電子棚札管理装置、電子棚札管理方法及びコンピュータプログラム
【課題】広い表示画面を有した電子棚札を用意することなく、より広い表示画面を実現すること。
【解決手段】複数の電子棚札を管理する電子棚札管理装置であって、拡大表示に用いられる複数の電子棚札の指定を受け付ける指定受付部と、本来は1台の電子棚札で表示する表示データを複数台の電子棚札で分担して拡大して表示するように、各電子棚札に表示される表示データを生成する拡大処理部と、前記拡大処理部によって生成された表示データを、前記指定受付部によって受け付けられた各電子棚札に対して送信する送信部と、を備える。
【解決手段】複数の電子棚札を管理する電子棚札管理装置であって、拡大表示に用いられる複数の電子棚札の指定を受け付ける指定受付部と、本来は1台の電子棚札で表示する表示データを複数台の電子棚札で分担して拡大して表示するように、各電子棚札に表示される表示データを生成する拡大処理部と、前記拡大処理部によって生成された表示データを、前記指定受付部によって受け付けられた各電子棚札に対して送信する送信部と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子棚札の表示を制御するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電子棚札は、小売店舗などの様々な場所で活用されている。その表示内容は、値札の対象となる物品又はサービスや、店舗における商品の陳列状況などに応じて大きく異なる。たとえば、状況に応じて横長の表示(横配置)や縦長の表示(縦配置)に自在に切り替え可能な電子棚札が提案されている(特許文献1参照)。この電子棚札では、電子棚札の配置方向が縦配置となった場合、売価を示す文字列を縦方向に配列させ、その文字は横配置のときよりも拡大して表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−230566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば遠くからも見えるようにする場合や多くの情報を表示しようとする場合には、電子棚札の表示画面をより広くする必要がある。このような場合、これまではより広い表示画面を有した電子棚札を購入することによって対処しており、コストが増大してしまうという問題があった。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、広い表示画面を有した電子棚札を用意することなく、より広い表示画面を実現する技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、複数の電子棚札を管理する電子棚札管理装置であって、拡大表示に用いられる複数の電子棚札の指定を受け付ける指定受付部と、本来は1台の電子棚札で表示する表示データを複数台の電子棚札で分担して拡大して表示するように、各電子棚札に表示される表示データを生成する拡大処理部と、前記拡大処理部によって生成された表示データを、前記指定受付部によって受け付けられた各電子棚札に対して送信する送信部と、を備える。
【0007】
本発明の一態様は、上記の電子棚札管理装置であって、前記指定受付部は、前記複数の電子棚札がそれぞれ配置される位置についての指定を受け付け、前記拡大処理部は、前記指定受付部によって受け付けられた位置に応じて、前記分割後表示データの宛先を決定する。
【0008】
本発明の一態様は、上記の電子棚札管理装置であって、前記拡大処理部は、本来は1台の電子棚札で表示する表示データを、前記指定受付部によって受け付けられた電子棚札の配列に応じて拡大し、拡大後の表示データを1台の電子棚札に表示されるサイズに分割して、各電子棚札に表示される表示データを生成する。
【0009】
本発明の一態様は、複数の電子棚札を管理する電子棚札管理装置が行う電子棚札管理方法であって、前記電子棚札管理装置が、拡大表示に用いられる複数の電子棚札の指定を受け付ける指定受付ステップと、前記電子棚札管理装置が、本来は1台の電子棚札で表示する表示データを複数台の電子棚札で分担して拡大して表示するように、各電子棚札に表示される表示データを生成する拡大処理ステップと、前記電子棚札管理装置が、前記拡大処理ステップによって生成された表示データを、前記指定受付ステップによって受け付けられた各電子棚札に対して送信する送信ステップと、を有する。
【0010】
本発明の一態様は、コンピュータを、複数の電子棚札を管理する電子棚札管理装置として動作させるためのコンピュータプログラムであって、拡大表示に用いられる複数の電子棚札の指定を受け付ける指定受付ステップと、本来は1台の電子棚札で表示する表示データを複数台の電子棚札で分担して拡大して表示するように、各電子棚札に表示される表示データを生成する拡大処理ステップと、前記拡大処理ステップによって生成された表示データを、前記指定受付ステップによって受け付けられた各電子棚札に対して送信する送信ステップと、をコンピュータに対して実行させるためのコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、広い表示画面を有した電子棚札を用意することなく、より広い表示画面を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】電子棚札システムのシステム構成を表すシステム構成図である。
【図2】電子棚札の外観を表す図である。
【図3】電子棚札による表示の概略を表す図である。
【図4】拡大表示情報記憶部に記憶される情報の概略を表す図である。
【図5】表示サイズ拡大画面の具体例を表す図である。
【図6】表示サイズ拡大画面への入力の概略を表す図である。
【図7】拡大表示を設定する際の処理の流れを表すフローチャートである。
【図8】電子棚札による表示の具体例を表す図である。
【図9】既存の表示拡大グループにおいてテンプレートを変更する際の処理の流れを表すフローチャートである。
【図10】拡大取消画面の具体例を表す図である。
【図11】拡大取消の処理の流れを表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、電子棚札システム1のシステム構成を表すシステム構成図である。まず、電子棚札システム1のシステム構成の概略について説明する。電子棚札システム1は、電子棚札管理装置10、複数台の中継機20、複数台の電子棚札30、端末装置40、アクセスポイント50を備える。電子棚札管理装置10と各中継機20とアクセスポイント50とは、LAN(Local Area Network)等の有線ネットワークで接続されている。電子棚札管理装置10と中継機20とは、アクセスポイント50等を介して無線で接続しても良い。各中継機20の通信範囲には1台以上の電子棚札30が設置され、各中継機20は電子棚札30と無線で通信する。端末装置40は、アクセスポイント50を介して電子棚札管理装置10と通信する。
【0014】
電子棚札管理装置10は、中継機20を介して電子棚札30と通信を行い、各電子棚札30の表示内容を制御する。中継機20は、電子棚札管理装置10と電子棚札30との通信を中継する。電子棚札30は、商品などが陳列された棚に設置され、陳列されている商品などの名称や価格などを表示する。端末装置40は、電子棚札30の管理者など(以下、単に「管理者」という。)によって操作され、操作内容に基づいてデータを電子棚札管理装置10へ送信する。また、端末装置40は、電子棚札管理装置10からデータを受信し、受信したデータに基づいて表示を行う。
【0015】
図2は、電子棚札30の外観を表す図である。次に、電子棚札30について詳細に説明する。電子棚札30は、その表面に表示部31及びバーコード表示部32を備える。表示部31には、電子棚札管理装置10から送信される表示データが表示される。表示データには、商品の名称、価格、商品の重さ等の情報が含まれる。バーコード表示部32には、電子棚札30に重複せずに割り振られた識別情報(電子棚札ID)を表すバーコードが表示される。管理者は、端末装置40に備えられたバーコードリーダーを使用してバーコード表示部32に表示されたバーコードを読み込むことによって、端末装置40に電子棚札30の電子棚札IDを入力することができる。
【0016】
図3は、電子棚札30による表示の概略を表す図である。図3Aは、1台の電子棚札30を用いた通常表示の概略を表す図である。図3Bは、4台の電子棚札30を用いた拡大表示の概略を表す図である。通常表示では、一つの表示データが1台の電子棚札30に表示される。一方、拡大表示では、通常表示において1台の電子棚札30に表示される表示データが拡大され、複数台(図3Bの場合は4台)の電子棚札30で表示される。図3Bの場合は、図3Aで1台の電子棚札30に表示されている表示データが、縦及び横にそれぞれ2倍に拡大され、2列2行の計4台の電子棚札30によって表示される。一つの拡大表示を行う複数台の電子棚札30のグループを、「表示拡大グループ」と呼ぶ。例えば、図3Bに示される4台の電子棚札30が一つの表示拡大グループを形成している。
一つの表示拡大グループの中には、1台の基準棚札と、その他の電子棚札30(以下、「追加棚札」という。)が含まれる。本実施形態では、最も左上に位置する棚札が基準棚札となる。拡大表示が行われる際には、基準棚札に対して設定された表示データが拡大されて表示される。
【0017】
次に、図1を用いて電子棚札管理装置10について詳細に説明する。電子棚札管理装置10は、メインフレームやワークステーションやパーソナルコンピュータなどの情報処理装置を用いて構成される。電子棚札管理装置10は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、電子棚札管理プログラムを実行する。電子棚札管理装置10は、通信部101、指定受付部102、拡大処理部103、拡大表示情報記憶部104を備える装置として機能する。なお、電子棚札管理装置10の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。電子棚札管理プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。
【0018】
通信部101は、中継機20を介して電子棚札30と通信を行い、アクセスポイント50を介して端末装置40と通信を行う。また、通信部101は、アクセスポイント50を介さずに端末装置40と通信を行っても良い。以下、通信部101による通信の具体例について説明する。通信部101は、LANポートを有し、LANポートに接続されたケーブルによってLANネットワークに接続される。各中継機20やアクセスポイント50もLANポートを有し、LANポートに接続されたケーブルによってLANネットワークに接続される。通信部101は、LANネットワークを介して、各中継機20やアクセスポイント50と通信する。
