説明

電子楽器の鍵盤装置

【課題】鍵の長手方向における押離鍵操作位置の違いによる鍵タッチ感の違いを小さくするとともに、電子楽器において鍵盤装置が占有するスペースをできるだけ小さくする。
【解決手段】押離鍵操作されて揺動する複数の白鍵11w及び複数の黒鍵11bを設ける。複数の白鍵11w及び黒鍵11bのうち、高音部Hに属する白鍵11w及び黒鍵11bの揺動中心部を、中音部Mに属する白鍵11w及び黒鍵11bの揺動中心部よりも演奏者に近い位置に設けて、高音部Hに属する白鍵11wの長さを中音部Mに属する白鍵11wの長さよりも短くし、高音部Hに属する黒鍵11bの長さを中音部Mに属する黒鍵11bの長さよりも短くする。そして、高音部Hに属する鍵の前端部に付与する反力を中音部Mに属する鍵の前端部に付与する反力よりも小さくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子オルガン、電子ピアノなどの電子楽器の鍵盤装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、下記特許文献1に示されているように、アコースティックピアノの鍵タッチ感(押離鍵操作に対する反力)を模擬するために、割り当てられた音高が高い鍵ほど、鍵の前端の鍵タッチ感を軽くした電子楽器の鍵盤装置は知られている。この鍵盤装置においては、鍵にそれぞれ係合して揺動し、それぞれの鍵の押離鍵操作に対する反力を付与する複数のハンマーを備えている。そして、低音部の鍵から高音部の鍵に向かうに従って、後端部に設けられた鍵の支点から鍵の前端までの長さを徐々に長くしている。また、鍵の支点から、ハンマーと鍵との係合位置までの距離を全ての鍵について同一にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許3074794号公報
【発明の概要】
【0004】
しかし、上記従来の鍵盤装置においては、高音部の鍵よりも低音部の鍵が短いので、てこの原理によって生じる、鍵の長手方向における押離鍵操作位置の違いによる鍵タッチ感の違いは、高音部の鍵に比べて低音部の鍵の方が大きい。すなわち、低音部の鍵において、鍵の前端部の鍵タッチ感に比べて、鍵の中間部より後方の鍵タッチ感が非常に重く、演奏し難くなっていた。
【0005】
なお、演奏者が鍵を押鍵したときに感じる反力(荷重)は、鍵、ハンマーなどからなる揺動系に加わる力のバランスに応じた静荷重と、前記揺動系の慣性モーメントの大きさに応じた動荷重とが複合されたものである。上記の揺動系に加わる力のバランスとは、前記揺動系の揺動中心よりも演奏者に近い側の部分の重さと、前記揺動中心よりも演奏者から遠い側の部分の重さのバランス(すなわち、てこ比)を意味する。静荷重は、鍵をゆっくりと押鍵したときに主に感じる荷重であり、動荷重は、鍵を強く押鍵したときに主に感じる荷重である。ここで、アコースティックピアノの鍵盤装置においては、静荷重は、全ての鍵についてほぼ同一であり、動荷重は、低音側の鍵から高音側の鍵へ向かうに従って徐々に軽くなっている。したがって、アコースティックピアノにおいては、鍵をゆっくりと押鍵したときには、前記鍵に割り当てられた音高によらず、前記反力は一定である。
【0006】
一方、電子楽器の鍵盤装置においては、装置を小型化するために、アコースティックピアノの鍵盤装置が備える機構のうちの一部の機構を省略している。例えば、鍵の動作をハンマーに伝えるジャックを、ハンマーの動作中に素早く離鍵状態の位置に復帰させることにより、高速な連続打鍵を可能にするレペティション機構を省略している。したがって、電子楽器の鍵盤装置においては、高速な連続打鍵を可能にするため(すなわち、鍵を離鍵状態へ早く復帰させるため)に、ハンマーの慣性モーメントをあまり大きくできないので、動荷重をあまり大きくできない。すなわち、低音側の鍵の動荷重と高音側の鍵の動荷重との差が小さい。そこで、低音側の鍵の静荷重を高音側の鍵の静荷重よりも大きくしている。これにより、鍵タッチ感を、全体として、アコースティックピアノの鍵盤装置の鍵タッチ感に近似させるようにしている。すなわち、電子楽器の鍵盤装置の動荷重の特性は、アコースティックピアノの鍵盤装置の動荷重の特性とは異なっている。そこで、電子楽器の鍵盤装置においては、静荷重の特性をアコースティックピアノの鍵盤装置の静荷重の特性とは若干異ならせることにより、演奏者が感じる荷重全体として、アコースティックピアノの鍵盤装置の荷重と同等になるようにしている。ただし、上記のように、電子楽器の鍵盤装置においては、低音側の鍵の静荷重を高音側の鍵の静荷重よりも大きくしているので、鍵をゆっくりと押鍵したときには、前記鍵に割り当てられた音高が高いほど、前記反力は小さい。また、電子楽器の鍵盤装置においては、低音側の鍵の動荷重を高音側の鍵の動荷重よりも大きくしているので、鍵を強く押鍵したときには、前記鍵に割り当てられた音高が高いほど、前記反力は小さい。すなわち、電子楽器の鍵盤装置においては、奏法によらず、割り当てられた音高が高い鍵ほど、前記反力が小さい。
