電子棚札システム
【課題】店舗のスペース効率を不必要に低下させることなく、販売促進情報を顧客に対して適切に伝達することができる技術を提供する。
【解決手段】電子棚札システムは、販売エリアに配置された複数の商品のそれぞれについて、各商品の商品情報と当該商品の販売促進情報とを管理するESLサーバと、複数の商品のいずれかと対応付けて配置され、それぞれが可搬性を備える複数の表示装置9とを備える。複数の表示装置9には、対応付けられた商品の商品情報を表示する表示装置9(電子棚札9(1))と、電子棚札9(1)に着脱可能に設けられ、商品の販売促進情報を表示する表示装置9(電子広告札9(2))とが含まれる。
【解決手段】電子棚札システムは、販売エリアに配置された複数の商品のそれぞれについて、各商品の商品情報と当該商品の販売促進情報とを管理するESLサーバと、複数の商品のいずれかと対応付けて配置され、それぞれが可搬性を備える複数の表示装置9とを備える。複数の表示装置9には、対応付けられた商品の商品情報を表示する表示装置9(電子棚札9(1))と、電子棚札9(1)に着脱可能に設けられ、商品の販売促進情報を表示する表示装置9(電子広告札9(2))とが含まれる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品と対応づけて配置され、対応する商品の商品情報を表示する表示装置と、当該商品情報を表示装置に提供するサーバと、を備える電子棚札システム(ESLシステム/Electronic Shelf Label System)に関する。
【背景技術】
【0002】
電子棚札システムについて簡単に説明する。一般に、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの店舗では、POSシステム等に記憶される商品マスタによって、店舗内の商品の情報(商品の名前、商品の売価等)が一元的に管理されている。その一方で、顧客(消費者)への売価等の伝達は、商品の位置に配置される紙媒体の棚札によりなされることが多い。このような紙媒体の棚札を採用した場合においては、棚札の管理は人手に頼らざるを得ないことから、売価の間違いなどの人為的ミスが生じやすい。このため、POSシステムのレジスタによる精算時の売価とは異なる誤った売価が、顧客に対して伝達されるおそれがある。
【0003】
電子棚札システムはこのような問題を解決するために実用化されたシステムである。電子棚札システムは、電子表示装置の一種である「電子棚札」と、電子棚札のそれぞれに対して情報を提供するサーバである「情報配信装置」とを備える。情報配信装置は、商品マスタに基づく売価等を示す情報を含む通信信号を各電子棚札に送信(例えば、赤外線送信)する。電子棚札は、販売エリアにおいて各商品に対応して配置され、情報配信装置から受信した通信信号に基づいて、対応する商品の売価等をそのディスプレイに表示する。また、商品の売価が変更される等して商品マスタに格納される情報が更新されると、情報配信装置は、新たな売価を示す情報を含む通信信号を各電子棚札に送信し、電子棚札は、受信した通信信号に基づいてそのディスプレイの表示を更新する。これによって、電子棚札に表示される売価の更新がなされる。このように、電子棚札システムを用いると、精算時の売価と常に一致する正しい売価が電子棚札に表示され、正しい売価が顧客に伝達される。
【0004】
ところで、店舗においては、「POP広告」と呼ばれる広告媒体を対象となる商品の近くに配置して宣伝広告効果を高めるということが一般になされている。POP広告とは、具体的には、商品の宣伝広告文句(例えば、「広告の品」「セール中」「店長のおすすめ」「○○産」「新発売」等といった宣伝広告文句)を紙や樹脂板等に印刷した広告媒体である。例えば、特許文献1,2には、商品の売価を表示する電子棚札に対して当該商品の宣伝広告文句を表したPOP広告を取り付ける技術が開示されている。
【0005】
POP広告は、顧客の購買意欲をそる有効な手法であるものの、紙や樹脂板等で形成されているために耐久性に乏しく、定期的に補充を行わなければならない。また、多様な宣伝広告文句に応じるために、多種類のPOP広告を作っておかなければならない。このように、POP広告はこれを製造するためのコストがかさんでしまうという問題があった。
【0006】
電子棚札システムが導入されている店舗であれば、商品の売価を表示する電子棚札に、POP広告として表示すべき宣伝広告文句を追加して表示することも考えられる。電子棚札は紙や樹脂板等に比べると格段に耐久性が高く、表示内容も自由に書き換えることができるので一台で多様な宣伝広告文句に対応可能である。したがって、上記の問題は生じない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−178599号公報
【特許文献2】特開2008−54904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したとおり、商品の売価を表示する電子棚札にPOP広告として表示すべき宣伝広告文句を追加して表示する構成は、紙や樹脂板等で形成される一般的なPOP広告に比べてコスト面において有利である。しかしながら、電子棚札のディスプレイに販売促進情報を表示しようとすると、売価等の必要情報の文字サイズが小さくなって顧客に対して適切な情報伝達を行えないという問題がある。
【0009】
そこで、売価等の必要情報と販売促進情報との両方を適切な文字サイズで表示できるように、電子棚札のディスプレイのサイズを大きくすることも考えられる。しかしながら、POP広告として表示すべき販売促進情報は、店舗内の全商品について定常的に表示すべき必須情報である商品の売価等とは異なり、特に売り込みたい一部の商品について、特定の期間に限って表示する単発情報である。このような単発情報である販売促進情報の表示領域を確保するために電子棚札のディスプレイのサイズを大きくしてしまうと、販売促進情報を表示する必要がない多くの商品、また、販売促進情報を表示する必要がない多くの時間帯においては、ディスプレイが無駄に大きいことになってしまう。このような状態は、店舗のスペース効率上好ましくない。また、ディスプレイのサイズを大きくすると電子棚札の製造コストも増大するところ、これに見合う効果が得られるとは言い難い。
【0010】
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、店舗のスペース効率を不必要に低下させることなく、販売促進情報を顧客に対して適切に伝達することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明の第1の態様は、販売エリアに配置された複数の商品について、各商品の商品情報と当該商品の販売促進情報とを管理するサーバと、前記複数の商品のいずれかと対応付けて配置され、それぞれが可搬性を備える複数の表示装置と、を備え、前記複数の表示装置が、対応付けられた商品の前記商品情報を表示する第1表示装置と、前記第1表示装置に着脱可能に設けられ、前記商品の前記販売促進情報を表示する第2表示装置と、を含む。
【0012】
この発明の第2の態様は、第1の態様に係る電子棚札システムであって、前記第2表示装置が、前記第1表示装置に対して起倒可能に連結される。
【0013】
この発明の第3の態様は、第1または第2の態様に係る電子棚札システムであって、前記第1表示装置に対する、前記第2表示装置の着設位置が変更可能である。
【0014】
この発明の第4の態様は、第1から第3のいずれかの態様に係る電子棚札システムであって、前記第1表示装置および前記第2表示装置のうちの少なくとも1の表示装置が、他の表示装置に対する自装置の着設位置を店舗スタッフに知得させるための着設位置サインを表示する。
【0015】
この発明の第5の態様は、第4の態様に係る電子棚札システムであって、前記複数の表示装置が、前記第2表示装置を複数含み、複数の前記第2表示装置のそれぞれが、前記第1表示装置に対する自装置の着設位置を店舗スタッフに知得させるための前記着設位置サインを表示する。
【0016】
この発明の第6の態様は、第1から第5のいずれかの態様に係る電子棚札システムであって、前記第1表示装置および前記第2表示装置のそれぞれが、自装置に表示すべき情報を前記サーバから受信して、当該受信した情報を表示する。
【0017】
この発明の第7の態様は、第1から第5のいずれかの態様に係る電子棚札システムであって、前記第1表示装置が、自装置と対応付けられた商品の前記販売促進情報を前記サーバから受信して、当該受信した前記販売促進情報を前記第2表示装置に送信し、前記第2表示装置が、前記第1表示装置から前記販売促進情報を受信して、当該受信した前記販売促進情報を表示する。
【0018】
この発明の第8の態様は、第1から第5のいずれかの態様に係る電子棚札システムであって、前記第1表示装置が、自装置と対応付けられた商品の前記販売促進情報の種類を店舗スタッフに知得させるためのサインを表示し、前記第2表示装置が、複数種類の前記販売促進情報のそれぞれに対応する画面データを記憶しており、店舗スタッフから入力された指示に基づいて複数の前記画面データのうちから1の画面データを選択して、当該選択した画面データを表示する。
【0019】
この発明の第9の態様は、第1から第8のいずれかの態様に係る電子棚札システムであって、前記第1表示装置が、モノクロ表示ディスプレイを備え、前記第2表示装置が、カラー表示ディスプレイを備える。
【0020】
この発明の第10の態様は、販売エリアに配置された複数の商品について、各商品の商品情報と当該商品の販売促進情報とを管理するサーバと、前記複数の商品のいずれかと対応付けて配置され、それぞれが可搬性を備える複数の表示装置と、を備え、前記複数の表示装置が、対応付けられた商品の前記商品情報を表示する表示装置と、前記商品情報を表示する表示装置に着脱可能に設けられ、前記商品の前記販売促進情報を表示する表示装置と、を含み、前記商品情報を表示している表示装置が、前記商品情報に換えて前記販売促進情報を表示開始する場合に、当該表示装置に着設される表示装置が前記商品情報を表示する。
【発明の効果】
【0021】
第1の態様によると、商品の販売促進情報を表示する表示装置(第2表示装置)が、当該商品の商品情報を表示する表示装置(第1表示装置)に着脱可能に設けられる。この構成によると、販売エリアに配置された複数の商品のうち、販売促進情報を表示したい商品についてだけ第2表示装置を設けることができるので、店舗のスペース効率を不必要に低下させることなく、販売促進情報を顧客に対して適切に伝達することができる。
【0022】
第2の態様によると、第1表示装置に対する、第2表示装置の姿勢を変更することができる。この構成によると、例えば、第1表示装置が商品棚に取り付けられた状態において、店舗スタッフが商品の搬出入作業を行う際は、第2表示装置を作業の邪魔にならない姿勢にしておく(例えば、第1表示装置の側に倒しておく)ことにより、店舗スタッフの作業効率の低下を抑制できる。また例えば、第1表示装置の設置位置に応じて第2表示装置の姿勢を変更して、販売促進情報が常に顧客に見えやすい角度となるように調整することができる。
【0023】
第3の態様によると、第1表示装置とこれに着設される第2表示装置との相対的な位置関係を変更することができる。この構成によると、例えば、第1表示装置が商品棚のどの位置に設置されるかに応じて、第2表示装置の着設位置を変更することにより、販売促進情報を常に顧客に見えやすい位置に配置することができる。
【0024】
第4、5の態様によると、店舗スタッフは、表示装置に表示される着設位置サインを見て、当該表示装置をどの位置に着設すべきかを迷わず決定することができる。
【0025】
第6の態様によると、第1表示装置および第2表示装置のそれぞれが、自装置に表示すべき情報をサーバから受信するので、サーバにて管理される商品情報用、あるいは、販売促進情報を、確実に各表示装置に表示させることができる。
【0026】
第7の態様によると、サーバが管理する販売促進情報が、第1表示装置を経由して、第2表示装置に提供されるので、サーバは、商品と第2表示装置との対応関係を管理する必要がない。つまり、この構成によるとサーバの管理負担を軽減することができる。
【0027】
第8の態様によると、サーバが管理する販売促進情報の種類が、第1表示装置が表示するサインにより店舗スタッフに知得される。また、第2表示装置は、店舗スタッフから指示された種類の販売促進情報を表示する。したがって、サーバは、商品と第2表示装置との対応関係を管理する必要がない。つまり、この構成によるとサーバの管理負担を軽減することができる。
【0028】
第9の態様によると、複数の表示装置のうち、第1表示装置は、製造コストが比較的安価なモノクロ表示ディスプレイとし、第2表示装置は、表現力が豊かなカラー表示ディスプレイとされるので、製造コストを抑えつつ、商品の宣伝広告効果を高めることができる。
【0029】
第10の態様によると、表示装置の着設位置を変更せずに、商品情報の表示位置を変更することができる。例えば、商品情報の表示位置と販売促進情報の表示位置とを入れ換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】電子棚札システムが導入された店舗内に配置されている商品棚の様子を示す図である。
【図2】電子棚札と、これに着設された電子広告札とを示す正面図である。
【図3】電子棚札と、これに着設された電子広告札とを示す側面図である。
【図4】フレームに着設された電子棚札と、当該電子棚札に着設された電子広告札とを示す図である。
【図5】商品管理システムの構成例を示す図である。
【図6】情報処理端末の構成を示す斜視図である。
【図7】ESLサーバの構成を示す図である。
【図8】商品ファイルの構成例を示す図である。
【図9】自装置宛ての配信データを受信した電子広告札の様子を示す図である。
【図10】電子棚札と、これに着設された電子広告札とを示す正面図である。
【図11】商品ファイルの構成例を示す図である。
【図12】自装置宛ての配信データを受信した電子棚札、および、これに着設された電子広告札の様子を示す図である。
【図13】自装置宛ての配信データを受信した電子棚札、および、これに着設された電子広告札の様子を示す図である。
【図14】販売促進情報の種類とサインの種類とを対応付けたテーブルの構成例を示す図である。
【図15】変形例に係る電子棚札および電子広告札を示す図である。
【図16】変形例に係る電子棚札および電子広告札を示す図である。
【図17】変形例に係る電子棚札および電子広告札を示す図である。
【図18】変形例に係る電子棚札および電子広告札を示す図である。
【図19】変形例に係る電子棚札および電子広告札を示す図である。
【図20】変形例に係る表示装置において表示入れ替えが行われる様子を示す図である。
【図21】変形例に係る表示装置において表示入れ替えが行われる様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
<1.店舗内の様子>
図1は、電子棚札システム1が導入された店舗内に配置されている商品棚60の様子を示す図である。店舗内の販売エリアには、図1に示すような商品棚60が複数配置されているものとする。
【0032】
商品棚60はフェース61と呼ばれる空間に区分され、各フェース61には同一種の商品6が集約されて載置される。
【0033】
商品棚60のフレーム62には、商品6の売価、商品名等(正確には、後に説明する「商品情報」)を表示する表示装置(電子棚札9(1))が取り付けられる。各電子棚札9(1)は、それぞれ一の商品6(正確には、一の商品の種類)に対応づけられ、その対応する商品6の近傍(各フェース61に載置された商品6と対応する位置)に配置される。そして、自装置に対応付けられた商品の商品情報をディスプレイに表示する。店舗の顧客(消費者)は、電子棚札9(1)の表示を見て商品6の売価等を認識する。
【0034】
フレーム62に取り付けられた複数の電子棚札9(1)のうちの一部には、商品6の宣伝広告文句等(正確には、後に説明する「販売促進情報」)を表示する表示装置(電子広告札9(2))が着設される。各電子広告札9(2)もまた、それぞれ一の商品6(正確には、一の商品の種類)に対応づけられ、所定の電子棚札9(1)(具体的には、自装置と同じ商品6に対応付けられる電子棚札9(1))に着設される。そして、自装置に対応付けられた商品6の販売促進情報をディスプレイに表示する。店舗の顧客は、電子広告札9(2)の表示を見て商品6の購買意欲をそそられる。
【0035】
<2.表示装置の構成>
電子棚札9(1)および電子広告札9(2)の構成について、図2、図3を参照しながら説明する。図2は、電子棚札9(1)と、これに着設された電子広告札9(2)とを示す正面図である。また、図3は、図2に示される電子棚札9(1)および電子広告札9(2)の側面図である。
【0036】
なお、この実施の形態においては、商品情報を表示する表示装置である電子棚札9(1)と、販売促進情報を表示する表示装置である電子広告札9(2)とは、表示する情報の種類が異なるだけで、各装置が備える機能構成は同じである。そこで、以下の説明においては、電子棚札9(1)と電子広告札9(2)とを区別しない場合は、単に「表示装置9」という。
【0037】
<2−1.機能構成>
表示装置9は、矩形の板形状に成形された筐体90の前面に配置されたディスプレイ91と、通信部92とを備える。筐体90の内部には、当該表示装置9の電源を供給する小型の電池93と、当該表示装置9の動作を統括的に制御する制御部94とが設けられている。
【0038】
なお、表示装置9の筐体90の裏面(あるいは、表面)には、当該表示装置9の装置コードを示す文字列とバーコードが印刷されたラベルが貼付されている。ただし、「装置コード」とは、電子棚札システム1が備える複数の表示装置9のそれぞれに固有のハードウェアIDである。なお、表示装置9の装置コードを示す文字列とバーコードとを、表示装置9の筐体90の表面(あるいは、裏面)に、レーザーマーキング等で表記してもよい。
【0039】
ディスプレイ91は、各種の情報を表示する表示装置である。ディスプレイ91は、具体的には、ドットマトリクス方式の不揮発性表示部であって、例えば電子ペーパで構成されている。電子ペーパ等の不揮発性表示部では、駆動電力を与えることなく表示内容を保持することができる。ディスプレイ91は、ドットマトリクス方式の表示部であるため、商品6の売価などを示す数値のみならず、文字、記号、図形などを表示することができる。なお、ディスプレイ91は、必ずしも不揮発性表示部でなくてもよく、例えば、揮発性の液晶パネルでもよい。
【0040】
通信部92は、後に説明する「情報配信装置40」(図5参照)との通信を担う機能部であり、赤外線信号を出力する発光部921と、情報配信装置40が備える「通信装置43」(図5参照)からの赤外線信号、および、後に説明する「リモコン160」(図13参照)からの赤外線信号を受信し、それを電気信号に変換して制御部94に出力する受光部922とを備えている。データを送信する送信部として機能する発光部921は例えばLEDで構成されており、データを受信する受信部として機能する受光部922は、例えばフォトダイオード及びアンプで構成されている。なお、表示装置9と通信装置43との間の通信、また、表示装置9とリモコン160との間の通信は、いずれも、赤外線でなく無線(電波)で行われてもよい。
【0041】
制御部94は、CPUやメモリなどで構成されている。このメモリには、複数の画面データ候補、自装置の装置コード等が記憶される。ただし、「画面データ候補」とは、ディスプレイ91に表示すべき各種の画面を表すデータであり、制御部94は、複数の「画面データ候補」の中から選択した1のデータを、ディスプレイ91に表示させることができる。
【0042】
制御部94は、ディスプレイ91の表示を制御する表示制御部として機能する。すなわち、制御部94は、ESLサーバ41から自装置に表示すべき画面のデータ(画面データ)を、通信部92を介して受信すると、当該画面データを一旦メモリに記憶した後に、ディスプレイ91を制御して、メモリ内の画面データをディスプレイ91に表示させる。
【0043】
また、制御部94は、ディスプレイ91の表示を、「リモコン160」(図13参照)からの指示に応じて切り換える。ただし、リモコン160は、表示装置9の表示画面を切り換えるための信号を発信する遠隔操作機器である。制御部94は、リモコン160から出力される赤外線信号を、通信部92を介して受信した場合、ディスプレイ91を制御して、メモリ内の画面データ候補から1のデータを選択して、当該選択した1の画面データ候補をディスプレイ91に表示させる。
【0044】
例えば、商品情報を表示する表示装置9の場合(すなわち、電子棚札9(1)として用いられる表示装置9の場合)、メモリには、商品の売価、商品名など、商品を購入する顧客が利用する情報が主に表示される表示画面(表画面)用の画面データと、商品の販売数など、店舗の店員が利用する情報(販売数、発注数、特売期間などの商品情報や、自身に割り当てられた装置コード等)が表示される表示画面(裏画面)用の画面データとが、画面データ候補として保持される。ディスプレイ91に表画面が表示されている状態において、リモコン160からの赤外線信号を受信した場合、制御部94は、当該信号に応じてディスプレイ91の表示を表画面から裏画面に変更する。また、この状態で、再びリモコン160からの赤外線信号を受信した場合、制御部94は当該信号に応じてディスプレイ91の表示を裏画面から表画面に変更する。
【0045】
ここで、リモコン160の構成について図13を参照しながら簡単に説明しておく。リモコン160は、赤外線信号を出力する発光部161と、発光部161を制御する制御部162と、赤外線信号の送信指示、識別番号の入力等の各種操作を受け付ける操作ボタン163とを備えており、所定の操作ボタン163が押下されると、制御部162が発光部161を制御して、当該発光部161から所定の赤外線信号を出力させる。
【0046】
<2−2.連結構造>
再び図2、図3を参照する。表示装置9は可搬性を備え、フレーム62に対して着脱可能に構成されている。したがって、表示装置9を、商品6の配置変更に対応して、フレーム62から取り外して別の位置に再配置することができる。
【0047】
また、表示装置9は、他の表示装置9に対して着脱自在に構成されている。したがって、例えば、フレーム62に着設されている第1の表示装置9に第2の表示装置9を着設したり、当該第2の表示装置9を、第1の表示装置9から取り外して第3の表示装置9に再着設したり、といったことが可能である。表示装置9と、当該表示装置9が着設された他の表示装置9との間に形成される連結構造について説明する。
【0048】
以下の説明においては、商品情報を表示する表示装置9(電子棚札9(1))と販売促進情報を表示する表示装置9(電子広告札9(2))とが、図2、図3に示される位置関係で着設される場合(すなわち、フレーム62に設置された状態における電子棚札9(1)の設置方向の上側に、電子広告札9(2)が着設される場合)を例にとって、この電子棚札9(1)と電子広告札9(2)との間に形成される連結構造について説明する。
【0049】
<2−2−1.ヒンジ連結>
電子棚札9(1)と、これに着設される電子広告札9(2)とは、ヒンジ部8を介して連結される。ヒンジ部8は、具体的には、円筒形状の複数(図2の例では3個)の軸受け81と、各軸受け81の中空部に挿通される軸80とを備える。ただし、軸80の外径は、軸受け81の円筒内径よりも小さく形成されており、各軸受け81は軸80を中心に回動可能とされる。
【0050】
軸80を介して互いに連結された複数の軸受け81のうちの一部の軸受け81は、電子広告札9(2)の筐体90の下側の側面に着設され、残りの軸受け8は電子棚札9(1)の筐体90の上側の側面に着設される。これによって、電子棚札9(1)と電子広告札9(2)とがヒンジ連結される。すなわち、電子広告札9(2)は、電子棚札9(1)に対して起倒可能にヒンジ連結される。
【0051】
この状態においては、図3に示すように、電子棚札9(1)のディスプレイ91と電子広告札9(2)のディスプレイ91とがなす角度θを変更することができる。なお、当該角度θが可変となる範囲は必ずしも0°≦θ≦360°でなくともよいが、少なくとも90°≦θ≦180°の範囲で可変であることが好ましい。
【0052】
<2−2−2.着脱構造>
ヒンジ部8の軸受け81と電子棚札9(1)の上側の側面との間、および、軸受け81と電子広告札9(2)の下側の側面との間には、いずれも、着脱可能な連結構造が形成される。当該連結構造は、表示装置9の筐体90に形成された溝901と、ヒンジ部8の軸受け81に設けられた連結用嵌合部801とから構成される。
【0053】
溝901は、表示装置9の筐体90の下側の側面と上側の側面とに、その延在方向に沿って形成される。なお、以下において、溝901の形成面(表示装置9の下側(あるいは、上側の側面)に開口した、溝901の開口端を「第1開口端」という。また、溝901の延在方向の両端が開口する面(表示装置9の左右側の側面)に開口した、溝901の開口端を「第2開口端」という。溝901の第1開口端の付近には、第1開口端の一部を塞ぐように形成された案内壁902が形成される。
【0054】
連結用嵌合部801は、各軸受け81の端部に設けられた幅広の部分である。連結用嵌合部801が形成されることにより、各軸受け81は、断面T字形状に形成されることになる。
【0055】
軸受け81に設けられた連結用嵌合部801が、表示装置9の筐体90の下側(あるいは、上側)の側面に形成された溝901に嵌め入れられることによって、ヒンジ部8と当該表示装置9との間に連結構造が形成される。
【0056】
例えば、図2、図3の例においては、軸受け81(軸80を介して互いに連結された複数の軸受け81のうちの一部の軸受け81)の連結用嵌合部801を、電子棚札9(1)の上側の側面に形成された溝901の第2開口端から、溝901の延在方向に沿って嵌め入れる。また、同様に、残りの軸受け81の連結用嵌合部801を、電子広告札9(2)の下側の側面に形成された溝901に嵌め入れる。これによって、電子広告札9(2)が、ヒンジ部8を介して、電子棚札9(1)に着設されることになる。なお、連結用嵌合部801が溝901に嵌め入れられた状態において、連結用嵌合部801の端部が、溝901の案内壁902に引っ掛かることによって、連結用嵌合部801が溝部901から外れてしまわないようになっている。
【0057】
一方、電子広告札9(2)を電子棚札9(1)から取り外す場合は、電子広告札9(2)の溝901に嵌め入れられている軸受け81の連結用嵌合部801を、溝901の第2開口端まで滑らして、当該第2開口端からから引き抜く。これによって、電子広告札9(2)がヒンジ部8から取り外される(すなわち、電子広告札9(2)が電子棚札9(1)から取り外される)ことになる。
【0058】
なお、同様に、電子棚札9(1)の溝901に嵌め入れられている軸受け81の連結用嵌合部801を溝901から引き抜くことによって、電子棚札9(1)からヒンジ部8を取り外すことができる。取り外したヒンジ部8は、別の表示装置9の連結に用いることができる。つまり、ここでは、ヒンジ部8が独立部材とされることによって、これを使い回すことが可能となる。
【0059】
<2−3.実際の態様>
上述したとおり、電子棚札9(1)は自装置が対応付けられている商品6の近傍(例えば下側)のフレーム62に着設される。図4には、フレーム62に着設された電子棚札9(1)と、当該電子棚札9(1)の上側に着設された電子広告札9(2)とが示されている。
【0060】
上述したとおり、電子広告札9(2)は、電子棚札9(1)に対して起倒可能にヒンジ連結される。したがって、フレーム62に着設されている電子棚札9(1)に対する電子広告札9(2)の姿勢を変更することができる。