【0019】
指定受付部102は、管理者による指示を受け付ける。例えば、指定受付部102は、拡大表示に用いられる複数の電子棚札の指定を受け付ける。また、指定受付部102は、拡大表示の縮小に関する指示を受け付ける。指定受付部102は、電子棚札管理装置10に設けられた入力装置を管理者が操作して入力した上記指定や指示を受け付けても良いし、端末装置40を管理者が操作して入力した上記指定や指示を受け付けても良い。以下、管理者が端末装置40を操作するものとして説明を行う。
【0020】
拡大処理部103は、複数の電子棚札30を用いた拡大表示が行われる際に、各電子棚札30に表示される表示データ(分割後表示データ)を生成する。具体的には、拡大処理部103は、拡大表示が行われる電子棚札30の配列(以下、「拡大時配列」という。)に応じて、拡大表示情報記憶部104に記憶されているテンプレートと商品コードとを基に生成される表示データを拡大して拡大後表示データを生成する。拡大処理部103は、拡大後表示データを、拡大時配列に応じて、1台の電子棚札に表示されるサイズに分割する。この分割によって、拡大表示に用いられる電子棚札30の台数分の分割後表示データが生成される。拡大処理部103は、拡大時配列における各電子棚札30の位置に応じて、各分割後表示データの宛先を決定する。
【0021】
拡大表示情報記憶部104は、半導体記憶装置や磁気ハードディスク装置などの記憶装置を用いて構成される。拡大表示情報記憶部104は、拡大表示情報テーブルを記憶する。
【0022】
図4は、拡大表示情報記憶部104に記憶される情報の概略を表す図である。図4Aは、拡大表示情報テーブルの概略を表す図である。拡大表示情報テーブルは、電子棚札ID毎に一つのレコード114を有する。レコード114は、電子棚札ID、表示拡大グループ情報、商品コード、商品名、テンプレートなどの情報を対応付けて有する。電子棚札IDは、各電子棚札30に重複せずに割り当てられた識別情報である。表示拡大グループ情報は、拡大表示に用いられている電子棚札30に割り振られる情報であり、拡大表示に関する情報である。以下、レコード114を、符号を除いて単に「レコード」と表記する。通常表示に用いられている電子棚札30のレコードには、表示拡大グループ情報は付与されない。図4Aの場合、例えば電子棚札IDが“C2125571”の電子棚札30は通常表示を行っているため、表示拡大グループ情報が記録されていない。商品コード及び商品名については上述した通りである。テンプレートとは、電子棚札30に表示する商品などの名称や価格などのレイアウト(表示位置)を規定したものである。
【0023】
図4Bは、表示拡大グループ情報の概略を表す図である。表示拡大グループ情報は、グループID、列番号、行番号を含む。表示拡大グループ情報は、例えば9桁の数字で表される。左の3桁分はグループIDを表す。グループIDは、表示拡大グループに対して重複せずに割り当てられる識別情報である。同一の表示拡大グループに属する電子棚札30には、共通のグループIDが割り当てられる。グループIDの右に続く3桁分は列番号を表す。列番号は、拡大時配列における電子棚札30の位置のうち左から数えた列の番号を表す。列番号の右に続く3桁分は行番号を表す。行番号は、拡大時配列における電子棚札30の位置のうち上から数えた行の番号を表す。
【0024】
図4C及び図4Dは、列番号及び行番号の概略を表す図である。図4Cは、2列2行の計4台の電子棚札30を用いた拡大表示が行われる際の表示拡大グループ情報の具体例を表す。左上の電子棚札30は、一番左の列に位置するため列番号は“000”となり、一番上の行に位置するため行番号は“000”となる。右上の電子棚札30は、左から二番目の列に位置するため列番号は“001”となり、一番上の行に位置するため行番号は“000”となる。左下の電子棚札30は、一番左の列に位置するため列番号は“000”となり、上から二番目の行に位置するため行番号は“001”となる。右下の電子棚札30は、左から二番目の列に位置するため列番号は“001”となり、上から二番目の行に位置するため行番号は“001”となる。
【0025】
図4Dは、3列3行の計9台の電子棚札30を用いた拡大表示が行われる際の表示拡大グループ情報の具体例を表す。例えば、一番右下の電子棚札30は、左から三番目の列に位置するため列番号は“002”となり、上から三番目の行に位置するため行番号は“002”となる。図4Dについては、1台毎に表示拡大グループ情報を説明することは省略する。
【0026】
図5は、表示サイズ拡大画面の具体例を表す図である。表示サイズ拡大画面は、管理者が拡大表示の設定を行う際に操作する画面であり、端末装置40のディスプレイに表示される画面である。表示サイズ拡大画面には、基準棚札入力枠401、横拡大棚札入力枠402、縦拡大棚札入力枠403、追加棚札入力枠404、実行ボタン405が表示される。また、表示サイズ拡大画面は、メッセージ表示領域406を有しており、所定の状況でメッセージ表示領域406にメッセージが表示される。
【0027】
基準棚札入力枠401は、基準棚札の電子棚札IDを入力するための枠であり、一つの電子棚札IDのみの入力を受け付ける。横拡大棚札入力枠402は、一番上の行に並ぶ2列目以降の各電子棚札の電子棚札IDを入力するための枠であり、複数の電子棚札IDの入力を受け付ける。横拡大棚札入力枠402に入力された順に、2列目、3列目、・・・、n列目(n=整数)の位置に設定される。縦拡大棚札入力枠403は、一番左の列に並ぶ2行目以降の各電子棚札の電子棚札IDを入力するための枠であり、複数の電子棚札IDの入力を受け付ける。縦拡大棚札入力枠403に入力された順に、2行目、3行目、・・・、n行目(n=整数)の位置に設定される。追加棚札入力枠404は、拡大表示に用いられる電子棚札30のうち、基準棚札入力枠401、横拡大棚札入力枠402、縦拡大棚札入力枠403のいずれにも入力されない電子棚札30の電子棚札IDを入力するための枠である。
【0028】
図6は、表示サイズ拡大画面への入力の概略を表す図である。図6Aは、拡大表示の最初の設定時の表示サイズ拡大画面への入力の概略を表す図である。図6Aにおいて、九つの矩形一つ一つが、1台の電子棚札30を表す。即ち、図6Aは、3列3行の拡大表示を行う際の具体例を表す。「基準」と記載された矩形は、基準棚札入力枠401に入力される電子棚札30、すなわち基準棚札を表す。「横1」及び「横2」と記載された矩形は、横拡大棚札入力枠402に入力される電子棚札30を表す。「横1」の電子棚札30の電子棚札IDは、「横2」の電子棚札30の電子棚札IDよりも先に、横拡大棚札入力枠402に入力される。「縦1」及び「縦2」と記載された矩形は、縦拡大棚札入力枠403に入力される電子棚札30を表す。「縦1」の電子棚札30の電子棚札IDは、「縦2」の電子棚札30の電子棚札IDよりも先に、縦拡大棚札入力枠403に入力される。
【0029】
「1」、「2」、「3」、「4」と記載された各矩形は、追加棚札入力枠404に入力される電子棚札30を表す。矩形内に記載された各数字は、追加棚札入力枠404に入力される順番を表す。すなわち、最初に電子棚札IDが追加棚札入力枠404に入力された電子棚札30は、「1」の矩形の位置の電子棚札30として設定され、列番号“001”、行番号“001”が付与される。2番目に電子棚札IDが追加棚札入力枠404に入力された電子棚札30は、「2」の矩形の位置の電子棚札30として設定され、列番号“002”、行番号“001”が付与される。3番目に電子棚札IDが追加棚札入力枠404に入力された電子棚札30は、「3」の矩形の位置の電子棚札30として設定され、列番号“001”、行番号“002”が付与される。4番目に電子棚札IDが追加棚札入力枠404に入力された電子棚札30は、「4」の矩形の位置の電子棚札30として設定され、列番号“002”、行番号“002”が付与される。このように、追加棚札入力枠404に電子棚札IDが入力された各追加棚札の位置は、電子棚札IDが入力された順序に応じて決定される。
【0030】
図6Bは、既存の表示拡大グループに対して電子棚札30を追加する際の表示サイズ拡大画面への入力の概略を表す図である。この場合、まず表示サイズ拡大画面において、基準棚札入力枠401に、既に拡大表示が行われている表示拡大グループの基準棚札の電子棚札IDが入力される。図6Bの場合は、図6Aにおいて基準棚札として設定された電子棚札30の電子棚札IDが入力される。この入力によって、電子棚札管理装置10は、図6Aに示される表示拡大グループに対する処理であると認識する。次に、横拡大棚札入力枠402に対し、増加させる列の数分の電子棚札IDが入力される。図6Bの場合は、一つ分の列を横に広げるため、横拡大棚札入力枠402に対して電子棚札IDが一つ入力される。電子棚札管理装置10は、入力された電子棚札IDの電子棚札30を、「横3」と記載された矩形に位置する電子棚札30であると認識する。また、縦拡大棚札入力枠403に対し、増加させる行の数分の電子棚札IDが入力される。図6Bの場合は、二つ分の行を縦に広げるため、縦拡大棚札入力枠403に対して電子棚札IDが二つ入力される。電子棚札管理装置10は、入力された二つの電子棚札IDの電子棚札30を、順に「縦3」及び「縦4」と記載された矩形に位置する電子棚札30であると認識する。
【0031】
「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」、「8」と記載された各矩形は、追加棚札入力枠404に入力される電子棚札30を表す。矩形内に記載された各数字は、追加棚札入力枠404に入力される順番を表す。すなわち、最初に電子棚札IDが追加棚札入力枠404に入力された電子棚札30は、「1」の矩形の位置の電子棚札30として設定され、列番号“003”、行番号“001”が付与される。2番目に電子棚札IDが追加棚札入力枠404に入力された電子棚札30は、「2」の矩形の位置の電子棚札30として設定され、列番号“003”、行番号“002”が付与される。3番目に電子棚札IDが追加棚札入力枠404に入力された電子棚札30は、「3」の矩形の位置の電子棚札30として設定され、列番号“001”、行番号“003”が付与される。以降、図6Bに示されるように、追加棚札入力枠404に入力された順に応じて各位置に電子棚札30が設定され、列番号及び行番号が付与される。
【0032】
図7は、拡大表示を設定する際の処理の流れを表すフローチャートである。図7において、左側のフローチャート(S101〜S105)は、管理者が行う処理の流れを表すフローチャートである。右側のフローチャート(S201〜S209)は、電子棚札管理装置10が行う処理の流れを表すフローチャートである。まず、管理者が端末装置40を操作して表示サイズ拡大画面の表示を指示する(ステップS101)。端末装置40は、この指示を電子棚札管理装置10へ送信する。電子棚札管理装置10の指定受付部102は、表示サイズ拡大画面を端末装置40に表示させる(ステップS201)。
