説明

電子式乾燥箱の制御回路装置

【目的】 いかなる化学薬剤の交換も材料の消耗も必要とせず、静音運転且つ節電型の、一種の電子式乾燥箱の制御回路装置。
【構成】 一温度検出エレメントと一湿度検出エレメントによりそれぞれ乾燥箱内の温度と湿度を検出し、ならびにこの信号を一アナログ・ディジタル変換器に送り、アナログの温度、湿度信号を二進数のディジタル信号に変換し、さらに一マイクロプロセッサに送り、該マイクロプロセッサは該湿度検出値を使用者が設定した希望湿度値と比較し、並びに自動的に除湿チップ及びファンを駆動するか否かを決定し、並びに該マイクロプロセッサは信号を7段表示器に送り、7段表示器が現在の温度、湿度の設定値を表示する。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、一種の電子式乾燥箱の制御回路装置、特に化学薬剤や圧縮機を使用した伝統的な乾燥箱に代わり、静かで電気を節約する除湿チップを用いたもので、従来の技術の不便さを改善するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
気温、湿度の高い地方では、各種の黴菌が繁殖し、カメラ、ビデオカメラ、望遠鏡などの精密光学器材、及び磁気ディスク、化学工業原料などの物品は湿気により変質、或いは酸化し或いは黴を発生し、取り返しのつかない損害を受けることがある。ゆえに、上述の物品の保存には適当に保存湿度を制御し、その品質を確保することが必要である。従来の伝統的な保存方法は、物品を一密閉容器内に保存して容器内に乾燥剤(炭酸カルシウムや塩化第1コバルトなど)を置くことであるが、この方法は、経済的であるとはいえ、その湿度状況を知ることができず、且つ乾燥剤(化学薬剤)は一定の使用期限を有し、一旦反応が完了すると、該薬剤は作用を失墜し、つねに検査して交換する必要があり、煩瑣であると共に、湿度の制御効果が劣っていた。一般にはもう一種の、電気装置を化学薬剤に組み合わせて使用し、電気装置で化学薬剤に水分を吸収させる乾燥箱がある。これは湿度制御の効果が上述の従来の技術より増進されているとはいえ、薬剤を常に交換する必要があり、従来の技術の欠点を徹底的に解決するものではなかった。
本考案は、以上の従来の乾燥箱の欠点を解決するために創作されたものである。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
ゆえに、本考案の主な目的は、半導体除湿チップを除湿エレメントとなし、湿度検出装置を組み合わせることで、箱内の湿度を安定して保持し、いかなる化学薬剤の交換も材料の消耗も必要とせず、静音運転且つ節電型の、一種の電子式乾燥箱の制御回路装置を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本考案の電子式乾燥箱の制御回路装置は、一マイクロプロセッサ、一湿度信号
増幅器、一温度信号増幅器、一アナログ・ディジタル変換器、一除湿チップ駆動回路、及びキーボード及び表示器符号器、温度及び湿度検出エレメントより構成され、その中、温度及び湿度検出エレメントはそれぞれ温度及び湿度信号増幅器に連接し、その増幅後に信号をアナログ・ディジタル変換器に送り、変換後のディジタル信号をマイクロプロセッサに送り、該マイクロプロセッサの入力ポートには一キーボード符号器が連接されて使用者の湿度設定信号を受取り、除湿チップ及びファンはそれぞれ一リレーの接点上に連接し、該二リレーの動作コイルはそれぞれ一スイッチトランジスタに直列に連接し、そのベースはそれぞれマイクロプロセッサに連接し、その中の一リレーの接点は除湿チップ駆動回路と除湿チップに連接し、もう一つのリレーの接点はファンとその駆動電源に連接し、マイクロプロセッサは使用者がキーボードにより設定した湿度値と乾燥箱内の実際湿度値を根拠とし、自動的にスイッチトランジスタをトリガするか否かを判断して除湿チップとファンを動作させるか否かを制御し、7段表示器により温度、湿度の実際値と設定値の動作状態を表示することを特徴とする。
【0005】
【作用】
本考案は、一種の電子式乾燥箱の制御回路装置、特に除湿チップを利用して水分を吸収する乾燥箱の制御回路装置に関するものである。本考案の電子式乾燥箱の制御回路装置は、一CPUを制御の中心となし、温度、湿度検出エレメントにより温度、湿度を検出して温度、湿度信号を発生し、増幅器により増幅の後、さらに一アナログ・ディジタル変換器を経てディジタル信号をCPU内に送り、該CPUは該湿度信号を、キーボードより入力した設定値と比較し、除湿チップの動作或いは不動作を自動制御し、もって希望の設定湿度値を達成し、並びに、同時に温度、湿度値を数字表示し、いかなる化学薬剤や圧縮機も必要とせず、運転が静かであり、且つ電気を節約する。
【0006】
【実施例】
図1は本考案の動作フローチャートである。図1に示されるように、本考案は、一温度検出エレメントと一湿度検出エレメントによりそれぞれ乾燥箱内の温度と湿度を検出し、ならびにこの信号を一アナログ・ディジタル変換器に送り、アナログの温度、湿度信号を二進数のディジタル信号に変換し、さらに一マイクロプロセッサに送り、該マイクロプロセッサは該湿度検出値を使用者が設定した希望湿度値と比較し、並びに自動的に除湿チップ及びファンを駆動するか否かを決定し、並びに該マイクロプロセッサは信号を7段表示器に送り、7段表示器が現在の温度、湿度の設定値を表示する。続いて図2の本考案の電気回路図を参照されたい。本考案は、一8ビットシングルチップマイクロプロセッサ(8751,UI)を制御の中心とし、その入力ポートP0.0〜P0.7はアナログ・ディジタル変換器(ADC0804,U4)に連接し、該アナログ・ディジタル変換器(U4)は温度信号増幅器1と湿度信号増幅器2の出力端に連接し、ただし該二増幅器1、2の出力信号はそれぞれ一つの二方向スイッチ(4066,U5A,U5C)に連接し、さらにアナログ・ディジタル変換器(U4)に併せて連接し、該二方向スイッチ(U5A,U5C)の制御ゲートはマイクロプロセッサ(U1)に連接し、マイクロプロセッサ(U1)によりトリガされ、温度、湿度信号はアナログ・ディジタル変換器(U4)に交代入力される。なお、温度信号増幅器は三つの演算増幅器が直列に接続されて三球増幅器の構造とされ、湿度増幅器は単級演算増幅器とされる。入力湿度の設置に使用されるキーボードは、一つのキーボード符号器(74138,U8)に信号を入力し、その出力端はさらにマイクロプロセッサ(U1)に連接し、使用者が必要とする湿度をマイクロプロセッサ(U1)内に入力でき、それが除湿チップ駆動の基準に達しているか否かを判断する。別に一つの交流電源減圧、整流と、トランジスタ(Q1〜Q5)、コンデンサー(C5、C6)、ジエナダイオード(D3)と抵抗(R6〜R9、R19)より構成される除湿チップ駆動回路3を有し、もって出力周波数応答が極めて良好な直流電源を除湿チップに出力してその使用に供し、該直流電源は一リレー(K1)の常開接点に連接し、該リレー(K1)の動作コイルは一スイッチトランジスタ(Q6)に直列に連接し、そのベースはマイクロプロセッサ(U1)の出力ポート(P2.6)に連接し、もう一つの出力ポート(P2.7)はもう一つのリレー(K2)の動作コイルのスイッチトランジスタ(Q2)に連接し、その常開接点は交流或いは直流電源に連接してファンに至り、マイクロプロセッサ(U1)は使用者の設定した希望湿度値と湿度検出エレメントが検出した箱内の実際の湿度値とを比較し、スイッチトランジスタ(Q6、Q7)をトリガするか否かを決定し、除湿チップとファンに除湿動作を行わせ、並びに7段表示器により希望湿度、箱内湿度及び温度、電源等の所有の動作状態を表示させる。
【0007】
【考案の効果】
本考案の電子式乾燥箱の制御回路装置は、半導体除湿チップを除湿エレメントとなし、湿度検出装置を組み合わせることで、箱内の湿度を安定して保持し、いかなる化学薬剤の交換も材料の消耗も必要とせず、静音運転且つ節電型の、一種の電子式乾燥箱の制御回路装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の動作フローチャートである。
【図2】本考案の電気回路図である。
【符号の説明】
1・・・温度信号増幅器 2・・・湿度信号増幅器 3・・・除湿チップ駆動回路

