電子放射装置及びそれを用いた燃費改善方法、汚濁水の浄化方法
【課題】高効率で燃費を改善したり、短時間に汚濁水を浄化したりすることで、環境問題の解決に寄与する電子放射装置及びそれを用いた液体燃料の燃費改善方法、汚濁水の浄化方法を提供する。
【解決手段】電子放射装置Xは、放射回路10として、一次コイルL1と二次コイルL2の一端同士が接続された昇圧トランスTRと、二次コイルL2の他端にカソードKが接続されたダイオードDと、ダイオードDのアノードAに接続された電流制限抵抗Rと、電流制限抵抗Rに接続され、被放射体に電子を放出する放射端EBと、昇圧トランスTRの一次コイルL1の他端に、一端が接続されたトリガダイオードTDと、昇圧トランスTRの一次コイルL1の一端とトリガダイオードTDとの間に設けられた入力交流の入力端T1,T2とを備えている。
【解決手段】電子放射装置Xは、放射回路10として、一次コイルL1と二次コイルL2の一端同士が接続された昇圧トランスTRと、二次コイルL2の他端にカソードKが接続されたダイオードDと、ダイオードDのアノードAに接続された電流制限抵抗Rと、電流制限抵抗Rに接続され、被放射体に電子を放出する放射端EBと、昇圧トランスTRの一次コイルL1の他端に、一端が接続されたトリガダイオードTDと、昇圧トランスTRの一次コイルL1の一端とトリガダイオードTDとの間に設けられた入力交流の入力端T1,T2とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子を放射する電子放射装置の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車や船舶、航空機などでは、冷暖房・照明・制御機器・作業用装置などを働かせるための電力を得たり、ガソリンエンジンの場合は燃料点火プラグで火花放電を発生させたりするための電力を必要とするために、動力機関で駆動される発電機を搭載している。
【0003】
また、自動車や船舶、航空機以外でも、多様な業務用電力や生活用電力を得るため、水力や、高圧蒸気、高圧石油ガスなどを駆動エネルギー源とする大型のタービンエンジンから、ガソリン・軽油等を燃料とする様々な大きさの動力機関を駆動力とする様々な発電装置がある。これらの発電装置は、現在文明を支える極めて重要な電力エネルギーへの変換機器装置であり、インフラストラクチャとして存在する。
【0004】
このような電力エネルギーへの変換機器装置の省エネルギー化については、その動力機関の改善及び発電機の改善とも、従来より長年にわたり研究開発がなされているが、もはや現在、研究開発もやり尽くされた観があるとされている。数パーセント程度の省エネルギー化なら何とか可能かも知れないが、それを超えるような技術はもう出ないだろうと言われることもある。
【0005】
しかし、近年の地球環境問題を契機に、省エネルギー動力機関の開発や、発電機の性能向上、省エネルギー技術の開発は、世界中で盛んに試みられていると推測される。
本発明者は、特許文献1において、燃料加熱により動力機関の出力向上、すなわち動力機関の著しい燃費改善をもたらす技術を提案している。
【0006】
また本発明者は、特許文献2において、至って簡便な手段で数十パーセントオーダーの燃費改善がもたらされる技術を提案している。この技術によれば、動力機関そのものに直接適用するわけではないが、広く燃費技術分野にもまだ画期的技術が出現する余地のあることを示している。なお、最近様々な燃費改善商品が自動車用品店などで販売されるようになってきたが、これらの中には燃費改善効果が不十分なものも多いと聞く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第00/71883号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2007/49370号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2007/126137号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2007/129604号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年の地球環境問題がもはや待ったなしの局面に入ったとされ、人の移動や物品を輸送する自動車や船舶、航空機などの輸送手段では、省エネルギー化・燃費改善が急務となっている。
【0009】
然るに、各種動力機関や発電装置の出力向上や省エネルギー化をはかるための技術が現状では、多大の開発期間と経費を要したり、大がかりな機械装置を新設したり高価な機械部品を取り付けたりしなければならないものが多く、省エネ装置の製造と設置に多大な資源やエネルギー消費を伴ったり、ユーザーのコスト負担増につながる場合がある。従って、小規模で簡単に設置することができ、燃費を高効率で改善することができる技術が望まれている。
【0010】
また、環境問題においては、各種の工場から排水される汚濁水が問題となっている。汚濁水は、そのまま川や海へ排水したり、下水として排水したりせずに、微生物による浄化処理を施すことで環境汚染の抑止が図られている。しかし、微生物による浄化は時間を要するので、汚濁水の発生量が浄化できる能力を超えてしまうと浄化槽を拡大したり、増設したりしないといけなくなってしまう。従って、環境保全の観点からも短時間に汚濁水の浄化ができる技術が望まれている。
【0011】
そこで本発明は、高効率で燃費を改善したり、短時間に汚濁水を浄化したりすることで、環境問題の解決に寄与する電子放射装置及びそれを用いた液体燃料の燃費改善方法、汚濁水の浄化方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の電子放射装置は、一次コイルと二次コイルの一端同士が接続された昇圧トランスと、前記二次コイルの他端にカソードが接続されたダイオードと、前記ダイオードのアノードに接続された電流制限抵抗と、前記電流制限抵抗に接続され、被放射体に電子を放出する放射端と、前記昇圧トランスの一次コイルの一端と他端とに設けられた入力交流の入力端とを備えた放射回路を有することを特徴とする。
【0013】
また、この電子放射装置の放射回路には、前記昇圧トランスの一次コイルの他端に接続されたトリガダイオードと、前記トリガダイオードの入力側と前記昇圧トランスの一次コイルの一端とに並列接続された第1コンデンサとを備えた保護回路が、前記放射回路に接続されているのが望ましい。
【0014】
また、電子放射装置の放射回路には、前記トリガダイオードの入力側に接続され、第1ダイオード、第2コンデンサ及び第1抵抗が並列接続された第1半波整流回路と、前記昇圧トランスの一端に接続され、第2ダイオード及び第2抵抗が直列接続された第2半波整流回路と、前記第1半波整流回路の入力側から前記第2半波整流回路の入力側への間に直列接続された第3抵抗及び第3コンデンサと、前記前記第1半波整流回路の出力側及び前記第3抵抗と第3コンデンサとの間を接続する短絡線と、前記第1半波整流回路及び第2半波整流回路へ交流電源を接続する電源接続端とを備えた整流回路が、前記保護回路に接続されているのが望ましい。
【0015】
更に、前記整流回路には、直流を交流へ変換するインバータが設けられているのが望ましい。
【0016】
本発明の電子放射装置を用いた燃費改善方法は、放射端を、燃料タンクからディーゼルエンジンへ供給する経路に設けられた貯留タンク内の燃料に浸漬して、前記放射端から電子を燃料に供給することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の電子放射装置を用いた燃費改善方法は、放射端を、エンジンからの排気ガスを排出する排気管内に配置し、前記放射端から電子を放出させて排気ガスを浄化することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の電子放射装置を用いた燃費改善方法は、放射端を、エンジンからの駆動により発電する発電機の近傍に配置し、前記放射端から電子を放出させて前記発電機の回転負荷を軽減することを特徴とする。
【0019】
更に、本発明の電子放射装置を用いた汚濁水の浄化方法は、放射端を、汚濁水が貯留された浄化槽に浸漬し、前記浄化槽に一端を浸漬すると共に他端をアースとするアース線を接続して、前記放射端から電子を放出させて汚濁水を浄化することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の電子放射装置の構成によれば、高効率で燃費を改善したり、短時間に汚濁水を浄化したりすることで、環境問題の解決に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態1に係る電子放射装置の外観を示す図である。
【図2】図1に示す電子放射装置の回路構成を示す図である。
【図3】従来の電子放射装置の回路を説明するための回路図である。
【図4】図1に示す電子放射装置を浄化槽に設置した状態を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る電子放射装置の外観を示す図である。
【図6】図5に示す電子放射装置の回路構成を示す図である。
【図7】図5に示す電子放射装置を船舶に取り付けた状態を示す図である。
【図8】図5に示す電子放射装置をガソリンエンジンによる乗用車の発電機に設置した状態を示す図である。
【図9】図5に示す電子放射装置をガソリンエンジンによる乗用車のマフラーに設置した状態を示す図である。
【図10】汚濁水を浄化する浄化槽の水質検査をした結果を示す計量証明書である。
【図11】図1に示す電子放射装置を浄化槽に設置して作動させたときの浄化槽の水質検査をした結果を示す計量証明書である。
