説明

電子取引システム

【課題】取引所においてユーザが電子的に取引するのに要する時間を劇的に減少させる取引システムを提供する。
【解決手段】市場において取引される商品の市場深度を表示可能な取引システムは、所定方向に整列して複数の統合された静的な価格1714、所定方向に整列してビッド表示領域1710に複数の統合された価格にそれぞれ対応する複数の統合された動的なビッド、所定方向に整列してアスク表示領域1714に、複数の統合された価格にそれぞれ対応する複数の統合された動的なアスクを表示する。ここで、複数の統合されたビッド及び複数の統合されたアスクは、商品の市場深度を表現し、複数の統合された価格は、それぞれ、商品の複数の価格を表現し、複数の統合されたビッドは、それぞれ、商品の複数のビッド数量を表現し、複数の統合されたアスクは、それぞれ、商品の複数のアスク数量を意味する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は商品の電子取引に関する。具体的には、本発明は、ユーザ(トレーダー)に、取引を実行するための融通のきく効率的なツールを提供するものである。これは、商品の市場取引深度内で取引注文の表示及び迅速な注文を容易にし、商品は、数量及び/又は価格により取引することができるものを何でも含む。
【背景技術】
【0002】
世界中で少なくとも60の取引所が電子取引を利用し、株式、債券、先物、オプションなどの商品を取引している。これらの電子取引所は、3つの構成要素に基づいている。すなわち、メインフレーム・コンピュータ(ホスト)、通信サーバ、及び取引所の参加者のコンピュータ(クライアント)である。ホストは、完全にコンピュータ化された電子取引システムの電子的中心を形成する。このシステムのオペレーションとしては、注文のマッチング、オーダー・ブック及びポジションの維持、価格情報、及び、オンライン取引日についてのデータベースの管理及び更新ならびに夜間のバッチ処理が含まれる。また、ホストは、ベンダ及び他の価格情報システムにクォートするために、割込みの起こらないオンライン連絡を維持する外部インターフェースも装備する。
【0003】
ユーザは、3種類の接続方法でホストにリンクすることができる。すなわち、高速データ回線、高速通信サーバ及びインターネットである。まず、第1の接続である高速データ回線は、クライアントとホストの間を直接に接続をする。また、第2の接続である高速ネットワーク又は通信サーバを、ユーザが物理的に位置する場所において戦略的アクセス・ポイントで世界中に構成することによって、別の接続を確立することができる。データがユーザと取引所の間の双方向で、専用高速通信回線を介して伝送される。大抵の取引所の参加者は2つの回線を取引所とクライアント側の間に、あるいは通信サーバとクライアント側の間に、潜在的な障害に対する安全対策として設置する。取引所の内部コンピュータ・システムはまた、しばしばシステム可用性を確保するための冗長対策としてバックアップと共に設置される。そして、第3の接続はインターネットを利用する。ここで、取引所及びユーザは双方の通信を高速データ回線を通じて行うが、これがインターネットにも接続される。これにより、ユーザは、インターネットへの通信を確立できる場所ならば、どこにいてもよいことになる。
【0004】
接続方法に関係なく、取引所のコンピュータにより、ユーザは市場に参加することができる。この際に、ユーザは、専用のインタラクティブな取引画面をユーザのデスクトップ上に作成するソフトウェアを使用する。この取引画面によりユーザは注文を入力して実行し、市場クォートを得て、ポジションを監視することができる。ユーザが自分の画面上で使用可能な機能の範囲及び品質は、実行中の特定のソフトウェア・アプリケーションに応じて変わる。取引所の電子的戦略の開発におけるオープン・インターフェースの設置は、ユーザが自分の取引スタイル及び内部要件に応じて、取引所にアクセスする手段を選択できることを意味する。
【0005】
世界の株式、債券、先物及びオプションの取引所は、高速に動く価格を有する不安定な商品を扱う。これらの市場で利益を得るためには、ユーザは迅速に反応することができなければならない。最高速のソフトウェア、最高速の通信及び最高度の分析論を有する熟練したユーザこそが、自分或いは会社のボトム・ラインを著しく改善することができる。即ち、わずかな速度の利点により、高速に動く市場においてかなりの収益が生じる可能性がある。今日の証券市場において、技術的に高度なインターフェースを使用しないと、ユーザは競争上で非常に不利となる。
【0006】
ユーザが市場に注文を入力するために使用するインターフェースに拠らず、各市場は同じ情報をユーザに供給かつ要求する。市場におけるビッド及びアスクが市場データを構成し、取引するためにログオンすれば、取引所が提供する情報を受信することができる。ここで「ビッド」は、商品の所与の数量を所与の価格で買うための注文であり、「アスク」は、商品の所与の数量を所与の価格で売るための注文である。そして、あらゆる取引所は、確かな情報が各注文に含まれることを必要とする。たとえば、ユーザは、商品の名前、数量、制約、価格など多くの情報を供給しなければならない。この情報のすべてがなければ、市場は注文を受け入れない。この情報の入力及び出力はあらゆるユーザについて同じものである。
【0007】
これらの情報の変数は一定であるので、競争上の速度を上げるためには、取引サイクルの他の面を改善しなければならない。所与の商品についての取引注文を出すために要する時間は、様々なステップにおいて要する時間の合計である。例えば、注文を入力するために要する合計時間の約8%は、ホストが商品についての価格を生成する瞬間と、クライアントが価格を受信する瞬間の間に経過する。また、クライアント・アプリケーションがユーザに価格を表示するために要する時間は、約4%に達する。そして、取引注文がホストに送信されるために要する時間は約8%に達する。さらに、注文を出すために要する合計時間の残りは約80%であり、これは、ユーザが表示された価格を読んで取引注文を入力するために要する時間である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
既存のシステムでは、注文を市場に送信する前に、多数の要素を入力しなければならず、これはユーザにとって時間のかかるものであった。このような要素には、商品の記号、所望の価格、数量、及び、買い注文が望まれているか、売り注文が望まれているかが含まれる。ユーザが注文の入力に多くの時間を費やすほど、ビッド又はアスクしようとした価格が変わるか、あるいは市場において入手できなくなる可能性が高くなる。これは、多数のユーザが注文を市場に同時に送信しているからである。実際に、成功している市場は、このような大量の取引が行われるように努力しており、全てのユーザに対して、できるだけ高速に注文が履行されるようにしている。このような市場では、商品の価格が高速に変動する。取引画面上では、この結果として、市場グリッド内の価格及び数量のフィールドが高速に変化する。ユーザは特定の価格を入力して注文するが、注文がなされる前に市場価格が動き、その価格を逃すと、数百、数千、さらに数百万ドルまでも失う可能性がある。ユーザが高速に取引できるほど、ユーザが自分の望む価格を逃す可能性が少なくなり、ユーザが収益を得る可能性が高くなる。
【0009】
