説明

電子回路チップの装着方法

【課題】
電子回路チップを、紙などの柔らかな素材に電子回路チップを素材の曲げや折り曲げによって破損しないように装着する。
【解決手段】紙が折り曲げられたときに折り目となる可能性のある位置に、電子回路チップ1が位置しないような配置で紙に、回路を装着する。また、回路の配置例210aのように、回路は、電子回路チップ1が、紙の辺に近接した位置に位置し、アンテナ3が紙の辺と平行になるように配置する。また、回路は、コンデンサ2の上に、電子回路チップ1を配置した構造とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路チップなどの電子回路チップを、紙などの柔らかな素材に装着する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、集積回路チップなどの電子回路チップの小型化、薄型化の進展に伴い、電子回路チップがさまざまな利用形態で使用されるようになった。
【0003】
このような電子回路チップの利用形態の一つとして、たとえば、特許文献1などに記載されているように、情報を記憶する小型の電子回路チップを、電子回路チップから非接触で情報を読み出すための素子と共に、携帯可能なプラスチックカードに埋め込み使用する利用形態が知られている。たとえば、予め電子回路チップに個人識別情報を格納した、このようなプラスチックカードは、非接触で個人識別情報を確認できる電子的なIDカードとして利用できる。
【0004】
【特許文献1】特開平3−38396号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように電子回路チップの利用形態は広がっているが、従来は、電子回路チップを装着する素材は、プラスチックカードなどの、固く、大きく曲げたり折り曲げたりすることのできない素材に限られていた。これは、素材を大きく曲げたり折り曲げたりする力が、素材に装着された電子回路チップにも加わると、強度上の理由より電子回路チップが破損してしまう可能性があるからである。
【0006】
しかし、電子回路チップを、紙などの大きく曲げたり折り曲げたりすることのできる柔らかな素材にも装着することができれば、電子回路チップの利用形態を拡大することができ、人々にさらなる利便を提供することができるようになる。
【0007】
そこで、本発明は、電子回路チップを、紙などの柔らかな素材に電子回路チップを素材の曲げや折り曲げによって破損しないように装着する装着方法の提供を目的とする。
【0008】
また、本発明は、紙などの柔らかな素材に装着しても、その素材の曲げや折り曲げによって破損しない電子回路チップの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的達成のために、本発明は、たとえば、折り曲げ可能なシートに、電子回路チップを装着する際に、所定の折り畳み法に従ってシートを折り畳んだ時に折り目となる位置に、前記電子回路チップが位置しないように、前記電子回路チップを前記シートに装着する方法を提供する。このような装着方法によって、シートの折り曲げ時に強いモーメント力が加わる折り目位置を避けて電子回路チップを配置することにより、電子回路チップがシートの折り曲げによって破損することを防止することができるようになる。
【0010】
また、上記シートに装着する電子回路チップに要求されるパラメータを用いて、シートの折り曲げによっても破損しない電子回路チップの仕様を求める。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明によれば、電子回路チップを、紙などの柔らかな素材に、その素材の曲げや折り曲げによって破損しないように、装着することができる。
【0012】
また、本発明によれば、任意の場所に容易に電子回路チップを装着することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0014】
以下では、情報を記憶する電子回路チップを、電子回路チップから非接触で情報を読み出すための素子と共に、紙に装着する場合を例にとり、本発明の実施形態を説明する。ただし、装着する電子回路チップは、これ以外のものであってもかまわないし、電子回路チップを装着するシートの素材も紙以外の、大きく曲げたり折り曲げたりすることのできる柔らかな素材であってよい。
【0015】
さらに、シートの形状も、板状以外の、テープのような、薄く、横方向が非常に長いシートであってもよい。巻き取り可能な形状であってもよい。
【0016】
