説明

電子機器、ストップウオッチおよびプログラム

【課題】使用者が意図していない入力を受け付ける可能性をより低減することができる。
【解決手段】表示部105は表示面を有する。加速度センサ108は、表示面と直交する方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第1の信号を出力する。衝撃センサ200は、衝撃を検知した場合、第2の信号を出力する。CPU102は、第1の信号に基づいて自装置の姿勢を判定し、自装置の姿勢は所定の姿勢であると判定した場合には衝撃センサ200が出力する第2の信号を有効とし、それ以外の場合には衝撃センサ200が出力する第2の信号を無効とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、ストップウオッチおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、使用者が電子時計を叩くことで操作入力を行う(タップ入力を行う)ことができる電子時計が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような電子時計は、衝撃を受けた場合に信号を出力する衝撃センサを備えており、衝撃センサが信号を出力した場合に操作入力を受け付けたと判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平1−270694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような電子時計は、他の物体にぶつかった場合などにおいても衝撃センサが信号を出力するため、使用者が意図していない入力(誤入力)を受け付ける可能性がある。例えば、使用者が走行している際に、電子時計が体に当たった場合には、電子時計は使用者が意図していない入力を受け付ける可能性がある。また、トライアスロンのように競技の途中に着替えを行う場合、着替え途中に電子時計が体などに当たった場合にも、電子時計は使用者が意図していない入力を受け付ける可能性がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、使用者が意図していない入力を受け付ける可能性をより低減することができる電子機器、ストップウオッチおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、表示面を有する表示部と、前記表示面と直交する方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第1の信号を出力する加速度センサと、衝撃を検知した場合、第2の信号を出力する衝撃センサと、前記第1の信号に基づいて自装置の姿勢を判定する姿勢判定部と、前記姿勢判定部が自装置の姿勢は所定の姿勢であると判定した場合には前記衝撃センサが出力する前記第2の信号を有効とし、それ以外の場合には前記衝撃センサが出力する前記第2の信号を無効とする入力判定部と、を備えることを特徴とする電子機器である。
【0007】
また、本発明の電子機器において、前記所定の姿勢とは、前記表示面が重力加速度方向と直交する姿勢であることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、表示面を有する表示部と、前記表示面と直交する方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第1の信号を出力する加速度センサと、衝撃を検知した場合、第2の信号を出力する衝撃センサと、前記第1の信号に基づいて自装置の姿勢を判定する姿勢判定部と、前記姿勢判定部が自装置の姿勢は所定の姿勢であると判定した場合には前記衝撃センサが出力する前記第2の信号を有効とし、それ以外の場合には前記衝撃センサが出力する前記第2の信号を無効とする入力判定部と、を備えることを特徴とするストップウオッチである。
【0009】
また、本発明は、表示面と直交する方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第1の信号を出力する加速度検出ステップと、衝撃を検知した場合、第2の信号を出力する衝撃検出ステップと、前記第1の信号に基づいて自装置の姿勢を判定する姿勢判定ステップと、前記姿勢判定ステップで自装置の姿勢は所定の姿勢であると判定した場合には前記衝撃検出ステップで出力する前記第2の信号を有効とし、それ以外の場合には前記衝撃検出ステップで出力する前記第2の信号を無効とする入力判定ステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、表示部は表示面を有する。また、加速度センサは、表示面と直交する方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第1の信号を出力する。また、衝撃センサは、衝撃を検知した場合、第2の信号を出力する。また、姿勢判定部は、第1の信号に基づいて自装置の姿勢を判定する。また、入力判定部は、姿勢判定部が自装置の姿勢は所定の姿勢であると判定した場合には衝撃センサが出力する第2の信号を有効とし、それ以外の場合には衝撃センサが出力する第2の信号を無効とする。