また、静的価格列の1つの利点は、ユーザが注文を所望の価格で入力する可能性がより高いことであり、これは価格が画面上で動かないからである。しかし、ユーザのコンピュータ画面の物理的サイズにより静的価格列に制限が課され、有限数の価格しかその画面エリア内に表示することができない。そして、取引所は、市場において取引される商品の価格を、1ドルの1/32又は1/64のような小さい単位で、あるいは.01のような十進制でリストする。各商品についての最小のこのような単位が「ティック」と呼ばれる。Mercuryの静的価格列は、静的価格列を構成する複数の価格行において各ティックを表示することができる。ティックがより小さくなるにつれて、それらのすべてをリストするためにより多くの価格行がユーザのコンピュータ画面上で必要とされる。たとえば、1ドルのティックを表示するために1つのフィールドのみが必要とされるが、このドルが64に分割された場合、このとき同じ1ドルの価格範囲を表示するために64の価格行が必要となる。したがって、ユーザのコンピュータ画面上のスペースの多くが、市場における活動を価格における小さい変動内で示すために専有される可能性がある。多くのユーザは、1ドルの1/64のような小さな価格変動は取るに足らないものであると考え、ティックを幅広い価格範囲で表示する必要はないと考えている。類似の表示の問題は、市場が不安定であるときに起こる可能性がある。不安定な市場では、最良のビッドと最良のアスクの間の差(スプレッド)が広がる。このスプレッドが広がるほど、ユーザは、コンピュータ画面のスペースの制約により、全体の市場の少ないところしか見られなくなる。また、好ましい注文におけるその好ましい価格でのビッド又はアスクを自分がヒットする前に、その注文が画面からスクロールする危険性がある。
【0010】
本発明は、従来の取引システムの欠点を克服するものであり、取引所においてユーザが電子的に取引するのに要する時間を劇的に減少させるものである。これにより、ユーザが注文を所望の価格と量で履行する可能性が増大する。本発明は、利用可能な複数のティックを統合するとともに、ティックに対応する市場でのビッド量およびアスク量をそれぞれ統合し、ユーザが市場においてより広い価格範囲を見られるようにする。統合化された価格行の結果として、ユーザは、マーキュリー(Mercury)表示におけるアクティブな取引フィールドをクリックすることにより、統合形式で注文を入力する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に係る方法は、市場において取引される商品の市場深度を表示する方法であって、所定方向に整列して、複数の統合された価格を静的に表示するステップと、所定方向に整列して、ビッド表示領域に、複数の統合された価格にそれぞれ対応する複数の統合されたビッドを動的に表示するステップと、所定方向に整列して、アスク表示領域に、複数の統合された価格にそれぞれ対応する複数の統合されたアスクを動的に表示するステップを有する。ここで、複数の統合されたビッド及び複数の統合されたアスクは、商品の市場深度を表現し、複数の統合された価格は、それぞれ、商品の複数の価格を表現し、複数の統合されたビッドは、それぞれ、商品の複数のビッド数量を表現し、複数の統合されたアスクは、それぞれ、商品の複数のアスク数量を表現する。この発明のその他の特徴は以下に明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】多数の取引所とクライアント側の間のネットワーク接続を例示する図である。
【図2】取引されている所与の商品の内部市場及び市場深度を示す画面表示を例示する図である。
【図3】本発明のMercury表示を例示する図である。
【図4】図3と比較したときの値の動きを示す、後の時間のMercury表示を例示する図である。
【図5】Mercury取引方法を例示するために設定されたパラメータを有するMercury表示を例示する図である。
【図6】Mercury表示及び取引のためのプロセスを例示する流れ図である。
【図7A】価格統合の前後の対応する表示を示す図である。
【図7B】価格統合の前後の対応する表示を示す図である。
【図8A】ビッド及びアスク数量の統合を例示する図である。
【図8B】ビッド及びアスク数量の統合を例示する図である。
【図9】取引注文を出すことができる、本発明の表示の異なるエリアを例示する図である。
【図10】取引注文を有する統合表示を例示する図である。
【図11】取引注文を分散させるための様々な方式を例示する図である。
【図12】取引注文を分散させるための様々な方式を例示する図である。
【図13】取引注文を分散させるための様々な方式を例示する図である。
【図14】取引注文を分散させるための様々な方式を例示する図である。
【図15】取引注文を分散させるための様々な方式を例示する図である。
【図16】取引注文を分散させるための様々な方式を例示する図である。
【図17】取引注文を分散させるための様々な方式を例示する図である。
【図18】取引注文を分散させるための様々な方式を例示する図である。
【図19A】本発明の価格統合機能を使用した取引のためのプロセスを例示する流れ図である。
【図19B】本発明の価格統合機能を使用した取引のためのプロセスを例示する図19Aの流れ図の続きである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付の図面を参照して以下で説明するように、本発明は、市場において取引される商品の市場深度を表示する方法及びそのためのグラフィカル・ユーザ・インターフェース、並びに、商品の取引注文を出す方法及びそのためのクライアント・システムを提供し、ユーザが高速かつ効率的に取引できるようにするものである。これは市場深度を所定方向に整列して表示することによって行い、この表示は市場価格が変動するときに整列した方向で変動する。これにより、ユーザは高速かつ効率的に取引注文を出すことができる。商品の市場深度は、市場における現在のビッド及びアスクの価格及び数量である。本発明は、ユーザが所望の価格及び数量で注文できる可能性を増す。
【0014】
本発明は、コンピュータ又は電子端末上で実施することができる。このコンピュータは直接あるいは(中間デバイスを使用して)間接的に取引所と通信して、市場、商品及び取引注文情報を送信かつ受信できる。そして、コンピュータは、ユーザと対話でき、取引所に送信するための取引注文の内容及び特性を生成できる。また、本発明を、本明細書に記載する機能を実行するための処理機能を有するいかなる既存又は将来の端末又はデバイス上でも実施することが想定される。そして、本発明の範囲は、使用される端末又はデバイスのタイプによって限定されない。さらに本明細書では、ユーザからの単一動作を、マウスの1クリックで行うものを示す。これは好ましいモードの対話であるが、本発明の範囲は、入力デバイスとしてのマウスの使用、又は、ユーザからの単一動作としてのマウス・ボタンのクリックに限定されない。むしろ、ユーザによる短時間内のいかなる入力行為も、マウス・ボタン又は他の入力デバイスの1つ又は複数のクリックを含むかどうかに関わらず、本発明におけるユーザからの単一動作と見なされる。
【0015】
本発明を、単一又は同時に多数の取引所における取引に適用することができる。本発明のクライアント・システム(ワークステーション、取引端末)と多数の取引所との接続を、図1に例示する。この図に示すように、ルータ104〜106を通じてゲートウェイ107〜109に、多数のホスト取引所101〜103が接続される。そして、取引ステーションとして多数のクライアント端末110〜116を使用し、ゲートウェイ107〜109へのそれらの接続を通じて、多数の取引所で取引することができる。多数の取引所から受信するデータを単一のフォーマットに変換するように構成する。
【0016】
この「変換」機能を図1を参照して説明する。アプリケーション・プログラム・インターフェース(図では「TTAPI」と示す)は、異なる取引所から入ってくるデータ・フォーマットを単純な好ましいデータ・フォーマットに変換する。この変換機能を、ネットワークにおけるいかなるところにも配置することができ、例えば、ゲートウェイ・サーバ又は個々のクライアント・システムに、あるいはその両方に配置することができる。加えて、ゲートウェイの記憶装置、クライアント・システムの記憶装置及び/又は他の外部記憶装置は、オーダー・ブックなどの履歴データをキャッシュし、これは市場におけるクライアントのアクティブな注文、すなわち、履行もキャンセルもされていない注文をリストする。異なる取引所からの情報をクライアント・システムで単一又は多数のウィンドウで表示することができる。以下では単一の取引端末が単一の取引所に接続される場合を例に説明するが、本発明は、単一の取引端末を使用して多数の取引所において取引するものを含む。
