説明

電子書籍表示装置

【課題】 電子書籍の地理的なしおり機能、また同じ地域の情報に関する電子書籍の関連性を提供する。
【解決手段】 電子書籍表示装置100は、電子書籍を特定する書籍特定情報並びにその電子書籍に記述されたテキスト情報の中で地理的な位置を表現するテキスト列およびそのテキスト列が記述された記述位置を抽出する地理情報抽出部110と、抽出したテキスト列が表現している地理的な位置を緯度、経度情報に変換するジオコーディング部120と、得られた緯度、経度およびその元となったテキスト列、そのテキスト列が記述された記述位置を書籍特定情報と関連付けし、相互に検索可能に記憶する検索データ記憶部130と、緯度、経度あるいは地域または地名もしくは電子書籍名称の1または2以上をキーワードとして検索データ記憶部130を検索し、そのキーワードに関連する電子書籍を抽出して表示する検索結果表示部140とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子書籍に記述されたテキスト情報を地図情報と関連させて表示する電子書籍表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子書籍を表示する電子書籍表示装置が広く利用されている。このような電子書籍表示装置100としての電子デバイスの表示画面の大きさは統一されておらず、かつ、単一のユーザが同一電子書籍を異なる電子デバイスで表示、購読することが一般的である。このようなとき、単に電子デバイスの表示画面の変化数をページ数として記憶している方式では、そのページ数を他の電子デバイスを利用した際のしおり情報として利用することができない。そこで、電子書籍の任意の位置に、どの電子デバイスからも読み取ることが可能なインデックスを設定する技術が開発されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
また、ネット上に散在する無数のテキストデータを検索し、そのテキストデータ中に存在する地名を特定し、その地名の緯度、経度を決定すると共に地名の広さなどから前記テキストデータのスニペットを生成する検索エンジンが知られている(例えば、特許文献2を参照。)。これにより、特定の町に関する情報を得ようとしたユーザは、その町を含む市やその町を構成する字の情報について記述された前記テキストデータをも入手することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−515174号公報
【特許文献2】特開2009−134464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の何れの技術も、電子書籍に記述されたテキスト情報の中で地理的な位置を表現するテキスト列およびそのテキスト列が記述された記述位置を関連付けるものではない。従って、地理的な文字列をキーとして電子書籍の特定のページを参照する、いわゆる地理的なしおり機能を発揮するものではない。また、地理的な文字列をキーとして同一地域の情報が記述された電子書籍を推薦することもできない。
【0006】
本発明は、電子書籍に記述されたテキスト情報の中で地理的な位置を表現するテキスト列およびそのテキスト列が記述された記述位置などを電子書籍と関連付けした検索データを提供することで、電子書籍の地理的なしおり機能、また同じ地域の情報に関する電子書籍の関連性を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の電子書籍表示装置は、電子書籍を読み込み、当該電子書籍を特定する書籍特定情報並びにその書籍に記述されたテキスト情報の中で地理的な位置を表現するテキスト列およびそのテキスト列が記述された記述位置を抽出する地理情報抽出手段と、該地理情報抽出手段の抽出したテキスト列が表現している前記地理的な位置を緯度、経度情報に変換する座標決定手段と、該座標決定手段により得られた緯度、経度およびその元となったテキスト列、そのテキスト列が記述された記述位置を前記書籍特定情報と関連付けし、相互に検索可能に記憶する検索データ記憶手段と、緯度、経度あるいは地域または地名もしくは書籍名の1または2以上をキーワードとして前記検索データ記憶手段を検索し、そのキーワードに関連する電子書籍を検索し、その検索結果を表示する検索結果表示手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0008】
