説明

電子写真現像剤用キャリア芯材およびその製造方法、電子写真現像剤用キャリア、並びに電子写真現像剤キャリア

【課題】高機械的強度、高帯電特性を発揮する電子写真現像剤用キャリア芯材およびその製造方法、当該キャリア芯材を含むキャリア粉、当該キャリア粉を含む電子写真現像剤を提供する。
【解決手段】Mgを0.1wt%以上、6wt%以下含有し、かつ、SiOを0.01wt%以上、4wt%以下含有し、BET比表面積が0.05m/g以上、0.35m/g以下であるマグネシウムフェライトを含む電子写真現像剤用キャリア芯材およびその製造方法、当該キャリア芯材を含むキャリア粉、当該キャリア粉を含む電子写真現像剤を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高機械的強度、高帯電特性を発揮する電子写真現像剤用キャリア芯材およびその製造方法、電子写真現像剤用キャリア、並びに電子写真現像剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真の乾式現像法は、電子写真現像剤である粉体のトナーを感光体上の静電潜像に付着させ、当該付着したトナーを所定の紙等の媒体へ転写して現像する方法である。この方法は、電子写真現像剤として、トナーのみを含む1成分系現像剤を用いる方法と、トナーと磁性キャリアとを含む2成分系現像剤を用いる方法に大別される。近年では、トナーの荷電制御が容易で安定した高画質を得ることができ、かつ高速現像が可能な2成分系現像剤が電子写真現像剤の主流となっている。
【0003】
2成分系現像剤を用いた現像方法においては、電子写真現像剤用キャリア(本発明において「キャリア」と記載する場合がある。)は現像機内でトナーと撹拌・混合され、当該トナーは所望の電荷を付与されて帯電する。当該帯電したトナーは、マグネットロール上に形成された磁気ブラシから感光体上へ搬送される。他方、マグネットロール上に残ったキャリアは、再び現像機内に戻り、新たなトナーと撹拌・混合される。そして、当該キャリアは、このようにして、一定期間繰り返し使用される。
【0004】
近年、オフィスのネットワーク化が進むとともに、電子写真現像機のサービス体制が充実し、サービスマンが電子写真現像剤を交換するようなシステムから、メンテナンスフリーの時代へシフトしている。当該電子写真現像機のメンテナンスフリー化に伴い、キャリアの高耐久、長寿命化に対する要求がより一層高まってきている。
【0005】
さらに、電子写真現像機は、フルカラー化、高画質化、高速化の傾向にある。特に、電子写真現像機の高速化に伴って、現像機内で電子写真現像剤の撹拌負荷が増加し、撹拌ストレスによるキャリアの割れ・欠けが発生する問題が生じている。その結果、当該発生した割れ・欠け粒子が、キャリア飛散の原因となり、電子写真の画質劣化を招いている。
【0006】
上記課題を解決するために、本発明者らは特許文献1において、キャリアにSiOを添加して焼結状態を調整し、当該キャリア粒子の真密度とBETとを制御することで、粒子の機械的強度を著しく向上させたキャリアを提案している。
【0007】
また、特許文献2は、環境面からキャリアの原料としてマグネシウムフェライト粉の使用を提案している。そして、電子写真の高画質化のためキャリアに対して高絶縁性が要求される中、当該キャリア組成をマグネシウムフェライトベースとし、さらに、Ca、Li、Ba等の金属を添加したキャリアを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特願2009−046243号
【特許文献2】特開2005−162597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
電子写真現像機のフルカラー化、高画質化、高速化に伴う新たな問題として、キャリア
の樹脂膜の剥れによる電荷のリーク、キャリアの長期間使用による帯電低下がある。
この問題に対して従来は、キャリアを構成する電子写真現像剤用キャリア芯材(本発明において「キャリア芯材」と記載する場合がある。)を高抵抗化したり、当該キャリアのコート樹脂膜を厚くして電荷のリークを防いだり、当該キャリアコート樹脂に添加剤を加えて、帯電維持性を改善する等の試みがなされている。
【0010】
しかし、上記従来の技術に係る方法では、一時的なキャリアの高機械的強度化は可能であるものの、キャリアコート樹脂膜が劣化した場合には、電子写真の画質低下問題が生じてしまう。また、キャリアの帯電量がキャリア芯材の帯電量に依存しているため、帯電量の低いキャリア芯材を用いた場合、キャリアの帯電付与能力が低下してしまう。
【0011】
さらに、従来の技術に係るキャリアでは、上述した電子写真現像機の高速化に伴う撹拌負荷の増加に起因するキャリアの割れ・欠けが生じる。その結果、当該割れ・欠けしたキャリア粒子がキャリア飛散の原因となり、電子写真の画質劣化を招いていた。