【0061】
この構成によると、例えば、店舗スタッフが商品6の搬出入作業を行う際は、電子広告札9(2)を電子棚札9(1)のディスプレイ91側に倒しておくことができる(図4の一点鎖線位置))。電子広告札9(2)をこのような姿勢としておけば、電子広告札9(2)が作業の邪魔になることがなく、店舗スタッフの作業効率の低下を抑制できる。
【0062】
また、例えば、電子広告札9(2)の姿勢を電子棚札9(1)の設置位置に応じて変更して、電子広告札9(2)のディスプレイ91が常に顧客に見えやすい角度となるように調整することができる。具体的には、例えば、顧客の視線よりも高い位置(上段のフレーム62)に設置される電子棚札9(1)に着設される電子広告札9(2)については、これを電子棚札9(1)のディスプレイ91側に僅かに倒して角度θを180°よりも小さくしておく。これによって電子広告札9(2)のディスプレイ91が斜め下方に向くことになり、顧客の目につきやすくなる。逆に、顧客の視線よりも低い位置(下段のフレーム62)に設置される電子棚札9(1)に着設される電子広告札9(2)については、これを電子棚札9(1)のディスプレイ91と逆側に僅かに倒して角度θを180°よりも大きくしておく。これによって電子広告札9(2)のディスプレイ91が斜め上方に向くことになり、顧客の目につきやすくなる。顧客の視線と同程度の高さ位置(中段のフレーム62)に設置される電子棚札9(1)に着設される電子広告札9(2)については、角度θを180°程度にしておけばよい。
【0063】
<3.システムの構成>
次に、販売エリア内に配置される複数の表示装置9を含む電子棚札システム1、および、電子棚札システム1を含む商品管理システム100の構成について、図5を参照しながら説明する。図5は、商品管理システム100の構成例を示す図である。
【0064】
<3−1.商品管理システム100>
商品管理システム100は、電子棚札システム1とともに、ストアコントローラ2及びPOSシステム3を備える。POSシステム3が備えるPOSサーバ31、及び電子棚札システム1が備えるESLサーバ41は、LAN21を介してストアコントローラ2に接続されている。これにより、ストアコントローラ2、POSシステム3及び電子棚札システム1の相互間でデータ通信が可能とされている。
【0065】
<3−1−1.ストアコントローラ2>
ストアコントローラ2は一般的なコンピュータで構成され、商品管理システム100を統括的に管理する装置として機能する。また、ストアコントローラ2はインターネットなどの外部ネットワークに接続されており、外部ネットワークを介して、店舗を統括管理する本部センターに配置されたサーバ装置等のコンピュータと通信可能とされている。
【0066】
<3−1−2.POSシステム3>
POSシステム3は、商品6の販売に係る情報をその販売時点において収集して分析するシステムであり、POSシステム3を統括的に管理するPOSサーバ31とともに、商品6の精算を行う複数のレジスタ32を備える。POSサーバ31とレジスタ32とは専用の通信ケーブルで接続されている。
【0067】
POSサーバ31は一般的なコンピュータで構成され、そのハードディスクには、売価などの商品6に係る各種の情報を示す商品マスタ301が記憶されている。複数のレジスタ32のそれぞれにおいては、商品マスタ301に記載される売価に基づいて商品6の精算がなされる。
【0068】
店舗内の全商品6に係る情報は、この商品マスタ301により一元的に管理されている。商品マスタ301にて管理される情報には、商品6を識別するための商品コード、商品6の名称である商品名、通常の売価である通常価格、特売における売価である特売価格、特売を実施する期間である特売期間、販売数、在庫数、1回の発注で納品される数である発注数などが含まれている。
【0069】
<3−1−3.情報処理端末180>
LAN21には、無線LAN用の電波中継器たるアクセスポイント(AP)170が接続されている。商品6の発注作業やリンク作業の際に使用される可搬性の情報処理端末180は、アクセスポイント170を通じてLAN21に接続することが可能であり、ストアコントローラ2、POSサーバ31及びESLサーバ41と通信することが可能である。
【0070】
ここで、情報処理端末180の構成について、図6を参照しながら説明する。図6は情報処理端末180の詳細な構成を示す斜視図である。情報処理端末180は、「ハンディーターミナル」と呼ばれる可搬性の業務端末であって、各種情報を表示するディスプレイ181と、バーコードを読み取るバーコードリーダ182と、店舗スタッフの各種操作を受け付ける操作部183とを備える。また、情報処理端末180は、アクセスポイント170と無線通信を行う通信部184を備える。この通信部184の機能により、情報処理端末180は、アクセスポイント170を通じて、ストアコントローラ2、POSサーバ31及びESLサーバ41と通信することが可能である。そして、情報処理端末180には、その動作を統括的に管理する制御部185が設けられている。制御部185はCPUやメモリなどで構成されている。
【0071】
例えば商品6の発注作業を行う場合、店舗スタッフは情報処理端末180から、発注を指示する発注指示情報を、無線LANを介してストアコントローラ2に送信する。発注指示情報には、発注対象の商品6を識別するための商品コードや、当該商品6の発注数などが含まれている。ストアコントローラ2は、情報処理端末180からの発注指示を受け付ける発注サーバとしても機能し、情報処理端末180からの発注指示情報を受信すると、それを本部センターに通知する。本部センターは、各店舗からの発注指示情報に基づいて、発注先の業者のサーバに対して商品6の発注を行う。
【0072】
<3−2.電子棚札システム1>
再び図5を参照する。続いて、電子棚札システム1の構成について説明する。電子棚札システム1は、複数の表示装置9と、各表示装置9に対して各種の情報を配信する情報配信装置40と、表示装置9の表示画面を切り換える際に使用される可搬性のリモコン160とを備える。表示装置9、および、リモコン160の構成はそれぞれ上述したとおりである。
【0073】
情報配信装置40は、電子棚札システム1を統括的に管理するサーバ装置であるESLサーバ41と、複数の通信装置43と、ESLサーバ41と複数の通信装置43との間の信号の中継器として機能するベースステーション42とを備える。ESLサーバ41と複数の通信装置43とは、ベースステーション42を通じて相互にデータ通信が可能とされている。また、各通信装置43は表示装置9と赤外線通信を行う。複数の通信装置43は、販売エリア90内に配置された全ての表示装置9と通信可能なように、販売エリア90の天井などに略一定距離ごとに配置される。
【0074】
ESLサーバ41のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。ここで、ESLサーバ41のハードウェア構成について図7を参照しながら説明する。図7はESLサーバ41のハードウェア構成を示す図である。ESLサーバ41は、各種演算処理を行うCPU411、ブートプログラム等を記憶するROM412、演算処理の作業領域となるRAM413、プログラムや各種のデータファイルなどを記憶するハードディスク414、各種表示を行うディスプレイ415、キーボード及びマウスなどで構成される入力部416、LAN21を介したデータ通信機能を有するデータ通信部417、並びに、ベースステーション42と通信するためのインターフェイス418を備える。各構成部はバスライン410などにより互いに接続されている。表示装置9に送信すべき各種データは、このインターフェイス418及びベースステーション42を通じて通信装置43に伝達される。
【0075】
ESLサーバ41のハードディスク414には、動作プログラムが予め記憶されており、この動作プログラムに従ってCPU411が演算処理を行うことにより、ESLサーバ41としての各種機能が実現される。また、ESLサーバ41のハードディスク414には、商品6に係る各種の情報を示すデータファイルである商品ファイル401が記憶されている。
【0076】
<3−3.商品ファイル401>
続いて、商品ファイル401の構成について図8を参照しながら説明する。図8は商品ファイル401の構成例を示す図である。
【0077】
商品ファイル401はテーブル形式となっており、レコード402のそれぞれが一の商品6に係る情報を示している。具体的には、レコード402ごとに、一の商品6の商品情報403、当該商品6の販売促進情報404、および、当該商品6に対応付けられる表示装置9の装置コード405が登録される。
【0078】
商品情報403は、価格、商品名等といった商品6の基本情報であり、各商品6について定常的に保持されるべき情報である。図8に例示された商品ファイル401においては、商品6の商品コード、商品名、通常価格、特売価格、および、特売期間が商品情報403として登録される。商品情報403として、さらに、商品6の販売数、在庫数等が登録されてもよい。
【0079】
販売促進情報404は、商品6の販売を促進するための広告に関する情報である。図8に例示された商品ファイル401においては、宣伝広告文句(商品6のPOP広告として表示すべき宣伝広告文句であり、例えば、「広告の品」「セール中」「店長のおすすめ」「○○産」「新発売」といった宣伝広告文句)、および、広告期間(POP広告を表示すべき期間を示す情報)が販売促進情報404として登録される。販売促進情報404として、さらに、商品6の宣伝広告用のイラスト等が登録されてもよい。
【0080】
なお、商品情報403は、全ての商品6について定常的に保持される必要があるが、販売促進情報404は、必ずしも全ての商品6について定常的に保持される必要はない。例えば、POP広告の対象となる特定の商品6について、広告期間の間だけ登録され、広告期間が終了した時点で削除される構成としてよい。
【0081】
商品ファイル401に保持される商品情報403および販売促進情報404は、上述したPOSシステム3に記憶された商品マスタ301と同様の情報であり、ESLサーバ41とPOSシステム3との通信により商品マスタ301の情報に基づいて登録される。このため、商品ファイル401の情報と商品マスタ301の情報とは内容が一致する。
【0082】
装置コード405は、当該商品6と対応付けられた表示装置9の装置コードを示す情報である。商品ファイル401に装置コードが登録されることによって、商品6と表示装置9とがデータ的に対応付けられる(リンク付けされる)ことになる。
【0083】
ただし、商品ファイル401に登録される装置コードは、電子棚札用装置コード4051、電子広告札用装置コード4052のどちらかに分類される。電子棚札用装置コード4051として登録された装置コードに係る表示装置9は、対応付けられた商品6の電子棚札9(1)としてリンク付けられる。すなわち、当該表示装置9は、対応付けられた商品6の商品情報403を表示することになる。一方、電子広告札用装置コード4052として登録された装置コードに係る表示装置9は、対応付けられた商品6の電子広告札9(2)としてリンク付けられる。すなわち、当該表示装置9は、対応付けられた商品6の販売促進情報404を表示することになる。各装置コード4051,4052の登録は、ESLサーバ41が後述するリンク処理を行うことによってなされる。
【0084】
なお、電子棚札用装置コード4051は、全ての商品6について少なくとも1つ登録される必要があるが、電子広告札用装置コード4052は、必ずしも全ての商品6について登録される必要はなく、少なくとも、POP広告の対象となる特定の商品6について登録されればよい。
【0085】
<4.リンク付け>
上述したとおり、電子棚札システム1においては、商品ファイル401において各商品6と1以上の表示装置9とがリンク付けされている。商品6と表示装置9とのリンク付けは店舗スタッフが以下に説明するリンク付け作業を行い、当該作業に応じてESLサーバ41が以下に説明するリンク処理を行うことによってなされる。リンク付け作業およびリンク処理について、再び図5を参照しながら説明する。
【0086】
<4−1.リンク付け作業>
商品6と表示装置9とをリンク付けする場合、店舗スタッフは、情報処理端末180を用いて、リンク付けを指示するコマンドおよびリンク付けに必要な情報を含む「リンク指示情報」を、ESLサーバ41に送信する(リンク付け作業)。ただし、リンク付けに必要な情報とは、リンク付けの対象となる商品6(以下「対象商品6」という)を特定可能な情報(例えば、商品コード)、リンク付けの対象となる表示装置9(以下「対象表示装置9」という))を特定するための情報(例えば、装置コード)、および、対象表示装置9に商品情報403、販売促進情報404のどちらを表示させるかを指定する情報(選択情報)である。
【0087】
リンク付け作業は具体的には、次の手順でなされる。まず、店舗スタッフは、情報処理端末180を持って対象商品6が陳列される商品棚60のところにやってきて、情報処理端末180で対象商品6のバーコードを読み取ってその商品コードを取得する。また、対象商品6とリンク付けしたい対象表示装置9の裏面(あるいは、表面)に貼付されたラベルに印刷されたバーコード(あるいは、対象表示装置9の表面(あるいは、裏面)にレーザーマーキング等で表記されたバーコード)を情報処理端末180で読み取って、対象表示装置9の装置コードを取得する。さらに、店舗スタッフは、対象表示装置9に、商品情報403、販売促進情報404のどちらを表示させるかを指定する選択情報を情報処理端末180に入力する。
【0088】
なお、商品6と表示装置9とをリンク付けする際に、当該商品6と既にリンク付けられている表示装置9が存在する場合がある。例えば、商品6の販売促進情報404を表示させるための表示装置9についてのリンク付け作業を行う際に、当該商品6の商品情報403を表示している表示装置9(すなわち、ESLサーバ41において、当該商品6の電子棚札9(1)としてリンク付けされている表示装置9)が既に存在している場合がある。この場合、対象商品6の商品コードに換えて、当該電子棚札9(1)の装置コードを取得してもよい。
【0089】
対象商品6の商品コード(あるいは、対象商品6と既にリンク付けされている表示装置9の装置コード)、対象表示装置9の装置コード、および、選択情報を情報処理端末180に入力すると、店舗スタッフは、情報処理端末180に対して所定の操作を行って、情報処理端末180に、入力された各情報を含むリンク指示情報を生成させる。さらに、情報処理端末180に対して所定の操作を行って、生成されたリンク指示情報を情報処理端末180からESLサーバ41に送信させる。以上が、店舗スタッフが行うリンク付け作業の具体的な手順である。
【0090】
<4−2.リンク処理>
ESLサーバ41は、情報処理端末180から送信されたリンク指示情報を受信すると、当該受信したリンク指示情報について所定のリンク処理を行う。
【0091】
すなわち、リンク指示情報を受信すると、ESLサーバ41は、商品ファイル401を更新する。具体的には、ESLサーバ41は、商品ファイル401において、リンク指示情報に含まれる商品コード(あるいは、商品コードの換わりに含まれる装置コード)が登録されているレコード402を検索し、発見されたレコード402に、リンク指示情報に含まれる装置コード(対象表示装置9の装置コード)を登録する。これにより、対象商品6と対象表示装置9との対応関係がデータベース上で生成されることになる。
【0092】
ただし、リンク指示情報に含まれる選択情報において、商品情報403を表示させる旨が指定されている場合、ESLサーバ41は、当該リンク指示情報に含まれる装置コードを電子棚札用装置コード4051として登録する。この場合、対象表示装置9は、対象商品6の商品情報403を表示する表示装置、すなわち、電子棚札9(1)としてリンク付けされることになる。
【0093】
一方、選択情報において、販売促進情報404を表示させる旨が指定されている場合、ESLサーバ41は、当該装置コードを電子広告札用装置コード4052として登録する。この場合、対象表示装置9は、対象商品6の販売促進情報404を表示する表示装置、すなわち、電子広告札9(2)としてリンク付けされることになる。
【0094】
<5.電子棚札システム1の動作>
次に、電子棚札システム1の動作について説明する。電子棚札システム1においては、情報配信装置40から表示装置9へ情報の配信が行われ、表示装置9が、配信された情報に基づいてディスプレイ91の表示を更新する。
【0095】
<5−1.情報配信装置40の動作>
はじめに、情報配信装置40が実行する配信動作について、図5を参照しながら説明する。電子棚札システム1において、情報配信装置40から表示装置9への情報の配信は、システム起動時、各表示装置9に表示させるべき情報を更新する際等に行われる。表示装置9に表示させるべき情報を更新する際とは、例えば、商品マスタ301の登録内容(例えば、通常価格、宣伝広告文句等)の変更に応じて商品ファイル401の登録内容が変更されたとき、特売の実施にあたって売価を通常価格から特売価格に変更するとき、特売の終了にあたって売価を通常価格に戻すとき、広告期間の開始に伴って宣伝広告文句の表示を開始させるとき、広告期間の終了に伴って宣伝広告文句の表示を終了させるとき等が該当する。
【0096】
以下の説明において、情報の配信の対象となる情報を「対象情報」という。例えば商品マスタ301において通常価格が変更された場合、変更後の新たな通常価格が対象情報となる。また、例えば商品マスタ301において広告期間が開始された場合、表示すべき宣伝広告文句が対象情報となる。
【0097】
また、以下の説明において、情報の配信の対象となる商品6を「対象商品6」という。例えば商品マスタ301の登録内容の変更に応じて情報を配信する際には、変更の対象となった商品6が対象商品6となる。なお、システムの起動に応じて情報を配信する際には、店舗内の全ての商品6のそれぞれが対象商品6となる。
【0098】
ESLサーバ41は、まず、商品ファイル401のうちの対象商品6に係るレコード402を参照して、対象情報を取得し、取得された対象情報を表示する画面のデータを生成して、更新画面データとして取得する。
【0099】
ESLサーバ41は、さらに対象商品6に係るレコード402を参照して、対象商品6とリンク付けされている表示装置9の装置コードを取得する。ただし、対象情報が商品情報403(例えば、更新後の通常価格)である場合、ESLサーバ41は電子棚札用装置コード4051を取得する。一方、対象情報が販売促進情報404(例えば、新たに表示すべき宣伝広告文句)である場合、ESLサーバ41は電子広告札用装置コード4052を取得する。
【0100】
そして、ESLサーバ41は、生成された更新画面データと取得された装置コードとを含めた1個のデータを生成し、これを配信データとして取得する。
【0101】
配信データが生成されると、続いてESLサーバ41は、生成された配信データを電気的な信号としてベースステーション42を通じて各通信装置43に送信する。配信データを受信した各通信装置43は、これを赤外線信号の形で出力する。各通信装置43から出力された赤外線信号は、販売エリア90内に配置された複数の表示装置9のそれぞれにおいて受信されることになる。上述したとおり、販売エリア90の天井などには略一定距離ごとに複数個の通信装置43が配置されており、販売エリア90内に配置された全ての表示装置9がいずれかの通信装置43から出力された赤外線信号を受信することになる。すなわち、ESLサーバ41から送信された配信データは、複数個の通信装置43を介して、販売エリア90内の全ての表示装置9において受信されることになる。以上が、情報配信装置40による情報の配信動作である。
【0102】
<5−2.表示装置9の動作>
続いて、情報配信装置40から送信された配信データを受信した各表示装置9が実行する動作について、図9を参照しながら説明する。図9には、自装置宛ての配信データを受信した電子広告札9(2)の様子が示されている。
【0103】
通信装置43から出力された赤外線信号を受信した各表示装置9においては、受信された赤外線信号が電気信号に変換されて制御部94に入力される。制御部94は、入力された電気信号から、配信データに含まれているデータ(更新画面データおよび装置コード)を取得する。
【0104】
次に、制御部94は、取得した装置コードが、制御部94のメモリ内に予め記憶された自装置の装置コードと一致するか否かを判定する。取得した装置コードが自装置のものと一致しない場合、制御部94は、受信した配信データは他の表示装置9のための信号と判断してそのまま処理を終了する。
【0105】
一方、取得した装置コードが自装置のものと一致した場合、制御部94は、受信した配信データは自装置のための信号と判断し、配信データを正常に受け取った旨を示す情報を含む赤外線信号(ACK信号)を発光部921に出力させる。そして、取得した更新画面データをディスプレイ91に表示させる。配信データに含まれていた更新画面データが表示装置9のディスプレイ91に表示されることによって、当該ディスプレイ91の表示が、対象商品6の更新後の情報が表示された画面に更新されることになる。
【0106】
ただし、配信データに含まれる更新画面データが商品情報403を表示する画像である場合、当該配信データは、対象商品6の電子棚札9(1)としてリンク付けされている表示装置9に宛てられている。したがって、この場合、対象商品6と対応付けられている電子棚札9(1)のディスプレイ91の表示が、対象商品6の更新後の商品情報403が表示された画面に更新されることになる。
【0107】
一方、配信データに含まれる更新画面データが販売促進情報404を表示する画像である場合、当該配信データは、対象商品6の電子広告札9(2)としてリンク付けされている表示装置9に宛てられている。したがって、この場合、図9に示すように、対象商品6と対応付けられている電子広告札9(2)のディスプレイ91の表示が、対象商品6の更新後の販売促進情報404が表示された画面に更新されることになる。
【0108】
なお、表示装置9から送信されたACK信号は通信装置43で受信され、当該ACK信号に含まれる情報がESLサーバ41に伝達される。ESLサーバ41は、表示装置9からのACK信号を受信した場合は、送信した配信データが表示装置9で正常に受信されたと判断して、当該配信データの送信処理を終了する。一方、表示装置9からのACK信号を受信しない場合は、当該配信データが表示装置9で正常に受信されなかったと判断し、表示装置9からのACK信号を受信するまで当該売価配信データを繰り返し送信し続ける(リカバリー通信)。リカバリー通信を行うことによって、表示装置9の表示を確実に更新でき、システムの信頼性を大幅に向上できる。
【0109】
<6.効果>
上記の実施の形態によると、商品6の商品情報403を表示する表示装置9(電子棚札9(1))に、当該商品6の販売促進情報404を表示する表示装置9(電子広告札9(2))が着脱可能に設けられる。この構成によると、販売エリアに配置された複数の商品6のうち、販売促進情報を表示すべき商品6についてだけ別体の表示装置9を設けることができるので、店舗のスペース効率を不必要に低下させることなく、販売促進情報を顧客に対して適切に伝達することができる。
【0110】
また、上記の実施の形態によると、ESLサーバ41が管理する販売促進情報が、ESLサーバ41から各表示装置9に直接に送られるので、ESLサーバ41にて管理される情報を確実に各表示装置9に表示させることができる。
【0111】
<7.第1の変形例>
この発明の第1の変形例について説明する。なお、以下の各変形例においては、上記の実施の形態と相違しない点については説明を省略する。また、上記の実施の形態と同じ構成要素は、同じ符号で示す。
【0112】
<7−1.表示装置9a>
この変形例に係る表示装置9aの構成について、図10を参照しながら説明する。図10は、商品情報を表示する表示装置9a(電子棚札9a(1))と、これに着設された、販売促進情報を表示する表示装置9a(電子広告札9a(2))とを示す正面図である。
【0113】
この変形例に係る表示装置9aは、上記の実施の形態に係る表示装置9と同様の構成を備える。すなわち、表示装置9aは、筐体90aの前面に配置されたディスプレイ91aおよび通信部92aと、筐体90aの内部に設けられた電池93aおよび制御部94aとを備える。
【0114】
この変形例に係る表示装置9aは、さらに、自装置に着設された他の表示装置9aと通信する機能を備える。具体的には、表示装置9aは、その筐体90aの上側の側面の所定位置に形成された凸型コネクタ98aと、その筐体90aの下側の側面の所定位置(凸型コネクタ98aと対向する位置)に形成された凹型コネクタ99aとを備える。
【0115】
例えば、商品情報を表示する表示装置9a(電子棚札9a(1))の上側に、販売促進情報を表示する表示装置9a(電子広告札9a(2))が着設されると、電子棚札9a(1)の筐体90aの上側の側面に形成された凸型コネクタ98aが、電子広告札9a(2)の筐体90aの下側の側面に形成された凹型コネクタ99aと嵌め合わされる。これによって、電子棚札9a(1)と、その上側に着設された電子広告札9a(2)とが電気的に接続され、電子棚札9a(1)と電子広告札9a(2)との間での情報の授受(通信)が可能となる。
【0116】
<7−2.商品ファイル401a>
この変形例に係る電子棚札システム1aは、上記の実施の形態に係る電子棚札システム1と同様の構成を備えている。この変形例に係るESLサーバ41a(図5参照)は、上記の実施の形態に係るESLサーバ41と同様、商品6に係る各種の情報を示すデータファイルである商品ファイル401aを保持している。図11はこの変形例に係るESLサーバ41aが保持する商品ファイル401aの構成例を示す図である。
【0117】
商品ファイル401aは、上記の実施の形態に係る商品ファイル401と同様、テーブル形式となっており、レコード402aごとに、一の商品6の商品情報403と販売促進情報404とが登録される。さらに、当該商品6と対応付けられた表示装置9aの装置コードが登録される。ただし、商品ファイル401aには、上記の実施の形態に係る商品ファイル401とは異なり、商品6の販売促進情報404を表示する表示装置9a(すなわち、電子広告札9a(2)として用いる表示装置9a)の装置コード(電子広告札用装置コード4052)は登録されない。すなわち、商品ファイル401aには、商品6の商品情報403を表示する表示装置9a(すなわち、電子棚札9a(1)として用いる表示装置9a)の装置コード(電子棚札用装置コード4051)だけが登録される。
【0118】
<7−3.電子棚札システム1aの動作>
電子棚札システム1aの動作について、図5を参照しながら説明する。電子棚札システム1aにおいても、上記の実施の形態に係る電子棚札システム1と同様、情報配信装置40aから表示装置9aへ情報の配信が行われ、表示装置9aが、配信された情報に基づいてディスプレイ91aの表示を更新する。
【0119】
<7−3−1.情報配信装置40aの動作>
情報配信装置40aが実行する配信動作は、上記の実施の形態に係る情報配信装置40が実行する配信動作とほぼ同様である。すなわち、ESLサーバ41aは、対象情報を表示する画面のデータ(更新画面データ)と、対象商品6とリンク付けされている表示装置9の装置コードとを含めた1個のデータ(配信データ)を生成し、これを複数個の通信装置43を介して、販売エリア90内の全ての表示装置9aに送信する。
【0120】
ただし、この変形例においては、配信データに含められる装置コードは必ず電子棚札用装置コード4051である。すなわち、上記の実施の形態に係るESLサーバ41は、対象情報が商品情報403である場合は電子棚札用装置コード4051を、対象情報が販売促進情報404である場合は電子広告札用装置コード4052を、それぞれ商品ファイル401から取得して配信データに含めていたが、この変形例に係るESLサーバ41aは、対象情報が商品情報403、販売促進情報404どちらの場合であっても、商品ファイル401aから電子棚札用装置コード4051を取得して、これを配信データに含める。