【0007】
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、鍵の長手方向における押離鍵操作位置の違いによる鍵タッチ感の違いを小さくするとともに、電子楽器において鍵盤装置が占有するスペースをできるだけ小さくすることにある。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の各構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
【0008】
前記目的を達成するため、本発明の特徴は、音高がそれぞれ割り当てられていて、演奏者によって押離鍵操作されて、後端部に設けられた揺動中心部(Kw,Kb)を中心として揺動可能に支持された複数の白鍵(11w)及び黒鍵(11b)と、押離鍵操作に対する反力を複数の白鍵及び黒鍵にそれぞれ付与する反力付与手段(16w,16b)とを備えた電子楽器の鍵盤装置において、複数の白鍵及び黒鍵のうち、所定の第1音域(H)に属する白鍵及び黒鍵の揺動中心部を、第1音域よりも低音側にある第2音域(M)に属する白鍵及び黒鍵の揺動中心部よりも演奏者に近い位置に設けて、第1音域に属する白鍵の長さを第2音域に属する白鍵よりも短くし、かつ第1音域に属する黒鍵を第2音域に属する黒鍵よりも短くし、第1音域に属する白鍵及び黒鍵の前端部に付与する反力を第2音域に属する白鍵及び黒鍵の前端部に付与する反力よりも小さくしたことにある。この場合、複数の白鍵及び黒鍵のうち、第1音域及び第2音域のうちの少なくとも一方の音域における複数の鍵であって、音高が連続する複数の鍵の揺動中心の中心軸を共通とするとよい。なお、本発明において、鍵の後端部とは、鍵の長手方向中央より後方の部分である。また、本発明において反力付与手段によって鍵に付与される反力とは、上記の静荷重及び動荷重を意味する。
【0009】
上記のように構成した鍵盤装置によれば、第2音域に属する鍵は、第1音域に属する鍵に比べて長い。したがって、第1音域においては、鍵の長手方向の押離鍵操作位置の違いによる鍵タッチ感の違いが比較的大きいが、第2音域においては、鍵の長手方向の押離鍵操作位置の違いによる鍵タッチ感の違いが小さい。反力付与手段によって鍵の前端部に付与される反力は、第1音域に比べて第2音域の方が大きいが、上記のように、第2音域に属する鍵の長手方向の押離鍵操作位置の違いによる鍵タッチ感の違いを小さくしたので、鍵の前端よりやや鍵の支点側にある位置を押離鍵操作したときの鍵タッチ感が重すぎて演奏し難くなることを防止できる。一方、第1音域に属する鍵の鍵タッチ感は、長手方向の押離鍵操作位置によって大きく変化するが、第1音域においては、反力付与手段によって鍵の前端部に付与される反力が第2音域に比べて小さいので、鍵の長手方向の鍵タッチ感の違いが多少大きくても演奏上問題がない。したがって、第1音域の後方にスペースを設けることができる。すなわち、電子楽器において鍵盤装置が占有する領域を小さくすることができる。そして、前記スペースに電子楽器を構成する他の部品(電源トランス、スピーカーなど)を配置することができ、電子楽器の本体内部の限られた空間を効率的に利用できる。
【0010】
また、本発明の他の特徴は、複数の白鍵及び黒鍵のうち、第2音域よりも低音側にある第3音域(L)に属する白鍵及び黒鍵の揺動中心部を、第2音域に属する白鍵及び黒鍵の揺動中心部よりも演奏者から遠い位置に設けて、第3音域に属する白鍵を第2音域に属する白鍵よりも長くし、かつ第3音域に属する黒鍵を第2音域に属する黒鍵よりも長くし、第3音域に属する白鍵及び黒鍵の前端部に付与する反力を第2音域に属する白鍵及び黒鍵の前端部に付与する反力よりも大きくしたことにある。
【0011】