なお、上述した特徴は、本発明の特徴のすべてを列挙したものではなく、これらを要部とする構成(または方法)もまた発明となり得る。
【発明の効果】
【0009】
本発明の電子書籍表示装置は、緯度、経度およびその元となったテキスト列、そのテキスト列が記述された記述位置を前記書籍特定情報と関連付けして相互に検索可能に記憶しておいて、緯度、経度あるいは地域または地名もしくは書籍名の1または2以上をキーワードとして関連する電子書籍を検索してその検索結果を表示するようにしたことから、地理的なしおり機能を持つことになるので、地理的な文字列をキーとして電子書籍の特定の頁を参照して表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態の電子書籍表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の電子書籍表示装置に利用される検索データのデータ構造を示す図である。
【図3】本実施形態の電子書籍表示装置の検索データを生成する処理のフローチャートである。
【図4】本実施形態の電子書籍表示装置の検索結果を表示する処理のフローチャートである。
【図5】本実施形態の電子書籍表示装置の検索結果を表示する処理のフローチャートである。
【図6】本実施形態の電子書籍を表示する一例を示す図である。
【図7】本実施形態の電子書籍を表示する一例を示す図である。
【図8】本実施形態の電子書籍を表示する一例を示す図である。
【図9】本実施形態の電子書籍を表示する一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を具体化した実施形態を説明する。
【0012】
図1に示すように、本実施形態の電子書籍表示装置100は、コンピュータプログラムや処理条件等が予め記憶されているROMやRAM等の内部記憶装置、およびこのコンピュータプログラムを実行するCPU、実行結果を出力するディスプレイ等からなるコンピュータである。電子書籍表示装置100は、地理情報抽出部110、ジオコーディング部120、検索データ記憶部130、検索結果表示部140、地図表示部150、地域特定部170、テキスト特定部180および現在位置検出部190を備えている。
【0013】
地理情報抽出部110は、電子書籍記憶装置210に記憶されている電子書籍データを読み込み、書籍特定情報並びにその電子書籍に記述されたテキスト情報の中で地理的な位置を表現するテキスト列およびそのテキスト列が記述された記述位置を抽出する。書籍特定情報は電子書籍を特定する情報であり、例えば、電子書籍名称や電子書籍ID等である。テキスト情報の中で地理的な位置を表現するテキスト列は地名として用いられている用語であり、例えば、行政区域の名称、山、川または湖沼等の地物の名称、ランドマークとなる施設または景勝地の名称、橋やトンネル等の道路関連施設の名称および史跡の名称等である。テキスト列が記述された記述位置は、例えば、元の紙書籍に対応する頁番号、テキスト列が記述されている位置までの文字数等により表現する。
【0014】
電子書籍記憶装置210は、電子書籍表示装置100に接続された外部記憶装置であり、多数の電子書籍データが記憶されている。
【0015】
ジオコーディング部120は、地理情報抽出部110が抽出したテキスト列が表現している地理的な位置を緯度、経度情報に変換する。ジオコーディング部120は、地名について古い年代の地名と現在の地名とを対応させたデータを集めた年代地名辞書を参照する。そしてジオコーディング部120は、地理情報抽出部110が抽出したテキスト列が古い年代の地名である場合にはそのテキスト列を現在の地名に変換するとともに、変換した現在の地名が表現している地理的な位置を緯度、経度情報に変換する。
【0016】
辞書記憶装置230は、電子書籍表示装置100に接続された外部記憶装置であり、年代地名辞書および形状地名辞書等を記憶している。年代地名辞書は、地名について古い年代の地名と現在の地名とを対応させたデータを集めたデータベースであり、例えば、古い年代に▽○藩の領土とされていた地名について現在の地名の○◇県が対応している。形状地名辞書は、地名についてその地名の形状を表現する形状情報を対応させたデータを集めたデータベースであり、例えば、行政区域や湖沼について、点、曲線あるいは平面の形状を表現する形状情報として記憶している。また、古い年代の地名の形状情報も含まれており、例えば、前述した▽○藩の領土についてそのエリアを示す平面の形状を表現する形状情報が対応している。ジオコーディング部120は、地名を用いて任意の点、曲線あるいは平面を表現する情報をさらに関連付けて記憶することもできる。