【0011】
これにより、自装置の姿勢が所定の姿勢である場合には衝撃センサが出力する第2の信号を有効とし、自装置の姿勢が所定の姿勢ではない場合には衝撃センサが出力する第2の信号を無効とするため、使用者が意図していない入力を受け付ける可能性をより低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態におけるストップウオッチの外観を示した外観図である。
【図2】本実施形態におけるストップウオッチの断面を示した断面図である。
【図3】本実施形態におけるストップウオッチの構成を示したブロック図である。
【図4】本実施形態において、ストップウオッチが使用者に装着されている場合でのX軸方向と、Y軸方向と、Z軸方向との向きを示した概略図である。
【図5】本実施形態において、使用者がストップウオッチの表示部を見ている場合でのX軸方向と、Y軸方向と、Z軸方向との向きを示した概略図である。
【図6】本実施形態において、使用者が歩行している際に、ストップウオッチの姿勢に応じて検出するX、Y、Z軸方向の加速度および移動平均加速度の大きさを示したグラフである。
【図7】本実施形態におけるストップウオッチがタップ入力を受け付ける際の動作手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態では、電子機器の一例として、腕時計型のストップウオッチの例を用いて説明する。図1は、本実施形態におけるストップウオッチの外観を示した外観図である。また、図2は、本実施形態におけるストップウオッチの断面を示した断面図である。図1および図2に示す例では、ストップウオッチ100は、上面に表示部105と衝撃センサ200とを備え、側面に入力部103を備えている。また、ストップウオッチ100は、内部に加速度センサ106〜108を備えている。
【0014】
表示部105は表示面を備えており、表示面に計測時間などの表示を行う。入力部103は、ストップウオッチ100の使用者からの入力を受け付ける。衝撃センサ200は、例えば、圧電素子や加速度センサを備え、衝撃を感知すると信号(第2の信号)を出力する。圧電素子の場合はブザーと兼用されることがあり、その場合は裏蓋に配置される。衝撃センサ200が出力する信号に基づいて、タップ入力が行われたか否かを判定する。なお、衝撃センサ200は、衝撃を感知した場合に信号を出力するものであればどのようなものでもよい。また、タップ入力の例としては、ラップタイム取得の開始指示や終了指示などがある。加速度センサ106〜108は、相互に直交する直交座標軸のX成分、Y成分、Z成分を検出して、各成分の加速度に対応する大きさの加速度信号を出力する。
【0015】
本実施形態では、加速度センサ106はX軸方向の加速度Xを検出し、検出した加速度Xに応じた加速度信号を出力する。また、加速度センサ107はY軸方向の加速度Yを検出し、検出した加速度Yに応じた加速度信号を出力する。また、加速度センサ108はZ軸方向の加速度Zを検出し、検出した加速度Zに応じた加速度信号(第1の信号)を出力する。なお、本実施形態では、ストップウオッチ100が備える表示部105の表示面と同一の平面をXY平面とし、表示部105の表示面と垂直な方向をZ軸方向とする。また、ストップウオッチ100は、使用者の腕に装着して使用する腕時計型のストップウオッチの例を示している。
【0016】
なお、加速度センサ106〜108は、例えば、1つのMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)3軸加速度センサによって構成してもよく、また、相互に直交する3軸方向に配設された3つの1軸加速度センサによって構成してもよい。加速度センサの出力がデジタルの時はADコンバータ109を省略することができる。
【0017】
図3は、本実施形態におけるストップウオッチ100の構成を示したブロック図である。図示する例では、ストップウオッチ100は、発振部101と、CPU102(中央処理装置、姿勢判定部、入力判定部)と、入力部103と、表示制御部104と、表示部105と、加速度センサ106〜108と、ADコンバータ109と、記憶部110と、報音部111と、衝撃センサ200とを備える。
【0018】