【0012】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、高機械的強度、かつ、キャリアのコート樹脂膜が劣化しても帯電低下を起こし難い、高帯電特性を発揮するキャリア芯材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の課題を解決するため、本発明者等は研究を進めた。
そして、所定量のマグネシウムを含有するマグネシウムフェライトを含むキャリア芯材において、さらに所定量のSiOを含有させ、且つ、当該キャリア芯材のBET比表面積を所定範囲に設定することで、高機械的強度、かつ、キャリアのコート樹脂膜が劣化しても帯電低下を起こし難い、高帯電特性を発揮するキャリア芯材を得られることに想到し、本発明を完成した。
【0014】
即ち、上述の課題を解決するための第1の発明は、
Mgを0.1wt%以上、6wt%以下含有し、かつ、SiOを0.01wt%以上、4wt%以下含有し、BET比表面積が0.05m/g以上、0.35m/g以下であるマグネシウムフェライトを含むことを特徴とする電子写真現像剤用キャリア芯材である。
【0015】
第2の発明は、
Mgを0.2wt%以上、1wt%以下含有し、かつ、SiOを0.5wt%以上、2wt%以下含有し、BET比表面積が0.05m/g以上、0.1m/g以下であるマグネシウムフェライトを含むことを特徴とする電子写真現像剤用キャリア芯材である。
【0016】
第3の発明は、
真比重が4.90g/cm以上、5.05g/cm以下であることを特徴とする第1または第2の発明に記載の電子写真現像剤用キャリア芯材である。
【0017】
第4の発明は、
前記マグネシウムフェライトの平均粒径(D50)が、25μm以上、40μm以下であることを特徴とする第1から第3の発明のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア芯材である。
【0018】
第5の発明は、
Fe原料と、Mg原料と、SiO原料と、還元剤とを、混合して固形分濃度75wt%以上のスラリーを得る工程と、
前記スラリーを噴霧乾燥させて造粒物を得る工程と、
前記造粒物を960℃以上、1150℃以下の温度にて焼成し、マグネシウムフェライトを有する焼成物を得る工程と、
得られた焼成物に解粒処理を行って粉末化し、その後に所定の粒度分布を付与する工程とを、有することを特徴とする電子写真現像剤用キャリア芯材の製造方法である。
【0019】
第6の発明は、
第1から第4の発明のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア芯材の表面が、樹脂で被覆されたものであることを特徴とする電子写真現像剤用キャリアである。
【0020】
第7の発明は、
第6の発明に記載の電子写真現像剤用キャリアと、トナーとを含むことを特徴とする電子写真現像剤である。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係るキャリア芯材は、機械的強度が高く、かつ、帯電量が高いという特性を有している。そして、当該キャリア芯材に樹脂を被覆して製造した本発明に係るキャリアは、電子写真現像機内での撹拌ストレスに対する抵抗性が高い。その為、高性能な電子写真現像機やMFP(マルチ・ファンクション・プリンター)において、当該キャリアを含む本発明に係る電子写真現像剤を用いることで、安定して良好な画質特性を発揮できる上、当該電子写真現像剤の交換寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施例および比較例に係るキャリア芯材試料の帯電性、機械的強度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、1.電子写真現像剤用キャリア芯材、2.電子写真現像剤用キャリア、3.電子写真現像剤用キャリア芯材の製造方法、4.電子写真現像剤用キャリアの製造方法、5.電子写真現像剤、の順で説明する。
【0024】
1.電子写真現像剤用キャリア芯材
<組成>
本発明に係るキャリア芯材は、一般式MgFe(3−x)(但し、0.001≦x≦0.5で表され、さらに、SiOを0.01wt%以上4wt%以下、さらに好ましくは0.5wt%以上2wt%以下含有する、マグネシウムフェライト粒子を含んでいる。粒子内部においては、合成時にMgとSiO、FeとSiOとが反応した複合酸化物(MgSiO、MgSiO、FeSiO、FeSiO等)が含有されている場合もあるが、特に問題とはならない。
【0025】
まず、Mg含有量について説明する。
