電子式計算機及びプログラム
【課題】学習等の実施状況に応じて表示範囲を変更して、学習者にとって有用なデータが容易に確認できるよう提示することを可能にする。
【解決手段】電卓1は、電卓処理プログラム17aにより、入力に対して所定の演算処理を実行して演算結果を出力する電卓機能を実行する。制御部10は、電卓機能により出力される演算結果と、通信制御部13を通じてパーソナルコンピュータから受信したテキストデータとを、表示画面を演算結果を表示するための第1領域とテキストを表示するための第2領域とに分割してそれぞれ表示する。また、制御部10は、入力部11から入力されるキー操作(リサイズキー)による指示に応じて、第1領域と第2領域の領域範囲を変更する。
【解決手段】電卓1は、電卓処理プログラム17aにより、入力に対して所定の演算処理を実行して演算結果を出力する電卓機能を実行する。制御部10は、電卓機能により出力される演算結果と、通信制御部13を通じてパーソナルコンピュータから受信したテキストデータとを、表示画面を演算結果を表示するための第1領域とテキストを表示するための第2領域とに分割してそれぞれ表示する。また、制御部10は、入力部11から入力されるキー操作(リサイズキー)による指示に応じて、第1領域と第2領域の領域範囲を変更する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子式卓上計算機(電卓)などの電子式計算機、同計算機において実行されるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、グラフ関数電卓には、基本的な電卓機能だけでなく、プログラミング機能やグラフ表示機能に加え、データ通信機能などが搭載されたものがある。データ通信機能が搭載されたグラフ関数電卓は、学校などにおける実験や実習等、教育の現場において、他の情報処理装置(例えば各種のデータを提供するサーバ装置や教師が使用するパーソナルコンピュータなど)との間でデータ通信を実行し、授業に必要な教材や試験問題、学習課題などのデータをダウンロードしたり、あるいは配信を受けることができる。グラフ関数電卓は、サーバから取得したデータを用いて学習などに利用するための動作を実行することができる。
【0003】
例えば、特許文献1には、サーバ装置とネットワーク接続された多機能関数電卓が記載されている。この多機能関数電卓は、サーバ装置から問題データを受信し、この問題データに対して答案データを送信する。サーバ装置では、答案データの正誤を判断し、正解と判定され且つ内容の異なる答案データの答案内容を解法データとし、この解法データに基づいて解答データを作成し、解法データと解答データとを多機能関数電卓に送信する。多機能関数電卓は、受信した解法データから答案データに対応する解法データを指定して、解法データを表示する。
【特許文献1】特開2004−93915号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように特許文献1に記載された多機能関数電卓では、サーバ装置から答案データや解法データなどをネットワークを通じて受信し、表示して学習などに利用することができる。
【0005】
しかしながら、多機能関数電卓における表示画面は、例えば設問表示ウィンドウや答案表示領域など、予め決められた固定的な表示範囲内に表示されるようになっていた。従って、サーバ装置から多機能関数電卓に対して送信されるデータは、予め決められた領域において表示可能な形式に限られていたため、例えば教師側から学習に有用な様々なデータを提供することができなかった。また、表示範囲が固定的であるため、学習者にとって有用なデータを、学習の実施状況に合わせて確認が容易となるように提示することができなかった。
【0006】
本発明の課題は、学習等の実施状況に応じて表示範囲を変更して、学習者にとって有用なデータが容易に確認できるよう提示することが可能な電子式計算機及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、表示装置と、入力に対して所定の演算処理を実行して演算結果を出力する演算手段と、前記演算手段により出力される演算結果を前記表示装置の表示画面に表示させる演算結果表示手段と、テキストデータを記憶するテキスト記憶手段と、前記テキスト記憶手段に記憶されたテキストデータをもとにテキストを前記表示装置の表示画面に表示させるテキスト表示手段と、前記表示装置における表示画面を、前記演算結果表示手段により演算結果を表示するための第1領域と前記テキスト表示手段によりテキストを表示するための第2領域とに分割する分割手段と、前記分割手段により分割された前記第1領域と前記第2領域の領域範囲を変更する領域範囲変更手段とを具備したことを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、情報処理装置との間で通信を行う通信手段を具備し、前記テキスト記憶手段に記憶されるテキストデータは、前記通信手段による前記情報処理装置との通信により受信されることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記テキスト表示手段により表示されたテキスト中の任意の位置を指定する指定手段と、前記テキスト表示手段により表示されたテキスト中で他のデータファイルとのリンクを定義する記述部分が前記指定手段により指定されたか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によりリンクを定義する記述部分が指定されたと判定された場合に、リンクされた当該データファイル中のデータを前記表示装置において表示させるリンクファイル表示手段とをさらに具備したことを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記リンクを定義する記述部分では、リンクされたデータファイル中のデータを前記第1領域と前記第2領域の何れに表示するかを示し、前記リンクファイル表示手段は、前記記述部分に応じて、データファイル中のデータを前記第1領域または前記第2領域の何れかに表示することを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記リンクファイル表示手段は、リンクされたデータファイルが画像ファイルである場合、前記第1領域または前記第2領域に画像を表示することを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の発明は、表示装置を備えたコンピュータを、入力に対して所定の演算処理を実行して演算結果を出力する演算手段と、前記演算手段により出力される演算結果を前記表示装置の表示画面に表示させる演算結果表示手段と、テキストデータを記憶するテキスト記憶手段と、前記テキスト記憶手段に記憶されたテキストデータをもとにテキストを前記表示装置の表示画面に表示させるテキスト表示手段と、前記表示装置における表示画面を前記演算結果表示手段により演算結果を表示するための第1領域と前記テキスト表示手段によりテキストを表示するための第2領域とに分割する分割手段と、前記分割手段により分割された前記第1領域と前記第2領域の領域範囲を変更する領域範囲変更手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1,6記載の発明によれば、入力に対して実行される所定の演算処理の演算結果(電卓機能による表示)とテキストとを表示装置において表示させる場合に、表示画面を分割して第1領域と第2領域のそれぞれにおいて表示させ、この分割された第1領域と第2領域の領域範囲を変更できるようにしたので、例えば電卓機能を利用した学習をする場合に、第2領域に表示される学習を実施するために用いられるテキスト(例えば、教科書の「テキスト」や問題集の「問題」「解法」「答え」)を参照しながら電卓機能を使用し、この電卓機能を使用した場合の結果を第1領域に表示して確認することができる。第1領域と第2領域との範囲を変更することができることから、例えば第2領域を広くしてテキストの表示量を増やしたり、あるいは第1領域を広くして演算結果の確認を容易にできるようにしたりするなど、学習の実施状況に応じた表示制御が可能となる。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、他の情報処理装置との間で通信を実行してテキストデータを受信して表示するので、例えば電子式計算機を学習に利用する場合、教師(指導者)が使用する情報処理装置からテキスト(例えば、教科書の「テキスト」や問題集の「問題」「解法」「答え」)を受信して第2領域に表示させることができる。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、テキスト中に他のデータファイルとのリンクを定義する記述がされている場合に、この記述部分が表示された画面中で指定されると、リンクされたファイルのデータを表示させるので、リンクを定義する記述がされているテキストを表示する状況に応じたデータを利用者(例えば学習者)に提示することができる。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、請求項3の発明の効果に加えて、リンクを定義する記述部分において、リンクされたデータファイル中のデータを第1領域と第2領域の何れに表示するかを示すことで、利用者(例えば学習者)に提示するデータに応じて第1領域と第2領域とを使い分けることができる。