【0033】
管理者は、基準棚札とする電子棚札30を選択する。そして、管理者は、端末装置40を操作して、基準棚札入力枠401に対して基準棚札の電子棚札IDを入力する(ステップS102)。電子棚札管理装置10の指定受付部102は、基準棚札入力枠401に入力された電子棚札IDを、基準棚札の電子棚札IDとして受け付ける(ステップS202)。次に、管理者は、拡大表示における列数と行数とを決定し、(列数−1)に相当する数の電子棚札IDを横拡大棚札入力枠402に入力し、(行数−1)に相当する数の電子棚札IDを縦拡大棚札入力枠403に入力する(ステップS103)。電子棚札管理装置10の指定受付部102は、横拡大棚札入力枠402に入力された電子棚札IDと縦拡大棚札入力枠403に入力された電子棚札IDとを受け付ける(ステップS203)。なお、3以上の列又は3以上の行がある場合、各入力枠に対して一度に全ての電子棚札IDが入力されても良いし、複数回に分けて入力されても良い。
【0034】
次に、指定受付部102は、必要台数分の電子棚札IDが追加棚札入力枠404に入力されたか否か判定する(ステップS204)。必要台数とは、横拡大棚札入力枠402に入力された電子棚札IDの数と、縦拡大棚札入力枠403に入力された電子棚札IDの数とを乗じた値である。必要台数分の電子棚札IDが追加棚札入力枠404に入力されていない場合(ステップS204−NO)、指定受付部102は、必要台数分の電子棚札IDが追加棚札入力枠404に入力されていないことをメッセージ表示領域406に表示する(ステップS205)。このとき、指定受付部102は、追加棚札入力枠404に入力される必要がある電子棚札IDの数を表示しても良い。ステップS203の処理の後、指定受付部102は、追加棚札入力枠404に対する電子棚札IDの入力を受け付ける。この間に、管理者は、追加棚札入力枠404に必要台数分に相当する電子棚札IDを入力する(ステップS104)。
【0035】
必要台数分の電子棚札IDが追加棚札入力枠404に入力された場合(ステップS204−YES)、指定受付部102は、必要台数分の電子棚札IDが追加棚札入力枠404に入力され、拡大表示が可能になったことをメッセージ表示領域406に表示する(ステップS206)。そして、指定受付部102は、実行ボタン405が押下されるまで待機する(ステップS207−NO)。管理者が実行ボタン405を押下すると(ステップS105)、指定受付部102はグループIDを生成する。また、指定受付部102は、これまでの入力に応じて、各電子棚札30に対する列番号及び行番号を生成する。指定受付部102は、グループIDと、列番号及び行番号とを用いて、各電子棚札30に対する表示拡大グループ情報を生成する。そして、指定受付部102は、各電子棚札30に対するレコードを生成し、拡大表示情報記憶部104に書き込む。このとき、指定受付部102は、基準棚札に割り当てられている情報(例えば商品コード、商品名及びテンプレート)を、同じ表示拡大グループに属している全ての電子棚札30に対して設定する。
【0036】
次に、指定受付部102は、新たに生成したレコードに共通するグループIDを拡大処理部103に通知する。拡大処理部103は、通知されたグループIDに対応するレコードを拡大表示情報テーブルから検索する。拡大処理部103は、検索結果の各レコードの列番号及び行番号に基づいて、拡大表示における列数と行数とを判定する。また、拡大処理部103は、検索結果のレコードの商品コードとテンプレートを、拡大表示情報記憶部104から読み出す。拡大処理部103は、テンプレートと商品コードを基に表示データを生成し、判定された列数及び行数にしたがって表示データを拡大する。例えば、判定された列数がm列で行数がn行である場合、拡大処理部103は、表示データの横幅をm倍に拡大し、縦幅をn倍に拡大する。次に、拡大処理部103は、拡大した表示データの横幅をm個に分割し、縦幅をn個に分割することによって、表示拡大グループに含まれる電子棚札30の台数分だけ表示データを生成する(ステップS208)。分割後の1台分の表示データを、以下の説明では「拡大用表示データ」と呼ぶ。拡大処理部103は、各拡大用表示データに対し、その位置に応じた電子棚札30の電子棚札IDを宛先として付加する。このとき、拡大処理部103は、各電子棚札30の位置を、各レコードの表示拡大グループ情報の列番号及び行番号に従って判定する。
【0037】
通信部101は、宛先が付加された各拡大用表示データを送信する(ステップS209)。送信処理の具体例を説明する。通信部101は各拡大用表示データを、全ての電子棚札30に対して送信する。電子棚札30は、拡大用表示データを受信する度に、付加されている電子棚札IDが自装置の電子棚札IDに一致するか否か判定する。一致した場合、電子棚札30は、受信した拡大用表示データを表示部31に表示する。通信部101によって全ての拡大用表示データが送信され、拡大表示を行う全ての電子棚札30によって表示が行われると、図3Bのような拡大表示が行われる。なお、各電子棚札30が、列番号及び行番号に応じた位置に設置されている必要がある。
【0038】
図8は、電子棚札30による表示の具体例を表す図である。図3では概略についての図示であったため、図8ではより実情に近い表示の例を表す。図8Aは、1台の電子棚札30による通常表示の具体例を表す図である。図8Bは、図8Aにおいて表示されている表示データを、2行2列で拡大表示した場合の表示例を表す図である。図8Aでは1台の電子棚札30に表示されていた「イタリアスパゲッティ」、「500g」、「6」、「48」、「104」、「2250」、「560」、「80」、「286」、「円」の各文字列が、図8Bでは4台の電子棚札30に分けて表示されている。また、「286」の3文字は、上半分と下半分が2台の電子棚札30に分けて表示されている。
【0039】
図9は、既存の表示拡大グループにおいてテンプレートを変更する際の処理の流れを表すフローチャートである。図9において、左側のフローチャート(S301〜S302)は、管理者が行う処理の流れを表すフローチャートである。右側のフローチャート(S401〜S406)は、電子棚札管理装置10が行う処理の流れを表すフローチャートである。まず、管理者が端末装置40を操作して、拡大表示に用いられている複数の電子棚札30の中から一つの電子棚札30を選択し、その電子棚札IDを読み込む(ステップS301)。端末装置40は、この電子棚札IDを電子棚札管理装置10へ送信する。
【0040】
電子棚札管理装置10の指定受付部102は、選択された電子棚札30の電子棚札IDを受け付ける(ステップS401)。次に、指定受付部102は、この電子棚札IDに対応するレコードを拡大表示情報記憶部104から検索する。指定受付部102は、検索結果のレコードのグループIDに基づいて、同一のグループに属する基準棚札の電子棚札IDを検索する(ステップS402)。基準棚札が検索された場合、指定受付部102は端末装置40に、テンプレートを選択するための画面を表示させる。管理者は、端末装置40を操作して、拡大表示を行っている電子棚札30に表示させたいテンプレートを選択する(ステップS302)。端末装置40は、選択されたテンプレートを電子棚札管理装置10へ送信する。
【0041】
電子棚札管理装置10の指定受付部102は、テンプレートの選択結果(テンプレート)を受け付ける(ステップS403)。指定受付部102は、ステップS402の処理で検索した基準棚札に対して、ステップS403の処理で受け付けたテンプレートを適用する(ステップS404)。具体的には、指定受付部102は、基準棚札のレコードのテンプレートを、ステップS403の処理で受け付けたテンプレートに書き換える。そして、指定受付部102は、レコードを更新した基準棚札と同じ表示拡大グループに属する全ての追加棚札に関するレコードを同様に更新する。
【0042】
次に、指定受付部102は、更新したレコードに共通するグループIDを拡大処理部103に通知する。拡大処理部103は、通知されたグループIDに対応するレコードを拡大表示情報テーブルから検索する。拡大処理部103は、検索結果の各レコードの列番号及び行番号に基づいて、拡大表示における列数と行数とを判定する。また、拡大処理部103は、検索結果のレコードの商品コードとテンプレートを、拡大表示情報記憶部104から読み出す。拡大処理部103は、テンプレートと商品コードとを基に表示データを生成し、判定された列数及び行数にしたがって表示データを拡大する。例えば、判定された列数がm列で行数がn行である場合、拡大処理部103は、表示データの横幅をm倍に拡大し、縦幅をn倍に拡大する。次に、拡大処理部103は、拡大した表示データの横幅をm個に分割し、縦幅をn個に分割することによって、表示拡大グループに含まれる電子棚札30の台数分だけ表示データを生成する(ステップS405)。拡大処理部103は、各拡大用表示データに対し、その位置に応じた電子棚札30の電子棚札IDを宛先として付加する。このとき、拡大処理部103は、各電子棚札30の位置を、各レコードの表示拡大グループ情報の列番号及び行番号に従って判定する。通信部101は、宛先が付加された各拡大用表示データを送信する(ステップS406)。図9において、テンプレートの代わりに商品コードを選択し処理することによって、電子棚札30に表示する商品を変更しても良い。
【0043】
図10は、拡大取消画面の具体例を表す図である。拡大取消画面は、管理者が拡大取消の設定を行う際に操作する画面であり、端末装置40のディスプレイに表示される画面である。拡大取消とは、拡大表示を行っている表示拡大グループにおいて、その表示拡大グループに属する電子棚札30の台数を減らすことである。すなわち、拡大取消の設定が行われることによって、表示データの拡大率が小さくなり、表示サイズが小さくなる。拡大取消画面には、処理対象棚札入力枠411、横縮小棚札入力枠412、縦縮小棚札入力枠413、拡大全取消ボタン414、実行ボタン415が表示される。また、拡大取消画面は、メッセージ表示領域416を有しており、所定の状況でメッセージ表示領域416にメッセージを表示する。
【0044】
処理対象棚札入力枠411は、拡大取消の対象となる表示拡大グループに属する電子棚札30の電子棚札IDを入力するための枠であり、一つの電子棚札IDの入力を受け付ける。横縮小棚札入力枠412は、縮小後に拡大表示を行わない列数を入力するための枠である。縦縮小棚札入力枠413は、縮小後に拡大表示を行わない行数を入力するための枠である。拡大全取消ボタン414は、拡大全取消処理の実行を指示するためのボタンである。拡大全取消処理とは、拡大表示をやめ、基準棚札において通常表示を開始する処理である。実行ボタン415は、拡大取消の実行を指示するためのボタンである。