本発明に係るキャリア芯材において、Mg含有量は0.1wt%以上、6wt%以下、さらに好ましくは0.2wt%以上、1wt%以下である。
これは、Mg含有量が0.1wt%以上あれば目的とする帯電量を確保できるためである。さらに帯電量を10μC/g以上確保する観点からはMg含有量が0.2wt%以上であることが好ましい。
一方、Mg含有量を6wt%以下とすることで、キャリア芯材の磁化の低下を抑えキャリア飛散の発生を回避できる。さらに、キャリア芯材の磁化を50emu/g以上確保する観点からは、Mg含有量が6wt%以下であることが好ましい。
【0026】
次に、SiO含有量について説明する。
本発明に係るキャリア芯材において、SiO含有量は0.01wt%以上、4wt%以下、さらに好ましくは0.5wt%以上、2wt%以下である。
これは、SiO含有量が0.01wt%以上あれば、キャリア芯材製造の際の焼結時において異常粒成長を防止出来るからである。これはSiOが粒子の過剰焼結を抑止するためと考えられる。そして、SiO含有量を0.01wt%以上とすることで、当該異常粒成長防止により低機械的強度粒子を減少させることが出来る。そして低機械的強度粒子を減少させることによって、本発明に係るキャリア芯材の機械的強度を高く保つことが出来る。当該観点から、SiO含有量が0.5wt%以上であることがさらに好ましい。
一方、SiO含有量を4wt%以下とすることで、キャリア芯材の焼結不足を抑え、低機械的強度粒子を減少させることができる。さらに、キャリア芯材の帯電量を確保する観点からは、SiO含有量が2wt%以下であることが好ましい。
【0027】
<物性>
本発明に係るキャリア芯材において、BET比表面積が0.05m/g以上0.35m/g以下である。
BET比表面積が0.05m/g以上であることは、本発明に係るキャリア芯材にお
いて、粒子同士の焼結や、過剰焼結によるグレインの粗大化が回避されている為であると考えられる。
一方、BET比表面積が0.35m/g以下であることは、本発明に係るキャリア芯
材を構成するマグネシウムフェライト粒子表面に開口した空孔(オープンポア)が少ない粒子であることの結果であると考えられる。そして、オープンポアが少ない粒子であることにより、当該オープンポアに起因する割れ、欠け粒子の発生を防ぐことが出来ていると考えられる。
【0028】
本発明に係るキャリア芯材において、真比重は4.90g/cm以上5.05g/cm以下である。
真比重が4.90g/cm以上あることは、当該マグネシウムフェライト粒子内の内部空孔率が、所定量以下に抑制されている結果と考えられる。そして、内部空孔率が、所定量以下に抑制されていれば、内部空孔が少ない粒子であることにより、内部空孔に起因する割れ、欠け粒子の発生を防ぐことができ、キャリア芯材の機械的強度の低下を防ぐことができる。
一方、真比重が5.05g/cm以下であれば、内部空孔が減少し、粒子内部で緻密化が進み、結晶が粗大化して結晶粒界の強度低下を防ぐことができると考えられる。そして、内部空孔率が、所定量以上存在していれば、粒子内部の結晶は小さくて粒子内部の結晶粒界が多く存在している為、結晶粒界の強度が高くなり、キャリア芯材の機械的強度の低下を防ぐことができるので好ましい。
【0029】
<粒径>
本発明に係るキャリア芯材は、平均粒径(D50)が25μm以上、40μm以下であることが好ましい。
キャリア芯材の粒径が25μm以上あれば、キャリア粒子ひとつひとつの磁化が確保されキャリア付着現象が抑制され好ましいからである。また粒径が40μm以下であれば電子写真現像した際に、所望の画質特性が得られ好ましい。
【0030】
<磁気特性>
本発明に係るキャリア芯材は、外部磁場1000Oe下における磁化率:σ1000が、50emu/g以上であることが好ましい。これは、キャリア芯材のσ1000が、50emu/g以上であることで、電子写真現像機内で形成される磁気ブラシの保持力が強
くなり、キャリア付着現象が抑制されるためである。
【0031】
2.電子写真現像剤用キャリア
得られた本発明に係るキャリア芯材を、シリコーン系樹脂、アクリル樹脂等で被覆し、帯電性の付与および耐久性の向上させることで電子写真現像剤用キャリア(本発明において、単に、キャリアと記載する場合がある。)を得ることが出来る。当該シリコーン系樹脂やアクリル樹脂等の被覆方法は、公知の手法により行うことができる。
【0032】
<キャリアの機械的強度>
本発明者らは、キャリアが、電子写真現像機内で撹拌ストレスを受けることにより微粉を発生させる問題について検討した。その結果、キャリアを構成するキャリア芯材を破砕試験機に投入して破砕したとき、当該破砕前後において、当該キャリア芯材の22μm以下の破砕片における粒径の累積値(体積)の変化率(以下、微粉増加率と記載する場合がある。)を測定することで、当該キャリアの電子写真現像機内での撹拌ストレスによる微粉の発生状態、および、当該微粉による電子写真画像への影響を評価出来ることに想到した。具体的には、前記微粉増加率が4%以下であれば、電子写真現像100K枚後においても、キャリア付着を殆ど生じず、良好な電子写真画質が得られた。