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 一マイクロプロセッサ、一湿度信号増幅器、一温度信号増幅器、一アナログ・ディジタル変換器、一除湿チップ駆動回路、及びキーボード及び表示器符号器、温度及び湿度検出エレメントより構成され、その中、温度及び湿度検出エレメントはそれぞれ温度及び湿度信号増幅器に連接し、その増幅後に信号をアナログ・ディジタル変換器に送り、変換後のディジタル信号をマイクロプロセッサに送り、該マイクロプロセッサの入力ポートには一キーボード符号器が連接されて使用者の湿度設定信号を受取り、除湿チップ及びファンはそれぞれ一リレーの接点上に連接し、該二リレーの動作コイルはそれぞれ一スイッチトランジスタに直列に連接し、そのベースはそれぞれマイクロプロセッサに連接し、その中の一リレーの接点は除湿チップ駆動回路と除湿チップに連接し、もう一つのリレーの接点はファンとその駆動電源に連接し、マイクロプロセッサは使用者がキーボードにより設定した湿度値と乾燥箱内の実際湿度値を根拠とし、自動的にスイッチトランジスタをトリガするか否かを判断して除湿チップとファンを動作させるか否かを制御し、7段表示器により温度、湿度の実際値と設定値の動作状態を表示することを特徴とする、電子式乾燥箱の制御回路装置。

【図1】
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【図2】
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【登録番号】第3019087号
【登録日】平成7年(1995)9月27日
【発行日】平成7年(1995)12月5日
【考案の名称】電子式乾燥箱の制御回路装置
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平7−7004
【出願日】平成7年(1995)6月7日
【出願人】(595098642)