説明

電子投票の方法、この方法を実装するためのデコーダ、およびその方法を実装するための投票サーバを備えるネットワーク

アンケートにおける電子投票の方法であって:
− 複数の通信端末に電子投票サービスの提供を放送するステップと、
− 投票者の通信端末から、投票者を認証するための情報を含む要求を遠隔サーバにディスパッチするステップと、
− 受信された認証情報をその投票者に関連付けられた記録情報と比較することによって、その投票者を認証するステップと、
− その投票者が認証されたとき、投票に参加するためのチケットをその投票者の通信端末にディスパッチするステップと、
− アンケートへの応答および投票に参加するためのチケットを含む、投票をサーバにディスパッチするステップと
を含み、その方法は2つの匿名化のステップ、サーバによって投票者にアドレスして参加するためのチケットに匿名化を確保する第1のステップおよびサーバに投票への応答にアドレスする通信端末の匿名化を確保する第2のステップを含むことを特徴とし、その参加チケットが投票者のプロファイルに関連付けられた少なくとも1つのデータの項目を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気通信の技術分野に関する。
【0002】
本発明は、より詳細には、電子投票技法および世論調査に関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書において、「調査」は、目標母集団の部分から情報を収集することを指す。
【0004】
「世論調査」は、目標母集団内の個人の意見またはあり得る好みを判定するための調査技法の適用例を指す。
【0005】
従来の方法で、調査機関は、電話による手法を好む。直接的手法は、複数の理由でエラーのもとである。
【0006】
第1に、電話を介して提供される質問に答えることは、職場でまたは公共の場所でなど、調査を受けるその人が選択したのではない時間にまたは環境で、彼もしくは彼女が注意を払うことを要求する。調査を受ける人は、その質問に自然に答えるために必要な時間および心の平静を必ずしももってはいない。
【0007】
第2に、調査を受ける人々は、必ずしもすべてのタイプの質問に正直に答えたいとは思わない。たとえば、質問が政治または宗教的好みに関するときなど、ある種の質問は不謹慎だと思われることがある。他の質問は、それが正しいか誤りかはともかく、電話による勧誘販売への誘導と受け取られることがある。一般的に言えば、調査を受ける人々は、匿名性または機密性が保証されていない場合、ある種の質問に答えるのをためらうことがある。
【0008】
回答に対する動機付けのある、インターネットを介して行われる世論調査または意見調査(survey)は、しばしばスパムまたは迷惑メールと受け取られる。受信者は、ウイルスを含むこともあり得る、予期しないメッセージを開くことに慎重であることがある。さらに、これらの調査および意見調査の結果は、もしあれば彼/彼女のIPアドレスのチェックに基づくフィルタをバイパスして、1人の参加者が複数回回答することがあるので、統計的に欺瞞的になり得る。
【0009】
電子インターネット投票が提案されているが、特にセキュリティ上の理由で(Stephen Mason、Computer Fraud & Security 2004を参照)、それはまだ実装するのは難しい。電子投票(e投票)は、特に若年層について、参加率を増やすことができる。インターネット(インタラクティブステーションを含む)に接続された任意の端末が投票に使用されることができるという条件で、e投票は代理投票を制限することも可能にするであろう(Andreas Auer & Alexander Threchsel、Voter par Internet? Centre d’etudes et de documentation sur la democratie directe 2004を参照)。
【0010】
電子投票の機密性を確保するために、同型暗号化、またはDavid Chaumによって提案されたブラインド署名方式およびミックスネットワークなど、複数の技法が提案されている。少数のe投票ソフトウェアプログラムだけが、商用版で提供されている(これらのシステムを再検討するには、Bouras他、Telematics and Informatics 20、2003、255−274頁を参照)。投票のセキュリティは、誰も投票者と彼/彼女の投票を繋ぐことができないという意味を含む。さらに、投票する権限を与えられた人々だけが投票することを許され、どの投票者も同一選挙中に2回投票することはできない。あらゆる投票者は、彼/彼女の投票が計数されたことを確認することができなければならず、どの投票者も彼/彼女がどのように投票したかを検査することができてはならない。例示的な匿名投票プロトコルが、近年、Chang他によって説明された(An anonymous voting mechanisms based on the key exchange protocol、Computer & security 25、2006、307−314頁)。
