説明

電子棚札システム

【課題】一の電子棚札の配置方向を縦横で変更して使用できる電子棚札システムを提供する。
【解決手段】電子棚札システムでは、各電子棚札5が表示する画像データを変更することで、商品データとしての文字の文字方向を画面上において90度回転できる。このため、電子棚札5の配置方向を横配置と縦配置とで変更した場合でも、当該電子棚札5が表示する文字の文字方向を回転させることで、その文字を言語として正常な向きに配置させることができる。これにより、同一の電子棚札5を横配置と縦配置との双方で使用できることになり、電子棚札5の汎用性を大幅に高めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品に対応して配置されて対応する商品に係る商品データを表示する複数の電子棚札を備える電子棚札システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの店舗では、POSシステム等に記憶される商品マスタによって、店舗内の商品の売価が一元的に管理されている。その一方で、顧客(消費者)への売価の伝達は、商品の位置に配置される紙媒体の棚札によりなされることが多い。このような紙媒体の棚札を採用した場合においては、棚札の管理は人手に頼らざるを得ないことから、売価の間違いなどの人為的ミスが生じやすい。このため、POSシステムのレジスタによる精算時の売価とは異なる誤った売価が、顧客に対して伝達されるおそれがある。
【0003】
このような問題を解決するため、近年、電子棚札システム(ESLシステム/Electronic Shelf Label System)が実用化されている。電子棚札システムにおいては、売価などの商品データを表示する可搬性の電子棚札が、各商品に対応して配置される。そして、商品マスタに基づく売価を含む通信信号が配信側装置から各電子棚札に送信され、その売価が各電子棚札に表示される。これにより、電子棚札において精算時の売価と一致する正しい売価が表示され、正しい売価が顧客に伝達されるようになっている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開2000−245598号公報
【特許文献2】特開2004−33604号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで一般に、電子棚札は、長手方向が水平方向に沿うように横向きに配置される。一方で、商品棚において同一種の商品を配置すべきフェースと呼ばれる空間の水平幅は、商品によっては電子棚札の水平幅よりも小さくなる場合がある。このような商品に対応する電子棚札に関しては、その一部が隣接商品のフェースに重なることになり、当該電子棚札がいずれの商品と対応するかが把握しづらくなる状況が生じ得る。
【0006】
このような状況に対応するため、水平幅が比較的小さい縦型の電子棚札(長手方向が鉛直方向に沿ったときにのみ、文字を言語として正常な向きに表示する専用の電子棚札)を準備することも考えられる。しかしながら、このような縦型の電子棚札が必要となる商品は、店舗内の商品全体のうちのわずかな一部であり、このような一部の商品のためだけに専用の電子棚札を設計・製造することはコスト上において好ましくない。また、在庫数に応じてフェースの水平幅が変動するような商品に関しては、在庫数に合わせて通常の横型の電子棚札と縦型の電子棚札との付け替えが必要となり、作業性においても好ましくない。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、一の電子棚札の配置方向を縦横で変更して使用できる電子棚札システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、商品に対応して配置されて対応する商品に係る商品データを表示する表示手段を有する複数の電子棚札と、前記電子棚札の前記表示手段が表示すべき商品データを当該電子棚札に対して配信する配信手段と、を備える電子棚札システムであって、一の文字を言語として認識可能な向きに配置した場合の縦方向を文字方向と定義したとき、前記表示手段は、所定の切替信号に応答して、前記商品データとして表示する文字の画面上における文字方向を回転する。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の電子棚札システムにおいて、前記表示手段が表示する文字の文字方向を回転する旨のユーザ指示を受け付ける受付手段と、前記ユーザ指示に応答して前記切替信号を発生する発生手段と、をさらに備えている。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の電子棚札システムにおいて、前記複数の電子棚札のそれぞれが、前記受付手段と、前記発生手段と、を備えている。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項2に記載の電子棚札システムにおいて、前記配信手段が、前記受付手段と、前記発生手段と、前記表示手段が表示する文字の文字方向を回転すべき電子棚札に前記切替信号を送信する送信手段と、を備えている。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項1に記載の電子棚札システムにおいて、前記複数の電子棚札のそれぞれは、自装置の鉛直方向に対する姿勢を検出する姿勢センサと、前記姿勢センサの検出結果に基づいて前記切替信号を発生する発生手段と、を備えている。
【0013】
また、請求項6の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の電子棚札システムにおいて、前記複数の電子棚札のそれぞれは、前記画面の全体に係る複数の画像データを記憶する記憶手段、をさらに備え、前記表示手段は、表示する前記画像データを変更することにより、前記文字方向を回転する。
【0014】
また、請求項7の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の電子棚札システムにおいて、前記複数の電子棚札のそれぞれは、前記商品データとして表示する文字の前記画面上における文字方向及び配置位置を指定する複数のレイアウトデータを記憶する記憶手段と、前記商品データと、前記複数のレイアウトデータのうちの一のレイアウトデータとを用いて、前記表示手段が表示する画像データを生成する生成手段と、をさらに備え、前記生成手段は、前記切替信号に応答して、用いる前記一のレイアウトデータを変更して前記画像データを生成し、前記表示手段は、前記切替信号に応答して前記生成手段に生成された前記画像データを表示することにより、前記文字方向を回転する。
【0015】
また、請求項8の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の電子棚札システムにおいて、前記表示手段は、前記切替信号の発生に伴って前記配信手段から配信される、前記画面の全体に係る画像データを表示することにより、前記文字方向を回転する。
【0016】
また、請求項9の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の電子棚札システムにおいて、前記複数の電子棚札のそれぞれは、前記商品データと、該商品データとして表示する文字の前記画面上における文字方向及び配置位置を指定するレイアウトデータとを用いて、前記表示手段が表示する画像データを生成する生成手段、をさらに備え、前記表示手段は、前記切替信号の発生に伴って前記配信手段から配信されるレイアウトデータを用いて前記生成手段に生成された画像データを表示することで、前記文字方向を回転する。
【0017】
また、請求項10の発明は、請求項1ないし9のいずれかに記載の電子棚札システムにおいて、前記表示手段の前記画面を構成する二次元配列された複数の画素の一の配列方向が略鉛直方向と略水平方向とに沿うように、前記商品が載置される商品棚に対して前記画面を回転可能な回転部材、をさらに備えている。