【0045】
図11は、拡大取消の処理の流れを表すフローチャートである。図11において、左側のフローチャート(S501〜S506)は、管理者が行う処理の流れを表すフローチャートである。右側のフローチャート(S601〜S610)は、電子棚札管理装置10が行う処理の流れを表すフローチャートである。まず、管理者が端末装置40を操作して拡大取消画面の表示を指示する(ステップS501)。端末装置40は、この指示を電子棚札管理装置10へ送信する。電子棚札管理装置10の指定受付部102は、拡大取消画面を端末装置40に表示させる(ステップS601)。
【0046】
管理者は、拡大取消の対象となる表示拡大グループに属する電子棚札30の電子棚札IDを選択し、その電子棚札IDを処理対象棚札入力枠411に入力する(ステップS502)。電子棚札管理装置10の指定受付部102は、処理対象棚札入力枠411に入力された電子棚札IDを受け付ける(ステップS602)。指定受付部102は、入力された電子棚札IDに対応するレコードを拡大表示情報テーブルから検索し、この電子棚札30が表示拡大グループに属している電子棚札30であるか否か判定する(ステップS603)。選択された電子棚札30が表示拡大グループに属しているものでない場合(ステップS603−NO)、指定受付部102は端末装置40にエラー画面を表示させる(ステップS604)。
【0047】
一方、選択された電子棚札30が表示拡大グループに属しているものである場合(ステップS603−YES)、指定受付部102は、処理対象の拡大表示における列数と行数とを取得する(ステップ605)。このとき、指定受付部102は、この表示拡大グループに属している電子棚札30のレコードを拡大表示情報テーブルから検索し、検索結果の各レコードの列番号及び行番号に基づいて、拡大表示における列数及び行数を判定する。そして、指定受付部102は、判定結果に応じて、縮小可能な列数及び行数を算出し、端末装置40に表示させる(ステップS606)。縮小可能な列数とは、現在の拡大表示における列数から1を減じた値である。縮小可能な行数とは、現在の拡大表示における行数から1を減じた値である。そして、指定受付部102は、端末装置40においてボタンが押下されるまで待機する(ステップS607−NO)。
【0048】
管理者は、端末装置40に表示された縮小可能な列数及び行数を参照して操作を続ける(ステップS503)。管理者は、拡大全取消処理を希望する場合(ステップS503−拡大全取消)、拡大全取消ボタン414を押下する(ステップS504)。拡大全取消ボタン414が押下されると(ステップS607−拡大取消ボタン)、指定受付部102及び拡大処理部103は、基準棚札のみによって通常表示を行うように処理を行う(ステップS608)。具体的には、例えば以下のような処理が行われる。指定受付部102は、対象の表示拡大グループにおける基準棚札のレコードを拡大表示情報テーブルから検索する。指定受付部102は、基準棚札のレコードから表示拡大グループ情報を削除する。また、指定受付部102は、対象の表示拡大グループに含まれる全ての追加棚札のレコードを削除する。次に、指定受付部102は、基準棚札の電子棚札IDと、追加棚札の電子棚札IDとを、拡大処理部103に通知する。拡大処理部103は、基準棚札の電子棚札IDに基づいてレコードを拡大表示情報テーブルから検索する。拡大処理部103は、検索結果のレコードの商品コードとテンプレートを、拡大表示情報記憶部104から読み出す。そして、拡大処理部103は、テンプレートと商品コードとを基に生成される表示データに対して、基準棚札の電子棚札IDを宛先として付加する。このとき、拡大処理部103は、表示データを拡大しない。また、拡大処理部103は、全ての追加棚札に対し、表示データの表示をやめることを指示するためのデータを生成する。通信部101は、基準棚札への表示データの送信及び全ての追加棚札に対するデータを送信する。この送信によって、基準棚札のみが通常表示を行い、全ての追加棚札は表示を停止する。
【0049】
管理者は、一部の列又は行の削除を希望する場合(ステップS503−列/行数指定)、減らしたい列数と行数とを指定する(ステップS505)。この指定は、横縮小棚札入力枠412への列数及び縦縮小棚札入力枠413への行数の入力によって行われる。その後、管理者は実行ボタン415を押下する(ステップS506)。実行ボタン415が押下されると(ステップS607−実行ボタン)、指定受付部102は、縮小サイズの入力を受け付ける(ステップS609)。すなわち、指定受付部102は、削除する列数と行数とを受け付ける。そして、指定受付部102及び拡大処理部103は、縮小処理を行う(ステップS610)。縮小処理は、例えば以下のように実行される。指定受付部102は、削除される列に含まれる電子棚札30のレコードと、削除される行に含まれる電子棚札30のレコードとを、表示拡大グループ情報テーブルから削除する。拡大処理部103は、削除されなかった電子棚札30を用いて拡大表示を行う。すなわち、拡大処理部103は、削除されなかった電子棚札30によって構成される列数と行数とに応じて拡大用表示データを生成し、各電子棚札30に拡大用表示データを送信する。
【0050】
このように構成された電子棚札システム1では、複数台の電子棚札30を縦や横に並べて、全体として一つの拡大された表示データを表示させることができる。そのため、広い表示画面を有した電子棚札を用意することなく、より広い表示画面を実現することが可能となる。
また、拡大表示される表示データの内容は、基準棚札に対する設定に基づいて決定される。そのため、テンプレートの変更を行う際に、表示拡大グループに属する追加棚札全てに対してテンプレートの変更処理を行う必要が無く、基準棚札に対して設定変更すればよい。そのため、テンプレートの変更や管理を容易に行うことが可能となる。設定変更は、基準棚札に対してではなく、表示拡大グループに属する複数の電子棚札30の中の一つの電子棚札30に対して行われても良い。
【0051】
また、拡大表示の設定を行う際に、管理人は自身が思うように配置した電子棚札30の電子棚札IDを表示サイズ拡大画面において入力すればよい。そのため、電子棚札30の台数などを意識することなく、感覚的に電子棚札30を配置して電子棚札IDを入力することによって拡大表示を実現することができる。すなわち、より感覚的に拡大表示を実現させることが可能となる。
また、管理者は、拡大表示を通常表示に戻したい場合、管理者拡大取消画面において拡大前取消ボタン414を押下すればよい。したがって、容易な操作によって拡大表示を通常表示に戻すことが可能となる。
【0052】
また、管理者は、拡大表示に用いられている電子棚札30の台数を増加させたい場合は、図6Bに示された順番を意識して追加棚札入力枠404に電子棚札IDを入力すればよい。また、管理者は、拡大表示に用いられている電子棚札30の台数を減少させたい場合は、図11に示された処理に従って減らしたい列数及び行数を指定して実行ボタン415を押下すればよい。このように、拡大表示に用いられている電子棚札30の台数を容易に増減させることが可能となる。
【0053】
<変形例>
基準棚札は、必ずしも最も左上に位置する棚札である必要はない。例えば、最も右上に位置する棚札や、左からa番目、上からb番目(a及びbはいずれも整数)に位置する棚札などが基準棚札として設定されても良い。
追加棚札入力枠404に入力される電子棚札IDの順番に応じた列及び行の位置は、図6Aや図6Bに示された具体例に限定される必要はない。
管理者が端末装置40に対して行う操作は、電子棚札管理装置10に対して行われても良い。この場合、電子棚札管理装置10は入力装置を備え、管理者はこの入力装置を操作することによって電子棚札管理装置10を操作する。
上述した拡大表示設定の処理の流れ(図7)では、ステップS204において必要台数分の電子棚札IDが追加棚札入力枠404に入力された場合、ステップS206でメッセージを表示した後、実行ボタン405が押下されるまで待機している。これに対し、ステップS204において必要台数分の電子棚札IDが追加棚札入力枠404に入力された場合に、実行ボタン405の押下を待機することなく、その後の処理を実行しても良い。また、この場合、ステップS206のメッセージの表示は実行しても良いし実行しなくても良い。
【0054】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0055】
10…電子棚札管理装置, 101…通信部, 102…指定受付部, 103…拡大処理部, 104…拡大表示情報記憶部, 20…中継機, 30…電子棚札, 40…端末装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子棚札の表示を制御するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電子棚札は、小売店舗などの様々な場所で活用されている。その表示内容は、値札の対象となる物品又はサービスや、店舗における商品の陳列状況などに応じて大きく異なる。たとえば、状況に応じて横長の表示(横配置)や縦長の表示(縦配置)に自在に切り替え可能な電子棚札が提案されている(特許文献1参照)。この電子棚札では、電子棚札の配置方向が縦配置となった場合、売価を示す文字列を縦方向に配列させ、その文字は横配置のときよりも拡大して表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−230566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば遠くからも見えるようにする場合や多くの情報を表示しようとする場合には、電子棚札の表示画面をより広くする必要がある。このような場合、これまではより広い表示画面を有した電子棚札を購入することによって対処しており、コストが増大してしまうという問題があった。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、広い表示画面を有した電子棚札を用意することなく、より広い表示画面を実現する技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、複数の電子棚札を管理する電子棚札管理装置であって、拡大表示に用いられる複数の電子棚札の指定を受け付ける指定受付部と、本来は1台の電子棚札で表示する表示データを複数台の電子棚札で分担して拡大して表示するように、各電子棚札に表示される表示データを生成する拡大処理部と、前記拡大処理部によって生成された表示データを、前記指定受付部によって受け付けられた各電子棚札に対して送信する送信部と、を備える。
【0007】
