電子掲示板システム,サーバ装置及び端末装置
【課題】携帯端末で撮影されている映像に応じて,インターネット上に開設された電子掲示板の内容を携帯端末に表示できる電子掲示板システムを提供する。
【解決手段】電子掲示板システム1において,サーバ装置3は,電子掲示板300のスレッド毎に,スレッドの位置情報及びスレッドの口コミ情報を少なくとも記憶し,スレッド送信要求を携帯端末2から受信すると,スレッド送信要求に含まれる位置情報で一意に定まる抽出範囲内に位置情報が含まれるスレッドを抽出し,抽出したスレッドの口コミ情報の内容を携帯端末に表示させるスレッド情報を送信する。携帯端末2は,携帯端末2の位置情報を含むスレッド送信要求をサーバ装置3に行い,携帯端末2が撮影している撮影範囲に含まれるスレッド情報を,該スレッド情報の位置情報に対応させて映像上に合成表示する。
【解決手段】電子掲示板システム1において,サーバ装置3は,電子掲示板300のスレッド毎に,スレッドの位置情報及びスレッドの口コミ情報を少なくとも記憶し,スレッド送信要求を携帯端末2から受信すると,スレッド送信要求に含まれる位置情報で一意に定まる抽出範囲内に位置情報が含まれるスレッドを抽出し,抽出したスレッドの口コミ情報の内容を携帯端末に表示させるスレッド情報を送信する。携帯端末2は,携帯端末2の位置情報を含むスレッド送信要求をサーバ装置3に行い,携帯端末2が撮影している撮影範囲に含まれるスレッド情報を,該スレッド情報の位置情報に対応させて映像上に合成表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,コンピュータ技術を用いて人為的に作り出したコンピュータグラフィックを現実空間から得られる実写映像にリアルタイムで重ね合わせる拡張現実の技術に係わり,更に詳しくは,口コミが投稿される電子掲示の内容を現実空間から得られる実写映像にリアルタイムで重ね合わせる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現実空間から得られる実写映像に,コンピュータ技術を用いて人為的に作り出したコンピュータグラフィックスをリアルタイムで重ね合わせる拡張現実(Augmented Reality)を利用したサービスが注目を浴びている。
【0003】
拡張現実を利用するサービスとしては,非特許文献1のように,デジタルカメラで撮影した画像に含まれるマーカに対応した3次元コンピュータグラフィックスを該マーカの向きに合わせて画像上に表示させることも考えられているが,現実空間から得られる実写映像に合わせてコンピュータに登録されている情報をユーザに提示することも考えられている。
【0004】
例えば,特許文献1では,ユーザは,ユーザが装着しているウェアラブルコンピュータを利用して,カメラで撮影されている実世界の状況を特定する特定情報(例えば,オブジェクトIDや実世界の位置)を付与したデータ(画像データ、テキストデータ、音声データ等)をサーバに送信し,サーバは,特定情報を付与したデータをデータベースに格納し,データベースに格納されているデータの中から,ウェアラブルコンピュータから送信された特定情報に対応し,他のウェアラブルコンピュータから送信されたデータを返信することで,特定情報を送信したウェアラブルコンピュータに,実世界の状況に関連するデータを送信する発明が開示されている。
【0005】
また,拡張現実とは直接的には係わらないかもしれないが,特許文献2では,携帯端末でポインティングデバイスのように扱い,携帯端末でポインティングされた対象(例えば,建物など)に係わる情報をユーザに提供できるシステムが開示されている。
【0006】
更に,携帯端末に内蔵されたデジタルカメラによって撮影された実写映像上に,該実写映像に含まれる対象物(例えば,建築物)に係わる情報を重ねて表示する拡張現実サービスも,既に携帯端末の一部の機種向けに開発されている。
【0007】
例えば,acrossair社が提供しているiPhone(登録商標)向けのアプリケーションの一つであるNearestWikiでは,インターネット上の百科事典であるWikipediaをデータリソースとし,GPSなどで得られる位置情報や電子コンパスで得られる方位情報が用いられ,ユーザがいる地点の近傍に係るデータがディスプレイに表示される。
【0008】
更に,頓智ドット社が提供しているiPhone(登録商標)等向けのアプリケーションの一つであるセカイカメラでは,「エアタグ」と呼ばれ,GPSなどで得られる位置データを付加した付加情報(文字・画像・音声)をサーバに記憶させることができ,デジタルカメラで撮影した実写映像にこの地点に関連する付加情報(文字・画像・音声)が重ねて表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−194726号公報
【特許文献2】特表2004−531791号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Kato, H., Billinghurst, M. (1999)Marker Tracking and HMD Calibration for a video-based Augmented Reality Conferencing System.In Proceedings of the 2nd International Workshop on Augmented Reality (IWAR 99). October, San Francisco, USA.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
これまで述べたように,現実空間から得られる実写映像に合わせてコンピュータに登録されている情報をユーザに提示する手法が様々考えられているが,拡張現実の技術を利用し,ユーザが所持する携帯端末で撮影されている映像に応じて,インターネット上に開設された電子掲示板の内容を携帯端末に表示することはできなかった。
【0012】
また,現実空間から得られる実写映像に合わせてコンピュータに登録されている情報をユーザに提示する際,コンピュータに登録されている情報の対象(例えば,店舗)となる地点の位置情報がずれていると,カメラで撮影されている映像に表示される情報(例えば,セカイカメラのエアタグ)が,該情報に対応する対象の映像からずれて表示されてしまうケースがあった。
【0013】
そこで,本発明は,拡張現実の技術を利用し,ユーザが所持する携帯端末で撮影されている映像に応じて,インターネット上に開設された電子掲示板の内容を携帯端末に表示できる電子掲示板システム,該電子掲示板システムを構成するサーバ装置及び携帯端末を提供することを目的とし,更に,コンピュータに登録されている情報の対象(例えば,店舗)となる地点の位置情報を補正できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決する第1の発明は,インターネット上に開設された電子掲示板の内容を携帯端末に表示できるようにした電子掲示板システムで,電子掲示板が運営されているサーバ装置と,前記電子掲示板を利用するユーザが所持する携帯端末とから少なくとも構成され,前記サーバ装置は,前記電子掲示板に立てられたスレッド毎に,前記スレッドの識別子に対応付けて,前記スレッドの位置情報及び前記スレッドに投稿された口コミ情報を少なくとも記憶し,前記携帯端末の位置情報を含むスレッド送信要求を前記携帯端末から受信すると,前記スレッド送信要求に含まれる位置情報で一意に定まる抽出範囲内に位置情報が含まれる前記スレッドを抽出し,抽出した前記スレッドの前記口コミ情報を前記携帯端末に表示させる前記スレッド情報を該スレッド毎に生成した後,前記スレッド情報の基になった前記スレッドの識別子と位置情報を付加した前記スレッド情報を前記携帯端末に送信するスレッド送信手段を備え,前記携帯端末は,前記携帯端末が存在する地点の位置情報を計測する位置計測手段と,実空間の映像を撮影する撮影手段と,前記位置計測手段から取得した位置情報を含む前記スレッド送信要求を前記サーバ装置に行い,前記サーバ装置から前記スレッド情報を受信すると,前記携帯端末が存在する地点の位置情報を原点とする前記撮影手段の視野座標系の座標に該スレッド情報に付加された位置情報を変換した後,前記撮影手段の視野範囲内に前記視野座標系の座標が含まれる前記スレッド情報を特定し,特定した前記スレッド情報の前記視野座標系の座標に対応させて該スレッド情報を前記映像上に表示するスレッド表示手段を備えていることを特徴とする。
【0015】
更に,第2の発明は,第1の発明の電子掲示板システムにおいて,ユーザが前記携帯端末を利用して口コミ情報を投稿できるように,前記携帯端末は,前記口コミ情報を投稿するイベントを検知すると,前記位置計測手段から投稿する時点の位置情報を取得し,前記スレッド情報に付加された位置情報で一意に定まる投稿可能範囲内に前記位置計測手段から取得した位置情報が含まれる前記スレッド情報を,前記携帯端末に表示されている前記スレッド情報の中から特定した後,ユーザから前記口コミ情報を取得し,特定した前記スレッド情報に付加された前記スレッドの識別子と,前記位置計測手段から取得した位置情報を付加した該口コミ情報を含む口コミ登録要求を前記サーバ装置に送信する投稿手段を備え,前記サーバ装置は,前記携帯端末から前記口コミ登録要求が送信されると,前記口コミ登録要求に含まれる識別子で特定される前記スレッドの前記口コミ情報として,前記口コミ登録要求に含まれる前記口コミ情報を記憶する口コミ登録手段を備えていることを特徴とする。
【0016】
更に,第3の発明は,第2の発明の電子掲示板システムにおいて,前記スレッドの位置情報を補正できるように,前記サーバ装置の前記口コミ登録手段は,特定した前記スレッド情報の位置情報を付加した状態で前記口コミ情報を記憶した後,前記口コミ登録要求に対応する前記スレッドの前記口コミ情報に付加されている前記位置情報の重心位置を算出し,該スレッドの位置情報を該重心位置に補正することを特徴とする。
【0017】
更に,第4の発明は,第2の発明又は第3の発明の電子掲示板システムにおいて,前記口コミ情報を投稿するイベントは,前記撮影手段が撮影している映像上に表示されている前記スレッド情報を選択する操作,又は,前記携帯端末を利用した電子決済処理の実行であることを特徴とする。
【0018】
更に,第5の発明は,第2の発明から第4の発明のいずれか一つに記載の電子掲示板システムにおいて,前記口コミ情報の投稿を予約できるように,前記携帯端末の前記投稿手段は,ユーザから前記口コミ情報を取得する前に,前記口コミ情報の投稿を予約する操作を検知すると,特定した前記スレッド情報に付加された識別子と前記位置計測手段から取得した位置情報を含む投稿予約情報を記憶し,前記投稿予約情報を利用する操作を検知すると,ユーザから前記口コミ情報を取得し,前記投稿予約情報に含まれる前記スレッドの識別子及び位置情報を付加した該口コミ情報を含む口コミ登録要求を前記サーバ装置に送信することを特徴とする。
【0019】
更に,第6の発明は,第1の発明から第5の発明のいずれか一つに記載の電子掲示板システムにおいて,ユーザが新規に前記スレッドを前記電子掲示板に立てられるように,前記携帯端末は,前記スレッドを新規に前記電子掲示板に立ち上げる操作を検知すると,前記位置計測手段からこの時点の位置情報を取得した後,該位置情報を含むスレッド生成要求を前記サーバ装置へ送信するスレッド生成要求手段を備え,前記サーバ装置は,前記携帯端末から前記スレッド生成要求を受信すると,前記スレッド生成要求に対応する前記スレッドの識別子を生成した後,生成した前記スレッドの識別子に対応付けて,前記スレッド生成要求に含まれる位置情報を記憶するスレッド生成手段を備えていることを特徴とする。
【0020】
更に,第7の発明は,第1の発明から第6の発明のいずれか一つに記載の電子掲示板システムを構成するサーバ装置で,又,第8の発明は,第1の発明から第6の発明のいずれか一つに記載の電子掲示板システムを構成する携帯端末である。
【発明の効果】
【0021】
このように,本発明によれば,拡張現実の技術を利用し,ユーザが所持する携帯端末で撮影されている映像に応じて,インターネット上に開設された電子掲示板の内容を携帯端末に表示できる電子掲示板システム,該電子掲示板システムを構成するサーバ装置及び携帯端末を提供でき,更に,コンピュータに登録されている情報の対象(例えば,店舗)となる地点の位置情報を補正できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施形態における電子掲示板システムを説明する図。
【図2】携帯端末に備えられたハードウェアを説明する図。
【図3】携帯端末に備えられた機能を説明する図。
【図4】携帯端末のスレッド表示手段が実行する処理を説明するフロー図。
【図5】携帯端末に表示される情報を説明する図。
【図6】携帯端末の投稿手段が実行する処理を説明するフロー図。
【図7】投稿予約したスレッドに投稿するときの手順を示したフロー図。
【図8】新規にスレッドを電子掲示板に立てる手順を示したフロー図。
【図9】サーバ装置に備えられたハードウェアを説明する図。
【図10】サーバ装置に備えられた機能を説明する図。
【図11】スレッドテーブルを説明する図。
【図12】口コミテーブルを説明する図。
【図13】サーバ装置のスレッド送信手段が実行する手順を示したフロー図。
【図14】サーバ装置のスレッド生成手段が実行する手順を示したフロー図。
【図15】サーバ装置の口コミ情報登録手段が実行する手順を示したフロー図。