【発明の効果】
【0018】
請求項1ないし10の発明によれば、表示手段が表示する文字の文字方向を回転できるため、電子棚札の配置方向を縦横で変更した場合でも、商品データとしての文字を言語として認識可能に配置できる。
【0019】
また、特に請求項2の発明によれば、ユーザが必要に応じて、表示手段が表示する文字の文字方向を回転できる。
【0020】
また、特に請求項3の発明によれば、文字方向の回転対象となる電子棚札に直接的にユーザ指示を与えることができる。
【0021】
また、特に請求項4の発明によれば、文字方向の回転対象となる電子棚札の位置とは無関係にユーザ指示を行うことができる。
【0022】
また、特に請求項5の発明によれば、電子棚札の実際の姿勢に応じて、表示手段が表示する文字の文字方向が回転されるため、商品データとしての文字を言語として認識可能に自動的に配置できる。
【0023】
また、特に請求項6の発明によれば、電子棚札の単独の処理で文字方向を回転することができる。
【0024】
また、特に請求項7の発明によれば、電子棚札の単独の処理で文字方向を回転することができるとともに、記憶手段が記憶すべきデータ量も低減できる。
【0025】
また、特に請求項8の発明によれば、記憶手段が記憶すべきデータ量を低減できる。
【0026】
また、特に請求項9の発明によれば、レイアウトデータのみが配信されるため配信手段から配信すべきデータ量を低減できるとともに、記憶手段が記憶すべきデータ量も低減できる。
【0027】
また、特に請求項10の発明によれば、画面の方向を容易に回転できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。なお、以下においては、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの店舗に適用される電子棚札システムを例として説明する。
【0029】
<1.電子棚札の概要>
図1は、本実施の形態に係る電子棚札システムが備える電子棚札が、店舗の商品棚に配置された様子を示す図である。図に示すように、商品棚60はフェース61と呼ばれる空間に区分され、各フェース61には同一種の商品6が集約されて載置される。このようなフェース61の水平幅(水平方向の幅)は、商品6の種類によっては、商品6の在庫数に応じて変更されることもある。例えば、香辛料などの商品に係るフェース61の水平幅は、在庫数が多ければ大きくされ、在庫数が少なければ商品の幅の程度まで小さくされる。
【0030】
商品棚60には、各フェース61に対応して、可搬性の小型通信装置である電子棚札5が取り付けられている。これらの電子棚札5はそれぞれ一の商品6(正確には、一の商品の種類)に対応づけられており、その対応する商品6のフェース61の下側のフレーム62に配置される。各電子棚札5はディスプレイを備えており、ディスプレイには対応する商品6に係る売価等の商品データが表示される。当該店舗の顧客(消費者)は、このような電子棚札5の表示により商品6の売価を認識することになる。本実施の形態においては、図1に示すような商品棚60が店舗内の販売スペースに複数配置されている。
【0031】
<2.構成>
<2−1.背景システム>
図2は、店舗に適用される、電子棚札システム1を含む店舗情報システムの構成例を示す図である。図に示すように、店舗情報システム100は、電子棚札システム1とともに、ストアコントローラ2及びPOSシステム3を備えている。POSシステム3が備えるPOSサーバ31、及び、電子棚札システム1が備えるESLサーバ10は、LAN21を介してストアコントローラ2に接続されている。これにより、ストアコントローラ2、POSシステム3及び電子棚札システム1の相互間でデータ通信が可能とされている。
【0032】
ストアコントローラ2は一般的なコンピュータで構成され、店舗情報システム100を統括的に管理する装置として機能する。また、ストアコントローラ2はインターネットなどの外部ネットワークに接続されており、外部ネットワークを介して、当該店舗を統括管理する本部センターに配置されたコンピュータ等と通信可能とされている。
【0033】
POSシステム3は、商品の販売に係る情報をその販売時点において収集して分析するシステムであり、POSシステム3を統括的に管理するPOSサーバ31とともに、商品の精算を行う複数のレジスタ32を備えている。POSサーバ31とレジスタ32とは専用の通信ケーブルで接続されている。
【0034】
POSサーバ31は一般的なコンピュータで構成され、そのハードディスクには、商品の売価などの商品データを示す商品マスタ301が記憶されている。複数のレジスタ32のそれぞれにおいては、商品マスタ301に記載される売価に基づいて商品の精算がなされる。
【0035】
店舗内の全商品に係る商品データは、この商品マスタ301により一元的に管理されている。商品マスタ301に記載される商品データには、商品の識別情報となる「商品コード」、商品の名称である「商品名」、通常の売価である「通常価格」、特売における売価である「特売価格」、特売を実施する期間である「特売期間」等が含まれている。
【0036】
また、LAN21には、無線LAN用の電波中継機となるアクセスポイント71が設けられている。これにより、店舗スタッフは、無線LANを介した通信機能を有するハンドヘルドターミナルなどの業務端末7を利用して、ストアコントローラ2、POSサーバ31及びESLサーバ10に対して各種の指示を遠隔的に行うことが可能となっている。業務端末7としては、CPU、RAM、ROM、表示部、入力部、及び、無線LANのための通信機能を実現する通信部等を備えた可搬性の通信端末であれば、どのようなものでも採用可能である。
【0037】
<2−2.電子棚札システムの概要>
電子棚札システム1は、上述した複数の電子棚札5と、電子棚札5に表示すべき商品データを配信する配信側装置40と、店舗スタッフが携帯して使用するリモコン79とに大別される。
【0038】
リモコン79は、複数のボタンを備えた可搬性の信号発信装置であり、ユーザのボタン操作に応じた赤外線信号などの無線信号(以下、「リモコン信号」という。)を発信する。このリモコン79は、店舗スタッフが電子棚札5に直接的に指示を行うための装置として利用される。
【0039】
配信側装置40は、ESLサーバ10と、ベースステーション41と、複数のトランシーバ42とを備えて構成される。
【0040】
ESLサーバ10は、電子棚札システム1を統括的に管理するサーバ装置であり、店舗内の販売スペースとは別室のバックヤードなどに配置される。ベースステーション41は、ESLサーバ10及び各トランシーバ42に接続され、ESLサーバ10と各トランシーバ42との間の信号の中継器として機能する。
【0041】
トランシーバ42は、店舗内の電子棚札5との間で、赤外線通信などの無線通信を利用して信号の送受信を行う。より具体的には、トランシーバ42は、電子棚札5が表示すべき商品データ等に係る無線信号であるデータ信号を電子棚札5に対して送信する機能と、電子棚札5から発信される無線信号を受信する機能とを有している。トランシーバ42は、販売エリアに配置された全ての電子棚札5と通信可能なように、販売エリアの天井に略一定距離ごとに固定的に配置される。
【0042】
電子棚札システム1の各電子棚札5は、配信側装置40からデータ信号を受信すると、これに応答して、その受信をしたことを示す無線信号である確認信号を発信する。電子棚札5から発信された確認信号はトランシーバ42により受信され、これにより、データ信号が電子棚札5に正常に受信されたことを、配信側装置40の主装置たるESLサーバ10が把握することになる。
【0043】