【図12】図1に示す電子放射装置により小川から汲み上げた水を浄化する方法を説明する図であり、(A)は放射端を水に浸漬する方法を示す図、(B)は放射端を水の上方に位置させる方法を示す図、(C)は放射端を水に浸漬し、大地アース線を水中から配線する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態に係る電子放射装置を図面に基づいて説明する。図1に示す本実施の形態1に係る電子放射装置Xは、回路部品が収納された装置本体1と、装置本体1から交流電源を取るための電源コード2と、先端に放射端EBが設けられた電子放射部3とを備えている。
【0023】
電子放射装置Xは、図2に示すように、放射回路10と、保護回路20と、整流回路30とを備えている。放射回路10は、昇圧トランスTRと、ダイオードDと、電流制限抵抗Rと、放射端EBとを備えている。
【0024】
昇圧トランスTRは、一次コイルL1の巻線が84巻、二次コイルL2の巻線が1600巻であるので、入力電圧を約20倍に昇圧する。昇圧トランスTRは、一次コイルL1と二次コイルL2の一端同士が接続されている。ダイオードDは、二次コイルL2の他端にカソードKが接続されている。電流制限抵抗Rは、ダイオードDのアノードAと電子放射部3(図1参照)との間に接続された10MΩの抵抗である。放射端EBは、電流制限抵抗Rに接続されている。放射端EBは、導電体の細線が広がったブラシとすることができる。また、放射端EBは、銅線などの線材を被覆するビニールチューブを剥がした状態とした撚り線又はバラ線とすることもできる。つまり、導電体が露出した状態であればよく、細線であっても棒状体や直方体でも、異形体であってもよい。
例えば、放射端EBを空中に配置するときにはブラシとするのが望ましい。また、放射端EBを液体中に配置するときにはバラ線又は撚り線とすることが可能である。
放射回路10は、昇圧トランスTRの一次コイルL1の一端と、トリガダイオードTDとの間を、保護回路20と整流回路30とからの入力交流の入力端T1,T2としている。
【0025】
この放射回路10には、保護回路20が接続されている。保護回路20は、トリガダイオードTDと、コンデンサC1(第1コンデンサ)とを備えている。
トリガダイオードTDは、昇圧トランスTRの一次コイルの他端に、一端が接続され、他端は整流回路30に接続されている。このトリガダイオードTDは、ブレーク・オーバー電圧(VBO)が、電源電圧とほぼ同じものを採用している。例えば、100Vの電源の場合には95V〜113V、200Vの場合には205V〜230Vのものを採用している。コンデンサC1は、トリガダイオードTDの他端である入力側と、昇圧トランスTRの一次コイルL1の一端に接続されている。このコンデンサC1は容量が100pFである。
【0026】
この保護回路20には、整流回路30が接続されている、整流回路30は、第1半波整流回路31と、第2半波整流回路32とを備えている。
半波整流回路31は、昇圧トランスTRの一端に接続され、ダイオードD1(第1ダイオード)、コンデンサC2(第2コンデンサ)及び抵抗R1(第1抵抗)が並列接続されたものである。コンデンサC2は0.1μFである。抵抗R1は20kΩである。
【0027】
第2半波整流回路32は、昇圧トランスTRの一端に接続され、ダイオードD2(第2ダイオード)及び抵抗R2(第2抵抗)とが直列接続されたものである。抵抗R2は100Ωである。
【0028】
第1半波整流回路31の入力側と、第2半波整流回路32の入力側との間には、直列接続された抵抗R3(第3抵抗)及びコンデンサC3(第3コンデンサ)とが設けられている。抵抗R3は20kΩである。コンデンサC3は0.1μFである。
【0029】
入力端T1とコンデンサC1との間及び抵抗R3とコンデンサC2との間は、短絡線33により短絡されている。そして、第1半波整流回路31及び第2半波整流回路32へ交流電源が接続される電源接続端S11,S12が設けられている。電源接続端S11,S12には、電源コード(図1参照)が接続される。交流電源としては、100Vから220V、周波数50Hz又は60Hzの交流電源を接続することができるが、この交流電源の電圧に応じたVBOを有するトリガダイオードTDが選択される。
【0030】
以上のように構成された本実施の形態1に係る電子放射装置の動作を図面に基づいて説明する。
電源接続端S11,S12から入力された100Vの交流電圧は、第1半波整流回路31により半波整流され、トリガダイオードTDを介してトランスTrの一次コイルL1の他端側から一端側へ電流が流れる。電流が一次コイルL1の他端側から一端側へ流れることで二次コイルL2には、二次コイルL2の一端を基準とした昇圧された約2000Vの電圧が出力される。
二次コイルL2に高圧の電圧が出力されるが高抵抗の電流制限抵抗Rが設けられているため電流は微弱である。つまり、放射端EBには高電圧が出力された状態で電子が放射される。過度の電流がダイオードDから二次コイルL2へ流れると一次コイルL1側に他端から一端側へ流れる電流が発生する。この電流は保護回路20であるトリガダイオードTDからコンデンサC1へ流れることで、過度の電流から回路全体を保護している。
電源接続端S11,S12から入力された交流電圧の向きが反対となると、第2半波整流回路32により半波整流され、トランスTRの一次コイルL1の一端側から他端側へ電流が流れる。しかし、ダイオードDが電流の流れと逆方向なのでダイオードDにはほとんど電流は流れない。この場合には、放射端EBからの電子の放出量は微小であると思われる。
【0031】
ここで、従来の電子放射装置を図3に基づいて説明する。なお、図3においては、昇圧トランスTRの一次側は省略している。
従来の電子放射装置では、昇圧トランスTRの一次コイルL1と二次コイルL2と一端同士は短絡されておらず、二次コイルL2にはダイオードD及び電流制限抵抗Rが設けられている。そして、ダイオードDと電流制限抵抗Rとの間には、コロナ放電による電子放射を行うための金属板M1,M2が対向した状態で配置されている。この従来の電子放射装置では、金属板M1,M2が対向配置されているので、電子が放出されると共に、オゾンが発生し、周囲に悪影響を及ぼすことが心配される。
【0032】
図2に示す本実施の形態1に係る電子放射装置Xでは、昇圧トランスTRの一次コイルL1と二次コイルL2の一端同士が接続されているので、放射端EBからの放射された電子は、大地アースとの間で流れる。従って、電子放射装置Xは従来の電子放射装置のようにオゾンを大量に発生することがないので、周囲環境へ悪影響を及ぼさない。
【0033】
次に、本実施の形態1に係る電子放射装置Xを用いた浄化方法について、図4に基づいて説明する。
図4に示す浄化槽Tには、汚濁水W1が貯留され、微生物による浄化が行われている。この浄化槽Tに商用電源から受電する電子放射装置Xを設置する。汚濁水の浄化に用いられる電子放射装置Xとしては、放射端EBがバラ線又は撚り線で形成されたものを使用する。放射端EBは、浄化槽T内の汚濁水W1に浸漬する。そして、一方を汚濁水W1に浸漬し、他方を大地へ埋設した大地アース線GNDを配線する。
このように電子放射装置Xを配置して、作動させることで、汚濁水W1内に含まれる大腸菌を殺菌して浄化することができる。
【0034】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る電子放射装置を、図5及び図6に基づいて説明する。なお、図5及び図6においては、図1及び図2と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
【0035】
本実施の形態2に係る電子放射装置Yの装置本体1x内には、バッテリと接続するために交流から直流に変換するインバータ4が設けられている。このインバータ4は、整流回路30に接続されている。このインバータ4に接続される電源接続端S21,S22には、12V又は24Vのバッテリが接続される。インバータ4は100V,50Hzの交流電圧を発生するもので、直流電圧12V用と24V用とを入力電圧に合わせて実装される。このように電子放射装置Yにインバータ4を設けることで商用電源から電源が取れない場合でもバッテリから電源を取ることができる。
【0036】
次に、本実施の形態2に係る電子放射装置Yを用いた船舶の燃費改善方法を図7に基づいて説明する。
漁船にはディーゼルエンジンE1が設けられている。このディーゼルエンジンE1で燃焼する燃料は、燃料タンクFに貯蔵されている。ディーゼルエンジンE1と燃料タンクFとの間には、配管P1,P2によりそれぞれに接続された貯留タンク5が設けられている。電子放射装置Yは、この貯留タンク5に電子放射部3が貫通し、先端の放射端EBが燃料に浸漬するように配置されている。この電子放射装置Yは、放射端EBが燃料に浸漬するので、放射端EBがバラ線又は撚り線で形成されたものを使用する。電子放射装置Yには直流電源としてバッテリBTが接続されている。ディーゼルエンジンE1には、リターン通路として配管P3,P4が設けられている。配管P3は、流路を貯留タンク5か燃料タンクFかのいずれかに切り替える切替バルブVに接続されている。切替バルブVと燃料タンクFとの間は、配管P4により接続されている。
このように電子放射装置Yを配置して作動させることで、燃料に電子が供給されるので燃費を向上させることができる。
【0037】
次に、本実施の形態2に係る電子放射装置Yを用いた乗用車の燃費改善方法を図8に基づいて説明する。
乗用車のエンジン室内には。ガソリンエンジンE2と、発電機(ダイナモ)Gと、バッテリBTとが設けられている。ガソリンエンジンE2の排気ガスは、エキゾーストマニホールドやエキゾーストパイプ、マフラーを介して排出される。発電機Gは、ガソリンエンジンE2の回転駆動がベルト6により伝達して発電する。発電機GにはバッテリBTが接続されている。バッテリBTは、電気出力コード7により発電機Gに接続され、発電機Gが発電することで充電される。電子放射装置Yには、電源としてバッテリBTが接続されている。電子放射装置Yは、放射端EBが発電機Gの近傍であり、かつ放射端EBが発電機Gに向くように設置されている。この電子放射装置Yは、放射端EBが空中に配置されるので、カーボン繊維のブラシで形成されたものを使用する。