【0011】
電子投票の制約は、ブログまたはフォーラムなどの、インターネット上で提供される通信の従来の手段を介して実装することを可能にしない。これは、従来の手段が投票者の機密保持を保証しないからである。さらに、1人が複数の票を提出することを防ぐための手段は一般に何も実装されていない。
【0012】
しかし、テレビまたはラジオで発表される意見調査、投票および世論調査が昔から知られている。たとえば、視聴者が招かれてある電話番号に電話して彼/彼女の選択、通常はゲームの答え、を述べる。文献WO01/65849は、別の起こり得る適用例の原理を記載する:視聴者が招かれて、いくつかの選択肢の中から、その物語がどのように進むかについての彼らの好みを述べる。
【0013】
世論調査がテレビまたはラジオによって開始されるとき、その結果は、2つの主な理由で、しばしば使用に適さない。
【0014】
第1に、各人が複数回投票することがある。
【0015】
第2に、各人が1回だけ投票したと仮定して、その投票は、投票者が興味のないまたは彼らが特別な知識をもたない質問に関するものを含み、参加することを選択した人々の意見を表すのみである。参加するための能力も様々な要因、特に世論調査が行われるときの即時の使用、に依存する。
【0016】
これらの問題を緩和するために、文献GB2376101が、事前に記録されたプロファイルに基づいて調査中に尋ねられる質問が確立される方法を提案している。これらのプロファイルは、ある1つのまたは別の新しい質問に答えないという顧客の決定を考慮する。
【0017】
電子投票処理はまた、インタラクティブテレビサービスとして展開される選挙についても知られている。文献US2003/0149616はかかる方法を記載するが、世論調査を行うのには、特に商業運転向けには、不向きであることが証明されている。その理由は、規制が、投票者の社会職業的区分、年齢などの投票者の任意の個人的特徴と投票を関連付けることのできるいかなる技法も阻むためである。複雑な負担のかかる手段が、提出される投票の完全な匿名性を確保するために提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】国際公開第01/65849号パンフレット
【特許文献2】英国特許第2376101号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2003/0149616号明細書
【特許文献4】欧州特許第1791280号明細書
【非特許文献】
【0019】
【非特許文献1】Stephen Mason、Computer Fraud & Security 2004
【非特許文献2】Andreas Auer & Alexander Threchsel、Voter par Internet? Centre d’etudes et de documentation sur la democratie directe 2004
【非特許文献3】Bouras他、Telematics and Informatics 20、2003、255−274頁
【非特許文献4】An anonymous voting mechanisms based on the key exchange protocol、Computer & security 25、2006、307−314頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は、先行技術の欠点を補う技法を提供することを目的とする。
【0021】
第1の目的によれば、本発明は、参加者によって提供されるデータの機密保持および匿名性を保証することを可能にし、また投票者が目標母集団の代表であることを確保することも可能にする、満足度意見調査などの、電子投票、世論調査または意見調査のシステムを開示するものである。
【0022】
第2の態様によれば、本発明は、参加するための動機付けを提供するために使用されることができる、前述のタイプの、満足度意見調査などの、電子投票、世論調査または意見調査のシステムを開示するものである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
これらの目的のために、本発明は、第1の態様によれば、アンケートにおける電子投票の方法に関し、その方法は:
− 複数の通信端末に電子投票サービスの提供を配信するステップ、
− 投票者の通信端末から、投票者の認証情報を含む要求を遠隔サーバに送信するステップ、
− 受信された認証情報とその投票者に関連付けられた保存情報を比較することによって、その投票者を認証するステップ、