【0017】
検索データ記憶部130は、ジオコーディング部120により得られた緯度、経度およびその元となったテキスト列、そのテキスト列が記述された記述位置を書籍特定情報と関連付けしてこれらをキーワードとして相互に検索可能にした検索データを記憶する。
【0018】
検索データは、図2に示すように、電子書籍名称としての書籍名、地名、現在地名、頁番号、緯度、経路および形状情報を含んでいる。なお、検索データは図2には示していないが電子書籍IDも含まれており、同じ名称の電子書籍が複数存在したとしても検索する際にそれぞれを特定することが可能となっている。
【0019】
検索結果表示部140は、緯度、経度あるいは地域または地名もしくは書籍名の1または2以上をキーワードとして検索データ記憶部130を検索し、そのキーワードに関連する電子書籍を抽出して表示装置160に表示する。表示装置160は、液晶ディスプレイ等であって画像表示面に画像を表示するデバイスである。
【0020】
本発明の電子書籍表示装置100によれば、緯度、経度およびその元となったテキスト列、そのテキスト列が記述された記述位置を前記書籍特定情報と関連付けして相互に検索可能に記憶しておいて、緯度、経度あるいは地域または地名もしくは書籍名の1または2以上をキーワードとして関連する電子書籍を検索してその検索結果を表示するようにしたことから、地理的なしおり機能を持つことになるので、地理的な文字列をキーとして電子書籍の特定の頁を参照して表示することが可能となる。
【0021】
地図表示部150は、地図情報記憶装置220に記憶されている地図情報を読み込み、表示装置160に地図を表示する。
【0022】
地図情報記憶装置220は、電子書籍表示装置100に接続された外部記憶装置である。地図情報記憶装置220に記憶されている地図情報は、緯度、経度を特定することが可能なデータ構造を有している。
【0023】
地域特定部170は、地図表示部150が表示している地図を用いて地域を特定し、特定した地域を地図表示部150に出力する。本実施形態の電子書籍表示装置100は、表示装置160の表面がタッチパネルの機能を有しており、ユーザの指定、例えば、拡大、縮小またはスクロール等の地図操作により、表示したい地図のエリア、縮尺等を指定することができる。地域が入力された地図表示部150は、地域に関連する地図を表示装置160に表示するとともに、地域に関連する緯度、経度のデータを検索結果表示部140へ出力する。
【0024】
検索結果表示部140は、地域特定部170により特定された地域に関連する緯度、経度のデータに基づいて検索データ記憶部130を検索し、地理的な位置が地域特定部170により特定された地域に関連するテキスト列およびそのテキスト列が記述された電子書籍を抽出して表示装置160に表示する。
【0025】
本発明の電子書籍表示装置100によれば、地図から地域を特定し、地域に関連する電子書籍を案内することになるので、偶然に目を引いた地名に関連する電子書籍を即座に閲覧することが可能となり、利便性がよい。
【0026】
また、検索結果表示部140は、このとき抽出したテキスト列に関する緯度、経度のデータを抽出してテキスト列とともに地図表示部150に出力する。そして、テキスト列、これに関連する緯度、経度のデータが入力された地図表示部150は、地図上の対応する位置にテキスト列を表示する。
【0027】
現在位置検出部190は、GPS衛星からの電波に基づいて現在位置を検出するGPS受信器であり、検出した現在位置のデータを地図表示部150に出力する。本発明の電子書籍表示装置100は、起動した直後は、現在位置が中心となる所定の縮尺の地図が表示される。
【0028】
テキスト特定部180は、検索結果表示部140が表示した電子書籍に含まれるテキスト列または電子書籍名称を特定する。テキスト特定部180は、表示装置160のタッチパネルを用いてユーザの指定により表示されているテキスト列または電子書籍名称のいずれかを特定し、特定したテキスト列または電子書籍名称を検索結果表示部140に出力する。
【0029】
検索結果表示部140は、テキスト列を入力した場合は、テキスト特定部180が特定したテキスト列をキーワードとして検索データ記憶部130を検索し、そのテキスト列に関連する電子書籍を抽出して表示装置160に表示する。
【0030】