ESLサーバ10のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。図3は、ESLサーバ10の基本構成を示す図である。図に示すように、ESLサーバ10は、各種演算処理を行うCPU11、基本プログラムを記憶するROM12、演算処理の作業領域となるRAM13、プログラムや各種のデータファイルなどを記憶するハードディスク14、各種表示を行うディスプレイ15、キーボード及びマウスなどで構成される入力部16、LAN21を介したデータ通信機能を有するデータ通信部17、並びに、ベースステーション41と通信するためのインターフェイス18を備えている。電子棚札5を制御するための制御信号や電子棚札5に表示すべき商品データは、インターフェイス18を介してベースステーション41に送信され、さらに、ベースステーション41からトランシーバ42を介して電子棚札5へ送信される。
【0044】
ESLサーバ10のハードディスク14には、専用のプログラムが予め記憶されており、このプログラムに従ってCPU11が演算処理を行うことにより、ESLサーバ10としての各種機能が実現される。また、ESLサーバ10のハードディスク14には、商品に係る各種の商品データを示すデータファイルである商品ファイル101が記憶されている。
【0045】
図4は、商品ファイル101の例を示す図である。図に示すように商品ファイル101はテーブル形式となっており、レコード102のそれぞれが一の商品に係る商品データを示している。具体的には、各レコード102ごとに「商品コード」、「商品名」、「通常価格」、「特売価格」及び「特売期間」等が登録されている。これらの商品データは、ESLサーバ10とPOSシステム3との通信により、上述したPOSシステム3の商品マスタ301の商品データに基づいて登録される。このため、商品ファイル101と商品マスタ301とは、商品データの内容が一致される。
【0046】
商品ファイル101の各レコード102には、さらに、電子棚札システム1が備える複数の電子棚札5のそれぞれに固有のハードウェアIDである一の「装置コード」が登録される。これにより、商品と電子棚札5とが一対一の関係でデータ的に対応付けられる(リンク付けされる)。この「装置コード」が利用されることにより、ある商品に係る商品データが、その商品に対応する電子棚札5に対して送信されることになる。
【0047】
<2−3.電子棚札>
次に、電子棚札5について説明する。図5は、電子棚札5の構成を示す図である。図に示すように電子棚札5の前面には、対応する商品の売価等の商品データを表示するためのディスプレイ51と、受信部52及び発信部53を備えた通信部54とが配置されている。受信部52は、データ信号やリモコン信号等の無線信号を受信し、発信部53は確認信号等の無線信号を発信する。
【0048】
ディスプレイ51は、直交二次元配列された複数の画素から構成されるドットマトリクス方式の長方形の液晶画面を備えている。ディスプレイ51は、その画面の全体に係る画像データ(画面の構成画素と同一配列の複数の画素からなる画像データ:以下、「全体画像」という。)を表示することで、商品の売価などを示す数値のみならず、文字、記号、図形など各種の情報の表示が可能となっている。
【0049】
また、電子棚札5はその内部に、装置動作を制御するための集積回路で構成された制御部55を備えている。この制御部55には、ディスプレイ51に表示すべき全体画像や自装置の装置コードなどの各種情報を記憶するメモリ56が設けられている。
【0050】
本実施の形態の電子棚札5は、ディスプレイ51の画面の長手方向が水平方向に沿う配置(以下、「横配置」という。)と、鉛直方向に沿う配置(以下、「縦配置」という。)とのいずれの配置方向としても、ディスプレイ51に表示する文字を言語として正常な向きに配置できるようになっている。このような表示を行うため、電子棚札5のメモリ56には、横配置の際に表示すべき横配置用の全体画像と、縦配置の際に表示すべき縦配置用の全体画像との双方が記憶されている。
【0051】
図6は横配置用の全体画像81の一例であり、図7は縦配置用の全体画像82の一例である。これらの図に示すように、全体画像81,82の双方には、顧客を引きつけるためのアイキャッチ8a、売価8b、商品名8c、及び、商品コード(正確にはそのバーコード)8dが商品データとして含まれている。ただし、これらの商品データの画像中の配置方向は、横配置用と縦配置用とで90度異なっている。より具体的には、一の文字を言語として認識可能な向きに配置した場合の縦方向を「文字方向」と定義すると、横配置用の全体画像81(図6)の「文字方向」は画像の短手方向に沿っており、他方、縦配置用の全体画像82(図7)の「文字方向」は画像の長手方向に沿っている。
【0052】
したがって、図8に示すように横配置の際に横配置用の全体画像81(図6)をディスプレイ51に表示すると「文字方向」が鉛直方向に沿い、一方で、図9に示すように縦配置の際に縦配置用の全体画像82(図7)をディスプレイ51に表示すると「文字方向」が鉛直方向に沿うことになる。これにより、横配置の際及び縦配置の際のいずれであっても、ディスプレイ51に表示する文字を言語として正常な向きに配置できることになる。
【0053】
ディスプレイ51が、横配置用と横配置用とのいずれの全体画像を表示するかは、「表示モード」に基づいて決定される。「表示モード」には「横モード」と「縦モード」とがあり、「横モード」のときには横配置用の全体画像81が表示され、「縦モード」のときには縦配置用の全体画像82が表示される。したがって、「表示モード」が「横モード」と「縦モード」との間で変更されると、これに応じてディスプレイ51に表示される全体画像が横配置用と縦配置用とで変更され、ディスプレイ51に表示する文字が画面上において90度回転されることになる。
【0054】
<2−4.回転部材>
また、本実施の形態の電子棚札システム1においては、このような電子棚札5の配置方向を横配置と縦配置とで容易に変更できるように、電子棚札5の背面側(商品棚60に取り付けられる側)に回転部材が設けられている。
【0055】
図10及び図11は、回転部材90の構成を示す分解斜視図である。これらの図に示すように、回転部材90は、電子棚札5側に固定される棚札側部材91と、商品棚60側に固定される円盤状の固定側部材92とで構成される。棚札側部材91は円盤状部材であり、その円盤面がディスプレイ51の画面と平行になるように電子棚札5の背面側に取り付けられる。一方、固定側部材92も円盤状部材であり、その円盤面が鉛直方向に沿うように商品棚60のフレーム62に取り付けられる。
【0056】
棚札側部材91の円盤中心911には、回転軸912が形成されている。この回転軸912は固定側部材92の円盤中心921の軸穴922に対して嵌入される。これにより、棚札側部材91は回転軸912を中心に固定側部材92に対して回転可能となっている。すなわち、電子棚札5のディスプレイ51の画面が、鉛直方向を含む平面内(YZ平面)内で商品棚60に対して回転可能とされることになる。
【0057】
また、棚札側部材91の固定側部材92と対向する側(−X側)の円盤面には、一の突起部913が形成されている。この突起部913は、円盤中心911からディスプレイ51の画面の長手方向(画面の構成画素の2つの配列方向のうちの長手の方向)に沿って延ばした位置に形成される。
【0058】
他方、固定側部材92の棚札側部材91と対向する側(+X側)の円盤面には、突起部913と嵌合させるための2つの保持孔923,924が形成されている。一の保持孔923は円盤中心921から略水平(−Y側)に延ばした位置に形成され、他の保持孔924は円盤中心921から略鉛直上(+Z側)に延ばした位置に形成される。したがって、棚札側部材91の突起部913を保持孔923に嵌合させると、ディスプレイ51の画面の長手方向が略水平方向に沿って固定されて電子棚札5は横配置となり(図10参照。)、また、保持孔924に嵌合させると、ディスプレイ51の画面の長手方向が略鉛直方向に沿って固定されて電子棚札5は縦配置となるわけである(図11参照。)。
【0059】