上記のように構成した鍵盤装置によれば、第2音域よりも低音側にある第3音域に属する鍵は、第2音域に属する鍵よりも長いので、第3音域における鍵の長手方向の鍵タッチ感の違いを、第2音域における鍵の長手方向の鍵タッチ感の違いより小さくでき、演奏し易くすることができる。また、第2音域の後方にもスペースを設けることができるので、電子楽器の本体内部の限られた空間をより効率的に利用できる。
【0012】
また、本発明の他の特徴は、複数の白鍵及び黒鍵のうち、第2音域よりも低音側にある第3音域(L)に属する白鍵及び黒鍵の揺動中心部を第2音域に属する白鍵及び黒鍵の揺動中心部よりも演奏者に近い位置に設けて、第3音域に属する白鍵を第2音域に属する白鍵よりも短くし、かつ第3音域に属する黒鍵を第2音域に属する黒鍵よりも短くし、第3音域に属する白鍵及び黒鍵の前端部に付与する反力を第2音域に属する白鍵及び黒鍵の前端部に付与する反力よりも大きくしたことにある。
【0013】
上記のように構成した鍵盤装置によれば、第2音域よりも低音側にある第3音域に属する鍵は、第2音域に属する鍵よりも短いので、第3音域における鍵の長手方向の鍵タッチ感の違いは、第2音域における鍵の長手方向の鍵タッチ感の違いよりも大きい。一般的に、中音域(すなわち、第2音域)に属する鍵が多用されるので、第2音域における鍵の長手方向の鍵タッチの違いを第1音域及び第3音域に比べて小さくすることにより、アコースティックピアノの鍵タッチ感の特性とは若干異なる特性を有するが、実質上、演奏し易い鍵盤装置を構成できる。また、第1音域及び第3音域の後方にスペースを設けることができるので、電子楽器の本体内部の限られた空間をより効率的に利用できる。特に、電子楽器の他の部品を左右対称に配置する場合に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態に係る鍵盤装置の平面図である。
【図2】図1の鍵盤装置の白鍵に関する構成を示す右側面図である。
【図3】図1の鍵盤装置の黒鍵に関する構成を示す右側面図である。
【図4】音高と質量体の質量との関係を示す特性曲線図である。
【図5】音高と鍵タッチとの関係を示す特性曲線図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る鍵盤装置の平面図である。
【図7】本発明の変形例に係る鍵盤装置の平面図である。
【図8】本発明の他の変形例に係る鍵盤装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図面を用いて説明する。以下の説明では、演奏者に近い側を「前側」とし、演奏者から遠い側を「後側」とする。また、高音部側を「右側」とし、低音部側を「左側」とする。
【0016】
この鍵盤装置は、図1に示すように、複数の白鍵11w及び複数の黒鍵11bを有している。白鍵11w及び黒鍵11bは、それぞれ合成樹脂によって長尺状に一体成型されている。この鍵盤装置の全体の音域(A0〜C8)は、低音部L(A0〜B2)、中音部M(C3〜B5)及び高音部H(C6〜C8)の3つの音域に分割されている。すなわち、中央の鍵11w(C4)は、中音部Mに属している。低音部Lに属する白鍵11w及び黒鍵11bは、それぞれ中音部Mに属する白鍵11w及び黒鍵11bよりも長い。また、高音部Hに属する白鍵11w及び黒鍵11bは、それぞれ中音部Mに属する白鍵11w及び黒鍵11bよりも短い。また、それぞれの音域において、白鍵11wは黒鍵11bに比べて長い。音域の違いによる白鍵11w及び黒鍵11bの違いは、前後方向の長さのみであって、他の構成は同様である。したがって、以下、図2及び図3を用いて、高音部Hの白鍵11w及び黒鍵11bの構成を説明して、中音部M及び低音部Lの白鍵11w及び黒鍵11bについての説明を省略する。白鍵11wは、黒鍵11bに比べて、上下方向の幅が小さく、左右方向の幅が大きい。白鍵11w及び黒鍵11bは、前後方向に延設された薄肉の上壁及び上壁の左右端からそれぞれ下方へ延設された薄肉の側壁を有し、下方に開放した中空状に形成されている。また、白鍵11w及び黒鍵11bの側壁の後部には、それぞれ対向する貫通孔Kw及び貫通孔Kbが設けられている。貫通孔Kw及び貫通孔Kbから、それぞれの鍵の後端までの距離は、音域によらず全ての鍵について同一である。そして、白鍵11w及び黒鍵11bは、鍵フレーム12の鍵支持部13により支持されている。
【0017】