このように電子放射装置Yをエンジン室内に設置することで、放射端EBからの電子が発電機Gに向かって放射され、発電機Gの負荷を軽減するので、ガソリンエンジンE2の燃費を改善することができる。
【0038】
次に、本実施の形態2に係る電子放射装置Yを用いた他の乗用車の燃費改善方法を図9に基づいて説明する。なお、図9においては、図8と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
電子放射装置Yは、バッテリBTから電源を取り、放射端EBをマフラーMFの排気管8に貫通させている。
このように電子放射装置Yの放射端EBを排気管8に配置して、放射端EBから電子を放射することで、マフラーMF内部の静電気を低減することができるので、排気ガスの圧力抵抗を小さくすることができる。従って、ガソリンエンジンE2の負荷が軽減するので燃費が改善できると共に、馬力も向上することができる。
【0039】
(実施例1)
実施の形態2に係る電子放射装置Yを作製して、船舶として漁船に図7に示す構成を設置して航行試験を行った。
【0040】
実施例1では、主機として三菱社製のS6R2−MTK3 809kW(1100PS)、補機として三菱社製 FEG−50M 37kW(50PS)のディーゼルエンジンE1を使用した。
主機を900回転/分 補機1800回転/分で24時間運転して、切替バルブVを貯留タンク5側へ切り替え、電子放射装置Yを作動させたときと、切替バルブVを燃料タンクF側へ切り替え、停止したときの使用燃料の違いにより燃費を測定した。
電子放射装置Yを停止したときは燃料であるA重油の消費量が1080リットルであったが、電子放射装置Yを作動させたときは消費量が850リットルであった。つまり、21.9%の燃費が向上した。
【0041】
なお、実施例1では、バッテリを電源にしたため電子放射装置Yを使用したが商用電源と同じ、100V,50Hz/60Hzの電源が取れるのであれば、電子放射装置Xでも使用することが可能である。
また、貯留タンク5は、燃料タンクFからの燃料が流入すると共に、ディーゼルエンジンE1からのリターン通路である配管P3からの燃料も流入するように配管が接続されているが、燃料タンクFからの流入のみでも燃料に電子を放射して改質することができるので、切替バルブVを燃料タンクF側へ切り替えて運転してもよい、
【0042】
(実施例2)
実施の形態2に係る電子放射装置Yを作製して、試験車両として乗用車に、図8に示す構成を設置して走行試験を行った。
試験車両の試験車種、年式、車の形式、エンジン形式、排気量及び走行試験開始地点の走行距離は、トヨタクラウン、平成6年式、E1ZS141型、1JZ型、2400cc、45,395kmである。電子放射装置Yの電源としては車載のバッテリBTを使用した。
電子放射装置Yは、エンジン室内の発電機Gの近傍である約10cm離れた電気出力コード7に、装置本体1xをプラスチックバンドで結び付け、電子放射部3の先端の放射端EBを発電機Gに向けて設置した。走行距離は車のトリップメーターで測定した。ガソリンの消費量は、所定の給油スタンドで走行前に満タン給油を行い、走行後に同様に満タン給油を行ったときの給油量で測定した。
走行試験は、九州自動車道の鹿児島インターから福岡インターの間を平均時速80kmで往復して行った。結果、ガソリン1リットル当たり14,5kmの燃費であった。比較のために同じ車で電子放射装置Yを搭載しない状態で、同一の運転手が同日に同一コースの走行試験を行ったところガソリン1リットル当たり12.1kmの燃費であった。これにより、電子放射装置Yを作動させると約20%の燃費改善効果が得られることがわかった。
【0043】
(実施例3)
実施例3では、実施例2と同様の図8に示す構成で、電子放射装置Yを用いて乗用車の走行試験を行った。
試験車両の試験車種、年式、車の形式、排気量及び走行試験開始地点の走行距離は、日産ノート、平成17年式、DBA−E11型、HR15型、1500cc、101,583kmである。電子放射装置Yの電源としては車載の12VのバッテリBTを使用した。
電子放射装置Yは、エンジン室内の発電機Gの近傍である約10cm離れた電気出力コード7に、装置本体1xをプラスチックバンドで結び付け、電子放射部3の先端の放射端EBを発電機Gに向けて設置した。走行距離は車のトリップメーターで測定した。ガソリンの消費量は、所定の給油スタンドで走行前に満タン給油を行い、走行後に同様に満タン給油を行ったときの給油量で測定した。
走行試験は、佐賀市内から一般道を平均時速50kmで走行し、同一コースを同様に佐賀市内まで帰る方法で行った。結果、ガソリン1リットル当たり18,2kmの燃費であった。比較のために同じ車で電子放射装置Yを搭載しない状態で、同一の運転手が同日に同一コースの走行試験を行ったところガソリン1リットル当たり15.1kmの燃費であった。これにより、電子放射装置Yを作動させると約20%の燃費改善効果が得られることがわかった。
【0044】
(実施例4)
実施の形態1に係る電子放射装置Xを作製して、試験車両として乗用車に設置して走行試験を行った。実施例4では、図8に示す構成と同様であるが、異なる点は、電子放射装置Yが電子放射装置Xである点と、電源がバッテリBTではなく、シガレットソケットに差し込む方式の市販のインバータを用いて100Vの交流電源を得て電子放射装置Xへ供給している点である。試験車両の試験車種、年式、排気量及び走行試験開始地点の走行距離は、BMW、平成18年式、4500cc、9,563kmである。
電子放射装置Xは、エンジン室内の発電機Gから約10cm離れた電気出力コード7に、装置本体1をプラスチックバンドで結び付け、電子放射部3の先端の放射端EBを発電機Gに向けて設置した。走行距離は車のトリップメーターで測定した。ガソリンの消費量は、所定の給油スタンドで走行前に満タン給油を行い、走行後に同様に満タン給油を行ったときの給油量で測定した。
走行試験は、福岡市内の一般道を日常使用と変わらず走行し、燃料メーターがEの位置になった時点で上記満タン給油を行い、電子放射装置Xを作動した場合と、作動しなかった場合と交互に5回繰り返した。結果、電子放射装置Xを作動させたときはガソリン1リットル当たり6,0kmの燃費であった。また、シガレットソケットからインバータを抜いた状態で、電子放射装置Xを作動させなかったときはガソリン1リットル当たり4.5kmの燃費であった。これにより、電子放射装置Xを作動させると約33%の燃費改善効果が得られることがわかった。
【0045】
(実施例5)
本実施例5では、実施例2と同様の図8に示す構成で、電子放射装置Yを用いて乗用車の走行試験を行った。
試験車両の試験車種、年式、車の形式、排気量及び走行試験開始地点の走行距離は、ベンツ、平成8年式、4500cc、56,394kmである。電子放射装置Yの電源としては車載の12Vのバッテリを使用した。
電子放射装置Yは、エンジン室内の発電機Gから約10cm離れた電気出力コード7に、装置本体1xをプラスチックバンドで結び付け、電子放射部3の先端の放射端EBを発電機Gに向けて設置した。走行距離は車のトリップメーターで測定した。ガソリンの消費量は、所定の給油スタンドで走行前に満タン給油を行い、走行後に同様に満タン給油を行ったときの給油量で測定した。
走行試験は、東名高速道の名古屋から東京の間を平均時速100kmで往復して行ったところ、電子放射装置Yを作動した場合には、ガソリン1リットル当たり11,0kmの燃費であった。また、比較のために同じ車で電子放射装置Yを搭載しない状態で、同一の運転手が同日に同一コースの走行試験を行ったところガソリン1リットル当たり8.5kmの燃費であった。これにより、電子放射装置Yを作動させると約29%の燃費改善効果が得られることがわかった。
【0046】
(実施例6)
実施例6では、図8に示す構成で、電子放射装置Yを用いて乗用車の走行試験を行った。実施例6の走行試験は、図8に示す構成において、エンジンがガソリンエンジンE2ではなくディーゼルエンジンであること以外は同じである。
試験車両の試験車種、年式、車の形式、エンジンの型式、排気量及び走行試験開始地点の走行距離は、トヨタハイエースバン、平成19年式、KR−KDH225K型、2KD型(コモンレール式ディーゼルエンジン)、2490cc、7,695kmである。電子放射装置Yの電源としては車載の12Vのバッテリを使用した。
電子放射装置Yは、エンジン室内の発電機Gから約15cm離れた電気出力コード7に、装置本体1xをプラスチックバンドで結び付け、電子放射部3の先端の放射端EBを発電機Gに向けて設置した。走行距離は車のトリップメーターで測定した。軽油の諸費量は、特許文献2に記載されたリターン燃料が燃料タンクに行かず燃料噴射ポンプの入口に直接循環する回路を設け、燃料タンクから来る燃料配管の途中に積算流量計(NITTOSEIKO社製、RE10LF型)を設け、その積算流量を測定した。
走行試験は、九州自動車道の植木インターから福岡インターの間を平均時速80kmで往復して行った。結果、軽油1リットル当たり16,4kmの燃費であった。比較のために同じ車で電子放射装置Yを搭載しない状態で、同一の運転手が同日に同一コースの走行試験を行ったところ軽油1リットル当たり13.9kmの燃費であった。これにより、電子放射装置Yを作動させると約18%の燃費改善効果が得られることがわかった。
【0047】
(実施例7)
本実施例7では、実施例6と同様の構成で、電子放射装置Yを用いて走行試験を行った。