【0017】
また、本発明の好ましい実施の形態は「市場深度」の表示を含み、ユーザが商品の市場深度を閲覧し、かつコンピュータのマウス・ボタンの1クリックにより市場深度内で取引を実行することができるようにする。市場深度は、市場における現在のビッド及びアスクの価格及び数量を有するオーダー・ブックを表現する。すなわち、市場深度は、内部市場(inside market)に加えて、以下で述べる制限を受ける、市場に入力された各ビッド及びアスクである。ここで、「内部市場」は、取引されている商品についての最高のビッド価格及び最低のアスク価格である。
【0018】
取引所は、価格、注文及び履行情報を取引所における各ユーザに送信する。そして、この情報を処理し、理論的なグリッド・プログラム、又は、データを画面にマップする他の同等のマッピング技術を用い、単純なアルゴリズム及びマッピング・テーブルを通じて、この情報を所定位置にマップする。このような情報を画面グリッドに物理的にマッピングすることは、公知技術によって行うことができる。本発明は、データを画面表示にマップするために使用される方法によって限定されない。
【0019】
市場深度を程度深くまで表示できるかは、取引所が提供する市場深度の量によって決まる。無限の市場深度を供給する取引所もあれば、市場深度を提供しないか、あるいは内部市場から離れた少数の注文のみを提供する取引所もある。また、ユーザは、市場深度のどの程度深くまでを自分の画面上に表示するかを選択することもできる。
【0020】
図2は、本願と同じ出願者による米国特許出願第09/589,751号に記載されたもので、取引されている所与の商品の内部市場及び市場深度を示す表示画面例を示す図である。行1は、取引されている商品についての「内部市場」を表現し、これは、最良(最高)のビッド価格及び数量、及び最良(最低)のアスク価格及び数量である。行2〜5は、取引されている商品についての「市場深度」を表現する。この市場深度の表示(行2〜5)は。入手可能な次に最良のビッドを列203にリストし、アスクを列204にリストする。各価格レベルについての作業中のビッド及びアスク数量もそれぞれ列202及び205に表示される。表示されている内部市場及び市場深度の価格及び数量は、市場から情報が送られてくるとリアルタイムで更新する。
【0021】
図2に示す画面表示では、取引されている商品(契約)が行1において文字列「CDH0」によって表現される。また、深度列201には、状況に応じて異なる色が表示される。例えば、黄は、プログラム・アプリケーションがデータを待機中であることを示す。そして、赤は、市場深度がデータをサーバから受信することに失敗しており、かつ「タイム・アウト」になっていることを示す。さらに、緑は、データがちょうど更新されたことを示す。また、他の列の見出しは次のように定義される。すなわち、BidQty(ビッド数量):各作業中のビッドの数量、BidPrc(ビッド価格):各作業中のビッドの価格、AskPrc(アスク価格):各作業中のアスクの価格、AskQty(アスク数量):各作業中のアスクの数量、LastPrc(最終価格):市場においてマッチされた最終ビッド及びアスクの価格、及びLastQty(最終数量):最終価格で取引された数量である。合計は、所与の商品の取引された合計数量を表す。
【0022】
この画面表示は、既存のシステムよりも好都合かつ効率的な方法でユーザに通知する。市場深度を見ることは、市場における注文の傾向を見ることができるという著しい利点がある。市場深度表示により、ユーザは、市場における所望の商品について、異なる価格レベルを見ることができる。大量のビッド又はアスクが市場においてユーザのポジションの付近にある場合、ユーザは、内部市場が注文の難局に達する前に自分が売るべきか、買うべきかを感じることができる。
【0023】
市場深度を見ることがないと、このような戦略を利用することはできない。即ち、内部市場を上回るかあるいは下回る注文ができないと、ユーザは内部市場付近で注文を入力しなければならない。しかし、図2に示す動的な市場深度の表示は、商品の現在の内部市場と共に整列され、その下に取引商品のビッド及びアスクの数量及び価格を表示するものであり、情報がユーザにより直観的かつ容易に理解可能な方法で伝えられる。商品の取引における傾向及び他の関連特性は、本発明の使用を通じてユーザによってより容易に識別可能である。
【0024】
様々な略語が画面表示の列見出しにおいて使用される。いくつかの略語については上で論じた。共通の略語及びそれらの意味のリストを表1に示す。
【表1】



【0025】
図2に示す画面表を、実質的により良い、より高速及びより正確な方法と考えるユーザもいるが、この市場深度の表示に従うことが困難であると考えるユーザもいる。図2に示す表示では、市場深度が垂直に表示され、ビッド及びアスク価格がグリッドを下降するようにされる。ビッド価格は、価格が下がるときに、市場グリッドを下降する。アスク価格も、これらの価格が実際に増すときに、市場グリッドを下降する。この図2のような組み合わせが直観に反し、従うことが困難であると見なすユーザもいる。
【0026】
以下に説明するように、本発明のMercury表示及び取引方法は、図2に示すような市場深度の表示が使用されるシステムに勝る効果を有する。本発明のMercury表示及び取引方法は高速かつ正確な取引の実行を保証し、これは市場深度を垂直又は水平方向に整列して表示することによって行い、この表示は市場価格が変動するときにこの方向で変動する。これにより、ユーザは高速かつ効率的に取引することができる。このようなMercury表示の画面の一例を図3に例示する。
【0027】
図3のMercury表示は、図2の画面表示の問題を革新的かつ論理的な方法で克服する。また、注文入力システム、市場グリッド、履行ウィンドウ及び市場注文の要約を1つの単純なウィンドウにおいて提供する。このような凝縮された表示は、取引を大変効率的な方法で入力かつ追跡することによって、取引システムを実質的に簡素化する。そして、市場深度を論理的な垂直、水平、その他の好都合な方向に整列して表示する。以下では、垂直方向に整列して表示する場合を例に取って説明するが、他の方向でも同様である。本発明の表示方法は、所定方向に整列して複数の価格を静的に表示し、この方向に整列して価格にそれぞれ対応する複数のビッドを動的に表示し、この方向に整列して価格にそれぞれ対応する複数の統合されたアスクを動的に表示する。これにより、取引の速度が向上し、注文を所望の価格で所望の数量により入力できる可能性が増す。
【0028】
ビッド数量は、BidQというラベルが付いた列1003にあり、アスク数量は、AskQというラベルが付いた列1004にある。所与の商品についての価格からの代表的なティックが列1005に示される。列は、価格の全体(たとえば、95.89)をリストせず、むしろ、最後の2桁のみ(たとえば、89)をリストする。図示の実施例では、内部市場のセル1020が、89(最良ビッド価格)で18(最良ビット数量)であり、90(最良アスク価格)で20(最良アスク数量)である。これらの3つの列が異なる色で示され、ユーザがこれらの間で迅速に区別できるようにする。
【0029】
価格列における値は静的であり、すなわち、再センタリング・コマンドが受信されない限り(後に詳細に論じる)、通常は位置を変更しない。しかし、Bid及びAsk列における値は動的であり、すなわち、これらは上下に移動して(垂直方向に整列している場合)所与の商品についての市場深度を反映する。LTQ列1006は、商品の最終取引済数量を示す。価格の値に対する数量の値の相対的な位置は、その数量が取引された価格を反映する。E/W(入力済/作業中)というラベルが付いた列1001は、ユーザの注文の現在の状況を表示する。各注文の状況が、それが入力された価格行に表示される。たとえば、セル1007では、Sの隣の数は、ユーザが注文したロットのうち、特定の行における価格で売られているものの数を示す。Wの隣の数は、ユーザが注文したロットのうち、市場にあるが履行されていないもの、すなわち、システムが注文の履行において作業中であるものの数を示す。この列が空であることは、注文が入力されていないか、その価格で作業中でないことを示す。セル1008では、Bの隣の数が、ユーザが注文したロットのうち、特定の行における価格で買われているものの数を示す。Wの隣の数は、ユーザが注文したロットのうち、市場にあるが履行されていないもの、すなわち、システムが注文の履行において作業中であるものの数を示す。