【0017】
請求項5記載の発明によれば、請求項4の発明の効果に加えて、テキストとリンクされた画像ファイルを表示することにより(ビットマップ表示機能)、利用者(例えば学習者)に提示可能なデータの形式に制限がなくなり、例えば電子式計算機に予め用意されているフォントとは異なる形状やサイズの文字あるいは異なる言語の文字によるテキスト表示や、図形やイラストなどのイメージ表示など、学習などに有効にデータを任意に提示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるシステムの構成を示す図である。本実施形態では、例えば各種の教育施設において、例えばLAN(ローカルエリアネットワーク)などのネットワークを形成し、生徒(学習者)が使用する電卓1と教師(指導者)が使用するパーソナルコンピュータ2との間でデータ通信できるようにし、パーソナルコンピュータ2から提供されるデータファイルをもとに電卓1を利用して授業や試験、自習などの学習を実施する場合を想定する。
【0019】
図1に示す電卓1は、多機能のグラフ関数電卓であり、基本的な電卓機能だけでなく、プログラミング機能やグラフ表示機能に加え、データ通信機能が搭載されている。
【0020】
また、パーソナルコンピュータ2では、学習などに必要な教材や試験問題、学習課題などをデータ化してファイルとして記憶しているものとする。パーソナルコンピュータ2は、このファイルを必要に応じて、ネットワークを介して電卓1に提供する。
【0021】
なお、図1では、説明を簡単にするために、電卓1とパーソナルコンピュータ2とを1対1で示しているが、パーソナルコンピュータ2に対して複数の生徒(学習者)が使用する複数の電卓1が接続されて使用されるものとする。
【0022】
また、電卓1とパーソナルコンピュータ2の接続は、LANなどのネットワークの他、直接接続のための専用線(専用ケーブル)、電話通信網、ケーブル網、インターネット等の各種通信網を介した接続が可能である(有線/無線を問わない)。
【0023】
図2は、本実施形態における電卓1の機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、電卓1は、制御部10、入力部11、表示部12、通信制御部13、記録媒体読取部14(記録媒体15)、メモリ16、及び記憶部17が設けられている。
【0024】
制御部10は、電卓1の全体の制御を司るもので、記憶部17に記憶された各種プログラムをメモリ16に読み出して実行することで、各種プログラムに従う各種処理を実行する。例えば、制御部10は、電卓処理プログラム17aを実行することで、入力部11からのキー操作信号の入力に対して所定の演算処理を実行して演算結果を出力する電卓機能を実行する。また制御部10は、表示制御プログラム17bを実行することで、表示部12(ディスプレイ12a)の表示画面を分割して、電卓機能による演算結果と、例えばパーソナルコンピュータ2から受信したデータファイルの内容を表示するための表示制御を行う。
【0025】
入力部11は、電卓1の動作を規定する指示やデータを入力するもので、図1に示すように複数のキーが設けられている。入力部11に設けられるキーには、上下左右方向を指示するためのカーソルキー11a、各種処理において選択/実行等を指示するためのEXEキー11b、数字キー、各種算術演算キーや関数キーなどが設けられている。また、複数のファンクションキー(F1〜F6)が設けられており、実行中の処理に応じて所定の機能が割り当てられる。例えば、後述する処理においては、表示キー11c(F1)、切換キー11d(F2)、リサイズキー11e(F3)などが割り当てられる。
【0026】
表示キー11cは、ファイルデータの表示を指示するために用いられる。表示キー11cを操作した際に表示画面が分割されていなければ、表示画面が2分割されて一方の領域にファイルデータが表示される。本実施形態では、表示画面が上下に分割され、上部の領域(第1領域)を電卓機能による演算結果を表示するために使用し、下部の領域(第2領域)をファイルデータ(テキストなど)を表示するために使用するものとする。切換キー11dは、表示画面が分割されている場合に、キー操作に応じた処理及び表示を可能とする有効画面を切り換えるために用いられる。有効画面には、キー操作に応じた処理が可能であることを示すようにカーソルが表示されるものとする。リサイズキー11eは、表示画面が分割されている場合に、有効画面のサイズを変更(本実施形態では1行分拡張)するために用いられる。
【0027】
表示部12は、各種処理の実行に応じた画面を表示するもので、文字や数式、グラフ、イメージなどを表示可能な表示画面(ディスプレイ12a)が設けられている。表示部12は、制御部10の制御のもとで、表示画面を2分割して電卓機能による演算結果とファイルデータを同時に表示させることができる。従って、例えば下部の領域(第2領域)に表示される学習を実施するために用いられるテキスト(教科書の「テキスト」や「問題」など)を参照しながら電卓機能を使用し、この電卓機能を使用した場合の結果を上部の領域(第1領域)に表示して確認することができる。
【0028】
通信制御部13は、通信回線を介してパーソナルコンピュータ2との間のデータ通信を制御する。通信制御部13は、パーソナルコンピュータ2との間の通信網に応じた機能を有しているものとする。
【0029】
記録媒体読取部14は、電卓1に着脱自在な記録媒体15からデータの読み取り及び書き込みを実行する。記録媒体15は、磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリなどの何れの形態であっても良い。前述した説明では、電卓1はネットワークを介して、パーソナルコンピュータ2からファイルを受信するとしているが、記録媒体15を通じてファイルの他、プログラムや各種データを入力することもできる。
【0030】
メモリ16は、電卓1全体の制御を司るシステムプログラム、各種機能に対応したプログラムの他、各種処理の実行に伴うデータが必要に応じて記憶される。メモリ16に電卓処理プログラム17aが記憶されて制御部10により実行されることで電卓機能が実行される。また、表示制御プログラム17bが実行されることにより、パーソナルコンピュータ2から受信したデータファイルの表示や表示画面分割などの表示制御が実行される。表示制御プログラム17bの実行に伴って、分割された表示画面の領域範囲を示す表示範囲データ16a、有効画面が分割された領域の何れであるかを示す有効画面データ16bが記憶される。また、表示画面において表示対象とするファイルデータ16cが記憶部17から読み出されて記憶される。
【0031】
記憶部17は、不揮発性の記憶装置により構成され、各種プログラムやデータが記憶されて必要に応じて読み出される。本実施形態では、電卓機能を実行するための電卓処理プログラム17a、パーソナルコンピュータ2から受信したファイルや表示画面分割などの表示制御をするための表示制御プログラム17bなどが記憶される。また、記憶部17には、通信制御部13を通じてパーソナルコンピュータ2から受信したファイル(ファイルデータ17c)が記憶される。
【0032】
次に、本実施形態における電卓1の動作について説明する。
まず、図3に示すフローチャートを参照しながら、電卓処理について説明する。電卓処理では、パーソナルコンピュータ2から受信したファイルの表示、及び表示画面の分割制御などを実行する。
【0033】
電卓1は、パーソナルコンピュータ2から、教師などにより作成された学習などに使用するファイル(例えば教科書とするテキストデータ)を受信する(ステップA1)。ここでは、電卓1からファイルの送信を要求することで、パーソナルコンピュータ2からダウンロードするようにしても良いし、パーソナルコンピュータ2から複数の電卓1に対して一括して送信されるとしても良い。
【0034】
電卓1は、パーソナルコンピュータ2からファイルデータを受信すると記憶部17に記憶させる(ステップA2)。この時、電卓1は、パーソナルコンピュータ2から複数のファイルを同時に受信することができる。制御部10は、記憶部17に記憶されたファイルデータ17cをもとにして、ファイルリストを作成して表示部12により表示させる(ステップA3)。
【0035】