以下、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0017】
まず、図1に、本実施形態で紙に装着する電子回路チップと、電子回路チップから非接触で情報を読み出すための素子より構成される回路を示す。
【0018】
図中、1が情報を記憶した電子回路チップであり、シリコンチップ上に電子回路を集積したものである。また、コンデンサ2とアンテナ3が、電子回路チップ1から非接触で情報を読み出すための素子である。
【0019】
このような回路に、外部から電波が与えられると、この電波によってアンテナ3において電流が誘起され、電力がコンデンサ2に蓄電される。そして、コンデンサに蓄電された電力で、電子回路チップ1は動作し、アンテナ1より、予め記憶した情報を電波によって送信する。したがって、電波を与えることにより、外部より、非接触で電子回路チップに記憶された情報を読み出すことができる。
【0020】
次に、図2(a)に、紙に回路を装着したようすを示す。
【0021】
図2(a)中、200は回路を装着した紙の表の面を表した上面図である。図中、210a〜210dが紙に装着した回路の配置例を表す。
【0022】
ここで、回路は、201、203の紙の断面図に、回路の配置例210dを例にとり示したように、接着した2枚の紙400、401の間に挟みこむことにより、紙に装着するか、202、204の断面図に、回路の配置例210dを例にとり示したように、紙500の裏の面に接着することにより紙に装着する。
【0023】
さて、回路は、210a〜210dの配置例のように、上面図200に一点鎖線、二点鎖線で示した紙が折り曲げられたときに折り目となる可能性のある位置に、電子回路チップ1が位置しないような配置で紙に装着する。図は、この紙が、紙の横方向については1/2、1/3、1/4に折り畳まれる可能性があり、紙の縦方向については1/2、1/3に折り畳まれる可能性がある場合の例であり、図中の一点鎖線、二点鎖線が、これらのように折り畳まれたときの折り目を表している。
【0024】
電子回路チップ1が位置しないようにする折り目となる可能性のある位置は、その紙が折られる形態が予め分かっているときには、その形態の応じた位置とする。また、その紙が折られる形態が予め分かっていないときには、その紙の種類、用途に応じた紙の折り畳みかたとして通常用いられる1または複数の形態に応じた位置とする。すなわち、特殊な種類、用途の紙を除き、一般的には、紙の縦、横方向のそれぞれについて、その長さの(1/整数n)の位置を折り目となる可能性がある位置とすればよく、整数nとしては、一般的には、2、3、4、5、6、8、16を用いればよい。すなわち、紙の縦、横方向のそれぞれについて、その長さの1/2、1/3、1/4、1/6、1/8、1/16の位置などを折り目となる可能性がある位置とすればよい。
【0025】
このように紙の折り曲げ時に強いモーメント力が加わる折り目位置を避けて電子回路チップを配置することにより、電子回路チップが紙の折り曲げによって破損することを防止することができるようになる。
【0026】
なお、回路は、望ましくは、回路の配置例210aのように、電子回路チップ1が、紙の縁に近接した位置に位置するように配置する。通常、紙の縁付近に曲げや折り曲げによって強い力が加わることはないので、これにより、電子回路チップ1に加わる力の大きさや、電子回路チップ1に力が加わる頻度が小さくなることが期待できる。あるいは、たとえば、紙に盲目者用の凹凸マークが印刷され、その部分が堅くなっているような場合、そこに電子回路チップ1を配置しても電子回路チップ1に加わる力が小さくなることが期待できる。
【0027】
また、本実施形態のようにアンテナ3として全体として直線的な形状を有するアンテナ3を用いる場合には、回路は、210a〜210dの配置例のように、アンテナ3が紙の辺と平行になるように配置する。通常、紙は、紙の辺と平行に曲げられたり折り曲げられたりするので、これにより、アンテナ3に加わる力の大きさや、アンテナ3に力が加わる頻度が小さくなることが期待できる。
【0028】
また、曲げ方向の力に弱い電子回路チップ1は、大きな曲げモーメントが加わらないように、上底面(紙の面と平行になる面)が小さくなるように作成する。
【0029】
そして、図2(b)の回路の拡大図に示すように、電子回路チップ1より上底面(紙の面と平行になる面)を大きく製作したコンデンサ2の上に、電子回路チップ1を、紙の面と垂直な方向からみたときに、電子回路チップ1の上底面がコンデンサ2の上底面内に収まるように配置する。これにより、コンデンサ2によって、電子回路チップ1を外部より加わる力から守ることができる。ただし、電子回路チップ1が、紙の面と垂直な方向からみたときに、電子回路チップ1の上底面がコンデンサ2の上底面内に収まるように配置されていれば、回路は、コンデンサ2と電子回路チップ1の間にアンテナ3が位置するような構造を有していてもよい。