試験車両の試験車種、年式、車の形式、エンジンの型式、排気量及び走行試験開始地点の走行距離は、トヨタタウンエースワゴン、平成10年式、KB−CR41V型、2C型(レギュラー式ディーゼルエンジン)、4500cc、62,395kmである。電子放射装置Yの電源としては車載の12Vのバッテリを使用した。
電子放射装置Yの設置は、エンジン室内の発電機Gから約10cm離れた電気出力コード7に、装置本体1xをプラスチックバンドで結び付け、電子放射部3の先端の放射端EBを発電機Gに向けて設置した。走行距離は車のトリップメーターで測定した。軽油の消費量は、実施例6と同様に積算流量計により測定した。走行試験は、実施例6と同じ条件、同じコースで行った。結果、軽油1リットル当たり18,2kmの燃費であった。比較のために同じ車で電子放射装置Yを搭載しない状態で、同一の運転手が同日に同一コースの走行試験を行ったところ軽油1リットル当たり14.7kmの燃費であった。これにより、電子放射装置Yを作動させると約24%の燃費改善効果が得られることがわかった。
【0048】
(実施例8)
実施例8として、電子放射装置Yを用いて船舶による航行試験を行った。実施例8の航行試験での構成は、発電機に電子放射装置Yを設ける点において、図8と同様である。
試験船の総トン数、エンジン形式、排気量は、9.7トン、コマツディーゼル6H132A型(レギュラー式ディーゼル)、20,000ccである。電子放射装置Yの電源としては搭載の12Vのバッテリを使用した。
電子放射装置Yの設置は、エンジン室内の発電機Gから約10cm離れた電気出力コード7に、装置本体1xをプラスチックバンドで結び付け、電子放射部3の先端の放射端EBを発電機Gに向けて設置した。また、操舵室内にスイッチを設けて電子放射装置Yの作動のON/OFFができるようにした。燃料消費量は、燃料タンク(ドラム缶)内の燃料を全て抜き取って残燃料の重量を測定する方法で行った。航走試験は、時速40kmで1時間航走して燃料消費量を測定する試験を、電子放射装置Yを作動させたときと、停止したときの交互に3回ずつ繰り返して行った。その結果、平均燃料消費量の比は1.21となり、約21%の燃費改善効果が得られた。
【0049】
(実施例9)
実施例9として電子放射装置Yを用いて航空機による飛行試験を行った。航空機の機種、航空機型式、エンジン形式、エンジン出力は、パイパー単発機、PA28−140、レシプロエンジン、140馬力である。電子放射装置Yの電源としては搭載の12Vのバッテリを使用した。
電子放射装置Yの設置は、エンジン室内の発電機から約10cm離れた電気出力コードに、装置本体1xをプラスチックバンドで結び付け、電子放射部3の先端の放射端EBを発電機Gに向けて設置した。また、操縦室内にスイッチを設けて電子放射装置Yの作動のON/OFFができるようにした。
飛行試験では、巡航水平飛行時にエンジン回転数を1分間に2500回転に保ち、燃料メーターのメモリが1目盛下がるのに要する時間を測定した。結果、電子放射装置Yを作動させたときと停止したときの時間の比は1.12となり、約12%の燃費改善効果が得られた。
【0050】
(実施例10)
実施例10として電子放射装置Xを用いてディーゼルエンジン駆動発電機の運転試験を行った。発電機の機種、発電機型式、エンジン形式、排気量及び発電機の最大出力は、デンヨーDB−4401型、小松製作所SA6D140A型、12,540cc、99.5kWである。この発電機は単相220V(221V)を発電するので、電子放射装置Xの電源は発電機の出力から得た。
電子放射装置Xの設置は、発電機から約10cm離れた電気出力コードに、装置本体1xをプラスチックバンドで結び付け、電子放射部3の先端の放射端EBを発電機に向けて設置した。
発電機の運転試験では、1つの機械製造工場全体の昼間の1時間の電力を、この発電機だけで電力供給する方法で実施した。軽油の燃費は、発電機に装備された燃費計で測定したところ、電子放射装置Xを作動させた場合には軽油1リットル当たり4.34kWの燃費であった。電子放射装置Xを作動させなかった場合には軽油1リットル当たり3.6kW5であったため、約19%の燃費改善効果が得られた。
【0051】
(実施例11)
実施例11では、食品工場における汚濁水の浄化試験を行った。試験方法について図4に示す構成で行った。
本実施例12では、食品工場から排水される汚濁水を、電子放射装置Xを動作させる前の状態と、2日間動作させた後の状態とで計量検査を行った。なお、浄化槽Tには、350キロリットル/日の汚濁水が食品工場から排水される。
表1及び図10,図11に示すように、電子放射装置Xを2日間動作させることで、大腸菌群数が3100個/m3から3.9個/m3に減少していることがわかる。微生物では、大腸菌群数はここまで減少させるには多大な時間を要するが、電子放射装置Xを作動させることで、2日間で減少させることができる。従って、電子放射装置Xは、殺菌効果があり、汚濁水を短時間に浄化することができる。
【0052】
【表1】
【0053】
(実施例12)
実施例12では、小川から汲み上げた水を電子放射装置Xを用いて浄化試験を行った。試験方法について図12に基づいて説明する。
試験方法は、図12(A)〜同図(C)に示すように汲み上げた水W2を容器9へ貯留し、図12(A)に示すように放射端EBを汲み上げた水W2の中に浸漬した方法a場合と、図12(B)に示すように放射端EBを汲み上げた水W2の上方に位置させた方法bの場合と、図12(C)に示すように放射端EBを汲み上げた水W2の中に浸漬し、水に大地アース線GNDを浸漬させて接地した方法cの場合との三通りで大腸菌群数の測定を行った。また、比較のために小川から汲み上げた水W2の大腸菌群数の測定も行った。
【0054】
【表2】
表2からもわかるように、図12(C)に示す方法cでは、当初含まれていた大腸菌群数7900が、2まで劇的に減少した。これは放射端EBから放射される電子によって大腸菌が殺菌されたことを示している。しかし、大地アース線GNDを配線しない方法aでは、反対に大腸菌の増殖が見られる。この理由は不明であるが、電子が水中に大量に滞留することが大腸菌に対して増殖環境を提供していることは明らかである。水中における電子の流れが大腸菌を殺菌することから、電子放射装置Xが殺菌装置として機能していることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、電子を放射することで燃費を改善したり、水を殺菌して浄化したりすることができるので、運送業者や汚水を排水する工場だけでなく、各家庭での使用も可能である。
【符号の説明】
【0056】
X,Y 電子放射装置
1,1x 装置本体
10 放射回路
TR 昇圧トランス
L1 一次コイル
L2 二次コイル
D ダイオード
A アノード
K カソード
EB 放射端
R 電流制限抵抗
T1,T2 入力端
20 保護回路
TD トリガダイオード
C1 コンデンサ
30 整流回路
31 第1半波整流回路
32 第2半波整流回路
33 短絡線
D1,D2 ダイオード
C2,C3 コンデンサ
R1,R2,R3 抵抗
2 電源コード
3 電子放射部
4 インバータ
S11,S12 電源接続端
S21,S22 電源接続端
5 貯留タンク
T 浄化槽
E1 ディーゼルエンジン
F 燃料タンク
V 切替バルブ
P1,P2,P3,P4 配管
E2 ガソリンエンジン
MF マフラー
BT バッテリ
G 発電機
6 ベルト
7 電気出力コード
8 排気管
9 容器
GND 大地アース線
W1 汚濁水
W2 汲み上げた水
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子を放射する電子放射装置の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車や船舶、航空機などでは、冷暖房・照明・制御機器・作業用装置などを働かせるための電力を得たり、ガソリンエンジンの場合は燃料点火プラグで火花放電を発生させたりするための電力を必要とするために、動力機関で駆動される発電機を搭載している。
【0003】
また、自動車や船舶、航空機以外でも、多様な業務用電力や生活用電力を得るため、水力や、高圧蒸気、高圧石油ガスなどを駆動エネルギー源とする大型のタービンエンジンから、ガソリン・軽油等を燃料とする様々な大きさの動力機関を駆動力とする様々な発電装置がある。これらの発電装置は、現在文明を支える極めて重要な電力エネルギーへの変換機器装置であり、インフラストラクチャとして存在する。
【0004】
このような電力エネルギーへの変換機器装置の省エネルギー化については、その動力機関の改善及び発電機の改善とも、従来より長年にわたり研究開発がなされているが、もはや現在、研究開発もやり尽くされた観があるとされている。数パーセント程度の省エネルギー化なら何とか可能かも知れないが、それを超えるような技術はもう出ないだろうと言われることもある。
【0005】
しかし、近年の地球環境問題を契機に、省エネルギー動力機関の開発や、発電機の性能向上、省エネルギー技術の開発は、世界中で盛んに試みられていると推測される。
本発明者は、特許文献1において、燃料加熱により動力機関の出力向上、すなわち動力機関の著しい燃費改善をもたらす技術を提案している。
【0006】