【図16】スレッドの位置情報の補正効果を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
ここから,本願発明の技術分野に係わる当業者が,本願発明の内容を理解し,本願発明を実施できる程度に本願発明の実施形態について説明する。なお、これから説明する実施形態は一例にしか過ぎず、これから説明する実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能である。
【0024】
図1は,本実施形態における電子掲示板システム1を説明する図である。図1で図示した電子掲示板システム1は拡張現実を利用したシステムで,図1で図示した電子掲示板システム1には,拡張現実を利用した電子掲示板300が運営されているサーバ装置3と,電子掲示板システム1のユーザが所持する携帯端末2(例えば,スマートフォン)が装置として含まれ,携帯端末2用の公衆無線回線網4bとインターネット4aがネットワークとして含まれている。なお,図1では,携帯端末2を1台として記載しているが,実際は,数多くの携帯端末2からサーバ装置3にアクセス可能なように構成されている。
【0025】
サーバ装置3で運営されている電子掲示板300は,スレッドフロート型掲示板であり、ユーザが任意の対象(例えば,店や場所)にスレッドを立てることができ,電子掲示板300にスレッドが新規に立てられると,新規に立てられたスレッドの属性情報と該スレッドに投稿された口コミ情報を記憶するデータテーブルがサーバ装置3に生成される。
【0026】
スレッドの属性情報には,スレッドの識別子,名称及び位置情報(緯度・経度),すなわち,スレッドの対象となる対象に係る名称及び該対象が実在する地点の位置情報が含まれ,スレッドの属性情報の位置情報によって,該位置情報に対応する現実空間の地点にスレッドを対応付けていることになる。
【0027】
ユーザが所持する携帯端末2は,携帯端末2のある地点の位置を計測するデバイスと,携帯端末2の基準線が向いている方位角を計測するデバイスと,携帯端末2の3軸の加速度を検出するデバイスを備え,更に,サーバ装置3で運営されている電子掲示板300に投稿された口コミ情報を表示する機能と,電子掲示板300に口コミ情報を投稿する機能をなど備えた電子掲示板アプリケーション200が実装されている。
【0028】
サーバ装置3は,電子掲示板アプリケーション200が動作している携帯端末2から,携帯端末2の位置情報を含むスレッド送信要求を受信すると,スレッド送信要求に含まれる位置情報で一意に定まる抽出範囲内(例えば,該位置情報を中心した所定半径内)に位置情報が設定されているスレッドを抽出し,抽出したスレッド毎に,該スレッドの内容(例えば,スレッドに投稿された口コミ情報の一部又は全て)を表示するスレッド情報を生成し,スレッド送信要求を送信した携帯端末2にスレッド情報を送信する。
【0029】
サーバ装置3から携帯端末2に送信されるスレッド情報には,スレッド情報に対応するスレッドの識別子であるスレッドID,スレッドの名称,スレッドの位置情報などが付加され,携帯端末2上で動作している電子掲示板アプリケーション200は,サーバ装置3からスレッド情報を受信すると,カメラで撮影している方位角である撮影方位角を参照し,カメラで撮影している映像に位置情報が含まれるスレッド情報と該スレッド情報の位置情報に対応する映像上の位置を特定し,特定した映像上の位置に対応させてスレッド情報を映像上に表示する。
【0030】
このように,電子掲示板300に立てられたスレッドに位置情報を付加しておくことで,電子掲示板300を利用するユーザに対し,携帯端末2を所持するユーザがいる地点の近傍にある対象に係る口コミ情報をユーザに提供できるようになるため,知識のない場所にユーザが訪れた場合でもあっても,その場所の近傍で話題になっている対象物や話題の内容がわかるようになる。
【0031】
また,ユーザが任意の対象にスレッドを立てることができるようにすると,スレッドの位置情報は,スレッドを立てた時にユーザが所持する携帯端末2で計測した位置情報になるが,携帯端末2で計測した位置情報は,実際の値と比較して10〜数百m程度の誤差が生じることがあるため,スレッドの位置情報に誤差があると,携帯端末2におけるスレッド情報の表示位置が実際とずれ,建築物が密集しているような場所では,ある建築物に係わるスレッド情報が他の建築物の映像上に表示されてしまうことがあるため,サーバ装置3には,スレッドの属性情報に含まれる位置情報を補正する機能が備えられている。
【0032】
具体的に,図1で図示した電子掲示板システム1では,携帯端末2側で,ユーザがスレッドに投稿する口コミ情報に位置情報を付加するようにし,サーバ装置3側で,口コミ情報が投稿されたスレッドに投稿される毎に,スレッドの属性情報に含まれる位置情報をスレッドに投稿された口コミ情報に付加された位置情報の重心位置を求めることにより補正する。
【0033】
スレッドには,スレッドに対応する対象に係る口コミ情報が集まるため,口コミ情報に付加された位置情報の重心位置は,スレッドに対応する対象が実際にある位置に近づくため,スレッドの属性情報に含まれる位置情報の誤差を少なくできる。
【0034】
ここから,図1を図示した電子掲示板システム1を構成する携帯端末2について詳細に説明する。図2は,携帯端末2に備えられたハードウェアを説明する図で,図3は,携帯端末2に備えられた機能を説明する図である。
【0035】
図2に図示したように,携帯端末2には,無線通信するときに利用する無線通信用アンテナ2j,無線通信に係わる高周波処理を担う無線通信回路2a,携帯端末2に係わる様々な処理を担うベースバンド回路2b,公衆無線回線網4bの中継ポイントから受信した電波の強度を利用して携帯端末2の位置情報(緯度・経度)を計測する位置計測回路2c,携帯端末2の基準位置が向いている方位角を計測する電子コンパス回路2d,携帯端末2の加速度を計測する3軸加速度計測回路2e,レンズなどの光学系に加え画像素子を有するカメラ回路2f,表示デバイスと操作パネルの機能を兼ね備えたタッチパネル2g,タッチパネル2gを制御するタッチパネル制御回路2h,時刻を計測する時計回路2iなどが備えられている。
【0036】
携帯端末2に実装されているベースバンド回路2bとは,演算プロセッサ,ROM,RAMなどが実装された回路で,ベースバンド回路2b上で動作するアプリケーションの一つとして上述した電子掲示板アプリケーション200が実装されている。
【0037】
図3で図示した各手段は,携帯端末2に実装された電子掲示板アプリケーション200によって,携帯端末2に備えられる機能を示し,携帯端末2上で電子掲示板アプリケーション200が起動することで,携帯端末2には,携帯端末2が存在する地点の位置情報を計測する位置計測手段20と,実空間の映像を撮影する撮影手段21と,携帯端末2の基準位置が向いている方位角を計測する方位計測手段22と,携帯端末2のモーションを検出するモーション検出手段23と,サーバ装置3にスレッド送信要求を行い,カメラで撮影している方位角である撮影方位角とスレッド情報の位置情報から,携帯端末2に表示するスレッド情報と画面上の位置を求め,携帯端末2にスレッド情報を表示するスレッド表示手段24と,ユーザが口コミ情報を電子掲示板300に投稿するきに作動する投稿手段25と,ユーザがスレッドを電子掲示板300に立ち上げるときに作動するスレッド生成要求手段26が備えられる。
【0038】
携帯端末2に備えられた位置計測手段20は,携帯端末2の位置計測回路2cを利用してこの地点の位置情報(緯度・経度)を計測する手段である。携帯端末2の位置情報を計測する手法としては,GPS(Global Positioning System)の人工衛星を利用する手法や,携帯端末2が無線通信可能な中継ポイントとの通信時間に従い携帯端末2内部で位置情報を計測する手法などがあるが,いずれの手法を用いてもよい。
【0039】
携帯端末2に備えられた撮影手段21は,携帯端末2のカメラ回路2fを作動させ,カメラ回路2fで撮影された映像を取得する手段で,携帯端末2の方位角を計測する方位計測手段22は,携帯端末2の電子コンパス回路2dから,携帯端末2の基準位置が向いている方位角を取得する手段である。
【0040】
モーション検出手段23は,携帯端末2の3軸加速度計測回路2eから得られる加速度を基に,携帯端末2のモーションとして,携帯端末2の位置方向に係わる変位量と携帯端末2の回転を検出する手段である。携帯端末2の位置に係わる変位量は,携帯端末2の位置に係わる2軸の加速度を時間的に2重積分することで求められ,更に,携帯端末2の回転は,携帯端末2の位置方向に係わる2軸の加速度から,携帯端末2の回転に係る軸に回転が生じているかによって求められる。
【0041】
携帯端末2に備えられたスレッド表示手段24は,撮影手段21を作動させ,カメラ回路2fが撮影している映像をタッチパネル2gにリアルタイムで表示する処理を実行した後,サーバ装置3にスレッド送信要求を行い,サーバ装置3からスレッド情報を受信すると,カメラで撮影している方位角である撮影方位角を参照し,カメラで撮影している映像に位置情報が含まれるスレッド情報と該スレッド情報の位置情報に対応する映像上の位置を特定し,特定した映像上の位置に対応させてスレッド情報を映像上に表示する手段である。
【0042】
図4は,携帯端末2のスレッド表示手段24が実行する処理を説明するフロー図である。携帯端末2上で電子掲示板アプリケーション200が起動すると,携帯端末2のスレッド表示手段24は自動的に起動し(S1),サーバ装置3で運営されている電子掲示板300にログインする画面を表示させ,ログインするユーザのユーザ名及び認証コード(例えば,パスフレーズ)を含むメッセージであるログイン要求を,電子掲示板300にログインするためのサーバ装置3のURLに対して送信する(S2)。
【0043】
そして,ログインに成功したことを示すメッセージをサーバ装置3から受信すると,携帯端末2のスレッド表示手段24は,携帯端末2の撮影手段21を作動させて映像の撮影を開始し,カメラ回路2fが撮影している映像をリアルタイムで携帯端末2のタッチパネル2gに表示する処理を開始する(S3)。
【0044】
カメラ回路2fが撮影している映像を携帯端末2のタッチパネル2gに表示する処理を実行すると,携帯端末2のスレッド表示手段24は,位置計測手段20を利用して,この時点における携帯端末2の位置情報を取得して保持し,スレッド情報を送信要求するためのサーバ装置3のURLに対して,携帯端末2の位置情報を含むメッセージであるスレッド送信要求を送信する(S4)。
【0045】
携帯端末2のスレッド表示手段24は,スレッド送信要求をした後に,サーバ装置3からスレッド情報を受信すると(S5),スレッド情報を表示するために,方位計測手段22から方位角を取得し,携帯端末2の基準線とカメラ回路2fの光学系の基準線との角度差を利用して撮影方位角を求め(S6),携帯端末2が存在する地点の位置情報を原点とする撮影手段の視野座標系の座標に該スレッド情報に付加された位置情報を変換した後,カメラ回路2fの視野範囲内に視野座標系の座標が含まれるスレッド情報を抽出する(S7)。
【0046】
そして,携帯端末2のスレッド表示手段24は,特定したスレッド情報の視野座標系の座標に対応させ,撮影手段21がカメラ回路2fから取得した映像に該スレッド情報を合成表示させる(S8)。なお,複数のスレッド情報が重なり合う場合は,携帯端末2からの距離が近いスレッド情報を手前に表示し,後側のスレッド情報の一部が目視できるようにスレッド情報を表示する。
【0047】
携帯端末2のスレッド表示手段24は,サーバ装置3から送信されたスレッド情報を表示すると,モーション検出手段23が計測している3軸毎の変位量を監視し(S9),モーション検出手段23が検出している携帯端末2のモーションに応じて処理を分岐させる(S10)。
【0048】
携帯端末2の位置に係わる変位量が上限値以上になった場合,スレッド送信要求をした地点から離れた地点にユーザが移動したと判断し,S3の処理に戻り,スレッド送信要求をサーバ装置3に行い,スレッド情報を表示する処理を行う。また,携帯端末2の位置に係わる変位量が下限値以上/上限値未満になった場合,又は,携帯端末2の回転が発生した場合,携帯端末2のスレッド表示手段24はS7の処理を実行し,スレッド情報を表示する処理を実施する。
【0049】
なお,電子掲示板アプリケーション200が携帯端末2上で終了すると(S11),図4で図示した手順は終了する。
【0050】
図5は,携帯端末2に表示される情報を説明する図で,図5(a)は,カメラ回路2fで撮影した映像で,図5(b)は,スレッド情報が表示されている映像である。図4を用いて説明した手順が実行されることで,図5(b)で図示したように,携帯端末2のタッチパネル2g上には,カメラ回路2fで撮影した図5(a)の映像上に,サーバ装置3から送信された3つのスレッド情報6a,b,cが合成されて表示されている。
【0051】
図5(b)において,3つのスレッド情報6a,b,cは図5(a)で図示したShop_A〜Cにそれぞれ対応している。スレッド情報6a,b,cはふきだしの形態で表示されており,ふきだしの三角形の頂点によって,スレッド情報6a,b,cが対応している映像上の位置が紐付けられている。
【0052】
また,図5(a)で図示したように,Shop_AはShop_Bより手前になるため,Shop_Aに対応するスレッド情報6aは,Shop_Bに対応するスレッド情報6bより手前に表示されている
【0053】
次に,携帯端末2に備えられた投稿手段25について説明する。携帯端末2に備えられた投稿手段25は,ユーザがいる地点に対応したスレッドにユーザの口コミ情報を投稿する手段である。