【0030】
パラメータが設定され、様々な情報が列1002において提供される。たとえば、セル1009における「10:48:44」は実際の時刻を示す。セル1010におけるL及びRフィールドは数量の値を示し、これを、入力された注文数量に追加することができる。このプロセスは後に説明する。L及びRフィールドの下のセル1011において、現在の市場の量を表す数字が表示される。これは、選択された商品について取引されているロットの数である。セル1012の「X10」はネット数量を表示し、これは、選択された商品におけるユーザの現在のポジションである。数「10」は、ユーザの買いから売りを引いたものを表す。セル1013は「現在数量」であり、このフィールドは、ユーザが市場に送信する次の注文についての数量を現す。これを、右及び左クリック(上及び下)により、あるいは、セル1014における現在数量の下に表示されるボタンをクリックすることによって調整することができる。これらのボタンは現在数量を、指示された量の単位で増加させ、たとえば、「10」はこれを10単位で増加させ、「1H」はこれを100単位で増加させ、「1K」はこれを1000単位で増加させる。セル1015はクリア・ボタンであり、このボタンをクリックすると現在数量フィールドがクリアされる。セル1016は数量説明であり、これは、ユーザが3つの数量説明から選択できるようにするプル・ダウン・メニューである。このプル・ダウン・メニューは、ウィンドウにおける矢印ボタンがクリックされるときに表示される。このウィンドウは、NetPos、オフセット、及び、ユーザが数字を入力することができるフィールドを含む。数字をこのフィールドに入れると、デフォルトの買い又は売りの数量が設定される。このフィールドにおいて「オフセット」を選択すると、セル1010のL/Rボタンが使用可能となる。このフィールドにおいて「NetPos」を選択すると、現在のネット数量(ユーザのネット・ポジション)が、ユーザの次の取引についての数量として設定される。セル1017は+/−ボタンであり、これらのボタンが画面のサイズを、より大きく(+)あるいはより小さく(−)変更する。セル1018は、Net 0を呼び出すために使用され、このボタンをクリックすると、ネット数量(セル1011)がゼロにリセットされる。セル1019は、Net Realを呼び出すために使用され、このボタンをクリックすると、ネット数量(セル1011)がその実際のポジションにリセットされる。
【0031】
内部市場及び市場深度は、市場における価格が増加又は減少するとき、上昇又は下降する。たとえば、図4の市場は、図3の市場と同じであるが、後に内部市場のセル1101が3ティックだけ上がっているものを表示する画面である。ここで、商品についての内部市場は、92(最良ビッド価格)で43(最良ビッド数量)であり、93(最良アスク価格)で63(最良アスク数量)である。図3及び4を比較すると、価格列は静的なまま残っているが、対応するビッド及びアスクが価格列を上がったことがわかる。市場深度は同様に価格列を上昇かつ下降し、市場の垂直履歴を残す。
【0032】
市場が価格列を上昇あるいは下降するとき、内部市場は、ユーザの画面上に表示された価格列を上回るか、あるいは下回る可能性がある。通常、ユーザは将来の取引を査定するために内部市場を見ることができることを望む。本発明のシステムはこの問題に、1クリック・センタリング機能により対処する。「Net Real」ボタンの下のグレーのエリア1021内のいずれかのポイントで1クリックすることにより、システムは内部市場をユーザの画面上で再センタリングする。また、3つのボタンが付いたマウスを使用するとき、中央のマウス・ボタンのクリックにより、マウス・カーソルの場所に関係なく、内部市場がユーザの画面上で再センタリングされる。
【0033】
なお、同じ情報及び機能を、水平の方法において表示かつ使用可能にすることができる。ちょうど市場が、図3及び4に示す垂直のMercury表示を上昇かつ下降するとき、市場は水平のMercury表示において左及び右に移動するようになる。これにより、データの動的表示から収集された同じデータ及び同じ情報が提供される。また、他の向きを使用してデータを動的に表示することができる。
【0034】
価格統合機能を更に有することで、多数の価格行がより管理可能な数の価格行に凝縮され、取引がより快適になる。価格、即ち、注文を統合することによって、好ましい注文におけるその好ましい価格でのビッド又はアスクを自分がヒットする前に、その注文が画面からスクロールする危険性が減る。
【0035】
本発明は、その上に注文及び価格情報が表示され、かつそれから注文及び価格情報を電子市場に送信することができる、表示及びグラフィカル・ユーザ・インターフェースを提供する。図7Aは、統合されていない画面1700を示し、図7Bは、本発明において統合された画面1702を示す。価格の統合によって統合される3つの主なエリアがあり、これは、ビッド数量(BidQ)列1704、1710、アスク数量(AskQ)列1706、1712、及び、価格(Prc)列1708、1714である。
【0036】
図7Bのような市場深度を表示する方法及びグラフィカル・ユーザ・インターフェースは、まず、所定方向に整列して、複数の統合された価格を静的に表示する。次に、その所定方向に整列して、ビッド表示領域に、複数の統合された価格にそれぞれ対応する複数の統合されたビッドを動的に表示する。そして、その所定方向に整列して、アスク表示領域に、複数の統合された価格にそれぞれ対応する複数の統合されたアスクを動的に表示する。ここで、複数の統合されたビッド及び複数の統合されたアスクは、商品の市場深度を表現する。また、複数の統合された価格は、それぞれ、商品の複数の価格を表現する。そして、複数の統合されたビッドは、それぞれ、商品の複数のビッド数量を表現する。また、複数の統合されたアスクは、それぞれ、商品の複数のアスク数量を表現する。ただし、図7Bでは、複数の統合された価格、複数の統合されたビッド及び複数の統合されたアスクを垂直方向に整列して表示しているが、水平方向、或いは、任意の方向に整列して表示してもよい。
【0037】
ビッド数量列は、市場において対応する価格行で作業中のビットの合計量をリストする。アスク数量列は、市場において対応する価格行で作業中のアスクの合計量をリストする。価格列は、選択された商品についての価格をリストする。通常、市場は価格をティックで提供する。Mercury取引画面の静的価格列は、ユーザの画面が可能とするものと同じ数のこのようなティックを表示することができる。本発明により、ユーザが望むだけの量の価格行を統合することによって、表示する価格範囲を拡大できる。ユーザは、有限数のティック(たとえば5)が単一の統合された価格行に統合されるように指定し、それに応じて価格行を統合する。即ち、ユーザは、統合された価格に含まれる商品の価格の数を調整することができる。
【0038】
所定方向に整列して、複数の統合された価格を静的に表示するが、この統合された価格は、アスク数量に対応するか、ビッド数量に対応するかに応じて、切り上げあるいは切り捨てられる。アスク数量に対応する場合は、それが表現する複数の価格の中で最も高い価格に切り上げられ、ビッド数量に対応する場合は、それが表現する複数の価格の中で最も低い価格に切り捨てられる。ここで、統合されたアスクは、それが表現する複数のアスク数量の合計であり、統合されたビッドは、それが表現する複数のビッド数量の合計である。