鍵フレーム12は、樹脂成型により一体的に形成されている。鍵フレーム12は、前後方向及び左右方向に延設された前板12a及び後板12bを有する。上記の鍵支持部13は、後板12bの上面から上方へ突出するように形成されている。低音部Lの鍵支持部13は、中音部Mの鍵支持部13よりも後方に設けられ、高音部Hの鍵支持部13は、中音部Mの鍵支持部13よりも前方に設けられている。すなわち、鍵フレーム12の後端は、平面視において、鍵の後端の位置に沿った階段状に形成されている。各音域における鍵支持部13の前後方向の位置は同一である。各鍵支持部13は、それぞれ対向する2枚の板状に形成されていて、内側に対向する突出部13aを備えている。突出部13aは、貫通孔Kw及び貫通孔Kbに嵌合している。これにより、白鍵11w及び黒鍵11bは、突出部13a回りに回転可能に支持され、白鍵11w及び黒鍵11bの前端部が上下方向に揺動可能となっている。前板12a及び後板12bには、上下方向及び前後方向に延設された複数のリブ12dの上端部が一体的に接続されている。リブ12dは、左右方向に薄肉であり、左右方向に所定の間隔をおいて設けられている。また、リブ12dは、前板12aの前端よりも前方へ張り出している。この張り出した部分に、後述のレール部17,19,21が設けられる。
【0018】
また、白鍵11wの中間部から下方へ向かって駆動部11w1が延設されている。駆動部11w1は、上下に延設された薄肉の前壁及び前壁の左右端からそれぞれ後方へ延設された薄肉の側壁を有し、後方に開放した中空状に形成されている。駆動部11w1の下端は下端壁により閉じている。一方、黒鍵11bも白鍵11wと同様の駆動部11b1を有する。黒鍵11bは、離鍵状態において白鍵11wの上面よりも上方に突出した部分(以下、黒鍵11bの見え掛り部という。)の前端から下方へ延設された後、僅かに前方へ湾曲させられた連結部を有し、この連結部の先端に、駆動部11b1の上端が接続されている。駆動部11w1と駆動部11b1の前後方向の位置は同一であり、駆動部11w1と駆動部11b1の下端壁の上下方向の位置も同一である。すなわち、駆動部11w1及び駆動部11b1は、黒鍵11bの見え掛り部の前端よりも前方に位置する。前板12aの前方に設けられた上下に開口した開口部内にて、駆動部11w1及び駆動部11b1の下端部が、ハンマー16w及びハンマー16bの前端部にそれぞれ係合している。
【0019】
ハンマー16wは、合成樹脂製の基部16w1と、金属製の連結棒16w2及び質量体16w3とからなる。ハンマー16bは、ハンマー16wと同様に、基部16b1、連結棒16b2及び質量体16b3からなる。基部16w1及び基部16b1は、板状の部材であって、右側面から左側面に貫通する貫通孔Hw及び貫通孔Hbをそれぞれ有する。また、隣り合うリブ12dの下端部を繋ぐようにしてレール部17が左右方向に延設されている。レール部17は、前板12a及び後板12bに比べて前後方向の幅が狭い。レール部17の上面には、上方に突出するようにして、ハンマー支持部18w及びハンマー支持部18bが形成されている。ハンマー支持部18w及びハンマー支持部18bは、それぞれ対向する2枚の板状に形成されていて、それぞれ内側に対向する突出部18w1及び突出部18b1を備えている。前記突出部18w1及び突出部18b1は、貫通孔Hw及び貫通孔Hbにそれぞれ嵌合している。これにより、基部16w1及び基部16b1は、突出部18w1及び突出部18b1回りに回転可能に支持されている。すなわち、ハンマー16w及びハンマー16bは、前端部及び後端部が上下方向に揺動可能に支持されている。ハンマー支持部18w及びハンマー支持部18bの前後方向の位置は、全てのハンマー16w及びハンマー16bについて共通である。
【0020】
また、基部16w1は、前端部に上下一対の脚部Fw1及び脚部Fw2を備え、上側に位置する脚部Fw1は下側に位置する脚部Fw2より短く形成されている。基部16b1も、基部16w1と同様に、前端部に上下一対の脚部Fb1及び脚部Fb2を備えている。脚部Fw1と脚部Fw2の間には、駆動部11w1の下端壁が侵入しており、脚部Fb1と脚部Fb2の間には、駆動部11b1の下端壁が侵入している。脚部Fw1及び脚部Fb1は、それぞれ、駆動部11w1及び駆動部11b1の下端壁と、駆動部11w1及び駆動部11b1内であって、それぞれの下端壁との間に隙間を形成する中間壁との間に侵入している。駆動部11w1及び駆動部11b1の下端壁には、ゴム、ウレタン、フエルトなどの衝撃吸収材が嵌め込まれて固着されている。この衝撃吸収材は、駆動部11w1と脚部Fw2の上面との衝突、駆動部11b1の下端と脚部Fb2の上面との衝突、駆動部11w1の下端と脚部Fw1の下面との衝突、及び駆動部11b1の下端と脚部Fb1の下面との衝突による衝撃をそれぞれ緩和している。
