説明

電子掲示板監視装置及び方法

【課題】不適切な書き込みを確実に防止できる電子掲示板監視装置及び方法を提供する。
【解決手段】身分証に関する情報に基づいてパスワードを発行するパスワード発行部71と、パスワード認証に成功した者のみに電子掲示板の利用を許可する認証部72と、電子掲示板への書き込み内容に、複数に分類されて登録されている不適切用語のいずれかが含まれるかを判断する不適切書き込み判断部73と、書き込み中の不適切用語の分類に応じた警告メッセージを、該書き込みを行った者に通知する警告部74と、電子掲示板へ禁止用語を含む書き込みを所定回数行った利用者が、第1段階の注意人物として登録済みであるかを判断する利用者確認部75と、電子掲示板への禁止用語を含む書き込みを所定の回数行った第1段階の注意人物として登録済みの利用者を、第2段階の注意人物として登録し以後認証を拒否するペナルティ付与部76とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子掲示板への不適切な用語の書き込みを制限する電子掲示板監視装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの普及に伴い、電子掲示板(単に掲示板とも言う)を利用する者の数も増加している。
【0003】
一般に、電子掲示板では、利用者はニックネーム(ハンドルネームなどとも言う)を用いて情報を書き込むようになっている。すなわち、電子掲示板には一般の利用者にとって匿名の状態で情報を書き込むことが可能である。
【0004】
このため、電子掲示板に悪意のある書き込み(誹謗、中傷など)がされることも多くなっている。
【0005】
さらには、電子掲示板上での書き込みに関するトラブルが元で、傷害や殺人といった事件に発展したケースも存在している。
【0006】
電子掲示板へ書き込み内容を規制することに関する発明として、特許文献1に開示される「電子掲示板システム」がある。特許文献1に開示される発明は、電子掲示板への掲載希望のメッセージについて掲載禁止用語集中の用語が含まれている場合、メッセージを発した利用者のコンピュータに対してメッセージを掲載できない旨を通知するものである。
【特許文献1】特開平11−259389号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に開示される発明は、掲載禁止用語を含んだメッセージを電子掲示板に書き込もうとした利用者に対して、掲載を拒否したことを単に通知するのみである。このため、書き込み行為を繰り返し行うことで、掲載禁止用語集から漏れている用語を用いて悪意のある書き込みを行える可能性がある。
【0008】
本発明は係る問題に鑑みてなされたものであり、不適切な書き込みを確実に防止できる電子掲示板監視装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、第1の態様として、特定の種類の身分証に関する情報に基づいて利用者にパスワードを発行する手段と、パスワードによる認証に成功した利用者のみに電子掲示板の利用を許可する手段と、電子掲示板への書き込み内容を、複数に分類されて登録されている不適切用語のそれぞれと照合し、書き込み内容に不適切用語のいずれかが含まれるかを判断する手段と、書き込み内容に含まれる不適切用語の分類に応じた警告メッセージを、該書き込みを行った利用者に通知する手段と、不適切用語の一分類であり特定の利用者によって登録される禁止用語を含む電子掲示板への書き込みを所定の回数行った利用者が、第1段階の注意人物として登録されている者であるか否かを判断する手段と、禁止用語を含む電子掲示板への書き込みを所定の回数行った第1段階の注意人物として登録されている利用者を第2段階の注意人物として登録し、以後認証を拒否する手段とを有することを特徴とする電子掲示板監視装置を提供するものである。
【0010】
また、上記目的を達成するため、本発明は、第2の態様として、特定の種類の身分証に関する情報に基づいて利用者にパスワードを発行し、パスワードによる認証に成功した利用者のみに電子掲示板の利用を許可し、電子掲示板への書き込み内容を、複数に分類されて登録されている不適切用語のそれぞれと照合し、書き込み内容に不適切用語のいずれかが含まれるかを判断し、書き込み内容に含まれる不適切用語の分類に応じた警告メッセージを、該書き込みを行った利用者に通知し、不適切用語の一分類であり特定の利用者によって登録される禁止用語を含む電子掲示板への書き込みを所定の回数行った利用者が、第1段階の注意人物として登録された者であるか否かを判断し、禁止用語を含む電子掲示板への書き込みを所定の回数行った利用者が、第1段階