【0039】
図7Aに示す統合されていない表示1700からの価格を、図7Bに示す統合された表示1702に統合することを例示する。図示の表示では、ビッドに対応する価格の範囲95〜99(1716)は、価格95(1726)に統合する。ビッドに対応する価格の範囲00〜04(1718)は、価格00(1728)に統合する。アスクに対応する価格の範囲01〜05(1720)は、価格05(1730)に統合する。アスクに対応する価格の範囲06〜10(1722)は、価格10(1732)に統合する。たとえば、1720の範囲における04の価格は、市場におけるアスク数量に関して考慮されるとき、05に切り上げられる。05の価格は、市場におけるアスク数量に関して考慮されるとき、05の統合された価格行に含まれる。範囲1720における残りの価格(03、02及び01)は、市場におけるアスクの価格を考慮するときに無関係であり、これは市場におけるアスク数量がないからである。
【0040】
逆に、範囲1718における価格03、02、01及び00が、市場におけるビッド数量に関して次に最低の統合された価格行として、00に切り捨てられる。範囲1718の価格04は、市場におけるビッドの価格を考慮するときに無関係であり、これは市場において対応するビッド数量がないからである。
【0041】
ユーザは、価格の統合のための開始点をオフセットすることができる。この価格の表示は、各取引所が価格情報及びユーザのプリファレンスを提供する方法によって決まる。価格を画面上で、ティック、ティックの分数、又は通貨(ドル、ユーロなど)において表示することができる。価格が表示される方法にかかわらず、本発明を実施するために実行される計算は、価格がティックにおけるものであると仮定する。たとえば、市場のティック・サイズが0.25であるが、ユーザがドルにおいて取引中であり、10ドルの注文を入力した場合、本発明は計算を実行するとき、ユーザの注文を40ティックと見なす(0.25×40=10)。価格の統合の表示のための開始点は自動的にデフォルトのゼロ価格レベルにされるが、これを、ゼロから、ユーザによって選択された範囲サイズ(増分)より1だけ少ないところまでの、いずれかの価格レベルにオフセットすることができる。たとえば、ユーザが価格行を5つのグループに統合することを選択する場合、開始点を、0ないし4のいずれかの整数にすることができ、これは4が最大のグループ・サイズの5より1だけ少ないからである。この開始点から、静的価格行が上昇かつ下降する。これにより、ユーザは価格行をいかなるティック・オフセットでもグループ化することができる。たとえば、市場ティック・サイズが0.25(すなわち、0.25ドル)である場合、価格行は次のように上昇する。すなわち、0.25、0.50、0.75、1.00、1.25などである。ユーザが価格行を1.0の増分において表示する(たとえば、1.00、2.00、3.00、4.00など)ことを望んだ場合、0.25が4倍で1.00になることから、ユーザは価格行を4つのグループに統合すればよい。ゼロのデフォルト開始点で開始すると、次いで価格行は次のように上昇する。すなわち、1.00、2.00、3.00、4.00などである。このとき、この同じユーザがなお、1.00の増分において取引することを望んでおり、むしろ0.5ポイントで価格を表示する価格行により取引すると仮定する。次いで、このユーザはティック・オフセットを2ティックに設定する(ティック・サイズが0.25であるところで0.5のオフセットに等しい)。これは、0.50がゼロと4の範囲サイズより1だけ少ないものの間の価格レベルに入るので、可能である。オフセットにより、統合は.50で開始し、0.50、0.75、1.00及び1.25が最初に統合された価格グループにおける価格となる(このグループが画面上で0.50の価格レベルとして表示される)。1.50で開始して、上昇する価格グループのすべては、このとき1.00の増分におけるものとなり(4つの0.25の価格レベルのグループ)、価格行を例えば0.50、1.50、2.50、3.50、4.50などのように上昇する。ただし、図7Aや図7Bでは、オフセットが使用されていないことに留意されたい。
【0042】
統合されたアスクに対応する統合された価格Acp、統合されたアスクに対応する統合された価格Bcpは、以下の式を用いて決定される。
【数1】

【数2】

ここで、BpをBcpに統合される価格(ティックによる)、ApをAcpに統合される価格(ティックによる)、Nをユーザに選択された可変増分(統合された価格毎のティックの数)、Osをオフセット(ティックの数)、Intを整数関数とする。この計算結果は、ティックの単位におけるものであり、これが画面上にティックにおいて表示され、あるいは、ユーザによって望まれたフォーマット/単位に、上でティックへの変換に関して述べたような方法で変換される。
【0043】
また、価格が統合されるとき、市場において対応するビッド及びアスク数量もまた、それらの対応する統合された価格と共に統合される。市場におけるビッド数量が最低の対応する価格に統合される。逆に、市場におけるアスク数量が最高の対応する価格に統合される。このような統合を、図8A及び8Bに示す。右側に表示された画面(1702)は、統合された価格列1714、対応する統合されたビッド1710及びアスク1712数量を示す。市場におけるビッド数量は最低の対応する価格(00、95、90、85など)に統合されるが、アスク数量はそれらの最高の対応する価格(05、10、15、20など)に統合される。
【0044】
図8A及び8Bに例示したように、内部市場は、統合された価格行に入る可能性がある。すなわち、内部市場価格、すなわち価格列1708における03及び04は、統合された価格行、すなわち価格列1714における00及び05の間である。上で述べた原理がなおこの場合にも適用される。結果として、関連した範囲1802におけるビッド数量のすべて(ここでは、ビッド数量の1つが0であり、これはそれが内部市場を上回るからである)が、統合された価格行「00」(1808)に対応し、これはこのとき108の統合されたビッド数量を表示し、これは価格範囲00〜04におけるビッド数量の合計である。関連した範囲1804におけるアスク数量のすべて(ここでは、アスク数量の3つが0であり、これはそれらが内部市場を下回るからである)が、凝縮された価格行「05」(1806)に対応し、これはこのとき206の凝縮されたアスク数量を表示し、これは価格範囲01〜05におけるアスク数量の合計である。
【0045】
次に、商品の取引、具体的には、Mercury表示を使用した取引注文について説明する。Mercury表示及び取引方法を使用して、ユーザは最初に所望の商品、及び、可能ならばデフォルトの数量を指定する。次いで、ユーザは、右又は左のマウス・ボタンの1クリックにより取引することができる。以下の式がシステムによって用いられ、取引注文が生成され、取引注文に関連付けられる数量及び価格が決定される。以下の略語がこれらの式において使用される。ここで、Pをクリックされた行の価格の値(ティックによる)、RをRフィールドにおける値、LをLフィールドにおける値、Qを現在数量、QaをAskQ列においてPに等しいかあるいはそれよりもよい価格のすべての数量の合計、QbをBidQ列においてPに等しいかあるいはそれよりもよい価格のすべての数量の合計、Nを現在ネット・ポジション、Boを市場に送信された買い注文、Soを市場に送信された売り注文とする。
【0046】
まず、右マウス・ボタンを使用して、BidQフィールドがクリックされた場合は、
【数3】

が用いられる。そして、右マウス・ボタンを使用して、AskQフィールドがクリックされた場合は、
【数4】

が用いられる。
次に、左マウス・ボタンを使用して、数量説明フィールドにおいて「オフセット」モードが選択された場合(このオフセットとは、価格統合に関して上で記載したオフセットとは異なることに留意されたい)、
【数5】

【数6】