【0121】
<7−3−2.配信データを受信した表示装置9aの動作>
続いて、情報配信装置40aから送信された配信データを受信した表示装置9aが実行する動作について、図12を参照しながら説明する。図12には、自装置宛ての配信データを受信した電子棚札9a(1)、および、これに着設された電子広告札9a(2)の様子が示されている。
【0122】
通信装置43aから出力された赤外線信号を受信した各表示装置9aにおいては、受信された赤外線信号が電気信号に変換されて制御部94aに入力される。制御部94aは、入力された電気信号から、配信データに含まれているデータ(更新画面データおよび装置コード)を取得する。
【0123】
次に、制御部94aは、取得した装置コードが、制御部94aのメモリ内に予め記憶された自装置の装置コードと一致するか否かを判定する。取得した装置コードが自装置のものと一致しない場合、制御部94aは、受信した配信データは他の表示装置9aのための信号と判断してそのまま処理を終了する。
【0124】
一方、取得した装置コードが自装置のものと一致した場合、制御部94aは、受信した配信データは自装置のための信号と判断し、配信データを正常に受け取った旨を示す情報を含む赤外線信号(ACK信号)を発光部921aに出力させる。
【0125】
自装置宛の配信データを取得した表示装置9aの制御部94aは、続いて、取得した更新画面データが、商品情報403を表示する画面のデータであるか、販売促進情報404を表示する画面のデータであるかを判断する。この判断は、例えば、ESLサーバ41aが配信データに予め含ませておいたフラグ(当該配信データに含まれる更新画面データが商品情報403、販売促進情報404のどちらを表示する画面のデータであるかを識別するためのフラグ)を参照することによって行われる。
【0126】
取得した更新画面データが商品情報403を表示する画面のデータであると判断した場合、制御部94aは、取得した更新画面データをディスプレイ91aに表示させる。配信データに含まれていた更新画面データが表示装置9aのディスプレイ91aに表示されることによって、当該ディスプレイ91aの表示が、対象商品6の更新後の商品情報403が表示された画面に更新されることになる。
【0127】
ただし、配信データは、対象商品6の電子棚札9a(1)としてリンク付けされている表示装置9aに宛てられている。したがって、この場合、対象商品6と対応付けられている電子棚札9a(1)のディスプレイ91aの表示が、対象商品6の更新後の商品情報403が表示された画面に更新されることになる。
【0128】
一方、取得した更新画面データが販売促進情報404を表示する画面のデータであると判断した場合、制御部94a(すなわち、対象商品6の電子棚札9a(1)としてリンク付けされている表示装置9aの制御部94a)は、取得した更新画面データを、自装置に着設されている表示装置9aに送信する。
【0129】
<7−3−3.更新画面データを受信した表示装置9aの動作>
対象商品6の電子棚札9a(1)としてリンク付けされている表示装置9aに着設されている表示装置9aが実行する動作について、引き続き図12を参照しながら説明する。
【0130】
自装置が着設されている表示装置9aから送信された更新画面データを受信した表示装置9aは、取得した更新画面データをディスプレイ91aに表示させる。当該更新画面データが表示装置9aのディスプレイ91aに表示されることによって、当該ディスプレイ91aの表示が、対象商品6の更新後の販売促進情報404が表示された画面に更新されることになる(図12の下段に示す状態)。
【0131】
ただし、当該更新画面データは、対象商品6と対応付けられている電子棚札9a(1)から、当該電子棚札9a(1)に着設された表示装置9a(すなわち、対象商品6と対応付けられている電子広告札9a(2))に送信されている。したがって、この場合、対象商品6と対応付けられている電子広告札9(2)のディスプレイ91aの表示が、対象商品6の更新後の販売促進情報404が表示された画面に更新されることになる。
【0132】
<7−4.効果>
第1の変形例によると、商品6の販売促進情報404は、商品情報403を表示する表示装置9a(電子棚札9a(1))を経由して、当該商品6の電子広告札9a(2)として機能する表示装置9aに提供される。したがって、ESLサーバ41aは、商品6と、当該商品6の電子広告札9a(2)として利用される表示装置9aとの対応関係をデータとして管理する必要がない。つまり、この構成によるとESLサーバ41aの管理負担を軽減することができる。
【0133】
また、電子広告札9a(2)として利用する表示装置9aについてはリンク作業を行う必要がないので、店舗スタッフの作業負担も軽減される。
【0134】
<8.第2の変形例>
この発明の第2の変形例について説明する。
【0135】
<8−1.表示装置9b>
この変形例に係る表示装置9bの構成について、図13を参照しながら説明する。図13には、商品情報を表示する表示装置9b(電子棚札9b(1))と、これに着設された、販売促進情報を表示する表示装置9b(電子広告札9b(2))とが示されている。
【0136】
この変形例に係る表示装置9bは、上記の実施の形態に係る表示装置9と同様の構成を備える。すなわち、表示装置9bは、筐体90bの前面に配置されたディスプレイ91bおよび通信部92bと、筐体90bの内部に設けられた電池93bおよび制御部94bとを備える。
【0137】
表示装置9bの制御部94bは、上記の実施の形態に係る表示装置9の制御部94と同様、ディスプレイ91bの表示を、リモコン160からの指示に応じて切り換える機能を備えている。具体的には、制御部94bは、リモコン160から出力される赤外線信号を、通信部92bを介して受信した場合、ディスプレイ91bを制御して、メモリ内の画面データ候補から1のデータを選択して、当該選択した1の画面データ候補をディスプレイ91bに表示させる。
【0138】
この変形例においては、販売促進情報を表示する表示装置9b(電子広告札9b(2))のメモリには、複数種類の販売促進情報404のそれぞれに対応する画面データが、画面データ候補として保持される。例えば、「広告の品」との宣伝広告文句が表示される画面データ、「新発売」との宣伝広告文句が表示される画面データ、「○○産」との宣伝広告文句が表示される画面データ、宣伝広告用のイラストが表示される画面データ、等が画面データ候補として保持されている。各画面データ候補には個別の識別情報が付与されており、リモコン160からの赤外線信号を受信した場合、制御部94bは当該信号に含まれる識別情報が付与されている画面データ候補をディスプレイ91bに表示させる。すなわち、店舗スタッフは、リモコン160を用いて表示装置9bに識別情報を入力することによって、当該表示装置9bのディスプレイ91bに、所望の画面データ候補(すなわち、所望の種類の販売促進情報404に対応する画面)を表示させることができる。
【0139】
<8−2.商品ファイル401>
この変形例に係る電子棚札システム1bは、上記の実施の形態に係る電子棚札システム1と同様の構成を備えている。また、この変形例に係るESLサーバ41bは、第1の変形例に係るESLサーバ41aが保持する商品ファイル401aと同じものを保持している。すなわち、この実施の形態に係るESLサーバ41bは、レコードごとに、一の商品6の商品情報403、販売促進情報404、および、電子棚札用装置コード4051(すなわち、当該商品6と対応付けられた表示装置9であって、電子棚札9b(1)として用いる表示装置9bの装置コード)が登録される(図11参照)。
【0140】
<8−3.電子棚札システム1bの動作>
電子棚札システム1bの動作について、図5を参照しながら説明する。電子棚札システム1bにおいても、上記の実施の形態に係る電子棚札システム1と同様、情報配信装置40bから表示装置9bへ情報の配信が行われ、表示装置9bが、配信された情報に基づいてディスプレイ91bの表示を更新する。
【0141】
<8−3−1.情報配信装置40bの動作>
情報配信装置40bが実行する配信動作は、第1の変形例に係る情報配信装置40aが実行する配信動作とほぼ同様である。すなわち、ESLサーバ41bは、対象情報を表示する画面のデータ(更新画面データ)と、対象商品6とリンク付けされている表示装置9の装置コード(電子棚札用装置コード4051)とを含めた1個のデータ(配信データ)を生成し、これを複数個の通信装置43を介して、販売エリア90内の全ての表示装置9bに送信する。
【0142】
ただし、この実施の形態においては、ESLサーバ41bは、対象情報が販売促進情報404である場合には、次の態様で更新画面データを生成する。すなわち、対象情報が販売促進情報404である場合には、ESLサーバ41bは、対象商品6の商品情報403をさらに取得する。そして、取得された商品情報403を表示する画面であって、画面中の一部の領域に、対象情報である販売促進情報404の種類と対応付けられたサインを表示する画面のデータを生成して、更新画面データとして取得する。
【0143】
なお、ESLサーバ41bのハードディスク414には、販売促進情報404の種類とサインの種類とを対応付けたテーブル4010b(図14)が予め記憶されており、ESLサーバ41bは当該テーブル4010bを参照して、更新画面データに表示すべきサインを特定する。図14には、販売促進情報404の種類とサインの種類とを対応付けたテーブル4010bの構成例が示されている。
【0144】
<8−3−2.配信データを受信した表示装置9bの動作>
続いて、情報配信装置40bから送信された配信データを受信した表示装置9bが実行する動作について、再び図13を参照しながら説明する。図13には、自装置宛ての配信データを受信した電子棚札9b(1)、および、これに着設された電子広告札9b(2)の様子が示されている。
【0145】
通信装置43bから出力された赤外線信号を受信した各表示装置9bにおいては、受信された赤外線信号が電気信号に変換されて制御部94bに入力される。制御部94bは、入力された電気信号から、配信データに含まれているデータ(更新画面データおよび装置コード)を取得する。
【0146】
次に、制御部94bは、取得した装置コードが、制御部94bのメモリ内に予め記憶された自装置の装置コードと一致するか否かを判定する。取得した装置コードが自装置のものと一致しない場合、制御部94bは、受信した配信データは他の表示装置9bのための信号と判断してそのまま処理を終了する。
【0147】
一方、取得した装置コードが自装置のものと一致した場合、制御部94bは、受信した配信データは自装置のための信号と判断し、配信データを正常に受け取った旨を示す情報を含む赤外線信号(ACK信号)を発光部921bに出力させる。そして、取得した更新画面データをディスプレイ91bに表示させる。配信データに含まれていた更新画面データが表示装置9bのディスプレイ91bに表示されることによって、当該ディスプレイ91bの表示が更新されることになる。
【0148】
ただし、配信データは、対象商品6の電子棚札9b(1)としてリンク付けされている表示装置9bに宛てられている。したがって、この場合、対象商品6と対応付けられている電子棚札9b(1)のディスプレイ91bの表示が更新されることになる。
【0149】
ここで、対象情報が商品情報403である場合、配信データに含まれていた更新画面データが表示装置9bのディスプレイ91bに表示されることによって、当該ディスプレイ91bの表示が、対象商品6の更新後の商品情報403が表示された画面に更新されることになる。
【0150】
一方、対象情報が販売促進情報404である場合、配信データに含まれていた更新画面データが表示装置9bのディスプレイ91bに表示されることによって、当該ディスプレイ91bの表示が、対象商品6の商品情報403を表示する画面であって、画面中の一部の領域に、対象商品6の更新後の販売促進情報404の種類と対応付けられたサインKが表示された画面に更新されることになる。更新の前後において商品情報403の内容に変更はないため、見かけ上は、現在表示されている画面の中に、サインKだけが新たに追加して表示されることになる。
【0151】
<8−3−3.画面の更新作業>
対象商品6の電子棚札9b(1)としてリンク付けされている表示装置9bに表示されたサインKを見た店舗スタッフは、例えば、サインKの種類と販売促進情報404の種類とを対応付けたテーブル4010b(図14参照)が印字された紙媒体等を参照することにより、当該サインKから対象商品6の更新後の販売促進情報404を知得する。
【0152】
ところで、上述したとおり、店舗スタッフは、リモコン160を用いて、表示装置9bに識別情報を入力することによって、当該表示装置9bのディスプレイ91bに、所望の画面データ候補(すなわち、所望の種類の販売促進情報404に対応する画面)を表示させることができる。
【0153】
そこで、対象商品6の更新後の販売促進情報404を知得した店舗スタッフは、サインKを表示している表示装置9bに着設されている表示装置9bを対象表示装置9bとし、リモコン160を用いて、対象表示装置9bに当該サインKが示唆する販売促進情報404に対応する画面を表示させる。例えば、サインKが「広告の品」との宣伝広告文句を示唆している場合、店舗スタッフは、「広告の品」との宣伝広告文句を表示する画面の画面データ候補に付与されている識別情報を、リモコン160を用いて対象表示装置9bに入力する。
【0154】
ただし、店舗スタッフは、例えば、画面データ候補が表示する販売促進情報404の内容と、当該画面データ候補に付与された識別情報とを対応付けたテーブルが印字された紙媒体等を参照することにより、所望の販売促進情報404に係る画面データ候補の識別情報を知得することができるものとする。なお、画面データ候補に付与する識別情報を、サインKと一致させておけば、店舗スタッフはサインKとして表示されている情報をリモコン160にそのまま入力するだけでよい。例えば、「広告の品」との宣伝広告文句が番号「3」とのサインKと対応付けられている場合、「広告の品」との宣伝広告文句を表示する画面データ候補に識別情報「3」を付与しておけば、店舗スタッフは、サインKとして表示された番号をリモコン160にそのまま入力するだけでよい。
【0155】
<8−3−4.更新指示を受信した表示装置9bの動作>
リモコン160からの赤外線信号を受信すると、表示装置9bの制御部94bは、当該信号に含まれる識別情報が付与されている画面データ候補をディスプレイ91bに表示させる。当該画面データ候補が表示装置9bのディスプレイ91bに表示されることによって、当該ディスプレイ91bの表示が、対象商品6の更新後の販売促進情報404が表示された画面に更新されることになる(図13の下段に示す状態)。
【0156】
ただし、リモコン160からの指示は、対象商品6と対応付けられている電子棚札9b(1)に着設された表示装置9b(すなわち、対象商品6と対応付けられている電子広告札9b(2))に入力されている。したがって、この場合、対象商品6と対応付けられている電子広告札9(2)のディスプレイ91bの表示が、対象商品6の更新後の販売促進情報404が表示された画面に更新されることになる。
【0157】
<8−4.効果>
第2の変形例によると、ESLサーバ41bが管理する販売促進情報404の種類が、商品情報403を表示する表示装置9b(電子棚札9b(1))が表示するサインKにより店舗スタッフに知得される。そして、当該商品6の電子広告札9b(2)として機能する表示装置9bは、店舗スタッフから指示された種類の販売促進情報404を表示する。したがって、ESLサーバ41bは、商品6と、当該商品6の電子広告札9b(2)として利用される表示装置9bとの対応関係をデータとして管理する必要がない。つまり、この構成によるとESLサーバ41bの管理負担を軽減することができる。
【0158】
また、電子広告札9b(2)として利用される表示装置9bについてはリンク作業を行う必要がないので、店舗スタッフの作業負担も軽減される。
【0159】
<9.第3の変形例>
上記の実施の形態においては、ESLサーバ41は、対象情報が商品情報403の場合には、商品情報403を表示する更新画面データを配信データに含め、対象情報が販売促進情報404の場合には、販売促進情報404を表示する更新画面データを配信データに含める構成とした。ここで、対象情報が販売促進情報404の場合には、当該販売促進情報404を表示する更新画面データに換えて、当該販売促進情報404を表示する画面データ候補の識別情報を配信データに含める構成とてもよい。
【0160】
この変形例に係る表示装置9(電子広告札9(2)として利用される表示装置9b)においては、第2の変形例に係る表示装置9bと同様、複数種類の販売促進情報404のそれぞれに対応する画面データが画面データ候補としてメモリに保持されており、各画面データ候補には個別の識別情報が付与されている。そして、ESLサーバ41から自装置宛ての配信データ(画面データ候補の識別情報を含む配信データ)を受信した場合、当該表示装置9の制御部94は、配信データに含まれる識別情報が付与されている画面データ候補をディスプレイ91に表示させる。これによって、当該ディスプレイ91の表示が、対象商品6の更新後の販売促進情報404が表示された画面に更新されることになる。
【0161】
<10.第4の変形例>
上記の実施の形態においては、商品情報403を表示する表示装置9(電子棚札9(1))と、販売促進情報404を表示する表示装置9(電子広告札9(2))とは同じ構成を備えるものとしたが、両者の構成は必ずしも同じでなくともよい。例えば、図15に示すように、電子広告札9(2)として用いられる表示装置9のディスプレイは、カラー表示が可能なカラーディスプレイであるとし、電子棚札9(1)として用いられる表示装置9のディスプレイは、モノクロ表示のみが可能なモノクロディスプレイとしてもよい。
【0162】
この変形例によると、商品情報を表示する表示装置9(電子棚札9(1))は、製造コストが比較的安価なモノクロ表示ディスプレイとし、販売促進情報を表示する表示装置9(電子広告札9(2))は、表現力が豊かなカラー表示ディスプレイとされるので、製造コストを抑えつつ、商品の宣伝広告効果を高めることができる。
【0163】
また例えば、図16に示すように、電販売促進情報を表示する表示装置9(電子広告札9(2))の筐体の外装は、顧客の目を引きやすい目立つ色(例えば、黄色)とし、商品情報を表示する表示装置9(電子棚札9(1))の筐体の外装は白色としてもよい。この構成によると、電子棚札9(1)に比べて電子広告札9(2)を目立たせることができるので、宣伝広告効果を高めることができる。
【0164】
<11.第5の変形例>
上記の実施の形態においては、各表示装置9は、他の表示装置9に着脱可能に構成されており、図2においては、商品情報を表示する表示装置9(電子棚札9(1))の上側に、販売促進情報を表示する表示装置9(電子広告札9(2))が着設される構成が例示されていた。ここで、表示装置9を他の表示装置9に着設する位置(着設位置)を変更できる構成としてもよい。
【0165】
この構成は、例えば、上記の実施の形態に係る表示装置9においてはその上側の側面と下側の側面とに形成されていた溝901を、各表示装置9の筐体90の下側の側面と上側の側面とだけでなく、左側および右側の各側面にも形成することによって実現できる。
【0166】
溝901を筐体90の周囲の全体に形成しておけば、図2に示すように、電子棚札9(1)の上側に電子広告札9(2)が着設された状態とすることができる他、図2に示す状態から、図17に示すように、電子棚札9(1)の右側に電子広告札9(2)が着設された状態に変更することも可能となる。
【0167】
すなわち、ヒンジ部8の一部の軸受け81(軸80を介して互いに連結された複数の軸受け81のうちの一部の軸受け81)を、電子広告札9(2)の筐体90の左側の側面に着設するとともに、残りの軸受け8を電子棚札9(1)の筐体90の右側の側面に着設することによって、電子棚札9(1)の右側に電子広告札9(2)が着設された状態とすることができる。
【0168】
この変形例によると、各表示装置9の、他の表示装置9に対する着設位置を変更することができるので、例えば、電子棚札9(1)が商品棚60のどの位置に設置されるかに応じて、電子広告札9(2)の着設位置を変更することにより、販売促進情報404を常に顧客に見えやすい位置に配置することができる。
【0169】
また、上述したとおり、各表示装置9は、他方の表示装置9に対して起倒可能にヒンジ連結される。したがって、例えば、通路に面した商品棚60のフレーム62に着設された電子棚札9(1)の右側(あるいは、左側)に電子広告札9(2)を着設し、さらに、電子広告札9(2)を電子棚札9(1)のディスプレイ91側に倒して、電子広告札9(2)を通路に向かって突出した姿勢におく(例えば、電子広告札9(2)を、そのディスプレイ91が電子棚札9(1)のディスプレイ91と90°の角度をなすような姿勢におく)ことができる。このような姿勢としておけば、電子広告札9(2)が商品棚60のフェース61の法線方向に沿って(すなわち、通路に向かって)突き出た格好となり、電子広告札9(2)のディスプレイ91を、通路を歩く顧客の目につきやすくすることができる。すなわち、販売促進情報404を顧客に強くアピールすることができる。
【0170】
<12.第6の変形例>
上記の実施の形態においては、一の表示装置9と、当該表示装置9に着設される他の表示装置9とは、ヒンジ部8によりヒンジ連結される構成としたが、各表示装置9を連結する構成はこれに限らない。例えば、ヒンジ部8に代えて、蛇腹状の連結部材を設けてもよい。また、ヒンジ部8をバネ付きヒンジとし、一の表示装置9のディスプレイ91と当該表示装置9に着設される他の表示装置9のディスプレイ91とがなす角度θが所定値(例えば180°)よりも小さい、あるいは大きい場合には、当該角度θが所定値となるように表示装置9の姿勢を戻す構成としてもよい。また、ヒンジ部8を回転2軸ヒンジにより構成してもよい。
【0171】
また、上記の実施の形態においては、ヒンジ部8は、各表示装置9に対して着脱可能に構成されているとしたが、ヒンジ部8は1つの表示装置9に固定的に設置されていてもよい。例えば、商品情報403を表示する表示装置9(電子広告札9(2))に固設されていてもよい。
【0172】
<13.第7の変形例>
上記の実施の形態において、各表示装置9が、他の表示装置9に対する自装置の着設位置を店舗スタッフに知得させるためのサイン(着設位置サイン)をディスプレイ91に表示する構成としてもよい。
【0173】
この変形例においては、ESLサーバ41が保持する商品ファイル401の各レコード402に、着設位置サイン(例えば、矢印マーク等)を登録可能とする。ただし、各レコード402において、当該レコード402に係る商品6の電子棚札9(1)に表示させるべき着設位置サインは、商品情報403として登録する。また、当該レコード402に係る商品6の電子広告札9(2)に表示させるべき着設位置サインは、販売促進情報404として登録する。
【0174】
先に説明したとおり、ESLサーバ41は、対象情報を表示する画面のデータ(更新画面データ)と、対象商品6とリンク付けされている表示装置9の装置コードとを含めた1個のデータ(配信データ)を生成し、これを複数個の通信装置43を介して、販売エリア90内の全ての表示装置9に送信する。
【0175】
この変形例においては、ESLサーバ41は、次の態様で更新画面データを生成する。すなわち、ESLサーバ41は、対象情報を表示する画面であって、画面中の一部の領域に着設位置サインを表示する画面のデータを生成して、更新画面データとして取得する。ただし、対象情報が商品情報403である場合、ESLサーバ41は、商品情報403として保持されている着設位置サインを表示する画面のデータを生成する。また、対象情報が販売促進情報404の場合、ESLサーバ41は、販売促進情報404として保持されている着設位置サインを表示する画面のデータを生成する。
【0176】
先に説明したとおり、情報配信装置40から配信された配信データは対象商品6とリンク付けられた表示装置9により受信され、表示装置9は配信された情報に基づいてディスプレイ91の表示を更新する。これにより、対象商品6の商品情報403に係る更新画面データは、当該対象商品6とリンク付けられた電子棚札9(1)に表示されることになる。また、対象商品6の販売促進情報404に係る更新画面データは、当該対象商品6とリンク付けられた電子広告札9(2)に表示されることになる。したがって、上記の構成によると、電子棚札9(1)のディスプレイ91には、商品情報403として登録されていた着設位置サインが表示されることになる。また、電子広告札9(2)のディスプレイ91には、販売促進情報404として登録されていた着設位置サインが表示されることになる。
【0177】
なお、着設位置サインは、必ずしも全ての表示装置9に表示させる必要はない。例えば、電子広告札9(2)にのみ表示させる構成としてもよい。この場合、商品情報403として着設位置サインを登録する必要はない。
【0178】
この変形例によると、店舗スタッフは、表示装置9に表示される着設位置サインを見て、当該表示装置9を他の表示装置9のどちら側に着設すべきかを迷わず決定することができる。
【0179】
図18には、着設位置サインQが表示された表示装置9が例示されている。着設位置サインQは、例えば図示されるように、販売促進情報404が、商品情報403を表示する表示装置9(電子棚札9(1))に対して定められた位置関係で表示されることによって初めて意味が生じるイラストである場合に特に有効である。なお、図18の例では、電子広告札9(2)に、下向き矢印の着設位置サインQ(自装置を他の表示装置9の上側に着設すべき旨を表す着設位置サイン)が表示されているが、この表示に代えて(あるいは、この表示に加えて)、電子棚札9(1)に、上向き矢印の着設サイン(自装置を他の表示装置9の下側に着設すべき旨を表す着設位置サイン)を表示してもよい。
【0180】
<14.第8の変形例>
上記の実施の形態においては、一種類の商品6に電子棚札9(1)と電子広告札9(2)とが1個ずつ対応付けられる構成であったが、一種類の商品6に2以上の電子広告札9(2)が対応付けられてもよい。また、一種類の商品6に2個以上の電子棚札9(1)が対応付けられてもよい。例えば、一種類の商品6に2個の電子広告札9(2)を対応付ける態様は、次の構成により実現することができる。
【0181】
この変形例においては、ESLサーバ41が保持する商品ファイル401の各レコード402に、第1の電子広告札用装置コード4052と、第2の電子広告札用装置コード4052とを登録可能とする。また、各レコード402に、第1の販売促進情報404と、第2の販売促進情報404とを登録可能とする。
【0182】
先に説明したとおり、ESLサーバ41は、対象情報を表示する画面のデータ(更新画面データ)と、対象商品6とリンク付けされている表示装置9の装置コードとを含めた1個のデータ(配信データ)を生成し、これを複数個の通信装置43を介して、販売エリア90内の全ての表示装置9に送信する。
【0183】