の注意人物として登録された者である場合に、その利用者による電子掲示板への書き込みを所定期間禁止する電子掲示板監視方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、不適切な書き込みを確実に防止できる電子掲示板監視装置及び方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1に示すように、本発明に係る電子掲示板監視装置70は、特定の種類の身分証に関する情報に基づいて利用者にパスワードを発行するパスワード発行部71と、パスワードによる認証に成功した利用者のみに電子掲示板の利用を許可する認証部72と、電子掲示板への書き込み内容を、複数に分類されて登録されている不適切用語のそれぞれと照合し、書き込み内容に不適切用語のいずれかが含まれるかを判断する不適切書き込み判断部73と、書き込み内容に含まれる不適切用語の分類に応じた警告メッセージを、該書き込みを行った利用者に通知する警告部74と、不適切用語の一分類であり特定の利用者によって登録される禁止用語を含む電子掲示板への書き込みを所定の回数行った利用者が、第1段階の注意人物として登録されている者であるか否かを判断する利用者確認部75と、禁止用語を含む電子掲示板への書き込みを所定の回数行った第1段階の注意人物として登録されている利用者を第2段階の注意人物として登録し、以後認証を拒否するペナルティ付与部76とを有することを特徴とする。
【0013】
このような構成とすることにより、第1段階の注意人物として登録されている利用者が不適切な用語を用いて繰り返し電子掲示板へのした場合には、それ以後の電子掲示板を利用できなくすることができるため、不適切な書き込みを確実に防止できる。
【0014】
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0015】
図2に、本発明の好適な実施の形態に係る電子掲示板システムの構成を示す。この電子掲示板システムは、利用者端末10、相談所端末20、サイト管理者端末30、掲示板監視サーバ40、個人認証サーバ50、及び注意人物データベース(以下、DB)60が各々ネットワーク100を介して接続された構成である。
【0016】
利用者端末10は、ログイン情報登録や掲示板への書き込み、各種通知の送受信を行うためにユーザが使用する情報処理装置である。具体的には、利用者端末10は、特定の種類の身分証の証明書番号などを、ユーザ登録時に個人認証サーバ50へ送信する機能を有する。なお、ユーザ登録に用いる身分証としては、運転免許証やパスポートといった公的機関が発行するものや、信頼性の高い第三者機関が発行するもの(学生証や成人識別カード、クレジットカードなど)が好ましい。また、掲示板を利用する際のログインID及びパスワードを、ユーザ登録完了時に掲示板監視サーバ40から利用申請許可書として受信する機能を有する。
【0017】
相談所端末20は、特定のユーザが悪意のある用語、文章例、意味、行為を掲示板監視サーバ40に禁止用語として登録するために用いられる情報処理装置である。ここでは、相談所端末20は、いじめ行為などの被害者が、その状況を相談するための機関(いじめ問題の相談所)に設置されるものとする。
【0018】
サイト管理者端末30は、掲示板を備えたサイトの運営者が用いる情報処理装置であり、電子掲示板に対して不適切な書き込みがなされた場合には、不適切書き込み通知がインターネット100を介して掲示板監視サーバ40から不適切書き込み通知が通知される。また、電子掲示板への書き込み自体が違法行為となる用語を用語登録DB403の違法用語格納部4033に登録する際に用いられる。
【0019】
利用者端末10、相談所端末20及び管理者端末30としては、コンピュータや携帯端末などの一般的な情報処理装置を適用可能である。ただし、後述のように、情報記録媒体(非接触ICなど)を備えた身分証をユーザ登録に用いる場合には、利用者端末10は、身分証の情報記録媒体から情報を読み取る機能を備えていることが好ましい。
【0020】
掲示板監視サーバ40は、ネットワーク100に接続されている任意の掲示板サーバに対する書き込みを管理する装置であり、図3に示すように、処理装置401、個人情報データベース402、用語登録DB403、書き込みログDB404、ニュース情報管理DB405、仮掲示板DB406、サイト管理者情報DB407及び辞書DB408を有する。
図4に示すように、処理装置401は、パスワード発行部4011、禁止用語登録部4012、ニュース用語登録部4013、認証部4014、履歴保存部4015、不適切書き込み判断部4016、警告部4017、注意人物管理部4018を有する。