数量説明フィールドにおいて「数字」モードが選択された場合、
【数7】

【数8】

数量説明フィールドにおいて「NetPos」モードが選択された場合、
【数9】

【数10】

がそれぞれ用いられる。
【0047】
注文を市場に送信する際、市場において入手可能な数量、ユーザによってあらかじめ設定された数量、ユーザがどのマウス・ボタンをクリックするかに従って変化する数量について送信することもできる。この機能を使用して、ユーザは市場におけるビッド又はアスクのすべてを、1クリックで、選択された価格で、あるいはそれよりよい価格で買うかあるいは売ることができる。ユーザはまた、市場において発行済の数量から、あらかじめ設定された数量を加算あるいは減算することもできる。ユーザが取引セル、すなわちBidQ又はAskQ列をクリックした場合、ユーザは注文を市場に入力する。注文のパラメータは、どのマウス・ボタンをユーザがクリックするか、及び、どのような値をあらかじめユーザが設定したかによって決まる。
【0048】
図5の画面表示及び値を使用して、Mercury表示及び取引方法を使用した取引注文を説明する。BidQ列1201における18を左クリックすると、89の価格(Prc列1203内の対応する価格)で商品の17ロット(数量説明プル・ダウン・メニュー・セル1204上で選択された数量の数)を売る注文が市場に送信される。同様に、AskQ列1202における20を左クリックすると、90の価格で17ロットを買う注文が市場に送信される。
【0049】
一方、右マウス・ボタンを使用すると、クリックされた行における価格に等しいか或いはよい価格に相当する注文数量の合計に、Rフィールド1205における数量を加えた数量で、各行に対応する価格で、注文が市場に送信される。したがって、87の価格行におけるAskQ列1202において右クリックすると、87の価格かつ150の数量で売り注文が市場に送信される。150は、数量30、97、18及び5の合計である。30、97及び18は、市場において、ユーザによる87の売り注文価格を満たすか、あるいはそれよりよい価格に相当する注文数量のすべてである。これらの数量がBidQ列1201に表示され、これはこの列が、市場において発行済の、各対応する価格で商品を購入するための注文を表現するからである。数量5は、Rフィールド1205においてあらかじめ設定された数量である。
【0050】
同様に、BidQ列1201において同じ87の価格レベルで右クリックすると、87の価格で5の数量についての買い指値注文が市場に送信される。数量が上と同じ方法で決定される。この実施例では、しかし、市場において、選択された価格に等しいかあるいはそれよりよい注文はなく、AskQ列1202において、この価格に等しいかあるいはそれよりよい数量はない。したがって、等しいかあるいはそれよりよい数量の合計はゼロ(「0」)である。ユーザによって入力された合計の注文がRフィールドにおける値となり、これは5である。
【0051】
左マウス・ボタンにより入力された注文、及び、数量説明フィールド1204において選択された「オフセット」オプションは、上と同じ方法で計算されるが、Lフィールド1206における数量が、Rフィールド1205における数量の代わりに加算される。したがって、92の価格行におけるBidQ列1201において左クリックすると、92の価格かつ96の数量で買い注文が市場に送信される。96は、すべての数量45、28、20及び3の合計である。45、28及び20は、市場において、ユーザによる92の買い注文価格を満たすか、あるいはそれよりよい数量のすべてである。これらの数量がAskQ列1202に表示され、これはこの列が、市場において発行済の、各対応する価格で商品を売るための注文を表現するからである。数量3は、Lフィールド1206においてあらかじめ設定された数量である。
【0052】
L又はRフィールドにおける値を負の数にすることができる。これは、市場に送信される合計数量を実際上減らすことになる。すなわち、87の価格行におけるAskQ列1202における右クリックの実施例では、Rフィールドが−5であった場合、市場に送信される合計数量は140(30+97+18+(−5))となる。
【0053】
ユーザが数量説明フィールド1204において「NetPos」オプションを選択する場合、右クリックは上で説明したように作用する。一方、左クリックでは、クリックされた価格行に対応する価格、及び、ユーザの現在ネット・ポジションに等しい数量による注文が入力される。ユーザのネット・ポジションは、選択された契約におけるユーザの現在ポジションである。すなわち、ユーザが、自分が売っているものより10だけ多く買っている場合、この値は10となる。
【0054】
ユーザが数量説明において数の値を選択する場合、左クリックでは、ユーザによって選択された現在数量についての注文が市場に送信される。現在数量のデフォルト値は、数量説明フィールドにおいて入力された数となるが、これを、現在数量フィールド1204における数字を調節することによって変更することができる。
【0055】
また、ユーザが自分の作業中の取引のすべてを、最終取引済数量(LTQ)列1207におけるいずれかの場所で右又は左マウス・ボタンを1クリックすることにより、削除することもできる。これにより、ユーザは市場を即時に出ることができる。ユーザは、自分たちが損をしており、損失が積み重なることを止めることを望むとき、この機能を使用する。ユーザはまたこの機能を使用して、所望の利益を得ると迅速に市場から出ることもできる。また、ユーザが特定の価格レベルの自分の注文のすべてを市場から削除することもできる。入力済/作業中(E/W)列1208におけるいずれかのマウス・ボタンのクリックにより、クリックされたセルにおけるすべての作業中の注文が削除される。したがって、ユーザは、特定の価格で先に送信された注文のうち履行されていないものが不十分な取引になると考えるなら、これらの注文を1クリックにより削除することができる。
【0056】
上に記載したような、本発明のMercury表示及び取引方法を使用して取引注文を出すためのプロセスを、図6の流れ図に示す。最初にステップ1301で、ユーザがMercury表示を取引端末画面上に表示させ、これが所与の商品についての市場を示す。ステップ1302で、L及びRフィールド及び現在数量、NetPos又はオフセット・フィールドなどのパラメータを、適切なフィールドにおいて、プル・ダウン・メニューから設定する。ステップ1303で、ユーザによって移動可能なマウス・カーソルがMercury表示におけるセル上に位置付けられ、クリックされる。ステップ1304で、システムが、クリックされたセルが取引可能セル(すなわち、AskQ列又はBidQ列におけるもの)であるかどうかを決定する。取引可能セルでない場合、ステップ1305で、取引注文が作成あるいは送信されず、選択されたセルに基づいて、他の数量が調整されるか、あるいは機能が実行される。一方、取引可能セルである場合、取引注文を開始し、ステップ1306で、クリックされたのは、マウスの左ボタンか、右ボタンかを決定する。右であった場合、ステップ1307で、システムが、ステップ1310で注文の合計数量を決定するとき、Rフィールドにおける数量を使用する。左ボタンがクリックされた場合、ステップ1308で、システムが、オフセット、NetPos又は実際の数字のうち、どの数量説明が選択されたかを決定する。
【0057】
オフセットが選択された場合、ステップ1309で、システムが、ステップ1310で注文の合計数量を決定するとき、Lフィールドにおける数量を使用する。NetPosが選択された場合、ステップ1312で、システムが、取引注文についての合計数量が現在のNetPos値、すなわち、所与の商品におけるユーザのネット・ポジションとなることを決定する。実際の数が数量説明として使用された場合、ステップ1311で、システムが、取引注文についての合計数量が現在入力された数量となることを決定する。ステップ1310で、システムは、取引注文についての合計数量が、Rフィールドの値(ステップ1307が取られた場合)又はLフィールドの値(ステップ1309が取られた場合)に、クリックされた行における価格よりよいか、あるいはそれに等しい価格についての市場におけるすべての数量を加えたものとなることを決定する。これにより、市場において、ユーザによって入力中の注文を履行するであろう各注文についての数量が合計される(L又はR値を加えたもの)。