この変形例においては、商品ファイル401において、対象商品6とリンク付けされている装置コードが3つ存在する。ESLサーバ41は、配信データに含める装置コードを取得する際に、対象情報が、商品情報403、第1の販売促進情報404、第2の販売促進情報404、のうちのいずれであるかに基づいて、対象商品6とリンク付けされている3個の装置コードのうちのどれを配信データに含めるかを決定する。具体的には、ESLサーバ41は、対象情報が商品情報403である場合は、電子棚札用装置コード4051を取得する。また、対象情報が第1の販売促進情報404である場合は、第1の電子広告札用装置コード4052を取得する。また、対象情報が第2の販売促進情報404である場合は、第2の電子広告札用装置コード4052を取得する。
【0184】
先に説明したとおり、情報配信装置40から配信された配信データは対象商品6とリンク付けられた表示装置9により受信され、表示装置9は配信された情報に基づいてディスプレイ91の表示を更新する。この変形例においては、対象商品6の商品情報403に係る更新画面データは、当該対象商品6とリンク付けられた電子棚札9(1)に表示されることになる。また、対象商品6の第1の販売促進情報404に係る更新画面データは、当該対象商品6とリンク付けられた第1の電子広告札9(2)に表示されることになる。また、対象商品6の第2の販売促進情報404に係る更新画面データは、当該対象商品6とリンク付けられた第2の電子広告札9(2)に表示されることになる。
【0185】
図19には、一種類の商品6に対応付けられた2個の電子広告札9(2)が、当該商品6に対応付けられた電子棚札9(1)に着設されている状態が例示されている。図示されるように、同一商品6に対応付けられた2個の電子広告札9(2)は、当該商品6に対応付けられた電子棚札9(1)の周囲(例えば右側の側面、および、左側の側面)にそれぞれ着設される。
【0186】
一種類の商品6の販売促進情報404を複数個の表示装置9に表示することによって、多様な販売促進情報404を表示することができ、顧客の注意を強く惹くことが可能となる。なお、この場合においては、上記の変形例において説明した着設位置サインQを、2個の電子広告札9(2)のそれぞれに表示することが好ましい。
【0187】
<15.第9の変形例>
上記の実施の形態においては、同じ商品6に対応付けられた2個の表示装置9のうち、一方が常に当該商品6の商品情報403を表示し、他方が常に当該商品6の販売促進情報404を表示していたが、各表示装置9の表示内容を入れ換え可能としてもよい。
【0188】
この変形例について、図20を参照しながら説明する。この変形例に係る電子棚札システム1cは、第1の変形例に係る電子棚札システム1aとほぼ同様の構成を備えている。以下においては、第1の変形例に係る電子棚札システム1aと相違する点を説明する。
【0189】
いま、ある商品6の商品情報403を表示している表示装置9c(以下「主表示装置9c(10)」という)があるとする。ただし、この変形例に係る表示装置9cは、第1の変形例に係る表示装置9aと同様、自装置に着設された表示装置9cと通信する機能を備える。
【0190】
主表示装置9c(10)の制御部94cは、自装置の所定側(例えば、自装置の下側)に他の表示装置9c(以下「副表示装置9c(20)」という)が着設されたことを検出した場合、自装置が表示している画面(商品情報403を表示する画面)のデータを、副表示装置9c(20)に送信する。
【0191】
主表示装置9c(10)から、主表示装置9c(10)が表示していた画面のデータを取得した副表示装置9c(20)は、取得した画面データを自装置のディスプレイ91cに表示させる。これによって、副表示装置9c(20)のディスプレイ91cに、対象商品6の商品情報403を表示する画面が表示されることになる(図20の中段に示される状態)。
【0192】
また、主表示装置9c(10)の制御部94cは、自装置に副表示装置9c(20)が着設されている状態において自装置当ての更新画面データを取得すると、当該取得した更新画面データが商品情報403を表示する画面のデータ、販売促進情報404を表示する画面のデータのどちらであるかを判断する。
【0193】
取得した更新画面データが販売促進情報404を表示する画面のデータであると判断した場合、制御部94cは、当該取得した更新画面データを、自装置のディスプレイ91cに表示させる(図20の下段に示される状態)。これによって、主表示装置9c(10)のディスプレイ91cの表示が、対象商品6の商品情報403が表示された画面から対象商品6の販売促進情報404が表示された画面に更新されることになる。
【0194】
一方、取得した更新画面データが商品情報403を表示する画面のデータであると判断した場合、制御部94cは、当該取得した更新画面データを副表示装置9c(20)に送信する。
【0195】
主表示装置9c(10)から、商品情報403を表示する更新画面データを取得した副表示装置9c(20)は、取得した画面データを自装置のディスプレイ91cに表示させる。これによって、副表示装置9c(20)のディスプレイ91cの表示が、対象商品6の更新後の商品情報403が表示された画面に更新されることになる。
【0196】
上記の構成によると、商品6の商品情報403を表示している表示装置9(主表示装置9c(10))が、商品情報403に換えて販売促進情報404を表示開始する一方で、当該主表示装置9c(10)に着設される表示装置9(副表示装置9c(20))が、当該商品情報403を表示することになる。
【0197】
ただし、上記の例においては、表示装置9cの制御部94cは自装置の所定側に他の表示装置9cが着設された場合に表示内容の入れ換えに係る制御を開始する構成としたが、表示装置9cの制御部94cが当該制御を開始するタイミングはこれに限らない。例えば、図21に示すように、2個の表示装置9cが互いに着設され、一方が当該商品6の商品情報403を表示し、他方が当該商品6の販売促進情報404を表示している状態において、いずれか一方の表示装置9cに対して、店舗スタッフがリモコン160から、表示内容の入れ換えに係る制御を開始すべき旨の指示を入力した場合に、当該制御を開始する構成としてもよい。なお、当該指示は、ESLサーバ41から送信される構成としてもよい。
【0198】
上記の変形例によると、表示装置9cの着設位置を変更せずに、商品情報403の表示位置と販売促進情報404の表示位置とを入れ換えることができる。すなわち、商品情報403の表示位置を変更することができる。
【0199】
例えば、先にフレーム62に設置されている表示装置9cに対して別の表示装置9cを着設する作業は、設置されている表示装置9cのどの位置に別の表示装置9cを着設するかによって作業のしやすさが変わってくる。例えば、上段のフレーム62に設置されている表示装置9cの場合、その下側に別の表示装置9cを着設する作業は簡単に行えるが、その上側に別の表示装置9cを着設する作業ははやりにくい。逆に、下段のフレーム62に設置されている表示装置9cの場合、その上側に別の表示装置9cを着設する作業は簡単に行えるが、その下側に別の表示装置9cを着設する作業ははやりにくい。上記の変形例によると、例えば、販売促進情報404は常に商品情報403の上側に表示されるべき、との店舗固有のルールがある場合であっても、とりあえずは、着設対象となる表示装置9cの上側と下側のうち、より簡単に着設できる側に別の表示装置9cを着設しておき、その後、必要な場合は、各情報がルールに応じた位置関係で表示されるように、商品情報403の表示位置と販売促進情報404の表示位置とを入れ換えればよい。つまり、表示位置に関する店舗固有のルールがある場合であっても、表示装置9cを着設する作業を容易に行うことができる。
【0200】
なお、一の表示装置9と、これに着設される別の表示装置9との間で表示内容を入れ換える態様は上記に例示したものに限らない。例えば、上記の実施の形態において、ESLサーバ41が、店舗スタッフからの指示入力に応じて、商品ファイル401において電子棚札用装置コード4051に登録されている情報と、電子広告札用装置コード4052に登録されている情報とを入れ換えて再登録する構成としてもよい。
【0201】
この構成によると、商品ファイル401において、電子棚札9(1)としてリンク付けされていた表示装置9が電子広告札9(2)としてリンク付けし直されるとともに、電子広告札9(2)としてリンク付けされていた表示装置9が電子棚札9(1)としてリンク付けし直される。その結果、商品6の商品情報403を表示していた表示装置9が、商品情報403に換えて販売促進情報404を表示開始する一方で、当該表示装置9に着設される表示装置9が、当該商品情報403を表示することになる。この場合、表示装置9が自装置に着設された表示装置9と通信する機能を有さない構成においても、表示装置9間の表示入れ換えを実現することができる。
【0202】
<16.その他の変形例>
<16−1.その他の変形(1)>
上記の実施の形態に係る表示装置9は、電池93により駆動される。ところで、従来の一般的な表示装置においては、通信装置43からの赤外線信号の有無の確認のために、定期的に(例えば1秒毎)にフォトダイオードを用いた赤外受信回路を動作させる。この場合、マイコンがスリープ状態にある場合でもタイマを動作させておく必要があり、また、定期的に赤外線受信回路を動作させる必要があるため、電池の消耗が激しかった。一方で、信号の受信確認が間欠的(例えば1秒おき)となるため、赤外線信号に対する即応性が落ちるという問題もあった。
【0203】
そこで、表示装置9において、赤外線信号の有無の確認をACK返信用のLEDを用いて行う構成としてもよい。この構成は、具体的には、表示装置9において、ACK返信用のLEDに生じる電圧を検出するコンパレータを設けることにより実現できる。つまり、ACK返信用のLEDに赤外線信号が入射すると、電圧が生じるところ、この電圧をコンパレータが検出することによって、赤外線信号を検知することができる。コンパレータが電圧を検出した場合には、スリープ状態のマイコンをウェイクアップさせる構成としておけば、マイコンを、タイマ等を用いて定期的にウェイクアップさせる必要がなくなる。
【0204】
この変形例によると、タイマを動作させる必要がないので、待機時の消費電力を下げることが可能となる。さらに、コンパレータは、フォトダイオードを用いた赤外受信回路に比べて消費電流が少ないので、待機時の消費電力をさらに下げることが可能となる。待機時の消費電力の低下によって、電池93の消耗を抑えることが可能となる。また、コンパレータを常時作動させることによって、赤外線信号に対する即応性を高めることも可能となる。
【0205】
<16−2.その他の変形(2)>
従来の一般的な電子棚札システムにおいては、店舗スタッフの退店後も売価変更やローミング探索(送信されたデータが送信対象となる表示装置により適正に受信されるまで、全てのサブセル(販売エリアを複数の部分領域に区分することにより規定される通信エリア)に対して順番に当データを送信していく処理)が行われる。店舗内に配置された各表示装置には、店舗の開店準備時において、その時点の最新の情報が表示されていれば十分であり、店舗スタッフが退店してから翌日の開店準備までの時間帯に行われる赤外線通信は、実際は無駄である。このような無駄な赤外線通信により表示装置の電池が消耗してしまうことは好ましくない。電子棚札システム自体をOFFしてしまえば、このような無駄な赤外線通信は行われないが、この場合は本部センターからの売価変更指示等が受け取れなくなってしまう。
【0206】
そこで、上記の実施の形態に係る電子棚札システム1においては、指定された特定の時間帯(例えば、店舗スタッフの退店時刻から、開店準備の開始時刻までの時間帯)においては、ベースステーション42、あるいは、サブセル(もしくは、これらの両方)を一時的に無効にできる構成としてもよい。この場合、無効にしたベースステーション42等に対して実行されたジョブは、送信されずに一時的に停滞されるものとし、無効が解除されて再度有効化された際に溜まっていたジョブが送信されるものとする。なお、ここで、ベースステーション42等が無効にされていた期間中に、当該ベースステーション42等に対して同一商品6に係る売価変更が複数回発生した場合、無効が解除された際には、最新の売価情報のみが送信される構成とすれば、無駄な通信をなくすことができる。
【0207】
この変形例によると、無駄な赤外線通信が行われないので、表示装置9の電池93の消耗を抑えることが可能となる。また、通信装置43の劣化も軽減できる。
【0208】
なお、上記の変形例において、ベースステーション42、あるいは、サブセル(もしくは、これらの両方)の一部を選択して、選択対象とされたベースステーション42等だけを一時的に無効にできる構成としてもよい。この構成によると、上記の効果が得られる他、有効なベースステーション42およびサブセルを限定することによって、特定の通信エリアの通信効率を向上させることができる。
【0209】
<16−3.その他の変形(3)>
従来の一般的な電子棚札システムにおいては、ESLサーバは、サブセルを巡回してローミング探索を行う。この場合、ローミング探索においてサブセルが切り替わる毎に、対象となるサブセルに配置されている表示装置がウェイクアップすることになる。したがって、ローミング探索が頻繁に発生する環境においては、表示装置の電池の消耗が激しかった。特に、各サブセルは、隣接するサブセル同士が重なるように配置されるため、サブセルの境界付近に形成されるサブセルの重なり領域に配置される表示装置はウェイクアップの頻度が倍になる。このため、特に電池の消耗が特に著しくなってしまう。
【0210】
そこで、上記の実施の形態に係る電子棚札システム1においては、ローミング探索を次の態様で行ってもよい。すなわち、ローミング探索を行う場合、まず、一度に全てのサブセルに対して送信を行う(一斉送信)。そして、当該一斉送信に対する最も強いACK信号を受信した通信装置43を特定し、当該通信装置43が属するサブセルをローミング探索の対象となる表示装置9が属するサブセル(ホームサブセル)と判断する。
【0211】
この変形例によると、ローミング探索における各表示装置9のウェイクアップ回数は一度で済む。したがって、表示装置9における電池93の消耗を抑えることが可能となる。
【0212】
<16−4.その他の変形(4)>
従来の一般的な電子棚札システムにおいては、ESLサーバは表示装置に対して、ジョブ単位で情報を送信する。具体的には、ESLサーバは、表示装置に対してまずウェイクアップの信号を送信し、続いて当該ジョブに係る情報(送信データ)を送信する。表示装置においては、ウェイクアップ信号によりウェイクアップ状態となり、同一ジョブを受信している間はウェイクアップ状態を継続させ続ける。そして、当該ジョブの受信を完了すると一旦ウェイクアップ状態を終了し、次のジョブに係るウェイクアップ信号により再びウェイクアップ状態に遷移する。つまり、ジョブが切り替わる毎に、ウェイクアップ状態に遷移する。この場合、例えば連続して複数のジョブが送信される場合であっても、ジョブが切り替わる毎に表示装置がスリープ状態からウェイクアップ状態への遷移を行うことになるため、表示装置がスリープ状態からウェイクアップ状態に遷移する頻度が高くなる。ウェイクアップ回数が多くなると表示装置の電池消耗が激しくなってしまう。この問題を解消するために、上記の実施の形態に係る電子棚札システムにおいて、次の第1〜第3の態様に係る構成を適用してもよい。
【0213】
<16−4−1.第1の態様>
第1の態様においては、サブセル毎に送信データ(ジョブ)をまとめておき、まとめられた複数のジョブを一括して送信する構成とする。具体的には、まずウェイクアップの信号を送信し、続いて、まとめられた複数のジョブを次々と送信する。この場合、表示装置9においては、ウェイクアップ信号によりウェイクアップ状態となり、続く一連のジョブを受信している間はウェイクアップ状態を継続させ続ける。そして、複数のジョブの受信を完了した後に、ウェイクアップ状態からスリープ状態に遷移する。
【0214】
この態様によると、ジョブが切り替わる毎にウェイクアップ状態に遷移していた従来の構成に比べて、表示装置9のウェイクアップ回数を減らすことができる。これによって表示装置9の電池96の消耗を抑えることができる。
【0215】
<16−4−2.第2の態様>
第2の態様においては、上述した第1の態様において、さらに、ESLサーバ41がサブセルを切り換えるまでのタイムアウト時間を設ける構成とする。すなわち、ここでは、ESLサーバ41は、第1のサブセルから送信されるジョブがなくなっても、タイムアウト時間が経過するまでは、送信対象を第1のサブセルから第2のサブセルへ切り換えずに待機し、タイムアウト時間が経過するまでに、第1のサブセルに新たなジョブが登録された場合は、第2のサブセルへの送信を開始せずに、第1のサブセルへの送信処理を続行する。
【0216】
この態様によると、第1のサブセルから送信されるジョブがなくなると、直ちに別の第2のサブセルに対するジョブの送信が開始される従来の態様と比べて、表示装置9がスリープ状態からウェイクアップ状態に遷移する回数を少なくすることが可能となる。これによって表示装置9の電池96の消耗をさらに抑えることができる。
【0217】
なお、上記の態様においては、タイムアウト時間を店舗スタッフが任意に設定できる構成とすることが好ましい。この構成によると、各店舗の使用態様に応じた最適のタイムアウトを設定することによって、表示装置9の電池96の消耗を抑えつつ、各サブセルに対する情報の配信を適切に行うことができる。
【0218】
<16−4−3.第3の態様>
上記の各態様においては、ESLサーバ41は、第1のサブセルにジョブが存在する限り、当該サブセルに対する送信処理を行い続けることになる。この場合、第2のサブセルに優先度の高いジョブが登録されている場合に、当該優先度が高いジョブの送信が遅れてしまう可能性がある。
【0219】
そこで、上記の各態様において、サブセル毎にスキップカウントを設ける構成としてもよい。つまり、あるサブセルについてジョブが登録された場合、ESLサーバ41は、まず、当該ジョブが、優先度の高いジョブとして分類されるジョブであるか否かを判断する。ここで、優先度の高いジョブでないと判断された場合、当該サブセルのスキップカウントをインクリメントする。そして、スキップカウントが所定の閾値を超えると、当該サブセルに対して登録されたジョブが残っていたとしても、サブセルを切り換える。
【0220】
この態様によると、ジョブをまとめて送信することによって、表示装置9がスリープ状態からウェイクアップ状態に遷移する回数をより少なくすることができる一方で、優先度の低いジョブが溜まってくると、サブセルの切り換えが行われるので、優先度の高いジョブの送信遅れも抑制できる。
【0221】
<16−5.その他の変形(5)>
上記の実施の形態に係る電子棚札システム1においては、情報配信装置40から送信された情報を受信した表示装置9は、情報配信装置40に対してACK信号を返信する。これによって、双方向通信が実現されており、ESLサーバ41において、データの受信状況(表示装置9においてデータが適切に受信されたか否か)を確認することができる。
【0222】
ところが、赤外線ノイズの強い環境では、ACK信号の誤検出が生じる可能性がある。すなわち、表示装置9からのACK信号の送信が実際はない(すなわち、情報配信装置40から送信された送信データが表示装置9において適切に受信されていない)にもかかわらず、ESLサーバ41が、赤外線ノイズ等をACK信号として誤って検出してしまう可能性がある。この場合、表示装置9の表示画面とESLサーバ41のデータとの間に齟齬が生じてしまう。具体的には、ESLサーバ41の側で想定している画面(例えば、更新後の売価)が、表示装置9において表示されていないという状況が生じてしまう。
【0223】
そこで、上記の実施の形態に係る電子棚札システム1において、ACK信号の確認回数を設定可能とし、ESLサーバ41は、設定された回数分のACK信号が得られるまで、同じデータを繰り返し送信する構成としてもよい。例えば、赤外線ノイズが強い環境では、ACK信号の確認回数を2回以上に設定しておく。例えば、確認回数を「3」としておけば、ACK信号が3回受信されるまで同じデータが繰り返し送信され続けるので、ACK信号の誤検出により表示装置9の表示画面とESLサーバ41のデータとの間に齟齬が生じるといった事態の発生を回避できる。
【0224】
<16−6.その他の変形(6)>
従来の一般的な電子棚札システムにおいては、1つのサブセルに対する通信が終了してから次のサブセルへの通信を開始する構成となっており、複数のサブセルに対して同時に通信を行うことは許されていなかった。これは、複数のサブセルに対して同時に通信を行う場合、赤外線干渉が生じるおそれがあるからである。
【0225】
従来のこの構成によると、複数のサブセルに対して同時に通信を行うことができないために、通信効率が悪く、通信速度が遅くなるという問題があった。
【0226】
そこで、上記の実施の形態に係る電子棚札システム1においては、次の構成を適用してもよい。すなわち、店舗内に配置されるベースステーション42に対して所属コードを付与する。ただし、この際に、赤外線が干渉する可能性がある位置関係にあるベースステーション42については、同じ所属コードを付与し、赤外線干渉が生じる可能性がないサブセル同士(例えば、1階のフロア内にあるサブセルと2階のフロア内にあるサブセル)には異なる所属コードを付与する。そして、ESLサーバ41において、違う所属コードにあるベースステーション42については、並行して通信を行うことを許容する。ただし、同じ所属コードにあるベースステーション42については、従来通り、並行して通信を行うことを禁止する。
【0227】
この変形例によると、複数のサブセルに対して並行して通信を行うことができるので、通信効率が向上し、通信速度が速くなる。
【0228】
また、この変形例によると、1台のESLサーバ41で複数の店舗を管理する場合に、各店舗に並行して通信を行うことができるので、ある店舗にばかり通信が行われて他の店舗の通信が待たされる、といった通信効率の偏りを解消することができる。
【0229】
<16−7.その他の変形(7)>
電子棚札システム1においては、各表示装置9の内部情報(例えば、バッテリ消費量、ディスプレイの消耗度、通信エラーレート等)を取得することが、システムの管理上重要である。従来の一般的な電子棚札システムにおいては、表示装置の内部情報を取得する場合、まず、ESLサーバがデバッグ用の赤外コマンドを対象となる表示装置に対して送信し、対象となる表示装置が当該コマンドに応じて自装置の内部情報をディスプレイに表示し、店舗スタッフがこれを目視して内部情報を取得する、という態様であった。このような態様は、非効率的であり、店舗スタッフの手間もかかる。
【0230】
そこで、上記の実施の形態に係る電子棚札システム1においては、各表示装置9が、ACK信号を発信する際に、当該ACK信号に自装置の内部情報(具体的には、表示装置9の装置コード、内部エラー状態、バッテリ消費量、ディスプレイ91の消耗度、通信エラーレート等を示す情報)を含める構成としてもよい。この構成によると、ESLサーバ41は、ACK信号を受信することによって、当該ACK信号を発信した表示装置9の内部情報を取得することができる。
【0231】
この変形例によると、各表示装置9の内部情報をESLサーバ41にて管理することができる。また、定期的に各表示装置9から内部情報を取得することも容易である。各表示装置9の最新の内部情報をESLサーバ41にて管理しておくことによって、電子棚札システム1のシステム品質、メンテナンス性を向上させることができる。
【0232】
なお、上記の構成において、さらに、表示装置9が同じデータを連続して複数回送信する構成とし、ESLサーバ41が、受信したデータの内容が一致するか否かを判断して、一致する場合にのみ当該データを信頼できるデータとみなす構成としてもよい。このような構成を設けておけば、ESLサーバ41において管理される各表示装置9の内部情報の信頼性を高めることができる。特に、ここでは、チェックサム等を用いる場合に比べて、容易かつ短時間でエラーチェックをすることができる。
【符号の説明】
【0233】
1,1a,1b,1c 電子棚札システム
8 ヒンジ部
9 表示装置
9(1),9a(1),9b(1),9c(1) 電子棚札
9(2),9a(2),9b(2),9c(2) 電子広告札
41,41a,41b ESLサーバ
401,401a 商品ファイル
403 商品情報
404 販売促進情報
405 装置コード
4051 電子棚札用装置コード
4052 電子広告札用装置コード
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品と対応づけて配置され、対応する商品の商品情報を表示する表示装置と、当該商品情報を表示装置に提供するサーバと、を備える電子棚札システム(ESLシステム/Electronic Shelf Label System)に関する。
【背景技術】
【0002】
電子棚札システムについて簡単に説明する。一般に、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの店舗では、POSシステム等に記憶される商品マスタによって、店舗内の商品の情報(商品の名前、商品の売価等)が一元的に管理されている。その一方で、顧客(消費者)への売価等の伝達は、商品の位置に配置される紙媒体の棚札によりなされることが多い。このような紙媒体の棚札を採用した場合においては、棚札の管理は人手に頼らざるを得ないことから、売価の間違いなどの人為的ミスが生じやすい。このため、POSシステムのレジスタによる精算時の売価とは異なる誤った売価が、顧客に対して伝達されるおそれがある。
【0003】
電子棚札システムはこのような問題を解決するために実用化されたシステムである。電子棚札システムは、電子表示装置の一種である「電子棚札」と、電子棚札のそれぞれに対して情報を提供するサーバである「情報配信装置」とを備える。情報配信装置は、商品マスタに基づく売価等を示す情報を含む通信信号を各電子棚札に送信(例えば、赤外線送信)する。電子棚札は、販売エリアにおいて各商品に対応して配置され、情報配信装置から受信した通信信号に基づいて、対応する商品の売価等をそのディスプレイに表示する。また、商品の売価が変更される等して商品マスタに格納される情報が更新されると、情報配信装置は、新たな売価を示す情報を含む通信信号を各電子棚札に送信し、電子棚札は、受信した通信信号に基づいてそのディスプレイの表示を更新する。これによって、電子棚札に表示される売価の更新がなされる。このように、電子棚札システムを用いると、精算時の売価と常に一致する正しい売価が電子棚札に表示され、正しい売価が顧客に伝達される。
【0004】
ところで、店舗においては、「POP広告」と呼ばれる広告媒体を対象となる商品の近くに配置して宣伝広告効果を高めるということが一般になされている。POP広告とは、具体的には、商品の宣伝広告文句(例えば、「広告の品」「セール中」「店長のおすすめ」「○○産」「新発売」等といった宣伝広告文句)を紙や樹脂板等に印刷した広告媒体である。例えば、特許文献1,2には、商品の売価を表示する電子棚札に対して当該商品の宣伝広告文句を表したPOP広告を取り付ける技術が開示されている。
【0005】
POP広告は、顧客の購買意欲をそる有効な手法であるものの、紙や樹脂板等で形成されているために耐久性に乏しく、定期的に補充を行わなければならない。また、多様な宣伝広告文句に応じるために、多種類のPOP広告を作っておかなければならない。このように、POP広告はこれを製造するためのコストがかさんでしまうという問題があった。
【0006】
電子棚札システムが導入されている店舗であれば、商品の売価を表示する電子棚札に、POP広告として表示すべき宣伝広告文句を追加して表示することも考えられる。電子棚札は紙や樹脂板等に比べると格段に耐久性が高く、表示内容も自由に書き換えることができるので一台で多様な宣伝広告文句に対応可能である。したがって、上記の問題は生じない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−178599号公報