また本発明者は、特許文献2において、至って簡便な手段で数十パーセントオーダーの燃費改善がもたらされる技術を提案している。この技術によれば、動力機関そのものに直接適用するわけではないが、広く燃費技術分野にもまだ画期的技術が出現する余地のあることを示している。なお、最近様々な燃費改善商品が自動車用品店などで販売されるようになってきたが、これらの中には燃費改善効果が不十分なものも多いと聞く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第00/71883号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2007/49370号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2007/126137号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2007/129604号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年の地球環境問題がもはや待ったなしの局面に入ったとされ、人の移動や物品を輸送する自動車や船舶、航空機などの輸送手段では、省エネルギー化・燃費改善が急務となっている。
【0009】
然るに、各種動力機関や発電装置の出力向上や省エネルギー化をはかるための技術が現状では、多大の開発期間と経費を要したり、大がかりな機械装置を新設したり高価な機械部品を取り付けたりしなければならないものが多く、省エネ装置の製造と設置に多大な資源やエネルギー消費を伴ったり、ユーザーのコスト負担増につながる場合がある。従って、小規模で簡単に設置することができ、燃費を高効率で改善することができる技術が望まれている。
【0010】
また、環境問題においては、各種の工場から排水される汚濁水が問題となっている。汚濁水は、そのまま川や海へ排水したり、下水として排水したりせずに、微生物による浄化処理を施すことで環境汚染の抑止が図られている。しかし、微生物による浄化は時間を要するので、汚濁水の発生量が浄化できる能力を超えてしまうと浄化槽を拡大したり、増設したりしないといけなくなってしまう。従って、環境保全の観点からも短時間に汚濁水の浄化ができる技術が望まれている。
【0011】
そこで本発明は、高効率で燃費を改善したり、短時間に汚濁水を浄化したりすることで、環境問題の解決に寄与する電子放射装置及びそれを用いた液体燃料の燃費改善方法、汚濁水の浄化方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の電子放射装置は、一次コイルと二次コイルの一端同士が接続された昇圧トランスと、前記二次コイルの他端にカソードが接続されたダイオードと、前記ダイオードのアノードに接続された電流制限抵抗と、前記電流制限抵抗に接続され、被放射体に電子を放出する放射端と、前記昇圧トランスの一次コイルの一端と他端とに設けられた入力交流の入力端とを備えた放射回路を有することを特徴とする。
【0013】
また、この電子放射装置の放射回路には、前記昇圧トランスの一次コイルの他端に接続されたトリガダイオードと、前記トリガダイオードの入力側と前記昇圧トランスの一次コイルの一端とに並列接続された第1コンデンサとを備えた保護回路が、前記放射回路に接続されているのが望ましい。
【0014】
また、電子放射装置の放射回路には、前記トリガダイオードの入力側に接続され、第1ダイオード、第2コンデンサ及び第1抵抗が並列接続された第1半波整流回路と、前記昇圧トランスの一端に接続され、第2ダイオード及び第2抵抗が直列接続された第2半波整流回路と、前記第1半波整流回路の入力側から前記第2半波整流回路の入力側への間に直列接続された第3抵抗及び第3コンデンサと、前記前記第1半波整流回路の出力側及び前記第3抵抗と第3コンデンサとの間を接続する短絡線と、前記第1半波整流回路及び第2半波整流回路へ交流電源を接続する電源接続端とを備えた整流回路が、前記保護回路に接続されているのが望ましい。
【0015】
更に、前記整流回路には、直流を交流へ変換するインバータが設けられているのが望ましい。
【0016】
本発明の電子放射装置を用いた燃費改善方法は、放射端を、燃料タンクからディーゼルエンジンへ供給する経路に設けられた貯留タンク内の燃料に浸漬して、前記放射端から電子を燃料に供給することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の電子放射装置を用いた燃費改善方法は、放射端を、エンジンからの排気ガスを排出する排気管内に配置し、前記放射端から電子を放出させて排気ガスを浄化することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の電子放射装置を用いた燃費改善方法は、放射端を、エンジンからの駆動により発電する発電機の近傍に配置し、前記放射端から電子を放出させて前記発電機の回転負荷を軽減することを特徴とする。
【0019】
更に、本発明の電子放射装置を用いた汚濁水の浄化方法は、放射端を、汚濁水が貯留された浄化槽に浸漬し、前記浄化槽に一端を浸漬すると共に他端をアースとするアース線を接続して、前記放射端から電子を放出させて汚濁水を浄化することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の電子放射装置の構成によれば、高効率で燃費を改善したり、短時間に汚濁水を浄化したりすることで、環境問題の解決に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態1に係る電子放射装置の外観を示す図である。
【図2】図1に示す電子放射装置の回路構成を示す図である。
【図3】従来の電子放射装置の回路を説明するための回路図である。
【図4】図1に示す電子放射装置を浄化槽に設置した状態を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る電子放射装置の外観を示す図である。
【図6】図5に示す電子放射装置の回路構成を示す図である。
【図7】図5に示す電子放射装置を船舶に取り付けた状態を示す図である。
【図8】図5に示す電子放射装置をガソリンエンジンによる乗用車の発電機に設置した状態を示す図である。
【図9】図5に示す電子放射装置をガソリンエンジンによる乗用車のマフラーに設置した状態を示す図である。
【図10】汚濁水を浄化する浄化槽の水質検査をした結果を示す計量証明書である。
【図11】図1に示す電子放射装置を浄化槽に設置して作動させたときの浄化槽の水質検査をした結果を示す計量証明書である。
【図12】図1に示す電子放射装置により小川から汲み上げた水を浄化する方法を説明する図であり、(A)は放射端を水に浸漬する方法を示す図、(B)は放射端を水の上方に位置させる方法を示す図、(C)は放射端を水に浸漬し、大地アース線を水中から配線する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態に係る電子放射装置を図面に基づいて説明する。図1に示す本実施の形態1に係る電子放射装置Xは、回路部品が収納された装置本体1と、装置本体1から交流電源を取るための電源コード2と、先端に放射端EBが設けられた電子放射部3とを備えている。
【0023】
電子放射装置Xは、図2に示すように、放射回路10と、保護回路20と、整流回路30とを備えている。放射回路10は、昇圧トランスTRと、ダイオードDと、電流制限抵抗Rと、放射端EBとを備えている。
【0024】
昇圧トランスTRは、一次コイルL1の巻線が84巻、二次コイルL2の巻線が1600巻であるので、入力電圧を約20倍に昇圧する。昇圧トランスTRは、一次コイルL1と二次コイルL2の一端同士が接続されている。ダイオードDは、二次コイルL2の他端にカソードKが接続されている。電流制限抵抗Rは、ダイオードDのアノードAと電子放射部3(図1参照)との間に接続された10MΩの抵抗である。放射端EBは、電流制限抵抗Rに接続されている。放射端EBは、導電体の細線が広がったブラシとすることができる。また、放射端EBは、銅線などの線材を被覆するビニールチューブを剥がした状態とした撚り線又はバラ線とすることもできる。つまり、導電体が露出した状態であればよく、細線であっても棒状体や直方体でも、異形体であってもよい。
例えば、放射端EBを空中に配置するときにはブラシとするのが望ましい。また、放射端EBを液体中に配置するときにはバラ線又は撚り線とすることが可能である。
放射回路10は、昇圧トランスTRの一次コイルL1の一端と、トリガダイオードTDとの間を、保護回路20と整流回路30とからの入力交流の入力端T1,T2としている。
【0025】
この放射回路10には、保護回路20が接続されている。保護回路20は、トリガダイオードTDと、コンデンサC1(第1コンデンサ)とを備えている。
トリガダイオードTDは、昇圧トランスTRの一次コイルの他端に、一端が接続され、他端は整流回路30に接続されている。このトリガダイオードTDは、ブレーク・オーバー電圧(VBO)が、電源電圧とほぼ同じものを採用している。例えば、100Vの電源の場合には95V〜113V、200Vの場合には205V〜230Vのものを採用している。コンデンサC1は、トリガダイオードTDの他端である入力側と、昇圧トランスTRの一次コイルL1の一端に接続されている。このコンデンサC1は容量が100pFである。
【0026】
この保護回路20には、整流回路30が接続されている、整流回路30は、第1半波整流回路31と、第2半波整流回路32とを備えている。
半波整流回路31は、昇圧トランスTRの一端に接続され、ダイオードD1(第1ダイオード)、コンデンサC2(第2コンデンサ)及び抵抗R1(第1抵抗)が並列接続されたものである。コンデンサC2は0.1μFである。抵抗R1は20kΩである。
【0027】
第2半波整流回路32は、昇圧トランスTRの一端に接続され、ダイオードD2(第2ダイオード)及び抵抗R2(第2抵抗)とが直列接続されたものである。抵抗R2は100Ωである。
【0028】
第1半波整流回路31の入力側と、第2半波整流回路32の入力側との間には、直列接続された抵抗R3(第3抵抗)及びコンデンサC3(第3コンデンサ)とが設けられている。抵抗R3は20kΩである。コンデンサC3は0.1μFである。
【0029】