【0054】
これまでの説明でもわかるように,ユーザがいる地点の近傍に位置情報が設定されているスレッドの内容が,ユーザが所持する携帯端末2のタッチパネル2g上に表示されるため,ユーザが口コミ情報を投稿できるスレッドは,ユーザがいる地点に位置情報が設定されているスレッドに限定される。
【0055】
図6は,携帯端末2の投稿手段25が実行する処理を説明するフロー図である。タッチパネル2g上に表示されているアイコン(例えば,図5のアイコン6d)をユーザがタップするなど,電子掲示板アプリケーション200が,口コミ情報を投稿するイベントの発生を検知すると(S20),携帯端末2の投稿手段25が起動し,投稿手段25は,口コミ情報の投稿に係る処理を開始する。
【0056】
携帯端末2の投稿手段25は起動すると,携帯端末2の投稿手段25は,位置計測手段20からこの時点の携帯端末2の位置情報を取得し(S21),携帯端末2に表示されているスレッド情報の中から,該スレッド情報の位置情報で一意に定まる投稿可能範囲内(例えば,該位置情報を中心とした所定半径内)に携帯端末2の位置情報が含まれるスレッド情報を,口コミ情報が投稿可能なスレッド情報として特定する(S22)。
【0057】
口コミ情報が投稿可能なスレッド情報を特定すると,携帯端末2の投稿手段25は,口コミ情報の投稿実行もしくは投稿予約をユーザに選択させる画面を表示させ(S23),ユーザが選択した内容に応じて処理を分岐させる(S24)。
【0058】
口コミ情報の投稿実行をユーザが選択した場合,携帯端末2の投稿手段25は,タッチパネル2g上にソフトウェアキーボードを表示させ,ユーザが該ソフトウェアキーボードを用いて入力したテキストを口コミ情報として取得する(S25)。
【0059】
携帯端末2の投稿手段25は,口コミ情報を取得すると,S22で特定したスレッド情報に付加されているスレッドID及びS21で取得した位置情報を付加した口コミ情報を含むメッセージである口コミ投稿要求を,口コミ情報を投稿するためのサーバ装置3のURLに対して送信し(S26),この手順を終了する。
【0060】
また,S24にて,口コミ情報の投稿予約をユーザが選択した場合,携帯端末2の投稿手段25は,タッチパネル2g上にソフトウェアキーボードを表示させることなく,S21で取得した携帯端末2の位置情報とS22で特定したスレッド情報のスレッドIDを含む投稿予約情報を携帯端末2のメモリに記憶し(S27),この手順を終了する。
【0061】
図7は,投稿予約したスレッドに投稿するときの手順を示したフロー図である。携帯端末2で動作している電子掲示板アプリケーション200が,タッチパネル2g上に表示されているアイコン(例えば,図5のアイコン6b)をユーザがタップするなど,投稿予約情報を利用するイベントの発生を検知すると(S30),携帯端末2の投稿手段25は,携帯端末2のメモリに記憶されている投稿予約情報の一覧を表示させ,ユーザに投稿予約情報を選択させた後(S31),タッチパネル2g上にソフトウェアキーボードを表示させ,ユーザが該ソフトウェアキーボードを用いて入力したテキストを口コミ情報として取得する(S32)。
【0062】
口コミ情報を取得すると,携帯端末2の投稿手段25は,S31でユーザが選択した投稿予約情報の含まれているスレッドID,ユーザが選択した投稿予約情報に含まれている位置情報を付加した口コミ情報を含む口コミ登録要求を,口コミ情報を投稿するためのサーバ装置3のURLに対して送信し(S33),この手順を終了する。投稿予約が行えることにより、ユーザが、投稿するスレッドの位置近傍で口コミ情報を登録することなく、後で口コミ情報を投稿することができるようになる。
【0063】
図8は,新規にスレッドを電子掲示板300に立てる手順を示したフロー図である。携帯端末2で動作している電子掲示板アプリケーション200が,タッチパネル2g上に表示されているアイコン(例えば,図5のアイコン6c)をユーザがタップするなど,新規にスレッドを電子掲示板300に立てるイベントの発生を検知すると(S40),新規に電子掲示板300に立てるスレッドの位置情報として,この時点の携帯端末2の位置情報を位置計測手段20から取得する(S41)。
【0064】
新規に立てるスレッドの位置情報を取得すると,携帯端末2のスレッド生成要求手段26は,電子掲示板300に立てるスレッドの名称と口コミ情報を入力させる画面をタッチパネル2gに表示させた後,ユーザがソフトウェアキーボードを用いスレッドの名称として該画面に入力したテキストをスレッドの名称として取得し(S42),更に,ユーザがソフトウェアキーボードを用い口コミ情報として該画面に入力したテキストを新規に立てるスレッドの最初の口コミ情報として取得した後(S43),S42でユーザから取得したスレッドの名称,S43で取得した最初の口コミ情報及びS41で取得した携帯端末2の位置情報を少なくとも含むメッセージであるスレッド生成要求を,スレッドを立てるためのサーバ装置3のURLに対して送信し(S44),この手順を終了する。
【0065】
次に,図1で図示した電子掲示板システム1を構成するサーバ装置3について説明する。図9は,サーバ装置3に備えられたハードウェアを説明する図で,図10は,サーバ装置3に備えられた機能を説明する図である。
【0066】
サーバ装置3は汎用のウェブサーバで実現され,図9に図示したように,サーバ装置3には,ハードウェアとして,CPU3a(CPU: Central Processing Unit)と、BIOSが実装されるROM3b(ROM: Read-Only Memory)と、コンピュータのメインメモリであるRAM3c(RAM: Random Access Memory)と、外部記憶装置として大容量のデータ記憶装置3d(例えば,ハードディスク)と,外部デバイスとデータ通信するための入出力インターフェース3eと、ネットワーク通信するためのネットワークインターフェース3fと、ディスプレイ3gと,文字入力デバイス3hと,ポインティングデバイス3i,時刻を計測する時計回路3jなどが備えられ,データ記憶装置3dには,電子掲示板300に必要な機能を実現するためのコンピュータプログラムが記憶され,更に,複数のデータベース(DB: DataBase)が設けられている。
【0067】
図10で図示した各手段は,電子掲示板300に必要な機能を実現するためのコンピュータプログラムによって,サーバ装置3に備えられる機能を示し,サーバ装置3には,携帯端末2からスレッド送信要求を受けると,スレッド送信要求に対応するスレッド情報を携帯端末2に送信するスレッド送信手段30と,携帯端末2からスレッドを立てるスレッド生成要求を受けると,スレッド生成要求を受けたスレッドを電子掲示板300に立てるスレッド生成手段31と,携帯端末2から受信した口コミ情報をサーバ装置3に登録する口コミ情報登録手段32と,電子掲示板300にログインするユーザを認証するユーザ認証手段33が備えられ,更に,サーバ装置3のデータ記憶装置3dには,電子掲示板300に係る情報を記憶するテーブルとして,スレッドの属性情報を記憶するスレッドテーブル34と,ユーザが投稿した口コミ情報を記憶する口コミテーブル35がスレッド毎に設けられている。
【0068】
まず,サーバ装置3に設けられた各テーブルについて説明する。図11は,サーバ装置3に備えられたスレッドテーブル34を説明する図である。
【0069】
図11で図示したように,スレッドテーブル34には,電子掲示板300に立てられたスレッド毎に,スレッドの属性情報を記憶するレコード34aが設けられ,このレコード34aには,スレッドの識別子であるスレッドID,スレッドの名称,スレッドの位置情報,スレッドに投稿された口コミ情報の数を示す口コミ件数,スレッドが立てられた日時を示すスレッド生成日時,属性情報が更新された日時を示す更新日時を記憶するカラムが設けられている。
【0070】
携帯端末2からスレッド生成要求を受けたとき,スレッド生成要求に対応するレコード34aがスレッドテーブル34に新規に追加され,新規に追加したレコード34aのスレッドIDは,スレッド生成要求を受けた時にサーバ装置3が生成する文字列で,新規に追加したレコード34aのスレッド生成日時は,スレッド生成要求を受けた時点の日時になる。
【0071】
また,新規に追加したレコード34aのスレッドの名称は,スレッド生成要求に含まれるスレッドの名称になり,新規に追加したレコード34aの位置情報は,スレッド生成要求に含まれるスレッドの位置情報で,新規に追加したレコード34aの口コミ件数は「0」で,新規に追加したレコード34aの更新日時の初期値は,スレッド生成要求を受けた時点の日時である。
【0072】
そして,スレッドに口コミ情報が投稿されると,口コミ情報が投稿されたスレッドのスレッドテーブル34の位置情報は,該スレッドに対応する口コミテーブル35に記憶されている口コミ情報に付加された位置情報の重心位置に更新され,スレッドテーブル34の口コミ件数は一つインクリメントされ,スレッドテーブル34の更新日時は口コミ情報が投稿された時点の日時に更新される。
【0073】
図12は,サーバ装置3に設けられた口コミテーブル35を説明する図である。図12に図示したように,口コミテーブル35は,電子掲示板300に立てられたスレッド毎にサーバ装置3に設けられる。口コミテーブル35には,口コミテーブル35が対応するスレッドに投稿された口コミ情報毎に,口コミ情報を記憶するレコード35aが設けられ,このレコード35aには,口コミ情報の識別子である口コミID,口コミテーブル35に対応するスレッドに投稿された口コミ情報,該口コミ情報に付加された位置情報,該口コミ情報が投稿されたときの投稿日時,該口コミ情報を投稿したユーザのユーザ名(電子掲示板300にログインしたユーザのユーザ名)を記憶するカラムが設けられている。
【0074】
携帯端末2から口コミ情報が投稿されると,口コミ情報が投稿されたスレッドに対応する口コミテーブル35にレコード35aが新規に追加される。口コミテーブル35の口コミIDは,スレッド生成要求を受けた時にサーバ装置3が生成する文字列で,口コミテーブル35の投稿日時は,口コミ情報が投稿された時点の日時になる。
【0075】
また,新規に追加したレコード35aの口コミ情報は,携帯端末2から受信した口コミ登録要求に含まれる口コミ情報になる。更に,新規に追加したレコード35aの位置情報は,携帯端末2から受信した口コミ登録要求に含まれる口コミ情報に付加された位置情報である。更に,新規に追加したレコード35aのユーザ名は,電子掲示板300にユーザがログインしたときのユーザ名である。
【0076】
次に,サーバ装置3に備えられたユーザ認証手段33について説明する。サーバ装置3に備えられたユーザ認証手段33は,携帯端末2からログイン要求を受けると,ログイン要求したユーザを認証する手段で,ログイン要求に含まれる認証コードの認証に成功すると,携帯端末2とサーバ装置3間の他のセッションが許可される。なお,サーバ装置3に備えられたユーザ認証手段33の詳細な内容は記載しないが,本実施形態では,ユーザ名に関連付けて参照コードを記憶したデータベースを参照し,ログイン要求に含まれる認証コードを認証する手段としている。
【0077】
次に,サーバ装置3に備えられたスレッド送信手段30について説明する。サーバ装置3のスレッド送信手段30は,スレッド情報を携帯端末2へ送信するセッションを実行する手段で,携帯端末2からスレッド送信要求を受けると,スレッド送信要求に対応するスレッド情報を携帯端末2に送信するために,これから述べる手順を実行する。
【0078】
図13は,サーバ装置3のスレッド送信手段30が実行する手順を示したフロー図である。サーバ装置3に備えられたスレッド送信手段30は,携帯端末2からスレッド送信要求を受けると,スレッド情報を携帯端末2へ送信する処理を開始する(S50)。
【0079】
サーバ装置3のスレッド送信手段30は,携帯端末2からスレッド送信要求を受信すると,携帯端末2から受信したスレッド送信要求の位置情報で一意に定まる抽出範囲(例えば,該位置情報を中心した所定半径内)を算出し(S51),算出した抽出範囲内に位置情報が含まれるスレッドとして,スレッドテーブル34の各レコード34aを参照し,該抽出範囲内に位置情報が含まれるレコード34aを全て抽出する(S52)。
【0080】
抽出範囲内に位置情報が含まれるスレッドを抽出すると,サーバ装置3のスレッド送信手段30は,抽出したスレッド,すなわち,スレッドテーブル34から抽出したレコード34aを対象としループ処理(L1)を実行することで,抽出したスレッド毎に,スレッド送信要求をした携帯端末2へ送信するスレッド情報を生成する。
【0081】
ループ処理(L1)において,サーバ装置3のスレッド送信手段30は,ループ処理(L1)の対象となるスレッドに投稿された口コミ情報の内容,すなわち,ループ処理(L1)の対象となるレコード34aに記憶されているスレッドIDに対応した口コミテーブル35に記憶されている口コミ情報の内容を携帯端末2に表示させるスレッド情報を生成する(S53)。
【0082】
スレッドの内容を表示するスレッド情報は任意でよいが,対象物が話題になっている尺度として,口コミテーブル35の口コミ件数をスレッド情報に含ませ,更に,話題の内容として,口コミテーブル35に記憶されている口コミ情報の全て又は一部や口コミ情報のネガティブ/ポジティブの判定結果をスレッド情報に含ませるとよい。ネガティブ/ポジティブの判定は、ネガティブ表現、ポジティブ表現、それぞれの辞書を用意し、口コミ情報にどちらの表現が含まれているかで判定することができる。
【0083】