図4(a)には、電卓1のディスプレイ12aに表示されたリスト画面の一例を示している。図4(a)に示す例は、パーソナルコンピュータ2において電子ファイル化された教科書(E−Activityとして表示)を選択するリスト画面である(4つのファイルを示している)。
【0036】
ここで、カーソルキー11a、EXEキー11bなどのキー操作により何れかのファイルが選択されると(ステップA4、Yes)、制御部10は、選択されたファイルを表示部12により表示画面全体を用いて表示させる(ステップA5)。
【0037】
図4(b)は、図4(a)に示す「Quad Reg 2」のファイルデータの内容を示している(Quad Reg(quadratic regression):2次元回帰計算)。図4(b)に示すように、パーソナルコンピュータ2から受信されたファイルデータはテキストデータであり、「Question」「SOLVE」「ANSWER」のそれぞれについての記述がされている。
【0038】
図4(b)に示すテキストデータは、全体を一括して表示画面中に表示できないため、表示画面サイズに応じた範囲(図中、太枠線により示す範囲)を読み出して、図4(c)に示すように表示画面に表示させる。
【0039】
図4(c)では、カーソルキー11aの上下キーに対する操作により、表示画面中に表示されたファイルデータの表示範囲をスクロールさせることができる。
【0040】
ここで、パーソナルコンピュータ2から受信したファイルデータ(テキスト)が示す問題「Question」について電卓機能を利用して解くため、表示キー11cが操作されたものとする(ステップA6、Yes)。
【0041】
表示キー11cが操作された場合に、表示画面が分割中でなければ(ステップA7、No)、制御部10は、表示画面を2つに分割するために、それぞれの画面の領域範囲を示す表示範囲データ16aをメモリ16に記憶させ、表示部12により分割した領域のそれぞれに応じた表示を実行させる(ステップA8)。なお、表示範囲データ16aのデフォルト値が予め設定されており、初期状態ではこの値が設定されるものとする。
【0042】
図4(d)には、テキストが全画面表示された状態で表示キー11cが操作された場合の分割された表示画面の例を示している。図4(d)に示す上部の領域d1が電卓機能に使用される領域であり(通常電卓表示)、下部の領域d2がパーソナルコンピュータ2から受信されたファイルデータの表示に使用される領域である(教科書表示)。
【0043】
この表示画面が分割された状態では後述する分割表示中処理により、電卓機能のためのキー操作がされた場合には、そのキー操作に応じた処理が実行され、その結果が上部の領域の表示に反映される。また、下部のテキスト(教科書)が表示された領域が有効画面に設定され、スクロールが指示された場合には、テキストの表示範囲(図4(c)中の太枠線で示す範囲)を順次変更する。
【0044】
これにより、下部の領域に表示されるテキスト(例えば、教科書の「テキスト」)を参照しながら電卓機能を使用し、この電卓機能を使用した場合の結果を上部の領域に表示して確認しながら学習を進めることができる。
【0045】
なお、表示画面が分割されている状態における各キー操作に応じた処理については後述する(図5)。
【0046】
一方、表示画面が分割された状態で表示キー11cが操作された場合には、制御部10は、下部の領域に表示されたファイルの表示を切り換えるものとする(ステップA9)。
【0047】
このように、表示キー11cに対する操作により表示画面を分割し、電卓機能)とテキスト表示用に使い分けることができる。電卓1は、終了キー(図示せず)の操作に応じて処理を終了する(ステップA10)。
【0048】
次に、表示画面が分割されている状態における各キー操作に応じた処理について、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0049】
表示画面が分割中である場合には、上部の領域には電卓機能による画面が表示され、下部の領域にはパーソナルコンピュータ2から受信したテキストデータが表示されている。
【0050】
表示画面を分割中にリサイズキー11eが操作された場合(ステップB1、Yes)、制御部10は、現在、有効画面となっている領域範囲を変更するためのリサイズ処理を実行する(ステップB2)。
【0051】
図6には、リサイズ処理のフローチャートを示している。
まず、制御部10は、リサイズキー11eの操作に応じて、メモリ16に記憶された有効画面データ16bを参照して、現在、分割された2つの領域の何れが有効画面となっているかを特定する(ステップD1)。
【0052】
ここで、有効画面として設定されている領域範囲が最大となっていなければ(ステップD2、No)、この有効画面の表示範囲を例えば1行分拡張する(ステップD3)。
【0053】
従って、例えば図7(a)に示すように、下部の領域が有効画面である場合にリサイズキー11eを操作すると、図7(b)に示すように、1行分領域範囲が拡張され、続けてリサイズキー11eを操作すると、さらに図7(c)に示すように1行分領域範囲が拡張される。
【0054】
これにより、テキスト表示をより広い領域範囲で表示させて内容を容易に確認することができる。
【0055】
なお、上部の領域の範囲を広くする場合には、切換キー11dに対する操作により有効画面を上部の領域に切り換えた後に、前述したように、リサイズキー11eに対する操作をすれば良い。これにより、電卓機能による演算結果をより広い領域範囲で表示させて内容を容易に確認することができる。
【0056】
すなわち、処理状況に合わせて学習者が所望するように、分割された2つの領域範囲を任意に変更することが可能となる。
【0057】
また、切換キー11dが操作された場合(ステップB3、Yes)、制御部10は、現在の有効画面として設定されている領域とは異なる側を有効画面とするように、有効画面データ16bを更新する(ステップB4)。例えば、上部の領域が有効画面として設定されている状態で切換キー11dが操作された場合に、下部のテキストを表示している領域に有効範囲を切り換え、この領域にカーソルを表示する。
【0058】
また、カーソルキー11aが操作された場合(ステップB5、Yes)、制御部10は、カーソルキー11aの操作に合わせて有効画面とする領域に表示されているカーソルを移動させ、カーソル位置が領域範囲の端部に到達するのに合わせて表示範囲をスクロールさせる(ステップB6)。従って、例えば下部の領域が有効画面として設定され、カーソルキー11aが操作されることで、教科書テキストの任意の範囲を参照することができる。
【0059】
ここで、電卓機能を利用するための電卓キー、例えば数字キー、各種算術演算キーや関数キーなどが操作された場合(ステップB9、Yes)、制御部10は、電卓機能の利用が指示されたものと判別し、入力部11から入力されるキー操作信号に応じて演算処理を実行し、その演算結果を上部の領域において表示させる(ステップB10)。
【0060】
また、EXEキー11bが操作された場合(ステップB7)、制御部10は、EXE処理を実行する(ステップB8)
図8には、EXE処理のフローチャートを示している。
【0061】
まず、制御部10は、有効画面中に表示されているカーソル位置を判別する。すなわち、下部の領域(下画面)が有効な状態にあり、この領域に表示されたテキスト中にカーソルが表示されている場合には、そのカーソル位置に該当する行の先頭が[DISP]となっているかを判別する(ステップC1)。
【0062】
テキスト中における[DISP]の記述は、他のデータファイルとのリンクを定義すると共に、このリンクされたデータファイルを表示画面に表示させることを示している。
【0063】
テキストデータ中の[DISP]の後にはリンクするファイルのファイル名が記述されるものとする。図4に示す表示例では[DISP]の後に続くファイル名を表示しないようにしているが、例えば図9に示すようにファイル名「QuadReg2Ans.bmp」を表示するようにしても良い。なお、ファイル名「QuadReg2Ans.bmp」のファイルは、パーソナルコンピュータ2からテキストファイルを受信する場合に、このテキスト中で「QuadReg2Ans.bmp」のファイルとのリンクが設定されていることにより同時に受信され、記憶部17に記憶されているものとする。
【0064】
また、[DISP]の記述は、リンクされたデータファイル中のデータを上部の電卓機能用の領域に表示させることを示している。
【0065】
従って、制御部10は、テキスト中の[DISP]の記述に応じて、[DISP]の後に続くファイル名「QuadReg2Ans.bmp」のファイルを記憶部17から読み出して、上部の領域に電卓機能用の表示に代えて表示させる(ステップC2)。この際、制御部10は、上部の領域に表示された画面を一時待避しておき、例えばリンクされたファイル「QuadReg2Ans.bmp」が表示されている状態で、再度、EXEキー11bが操作された場合に表示を元に戻すことができるようにしておく。なお、「QuadReg2Ans.bmp」のファイルはイメージファイルとなっている。