パスワード発行部4011は、ネットワーク100を介して個人認証サーバ50から身分証番号及びメールアドレス情報を受信し、個人情報DB402に格納する。パスワード発行部4011は、これらの情報を個人情報DB402に格納した後、ユーザIDとパスワードとを自動採番して図5に示すような利用申請許可書を作成し、利用者端末10に通知する。禁止用語登録部4012は、相談所端末20から用語情報を受信し、用語登録DB403に格納する。ニュース用語登録部4013は、ニュース管理情報DB405が更新されるたびに、更新内容を辞書DB408に格納されている用語、文章例、意味、行為に基づいて解析し、不適切用語に該当する用語、文章例、意味、行為を用語登録DB403に格納する。認証部4014は、利用者端末10から受信したユーザID及びパスワードを個人情報DB402に格納されている情報と照合することによりログイン情報を確認する。認証部4014は、利用者端末10から受信した情報と一致する情報が個人情報DB402に格納されている場合にはログインを許可し、格納されていない場合にはログインを拒否する。履歴保存部4015は、利用者端末10によって掲示板に対する書き込みが行われた場合には、ログをログDB404に、書き込みでデータを仮掲示板DB406にそれぞれ格納する。不適切書き込み判断部4016は、仮掲示板DB406に書き込んだ内容と用語登録DB403に格納されている情報とを照合し、用語、文章例、意味により文章を自動解読する。解読の結果、不適切な書き込み内容であると判断した場合には、不適切書き込み判断部4016は掲示板への書き込みの掲載を中止し、書き込みログDB404の“不適切用語”欄に該当する用語を書き込む。警告部4017は、電子掲示板に対して不適切用語を用いた書き込みが行われた場合に、図6に示すような不適切書き込み通知を作成する。さらに、警告部4017は、書き込みログDB404の“書き込みサイト名”、“ユーザID”に基づいて、サイト管理者DB407及び個人情報402内のデータを検索し、サイト管理者端末30及び利用者端末10を特定し、両端末に対して不適切書き込み通知を送信する。
注意人物管理部4018は、注意人物DB60の被警告者情報格納部602に被警告者として登録されている利用者からの書き込みに禁止用語が含まれている場合には、その利用者に関する情報を違反者情報格納部601に登録する。また、注意人物DB60に登録されていない利用者からの書き込みに禁止用語が含まれている場合には、その利用者に書き込み禁止期間を設定して掲示板に対する書き込みを所定期間禁止し、さらにその利用者に関する情報を被警告者情報格納部601に格納する。さらに、違法用語を含む書き込みを行った利用者に関する情報を違反者情報格納部601に格納する。
なお、パスワード発行部4011は、図1のパスワード発行部71に相当する。また、認証部4014は、図1の認証部72に相当する。また、不適切書き込み判断部4016は、図1の不適切書き込み判断部73に相当する。また、警告部4017は、図1の警告部74に相当する。また、注意人物管理部4018は、図1の利用者確認部75及びペナルティ付与部76に相当する。
【0021】
個人情報DB402は、図7に示すように、ユーザID、電子メールアドレス、パスワード、及び身分証番号が関連付けて格納されている。
【0022】
用語登録DB403は、図8に示すように、ニュース用語格納部4031、禁止用語格納部4032、及び違法用語格納部4033の三つの領域を備えている。ニュース用語格納部4031は、ニュース管理情報DB405に格納されている情報を解析して抽出した不適切用語を格納する。禁止用語格納部4032は、相談所端末20からネットワーク100を介して不適切用語が格納される。違法用語格納部4033は、サイト管理者端末30からネットワーク100を介して不適切用語が格納される。
図9に示すように、各領域には、用語、文章例、意味、行為が関連付けて格納される。
【0023】
書き込みログDB404は、図10に示すように、掲示板に対する書き込みがあった際に、その書き込みを行った者のユーザID及びニックネームと、書き込みが行われたサイト名と、書き込み内容及び使用された不適切用語とを関連付けて格納する。
【0024】
ニュース管理情報DB405は、ネットワーク100を介して不図示のニュースサーバから配信されるニュースを受信し、その情報を格納する。
【0025】
仮掲示板DB406は、図11に示すように、利用者端末10から受信した掲示板に対する書き込み内容を格納する。
【0026】
サイト管理者情報DB407は、図12に示すように、掲示板監視サーバ40が監視する各サイトのサイト名及びそのURL、並びに管理者名、電話番号、メールアドレスが関連付けて格納されている。