サーバ装置3のスレッド送信手段30は,ループ処理(L1)の対象となるスレッドのスレッド情報を生成すると,ループ処理(L1)の対象となるスレッドの位置情報,すなわち,ループ処理(L1)の対象となるレコード34に記憶されている位置情報をスレッド情報に付加して記憶し(S54),抽出範囲内に位置情報が含まれる全てのスレッド,すなわち,スレッドテーブル34から抽出した全てのレコード34aについてループ処理(L1)を実行すると,ループ処理(L1)は終了する。
【0084】
サーバ装置3のスレッド送信手段30は,ループ処理(L1)を実行することで,抽出範囲内に位置情報が含まれる全てのスレッドについて位置情報を付加したスレッド情報を生成すると,位置情報を付加したスレッド情報全てを携帯端末2へ送信し(S55),この手順は終了する。
【0085】
次に,サーバ装置3に備えられたスレッド生成手段31について説明する。サーバ装置3のスレッド生成手段31は,スレッドを立てるセッションを実行する手段である。本実施形態では,携帯端末2から受けたスレッド生成要求されたスレッドの属性情報を記憶するレコード34aをスレッドテーブル34に追加することで,スレッド生成要求を受けたスレッドを電子掲示板300に立てたことになるため,サーバ装置3に備えられたスレッド生成手段31は,スレッド生成要求を受けたスレッドを電子掲示板300に立てるために,これから述べる手順を実行する。
【0086】
図14は,サーバ装置3のスレッド生成手段31が実行する手順を示したフロー図である。サーバ装置3に備えられたスレッド生成手段31は,スレッドを立てるためのサーバ装置3のURLに対してスレッド生成要求が送信されると,電子掲示板300にスレッドを立てる処理を開始する(S60)。
【0087】
サーバ装置3のスレッド生成手段31は,携帯端末2からスレッド生成要求を受信すると,該スレッド生成要求に対応するスレッドの属性情報を記憶するために,各カラムの値が初期値のレコード34aをスレッドテーブル34に新規に追加し(S61),新規に追加したレコード34aのスレッドIDの値を所定のアルゴリズム(例えば,連番)で生成し,生成した値を新規に追加したレコード34aの対応するカラムに書き込む(S62)。
【0088】
次に,サーバ装置3のスレッド生成手段31は,携帯端末2から受信したスレッド生成要求に含まれるスレッドの名称及び位置情報を,スレッドテーブル34に新規に追加したレコードの対応するカラムに書き込んだ後(S63),携帯端末2からスレッド生成要求を受信した時点の日時を生成日時としてスレッドテーブル34に新規に追加したレコードの対応するカラムに書き込む(S64)。
【0089】
サーバ装置3のスレッド生成手段31は,新規に立てるスレッドの属性情報を記憶するレコード34aをスレッドテーブル34に書き込むと,S62で生成したスレッドIDに対応する口コミテーブル35を新規に生成し(S65),該口コミテーブル35の最初のレコード35aの口コミIDの値を所定のアルゴリズム(例えば,連番)で生成し,生成した値を最初のレコード35aの対応するカラムに書き込む(S66)。
【0090】
次に,サーバ装置3のスレッド生成手段31は,スレッド生成要求に含まれる口コミ情報を最初のレコード35aの対応するカラムに書き込み(S67),スレッド生成要求に含まれる位置情報を最初のレコード35aの対応するカラムに書き込み(S68),スレッド生成要求が送信された時点の日時を投稿日時として最初のレコード35aの対応するカラムに書き込んで,この手順を終了する(S69)。
【0091】
次に,サーバ装置3に備えられた口コミ情報登録手段32について説明する。サーバ装置3の口コミ情報登録手段32は,口コミ情報を登録するセッションを実行する手段で,携帯端末2から口コミ登録要求を受信すると,口コミ登録要求に含まれる口コミ情報等を記憶するために,これから述べる手順を実行する。
【0092】
図15は,サーバ装置3の口コミ情報登録手段32が実行する手順を示したフロー図である。サーバ装置3に備えられた口コミ情報登録手段32は,口コミ情報を登録するURLに対して携帯端末2から口コミ登録要求が送信されると,携帯端末2から送信された口コミ情報を登録する処理を開始する(S70)。
【0093】
サーバ装置3の口コミ情報登録手段32は,携帯端末2から口コミ登録要求が送信されると,口コミ登録要求に含まれるスレッドIDに対応する口コミテーブル35を,携帯端末2から送信された口コミ情報を登録する口コミテーブル35として特定する(S71)。
【0094】
サーバ装置3の口コミ情報登録手段32は,特定した口コミテーブル35に各カラムの値が初期値のレコード35aを新規に追加し(S72),新規に追加したレコード35aの口コミIDの値を所定のアルゴリズム(例えば,連番)で生成し,生成した値を新規に追加したレコード35aの対応するカラムに書き込む(S73)。
【0095】
次に,サーバ装置3の口コミ情報登録手段32は,口コミ登録要求に含まれる口コミ情報を新規に追加したレコード35aの対応するカラムに書き込み(S74),該口コミ情報に付加された位置情報を新規に追加したレコード35aの対応するカラムに書き込み(S75),口コミ情報が送信された時点の日時を投稿日時として新規に追加したレコードの対応するカラムに書き込む(S76)。
【0096】
サーバ装置3の口コミ情報登録手段32は,口コミテーブル35を更新すると,スレッドテーブル34に設けられているレコード34aの中から,口コミ登録要求に含まれるスレッドIDで特定されるレコード34aを,スレッドの属性情報を更新するレコード34aとして特定する(S77)。
【0097】
サーバ装置3の口コミ情報登録手段32は,特定したレコード34aの口コミ件数を一つインクリメントすることで,口コミ情報が投稿されたスレッドの属性情報の口コミ件数を更新した後(S78),S61で特定した口コミテーブル35に記憶されている全ての位置情報の重心位置を所定のアルゴリズムによって算出する(S79)。
【0098】
サーバ装置3の口コミ情報登録手段32は,S61で特定した口コミテーブル35に記憶されている全ての位置情報の重心位置を算出すると,S66で特定したレコード34aの位置情報を算出した重心位置に書き換えることで,口コミ情報が投稿されたスレッドの属性情報の位置情報を更新した後(S80),該レコードの更新日時をこの時点の日時に書き換えることで,口コミ情報が投稿されたスレッドの属性情報の更新日時を更新して(S81),この手順を終了する。
【0099】
図16は,スレッドの位置情報の補正効果を説明する図である。図16の地点P0はスレッドが立ち上げられた地点で,地点P1及び地点P2それぞれは,1回目及び2回目の口コミ情報が投稿された地点である。
【0100】
図16のSP0はスレッドが立ち上げられたときのスレッドの位置で,スレッドが立ち上げられたときのスレッドの位置であるSP0と地点POは同一である。SP1は,1回目の投稿がなされた後のスレッドの位置で,地点P0と地点P1の重心位置になる。更に,SP2は,2回目の投稿がなされた後のスレッドの位置で,地点P0,地点P1及び地点P2の重心位置になる。
【0101】
このように,各地点の位置にばらつきがあっても,スレッドには,スレッドに対応する対象物に係る口コミ情報が集まるため,スレッドに投稿された全ての口コミ情報に付加された位置情報の重心位置を演算することで,携帯端末2で計測した位置情報の誤差は低減でき,スレッドに対応する対象物の位置情報を正確に求めることができるようになる。
【0102】
(変形例)
ここから,上述した実施形態の変形例について説明する。上述した実施形態では,サーバ装置3に口コミ情報を投稿するイベントを,タッチパネル2g上に表示されているアイコン(例えば,図5のアイコン)のタップなどと記載していたが,電子決済機能を備えた携帯端末2の場合,携帯端末2に実装される電子掲示板アプリケーション200を,携帯端末の電子機能と連動する仕様にし,店舗における電子決済処理の実行をサーバ装置3に口コミ情報を投稿するイベントにすれば,電子決済できる端末が設置されている場所は固定であるため,スレッドとなる対象(ここでは,店舗)の位置をより正確な値にすることができる。
【0103】
変形例において,携帯端末2に備えられるハードウェアは図2とほぼ同様であるため説明を省くが,図2に加えて,電子決済に必要なハードウェア(例えば,FeliCa(登録商標)のICチップ)が携帯端末2に備えられる。
【0104】
変形例において,電子決済処理の実行をサーバ装置3に口コミ情報を投稿するイベントとする場合,電子掲示板アプリケーション200が起動しているときに,携帯端末5における電子決済処理が発生すると,携帯端末2の投稿手段24が自動的に起動して,投稿手段24は,口コミ情報の投稿に係る処理を開始し,図4のS21から図4で図示したの手順を実行する。
【符号の説明】
【0105】
1 電子掲示板システム
2 携帯端末
20 位置計測手段
21 撮影手段
22 方位計測手段
23 モーション検出手段
24 スレッド表示手段
25 投稿手段
26 スレッド生成要求手段
3 サーバ装置
30 スレッド送信手段
31 スレッド生成手段
32 口コミ情報登録手段
33 ユーザ認証手段
34 スレッドテーブル
35 口コミテーブル
4a 公衆無線回線網
4b インターネット
【技術分野】
【0001】
本発明は,コンピュータ技術を用いて人為的に作り出したコンピュータグラフィックを現実空間から得られる実写映像にリアルタイムで重ね合わせる拡張現実の技術に係わり,更に詳しくは,口コミが投稿される電子掲示の内容を現実空間から得られる実写映像にリアルタイムで重ね合わせる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現実空間から得られる実写映像に,コンピュータ技術を用いて人為的に作り出したコンピュータグラフィックスをリアルタイムで重ね合わせる拡張現実(Augmented Reality)を利用したサービスが注目を浴びている。
【0003】
拡張現実を利用するサービスとしては,非特許文献1のように,デジタルカメラで撮影した画像に含まれるマーカに対応した3次元コンピュータグラフィックスを該マーカの向きに合わせて画像上に表示させることも考えられているが,現実空間から得られる実写映像に合わせてコンピュータに登録されている情報をユーザに提示することも考えられている。
【0004】
例えば,特許文献1では,ユーザは,ユーザが装着しているウェアラブルコンピュータを利用して,カメラで撮影されている実世界の状況を特定する特定情報(例えば,オブジェクトIDや実世界の位置)を付与したデータ(画像データ、テキストデータ、音声データ等)をサーバに送信し,サーバは,特定情報を付与したデータをデータベースに格納し,データベースに格納されているデータの中から,ウェアラブルコンピュータから送信された特定情報に対応し,他のウェアラブルコンピュータから送信されたデータを返信することで,特定情報を送信したウェアラブルコンピュータに,実世界の状況に関連するデータを送信する発明が開示されている。
【0005】
また,拡張現実とは直接的には係わらないかもしれないが,特許文献2では,携帯端末でポインティングデバイスのように扱い,携帯端末でポインティングされた対象(例えば,建物など)に係わる情報をユーザに提供できるシステムが開示されている。
【0006】
更に,携帯端末に内蔵されたデジタルカメラによって撮影された実写映像上に,該実写映像に含まれる対象物(例えば,建築物)に係わる情報を重ねて表示する拡張現実サービスも,既に携帯端末の一部の機種向けに開発されている。
【0007】
例えば,acrossair社が提供しているiPhone(登録商標)向けのアプリケーションの一つであるNearestWikiでは,インターネット上の百科事典であるWikipediaをデータリソースとし,GPSなどで得られる位置情報や電子コンパスで得られる方位情報が用いられ,ユーザがいる地点の近傍に係るデータがディスプレイに表示される。
【0008】
更に,頓智ドット社が提供しているiPhone(登録商標)等向けのアプリケーションの一つであるセカイカメラでは,「エアタグ」と呼ばれ,GPSなどで得られる位置データを付加した付加情報(文字・画像・音声)をサーバに記憶させることができ,デジタルカメラで撮影した実写映像にこの地点に関連する付加情報(文字・画像・音声)が重ねて表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−194726号公報
【特許文献2】特表2004−531791号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Kato, H., Billinghurst, M. (1999)Marker Tracking and HMD Calibration for a video-based Augmented Reality Conferencing System.In Proceedings of the 2nd International Workshop on Augmented Reality (IWAR 99). October, San Francisco, USA.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
これまで述べたように,現実空間から得られる実写映像に合わせてコンピュータに登録されている情報をユーザに提示する手法が様々考えられているが,拡張現実の技術を利用し,ユーザが所持する携帯端末で撮影されている映像に応じて,インターネット上に開設された電子掲示板の内容を携帯端末に表示することはできなかった。