つまり、本発明に係るキャリア芯材で構成されるキャリアは、電子写真現像機内での撹拌ストレスを受けても、画像へ影響するほどの微粉を発生しないことを示している。従って、当該キャリアと公知のトナーとを含む電子写真現像剤を電子写真現像機に適用した際、微粉が殆ど発生し得ず、当該微粉に起因するキャリア飛散等の画質低下が起きない。
【0033】
<コア帯電量>
本発明者らはキャリアの帯電量の低下について、鋭意検討を行った。その結果、キャリア芯材の帯電付与能力を著しく高めることで、コーティング後のキャリア自身の帯電付与能力を高めることができ、さらには帯電量の低下による画質劣化を防ぐ効果があることを確認した。具体的にはコア帯電量が10μC/g以上であればよく、より好ましくは13μC/g以上である。10μC/g以上であれば、コーティング後のキャリアの帯電付与能力が高く、樹脂膜の劣化が起きた場合でもキャリアの帯電付与能力は維持され、帯電量の低下による画質劣化を防げるので好ましい。
【0034】
3.電子写真現像剤用キャリア芯材の製造方法
本発明に係るキャリア芯材の製造方法について、キャリア芯材の原料、造粒工程、焼成工程の順に説明する。
【0035】
<キャリア芯材の原料>
本発明に係るキャリア芯材を構成する当該マグネシウムフェライト粒子の鉄原料は、金属鉄またはその酸化物であればよい。具体的には、常温常圧下で安定に存在するFeやFe、Feなどが好適に用いられる。マグネシウム原料は、MgO、Mg(OH)などが好適に用いられる。
一方、当該マグネシウムフェライト粒子に含有させるSiOの原料は、非晶質シリカ、結晶シリカ、コロイダルシリカなどが好適に用いられる。
また、これら原料を仮焼して粉砕した原料を用いても良い。
これらの原料を、キャリア芯材を構成する当該マグネシウムフェライト粒子の狙いとする組成に合わせて秤量し、混合してスラリー原料とする。
【0036】
本発明に係るキャリア芯材の製造方法では、還元反応を進める。そこで、上述したスラリー原料へ、さらに還元剤を添加してもよい。当該還元剤としては、カーボン粉末やポリカルボン酸有機物、ポリアクリル酸有機物、マレイン酸、酢酸、ポリビニルアルコール系有機物(PVA)、およびそれらの混合物が好適に用いられる。
【0037】
上述したスラリー原料に水を加え混合攪拌して、形分濃度を75wt%以上、好ましくは77wt%以上とする。スラリー原料の固形分濃度が75wt%以上であれば、造粒時のペレット内部の空孔が均一になり、焼成後のキャリア芯材中の真比重が、4.90〜5.05g/cmの範囲になり、高機械的強度のキャリアを得ることができるので好ましい。
【0038】
<造粒工程>
上記混合攪拌して得られたスラリーの造粒は、噴霧乾燥機を用いて行う。尚、当該スラリーに対し、当該造粒前に、さらに湿式粉砕を施すことも好ましい。
噴霧乾燥時の雰囲気温度は100〜300℃程度とすればよい。これにより、概ね、粒子径が10〜200μmの造粒粉を得ることができる。得られた造粒粉は製品最終粒径を考慮し、振動ふるい等を用いて、粒子径が100μm以上の粗大粒子や、15μm以下の微粉を除去し、粒度調整することが望ましい。
【0039】
<焼成工程>
得られた造粒粉を、960〜1150℃程度に加熱した炉に投入し1〜24時間保持して焼成して、目的とする焼成物を生成させる。このとき、焼成炉内の酸素濃度は、好ましくは1%以下、より好ましくは0.5%以下となるよう導入ガスの酸素濃度を調整しフロー状態下で、焼成を行う必要がある。
炉内の酸素濃度が1%以下であれば、造粒粉中の還元剤が有効に作用し、ヘマタイトからマグネタイトへの還元が進み、焼成物の磁力の低下を回避できる。
【0040】
焼成温度に関しては、先の還元剤の調整によりフェライト化に必要な還元雰囲気に到達できる温度に設定する。尤も、工業化時に十分な生産性を確保できる反応速度を得る観点からは、960℃以上の温度が好ましい。一方、当該焼成温度が、1150℃以下であれば、粒子同士の過剰焼結が起こらず、粉体の形態で焼成物を得ることが出来る。当該観点から、焼成温度は960〜1150℃の範囲にあることが好ましく、さらには、焼成温度は1000〜1100℃の範囲にあることが好ましい。当該温度で焼成することで、工業化時に十分な生産性を確保できる反応速度を得ることができ、また、粒子同士の過剰焼結が起こらず、粉体の形態で焼成物を得ることが出来、十分な機械的強度を持つため良好な形態となる。