実際に電子棚札5の配置方向を変更する際には、まず、突起部913が一方の保持孔(例えば、保持孔923)から外れるまで電子棚札5を正面側(+X側)に引き出す。そして、電子棚札5を回転軸912を中心に回転させた後、背面側(−X側)に押し込み、突起部913を他方の保持孔(例えば、保持孔924)に嵌め込む。これにより、電子棚札5の配置方向を横配置と縦配置とで容易に変更できることになる。なお、このような回転部材90は、電子棚札5を商品棚60に取り付けるためのホルダの一部として構成されてもよく、電子棚札5のハウジングの一部に形成されてもよい。
【0060】
<3.電子棚札システムの動作>
次に、電子棚札システム1の動作について説明する。
【0061】
<3−1.基本動作>
まず、電子棚札システム1の基本動作について簡単に説明する。電子棚札システム1の基本動作は、配信側装置40から電子棚札5へデータ信号を送信して、そのディスプレイ51の画面に表示すべき商品データを配信することである。このような商品データの配信は、システム起動時、及び、商品の売価の更新時等になされる。ここで、売価の更新時とは、商品マスタ301の通常価格が変更されたときや、特売の実施にあたって売価を特売価格に変更するときなどが該当する。
【0062】
システム起動時には、店舗内の全ての電子棚札5に対して商品データが配信され、一方、売価の更新時には、対象となる商品に対応する電子棚札5のみに対して商品データが配信される。このように必要に応じて商品データを配信することにより、電子棚札5に表示される売価と、レジスタ32による精算時の売価とが常時一致されることになる。
【0063】
本実施の形態では、配信側装置40から電子棚札5へ全体画像が送信されることにより、商品データの配信がなされる。この商品データの配信の際には、横配置用の全体画像と縦配置用の全体画像との2種類の全体画像が同時に送信されるようになっている。
【0064】
すなわち、まず、ESLサーバ10のCPU11により、商品ファイル101が参照され、配信対象となる電子棚札5に係るレコード102から「商品コード」、「商品名」及び「売価(通常価格または特売価格)」等の商品データが取得される。そして、CPU11により、これらの商品データに基づいて横配置用と縦配置用との2つの全体画像が生成される。生成された2つの全体画像は、配信対象となる電子棚札5に係る装置コードとともにトランシーバ42から発信される。
【0065】
発信された2つの全体画像は配信対象となる電子棚札5に受信され、その電子棚札5のメモリ56に記憶される。そして、当該電子棚札5の制御部55の制御により、「表示モード」が「横モード」であれば横配置用の全体画像がディスプレイ51に表示され、「表示モード」が「縦モード」であれば縦配置用の全体画像がディスプレイ51に表示されることになる。
【0066】
<3−2.文字方向の変更>
次に、電子棚札5が表示する文字の文字方向の変更動作について説明する。本実施の形態の電子棚札5では、リモコン79から発信される無線信号を受け付け、これに応答して「表示モード」が変更され、表示する文字の文字方向が回転されるようになっている。
【0067】
図12は、このような文字方向の変更に係る電子棚札5の動作の流れを示す図である。通常の状態において電子棚札5は、リモコン79から発信されるリモコン信号を待機する状態となっている(ステップS11)。このリモコン信号は、ユーザたる販売スタッフのリモコン79の操作に基づいて発信されるものであり、「表示モード」を指定する情報(「横モード」及び「縦モード」のうちのいずれかを指定する情報)が含まれている。
【0068】
受信部52がリモコン信号を受信すると(ステップS11にてYes)、リモコン信号は、文字の文字方向を回転する旨のユーザ指示として制御部55に受け付けられる。そして、制御部55により、リモコン信号が指定する「表示モード」が確認される(ステップS12)。
【0069】
もし、リモコン信号が指定する「表示モード」が現在の「表示モード」と一致した場合は(ステップS12にてNo)、「表示モード」を変更する必要がないため、そのまま処理が終了される。
【0070】
一方、リモコン信号が指示する「表示モード」が現在の「表示モード」と異なった場合は(ステップS12にてYes)、「表示モード」の変更を指示する切替信号が制御部55により発生される(ステップS13)。そして、この切替信号に応答して「表示モード」が変更され、変更後の「表示モード」に応じた全体画像が、メモリ56から読み出されてディスプレイ51に表示される。すなわち、変更後の「表示モード」が「横モード」であれば横配置用の全体画像が表示され、変更後の「表示モード」が「縦モード」であれば縦配置用の全体画像が表示されることになる(ステップS14)。これにより、ディスプレイ51に表示される全体画像が変更されて、表示する文字の文字方向が画面上において90度回転されることになる。
【0071】
<4.まとめ>
このように、本実施の形態の電子棚札システム1では、電子棚札5が表示する商品データとしての文字の文字方向を画面上において回転できる。このため、電子棚札5の配置方向を横配置と縦配置とで変更した場合でも、当該電子棚札5が表示する文字の文字方向を回転させることで、その文字を言語として正常な向きに配置させることができる。
【0072】
したがって、同一の電子棚札5を横配置と縦配置との双方の配置方向で使用できることになり、電子棚札5の汎用性を大幅に高めることができる。これにより、フェース61の水平幅が比較的小さくなる一部の商品のためだけに縦型などの専用の電子棚札を準備する必要が無くなり、電子棚札システム1のコストを大幅に削減することができる。
【0073】
また、商品の在庫数などに応じてフェース61の水平幅が変動するような商品であっても、そのフェース61の水平幅に応じて電子棚札5の配置方向を横配置と縦配置と単に変更すれば対応でき、同一の電子棚札5をその商品について継続的に使用できる。したがって、横型の電子棚札を縦型の電子棚札への付け替えるなどの作業も必要ないため、作業効率を向上することができる。また、電子棚札5の背面側に回転部材90が設けられることから電子棚札5の回転を容易に行うことができ、配置方向の変更も非常に容易である。
【0074】
また、電子棚札5が表示する文字の文字方向は、販売スタッフによるリモコン79の操作に基づいて変更されることから、販売スタッフは必要に応じて、文字方向を回転すべき電子棚札5に直接的にユーザ指示を与えることができるため、取扱いが容易である。
【0075】
また、電子棚札5においては、横配置用と縦配置用との2つの全体画像がメモリ56に記憶され、表示する全体画像を変更することで文字方向が回転される。このため、電子棚札5の単独動作で文字方向を回転でき、配信側装置40の動作を必要としないことから、配信側装置40のデータ処理量を低減できる。
【0076】
<5.他の実施の形態>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態(以下、「第1形態」という。)に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような他の実施の形態について説明する。
【0077】
<5−1.第2形態:姿勢センサの利用>
第1形態では、電子棚札5はユーザ指示に基づいて文字方向を変更するようになっていたが、電子棚札5が縦配置か横配置かを検出する機能を有し、その検出結果に基づいて文字方向を自動的に変更するようになっていてもよい。
【0078】
図13は、この場合の第2形態における電子棚札5の構成を示す図である。図13に示す電子棚札5の構成は、その内部に自装置の鉛直方向に対する姿勢を検出する姿勢センサ57を備える以外は、図5に示すものと同様である。
【0079】
姿勢センサ57としては、電子棚札5の姿勢に応じて移動可能な導電媒体の移動により電流が変化することを利用したセンサ、電子棚札5の姿勢に応じた振り子部材の移動を検出するセンサ、3軸の加速度を検出する半導体式の加速度センサなど、周知のセンサを採用できる。姿勢センサ57による検出結果は信号として制御部55に入力され、これにより制御部55は自装置の配置方向が縦配置か横配置かを認識できるようになっている。
【0080】