【0027】
辞書DB408は、様々な語句の意味を格納しており、ニュース用語登録部4013がニュース管理情報DB405に新着したニュースを分析して不適切用語を抽出する際に用いられる。
【0028】
図13に示すように、個人認証サーバ50は、処理装置501、認証情報DB502を有する。処理装置501は、利用者端末10から身分証に格納されている情報を受信した場合には、認証情報DB502に格納されている情報と照合し、一致するならば利用者端末10に対して住所及び氏名の送信を要求する。この要求に応じて利用者端末10から住所、氏名、メールアドレス情報を受信した場合、処理装置501は住所及び氏名について認証情報DB502に格納されている情報と照合する。一方、身分証番号、氏名、住所、メールアドレスを受信した場合は、これらのうちの住所及び氏名に関して認証情報DB502に格納されている住所、氏名と照合し、一致する場合には掲示板監視サーバ40へ身分証番号及びメールアドレス情報を送信する。
認証情報DB502には、図14に示すように、身分証番号、氏名及び住所が関連づけて記録されている。なお、ユーザ登録に顔写真付きの身分証を用いる場合、顔写真のデータも認証情報DB502に登録しておけば、そのデータを警察への通報に利用することも可能である。
【0029】
図15に示すように、注意人物DB60は、違反者情報格納部601及び被警告者情報格納部602を備えており、それぞれ違反者、被警告者に該当するユーザのユーザIDが格納される。注意人物DB60は、公的機関が設置するものであってもよいし、ユーザ登録に用いる身分証の発行元に関連する第三者機関(例えば、身分証がクレジットカードであれば、クレジッカード発行会社の業界団体)が設置するものであってもよい。
【0030】
本実施形態に係る電子掲示板システムの動作について説明する。
図16に、相談所端末20から不適切用語を用語登録DB403に登録する際の動作の流れを示す。
相談所端末20は、不適切な用語や文章例、意味、行為をネットワーク100を介して掲示板監視サーバ40へ送信する(ステップS201)。
禁止用語登録部4012は、相談所端末20から用語等を受信すると(ステップS401)、受付No.を採番し(ステップS402)、受付No.欄に書き込んだ上で不適切用語として用語登録DB403に格納する(ステップS403)。この用語は禁止用語格納部4032に格納される。なお、受付No.の採番は任意の動作であり、これを省略した処理とすることも可能である。採番した受付No.は、電子掲示板システムに適用される各端末やサーバ間での通信では特に使用しないが、各端末のユーザに対するメッセージ中で必要に応じて用いられる。例えば、ステップS403の後で、不適切用語の登録を完了した旨の応答メッセージを相談所端末20へ送信する処理を実行するようにしても良く、その場合には応答メッセージ中には登録が完了したことを示す文章とともに受付No.を通知することができる。
【0031】
図17に、ニュース管理情報DB405に新たな情報が格納された際に、掲示板監視サーバ40においてニュースに関連する不適切用語を用語登録DB403に登録する動作の流れを示す。
ニュース用語登録部4013は、ニュース管理情報DB405に新たなニュースに関する情報が追加されるたびに(ステップS404/Yes)、ニュース管理情報DB405に格納されている情報を解析し(ステップS405)、不適切用語が含まれるか否かを判断する(ステップS406)。不適切用語が含まれる場合には(ステップS406/Yes)、不適切用語を抽出し(ステップS407)、受付No.を採番し(ステップS408)、受付No.欄に書き込んだ上で不適切用語として用語登録DB403のニュース用語格納部4031に不適切用語として格納する(ステップS409)。
【0032】
図18、19に、利用者端末10のユーザが掲示板を初めて利用する際の動作の流れを示す。ここで、ユーザ登録に用いる身分証は身分証番号、氏名及び住所の少なくとも何れかが記録されているものとする。以下の説明では、身分証に記録されている情報をカード情報と表記する。
電子掲示板の利用が初めてである場合、利用者端末10はユーザに対してカード情報の読み込み又は身分証番号、氏名、住所、電子メールアドレスの入力を要求する(ステップS101)。身分証が読み込まれた場合には(ステップS102/Yes)、読み込んだカード情報を個人認証サーバ50へ送信する(ステップS103)。また、身分証番号、氏名、住所、電子メールアドレスが入力された場合には、入力された情報を個人人証サーバ50へ送信する(ステップS104)。
【0033】
