説明

電子回路基板用粘着剤

【課題】本発明は、電子回路基板用粘着剤を提供する。
【解決手段】本発明の電子回路基板用粘着剤は、ポリイソシアネートプレポリマー60%-75%、リンとハロゲンを含まない耐燃剤9%-25%、絶縁材15%-22%及び界面活性剤1%-3%、という重量パーセントを備えてなる成分で、電子回路基板上の電子部品を固定、絶縁、保護するために用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着剤に関わり、特に電子回路基板に用いられる絶縁性粘着剤に関する。
【背景技術】
【0002】
電子回路基板に電子部品を溶接したあと、溶接点以外の部分は、固定されない場合、衝突または振動によって容易に断裂したり、短絡になったり、または抜けたりなどする恐れがあるため、一般的にその上に粘着剤を塗布して、電子回路基板上の電子部品を保護する。粘着剤の塗布は図一と図二に示すように、通常は二つの電子部品の間、または電子部品と電子回路基板の間に行われる。
【0003】
このように、電子回路基板に用いられる粘着剤は、次のような特性を持っているが、
1)高難燃性(米国規格UL94V-0に適合)
2)多種多様な材質に対応の高粘着性
3)弾力性
4)高絶縁性
5)耐高温性(恒温80℃以下は炭化しない)。
【0004】
現在、よく用いられる粘着剤は、溶剤型、ホットメルト接着剤とシリコンの三種があるが、その中に、溶剤型粘着剤は更に、クロロプレンゴムとポリエステル合成樹脂があり、クロロプレンゴムは、高粘着性と低価格という長所を持っているが、溶剤型なので、人の健康に害を及ぼし、耐高温性が悪く、炭化しやすく、プラスチックにも腐食性があるのに対して、ポリエステル合成樹脂は、クロロプレンゴムのように簡単に炭化しないが、クロロプレンゴムと同じように、人の体に害を及ぼし、腐食性があり、粘着性が比較的に悪く、耐衝撃性も悪い。
【0005】
ホットメルト接着剤は、凝固速度が速く、操作工具が安価で、固化後も収縮しないが、ホットメルトガンの温度変化により、接着強度が影響され、均一にならず、ゴム体弾力が悪く、耐衝撃性も悪いほかに、ホットメルト接着剤の粘着が高温という作業温度で行われるので、作業員が傷つきやすい。
【0006】
上述の二種の粘着剤に比べると、シリコンは、好適な物理的特性があり、例えば、収縮率が低く、有害性がなく、弾力性がよく、耐高温性に優れているが、価格が高く、保存しにくい(湿気で固化しやすい)という欠点があり、そして、多くの物質間との接着性が悪いから、剥がれやすい。
【0007】
以上を見て分かるように、既有の各電子回路基板用粘着剤はそれぞれ長短所があって、まだ改善できる可能性が大きい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許公表2002−518650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、シリコンや樹脂より安く、シリコン、ホットメルト接着剤や樹脂より粘着性がよく、そしてクロロプレンゴム、樹脂やホットメルト接着剤より弾力性がよく、それに、クロロプレンゴムや樹脂より収縮率が低く、高絶縁性に優れた電子回路基板用粘着剤を提供することを主な目的とする。
【0010】
本発明は、溶剤を含まず、人体に害を与えず、ホットメルト接着剤のように高温作業で生じられるリスクがなく、常温下で操作できる電子回路基板用粘着剤を提供することを二つめの目的とする。
【0011】
本発明は、シリコンより湿気に対する反応がよく、シリコンと同じような包装方法で行われるが、湿気によって簡単に固化しない電子回路基板用粘着剤を提供することを三つめの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の目的を達成させるため、本発明は、ポリイソシアネートプレポリマー60%-75%、リンとハロゲンを含まない耐燃剤9%-25%、絶縁材15%-22%、界面活性剤1%-3%という重量パーセントを備えてなる電子回路基板用粘着剤を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の粘着剤について、次のように更に説明する。
【0014】
粘着剤は、ポリイソシアネートプレポリマー(MDI-based polyisocyanate prepolymer) 60%-75%、リンとハロゲンを含まない耐燃剤9%-25%、絶縁材15%-22%及び界面活性剤1%-3%という重量パーセントを備えてなる成分である。
【0015】
ポリイソシアネートのプレポリマーは、優れた電気抵抗値を持ち、接著性がよいもので、有機物や無機物、金属(例えば、銅、アルミニウム)との間に優れた接著性を有し、耐溶剤性、耐高温性(120℃)と不凍性(−40℃)も優れている。
【0016】
耐燃剤は、リン(P)とハロゲン(X)を含まず、環境にやさしい耐燃剤であり、リン酸エステルまたはハロゲン化合物ではなく、三酸化アンチモン(Sb2o3)複合体のほうがよい。燃焼のとき、温度を低下させる不燃焼ガスが生じられ、助燃性のある酸素を遮断する效果がある。
【0017】
絶縁材は、雲母または珪酸塩鉱物(SiLicate-Mineral)のようなもので、高電圧の衝撃を受けたあと、樹脂による電流遮断の効果を生じさせるようにし、よりよい電気絶縁効果を高められる。
【0018】
界面活性剤は、二つの異種材質の接着面の表面張力を除去し、その潤湿性を高め、更に、無機物と有機物の間の接著性を高めるものであり、環境にやさしいジ(2-エチルヘキシル) テレフタラート(Di-(2-ethylhexyl)-Terephthalate)または有機シリコンのほうがよい。
【0019】
本発明の粘着剤は、大気中の湿気とポリイソシアネートプレポリマーによって硬化したもので使用しやすく、その物理的特性は次の通り。
【0020】
上述は、本発明の好適な実施例を具体的に説明してきたもので、本発明の特許請求の範囲は、それに制限されないものとし、本発明の考えやコンセプトをもとに、その改造や修正を行ってそれと同等な効果を得たとしても、すべて本発明の特許請求の範囲に属するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施されたときのイメージ一。
【図2】本発明の実施されたときのイメージ二。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリイソシアネートプレポリマー(MDI-based polyisocyanate) 60%-75%、
リンとハロゲンを含まない耐燃剤9%-25%、
絶縁材15%-22%、そして
界面活性剤1%-3%
という重量パーセントを備えてなる電子回路基板用粘着剤。
【請求項2】
該耐燃剤は、リン酸エステルとハロゲンを含まない耐燃剤であることを特徴とする請求項1に記載の電子回路基板用粘着剤。
【請求項3】
該耐燃剤は、三酸化アンチモン(Sb2o3)複合体であることを特徴とする請求項1に記載の電子回路基板用粘着剤。
【請求項4】
該絶縁材は、雲母であることを特徴とする請求項1に記載の電子回路基板用粘着剤。
【請求項5】
該絶縁材は、珪酸塩鉱物(SiLicate-Mineral)であることを特徴とする請求項1に記載の電子回路基板用粘着剤。
【請求項6】
該界面活性剤は、ジ(2-エチルヘキシル) テレフタラート(Di-(2-ethylhexyl)-Terephthalate)であることを特徴とする請求項1に記載の電子回路基板用粘着剤。
【請求項7】
該界面活性剤は、有機シリコンであることを特徴とする請求項1に記載の電子回路基板用粘着剤。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−136615(P2012−136615A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−289283(P2010−289283)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(511000212)品裕實業有限公司 (1)
【Fターム(参考)】