本発明の一態様は、上記の電子棚札管理装置であって、前記指定受付部は、前記複数の電子棚札がそれぞれ配置される位置についての指定を受け付け、前記拡大処理部は、前記指定受付部によって受け付けられた位置に応じて、前記分割後表示データの宛先を決定する。
【0008】
本発明の一態様は、上記の電子棚札管理装置であって、前記拡大処理部は、本来は1台の電子棚札で表示する表示データを、前記指定受付部によって受け付けられた電子棚札の配列に応じて拡大し、拡大後の表示データを1台の電子棚札に表示されるサイズに分割して、各電子棚札に表示される表示データを生成する。
【0009】
本発明の一態様は、複数の電子棚札を管理する電子棚札管理装置が行う電子棚札管理方法であって、前記電子棚札管理装置が、拡大表示に用いられる複数の電子棚札の指定を受け付ける指定受付ステップと、前記電子棚札管理装置が、本来は1台の電子棚札で表示する表示データを複数台の電子棚札で分担して拡大して表示するように、各電子棚札に表示される表示データを生成する拡大処理ステップと、前記電子棚札管理装置が、前記拡大処理ステップによって生成された表示データを、前記指定受付ステップによって受け付けられた各電子棚札に対して送信する送信ステップと、を有する。
【0010】
本発明の一態様は、コンピュータを、複数の電子棚札を管理する電子棚札管理装置として動作させるためのコンピュータプログラムであって、拡大表示に用いられる複数の電子棚札の指定を受け付ける指定受付ステップと、本来は1台の電子棚札で表示する表示データを複数台の電子棚札で分担して拡大して表示するように、各電子棚札に表示される表示データを生成する拡大処理ステップと、前記拡大処理ステップによって生成された表示データを、前記指定受付ステップによって受け付けられた各電子棚札に対して送信する送信ステップと、をコンピュータに対して実行させるためのコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、広い表示画面を有した電子棚札を用意することなく、より広い表示画面を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】電子棚札システムのシステム構成を表すシステム構成図である。
【図2】電子棚札の外観を表す図である。
【図3】電子棚札による表示の概略を表す図である。
【図4】拡大表示情報記憶部に記憶される情報の概略を表す図である。
【図5】表示サイズ拡大画面の具体例を表す図である。
【図6】表示サイズ拡大画面への入力の概略を表す図である。
【図7】拡大表示を設定する際の処理の流れを表すフローチャートである。
【図8】電子棚札による表示の具体例を表す図である。
【図9】既存の表示拡大グループにおいてテンプレートを変更する際の処理の流れを表すフローチャートである。
【図10】拡大取消画面の具体例を表す図である。
【図11】拡大取消の処理の流れを表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、電子棚札システム1のシステム構成を表すシステム構成図である。まず、電子棚札システム1のシステム構成の概略について説明する。電子棚札システム1は、電子棚札管理装置10、複数台の中継機20、複数台の電子棚札30、端末装置40、アクセスポイント50を備える。電子棚札管理装置10と各中継機20とアクセスポイント50とは、LAN(Local Area Network)等の有線ネットワークで接続されている。電子棚札管理装置10と中継機20とは、アクセスポイント50等を介して無線で接続しても良い。各中継機20の通信範囲には1台以上の電子棚札30が設置され、各中継機20は電子棚札30と無線で通信する。端末装置40は、アクセスポイント50を介して電子棚札管理装置10と通信する。
【0014】
電子棚札管理装置10は、中継機20を介して電子棚札30と通信を行い、各電子棚札30の表示内容を制御する。中継機20は、電子棚札管理装置10と電子棚札30との通信を中継する。電子棚札30は、商品などが陳列された棚に設置され、陳列されている商品などの名称や価格などを表示する。端末装置40は、電子棚札30の管理者など(以下、単に「管理者」という。)によって操作され、操作内容に基づいてデータを電子棚札管理装置10へ送信する。また、端末装置40は、電子棚札管理装置10からデータを受信し、受信したデータに基づいて表示を行う。
【0015】
図2は、電子棚札30の外観を表す図である。次に、電子棚札30について詳細に説明する。電子棚札30は、その表面に表示部31及びバーコード表示部32を備える。表示部31には、電子棚札管理装置10から送信される表示データが表示される。表示データには、商品の名称、価格、商品の重さ等の情報が含まれる。バーコード表示部32には、電子棚札30に重複せずに割り振られた識別情報(電子棚札ID)を表すバーコードが表示される。管理者は、端末装置40に備えられたバーコードリーダーを使用してバーコード表示部32に表示されたバーコードを読み込むことによって、端末装置40に電子棚札30の電子棚札IDを入力することができる。
【0016】
図3は、電子棚札30による表示の概略を表す図である。図3Aは、1台の電子棚札30を用いた通常表示の概略を表す図である。図3Bは、4台の電子棚札30を用いた拡大表示の概略を表す図である。通常表示では、一つの表示データが1台の電子棚札30に表示される。一方、拡大表示では、通常表示において1台の電子棚札30に表示される表示データが拡大され、複数台(図3Bの場合は4台)の電子棚札30で表示される。図3Bの場合は、図3Aで1台の電子棚札30に表示されている表示データが、縦及び横にそれぞれ2倍に拡大され、2列2行の計4台の電子棚札30によって表示される。一つの拡大表示を行う複数台の電子棚札30のグループを、「表示拡大グループ」と呼ぶ。例えば、図3Bに示される4台の電子棚札30が一つの表示拡大グループを形成している。
一つの表示拡大グループの中には、1台の基準棚札と、その他の電子棚札30(以下、「追加棚札」という。)が含まれる。本実施形態では、最も左上に位置する棚札が基準棚札となる。拡大表示が行われる際には、基準棚札に対して設定された表示データが拡大されて表示される。
【0017】
次に、図1を用いて電子棚札管理装置10について詳細に説明する。電子棚札管理装置10は、メインフレームやワークステーションやパーソナルコンピュータなどの情報処理装置を用いて構成される。電子棚札管理装置10は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、電子棚札管理プログラムを実行する。電子棚札管理装置10は、通信部101、指定受付部102、拡大処理部103、拡大表示情報記憶部104を備える装置として機能する。なお、電子棚札管理装置10の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。電子棚札管理プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。
【0018】
通信部101は、中継機20を介して電子棚札30と通信を行い、アクセスポイント50を介して端末装置40と通信を行う。また、通信部101は、アクセスポイント50を介さずに端末装置40と通信を行っても良い。以下、通信部101による通信の具体例について説明する。通信部101は、LANポートを有し、LANポートに接続されたケーブルによってLANネットワークに接続される。各中継機20やアクセスポイント50もLANポートを有し、LANポートに接続されたケーブルによってLANネットワークに接続される。通信部101は、LANネットワークを介して、各中継機20やアクセスポイント50と通信する。
【0019】
指定受付部102は、管理者による指示を受け付ける。例えば、指定受付部102は、拡大表示に用いられる複数の電子棚札の指定を受け付ける。また、指定受付部102は、拡大表示の縮小に関する指示を受け付ける。指定受付部102は、電子棚札管理装置10に設けられた入力装置を管理者が操作して入力した上記指定や指示を受け付けても良いし、端末装置40を管理者が操作して入力した上記指定や指示を受け付けても良い。以下、管理者が端末装置40を操作するものとして説明を行う。
【0020】
拡大処理部103は、複数の電子棚札30を用いた拡大表示が行われる際に、各電子棚札30に表示される表示データ(分割後表示データ)を生成する。具体的には、拡大処理部103は、拡大表示が行われる電子棚札30の配列(以下、「拡大時配列」という。)に応じて、拡大表示情報記憶部104に記憶されているテンプレートと商品コードとを基に生成される表示データを拡大して拡大後表示データを生成する。拡大処理部103は、拡大後表示データを、拡大時配列に応じて、1台の電子棚札に表示されるサイズに分割する。この分割によって、拡大表示に用いられる電子棚札30の台数分の分割後表示データが生成される。拡大処理部103は、拡大時配列における各電子棚札30の位置に応じて、各分割後表示データの宛先を決定する。
【0021】
拡大表示情報記憶部104は、半導体記憶装置や磁気ハードディスク装置などの記憶装置を用いて構成される。拡大表示情報記憶部104は、拡大表示情報テーブルを記憶する。
【0022】
図4は、拡大表示情報記憶部104に記憶される情報の概略を表す図である。図4Aは、拡大表示情報テーブルの概略を表す図である。拡大表示情報テーブルは、電子棚札ID毎に一つのレコード114を有する。レコード114は、電子棚札ID、表示拡大グループ情報、商品コード、商品名、テンプレートなどの情報を対応付けて有する。電子棚札IDは、各電子棚札30に重複せずに割り当てられた識別情報である。表示拡大グループ情報は、拡大表示に用いられている電子棚札30に割り振られる情報であり、拡大表示に関する情報である。以下、レコード114を、符号を除いて単に「レコード」と表記する。通常表示に用いられている電子棚札30のレコードには、表示拡大グループ情報は付与されない。図4Aの場合、例えば電子棚札IDが“C2125571”の電子棚札30は通常表示を行っているため、表示拡大グループ情報が記録されていない。商品コード及び商品名については上述した通りである。テンプレートとは、電子棚札30に表示する商品などの名称や価格などのレイアウト(表示位置)を規定したものである。
【0023】
図4Bは、表示拡大グループ情報の概略を表す図である。表示拡大グループ情報は、グループID、列番号、行番号を含む。表示拡大グループ情報は、例えば9桁の数字で表される。左の3桁分はグループIDを表す。グループIDは、表示拡大グループに対して重複せずに割り当てられる識別情報である。同一の表示拡大グループに属する電子棚札30には、共通のグループIDが割り当てられる。グループIDの右に続く3桁分は列番号を表す。列番号は、拡大時配列における電子棚札30の位置のうち左から数えた列の番号を表す。列番号の右に続く3桁分は行番号を表す。行番号は、拡大時配列における電子棚札30の位置のうち上から数えた行の番号を表す。