個人認証サーバ50は、利用者端末10からの情報を受信する(ステップS501)。カード情報を受信した場合は(ステップS502/Yes)、利用者端末10に対して住所、氏名、及び電子メールアドレスの送信を要求する(ステップS503)。これは、拾得するなどした他人の身分証を用いた不正なユーザ登録を防止するためである。
個人認証サーバ50からの要求に応じて、利用者端末10は住所、氏名、及び電子メールアドレスの入力をユーザに要求する(ステップS105)。利用者端末10は、入力された住所、氏名、及び電子メールアドレスを個人認証サーバ50へ送信する(ステップS106)。
個人認証サーバ50は、利用者端末10から送信された情報を受信する(ステップS504)。
【0034】
個人認証サーバ50は、利用端末10から受信した情報に含まれる住所及び氏名について認証情報DB502に格納されている情報と照合する(ステップS505)。
【0035】
一方、利用者端末10に身分証番号、住所、氏名、及び電子メールアドレスが入力された場合には(ステップS502/No)、個人認証サーバ50は、利用端末10から受信した情報に含まれる住所及び氏名について認証情報DB502に格納されている情報と照合する(ステップS505)。認証情報DB502に一致する情報が格納されている場合(ステップS505/一致)、個人認証サーバ50は、身分証番号及び電子メールアドレスを掲示板監視サーバ40へ通知する(ステップS506)。一方、認証情報DB502に一致する情報が格納されていない場合(ステップS505/No)、ユーザ登録ができないものとして処理を終了する。
【0036】
掲示板監視サーバ40は、個人認証サーバ50から身分証番号及び電子メールアドレスを受信すると(ステップS410)、それらの情報を関連付けて個人情報DB402に格納する(ステップS411)。その後、掲示板監視サーバ40は、ユーザID及びパスワードを自動採番する(ステップS412)。そして、採番したユーザID及びパスワードを個人情報DB402に追記する(ステップS413)。その後、掲示板監視サーバ40は、個人情報DB402に格納した情報を読み出し(ステップS414)、これを用いて利用申請許可書を作成する(ステップS415)。そして掲示板監視サーバ40は、作成した利用申請許可書を利用者端末10へ送信する(ステップS416)。利用者端末10が利用申請許可書を受信すると(ステップS107)、利用申請許可書に記載されているユーザID及びパスワードを用いて電子掲示板を利用可能となる。
【0037】
図20に、利用者端末10において電子掲示板を利用する際の2回目以降の動作の流れを示す。
利用者端末10のユーザは、ユーザID及びパスワードを利用者端末10に入力し、掲示板監視サーバ40へ送信してログインを要求する(ステップS108)。掲示板監視サーバ40は、利用者端末10からユーザID及びパスワードを受信すると(ステップS417)、個人情報DB402に格納されている情報を読み出し(ステップS418)、受信した情報と同じ情報が個人情報DB402に格納されているか否かを判断する(ステップS419)。一致する情報が個人情報DB402に格納されている場合には(ステップS419/Yes)、認証部4014は、そのユーザIDが注意人物DB60に違反者として登録されているか否かを確認する(ステップS420)。注意人物DB60に違反者として登録されていないユーザIDであれば(ステップS420/No)、認証部4014は、ログインを許可する旨を利用者端末10に通知する(ステップS421)。利用者端末10はこの通知を受信することによりログインが完了する(ステップS109)。
なお、利用者端末10から受信したユーザIDが注意人物DB60に違反者として登録されている場合は(ステップS420/Yes)、認証部4014はログインを許可せず処理を終了するため、利用者端末10のログインは拒否される。
【0038】
図21、22に、ログイン済みの利用者端末10において掲示板に情報を書き込む際の動作の流れを示す。利用者端末10において掲示板への書き込み操作が行われると、履歴保存部4015は、書き込み内容を仮掲示板DB406に格納する(ステップS422)。さらに、履歴保存部4015は、登録された仮掲示板DB406のデータ内容、時間等を書き込みログDBに書き込みログとして格納する(ステップS423)。その後、認証部4014は、個人情報DB402に格納されている情報を読み出す(ステップS424)。さらに、認証部4014は、注意人物DB60の被警告者情報格納部602を参照する(ステップS425)。そして、処理装置401は、書き込み禁止期間の被警告者による書き込みであるか否かを判断する(ステップS426)。