【0021】
基部16w1及び基部16b1の後端部に、連結棒16w2及び連結棒16b2の前端部がそれぞれ組み付けられている。連結棒16w2及び連結棒16b2は、それぞれ後方へ延設されている。連結棒16w2と連結棒16b2の後端の前後方向の位置は同一である。そして、次に説明する質量体16w3及び質量体16b3の後端が白鍵11w及び黒鍵11bの後端よりも前方に位置するように、連結棒16w2及び連結棒16b2の長さが調整されている。
【0022】
上記のように、音域によって、鍵の支点の位置が異なる。したがって、音域によって、白鍵11wの揺動中心から脚部Fw2における駆動部11w1との当接部Pw1までの距離が異なる。また、音域によって、黒鍵11bの揺動中心から脚部Fb2における駆動部11b1との当接部Pb1までの距離が異なる。さらに、白鍵11wにおいては、押離鍵操作される可能性のある位置の前端である押離鍵操作位置W0が当接部Pw1よりも前方に位置するのに対して、黒鍵11bにおいては、押離鍵操作される可能性のある位置の前端である押離鍵操作位置B0が当接部Pb1の後方に位置している。したがって、全ての鍵について質量体16w3及び質量体16b3の質量が同一であれば、てこの原理によって、押離鍵操作位置W0,B0においては、低音部Lよりも中音部Mの鍵タッチ感が重く、中音部Mよりも高音部Hの鍵タッチ感がさらに重い。また、この場合、各音域における白鍵11wと黒鍵11bの鍵タッチ感が統一されない。すなわち、白鍵11wの鍵タッチ感に比べて黒鍵11bの鍵タッチ感の方が重い。そこで、図4に示すように、質量体16w3及び質量体16b3の質量を鍵ごとに調整して、図5に一点鎖線で示すように、押離鍵操作位置W0,B0における鍵タッチ感を、低音から高音へ向かうに従って徐々に軽くしている。したがって、図5に破線で示すように、押離鍵操作位置W0,B0からそれぞれ距離dだけ後方に位置する押離鍵操作位置W1,B1における鍵タッチ感も、低音から高音へ向かうに従って徐々に軽くなっている。ただし、音域によって鍵の長さが異なるので、押離鍵操作位置W0,B0における鍵タッチ感と、押離鍵操作位置W1,B1における鍵タッチ感との差は、低音から高音に向かうに従って大きくなる。すなわち、押離鍵操作位置の前後方向の違いによる鍵タッチ感の違いは、低音部Lにおいて小さく、中音部Mにおいて中程度であり、高音部Hにおいて大きい。
【0023】
白鍵11w及び黒鍵11bの離鍵時には、ハンマー16w及びハンマー16bは、自重により、前端部が上方へ変位する。このとき、脚部Fw2及び脚部Fb2により駆動部11w1及び駆動部11b1がそれぞれ上方へ付勢され、白鍵11w及び黒鍵11bの前端部はそれぞれ上方へ変位する。一方、白鍵11w及び黒鍵11bの押鍵時には、駆動部11w1及び駆動部11b1の下端面が脚部Fw2及び脚部Fb2の上面をそれぞれ押圧し、ハンマー16w及びハンマー16bの前端部がそれぞれ下方へ変位する。
【0024】
また、隣り合うリブ12dの前端部を繋ぐようにして、レール部19が左右方向に延設されている。レール部19の前後方向の幅は、前板12a及び後板12bの前後方向の幅に比べて狭い。レール部19の上面から上方に突出するようにして、白鍵11wの揺動をガイドするための鍵ガイド19wが形成されている。鍵ガイド19wは、白鍵11wに下方から侵入しており、押離鍵時に鍵ガイド19wの側面と白鍵11wの側壁の内側の面が摺接するようになっている。これにより、押離鍵時の白鍵11wの左右方向の微少な変位を抑制している。
【0025】
また、隣り合うリブ12dの上端部であって、黒鍵11bの見え掛り部の前端部の下方に位置する部分を繋ぐようにして、レール部21が左右方向に延設されている。レール部21の前後方向の幅は、前板12a及び後板12bの前後方向の幅に比べて狭い。レール部21の上面から上方に突出するようにして、黒鍵11bの揺動をガイドするための鍵ガイド21bが形成されている。鍵ガイド21bは、黒鍵11bに下方から侵入しており、押離鍵時に鍵ガイド21bの側面と黒鍵11bの側壁の内側の面が摺接するようになっている。これにより、押離鍵時の黒鍵11bの左右方向の微少な変位を抑制している。
【0026】