入力端T1とコンデンサC1との間及び抵抗R3とコンデンサC2との間は、短絡線33により短絡されている。そして、第1半波整流回路31及び第2半波整流回路32へ交流電源が接続される電源接続端S11,S12が設けられている。電源接続端S11,S12には、電源コード(図1参照)が接続される。交流電源としては、100Vから220V、周波数50Hz又は60Hzの交流電源を接続することができるが、この交流電源の電圧に応じたVBOを有するトリガダイオードTDが選択される。
【0030】
以上のように構成された本実施の形態1に係る電子放射装置の動作を図面に基づいて説明する。
電源接続端S11,S12から入力された100Vの交流電圧は、第1半波整流回路31により半波整流され、トリガダイオードTDを介してトランスTrの一次コイルL1の他端側から一端側へ電流が流れる。電流が一次コイルL1の他端側から一端側へ流れることで二次コイルL2には、二次コイルL2の一端を基準とした昇圧された約2000Vの電圧が出力される。
二次コイルL2に高圧の電圧が出力されるが高抵抗の電流制限抵抗Rが設けられているため電流は微弱である。つまり、放射端EBには高電圧が出力された状態で電子が放射される。過度の電流がダイオードDから二次コイルL2へ流れると一次コイルL1側に他端から一端側へ流れる電流が発生する。この電流は保護回路20であるトリガダイオードTDからコンデンサC1へ流れることで、過度の電流から回路全体を保護している。
電源接続端S11,S12から入力された交流電圧の向きが反対となると、第2半波整流回路32により半波整流され、トランスTRの一次コイルL1の一端側から他端側へ電流が流れる。しかし、ダイオードDが電流の流れと逆方向なのでダイオードDにはほとんど電流は流れない。この場合には、放射端EBからの電子の放出量は微小であると思われる。
【0031】
ここで、従来の電子放射装置を図3に基づいて説明する。なお、図3においては、昇圧トランスTRの一次側は省略している。
従来の電子放射装置では、昇圧トランスTRの一次コイルL1と二次コイルL2と一端同士は短絡されておらず、二次コイルL2にはダイオードD及び電流制限抵抗Rが設けられている。そして、ダイオードDと電流制限抵抗Rとの間には、コロナ放電による電子放射を行うための金属板M1,M2が対向した状態で配置されている。この従来の電子放射装置では、金属板M1,M2が対向配置されているので、電子が放出されると共に、オゾンが発生し、周囲に悪影響を及ぼすことが心配される。
【0032】
図2に示す本実施の形態1に係る電子放射装置Xでは、昇圧トランスTRの一次コイルL1と二次コイルL2の一端同士が接続されているので、放射端EBからの放射された電子は、大地アースとの間で流れる。従って、電子放射装置Xは従来の電子放射装置のようにオゾンを大量に発生することがないので、周囲環境へ悪影響を及ぼさない。
【0033】
次に、本実施の形態1に係る電子放射装置Xを用いた浄化方法について、図4に基づいて説明する。
図4に示す浄化槽Tには、汚濁水W1が貯留され、微生物による浄化が行われている。この浄化槽Tに商用電源から受電する電子放射装置Xを設置する。汚濁水の浄化に用いられる電子放射装置Xとしては、放射端EBがバラ線又は撚り線で形成されたものを使用する。放射端EBは、浄化槽T内の汚濁水W1に浸漬する。そして、一方を汚濁水W1に浸漬し、他方を大地へ埋設した大地アース線GNDを配線する。
このように電子放射装置Xを配置して、作動させることで、汚濁水W1内に含まれる大腸菌を殺菌して浄化することができる。
【0034】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る電子放射装置を、図5及び図6に基づいて説明する。なお、図5及び図6においては、図1及び図2と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
【0035】
本実施の形態2に係る電子放射装置Yの装置本体1x内には、バッテリと接続するために交流から直流に変換するインバータ4が設けられている。このインバータ4は、整流回路30に接続されている。このインバータ4に接続される電源接続端S21,S22には、12V又は24Vのバッテリが接続される。インバータ4は100V,50Hzの交流電圧を発生するもので、直流電圧12V用と24V用とを入力電圧に合わせて実装される。このように電子放射装置Yにインバータ4を設けることで商用電源から電源が取れない場合でもバッテリから電源を取ることができる。
【0036】
次に、本実施の形態2に係る電子放射装置Yを用いた船舶の燃費改善方法を図7に基づいて説明する。
漁船にはディーゼルエンジンE1が設けられている。このディーゼルエンジンE1で燃焼する燃料は、燃料タンクFに貯蔵されている。ディーゼルエンジンE1と燃料タンクFとの間には、配管P1,P2によりそれぞれに接続された貯留タンク5が設けられている。電子放射装置Yは、この貯留タンク5に電子放射部3が貫通し、先端の放射端EBが燃料に浸漬するように配置されている。この電子放射装置Yは、放射端EBが燃料に浸漬するので、放射端EBがバラ線又は撚り線で形成されたものを使用する。電子放射装置Yには直流電源としてバッテリBTが接続されている。ディーゼルエンジンE1には、リターン通路として配管P3,P4が設けられている。配管P3は、流路を貯留タンク5か燃料タンクFかのいずれかに切り替える切替バルブVに接続されている。切替バルブVと燃料タンクFとの間は、配管P4により接続されている。
このように電子放射装置Yを配置して作動させることで、燃料に電子が供給されるので燃費を向上させることができる。
【0037】
次に、本実施の形態2に係る電子放射装置Yを用いた乗用車の燃費改善方法を図8に基づいて説明する。
乗用車のエンジン室内には。ガソリンエンジンE2と、発電機(ダイナモ)Gと、バッテリBTとが設けられている。ガソリンエンジンE2の排気ガスは、エキゾーストマニホールドやエキゾーストパイプ、マフラーを介して排出される。発電機Gは、ガソリンエンジンE2の回転駆動がベルト6により伝達して発電する。発電機GにはバッテリBTが接続されている。バッテリBTは、電気出力コード7により発電機Gに接続され、発電機Gが発電することで充電される。電子放射装置Yには、電源としてバッテリBTが接続されている。電子放射装置Yは、放射端EBが発電機Gの近傍であり、かつ放射端EBが発電機Gに向くように設置されている。この電子放射装置Yは、放射端EBが空中に配置されるので、カーボン繊維のブラシで形成されたものを使用する。
このように電子放射装置Yをエンジン室内に設置することで、放射端EBからの電子が発電機Gに向かって放射され、発電機Gの負荷を軽減するので、ガソリンエンジンE2の燃費を改善することができる。
【0038】
次に、本実施の形態2に係る電子放射装置Yを用いた他の乗用車の燃費改善方法を図9に基づいて説明する。なお、図9においては、図8と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
電子放射装置Yは、バッテリBTから電源を取り、放射端EBをマフラーMFの排気管8に貫通させている。
このように電子放射装置Yの放射端EBを排気管8に配置して、放射端EBから電子を放射することで、マフラーMF内部の静電気を低減することができるので、排気ガスの圧力抵抗を小さくすることができる。従って、ガソリンエンジンE2の負荷が軽減するので燃費が改善できると共に、馬力も向上することができる。
【0039】
(実施例1)
実施の形態2に係る電子放射装置Yを作製して、船舶として漁船に図7に示す構成を設置して航行試験を行った。
【0040】
実施例1では、主機として三菱社製のS6R2−MTK3 809kW(1100PS)、補機として三菱社製 FEG−50M 37kW(50PS)のディーゼルエンジンE1を使用した。
主機を900回転/分 補機1800回転/分で24時間運転して、切替バルブVを貯留タンク5側へ切り替え、電子放射装置Yを作動させたときと、切替バルブVを燃料タンクF側へ切り替え、停止したときの使用燃料の違いにより燃費を測定した。
電子放射装置Yを停止したときは燃料であるA重油の消費量が1080リットルであったが、電子放射装置Yを作動させたときは消費量が850リットルであった。つまり、21.9%の燃費が向上した。
【0041】
なお、実施例1では、バッテリを電源にしたため電子放射装置Yを使用したが商用電源と同じ、100V,50Hz/60Hzの電源が取れるのであれば、電子放射装置Xでも使用することが可能である。
また、貯留タンク5は、燃料タンクFからの燃料が流入すると共に、ディーゼルエンジンE1からのリターン通路である配管P3からの燃料も流入するように配管が接続されているが、燃料タンクFからの流入のみでも燃料に電子を放射して改質することができるので、切替バルブVを燃料タンクF側へ切り替えて運転してもよい、
【0042】
(実施例2)
実施の形態2に係る電子放射装置Yを作製して、試験車両として乗用車に、図8に示す構成を設置して走行試験を行った。
試験車両の試験車種、年式、車の形式、エンジン形式、排気量及び走行試験開始地点の走行距離は、トヨタクラウン、平成6年式、E1ZS141型、1JZ型、2400cc、45,395kmである。電子放射装置Yの電源としては車載のバッテリBTを使用した。
電子放射装置Yは、エンジン室内の発電機Gの近傍である約10cm離れた電気出力コード7に、装置本体1xをプラスチックバンドで結び付け、電子放射部3の先端の放射端EBを発電機Gに向けて設置した。走行距離は車のトリップメーターで測定した。ガソリンの消費量は、所定の給油スタンドで走行前に満タン給油を行い、走行後に同様に満タン給油を行ったときの給油量で測定した。