書き込み禁止期間の被警告者による書き込みである場合には(ステップS426/Yes)、処理装置401は書き込み内容に関わらず掲示板への書き込みを拒否し(ステップS427)、処理を終了する。書き込み禁止期間の被警告者による書き込みでない場合(ステップS426/No)、不適切書き込み判断部4016は、用語登録DB403を読み込み(ステップS428)、仮掲示板DB406と照合し(ステップS429)、“用語”と“文章例”とから“意味”と“行為”とを分析し(ステップS430)、不適切な書き込みであるか否かを判断する(ステップS431)。不適切な書き込みでなければ(ステップS431/No)、仮掲示板DB406に格納した内容を、掲示板に掲載する(ステップS432)。
【0039】
一方、不適切な書き込みである場合は(ステップS431/Yes)、処理装置401は、仮掲示板DB406に格納した内容を掲示板へは掲載しない。
またこの場合は、不適切書き込み判断部4016は、不適切と見なした書き込みの違反レベルを判断する(ステップS433)。書き込みに違法な用語が使用されていた場合は(ステップS433/違法)、処理装置401は、警察や警備会社等の所定の通報先に通報する(ステップS434)。そして、注意人物管理部4018は、書き込みを行った者のユーザIDを注意人物DB60に違反者として登録する(ステップS435)。一方、書き込みに禁止用語が使用されていた場合は(ステップS433/禁止)、履歴保存部4015は、不適切と見なした用語を書き込みログDB404の“不適切用語“欄に書き込む(ステップS436)。そして、注意人物管理部4018は、書き込みを行った者が注意人物DB60に被警告者として登録されている者であるか否かを判断する(ステップS437)。被警告者からの書き込みであった場合は(ステップS437/Yes)、注意人物管理部4018は、その者のユーザIDを違反者として注意人物DB60に登録する(ステップS438)。また、被警告者ではない者からの書き込みであった場合には(ステップS437/No)、注意人物管理部4018は、その者に対して書き込み禁止期間を設定した上で、その者のユーザIDを被警告者として注意人物DB60に登録する(ステップS439)。さらに、書き込みにニュース用語が使用されていた場合は(ステップS433/ニュース)、履歴保存部4015は、ニュース用語を書き込みログDB404の“不適切用語“欄に書き込む(ステップS440)。その後、禁止用語が使用されていた場合と同様にステップS437、S438又はS439の動作を行う。
【0040】
すなわち、本実施形態においては、掲示板への書き込みに用語情報DB403に不適切用語として登録されている用語が含まれている場合、その用語が用情報DB403内のどの領域に(換言すると、ニュース用語格納部4031、禁止用語格納部4032及び違法用語格納部4033のいずれに)格納されていたかに基づいて対応を変化させる。なお、これらの用語格納部のうち、違法用語格納部4033に格納されている用語の違法性が最も高く、ニュース用語格納部4031に格納されている用語の違法性が最も低い。このため、同じ用語が複数の用語格納部に格納されている場合には、違法性が高い方の用語格納部に応じた動作を行う。
【0041】
その後、警告部4017は、用語登録DB403から不適切用語の情報を読み込み(ステップS441)、読み込んだ情報の“行為”に基づいて、不適切書き込み通知を作成する(ステップS442)。
その後、警告部4017は、書き込みログDB404の“書き込みサイト名”と“ユーザID”とを読み込む(ステップS443)。そして、警告部4017は、読み込んだ“書き込みサイト名”と一致するサイト名をサイト管理者情報DB407で検索し(ステップS444)、該当するサイトの管理者の電子メールアドレスを抽出する(ステップS445)。そして、警告部4017は、作成した不適切書き込み通知をサイト管理者の電子メール宛てに送信する(ステップS446)。
【0042】
サイト管理者端末30が、掲示板監視サーバ40からの不適切書き込み通知を受信することにより、サイト管理者は不適切な書き込みが行われようとした事実を把握できる。
【0043】
また、警告部4017は、個人情報DB402から情報を読み込み(ステップS447)、ステップS443で読み込んだ“ユーザID”と一致するユーザIDを個人情報DB402で検索し(ステップS448)、該当するユーザの電子メールアドレスを抽出する(ステップS449)。そして、警告部4017は、作成した不適切書き込み通知をユーザの電子メール宛てに送信する(ステップS450)。
【0044】