【特許文献2】特開2008−54904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したとおり、商品の売価を表示する電子棚札にPOP広告として表示すべき宣伝広告文句を追加して表示する構成は、紙や樹脂板等で形成される一般的なPOP広告に比べてコスト面において有利である。しかしながら、電子棚札のディスプレイに販売促進情報を表示しようとすると、売価等の必要情報の文字サイズが小さくなって顧客に対して適切な情報伝達を行えないという問題がある。
【0009】
そこで、売価等の必要情報と販売促進情報との両方を適切な文字サイズで表示できるように、電子棚札のディスプレイのサイズを大きくすることも考えられる。しかしながら、POP広告として表示すべき販売促進情報は、店舗内の全商品について定常的に表示すべき必須情報である商品の売価等とは異なり、特に売り込みたい一部の商品について、特定の期間に限って表示する単発情報である。このような単発情報である販売促進情報の表示領域を確保するために電子棚札のディスプレイのサイズを大きくしてしまうと、販売促進情報を表示する必要がない多くの商品、また、販売促進情報を表示する必要がない多くの時間帯においては、ディスプレイが無駄に大きいことになってしまう。このような状態は、店舗のスペース効率上好ましくない。また、ディスプレイのサイズを大きくすると電子棚札の製造コストも増大するところ、これに見合う効果が得られるとは言い難い。
【0010】
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、店舗のスペース効率を不必要に低下させることなく、販売促進情報を顧客に対して適切に伝達することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明の第1の態様は、販売エリアに配置された複数の商品について、各商品の商品情報と当該商品の販売促進情報とを管理するサーバと、前記複数の商品のいずれかと対応付けて配置され、それぞれが可搬性を備える複数の表示装置と、を備え、前記複数の表示装置が、対応付けられた商品の前記商品情報を表示する第1表示装置と、前記第1表示装置に着脱可能に設けられ、前記商品の前記販売促進情報を表示する第2表示装置と、を含む。
【0012】
この発明の第2の態様は、第1の態様に係る電子棚札システムであって、前記第2表示装置が、前記第1表示装置に対して起倒可能に連結される。
【0013】
この発明の第3の態様は、第1または第2の態様に係る電子棚札システムであって、前記第1表示装置に対する、前記第2表示装置の着設位置が変更可能である。
【0014】
この発明の第4の態様は、第1から第3のいずれかの態様に係る電子棚札システムであって、前記第1表示装置および前記第2表示装置のうちの少なくとも1の表示装置が、他の表示装置に対する自装置の着設位置を店舗スタッフに知得させるための着設位置サインを表示する。
【0015】
この発明の第5の態様は、第4の態様に係る電子棚札システムであって、前記複数の表示装置が、前記第2表示装置を複数含み、複数の前記第2表示装置のそれぞれが、前記第1表示装置に対する自装置の着設位置を店舗スタッフに知得させるための前記着設位置サインを表示する。
【0016】
この発明の第6の態様は、第1から第5のいずれかの態様に係る電子棚札システムであって、前記第1表示装置および前記第2表示装置のそれぞれが、自装置に表示すべき情報を前記サーバから受信して、当該受信した情報を表示する。
【0017】
この発明の第7の態様は、第1から第5のいずれかの態様に係る電子棚札システムであって、前記第1表示装置が、自装置と対応付けられた商品の前記販売促進情報を前記サーバから受信して、当該受信した前記販売促進情報を前記第2表示装置に送信し、前記第2表示装置が、前記第1表示装置から前記販売促進情報を受信して、当該受信した前記販売促進情報を表示する。
【0018】
この発明の第8の態様は、第1から第5のいずれかの態様に係る電子棚札システムであって、前記第1表示装置が、自装置と対応付けられた商品の前記販売促進情報の種類を店舗スタッフに知得させるためのサインを表示し、前記第2表示装置が、複数種類の前記販売促進情報のそれぞれに対応する画面データを記憶しており、店舗スタッフから入力された指示に基づいて複数の前記画面データのうちから1の画面データを選択して、当該選択した画面データを表示する。
【0019】
この発明の第9の態様は、第1から第8のいずれかの態様に係る電子棚札システムであって、前記第1表示装置が、モノクロ表示ディスプレイを備え、前記第2表示装置が、カラー表示ディスプレイを備える。
【0020】
この発明の第10の態様は、販売エリアに配置された複数の商品について、各商品の商品情報と当該商品の販売促進情報とを管理するサーバと、前記複数の商品のいずれかと対応付けて配置され、それぞれが可搬性を備える複数の表示装置と、を備え、前記複数の表示装置が、対応付けられた商品の前記商品情報を表示する表示装置と、前記商品情報を表示する表示装置に着脱可能に設けられ、前記商品の前記販売促進情報を表示する表示装置と、を含み、前記商品情報を表示している表示装置が、前記商品情報に換えて前記販売促進情報を表示開始する場合に、当該表示装置に着設される表示装置が前記商品情報を表示する。
【発明の効果】
【0021】
第1の態様によると、商品の販売促進情報を表示する表示装置(第2表示装置)が、当該商品の商品情報を表示する表示装置(第1表示装置)に着脱可能に設けられる。この構成によると、販売エリアに配置された複数の商品のうち、販売促進情報を表示したい商品についてだけ第2表示装置を設けることができるので、店舗のスペース効率を不必要に低下させることなく、販売促進情報を顧客に対して適切に伝達することができる。
【0022】
第2の態様によると、第1表示装置に対する、第2表示装置の姿勢を変更することができる。この構成によると、例えば、第1表示装置が商品棚に取り付けられた状態において、店舗スタッフが商品の搬出入作業を行う際は、第2表示装置を作業の邪魔にならない姿勢にしておく(例えば、第1表示装置の側に倒しておく)ことにより、店舗スタッフの作業効率の低下を抑制できる。また例えば、第1表示装置の設置位置に応じて第2表示装置の姿勢を変更して、販売促進情報が常に顧客に見えやすい角度となるように調整することができる。
【0023】
第3の態様によると、第1表示装置とこれに着設される第2表示装置との相対的な位置関係を変更することができる。この構成によると、例えば、第1表示装置が商品棚のどの位置に設置されるかに応じて、第2表示装置の着設位置を変更することにより、販売促進情報を常に顧客に見えやすい位置に配置することができる。
【0024】
第4、5の態様によると、店舗スタッフは、表示装置に表示される着設位置サインを見て、当該表示装置をどの位置に着設すべきかを迷わず決定することができる。
【0025】
第6の態様によると、第1表示装置および第2表示装置のそれぞれが、自装置に表示すべき情報をサーバから受信するので、サーバにて管理される商品情報用、あるいは、販売促進情報を、確実に各表示装置に表示させることができる。
【0026】
第7の態様によると、サーバが管理する販売促進情報が、第1表示装置を経由して、第2表示装置に提供されるので、サーバは、商品と第2表示装置との対応関係を管理する必要がない。つまり、この構成によるとサーバの管理負担を軽減することができる。
【0027】
第8の態様によると、サーバが管理する販売促進情報の種類が、第1表示装置が表示するサインにより店舗スタッフに知得される。また、第2表示装置は、店舗スタッフから指示された種類の販売促進情報を表示する。したがって、サーバは、商品と第2表示装置との対応関係を管理する必要がない。つまり、この構成によるとサーバの管理負担を軽減することができる。
【0028】
第9の態様によると、複数の表示装置のうち、第1表示装置は、製造コストが比較的安価なモノクロ表示ディスプレイとし、第2表示装置は、表現力が豊かなカラー表示ディスプレイとされるので、製造コストを抑えつつ、商品の宣伝広告効果を高めることができる。
【0029】
第10の態様によると、表示装置の着設位置を変更せずに、商品情報の表示位置を変更することができる。例えば、商品情報の表示位置と販売促進情報の表示位置とを入れ換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】電子棚札システムが導入された店舗内に配置されている商品棚の様子を示す図である。
【図2】電子棚札と、これに着設された電子広告札とを示す正面図である。
【図3】電子棚札と、これに着設された電子広告札とを示す側面図である。
【図4】フレームに着設された電子棚札と、当該電子棚札に着設された電子広告札とを示す図である。
【図5】商品管理システムの構成例を示す図である。
【図6】情報処理端末の構成を示す斜視図である。
【図7】ESLサーバの構成を示す図である。
【図8】商品ファイルの構成例を示す図である。
【図9】自装置宛ての配信データを受信した電子広告札の様子を示す図である。
【図10】電子棚札と、これに着設された電子広告札とを示す正面図である。
【図11】商品ファイルの構成例を示す図である。
【図12】自装置宛ての配信データを受信した電子棚札、および、これに着設された電子広告札の様子を示す図である。
【図13】自装置宛ての配信データを受信した電子棚札、および、これに着設された電子広告札の様子を示す図である。
【図14】販売促進情報の種類とサインの種類とを対応付けたテーブルの構成例を示す図である。
【図15】変形例に係る電子棚札および電子広告札を示す図である。
【図16】変形例に係る電子棚札および電子広告札を示す図である。
【図17】変形例に係る電子棚札および電子広告札を示す図である。
【図18】変形例に係る電子棚札および電子広告札を示す図である。
【図19】変形例に係る電子棚札および電子広告札を示す図である。
【図20】変形例に係る表示装置において表示入れ替えが行われる様子を示す図である。
【図21】変形例に係る表示装置において表示入れ替えが行われる様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
<1.店舗内の様子>
図1は、電子棚札システム1が導入された店舗内に配置されている商品棚60の様子を示す図である。店舗内の販売エリアには、図1に示すような商品棚60が複数配置されているものとする。
【0032】
商品棚60はフェース61と呼ばれる空間に区分され、各フェース61には同一種の商品6が集約されて載置される。
【0033】
商品棚60のフレーム62には、商品6の売価、商品名等(正確には、後に説明する「商品情報」)を表示する表示装置(電子棚札9(1))が取り付けられる。各電子棚札9(1)は、それぞれ一の商品6(正確には、一の商品の種類)に対応づけられ、その対応する商品6の近傍(各フェース61に載置された商品6と対応する位置)に配置される。そして、自装置に対応付けられた商品の商品情報をディスプレイに表示する。店舗の顧客(消費者)は、電子棚札9(1)の表示を見て商品6の売価等を認識する。
【0034】
フレーム62に取り付けられた複数の電子棚札9(1)のうちの一部には、商品6の宣伝広告文句等(正確には、後に説明する「販売促進情報」)を表示する表示装置(電子広告札9(2))が着設される。各電子広告札9(2)もまた、それぞれ一の商品6(正確には、一の商品の種類)に対応づけられ、所定の電子棚札9(1)(具体的には、自装置と同じ商品6に対応付けられる電子棚札9(1))に着設される。そして、自装置に対応付けられた商品6の販売促進情報をディスプレイに表示する。店舗の顧客は、電子広告札9(2)の表示を見て商品6の購買意欲をそそられる。
【0035】
<2.表示装置の構成>
電子棚札9(1)および電子広告札9(2)の構成について、図2、図3を参照しながら説明する。図2は、電子棚札9(1)と、これに着設された電子広告札9(2)とを示す正面図である。また、図3は、図2に示される電子棚札9(1)および電子広告札9(2)の側面図である。
【0036】
なお、この実施の形態においては、商品情報を表示する表示装置である電子棚札9(1)と、販売促進情報を表示する表示装置である電子広告札9(2)とは、表示する情報の種類が異なるだけで、各装置が備える機能構成は同じである。そこで、以下の説明においては、電子棚札9(1)と電子広告札9(2)とを区別しない場合は、単に「表示装置9」という。
【0037】
<2−1.機能構成>
表示装置9は、矩形の板形状に成形された筐体90の前面に配置されたディスプレイ91と、通信部92とを備える。筐体90の内部には、当該表示装置9の電源を供給する小型の電池93と、当該表示装置9の動作を統括的に制御する制御部94とが設けられている。
【0038】
なお、表示装置9の筐体90の裏面(あるいは、表面)には、当該表示装置9の装置コードを示す文字列とバーコードが印刷されたラベルが貼付されている。ただし、「装置コード」とは、電子棚札システム1が備える複数の表示装置9のそれぞれに固有のハードウェアIDである。なお、表示装置9の装置コードを示す文字列とバーコードとを、表示装置9の筐体90の表面(あるいは、裏面)に、レーザーマーキング等で表記してもよい。
【0039】
ディスプレイ91は、各種の情報を表示する表示装置である。ディスプレイ91は、具体的には、ドットマトリクス方式の不揮発性表示部であって、例えば電子ペーパで構成されている。電子ペーパ等の不揮発性表示部では、駆動電力を与えることなく表示内容を保持することができる。ディスプレイ91は、ドットマトリクス方式の表示部であるため、商品6の売価などを示す数値のみならず、文字、記号、図形などを表示することができる。なお、ディスプレイ91は、必ずしも不揮発性表示部でなくてもよく、例えば、揮発性の液晶パネルでもよい。
【0040】
通信部92は、後に説明する「情報配信装置40」(図5参照)との通信を担う機能部であり、赤外線信号を出力する発光部921と、情報配信装置40が備える「通信装置43」(図5参照)からの赤外線信号、および、後に説明する「リモコン160」(図13参照)からの赤外線信号を受信し、それを電気信号に変換して制御部94に出力する受光部922とを備えている。データを送信する送信部として機能する発光部921は例えばLEDで構成されており、データを受信する受信部として機能する受光部922は、例えばフォトダイオード及びアンプで構成されている。なお、表示装置9と通信装置43との間の通信、また、表示装置9とリモコン160との間の通信は、いずれも、赤外線でなく無線(電波)で行われてもよい。
【0041】
制御部94は、CPUやメモリなどで構成されている。このメモリには、複数の画面データ候補、自装置の装置コード等が記憶される。ただし、「画面データ候補」とは、ディスプレイ91に表示すべき各種の画面を表すデータであり、制御部94は、複数の「画面データ候補」の中から選択した1のデータを、ディスプレイ91に表示させることができる。
【0042】
制御部94は、ディスプレイ91の表示を制御する表示制御部として機能する。すなわち、制御部94は、ESLサーバ41から自装置に表示すべき画面のデータ(画面データ)を、通信部92を介して受信すると、当該画面データを一旦メモリに記憶した後に、ディスプレイ91を制御して、メモリ内の画面データをディスプレイ91に表示させる。
【0043】
また、制御部94は、ディスプレイ91の表示を、「リモコン160」(図13参照)からの指示に応じて切り換える。ただし、リモコン160は、表示装置9の表示画面を切り換えるための信号を発信する遠隔操作機器である。制御部94は、リモコン160から出力される赤外線信号を、通信部92を介して受信した場合、ディスプレイ91を制御して、メモリ内の画面データ候補から1のデータを選択して、当該選択した1の画面データ候補をディスプレイ91に表示させる。
【0044】
例えば、商品情報を表示する表示装置9の場合(すなわち、電子棚札9(1)として用いられる表示装置9の場合)、メモリには、商品の売価、商品名など、商品を購入する顧客が利用する情報が主に表示される表示画面(表画面)用の画面データと、商品の販売数など、店舗の店員が利用する情報(販売数、発注数、特売期間などの商品情報や、自身に割り当てられた装置コード等)が表示される表示画面(裏画面)用の画面データとが、画面データ候補として保持される。ディスプレイ91に表画面が表示されている状態において、リモコン160からの赤外線信号を受信した場合、制御部94は、当該信号に応じてディスプレイ91の表示を表画面から裏画面に変更する。また、この状態で、再びリモコン160からの赤外線信号を受信した場合、制御部94は当該信号に応じてディスプレイ91の表示を裏画面から表画面に変更する。
【0045】
ここで、リモコン160の構成について図13を参照しながら簡単に説明しておく。リモコン160は、赤外線信号を出力する発光部161と、発光部161を制御する制御部162と、赤外線信号の送信指示、識別番号の入力等の各種操作を受け付ける操作ボタン163とを備えており、所定の操作ボタン163が押下されると、制御部162が発光部161を制御して、当該発光部161から所定の赤外線信号を出力させる。
【0046】
<2−2.連結構造>
再び図2、図3を参照する。表示装置9は可搬性を備え、フレーム62に対して着脱可能に構成されている。したがって、表示装置9を、商品6の配置変更に対応して、フレーム62から取り外して別の位置に再配置することができる。
【0047】
また、表示装置9は、他の表示装置9に対して着脱自在に構成されている。したがって、例えば、フレーム62に着設されている第1の表示装置9に第2の表示装置9を着設したり、当該第2の表示装置9を、第1の表示装置9から取り外して第3の表示装置9に再着設したり、といったことが可能である。表示装置9と、当該表示装置9が着設された他の表示装置9との間に形成される連結構造について説明する。
【0048】
以下の説明においては、商品情報を表示する表示装置9(電子棚札9(1))と販売促進情報を表示する表示装置9(電子広告札9(2))とが、図2、図3に示される位置関係で着設される場合(すなわち、フレーム62に設置された状態における電子棚札9(1)の設置方向の上側に、電子広告札9(2)が着設される場合)を例にとって、この電子棚札9(1)と電子広告札9(2)との間に形成される連結構造について説明する。
【0049】
<2−2−1.ヒンジ連結>
電子棚札9(1)と、これに着設される電子広告札9(2)とは、ヒンジ部8を介して連結される。ヒンジ部8は、具体的には、円筒形状の複数(図2の例では3個)の軸受け81と、各軸受け81の中空部に挿通される軸80とを備える。ただし、軸80の外径は、軸受け81の円筒内径よりも小さく形成されており、各軸受け81は軸80を中心に回動可能とされる。
【0050】
軸80を介して互いに連結された複数の軸受け81のうちの一部の軸受け81は、電子広告札9(2)の筐体90の下側の側面に着設され、残りの軸受け8は電子棚札9(1)の筐体90の上側の側面に着設される。これによって、電子棚札9(1)と電子広告札9(2)とがヒンジ連結される。すなわち、電子広告札9(2)は、電子棚札9(1)に対して起倒可能にヒンジ連結される。
【0051】
この状態においては、図3に示すように、電子棚札9(1)のディスプレイ91と電子広告札9(2)のディスプレイ91とがなす角度θを変更することができる。なお、当該角度θが可変となる範囲は必ずしも0°≦θ≦360°でなくともよいが、少なくとも90°≦θ≦180°の範囲で可変であることが好ましい。
【0052】
<2−2−2.着脱構造>
ヒンジ部8の軸受け81と電子棚札9(1)の上側の側面との間、および、軸受け81と電子広告札9(2)の下側の側面との間には、いずれも、着脱可能な連結構造が形成される。当該連結構造は、表示装置9の筐体90に形成された溝901と、ヒンジ部8の軸受け81に設けられた連結用嵌合部801とから構成される。
【0053】
溝901は、表示装置9の筐体90の下側の側面と上側の側面とに、その延在方向に沿って形成される。なお、以下において、溝901の形成面(表示装置9の下側(あるいは、上側の側面)に開口した、溝901の開口端を「第1開口端」という。また、溝901の延在方向の両端が開口する面(表示装置9の左右側の側面)に開口した、溝901の開口端を「第2開口端」という。溝901の第1開口端の付近には、第1開口端の一部を塞ぐように形成された案内壁902が形成される。
【0054】
連結用嵌合部801は、各軸受け81の端部に設けられた幅広の部分である。連結用嵌合部801が形成されることにより、各軸受け81は、断面T字形状に形成されることになる。
【0055】
軸受け81に設けられた連結用嵌合部801が、表示装置9の筐体90の下側(あるいは、上側)の側面に形成された溝901に嵌め入れられることによって、ヒンジ部8と当該表示装置9との間に連結構造が形成される。
【0056】
例えば、図2、図3の例においては、軸受け81(軸80を介して互いに連結された複数の軸受け81のうちの一部の軸受け81)の連結用嵌合部801を、電子棚札9(1)の上側の側面に形成された溝901の第2開口端から、溝901の延在方向に沿って嵌め入れる。また、同様に、残りの軸受け81の連結用嵌合部801を、電子広告札9(2)の下側の側面に形成された溝901に嵌め入れる。これによって、電子広告札9(2)が、ヒンジ部8を介して、電子棚札9(1)に着設されることになる。なお、連結用嵌合部801が溝901に嵌め入れられた状態において、連結用嵌合部801の端部が、溝901の案内壁902に引っ掛かることによって、連結用嵌合部801が溝部901から外れてしまわないようになっている。
【0057】
一方、電子広告札9(2)を電子棚札9(1)から取り外す場合は、電子広告札9(2)の溝901に嵌め入れられている軸受け81の連結用嵌合部801を、溝901の第2開口端まで滑らして、当該第2開口端からから引き抜く。これによって、電子広告札9(2)がヒンジ部8から取り外される(すなわち、電子広告札9(2)が電子棚札9(1)から取り外される)ことになる。
【0058】
なお、同様に、電子棚札9(1)の溝901に嵌め入れられている軸受け81の連結用嵌合部801を溝901から引き抜くことによって、電子棚札9(1)からヒンジ部8を取り外すことができる。取り外したヒンジ部8は、別の表示装置9の連結に用いることができる。つまり、ここでは、ヒンジ部8が独立部材とされることによって、これを使い回すことが可能となる。
【0059】
<2−3.実際の態様>
上述したとおり、電子棚札9(1)は自装置が対応付けられている商品6の近傍(例えば下側)のフレーム62に着設される。図4には、フレーム62に着設された電子棚札9(1)と、当該電子棚札9(1)の上側に着設された電子広告札9(2)とが示されている。
【0060】
上述したとおり、電子広告札9(2)は、電子棚札9(1)に対して起倒可能にヒンジ連結される。したがって、フレーム62に着設されている電子棚札9(1)に対する電子広告札9(2)の姿勢を変更することができる。
【0061】
この構成によると、例えば、店舗スタッフが商品6の搬出入作業を行う際は、電子広告札9(2)を電子棚札9(1)のディスプレイ91側に倒しておくことができる(図4の一点鎖線位置))。電子広告札9(2)をこのような姿勢としておけば、電子広告札9(2)が作業の邪魔になることがなく、店舗スタッフの作業効率の低下を抑制できる。
【0062】
また、例えば、電子広告札9(2)の姿勢を電子棚札9(1)の設置位置に応じて変更して、電子広告札9(2)のディスプレイ91が常に顧客に見えやすい角度となるように調整することができる。具体的には、例えば、顧客の視線よりも高い位置(上段のフレーム62)に設置される電子棚札9(1)に着設される電子広告札9(2)については、これを電子棚札9(1)のディスプレイ91側に僅かに倒して角度θを180°よりも小さくしておく。これによって電子広告札9(2)のディスプレイ91が斜め下方に向くことになり、顧客の目につきやすくなる。逆に、顧客の視線よりも低い位置(下段のフレーム62)に設置される電子棚札9(1)に着設される電子広告札9(2)については、これを電子棚札9(1)のディスプレイ91と逆側に僅かに倒して角度θを180°よりも大きくしておく。これによって電子広告札9(2)のディスプレイ91が斜め上方に向くことになり、顧客の目につきやすくなる。顧客の視線と同程度の高さ位置(中段のフレーム62)に設置される電子棚札9(1)に着設される電子広告札9(2)については、角度θを180°程度にしておけばよい。
【0063】
<3.システムの構成>
次に、販売エリア内に配置される複数の表示装置9を含む電子棚札システム1、および、電子棚札システム1を含む商品管理システム100の構成について、図5を参照しながら説明する。図5は、商品管理システム100の構成例を示す図である。
【0064】
<3−1.商品管理システム100>
商品管理システム100は、電子棚札システム1とともに、ストアコントローラ2及びPOSシステム3を備える。POSシステム3が備えるPOSサーバ31、及び電子棚札システム1が備えるESLサーバ41は、LAN21を介してストアコントローラ2に接続されている。これにより、ストアコントローラ2、POSシステム3及び電子棚札システム1の相互間でデータ通信が可能とされている。
【0065】
<3−1−1.ストアコントローラ2>
ストアコントローラ2は一般的なコンピュータで構成され、商品管理システム100を統括的に管理する装置として機能する。また、ストアコントローラ2はインターネットなどの外部ネットワークに接続されており、外部ネットワークを介して、店舗を統括管理する本部センターに配置されたサーバ装置等のコンピュータと通信可能とされている。
【0066】
<3−1−2.POSシステム3>
POSシステム3は、商品6の販売に係る情報をその販売時点において収集して分析するシステムであり、POSシステム3を統括的に管理するPOSサーバ31とともに、商品6の精算を行う複数のレジスタ32を備える。POSサーバ31とレジスタ32とは専用の通信ケーブルで接続されている。
【0067】
POSサーバ31は一般的なコンピュータで構成され、そのハードディスクには、売価などの商品6に係る各種の情報を示す商品マスタ301が記憶されている。複数のレジスタ32のそれぞれにおいては、商品マスタ301に記載される売価に基づいて商品6の精算がなされる。
【0068】
店舗内の全商品6に係る情報は、この商品マスタ301により一元的に管理されている。商品マスタ301にて管理される情報には、商品6を識別するための商品コード、商品6の名称である商品名、通常の売価である通常価格、特売における売価である特売価格、特売を実施する期間である特売期間、販売数、在庫数、1回の発注で納品される数である発注数などが含まれている。
【0069】
<3−1−3.情報処理端末180>
LAN21には、無線LAN用の電波中継器たるアクセスポイント(AP)170が接続されている。商品6の発注作業やリンク作業の際に使用される可搬性の情報処理端末180は、アクセスポイント170を通じてLAN21に接続することが可能であり、ストアコントローラ2、POSサーバ31及びESLサーバ41と通信することが可能である。
【0070】
ここで、情報処理端末180の構成について、図6を参照しながら説明する。図6は情報処理端末180の詳細な構成を示す斜視図である。情報処理端末180は、「ハンディーターミナル」と呼ばれる可搬性の業務端末であって、各種情報を表示するディスプレイ181と、バーコードを読み取るバーコードリーダ182と、店舗スタッフの各種操作を受け付ける操作部183とを備える。また、情報処理端末180は、アクセスポイント170と無線通信を行う通信部184を備える。この通信部184の機能により、情報処理端末180は、アクセスポイント170を通じて、ストアコントローラ2、POSサーバ31及びESLサーバ41と通信することが可能である。そして、情報処理端末180には、その動作を統括的に管理する制御部185が設けられている。制御部185はCPUやメモリなどで構成されている。