発振部101はCPU102の動作用の基準クロック信号を発生する。CPU102は、計時処理や、ストップウオッチ100の姿勢の判定処理や、衝撃センサ200が出力する信号を有効とするか無効とするかを判定する入力判定処理や、ストップウオッチ100を構成する各電子回路要素の制御等を行う。入力部103は、使用者からの指示の入力を受け付ける。表示制御部104は、CPU102からの制御信号に応答して、表示部105に計時値や、ラップタイムや、スプリットタイムや、時刻等を表示させる。表示部105は、液晶表示装置(LCD)によって構成され、計時値や、ラップタイムや、スプリットタイムや、時刻等を表示する。
【0019】
加速度センサ106〜108は、相互に直交する直交座標軸のX成分、Y成分、Z成分を検出して、各成分の加速度に対応する大きさの加速度信号を出力する。記憶部110は、CPU102が実行するプログラムや、ストップウオッチ100が備える各部が処理を行う過程で必要なデータ等を記憶する。なお、本実施形態では、例えば、CPU102が、本発明の姿勢判定部と入力判定部として動作する。衝撃センサ200は、衝撃を感知すると信号を出力する。
【0020】
次に、ストップウオッチ100が使用者に装着されている場合でのX軸方向と、Y軸方向と、Z軸方向との向きについて説明する。図4は、本実施形態において、ストップウオッチ100が使用者に装着されている場合でのX軸方向と、Y軸方向と、Z軸方向との向きを示した概略図である。図示するように、ストップウオッチ100が使用者の腕に装着されている場合には、肘から手の甲に向かう方向がX軸方向であり、手の甲に垂直な方向がZ軸方向であり、X軸方向とZ軸方向とで一意に決まる平面に垂直な方向がY軸方向である。
【0021】
次に、ストップウオッチ100が使用者に装着されており、使用者はストップウオッチ100の表示部105を見ている場合でのX軸方向と、Y軸方向と、Z軸方向との向きについて説明する。図5は、本実施形態において、使用者がストップウオッチ100の表示部105を見ている場合でのX軸方向と、Y軸方向と、Z軸方向との向きを示した概略図である。図示するように、使用者は、ストップウオッチ100の表示部105を見る場合には腕を曲げている。そのため、Z軸方向は、地面に対して垂直の向き(Z軸方向が重力加速度方向と同じ向き)となる。すなわち、使用者が表示部105を見ている場合、表示部105の表示面が重力加速度方向と直交する姿勢となる。
【0022】
次に、使用者が表示部105を見ながら歩行または走行している際に、ストップウオッチ100の姿勢に応じて検出するX、Y、Z軸方向の移動平均加速度の大きさについて説明する。ストップウオッチ100の表示部105の向きによって、ストップウオッチ100の表示部105の向きによってX、Y、Z軸方向の移動平均加速度の大きさが異なる。従って、本実施形態ではX、Y、Z軸方向の移動平均加速度に基づいて表示部105が使用者の顔の方向(視野の方向)に向いているか否か、すなわち、使用者が表示部105を見ながら歩行または走行しているか否かを判定する。
【0023】
図6は、本実施形態において、使用者が歩行している際に、ストップウオッチ100の姿勢に応じて検出するX、Y、Z軸方向の加速度および移動平均加速度の大きさを示したグラフである。グラフ501は、X軸方向の加速度の大きさを示したグラフである。グラフ502は、Y軸方向の加速度の大きさを示したグラフである。グラフ503は、Z軸方向の加速度の大きさを示したグラフである。グラフ501〜503の横軸は時間であり、縦軸は各時間において検出した加速度[mG]の大きさである。また、線511は、X軸方向の加速度の大きさを示している。また、線512は、Y軸方向の加速度の大きさを示している。また、線513は、Z軸方向の加速度の大きさを示している。なお、グラフ501〜503に示したグラフは、サンプリング間隔が80msecであり、20Hzローパスフィルタを用いた場合における加速度センサ106〜108の出力値を示している。
【0024】
グラフ504は、X、Y、Z軸方向の移動平均加速度の大きさを示したグラフである。グラフ504の横軸は時間であり、縦軸は、直近15データの移動平均ある移動平均加速度[mG]の大きさである。また、線521はX軸方向の移動平均加速度Xの大きさを示しており、線522はY軸方向の移動平均加速度Yの大きさを示しており、線523はZ軸方向の移動平均加速度Zの大きさを示している。
【0025】
図6の区間A,C,E,Gは、Z軸方向が地面に対して水平の向き(Z軸方向が重力加速度方向と水平の向き)となる姿勢、すなわち、使用者が左腕にストップウオッチ100を装着し、腕を振りながら走行した場合において、ストップウオッチ100が検出する加速度および平均加速度を示している。図示する例では、区間A,C,E,Gにおいて、ストップウオッチ100は、X軸方向の移動平均加速度は300mG〜900mGであり、Y軸方向の移動平均加速度は−800mG〜−1100mGであり、Z軸方向の移動平均加速度は−200mG〜100mGであると検出する。
【0026】