− 投票者が認証されたとき、その投票者の通信端末に投票参加チケットを送信するステップ、
− アンケートへの応答および投票参加チケットを含めて、投票サーバに送信するステップ
を含み、その方法は2つの匿名化のステップ、サーバによって投票者に送信される参加チケットの匿名化を確保する第1のステップおよびサーバに投票への応答を送信する通信端末の匿名化を確保する第2のステップを含み、その参加チケットは投票者のプロファイルに関連付けられた少なくとも1つのデータを含む。
【0024】
一実施形態では、参加チケットは、少なくとも1つの暗号化された投票者プロファイルデータを含む。
【0025】
一実施形態では、その方法は、サーバによって投票者の端末に送信される、アンケート識別キーを作成するステップを含む。
【0026】
有利には、その方法は、要求の中から、既定義判断基準に合う投票者から届いたものを選択するステップを含み、この選択は条件付きアクセスまたはデジタル権利管理の形態を取る。
【0027】
本発明は、第2の態様によれば、前述の方法を実装する能力のあるデコーダに関し、そのデコーダは、ケーブルによってまたは電磁波によってデジタルテレビ番組を受信する手段を備え、さらに以下を備える:
− ソフトウェアプラットフォームに接続するための手段、
− 放送されるテレビ番組に適合されたインタラクティブ電子投票アプリケーションを識別するための手段、
− そのインタラクティブアプリケーションを前記デジタル番組に同期させるための手段、
− デジタル番組および識別されたインタラクティブ電子投票アプリケーションに特有のデータを含む信号を配信するための手段。
【0028】
本発明は、第3の態様によれば、前述のデコーダをそれぞれ装備する複数の受信端末および電子投票サーバを備えるテレビ放送ネットワークに関し、そのデコーダは電子投票サービス選択モジュールおよび管理モジュールを備え、そのサーバは以下を備える:
− アンケートの生成を請け合う、作成モジュールと呼ばれる、第1のモジュール、
− 他方のインタラクティブテレビサービスに電子投票サービスを追加する、電子サービスガイドジェネレータ、
− 選択モジュールから受信された認証情報とプロファイルデータベースに保存された情報の比較を実行する、また、投票者が識別されたときに前記参加チケットを管理モジュールに送信する、サブスクリプションモジュール、
− アンケートへの応答および投票参加チケットを受信する、匿名化モジュール。
【0029】
本発明の他の目的と利点は、添付の図を参照して行われる、現在好ましい実施形態の以下の説明を読むことで明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明のサーバ1およびユーザ装置2、たとえばセットトップボックスを備えるシステムを表す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下の説明は、モバイル端末上でまたはセットトップボックスを介して、インタラクティブテレビサービスとして提供される、世論調査の実装に関して行われ、背景ではNAPEG4−BIFSまたはMPEG4−LASERなどの言語(リッチメディア言語)がユーザにインタラクティブサービスを提供することを可能にする。
【0032】
成句の「インタラクティブテレビ」は、従来技術ではかなり異なる実態を指すために使用されているが、必要に応じて、本明細書では以下の仕様が追加される。
【0033】
「インタラクティブテレビ」(ITV)は、特にエンターテインメント、情報、教育およびビジネスについて、視聴者とサービス提供者(放送局およびケーブル会社など)の間の両方向の通信を可能にする任意の技術を指す。たとえば、本出願人は、ユーザがコミュニティ内で意見および感情を共有することを可能にするAmigoTVとして知られるインタラクティブテレビ技術を開発した。
【0034】
現在のインタラクティブテレビ技法では、視聴者は、たとえば、電子番組ガイド(EPG)を使用し、デジタル領域の提供物から異なるコンテンツを選択することができる。彼/彼女は、アドホックデコーダ(WebTv)からインターネットにアクセスすることもできる。
【0035】
従来の方法で、インタラクティブテレビは、視聴者がコンテンツ提供者に情報または要求を送信することを可能にするバックチャネルを備える。従来のテレビコンテンツは、それによって、完成されている:ウェブサイト、テレコマース(Tコマース)、オンデマンドテレビ、および電子番組ガイドへのリンクにアクセスする。
【0036】
バックチャネルは、ユーザが彼/彼女の遠隔制御、および彼/彼女のデコーダ(セットトップボックス)または、IST(統合スマートテレビ)などの、内蔵装置を用いて通信して、テレビ画面上で(分割画面などによって)見られることができる。
【0037】