【0024】
図4C及び図4Dは、列番号及び行番号の概略を表す図である。図4Cは、2列2行の計4台の電子棚札30を用いた拡大表示が行われる際の表示拡大グループ情報の具体例を表す。左上の電子棚札30は、一番左の列に位置するため列番号は“000”となり、一番上の行に位置するため行番号は“000”となる。右上の電子棚札30は、左から二番目の列に位置するため列番号は“001”となり、一番上の行に位置するため行番号は“000”となる。左下の電子棚札30は、一番左の列に位置するため列番号は“000”となり、上から二番目の行に位置するため行番号は“001”となる。右下の電子棚札30は、左から二番目の列に位置するため列番号は“001”となり、上から二番目の行に位置するため行番号は“001”となる。
【0025】
図4Dは、3列3行の計9台の電子棚札30を用いた拡大表示が行われる際の表示拡大グループ情報の具体例を表す。例えば、一番右下の電子棚札30は、左から三番目の列に位置するため列番号は“002”となり、上から三番目の行に位置するため行番号は“002”となる。図4Dについては、1台毎に表示拡大グループ情報を説明することは省略する。
【0026】
図5は、表示サイズ拡大画面の具体例を表す図である。表示サイズ拡大画面は、管理者が拡大表示の設定を行う際に操作する画面であり、端末装置40のディスプレイに表示される画面である。表示サイズ拡大画面には、基準棚札入力枠401、横拡大棚札入力枠402、縦拡大棚札入力枠403、追加棚札入力枠404、実行ボタン405が表示される。また、表示サイズ拡大画面は、メッセージ表示領域406を有しており、所定の状況でメッセージ表示領域406にメッセージが表示される。
【0027】
基準棚札入力枠401は、基準棚札の電子棚札IDを入力するための枠であり、一つの電子棚札IDのみの入力を受け付ける。横拡大棚札入力枠402は、一番上の行に並ぶ2列目以降の各電子棚札の電子棚札IDを入力するための枠であり、複数の電子棚札IDの入力を受け付ける。横拡大棚札入力枠402に入力された順に、2列目、3列目、・・・、n列目(n=整数)の位置に設定される。縦拡大棚札入力枠403は、一番左の列に並ぶ2行目以降の各電子棚札の電子棚札IDを入力するための枠であり、複数の電子棚札IDの入力を受け付ける。縦拡大棚札入力枠403に入力された順に、2行目、3行目、・・・、n行目(n=整数)の位置に設定される。追加棚札入力枠404は、拡大表示に用いられる電子棚札30のうち、基準棚札入力枠401、横拡大棚札入力枠402、縦拡大棚札入力枠403のいずれにも入力されない電子棚札30の電子棚札IDを入力するための枠である。
【0028】
図6は、表示サイズ拡大画面への入力の概略を表す図である。図6Aは、拡大表示の最初の設定時の表示サイズ拡大画面への入力の概略を表す図である。図6Aにおいて、九つの矩形一つ一つが、1台の電子棚札30を表す。即ち、図6Aは、3列3行の拡大表示を行う際の具体例を表す。「基準」と記載された矩形は、基準棚札入力枠401に入力される電子棚札30、すなわち基準棚札を表す。「横1」及び「横2」と記載された矩形は、横拡大棚札入力枠402に入力される電子棚札30を表す。「横1」の電子棚札30の電子棚札IDは、「横2」の電子棚札30の電子棚札IDよりも先に、横拡大棚札入力枠402に入力される。「縦1」及び「縦2」と記載された矩形は、縦拡大棚札入力枠403に入力される電子棚札30を表す。「縦1」の電子棚札30の電子棚札IDは、「縦2」の電子棚札30の電子棚札IDよりも先に、縦拡大棚札入力枠403に入力される。
【0029】
「1」、「2」、「3」、「4」と記載された各矩形は、追加棚札入力枠404に入力される電子棚札30を表す。矩形内に記載された各数字は、追加棚札入力枠404に入力される順番を表す。すなわち、最初に電子棚札IDが追加棚札入力枠404に入力された電子棚札30は、「1」の矩形の位置の電子棚札30として設定され、列番号“001”、行番号“001”が付与される。2番目に電子棚札IDが追加棚札入力枠404に入力された電子棚札30は、「2」の矩形の位置の電子棚札30として設定され、列番号“002”、行番号“001”が付与される。3番目に電子棚札IDが追加棚札入力枠404に入力された電子棚札30は、「3」の矩形の位置の電子棚札30として設定され、列番号“001”、行番号“002”が付与される。4番目に電子棚札IDが追加棚札入力枠404に入力された電子棚札30は、「4」の矩形の位置の電子棚札30として設定され、列番号“002”、行番号“002”が付与される。このように、追加棚札入力枠404に電子棚札IDが入力された各追加棚札の位置は、電子棚札IDが入力された順序に応じて決定される。
【0030】
図6Bは、既存の表示拡大グループに対して電子棚札30を追加する際の表示サイズ拡大画面への入力の概略を表す図である。この場合、まず表示サイズ拡大画面において、基準棚札入力枠401に、既に拡大表示が行われている表示拡大グループの基準棚札の電子棚札IDが入力される。図6Bの場合は、図6Aにおいて基準棚札として設定された電子棚札30の電子棚札IDが入力される。この入力によって、電子棚札管理装置10は、図6Aに示される表示拡大グループに対する処理であると認識する。次に、横拡大棚札入力枠402に対し、増加させる列の数分の電子棚札IDが入力される。図6Bの場合は、一つ分の列を横に広げるため、横拡大棚札入力枠402に対して電子棚札IDが一つ入力される。電子棚札管理装置10は、入力された電子棚札IDの電子棚札30を、「横3」と記載された矩形に位置する電子棚札30であると認識する。また、縦拡大棚札入力枠403に対し、増加させる行の数分の電子棚札IDが入力される。図6Bの場合は、二つ分の行を縦に広げるため、縦拡大棚札入力枠403に対して電子棚札IDが二つ入力される。電子棚札管理装置10は、入力された二つの電子棚札IDの電子棚札30を、順に「縦3」及び「縦4」と記載された矩形に位置する電子棚札30であると認識する。
【0031】
「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」、「8」と記載された各矩形は、追加棚札入力枠404に入力される電子棚札30を表す。矩形内に記載された各数字は、追加棚札入力枠404に入力される順番を表す。すなわち、最初に電子棚札IDが追加棚札入力枠404に入力された電子棚札30は、「1」の矩形の位置の電子棚札30として設定され、列番号“003”、行番号“001”が付与される。2番目に電子棚札IDが追加棚札入力枠404に入力された電子棚札30は、「2」の矩形の位置の電子棚札30として設定され、列番号“003”、行番号“002”が付与される。3番目に電子棚札IDが追加棚札入力枠404に入力された電子棚札30は、「3」の矩形の位置の電子棚札30として設定され、列番号“001”、行番号“003”が付与される。以降、図6Bに示されるように、追加棚札入力枠404に入力された順に応じて各位置に電子棚札30が設定され、列番号及び行番号が付与される。
【0032】
図7は、拡大表示を設定する際の処理の流れを表すフローチャートである。図7において、左側のフローチャート(S101〜S105)は、管理者が行う処理の流れを表すフローチャートである。右側のフローチャート(S201〜S209)は、電子棚札管理装置10が行う処理の流れを表すフローチャートである。まず、管理者が端末装置40を操作して表示サイズ拡大画面の表示を指示する(ステップS101)。端末装置40は、この指示を電子棚札管理装置10へ送信する。電子棚札管理装置10の指定受付部102は、表示サイズ拡大画面を端末装置40に表示させる(ステップS201)。
【0033】
管理者は、基準棚札とする電子棚札30を選択する。そして、管理者は、端末装置40を操作して、基準棚札入力枠401に対して基準棚札の電子棚札IDを入力する(ステップS102)。電子棚札管理装置10の指定受付部102は、基準棚札入力枠401に入力された電子棚札IDを、基準棚札の電子棚札IDとして受け付ける(ステップS202)。次に、管理者は、拡大表示における列数と行数とを決定し、(列数−1)に相当する数の電子棚札IDを横拡大棚札入力枠402に入力し、(行数−1)に相当する数の電子棚札IDを縦拡大棚札入力枠403に入力する(ステップS103)。電子棚札管理装置10の指定受付部102は、横拡大棚札入力枠402に入力された電子棚札IDと縦拡大棚札入力枠403に入力された電子棚札IDとを受け付ける(ステップS203)。なお、3以上の列又は3以上の行がある場合、各入力枠に対して一度に全ての電子棚札IDが入力されても良いし、複数回に分けて入力されても良い。
【0034】
次に、指定受付部102は、必要台数分の電子棚札IDが追加棚札入力枠404に入力されたか否か判定する(ステップS204)。必要台数とは、横拡大棚札入力枠402に入力された電子棚札IDの数と、縦拡大棚札入力枠403に入力された電子棚札IDの数とを乗じた値である。必要台数分の電子棚札IDが追加棚札入力枠404に入力されていない場合(ステップS204−NO)、指定受付部102は、必要台数分の電子棚札IDが追加棚札入力枠404に入力されていないことをメッセージ表示領域406に表示する(ステップS205)。このとき、指定受付部102は、追加棚札入力枠404に入力される必要がある電子棚札IDの数を表示しても良い。ステップS203の処理の後、指定受付部102は、追加棚札入力枠404に対する電子棚札IDの入力を受け付ける。この間に、管理者は、追加棚札入力枠404に必要台数分に相当する電子棚札IDを入力する(ステップS104)。
【0035】
必要台数分の電子棚札IDが追加棚札入力枠404に入力された場合(ステップS204−YES)、指定受付部102は、必要台数分の電子棚札IDが追加棚札入力枠404に入力され、拡大表示が可能になったことをメッセージ表示領域406に表示する(ステップS206)。そして、指定受付部102は、実行ボタン405が押下されるまで待機する(ステップS207−NO)。管理者が実行ボタン405を押下すると(ステップS105)、指定受付部102はグループIDを生成する。また、指定受付部102は、これまでの入力に応じて、各電子棚札30に対する列番号及び行番号を生成する。指定受付部102は、グループIDと、列番号及び行番号とを用いて、各電子棚札30に対する表示拡大グループ情報を生成する。そして、指定受付部102は、各電子棚札30に対するレコードを生成し、拡大表示情報記憶部104に書き込む。このとき、指定受付部102は、基準棚札に割り当てられている情報(例えば商品コード、商品名及びテンプレート)を、同じ表示拡大グループに属している全ての電子棚札30に対して設定する。
【0036】