【0058】
ステップ1310、1311又は1312の後、ステップ1313で、システムが、BidQ又はAskQのうちどの列がクリックされたかを決定する。AskQがクリックされた場合、ステップ1314で、システムが売り指値注文を市場に、すでに決定された合計数量についての行に対応する価格で送信する。BidQがクリックされた場合、ステップ1315で、システムが買い指値注文を市場に、すでに決定された合計数量についての行に対応する価格で送信する。
【0059】
次に、本発明の価格統合機能を使用した取引注文について説明する。取引注文を出すことにおいて使用される方法及び単一動作は、上に記載したものと同じである。しかし、価格統合では、取引注文の内容が、価格統合機能が使用されないときとは異なる。具体的には、注文する価格、及び、注文が出される数量が、上に記載したものとは異なる。
【0060】
図9は、本発明での統合されていない表示1700を例示する。本発明の表示のビッド1704及びアスク1706列内に、本質的に4つの異なるエリアがあり、この中をユーザがクリックして注文を市場に送信することができる。これらは、図9ではエリア1〜4である。2つがビッド表示領域(1704)内にあり、2つがアスク表示領域(1706)内にある。これらのエリアの1つの内のアクティブなセルをクリックすると、市場に「ジョイン」するか、既存のビッドを「ヒット」するか、あるいは既存のアスクを「テイク」する注文が入力される。ビッドのヒット又はアスクのテイクを行う場合、このような注文は市場において即時に履行される可能性が高い。これらのエリアを、統合されていない表示に関して示すが、統合された表示でも同様である。エリア1は、内部市場での、あるいはそれを上回る価格に対応するビッド表示領域におけるセルを指す。エリア2は、内部市場での、あるいはそれを下回る価格に対応するアスク表示領域におけるセルを指す。エリア3は、内部市場での、あるいはそれを下回る価格に対応するビッド表示領域におけるセルを指す。エリア4は、内部市場での、あるいはそれを上回る価格に対応するアスク表示領域におけるセルを指す。
【0061】
価格統合なしの本発明の表示を使用すると、ユーザがエリア1における特定の行をクリックすると、その行に対応する価格、又はよりよい価格で買うための指値注文が送信される。この注文は、既存のアスクを「テイク」し、市場において即時に履行される可能性が高くなる。同様に、エリア2における特定の行をクリックすることによって、ユーザはその行に対応する価格、又はよりよい価格で売るための指値注文を送信する。この注文は、市場において既存のビッドを「ヒット」し、市場において即時に履行される可能性が高い。
【0062】
ユーザが、価格が統合されている行をクリックすることによって市場に買い又は売り注文を送信するとき、指値注文が取引所に送信されて、内部市場へクリックされた価格行から入手可能な最良の価格で履行される。たとえば、図8Bを再度参照すると、ユーザが、「00」の統合された価格行1808におけるAskQ列1712をクリックし、ユーザによりあらかじめ設定された数量が100である場合、ユーザの注文は次のように履行される。すなわち、03の価格で2、02の価格で2、01の価格で2、及び00の価格で94である(図8Aの範囲1802を参照)。ユーザが、「05」の統合された価格行1806におけるBidQ列1710をクリックし、ユーザによりあらかじめ設定された数量が100である場合、ユーザの注文は次のように履行される。すなわち、04の価格で5、及び05の価格で95である(範囲1804を参照)。
【0063】
統合された表示1702では、統合された価格行によりエリア1又はエリア2のいずれかをクリックするとき、本発明は2ステップのプロセスを実行する。ステップ1は、市場において所望の価格又はそれよりよい価格で入手可能な注文の数量まで、注文を市場に送信することを含む。注文の数量が、市場において入手可能な数量より少ないものについてのものである場合、注文が完全に履行される。しかし、注文の数量が、市場において入手可能な数量よりも多いものについてのものである場合、ステップ1は、所望の価格か又はそれよりよい価格で入手可能な数量のみを履行する結果となる(したがって、市場を「テイク・アウト」する)。この場合、ステップ2が実行され、これにより、残りの数量が、ユーザによって選択された分散方式に従って市場に「ジョイン」する(様々な分散方式を本明細書で後に詳細に記載する)。本質において、ステップ2において実行されるプロセスは、ユーザがエリア3又はエリア4を介して市場にジョインするときと同じものである。
【0064】
たとえば、図8Bでは、ユーザがエリア1において、価格行10で、事前定義された数量400によりクリックする場合、10の価格か又はそれよりよい価格で市場において入手可能なすべての数量について、買い注文が市場に送信される。アスク表示領域1712に表示された値を使用すると、10か又はそれよりよいすべての入手可能な数量は320に等しい(114+206)。すべての320が履行され、上に記載したステップ2に従って、本発明は残りの80を、ユーザの所定の分散方式に従って市場にジョインするように送信する。すなわち、残りの数量が市場にジョインし、ユーザの画面上で、統合された価格行10におけるBidQ列において表示される。実際の注文の数量は、所定の分散方式に従って分散される。
【0065】
上に記載したように、エリア1又は2において、市場において入手可能な数量よりも多い事前定義された数量により市場に入力するユーザは、その超過と共に市場にジョインする。しかし、エリア3における特定の行を直接クリックすることによって、ユーザは、その行に対応する価格でのビッド注文により市場に「ジョイン」することを選ぶ。同様に、エリア4における特定の行を直接クリックすることによって、ユーザは、その行に対応する価格でのアスク注文により市場に「ジョイン」することを選ぶ。「市場にジョインする」とは、ユーザが、市場における既存の注文の中で、市場における他の注文に即時にマッチしないであろう注文を出すことを意味する。むしろ、市場にジョインする注文は、市場が動き、これらがマッチされる場合にのみ、履行されるようになる。
【0066】
本発明の価格統合機能では、市場にジョインするように入力された注文が異なる方法でグループ化される。図10は、統合された表示1702を例示するが、ここでは、以前の図とは異なり、ユーザの注文のみを示す。ユーザによって選択された増分は10である。この図から明らかなように、統合された価格00で出された数量10についてのビッド注文1740がある。このように、取引注文は、所定のパラメータ、及び、指示が入力された際に市場において入手可能な商品の数量に基づく所定数量の注文である。そして、取引注文特性設定構成要素により、この所定数量の注文を、支持が入力された際のカーソルの位置に対応する統合された価格が表現する複数の価格に、それぞれ分散させた複数の注文とすることができる。以下、図10を用いて、統合されていない表示において示すこのような分散方法、及び、参照としてこの中に示す取引注文の例を説明する。
【0067】
第1のオプションは、図11のように、単一の指値注文を、選択された数量について、統合された価格行内の最良価格で入力できるようにすることである。図10において、ユーザが、BidQ列1710、即ち、00の統合された価格行をクリックする場合、ユーザはその統合された価格行において市場にジョインする。ユーザが入力することを望むビッド数量が10であり、すべての10の注文を最良価格で分散させることを選択する場合、10の注文(1704を参照)が09の最良価格で入力される(1708を参照)。