走行試験は、九州自動車道の鹿児島インターから福岡インターの間を平均時速80kmで往復して行った。結果、ガソリン1リットル当たり14,5kmの燃費であった。比較のために同じ車で電子放射装置Yを搭載しない状態で、同一の運転手が同日に同一コースの走行試験を行ったところガソリン1リットル当たり12.1kmの燃費であった。これにより、電子放射装置Yを作動させると約20%の燃費改善効果が得られることがわかった。
【0043】
(実施例3)
実施例3では、実施例2と同様の図8に示す構成で、電子放射装置Yを用いて乗用車の走行試験を行った。
試験車両の試験車種、年式、車の形式、排気量及び走行試験開始地点の走行距離は、日産ノート、平成17年式、DBA−E11型、HR15型、1500cc、101,583kmである。電子放射装置Yの電源としては車載の12VのバッテリBTを使用した。
電子放射装置Yは、エンジン室内の発電機Gの近傍である約10cm離れた電気出力コード7に、装置本体1xをプラスチックバンドで結び付け、電子放射部3の先端の放射端EBを発電機Gに向けて設置した。走行距離は車のトリップメーターで測定した。ガソリンの消費量は、所定の給油スタンドで走行前に満タン給油を行い、走行後に同様に満タン給油を行ったときの給油量で測定した。
走行試験は、佐賀市内から一般道を平均時速50kmで走行し、同一コースを同様に佐賀市内まで帰る方法で行った。結果、ガソリン1リットル当たり18,2kmの燃費であった。比較のために同じ車で電子放射装置Yを搭載しない状態で、同一の運転手が同日に同一コースの走行試験を行ったところガソリン1リットル当たり15.1kmの燃費であった。これにより、電子放射装置Yを作動させると約20%の燃費改善効果が得られることがわかった。
【0044】
(実施例4)
実施の形態1に係る電子放射装置Xを作製して、試験車両として乗用車に設置して走行試験を行った。実施例4では、図8に示す構成と同様であるが、異なる点は、電子放射装置Yが電子放射装置Xである点と、電源がバッテリBTではなく、シガレットソケットに差し込む方式の市販のインバータを用いて100Vの交流電源を得て電子放射装置Xへ供給している点である。試験車両の試験車種、年式、排気量及び走行試験開始地点の走行距離は、BMW、平成18年式、4500cc、9,563kmである。
電子放射装置Xは、エンジン室内の発電機Gから約10cm離れた電気出力コード7に、装置本体1をプラスチックバンドで結び付け、電子放射部3の先端の放射端EBを発電機Gに向けて設置した。走行距離は車のトリップメーターで測定した。ガソリンの消費量は、所定の給油スタンドで走行前に満タン給油を行い、走行後に同様に満タン給油を行ったときの給油量で測定した。
走行試験は、福岡市内の一般道を日常使用と変わらず走行し、燃料メーターがEの位置になった時点で上記満タン給油を行い、電子放射装置Xを作動した場合と、作動しなかった場合と交互に5回繰り返した。結果、電子放射装置Xを作動させたときはガソリン1リットル当たり6,0kmの燃費であった。また、シガレットソケットからインバータを抜いた状態で、電子放射装置Xを作動させなかったときはガソリン1リットル当たり4.5kmの燃費であった。これにより、電子放射装置Xを作動させると約33%の燃費改善効果が得られることがわかった。
【0045】
(実施例5)
本実施例5では、実施例2と同様の図8に示す構成で、電子放射装置Yを用いて乗用車の走行試験を行った。
試験車両の試験車種、年式、車の形式、排気量及び走行試験開始地点の走行距離は、ベンツ、平成8年式、4500cc、56,394kmである。電子放射装置Yの電源としては車載の12Vのバッテリを使用した。
電子放射装置Yは、エンジン室内の発電機Gから約10cm離れた電気出力コード7に、装置本体1xをプラスチックバンドで結び付け、電子放射部3の先端の放射端EBを発電機Gに向けて設置した。走行距離は車のトリップメーターで測定した。ガソリンの消費量は、所定の給油スタンドで走行前に満タン給油を行い、走行後に同様に満タン給油を行ったときの給油量で測定した。
走行試験は、東名高速道の名古屋から東京の間を平均時速100kmで往復して行ったところ、電子放射装置Yを作動した場合には、ガソリン1リットル当たり11,0kmの燃費であった。また、比較のために同じ車で電子放射装置Yを搭載しない状態で、同一の運転手が同日に同一コースの走行試験を行ったところガソリン1リットル当たり8.5kmの燃費であった。これにより、電子放射装置Yを作動させると約29%の燃費改善効果が得られることがわかった。
【0046】
(実施例6)
実施例6では、図8に示す構成で、電子放射装置Yを用いて乗用車の走行試験を行った。実施例6の走行試験は、図8に示す構成において、エンジンがガソリンエンジンE2ではなくディーゼルエンジンであること以外は同じである。
試験車両の試験車種、年式、車の形式、エンジンの型式、排気量及び走行試験開始地点の走行距離は、トヨタハイエースバン、平成19年式、KR−KDH225K型、2KD型(コモンレール式ディーゼルエンジン)、2490cc、7,695kmである。電子放射装置Yの電源としては車載の12Vのバッテリを使用した。
電子放射装置Yは、エンジン室内の発電機Gから約15cm離れた電気出力コード7に、装置本体1xをプラスチックバンドで結び付け、電子放射部3の先端の放射端EBを発電機Gに向けて設置した。走行距離は車のトリップメーターで測定した。軽油の諸費量は、特許文献2に記載されたリターン燃料が燃料タンクに行かず燃料噴射ポンプの入口に直接循環する回路を設け、燃料タンクから来る燃料配管の途中に積算流量計(NITTOSEIKO社製、RE10LF型)を設け、その積算流量を測定した。
走行試験は、九州自動車道の植木インターから福岡インターの間を平均時速80kmで往復して行った。結果、軽油1リットル当たり16,4kmの燃費であった。比較のために同じ車で電子放射装置Yを搭載しない状態で、同一の運転手が同日に同一コースの走行試験を行ったところ軽油1リットル当たり13.9kmの燃費であった。これにより、電子放射装置Yを作動させると約18%の燃費改善効果が得られることがわかった。
【0047】
(実施例7)
本実施例7では、実施例6と同様の構成で、電子放射装置Yを用いて走行試験を行った。
試験車両の試験車種、年式、車の形式、エンジンの型式、排気量及び走行試験開始地点の走行距離は、トヨタタウンエースワゴン、平成10年式、KB−CR41V型、2C型(レギュラー式ディーゼルエンジン)、4500cc、62,395kmである。電子放射装置Yの電源としては車載の12Vのバッテリを使用した。
電子放射装置Yの設置は、エンジン室内の発電機Gから約10cm離れた電気出力コード7に、装置本体1xをプラスチックバンドで結び付け、電子放射部3の先端の放射端EBを発電機Gに向けて設置した。走行距離は車のトリップメーターで測定した。軽油の消費量は、実施例6と同様に積算流量計により測定した。走行試験は、実施例6と同じ条件、同じコースで行った。結果、軽油1リットル当たり18,2kmの燃費であった。比較のために同じ車で電子放射装置Yを搭載しない状態で、同一の運転手が同日に同一コースの走行試験を行ったところ軽油1リットル当たり14.7kmの燃費であった。これにより、電子放射装置Yを作動させると約24%の燃費改善効果が得られることがわかった。
【0048】
(実施例8)
実施例8として、電子放射装置Yを用いて船舶による航行試験を行った。実施例8の航行試験での構成は、発電機に電子放射装置Yを設ける点において、図8と同様である。
試験船の総トン数、エンジン形式、排気量は、9.7トン、コマツディーゼル6H132A型(レギュラー式ディーゼル)、20,000ccである。電子放射装置Yの電源としては搭載の12Vのバッテリを使用した。
電子放射装置Yの設置は、エンジン室内の発電機Gから約10cm離れた電気出力コード7に、装置本体1xをプラスチックバンドで結び付け、電子放射部3の先端の放射端EBを発電機Gに向けて設置した。また、操舵室内にスイッチを設けて電子放射装置Yの作動のON/OFFができるようにした。燃料消費量は、燃料タンク(ドラム缶)内の燃料を全て抜き取って残燃料の重量を測定する方法で行った。航走試験は、時速40kmで1時間航走して燃料消費量を測定する試験を、電子放射装置Yを作動させたときと、停止したときの交互に3回ずつ繰り返して行った。その結果、平均燃料消費量の比は1.21となり、約21%の燃費改善効果が得られた。
【0049】
(実施例9)
実施例9として電子放射装置Yを用いて航空機による飛行試験を行った。航空機の機種、航空機型式、エンジン形式、エンジン出力は、パイパー単発機、PA28−140、レシプロエンジン、140馬力である。電子放射装置Yの電源としては搭載の12Vのバッテリを使用した。
電子放射装置Yの設置は、エンジン室内の発電機から約10cm離れた電気出力コードに、装置本体1xをプラスチックバンドで結び付け、電子放射部3の先端の放射端EBを発電機Gに向けて設置した。また、操縦室内にスイッチを設けて電子放射装置Yの作動のON/OFFができるようにした。
飛行試験では、巡航水平飛行時にエンジン回転数を1分間に2500回転に保ち、燃料メーターのメモリが1目盛下がるのに要する時間を測定した。結果、電子放射装置Yを作動させたときと停止したときの時間の比は1.12となり、約12%の燃費改善効果が得られた。
【0050】
(実施例10)
実施例10として電子放射装置Xを用いてディーゼルエンジン駆動発電機の運転試験を行った。発電機の機種、発電機型式、エンジン形式、排気量及び発電機の最大出力は、デンヨーDB−4401型、小松製作所SA6D140A型、12,540cc、99.5kWである。この発電機は単相220V(221V)を発電するので、電子放射装置Xの電源は発電機の出力から得た。
電子放射装置Xの設置は、発電機から約10cm離れた電気出力コードに、装置本体1xをプラスチックバンドで結び付け、電子放射部3の先端の放射端EBを発電機に向けて設置した。