本発明の電子書籍表示装置100によれば、特定の電子書籍を読み込み、しかる後に読み込んだ電子書籍に関連する他の電子書籍を案内することができるので、関連する電子書籍の検索にあたり別途検索装置を用意する必要がなくなるので、この点においても利便性がよい。なお、他の電子書籍とは、すでに検索結果表示部140が表示装置160に表示している電子書籍とは異なる電子書籍である。
【0031】
また、検索結果表示部140は、電子書籍名称を入力した場合は、テキスト特定部180が特定した電子書籍名称をキーワードとして検索データ記憶部130を検索し、その電子書籍名称に関連する電子書籍であって、先にその電子書籍名称と対応して表示されていたテキスト列が記述されている頁とその頁番号を抽出して表示装置160に表示する。
【0032】
次に、本実施形態の電子書籍表示装置100の処理について説明する。本実施形態の電子書籍表示装置100は、概略的には、一連の処理が2つ組み込まれている。1つは電子書籍の検索を可能にする検索データを生成する検索データ生成処理であり、もう1つは地図および検索データを利用して電子書籍を案内する電子書籍案内処理である。
【0033】
<検索データ生成処理>
まず、本実施形態の電子書籍表示装置100が、電子書籍を案内するための検索データを予め生成して記憶する処理について図3を用いて詳細に説明する。
【0034】
最初に、電子書籍表示装置100は、地理情報抽出部110により、電子書籍記憶装置210に記憶されている電子書籍を読み込み、書籍特定情報並びにその電子書籍に記述されたテキスト情報の中で地理的な位置を表現するテキスト列およびそのテキスト列が記述された記述位置を抽出する処理を実行する(ステップS301)。地理情報抽出部110が抽出したテキスト列が古い年代の地名である場合には、地名について古い年代の地名と現在の地名とを対応させたデータを集めた年代地名辞書を参照し、そのテキスト列を現在の地名に変換し、変換した現在の地名が表現している地理的な位置を緯度、経度情報に変換する。
【0035】
ステップS301が終了すると、電子書籍表示装置100は、ジオコーディング部120により、地理情報抽出部110が抽出したテキスト列が表現している地理的な位置を緯度、経度情報に変換する処理を実行する(ステップS302)。
【0036】
ステップS302が終了すると、電子書籍表示装置100は、検索データ記憶部130により、ジオコーディング部120により得られた緯度、経度およびその元となったテキスト列、そのテキスト列が記述された記述位置を書籍特定情報と関連付けしてこれらをキーワードとして相互に検索可能にした検索データを生成して記憶する処理を実行する(ステップS303)。生成された検索データは、書籍A、書籍B・・・について、地理情報抽出部110が抽出した地名ごとに、現在地名、頁番号、緯度、経度および形状情報が関連付けされている。形状情報は、辞書記憶装置230に記憶されている形状地名辞書の形状地名IDを採用している。これにより、検索結果表示部140は、検索データ記憶部130から抽出した地名の形状情報の詳細について形状地名辞書を参照することができる。電子書籍表示装置100は、電子書籍記憶装置210に記憶されている全ての電子書籍について上述した一連の処理を実行し、以下に説明する電子書籍案内処理を実行するための検索データを予め蓄えておく。
【0037】
<電子書籍案内処理>
次に、本実施形態の電子書籍表示装置100が、地図および検索データを利用して電子書籍を案内する処理について図4および図5を用いて詳細に説明する。
【0038】
電子書籍表示装置100が起動された場合、電子書籍表示装置100は、現在位置検出部190により、GPS衛星からの電波に基づいて現在位置を検出するとともに、検出した現在位置のデータを地図表示部150に出力する処理を実行する(ステップS501)。
【0039】
ステップS501が終了すると、電子書籍表示装置100は、地図表示部150により、地図情報記憶装置220に記憶されている地図情報を読み込み、デフォルトの縮尺として予め設定されている縮尺で、現在位置が中心となる現在位置周辺の地域の地図を表示装置160に表示するとともに、この地域に関連する緯度、経度のデータを検索結果表示部140へ出力する処理を実行する(ステップS502)。
【0040】