次に、指定受付部102は、新たに生成したレコードに共通するグループIDを拡大処理部103に通知する。拡大処理部103は、通知されたグループIDに対応するレコードを拡大表示情報テーブルから検索する。拡大処理部103は、検索結果の各レコードの列番号及び行番号に基づいて、拡大表示における列数と行数とを判定する。また、拡大処理部103は、検索結果のレコードの商品コードとテンプレートを、拡大表示情報記憶部104から読み出す。拡大処理部103は、テンプレートと商品コードを基に表示データを生成し、判定された列数及び行数にしたがって表示データを拡大する。例えば、判定された列数がm列で行数がn行である場合、拡大処理部103は、表示データの横幅をm倍に拡大し、縦幅をn倍に拡大する。次に、拡大処理部103は、拡大した表示データの横幅をm個に分割し、縦幅をn個に分割することによって、表示拡大グループに含まれる電子棚札30の台数分だけ表示データを生成する(ステップS208)。分割後の1台分の表示データを、以下の説明では「拡大用表示データ」と呼ぶ。拡大処理部103は、各拡大用表示データに対し、その位置に応じた電子棚札30の電子棚札IDを宛先として付加する。このとき、拡大処理部103は、各電子棚札30の位置を、各レコードの表示拡大グループ情報の列番号及び行番号に従って判定する。
【0037】
通信部101は、宛先が付加された各拡大用表示データを送信する(ステップS209)。送信処理の具体例を説明する。通信部101は各拡大用表示データを、全ての電子棚札30に対して送信する。電子棚札30は、拡大用表示データを受信する度に、付加されている電子棚札IDが自装置の電子棚札IDに一致するか否か判定する。一致した場合、電子棚札30は、受信した拡大用表示データを表示部31に表示する。通信部101によって全ての拡大用表示データが送信され、拡大表示を行う全ての電子棚札30によって表示が行われると、図3Bのような拡大表示が行われる。なお、各電子棚札30が、列番号及び行番号に応じた位置に設置されている必要がある。
【0038】
図8は、電子棚札30による表示の具体例を表す図である。図3では概略についての図示であったため、図8ではより実情に近い表示の例を表す。図8Aは、1台の電子棚札30による通常表示の具体例を表す図である。図8Bは、図8Aにおいて表示されている表示データを、2行2列で拡大表示した場合の表示例を表す図である。図8Aでは1台の電子棚札30に表示されていた「イタリアスパゲッティ」、「500g」、「6」、「48」、「104」、「2250」、「560」、「80」、「286」、「円」の各文字列が、図8Bでは4台の電子棚札30に分けて表示されている。また、「286」の3文字は、上半分と下半分が2台の電子棚札30に分けて表示されている。
【0039】
図9は、既存の表示拡大グループにおいてテンプレートを変更する際の処理の流れを表すフローチャートである。図9において、左側のフローチャート(S301〜S302)は、管理者が行う処理の流れを表すフローチャートである。右側のフローチャート(S401〜S406)は、電子棚札管理装置10が行う処理の流れを表すフローチャートである。まず、管理者が端末装置40を操作して、拡大表示に用いられている複数の電子棚札30の中から一つの電子棚札30を選択し、その電子棚札IDを読み込む(ステップS301)。端末装置40は、この電子棚札IDを電子棚札管理装置10へ送信する。
【0040】
電子棚札管理装置10の指定受付部102は、選択された電子棚札30の電子棚札IDを受け付ける(ステップS401)。次に、指定受付部102は、この電子棚札IDに対応するレコードを拡大表示情報記憶部104から検索する。指定受付部102は、検索結果のレコードのグループIDに基づいて、同一のグループに属する基準棚札の電子棚札IDを検索する(ステップS402)。基準棚札が検索された場合、指定受付部102は端末装置40に、テンプレートを選択するための画面を表示させる。管理者は、端末装置40を操作して、拡大表示を行っている電子棚札30に表示させたいテンプレートを選択する(ステップS302)。端末装置40は、選択されたテンプレートを電子棚札管理装置10へ送信する。
【0041】
電子棚札管理装置10の指定受付部102は、テンプレートの選択結果(テンプレート)を受け付ける(ステップS403)。指定受付部102は、ステップS402の処理で検索した基準棚札に対して、ステップS403の処理で受け付けたテンプレートを適用する(ステップS404)。具体的には、指定受付部102は、基準棚札のレコードのテンプレートを、ステップS403の処理で受け付けたテンプレートに書き換える。そして、指定受付部102は、レコードを更新した基準棚札と同じ表示拡大グループに属する全ての追加棚札に関するレコードを同様に更新する。
【0042】
次に、指定受付部102は、更新したレコードに共通するグループIDを拡大処理部103に通知する。拡大処理部103は、通知されたグループIDに対応するレコードを拡大表示情報テーブルから検索する。拡大処理部103は、検索結果の各レコードの列番号及び行番号に基づいて、拡大表示における列数と行数とを判定する。また、拡大処理部103は、検索結果のレコードの商品コードとテンプレートを、拡大表示情報記憶部104から読み出す。拡大処理部103は、テンプレートと商品コードとを基に表示データを生成し、判定された列数及び行数にしたがって表示データを拡大する。例えば、判定された列数がm列で行数がn行である場合、拡大処理部103は、表示データの横幅をm倍に拡大し、縦幅をn倍に拡大する。次に、拡大処理部103は、拡大した表示データの横幅をm個に分割し、縦幅をn個に分割することによって、表示拡大グループに含まれる電子棚札30の台数分だけ表示データを生成する(ステップS405)。拡大処理部103は、各拡大用表示データに対し、その位置に応じた電子棚札30の電子棚札IDを宛先として付加する。このとき、拡大処理部103は、各電子棚札30の位置を、各レコードの表示拡大グループ情報の列番号及び行番号に従って判定する。通信部101は、宛先が付加された各拡大用表示データを送信する(ステップS406)。図9において、テンプレートの代わりに商品コードを選択し処理することによって、電子棚札30に表示する商品を変更しても良い。
【0043】
図10は、拡大取消画面の具体例を表す図である。拡大取消画面は、管理者が拡大取消の設定を行う際に操作する画面であり、端末装置40のディスプレイに表示される画面である。拡大取消とは、拡大表示を行っている表示拡大グループにおいて、その表示拡大グループに属する電子棚札30の台数を減らすことである。すなわち、拡大取消の設定が行われることによって、表示データの拡大率が小さくなり、表示サイズが小さくなる。拡大取消画面には、処理対象棚札入力枠411、横縮小棚札入力枠412、縦縮小棚札入力枠413、拡大全取消ボタン414、実行ボタン415が表示される。また、拡大取消画面は、メッセージ表示領域416を有しており、所定の状況でメッセージ表示領域416にメッセージを表示する。
【0044】
処理対象棚札入力枠411は、拡大取消の対象となる表示拡大グループに属する電子棚札30の電子棚札IDを入力するための枠であり、一つの電子棚札IDの入力を受け付ける。横縮小棚札入力枠412は、縮小後に拡大表示を行わない列数を入力するための枠である。縦縮小棚札入力枠413は、縮小後に拡大表示を行わない行数を入力するための枠である。拡大全取消ボタン414は、拡大全取消処理の実行を指示するためのボタンである。拡大全取消処理とは、拡大表示をやめ、基準棚札において通常表示を開始する処理である。実行ボタン415は、拡大取消の実行を指示するためのボタンである。
【0045】
図11は、拡大取消の処理の流れを表すフローチャートである。図11において、左側のフローチャート(S501〜S506)は、管理者が行う処理の流れを表すフローチャートである。右側のフローチャート(S601〜S610)は、電子棚札管理装置10が行う処理の流れを表すフローチャートである。まず、管理者が端末装置40を操作して拡大取消画面の表示を指示する(ステップS501)。端末装置40は、この指示を電子棚札管理装置10へ送信する。電子棚札管理装置10の指定受付部102は、拡大取消画面を端末装置40に表示させる(ステップS601)。
【0046】
管理者は、拡大取消の対象となる表示拡大グループに属する電子棚札30の電子棚札IDを選択し、その電子棚札IDを処理対象棚札入力枠411に入力する(ステップS502)。電子棚札管理装置10の指定受付部102は、処理対象棚札入力枠411に入力された電子棚札IDを受け付ける(ステップS602)。指定受付部102は、入力された電子棚札IDに対応するレコードを拡大表示情報テーブルから検索し、この電子棚札30が表示拡大グループに属している電子棚札30であるか否か判定する(ステップS603)。選択された電子棚札30が表示拡大グループに属しているものでない場合(ステップS603−NO)、指定受付部102は端末装置40にエラー画面を表示させる(ステップS604)。
【0047】
一方、選択された電子棚札30が表示拡大グループに属しているものである場合(ステップS603−YES)、指定受付部102は、処理対象の拡大表示における列数と行数とを取得する(ステップ605)。このとき、指定受付部102は、この表示拡大グループに属している電子棚札30のレコードを拡大表示情報テーブルから検索し、検索結果の各レコードの列番号及び行番号に基づいて、拡大表示における列数及び行数を判定する。そして、指定受付部102は、判定結果に応じて、縮小可能な列数及び行数を算出し、端末装置40に表示させる(ステップS606)。縮小可能な列数とは、現在の拡大表示における列数から1を減じた値である。縮小可能な行数とは、現在の拡大表示における行数から1を減じた値である。そして、指定受付部102は、端末装置40においてボタンが押下されるまで待機する(ステップS607−NO)。
【0048】
管理者は、端末装置40に表示された縮小可能な列数及び行数を参照して操作を続ける(ステップS503)。管理者は、拡大全取消処理を希望する場合(ステップS503−拡大全取消)、拡大全取消ボタン414を押下する(ステップS504)。拡大全取消ボタン414が押下されると(ステップS607−拡大取消ボタン)、指定受付部102及び拡大処理部103は、基準棚札のみによって通常表示を行うように処理を行う(ステップS608)。具体的には、例えば以下のような処理が行われる。指定受付部102は、対象の表示拡大グループにおける基準棚札のレコードを拡大表示情報テーブルから検索する。指定受付部102は、基準棚札のレコードから表示拡大グループ情報を削除する。また、指定受付部102は、対象の表示拡大グループに含まれる全ての追加棚札のレコードを削除する。次に、指定受付部102は、基準棚札の電子棚札IDと、追加棚札の電子棚札IDとを、拡大処理部103に通知する。拡大処理部103は、基準棚札の電子棚札IDに基づいてレコードを拡大表示情報テーブルから検索する。拡大処理部103は、検索結果のレコードの商品コードとテンプレートを、拡大表示情報記憶部104から読み出す。そして、拡大処理部103は、テンプレートと商品コードとを基に生成される表示データに対して、基準棚札の電子棚札IDを宛先として付加する。このとき、拡大処理部103は、表示データを拡大しない。また、拡大処理部103は、全ての追加棚札に対し、表示データの表示をやめることを指示するためのデータを生成する。通信部101は、基準棚札への表示データの送信及び全ての追加棚札に対するデータを送信する。この送信によって、基準棚札のみが通常表示を行い、全ての追加棚札は表示を停止する。