図6の区間B,D,Fは、Z軸方向が地面に対して垂直の向き(Z軸方向が重力加速度方向と同じ向き)となる姿勢、すなわち、使用者が左腕にストップウオッチ100を装着し、表示部105を水平にした状態で走行した場合において、ストップウオッチ100が検出する加速度を示している。図示する例では、区間B,D,Fにおいて、ストップウオッチ100は、X軸方向の移動平均加速度は約0mGであり、Y軸方向の移動平均加速度は300mG〜700mGであり、Z軸方向の移動平均加速度は−800mG〜−1100mGであると検出する。
【0027】
上述したグラフより、使用者が腕を振りながら走行した場合と、使用者が表示部105を見ながら走行した場合とでは、Z軸方向の移動平均加速度が異なることが分かる。従って、本実施形態では、ストップウオッチ100のCPU102は、Z軸方向の移動平均加速度に基づいて、表示部105が使用者の顔の方向に向いているか否かを判定する。具体的には、ストップウオッチ100のCPU102は、Z軸方向の移動平均加速度が−800mG以下であると検出した場合、表示部105が使用者の顔の方向に向いていると判定し、それ以外の場合、表示部105が使用者の顔の方向に向いていないと判定する。
【0028】
なお、一般的に、使用者は、意図したタップ入力を行う場合、表示部105を見ながらストップウオッチ100を叩き、衝撃センサ200に衝撃を与える。また、ストップウオッチ100が他の物体にぶつかった場合など、使用者が意図していない衝撃が衝撃センサ200に与えられる場合には、使用者は表示部105を見ていない可能性が高い。従って、ストップウオッチ100は、表示部105が使用者の顔の方向に向いている際に、衝撃センサ200が衝撃を感知して信号を出力した場合、使用者が意図した入力であると判定し、タップ入力を受け付ける。また、ストップウオッチ100は、表示部105が使用者の顔の方向に向いていない際に、衝撃センサ200が衝撃を感知して信号を出力した場合、使用者が意図していない入力(誤入力)であると判定し、タップ入力を無効とする(タップ入力を受け付けない)。これにより、ストップウオッチ100は、使用者が意図していないタップ入力を受け付ける可能性(誤入力を受け付ける可能性)をより低減することができる。
【0029】
次に、ストップウオッチ100がタップ入力を受け付ける際の動作手順について説明する。図7は、本実施形態におけるストップウオッチ100がタップ入力を受け付ける際の動作手順を示したフローチャートである。なお、加速度センサ106〜108は、所定のサンプリング間隔(例えば80msec)でX軸方向と、Y軸方向と、Z軸方向の加速度をそれぞれ検出して出力している。また、記憶部110は、加速度センサ106〜108が出力したX軸方向と、Y軸方向と、Z軸方向の加速度をそれぞれ新たに出力した値から所定の個数(例えば、直近15個)の値を記憶している。また、衝撃センサ200は衝撃を受けた場合、信号を出力する。
【0030】
(ステップS101)CPU102は、衝撃センサ200が信号を出力したか否かを判定する。衝撃センサ200が信号を出力したとCPU102が判定した場合にはステップS102の処理に進み、それ以外の場合には再度ステップS101の処理を実行する。
【0031】
(ステップS102)CPU102は、加速度センサ108が出力し、記憶部110が記憶している所定の個数のZ軸方向の加速度を取得する。続いて、CPU102は、記憶部110から取得した所定の個数のZ軸方向の加速度の移動平均加速度を算出する。これにより、CPU102は、衝撃センサ200が信号を出力した際のZ軸方向の移動平均加速度を算出することができる。その後、ステップS103の処理に進む。
(ステップS103)CPU102は、ステップS102の処理で算出したZ軸方向の移動平均加速度は、所定の範囲(図6に示した例では、−800mG以下)であるか否かを判定する。Z軸方向の移動平均加速度は所定の範囲内の値であるとCPU102が判定した場合にはステップS104の処理に進み、それ以外の場合にはステップS105の処理に進む。なお、所定の範囲は、表示部105が使用者の顔の方向に向いている場合におけるZ軸方向の平均加速度が含まれ、かつ、表示部105が使用者の顔の方向に向いていない場合におけるZ軸方向の平均加速度が含まれない範囲であれば、どのような範囲でもよい。また、表示部105が使用者の顔の方向に向いているときに、使用者がタップ入力を行うためにストップウオッチ100を叩いた場合、叩いた瞬間にZ軸方向の移動平均加速度がさらに小さくなる(−800mG以下となる)ため、これを考慮して所定の範囲を設定してもよい。また、所定の範囲は、ストップウオッチ100の構成(例えば、加速度センサ106〜108の配置)によって異なるため、ストップウオッチ100の構成に応じて設定するのが望ましい。例えば、図6に示した例における加速度センサ108の向きを天地逆にして配置した場合、加速度センサ108が検出する加速度の正負も逆となるため、所定の範囲を+800mG以上と設定する。