【0012】
また,現実空間から得られる実写映像に合わせてコンピュータに登録されている情報をユーザに提示する際,コンピュータに登録されている情報の対象(例えば,店舗)となる地点の位置情報がずれていると,カメラで撮影されている映像に表示される情報(例えば,セカイカメラのエアタグ)が,該情報に対応する対象の映像からずれて表示されてしまうケースがあった。
【0013】
そこで,本発明は,拡張現実の技術を利用し,ユーザが所持する携帯端末で撮影されている映像に応じて,インターネット上に開設された電子掲示板の内容を携帯端末に表示できる電子掲示板システム,該電子掲示板システムを構成するサーバ装置及び携帯端末を提供することを目的とし,更に,コンピュータに登録されている情報の対象(例えば,店舗)となる地点の位置情報を補正できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決する第1の発明は,インターネット上に開設された電子掲示板の内容を携帯端末に表示できるようにした電子掲示板システムで,電子掲示板が運営されているサーバ装置と,前記電子掲示板を利用するユーザが所持する携帯端末とから少なくとも構成され,前記サーバ装置は,前記電子掲示板に立てられたスレッド毎に,前記スレッドの識別子に対応付けて,前記スレッドの位置情報及び前記スレッドに投稿された口コミ情報を少なくとも記憶し,前記携帯端末の位置情報を含むスレッド送信要求を前記携帯端末から受信すると,前記スレッド送信要求に含まれる位置情報で一意に定まる抽出範囲内に位置情報が含まれる前記スレッドを抽出し,抽出した前記スレッドの前記口コミ情報を前記携帯端末に表示させる前記スレッド情報を該スレッド毎に生成した後,前記スレッド情報の基になった前記スレッドの識別子と位置情報を付加した前記スレッド情報を前記携帯端末に送信するスレッド送信手段を備え,前記携帯端末は,前記携帯端末が存在する地点の位置情報を計測する位置計測手段と,実空間の映像を撮影する撮影手段と,前記位置計測手段から取得した位置情報を含む前記スレッド送信要求を前記サーバ装置に行い,前記サーバ装置から前記スレッド情報を受信すると,前記携帯端末が存在する地点の位置情報を原点とする前記撮影手段の視野座標系の座標に該スレッド情報に付加された位置情報を変換した後,前記撮影手段の視野範囲内に前記視野座標系の座標が含まれる前記スレッド情報を特定し,特定した前記スレッド情報の前記視野座標系の座標に対応させて該スレッド情報を前記映像上に表示するスレッド表示手段を備えていることを特徴とする。
【0015】
更に,第2の発明は,第1の発明の電子掲示板システムにおいて,ユーザが前記携帯端末を利用して口コミ情報を投稿できるように,前記携帯端末は,前記口コミ情報を投稿するイベントを検知すると,前記位置計測手段から投稿する時点の位置情報を取得し,前記スレッド情報に付加された位置情報で一意に定まる投稿可能範囲内に前記位置計測手段から取得した位置情報が含まれる前記スレッド情報を,前記携帯端末に表示されている前記スレッド情報の中から特定した後,ユーザから前記口コミ情報を取得し,特定した前記スレッド情報に付加された前記スレッドの識別子と,前記位置計測手段から取得した位置情報を付加した該口コミ情報を含む口コミ登録要求を前記サーバ装置に送信する投稿手段を備え,前記サーバ装置は,前記携帯端末から前記口コミ登録要求が送信されると,前記口コミ登録要求に含まれる識別子で特定される前記スレッドの前記口コミ情報として,前記口コミ登録要求に含まれる前記口コミ情報を記憶する口コミ登録手段を備えていることを特徴とする。
【0016】
更に,第3の発明は,第2の発明の電子掲示板システムにおいて,前記スレッドの位置情報を補正できるように,前記サーバ装置の前記口コミ登録手段は,特定した前記スレッド情報の位置情報を付加した状態で前記口コミ情報を記憶した後,前記口コミ登録要求に対応する前記スレッドの前記口コミ情報に付加されている前記位置情報の重心位置を算出し,該スレッドの位置情報を該重心位置に補正することを特徴とする。
【0017】
更に,第4の発明は,第2の発明又は第3の発明の電子掲示板システムにおいて,前記口コミ情報を投稿するイベントは,前記撮影手段が撮影している映像上に表示されている前記スレッド情報を選択する操作,又は,前記携帯端末を利用した電子決済処理の実行であることを特徴とする。
【0018】
更に,第5の発明は,第2の発明から第4の発明のいずれか一つに記載の電子掲示板システムにおいて,前記口コミ情報の投稿を予約できるように,前記携帯端末の前記投稿手段は,ユーザから前記口コミ情報を取得する前に,前記口コミ情報の投稿を予約する操作を検知すると,特定した前記スレッド情報に付加された識別子と前記位置計測手段から取得した位置情報を含む投稿予約情報を記憶し,前記投稿予約情報を利用する操作を検知すると,ユーザから前記口コミ情報を取得し,前記投稿予約情報に含まれる前記スレッドの識別子及び位置情報を付加した該口コミ情報を含む口コミ登録要求を前記サーバ装置に送信することを特徴とする。
【0019】
更に,第6の発明は,第1の発明から第5の発明のいずれか一つに記載の電子掲示板システムにおいて,ユーザが新規に前記スレッドを前記電子掲示板に立てられるように,前記携帯端末は,前記スレッドを新規に前記電子掲示板に立ち上げる操作を検知すると,前記位置計測手段からこの時点の位置情報を取得した後,該位置情報を含むスレッド生成要求を前記サーバ装置へ送信するスレッド生成要求手段を備え,前記サーバ装置は,前記携帯端末から前記スレッド生成要求を受信すると,前記スレッド生成要求に対応する前記スレッドの識別子を生成した後,生成した前記スレッドの識別子に対応付けて,前記スレッド生成要求に含まれる位置情報を記憶するスレッド生成手段を備えていることを特徴とする。
【0020】
更に,第7の発明は,第1の発明から第6の発明のいずれか一つに記載の電子掲示板システムを構成するサーバ装置で,又,第8の発明は,第1の発明から第6の発明のいずれか一つに記載の電子掲示板システムを構成する携帯端末である。
【発明の効果】
【0021】
このように,本発明によれば,拡張現実の技術を利用し,ユーザが所持する携帯端末で撮影されている映像に応じて,インターネット上に開設された電子掲示板の内容を携帯端末に表示できる電子掲示板システム,該電子掲示板システムを構成するサーバ装置及び携帯端末を提供でき,更に,コンピュータに登録されている情報の対象(例えば,店舗)となる地点の位置情報を補正できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施形態における電子掲示板システムを説明する図。
【図2】携帯端末に備えられたハードウェアを説明する図。
【図3】携帯端末に備えられた機能を説明する図。
【図4】携帯端末のスレッド表示手段が実行する処理を説明するフロー図。
【図5】携帯端末に表示される情報を説明する図。
【図6】携帯端末の投稿手段が実行する処理を説明するフロー図。
【図7】投稿予約したスレッドに投稿するときの手順を示したフロー図。
【図8】新規にスレッドを電子掲示板に立てる手順を示したフロー図。
【図9】サーバ装置に備えられたハードウェアを説明する図。
【図10】サーバ装置に備えられた機能を説明する図。
【図11】スレッドテーブルを説明する図。
【図12】口コミテーブルを説明する図。
【図13】サーバ装置のスレッド送信手段が実行する手順を示したフロー図。
【図14】サーバ装置のスレッド生成手段が実行する手順を示したフロー図。
【図15】サーバ装置の口コミ情報登録手段が実行する手順を示したフロー図。
【図16】スレッドの位置情報の補正効果を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
ここから,本願発明の技術分野に係わる当業者が,本願発明の内容を理解し,本願発明を実施できる程度に本願発明の実施形態について説明する。なお、これから説明する実施形態は一例にしか過ぎず、これから説明する実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能である。
【0024】
図1は,本実施形態における電子掲示板システム1を説明する図である。図1で図示した電子掲示板システム1は拡張現実を利用したシステムで,図1で図示した電子掲示板システム1には,拡張現実を利用した電子掲示板300が運営されているサーバ装置3と,電子掲示板システム1のユーザが所持する携帯端末2(例えば,スマートフォン)が装置として含まれ,携帯端末2用の公衆無線回線網4bとインターネット4aがネットワークとして含まれている。なお,図1では,携帯端末2を1台として記載しているが,実際は,数多くの携帯端末2からサーバ装置3にアクセス可能なように構成されている。
【0025】
サーバ装置3で運営されている電子掲示板300は,スレッドフロート型掲示板であり、ユーザが任意の対象(例えば,店や場所)にスレッドを立てることができ,電子掲示板300にスレッドが新規に立てられると,新規に立てられたスレッドの属性情報と該スレッドに投稿された口コミ情報を記憶するデータテーブルがサーバ装置3に生成される。
【0026】
スレッドの属性情報には,スレッドの識別子,名称及び位置情報(緯度・経度),すなわち,スレッドの対象となる対象に係る名称及び該対象が実在する地点の位置情報が含まれ,スレッドの属性情報の位置情報によって,該位置情報に対応する現実空間の地点にスレッドを対応付けていることになる。
【0027】
ユーザが所持する携帯端末2は,携帯端末2のある地点の位置を計測するデバイスと,携帯端末2の基準線が向いている方位角を計測するデバイスと,携帯端末2の3軸の加速度を検出するデバイスを備え,更に,サーバ装置3で運営されている電子掲示板300に投稿された口コミ情報を表示する機能と,電子掲示板300に口コミ情報を投稿する機能をなど備えた電子掲示板アプリケーション200が実装されている。
【0028】
サーバ装置3は,電子掲示板アプリケーション200が動作している携帯端末2から,携帯端末2の位置情報を含むスレッド送信要求を受信すると,スレッド送信要求に含まれる位置情報で一意に定まる抽出範囲内(例えば,該位置情報を中心した所定半径内)に位置情報が設定されているスレッドを抽出し,抽出したスレッド毎に,該スレッドの内容(例えば,スレッドに投稿された口コミ情報の一部又は全て)を表示するスレッド情報を生成し,スレッド送信要求を送信した携帯端末2にスレッド情報を送信する。
【0029】
サーバ装置3から携帯端末2に送信されるスレッド情報には,スレッド情報に対応するスレッドの識別子であるスレッドID,スレッドの名称,スレッドの位置情報などが付加され,携帯端末2上で動作している電子掲示板アプリケーション200は,サーバ装置3からスレッド情報を受信すると,カメラで撮影している方位角である撮影方位角を参照し,カメラで撮影している映像に位置情報が含まれるスレッド情報と該スレッド情報の位置情報に対応する映像上の位置を特定し,特定した映像上の位置に対応させてスレッド情報を映像上に表示する。
【0030】
このように,電子掲示板300に立てられたスレッドに位置情報を付加しておくことで,電子掲示板300を利用するユーザに対し,携帯端末2を所持するユーザがいる地点の近傍にある対象に係る口コミ情報をユーザに提供できるようになるため,知識のない場所にユーザが訪れた場合でもあっても,その場所の近傍で話題になっている対象物や話題の内容がわかるようになる。
【0031】
また,ユーザが任意の対象にスレッドを立てることができるようにすると,スレッドの位置情報は,スレッドを立てた時にユーザが所持する携帯端末2で計測した位置情報になるが,携帯端末2で計測した位置情報は,実際の値と比較して10〜数百m程度の誤差が生じることがあるため,スレッドの位置情報に誤差があると,携帯端末2におけるスレッド情報の表示位置が実際とずれ,建築物が密集しているような場所では,ある建築物に係わるスレッド情報が他の建築物の映像上に表示されてしまうことがあるため,サーバ装置3には,スレッドの属性情報に含まれる位置情報を補正する機能が備えられている。
【0032】
具体的に,図1で図示した電子掲示板システム1では,携帯端末2側で,ユーザがスレッドに投稿する口コミ情報に位置情報を付加するようにし,サーバ装置3側で,口コミ情報が投稿されたスレッドに投稿される毎に,スレッドの属性情報に含まれる位置情報をスレッドに投稿された口コミ情報に付加された位置情報の重心位置を求めることにより補正する。
【0033】
スレッドには,スレッドに対応する対象に係る口コミ情報が集まるため,口コミ情報に付加された位置情報の重心位置は,スレッドに対応する対象が実際にある位置に近づくため,スレッドの属性情報に含まれる位置情報の誤差を少なくできる。
【0034】
ここから,図1を図示した電子掲示板システム1を構成する携帯端末2について詳細に説明する。図2は,携帯端末2に備えられたハードウェアを説明する図で,図3は,携帯端末2に備えられた機能を説明する図である。
【0035】
図2に図示したように,携帯端末2には,無線通信するときに利用する無線通信用アンテナ2j,無線通信に係わる高周波処理を担う無線通信回路2a,携帯端末2に係わる様々な処理を担うベースバンド回路2b,公衆無線回線網4bの中継ポイントから受信した電波の強度を利用して携帯端末2の位置情報(緯度・経度)を計測する位置計測回路2c,携帯端末2の基準位置が向いている方位角を計測する電子コンパス回路2d,携帯端末2の加速度を計測する3軸加速度計測回路2e,レンズなどの光学系に加え画像素子を有するカメラ回路2f,表示デバイスと操作パネルの機能を兼ね備えたタッチパネル2g,タッチパネル2gを制御するタッチパネル制御回路2h,時刻を計測する時計回路2iなどが備えられている。