また、各リブ12dの中間部には、上端から下方へ向かって方形状に切り欠いた、切り欠き12d1が設けられている。この切り欠き12d1を一体成型により形成するために、切り欠き12d1の上方に位置する前板12aの中間部には、上面から下面に貫通した方形状の貫通孔が設けられている。そして、前板12aの下面には、フエルトなどの衝撃吸収材によって構成した長尺状の下限ストッパ22が、リブ12dの切り欠き12d1を通って、左右方向に延設されて固着されている。この下限ストッパ22は、押鍵時にハンマー16w及びハンマー16bの後部に当接して、ハンマー16w及びハンマー16bの後端部の上方への変位を規制することにより、白鍵11w及び黒鍵11bの前端部の下方への変位を規制する。また、フレームFRの後部には、フエルトなどの衝撃吸収材によって構成した上限ストッパ23が、固着されている。離鍵時において、質量体16w3及び質量体16b3の下面に当接して、ハンマー16w及びハンマー16bの後端部の下方への変位を規制することにより、白鍵11w及び黒鍵11bの前端部の上方への変位を規制する。
【0027】
また、白鍵11w及び黒鍵11bの中間部の下面には、スイッチ駆動部24が設けられている。スイッチ駆動部24は、基板25上に配置されたスイッチSWの上面に当接している。スイッチSWは、鍵ごとに設けられ、各鍵の揺動に伴って押圧されて、各鍵の押離鍵状態を検出する。また、基板25には、上面から下面に貫通した貫通孔が設けられている。この貫通孔の位置は、前板12aの上面に一体的に形成されたボス26の位置に対応している。この貫通孔にねじを通してボス26にねじ込むことにより、基板25が、鍵フレーム12に固定される。
【0028】
また、リブ12dとレール部17の接続部には、ボス27が形成されている。電子楽器のフレームFRに貫通孔を設けておいて、この貫通孔にねじを下方から通して、ボス27にねじ込むことにより、この鍵盤装置が電子楽器のフレームFRに固定される。
【0029】
上記のように構成した本発明の第1実施形態においては、低音部Lの白鍵11w及び黒鍵11bをそれぞれ中音部Mの白鍵11w及び黒鍵11bよりも長くし、高音部Hの白鍵11w及び黒鍵11bをそれぞれ中音部Mの11w及び黒鍵11bよりも短くした。また、質量体の質量を調整して、低音から高音へ向かうに従って鍵の前端の鍵タッチ感が軽くなるようにした。したがって、低音部Lにおいては、鍵の長手方向の鍵タッチ感の違いを小さくできる。このように、鍵タッチ感が比較的重い低音部Lにおいては、鍵の長手方向の鍵タッチ感の違いを小さくしたので、鍵の前端よりやや鍵の支点側にある位置(例えば、鍵の中間部より後方の部分)を押離鍵操作したときの鍵タッチ感が重すぎて演奏し難くなることを防止できる。また、中音部Mにおける鍵の長手方向の鍵タッチ感の違いは、低音部Lにおける鍵の長手方向の鍵タッチ感の違いに比べてやや大きい。また、高音部Hの鍵における鍵の長手方向の鍵タッチ感の違いは、中音部Mにおける鍵の長手方向の鍵タッチ感の違いに比べてやや大きい。しかし、質量体の質量を調整して前端部の鍵タッチ感を比較的軽くした中音部M及び高音部Hにおいては、鍵の長手方向の鍵タッチ感の違いが多少大きくても演奏上問題がない。したがって、低音部L及び高音部Hの後方にスペースを設けることができる。すなわち、電子楽器において鍵盤装置が占有する領域を小さくすることができる。そして、前記スペースに電子楽器を構成する他の部品(電源トランス、スピーカーなど)を配置することができ、電子楽器の本体内部の限られた空間を効率的に利用できる。
【0030】
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態について図面を用いて説明する。第2実施形態は、図6に示すように、低音部Lの白鍵11w及び黒鍵11bをそれぞれ中音部Mの白鍵11w及び黒鍵11bより短くし、高音部Hの白鍵11w及び黒鍵11bをそれぞれ中音部Mの白鍵11w及び黒鍵11bより短くしている。低音部Lの白鍵11w及び黒鍵11bは、それぞれ高音部Hの白鍵11w及び黒鍵11bよりも長い。すなわち、鍵の長さに関して、第1実施形態の中音部Mと低音部Lを入れ替えた構成である。また、第2実施形態においても、鍵の後端位置に沿うように、鍵フレーム12の後端を形成している。また、第1実施形態と同様に、質量体の質量を調整して、低音部側から高音部側へ向かうに従って鍵タッチ感が徐々に軽くなるようにしている。他の構成は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。なお、低音部Lの白鍵11w及び黒鍵11bをそれぞれ高音部Hの白鍵11w及び黒鍵11bと同じ長さにしてもよいし、それぞれ高音部Hの白鍵11w及び黒鍵11bよりも短くしてもよい。