【0071】
例えば商品6の発注作業を行う場合、店舗スタッフは情報処理端末180から、発注を指示する発注指示情報を、無線LANを介してストアコントローラ2に送信する。発注指示情報には、発注対象の商品6を識別するための商品コードや、当該商品6の発注数などが含まれている。ストアコントローラ2は、情報処理端末180からの発注指示を受け付ける発注サーバとしても機能し、情報処理端末180からの発注指示情報を受信すると、それを本部センターに通知する。本部センターは、各店舗からの発注指示情報に基づいて、発注先の業者のサーバに対して商品6の発注を行う。
【0072】
<3−2.電子棚札システム1>
再び図5を参照する。続いて、電子棚札システム1の構成について説明する。電子棚札システム1は、複数の表示装置9と、各表示装置9に対して各種の情報を配信する情報配信装置40と、表示装置9の表示画面を切り換える際に使用される可搬性のリモコン160とを備える。表示装置9、および、リモコン160の構成はそれぞれ上述したとおりである。
【0073】
情報配信装置40は、電子棚札システム1を統括的に管理するサーバ装置であるESLサーバ41と、複数の通信装置43と、ESLサーバ41と複数の通信装置43との間の信号の中継器として機能するベースステーション42とを備える。ESLサーバ41と複数の通信装置43とは、ベースステーション42を通じて相互にデータ通信が可能とされている。また、各通信装置43は表示装置9と赤外線通信を行う。複数の通信装置43は、販売エリア90内に配置された全ての表示装置9と通信可能なように、販売エリア90の天井などに略一定距離ごとに配置される。
【0074】
ESLサーバ41のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。ここで、ESLサーバ41のハードウェア構成について図7を参照しながら説明する。図7はESLサーバ41のハードウェア構成を示す図である。ESLサーバ41は、各種演算処理を行うCPU411、ブートプログラム等を記憶するROM412、演算処理の作業領域となるRAM413、プログラムや各種のデータファイルなどを記憶するハードディスク414、各種表示を行うディスプレイ415、キーボード及びマウスなどで構成される入力部416、LAN21を介したデータ通信機能を有するデータ通信部417、並びに、ベースステーション42と通信するためのインターフェイス418を備える。各構成部はバスライン410などにより互いに接続されている。表示装置9に送信すべき各種データは、このインターフェイス418及びベースステーション42を通じて通信装置43に伝達される。
【0075】
ESLサーバ41のハードディスク414には、動作プログラムが予め記憶されており、この動作プログラムに従ってCPU411が演算処理を行うことにより、ESLサーバ41としての各種機能が実現される。また、ESLサーバ41のハードディスク414には、商品6に係る各種の情報を示すデータファイルである商品ファイル401が記憶されている。
【0076】
<3−3.商品ファイル401>
続いて、商品ファイル401の構成について図8を参照しながら説明する。図8は商品ファイル401の構成例を示す図である。
【0077】
商品ファイル401はテーブル形式となっており、レコード402のそれぞれが一の商品6に係る情報を示している。具体的には、レコード402ごとに、一の商品6の商品情報403、当該商品6の販売促進情報404、および、当該商品6に対応付けられる表示装置9の装置コード405が登録される。
【0078】
商品情報403は、価格、商品名等といった商品6の基本情報であり、各商品6について定常的に保持されるべき情報である。図8に例示された商品ファイル401においては、商品6の商品コード、商品名、通常価格、特売価格、および、特売期間が商品情報403として登録される。商品情報403として、さらに、商品6の販売数、在庫数等が登録されてもよい。
【0079】
販売促進情報404は、商品6の販売を促進するための広告に関する情報である。図8に例示された商品ファイル401においては、宣伝広告文句(商品6のPOP広告として表示すべき宣伝広告文句であり、例えば、「広告の品」「セール中」「店長のおすすめ」「○○産」「新発売」といった宣伝広告文句)、および、広告期間(POP広告を表示すべき期間を示す情報)が販売促進情報404として登録される。販売促進情報404として、さらに、商品6の宣伝広告用のイラスト等が登録されてもよい。
【0080】
なお、商品情報403は、全ての商品6について定常的に保持される必要があるが、販売促進情報404は、必ずしも全ての商品6について定常的に保持される必要はない。例えば、POP広告の対象となる特定の商品6について、広告期間の間だけ登録され、広告期間が終了した時点で削除される構成としてよい。
【0081】
商品ファイル401に保持される商品情報403および販売促進情報404は、上述したPOSシステム3に記憶された商品マスタ301と同様の情報であり、ESLサーバ41とPOSシステム3との通信により商品マスタ301の情報に基づいて登録される。このため、商品ファイル401の情報と商品マスタ301の情報とは内容が一致する。
【0082】
装置コード405は、当該商品6と対応付けられた表示装置9の装置コードを示す情報である。商品ファイル401に装置コードが登録されることによって、商品6と表示装置9とがデータ的に対応付けられる(リンク付けされる)ことになる。
【0083】
ただし、商品ファイル401に登録される装置コードは、電子棚札用装置コード4051、電子広告札用装置コード4052のどちらかに分類される。電子棚札用装置コード4051として登録された装置コードに係る表示装置9は、対応付けられた商品6の電子棚札9(1)としてリンク付けられる。すなわち、当該表示装置9は、対応付けられた商品6の商品情報403を表示することになる。一方、電子広告札用装置コード4052として登録された装置コードに係る表示装置9は、対応付けられた商品6の電子広告札9(2)としてリンク付けられる。すなわち、当該表示装置9は、対応付けられた商品6の販売促進情報404を表示することになる。各装置コード4051,4052の登録は、ESLサーバ41が後述するリンク処理を行うことによってなされる。
【0084】
なお、電子棚札用装置コード4051は、全ての商品6について少なくとも1つ登録される必要があるが、電子広告札用装置コード4052は、必ずしも全ての商品6について登録される必要はなく、少なくとも、POP広告の対象となる特定の商品6について登録されればよい。
【0085】
<4.リンク付け>
上述したとおり、電子棚札システム1においては、商品ファイル401において各商品6と1以上の表示装置9とがリンク付けされている。商品6と表示装置9とのリンク付けは店舗スタッフが以下に説明するリンク付け作業を行い、当該作業に応じてESLサーバ41が以下に説明するリンク処理を行うことによってなされる。リンク付け作業およびリンク処理について、再び図5を参照しながら説明する。
【0086】
<4−1.リンク付け作業>
商品6と表示装置9とをリンク付けする場合、店舗スタッフは、情報処理端末180を用いて、リンク付けを指示するコマンドおよびリンク付けに必要な情報を含む「リンク指示情報」を、ESLサーバ41に送信する(リンク付け作業)。ただし、リンク付けに必要な情報とは、リンク付けの対象となる商品6(以下「対象商品6」という)を特定可能な情報(例えば、商品コード)、リンク付けの対象となる表示装置9(以下「対象表示装置9」という))を特定するための情報(例えば、装置コード)、および、対象表示装置9に商品情報403、販売促進情報404のどちらを表示させるかを指定する情報(選択情報)である。
【0087】
リンク付け作業は具体的には、次の手順でなされる。まず、店舗スタッフは、情報処理端末180を持って対象商品6が陳列される商品棚60のところにやってきて、情報処理端末180で対象商品6のバーコードを読み取ってその商品コードを取得する。また、対象商品6とリンク付けしたい対象表示装置9の裏面(あるいは、表面)に貼付されたラベルに印刷されたバーコード(あるいは、対象表示装置9の表面(あるいは、裏面)にレーザーマーキング等で表記されたバーコード)を情報処理端末180で読み取って、対象表示装置9の装置コードを取得する。さらに、店舗スタッフは、対象表示装置9に、商品情報403、販売促進情報404のどちらを表示させるかを指定する選択情報を情報処理端末180に入力する。
【0088】
なお、商品6と表示装置9とをリンク付けする際に、当該商品6と既にリンク付けられている表示装置9が存在する場合がある。例えば、商品6の販売促進情報404を表示させるための表示装置9についてのリンク付け作業を行う際に、当該商品6の商品情報403を表示している表示装置9(すなわち、ESLサーバ41において、当該商品6の電子棚札9(1)としてリンク付けされている表示装置9)が既に存在している場合がある。この場合、対象商品6の商品コードに換えて、当該電子棚札9(1)の装置コードを取得してもよい。
【0089】
対象商品6の商品コード(あるいは、対象商品6と既にリンク付けされている表示装置9の装置コード)、対象表示装置9の装置コード、および、選択情報を情報処理端末180に入力すると、店舗スタッフは、情報処理端末180に対して所定の操作を行って、情報処理端末180に、入力された各情報を含むリンク指示情報を生成させる。さらに、情報処理端末180に対して所定の操作を行って、生成されたリンク指示情報を情報処理端末180からESLサーバ41に送信させる。以上が、店舗スタッフが行うリンク付け作業の具体的な手順である。
【0090】
<4−2.リンク処理>
ESLサーバ41は、情報処理端末180から送信されたリンク指示情報を受信すると、当該受信したリンク指示情報について所定のリンク処理を行う。
【0091】
すなわち、リンク指示情報を受信すると、ESLサーバ41は、商品ファイル401を更新する。具体的には、ESLサーバ41は、商品ファイル401において、リンク指示情報に含まれる商品コード(あるいは、商品コードの換わりに含まれる装置コード)が登録されているレコード402を検索し、発見されたレコード402に、リンク指示情報に含まれる装置コード(対象表示装置9の装置コード)を登録する。これにより、対象商品6と対象表示装置9との対応関係がデータベース上で生成されることになる。
【0092】
ただし、リンク指示情報に含まれる選択情報において、商品情報403を表示させる旨が指定されている場合、ESLサーバ41は、当該リンク指示情報に含まれる装置コードを電子棚札用装置コード4051として登録する。この場合、対象表示装置9は、対象商品6の商品情報403を表示する表示装置、すなわち、電子棚札9(1)としてリンク付けされることになる。
【0093】
一方、選択情報において、販売促進情報404を表示させる旨が指定されている場合、ESLサーバ41は、当該装置コードを電子広告札用装置コード4052として登録する。この場合、対象表示装置9は、対象商品6の販売促進情報404を表示する表示装置、すなわち、電子広告札9(2)としてリンク付けされることになる。
【0094】
<5.電子棚札システム1の動作>
次に、電子棚札システム1の動作について説明する。電子棚札システム1においては、情報配信装置40から表示装置9へ情報の配信が行われ、表示装置9が、配信された情報に基づいてディスプレイ91の表示を更新する。
【0095】
<5−1.情報配信装置40の動作>
はじめに、情報配信装置40が実行する配信動作について、図5を参照しながら説明する。電子棚札システム1において、情報配信装置40から表示装置9への情報の配信は、システム起動時、各表示装置9に表示させるべき情報を更新する際等に行われる。表示装置9に表示させるべき情報を更新する際とは、例えば、商品マスタ301の登録内容(例えば、通常価格、宣伝広告文句等)の変更に応じて商品ファイル401の登録内容が変更されたとき、特売の実施にあたって売価を通常価格から特売価格に変更するとき、特売の終了にあたって売価を通常価格に戻すとき、広告期間の開始に伴って宣伝広告文句の表示を開始させるとき、広告期間の終了に伴って宣伝広告文句の表示を終了させるとき等が該当する。
【0096】
以下の説明において、情報の配信の対象となる情報を「対象情報」という。例えば商品マスタ301において通常価格が変更された場合、変更後の新たな通常価格が対象情報となる。また、例えば商品マスタ301において広告期間が開始された場合、表示すべき宣伝広告文句が対象情報となる。
【0097】
また、以下の説明において、情報の配信の対象となる商品6を「対象商品6」という。例えば商品マスタ301の登録内容の変更に応じて情報を配信する際には、変更の対象となった商品6が対象商品6となる。なお、システムの起動に応じて情報を配信する際には、店舗内の全ての商品6のそれぞれが対象商品6となる。
【0098】
ESLサーバ41は、まず、商品ファイル401のうちの対象商品6に係るレコード402を参照して、対象情報を取得し、取得された対象情報を表示する画面のデータを生成して、更新画面データとして取得する。
【0099】
ESLサーバ41は、さらに対象商品6に係るレコード402を参照して、対象商品6とリンク付けされている表示装置9の装置コードを取得する。ただし、対象情報が商品情報403(例えば、更新後の通常価格)である場合、ESLサーバ41は電子棚札用装置コード4051を取得する。一方、対象情報が販売促進情報404(例えば、新たに表示すべき宣伝広告文句)である場合、ESLサーバ41は電子広告札用装置コード4052を取得する。
【0100】
そして、ESLサーバ41は、生成された更新画面データと取得された装置コードとを含めた1個のデータを生成し、これを配信データとして取得する。
【0101】
配信データが生成されると、続いてESLサーバ41は、生成された配信データを電気的な信号としてベースステーション42を通じて各通信装置43に送信する。配信データを受信した各通信装置43は、これを赤外線信号の形で出力する。各通信装置43から出力された赤外線信号は、販売エリア90内に配置された複数の表示装置9のそれぞれにおいて受信されることになる。上述したとおり、販売エリア90の天井などには略一定距離ごとに複数個の通信装置43が配置されており、販売エリア90内に配置された全ての表示装置9がいずれかの通信装置43から出力された赤外線信号を受信することになる。すなわち、ESLサーバ41から送信された配信データは、複数個の通信装置43を介して、販売エリア90内の全ての表示装置9において受信されることになる。以上が、情報配信装置40による情報の配信動作である。
【0102】
<5−2.表示装置9の動作>
続いて、情報配信装置40から送信された配信データを受信した各表示装置9が実行する動作について、図9を参照しながら説明する。図9には、自装置宛ての配信データを受信した電子広告札9(2)の様子が示されている。
【0103】
通信装置43から出力された赤外線信号を受信した各表示装置9においては、受信された赤外線信号が電気信号に変換されて制御部94に入力される。制御部94は、入力された電気信号から、配信データに含まれているデータ(更新画面データおよび装置コード)を取得する。
【0104】
次に、制御部94は、取得した装置コードが、制御部94のメモリ内に予め記憶された自装置の装置コードと一致するか否かを判定する。取得した装置コードが自装置のものと一致しない場合、制御部94は、受信した配信データは他の表示装置9のための信号と判断してそのまま処理を終了する。
【0105】
一方、取得した装置コードが自装置のものと一致した場合、制御部94は、受信した配信データは自装置のための信号と判断し、配信データを正常に受け取った旨を示す情報を含む赤外線信号(ACK信号)を発光部921に出力させる。そして、取得した更新画面データをディスプレイ91に表示させる。配信データに含まれていた更新画面データが表示装置9のディスプレイ91に表示されることによって、当該ディスプレイ91の表示が、対象商品6の更新後の情報が表示された画面に更新されることになる。
【0106】
ただし、配信データに含まれる更新画面データが商品情報403を表示する画像である場合、当該配信データは、対象商品6の電子棚札9(1)としてリンク付けされている表示装置9に宛てられている。したがって、この場合、対象商品6と対応付けられている電子棚札9(1)のディスプレイ91の表示が、対象商品6の更新後の商品情報403が表示された画面に更新されることになる。
【0107】
一方、配信データに含まれる更新画面データが販売促進情報404を表示する画像である場合、当該配信データは、対象商品6の電子広告札9(2)としてリンク付けされている表示装置9に宛てられている。したがって、この場合、図9に示すように、対象商品6と対応付けられている電子広告札9(2)のディスプレイ91の表示が、対象商品6の更新後の販売促進情報404が表示された画面に更新されることになる。
【0108】
なお、表示装置9から送信されたACK信号は通信装置43で受信され、当該ACK信号に含まれる情報がESLサーバ41に伝達される。ESLサーバ41は、表示装置9からのACK信号を受信した場合は、送信した配信データが表示装置9で正常に受信されたと判断して、当該配信データの送信処理を終了する。一方、表示装置9からのACK信号を受信しない場合は、当該配信データが表示装置9で正常に受信されなかったと判断し、表示装置9からのACK信号を受信するまで当該売価配信データを繰り返し送信し続ける(リカバリー通信)。リカバリー通信を行うことによって、表示装置9の表示を確実に更新でき、システムの信頼性を大幅に向上できる。
【0109】
<6.効果>
上記の実施の形態によると、商品6の商品情報403を表示する表示装置9(電子棚札9(1))に、当該商品6の販売促進情報404を表示する表示装置9(電子広告札9(2))が着脱可能に設けられる。この構成によると、販売エリアに配置された複数の商品6のうち、販売促進情報を表示すべき商品6についてだけ別体の表示装置9を設けることができるので、店舗のスペース効率を不必要に低下させることなく、販売促進情報を顧客に対して適切に伝達することができる。
【0110】
また、上記の実施の形態によると、ESLサーバ41が管理する販売促進情報が、ESLサーバ41から各表示装置9に直接に送られるので、ESLサーバ41にて管理される情報を確実に各表示装置9に表示させることができる。
【0111】
<7.第1の変形例>
この発明の第1の変形例について説明する。なお、以下の各変形例においては、上記の実施の形態と相違しない点については説明を省略する。また、上記の実施の形態と同じ構成要素は、同じ符号で示す。
【0112】
<7−1.表示装置9a>
この変形例に係る表示装置9aの構成について、図10を参照しながら説明する。図10は、商品情報を表示する表示装置9a(電子棚札9a(1))と、これに着設された、販売促進情報を表示する表示装置9a(電子広告札9a(2))とを示す正面図である。
【0113】
この変形例に係る表示装置9aは、上記の実施の形態に係る表示装置9と同様の構成を備える。すなわち、表示装置9aは、筐体90aの前面に配置されたディスプレイ91aおよび通信部92aと、筐体90aの内部に設けられた電池93aおよび制御部94aとを備える。
【0114】
この変形例に係る表示装置9aは、さらに、自装置に着設された他の表示装置9aと通信する機能を備える。具体的には、表示装置9aは、その筐体90aの上側の側面の所定位置に形成された凸型コネクタ98aと、その筐体90aの下側の側面の所定位置(凸型コネクタ98aと対向する位置)に形成された凹型コネクタ99aとを備える。
【0115】
例えば、商品情報を表示する表示装置9a(電子棚札9a(1))の上側に、販売促進情報を表示する表示装置9a(電子広告札9a(2))が着設されると、電子棚札9a(1)の筐体90aの上側の側面に形成された凸型コネクタ98aが、電子広告札9a(2)の筐体90aの下側の側面に形成された凹型コネクタ99aと嵌め合わされる。これによって、電子棚札9a(1)と、その上側に着設された電子広告札9a(2)とが電気的に接続され、電子棚札9a(1)と電子広告札9a(2)との間での情報の授受(通信)が可能となる。
【0116】
<7−2.商品ファイル401a>
この変形例に係る電子棚札システム1aは、上記の実施の形態に係る電子棚札システム1と同様の構成を備えている。この変形例に係るESLサーバ41a(図5参照)は、上記の実施の形態に係るESLサーバ41と同様、商品6に係る各種の情報を示すデータファイルである商品ファイル401aを保持している。図11はこの変形例に係るESLサーバ41aが保持する商品ファイル401aの構成例を示す図である。
【0117】
商品ファイル401aは、上記の実施の形態に係る商品ファイル401と同様、テーブル形式となっており、レコード402aごとに、一の商品6の商品情報403と販売促進情報404とが登録される。さらに、当該商品6と対応付けられた表示装置9aの装置コードが登録される。ただし、商品ファイル401aには、上記の実施の形態に係る商品ファイル401とは異なり、商品6の販売促進情報404を表示する表示装置9a(すなわち、電子広告札9a(2)として用いる表示装置9a)の装置コード(電子広告札用装置コード4052)は登録されない。すなわち、商品ファイル401aには、商品6の商品情報403を表示する表示装置9a(すなわち、電子棚札9a(1)として用いる表示装置9a)の装置コード(電子棚札用装置コード4051)だけが登録される。
【0118】
<7−3.電子棚札システム1aの動作>
電子棚札システム1aの動作について、図5を参照しながら説明する。電子棚札システム1aにおいても、上記の実施の形態に係る電子棚札システム1と同様、情報配信装置40aから表示装置9aへ情報の配信が行われ、表示装置9aが、配信された情報に基づいてディスプレイ91aの表示を更新する。
【0119】
<7−3−1.情報配信装置40aの動作>
情報配信装置40aが実行する配信動作は、上記の実施の形態に係る情報配信装置40が実行する配信動作とほぼ同様である。すなわち、ESLサーバ41aは、対象情報を表示する画面のデータ(更新画面データ)と、対象商品6とリンク付けされている表示装置9の装置コードとを含めた1個のデータ(配信データ)を生成し、これを複数個の通信装置43を介して、販売エリア90内の全ての表示装置9aに送信する。
【0120】
ただし、この変形例においては、配信データに含められる装置コードは必ず電子棚札用装置コード4051である。すなわち、上記の実施の形態に係るESLサーバ41は、対象情報が商品情報403である場合は電子棚札用装置コード4051を、対象情報が販売促進情報404である場合は電子広告札用装置コード4052を、それぞれ商品ファイル401から取得して配信データに含めていたが、この変形例に係るESLサーバ41aは、対象情報が商品情報403、販売促進情報404どちらの場合であっても、商品ファイル401aから電子棚札用装置コード4051を取得して、これを配信データに含める。
【0121】
<7−3−2.配信データを受信した表示装置9aの動作>
続いて、情報配信装置40aから送信された配信データを受信した表示装置9aが実行する動作について、図12を参照しながら説明する。図12には、自装置宛ての配信データを受信した電子棚札9a(1)、および、これに着設された電子広告札9a(2)の様子が示されている。
【0122】
通信装置43aから出力された赤外線信号を受信した各表示装置9aにおいては、受信された赤外線信号が電気信号に変換されて制御部94aに入力される。制御部94aは、入力された電気信号から、配信データに含まれているデータ(更新画面データおよび装置コード)を取得する。
【0123】
次に、制御部94aは、取得した装置コードが、制御部94aのメモリ内に予め記憶された自装置の装置コードと一致するか否かを判定する。取得した装置コードが自装置のものと一致しない場合、制御部94aは、受信した配信データは他の表示装置9aのための信号と判断してそのまま処理を終了する。
【0124】
一方、取得した装置コードが自装置のものと一致した場合、制御部94aは、受信した配信データは自装置のための信号と判断し、配信データを正常に受け取った旨を示す情報を含む赤外線信号(ACK信号)を発光部921aに出力させる。
【0125】
自装置宛の配信データを取得した表示装置9aの制御部94aは、続いて、取得した更新画面データが、商品情報403を表示する画面のデータであるか、販売促進情報404を表示する画面のデータであるかを判断する。この判断は、例えば、ESLサーバ41aが配信データに予め含ませておいたフラグ(当該配信データに含まれる更新画面データが商品情報403、販売促進情報404のどちらを表示する画面のデータであるかを識別するためのフラグ)を参照することによって行われる。
【0126】
取得した更新画面データが商品情報403を表示する画面のデータであると判断した場合、制御部94aは、取得した更新画面データをディスプレイ91aに表示させる。配信データに含まれていた更新画面データが表示装置9aのディスプレイ91aに表示されることによって、当該ディスプレイ91aの表示が、対象商品6の更新後の商品情報403が表示された画面に更新されることになる。
【0127】
ただし、配信データは、対象商品6の電子棚札9a(1)としてリンク付けされている表示装置9aに宛てられている。したがって、この場合、対象商品6と対応付けられている電子棚札9a(1)のディスプレイ91aの表示が、対象商品6の更新後の商品情報403が表示された画面に更新されることになる。
【0128】
一方、取得した更新画面データが販売促進情報404を表示する画面のデータであると判断した場合、制御部94a(すなわち、対象商品6の電子棚札9a(1)としてリンク付けされている表示装置9aの制御部94a)は、取得した更新画面データを、自装置に着設されている表示装置9aに送信する。
【0129】
<7−3−3.更新画面データを受信した表示装置9aの動作>
対象商品6の電子棚札9a(1)としてリンク付けされている表示装置9aに着設されている表示装置9aが実行する動作について、引き続き図12を参照しながら説明する。
【0130】
自装置が着設されている表示装置9aから送信された更新画面データを受信した表示装置9aは、取得した更新画面データをディスプレイ91aに表示させる。当該更新画面データが表示装置9aのディスプレイ91aに表示されることによって、当該ディスプレイ91aの表示が、対象商品6の更新後の販売促進情報404が表示された画面に更新されることになる(図12の下段に示す状態)。
【0131】
ただし、当該更新画面データは、対象商品6と対応付けられている電子棚札9a(1)から、当該電子棚札9a(1)に着設された表示装置9a(すなわち、対象商品6と対応付けられている電子広告札9a(2))に送信されている。したがって、この場合、対象商品6と対応付けられている電子広告札9(2)のディスプレイ91aの表示が、対象商品6の更新後の販売促進情報404が表示された画面に更新されることになる。
【0132】
<7−4.効果>
第1の変形例によると、商品6の販売促進情報404は、商品情報403を表示する表示装置9a(電子棚札9a(1))を経由して、当該商品6の電子広告札9a(2)として機能する表示装置9aに提供される。したがって、ESLサーバ41aは、商品6と、当該商品6の電子広告札9a(2)として利用される表示装置9aとの対応関係をデータとして管理する必要がない。つまり、この構成によるとESLサーバ41aの管理負担を軽減することができる。