【0036】
携帯端末2に実装されているベースバンド回路2bとは,演算プロセッサ,ROM,RAMなどが実装された回路で,ベースバンド回路2b上で動作するアプリケーションの一つとして上述した電子掲示板アプリケーション200が実装されている。
【0037】
図3で図示した各手段は,携帯端末2に実装された電子掲示板アプリケーション200によって,携帯端末2に備えられる機能を示し,携帯端末2上で電子掲示板アプリケーション200が起動することで,携帯端末2には,携帯端末2が存在する地点の位置情報を計測する位置計測手段20と,実空間の映像を撮影する撮影手段21と,携帯端末2の基準位置が向いている方位角を計測する方位計測手段22と,携帯端末2のモーションを検出するモーション検出手段23と,サーバ装置3にスレッド送信要求を行い,カメラで撮影している方位角である撮影方位角とスレッド情報の位置情報から,携帯端末2に表示するスレッド情報と画面上の位置を求め,携帯端末2にスレッド情報を表示するスレッド表示手段24と,ユーザが口コミ情報を電子掲示板300に投稿するきに作動する投稿手段25と,ユーザがスレッドを電子掲示板300に立ち上げるときに作動するスレッド生成要求手段26が備えられる。
【0038】
携帯端末2に備えられた位置計測手段20は,携帯端末2の位置計測回路2cを利用してこの地点の位置情報(緯度・経度)を計測する手段である。携帯端末2の位置情報を計測する手法としては,GPS(Global Positioning System)の人工衛星を利用する手法や,携帯端末2が無線通信可能な中継ポイントとの通信時間に従い携帯端末2内部で位置情報を計測する手法などがあるが,いずれの手法を用いてもよい。
【0039】
携帯端末2に備えられた撮影手段21は,携帯端末2のカメラ回路2fを作動させ,カメラ回路2fで撮影された映像を取得する手段で,携帯端末2の方位角を計測する方位計測手段22は,携帯端末2の電子コンパス回路2dから,携帯端末2の基準位置が向いている方位角を取得する手段である。
【0040】
モーション検出手段23は,携帯端末2の3軸加速度計測回路2eから得られる加速度を基に,携帯端末2のモーションとして,携帯端末2の位置方向に係わる変位量と携帯端末2の回転を検出する手段である。携帯端末2の位置に係わる変位量は,携帯端末2の位置に係わる2軸の加速度を時間的に2重積分することで求められ,更に,携帯端末2の回転は,携帯端末2の位置方向に係わる2軸の加速度から,携帯端末2の回転に係る軸に回転が生じているかによって求められる。
【0041】
携帯端末2に備えられたスレッド表示手段24は,撮影手段21を作動させ,カメラ回路2fが撮影している映像をタッチパネル2gにリアルタイムで表示する処理を実行した後,サーバ装置3にスレッド送信要求を行い,サーバ装置3からスレッド情報を受信すると,カメラで撮影している方位角である撮影方位角を参照し,カメラで撮影している映像に位置情報が含まれるスレッド情報と該スレッド情報の位置情報に対応する映像上の位置を特定し,特定した映像上の位置に対応させてスレッド情報を映像上に表示する手段である。
【0042】
図4は,携帯端末2のスレッド表示手段24が実行する処理を説明するフロー図である。携帯端末2上で電子掲示板アプリケーション200が起動すると,携帯端末2のスレッド表示手段24は自動的に起動し(S1),サーバ装置3で運営されている電子掲示板300にログインする画面を表示させ,ログインするユーザのユーザ名及び認証コード(例えば,パスフレーズ)を含むメッセージであるログイン要求を,電子掲示板300にログインするためのサーバ装置3のURLに対して送信する(S2)。
【0043】
そして,ログインに成功したことを示すメッセージをサーバ装置3から受信すると,携帯端末2のスレッド表示手段24は,携帯端末2の撮影手段21を作動させて映像の撮影を開始し,カメラ回路2fが撮影している映像をリアルタイムで携帯端末2のタッチパネル2gに表示する処理を開始する(S3)。
【0044】
カメラ回路2fが撮影している映像を携帯端末2のタッチパネル2gに表示する処理を実行すると,携帯端末2のスレッド表示手段24は,位置計測手段20を利用して,この時点における携帯端末2の位置情報を取得して保持し,スレッド情報を送信要求するためのサーバ装置3のURLに対して,携帯端末2の位置情報を含むメッセージであるスレッド送信要求を送信する(S4)。
【0045】
携帯端末2のスレッド表示手段24は,スレッド送信要求をした後に,サーバ装置3からスレッド情報を受信すると(S5),スレッド情報を表示するために,方位計測手段22から方位角を取得し,携帯端末2の基準線とカメラ回路2fの光学系の基準線との角度差を利用して撮影方位角を求め(S6),携帯端末2が存在する地点の位置情報を原点とする撮影手段の視野座標系の座標に該スレッド情報に付加された位置情報を変換した後,カメラ回路2fの視野範囲内に視野座標系の座標が含まれるスレッド情報を抽出する(S7)。
【0046】
そして,携帯端末2のスレッド表示手段24は,特定したスレッド情報の視野座標系の座標に対応させ,撮影手段21がカメラ回路2fから取得した映像に該スレッド情報を合成表示させる(S8)。なお,複数のスレッド情報が重なり合う場合は,携帯端末2からの距離が近いスレッド情報を手前に表示し,後側のスレッド情報の一部が目視できるようにスレッド情報を表示する。
【0047】
携帯端末2のスレッド表示手段24は,サーバ装置3から送信されたスレッド情報を表示すると,モーション検出手段23が計測している3軸毎の変位量を監視し(S9),モーション検出手段23が検出している携帯端末2のモーションに応じて処理を分岐させる(S10)。
【0048】
携帯端末2の位置に係わる変位量が上限値以上になった場合,スレッド送信要求をした地点から離れた地点にユーザが移動したと判断し,S3の処理に戻り,スレッド送信要求をサーバ装置3に行い,スレッド情報を表示する処理を行う。また,携帯端末2の位置に係わる変位量が下限値以上/上限値未満になった場合,又は,携帯端末2の回転が発生した場合,携帯端末2のスレッド表示手段24はS7の処理を実行し,スレッド情報を表示する処理を実施する。
【0049】
なお,電子掲示板アプリケーション200が携帯端末2上で終了すると(S11),図4で図示した手順は終了する。
【0050】
図5は,携帯端末2に表示される情報を説明する図で,図5(a)は,カメラ回路2fで撮影した映像で,図5(b)は,スレッド情報が表示されている映像である。図4を用いて説明した手順が実行されることで,図5(b)で図示したように,携帯端末2のタッチパネル2g上には,カメラ回路2fで撮影した図5(a)の映像上に,サーバ装置3から送信された3つのスレッド情報6a,b,cが合成されて表示されている。
【0051】
図5(b)において,3つのスレッド情報6a,b,cは図5(a)で図示したShop_A〜Cにそれぞれ対応している。スレッド情報6a,b,cはふきだしの形態で表示されており,ふきだしの三角形の頂点によって,スレッド情報6a,b,cが対応している映像上の位置が紐付けられている。
【0052】
また,図5(a)で図示したように,Shop_AはShop_Bより手前になるため,Shop_Aに対応するスレッド情報6aは,Shop_Bに対応するスレッド情報6bより手前に表示されている
【0053】
次に,携帯端末2に備えられた投稿手段25について説明する。携帯端末2に備えられた投稿手段25は,ユーザがいる地点に対応したスレッドにユーザの口コミ情報を投稿する手段である。
【0054】
これまでの説明でもわかるように,ユーザがいる地点の近傍に位置情報が設定されているスレッドの内容が,ユーザが所持する携帯端末2のタッチパネル2g上に表示されるため,ユーザが口コミ情報を投稿できるスレッドは,ユーザがいる地点に位置情報が設定されているスレッドに限定される。
【0055】
図6は,携帯端末2の投稿手段25が実行する処理を説明するフロー図である。タッチパネル2g上に表示されているアイコン(例えば,図5のアイコン6d)をユーザがタップするなど,電子掲示板アプリケーション200が,口コミ情報を投稿するイベントの発生を検知すると(S20),携帯端末2の投稿手段25が起動し,投稿手段25は,口コミ情報の投稿に係る処理を開始する。
【0056】
携帯端末2の投稿手段25は起動すると,携帯端末2の投稿手段25は,位置計測手段20からこの時点の携帯端末2の位置情報を取得し(S21),携帯端末2に表示されているスレッド情報の中から,該スレッド情報の位置情報で一意に定まる投稿可能範囲内(例えば,該位置情報を中心とした所定半径内)に携帯端末2の位置情報が含まれるスレッド情報を,口コミ情報が投稿可能なスレッド情報として特定する(S22)。
【0057】
口コミ情報が投稿可能なスレッド情報を特定すると,携帯端末2の投稿手段25は,口コミ情報の投稿実行もしくは投稿予約をユーザに選択させる画面を表示させ(S23),ユーザが選択した内容に応じて処理を分岐させる(S24)。
【0058】
口コミ情報の投稿実行をユーザが選択した場合,携帯端末2の投稿手段25は,タッチパネル2g上にソフトウェアキーボードを表示させ,ユーザが該ソフトウェアキーボードを用いて入力したテキストを口コミ情報として取得する(S25)。
【0059】
携帯端末2の投稿手段25は,口コミ情報を取得すると,S22で特定したスレッド情報に付加されているスレッドID及びS21で取得した位置情報を付加した口コミ情報を含むメッセージである口コミ投稿要求を,口コミ情報を投稿するためのサーバ装置3のURLに対して送信し(S26),この手順を終了する。
【0060】
また,S24にて,口コミ情報の投稿予約をユーザが選択した場合,携帯端末2の投稿手段25は,タッチパネル2g上にソフトウェアキーボードを表示させることなく,S21で取得した携帯端末2の位置情報とS22で特定したスレッド情報のスレッドIDを含む投稿予約情報を携帯端末2のメモリに記憶し(S27),この手順を終了する。
【0061】
図7は,投稿予約したスレッドに投稿するときの手順を示したフロー図である。携帯端末2で動作している電子掲示板アプリケーション200が,タッチパネル2g上に表示されているアイコン(例えば,図5のアイコン6b)をユーザがタップするなど,投稿予約情報を利用するイベントの発生を検知すると(S30),携帯端末2の投稿手段25は,携帯端末2のメモリに記憶されている投稿予約情報の一覧を表示させ,ユーザに投稿予約情報を選択させた後(S31),タッチパネル2g上にソフトウェアキーボードを表示させ,ユーザが該ソフトウェアキーボードを用いて入力したテキストを口コミ情報として取得する(S32)。
【0062】
口コミ情報を取得すると,携帯端末2の投稿手段25は,S31でユーザが選択した投稿予約情報の含まれているスレッドID,ユーザが選択した投稿予約情報に含まれている位置情報を付加した口コミ情報を含む口コミ登録要求を,口コミ情報を投稿するためのサーバ装置3のURLに対して送信し(S33),この手順を終了する。投稿予約が行えることにより、ユーザが、投稿するスレッドの位置近傍で口コミ情報を登録することなく、後で口コミ情報を投稿することができるようになる。
【0063】
図8は,新規にスレッドを電子掲示板300に立てる手順を示したフロー図である。携帯端末2で動作している電子掲示板アプリケーション200が,タッチパネル2g上に表示されているアイコン(例えば,図5のアイコン6c)をユーザがタップするなど,新規にスレッドを電子掲示板300に立てるイベントの発生を検知すると(S40),新規に電子掲示板300に立てるスレッドの位置情報として,この時点の携帯端末2の位置情報を位置計測手段20から取得する(S41)。
【0064】
新規に立てるスレッドの位置情報を取得すると,携帯端末2のスレッド生成要求手段26は,電子掲示板300に立てるスレッドの名称と口コミ情報を入力させる画面をタッチパネル2gに表示させた後,ユーザがソフトウェアキーボードを用いスレッドの名称として該画面に入力したテキストをスレッドの名称として取得し(S42),更に,ユーザがソフトウェアキーボードを用い口コミ情報として該画面に入力したテキストを新規に立てるスレッドの最初の口コミ情報として取得した後(S43),S42でユーザから取得したスレッドの名称,S43で取得した最初の口コミ情報及びS41で取得した携帯端末2の位置情報を少なくとも含むメッセージであるスレッド生成要求を,スレッドを立てるためのサーバ装置3のURLに対して送信し(S44),この手順を終了する。
【0065】
次に,図1で図示した電子掲示板システム1を構成するサーバ装置3について説明する。図9は,サーバ装置3に備えられたハードウェアを説明する図で,図10は,サーバ装置3に備えられた機能を説明する図である。
【0066】
サーバ装置3は汎用のウェブサーバで実現され,図9に図示したように,サーバ装置3には,ハードウェアとして,CPU3a(CPU: Central Processing Unit)と、BIOSが実装されるROM3b(ROM: Read-Only Memory)と、コンピュータのメインメモリであるRAM3c(RAM: Random Access Memory)と、外部記憶装置として大容量のデータ記憶装置3d(例えば,ハードディスク)と,外部デバイスとデータ通信するための入出力インターフェース3eと、ネットワーク通信するためのネットワークインターフェース3fと、ディスプレイ3gと,文字入力デバイス3hと,ポインティングデバイス3i,時刻を計測する時計回路3jなどが備えられ,データ記憶装置3dには,電子掲示板300に必要な機能を実現するためのコンピュータプログラムが記憶され,更に,複数のデータベース(DB: DataBase)が設けられている。