【0031】
上記のように構成した本発明の第2実施形態においては、低音部Lの白鍵11w及び黒鍵11bをそれぞれ中音部Mの11w及び黒鍵11bよりも短くし、高音部Hの白鍵11w及び黒鍵11bをそれぞれ中音部Mの11w及び黒鍵11bよりも短くした。したがって、低音部Lにおける鍵の長手方向の鍵タッチ感の違いは、中音部Mにおける鍵の長手方向の鍵タッチ感の違いよりも大きい。また、高音部Hにおける鍵の長手方向の鍵タッチ感の違いは、中音部Mにおける鍵の長手方向の鍵タッチ感の違いよりも大きい。すなわち、本実施形態においては、一般的に多用される中音部Mの鍵の長手方向の鍵タッチ感の違いを低音部L及び高音部Hの鍵の長手方向の鍵タッチ感の違いに比べて小さくした。したがって、実質上、第1実施形態に比べて演奏し易い鍵盤装置を構成できる。また、低音部L及び高音部Hの後方にスペースを設けることができるので、電子楽器において、鍵盤装置以外の他の部品を配置することができる。特に、前記他の部品を左右対称に配置することができる。例えば、スピーカを左右対称に配置すれば、ステレオ再生可能な電子楽器であって、前後方向の幅の小さな電子楽器を実現できる。
【0032】
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0033】
上記第1実施形態及び第2実施形態においては、全体の音域を低音部L、中音部M及び高音部Hに分割したが、分割数をさらに多くして、分割した音域ごとに鍵の長さを設定してもよい。例えば、図7に示すように、音域全体を7つの音域に分割して、分割した音域ごとに白鍵11w及び黒鍵11bの長さを設定してもよい。すなわち、第1低音部L1、第2低音部L2、第1中音部M1、第2中音部M2、第3中音部M3、第1高音部H1及び第2高音部H2に分割し、低音側の音域から高音側の音域へ向かうに従って、前記分割した音域ごとに、白鍵11w及び黒鍵11bの長さをそれぞれ段階的に短くしてもよい。なお、白鍵11w(A0)、黒鍵11b(A#0)及び白鍵11w(B0)は、第1低音部L1に含まれている。また、図8に示すように、前記分割した音域のうち、中央の白鍵11w(C4)を含む第2中音部M2に属する鍵の長さを最も長くし、第2中音部M2から高音側及び低音側へ向かうに従って、白鍵11w及び黒鍵11bの長さを、前記分割した音域ごとに短くしてもよい。また、図7及び図8の例よりも前記分割数をさらに多くしてもよく、低音側の鍵から高音側の鍵へ向かうに従って、白鍵11w及び黒鍵11bの長さを、それぞれ鍵ごとに徐々に短くしてもよい。また、白鍵11w(C4)及び黒鍵11b(C#4)を最も長くし、白鍵11w(C4)及び黒鍵11b(C#4)から高音側の鍵及び低音側の鍵へ向かうに従って、白鍵11w及び黒鍵11bの長さを、それぞれ鍵ごとに徐々に短くしてもよい。
【0034】
また、上記第1実施形態、第2実施形態及びそれらの変形例においては、全ての白鍵11w及び黒鍵11bにおいて、貫通孔Kw及び貫通孔Kbから鍵の後端までの距離を同一としたが、次に説明するように、鍵のねじり剛性を高めるために、長い鍵ほど、貫通孔Kw及び貫通孔Kbから鍵の後端までの距離が大きくなるように、貫通孔Kw及び貫通孔Kbを設ける位置を設定してもよい。押離鍵操作位置が鍵の左端部又は右端部であると、鍵の長手方向の軸回りにねじれが生じる。このねじれの量は、鍵の支点から前記押離鍵操作位置までの距離が大きいほど大きくなる。すなわち、鍵が長いほど、大きなねじれが発生する可能性がある。したがって、上記のように、長い鍵ほど貫通孔Kw及び貫通孔Kbより後方の部分を長くすることにより、長い鍵ほどねじり剛性を高めることができ、大きなねじれの発生を防止できる。なお、一部の音域においてのみ鍵の長さに応じて貫通孔Kw及び貫通孔Kbを設ける位置を決定し、他の音域においては、鍵の長さに関係なく、鍵の後端からの距離が同一となるように貫通孔Kw及び貫通孔Kbをそれぞれ設けてもよい。
【0035】
また、上記第1実施形態、第2実施形態及びそれらの変形例においては、ハンマー16w及びハンマー16bによって、それぞれ白鍵11w及び黒鍵11bの前端側を上方へ付勢するようにした。しかし、ハンマー16w及びハンマー16bに代えて、バネによって白鍵11w及び黒鍵11bの前端を上方へ付勢してもよい。この場合、鍵ごとに、バネ定数及び離鍵状態におけるバネの付勢力を調整して、低音部Lから高音部Hに向かうに従って鍵タッチ感を軽くすればよい。なお、この場合、動荷重は、全ての鍵についてほぼ同一であり、静荷重は、低音側の鍵から高音側の鍵へ向かうに従って徐々に軽くなっている。また、ハンマーとバネを併用してもよい。