【0133】
また、電子広告札9a(2)として利用する表示装置9aについてはリンク作業を行う必要がないので、店舗スタッフの作業負担も軽減される。
【0134】
<8.第2の変形例>
この発明の第2の変形例について説明する。
【0135】
<8−1.表示装置9b>
この変形例に係る表示装置9bの構成について、図13を参照しながら説明する。図13には、商品情報を表示する表示装置9b(電子棚札9b(1))と、これに着設された、販売促進情報を表示する表示装置9b(電子広告札9b(2))とが示されている。
【0136】
この変形例に係る表示装置9bは、上記の実施の形態に係る表示装置9と同様の構成を備える。すなわち、表示装置9bは、筐体90bの前面に配置されたディスプレイ91bおよび通信部92bと、筐体90bの内部に設けられた電池93bおよび制御部94bとを備える。
【0137】
表示装置9bの制御部94bは、上記の実施の形態に係る表示装置9の制御部94と同様、ディスプレイ91bの表示を、リモコン160からの指示に応じて切り換える機能を備えている。具体的には、制御部94bは、リモコン160から出力される赤外線信号を、通信部92bを介して受信した場合、ディスプレイ91bを制御して、メモリ内の画面データ候補から1のデータを選択して、当該選択した1の画面データ候補をディスプレイ91bに表示させる。
【0138】
この変形例においては、販売促進情報を表示する表示装置9b(電子広告札9b(2))のメモリには、複数種類の販売促進情報404のそれぞれに対応する画面データが、画面データ候補として保持される。例えば、「広告の品」との宣伝広告文句が表示される画面データ、「新発売」との宣伝広告文句が表示される画面データ、「○○産」との宣伝広告文句が表示される画面データ、宣伝広告用のイラストが表示される画面データ、等が画面データ候補として保持されている。各画面データ候補には個別の識別情報が付与されており、リモコン160からの赤外線信号を受信した場合、制御部94bは当該信号に含まれる識別情報が付与されている画面データ候補をディスプレイ91bに表示させる。すなわち、店舗スタッフは、リモコン160を用いて表示装置9bに識別情報を入力することによって、当該表示装置9bのディスプレイ91bに、所望の画面データ候補(すなわち、所望の種類の販売促進情報404に対応する画面)を表示させることができる。
【0139】
<8−2.商品ファイル401>
この変形例に係る電子棚札システム1bは、上記の実施の形態に係る電子棚札システム1と同様の構成を備えている。また、この変形例に係るESLサーバ41bは、第1の変形例に係るESLサーバ41aが保持する商品ファイル401aと同じものを保持している。すなわち、この実施の形態に係るESLサーバ41bは、レコードごとに、一の商品6の商品情報403、販売促進情報404、および、電子棚札用装置コード4051(すなわち、当該商品6と対応付けられた表示装置9であって、電子棚札9b(1)として用いる表示装置9bの装置コード)が登録される(図11参照)。
【0140】
<8−3.電子棚札システム1bの動作>
電子棚札システム1bの動作について、図5を参照しながら説明する。電子棚札システム1bにおいても、上記の実施の形態に係る電子棚札システム1と同様、情報配信装置40bから表示装置9bへ情報の配信が行われ、表示装置9bが、配信された情報に基づいてディスプレイ91bの表示を更新する。
【0141】
<8−3−1.情報配信装置40bの動作>
情報配信装置40bが実行する配信動作は、第1の変形例に係る情報配信装置40aが実行する配信動作とほぼ同様である。すなわち、ESLサーバ41bは、対象情報を表示する画面のデータ(更新画面データ)と、対象商品6とリンク付けされている表示装置9の装置コード(電子棚札用装置コード4051)とを含めた1個のデータ(配信データ)を生成し、これを複数個の通信装置43を介して、販売エリア90内の全ての表示装置9bに送信する。
【0142】
ただし、この実施の形態においては、ESLサーバ41bは、対象情報が販売促進情報404である場合には、次の態様で更新画面データを生成する。すなわち、対象情報が販売促進情報404である場合には、ESLサーバ41bは、対象商品6の商品情報403をさらに取得する。そして、取得された商品情報403を表示する画面であって、画面中の一部の領域に、対象情報である販売促進情報404の種類と対応付けられたサインを表示する画面のデータを生成して、更新画面データとして取得する。
【0143】
なお、ESLサーバ41bのハードディスク414には、販売促進情報404の種類とサインの種類とを対応付けたテーブル4010b(図14)が予め記憶されており、ESLサーバ41bは当該テーブル4010bを参照して、更新画面データに表示すべきサインを特定する。図14には、販売促進情報404の種類とサインの種類とを対応付けたテーブル4010bの構成例が示されている。
【0144】
<8−3−2.配信データを受信した表示装置9bの動作>
続いて、情報配信装置40bから送信された配信データを受信した表示装置9bが実行する動作について、再び図13を参照しながら説明する。図13には、自装置宛ての配信データを受信した電子棚札9b(1)、および、これに着設された電子広告札9b(2)の様子が示されている。
【0145】
通信装置43bから出力された赤外線信号を受信した各表示装置9bにおいては、受信された赤外線信号が電気信号に変換されて制御部94bに入力される。制御部94bは、入力された電気信号から、配信データに含まれているデータ(更新画面データおよび装置コード)を取得する。
【0146】
次に、制御部94bは、取得した装置コードが、制御部94bのメモリ内に予め記憶された自装置の装置コードと一致するか否かを判定する。取得した装置コードが自装置のものと一致しない場合、制御部94bは、受信した配信データは他の表示装置9bのための信号と判断してそのまま処理を終了する。
【0147】
一方、取得した装置コードが自装置のものと一致した場合、制御部94bは、受信した配信データは自装置のための信号と判断し、配信データを正常に受け取った旨を示す情報を含む赤外線信号(ACK信号)を発光部921bに出力させる。そして、取得した更新画面データをディスプレイ91bに表示させる。配信データに含まれていた更新画面データが表示装置9bのディスプレイ91bに表示されることによって、当該ディスプレイ91bの表示が更新されることになる。
【0148】
ただし、配信データは、対象商品6の電子棚札9b(1)としてリンク付けされている表示装置9bに宛てられている。したがって、この場合、対象商品6と対応付けられている電子棚札9b(1)のディスプレイ91bの表示が更新されることになる。
【0149】
ここで、対象情報が商品情報403である場合、配信データに含まれていた更新画面データが表示装置9bのディスプレイ91bに表示されることによって、当該ディスプレイ91bの表示が、対象商品6の更新後の商品情報403が表示された画面に更新されることになる。
【0150】
一方、対象情報が販売促進情報404である場合、配信データに含まれていた更新画面データが表示装置9bのディスプレイ91bに表示されることによって、当該ディスプレイ91bの表示が、対象商品6の商品情報403を表示する画面であって、画面中の一部の領域に、対象商品6の更新後の販売促進情報404の種類と対応付けられたサインKが表示された画面に更新されることになる。更新の前後において商品情報403の内容に変更はないため、見かけ上は、現在表示されている画面の中に、サインKだけが新たに追加して表示されることになる。
【0151】
<8−3−3.画面の更新作業>
対象商品6の電子棚札9b(1)としてリンク付けされている表示装置9bに表示されたサインKを見た店舗スタッフは、例えば、サインKの種類と販売促進情報404の種類とを対応付けたテーブル4010b(図14参照)が印字された紙媒体等を参照することにより、当該サインKから対象商品6の更新後の販売促進情報404を知得する。
【0152】
ところで、上述したとおり、店舗スタッフは、リモコン160を用いて、表示装置9bに識別情報を入力することによって、当該表示装置9bのディスプレイ91bに、所望の画面データ候補(すなわち、所望の種類の販売促進情報404に対応する画面)を表示させることができる。
【0153】
そこで、対象商品6の更新後の販売促進情報404を知得した店舗スタッフは、サインKを表示している表示装置9bに着設されている表示装置9bを対象表示装置9bとし、リモコン160を用いて、対象表示装置9bに当該サインKが示唆する販売促進情報404に対応する画面を表示させる。例えば、サインKが「広告の品」との宣伝広告文句を示唆している場合、店舗スタッフは、「広告の品」との宣伝広告文句を表示する画面の画面データ候補に付与されている識別情報を、リモコン160を用いて対象表示装置9bに入力する。
【0154】
ただし、店舗スタッフは、例えば、画面データ候補が表示する販売促進情報404の内容と、当該画面データ候補に付与された識別情報とを対応付けたテーブルが印字された紙媒体等を参照することにより、所望の販売促進情報404に係る画面データ候補の識別情報を知得することができるものとする。なお、画面データ候補に付与する識別情報を、サインKと一致させておけば、店舗スタッフはサインKとして表示されている情報をリモコン160にそのまま入力するだけでよい。例えば、「広告の品」との宣伝広告文句が番号「3」とのサインKと対応付けられている場合、「広告の品」との宣伝広告文句を表示する画面データ候補に識別情報「3」を付与しておけば、店舗スタッフは、サインKとして表示された番号をリモコン160にそのまま入力するだけでよい。
【0155】
<8−3−4.更新指示を受信した表示装置9bの動作>
リモコン160からの赤外線信号を受信すると、表示装置9bの制御部94bは、当該信号に含まれる識別情報が付与されている画面データ候補をディスプレイ91bに表示させる。当該画面データ候補が表示装置9bのディスプレイ91bに表示されることによって、当該ディスプレイ91bの表示が、対象商品6の更新後の販売促進情報404が表示された画面に更新されることになる(図13の下段に示す状態)。
【0156】
ただし、リモコン160からの指示は、対象商品6と対応付けられている電子棚札9b(1)に着設された表示装置9b(すなわち、対象商品6と対応付けられている電子広告札9b(2))に入力されている。したがって、この場合、対象商品6と対応付けられている電子広告札9(2)のディスプレイ91bの表示が、対象商品6の更新後の販売促進情報404が表示された画面に更新されることになる。
【0157】
<8−4.効果>
第2の変形例によると、ESLサーバ41bが管理する販売促進情報404の種類が、商品情報403を表示する表示装置9b(電子棚札9b(1))が表示するサインKにより店舗スタッフに知得される。そして、当該商品6の電子広告札9b(2)として機能する表示装置9bは、店舗スタッフから指示された種類の販売促進情報404を表示する。したがって、ESLサーバ41bは、商品6と、当該商品6の電子広告札9b(2)として利用される表示装置9bとの対応関係をデータとして管理する必要がない。つまり、この構成によるとESLサーバ41bの管理負担を軽減することができる。
【0158】
また、電子広告札9b(2)として利用される表示装置9bについてはリンク作業を行う必要がないので、店舗スタッフの作業負担も軽減される。
【0159】
<9.第3の変形例>
上記の実施の形態においては、ESLサーバ41は、対象情報が商品情報403の場合には、商品情報403を表示する更新画面データを配信データに含め、対象情報が販売促進情報404の場合には、販売促進情報404を表示する更新画面データを配信データに含める構成とした。ここで、対象情報が販売促進情報404の場合には、当該販売促進情報404を表示する更新画面データに換えて、当該販売促進情報404を表示する画面データ候補の識別情報を配信データに含める構成とてもよい。
【0160】
この変形例に係る表示装置9(電子広告札9(2)として利用される表示装置9b)においては、第2の変形例に係る表示装置9bと同様、複数種類の販売促進情報404のそれぞれに対応する画面データが画面データ候補としてメモリに保持されており、各画面データ候補には個別の識別情報が付与されている。そして、ESLサーバ41から自装置宛ての配信データ(画面データ候補の識別情報を含む配信データ)を受信した場合、当該表示装置9の制御部94は、配信データに含まれる識別情報が付与されている画面データ候補をディスプレイ91に表示させる。これによって、当該ディスプレイ91の表示が、対象商品6の更新後の販売促進情報404が表示された画面に更新されることになる。
【0161】
<10.第4の変形例>
上記の実施の形態においては、商品情報403を表示する表示装置9(電子棚札9(1))と、販売促進情報404を表示する表示装置9(電子広告札9(2))とは同じ構成を備えるものとしたが、両者の構成は必ずしも同じでなくともよい。例えば、図15に示すように、電子広告札9(2)として用いられる表示装置9のディスプレイは、カラー表示が可能なカラーディスプレイであるとし、電子棚札9(1)として用いられる表示装置9のディスプレイは、モノクロ表示のみが可能なモノクロディスプレイとしてもよい。
【0162】
この変形例によると、商品情報を表示する表示装置9(電子棚札9(1))は、製造コストが比較的安価なモノクロ表示ディスプレイとし、販売促進情報を表示する表示装置9(電子広告札9(2))は、表現力が豊かなカラー表示ディスプレイとされるので、製造コストを抑えつつ、商品の宣伝広告効果を高めることができる。
【0163】
また例えば、図16に示すように、電販売促進情報を表示する表示装置9(電子広告札9(2))の筐体の外装は、顧客の目を引きやすい目立つ色(例えば、黄色)とし、商品情報を表示する表示装置9(電子棚札9(1))の筐体の外装は白色としてもよい。この構成によると、電子棚札9(1)に比べて電子広告札9(2)を目立たせることができるので、宣伝広告効果を高めることができる。
【0164】
<11.第5の変形例>
上記の実施の形態においては、各表示装置9は、他の表示装置9に着脱可能に構成されており、図2においては、商品情報を表示する表示装置9(電子棚札9(1))の上側に、販売促進情報を表示する表示装置9(電子広告札9(2))が着設される構成が例示されていた。ここで、表示装置9を他の表示装置9に着設する位置(着設位置)を変更できる構成としてもよい。
【0165】
この構成は、例えば、上記の実施の形態に係る表示装置9においてはその上側の側面と下側の側面とに形成されていた溝901を、各表示装置9の筐体90の下側の側面と上側の側面とだけでなく、左側および右側の各側面にも形成することによって実現できる。
【0166】
溝901を筐体90の周囲の全体に形成しておけば、図2に示すように、電子棚札9(1)の上側に電子広告札9(2)が着設された状態とすることができる他、図2に示す状態から、図17に示すように、電子棚札9(1)の右側に電子広告札9(2)が着設された状態に変更することも可能となる。
【0167】
すなわち、ヒンジ部8の一部の軸受け81(軸80を介して互いに連結された複数の軸受け81のうちの一部の軸受け81)を、電子広告札9(2)の筐体90の左側の側面に着設するとともに、残りの軸受け8を電子棚札9(1)の筐体90の右側の側面に着設することによって、電子棚札9(1)の右側に電子広告札9(2)が着設された状態とすることができる。
【0168】
この変形例によると、各表示装置9の、他の表示装置9に対する着設位置を変更することができるので、例えば、電子棚札9(1)が商品棚60のどの位置に設置されるかに応じて、電子広告札9(2)の着設位置を変更することにより、販売促進情報404を常に顧客に見えやすい位置に配置することができる。
【0169】
また、上述したとおり、各表示装置9は、他方の表示装置9に対して起倒可能にヒンジ連結される。したがって、例えば、通路に面した商品棚60のフレーム62に着設された電子棚札9(1)の右側(あるいは、左側)に電子広告札9(2)を着設し、さらに、電子広告札9(2)を電子棚札9(1)のディスプレイ91側に倒して、電子広告札9(2)を通路に向かって突出した姿勢におく(例えば、電子広告札9(2)を、そのディスプレイ91が電子棚札9(1)のディスプレイ91と90°の角度をなすような姿勢におく)ことができる。このような姿勢としておけば、電子広告札9(2)が商品棚60のフェース61の法線方向に沿って(すなわち、通路に向かって)突き出た格好となり、電子広告札9(2)のディスプレイ91を、通路を歩く顧客の目につきやすくすることができる。すなわち、販売促進情報404を顧客に強くアピールすることができる。
【0170】
<12.第6の変形例>
上記の実施の形態においては、一の表示装置9と、当該表示装置9に着設される他の表示装置9とは、ヒンジ部8によりヒンジ連結される構成としたが、各表示装置9を連結する構成はこれに限らない。例えば、ヒンジ部8に代えて、蛇腹状の連結部材を設けてもよい。また、ヒンジ部8をバネ付きヒンジとし、一の表示装置9のディスプレイ91と当該表示装置9に着設される他の表示装置9のディスプレイ91とがなす角度θが所定値(例えば180°)よりも小さい、あるいは大きい場合には、当該角度θが所定値となるように表示装置9の姿勢を戻す構成としてもよい。また、ヒンジ部8を回転2軸ヒンジにより構成してもよい。
【0171】
また、上記の実施の形態においては、ヒンジ部8は、各表示装置9に対して着脱可能に構成されているとしたが、ヒンジ部8は1つの表示装置9に固定的に設置されていてもよい。例えば、商品情報403を表示する表示装置9(電子広告札9(2))に固設されていてもよい。
【0172】
<13.第7の変形例>
上記の実施の形態において、各表示装置9が、他の表示装置9に対する自装置の着設位置を店舗スタッフに知得させるためのサイン(着設位置サイン)をディスプレイ91に表示する構成としてもよい。
【0173】
この変形例においては、ESLサーバ41が保持する商品ファイル401の各レコード402に、着設位置サイン(例えば、矢印マーク等)を登録可能とする。ただし、各レコード402において、当該レコード402に係る商品6の電子棚札9(1)に表示させるべき着設位置サインは、商品情報403として登録する。また、当該レコード402に係る商品6の電子広告札9(2)に表示させるべき着設位置サインは、販売促進情報404として登録する。
【0174】
先に説明したとおり、ESLサーバ41は、対象情報を表示する画面のデータ(更新画面データ)と、対象商品6とリンク付けされている表示装置9の装置コードとを含めた1個のデータ(配信データ)を生成し、これを複数個の通信装置43を介して、販売エリア90内の全ての表示装置9に送信する。
【0175】
この変形例においては、ESLサーバ41は、次の態様で更新画面データを生成する。すなわち、ESLサーバ41は、対象情報を表示する画面であって、画面中の一部の領域に着設位置サインを表示する画面のデータを生成して、更新画面データとして取得する。ただし、対象情報が商品情報403である場合、ESLサーバ41は、商品情報403として保持されている着設位置サインを表示する画面のデータを生成する。また、対象情報が販売促進情報404の場合、ESLサーバ41は、販売促進情報404として保持されている着設位置サインを表示する画面のデータを生成する。
【0176】
先に説明したとおり、情報配信装置40から配信された配信データは対象商品6とリンク付けられた表示装置9により受信され、表示装置9は配信された情報に基づいてディスプレイ91の表示を更新する。これにより、対象商品6の商品情報403に係る更新画面データは、当該対象商品6とリンク付けられた電子棚札9(1)に表示されることになる。また、対象商品6の販売促進情報404に係る更新画面データは、当該対象商品6とリンク付けられた電子広告札9(2)に表示されることになる。したがって、上記の構成によると、電子棚札9(1)のディスプレイ91には、商品情報403として登録されていた着設位置サインが表示されることになる。また、電子広告札9(2)のディスプレイ91には、販売促進情報404として登録されていた着設位置サインが表示されることになる。
【0177】
なお、着設位置サインは、必ずしも全ての表示装置9に表示させる必要はない。例えば、電子広告札9(2)にのみ表示させる構成としてもよい。この場合、商品情報403として着設位置サインを登録する必要はない。
【0178】
この変形例によると、店舗スタッフは、表示装置9に表示される着設位置サインを見て、当該表示装置9を他の表示装置9のどちら側に着設すべきかを迷わず決定することができる。
【0179】
図18には、着設位置サインQが表示された表示装置9が例示されている。着設位置サインQは、例えば図示されるように、販売促進情報404が、商品情報403を表示する表示装置9(電子棚札9(1))に対して定められた位置関係で表示されることによって初めて意味が生じるイラストである場合に特に有効である。なお、図18の例では、電子広告札9(2)に、下向き矢印の着設位置サインQ(自装置を他の表示装置9の上側に着設すべき旨を表す着設位置サイン)が表示されているが、この表示に代えて(あるいは、この表示に加えて)、電子棚札9(1)に、上向き矢印の着設サイン(自装置を他の表示装置9の下側に着設すべき旨を表す着設位置サイン)を表示してもよい。
【0180】
<14.第8の変形例>
上記の実施の形態においては、一種類の商品6に電子棚札9(1)と電子広告札9(2)とが1個ずつ対応付けられる構成であったが、一種類の商品6に2以上の電子広告札9(2)が対応付けられてもよい。また、一種類の商品6に2個以上の電子棚札9(1)が対応付けられてもよい。例えば、一種類の商品6に2個の電子広告札9(2)を対応付ける態様は、次の構成により実現することができる。
【0181】
この変形例においては、ESLサーバ41が保持する商品ファイル401の各レコード402に、第1の電子広告札用装置コード4052と、第2の電子広告札用装置コード4052とを登録可能とする。また、各レコード402に、第1の販売促進情報404と、第2の販売促進情報404とを登録可能とする。
【0182】
先に説明したとおり、ESLサーバ41は、対象情報を表示する画面のデータ(更新画面データ)と、対象商品6とリンク付けされている表示装置9の装置コードとを含めた1個のデータ(配信データ)を生成し、これを複数個の通信装置43を介して、販売エリア90内の全ての表示装置9に送信する。
【0183】
この変形例においては、商品ファイル401において、対象商品6とリンク付けされている装置コードが3つ存在する。ESLサーバ41は、配信データに含める装置コードを取得する際に、対象情報が、商品情報403、第1の販売促進情報404、第2の販売促進情報404、のうちのいずれであるかに基づいて、対象商品6とリンク付けされている3個の装置コードのうちのどれを配信データに含めるかを決定する。具体的には、ESLサーバ41は、対象情報が商品情報403である場合は、電子棚札用装置コード4051を取得する。また、対象情報が第1の販売促進情報404である場合は、第1の電子広告札用装置コード4052を取得する。また、対象情報が第2の販売促進情報404である場合は、第2の電子広告札用装置コード4052を取得する。
【0184】
先に説明したとおり、情報配信装置40から配信された配信データは対象商品6とリンク付けられた表示装置9により受信され、表示装置9は配信された情報に基づいてディスプレイ91の表示を更新する。この変形例においては、対象商品6の商品情報403に係る更新画面データは、当該対象商品6とリンク付けられた電子棚札9(1)に表示されることになる。また、対象商品6の第1の販売促進情報404に係る更新画面データは、当該対象商品6とリンク付けられた第1の電子広告札9(2)に表示されることになる。また、対象商品6の第2の販売促進情報404に係る更新画面データは、当該対象商品6とリンク付けられた第2の電子広告札9(2)に表示されることになる。
【0185】
図19には、一種類の商品6に対応付けられた2個の電子広告札9(2)が、当該商品6に対応付けられた電子棚札9(1)に着設されている状態が例示されている。図示されるように、同一商品6に対応付けられた2個の電子広告札9(2)は、当該商品6に対応付けられた電子棚札9(1)の周囲(例えば右側の側面、および、左側の側面)にそれぞれ着設される。
【0186】
一種類の商品6の販売促進情報404を複数個の表示装置9に表示することによって、多様な販売促進情報404を表示することができ、顧客の注意を強く惹くことが可能となる。なお、この場合においては、上記の変形例において説明した着設位置サインQを、2個の電子広告札9(2)のそれぞれに表示することが好ましい。
【0187】
<15.第9の変形例>
上記の実施の形態においては、同じ商品6に対応付けられた2個の表示装置9のうち、一方が常に当該商品6の商品情報403を表示し、他方が常に当該商品6の販売促進情報404を表示していたが、各表示装置9の表示内容を入れ換え可能としてもよい。
【0188】
この変形例について、図20を参照しながら説明する。この変形例に係る電子棚札システム1cは、第1の変形例に係る電子棚札システム1aとほぼ同様の構成を備えている。以下においては、第1の変形例に係る電子棚札システム1aと相違する点を説明する。
【0189】
いま、ある商品6の商品情報403を表示している表示装置9c(以下「主表示装置9c(10)」という)があるとする。ただし、この変形例に係る表示装置9cは、第1の変形例に係る表示装置9aと同様、自装置に着設された表示装置9cと通信する機能を備える。
【0190】
主表示装置9c(10)の制御部94cは、自装置の所定側(例えば、自装置の下側)に他の表示装置9c(以下「副表示装置9c(20)」という)が着設されたことを検出した場合、自装置が表示している画面(商品情報403を表示する画面)のデータを、副表示装置9c(20)に送信する。
【0191】
主表示装置9c(10)から、主表示装置9c(10)が表示していた画面のデータを取得した副表示装置9c(20)は、取得した画面データを自装置のディスプレイ91cに表示させる。これによって、副表示装置9c(20)のディスプレイ91cに、対象商品6の商品情報403を表示する画面が表示されることになる(図20の中段に示される状態)。
【0192】
また、主表示装置9c(10)の制御部94cは、自装置に副表示装置9c(20)が着設されている状態において自装置当ての更新画面データを取得すると、当該取得した更新画面データが商品情報403を表示する画面のデータ、販売促進情報404を表示する画面のデータのどちらであるかを判断する。
【0193】
取得した更新画面データが販売促進情報404を表示する画面のデータであると判断した場合、制御部94cは、当該取得した更新画面データを、自装置のディスプレイ91cに表示させる(図20の下段に示される状態)。これによって、主表示装置9c(10)のディスプレイ91cの表示が、対象商品6の商品情報403が表示された画面から対象商品6の販売促進情報404が表示された画面に更新されることになる。
【0194】
一方、取得した更新画面データが商品情報403を表示する画面のデータであると判断した場合、制御部94cは、当該取得した更新画面データを副表示装置9c(20)に送信する。
【0195】
主表示装置9c(10)から、商品情報403を表示する更新画面データを取得した副表示装置9c(20)は、取得した画面データを自装置のディスプレイ91cに表示させる。これによって、副表示装置9c(20)のディスプレイ91cの表示が、対象商品6の更新後の商品情報403が表示された画面に更新されることになる。
