においては、個数粒径分布における粒径の値が22μm以下のものの割合が、10%以下であることとしたが、さらには、個数粒径分布における粒径の値が22μm以下のものの割合が、8.0%以下であるよう構成してもよい。こうすることにより、より確実に、高画質および長寿命化を実現しながら、キャリア飛散をより確実に低減することができる。
【0052】
また、上記の実施の形態において、個数粒径分布における粒径の値が22μm以下のものの割合が、3.0%以上であるよう構成してもよい。こうすることにより、磁気ブラシの硬さをある程度の柔らかさに確保でき、さらに、篩の回数の低減や歩留まり向上等を図ることができ、製造時におけるコストダウン等を図ることができる。
【0053】
なお、個数粒径分布における粒径の値については、例えば、26μm以下のものの割合について規定することもできる。具体的には、個数粒径分布における22μm以下のものの割合が10%以下であるものにおおよそ対応するものとして、個数粒径分布における粒径の値が26μm以下のものの割合が、30%以下であるようにする。このように構成することにしてもよい。さらに、同様に、個数粒径分布における22μm以下のものの割合が8.0%以下であるものにおおよそ対応するものとして、個数粒径分布における粒径の値が26μm以下のものの割合が、25%以下であるようにする。このように構成することにしてもよい。
【実施例】
【0054】
Fe(平均粒径:1μm)13.7kg、Mn(平均粒径:1μm)6.5kgを水7.5kg中に分散し、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム系分散剤を135g、還元剤としてカーボンブラックを68g添加して混合物とした。このときの固形分濃度を測定した結果、75重量%であった。この混合物を湿式ボールミル(メディア径2mm)により粉砕処理し、混合スラリーを得た。
【0055】
このスラリーをスプレードライヤーにて約130℃の熱風中に噴霧し、乾燥造粒粉を得た。なお、このとき、目的の粒度分布以外の造粒粉は、ふるいにより除去した。この造粒粉を、電気炉に投入し、1130℃で3時間焼成した。このとき、電気炉内は酸素濃度が0.8%となるよう、雰囲気を調整した電気炉にフローした。得られた焼成物を解粒後にふるいを用いて分級し、平均粒径35μmとした。さらに、得られたキャリア芯材に対して、470℃、大気下で1時間保持することにより酸化処理を施した。そして、振動篩等を用いて中心粒径等を調整し、実施例1に係るキャリア芯材を得た。なお、実施例2〜8、および比較例1〜4については、調整工程までは同様の工程であり、得られたキャリア芯材の磁気的特性および電気的特性を表1に示す。
【0056】
(Mnの分析)
キャリア芯材のMn含有量は、JIS G1311−1987記載のフェロマンガン分析方法(電位差滴定法)に準拠して定量分析を行なった。本願発明に記載したキャリア芯材のMn含有量は、このフェロマンガン分析方法(電位差滴定法)で定量分析し得られたMn量である。
【0057】
なお、体積粒径分布および個数粒径分布の測定については、日機装株式会社製のマイクロトラック、Model9320−X100を用いている。
【0058】
また、表1中の磁気的特性を示す磁化の測定については、VSM(東英工業株式会社製、VSM−P7)を用いて、磁化率を測定した。ここで、表中、「σ1000」とは、外部磁場79.58×10(A/m)(1k(1000)Oe)である場合における磁化である。
【0059】
次に、抵抗の測定について説明する。まず、水平に置かれた絶縁板、例えば、テフロン(登録商標)でコートされたアクリル板の上に、電極として表面を電界研摩した板厚2mmのSUS(JIS)304板2枚を、電極間距離2mmとなるように配置する。この時、2枚の電極板は、その法線方向が水平方向となるようにする。2枚の電極板の間の空隙に被測定粉体200±1mgを装入した後、それぞれの電極板の背後に断面積240mmの磁石を配置して電極間に被測定粉体のブリッジを形成させる。この状態で、電極間に直流電圧で印加し、被測定粉体を流れる電流値を2端子法により測定し、電気抵抗率を算出する。なお、ここでは、日置電機株式会社製の超絶縁計SM−8215を用いている。また、電気抵抗率の算出式は、電気抵抗率(Ω・cm)=実測抵抗値(Ω)×断面積(2.4cm)÷電極間距離(0.2cm)となる。そして、表中の電圧を印加した場合の印加時の抵抗率(Ω・cm)を測定した。なお、使用する磁石は、粉体がブリッジを形成できる限り、種々のものが使用できるが、この実施形態では、表面の磁束密度が1000ガウス以上の永久磁石、例えば、フェライト磁石を使用している。
【0060】