図14は、この第2形態における文字方向の変更に係る電子棚札5の動作の流れを示す図である。第2形態の電子棚札5では、通常の状態において、その姿勢が変更されたか否かが常時に監視される。すなわち、姿勢センサ57の検出結果が制御部55によって監視され、電子棚札5の配置方向が横配置から縦配置へ、あるいは、縦配置から横配置へ変更されたか否かが検出される(ステップS21)。
【0081】
姿勢の変更が検出されると(ステップS21にてYes)、「表示モード」の変更を指示する切替信号が制御部55により発生される(ステップS22)。そして、この切替信号に応答して「表示モード」が変更される。この際、電子棚札5の配置方向が縦配置となったときは「表示モード」が「縦モード」に変更され、逆に、横配置となったときは「表示モード」が「横モード」に変更される。このようにして「表示モード」が変更されると、変更後の「表示モード」に応じた全体画像が、メモリ56から読み出されてディスプレイ51に表示されることになる(ステップS23)。
【0082】
これにより、例えば、電子棚札5の配置方向を横配置から縦配置に変更した場合は、これに伴って、ディスプレイ51に表示される全体画像が横配置用から縦配置用に変更される。また逆に、電子棚札5の配置方向を縦配置から横配置に変更した場合は、これに伴って、ディスプレイ51に表示される全体画像が縦配置用から横配置用に変更されることになる。
【0083】
したがって、この第2形態によれば、電子棚札5の配置方向を変更するのみで、表示する文字の文字方向が画面上において自動的に回転されるため、販売スタッフの特別な作業を伴うことなく、文字を言語として正常な向きに常時に配置できることになる。
【0084】
<5−2.第3形態:配信側装置へのユーザ指示>
第1形態では、リモコン79を利用して電子棚札5に直接的に文字方向を回転する旨のユーザ指示を与えていたが、業務端末7などを利用して配信側装置40にその旨のユーザ指示を与えるようになっていてもよい。
【0085】
図15は、この場合の第3形態における文字方向の変更に係る電子棚札5等の動作の流れを示す図である。図15において、符号P7で示す動作は業務端末7の動作、符号P4で示す動作は配信側装置40の動作、符号P5で示す動作は電子棚札5の動作をそれぞれ示している。
【0086】
まず、ユーザたる販売スタッフにより、業務端末7に対して、電子棚札5が表示する文字の文字方向を回転するために必要な所定の入力操作がなされる(ステップS31)。この入力操作にあたっては、表示する文字の文字方向を回転すべき一の電子棚札5を特定する識別コードと、変更後の「表示モード」を指定するモード指定情報とが入力される。
【0087】
業務端末7はこの入力操作に応答して、文字方向を回転する旨のユーザ指示としてのユーザ指示信号を、無線LANを介してアクセスポイント71に向けて送信する。このユーザ指示信号には、入力操作によって入力された電子棚札5の識別コードとモード指定情報とが含まれている(ステップS32)。
【0088】
ユーザ指示信号は、アクセスポイント71に受信され、LAN21を介してESLサーバ10のCPU11に受け付けられる(ステップS33)。これに応答して、ユーザ指示信号に含まれていたモード指定情報が参照され、ESLサーバ10のCPU11により、「表示モード」を指定する電子棚札5の制御信号としての切替信号が発生される。そして、この切替信号が、ユーザ指示信号に含まれていた装置コードとともに、トランシーバ42から発信される。これにより、文字方向を回転すべき電子棚札5に対して切替信号が送信されることになる(ステップS34)。
【0089】
送信された切替信号は、当該電子棚札5に受信される(ステップS35)。この切替信号に応答して電子棚札5では、切替信号が指定する「表示モード」が現在の「表示モード」と異なった場合は、制御部55により「表示モード」が変更される。そして、変更後の「表示モード」に応じた全体画像が、メモリ56から読み出されてディスプレイ51に表示される。これにより、ディスプレイ51に表示される全体画像が変更されて、表示する文字の文字方向が画面上において回転されることになる(ステップS36)。
【0090】
このように、この第3形態によれば、文字方向を回転する旨のユーザ指示を配信側装置40が受け付けて、切替信号を発生して文字方向を回転すべき電子棚札に送信する。このため、文字方向の回転対象となる電子棚札5の位置とは無関係にユーザ指示を行うことができる。すなわち、所望の電子棚札5から離れた位置においても、その電子棚札5において表示される文字の文字方向を回転させる旨のユーザ指示を行うことができることになる。なお、この第3形態では、業務端末7を利用して配信側装置40に間接的にユーザ指示を与えるようにしているが、ESLサーバ10の入力部16などを介して配信側装置40に直接的にユーザ指示を与えるようにしてもよい。
【0091】
<5−3.第4形態:配信側装置へ全体画像の要求>
第1形態では、横配置用と縦配置用との2つの全体画像が電子棚札5のメモリ56に予め記憶されていたが、電子棚札5が表示する文字の文字方向を変更する際に、配信側装置40から必要な全体画像を取得するようになっていてもよい。
【0092】
図16は、この場合の第4形態における電子棚札5等の動作の流れを示す図である。この図16に示す動作は、図12に示すステップS14の動作の替わりになされるものであり、それまでのステップS11〜S13の動作は第1形態と同様である。また、図16においても、符号P4で示す動作は配信側装置40の動作、符号P5で示す動作は電子棚札5の動作をそれぞれ示している。
【0093】
まず、切替信号に応答して「表示モード」が変更され、変更後の「表示モード」に対応する全体画像を要求する無線信号である要求信号が、電子棚札5の発信部53から配信側装置40に向けて送信される。この要求信号には、信号の発信元となる電子棚札5を特定する装置コードと、必要な全体画像が横配置用か縦配置用かを指定する画像指定情報とが含まれている(ステップS41)。
【0094】
要求信号は、トランシーバ42に受信され、ESLサーバ10のCPU11に入力される(ステップS42)。これに応答して、ESLサーバ10のCPU11により、商品ファイル101が参照され、要求信号に含まれていた装置コードに対応するレコード102から商品データが取得され、これらの商品データに基づいて、要求信号に含まれていた画像指定情報に応じた全体画像が生成される。つまり、画像指定情報が「横配置用」を指定する場合は横配置用の全体画像が生成され、一方、「縦配置用」を指定する場合は縦配置用の全体画像が生成される(ステップS43)。生成された全体画像は、要求信号に含まれる装置コードとともにトランシーバ42から送信される(ステップS44)。
【0095】
送信された全体画像は、要求信号を発信した電子棚札5に受信され、そのメモリ56に記録される(ステップS45)。この際、直前にメモリ56に記憶されていた全体画像は削除される。そして、受信された全体画像が、制御部55の制御によりディスプレイ51に表示される。これにより、ディスプレイ51に表示される全体画像が変更されて、表示する文字の文字方向が画面上において回転されることになる(ステップS46)。
【0096】
このように、第4形態によれば、切替信号が発生して文字方向を回転する必要が生じた場合にのみ、配信側装置40から必要な全体画像を取得するため、電子棚札5は一の全体画像のみをメモリ56に記憶しておけばよく、メモリ56が記憶すべきデータ量を低減できる。
【0097】
<5−4.第5形態:配信側装置から全体画像の送信>
第4形態の図16に示す動作は、第2形態のステップS23(図14参照。)の動作として、あるいは、第3形態のステップS36(図15参照。)の動作として採用されてもよい。ただし、第3形態の動作に適用した場合は、配信側装置40から電子棚札5へ切替信号が送信された後(図15:ステップS34)、電子棚札5からの要求信号に基づいて全体画像をさらに送信する(図16:ステップS44)という動作となり、配信側装置40と電子棚札5との間の通信回数が多くなる。このため、切替信号と全体画像とが同時に配信側装置40から電子棚札5へ送信されるようになっていてもよい。