ステップS502が終了すると、電子書籍表示装置100は、検索結果表示部140により、地図表示部150が出力した地域に関連する緯度、経度のデータのうち最新のデータ、地名としてのテキスト列または電子書籍名称をキーワードとして検索データ記憶部130を検索する処理を実行する。また、電子書籍表示装置100は、検索結果表示部140により、検索の結果抽出されたテキスト列、そのテキスト列が記述された電子書籍の頁およびその頁番号、電子書籍名称等を抽出して表示装置160に表示する処理を実行する。また、電子書籍表示装置100は、検索結果表示部140により、このとき抽出したテキスト列に関する緯度、経度のデータおよび形状情報を抽出してテキスト列とともに地図表示部150に出力する処理を実行する(ステップS503)。
【0041】
本実施形態の一例としての表示装置160に表示される画像の例を図6〜9に示す。電子書籍表示装置100を起動した直後は、図6に示すように、先の処理にて表示される地図610が画像の左寄りに表示されており、地図の右側にテキスト列のリスト620が表示される。また、検索結果表示部140によって、各テキスト列にはそのテキスト列が記述されている電子書籍の電子書籍名称のリスト621,622,623が表示される。
【0042】
ステップS503が終了すると、電子書籍表示装置100は、地図表示部150により、検索結果表示部140から入力されたテキスト列を、これに関連する緯度、経度のデータに基づいて地図上の対応する位置に表示する処理を実行する(ステップS504)。本実施形態の一例では、図6に示すように、テキスト列のリスト620に示されている「○△城」、「△□塚」、「□○園」等のテキスト列の文字画像が、それらのテキスト列が対応する地図610上の位置に地図表示部によって表示される。
【0043】
また、本実施形態の一例では、テキスト列のリスト620に示す文字画像と、地図610上に示す文字画像の表示色を統一することにより、それぞれの文字画像同士の対応を見やすくしている。また、本実施形態の一例では、図6〜9に示す文字画像のうちアンダーラインが付されているものは、ユーザが行なう表示装置160のタッチパネルの操作により指定することが可能となっている。
【0044】
ステップS504が終了すると、電子書籍表示装置100は、ユーザの指定を待機しつつ、地域特定部170により、ユーザが行なう表示装置160のタッチパネルの操作を検出して地図の地域、縮尺等の変更が指示されたか否かを判定する処理を実行する(ステップS505)。電子書籍表示装置100は、ステップS505において、地図の地域、縮尺等の変更が指示されていないと判定した場合は(ステップS505:No)、ステップS507に移行する。
【0045】
電子書籍表示装置100は、ステップS505において、地図の地域、縮尺等の変更が指示されたと判定した場合は(ステップS505:Yes)、地域特定部170により、特定されている地域を地図表示部150に出力する処理を実行する。そして、電子書籍表示装置100は、今回の処理で入力された地域に関連する緯度、経度のデータを検索結果表示部140へ出力する処理を実行する(ステップS506)。ステップS506が終了すると、地図表示部150は、地域に関連する地図を表示装置160に表示する(ステップS502)。
【0046】
一方、電子書籍表示装置100は、ステップS505において、地図の地域、縮尺等の変更が指示されていないと判定した場合は(ステップS505:No)、ユーザの指定を待機しつつ、検索結果表示部140により、ユーザが行なう表示装置160のタッチパネルの操作を検出して電子書籍名称が指定されたか否かを判定する処理を実行する(ステップS507)。電子書籍表示装置100は、ステップS507において、電子書籍名称が指定されていないと判定した場合は(ステップS507:No)、ステップS509に移行する。
【0047】
電子書籍表示装置100は、ステップS507において、ユーザの指定により電子書籍名称が指定されたと判定した場合は(ステップS507:Yes)、テキスト特定部180により、電子書籍名称とその電子書籍名称と対応して表示されていたテキスト列を検索結果表示部140に出力する処理を実行する(ステップS508)。
【0048】
ステップS508が終了すると、検索結果表示部140は、テキスト特定部180が特定した電子書籍名称とその電子書籍名称と対応して表示されていたテキスト列をキーワードとして検索データ記憶部130を検索するとともに、その電子書籍名称に関連する電子書籍であって、先にその電子書籍名称と対応して表示されていたテキスト列が記述されている頁とその頁番号を抽出して表示装置160に表示する処理を実行する(ステップS503)。また、ステップS503において、電子書籍表示装置100は、検索結果表示部140により、テキスト特定部180が出力したテキスト列に関する緯度、経度のデータを検索データ記憶部130から抽出してテキスト列とともに地図表示部150に出力する処理を実行する。