利用者端末10が、掲示板監視サーバ40からの不適切書き込み通知を受信することにより、利用者は自分が書いた内容がなぜ不適切と見なされたのかを理解でき、修正した内容で書き込みを行うことができる。また、どのような内容で書き込みを行うと不適切と見なされるかを学習できる。
【0045】
なお、上記の例においては、禁止用語を用いた書き込みを1回行った段階で被警告者として注意人物DB60に登録するとしたが、禁止用語を用いた書き込みを2以上の所定回数行った段階で注意人物DB60に登録するようにすることも可能である。
【0046】
このように、本実施形態に係る掲示板システムは、禁止用語を用いた書き込みを所定回数行おうとした利用者を被警告者として注意人物DB60に登録し、被登録者が禁止用語を用いた書き込みを行おうとした被警告者についてはそれ以後のログインを禁止するため、悪意のある者による、不適切な書き込みを確実に防止できる。
【0047】
なお、上記実施形態は本発明の好適な実施の一例であり、本発明はこれに限定されることはない。
例えば、上記実施形態においては、掲示板監視サーバ40、個人認証サーバ50、注意人物DB60が個別である構成を例としたが、これらは一体の構成であっても良い。
また、掲示板監視サーバ40内の各DBは、物理的に独立した構成である必要はなく、共通の記憶領域を論理的に分割した構成であっても良い。
このように、本発明は様々な変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係る電子掲示板監視装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の好適な実施の形態に係る掲示板システムの構成を示す図である。
【図3】掲示板監視サーバの構成を示す図である。
【図4】掲示板監視サーバの処理装置の機能構成を示す図である。
【図5】利用申請許可書の一例を示す図である。
【図6】不適切書き込み通知の一例を示す図である。
【図7】個人情報DBに格納されるデータのデータ構造の一例を示す図である。
【図8】用語登録DBの構成例を示す図である。
【図9】用語登録DBの各領域に格納されるデータのデータ構造の一例を示す図である。
【図10】書き込みログDBに格納されるデータのデータ構造の一例を示す図である。
【図11】仮掲示板DBに格納されるデータのデータ構造の一例を示す図である。
【図12】サイト管理者DBに格納されるデータのデータ構造の一例を示す図である。
【図13】個人認証サーバの構成を示す図である。
【図14】認証情報DBに格納されるデータのデータ構造の一例を示す図である。
【図15】注意人物DBの構成を示す図である。
【図16】相談所端末から不適切用語を用語登録DBに登録する際の動作の流れを示す図である。
【図17】ニュース管理情報DBに新たな情報が格納された際に、掲示板監視サーバにおいてニュースに関連する不適切用語を用語登録DBに登録する動作の流れを示す図である。
【図18】利用者端末のユーザが掲示板を初めて利用する際の動作の流れを示す図である。
【図19】利用者端末のユーザが掲示板を初めて利用する際の動作の流れを示す図である。
【図20】利用者端末において電子掲示板を利用する際の2回目以降の動作の流れを示す図である。
【図21】ログイン済みの利用者端末において掲示板に情報を書き込む際の動作の流れを示す図である。
【図22】ログイン済みの利用者端末において掲示板に情報を書き込む際の動作の流れを示す図である。
【符号の説明】
【0049】
10 利用者端末
20 相談所端末
30 サイト管理者端末
40 掲示板監視サーバ
50 個人認証サーバ
60 注意人物データベース
70 電子掲示板監視装置
71、4011 パスワード発行部
72、4014 認証部
73、4016 不適切書き込み判断部
74、4017 警告部
75 利用者確認部
76 ペナルティ付与部
401 処理装置
402 個人情報データベース
403 用語登録データベース
404 書き込みログデータベース
405 ニュース管理データベース
406 仮掲示板データベース
407 サイト管理情報データベース
408 辞書データベース
502 認証情報データベース
601 違反者情報格納部
602 被警告者情報格納部
4031 ニュース用語格納部
4032 禁止用語格納部
4033 違法用語格納部
4012 禁止用語登録部
4013 ニュース用語登録部
4015 履歴保存部
4018 注意人物管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の種類の身分証に関する情報に基づいて利用者にパスワードを発行する手段と、
前記パスワードによる認証に成功した利用者のみに電子掲示板の利用を許可する手段と、