【0068】
本発明でのもう1つのオプションは、図12のように、単一の指値注文を、選択された数量について、統合された価格行内の最悪価格で入力できるようにすることである。00の統合された価格行で市場にジョインし、すべての10の注文を最悪価格で分散させることを選択すると、すべての10の注文(1704を参照)が00の最悪価格で入力される(1708を参照)。
【0069】
入力された注文を分散させる別のオプションとして、所定数量の注文を、注文の指示が入力された際のカーソルの位置に対応する統合された価格が表現する複数の価格の間で分散させるものがある。図13のように、00の統合された価格行で市場にジョインし、すべての10の注文を均等に分散させることを選択した後、注文が1つずつ、統合された00の価格行を構成する10の価格行の間で分散される。
【0070】
さらなるオプションは、図14のような、注文のランダムな分散である。列1704に示すビッド数量は合計すると10の注文数量となり、この所定数量の注文は、注文の指示が入力された際のカーソルの位置に対応する統合された価格が表現する複数の価格の間でランダムに分散される。
【0071】
また、所定数量の注文を、注文の指示が入力された際のカーソルの位置に対応する統合された価格が表現する複数の価格の間で所定の分散方法に従って分散してもよい。例えば、単一の指値注文を、選択された数量について、統合された価格行内の最良価格及びランダム価格の両方で入力することもできる。図15のように、ユーザは自分の10の注文のうち50%を最良価格で、追加の50%を、統合された価格行に組み込まれた価格のいずれかの間でランダムに分散させることを選択する。
【0072】
同様に、本発明により、注文のうち多くの割合を、統合された価格行を構成する分離した価格の間で分散させることが可能である。例えば、図16のように、ユーザが10の注文のうち50%を最良価格で、20%を最悪価格で、かつ30%を、最良及び最悪価格中の中ほどで分散させることを選択することができる。
【0073】
加えて、本発明により、統合された価格行からの多数の注文を、最良価格に対して重み付けするように分散させることができる。図17では、ユーザは自分の10の注文を最良価格に対して重み付けすることを選択し、結果として4つの注文が09の価格に、3つの注文が08の価格に、2つの注文が07の価格に、1つの注文が06の価格になる。
【0074】
上で説明した分散とよく似ているように、本発明により、統合された価格行からの多数の注文を、最悪価格に対して重み付けするように分散させることもできる。図18は、ユーザが自分の10の注文を最悪価格に対して重み付けすることを選択した結果を例示する(4つの注文が00の最悪価格に、3つの注文が01の価格に、2つの注文が02の価格に、1つの注文が03の価格になる)。
【0075】
上述のように、前述の分散方式又はそれらのいずれかの組み合わせを使用して、市場にジョインするために出される注文を分散させることができる。さらに、これらを使用して、超過注文、すなわち、市場において入手可能な数量がマッチされた後に残っている注文の数量を分散させることができる。取引注文の分散を、いずれかの好都合なプログラミング技術によって実施することができ、これにはルール・ベース・プログラミング技術が含まれる。また、取引注文の分散におけるランダム化を、1つ又は複数の標準ランダム化アルゴリズムの使用を通じて実施することもできる。
【0076】
価格を統合するとき、市場深度は、統合されたティックの表示に影響を及ぼす可能性がある。入手可能である注文情報は、取引所に応じて変わる。いくつかの取引所では無限数の価格を提供するが、他の取引所では、制限数のみを供給する可能性がある。ユーザが複数のティックを、1行につき5ティックの統合された価格行にグループ化することを選択し、特定の取引所が10の価格のみを提供する場合、統合は不要となり、これは、すべての価格を画面上で別々に同時に表示することができるからである。
【0077】
図19Aに示す流れ図は、価格統合した取引注文である。これは図6に示したプロセスを修正したものである。この修正は、統合数量(増分)及び分散方式を設定するためのステップ1916を含む。図6の流れ図は、価格行を統合する効果を例示するように変更されている。たとえば、ユーザが市場に入り、00の統合された価格で20の商品のビッド注文を入力することを選ぶ場合、00が価格の範囲を表現するので、00は最良の市場価格でない可能性がある。本発明はこのユーザに、数量を、統合された価格範囲内の1つ又は複数の注文に分割し、したがって潜在的によりよい価格で市場に入るオプションを提供する。加えて、図19Aのステップ1916に表示するように、市場にジョインするユーザは、上述のように、統合数量及び分散方式を設定するオプションを有する。
【0078】
図19Bは、図19Aの流れ図に追加されたボックスであり、市場価格「よりよい」が、選択された数量が市場において入手可能な数量より大きい場合の流れ図である。具体的には、追加された判断ボックスは、市場において注文価格又はそれよりよい価格で入手可能ないずれかの数量があるかどうかに対処する(ステップ1917)。そうでない場合、事前定義された分散方式に従って、注文の残りが所望の数量について出される(ステップ1922及び1923)。そうである場合、次に対処される質問は、注文された数量全体が、市場において注文価格又はそれよりよい価格で入手可能であるものより大きいかどうかである(ステップ1918)。そうでない場合、注文全体が出される(ステップ1919)。そうである場合、注文が、市場において入手可能な数量について出され(ステップ1920)、事前定義された分散方式に従って、残り(ステップ1921)が出される(ステップ1922及び1923)。
【0079】
以上、本発明の好ましい実施の形態を示したが、これに限らず、本発明の範囲内の多数の変更及び修正を行うことができ、本発明はこのようなすべての変更及び修正を含む。
【0080】
(産業上の利用可能性)
この発明は以上説明したように、電子取引所において商品の取引注文を出す際に、ユーザが高速かつ効率的に取引できる。
【符号の説明】
【0081】
101,102,103 ホスト取引所
104,105,106 ルータ
107,108,109 ゲートウェイ
110,111,112,113,114,115,116 クライアント端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
市場において取引される商品の市場深度を表示する方法であって、
所定方向に整列して、複数の統合された価格を静的に表示するステップと、
前記所定方向に整列して、ビッド表示領域に、前記複数の統合された価格にそれぞれ対応する複数の統合されたビッドを動的に表示するステップと、
前記所定方向に整列して、アスク表示領域に、前記複数の統合された価格にそれぞれ対応する複数の統合されたアスクを動的に表示するステップを有し、
前記複数の統合されたビッド及び前記複数の統合されたアスクは、前記商品の市場深度を表現し、
前記複数の統合された価格は、それぞれ、前記商品の複数の価格を表現し、
前記複数の統合されたビッドは、それぞれ、前記商品の複数のビッド数量を表現し、
前記複数の統合されたアスクは、それぞれ、前記商品の複数のアスク数量を表現することを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【公開番号】特開2012−108929(P2012−108929A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−1457(P2012−1457)
【出願日】平成24年1月6日(2012.1.6)
【分割の表示】特願2008−24113(P2008−24113)の分割
【原出願日】平成13年10月5日(2001.10.5)
【出願人】(502317459)トレーディング テクノロジーズ インターナショナル インコーポレイテッド (23)