【0067】
図10で図示した各手段は,電子掲示板300に必要な機能を実現するためのコンピュータプログラムによって,サーバ装置3に備えられる機能を示し,サーバ装置3には,携帯端末2からスレッド送信要求を受けると,スレッド送信要求に対応するスレッド情報を携帯端末2に送信するスレッド送信手段30と,携帯端末2からスレッドを立てるスレッド生成要求を受けると,スレッド生成要求を受けたスレッドを電子掲示板300に立てるスレッド生成手段31と,携帯端末2から受信した口コミ情報をサーバ装置3に登録する口コミ情報登録手段32と,電子掲示板300にログインするユーザを認証するユーザ認証手段33が備えられ,更に,サーバ装置3のデータ記憶装置3dには,電子掲示板300に係る情報を記憶するテーブルとして,スレッドの属性情報を記憶するスレッドテーブル34と,ユーザが投稿した口コミ情報を記憶する口コミテーブル35がスレッド毎に設けられている。
【0068】
まず,サーバ装置3に設けられた各テーブルについて説明する。図11は,サーバ装置3に備えられたスレッドテーブル34を説明する図である。
【0069】
図11で図示したように,スレッドテーブル34には,電子掲示板300に立てられたスレッド毎に,スレッドの属性情報を記憶するレコード34aが設けられ,このレコード34aには,スレッドの識別子であるスレッドID,スレッドの名称,スレッドの位置情報,スレッドに投稿された口コミ情報の数を示す口コミ件数,スレッドが立てられた日時を示すスレッド生成日時,属性情報が更新された日時を示す更新日時を記憶するカラムが設けられている。
【0070】
携帯端末2からスレッド生成要求を受けたとき,スレッド生成要求に対応するレコード34aがスレッドテーブル34に新規に追加され,新規に追加したレコード34aのスレッドIDは,スレッド生成要求を受けた時にサーバ装置3が生成する文字列で,新規に追加したレコード34aのスレッド生成日時は,スレッド生成要求を受けた時点の日時になる。
【0071】
また,新規に追加したレコード34aのスレッドの名称は,スレッド生成要求に含まれるスレッドの名称になり,新規に追加したレコード34aの位置情報は,スレッド生成要求に含まれるスレッドの位置情報で,新規に追加したレコード34aの口コミ件数は「0」で,新規に追加したレコード34aの更新日時の初期値は,スレッド生成要求を受けた時点の日時である。
【0072】
そして,スレッドに口コミ情報が投稿されると,口コミ情報が投稿されたスレッドのスレッドテーブル34の位置情報は,該スレッドに対応する口コミテーブル35に記憶されている口コミ情報に付加された位置情報の重心位置に更新され,スレッドテーブル34の口コミ件数は一つインクリメントされ,スレッドテーブル34の更新日時は口コミ情報が投稿された時点の日時に更新される。
【0073】
図12は,サーバ装置3に設けられた口コミテーブル35を説明する図である。図12に図示したように,口コミテーブル35は,電子掲示板300に立てられたスレッド毎にサーバ装置3に設けられる。口コミテーブル35には,口コミテーブル35が対応するスレッドに投稿された口コミ情報毎に,口コミ情報を記憶するレコード35aが設けられ,このレコード35aには,口コミ情報の識別子である口コミID,口コミテーブル35に対応するスレッドに投稿された口コミ情報,該口コミ情報に付加された位置情報,該口コミ情報が投稿されたときの投稿日時,該口コミ情報を投稿したユーザのユーザ名(電子掲示板300にログインしたユーザのユーザ名)を記憶するカラムが設けられている。
【0074】
携帯端末2から口コミ情報が投稿されると,口コミ情報が投稿されたスレッドに対応する口コミテーブル35にレコード35aが新規に追加される。口コミテーブル35の口コミIDは,スレッド生成要求を受けた時にサーバ装置3が生成する文字列で,口コミテーブル35の投稿日時は,口コミ情報が投稿された時点の日時になる。
【0075】
また,新規に追加したレコード35aの口コミ情報は,携帯端末2から受信した口コミ登録要求に含まれる口コミ情報になる。更に,新規に追加したレコード35aの位置情報は,携帯端末2から受信した口コミ登録要求に含まれる口コミ情報に付加された位置情報である。更に,新規に追加したレコード35aのユーザ名は,電子掲示板300にユーザがログインしたときのユーザ名である。
【0076】
次に,サーバ装置3に備えられたユーザ認証手段33について説明する。サーバ装置3に備えられたユーザ認証手段33は,携帯端末2からログイン要求を受けると,ログイン要求したユーザを認証する手段で,ログイン要求に含まれる認証コードの認証に成功すると,携帯端末2とサーバ装置3間の他のセッションが許可される。なお,サーバ装置3に備えられたユーザ認証手段33の詳細な内容は記載しないが,本実施形態では,ユーザ名に関連付けて参照コードを記憶したデータベースを参照し,ログイン要求に含まれる認証コードを認証する手段としている。
【0077】
次に,サーバ装置3に備えられたスレッド送信手段30について説明する。サーバ装置3のスレッド送信手段30は,スレッド情報を携帯端末2へ送信するセッションを実行する手段で,携帯端末2からスレッド送信要求を受けると,スレッド送信要求に対応するスレッド情報を携帯端末2に送信するために,これから述べる手順を実行する。
【0078】
図13は,サーバ装置3のスレッド送信手段30が実行する手順を示したフロー図である。サーバ装置3に備えられたスレッド送信手段30は,携帯端末2からスレッド送信要求を受けると,スレッド情報を携帯端末2へ送信する処理を開始する(S50)。
【0079】
サーバ装置3のスレッド送信手段30は,携帯端末2からスレッド送信要求を受信すると,携帯端末2から受信したスレッド送信要求の位置情報で一意に定まる抽出範囲(例えば,該位置情報を中心した所定半径内)を算出し(S51),算出した抽出範囲内に位置情報が含まれるスレッドとして,スレッドテーブル34の各レコード34aを参照し,該抽出範囲内に位置情報が含まれるレコード34aを全て抽出する(S52)。
【0080】
抽出範囲内に位置情報が含まれるスレッドを抽出すると,サーバ装置3のスレッド送信手段30は,抽出したスレッド,すなわち,スレッドテーブル34から抽出したレコード34aを対象としループ処理(L1)を実行することで,抽出したスレッド毎に,スレッド送信要求をした携帯端末2へ送信するスレッド情報を生成する。
【0081】
ループ処理(L1)において,サーバ装置3のスレッド送信手段30は,ループ処理(L1)の対象となるスレッドに投稿された口コミ情報の内容,すなわち,ループ処理(L1)の対象となるレコード34aに記憶されているスレッドIDに対応した口コミテーブル35に記憶されている口コミ情報の内容を携帯端末2に表示させるスレッド情報を生成する(S53)。
【0082】
スレッドの内容を表示するスレッド情報は任意でよいが,対象物が話題になっている尺度として,口コミテーブル35の口コミ件数をスレッド情報に含ませ,更に,話題の内容として,口コミテーブル35に記憶されている口コミ情報の全て又は一部や口コミ情報のネガティブ/ポジティブの判定結果をスレッド情報に含ませるとよい。ネガティブ/ポジティブの判定は、ネガティブ表現、ポジティブ表現、それぞれの辞書を用意し、口コミ情報にどちらの表現が含まれているかで判定することができる。
【0083】
サーバ装置3のスレッド送信手段30は,ループ処理(L1)の対象となるスレッドのスレッド情報を生成すると,ループ処理(L1)の対象となるスレッドの位置情報,すなわち,ループ処理(L1)の対象となるレコード34に記憶されている位置情報をスレッド情報に付加して記憶し(S54),抽出範囲内に位置情報が含まれる全てのスレッド,すなわち,スレッドテーブル34から抽出した全てのレコード34aについてループ処理(L1)を実行すると,ループ処理(L1)は終了する。
【0084】
サーバ装置3のスレッド送信手段30は,ループ処理(L1)を実行することで,抽出範囲内に位置情報が含まれる全てのスレッドについて位置情報を付加したスレッド情報を生成すると,位置情報を付加したスレッド情報全てを携帯端末2へ送信し(S55),この手順は終了する。
【0085】
次に,サーバ装置3に備えられたスレッド生成手段31について説明する。サーバ装置3のスレッド生成手段31は,スレッドを立てるセッションを実行する手段である。本実施形態では,携帯端末2から受けたスレッド生成要求されたスレッドの属性情報を記憶するレコード34aをスレッドテーブル34に追加することで,スレッド生成要求を受けたスレッドを電子掲示板300に立てたことになるため,サーバ装置3に備えられたスレッド生成手段31は,スレッド生成要求を受けたスレッドを電子掲示板300に立てるために,これから述べる手順を実行する。
【0086】
図14は,サーバ装置3のスレッド生成手段31が実行する手順を示したフロー図である。サーバ装置3に備えられたスレッド生成手段31は,スレッドを立てるためのサーバ装置3のURLに対してスレッド生成要求が送信されると,電子掲示板300にスレッドを立てる処理を開始する(S60)。
【0087】
サーバ装置3のスレッド生成手段31は,携帯端末2からスレッド生成要求を受信すると,該スレッド生成要求に対応するスレッドの属性情報を記憶するために,各カラムの値が初期値のレコード34aをスレッドテーブル34に新規に追加し(S61),新規に追加したレコード34aのスレッドIDの値を所定のアルゴリズム(例えば,連番)で生成し,生成した値を新規に追加したレコード34aの対応するカラムに書き込む(S62)。
【0088】
次に,サーバ装置3のスレッド生成手段31は,携帯端末2から受信したスレッド生成要求に含まれるスレッドの名称及び位置情報を,スレッドテーブル34に新規に追加したレコードの対応するカラムに書き込んだ後(S63),携帯端末2からスレッド生成要求を受信した時点の日時を生成日時としてスレッドテーブル34に新規に追加したレコードの対応するカラムに書き込む(S64)。
【0089】
サーバ装置3のスレッド生成手段31は,新規に立てるスレッドの属性情報を記憶するレコード34aをスレッドテーブル34に書き込むと,S62で生成したスレッドIDに対応する口コミテーブル35を新規に生成し(S65),該口コミテーブル35の最初のレコード35aの口コミIDの値を所定のアルゴリズム(例えば,連番)で生成し,生成した値を最初のレコード35aの対応するカラムに書き込む(S66)。
【0090】
次に,サーバ装置3のスレッド生成手段31は,スレッド生成要求に含まれる口コミ情報を最初のレコード35aの対応するカラムに書き込み(S67),スレッド生成要求に含まれる位置情報を最初のレコード35aの対応するカラムに書き込み(S68),スレッド生成要求が送信された時点の日時を投稿日時として最初のレコード35aの対応するカラムに書き込んで,この手順を終了する(S69)。
【0091】
次に,サーバ装置3に備えられた口コミ情報登録手段32について説明する。サーバ装置3の口コミ情報登録手段32は,口コミ情報を登録するセッションを実行する手段で,携帯端末2から口コミ登録要求を受信すると,口コミ登録要求に含まれる口コミ情報等を記憶するために,これから述べる手順を実行する。
【0092】
図15は,サーバ装置3の口コミ情報登録手段32が実行する手順を示したフロー図である。サーバ装置3に備えられた口コミ情報登録手段32は,口コミ情報を登録するURLに対して携帯端末2から口コミ登録要求が送信されると,携帯端末2から送信された口コミ情報を登録する処理を開始する(S70)。
【0093】
サーバ装置3の口コミ情報登録手段32は,携帯端末2から口コミ登録要求が送信されると,口コミ登録要求に含まれるスレッドIDに対応する口コミテーブル35を,携帯端末2から送信された口コミ情報を登録する口コミテーブル35として特定する(S71)。
【0094】
サーバ装置3の口コミ情報登録手段32は,特定した口コミテーブル35に各カラムの値が初期値のレコード35aを新規に追加し(S72),新規に追加したレコード35aの口コミIDの値を所定のアルゴリズム(例えば,連番)で生成し,生成した値を新規に追加したレコード35aの対応するカラムに書き込む(S73)。
【0095】
次に,サーバ装置3の口コミ情報登録手段32は,口コミ登録要求に含まれる口コミ情報を新規に追加したレコード35aの対応するカラムに書き込み(S74),該口コミ情報に付加された位置情報を新規に追加したレコード35aの対応するカラムに書き込み(S75),口コミ情報が送信された時点の日時を投稿日時として新規に追加したレコードの対応するカラムに書き込む(S76)。
【0096】
サーバ装置3の口コミ情報登録手段32は,口コミテーブル35を更新すると,スレッドテーブル34に設けられているレコード34aの中から,口コミ登録要求に含まれるスレッドIDで特定されるレコード34aを,スレッドの属性情報を更新するレコード34aとして特定する(S77)。
【0097】
サーバ装置3の口コミ情報登録手段32は,特定したレコード34aの口コミ件数を一つインクリメントすることで,口コミ情報が投稿されたスレッドの属性情報の口コミ件数を更新した後(S78),S61で特定した口コミテーブル35に記憶されている全ての位置情報の重心位置を所定のアルゴリズムによって算出する(S79)。