発電機の運転試験では、1つの機械製造工場全体の昼間の1時間の電力を、この発電機だけで電力供給する方法で実施した。軽油の燃費は、発電機に装備された燃費計で測定したところ、電子放射装置Xを作動させた場合には軽油1リットル当たり4.34kWの燃費であった。電子放射装置Xを作動させなかった場合には軽油1リットル当たり3.6kW5であったため、約19%の燃費改善効果が得られた。
【0051】
(実施例11)
実施例11では、食品工場における汚濁水の浄化試験を行った。試験方法について図4に示す構成で行った。
本実施例12では、食品工場から排水される汚濁水を、電子放射装置Xを動作させる前の状態と、2日間動作させた後の状態とで計量検査を行った。なお、浄化槽Tには、350キロリットル/日の汚濁水が食品工場から排水される。
表1及び図10,図11に示すように、電子放射装置Xを2日間動作させることで、大腸菌群数が3100個/m3から3.9個/m3に減少していることがわかる。微生物では、大腸菌群数はここまで減少させるには多大な時間を要するが、電子放射装置Xを作動させることで、2日間で減少させることができる。従って、電子放射装置Xは、殺菌効果があり、汚濁水を短時間に浄化することができる。
【0052】
【表1】
【0053】
(実施例12)
実施例12では、小川から汲み上げた水を電子放射装置Xを用いて浄化試験を行った。試験方法について図12に基づいて説明する。
試験方法は、図12(A)〜同図(C)に示すように汲み上げた水W2を容器9へ貯留し、図12(A)に示すように放射端EBを汲み上げた水W2の中に浸漬した方法a場合と、図12(B)に示すように放射端EBを汲み上げた水W2の上方に位置させた方法bの場合と、図12(C)に示すように放射端EBを汲み上げた水W2の中に浸漬し、水に大地アース線GNDを浸漬させて接地した方法cの場合との三通りで大腸菌群数の測定を行った。また、比較のために小川から汲み上げた水W2の大腸菌群数の測定も行った。
【0054】
【表2】
表2からもわかるように、図12(C)に示す方法cでは、当初含まれていた大腸菌群数7900が、2まで劇的に減少した。これは放射端EBから放射される電子によって大腸菌が殺菌されたことを示している。しかし、大地アース線GNDを配線しない方法aでは、反対に大腸菌の増殖が見られる。この理由は不明であるが、電子が水中に大量に滞留することが大腸菌に対して増殖環境を提供していることは明らかである。水中における電子の流れが大腸菌を殺菌することから、電子放射装置Xが殺菌装置として機能していることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、電子を放射することで燃費を改善したり、水を殺菌して浄化したりすることができるので、運送業者や汚水を排水する工場だけでなく、各家庭での使用も可能である。
【符号の説明】
【0056】
X,Y 電子放射装置
1,1x 装置本体
10 放射回路
TR 昇圧トランス
L1 一次コイル
L2 二次コイル
D ダイオード
A アノード
K カソード
EB 放射端
R 電流制限抵抗
T1,T2 入力端
20 保護回路
TD トリガダイオード
C1 コンデンサ
30 整流回路
31 第1半波整流回路
32 第2半波整流回路
33 短絡線
D1,D2 ダイオード
C2,C3 コンデンサ
R1,R2,R3 抵抗
2 電源コード
3 電子放射部
4 インバータ
S11,S12 電源接続端
S21,S22 電源接続端
5 貯留タンク
T 浄化槽
E1 ディーゼルエンジン
F 燃料タンク
V 切替バルブ
P1,P2,P3,P4 配管
E2 ガソリンエンジン
MF マフラー
BT バッテリ
G 発電機
6 ベルト
7 電気出力コード
8 排気管
9 容器
GND 大地アース線
W1 汚濁水
W2 汲み上げた水
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次コイルと二次コイルの一端同士が接続された昇圧トランスと、
前記二次コイルの他端にカソードが接続されたダイオードと、
前記ダイオードのアノードに接続された電流制限抵抗と、
前記電流制限抵抗に接続され、被放射体に電子を放出する放射端と、
前記昇圧トランスの一次コイルの一端と他端とに設けられた入力交流の入力端とを備えた放射回路を有することを特徴とする電子放射装置。
【請求項2】
前記昇圧トランスの一次コイルの他端に接続されたトリガダイオードと、
前記トリガダイオードの入力側と前記昇圧トランスの一次コイルの一端とに並列接続された第1コンデンサとを備えた保護回路が、前記放射回路に接続されている請求項1記載の電子放射装置。
【請求項3】
前記トリガダイオードの入力側に接続され、第1ダイオード、第2コンデンサ及び第1抵抗が並列接続された第1半波整流回路と、
前記昇圧トランスの一端に接続され、第2ダイオード及び第2抵抗が直列接続された第2半波整流回路と、
前記第1半波整流回路の入力側から前記第2半波整流回路の入力側への間に直列接続された第3抵抗及び第3コンデンサと、
前記前記第1半波整流回路の出力側及び前記第3抵抗と第3コンデンサとの間を接続する短絡線と、
前記第1半波整流回路及び第2半波整流回路へ交流電源を接続する電源接続端とを備えた整流回路が、前記保護回路に接続されている請求項2記載の電子放出回路。
【請求項4】
前記整流回路には、直流を交流へ変換するインバータが接続されている請求項3記載の電子放射装置。
【請求項5】
前記請求項1から請求項4のいずれかの項に記載の電子放射装置の放射端を、燃料タンクからディーゼルエンジンへ供給する経路に設けられた貯留タンク内の燃料に浸漬して、前記放射端から電子を燃料に供給することを特徴とする燃費改善方法。
【請求項6】
前記請求項1から請求項4のいずれかの項に記載の電子放射装置の放射端を、エンジンからの排気ガスを排出する排気管内に配置し、前記放射端から電子を放出させて排気ガスを浄化することを特徴とする燃費改善方法。
【請求項7】
前記請求項1から請求項4のいずれかの項に記載の電子放射装置の放射端を、エンジンからの駆動により発電する発電機の近傍に配置し、前記放射端から電子を放出させて前記発電機の回転負荷を軽減することを特徴とする燃費改善方法。
【請求項8】
前記請求項1から請求項4のいずれかの項に記載の電子放射装置の放射端を、汚濁水が貯留された浄化槽に浸漬し、前記浄化槽に一端を浸漬すると共に他端をアースとするアース線を接続して、前記放射端から電子を放出させて汚濁水を浄化することを特徴とする汚濁水の浄化方法。
【請求項1】
一次コイルと二次コイルの一端同士が接続された昇圧トランスと、
前記二次コイルの他端にカソードが接続されたダイオードと、
前記ダイオードのアノードに接続された電流制限抵抗と、
前記電流制限抵抗に接続され、被放射体に電子を放出する放射端と、
前記昇圧トランスの一次コイルの一端と他端とに設けられた入力交流の入力端とを備えた放射回路を有することを特徴とする電子放射装置。
【請求項2】
前記昇圧トランスの一次コイルの他端に接続されたトリガダイオードと、
前記トリガダイオードの入力側と前記昇圧トランスの一次コイルの一端とに並列接続された第1コンデンサとを備えた保護回路が、前記放射回路に接続されている請求項1記載の電子放射装置。
【請求項3】
前記トリガダイオードの入力側に接続され、第1ダイオード、第2コンデンサ及び第1抵抗が並列接続された第1半波整流回路と、
前記昇圧トランスの一端に接続され、第2ダイオード及び第2抵抗が直列接続された第2半波整流回路と、
前記第1半波整流回路の入力側から前記第2半波整流回路の入力側への間に直列接続された第3抵抗及び第3コンデンサと、
前記前記第1半波整流回路の出力側及び前記第3抵抗と第3コンデンサとの間を接続する短絡線と、
前記第1半波整流回路及び第2半波整流回路へ交流電源を接続する電源接続端とを備えた整流回路が、前記保護回路に接続されている請求項2記載の電子放出回路。
【請求項4】
前記整流回路には、直流を交流へ変換するインバータが接続されている請求項3記載の電子放射装置。
【請求項5】
前記請求項1から請求項4のいずれかの項に記載の電子放射装置の放射端を、燃料タンクからディーゼルエンジンへ供給する経路に設けられた貯留タンク内の燃料に浸漬して、前記放射端から電子を燃料に供給することを特徴とする燃費改善方法。
【請求項6】
前記請求項1から請求項4のいずれかの項に記載の電子放射装置の放射端を、エンジンからの排気ガスを排出する排気管内に配置し、前記放射端から電子を放出させて排気ガスを浄化することを特徴とする燃費改善方法。
【請求項7】
前記請求項1から請求項4のいずれかの項に記載の電子放射装置の放射端を、エンジンからの駆動により発電する発電機の近傍に配置し、前記放射端から電子を放出させて前記発電機の回転負荷を軽減することを特徴とする燃費改善方法。
【請求項8】
前記請求項1から請求項4のいずれかの項に記載の電子放射装置の放射端を、汚濁水が貯留された浄化槽に浸漬し、前記浄化槽に一端を浸漬すると共に他端をアースとするアース線を接続して、前記放射端から電子を放出させて汚濁水を浄化することを特徴とする汚濁水の浄化方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−247200(P2009−247200A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−56935(P2009−56935)
【出願日】平成21年3月10日(2009.3.10)
【出願人】(507396703)株式会社日本エネルギー研究所 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月10日(2009.3.10)
【出願人】(507396703)株式会社日本エネルギー研究所 (2)
【Fターム(参考)】
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