【0049】
本実施形態の一例では、図6に表示されているテキスト列「○△城」についての記述がある「書籍A」が指定された場合、図7に示すように、それまで表示されていたテキスト列のリスト620の表示エリアが電子書籍詳細画像630に切り替わり、指定された電子書籍名称「書籍A」、それまで電子書籍名称と対応して表示されていたテキスト列「○△城」およびテキスト列が記述されている頁の頁番号「P11」が表示される。なお、本実施形態の一例では、特定した電子書籍名称と対応して表示されていたテキスト列は先に表示されているので、検索結果表示部140が地図表示部150に出力したテキスト列に関連する緯度、経度のデータのうち最新のデータは直前のデータと同じであるため、地図610の表示形態が変更されることはない。
【0050】
電子書籍表示装置100は、ステップS507において、電子書籍名称が指定されていないと判定した場合は(ステップS507:No)、ユーザの指定を待機しつつ、検索結果表示部140により、ユーザが行なう表示装置160のタッチパネルの操作を検出してテキスト列が指定されたか否かを判定する処理を実行する(ステップS509)。電子書籍表示装置100は、ステップS509において、テキスト列が指定されていないと判定した場合は(ステップS509:No)、ステップS505の処理に戻り、ユーザの指定を待機する。
【0051】
電子書籍表示装置100は、ステップS509において、テキスト列が指定されたと判定した場合は(ステップS509:Yes)、テキスト特定部180により、指定したテキスト列を検索結果表示部140に出力する処理を実行する(ステップS510)。
【0052】
ステップS510が終了すると、電子書籍表示装置100は、ステップS503の処理に戻り、検索結果表示部140により、テキスト特定部180が特定したテキスト列をキーワードとして検索データ記憶部130を検索し、そのテキスト列が記述されている電子書籍の電子書籍名称を抽出して表示装置160に表示する処理を実行する。また、ステップS503において、電子書籍表示装置100は、検索結果表示部140により、テキスト特定部180が出力したテキスト列に関する緯度、経度のデータを検索データ記憶部130から抽出してテキスト列とともに地図表示部150に出力する処理を実行する。
【0053】
本実施形態の一例では、図7に表示されているテキスト列「◇▽寺」が指定された場合、図8に示すように、それまで表示されていた電子書籍詳細画像630の表示エリアがテキスト列のリスト640に切り替わり、指定されたテキスト列「◇▽寺」と、そのテキスト列が記述されている電子書籍の電子書籍名称のリスト641が表示される。
【0054】
そして、本実施形態の一例では、ステップS505において、検索結果表示部140が出力したテキスト列に関連する緯度、経度のデータのうち最新のデータは直前のデータと異なり、かつ、そのテキスト列「◇▽寺」は地図610に表示されていないので、地域特定部170は、地図の地域、縮尺等の変更が指示されたと判定することになり(ステップS505:Yes)、テキスト列「◇▽寺」の文字画像が中心に位置するように特定した地域を地図表示部150に出力する処理を実行する(ステップS506)。その結果、図8に示すような地図650に切り替わる。
【0055】
また、本実施形態の一例では、ユーザの指定を待機している状態で、図8に表示された電子書籍の電子書籍名称のリスト641に表示されている書籍Bを指定すると、ステップS507におけるユーザの指定により電子書籍名称が指定されたと判定した場合(ステップS507:Yes)となる。この場合、上述したステップS508の処理、続けて実行されるステップS505の処理により、図9に示すように、それまで表示されていたテキスト列のリスト640が電子書籍詳細画像660に切り替わり、指定された電子書籍名称「書籍B」およびそれまで電子書籍名称と対応して表示されていたテキスト列「◇▽寺」およびテキスト列が記述されている頁の頁番号「P35」が表示される。
【0056】
本実施形態の電子書籍表示装置100によれば、特定の電子書籍を読み込み、しかる後に読み込んだ電子書籍に関連する他の電子書籍を案内することができるので、関連する電子書籍の検索にあたり別途検索装置を用意する必要がなくなるので、この点においても利便性がよい。
【0057】