ここで、表中の電気的特性としてのER1000Vについては、2枚の電極板の間に、1000Vの電圧を印加した時の数値を表している。なお、表中において、BDとは、BreakDown(測定不可)であった場合である。
【0061】
ここで、シリコーン樹脂(東レダウコーニング社製SR2411)を、樹脂濃度2.0重量%となるように、溶剤としてのトルエンに希釈し、シリコーン樹脂溶液を調製した。そして、得られたキャリア芯材に対して2.0重量%のシリコーン樹脂溶液にアルミナを添加したコーティング樹脂溶液を、浸漬型コーティング装置へ投入し、加熱した後、240℃で2時間加熱攪拌し、実施例1に係るキャリアを得た。
【0062】
このキャリアと粒径5μm程度のトナーとを、ポットミルを用いて所定時間混合し、実施例1に係る二成分系の電子写真現像剤を得た。この二成分系の電子写真現像剤を用い、デジタル反転現像方式を採用する60枚機を評価機として使用し、キャリア飛散および画質について評価した。実施例2〜8、比較例1〜4についても同様の手法で、実施例2等に係るキャリア、および実施例2等に係る電子写真現像剤を得た。
【0063】
(1)キャリア飛散の評価:
上記した60枚機を評価機として、二成分系の電子写真現像剤に関するキャリア飛散の評価を行った。具体的には、画像上のキャリア飛散(白斑)のレベルを、次の3段階で評価した。結果を表1に示す。
【0064】
◎:A3用紙10枚中に白斑が無いレベルである。
【0065】
○:A3用紙10枚中の各1枚に1〜10個の白斑が有るレベルである。
【0066】
×:A3用紙10枚中の各1枚に11個以上の白斑が有るレベルである。
【0067】
(2)画質:
上記した60枚機を評価機として、二成分系電子写真現像剤に関する画質のレベルを、次の3段階で評価した。結果を表1に示す。
【0068】
◎:試験画像を非常によく再現している。
【0069】
○:試験画像をほぼ再現している。
【0070】
×:試験画像を全く再現していない。
【0071】
【表1】

【0072】
表1を参照して、実施例1〜実施例8に係るキャリア芯材においては、上記した範囲、すなわち、体積粒径分布における中心粒径の値が、30μm以上40μm以下の範囲にあり、体積粒径分布における粒径22μm以下のものの割合が、1.0%以上2.0%以下であり、個数粒径分布における粒径の値が22μm以下のものの割合が、10%以下であり、外部磁場が1000Oeである場合における磁化の値が、50emu/g以上75emu/g以下である。このようなキャリア芯材については、実機特性において、初期および10K(K:1000)枚の耐刷後においても、キャリア飛散はなく、画質も良好である。
【0073】
これに対し、比較例1においては、体積粒径分布における粒径22μm以下のものの割合が、2.21%であって、個数粒径分布における粒径の値が22μm以下のものの割合が、11.68%である。比較例2においては、体積粒径分布における粒径22μm以下のものの割合が、0.95%である。比較例3においては、個数粒径分布における粒径の値が22μm以下のものの割合が、10.76%である。比較例4においては、体積粒径分布における中心粒径の値が、41.10μmであって、外部磁場が1000Oeである場合における磁化の値が、48.3emu/gである。
【0074】
このような比較例1〜比較例4については、実機特性における初期または10K枚の耐刷後において、キャリア飛散および画質の少なくともいずれか一方が問題のあるレベルとなっている。
【0075】
以上より、この発明に係るキャリア芯材、キャリア、および電子写真現像剤によると、高画質および長寿命化を実現しながら、キャリア飛散をより確実に低減することができる。
【0076】
なお、上記の実施の形態において、鉄およびマンガンをキャリア芯材に含まれる原料としたが、さらにマグネシウムやカルシウムを含む構成、すなわち、上述したように、キャリア芯材については、一般式:MFe3−x(0≦x≦1、ただし、Mは、Mg、Mn、Ca、Ti、Cu、Zn、Sr、Niからなる群から選択される少なくとも一種の金属)で表されるコア組成を主成分とするように構成してもよい。
【0077】
その一例として、添加するマグネシウムを含む原料としては、金属マグネシウムまたはその酸化物が好適に用いられる。具体的には、例えば、炭酸塩であるMgCOや、水酸化物であるMg(OH)、酸化物であるMgO等が挙げられる。また、添加する際の具体的な例として、例えば、Fe(平均粒径:1μm)13.7kg、Mn(平均粒径:1μm)6.5kgに加え、MgFe(平均粒径:3μm)2.3kgを水7.5kg中に分散して製造する。なお、マンガン、鉄に加え、マグネシウムを含むキャリア芯材については、外部磁場が1000Oeである場合における磁化の値が、52emu/g〜54emu/g程度となる。