【0098】
サーバ装置3の口コミ情報登録手段32は,S61で特定した口コミテーブル35に記憶されている全ての位置情報の重心位置を算出すると,S66で特定したレコード34aの位置情報を算出した重心位置に書き換えることで,口コミ情報が投稿されたスレッドの属性情報の位置情報を更新した後(S80),該レコードの更新日時をこの時点の日時に書き換えることで,口コミ情報が投稿されたスレッドの属性情報の更新日時を更新して(S81),この手順を終了する。
【0099】
図16は,スレッドの位置情報の補正効果を説明する図である。図16の地点P0はスレッドが立ち上げられた地点で,地点P1及び地点P2それぞれは,1回目及び2回目の口コミ情報が投稿された地点である。
【0100】
図16のSP0はスレッドが立ち上げられたときのスレッドの位置で,スレッドが立ち上げられたときのスレッドの位置であるSP0と地点POは同一である。SP1は,1回目の投稿がなされた後のスレッドの位置で,地点P0と地点P1の重心位置になる。更に,SP2は,2回目の投稿がなされた後のスレッドの位置で,地点P0,地点P1及び地点P2の重心位置になる。
【0101】
このように,各地点の位置にばらつきがあっても,スレッドには,スレッドに対応する対象物に係る口コミ情報が集まるため,スレッドに投稿された全ての口コミ情報に付加された位置情報の重心位置を演算することで,携帯端末2で計測した位置情報の誤差は低減でき,スレッドに対応する対象物の位置情報を正確に求めることができるようになる。
【0102】
(変形例)
ここから,上述した実施形態の変形例について説明する。上述した実施形態では,サーバ装置3に口コミ情報を投稿するイベントを,タッチパネル2g上に表示されているアイコン(例えば,図5のアイコン)のタップなどと記載していたが,電子決済機能を備えた携帯端末2の場合,携帯端末2に実装される電子掲示板アプリケーション200を,携帯端末の電子機能と連動する仕様にし,店舗における電子決済処理の実行をサーバ装置3に口コミ情報を投稿するイベントにすれば,電子決済できる端末が設置されている場所は固定であるため,スレッドとなる対象(ここでは,店舗)の位置をより正確な値にすることができる。
【0103】
変形例において,携帯端末2に備えられるハードウェアは図2とほぼ同様であるため説明を省くが,図2に加えて,電子決済に必要なハードウェア(例えば,FeliCa(登録商標)のICチップ)が携帯端末2に備えられる。
【0104】
変形例において,電子決済処理の実行をサーバ装置3に口コミ情報を投稿するイベントとする場合,電子掲示板アプリケーション200が起動しているときに,携帯端末5における電子決済処理が発生すると,携帯端末2の投稿手段24が自動的に起動して,投稿手段24は,口コミ情報の投稿に係る処理を開始し,図4のS21から図4で図示したの手順を実行する。
【符号の説明】
【0105】
1 電子掲示板システム
2 携帯端末
20 位置計測手段
21 撮影手段
22 方位計測手段
23 モーション検出手段
24 スレッド表示手段
25 投稿手段
26 スレッド生成要求手段
3 サーバ装置
30 スレッド送信手段
31 スレッド生成手段
32 口コミ情報登録手段
33 ユーザ認証手段
34 スレッドテーブル
35 口コミテーブル
4a 公衆無線回線網
4b インターネット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子掲示板が運営されているサーバ装置と,前記電子掲示板を利用するユーザが所持する携帯端末とから少なくとも構成される電子掲示板システムであって,
前記サーバ装置は,前記電子掲示板に立てられたスレッド毎に,前記スレッドの識別子に対応付けて,前記スレッドの位置情報及び前記スレッドに投稿された口コミ情報を少なくとも記憶し,前記携帯端末の位置情報を含むスレッド送信要求を前記携帯端末から受信すると,前記スレッド送信要求に含まれる位置情報で一意に定まる抽出範囲内に位置情報が含まれる前記スレッドを抽出し,抽出した前記スレッドの前記口コミ情報を前記携帯端末に表示させる前記スレッド情報を該スレッド毎に生成した後,前記スレッド情報の基になった前記スレッドの識別子と位置情報を付加した前記スレッド情報を前記携帯端末に送信するスレッド送信手段を備え,
前記携帯端末は,前記携帯端末が存在する地点の位置情報を計測する位置計測手段と,実空間の映像を撮影する撮影手段と,前記位置計測手段から取得した位置情報を含む前記スレッド送信要求を前記サーバ装置に行い,前記サーバ装置から前記スレッド情報を受信すると,前記携帯端末が存在する地点の位置情報を原点とする前記撮影手段の視野座標系の座標に該スレッド情報に付加された位置情報を変換した後,前記撮影手段の視野範囲内に前記視野座標系の座標が含まれる前記スレッド情報を特定し,特定した前記スレッド情報の前記視野座標系の座標に対応させて該スレッド情報を前記映像上に表示するスレッド表示手段を備えている,
ことを特徴とする電子掲示板システム。
【請求項2】
前記携帯端末は,前記口コミ情報を投稿するイベントを検知すると,前記位置計測手段から投稿する時点の位置情報を取得し,前記スレッド情報に付加された位置情報で一意に定まる投稿可能範囲内に前記位置計測手段から取得した位置情報が含まれる前記スレッド情報を,前記携帯端末に表示されている前記スレッド情報の中から特定した後,ユーザから前記口コミ情報を取得し,特定した前記スレッド情報に付加された前記スレッドの識別子と,前記位置計測手段から取得した位置情報を付加した該口コミ情報を含む口コミ登録要求を前記サーバ装置に送信する投稿手段を備え,
前記サーバ装置は,前記携帯端末から前記口コミ登録要求が送信されると,前記口コミ登録要求に含まれる識別子で特定される前記スレッドの前記口コミ情報として,前記口コミ登録要求に含まれる前記口コミ情報を記憶する口コミ登録手段を備え,
ていることを特徴とする,請求項1に記載の電子掲示板システム。
【請求項3】
前記サーバ装置の前記口コミ登録手段は,特定した前記スレッド情報の位置情報を付加した状態で前記口コミ情報を記憶した後,前記口コミ登録要求に対応する前記スレッドの前記口コミ情報に付加されている前記位置情報の重心位置を算出し,該スレッドの位置情報を該重心位置に補正することを特徴とする,請求項2に記載の電子掲示板システム。
【請求項4】
前記口コミ情報を投稿するイベントは,前記撮影手段が撮影している映像上に表示されている前記スレッド情報を選択する操作,又は,前記携帯端末を利用した電子決済処理の実行であることを特徴とする,請求項2又は請求項3に記載の電子掲示板システム。
【請求項5】
前記携帯端末の前記投稿手段は,ユーザから前記口コミ情報を取得する前に,前記口コミ情報の投稿を予約する操作を検知すると,特定した前記スレッド情報に付加された識別子と前記位置計測手段から取得した位置情報を含む投稿予約情報を記憶し,前記投稿予約情報を利用する操作を検知すると,ユーザから前記口コミ情報を取得し,前記投稿予約情報に含まれる前記スレッドの識別子及び位置情報を付加した該口コミ情報を含む口コミ登録要求を前記サーバ装置に送信することを特徴とする,請求項2から請求項4に記載の電子掲示板システム。
【請求項6】
前記携帯端末は,前記スレッドを新規に前記電子掲示板に立ち上げる操作を検知すると,前記位置計測手段からこの時点の位置情報を取得した後,該位置情報を含むスレッド生成要求を前記サーバ装置へ送信するスレッド生成要求手段を備え,
前記サーバ装置は,前記携帯端末から前記スレッド生成要求を受信すると,前記スレッド生成要求に対応する前記スレッドの識別子を生成した後,生成した前記スレッドの識別子に対応付けて,前記スレッド生成要求に含まれる位置情報を記憶するスレッド生成手段を備えていることを特徴とする,請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の電子掲示板システム。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一つに記載の電子掲示板システムに含まれるサーバ装置。
【請求項8】
請求項1から請求項6のいずれか一つに記載の電子掲示板システムに含まれる携帯端末。
【請求項1】
電子掲示板が運営されているサーバ装置と,前記電子掲示板を利用するユーザが所持する携帯端末とから少なくとも構成される電子掲示板システムであって,
前記サーバ装置は,前記電子掲示板に立てられたスレッド毎に,前記スレッドの識別子に対応付けて,前記スレッドの位置情報及び前記スレッドに投稿された口コミ情報を少なくとも記憶し,前記携帯端末の位置情報を含むスレッド送信要求を前記携帯端末から受信すると,前記スレッド送信要求に含まれる位置情報で一意に定まる抽出範囲内に位置情報が含まれる前記スレッドを抽出し,抽出した前記スレッドの前記口コミ情報を前記携帯端末に表示させる前記スレッド情報を該スレッド毎に生成した後,前記スレッド情報の基になった前記スレッドの識別子と位置情報を付加した前記スレッド情報を前記携帯端末に送信するスレッド送信手段を備え,
前記携帯端末は,前記携帯端末が存在する地点の位置情報を計測する位置計測手段と,実空間の映像を撮影する撮影手段と,前記位置計測手段から取得した位置情報を含む前記スレッド送信要求を前記サーバ装置に行い,前記サーバ装置から前記スレッド情報を受信すると,前記携帯端末が存在する地点の位置情報を原点とする前記撮影手段の視野座標系の座標に該スレッド情報に付加された位置情報を変換した後,前記撮影手段の視野範囲内に前記視野座標系の座標が含まれる前記スレッド情報を特定し,特定した前記スレッド情報の前記視野座標系の座標に対応させて該スレッド情報を前記映像上に表示するスレッド表示手段を備えている,
ことを特徴とする電子掲示板システム。
【請求項2】
前記携帯端末は,前記口コミ情報を投稿するイベントを検知すると,前記位置計測手段から投稿する時点の位置情報を取得し,前記スレッド情報に付加された位置情報で一意に定まる投稿可能範囲内に前記位置計測手段から取得した位置情報が含まれる前記スレッド情報を,前記携帯端末に表示されている前記スレッド情報の中から特定した後,ユーザから前記口コミ情報を取得し,特定した前記スレッド情報に付加された前記スレッドの識別子と,前記位置計測手段から取得した位置情報を付加した該口コミ情報を含む口コミ登録要求を前記サーバ装置に送信する投稿手段を備え,
前記サーバ装置は,前記携帯端末から前記口コミ登録要求が送信されると,前記口コミ登録要求に含まれる識別子で特定される前記スレッドの前記口コミ情報として,前記口コミ登録要求に含まれる前記口コミ情報を記憶する口コミ登録手段を備え,
ていることを特徴とする,請求項1に記載の電子掲示板システム。
【請求項3】
前記サーバ装置の前記口コミ登録手段は,特定した前記スレッド情報の位置情報を付加した状態で前記口コミ情報を記憶した後,前記口コミ登録要求に対応する前記スレッドの前記口コミ情報に付加されている前記位置情報の重心位置を算出し,該スレッドの位置情報を該重心位置に補正することを特徴とする,請求項2に記載の電子掲示板システム。
【請求項4】
前記口コミ情報を投稿するイベントは,前記撮影手段が撮影している映像上に表示されている前記スレッド情報を選択する操作,又は,前記携帯端末を利用した電子決済処理の実行であることを特徴とする,請求項2又は請求項3に記載の電子掲示板システム。
【請求項5】
前記携帯端末の前記投稿手段は,ユーザから前記口コミ情報を取得する前に,前記口コミ情報の投稿を予約する操作を検知すると,特定した前記スレッド情報に付加された識別子と前記位置計測手段から取得した位置情報を含む投稿予約情報を記憶し,前記投稿予約情報を利用する操作を検知すると,ユーザから前記口コミ情報を取得し,前記投稿予約情報に含まれる前記スレッドの識別子及び位置情報を付加した該口コミ情報を含む口コミ登録要求を前記サーバ装置に送信することを特徴とする,請求項2から請求項4に記載の電子掲示板システム。
【請求項6】
前記携帯端末は,前記スレッドを新規に前記電子掲示板に立ち上げる操作を検知すると,前記位置計測手段からこの時点の位置情報を取得した後,該位置情報を含むスレッド生成要求を前記サーバ装置へ送信するスレッド生成要求手段を備え,
前記サーバ装置は,前記携帯端末から前記スレッド生成要求を受信すると,前記スレッド生成要求に対応する前記スレッドの識別子を生成した後,生成した前記スレッドの識別子に対応付けて,前記スレッド生成要求に含まれる位置情報を記憶するスレッド生成手段を備えていることを特徴とする,請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の電子掲示板システム。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一つに記載の電子掲示板システムに含まれるサーバ装置。
【請求項8】
請求項1から請求項6のいずれか一つに記載の電子掲示板システムに含まれる携帯端末。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−98936(P2012−98936A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−246440(P2010−246440)
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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