前記電子掲示板への書き込み内容を、複数に分類されて登録されている不適切用語のそれぞれと照合し、前記書き込み内容に前記不適切用語のいずれかが含まれるかを判断する手段と、
前記書き込み内容に含まれる不適切用語の分類に応じた警告メッセージを、該書き込みを行った利用者に通知する手段と、
前記不適切用語の一分類であり特定の利用者によって登録される禁止用語を含む前記電子掲示板への書き込みを所定の回数行った利用者が、第1段階の注意人物として登録されている者であるか否かを判断する手段と、
前記電子掲示板への前記禁止用語を含む書き込みを所定の回数行った前記第1段階の注意人物として登録されている利用者を第2段階の注意人物として登録し、以後認証を拒否する手段とを有することを特徴とする電子掲示板監視装置。
【請求項2】
前記禁止用語を含む前記電子掲示板への書き込みを、所定の回数行った利用者が、前記第1段階の注意人物として登録されていない場合に、その利用者を前記第1段階の注意人物として登録する手段を有することを特徴とする請求項1記載の電子掲示板監視装置。
【請求項3】
前記第1段階の注意人物として登録された者に対して、登録されてから所定の期間、その者による前記電子掲示板への書き込みを禁止する手段とを有する請求項1又は2記載の電子掲示板監視装置。
【請求項4】
前記不適切用語の一分類であり前記電子掲示板の管理者によって登録される管理者用語を含む前記電子掲示板への書き込みを行った利用者を第2段階の注意人物として登録し、以後認証を拒否することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の電子掲示板監視装置。
【請求項5】
前記管理者用語を含む前記電子掲示板への書き込みを行った利用者の情報を、特定の通報先へ送信する手段を有することを特徴とする請求項4記載の電子掲示板監視装置。
【請求項6】
外部から配信されたニュースを言語解析して抽出した特定のニュース用語を、前記不適切用語の一分類として登録する手段を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の電子掲示板監視装置。
【請求項7】
前記特定の種類の身分証の身分証番号と、各身分証の所有者の氏名及び連絡先とが格納されたデータベースから、前記パスワードの発行の際に基とする情報を取得することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の電子掲示板監視装置。
【請求項8】
特定の種類の身分証に関する情報に基づいて利用者にパスワードを発行し、
前記パスワードによる認証に成功した利用者のみに電子掲示板の利用を許可し、
前記電子掲示板への書き込み内容を、複数に分類されて登録されている不適切用語のそれぞれと照合し、前記書き込み内容に前記不適切用語のいずれかが含まれるかを判断し、
前記書き込み内容に含まれる不適切用語の分類に応じた警告メッセージを、該書き込みを行った利用者に通知し、
前記不適切用語の一分類であり特定の利用者によって登録される禁止用語を含む前記電子掲示板への書き込みを所定の回数行った利用者が、第1段階の注意人物として登録された者であるか否かを判断し、
前記電子掲示板への前記禁止用語を含む書き込みを所定の回数行った利用者が、第1段階の注意人物として登録された者である場合に、その利用者による前記電子掲示板への書き込みを所定期間禁止する電子掲示板監視方法。
【請求項9】
前記禁止用語を含む前記電子掲示板への書き込みを、所定の回数行った利用者が、前記第1段階の注意人物として登録されていない場合に、その利用者を前記第1段階の注意人物として登録することを特徴とする請求項8記載の電子掲示板監視方法。
【請求項10】
前記第1段階の注意人物として登録された者に対して、登録されてから所定の期間、その者による前記電子掲示板への書き込みを禁止することを特徴とする請求項8又は9記載の電子掲示板監視方法。
【請求項11】
前記不適切用語の一分類であり前記電子掲示板の管理者によって登録される管理者用語を含む前記電子掲示板への書き込みを行った利用者を第2段階の注意人物として登録し、以後認証を拒否することを特徴とする請求項8から10のいずれか1項記載の電子掲示板監視方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2010−122783(P2010−122783A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−294215(P2008−294215)
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】