【0030】
以下、本発明の第2実施形態について説明する。
【0031】
本第2実施形態に従って、紙に回路を装着したようすを図3(a)に示す。
【0032】
図3(a)中、300は回路を装着した紙の表の面を表した上面図である。図中、310a〜310hが紙に装着した回路の配置例を表す。
【0033】
ここで、回路は、前記第1実施形態と同様に、301、303の紙の断面図に、回路の配置例310dを例にとり示したように、接着した2枚の紙400、401の間に挟みこむことにより、紙に装着するか、302、304の断面図に、回路の配置例310dを例にとり示したように、紙500の裏の面に接着することにより紙に装着する。
【0034】
ここで、本第2実施形態では、コンデンサ2を折り曲げられない程度に強度を持たせて作成する。そして、コンデンサ2の上底面(紙の面と平行に成る面)を、図示するように、紙を縦横について(1/整数n)で区切る区切り線(図中、一点鎖線)と紙の辺で構成される各格子の大きさより、少し小さい大きさとし(形状は四角形に限らない)、いずれかの格子の中央部にコンデンサ2が位置するように回路を配置する。
【0035】
図示した例は、前記格子として、紙を縦方向について1/2に、横方向については1/4毎に区切る区切り線(図中、一点鎖線)と紙の辺で構成される格子を設定した例を示している。格子を定める区切り線は、その紙が折られる形態が予め分かっているときには、その形態で生じる折り目が区切り線となるように設定する。また、その紙が折られる形態が予め分かっていないときには、その紙の種類、用途に応じた紙の折り畳みかたとして通常用いられる1つの形態で生じる折り目が区切り線となるように設定する。すなわち、特殊な種類、用途の紙を除き、一般的には、紙の縦方向、横方向について、それぞれ、その長さの1/2の位置、1/3毎の位置、1/4毎の位置、1/6毎の位置、1/8毎の位置、1/16毎の位置のいずれかが、格子を定める区切り線の位置となるように設定すればよい。
【0036】
また、第2実施形態では、図3(b)の回路の拡大図に示すように、電子回路チップ1より上底面(紙の面と平行になる面)を大きく製作したコンデンサ2の上に、電子回路チップ1を、紙の面と垂直な方向からみたときに、電子回路チップ1の上底面がコンデンサ2の上底面内に収まるように配置することにより、コンデンサ2によって、電子回路チップ1が外部より加わる力から守られるようにする。ただし、電子回路チップ1が、紙の面と垂直な方向からみたときに、電子回路チップ1の上底面がコンデンサ2の上底面内に収まるように配置されていれば、回路は、コンデンサ2と電子回路チップ1の間にアンテナ3が位置するような構造を有していてもよい。
【0037】
このような第2実施形態によれば、コンデンサ2が占める部分は、紙を折り曲げにくいので、コンデンサ2が占める部分で紙が折り曲げられないことが期待でき、したがって、このコンデンサ2が占める部分に配置された電子回路チップ1に外部から強い力が加わらないことが期待できる。また、コンデンサ2は、通常の形態による紙の折り曲げに支障とならない位置に配置しているので、これによって、紙の使い勝手が大きく劣化することもない。
【0038】
以下、本発明の第3実施形態について説明する。
【0039】
電子回路チップを紙に装着した場合、紙の使用において外部から力が加わると、紙が湾曲する際、電子回路チップにも力が加わる。本実施形態では、電子回路チップが板状(直方体に近い形)である場合に、外部から加えられる力により電子回路チップが破損しないような条件を求め、求めた条件に沿って設計した電子回路チップを紙に装着する。
【0040】
まず、図4に、電子回路チップが紙に装着された状態の断面図を示す。
【0041】
図中、41は電子回路チップであり、42、43は紙である。図4(a)、(c)は、電子回路チップ41が、接着した紙42、43の間に挟み込まれて装着されている場合の図であり、図4(a)は紙に力が加わっていない状態を、図4(c)は紙に力が加わり湾曲している状態を示している。図4(b)、(d)は、電子回路チップ41が、紙43の上面に接着されて装着されている場合の図であり、図4(b)は紙に力が加わっていない状態を、図4(d)は紙に力が加わり湾曲している状態を示している。
【0042】