【0066】
図4(e)には、[DISP]のあとに記述された「QuadReg2Ans.bmp」のファイルデータ(イメージ)が読み出されて表示された画面の一例を示している。このように、テキスト中に他のデータファイルとのリンクを定義する記述をしておき、この記述部分が表示された画面中で指定されることにより、リンクを定義する記述がされているテキストを表示する状況、例えば図4(e)に示す例では問題に対する回答を表示する段階にきた時に、リンクされたデータファイル(ここでは、回答を示す数値や数式を表すイメージ)を学習者に提示することが可能となる。
【0067】
また、制御部10は、有効画面中に表示されているカーソル位置が[DISP]に該当しない場合(ステップC1、No)、そのカーソル位置に該当する行の先頭が[BMP]となっているかを判別する(ステップC3)。
【0068】
テキスト中における[BMP]の記述は、[DISP]と同様に他のデータファイルとのリンクを定義すると共に、このリンクされたデータファイルを表示画面に表示させることを示している。
【0069】
テキストデータ中の[BMP]の後には、[DISP]の記述の場合と同様にして、リンクするファイルのファイル名が記述されるものとする。例えば図10に示すように。[BMP]に続いてファイル名「GraphTitle1.bmp」が記述されているものとする。ファイル名「GraphTitle1.bmp」のファイルについても、パーソナルコンピュータ2からテキストファイルと共に受信され、記憶部17に記憶されているものとする。
【0070】
また、[BMP]の記述は、リンクされたデータファイル中のデータを下部のテキスト表示用の領域に表示させることを示している。
【0071】
従って、制御部10は、テキスト中の[BMP]の記述に応じて、[BMP]の後に続くファイル名「GraphTitle1.bmp」のファイルを記憶部17から読み出して、下部の領域にテキスト表示に代えて表示させる(ステップC4)。なお、「GraphTitle1.bmp」のファイルもイメージファイルとなっている。
【0072】
図11には、[BMP]のあとに記述された「GraphTitle1.bmp」のファイルデータ(イメージ)が読み出されて表示された画面の一例を示している。図11(a)は、「GraphTitle1.bmp」のイメージ全体が展開されたビットマップ表示を示している。実際に表示画面に表示する際には、図11(b)に示すように、表示範囲データ16aが示す現在の下部の領域範囲のサイズに応じた範囲が読み出されて表示される。
【0073】
このように、テキスト中に他のデータファイルとのリンクを定義する記述をしておき、この記述部分が表示された画面中で指定されることにより、テキストを表示する下部の領域に表示できるようにすることで、テキストデータだけでは学習者に提示することができない情報、例えば電卓1に予め用意されているフォントとは異なる形状やサイズの文字あるいは異なる言語の文字によるテキスト表示や、図形やイラストなどのイメージ表示など、学習などに有効にデータ(教科書の「テキスト」や問題集の「問題」「解法」「答え」など)を任意に提示することが可能となる。
【0074】
一方、カーソル位置が[DISP][BMP]に該当しない場合、例えば上部の電卓機能用の画面が有効画面であり、この領域にカーソルが表示されている場合には、ステップB9(図5)におけるキー操作との組み合わせに応じた電卓処理を実行する。
【0075】
このようにして、本実施形態における電卓1では、学習等の実施状況に応じて表示範囲を分割し、また任意に表示範囲を変更できるようにして、学習者にとって有用なデータが容易に確認できるよう提示することができる。また、各領域においては、予め決められた電卓機能用(上部の領域)あるいはテキスト(下部の領域)の表示だけでなく、パーソナルコンピュータ2から受信したテキストに記述された定義により任意のファイルのファイルデータを表示することもできるので、学習者が電卓1を利用して学習を進めるのに有用な様々なデータを効果的に提供することができる。
【0076】
なお、電卓1を実現するコンピュータに実行させることのできる電卓処理プログラムと表示制御プログラムとを、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリなどの記録媒体に書き込んで、あるいは通信媒体を通じて提供することができる。電卓処理プログラムと表示制御プログラムとによりコンピュータの動作を制御することで、前述した実施形態における機能を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施の形態におけるシステムの構成を示す図。
【図2】本実施形態における電卓1の機能構成を示すブロック図。
【図3】本実施形態における電卓処理について説明するためのフローチャート。
【図4】本実施形態における電卓1の表示を説明するための図。
【図5】本実施形態における表示画面が分割されている状態における各キー操作に応じた処理について説明するためのフローチャート。
【図6】本実施形態におけるリサイズ処理を説明するためのフローチャート。
【図7】リサイズ処理を説明するための図。
【図8】本実施形態におけるEXE処理を説明するためのフローチャート。
【図9】テキスト中の記述の一例を示す図。
【図10】テキスト中の記述の一例を示す図。
【図11】本実施形態における電卓1の表示を説明するための図。
【符号の説明】
【0078】
1…電卓、2…パーソナルコンピュータ、10…制御部、11…入力部、11a…カーソルキー、11b…EXEキー、11c…表示キー、11d…切換キー、11e…リサイズキー、12…表示部、12a…ディスプレイ、13…通信制御部、14…記録媒体読取部、15…記録媒体、16…メモリ、16a…表示範囲データ、16b…有効画面データ、16c…ファイルデータ、17…記憶部、17a…電卓処理プログラム、17b…表示制御プログラム、17c…ファイルデータ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子式卓上計算機(電卓)などの電子式計算機、同計算機において実行されるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、グラフ関数電卓には、基本的な電卓機能だけでなく、プログラミング機能やグラフ表示機能に加え、データ通信機能などが搭載されたものがある。データ通信機能が搭載されたグラフ関数電卓は、学校などにおける実験や実習等、教育の現場において、他の情報処理装置(例えば各種のデータを提供するサーバ装置や教師が使用するパーソナルコンピュータなど)との間でデータ通信を実行し、授業に必要な教材や試験問題、学習課題などのデータをダウンロードしたり、あるいは配信を受けることができる。グラフ関数電卓は、サーバから取得したデータを用いて学習などに利用するための動作を実行することができる。
【0003】
例えば、特許文献1には、サーバ装置とネットワーク接続された多機能関数電卓が記載されている。この多機能関数電卓は、サーバ装置から問題データを受信し、この問題データに対して答案データを送信する。サーバ装置では、答案データの正誤を判断し、正解と判定され且つ内容の異なる答案データの答案内容を解法データとし、この解法データに基づいて解答データを作成し、解法データと解答データとを多機能関数電卓に送信する。多機能関数電卓は、受信した解法データから答案データに対応する解法データを指定して、解法データを表示する。
【特許文献1】特開2004−93915号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように特許文献1に記載された多機能関数電卓では、サーバ装置から答案データや解法データなどをネットワークを通じて受信し、表示して学習などに利用することができる。
【0005】
しかしながら、多機能関数電卓における表示画面は、例えば設問表示ウィンドウや答案表示領域など、予め決められた固定的な表示範囲内に表示されるようになっていた。従って、サーバ装置から多機能関数電卓に対して送信されるデータは、予め決められた領域において表示可能な形式に限られていたため、例えば教師側から学習に有用な様々なデータを提供することができなかった。また、表示範囲が固定的であるため、学習者にとって有用なデータを、学習の実施状況に合わせて確認が容易となるように提示することができなかった。
【0006】