また、本実施形態の一例では、図9に表示されたテキスト列「▽○藩」をユーザが指定した場合(ステップS509:Yes)、電子書籍表示装置100は、テキスト特定部180により、指定したテキスト列「▽○藩」を検索結果表示部140に出力する処理を実行する(ステップS510)。また、電子書籍表示装置100は、検索結果表示部140により、テキスト列に関する緯度、経度および形状情報のデータを抽出してテキスト列とともに地図表示部150に出力する処理を実行する(ステップS503)。テキスト列「▽○藩」に関する形状情報を参照すると、それまで表示していた縮尺では「▽○藩」全体を表示することができないので、地域特定部170は、「▽○藩」全体を表示することができるような地域を特定し、この特定した地域を地図表示部150に出力する処理を実行する(ステップS506)。なお、このようにして地域が特定された場合、地域特定部170は、形状情報を参照して表示するための情報を地図表示部150に出力するようにしており、この情報が入力された地図表示部150は、形状情報に関連する形状を地図上で強調表示する。本実施形態の一例では、「▽○藩」を占めるエリア全体が所定の色で表示されることとなる。
【0058】
<その他>
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更、改良が可能である。例えば、上述した実施形態においては、電子書籍記憶装置210、辞書記憶装置230および地図情報記憶装置220は別個に備えているが、これらを1つの記憶装置においてそれぞれ別々の記憶領域を設定し、設定した各領域にそれぞれの情報を記憶させてもよい。
また、上述した実施形態においては辞書記憶装置230を外部記憶装置としているが、電子書籍記憶装置210の内部に組み込む構成としてもよい。
【符号の説明】
【0059】
100・・・電子書籍表示装置
110・・・地理情報抽出部
120・・・座標決定部
130・・・検索データ記憶部
140・・・検索結果表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子書籍を読み込み、当該電子書籍を特定する書籍特定情報並びにその電子書籍に記述されたテキスト情報の中で地理的な位置を表現するテキスト列およびそのテキスト列が記述された記述位置を抽出する地理情報抽出手段と、
該地理情報抽出手段の抽出したテキスト列が表現している前記地理的な位置を緯度、経度情報に変換する座標決定手段と、
該座標決定手段により得られた緯度、経度およびその元となったテキスト列、そのテキスト列が記述された記述位置を前記書籍特定情報と関連付けし、相互に検索可能に記憶する検索データ記憶手段と、
緯度、経度あるいは地域または地名もしくは電子書籍名称の1または2以上をキーワードとして前記検索データ記憶手段を検索し、そのキーワードに関連する電子書籍を抽出して表示する検索結果表示手段と
を備えることを特徴とする電子書籍表示装置。
【請求項2】
地図を表示する地図表示手段と、
該地図表示手段が表示した前記地図を用いて地域を特定する地域特定手段とを更に備えており、
前記検索結果表示手段は、前記地域特定手段により特定された前記地域に基づいて前記検索データ記憶手段を検索し、前記地理的な位置が前記地域特定手段により特定された前記地域に関連するテキスト列およびそのテキスト列が記述された電子書籍を抽出して表示することを特徴とする請求項1に記載の電子書籍表示装置。
【請求項3】
前記検索結果表示手段が表示した電子書籍に含まれるテキスト列を特定するテキスト特定手段を更に備えており、
前記検索結果表示手段は、前記テキスト特定手段が特定したテキスト列をキーワードとして前記検索データ記憶手段を検索し、そのテキスト列に関連する他の前記電子書籍を抽出して表示することを特徴とする請求項1に記載の電子書籍表示装置。
【請求項4】
前記座標決定手段は、地名について古い年代の地名と現在の地名とを対応させたデータを集めた年代地名辞書を参照し、前記地理情報抽出手段が抽出したテキスト列が古い年代の地名である場合にはそのテキスト列を現在の地名に変換し、変換した現在の地名が表現している地理的な位置を緯度、経度情報に変換することを特徴とする請求項1に記載の電子書籍表示装置。
【請求項5】
座標決定手段は、地名を用いて任意の点、曲線あるいは平面を表現する情報をさらに関連付けて記憶することを特徴とする請求項1に記載の電子書籍表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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