得られた焼成物は、この段階で粒度調整をすることが望ましい。例えば、焼成物をハンマーミル等で粗解粒し、振動篩などで分級を行うことにより、所望の粒径を持ったキャリア芯材の粒子を得ることが出来る。
【0041】
<酸化処理工程>
この段階で得られたキャリア芯材の粒子は抵抗が低いため、粒子表面を熱処理(酸化処理)して高抵抗化する処理を行ってもよい。具体的には酸素濃度10〜100%の雰囲気下において、200〜700℃で0.1〜24時間保持して、目的とする高抵抗のキャリア芯材を得る。
【0042】
4.電子写真現像剤用キャリアの製造方法
得られた本発明に係るキャリア芯材をシリコーン系樹脂やアクリル樹脂等で被覆し、帯電性の付与および耐久性を向上させることで電子写真現像剤用キャリアを得ることが出来る。当該シリコーン系樹脂やアクリル樹脂等の被覆方法は、公知の手法により行うことができる。
【0043】
得られた電子写真現像剤用キャリアを、公知のトナーと混合して電子写真現像剤を調製した。当該電子写真現像剤を現像機に設置して画像評価を行い、キャリア付着の状態を目
視で観察した。
すると、前記微粉増加率が4%以下であれば、電子写真においてキャリア付着を生じず、良好な画質が得られた。
本発明に係るキャリアが電子写真現像機内での撹拌ストレスに対しても、画像へ影響するほどの微粉を発生しないことを示している。従って、当該キャリアとトナーとを含む電子写真現像剤を電子写真現像機に適用した際、微粉が殆ど発生し得ず、当該微粉に起因するキャリア飛散等の画質低下が起きない。
【0044】
5.電子写真現像剤
本発明に係る電子写真現像剤用キャリアと、適宜な公知のトナーとを混合することで、本発明に係る電子写真現像剤を得ることが出来る。
【0045】
当該電子写真現像剤を現像機に設置して画像評価を行い、キャリア付着の状態を目視で観察した。
本発明に係る電子写真現像剤によれば、初期、50K枚、100K枚時の画像にキャリア付着が観察されないか、されてもキャリア付着が1〜10個観察されるレベルであり、キャリア飛散は十分に抑制されていた。
【実施例】
【0046】
以下に、本発明に係る電子写真用現像剤キャリア芯材の製造方法について、実施例を参照しながら具体的に説明する。
本発明の実施例を示すにあたり、まず、各物性値の測定方法について記述する。
【0047】
<SiO含有量の分析>
キャリア芯材のSiO含有量は、JIS M8214−1995記載の二酸化珪素重量法に準拠して定量分析を行った。本発明に記載したキャリア芯材のSiO含有量は、当該二酸化珪素重量法で定量分析し得られたSiO量である。
<Mg含有量の分析>
キャリア芯材を酸溶液中で溶解してICPにて定量分析を行った。当該定量分析に用いた検量線は、Fe濃度を300ppmになるように調整し、Mgの検量線を作成したものを用いた。本発明に記載したキャリア芯材のMg含有量は、当該ICPで定量分析し得られたMg量である。
【0048】
<粒度分布の測定>
キャリア芯材の粒度分布は、マイクロトラック(日機装株式会社製、Model:9320−X100)を用いて測定した。得られた粒度分布より、体積率50%までの積算粒径(本発明においてD50と記載する場合がある。)を算出した。尚、本発明においては、当該D50の値を芯材の平均粒径として記述した。
【0049】
<磁気特性の測定>
キャリア芯材の磁気特性は、VSM(東英工業株式会社製、VSM−P7)を用いて磁化率の測定を行い、外部磁場1000Oeにおける磁化率σ1000(emu/g)を得た。
【0050】
<真比重の測定>
当該粉砕粉のキャリア芯材の真比重は、気体置換型ピクノメーター(クァンタクローム社製ウルトラピクノメータ1000)にて測定を行った。
【0051】
<比表面積の測定>
キャリア芯材の比表面積(BET)は、JISZ8830−2001に基づいて測定を
行った。
【0052】
<キャリア機械的強度の測定>
本発明に係るキャリア30gをサンプルミル(協立理工株式会社SK―M10型)に投入し、回転数14000rpmで60秒間破砕試験を行ってキャリア機械的強度の測定を行った。
そして、当該破砕前と破砕後との、22μm以下の破砕片における累積値(体積)の変化率を微粉増加率として、レーザー回折式粒度分布測定装置(日機装株式会社製マイクロトラック、Model 9320−X100)により測定した。
【0053】
<コア帯電の測定>
キャリア芯材9.5g、市販のフルカラー機のトナー0.5gを100mlの栓付きガラス瓶に入れ、25℃、50%の環境下で12時間放置して調湿する。調湿したキャリア芯材とトナーを振とう機((株)ヤヨイ製、NEW−YS型、条件;200回/分、角度60°)で30分間、振とう、混合する。混合したキャリア芯材とトナーを200mg計量し、測定装置(日本パイオテク(株)製、STC−1−C1型、条件;吸引圧力5.0kPa、吸引用メッシュ500meshのSUS網)で帯電量を評価する。同一のサンプルを2回評価し、その帯電量の平均値をコア帯電量とした。