本発明の課題は、学習等の実施状況に応じて表示範囲を変更して、学習者にとって有用なデータが容易に確認できるよう提示することが可能な電子式計算機及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、表示装置と、入力に対して所定の演算処理を実行して演算結果を出力する演算手段と、前記演算手段により出力される演算結果を前記表示装置の表示画面に表示させる演算結果表示手段と、テキストデータを記憶するテキスト記憶手段と、前記テキスト記憶手段に記憶されたテキストデータをもとにテキストを前記表示装置の表示画面に表示させるテキスト表示手段と、前記表示装置における表示画面を、前記演算結果表示手段により演算結果を表示するための第1領域と前記テキスト表示手段によりテキストを表示するための第2領域とに分割する分割手段と、前記分割手段により分割された前記第1領域と前記第2領域の領域範囲を変更する領域範囲変更手段とを具備したことを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、情報処理装置との間で通信を行う通信手段を具備し、前記テキスト記憶手段に記憶されるテキストデータは、前記通信手段による前記情報処理装置との通信により受信されることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記テキスト表示手段により表示されたテキスト中の任意の位置を指定する指定手段と、前記テキスト表示手段により表示されたテキスト中で他のデータファイルとのリンクを定義する記述部分が前記指定手段により指定されたか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によりリンクを定義する記述部分が指定されたと判定された場合に、リンクされた当該データファイル中のデータを前記表示装置において表示させるリンクファイル表示手段とをさらに具備したことを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記リンクを定義する記述部分では、リンクされたデータファイル中のデータを前記第1領域と前記第2領域の何れに表示するかを示し、前記リンクファイル表示手段は、前記記述部分に応じて、データファイル中のデータを前記第1領域または前記第2領域の何れかに表示することを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記リンクファイル表示手段は、リンクされたデータファイルが画像ファイルである場合、前記第1領域または前記第2領域に画像を表示することを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の発明は、表示装置を備えたコンピュータを、入力に対して所定の演算処理を実行して演算結果を出力する演算手段と、前記演算手段により出力される演算結果を前記表示装置の表示画面に表示させる演算結果表示手段と、テキストデータを記憶するテキスト記憶手段と、前記テキスト記憶手段に記憶されたテキストデータをもとにテキストを前記表示装置の表示画面に表示させるテキスト表示手段と、前記表示装置における表示画面を前記演算結果表示手段により演算結果を表示するための第1領域と前記テキスト表示手段によりテキストを表示するための第2領域とに分割する分割手段と、前記分割手段により分割された前記第1領域と前記第2領域の領域範囲を変更する領域範囲変更手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1,6記載の発明によれば、入力に対して実行される所定の演算処理の演算結果(電卓機能による表示)とテキストとを表示装置において表示させる場合に、表示画面を分割して第1領域と第2領域のそれぞれにおいて表示させ、この分割された第1領域と第2領域の領域範囲を変更できるようにしたので、例えば電卓機能を利用した学習をする場合に、第2領域に表示される学習を実施するために用いられるテキスト(例えば、教科書の「テキスト」や問題集の「問題」「解法」「答え」)を参照しながら電卓機能を使用し、この電卓機能を使用した場合の結果を第1領域に表示して確認することができる。第1領域と第2領域との範囲を変更することができることから、例えば第2領域を広くしてテキストの表示量を増やしたり、あるいは第1領域を広くして演算結果の確認を容易にできるようにしたりするなど、学習の実施状況に応じた表示制御が可能となる。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、他の情報処理装置との間で通信を実行してテキストデータを受信して表示するので、例えば電子式計算機を学習に利用する場合、教師(指導者)が使用する情報処理装置からテキスト(例えば、教科書の「テキスト」や問題集の「問題」「解法」「答え」)を受信して第2領域に表示させることができる。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、テキスト中に他のデータファイルとのリンクを定義する記述がされている場合に、この記述部分が表示された画面中で指定されると、リンクされたファイルのデータを表示させるので、リンクを定義する記述がされているテキストを表示する状況に応じたデータを利用者(例えば学習者)に提示することができる。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、請求項3の発明の効果に加えて、リンクを定義する記述部分において、リンクされたデータファイル中のデータを第1領域と第2領域の何れに表示するかを示すことで、利用者(例えば学習者)に提示するデータに応じて第1領域と第2領域とを使い分けることができる。
【0017】
請求項5記載の発明によれば、請求項4の発明の効果に加えて、テキストとリンクされた画像ファイルを表示することにより(ビットマップ表示機能)、利用者(例えば学習者)に提示可能なデータの形式に制限がなくなり、例えば電子式計算機に予め用意されているフォントとは異なる形状やサイズの文字あるいは異なる言語の文字によるテキスト表示や、図形やイラストなどのイメージ表示など、学習などに有効にデータを任意に提示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるシステムの構成を示す図である。本実施形態では、例えば各種の教育施設において、例えばLAN(ローカルエリアネットワーク)などのネットワークを形成し、生徒(学習者)が使用する電卓1と教師(指導者)が使用するパーソナルコンピュータ2との間でデータ通信できるようにし、パーソナルコンピュータ2から提供されるデータファイルをもとに電卓1を利用して授業や試験、自習などの学習を実施する場合を想定する。
【0019】
図1に示す電卓1は、多機能のグラフ関数電卓であり、基本的な電卓機能だけでなく、プログラミング機能やグラフ表示機能に加え、データ通信機能が搭載されている。
【0020】
また、パーソナルコンピュータ2では、学習などに必要な教材や試験問題、学習課題などをデータ化してファイルとして記憶しているものとする。パーソナルコンピュータ2は、このファイルを必要に応じて、ネットワークを介して電卓1に提供する。
【0021】
なお、図1では、説明を簡単にするために、電卓1とパーソナルコンピュータ2とを1対1で示しているが、パーソナルコンピュータ2に対して複数の生徒(学習者)が使用する複数の電卓1が接続されて使用されるものとする。
【0022】
また、電卓1とパーソナルコンピュータ2の接続は、LANなどのネットワークの他、直接接続のための専用線(専用ケーブル)、電話通信網、ケーブル網、インターネット等の各種通信網を介した接続が可能である(有線/無線を問わない)。
【0023】
図2は、本実施形態における電卓1の機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、電卓1は、制御部10、入力部11、表示部12、通信制御部13、記録媒体読取部14(記録媒体15)、メモリ16、及び記憶部17が設けられている。
【0024】
制御部10は、電卓1の全体の制御を司るもので、記憶部17に記憶された各種プログラムをメモリ16に読み出して実行することで、各種プログラムに従う各種処理を実行する。例えば、制御部10は、電卓処理プログラム17aを実行することで、入力部11からのキー操作信号の入力に対して所定の演算処理を実行して演算結果を出力する電卓機能を実行する。また制御部10は、表示制御プログラム17bを実行することで、表示部12(ディスプレイ12a)の表示画面を分割して、電卓機能による演算結果と、例えばパーソナルコンピュータ2から受信したデータファイルの内容を表示するための表示制御を行う。
【0025】
入力部11は、電卓1の動作を規定する指示やデータを入力するもので、図1に示すように複数のキーが設けられている。入力部11に設けられるキーには、上下左右方向を指示するためのカーソルキー11a、各種処理において選択/実行等を指示するためのEXEキー11b、数字キー、各種算術演算キーや関数キーなどが設けられている。また、複数のファンクションキー(F1〜F6)が設けられており、実行中の処理に応じて所定の機能が割り当てられる。例えば、後述する処理においては、表示キー11c(F1)、切換キー11d(F2)、リサイズキー11e(F3)などが割り当てられる。