電子回路チップの板面の長辺を湾曲させるように力およびモーメントが働いているとすると、前記力およびモーメントは、実際には、電子回路チップの様々な位置に働いているが、前記電子回路チップの板面の短辺のうち1辺を固定端とし、反対側の1辺を自由端とした場合に、板面全面に働く等分布荷重、自由端に働く集中荷重および自由端に働くモーメントに置き換えて表わされる。電子回路チップが紙に挟み込まれている場合でも、上面に接着されている場合でも、同様な形で近似できる。
【0043】
図5に、電子回路チップを湾曲させるように働く力およびモーメントを近似的に表わした図を示す。
【0044】
図中、右上がり斜線部は電子回路チップ41の板面の長辺に対して平行な断面を表わしている。前記電子回路チップ41の板面の短辺は、図4の中で電子回路チップ41の断面の両端にあたる。このうち左端は自由端、右端は固定端である。図4において、固定部を右下がり斜線で示す。Hは電子回路チップ41の厚さ(m)であり、Lは電子回路チップの長辺の長さ(m)である。Pは電子回路チップの板面全面に働く単位面積当たりの等分布荷重(N/m )、Wは自由端に働く単位長さ当たりの集中荷重(N/m)、Mは自由端に働く単位長さ当たりの曲げモーメント(N)である。
【0045】
電子回路チップ41を湾曲させる力P、W及びモーメントMはこの断面内で働くものとし、電子回路チップ41を図下方向に湾曲させるような向きを正とする。本実施例では、力P、W及びモーメントMは、正の値をとるものとする。
【0046】
自由端を原点とし、右向きにx軸をとる。等分布荷重Pにより位置x(m)に作用する単位長さ当たりのモーメントはPx /2(N)である。集中荷重Wにより位置x(m)に作用する単位長さ当たりのモーメントはWx(N)である。曲げモーメントMにより作用する単位長さ当たりのモーメントはxの値によらず一定値M(N)になる。よって、位置x(m)に作用する単位長さ当たりのモーメントの総和MSUM
Px/2+Wx+M(N)と表わされる。xは0からLの間の値を取るので、
SUMはx=Lの時に最大値を取り、その値MMAX
PL/2+WL+M(N)である。
【0047】
本実施例では、電子回路チップ41は直方体に近似できるので、電子回路チップ41に働く曲げ応力は、最大曲げモーメントが働く個所において最大値を取り、その値σMAX
6MMAX/H(N/m )となる。
【0048】
ここで、電子回路チップ41の曲げ強さをσ(N/m )とすると、電子回路チップ41が破損しない条件はσ≧σMAXであるので、
3PL +6WL+6M−σH ≦0 …(式1)
を得る。
【0049】
(式1)をL、H、σについて解くと、それぞれ
L≦{−W+(W−PA)1/2}/P …(式2)
H≧{3(PL+2WL+2M)/σ}1/2 …(式3)
σ≧(3PL+6WL+6M)/H …(式4)
を得る。(式2)においてA=2M−σH/3である。
【0050】
電子回路チップが破損しない条件として、(式2)より辺長L(m)の最大値が、(式3)より厚さH(m)の最小値が、(式4)より曲げ強さσ(N/m )の最小値が得られる。
【0051】
例を挙げると、電子回路チップを紙の中に装着し、外部から指でなぞっても分からない程度の厚さとする必要がある場合、電子回路チップの厚さH(m)の最大値が決定する。電子回路チップの材質、形状などから求められる曲げ強さσ(N/m )、紙の使用において加わると予想される単位面積当たりの等分布荷重P(N/m )、単位長さ当たりの集中荷重W(N/m)及び単位長さ当たりのモーメントM(N)を(式2)に代入すると、電子回路チップが破損しないための最大辺長L(m)が求められる。
【0052】
また、別の例を挙げると、電子回路チップが多機能である必要がある場合、回路規模が大きくなるので、電子回路チップの長辺の長さL(m)の最小値が決定する。上記の例と同様に求めた、電子回路チップの曲げ強さσ(N/m )、単位面積当たりの等分布荷重P(N/m )、単位長さ当たりの集中荷重W(N/m)及び単位長さ当たりのモーメントM(N)を(式3)に代入すると、電子回路チップが破損しないための最小厚さH(m)が求められる。
【0053】
このように本実施例によれば、紙などの柔らかい素材に装着しても破損することのない電子回路チップを提供することができる。また、このように設計した電子回路チップが装着されたシートを提供することができる。
【0054】
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
【0055】
本実施形態では、電子回路チップを装着するシートとして、テープ状のシートを用いる。
【0056】