【0054】
<キャリア飛散の評価>
本発明に係る電子写真現像剤用キャリアと、公知のトナーとを、V型混合機などで混合し、電子写真現像剤試料製造する。
次に、当該電子写真現像剤試料を用いて画像評価試験を行った。
画像評価は、A3サイズの画像上におけるキャリア付着の数で評価した。
そして、現像枚数が、初期、50K枚、100K枚時の画像にキャリア飛散が観察されなければ◎、キャリア飛散が1〜10個観察されれば○、キャリア飛散が10個以上観察されれば×と評価した。
【0055】
(実施例1)
Fe(平均粒径:0.6μm)と、MgOをモル比でMg:Fe=1:5になるように秤量し、混合した。
当該混合物を、大気下で、900℃、3時間仮焼し仮焼物を得た。
当該仮焼物を振動ミルで、体積平均粒径で1.5μmに粉砕し、仮焼原料を得た。
当該仮焼原料1.3kgとFe(平均粒径:0.6μm)30kgとを純水10kg中に分散し、さらに、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム分散剤を300g、還元剤としてカーボンブラックを300g、SiO原料としてコロイダルシリカ(固形分濃度50%)を830g添加して混合物とした。当該混合物の固形分濃度を測定した結果、75wt%であった。
当該混合物を湿式ボールミル(メディア径2mm)により、1PASSの粉砕処理を行い、混合スラリーを得た。
【0056】
当該混合スラリーをスプレードライヤーにて約130℃の熱風中に噴霧し、粒径10〜100μmの乾燥造粒粉を得た。このとき、粒径が100μmを超えるような造粒粉は、篩により除去した。
当該造粒粉を、酸素濃度が0.05%となるよう調整した雰囲気をフローした電気炉内に設置し、1100℃で3時間焼成し焼成物を得た。
得られた焼成物を解粒した後に篩を用いて分級し、平均粒径35μmの粒子を得た。
得られた粒子に、大気中で450℃、2時間の熱処理(酸化処理)を行い、実施例1に係るキャリア芯材を得た。
【0057】
得られた実施例1に係るキャリア芯材の物質的特性、磁気的特性および電気的特性を表1に示す。
実施例1に係るキャリア芯材の微粉増加率は0.4%、コア帯電は14.8μC/gであり、高機械的強度、高帯電であることが判明した。
【0058】
(実施例2)
Fe(平均粒径:0.6μm)と、MgOをモル比でMg:Fe=1:5になるように秤量し、混合した。
当該混合物を、大気下で、900℃、3時間仮焼し仮焼物を得た。
当該仮焼物を振動ミルで、体積平均粒径で1.5μmに粉砕し、仮焼原料を得た。
当該仮焼原料5.9kgとFe(平均粒径:0.6μm)30kgとを純水11.5kg中に分散し、さらに、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム分散剤を360g、還元剤としてカーボンブラックを360g、SiO原料としてコロイダルシリカ(固形分濃度50%)を950g添加して混合物とした。当該混合物の固形分濃度を測定した結果、75wt%であった。
当該混合物を湿式ボールミル(メディア径2mm)により、1PASSの粉砕処理を行い、混合スラリーを得た。
【0059】
当該混合スラリーを、実施例1と同様に造粒、焼成、解粒、分級および熱処理(酸化処理)して、平均粒径35μmの実施例2に係るキャリア芯材を得た。
【0060】
得られた実施例2に係るキャリア芯材の物質的特性、磁気的特性および電気的特性を表1に示す。
実施例2に係るキャリア芯材の微粉増加率は1.9%、コア帯電は23.1μC/gであり、高機械的強度、高帯電であることが判明した。
【0061】
(実施例3)
【0062】
Fe(平均粒径:0.6μm)と、MgOをモル比でMg:Fe=1:5になるように秤量し、混合した。
当該混合物を、大気下で、900℃、3時間仮焼し仮焼物を得た。
当該仮焼物を振動ミルで、体積平均粒径で1.5μmに粉砕し、仮焼原料を得た。
当該仮焼原料10kgを純水3.2kg中に分散し、さらに、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム分散剤を120g、還元剤としてカーボンブラックを60g、SiO原料としてコロイダルシリカ(固形分濃度50%)を265g添加して混合物とした。当該混合物の固形分濃度を測定した結果、75wt%であった。
当該混合物を湿式ボールミル(メディア径2mm)により、1PASSの粉砕処理を行い、混合スラリーを得た。
【0063】
当該混合スラリーをスプレードライヤーにて約130℃の熱風中に噴霧し、粒径10〜100μmの乾燥造粒粉を得た。このとき、粒径が100μmを超えるような造粒粉は、篩により除去した。