【0032】
(ステップS104)CPU102は、ステップS101の処理で衝撃センサ200が出力した信号は、使用者が意図してタップ入力した信号であると判定し、タップ入力を受け付ける。その後、ステップS101の処理に戻る。
(ステップS105)CPU102は、ステップS101の処理で衝撃センサ200が出力した信号は、使用者が意図していない誤入力の信号であると判定し、タップ入力を無効とする。その後、ステップS101の処理に戻る。
【0033】
上述した通り、本実施形態によれば、ストップウオッチ100は、加速度センサ108の出力値に基づいて、衝撃センサ200が衝撃を受けた際(タップ入力された際)のストップウオッチ100の姿勢を判定する。そして、ストップウオッチ100は、衝撃センサ200が衝撃を受けた際に表示部105が使用者の顔の方向に向いている姿勢(所定の姿勢)であると判定した場合には、使用者が意図したタップ入力であると判定し、このタップ入力を有効とする。また、ストップウオッチ100は、衝撃センサ200が衝撃を受けた際に表示部105が使用者の顔の方向に向いている姿勢ではないと判定した場合には、使用者が意図していないタップ入力であると判定し、このタップ入力を無効とする。従って、ストップウオッチ100は、使用者が意図していない入力を受け付ける可能性をより低減することができる。
【0034】
なお、上述した実施形態におけるストップウオッチ100が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0035】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0036】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、上述した実施形態では、電子機器の例として、図1に示すような、腕時計型のストップウオッチ100を例に説明したが、これに限らず、使用者の腕に装着して使用する電子機器であればどのような電子機器でもよい。
【符号の説明】
【0037】
100・・・ストップウオッチ、101・・・発振部、102・・・CPU、103・・・入力部、104・・・表示制御部、105・・・表示部、106〜108・・・加速度センサ、109・・・ADコンバータ、110・・・記憶部、111・・・報音部、200・・・衝撃センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示面を有する表示部と、
前記表示面と直交する方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第1の信号を出力する加速度センサと、
衝撃を検知した場合、第2の信号を出力する衝撃センサと、
前記第1の信号に基づいて自装置の姿勢を判定する姿勢判定部と、
前記姿勢判定部が自装置の姿勢は所定の姿勢であると判定した場合には前記衝撃センサが出力する前記第2の信号を有効とし、それ以外の場合には前記衝撃センサが出力する前記第2の信号を無効とする入力判定部と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記所定の姿勢とは、前記表示面が重力加速度方向と直交する姿勢である
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
表示面を有する表示部と、
前記表示面と直交する方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第1の信号を出力する加速度センサと、
衝撃を検知した場合、第2の信号を出力する衝撃センサと、
前記第1の信号に基づいて自装置の姿勢を判定する姿勢判定部と、
前記姿勢判定部が自装置の姿勢は所定の姿勢であると判定した場合には前記衝撃センサが出力する前記第2の信号を有効とし、それ以外の場合には前記衝撃センサが出力する前記第2の信号を無効とする入力判定部と、
を備えることを特徴とするストップウオッチ。
【請求項4】
表示面と直交する方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第1の信号を出力する加速度検出ステップと、
衝撃を検知した場合、第2の信号を出力する衝撃検出ステップと、
前記第1の信号に基づいて自装置の姿勢を判定する姿勢判定ステップと、
前記姿勢判定ステップで自装置の姿勢は所定の姿勢であると判定した場合には前記衝撃検出ステップで出力する前記第2の信号を有効とし、それ以外の場合には前記衝撃検出ステップで出力する前記第2の信号を無効とする入力判定ステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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