「インタラクティブテレビ」の名で提供されるサービスの実態は、2つの角度から:サービスコンテンツからおよび双方向性のタイプから、表されることができる。
【0038】
サービスコンテンツに関して、以下が識別されることができる:
− エンハンストテレビ、
− 参加型テレビ、
− 独立インタラクティブテレビ。
【0039】
エンハンストテレビについては、サービスは、放送番組を補完するものとして提供される。追加情報が、垂直帰線消去区間および/または電話回線を介するなどして、視聴者に送信される。この追加情報は、プログラミングに関するテキスト、グラフィックおよび固定画像、トリガによって起動されるウェブコンテンツ、新しい音声およびビデオ機能、または、カスタムビュー(カメラアングル)でもよい。たとえば、チャネルEquidiaは、電話回線に接続されたデジタル端末をもつ加入者に口座を開設し、放送されているすべての競馬に自宅から賭けることを許す。配信される情報は、放送されている番組に関連していてもいなくてもよい。エンハンストテレビは、同じ番組を見ている人々の間の通信を可能にしない。
【0040】
参加型テレビでは、通信サービスは、視聴者が放送時間中または時間外に放送される番組のコンテンツと対話することを可能にする。たとえば、企業Tatamia Solutionsは、画面上でSMS(ショートメッセージサービス)ライブを放送するためのTatamiaインタラクティブチャネルプラットフォームを提供する。視聴者は、たとえば、番組中に放送されるビデオクリップを選択し、彼/彼女の友人とチャットしながらそれに集中することができる。視聴者はまた、いわゆるリアリティ番組中などに、コンテストに投票または参加することもできる。
【0041】
独立インタラクティブテレビサービスは、主要なまたは補助的なテレビサービスを含まない。それらは、主に、ホームバンキングまたは案内広告などの、取引サービスである。テレビ受信機はまた、たとえば、加入者間のメッセージ(たとえば企業TPSからのTVメール)を受信するための端末として使用されることができる:加入者が新しいメッセージを受信するとき、チャネルを変えるときに、彼/彼女は自動的に画面の下部に通知を受ける。テレビ受信機はまた、仮想チャネルによって提供されるインタラクティブゲームの画面の役割を果たすこともできる。
【0042】
本発明は、特に、エンハンストテレビおよび参加型テレビに関する。
【0043】
それは主に固定端末上のインタラクティブテレビを対象とする。
【0044】
添付の図面に図解されるシステムは、サーバ1およびユーザ装置2、たとえばセットトップボックス、を備える。
【0045】
ユーザ装置2は、電子サービスガイドESGから汎用データを受信するための手段を備える。一実施形態では、この汎用データは、DVB−H、DVB−H+、DMB−Sなどのデジタル放送ネットワークに由来する。ESGデータ構文は、欧州のデジタルテレビ規格DVBについての文献EP1791280に示されている。
【0046】
有利には、ユーザ装置2はさらに、ESGから特定のデータを受信するための手段を備え、この特定のデータはユーザのプロファイルに依存する。
【0047】
受信された汎用データおよび個別化されたデータに基づいて、更新された電子サービスガイドが取得される。この更新は、カルーセルまたはエンドレスループの様式で搬送周波数で変調されたデータフレームを送信することによって提供されることができる。
【0048】
ブラウザは、装置2のユーザが、テレビ番組の補足などの提供される様々なサービスを見ることおよびこれらのサービスにアクセスすることを可能にする。
【0049】
このブラウザは、有利には、権利管理モジュールに接続される。それによって、装置2のユーザは、サービスを共有することが可能かどうかを知らされる。
【0050】
サーバ1は、複数のモジュールを装備する。
【0051】
作成モジュール3として知られる、第1のモジュールは、世論調査の質問の生成を請け合う。この作成モジュール3はまた、調査識別キーの生成も請け合う。
【0052】
電子サービスガイド4ジェネレータは、他方のインタラクティブテレビサービスに調査サービスを追加する。有利には、その調査サービスは、アクセス制限される、たとえば条件付きのアクセスである。一変形形態では、デジタル権利管理(DRM)が、ライセンスサーバの助けを借りて、サービスのコンテンツの保護を確保する。このデジタル権利管理は、特定の母集団への調査サービスへのアクセスを制限することを可能にする。サービスのアクセスコードは、たとえばある社会職業的カテゴリにまたは所与の地域の居住者に、提供されることができる。ジオマーケティングデータまたはデータマイニングが、目標母集団のプロファイルを定義するために用いられることができる。
【0053】
ユーザ装置2では、モジュール5が調査サービスの選択を可能にする。調査がユーザによって選択されるときは必ず、電子サービスガイド4ジェネレータがモジュール5に調査識別キーを送信する。