【0026】
表示キー11cは、ファイルデータの表示を指示するために用いられる。表示キー11cを操作した際に表示画面が分割されていなければ、表示画面が2分割されて一方の領域にファイルデータが表示される。本実施形態では、表示画面が上下に分割され、上部の領域(第1領域)を電卓機能による演算結果を表示するために使用し、下部の領域(第2領域)をファイルデータ(テキストなど)を表示するために使用するものとする。切換キー11dは、表示画面が分割されている場合に、キー操作に応じた処理及び表示を可能とする有効画面を切り換えるために用いられる。有効画面には、キー操作に応じた処理が可能であることを示すようにカーソルが表示されるものとする。リサイズキー11eは、表示画面が分割されている場合に、有効画面のサイズを変更(本実施形態では1行分拡張)するために用いられる。
【0027】
表示部12は、各種処理の実行に応じた画面を表示するもので、文字や数式、グラフ、イメージなどを表示可能な表示画面(ディスプレイ12a)が設けられている。表示部12は、制御部10の制御のもとで、表示画面を2分割して電卓機能による演算結果とファイルデータを同時に表示させることができる。従って、例えば下部の領域(第2領域)に表示される学習を実施するために用いられるテキスト(教科書の「テキスト」や「問題」など)を参照しながら電卓機能を使用し、この電卓機能を使用した場合の結果を上部の領域(第1領域)に表示して確認することができる。
【0028】
通信制御部13は、通信回線を介してパーソナルコンピュータ2との間のデータ通信を制御する。通信制御部13は、パーソナルコンピュータ2との間の通信網に応じた機能を有しているものとする。
【0029】
記録媒体読取部14は、電卓1に着脱自在な記録媒体15からデータの読み取り及び書き込みを実行する。記録媒体15は、磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリなどの何れの形態であっても良い。前述した説明では、電卓1はネットワークを介して、パーソナルコンピュータ2からファイルを受信するとしているが、記録媒体15を通じてファイルの他、プログラムや各種データを入力することもできる。
【0030】
メモリ16は、電卓1全体の制御を司るシステムプログラム、各種機能に対応したプログラムの他、各種処理の実行に伴うデータが必要に応じて記憶される。メモリ16に電卓処理プログラム17aが記憶されて制御部10により実行されることで電卓機能が実行される。また、表示制御プログラム17bが実行されることにより、パーソナルコンピュータ2から受信したデータファイルの表示や表示画面分割などの表示制御が実行される。表示制御プログラム17bの実行に伴って、分割された表示画面の領域範囲を示す表示範囲データ16a、有効画面が分割された領域の何れであるかを示す有効画面データ16bが記憶される。また、表示画面において表示対象とするファイルデータ16cが記憶部17から読み出されて記憶される。
【0031】
記憶部17は、不揮発性の記憶装置により構成され、各種プログラムやデータが記憶されて必要に応じて読み出される。本実施形態では、電卓機能を実行するための電卓処理プログラム17a、パーソナルコンピュータ2から受信したファイルや表示画面分割などの表示制御をするための表示制御プログラム17bなどが記憶される。また、記憶部17には、通信制御部13を通じてパーソナルコンピュータ2から受信したファイル(ファイルデータ17c)が記憶される。
【0032】
次に、本実施形態における電卓1の動作について説明する。
まず、図3に示すフローチャートを参照しながら、電卓処理について説明する。電卓処理では、パーソナルコンピュータ2から受信したファイルの表示、及び表示画面の分割制御などを実行する。
【0033】
電卓1は、パーソナルコンピュータ2から、教師などにより作成された学習などに使用するファイル(例えば教科書とするテキストデータ)を受信する(ステップA1)。ここでは、電卓1からファイルの送信を要求することで、パーソナルコンピュータ2からダウンロードするようにしても良いし、パーソナルコンピュータ2から複数の電卓1に対して一括して送信されるとしても良い。
【0034】
電卓1は、パーソナルコンピュータ2からファイルデータを受信すると記憶部17に記憶させる(ステップA2)。この時、電卓1は、パーソナルコンピュータ2から複数のファイルを同時に受信することができる。制御部10は、記憶部17に記憶されたファイルデータ17cをもとにして、ファイルリストを作成して表示部12により表示させる(ステップA3)。
【0035】
図4(a)には、電卓1のディスプレイ12aに表示されたリスト画面の一例を示している。図4(a)に示す例は、パーソナルコンピュータ2において電子ファイル化された教科書(E−Activityとして表示)を選択するリスト画面である(4つのファイルを示している)。
【0036】
ここで、カーソルキー11a、EXEキー11bなどのキー操作により何れかのファイルが選択されると(ステップA4、Yes)、制御部10は、選択されたファイルを表示部12により表示画面全体を用いて表示させる(ステップA5)。
【0037】
図4(b)は、図4(a)に示す「Quad Reg 2」のファイルデータの内容を示している(Quad Reg(quadratic regression):2次元回帰計算)。図4(b)に示すように、パーソナルコンピュータ2から受信されたファイルデータはテキストデータであり、「Question」「SOLVE」「ANSWER」のそれぞれについての記述がされている。
【0038】
図4(b)に示すテキストデータは、全体を一括して表示画面中に表示できないため、表示画面サイズに応じた範囲(図中、太枠線により示す範囲)を読み出して、図4(c)に示すように表示画面に表示させる。
【0039】
図4(c)では、カーソルキー11aの上下キーに対する操作により、表示画面中に表示されたファイルデータの表示範囲をスクロールさせることができる。
【0040】
ここで、パーソナルコンピュータ2から受信したファイルデータ(テキスト)が示す問題「Question」について電卓機能を利用して解くため、表示キー11cが操作されたものとする(ステップA6、Yes)。
【0041】
表示キー11cが操作された場合に、表示画面が分割中でなければ(ステップA7、No)、制御部10は、表示画面を2つに分割するために、それぞれの画面の領域範囲を示す表示範囲データ16aをメモリ16に記憶させ、表示部12により分割した領域のそれぞれに応じた表示を実行させる(ステップA8)。なお、表示範囲データ16aのデフォルト値が予め設定されており、初期状態ではこの値が設定されるものとする。
【0042】
図4(d)には、テキストが全画面表示された状態で表示キー11cが操作された場合の分割された表示画面の例を示している。図4(d)に示す上部の領域d1が電卓機能に使用される領域であり(通常電卓表示)、下部の領域d2がパーソナルコンピュータ2から受信されたファイルデータの表示に使用される領域である(教科書表示)。
【0043】
この表示画面が分割された状態では後述する分割表示中処理により、電卓機能のためのキー操作がされた場合には、そのキー操作に応じた処理が実行され、その結果が上部の領域の表示に反映される。また、下部のテキスト(教科書)が表示された領域が有効画面に設定され、スクロールが指示された場合には、テキストの表示範囲(図4(c)中の太枠線で示す範囲)を順次変更する。
【0044】
これにより、下部の領域に表示されるテキスト(例えば、教科書の「テキスト」)を参照しながら電卓機能を使用し、この電卓機能を使用した場合の結果を上部の領域に表示して確認しながら学習を進めることができる。
【0045】
なお、表示画面が分割されている状態における各キー操作に応じた処理については後述する(図5)。
【0046】
一方、表示画面が分割された状態で表示キー11cが操作された場合には、制御部10は、下部の領域に表示されたファイルの表示を切り換えるものとする(ステップA9)。
【0047】
このように、表示キー11cに対する操作により表示画面を分割し、電卓機能)とテキスト表示用に使い分けることができる。電卓1は、終了キー(図示せず)の操作に応じて処理を終了する(ステップA10)。
【0048】
次に、表示画面が分割されている状態における各キー操作に応じた処理について、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0049】
表示画面が分割中である場合には、上部の領域には電卓機能による画面が表示され、下部の領域にはパーソナルコンピュータ2から受信したテキストデータが表示されている。