【0049】
管理者は、一部の列又は行の削除を希望する場合(ステップS503−列/行数指定)、減らしたい列数と行数とを指定する(ステップS505)。この指定は、横縮小棚札入力枠412への列数及び縦縮小棚札入力枠413への行数の入力によって行われる。その後、管理者は実行ボタン415を押下する(ステップS506)。実行ボタン415が押下されると(ステップS607−実行ボタン)、指定受付部102は、縮小サイズの入力を受け付ける(ステップS609)。すなわち、指定受付部102は、削除する列数と行数とを受け付ける。そして、指定受付部102及び拡大処理部103は、縮小処理を行う(ステップS610)。縮小処理は、例えば以下のように実行される。指定受付部102は、削除される列に含まれる電子棚札30のレコードと、削除される行に含まれる電子棚札30のレコードとを、表示拡大グループ情報テーブルから削除する。拡大処理部103は、削除されなかった電子棚札30を用いて拡大表示を行う。すなわち、拡大処理部103は、削除されなかった電子棚札30によって構成される列数と行数とに応じて拡大用表示データを生成し、各電子棚札30に拡大用表示データを送信する。
【0050】
このように構成された電子棚札システム1では、複数台の電子棚札30を縦や横に並べて、全体として一つの拡大された表示データを表示させることができる。そのため、広い表示画面を有した電子棚札を用意することなく、より広い表示画面を実現することが可能となる。
また、拡大表示される表示データの内容は、基準棚札に対する設定に基づいて決定される。そのため、テンプレートの変更を行う際に、表示拡大グループに属する追加棚札全てに対してテンプレートの変更処理を行う必要が無く、基準棚札に対して設定変更すればよい。そのため、テンプレートの変更や管理を容易に行うことが可能となる。設定変更は、基準棚札に対してではなく、表示拡大グループに属する複数の電子棚札30の中の一つの電子棚札30に対して行われても良い。
【0051】
また、拡大表示の設定を行う際に、管理人は自身が思うように配置した電子棚札30の電子棚札IDを表示サイズ拡大画面において入力すればよい。そのため、電子棚札30の台数などを意識することなく、感覚的に電子棚札30を配置して電子棚札IDを入力することによって拡大表示を実現することができる。すなわち、より感覚的に拡大表示を実現させることが可能となる。
また、管理者は、拡大表示を通常表示に戻したい場合、管理者拡大取消画面において拡大前取消ボタン414を押下すればよい。したがって、容易な操作によって拡大表示を通常表示に戻すことが可能となる。
【0052】
また、管理者は、拡大表示に用いられている電子棚札30の台数を増加させたい場合は、図6Bに示された順番を意識して追加棚札入力枠404に電子棚札IDを入力すればよい。また、管理者は、拡大表示に用いられている電子棚札30の台数を減少させたい場合は、図11に示された処理に従って減らしたい列数及び行数を指定して実行ボタン415を押下すればよい。このように、拡大表示に用いられている電子棚札30の台数を容易に増減させることが可能となる。
【0053】
<変形例>
基準棚札は、必ずしも最も左上に位置する棚札である必要はない。例えば、最も右上に位置する棚札や、左からa番目、上からb番目(a及びbはいずれも整数)に位置する棚札などが基準棚札として設定されても良い。
追加棚札入力枠404に入力される電子棚札IDの順番に応じた列及び行の位置は、図6Aや図6Bに示された具体例に限定される必要はない。
管理者が端末装置40に対して行う操作は、電子棚札管理装置10に対して行われても良い。この場合、電子棚札管理装置10は入力装置を備え、管理者はこの入力装置を操作することによって電子棚札管理装置10を操作する。
上述した拡大表示設定の処理の流れ(図7)では、ステップS204において必要台数分の電子棚札IDが追加棚札入力枠404に入力された場合、ステップS206でメッセージを表示した後、実行ボタン405が押下されるまで待機している。これに対し、ステップS204において必要台数分の電子棚札IDが追加棚札入力枠404に入力された場合に、実行ボタン405の押下を待機することなく、その後の処理を実行しても良い。また、この場合、ステップS206のメッセージの表示は実行しても良いし実行しなくても良い。
【0054】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0055】
10…電子棚札管理装置, 101…通信部, 102…指定受付部, 103…拡大処理部, 104…拡大表示情報記憶部, 20…中継機, 30…電子棚札, 40…端末装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電子棚札を管理する電子棚札管理装置であって、
拡大表示に用いられる複数の電子棚札の指定を受け付ける指定受付部と、
本来は1台の電子棚札で表示する表示データを複数台の電子棚札で分担して拡大して表示するように、各電子棚札に表示される表示データを生成する拡大処理部と、
前記拡大処理部によって生成された表示データを、前記指定受付部によって受け付けられた各電子棚札に対して送信する送信部と、
を備える電子棚札管理装置。
【請求項2】
前記指定受付部は、前記複数の電子棚札がそれぞれ配置される位置についての指定を受け付け、
前記拡大処理部は、前記指定受付部によって受け付けられた位置に応じて、前記分割後表示データの宛先を決定する、請求項1に記載の電子棚札管理装置。
【請求項3】
前記拡大処理部は、本来は1台の電子棚札で表示する表示データを、前記指定受付部によって受け付けられた電子棚札の配列に応じて拡大し、拡大後の表示データを1台の電子棚札に表示されるサイズに分割して、各電子棚札に表示される表示データを生成する、請求項1又は2に記載の電子棚札管理装置。
【請求項4】
複数の電子棚札を管理する電子棚札管理装置が行う電子棚札管理方法であって、
前記電子棚札管理装置が、拡大表示に用いられる複数の電子棚札の指定を受け付ける指定受付ステップと、
前記電子棚札管理装置が、本来は1台の電子棚札で表示する表示データを複数台の電子棚札で分担して拡大して表示するように、各電子棚札に表示される表示データを生成する拡大処理ステップと、
前記電子棚札管理装置が、前記拡大処理ステップによって生成された表示データを、前記指定受付ステップによって受け付けられた各電子棚札に対して送信する送信ステップと、
を有する電子棚札管理方法。
【請求項5】
コンピュータを、複数の電子棚札を管理する電子棚札管理装置として動作させるためのコンピュータプログラムであって、
拡大表示に用いられる複数の電子棚札の指定を受け付ける指定受付ステップと、
本来は1台の電子棚札で表示する表示データを複数台の電子棚札で分担して拡大して表示するように、各電子棚札に表示される表示データを生成する拡大処理ステップと、
前記拡大処理ステップによって生成された表示データを、前記指定受付ステップによって受け付けられた各電子棚札に対して送信する送信ステップと、
をコンピュータに対して実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項1】
複数の電子棚札を管理する電子棚札管理装置であって、
拡大表示に用いられる複数の電子棚札の指定を受け付ける指定受付部と、
本来は1台の電子棚札で表示する表示データを複数台の電子棚札で分担して拡大して表示するように、各電子棚札に表示される表示データを生成する拡大処理部と、
前記拡大処理部によって生成された表示データを、前記指定受付部によって受け付けられた各電子棚札に対して送信する送信部と、
を備える電子棚札管理装置。
【請求項2】
前記指定受付部は、前記複数の電子棚札がそれぞれ配置される位置についての指定を受け付け、
前記拡大処理部は、前記指定受付部によって受け付けられた位置に応じて、前記分割後表示データの宛先を決定する、請求項1に記載の電子棚札管理装置。
【請求項3】
前記拡大処理部は、本来は1台の電子棚札で表示する表示データを、前記指定受付部によって受け付けられた電子棚札の配列に応じて拡大し、拡大後の表示データを1台の電子棚札に表示されるサイズに分割して、各電子棚札に表示される表示データを生成する、請求項1又は2に記載の電子棚札管理装置。
【請求項4】
複数の電子棚札を管理する電子棚札管理装置が行う電子棚札管理方法であって、
前記電子棚札管理装置が、拡大表示に用いられる複数の電子棚札の指定を受け付ける指定受付ステップと、
前記電子棚札管理装置が、本来は1台の電子棚札で表示する表示データを複数台の電子棚札で分担して拡大して表示するように、各電子棚札に表示される表示データを生成する拡大処理ステップと、
前記電子棚札管理装置が、前記拡大処理ステップによって生成された表示データを、前記指定受付ステップによって受け付けられた各電子棚札に対して送信する送信ステップと、
を有する電子棚札管理方法。
【請求項5】
コンピュータを、複数の電子棚札を管理する電子棚札管理装置として動作させるためのコンピュータプログラムであって、
拡大表示に用いられる複数の電子棚札の指定を受け付ける指定受付ステップと、
本来は1台の電子棚札で表示する表示データを複数台の電子棚札で分担して拡大して表示するように、各電子棚札に表示される表示データを生成する拡大処理ステップと、
前記拡大処理ステップによって生成された表示データを、前記指定受付ステップによって受け付けられた各電子棚札に対して送信する送信ステップと、
をコンピュータに対して実行させるためのコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−159788(P2012−159788A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20838(P2011−20838)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
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