図6に例示するような、巻き取り可能なテープ状のシートを用いることで、板状のシートのようにシートが切り離された状態だけではなく、連続したシートを巻いた状態で提供することが可能となる。
【0057】
複数個の電子回路チップ41が一定間隔で粘着テープ61に装着されている。粘着テープ61は巻き取った状態で保管し、必要分だけ引き出して使用する。粘着テープ61には、電子回路チップ41が一つだけ装着された状態で切り取るためのミシン穴62がある。
【0058】
本実施例によれば、所望の物体にあらかじめ電子回路チップが装着されていなくても、電子回路チップ41が装着されている部分の粘着テープを必要分だけ切り離して前記物体に貼りつけるだけで、電子回路チップを装着できる。
【0059】
本実施形態によると、粘着テープ61の貼りつけが可能な任意の物体に、任意の個数の電子回路チップ41を装着することが可能となる。
【0060】
なお、本実施形態では、粘着テープ61を用いて説明したが、テープ状のものでなくても、シールのような板状の粘着シートを用いても良い。
【0061】
また、他の手段により切り離したテープ61を所望の物体に装着できるのであれば粘着性を持たなくてもよい。
【0062】
また、同一の電子回路チップ41は同一種類に限られるのではなく、複数種類が混載されていてもよい。
【0063】
また、同一種類または複数種類からなる複数の電子回路チップ41毎に切り離すように構成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施形態において紙に装着する、電子回路チップを用いた回路の回路図である。
【図2】本発明の第1実施形態に従って電子回路チップを用いた回路を紙に装着したようすを示した図である。
【図3】本発明の第2実施形態に従って電子回路チップを用いた回路を紙に装着したようすを示した図である。
【図4】本発明の第3実施形態における、電子回路チップを紙に装着した状態の断面図である。
【図5】本発明の第3実施形態における、電子回路チップを湾曲させるように働く力およびモーメントを近似的に表わした図である。
【図6】本発明の第4実施形態における、電子回路チップを装着したテープの図である。
【符号の説明】
【0065】
1:電子回路チップ、2:コンデンサ、3:アンテナ、210、310:回路、400、401、500:紙、41:電子回路チップ、42、43:紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の電子回路チップを板状の他の電気素子と共に可撓性あるシートに装着する方法であって、
前記他の電気素子の板面が前記電子回路チップの板面より大きくなるように、前記他の電気素子と前記電子回路チップを選択し、
前記他の電気素子の板面と前記電子回路チップの板面が前記シート面と平行になり、かつ、前記シート面に対して垂直な方向から見たときに、前記他の電気素子の板面内に前記電子回路チップの板面が収まるように、前記シートに、前記他の電気素子と前記電子回路チップを装着する
ことを特徴とする電子回路チップの装着方法。
【請求項2】
折り曲げ可能な、シートに電子回路チップを装着する方法であって、
所定の折り畳み法に従ってシートを折り畳んだ時に折り目となる位置に、前記電子回路チップが位置しないように、前記電子回路チップを前記シートに装着する
ことを特徴とする電子回路チップの装着方法。
【請求項3】
折り曲げ可能な、シート面が四角形のシートに電子回路チップを装着する方法であって、
少なくとも、シート面の縦横のうちのより長い方向の長さの1/2の位置、および1/3毎の位置もしくは1/4毎の位置と、シート面の縦横のうちのより短い方向の長さの1/2の位置とを含む位置に、前記電子回路チップが位置しないように、前記電子回路チップを前記シートに装着する
ことを特徴とする電子回路チップの装着方法。
【請求項4】
請求項2記載の電子回路チップの装着方法であって、
シート面の縁近傍の位置に電子回路チップを装着する
ことを特徴とする電子回路チップの装着方法。
【請求項5】
板状の電子回路チップを板状の他の電気素子と共に、シート面が四角形の折り曲げ可能なシートに装着する方法であって、
前記他の電気素子の板面を、シート面をn×m(但し、nおよびmは2以上の整数)に区切って得られる四角形の大きさよりわずかに小さい大きさとし、
前記他の電気素子の板面と前記電子回路チップの板面が前記シート面と平行になり、かつ、前記他の電気素子の板面が、前記シート面に対して垂直な方向から見たときに、前記シート面をn×mに区切って得られる四角形のうちの一つに収まり、かつ、前記シート面に対して垂直な方向から見たときに、前記他の電気素子の板面内に前記電子回路チップの板面が収まるように、前記シートに、前記他の電気素子と前記電子回路チップを装着する