【0050】
表示画面を分割中にリサイズキー11eが操作された場合(ステップB1、Yes)、制御部10は、現在、有効画面となっている領域範囲を変更するためのリサイズ処理を実行する(ステップB2)。
【0051】
図6には、リサイズ処理のフローチャートを示している。
まず、制御部10は、リサイズキー11eの操作に応じて、メモリ16に記憶された有効画面データ16bを参照して、現在、分割された2つの領域の何れが有効画面となっているかを特定する(ステップD1)。
【0052】
ここで、有効画面として設定されている領域範囲が最大となっていなければ(ステップD2、No)、この有効画面の表示範囲を例えば1行分拡張する(ステップD3)。
【0053】
従って、例えば図7(a)に示すように、下部の領域が有効画面である場合にリサイズキー11eを操作すると、図7(b)に示すように、1行分領域範囲が拡張され、続けてリサイズキー11eを操作すると、さらに図7(c)に示すように1行分領域範囲が拡張される。
【0054】
これにより、テキスト表示をより広い領域範囲で表示させて内容を容易に確認することができる。
【0055】
なお、上部の領域の範囲を広くする場合には、切換キー11dに対する操作により有効画面を上部の領域に切り換えた後に、前述したように、リサイズキー11eに対する操作をすれば良い。これにより、電卓機能による演算結果をより広い領域範囲で表示させて内容を容易に確認することができる。
【0056】
すなわち、処理状況に合わせて学習者が所望するように、分割された2つの領域範囲を任意に変更することが可能となる。
【0057】
また、切換キー11dが操作された場合(ステップB3、Yes)、制御部10は、現在の有効画面として設定されている領域とは異なる側を有効画面とするように、有効画面データ16bを更新する(ステップB4)。例えば、上部の領域が有効画面として設定されている状態で切換キー11dが操作された場合に、下部のテキストを表示している領域に有効範囲を切り換え、この領域にカーソルを表示する。
【0058】
また、カーソルキー11aが操作された場合(ステップB5、Yes)、制御部10は、カーソルキー11aの操作に合わせて有効画面とする領域に表示されているカーソルを移動させ、カーソル位置が領域範囲の端部に到達するのに合わせて表示範囲をスクロールさせる(ステップB6)。従って、例えば下部の領域が有効画面として設定され、カーソルキー11aが操作されることで、教科書テキストの任意の範囲を参照することができる。
【0059】
ここで、電卓機能を利用するための電卓キー、例えば数字キー、各種算術演算キーや関数キーなどが操作された場合(ステップB9、Yes)、制御部10は、電卓機能の利用が指示されたものと判別し、入力部11から入力されるキー操作信号に応じて演算処理を実行し、その演算結果を上部の領域において表示させる(ステップB10)。
【0060】
また、EXEキー11bが操作された場合(ステップB7)、制御部10は、EXE処理を実行する(ステップB8)
図8には、EXE処理のフローチャートを示している。
【0061】
まず、制御部10は、有効画面中に表示されているカーソル位置を判別する。すなわち、下部の領域(下画面)が有効な状態にあり、この領域に表示されたテキスト中にカーソルが表示されている場合には、そのカーソル位置に該当する行の先頭が[DISP]となっているかを判別する(ステップC1)。
【0062】
テキスト中における[DISP]の記述は、他のデータファイルとのリンクを定義すると共に、このリンクされたデータファイルを表示画面に表示させることを示している。
【0063】
テキストデータ中の[DISP]の後にはリンクするファイルのファイル名が記述されるものとする。図4に示す表示例では[DISP]の後に続くファイル名を表示しないようにしているが、例えば図9に示すようにファイル名「QuadReg2Ans.bmp」を表示するようにしても良い。なお、ファイル名「QuadReg2Ans.bmp」のファイルは、パーソナルコンピュータ2からテキストファイルを受信する場合に、このテキスト中で「QuadReg2Ans.bmp」のファイルとのリンクが設定されていることにより同時に受信され、記憶部17に記憶されているものとする。
【0064】
また、[DISP]の記述は、リンクされたデータファイル中のデータを上部の電卓機能用の領域に表示させることを示している。
【0065】
従って、制御部10は、テキスト中の[DISP]の記述に応じて、[DISP]の後に続くファイル名「QuadReg2Ans.bmp」のファイルを記憶部17から読み出して、上部の領域に電卓機能用の表示に代えて表示させる(ステップC2)。この際、制御部10は、上部の領域に表示された画面を一時待避しておき、例えばリンクされたファイル「QuadReg2Ans.bmp」が表示されている状態で、再度、EXEキー11bが操作された場合に表示を元に戻すことができるようにしておく。なお、「QuadReg2Ans.bmp」のファイルはイメージファイルとなっている。
【0066】
図4(e)には、[DISP]のあとに記述された「QuadReg2Ans.bmp」のファイルデータ(イメージ)が読み出されて表示された画面の一例を示している。このように、テキスト中に他のデータファイルとのリンクを定義する記述をしておき、この記述部分が表示された画面中で指定されることにより、リンクを定義する記述がされているテキストを表示する状況、例えば図4(e)に示す例では問題に対する回答を表示する段階にきた時に、リンクされたデータファイル(ここでは、回答を示す数値や数式を表すイメージ)を学習者に提示することが可能となる。
【0067】
また、制御部10は、有効画面中に表示されているカーソル位置が[DISP]に該当しない場合(ステップC1、No)、そのカーソル位置に該当する行の先頭が[BMP]となっているかを判別する(ステップC3)。
【0068】
テキスト中における[BMP]の記述は、[DISP]と同様に他のデータファイルとのリンクを定義すると共に、このリンクされたデータファイルを表示画面に表示させることを示している。
【0069】
テキストデータ中の[BMP]の後には、[DISP]の記述の場合と同様にして、リンクするファイルのファイル名が記述されるものとする。例えば図10に示すように。[BMP]に続いてファイル名「GraphTitle1.bmp」が記述されているものとする。ファイル名「GraphTitle1.bmp」のファイルについても、パーソナルコンピュータ2からテキストファイルと共に受信され、記憶部17に記憶されているものとする。
【0070】
また、[BMP]の記述は、リンクされたデータファイル中のデータを下部のテキスト表示用の領域に表示させることを示している。
【0071】
従って、制御部10は、テキスト中の[BMP]の記述に応じて、[BMP]の後に続くファイル名「GraphTitle1.bmp」のファイルを記憶部17から読み出して、下部の領域にテキスト表示に代えて表示させる(ステップC4)。なお、「GraphTitle1.bmp」のファイルもイメージファイルとなっている。
【0072】
図11には、[BMP]のあとに記述された「GraphTitle1.bmp」のファイルデータ(イメージ)が読み出されて表示された画面の一例を示している。図11(a)は、「GraphTitle1.bmp」のイメージ全体が展開されたビットマップ表示を示している。実際に表示画面に表示する際には、図11(b)に示すように、表示範囲データ16aが示す現在の下部の領域範囲のサイズに応じた範囲が読み出されて表示される。
【0073】
このように、テキスト中に他のデータファイルとのリンクを定義する記述をしておき、この記述部分が表示された画面中で指定されることにより、テキストを表示する下部の領域に表示できるようにすることで、テキストデータだけでは学習者に提示することができない情報、例えば電卓1に予め用意されているフォントとは異なる形状やサイズの文字あるいは異なる言語の文字によるテキスト表示や、図形やイラストなどのイメージ表示など、学習などに有効にデータ(教科書の「テキスト」や問題集の「問題」「解法」「答え」など)を任意に提示することが可能となる。
【0074】
一方、カーソル位置が[DISP][BMP]に該当しない場合、例えば上部の電卓機能用の画面が有効画面であり、この領域にカーソルが表示されている場合には、ステップB9(図5)におけるキー操作との組み合わせに応じた電卓処理を実行する。
【0075】
このようにして、本実施形態における電卓1では、学習等の実施状況に応じて表示範囲を分割し、また任意に表示範囲を変更できるようにして、学習者にとって有用なデータが容易に確認できるよう提示することができる。また、各領域においては、予め決められた電卓機能用(上部の領域)あるいはテキスト(下部の領域)の表示だけでなく、パーソナルコンピュータ2から受信したテキストに記述された定義により任意のファイルのファイルデータを表示することもできるので、学習者が電卓1を利用して学習を進めるのに有用な様々なデータを効果的に提供することができる。