【0036】
上記第1実施形態、第2実施形態及びそれらの変形例においては、低音側の鍵から高音側の鍵に向かうに従って、鍵の前端の鍵タッチ感を徐々に軽くしたが、必ずしもこのように構成する必要はなく、各音域における鍵の前端の鍵タッチ感を同一とし、高音域に向かうに従って、音域ごとに段階的に鍵タッチ感が軽くなるようにしてもよい。また、一部の音域においてのみ、音高順に鍵タッチ感が軽くなるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0037】
11w・・・白鍵、11b・・・黒鍵、11w1,11b1・・・駆動部、12・・・鍵フレーム、13・・・鍵支持部、16w,16b・・・ハンマー、16w1,16b1・・・基部、16w2,16b2・・・連結棒、16w3,16b3・・・質量体、18w,18b・・・ハンマー支持部、Pw1,Pb1・・・当接部、FR・・・フレーム、L・・・低音部、M・・・中音部、H・・・高音部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音高がそれぞれ割り当てられていて、演奏者によって押離鍵操作されて、後端部に設けられた揺動中心部を中心として揺動可能に支持された複数の白鍵及び黒鍵と、
前記押離鍵操作に対する反力を前記複数の白鍵及び黒鍵にそれぞれ付与する反力付与手段とを備えた電子楽器の鍵盤装置において、
前記複数の白鍵及び黒鍵のうち、所定の第1音域に属する白鍵及び黒鍵の揺動中心部を、前記第1音域よりも低音側にある第2音域に属する白鍵及び黒鍵の揺動中心部よりも演奏者に近い位置に設けて、前記第1音域に属する白鍵を前記第2音域に属する白鍵よりも短くし、かつ前記第1音域に属する黒鍵を前記第2音域に属する黒鍵よりも短くし、
前記第1音域に属する白鍵及び黒鍵の前端部に付与する前記反力を前記第2音域に属する白鍵及び黒鍵の前端部に付与する前記反力よりも小さくしたことを特徴とする電子楽器の鍵盤装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電子楽器の鍵盤装置において、
前記複数の白鍵及び黒鍵のうち、前記第1音域及び前記第2音域のうちの少なくとも一方の音域における複数の鍵であって、音高が連続する複数の鍵の揺動中心の中心軸を共通としたことを特徴とする電子楽器の鍵盤装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電子楽器の鍵盤装置において、
前記複数の白鍵及び黒鍵のうち、前記第2音域よりも低音側にある第3音域に属する白鍵及び黒鍵の揺動中心部を、前記第2音域に属する白鍵及び黒鍵の揺動中心部よりも演奏者から遠い位置に設けて、前記第3音域に属する白鍵を前記第2音域に属する白鍵よりも長くし、かつ前記第3音域に属する黒鍵を前記第2音域に属する黒鍵よりも長くし、
前記第3音域に属する白鍵及び黒鍵の前端部に付与する前記反力を前記第2音域に属する白鍵及び黒鍵の前端部に付与する前記反力よりも大きくしたことを特徴とする電子楽器の鍵盤装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の電子楽器の鍵盤装置において、
前記複数の白鍵及び黒鍵のうち、前記第2音域よりも低音側にある第3音域に属する白鍵及び黒鍵の揺動中心部を前記第2音域に属する白鍵及び黒鍵の揺動中心部よりも演奏者に近い位置に設けて、前記第3音域に属する白鍵を前記第2音域に属する白鍵よりも短くし、かつ前記第3音域に属する黒鍵を前記第2音域に属する黒鍵よりも短くし、
前記第3音域に属する白鍵及び黒鍵の前端部に付与する前記反力を前記第2音域に属する白鍵及び黒鍵の前端部に付与する前記反力よりも大きくしたことを特徴とする電子楽器の鍵盤装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−41080(P2013−41080A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177486(P2011−177486)
【出願日】平成23年8月15日(2011.8.15)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】