【0098】
図17は、この場合の第5形態における文字方向の変更に係る電子棚札5等の動作の流れを示す図である。図17においても、符号P7で示す動作は業務端末7の動作、符号P4で示す動作は配信側装置40の動作、符号P5で示す動作は電子棚札5の動作をそれぞれ示している。
【0099】
ステップS51〜S53までの動作は、図15のステップS31〜S33までと同一である。すなわち、販売スタッフにより業務端末7に所定の入力操作がなされると(ステップS51)、ユーザ指示信号が業務端末7から送信され(ステップS52)、ESLサーバ10のCPU11に受け付けられることになる(ステップS53)。
【0100】
この第5形態では、これに応答してESLサーバ10のCPU11により、制御信号としての切替信号が発生されるとともに、モード指定情報に応じた全体画像が生成される(ステップS54)。そして、切替信号と全体画像とは、ユーザ指示信号に含まれていた装置コードとともに、トランシーバ42から送信されることになる(ステップS55)。
【0101】
送信された切替信号と全体画像とは、文字方向を回転すべき電子棚札5に受信される(ステップS56)。そして、これらの受信に応答して、受信された全体画像が制御部55の制御によりディスプレイ51に表示される。これにより、ディスプレイ51に表示される全体画像が変更されて、表示する文字の文字方向が画面上において回転されることになる(ステップS57)。
【0102】
このように、この第5形態によれば、配信側装置40と電子棚札5との間の通信回数を減らすことができる。なお、第4形態及び第5形態の動作は双方ともに、切替信号の発生に伴って配信側装置40から配信される全体画像を表示することにより文字方向を回転する動作であるといえる。
【0103】
<5−5.第6形態:レイアウトデータの利用>
上記第1形態では、横配置用と縦配置用との全体画像は配信側装置40で作成され、電子棚札5はその全体画像のいずれかを単に表示するのみとなっていたが、電子棚札5の側において必要な全体画像が生成されるようになっていてもよい。
【0104】
図18は、この場合の第6形態の電子棚札5が、全体画像を作成する手法を概念的に示す図である。図に示すように、第6形態の電子棚札5のメモリ56には、全体画像ではなく、全体画像の一部となる商品データごとの画像データ(以下、「項目画像」という。)83a〜83dが記憶される。より具体的には、アイキャッチを示す項目画像83a、売価を示す項目画像83b、商品名を示す項目画像83c、及び、商品コードを示す項目画像83dがメモリ56に記憶されている。
【0105】
さらに、メモリ56には、これらの項目画像83a〜83dを、全体画像中のいずれの位置に、どのような方向で配置するかを指定する2つのレイアウトデータ84,85が記憶されている。レイアウトデータ84,85は、アスキー形式、バイナリ形式のいずれのデータ形式であってもよいが、いずれであっても画像データと比較して非常に小さなデータ量となる。これらの項目画像83a〜83dと2つのレイアウトデータ84,85とは、商品データの配信として配信側装置40から予め配信されている。
【0106】
この第6形態では、このようにメモリ56内に記憶された2つのレイアウトデータ84,85のうちのいずれかと、項目画像83a〜83dとが用いられて電子棚札5の制御部55により全体画像が生成され、生成された全体画像がディスプレイ51に表示される。したがって、レイアウトデータ84,85は、商品データとして表示する文字のディスプレイ51の画面上における文字方向及び配置位置を指定するものであるともいえる。
【0107】
2つのレイアウトデータ84,85のうちの一方は、横配置用のレイアウトデータ84であり、他方は、縦配置用のレイアウトデータ85となっている。そして、図に示すように、横配置用のレイアウトデータ84を用いて全体画像を生成すると横配置用の全体画像85が生成され、一方、縦配置用のレイアウトデータ85を用いて全体画像を生成すると縦配置用の全体画像86が生成されるようになっている。第6形態においては、用いるレイアウトデータをこれらのうちで変更することにより、電子棚札5が表示する文字の文字方向が回転されるようになっている。
【0108】
図19は、この第6形態における電子棚札5の動作の流れを示す図である。この図19に示す動作は、図12に示すステップS14の動作の替わりになされるものであり、それまでのステップS11〜S13の動作は第1形態と同様である。
【0109】
まず、切替信号に応答して「表示モード」が変更され、変更後の「表示モード」に応じたレイアウトデータがメモリ56から読み出される。すなわち、変更後の「表示モード」が「横モード」であれば横配置用のレイアウトデータ84が読み出され、変更後の「表示モード」が「縦モード」であれば縦配置用のレイアウトデータ85が読み出される。そして、読み出されたレイアウトデータと、項目画像83a〜83dとが用いられて全体画像が生成され(ステップS61)、生成された全体画像がディスプレイ51に表示される。つまり、「表示モード」の変更に伴って、全体画像の生成に用いられるレイアウトデータが横配置用と縦配置用とで変更されることになる。これにより、ディスプレイ51に表示される全体画像も変更されて、表示する文字の文字方向が画面上において回転されることになる(ステップS62)。
【0110】
このように、この第6形態によれば、レイアウトデータと商品データごとの項目画像とが用いられてディスプレイ51に表示すべき全体画像が生成される。項目画像83a〜83dは横配置用と縦配置用との双方の全体画像の作成に用いることができ、レイアウトデータは非常に小さなデータ量のデータである。このため、メモリ56としては、2つの全体画像を記憶するような大きな記憶容量を必要とせず、比較的小さな記憶容量の記憶手段を採用できる。
【0111】
また、この第6形態においても、全体画像の生成に用いるレイアウトデータを変更するのみで文字方向が回転されるため、電子棚札5の単独動作で文字方向を回転でき、配信側装置40の動作を必要としないことから、配信側装置40のデータ処理量を低減できる。
【0112】
なお、この第6形態の図19に示す動作は、第1形態のステップS14の動作の替わりに適用されるとしたが、第2形態のステップS23(図14参照。)の動作として、あるいは、第3形態のステップS36(図15参照。)の動作として採用されてもよい。
【0113】
<5−6.第7形態:配信側装置へレイアウトデータの要求>
また、上記第4形態においては配信側装置40から必要な全体画像を取得するようになっていたが、配信側装置40から必要なレイアウトデータを取得するようになっていてもよい。この場合の第7形態においては、第6形態と同様の項目画像83a〜83dと、横配置用及び縦配置用のうちのいずれか一方のみのレイアウトデータとが、商品データの配信として配信側装置40から予め配信されて、電子棚札5のメモリ56に記憶される。
【0114】
図20は、第7形態における電子棚札5等の動作の流れを示す図である。この図20に示す動作は、図12に示すステップS14の動作の替わりになされるものであり、それまでのステップS11〜S13の動作は第1形態と同様である。また、図20においても、符号P4で示す動作は配信側装置40の動作、符号P5で示す動作は電子棚札5の動作をそれぞれ示している。
【0115】
まず、切替信号に応答して「表示モード」が変更され、変更後の「表示モード」に対応するレイアウトデータを要求する無線信号である要求信号が、電子棚札5の発信部53から配信側装置40に向けて送信される。この要求信号には、信号の発信元となる電子棚札5を特定する装置コードと、必要なレイアウトデータが横配置用か縦配置用かを指定するレイアウト指定情報とが含まれている(ステップS71)。
【0116】