当該造粒粉を、酸素濃度が0.05%となるよう調整した雰囲気をフローした電気炉内に設置し、1150℃で3時間焼成し焼成物を得た。
得られた焼成物を解粒した後に篩を用いて分級し、平均粒径35μmの実施例3に係るキャリア芯材を得た。
【0064】
得られたキャリア芯材の物質的特性、磁気的特性および電気的特性を表1に示す。
実施例3に係るキャリア芯材の微粉増加率は3.9%、コア帯電は14.6μC/gであり、高機械的強度、高帯電であることが判明した。
【0065】
(実施例4)
コロイダルシリカの添加量を2.5kgとした以外は、実施例2と同様の処理をおこなった。当該混合物の固形分濃度を測定した結果、75wt%であった。
そして、平均粒径35μmの実施例4に係るキャリア芯材を得た。
【0066】
得られたキャリア芯材の物質的特性、磁気的特性および電気的特性を表1に示す。
実施例4に係るキャリア芯材の微粉増加率は2.6%、コア帯電は10.0μC/gであり、高機械的強度、高帯電であることが判明した。
【0067】
(実施例5)
コロイダルシリカの添加量を470gとした以外は、実施例2と同様の処理をおこなった。当該混合物の固形分濃度を測定した結果、75wt%であった。
そして、平均粒径35μmの実施例5に係るキャリア芯材を得た。
【0068】
得られたキャリア芯材の物質的特性、磁気的特性および電気的特性を表1に示す。
実施例5に係るキャリア芯材の微粉増加率は3.2%、コア帯電は12.6μC/gであり、高機械的強度、高帯電であることが判明した。
【0069】
(比較例1)
コロイダルシリカを添加しない以外は、実施例2と同様の処理をおこなった。当該混合物の固形分濃度を測定した結果、75wt%であった。
そして、平均粒径35μmの比較例1に係るキャリア芯材を得た。
【0070】
得られたキャリア芯材の物質的特性、磁気的特性および電気的特性を表1に示す。
比較例1に係るキャリア芯材の微粉増加率は12.3%、コア帯電は25.4μC/gであり、高帯電であるが、機械的強度が低く、機械的強度と帯電が両立できていないことが判明した。
【0071】
(比較例2)
Fe(平均粒径:0.6μm)30kgを純水9.5kg中に分散し、さらに、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム分散剤を360g、還元剤としてカーボンブラックを360g、SiO原料としてコロイダルシリカ(固形分濃度50%)を795g添加して混合物とした。当該混合物の固形分濃度を測定した結果、75wt%であった。
そして、平均粒径35μmの比較例2に係るキャリア芯材を得た。
【0072】
得られたキャリア芯材の物質的特性、磁気的特性および電気的特性を表1に示す。
比較例1に係るキャリア芯材の微粉増加率は2.9%、コア帯電は6.3μC/gであり、高機械的強度であるが、帯電が低く、機械的強度と帯電が両立できていないことが判明した。
【0073】
(比較例3)
コロイダルシリカの添加量を3.6kgとした以外は、実施例2と同様の処理をおこなった。当該混合物の固形分濃度を測定した結果、75wt%であった。
そして、平均粒径35μmの比較例3に係るキャリア芯材を得た。
【0074】
得られたキャリア芯材の物質的特性、磁気的特性および電気的特性を表1に示す。
比較例3に係るキャリア芯材の微粉増加率は4.0%、コア帯電は2.6μC/gであり、高機械的強度であるが、帯電が低く、機械的強度と帯電が両立できていないことが判明した。
【0075】
(比較例4)
当該Fe(平均粒径:0.6μm)30kgとMgOを6kgとを純水11.5kg中に分散し、さらに、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム分散剤を430g、還元剤としてカーボンブラックを360g、SiO原料としてコロイダルシリカ(固形分濃度50%)を950g添加して混合物とした。当該混合物の固形分濃度を測定した結果、75wt%であった。
そして、平均粒径35μmの比較例4に係るキャリア芯材を得た。
【0076】
得られたキャリア芯材の物質的特性、磁気的特性および電気的特性を表1に示す。
比較例4に係るキャリア芯材の微粉増加率は10.0%、コア帯電は13.0μC/gであり、高帯電であるが、機械的強度が低く、機械的強度と帯電が両立できていないことが判明した。
(実施例1〜5および比較例1〜4のまとめ)
【0077】
図1は、縦軸にコア帯電量、横軸に微粉増加率をとったグラフで、実施例1〜5および比較例1〜4に係るキャリア芯材試料のコア帯電量、微粉増加率のデータを表1から転記したものである。
図1より、実施例1〜5に係るキャリア芯材試料のコア帯電量はいずれも10μC/g以上、かつ、微粉増加率はいずれも4%以下で、高機械的強度、高帯電を両立していることが判明した。