【0054】
モジュール5は次に、この識別キー、ならびにユーザの認証を、サブスクリプションモジュール6に送信する。
【0055】
サブスクリプションモジュールは、それにより、決定された調査に参加するための要求をユーザ装置2から受信する。
【0056】
サブスクリプションモジュールは、ユーザプロファイル7のデータベースおよびユーザロケーションデータベース8に接続される。
【0057】
これらのデータベース7、8から、サブスクリプションモジュールは、有利には、目標母集団の代表標本を構築するために、調査の重み付けまたは適合を実行する。たとえば、代表標本は、経験的割当法を使用して確立される:その分布が母集団全体の中で知られている特徴に基づいて、その母集団の縮小モデルが構築される。その特徴は、調査への応答に影響を及ぼすことができるものとして、選択される。
【0058】
サブスクリプションモジュールは、一意の参加チケットを管理モジュール9に送信する。このチケットは、有利には、匿名である。それは、調査サービスへの一意のアクセスを可能にする。サーバモジュール10は、1つの調査コンテンツ、必要があればユーザプロファイルに適合されたもの、を管理モジュールに送信する。
【0059】
ユーザの応答および参加チケットは、管理モジュール9によって、匿名化モジュール11に送信される。このモジュールは、ユーザのデータ、たとえばIPアドレス、の機密性を保護する。
【0060】
応答は、匿名化モジュール11に入った後、照合モジュール12に送信されてデータベース13に格納される。
【0061】
サブスクリプションモジュールはまた、請求モジュール14および照合モジュール12にもデータを送信する。
【0062】
視聴者に調査に応答する動機付けを与えるために、いくつかの技術的な措置が有利には実装される。
【0063】
第1に、調査参加の提供は、調査のテーマにその内容が一致する番組の放送中に、視聴者に可視である。
【0064】
一変形形態でまたは組合せで、調査への参加は、ビジネス的な提供(サービスの手形割引など)に関連付けられる。サブスクリプションモジュールは、その目的のために請求モジュール14に情報を送信する。
【0065】
調査結果の統計的な質を確保するために、いくつかの技術的措置が有利には実装される。
【0066】
第1に、調査への応答は、視聴者の匿名性を保護しつつ、彼/彼女のプロファイルと関連付けられる。この目的のために、サブスクリプションモジュール6が、視聴者のプロファイルに関する情報を照合モジュール12に送信する。この照合モジュールが調査への応答を受信するとき、それは、匿名の参加チケットを介して、これらの応答を視聴者のプロファイルと関連付ける。それによって、調査への応答に重みを付けることが可能である。たとえば、アンケートがスポーツイベントの視聴者に送信される。目標母集団の代表標本が女性と同数の男性を含む場合、本方法は女性からの応答の代表不足を検出することを可能にする。
【0067】
第2に、本方法が新しい調査参加要求を検出および拒否することを可能にするように、匿名の参加チケットは一回限りの使用である。
【0068】
本方法は、放送されている番組への直接的影響をもってまたはもたずに、調査、投票またはアンケートを実施するために使用されることができる。
【0069】
本方法は、異なるタイプの双方向性と互換性がある。
【0070】
双方向性がシミュレートされるとき、アプリケーションおよびデータは、一度だけまたはループで、放送ビデオ番組(feed)に統合される。調査サービスは、視聴者がそれを選択するとき実時間で、または、局所的双方向性を可能にする、ハードドライブ上に格納されることによってのいずれかで利用可能となる。
【0071】
双方向性が遠隔のとき、コンテンツ配布ネットワークと無関係の機器を用いて放送局と視聴者の間でデータの交換がある。一例として、調査を受けている人は、デコーダが接続されている先の電話回線を介して調査への応答を送信する。
【0072】
本発明はいくつかの利点をもち、そのうちのほんの一部が以下に説明される。
【0073】
世論調査中、その人と意見を直接関連付けることは不可能にする一方で、調査の応答と調査を受けている人に関するある一定の情報の間の接続を保つことが可能である。
【0074】
世論調査中、答えることを許可されるであろう人々を対象とすることが可能である。条件付きのアクセスまたはDRMを介するなどして、調査サービスへのアクセスは保護される。
【0075】
人々に調査に参加する動機付けを与えるために、いくつかの手段が可能である:たとえば、割引を得るための電子クーポン、新しいインタラクティブサービスへのアクセス、および特別料金での定期購読。
【0076】