ことを特徴とする電子回路チップの装着方法。
【請求項6】
請求項2記載の電子回路チップの装着方法であって、
長棒もしくは長板状の電気部品を、当該電気部品の長手方向が前記シートの辺の方向と一致するように、前記シートに装着する
ことを特徴とする電子回路チップの装着方法。
【請求項7】
請求項2記載の電子回路チップの装着方法であって、
前記シートは紙である
ことを特徴とする電子回路チップの装着方法。
【請求項8】
請求項2記載の電子回路チップの装着方法であって、
前記シートはテープ状である
ことを特徴とする電子回路チップの装着方法。
【請求項9】
請求項7記載の電子回路チップの装着方法であって、
前記シートは二層構造を有し、前記電子回路チップは、前記シートの層間に装着される
ことを特徴とする電子回路チップの装着方法。
【請求項10】
請求項7記載の電子回路チップの装着方法であって、
前記電子回路チップは、前記シートの表裏の二つのシート面のうちの一方のシート面上に装着される
ことを特徴とする電子回路チップの装着方法。
【請求項11】
可撓性あるシートに装着する板状の電子回路チップであって、
前記電子回路チップは、
前記電子回路チップに作用する力を、前記電子回路チップの板面の短辺のうちの一辺を固定端とし反対側の一辺を自由端とした場合に相当する、電子回路チップの板面全面に働く単位面積当たりの等分布荷重P(N/m)と自由端に働く単位長さ当たりの集中荷重W(N/m)で表わし、かつ、
前記電子回路チップに作用するモーメントを、前記電子回路チップの板面の短辺のうちの1辺を固定端とし反対側の1辺を自由端とした場合に相当する、自由端に働く単位長さ当たりのモーメントM(N)で表わし、かつ、
前記電子回路チップの厚さをH(m)で表わし、かつ、
前記電子回路チップの長辺の長さをL(m)で表わし、かつ、
前記電子回路チップの板面に接着されている前記電子回路チップよりも大きな板状の他の電気素子の曲げ強さおよび前記電子回路チップの曲げ強さのうちより強い方の曲げ強さを
σ(N/m)で表わした時に、
3PL+6WL+6M−σH≦0
を満足する厚さ、長辺の長さおよび曲げ強さを備える
ことを特徴とする電子回路チップ。
【請求項12】
請求項11記載の電子回路チップが装着されたシート。
【請求項13】
板状の電子回路チップと板状のコンデンサとアンテナとを有する電気回路が装着された、シート面が四角形の折り曲げ可能なシートであって、
前記電子回路チップは、所定の折り畳み法に従ってシートを折り畳んだ時に折り目となる位置に、前記電子回路チップが位置しないように、前記シートに装着され、かつ、
前記コンデンサと前記電子回路チップは、前記コンデンサの板面と前記電子回路チップの板面が前記シート面と平行になり、かつ、
前記シート面に対して垂直な方向から見たときに、前記コンデンサの板面内に前記電子回路チップの板面が収まるように、前記シートに装着され、前記アンテナは、当該アンテナの長手方向が前記シートの辺の方向と一致するように、前記シートに装着されている
ことを特徴とするシート。
【請求項14】
板状の電子回路チップと板状のコンデンサとアンテナとを有する電気回路が装着された、シート面が四角形の折り曲げ可能なシートであって、
前記コンデンサの板面は、シート面をn×m(但し、nおよびmは2以上の整数)に区切って得られる四角形の大きさよりわずかに小さい大きさを有し、
前記シートに、前記コンデンサの板面と前記電子回路チップの板面が前記シート面と平行になり、かつ、
前記コンデンサの板面が、前記シート面に対して垂直な方向から見たときに、前記シート面をn×mに区切って得られる四角形のうちの一つに収まり、かつ、
前記シート面に対して垂直な方向から見たときに、前記コンデンサの板面内に前記電子回路チップの板面と前記アンテナの輪郭が収まるように、前記コンデンサと前記電子回路チップと前記アンテナとが、前記シートに装着されている
ことを特徴とするシート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−85729(P2006−85729A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−307968(P2005−307968)
【出願日】平成17年10月24日(2005.10.24)
【分割の表示】特願2000−585822(P2000−585822)の分割
【原出願日】平成11年11月26日(1999.11.26)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】