【0076】
なお、電卓1を実現するコンピュータに実行させることのできる電卓処理プログラムと表示制御プログラムとを、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリなどの記録媒体に書き込んで、あるいは通信媒体を通じて提供することができる。電卓処理プログラムと表示制御プログラムとによりコンピュータの動作を制御することで、前述した実施形態における機能を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施の形態におけるシステムの構成を示す図。
【図2】本実施形態における電卓1の機能構成を示すブロック図。
【図3】本実施形態における電卓処理について説明するためのフローチャート。
【図4】本実施形態における電卓1の表示を説明するための図。
【図5】本実施形態における表示画面が分割されている状態における各キー操作に応じた処理について説明するためのフローチャート。
【図6】本実施形態におけるリサイズ処理を説明するためのフローチャート。
【図7】リサイズ処理を説明するための図。
【図8】本実施形態におけるEXE処理を説明するためのフローチャート。
【図9】テキスト中の記述の一例を示す図。
【図10】テキスト中の記述の一例を示す図。
【図11】本実施形態における電卓1の表示を説明するための図。
【符号の説明】
【0078】
1…電卓、2…パーソナルコンピュータ、10…制御部、11…入力部、11a…カーソルキー、11b…EXEキー、11c…表示キー、11d…切換キー、11e…リサイズキー、12…表示部、12a…ディスプレイ、13…通信制御部、14…記録媒体読取部、15…記録媒体、16…メモリ、16a…表示範囲データ、16b…有効画面データ、16c…ファイルデータ、17…記憶部、17a…電卓処理プログラム、17b…表示制御プログラム、17c…ファイルデータ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置と、
入力に対して所定の演算処理を実行して演算結果を出力する演算手段と、
前記演算手段により出力される演算結果を前記表示装置の表示画面に表示させる演算結果表示手段と、
テキストデータを記憶するテキスト記憶手段と、
前記テキスト記憶手段に記憶されたテキストデータをもとにテキストを前記表示装置の表示画面に表示させるテキスト表示手段と、
前記表示装置における表示画面を、前記演算結果表示手段により演算結果を表示するための第1領域と前記テキスト表示手段によりテキストを表示するための第2領域とに分割する分割手段と、
前記分割手段により分割された前記第1領域と前記第2領域の領域範囲を変更する領域範囲変更手段と
を具備したことを特徴とする電子式計算機。
【請求項2】
情報処理装置との間で通信を行う通信手段を具備し、
前記テキスト記憶手段に記憶されるテキストデータは、前記通信手段による前記情報処理装置との通信により受信されることを特徴とする請求項1記載の電子式計算機。
【請求項3】
前記テキスト表示手段により表示されたテキスト中の任意の位置を指定する指定手段と、
前記テキスト表示手段により表示されたテキスト中で他のデータファイルとのリンクを定義する記述部分が前記指定手段により指定されたか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によりリンクを定義する記述部分が指定されたと判定された場合に、リンクされた当該データファイル中のデータを前記表示装置において表示させるリンクファイル表示手段と
をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の電子式計算機。
【請求項4】
前記リンクを定義する記述部分では、リンクされたデータファイル中のデータを前記第1領域と前記第2領域の何れに表示するかを示し、
前記リンクファイル表示手段は、前記記述部分に応じて、データファイル中のデータを前記第1領域または前記第2領域の何れかに表示することを特徴とする請求項3記載の電子式計算機。
【請求項5】
前記リンクファイル表示手段は、リンクされたデータファイルが画像ファイルである場合、前記第1領域または前記第2領域に画像を表示することを特徴とする請求項4記載の電子式計算機。
【請求項6】
表示装置を備えたコンピュータを、
入力に対して所定の演算処理を実行して演算結果を出力する演算手段と、
前記演算手段により出力される演算結果を前記表示装置の表示画面に表示させる演算結果表示手段と、
テキストデータを記憶するテキスト記憶手段と、
前記テキスト記憶手段に記憶されたテキストデータをもとにテキストを前記表示装置の表示画面に表示させるテキスト表示手段と、
前記表示装置における表示画面を前記演算結果表示手段により演算結果を表示するための第1領域と前記テキスト表示手段によりテキストを表示するための第2領域とに分割する分割手段と、
前記分割手段により分割された前記第1領域と前記第2領域の領域範囲を変更する領域範囲変更手段として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
表示装置と、
入力に対して所定の演算処理を実行して演算結果を出力する演算手段と、
前記演算手段により出力される演算結果を前記表示装置の表示画面に表示させる演算結果表示手段と、
テキストデータを記憶するテキスト記憶手段と、
前記テキスト記憶手段に記憶されたテキストデータをもとにテキストを前記表示装置の表示画面に表示させるテキスト表示手段と、
前記表示装置における表示画面を、前記演算結果表示手段により演算結果を表示するための第1領域と前記テキスト表示手段によりテキストを表示するための第2領域とに分割する分割手段と、
前記分割手段により分割された前記第1領域と前記第2領域の領域範囲を変更する領域範囲変更手段と
を具備したことを特徴とする電子式計算機。
【請求項2】
情報処理装置との間で通信を行う通信手段を具備し、
前記テキスト記憶手段に記憶されるテキストデータは、前記通信手段による前記情報処理装置との通信により受信されることを特徴とする請求項1記載の電子式計算機。
【請求項3】
前記テキスト表示手段により表示されたテキスト中の任意の位置を指定する指定手段と、
前記テキスト表示手段により表示されたテキスト中で他のデータファイルとのリンクを定義する記述部分が前記指定手段により指定されたか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によりリンクを定義する記述部分が指定されたと判定された場合に、リンクされた当該データファイル中のデータを前記表示装置において表示させるリンクファイル表示手段と
をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の電子式計算機。
【請求項4】
前記リンクを定義する記述部分では、リンクされたデータファイル中のデータを前記第1領域と前記第2領域の何れに表示するかを示し、
前記リンクファイル表示手段は、前記記述部分に応じて、データファイル中のデータを前記第1領域または前記第2領域の何れかに表示することを特徴とする請求項3記載の電子式計算機。
【請求項5】
前記リンクファイル表示手段は、リンクされたデータファイルが画像ファイルである場合、前記第1領域または前記第2領域に画像を表示することを特徴とする請求項4記載の電子式計算機。
【請求項6】
表示装置を備えたコンピュータを、
入力に対して所定の演算処理を実行して演算結果を出力する演算手段と、
前記演算手段により出力される演算結果を前記表示装置の表示画面に表示させる演算結果表示手段と、
テキストデータを記憶するテキスト記憶手段と、
前記テキスト記憶手段に記憶されたテキストデータをもとにテキストを前記表示装置の表示画面に表示させるテキスト表示手段と、
前記表示装置における表示画面を前記演算結果表示手段により演算結果を表示するための第1領域と前記テキスト表示手段によりテキストを表示するための第2領域とに分割する分割手段と、
前記分割手段により分割された前記第1領域と前記第2領域の領域範囲を変更する領域範囲変更手段として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−285562(P2006−285562A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−103531(P2005−103531)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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