これに対し、比較例1、4に係るキャリア芯材試料のコア帯電量は10μC/g以上を示したものの、微粉増加率は10%以上で、高機械的強度、高帯電を両立していないことが判明した。同様に、比較例2、3に係るキャリア芯材試料の微粉増加率は4%以下を示したものの、コア帯電量は7μC/g以下で、やはり高機械的強度、高帯電を両立していないことが判明した。
【0078】
以上の結果から、Mgを0.1wt%以上、6wt%以下含有し、かつ、SiOを0.01wt%以上、4wt%以下含有し、BET比表面積が0.05m/g以上、0.35m/g以下であるマグネシウムフェライトを含むキャリア芯材は、機械的強度が高く、かつ、帯電量が高いという特性を有していることが判明した。この結果、当該キャリア芯材に樹脂を被覆して製造したキャリアは、電子写真現像機内での撹拌ストレスに対する抵抗性が高い。その為、高性能な電子写真現像機やMFP(マルチ・ファンクション・プリンター)において、当該キャリアを含む本発明に係る電子写真現像剤を用いることで、安定して良好な画質特性を発揮できる上、当該電子写真現像剤交換寿命を延ばすことができると考えられる。
【0079】
次に、得られた実施例1〜5および比較例1〜4に係るキャリア芯材へ、それぞれ樹脂コーティングを行って、実施例1〜5および比較例1〜4に係る磁性キャリアとした。当該磁性キャリアを、画像評価試験に装填し、画像評価試験を行った。
【0080】
具体的には、シリコーン系樹脂(商品名:KR251、信越化学製)をトルエンに溶解させてコーティング樹脂溶液を準備した。そして、前記実施例1〜5および比較例1〜4に係るキャリア芯材と、当該樹脂溶液とを、それぞれ重量比でキャリア芯材:樹脂溶液=9:1の割合にて撹拌機に装填し、キャリア芯材を樹脂溶液に浸漬しながら150℃〜250℃にて3時間加熱撹拌した。
【0081】
当該撹拌により、当該シリコーン系樹脂が、それぞれのキャリア芯材重量に対し1.0wt%の割合でコーティングされた。この樹脂被覆されたキャリア芯材を熱風循環式加熱装置に設置し、250℃で5時間加熱を行い、当該被覆樹脂層を硬化させて、実施例1〜
5および比較例1〜4に係る磁性キャリアを得た。
【0082】
得られた実施例1〜5および比較例1〜4に係る磁性キャリアを用いて、画像評価試験を行った結果、次のことが判明した。当該結果を表1に記載する。
まず、初期画像特性においては、実施例1〜5、比較例2では非常に良好または良好なレベルであった。次に、50K枚において、実施例1〜5は、非常に良好なレベルを維持したが、比較例1〜4では、比較例2を含め全ての例において、使用不可レベルまで低下した。実施例1〜5は、100K枚においても非常に良好なレベルを維持した。
【0083】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
Mgを0.1wt%以上、6wt%以下含有し、かつ、SiOを0.01wt%以上、4wt%以下含有し、BET比表面積が0.05m/g以上、0.35m/g以下であるマグネシウムフェライトを含むことを特徴とする電子写真現像剤用キャリア芯材。
【請求項2】
Mgを0.2wt%以上、1wt%以下含有し、かつ、SiOを0.5wt%以上、2wt%以下含有し、BET比表面積が0.05m/g以上、0.1m/g以下であるマグネシウムフェライトを含むことを特徴とする電子写真現像剤用キャリア芯材。
【請求項3】
真比重が4.90g/cm以上、5.05g/cm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真現像剤用キャリア芯材。
【請求項4】
前記マグネシウムフェライトの平均粒径(D50)が、25μm以上、40μm以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア芯材。
【請求項5】
Fe原料と、Mg原料と、SiO原料と、還元剤とを、混合して固形分濃度75wt%以上のスラリーを得る工程と、
前記スラリーを噴霧乾燥させて造粒物を得る工程と、
前記造粒物を960℃以上、1150℃以下の温度にて焼成し、マグネシウムフェライトを有する焼成物を得る工程と、
得られた焼成物に解粒処理を行って粉末化し、その後に所定の粒度分布を付与する工程とを、有することを特徴とする電子写真現像剤用キャリア芯材の製造方法。
【請求項6】
請求項1から4のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア芯材の表面が、樹脂で被覆されたものであることを特徴とする電子写真現像剤用キャリア。
【請求項7】
請求項6に記載の電子写真現像剤用キャリアと、トナーとを含むことを特徴とする電子写真現像剤。

【図1】
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