要求信号は、トランシーバ42に受信され、ESLサーバ10のCPU11に入力される(ステップS72)。これに応答して、ESLサーバ10のCPU11の制御により、要求信号に含まれていたレイアウト指定情報に応じたレイアウトデータが、要求信号に含まれる装置コードとともにトランシーバ42から発信される。つまり、レイアウト指定情報が「横配置用」を指定する場合は横配置用のレイアウトデータが送信され、「縦配置用」を指定する場合は縦配置用のレイアウトデータが送信される(ステップS73)。
【0117】
送信されたレイアウトデータは、要求信号を発信した電子棚札5に受信され、そのメモリ56に記録される(ステップS74)。この際、直前にメモリ56に記憶されていたレイアウトデータは削除される。そして、受信されたレイアウトデータと、項目画像83a〜83dとが用いられて電子棚札5の制御部55により全体画像が生成され(ステップS75)、生成された全体画像がディスプレイ51に表示される。これにより、ディスプレイ51に表示される全体画像が変更されて、表示する文字の文字方向が画面上において回転されることになる(ステップS76)。
【0118】
このように、第7形態によれば、切替信号が発生して文字方向を回転する必要が生じた場合に、配信側装置40から必要なレイアウトデータを取得するため、電子棚札5は一のレイアウトデータのみをメモリ56に記憶しておけばよく、メモリ56が記憶すべきデータ量をさらに低減できる。また、配信側装置40からはレイアウトデータのみが送信されるため、配信側装置40が送信すべきデータ量も低減できる。
【0119】
なお、この第7形態の図20に示す動作は、第1形態のステップS14の動作の替わりに適用されるとしたが、第2形態のステップS23(図14参照。)の動作として、あるいは、第3形態のステップS36(図15参照。)の動作として採用されてもよい。
【0120】
<5−7.第8形態:配信側装置からレイアウトデータの送信>
また、上記第5形態においては配信側装置40から切替信号とともに全体画像が送信されるようになっていたが、切替信号とともにレイアウトデータが送信されるようになっていてもよい。この場合の第8形態においても、第6形態と同様の項目画像83a〜83dと、横配置用及び縦配置用のうちのいずれか一方のみのレイアウトデータとが、商品データの配信として配信側装置40から予め配信されて、電子棚札5のメモリ56に記憶される。
【0121】
図21は、第8形態における文字方向の変更に係る電子棚札システム1の動作の流れを示す図である。図21においても、符号P7で示す動作は業務端末7の動作、符号P4で示す動作は配信側装置40の動作、符号P5で示す動作は電子棚札5の動作をそれぞれ示している。
【0122】
ステップS81〜S83までの動作は、図15のステップS31〜S33までと同一である。すなわち、販売スタッフにより業務端末7に所定の入力操作がなされると(ステップS81)、ユーザ指示信号が業務端末7から送信され(ステップS82)、ESLサーバ10のCPU11に受け付けられることになる(ステップS83)。
【0123】
この第8形態では、これに応答してESLサーバ10のCPU11により、制御信号としての切替信号が発生される。そして、この切替信号と、要求信号に含まれていたユーザ指示信号に応じたレイアウトデータとが、要求信号に含まれる装置コードとともにトランシーバ42から発信される(ステップS84)。
【0124】
送信された切替信号とレイアウトデータとは、文字方向を回転すべき電子棚札5に受信される(ステップS85)。そして、これらの受信に応答して、受信されたレイアウトデータと、項目画像83a〜83dとが用いられて電子棚札5の制御部55により全体画像が生成され(ステップS86)、生成された全体画像がディスプレイ51に表示される。これにより、ディスプレイ51に表示される全体画像が変更されて、表示する文字の文字方向が画面上において回転されることになる(ステップS87)。
【0125】
このように、この第8形態によれば、配信側装置40と電子棚札5との間の通信回数を減らすことができる。なお、第7形態及び第8形態の動作は双方ともに、切替信号の発生に伴って配信側装置40から配信されるレイアウトデータを用いて生成された全体画像を表示することにより、文字方向を回転する動作であるといえる。
【0126】
<5−8.その他の変形例>
また、上記第1形態では、横配置用と縦配置用との2つの全体画像がメモリ56に記憶されるとしたが、これらに対応する電子棚札5の配置方向以外の配置方向(例えば、鉛直方向に対して45度の配置や、通常の横配置や縦配置とは180度異なる配置など)に対応する全体画像をメモリ56にさらに記憶させ、電子棚札5の配置方向(配置角度)に応じて適宜変更して表示するようにしてもよい。また同様に、第6形態においても、横配置用と縦配置用に対応する電子棚札5の配置方向以外の配置方向に対応するレイアウトデータをメモリ56にさらに記憶させ、電子棚札5の配置方向(配置角度)に応じて用いるレイアウトデータを変更してもよい。
【0127】
また、上記第1形態では、リモコン79を利用して電子棚札5にユーザ指示を与えていたが、例えば、電子棚札5に物理的な機構部としてのスイッチを設けておき、このスイッチの接点の切替が文字方向を回転する旨のユーザ指示とされてもよい。例えば、スライド式のスイッチを設け、スイッチを一方の側にスライドさせたときは「表示モード」を「横モード」にする旨の指示となり、他方の側にスライドさせたときは「表示モード」を「縦モード」にする旨の指示となるようにすればよい。
【0128】
また、回転部材の棚札側部材91と固定側部材92との相対的な配置関係に連動して、このようなスイッチの接点が切り替わるようにしてもよい。これによれば、電子棚札5の配置方向を変更すると、それに連動してスイッチの接点が切り替わり、表示する文字の文字方向が画面上において回転されることになる。このため、販売スタッフの特別な作業を伴うことなく、文字を言語として正常な向きに常時に配置できることになる。
【0129】
また、上記第6ないし第8形態では、商品データは予め項目画像としてメモリ56に記憶されていると説明したが、メモリ56や専用ROMなどにフォントデータを予め記憶させておき、フォントデータとアスキー形式の商品データとから項目画像を生成するようにしてもよい。すなわち、この場合は、アスキー形式の商品データとフォントデータとレイアウトデータとから全体画像が生成されることになる。
【0130】
また、このようにフォントデータを用いる場合は、文字自体の大きさや配置の変更も容易である。このため、電子棚札5の横配置と縦配置とで、文字列の配列方向や大きさなどの文字態様が異なるように文字を表示してもよい。例えば、図22に示すように、電子棚札5の配置方向を縦配置とした場合に、売価を示す文字列を縦方向に配列させ、文字を横配置のときよりも拡大することなどが考えられる。
【0131】
またところで、各電子棚札5に無線用のアンテナとRFIDなどのICチップとを内蔵させ、トランシーバ42から発信される商品データをこのICチップに記憶させるようにしてもよい。
【0132】
このようにすることで、ICチップとの通信機能を有した可搬性のリーダライタ端末を各電子棚札5にかざすことにより、対応する商品に係る商品データ(商品名、仕入原価、通常価格、特売価格、棚番号、陳列数、商品棚在庫理論値、バックヤード在庫、販売情報(日計、週計、月計)等)を瞬時に、可搬性のリーダライタ端末の画面で確認することができる。
【0133】
つまり、リモコン79などの操作によって電子棚札5にユーザ指示を与えることなく、また、電子棚札5の画面の表示内容を切り替えることなく、対応する商品に係る商品データをリーダライタ端末を用いて確認できる。このため、店舗の営業時間中においても顧客へ配慮することなく各種商品データを確認することができる。また、ICチップから得られたデジタル情報がリーダライタ端末に入力されるため、誤入力の発生を完全に防止できる。
【0134】