【0078】
なお、Mg、Ca等の含有量の分析については、以下のように行う。
【0079】
(Mg、Caの分析)
キャリア芯材のMg、Ca含有量は、本願発明に係るキャリア芯材を酸溶液中で溶解し、ICPにて定量分析を行う。本願発明に係るキャリア芯材のMg、Ca含有量は、このICPによる定量分析で得られたMg、Ca量となる。
【0080】
また、上記の実施の形態において、酸素量については、キャリア芯材に過剰に含有させるために、焼成工程における冷却時の酸素濃度を所定の濃度よりも高くすることとしたが、これに限らず、例えば、原料混合工程における配合比率を調整して、キャリア芯材に過剰に含有させることとしてもよい。また、冷却する前の工程である焼結反応を進める工程において、冷却工程と同じ雰囲気下で行なうこととしてもよい。
【0081】
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0082】
この発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯材、電子写真現像剤用キャリア、および電子写真現像剤は、高速化、長寿命化および高画質が要求される複写機等に適用される場合に、有効に利用される。
【符号の説明】
【0083】
11,12 線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式:MFe3−x(0≦x≦1、ただし、Mは、Mg、Mn、Ca、Ti、Cu、Zn、Sr、Niからなる群から選択される少なくとも一種の金属)で表されるコア組成を主成分とする電子写真現像剤用キャリア芯材であって、
体積粒径分布における中心粒径の値が、30μm以上40μm以下の範囲にあり、
体積粒径分布における粒径の値が22μm以下のものの割合が、1.0%以上2.0%以下であり、
個数粒径分布における粒径の値が22μm以下のものの割合が、10%以下であり、
外部磁場が1000Oeである場合における磁化の値が、50emu/g以上75emu/g以下である、電子写真現像剤用キャリア芯材。
【請求項2】
前記個数粒径分布における粒径の値が22μm以下のものの割合が、8.0%以下である、請求項1に記載の電子写真現像剤用キャリア芯材。
【請求項3】
前記個数粒径分布における粒径の値が22μm以下のものの割合が、3.0%以上である、請求項1または2に記載の電子写真現像剤用キャリア芯材。
【請求項4】
前記体積粒径分布における粒径の値が22μm以下のものの割合が、1.0%以上1.5%以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア芯材。
【請求項5】
電子写真の現像剤に用いられる電子写真現像剤用キャリアであって、
一般式:MFe3−x(0≦x≦1、ただし、Mは、Mg、Mn、Ca、Ti、Cu、Zn、Sr、Niからなる群から選択される少なくとも一種の金属)で表されるコア組成を主成分とし、体積粒径分布における中心粒径の値が、30μm以上40μm以下の範囲にあり、体積粒径分布における粒径の値が22μm以下のものの割合が、1.0%以上2.0%以下であり、個数粒径分布における粒径の値が22μm以下のものの割合が、10%以下であり、外部磁場が1000Oeである場合における磁化の値が、50emu/g以上75emu/g以下である電子写真現像剤用キャリア芯材と、
前記電子写真現像剤用キャリア芯材の表面を被覆する樹脂とを備える、電子写真現像剤用キャリア。
【請求項6】
電子写真の現像に用いられる電子写真現像剤であって、
一般式:MFe3−x(0≦x≦1、ただし、Mは、Mg、Mn、Ca、Ti、Cu、Zn、Sr、Niからなる群から選択される少なくとも一種の金属)で表されるコア組成を主成分とし、体積粒径分布における中心粒径の値が、30μm以上40μm以下の範囲にあり、体積粒径分布における粒径の値が22μm以下のものの割合が、1.0%以上2.0%以下であり、個数粒径分布における粒径の値が22μm以下のものの割合が、10%以下であり、外部磁場が1000Oeである場合における磁化の値が、50emu/g以上75emu/g以下である電子写真現像剤用キャリア芯材、および前記電子写真現像剤用キャリア芯材の表面を被覆する樹脂を備える電子写真現像剤用キャリアと、
前記電子写真現像剤用キャリアとの摩擦帯電により電子写真における帯電が可能なトナーとを備える、電子写真現像剤。

【図1】
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【図2】
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