調査を受ける人々の匿名性は、特に端末のIPソースアドレスをマスクすることによって確保される:調査サービスのユーザのIP要求は1つのソースIPアドレスでアノニマイザに届き、異なるソースアドレスでそのアノニマイザを去る。この匿名化機能は、調査の管理を担当するサービス提供者と無関係の信頼されるサイトによって提供されることができる。
【0077】
リッチメディア言語(MPEG4−KIFSまたはMPEGLASERなど)が、たとえば、ユーザが招かれて彼らのプロファイルまたは彼らの以前の回答に基づくいくつかの質問のみに答えるように、調査アンケートを個人化することを可能にする。
【0078】
本発明は、したがって、調査の結果の改善された使用を可能にする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンケートにおいて電子的に投票する方法であって、
複数の通信端末に電子投票サービスの提供を配信するステップと、
投票者の通信端末から、投票者の認証情報を含む要求を遠隔サーバに送信するステップと、
受信した認証情報をその投票者に関連付けられた保存情報と比較することによって投票者を認証するステップと、
投票者が認証されたとき、その投票者の通信端末に投票参加チケットを送信するステップと、
アンケートへの応答および投票参加チケットを含めて、投票サーバに送信するステップと
を含む方法において、匿名化の2つのステップ、サーバによって投票者に送信される参加チケットの匿名化を確保する第1のステップおよびサーバに投票への応答を送信する通信端末の匿名化を確保する第2のステップを含み、その参加チケットが投票者のプロファイルに関連付けられた少なくとも1つのデータを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
その参加チケットが少なくとも1つの暗号化された投票者プロファイルデータを含むことを特徴とする、請求項1に記載の電子投票方法。
【請求項3】
サーバによって投票者の端末に送信されるアンケート識別キーを作成するステップを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の電子投票方法。
【請求項4】
要求の中から、既定義の判断基準に合う投票者から届いた要求を選択するステップを含み、その選択が条件付きのアクセスまたはデジタル権利管理の形態を取ることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の電子投票方法。
【請求項5】
請求項1から4に記載の方法を実装するように構成されたデコーダであって、ケーブルまたは電波によってデジタルテレビ番組を受信する手段を備え、さらに
ソフトウェアプラットフォームに接続する手段と、
放送されているテレビ番組に適合されたインタラクティブ電子投票アプリケーションを識別する手段と、
そのインタラクティブアプリケーションを前記デジタル番組に同期させる手段と、
そのデジタル番組および識別されたインタラクティブ電子投票アプリケーションに特有のデータを含む信号配信する手段と
を備えることを特徴とする、デコーダ。
【請求項6】
請求項5に記載のデコーダをそれぞれ装備する複数の受信端末および電子投票サーバを備える、テレビ放送ネットワークであって、そのデコーダが電子投票サービス選択モジュール(5)および管理モジュール(9)を備え、そのサーバが、
アンケートの生成を請け合う、作成モジュールと呼ばれる第1のモジュールと、
他方のインタラクティブテレビサービスに電子投票サービスを追加する、電子サービスガイドジェネレータ(4)と、
選択モジュール(5)から受信された認証情報とプロファイルデータベースに保存された情報の比較を実行し、また投票者が識別されたときに前記参加チケットを管理モジュール(9)に送信する、サブスクリプションモジュール(6)と、
アンケートへの応答および投票参加チケットを受信する匿名化モジュール(11)と
を備える、テレビ放送ネットワーク。
【請求項7】
そのサーバがさらに請求モジュール(14)を備え、投票参加が記録され、商業的提供に関連付けられる、請求項6に記載の放送ネットワーク。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2011−517825(P2011−517825A)
【公表日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504502(P2011−504502)
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【国際出願番号】PCT/FR2009/050579
【国際公開番号】WO2009/136047
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(391030332)アルカテル−ルーセント (1,149)
【Fターム(参考)】