またこの場合、商品棚60にICチップのリーダライタ装置を設けるようにすれば、このリーダライタ装置と各電子棚札5に内蔵されたICチップとを交信させることにより、棚位置を正確に把握することが可能となる。その結果、棚卸作業や、棚位置変更作業を容易に行うことができる。例えば、棚位置を入れ替える場合は、変更前及び変更後の双方の棚位置の情報をトランシーバ42を介して送信し、電子棚札5のICチップに記憶させる。これにより、作業者は、リーダライタ端末を電子棚札5にかざし、リーダライタ端末に表示された画面を確認しながら棚位置の変更を行うことができる。
【0135】
また、各商品にRFIDなどの商品タグ(ICチップ)が含まれる場合には、商品棚60に設けられたリーダライタ装置が、商品タグのデータを読み込み、さらに、電子棚札5のICチップに書き込むようにすれば、電子棚札5のディスプレイ51に商品タグのデータを表示させることも可能となる。
【0136】
また、顧客が店舗内で取り扱うショッピングカートにICチップのリーダライタ装置を設け、このショッピングカートのリーダライタ装置に電子棚札5のICチップのデータを読み込ませれば、顧客動線の調査を容易に行うことが可能となる。さらに、リーダライタ装置にディスプレイを設け、電子棚札5のICチップから特定顧客のための特別価格(いわゆる会員価格)を取得させることにより、ショッピングカートのディスプレイにその特別価格を表示させることも可能である。この場合は、会員カードの挿入などにより、ショッピングカートを使用中の顧客が、特定顧客である旨をリーダライタ装置に認識させるようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】電子棚札システムが備える電子棚札が配置される様子を示す図である。
【図2】電子棚札システムを含む店舗情報システムの構成例を示す図である。
【図3】ESLサーバの構成を示す図である。
【図4】商品ファイルの例を示す図である。
【図5】電子棚札の構成を示す図である。
【図6】横配置用の全体画像の一例を示す図である。
【図7】縦配置用の全体画像の一例を示す図である。
【図8】横配置された電子棚札の様子の一例を示す図である。
【図9】縦配置された電子棚札の様子の一例を示す図である。
【図10】回転部材の構成を示す分解斜視図である。
【図11】回転部材の構成を示す分解斜視図である。
【図12】第1形態における文字方向の変更に係る動作の流れを示す図である。
【図13】第2形態の電子棚札の構成を示す図である。
【図14】第2形態における文字方向の変更に係る動作の流れを示す図である。
【図15】第3形態における文字方向の変更に係る動作の流れを示す図である。
【図16】第4形態における文字方向の変更に係る動作の流れを示す図である。
【図17】第5形態における文字方向の変更に係る動作の流れを示す図である。
【図18】第6形態の電子棚札の全体画像を作成する手法を示す図である。
【図19】第6形態における文字方向の変更に係る動作の流れを示す図である。
【図20】第7形態における文字方向の変更に係る動作の流れを示す図である。
【図21】第8形態における文字方向の変更に係る動作の流れを示す図である。
【図22】縦配置された電子棚札の様子の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0138】
1 電子棚札システム
5 電子棚札
40 配信側装置
51 ディスプレイ
54 通信部
55 制御部
56 メモリ
57 姿勢センサ
60 商品棚
90 回転部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品に対応して配置されて対応する商品に係る商品データを表示する表示手段を有する複数の電子棚札と、前記電子棚札の前記表示手段が表示すべき商品データを当該電子棚札に対して配信する配信手段と、を備える電子棚札システムであって、
一の文字を言語として認識可能な向きに配置した場合の縦方向を文字方向と定義したとき、
前記表示手段は、所定の切替信号に応答して、前記商品データとして表示する文字の画面上における文字方向を回転することを特徴とする電子棚札システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電子棚札システムにおいて、
前記表示手段が表示する文字の文字方向を回転する旨のユーザ指示を受け付ける受付手段と、
前記ユーザ指示に応答して前記切替信号を発生する発生手段と、
をさらに備えることを特徴とする電子棚札システム。
【請求項3】
請求項2に記載の電子棚札システムにおいて、
前記複数の電子棚札のそれぞれが、
前記受付手段と、
前記発生手段と、
を備えることを特徴とする電子棚札システム。
【請求項4】
請求項2に記載の電子棚札システムにおいて、
前記配信手段が、
前記受付手段と、
前記発生手段と、
前記表示手段が表示する文字の文字方向を回転すべき電子棚札に前記切替信号を送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする電子棚札システム。
【請求項5】
請求項1に記載の電子棚札システムにおいて、
前記複数の電子棚札のそれぞれは、
自装置の鉛直方向に対する姿勢を検出する姿勢センサと、
前記姿勢センサの検出結果に基づいて前記切替信号を発生する発生手段と、
を備えることを特徴とする電子棚札システム。
【請求項6】
請求項1ないし4のいずれかに記載の電子棚札システムにおいて、
前記複数の電子棚札のそれぞれは、
前記画面の全体に係る複数の画像データを記憶する記憶手段、
をさらに備え、
前記表示手段は、表示する前記画像データを変更することにより、前記文字方向を回転することを特徴とする電子棚札システム。
【請求項7】
請求項1ないし4のいずれかに記載の電子棚札システムにおいて、
前記複数の電子棚札のそれぞれは、
前記商品データとして表示する文字の前記画面上における文字方向及び配置位置を指定する複数のレイアウトデータを記憶する記憶手段と、
前記商品データと、前記複数のレイアウトデータのうちの一のレイアウトデータとを用いて、前記表示手段が表示する画像データを生成する生成手段と、
をさらに備え、
前記生成手段は、前記切替信号に応答して、用いる前記一のレイアウトデータを変更して前記画像データを生成し、
前記表示手段は、前記切替信号に応答して前記生成手段に生成された前記画像データを表示することにより、前記文字方向を回転することを特徴とする電子棚札システム。
【請求項8】
請求項1ないし4のいずれかに記載の電子棚札システムにおいて、
前記表示手段は、
前記切替信号の発生に伴って前記配信手段から配信される、前記画面の全体に係る画像データを表示することにより、前記文字方向を回転することを特徴とする電子棚札システム。
【請求項9】
請求項1ないし4のいずれかに記載の電子棚札システムにおいて、
前記複数の電子棚札のそれぞれは、
前記商品データと、該商品データとして表示する文字の前記画面上における文字方向及び配置位置を指定するレイアウトデータとを用いて、前記表示手段が表示する画像データを生成する生成手段、
をさらに備え、
前記表示手段は、
前記切替信号の発生に伴って前記配信手段から配信されるレイアウトデータを用いて前記生成手段に生成された画像データを表示することで、前記文字方向を回転することを特徴とする電子棚札システム。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載の電子棚札システムにおいて、
前記表示手段の前記画面を構成する二次元配列された複数の画素の一の配列方向が略鉛直方向と略水平方向とに沿うように、前記商品が載置される商品棚に対して前記画面を回転可能な回転部材、
をさらに備えることを特徴とする電子棚札システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2006−230566(P2006−230566A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−46933(P2005−46933)
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】