【0196】
上記の構成によると、商品6の商品情報403を表示している表示装置9(主表示装置9c(10))が、商品情報403に換えて販売促進情報404を表示開始する一方で、当該主表示装置9c(10)に着設される表示装置9(副表示装置9c(20))が、当該商品情報403を表示することになる。
【0197】
ただし、上記の例においては、表示装置9cの制御部94cは自装置の所定側に他の表示装置9cが着設された場合に表示内容の入れ換えに係る制御を開始する構成としたが、表示装置9cの制御部94cが当該制御を開始するタイミングはこれに限らない。例えば、図21に示すように、2個の表示装置9cが互いに着設され、一方が当該商品6の商品情報403を表示し、他方が当該商品6の販売促進情報404を表示している状態において、いずれか一方の表示装置9cに対して、店舗スタッフがリモコン160から、表示内容の入れ換えに係る制御を開始すべき旨の指示を入力した場合に、当該制御を開始する構成としてもよい。なお、当該指示は、ESLサーバ41から送信される構成としてもよい。
【0198】
上記の変形例によると、表示装置9cの着設位置を変更せずに、商品情報403の表示位置と販売促進情報404の表示位置とを入れ換えることができる。すなわち、商品情報403の表示位置を変更することができる。
【0199】
例えば、先にフレーム62に設置されている表示装置9cに対して別の表示装置9cを着設する作業は、設置されている表示装置9cのどの位置に別の表示装置9cを着設するかによって作業のしやすさが変わってくる。例えば、上段のフレーム62に設置されている表示装置9cの場合、その下側に別の表示装置9cを着設する作業は簡単に行えるが、その上側に別の表示装置9cを着設する作業ははやりにくい。逆に、下段のフレーム62に設置されている表示装置9cの場合、その上側に別の表示装置9cを着設する作業は簡単に行えるが、その下側に別の表示装置9cを着設する作業ははやりにくい。上記の変形例によると、例えば、販売促進情報404は常に商品情報403の上側に表示されるべき、との店舗固有のルールがある場合であっても、とりあえずは、着設対象となる表示装置9cの上側と下側のうち、より簡単に着設できる側に別の表示装置9cを着設しておき、その後、必要な場合は、各情報がルールに応じた位置関係で表示されるように、商品情報403の表示位置と販売促進情報404の表示位置とを入れ換えればよい。つまり、表示位置に関する店舗固有のルールがある場合であっても、表示装置9cを着設する作業を容易に行うことができる。
【0200】
なお、一の表示装置9と、これに着設される別の表示装置9との間で表示内容を入れ換える態様は上記に例示したものに限らない。例えば、上記の実施の形態において、ESLサーバ41が、店舗スタッフからの指示入力に応じて、商品ファイル401において電子棚札用装置コード4051に登録されている情報と、電子広告札用装置コード4052に登録されている情報とを入れ換えて再登録する構成としてもよい。
【0201】
この構成によると、商品ファイル401において、電子棚札9(1)としてリンク付けされていた表示装置9が電子広告札9(2)としてリンク付けし直されるとともに、電子広告札9(2)としてリンク付けされていた表示装置9が電子棚札9(1)としてリンク付けし直される。その結果、商品6の商品情報403を表示していた表示装置9が、商品情報403に換えて販売促進情報404を表示開始する一方で、当該表示装置9に着設される表示装置9が、当該商品情報403を表示することになる。この場合、表示装置9が自装置に着設された表示装置9と通信する機能を有さない構成においても、表示装置9間の表示入れ換えを実現することができる。
【0202】
<16.その他の変形例>
<16−1.その他の変形(1)>
上記の実施の形態に係る表示装置9は、電池93により駆動される。ところで、従来の一般的な表示装置においては、通信装置43からの赤外線信号の有無の確認のために、定期的に(例えば1秒毎)にフォトダイオードを用いた赤外受信回路を動作させる。この場合、マイコンがスリープ状態にある場合でもタイマを動作させておく必要があり、また、定期的に赤外線受信回路を動作させる必要があるため、電池の消耗が激しかった。一方で、信号の受信確認が間欠的(例えば1秒おき)となるため、赤外線信号に対する即応性が落ちるという問題もあった。
【0203】
そこで、表示装置9において、赤外線信号の有無の確認をACK返信用のLEDを用いて行う構成としてもよい。この構成は、具体的には、表示装置9において、ACK返信用のLEDに生じる電圧を検出するコンパレータを設けることにより実現できる。つまり、ACK返信用のLEDに赤外線信号が入射すると、電圧が生じるところ、この電圧をコンパレータが検出することによって、赤外線信号を検知することができる。コンパレータが電圧を検出した場合には、スリープ状態のマイコンをウェイクアップさせる構成としておけば、マイコンを、タイマ等を用いて定期的にウェイクアップさせる必要がなくなる。
【0204】
この変形例によると、タイマを動作させる必要がないので、待機時の消費電力を下げることが可能となる。さらに、コンパレータは、フォトダイオードを用いた赤外受信回路に比べて消費電流が少ないので、待機時の消費電力をさらに下げることが可能となる。待機時の消費電力の低下によって、電池93の消耗を抑えることが可能となる。また、コンパレータを常時作動させることによって、赤外線信号に対する即応性を高めることも可能となる。
【0205】
<16−2.その他の変形(2)>
従来の一般的な電子棚札システムにおいては、店舗スタッフの退店後も売価変更やローミング探索(送信されたデータが送信対象となる表示装置により適正に受信されるまで、全てのサブセル(販売エリアを複数の部分領域に区分することにより規定される通信エリア)に対して順番に当データを送信していく処理)が行われる。店舗内に配置された各表示装置には、店舗の開店準備時において、その時点の最新の情報が表示されていれば十分であり、店舗スタッフが退店してから翌日の開店準備までの時間帯に行われる赤外線通信は、実際は無駄である。このような無駄な赤外線通信により表示装置の電池が消耗してしまうことは好ましくない。電子棚札システム自体をOFFしてしまえば、このような無駄な赤外線通信は行われないが、この場合は本部センターからの売価変更指示等が受け取れなくなってしまう。
【0206】
そこで、上記の実施の形態に係る電子棚札システム1においては、指定された特定の時間帯(例えば、店舗スタッフの退店時刻から、開店準備の開始時刻までの時間帯)においては、ベースステーション42、あるいは、サブセル(もしくは、これらの両方)を一時的に無効にできる構成としてもよい。この場合、無効にしたベースステーション42等に対して実行されたジョブは、送信されずに一時的に停滞されるものとし、無効が解除されて再度有効化された際に溜まっていたジョブが送信されるものとする。なお、ここで、ベースステーション42等が無効にされていた期間中に、当該ベースステーション42等に対して同一商品6に係る売価変更が複数回発生した場合、無効が解除された際には、最新の売価情報のみが送信される構成とすれば、無駄な通信をなくすことができる。
【0207】
この変形例によると、無駄な赤外線通信が行われないので、表示装置9の電池93の消耗を抑えることが可能となる。また、通信装置43の劣化も軽減できる。
【0208】
なお、上記の変形例において、ベースステーション42、あるいは、サブセル(もしくは、これらの両方)の一部を選択して、選択対象とされたベースステーション42等だけを一時的に無効にできる構成としてもよい。この構成によると、上記の効果が得られる他、有効なベースステーション42およびサブセルを限定することによって、特定の通信エリアの通信効率を向上させることができる。
【0209】
<16−3.その他の変形(3)>
従来の一般的な電子棚札システムにおいては、ESLサーバは、サブセルを巡回してローミング探索を行う。この場合、ローミング探索においてサブセルが切り替わる毎に、対象となるサブセルに配置されている表示装置がウェイクアップすることになる。したがって、ローミング探索が頻繁に発生する環境においては、表示装置の電池の消耗が激しかった。特に、各サブセルは、隣接するサブセル同士が重なるように配置されるため、サブセルの境界付近に形成されるサブセルの重なり領域に配置される表示装置はウェイクアップの頻度が倍になる。このため、特に電池の消耗が特に著しくなってしまう。
【0210】
そこで、上記の実施の形態に係る電子棚札システム1においては、ローミング探索を次の態様で行ってもよい。すなわち、ローミング探索を行う場合、まず、一度に全てのサブセルに対して送信を行う(一斉送信)。そして、当該一斉送信に対する最も強いACK信号を受信した通信装置43を特定し、当該通信装置43が属するサブセルをローミング探索の対象となる表示装置9が属するサブセル(ホームサブセル)と判断する。
【0211】
この変形例によると、ローミング探索における各表示装置9のウェイクアップ回数は一度で済む。したがって、表示装置9における電池93の消耗を抑えることが可能となる。
【0212】
<16−4.その他の変形(4)>
従来の一般的な電子棚札システムにおいては、ESLサーバは表示装置に対して、ジョブ単位で情報を送信する。具体的には、ESLサーバは、表示装置に対してまずウェイクアップの信号を送信し、続いて当該ジョブに係る情報(送信データ)を送信する。表示装置においては、ウェイクアップ信号によりウェイクアップ状態となり、同一ジョブを受信している間はウェイクアップ状態を継続させ続ける。そして、当該ジョブの受信を完了すると一旦ウェイクアップ状態を終了し、次のジョブに係るウェイクアップ信号により再びウェイクアップ状態に遷移する。つまり、ジョブが切り替わる毎に、ウェイクアップ状態に遷移する。この場合、例えば連続して複数のジョブが送信される場合であっても、ジョブが切り替わる毎に表示装置がスリープ状態からウェイクアップ状態への遷移を行うことになるため、表示装置がスリープ状態からウェイクアップ状態に遷移する頻度が高くなる。ウェイクアップ回数が多くなると表示装置の電池消耗が激しくなってしまう。この問題を解消するために、上記の実施の形態に係る電子棚札システムにおいて、次の第1〜第3の態様に係る構成を適用してもよい。
【0213】
<16−4−1.第1の態様>
第1の態様においては、サブセル毎に送信データ(ジョブ)をまとめておき、まとめられた複数のジョブを一括して送信する構成とする。具体的には、まずウェイクアップの信号を送信し、続いて、まとめられた複数のジョブを次々と送信する。この場合、表示装置9においては、ウェイクアップ信号によりウェイクアップ状態となり、続く一連のジョブを受信している間はウェイクアップ状態を継続させ続ける。そして、複数のジョブの受信を完了した後に、ウェイクアップ状態からスリープ状態に遷移する。
【0214】
この態様によると、ジョブが切り替わる毎にウェイクアップ状態に遷移していた従来の構成に比べて、表示装置9のウェイクアップ回数を減らすことができる。これによって表示装置9の電池96の消耗を抑えることができる。
【0215】
<16−4−2.第2の態様>
第2の態様においては、上述した第1の態様において、さらに、ESLサーバ41がサブセルを切り換えるまでのタイムアウト時間を設ける構成とする。すなわち、ここでは、ESLサーバ41は、第1のサブセルから送信されるジョブがなくなっても、タイムアウト時間が経過するまでは、送信対象を第1のサブセルから第2のサブセルへ切り換えずに待機し、タイムアウト時間が経過するまでに、第1のサブセルに新たなジョブが登録された場合は、第2のサブセルへの送信を開始せずに、第1のサブセルへの送信処理を続行する。
【0216】
この態様によると、第1のサブセルから送信されるジョブがなくなると、直ちに別の第2のサブセルに対するジョブの送信が開始される従来の態様と比べて、表示装置9がスリープ状態からウェイクアップ状態に遷移する回数を少なくすることが可能となる。これによって表示装置9の電池96の消耗をさらに抑えることができる。
【0217】
なお、上記の態様においては、タイムアウト時間を店舗スタッフが任意に設定できる構成とすることが好ましい。この構成によると、各店舗の使用態様に応じた最適のタイムアウトを設定することによって、表示装置9の電池96の消耗を抑えつつ、各サブセルに対する情報の配信を適切に行うことができる。
【0218】
<16−4−3.第3の態様>
上記の各態様においては、ESLサーバ41は、第1のサブセルにジョブが存在する限り、当該サブセルに対する送信処理を行い続けることになる。この場合、第2のサブセルに優先度の高いジョブが登録されている場合に、当該優先度が高いジョブの送信が遅れてしまう可能性がある。
【0219】
そこで、上記の各態様において、サブセル毎にスキップカウントを設ける構成としてもよい。つまり、あるサブセルについてジョブが登録された場合、ESLサーバ41は、まず、当該ジョブが、優先度の高いジョブとして分類されるジョブであるか否かを判断する。ここで、優先度の高いジョブでないと判断された場合、当該サブセルのスキップカウントをインクリメントする。そして、スキップカウントが所定の閾値を超えると、当該サブセルに対して登録されたジョブが残っていたとしても、サブセルを切り換える。
【0220】
この態様によると、ジョブをまとめて送信することによって、表示装置9がスリープ状態からウェイクアップ状態に遷移する回数をより少なくすることができる一方で、優先度の低いジョブが溜まってくると、サブセルの切り換えが行われるので、優先度の高いジョブの送信遅れも抑制できる。
【0221】
<16−5.その他の変形(5)>
上記の実施の形態に係る電子棚札システム1においては、情報配信装置40から送信された情報を受信した表示装置9は、情報配信装置40に対してACK信号を返信する。これによって、双方向通信が実現されており、ESLサーバ41において、データの受信状況(表示装置9においてデータが適切に受信されたか否か)を確認することができる。
【0222】
ところが、赤外線ノイズの強い環境では、ACK信号の誤検出が生じる可能性がある。すなわち、表示装置9からのACK信号の送信が実際はない(すなわち、情報配信装置40から送信された送信データが表示装置9において適切に受信されていない)にもかかわらず、ESLサーバ41が、赤外線ノイズ等をACK信号として誤って検出してしまう可能性がある。この場合、表示装置9の表示画面とESLサーバ41のデータとの間に齟齬が生じてしまう。具体的には、ESLサーバ41の側で想定している画面(例えば、更新後の売価)が、表示装置9において表示されていないという状況が生じてしまう。
【0223】
そこで、上記の実施の形態に係る電子棚札システム1において、ACK信号の確認回数を設定可能とし、ESLサーバ41は、設定された回数分のACK信号が得られるまで、同じデータを繰り返し送信する構成としてもよい。例えば、赤外線ノイズが強い環境では、ACK信号の確認回数を2回以上に設定しておく。例えば、確認回数を「3」としておけば、ACK信号が3回受信されるまで同じデータが繰り返し送信され続けるので、ACK信号の誤検出により表示装置9の表示画面とESLサーバ41のデータとの間に齟齬が生じるといった事態の発生を回避できる。
【0224】
<16−6.その他の変形(6)>
従来の一般的な電子棚札システムにおいては、1つのサブセルに対する通信が終了してから次のサブセルへの通信を開始する構成となっており、複数のサブセルに対して同時に通信を行うことは許されていなかった。これは、複数のサブセルに対して同時に通信を行う場合、赤外線干渉が生じるおそれがあるからである。
【0225】
従来のこの構成によると、複数のサブセルに対して同時に通信を行うことができないために、通信効率が悪く、通信速度が遅くなるという問題があった。
【0226】
そこで、上記の実施の形態に係る電子棚札システム1においては、次の構成を適用してもよい。すなわち、店舗内に配置されるベースステーション42に対して所属コードを付与する。ただし、この際に、赤外線が干渉する可能性がある位置関係にあるベースステーション42については、同じ所属コードを付与し、赤外線干渉が生じる可能性がないサブセル同士(例えば、1階のフロア内にあるサブセルと2階のフロア内にあるサブセル)には異なる所属コードを付与する。そして、ESLサーバ41において、違う所属コードにあるベースステーション42については、並行して通信を行うことを許容する。ただし、同じ所属コードにあるベースステーション42については、従来通り、並行して通信を行うことを禁止する。
【0227】
この変形例によると、複数のサブセルに対して並行して通信を行うことができるので、通信効率が向上し、通信速度が速くなる。
【0228】
また、この変形例によると、1台のESLサーバ41で複数の店舗を管理する場合に、各店舗に並行して通信を行うことができるので、ある店舗にばかり通信が行われて他の店舗の通信が待たされる、といった通信効率の偏りを解消することができる。
【0229】
<16−7.その他の変形(7)>
電子棚札システム1においては、各表示装置9の内部情報(例えば、バッテリ消費量、ディスプレイの消耗度、通信エラーレート等)を取得することが、システムの管理上重要である。従来の一般的な電子棚札システムにおいては、表示装置の内部情報を取得する場合、まず、ESLサーバがデバッグ用の赤外コマンドを対象となる表示装置に対して送信し、対象となる表示装置が当該コマンドに応じて自装置の内部情報をディスプレイに表示し、店舗スタッフがこれを目視して内部情報を取得する、という態様であった。このような態様は、非効率的であり、店舗スタッフの手間もかかる。
【0230】
そこで、上記の実施の形態に係る電子棚札システム1においては、各表示装置9が、ACK信号を発信する際に、当該ACK信号に自装置の内部情報(具体的には、表示装置9の装置コード、内部エラー状態、バッテリ消費量、ディスプレイ91の消耗度、通信エラーレート等を示す情報)を含める構成としてもよい。この構成によると、ESLサーバ41は、ACK信号を受信することによって、当該ACK信号を発信した表示装置9の内部情報を取得することができる。
【0231】
この変形例によると、各表示装置9の内部情報をESLサーバ41にて管理することができる。また、定期的に各表示装置9から内部情報を取得することも容易である。各表示装置9の最新の内部情報をESLサーバ41にて管理しておくことによって、電子棚札システム1のシステム品質、メンテナンス性を向上させることができる。
【0232】
なお、上記の構成において、さらに、表示装置9が同じデータを連続して複数回送信する構成とし、ESLサーバ41が、受信したデータの内容が一致するか否かを判断して、一致する場合にのみ当該データを信頼できるデータとみなす構成としてもよい。このような構成を設けておけば、ESLサーバ41において管理される各表示装置9の内部情報の信頼性を高めることができる。特に、ここでは、チェックサム等を用いる場合に比べて、容易かつ短時間でエラーチェックをすることができる。
【符号の説明】
【0233】
1,1a,1b,1c 電子棚札システム
8 ヒンジ部
9 表示装置
9(1),9a(1),9b(1),9c(1) 電子棚札
9(2),9a(2),9b(2),9c(2) 電子広告札
41,41a,41b ESLサーバ
401,401a 商品ファイル
403 商品情報
404 販売促進情報
405 装置コード
4051 電子棚札用装置コード
4052 電子広告札用装置コード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売エリアに配置された複数の商品について、各商品の商品情報と当該商品の販売促進情報とを管理するサーバと、
前記複数の商品のいずれかと対応付けて配置され、それぞれが可搬性を備える複数の表示装置と、
を備え、
前記複数の表示装置が、
対応付けられた商品の前記商品情報を表示する第1表示装置と、
前記第1表示装置に着脱可能に設けられ、前記商品の前記販売促進情報を表示する第2表示装置と、
を含む電子棚札システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電子棚札システムであって、
前記第2表示装置が、前記第1表示装置に対して起倒可能に連結される電子棚札システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電子棚札システムであって、
前記第1表示装置に対する、前記第2表示装置の着設位置が変更可能である電子棚札システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の電子棚札システムであって、
前記第1表示装置および前記第2表示装置のうちの少なくとも1の表示装置が、他の表示装置に対する自装置の着設位置を店舗スタッフに知得させるための着設位置サインを表示する電子棚札システム。
【請求項5】
請求項4に記載の電子棚札システムであって、
前記複数の表示装置が、前記第2表示装置を複数含み、
複数の前記第2表示装置のそれぞれが、前記第1表示装置に対する自装置の着設位置を店舗スタッフに知得させるための前記着設位置サインを表示する電子棚札システム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の電子棚札システムであって、
前記第1表示装置および前記第2表示装置のそれぞれが、
自装置に表示すべき情報を前記サーバから受信して、当該受信した情報を表示する電子棚札システム。
【請求項7】
請求項1から5のいずれかに記載の電子棚札システムであって、
前記第1表示装置が、
自装置と対応付けられた商品の前記販売促進情報を前記サーバから受信して、当該受信した前記販売促進情報を前記第2表示装置に送信し、
前記第2表示装置が、
前記第1表示装置から前記販売促進情報を受信して、当該受信した前記販売促進情報を表示する電子棚札システム。
【請求項8】
請求項1から5のいずれかに記載の電子棚札システムであって、
前記第1表示装置が、
自装置と対応付けられた商品の前記販売促進情報の種類を店舗スタッフに知得させるためのサインを表示し、
前記第2表示装置が、
複数種類の前記販売促進情報のそれぞれに対応する画面データを記憶しており、
店舗スタッフから入力された指示に基づいて複数の前記画面データのうちから1の画面データを選択して、当該選択した画面データを表示する電子棚札システム。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の電子棚札システムであって、
前記第1表示装置が、モノクロ表示ディスプレイを備え、
前記第2表示装置が、カラー表示ディスプレイを備える電子棚札システム。
【請求項10】
販売エリアに配置された複数の商品について、各商品の商品情報と当該商品の販売促進情報とを管理するサーバと、
前記複数の商品のいずれかと対応付けて配置され、それぞれが可搬性を備える複数の表示装置と、
を備え、
前記複数の表示装置が、
対応付けられた商品の前記商品情報を表示する表示装置と、
前記商品情報を表示する表示装置に着脱可能に設けられ、前記商品の前記販売促進情報を表示する表示装置と、
を含み、
前記商品情報を表示している表示装置が、前記商品情報に換えて前記販売促進情報を表示開始する場合に、当該表示装置に着設される表示装置が前記商品情報を表示する電子棚札システム。
【請求項1】
販売エリアに配置された複数の商品について、各商品の商品情報と当該商品の販売促進情報とを管理するサーバと、
前記複数の商品のいずれかと対応付けて配置され、それぞれが可搬性を備える複数の表示装置と、
を備え、
前記複数の表示装置が、
対応付けられた商品の前記商品情報を表示する第1表示装置と、
前記第1表示装置に着脱可能に設けられ、前記商品の前記販売促進情報を表示する第2表示装置と、
を含む電子棚札システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電子棚札システムであって、
前記第2表示装置が、前記第1表示装置に対して起倒可能に連結される電子棚札システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電子棚札システムであって、
前記第1表示装置に対する、前記第2表示装置の着設位置が変更可能である電子棚札システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の電子棚札システムであって、
前記第1表示装置および前記第2表示装置のうちの少なくとも1の表示装置が、他の表示装置に対する自装置の着設位置を店舗スタッフに知得させるための着設位置サインを表示する電子棚札システム。
【請求項5】
請求項4に記載の電子棚札システムであって、
前記複数の表示装置が、前記第2表示装置を複数含み、
複数の前記第2表示装置のそれぞれが、前記第1表示装置に対する自装置の着設位置を店舗スタッフに知得させるための前記着設位置サインを表示する電子棚札システム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の電子棚札システムであって、
前記第1表示装置および前記第2表示装置のそれぞれが、
自装置に表示すべき情報を前記サーバから受信して、当該受信した情報を表示する電子棚札システム。
【請求項7】
請求項1から5のいずれかに記載の電子棚札システムであって、
前記第1表示装置が、
自装置と対応付けられた商品の前記販売促進情報を前記サーバから受信して、当該受信した前記販売促進情報を前記第2表示装置に送信し、
前記第2表示装置が、
前記第1表示装置から前記販売促進情報を受信して、当該受信した前記販売促進情報を表示する電子棚札システム。
【請求項8】
請求項1から5のいずれかに記載の電子棚札システムであって、
前記第1表示装置が、
自装置と対応付けられた商品の前記販売促進情報の種類を店舗スタッフに知得させるためのサインを表示し、
前記第2表示装置が、
複数種類の前記販売促進情報のそれぞれに対応する画面データを記憶しており、
店舗スタッフから入力された指示に基づいて複数の前記画面データのうちから1の画面データを選択して、当該選択した画面データを表示する電子棚札システム。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の電子棚札システムであって、
前記第1表示装置が、モノクロ表示ディスプレイを備え、
前記第2表示装置が、カラー表示ディスプレイを備える電子棚札システム。
【請求項10】
販売エリアに配置された複数の商品について、各商品の商品情報と当該商品の販売促進情報とを管理するサーバと、
前記複数の商品のいずれかと対応付けて配置され、それぞれが可搬性を備える複数の表示装置と、
を備え、
前記複数の表示装置が、
対応付けられた商品の前記商品情報を表示する表示装置と、
前記商品情報を表示する表示装置に着脱可能に設けられ、前記商品の前記販売促進情報を表示する表示装置と、
を含み、
前記商品情報を表示している表示装置が、前記商品情報に換えて前記販売促進情報を表示開始する場合に、当該表示装置に着設される表示装置が前記商品情報を表示する電子棚札システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2012−43332(P2012−43332A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−185987(P2010−185987)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
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